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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023152351
(43)【公開日】2023-10-17
(54)【発明の名称】経路探索方法及び経路探索装置
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/36 20060101AFI20231010BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20231010BHJP
【FI】
G01C21/36
G08G1/16 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022062291
(22)【出願日】2022-04-04
(71)【出願人】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】507308902
【氏名又は名称】ルノー エス.ア.エス.
【氏名又は名称原語表記】RENAULT S.A.S.
【住所又は居所原語表記】122-122 bis, avenue du General Leclerc, 92100 Boulogne-Billancourt, France
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】堀畑 友希
(72)【発明者】
【氏名】高木 徹
【テーマコード(参考)】
2F129
5H181
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129BB03
2F129CC15
2F129CC16
2F129DD21
2F129DD34
2F129EE52
5H181AA01
5H181BB15
5H181FF22
5H181FF25
5H181FF32
5H181LL09
5H181MB02
(57)【要約】
【課題】車両が自動運転で走行できる自動運転区間を走行中に運転者が用件を中断せずに遂行することができる経路探索方法及び経路探索装置を提供する。
【解決手段】経路探索装置1は、車両又は車両の車室内から取得した情報に基づいて、用件の発生を検出し、検出した用件を運転者が遂行するために必要とする所要時間を推定する。経路探索装置1は、車両が所要時間以上を連続して自動運転で走行できる自動運転区間を含む車両の現在地から目的地までの走行経路を探索し、探索した経路を出力する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の運転者に発生した運転への注意力が散漫となる用件に基づいて、前記車両の走行経路を探索する経路探索装置の経路探索方法であって、
前記経路探索装置は、
前記車両又は前記車両の室内から取得した情報に基づいて、前記用件の発生を検出し、
検出した前記用件を前記運転者が遂行するために必要とする所要時間を推定し、
前記車両が前記所要時間以上を連続して自動運転で走行できる自動運転区間を含む前記車両の現在地から目的地までの走行経路を探索し、
探索した前記走行経路を出力する
経路探索方法。
【請求項2】
前記経路探索装置は、前記走行経路が複数存在する場合、複数の走行経路の中から自動運転を開始できる時刻が最も早い前記走行経路である第1走行経路を探索し、探索した前記第1走行経路を出力する
請求項1に記載の経路探索方法。
【請求項3】
前記経路探索装置は、前記車両又は前記車両の室内から取得した情報から前記車両の状態又は前記運転者の都合による前記走行経路に係る制約条件を検出した場合、前記制約条件を満たす前記走行経路である第2走行経路を探索し、探索した前記第2走行経路を出力する
請求項1に記載の経路探索方法。
【請求項4】
前記経路探索装置は、
前記車両が現在走行している現在地から前記自動運転区間が開始する前記走行経路である第3走行経路を探索した場合、前記現在地における道路状況に基づいて、前記第3走行経路への経路変更が可能であるか否かを判断し、
前記経路変更が不可能であると判断した場合、次の経路変更が可能な地点から前記第3走行経路に合流する合流経路を探索し、探索した合流経路を出力する
請求項1に記載の経路探索方法。
【請求項5】
前記経路探索装置は、前記運転者が前記用件についての通知の待機を許容できる許容時間を取得し、前記自動運転区間に進入するまでの時間が前記許容時間以内であると判断した場合、前記自動運転区間に進入するまで前記通知を禁止する
請求項1に記載の経路探索方法。
【請求項6】
前記経路探索装置は、前記目的地の候補が複数存在する場合、複数の目的地の候補の中から前記第2走行経路を走行して到着できる第1目的地を抽出し、抽出した前記第1目的地を出力する
請求項3に記載の経路探索方法。
【請求項7】
前記経路探索装置は、前記目的地の候補又は前記走行経路が複数存在する場合、最も短時間で到着できる、目的地と前記走行経路との組み合わせを出力する
請求項1に記載の経路探索方法。
【請求項8】
前記経路探索装置は、前記目的地の候補又は前記走行経路が複数存在する場合、最寄りの目的地と最も走行距離が短い前記走行経路との組合せを出力する
請求項1に記載の経路探索方法。
【請求項9】
前記経路探索装置は、前記車両が前記所要時間以上を連続して自動運転で走行できる自動運転区間を含む走行経路を探索できなかった場合、前記車両を停車させて前記用件を遂行することを推奨する旨の通知を出力する
請求項1に記載の経路探索方法。
【請求項10】
前記経路探索装置は、前記走行経路を前記車両に備わる表示部に出力する場合、前記所要時間以上を連続して自動運転で走行できる自動運転区間を強調して表示する
請求項1に記載の経路探索方法。
【請求項11】
前記経路探索装置は、前記走行経路を前記車両に備わる表示部に出力する場合、前記所要時間以上を連続して自動運転で走行できる自動運転区間の走行時間を表示する
請求項1に記載の経路探索方法。
【請求項12】
前記経路探索装置は、前記用件の遂行に前記運転者が前方から目を離すアイズオフが必要であるか否かを判断し、アイズオフが必要と判断した場合、アイズオフでの自動運転が可能な自動運転レベルで走行できる走行区間を前記自動運転区間として抽出する
請求項1に記載の経路探索方法。
【請求項13】
前記経路探索装置は、前記用件の遂行に前記アイズオフが必要であるか否かを判断し、前記アイズオフが不要と判断した場合、前記自動運転レベルに関わらず前記車両が自動運転で走行できる走行区間を前記自動運転区間として抽出する
請求項12に記載の経路探索方法。
【請求項14】
前記経路探索装置は、前記走行経路が複数存在する場合、複数の走行経路の中から最も高い自動運転レベルでの走行が可能な前記自動運転区間の走行時間が最も長い前記走行経路を第4走行経路として探索し、探索した前記第4走行経路を出力する
請求項12又は13に記載の経路探索方法。
【請求項15】
車両の運転者に発生した運転への注意力が散漫となる用件に基づいて、前記車両の走行経路を探索する経路探索装置であって、
前記車両が自動運転で走行できる自動運転区間を含む走行経路を記憶する記憶部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記車両又は前記車両の室内から取得した情報に基づいて、前記用件の発生を検出し、
検出した前記用件を前記運転者が遂行するために必要とする所要時間を推定し、
前記車両が前記所要時間以上を連続して自動運転で走行できる自動運転区間を含む前記車両の現在地から目的地までの走行経路を探索し
探索した前記走行経路を出力する
経路探索装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経路探索方法及び経路探索装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、運転者が運転中に携帯機器を使用することにより発生する交通事故を未然に防止する自動運転車が知られている(特許文献1)。特許文献1に記載された自動運転車は、携帯機器への着信、受信、運転者の携帯機器における通話動作、入力動作、閲覧操作等を検出したとき、運転者の運転操作に基づいた走行を行う手動運転モードから自律走行を行う自動運転モードへと強制的に切り替える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-117637号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、現在の自動運転技術では、走行中の道路が自動運転モードの作動条件を満たさない場合、自動運転モードを作動させることはできない。したがって、特許文献1に記載の自動運転車は、走行している道路が運転者の通話中に自動運転モードの作動条件を満たさない道路となる場合、運転者は通話を中断しなければならない。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、車両が自動運転で走行できる自動運転区間を走行中に運転者が用件を中断せずに遂行することができる経路探索方法及び経路探索装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る経路探索方法は、車両の運転者に発生した運転への注意力が散漫となる用件に基づいて、車両の走行経路を探索する経路探索装置の経路探索方法である。経路探索装置は、車両又は車両の車室内から取得した情報に基づいて、用件の発生を検出し、検出した用件を運転者が遂行するために必要とする所要時間を推定し、車両が所要時間以上を連続して自動運転で走行できる自動運転区間を含む車両の現在地から目的地までの走行経路を探索し、探索した経路を出力する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、車両が自動運転で走行できる自動運転区間を走行中に運転者が用件を中断せずに遂行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1実施形態に係る経路探索装置の構成図である。
図2図2は、第1実施形態に係る経路探索装置の処理を示すフローチャートである。
図3図3は、第2実施形態に係る経路探索装置の構成図である。
図4A図4Aは、第2実施形態に係る経路探索装置の処理を示すフローチャート(その1)である。
図4B図4Bは、第2実施形態に係る経路探索装置の処理を示すフローチャート(その2)である。
図5図5は、第3実施形態に係る経路探索装置の構成図である。
図6A図6Aは、第3実施形態に係る経路探索装置の処理を示すフローチャート(その1)である。
図6B図6Bは、第3実施形態に係る経路探索装置の処理を示すフローチャート(その2)である。
図7図7は、第4実施形態に係る経路探索装置の構成図である。
図8A図8Aは、第4実施形態に係る経路探索装置の処理を示すフローチャート(その1)である。
図8B図8Bは、第4実施形態に係る経路探索装置の処理を示すフローチャート(その2)である。
図9図9は、第5実施形態に係る経路探索装置の構成図である。
図10A図10Aは、第5実施形態に係る経路探索装置の処理を示すフローチャート(その1)である。
図10B図10Bは、第5実施形態に係る経路探索装置の処理を示すフローチャート(その2)である。
図11図11は、第6実施形態に係る経路探索装置の構成図である。
図12A図12Aは、第6実施形態に係る経路探索装置の処理の一例を示すフローチャート(その1)である。
図12B図12Bは、第6実施形態に係る経路探索装置の処理を示すフローチャート(その2)である。
図13A図13Aは、第6実施形態に係る経路探索装置の処理(第1変形例)を示すフローチャート(その1)である。
図13B図13Bは、第6実施形態に係る経路探索装置の処理(第1変形例)を示すフローチャート(その2)である。
図14A図14Aは、第6実施形態に係る経路探索装置の処理(第2変形例)を示すフローチャート(その1)である。
図14B図14Bは、第6実施形態に係る経路探索装置の処理(第2変形例)を示すフローチャート(その2)である。
図15図15は、第7実施形態に係る経路探索装置の構成図である。
図16A図16Aは、第7実施形態に係る経路探索装置の処理を示すフローチャート(その1)である。
図16B図16Bは、第7実施形態に係る経路探索装置の処理を示すフローチャート(その2)である。
図17図17は、車両が所要時間以上を連続して自動運転で走行できる自動運転区間を含む走行経路を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図面の記載において同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0010】
(第1実施形態)
[経路探索装置の構成]
図1を参照して、第1実施形態に係る経路探索装置1の構成例を説明する。経路探索装置1は、記憶部10と制御部20とを備える。経路探索装置1は、自動運転が可能な車両に搭載される。本実施形態における自動運転が可能な車両とは、SAE(アメリカ自動車技術会)によって定義された自動運転レベル2以上の自動運転が可能な車両を指す。なお、経路探索装置1は、データサーバなどを管理する管理センタに配置されてもよい。これにより、1つの経路探索装置が複数の車両の走行経路を探索することができる。
【0011】
記憶部10は、HDD(ハードディスクドライブ)及びSSD(ソリッドステートドライブ)を含む情報記憶装置で構成される。記憶部10は、車両が自動運転で走行できる自動運転区間を含む道路が登録された地図データを記憶する。具体的には、記憶部10は、車両のカーナビゲーション機能に用いられるSD(スタンダード)マップに自動運転区間を示す情報が追加された地図データを記憶する。なお、本実施形態における自動運転区間とは、車両が自動運転レベル2以上での自動運転が可能な走行区間である。自動運転レベル2とは、アクセルとブレーキ操作による車両の前後方向の制御と、ステアリング操作による車両の左右方向の制御との両方を車両が制御する自動運転のことを指す。そのため、地図データが示す自動運転区間は、車両に搭載されたセンサで走路境界線を検出でき、自動運転が対応できる走路幅を有する走行区間である。なお、地図データは、全車両共通である必要はなく、車両が対応する自動運転レベルに応じて自動運転区間を設定してもよい。また、自動運転区間は、対応する自動運転レベル毎に記憶されていてもよい。記憶部10が記憶する地図データはこれに限定されず、例えば高精度3次元地図データ(HDマップ)を記憶してもよい。
【0012】
制御部20は、CPU(中央演算装置)、RAM及びROMなどのメモリ(記憶部)、及び入出力部を備える汎用のサーバ又はマイクロコンピュータを含むコンピューティングデバイスである。コンピューティングデバイスには、経路探索装置1として機能させるためのコンピュータプログラムがインストールされている。コンピュータプログラムを実行することにより、コンピューティングデバイスは、経路探索装置1が備える複数の情報処理回路(21、22、23、24)として機能する。なお、本実施形態では、ソフトウェアによって経路探索装置1が備える複数の情報処理回路(21、22、23、24)を実現する例を示すが、各情報処理を実行するための専用のハードウェアを用意して、情報処理回路を構成することも可能である。また、複数の情報処理回路は、個別のハードウェアで構成されていてもよい。
【0013】
次に、制御部20が備える複数の情報処理回路について具体的に説明する。制御部20は、用件検出部21、所要時間推定部22、経路探索部23、通知制御部24を備える。
【0014】
用件検出部21は、車両又は車両の車室内から取得した情報に基づいて、用件の発生を検出する。具体的には、用件検出部21は、車両から情報を取得し、「車両の故障」を検出した場合、用件が発生したと判断する。用件検出部21は、車両に備わる複数のコントローラの各々が制御情報を送受信するための情報通信ラインであるCAN(Controller Area Network)バスラインに接続されている。用件検出部21は、各々のコントローラが故障を検出した際にCANバスラインに出力する故障コードを取得することで車両に発生した故障を検出する。車両に故障が発生した場合、メータ内のウォーニングランプが点灯し、メータに備わるモニタにはディーラで点検を受けるよう指示する旨の通知がなされる。この場合、車両の運転者は、車両に発生した故障を修理するため、ディーラ又は修理工場に点検の予約をしなければならない。そのため、運転者は、携帯する携帯端末又は携帯端末と同期した車両に備わるユーザインターフェイスの操作画面を操作し、通話又は予約画面への入力操作を行うことで点検の予約を行う。また、運転者は、予約したディーラ又は修理工場までの走行経路を取得するために、ナビゲーションシステムに目的地となるディーラ又は修理工場の住所を入力する。このような車両の故障への対応は、運転への集中力が散漫となる用件である。そのため、用件検出部21は、車両の故障を検出した場合、運転者に用件が発生したと判断する。
【0015】
用件検出部21は、車両に備わるインフォテイメントに係るユーザインターフェイスを制御する制御ユニットから情報を取得し、取得した情報に基づいて用件の発生を検出する。具体的には、用件検出部21は、制御ユニットから情報を取得し、取得した情報からユーザインターフェイスにおける所定の操作を検出した場合、用件が発生したと判断する。所定の操作とは、例えば「ナビゲーションシステムの操作」、「動画再生機器の操作」、「携帯端末の操作」又は「オペレータサービスを利用する操作」である。ユーザインターフェイスは、車両の燃料消費率又は電力消費率、航続可能距離などの車両情報、及び娯楽に関する画像又は動画を表示する表示画面(表示部)、エアコン、ナビゲーションシステム、オーディオ、動画再生機器を操作する操作画面、並びに音声コントロール機能を有している。また、ユーザインターフェイスは、携帯端末と同期する同期機能を有しており、運転者は、ユーザインターフェイスを介して携帯端末を遠隔操作することができる。
【0016】
運転者は、操作画面又は音声コントロール機能を操作することで、動画及び音楽の視聴、携帯端末における発着信操作、通話、メールの確認を行うことができる。また、車両がコネクテッドサービスに加入している場合、運転者はオペレータサービスを利用することができ、運転者はユーザインターフェイスを介してオペレータとの対話形式による目的地の検索又は目的地のナビゲーションシステムへの設定操作を依頼することができる。このようなユーザインターフェイスにおける所定の操作、及びユーザインターフェイスを介した通話又はオペレータサービスの利用は、運転への集中力が散漫となる用件である。したがって、用件検出部21は、ユーザインターフェイスにおける所定の操作を検出した場合、運転者に用件が発生したと判断する。なお、用件の検出方法は、インターフェイスにおける所定の操作を検出した場合に限定されず、例えば、上記の検出方法に加え、ユーザインターフェイスが同期している携帯端末の着信を検出した場合でもよい。
【0017】
用件検出部21は、車両の車室内の様子を監視するカメラが取得した画像を取得し、取得した画像に基づいて、用件の発生を検出する。具体的には、用件検出部21は、車室内の様子を監視するカメラから画像を所定の周期で連続的に取得し、取得した画像から運転者の所定の操作を検出した場合、運転者に用件が発生したと判断する。運転者の所定の操作とは、例えば「携帯端末の操作」又は「ユーザインターフェイスの操作」である。用件検出部21は、既知の画像解析技術を用いることで取得した画像から運転者の所定の操作を検出することができる。用件検出部21は、車室内の様子を監視するカメラとして、ドライバモニタシステムに備わるカメラを用いることができる。なお、用件検出部21が、カメラから取得した画像に基づいて用件を検出する方法は、これに限定されない。例えば、運転者の「読書」、「飲食」、「ユーザインターフェイスを所定時間以上注視する動作」を検出した場合に用件が発生したと判断してもよい。また、用件検出部21が、用件の発生を検出する方法は上記の方法に限定されない。例えば、用件検出部21は、車両から取得した情報に基づいて検出したユーザインターフェイスの操作に関する情報と、車室内から取得した情報に基づいて検出した運転者の操作に関する情報との両方を組み合わせて運転者の操作を判断し、用件の発生を検出してもよい。
【0018】
用件検出部21は、用件が発生したと判断した場合、用件が発生したことを通知するフラグ及び用件を示す情報を出力する。出力する用件は、「車両点検の予約」、「ナビゲーションシステムの操作」、「動画の視聴」、「携帯端末の操作」、「オペレータサービスの利用」の何れかである。なお、用件検出部21は、車両の故障を検出した場合、用件は「車両点検の予約」であると判断する。その他の用件「ナビゲーションシステムの操作」、「動画の視聴」、「携帯端末の操作」、「オペレータサービスの利用」は、用件が検出された際のユーザインターフェイスにおける所定の操作、又はカメラから取得した画像に基づいて判断した運転者の操作である。
【0019】
所要時間推定部22は、用件検出部21によって検出された用件を運転者が遂行するために必要とする所要時間を推定する。具体的には、所要時間推定部22は、用件検出部21から用件を取得し、取得した用件に基づいて所要時間を推定する。所要時間推定部22は、例えば、以下のような方法で所要時間を推定することができる。所要時間推定部22は、用件が「車両点検の予約」である場合、予め記憶された車両点検の予約に要する時間から「車両点検の予約」にかかる所要時間を推定する。所要時間推定部22は、用件が「ナビゲーションシステムの操作」である場合、運転者が過去にナビゲーションシステムの操作に要した時間から「ナビゲーションシステムの操作」にかかる所要時間を推定する。所要時間推定部22は、用件が「動画の視聴」である場合、視聴する動画の再生時間を取得し、「動画の視聴」にかかる所要時間を推定する。所要時間推定部22は、用件が「携帯端末の操作」である場合、運転者の過去の携帯端末の操作時間及び通話時間に基づいて「携帯端末の操作」にかかる所要時間を推定する。また、所要時間推定部22は、用件が「オペレータサービスの利用」である場合、運転者の過去のオペレータへの依頼内容から今回の依頼内容を推定し、推定した依頼内容に基づいて、「オペレータサービスの利用」にかかる所要時間を推定する。所要時間推定部22は、推定した所要時間を出力する。
【0020】
経路探索部23は、所要時間推定部22から運転者が用件を遂行するために必要となる所要時間を取得し、車両が所要時間以上を連続して自動運転で走行できる自動運転区間を含む車両の現在地から目的地までの走行経路を探索する。なお、経路探索部23は、目的地の変更が用件の発生前後で変更されておらず、所要時間以上連続して自動運転で走行できる自動運転区間を含む走行経路が既に設定されている場合、走行経路の探索を行う必要はない。経路探索部23は、走行経路を探索する場合、記憶部10から地図データを取得し、ナビゲーションシステムから車両の現在地と目的地を取得する。そして、経路探索部23は、現在地から目的地に続く道路、及び各々の道路に関連付けて記憶されている自動運転区間を地図データから抽出し、車両が所要時間以上連続して自動運転で走行できる自動運転区間を含む車両の走行経路を探索する。なお、経路探索部23は、車両が所要時間以上を連続して自動運転で走行できる自動運転区間を含む走行経路を探索できなかった場合、自動運転区間の走行時間が最長となる現在地から目的地までの走行経路を探索する。
【0021】
経路探索部23は、探索した走行経路をユーザインターフェイスの表示画面に出力する。なお、ユーザインターフェイスには、ナビゲーションシステムに設定されている走行経路、及び車両の現在地が表示される。経路探索部23は、車両が所要時間以上連続して自動運転で走行できる自動運転区間を含む走行経路を表示画面に出力する場合、所要時間以上を連続して自動運転で走行できる自動運転区間を強調して表示する。また、経路探索部23は、所要時間以上を連続して自動運転で走行できる自動運転区間の走行時間を表示する。車両が所要時間以上連続して自動運転で走行できる自動運転区間を含む走行経路が表示画面に表示された時の状態を図17に示す。図17において、Sは現在地、Gは目的地を示し、Hは車両が所要時間以上連続して自動運転で走行できる自動運転区間を示しており、強調して表示されている。また、自動運転区間(Hの区間)の走行時間は20分と表示されている。なお、経路探索部23は、所要時間以上連続して自動運転で走行できる自動運転区間を含む走行経路を探索できなかった場合、走行時間が最長となる自動運転区間を強調して表示してもよく、自動運転区間の走行時間を表示してもよい。経路探索部23は、ユーザインターフェイスに出力した走行経路が選択された場合、選択された走行経路をナビゲーションシステムに出力する。経路探索部23は、選択された走行経路をナビゲーションシステムに出力することで、ナビゲーションシステムは走行経路を設定することができ、自動運転システムは、設定された走行経路における自動運転区間を自動運転で走行することが可能となる。なお、経路探索部23は、探索した走行経路を自動運転システムに直接出力してもよい。
【0022】
通知制御部24は、用件検出部21によって用件の発生が検出された場合、ユーザインターフェイスに「用件を中断せずに遂行可能な自動運転区間を含む走行経路を探索中である旨の通知」及び「車両が用件を遂行可能な自動運転区間に到達するまで用件の処理を待つ旨の通知」を出力する。また、通知制御部24は、車両が自動運転区間に進入したことを確認した場合、「用件を実施可能である旨の通知」を出力する。なお、通知制御部24は、経路探索部23によって車両が所要時間以上を連続して自動運転で走行できる自動運転区間を探索できなかった場合、「車両を停車させて用件を遂行することを推奨する旨の通知」を出力する。通知制御部24は、車両が自動運転区間に進入するまで、ユーザインターフェイスに用件に関する表示又は通知を禁止する信号を出力し、用件を遂行可能な自動運転区間に進入した時点でユーザインターフェイスに用件に関する表示又は通知を許可する信号を出力する。
【0023】
[経路探索方法]
次に、図2を参照して、図1に示す経路探索装置1が、走行経路を探索し、発生した用件に関する内容をユーザインターフェイスに表示させるまでの処理の一例を説明する。なお、経路探索装置1は、車両のアクセサリスイッチがONにて起動し、アクセサリスイッチがOFFとなると同時に処理を終了する。
【0024】
ステップS10において、用件検出部21は、車両又は車両の車室内から取得した情報に基づいて、用件の発生を検出する。具体的には、用件検出部21は、各々のコントローラが故障を検出した際にCANバスラインに出力する故障コードを取得することで車両の故障を検出する。用件検出部21は、車両の故障を検出した場合、用件が発生したと判断する。また、用件検出部21は、車両に備わるインフォテイメントに係るユーザインターフェイスを制御する制御ユニットから情報を取得し、ユーザインターフェイスにおける所定の操作を検出した場合、用件が発生したと判断する。所定の操作とは、例えば「ナビゲーションシステムの操作」、「動画再生機器の操作」、「携帯端末の遠隔操作」又は「オペレータサービスを利用する操作」である。また、用件検出部21は、車室内の様子を監視するカメラから画像を所定の周期で連続的に取得し、取得した画像から運転者の所定の操作を検出した場合、運転者に用件が発生したと判断する。運転者の所定の操作とは、例えば「携帯端末の操作」又は「ユーザインターフェイスの操作」である。
【0025】
ステップS10において、用件検出部21は、用件が発生したと判断した場合、用件が発生したことを通知するフラグ及び用件を示す情報を出力する。出力する用件は、「車両点検の予約」、「ナビゲーションシステムの操作」、「動画の視聴」、「携帯端末の操作」、「オペレータサービスの利用」の何れかである。なお、用件検出部21は、車両の故障を検出した場合、用件は「車両点検の予約」であると判断する。その他の用件「ナビゲーションシステムの操作」、「動画の視聴」、「携帯端末の操作」、「オペレータサービスの利用」は、用件が検出された際のインターフェイスにおける所定の操作、又は車室内を撮像するカメラが取得した画像に基づいて判断された運転者の操作である。また、通知制御部24は、用件が発生したと判断した場合、ユーザインターフェイスに「用件を中断せずに遂行可能な自動運転区間を含む走行経路を探索中である旨の通知」及び「車両が用件を遂行可能な自動運転区間に到達するまで用件の処理を待つことを推奨する旨の通知」を出力する。
【0026】
用件が検出された場合(ステップS20でYES)、処理はステップS30に進む。用件が検出されなかった場合(ステップS20でNO)、処理は終了する。ステップS30において、所要時間推定部22は、用件検出部21によって検出された用件を運転者が遂行するために必要とする所要時間を推定し、推定した所要時間を出力する。
【0027】
具体的には、ステップS30において、所要時間推定部22は、用件検出部21から取得した用件に基づいて、所要時間を推定する。所要時間推定部22は、用件が「車両点検の予約」である場合、予め記憶された車両点検の予約に要する時間から「車両点検の予約」にかかる所要時間を推定する。所要時間推定部22は、用件が「ナビゲーションシステムの操作」である場合、運転者が過去にナビゲーションシステムの操作に要した時間から「ナビゲーションシステムの操作」にかかる所要時間を推定する。所要時間推定部22は、用件が「動画の視聴」である場合、視聴する動画の再生時間を取得し、「動画の視聴」にかかる所要時間を推定する。所要時間推定部22は、用件が「携帯端末の操作」である場合、運転者の過去の携帯端末の操作時間及び通話時間に基づいて「携帯端末の操作」にかかる所要時間を推定する。また、所要時間推定部22は、用件が「オペレータサービスの利用」である場合、運転者の過去のオペレータへの依頼内容から今回の依頼内容を推定し、推定した依頼内容に基づいて、「オペレータサービスの利用」にかかる所要時間を推定する。所要時間推定部22は、推定した所要時間を出力する。
【0028】
処理はステップS40に進み、経路探索部23は、所要時間推定部22から運転者が用件を遂行するために必要となる所要時間を取得し、車両が所要時間以上を連続して自動運転で走行できる自動運転区間を含む車両の現在地から目的地までの走行経路を探索する。なお、経路探索部23は、目的地の変更が用件の発生前後で変更されておらず、所要時間以上連続して自動運転で走行できる自動運転区間を通る走行経路が既に設定されている場合、走行経路の探索を行う必要はない。経路探索部23は、走行経路を探索する場合、記憶部10から地図データを取得し、ナビゲーションシステムから車両の現在地と目的地を取得する。そして、経路探索部23は、現在地から目的地に続く道路、及び各々の道路に関連付けて記憶されている自動運転区間を地図データから抽出し、車両が所要時間以上連続して自動運転で走行できる自動運転区間を含む車両の現在地から目的地までの走行経路を探索する。
【0029】
車両が所要時間以上連続して自動運転で走行できる自動運転区間を含む走行経路が探索できた場合(ステップS50でYES)、処理はステップS60に進む。車両が所要時間以上連続して自動運転で走行できる自動運転区間を含む走行経路が探索できなかった場合(ステップS50でNO)、処理はステップS110に進む。
【0030】
ステップS60において、経路探索部23は、車両が所要時間以上連続して自動運転で走行できる自動運転区間を含む走行経路をユーザインターフェイスに出力する。なお、経路探索部23は、探索した走行経路をユーザインターフェイスに出力するにあたり、所要時間以上を連続して自動運転で走行できる自動運転区間を強調して表示する。また、経路探索部23は、所要時間以上を連続して自動運転で走行できる自動運転区間の走行時間を表示する。ステップS110において、経路探索部23は、車両が自動運転で走行できる自動運転区間の走行時間が最長となる走行経路を探索する。処理はステップS61に進み、経路探索部23は、車両が自動運転で走行できる自動運転区間の走行時間が最長となる走行経路をユーザインターフェイスに出力する。処理はステップS120に進み、通知制御部24は、「車両を停車させて用件を遂行することを推奨する旨の通知」を出力する。
【0031】
処理はステップS70に進み、経路探索部23は、走行経路が選択されたか否かを判断し、走行経路が選択された場合(ステップS70でYES)、処理はステップS80に進む。走行経路が選択されていない場合(ステップS70でNO)、走行経路が選択されるまで処理はステップS70に滞留する。なお、一定時間以上走行経路が選択されなかった場合、処理は終了してもよい。ステップS80において、経路探索部23は、選択された走行経路をナビゲーションシステムに出力する。なお、選択された走行経路は、車両のナビゲーションシステムに加え、自動運転システムに出力してもよい。
【0032】
処理はステップS90に進み、通知制御部24は、ナビゲーションシステムから取得した車両の現在地に基づいて、車両が所要時間以上を連続して自動運転で走行できる自動運転区間に進入したか否かを判断する。通知制御部24は、車両が自動運転区間に進入したと判断した場合(ステップS90でYES)、処理はステップS100に進む。通知制御部24は、車両が自動運転区間に進入していないと判断した場合(ステップS90でNO)、処理はステップS130に進む。ステップS130において、経路探索部23は、表示画面に車両の現在地から自動運転区間の開始地点までの走行経路を出力する。処理はステップS140に進み、通知制御部24は、ユーザインターフェイスに用件に関する表示又は通知を禁止する信号を出力する。ステップS100において、通知制御部24は、ユーザインターフェイスに「用件を実施可能である旨の通知」、及び用件に関する具体的な表示又は通知を許可する信号を出力する。
【0033】
[作用効果]
以上、説明したように、第1実施形態によれば以下作用効果が得られる。
【0034】
経路探索装置1は、車両又は車両の車室内から取得した情報に基づいて、用件の発生を検出し、検出した用件を運転者が遂行するために必要とする所要時間を推定する。経路探索装置は、車両が所要時間以上を連続して自動運転で走行できる自動運転区間を含む車両の現在地から目的地までの走行経路を探索し、探索した走行経路を出力する。これにより、運転者は、車両が自動運転区間を走行中に用件を中断せずに遂行することができる。
【0035】
経路探索装置1は、車両が所要時間以上を連続して自動運転で走行できる自動運転区間を含む走行経路を探索できなかった場合、車両を停車させて用件を遂行することを推奨する旨の通知を出力する。これにより、運転者は、車両が自動運転区間を走行中に用件を中断しなければならない可能性があることを認識することができ、車両を停車させて用件を遂行することを選択することができる。すなわち、運転者の注意力が散漫となる状態での運転を防止することができ、運転者の安全を守ることができる。
【0036】
経路探索装置1は、走行経路を車両に備わる表示部に出力する場合、所要時間以上を連続して自動運転で走行できる自動運転区間を強調して表示する。これにより、運転者は、走行経路における自動運転区間の位置を把握することができ、現在地と自動運転区間との位置関係を把握することができる。したがって、運転者は、用件の処理を開始できるタイミングを認識することができる。
【0037】
経路探索装置1は、走行経路を車両の備わる表示部に出力する場合、所要時間以上を連続して自動運転で走行できる自動運転区間の走行時間を表示する。これにより、運転者は、自動運転区間の走行時間を認識することができ、用件の遂行にかけることができる時間を把握することができる。したがって、運転者は、用件にかける時間を調整して、車両が自動運転区間を走行中に用件を遂行させることができる。
【0038】
(第2実施形態)
[経路探索装置の構成]
図3を参照して、第2実施形態に係る経路探索装置1の構成例を説明する。なお、第2実施形態に係る経路探索装置1は、第1実施形態に対して、経路選択部25をさらに備える点で異なるが、その他の構成は共通する。よって、相違点についてのみ説明し、他の共通する部分についての説明は省略する。
【0039】
経路選択部25は、車両が所要時間以上を連続して自動運転で走行できる自動運転区間を含む走行経路が複数存在する場合、複数の走行経路の中から自動運転を開始できる時刻が最も早い走行経路である第1走行経路を探索し、探索した第1走行経路を出力する。具体的には、経路選択部25は、経路探索部23から出力された走行経路を取得し、所要時間以上を連続して自動運転で走行できる自動運転区間を含む走行経路が複数存在するか否かを判断する。経路選択部25は、走行経路が複数存在すると判断した場合、カーナビゲーションシステムからそれぞれの走行経路における、現在地から自動運転区間までの渋滞情報及び走行距離を取得する。経路選択部25は、取得したそれぞれの走行経路における現在地から自動運転区間までの渋滞情報及び走行距離に基づいて、複数の走行経路の中から自動運転を開始できる時刻が最も早い走行経路である第1走行経路を探索する。経路選択部25は、探索した第1走行経路をユーザインターフェイスの表示画面に出力する。経路選択部25は、第1走行経路を表示画面に表示する場合、所要時間以上を連続して自動運転で走行できる自動運転区間を強調して表示する。また、経路選択部25は、所要時間以上を連続して自動運転で走行できる自動運転区間の走行時間を表示する。
【0040】
[経路探索方法]
次に、図4A及び図4Bを参照して、図3に示す経路探索装置1の処理の一例を説明する。なお、図4A及び図4Bに示す経路探索装置1の処理は、図2に示す経路探索装置1の処理に対して、ステップS51~ステップS53の処理をさらに備える点で異なり、その他の処理は共通する。よって、相違点についてのみ説明し、他の共通する部分についての説明は省略する。
【0041】
ステップS51において、経路選択部25は、経路探索部23から出力された走行経路を取得し、所要時間以上を連続して自動運転で走行できる自動運転区間を含む走行経路が複数存在するか否かを判断する。経路選択部25は、走行経路が複数存在すると判断した場合(ステップS51でYES)、処理はステップS52に進む。経路選択部25は、走行経路が複数存在しないと判断した場合(ステップS51でNO)、処理はステップS60に進む。ステップS52において、経路選択部25は、カーナビゲーションシステムからそれぞれの走行経路における現在地から自動運転区間までの渋滞情報及び走行距離を取得する。そして、経路選択部25は、取得したそれぞれの走行経路における現在地から自動運転区間までの渋滞情報及び走行距離に基づいて、複数の走行経路の中から自動運転を開始できる時刻が最も早い走行経路である第1走行経路を探索する。処理はステップS53に進み、経路選択部25は、探索した第1走行経路をユーザインターフェイスの表示画面に出力する。なお、経路選択部25は、第1走行経路を表示画面に表示する場合、所要時間以上を連続して自動運転で走行できる自動運転区間を強調して表示する。また、経路選択部25は、所要時間以上を連続して自動運転で走行できる自動運転区間の走行時間を表示する。
【0042】
[作用効果]
以上、説明したように、第2実施形態によれば、第1実施形態での作用効果に加えて以下作用効果が得られる。経路探索装置1は、車両が所要時間以上を連続して自動運転で走行できる自動運転区間を含む車両の現在地から目的地までの走行経路が複数存在する場合、複数の走行経路の中から自動運転を開始できる時刻が最も早い走行経路である第1走行経路を探索し、探索した前記第1走行経路を出力する。これにより、運転者は発生した用件の処理をより早く開始することができる。
【0043】
(第3実施形態)
[経路探索装置の構成]
図5を参照して、第3実施形態に係る経路探索装置1の構成例を説明する。なお、第3実施形態に係る経路探索装置1は、第2実施形態に対して、制約条件検出部26をさらに備える点で異なるが、その他の構成は共通する。よって、相違点についてのみ説明し、他の共通する部分についての説明は省略する。
【0044】
制約条件検出部26は、車両又は車両の室内から取得した情報から車両の状態又は運転者の都合による走行経路に係る制約条件を検出し、検出した制約条件を経路探索部23に出力する。具体的には、制約条件検出部26は、車両のCANバスラインから車両の航続可能距離、故障が発生するまでの走行距離、及び故障コードを取得する。そして、制約条件検出部26は、取得したDTCコードに基づいて、故障による制約条件を取得する。故障による制約条件とは、例えば、道路の勾配が所定勾配以下、又は道路の最低速度が所定車速未満である。故障によりエンジン又は駆動モータに出力制限がかけられている場合、車両は所定勾配以上の勾配を有する道路を登坂できない場合がある。また、道路に最低速度が設定されている場合、車両は最低車速以上の速度で走行できない場合がある。そのため、制約条件検出部26は、故障コードに基づいて故障による制約条件を取得する。所定勾配及び所定速度は、出力制限の度合いに基づいて決定することができる。
【0045】
制約条件検出部26は、携帯端末と同期したユーザインターフェイスから運転者のスケジュールが記憶されたスケジュールファイルを取得し、運転者の予約時刻を検出する。携帯端末には、運転者のスケジュールが記憶されている場合がある。そのため、制約条件検出部26は、携帯端末と同期したユーザインターフェイスを介して携帯端末に保存されたスケジュールファイルを取得することで、例えば、友人との待ち合わせ時刻、病院、美容院などの予約時刻、会議の開始時刻などの運転者の予約時刻を取得することができる。なお、経路探索装置1は、携帯機器と接続する送受信機を備える構成とし、携帯機器に保存されたスケジュールファイルを直接取得してもよい。制約条件検出部26は、走行経路に係る制約条件となる「車両の航続可能距離」、「故障が発生するまでの走行距離」、「故障による制約条件」、「運転者の予約時刻」を経路探索部23に出力する。
【0046】
[経路探索方法]
次に、図6A及び図6Bを参照して、図5に示す経路探索装置1の処理の一例を説明する。なお、第3実施形態に係る経路探索装置1の処理は、図4A及び図4Bに示す経路探索装置1の処理に対して、ステップS31及びステップS41の処理をさらに備え、ステップS50及びステップS51に変えて、ステップS54及びステップS55の処理を備える点で異なるが、その他の処理は共通する。よって、相違点についてのみ説明し、他の共通する部分についての説明は省略する。
【0047】
ステップS31において、車両又は車両の室内から取得した情報から車両の状態又は運転者の都合による走行経路に係る制約条件を検出し、検出した制約条件を経路探索部23に出力する。具体的には、制約条件検出部26は、車両のCANバスラインから、車両の航続可能距離、故障が発生するまでの走行距離、及び故障コードを取得する。そして、制約条件検出部26は、取得したDTCコードに基づいて、故障による制約条件を取得する。故障による制約条件とは、例えば、道路の勾配が所定勾配以下、又は道路の最低速度が所定車速未満である。また、制約条件検出部26は、携帯端末と同期したユーザインターフェイスから運転者のスケジュールが記憶されたスケジュールファイルを取得し、運転者の予約時刻を検出する。運転者の予定時刻とは、例えば、運転者の友人との待ち合わせ時刻、病院、美容院などの予約時刻、会議の開始時刻である。制約条件検出部26は、走行経路に係る制約条件となる「車両の航続可能距離」、「故障が発生するまでの走行距離」、「故障による制約条件」、「運転者の予約時刻」を経路探索部23に出力する。
【0048】
ステップS41において、経路探索部23は、車両が所要時間以上連続して自動運転で走行できる自動運転区間を含む走行経路の中から、制約条件を満たす第2走行経路を抽出する。具体的には、経路探索部23は、探索した走行経路の中から、現在地から目的地までの走行距離が、「車両の航続可能距離」未満、かつ「故障が発生するまでの走行距離」未満であり、目的までの走行経路が「故障による制約条件」を満たし、目的地への到着時刻が「運転者の予約時刻」よりも早い走行経路を抽出する。
【0049】
車両が所要時間以上連続して自動運転で走行できる自動運転区間を含む走行経路の中から、制約条件を満たす第2走行経路を抽出された場合(ステップS54でYES)、処理はステップS55に進む。制約条件を満たす第2走行経路を抽出できなかった場合(ステップS54でNO)、処理はステップS110に進む。ステップS55において、経路選択部25は、経路探索部23から出力された第2走行経路を取得し、所要時間以上を連続して自動運転で走行できる自動運転区間を含む走行経路が複数存在するか否かを判断する。経路選択部25は、第2走行経路が複数存在すると判断した場合(ステップS55でYES)、処理はステップS52に進む。経路選択部25は、走行経路が複数存在しないと判断した場合(ステップS55でNO)、処理はステップS60に進む。
【0050】
以上、図6A及び図6Bを参照して、図5に示す経路探索装置1の処理の一例を説明したが、経路探索装置1の処理はこれに限定されない。例えば、経路探索装置1は、ステップS55、ステップS52、ステップS53の処理を行わず、ステップS54の処理の後にステップS60の処理を行ってもよい。
【0051】
[作用効果]
以上、説明したように、第3実施形態によれば、第2実施形態での作用効果に加えて以下作用効果が得られる。経路探索装置1は、車両又は車両の室内から取得した情報から車両の状態又は運転者の都合による走行経路に係る制約条件を検出した場合、制約条件を満たす走行経路である第2走行経路を探索し、探索した第2走行経路を出力する。これにより、車両の故障、燃料切れ又は充電切れが原因で引き起こされる車両の停車、並びに運転者の予定時刻への遅刻を防止することができる。
【0052】
(第4実施形態)
[経路探索装置の構成]
図7を参照して、第4実施形態に係る経路探索装置1の構成例を説明する。なお、第4実施形態に係る経路探索装置1は、第3実施形態に対して、道路状況取得部27をさらに備える点で異なるが、その他の構成は共通する。よって、相違点についてのみ説明し、他の共通する部分についての説明は省略する。
【0053】
道路状況取得部27は、経路探索部23によって車両が現在走行している現在地から自動運転区間が開始する走行経路である第3走行経路が探索された場合、現在地における道路状況に基づいて、第3走行経路への経路変更が可能であるか否かを判断する。道路状況取得部27は、第3走行経路への経路変更が不可能であると判断した場合、次の経路変更が可能な地点から第3走行経路に合流する合流経路を探索するよう指示する信号を経路探索部23に出力する。
【0054】
具体的には、道路状況取得部27は、現在地における道路状況を取得する。現在地における道路状況とは、第3走行経路へ進入する走路と車両との位置関係、及び他車両と自車両との位置関係である。道路状況取得部27は、車両の自動運転システムのカメラを用いることで、現在地における道路状況を取得することができる。そして、道路状況取得部27は、第3走行経路へ進入する走路と車両との位置関係、及び他車両と自車両との位置関係に基づいて、車両が第3走行経路への経路変更が可能であるか否かを判断する。より詳細には、道路状況取得部27は、第3走行経路に進入する走路に対して車両が2車線以上離れた走路を走行し、かつ、車両の現在地から第3走行経路へ進入する走路に車線変更できる地点までの距離が所定距離未満である場合、第3走行経路への経路変更は不可能であると判断する。また、道路状況取得部27は、第3走行経路に進入する走路が反対車線にあり、車両を交差点内で転回させる必要がある場合、第3走行経路への経路変更は不可能であると判断する。また、道路状況取得部27は、第3走行経路へ進入する走路へ自車両が車線変更する際に他車両を回避する必要がある場合、他車両を回避しながら車線変更を行った際に、自車両の加速度が所定加速度以上となる場合、第3走行経路への経路変更は不可能であると判断する。なお、車線変更する際の加速度の判定は、他車両の加速度であってもよい。道路状況取得部27は、上記何れの条件にも該当しない場合、車両は第3走行経路への経路変更が可能であると判断する。
【0055】
[経路探索方法]
次に、図8A及び図8Bを参照して、図7に示す経路探索装置1の処理の一例を説明する。なお、第4実施形態に係る経路探索装置1の処理は、図6A及び図6Bに示す経路探索装置1の処理に対して、ステップS151~S156の処理をさらに備える点で異なるが、その他の処理は共通する。よって、相違点についてのみ説明し、他の共通する部分についての説明は省略する。
【0056】
ステップS151において、道路状況取得部27は、車両が現在走行している現在地から自動運転区間が開始する走行経路である第3走行経路が探索されたか否かを判断する。道路状況取得部27は、第3走行経路が探索されたと判断した場合(ステップS151でYES)、処理はステップS152に進む。道路状況取得部27は、第3走行経路が探索されていないと判断した場合(ステップS151でNO)、処理はステップS53に進む。ステップS152において、道路状況取得部27は、現在地における道路状況を取得する。現在地における道路状況とは、第3走行経路へ進入する走路と車両との位置関係、及び他車両と自車両との位置関係である。
【0057】
ステップS153に進み、道路状況取得部27は、第3走行経路へ進入する走路と車両との位置関係、及び他車両と自車両との位置関係に基づいて、車両が第3走行経路への経路変更が可能であるか否かを判断する。より詳細には、道路状況取得部27は、第3走行経路に進入する走路に対して車両が2車線以上離れた走路を走行し、かつ、車両の現在地から第3走行経路へ進入する走路に車線変更できる地点までの距離が所定距離未満である場合、第3走行経路への経路変更は不可能であると判断する。また、道路状況取得部27は、第3走行経路に進入する走路が反対車線にあり、車両を交差点内で転回させる必要がある場合、第3走行経路への経路変更は不可能であると判断する。また、道路状況取得部27は、第3走行経路へ進入する走路へ自車両が車線変更する際に他車両を回避する必要がある場合、他車両を回避しながら車線変更を行った際に、自車両の加速度が所定加速度以上となる場合、第3走行経路への経路変更は不可能であると判断する。なお、車線変更する際の加速度の判定は、他車両の加速度であってもよい。道路状況取得部27は、上記何れの条件にも該当しない場合、車両は、第3走行経路への経路変更が可能であると判断する。道路状況取得部27は、車両が第3走行経路への経路変更が可能であると判断した場合(ステップS153でYES)、処理はステップS154に進む。道路状況取得部27は、車両が第3走行経路への経路変更が不可能であると判断した場合(ステップS153でNO)、処理はステップS155に進む。
【0058】
ステップS154において、経路選択部25は、第3走行経路を表示画面に出力する。ステップS155において、道路状況取得部27は、次の経路変更が可能な地点から第3走行経路に合流する合流経路を探索するよう指示する信号を経路探索部23に出力する。ステップS155において、経路探索部23は、次の経路変更が可能な地点から第3走行経路に合流する合流経路を探索する。処理はステップS156に進み、経路探索部23は、第3走行経路に合流する合流経路を表示画面に出力する。
【0059】
以上、図8A及び図8Bを参照して、図7に示す経路探索装置1の処理の一例を説明したが、経路探索装置1の処理はこれに限定されない。例えば、経路探索装置1は、ステップS31、ステップS41、ステップS54、ステップS55、ステップS52、ステップS60の処理を行わなくてもよい。この場合、経路探索装置1は、ステップS40の後にステップS50の処理を行い、ステップS50でYESの場合、ステップS151からステップS156の処理を行い、ステップS50でNOの場合、ステップS110、ステップS61、ステップS120の処理を行ってもよい。
【0060】
[作用効果]
以上、説明したように、第4実施形態によれば、第3実施形態での作用効果に加えて以下作用効果が得られる。経路探索装置1は、車両が現在走行している現在地から自動運転区間が開始する走行経路である第3走行経路を探索した場合、現在地における道路状況に基づいて、第3走行経路への経路変更が可能であるか否かを判断する。経路探索装置1は、第3走行経路への経路変更が不可能であると判断した場合、次の経路変更が可能な地点から第3走行経路に合流する合流経路を探索し、探索した合流経路を出力する。これにより、経路探索装置1は、運転者による現在地から第3走行経路への危険を伴う車線変更を防止することができ、運転者の安全を守ることができる。また、経路探索装置1は、第3走行経路への合流経路を出力することで、自動運転区間に進入するまでの時間損失を最小限に抑えることができる。
【0061】
(第5実施形態)
[経路探索装置の構成]
図9を参照して、第5実施形態に係る経路探索装置1の構成例を説明する。なお、第5実施形態に係る経路探索装置1は、第4実施形態に対して、許容時間取得部28をさらに備える点で異なるが、その他の構成は共通する。よって、相違点についてのみ説明し、他の共通する部分についての説明は省略する。
【0062】
許容時間取得部28は、運転者が用件についての通知の待機を許容できる許容時間を取得し、自動運転区間に進入するまでの時間が許容時間以内であると判断した場合、自動運転区間に進入するまで用件の通知を禁止する。具体的には、許容時間取得部28は、用件検出部21によって用件の発生が検出された場合、運転者によって予め登録された用件毎の許容時間を取得する。そして、許容時間取得部28は、車両が所要時間以上を連続して自動運転で走行できる自動運転区間を含む走行経路において、車両の現在地から自動運転区間までの走行時間が許容時間以内であるか否かを判断する。許容時間取得部28は、車両の現在地から自動運転区間までの走行時間が許容時間以内である場合、通知制御部24に自動運転区間に進入するまで、用件の発生を知らせる通知を禁止する信号を出力する。これにより、通知制御部24によるインターフェイスから用件の発生を知らせる通知が出力されることを禁止することができる。
【0063】
[経路探索方法]
次に、図10A及び図10Bを参照して、図9に示す経路探索装置1の処理の一例を説明する。なお、第5実施形態に係る経路探索装置1の処理は、図8A及び図8Bに示す経路探索装置1の処理に対して、ステップS32、ステップS157、ステップS158の処理をさらに備える点で異なるが、その他の処理は共通する。よって、相違点についてのみ説明し、他の共通する部分についての説明は省略する。
【0064】
ステップS32において、許容時間取得部28は、運転者が用件についての通知の待機を許容できる許容時間を取得する。許容時間は、運転者によって予め用件毎に登録されており、許容時間取得部28は、検出した用件に基づいて許容時間を取得する。ステップS157において、許容時間取得部28は、車両が所要時間以上を連続して自動運転で走行できる自動運転区間を含む走行経路において、車両の現在地から自動運転区間までの走行時間が許容時間以内であるか否かを判断する。許容時間取得部28は、車両の現在地から自動運転区間までの走行時間が許容時間以内であると判断した場合(ステップS157でYES)、処理はステップS158に進む。許容時間取得部28は、車両の現在地から自動運転区間までの走行時間が許容時間以内でないと判断した場合(ステップS157でNO)、探索した走行経路を表示部に出力する処理(ステップS60、S154、S156)に進む。
【0065】
以上、図10A及び図10Bを参照して、図9に示す経路探索装置1の処理の一例を説明したが、経路探索装置1の処理はこれに限定されない。例えば、経路探索装置1は、ステップS31の処理を行わず、ステップS41からステップS70の処理の前までを次のように置き換えることができる。経路探索装置1は、ステップS40の後にステップS50の処理を行う。そして、経路探索装置1は、ステップS50でYESの場合、ステップS57及びステップS58の処理を行い、ステップS50でNOの場合、ステップS110、ステップS61、ステップS120の処理を行ってもよい。
【0066】
[作用効果]
以上、説明したように、第5実施形態によれば、第4実施形態での作用効果に加えて以下作用効果が得られる。経路探索装置1は、運転者が用件についての通知の待機を許容できる許容時間を取得し、自動運転区間に進入するまでの時間が許容時間以内であると判断した場合、自動運転区間に進入するまで用件の通知を禁止する。これにより、用件の発生を知らせる通知が行われなくなり、自動運転区間に進入後、用件の発生を検出したことを知らせる通知(用件発生の通知)と、用件についての具体的な内容に関する通知(ステップS100)が同時に行われる。したがって、経路探索装置1は、運転者の運転への集中力が散漫となる状態を低減することができる。
【0067】
(第6実施形態)
[経路探索装置の構成]
図11を参照して、第6実施形態に係る経路探索装置1の構成例を説明する。なお、第6実施形態に係る経路探索装置1は、第3実施形態に対して、目的地選択部29をさらに備える点で異なるが、その他の構成は共通する。よって、相違点についてのみ説明し、他の共通する部分についての説明は省略する。
【0068】
目的地選択部29は、目的地の候補が複数存在する場合、複数の目的地の中から第2走行経路を走行して到着できる第1目的地を抽出し、第1目的地を出力する。目的地の候補が複数存在する場合とは、例えば、ディーラ又は修理工場で車両の点検を受ける場合である。ディーラ又は修理工場が車両の現在地から所定距離以内に複数存在する場合、ナビゲーションシステムには、複数のディーラ又は修理工場が目的地の候補として表示画面に出力される。このように、目的地の候補が複数存在する場合、目的地選択部29は、複数の目的地の中から第2走行経路を走行して到着できる第1目的地を抽出し、第1目的地を経路探索部23に出力する。
【0069】
[経路探索方法]
次に、図12A及び図12Bを参照して、図10に示す経路探索装置1の処理の一例を説明する。なお、第6実施形態に係る経路探索装置1の処理は、図6A及び図6Bに示す経路探索装置1の処理に対して、ステップS160からステップS163までの処理をさらに備える点で異なるが、その他の処理は共通する。よって、相違点についてのみ説明し、他の共通する部分についての説明は省略する。
【0070】
ステップS160において、目的地選択部29は、目的地の候補が複数存在するか否かを判断し、目的地の候補が複数存在する場合(ステップS160でYES)、処理はステップS161に進む。目的地の候補が複数存在しない場合(ステップS160でNO)、処理はステップS52に進む。ステップS161において、目的地選択部29は、複数の目的地の中から第2走行経路を走行して到着できる第1目的地を抽出し、抽出した第1目的地を表示画面に出力する。処理はステップS162に進み、目的地選択部29は、第1目的地が選択されたと判断した場合(ステップS162でYES)、処理はステップS163に進む。目的地選択部29は、第1目的地が選択されていないと判断した場合(ステップS162でNO)、処理はステップS52に進む。ステップS163において、経路探索部23は、車両が所要時間以上を連続して自動運転で走行できる自動運転区間を含む車両の現在地から目的地までの走行経路を探索する。
【0071】
[作用効果]
以上、説明したように、第6実施形態によれば、第3実施形態での作用効果に加えて以下作用効果が得られる。経路探索装置1は、目的地の候補が複数存在する場合、複数の目的地の候補の中から第2走行経路を走行して到着できる第1目的地を抽出し、抽出した第1目的地を出力する。これにより、運転者は、目的地の候補が複数存在する場合、目的地の候補の中から車両の状態又は運転者の都合による走行経路に係る制約条件を満たす目的地を選択することができ、用件を遂行するための移動計画の選択肢を増やすことができ、移動計画の精度を高めることができる。
【0072】
[経路探索方法(第1変形例)]
次に、図13A及び図13Bを参照して、図10に示す経路探索装置1の処理の一例(第1変形例)を説明する。なお、第6実施形態に係る経路探索装置1の処理(第1変形例)は、図12A及び図12Bに示す経路探索装置1の処理に対して、ステップS161及びステップS162の処理に変えて、ステップS164の処理を行う点で異なる。また、ステップS52及びステップS163の処理に変えて、ステップS165及びステップS165の処理を行う点で異なる。その他の処理は共通する。よって、相違点についてのみ説明し、他の共通する部分についての説明は省略する。
【0073】
ステップS164において、目的地選択部29は、複数の目的地の候補があるか否かを判断する。具体的には、目的地選択部29は、複数の第1目的地が抽出されたか否かを判断し、複数の第1目的地が抽出されたと判断した場合(ステップS164でYES)、処理はステップS166に進む。目的地選択部29は、複数の第1目的地が抽出されなかったと判断した場合(ステップS164でNO)、処理はステップS165に進む。ステップS165において、経路選択部25は、複数検出された第2走行経路の中から目的地に最短時間で到着する走行経路を抽出する。ステップS166において、経路選択部25は、複数検出された第1目的地の中から最短時間で到着できる目的地と目的地までの走行経路を抽出する。
【0074】
[作用効果]
以上、説明したように、第6実施形態の第1変形例によれば、第6実施形態での作用効果に加えて以下作用効果が得られる。経路探索装置1は、目的地の候補又は走行経路が複数存在する場合、最も短時間で到着できる目的地と走行経路との組み合わせを出力する。これにより、運転者は効率良く用件を遂行することができ、用件の遂行にかかる時間を削減することができる。
【0075】
[経路探索方法(第2変形例)]
次に、図14A及び図14Bを参照して、図10に示す経路探索装置1の処理の一例(第2変形例)を説明する。なお、第6実施形態に係る経路探索装置1の処理(第2変形例)は、図13A及び図13Bに示す経路探索装置1の処理(第1変形例)に対して、ステップS165及びステップS166の処理に変えて、ステップS167及びステップS168の処理を行う点で異なるが、その他の処理は共通する。よって、相違点についてのみ説明し、他の共通する部分についての説明は省略する。
【0076】
ステップS167において、経路選択部25は、複数検出された第2走行経路の中から目的地に最短距離で到着する走行経路を抽出する。ステップS168において、経路選択部25は、複数検出された第1目的地の中から最寄りの目的地と目的地までの走行経路を抽出する。
【0077】
以上、説明したように、第6実施形態の第2変形例によれば、第6実施形態での作用効果に加えて以下作用効果が得られる。経路探索装置1は、目的地の候補又は走行経路が複数存在する場合、最寄りの目的地と最も走行距離が短い走行経路との組合せを出力する。これにより、経路探索装置1は、車両が走行している位置又は交通状況の変化により、用件が検出される度に出力する目的地及び目的地までの走行経路が変化することを防止することができ、出力結果の安定性を向上させることができる。
【0078】
(第7実施形態)
[経路探索装置の構成]
図15を参照して、第7実施形態に係る経路探索装置1の構成例を説明する。なお、第7実施形態に係る経路探索装置1は、第3実施形態に対して、用件判定部30をさらに備える点で異なるが、その他の構成は共通する。よって、相違点についてのみ説明し、他の共通する部分についての説明は省略する。
【0079】
用件判定部30は、用件の遂行にあたり、運転者が前方から目を離すアイズオフが必要であるか否かを判断し、アイズオフが必要であると判断した場合、用件の遂行にアイズオフが必要であることを通知する信号を経路探索部23に出力する。経路探索部23は、用件の遂行にアイズオフが必要であることを通知する信号を受信した場合、アイズオフでの自動運転が可能な自動運転レベルで走行できる走行区間を自動運転区間として抽出する。アイズオフでの自動運転には、自動運転レベル3以上が対応する。経路探索部23は、自動運転レベル3以上で走行できる走行区間を自動運転区間として抽出し、抽出した自動運転区間に基づいて、アイズオフで所要時間以上を連続して自動運転で走行できる自動運転区間を含む走行経路を探索する。なお、アイズオフが必要となる用件は、「ナビゲーションシステムの操作」、「動画の視聴」、「携帯端末の操作」である。
【0080】
用件判定部30は、用件の遂行に運転者が前方から目を離すアイズオフが必要であるか否かを判断し、アイズオフが不要であると判断した場合、用件の遂行にアイズオフが不要であることを通知する信号を経路探索部23に出力する。経路探索部23は、アイズオフが不要であることを通知する信号を受信した場合、自動運転レベルに関わらず車両が自動運転で走行できる走行区間を自動運転区間として抽出する。経路探索部23は、抽出した走行区間に基づいて、所要時間以上を連続して自動運転で走行できる自動運転区間を含む走行経路を探索する。
【0081】
経路選択部25は、車両が所要時間以上連続して自動運転で走行できる自動運転区間を含む走行経路が複数存在する場合、複数の走行経路の中から最も高い自動運転レベルでの走行が可能な自動運転区間の走行時間が最も長い走行経路を第4走行経路として探索し、探索した第4走行経路を出力する。
【0082】
[経路探索方法]
次に、図16A及び図16Bを参照して、図15に示す経路探索装置1の処理の一例を説明する。なお、第7実施形態に係る経路探索装置1の処理は、図4A及び図4Bに示す経路探索装置1の処理に対して、ステップS171からステップS173までの処理をさらに備え、ステップS40に変えてステップS174の処理を行う点で異なるが、その他の処理は共通する。よって、相違点についてのみ説明し、他の共通する部分についての説明は省略する。
【0083】
用件判定部30は、用件の遂行に運転者が前方から目を離すアイズオフが必要であるか否かを判断する。用件判定部30は、用件の遂行にアイズオフが必要であると判断した場合(ステップS171でYES)、処理はステップS172に進む。用件判定部30は、用件の遂行にアイズオフが不要であると判断した場合(ステップS171でNO)、処理はステップS174に進む。ステップS172において、用件判定部30は、用件の遂行にアイズオフが必要であることを通知する信号を経路探索部23に出力する。経路探索部23は、アイズオフが必要であることを通知する信号を受信した場合、アイズオフでの自動運転が可能な自動運転レベルで走行できる走行区間を自動運転区間として抽出する。経路探索部23は、抽出した自動運転区間に基づいて、アイズオフで所要時間以上を連続して自動運転で走行できる自動運転区間を含む走行経路を探索する。
【0084】
ステップS173において、経路選択部25は、車両が所要時間以上連続して自動運転で走行できる自動運転区間を含む走行経路が複数存在する場合、複数の走行経路の中から最も高い自動運転レベルでの走行が可能な自動運転区間の走行時間が最も長い走行経路を第4走行経路として探索する。経路選択部25は、第4走行経路を表示部に出力する。ステップS174において、用件判定部30は、用件の遂行にアイズオフが不要であることを通知する信号を経路探索部23に出力する。経路探索部23は、アイズオフが不要であることを通知する信号を受信した場合、自動運転レベルに関わらず車両が自動運転で走行できる走行区間を自動運転区間として抽出し、抽出した自動走行区間に基づいて、所要時間以上を連続して自動運転で走行できる自動運転区間を含む走行経路を探索する。
【0085】
[作用効果]
以上、説明したように、第7実施形態によれば、第2実施形態での作用効果に加えて以下作用効果が得られる。
【0086】
経路探索装置1は、用件の遂行にアイズオフが必要であるか否かを判断し、アイズオフが必要である判断した場合、アイズオフでの自動運転が可能な自動運転レベルで走行できる走行区間を自動運転区間として抽出する。これにより、経路探索装置1は、アイズオフで所要時間以上連続して自動運転で走行できる走行経路を探索することができ、運転者は、アイズオフが必要な用件であっても用件を遂行することができる。
【0087】
経路探索装置1は、用件の遂行にアイズオフが必要であるか否かを判断し、アイズオフが不要であると判断した場合、自動運転レベルに関わらず車両が自動運転で走行できる走行区間を自動運転区間として抽出する。これにより、経路探索装置1は、自動運転区間を抽出する際に、自動運転レベルによる制限を受けることなく、車両が所要時間以上を連続して自動運転で走行できる自動運転区間を含む走行経路を探索することができる。すなわち、用件の遂行にアイズオフが不要である場合、運転者はより多くの走行経路の候補の中から走行経路を選択することができる。
【0088】
経路探索装置1は、車両が所要時間以上連続して自動運転で走行できる自動運転区間を含む走行経路が複数存在する場合、複数の走行経路の中から最も高い自動運転レベルでの走行が可能な自動運転区間の走行時間が最も長い走行経路を第4走行経路として探索し、探索した第4走行経路を出力する。これにより、アイズオフが不要な用件を遂行する場合であっても、一時的なアイズオフが許されるようになり、より安全性を高めることができる。
【符号の説明】
【0089】
1 経路探索装置
10 記憶部
20 制御部
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図7
図8A
図8B
図9
図10A
図10B
図11
図12A
図12B
図13A
図13B
図14A
図14B
図15
図16A
図16B
図17