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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023152430
(43)【公開日】2023-10-17
(54)【発明の名称】多階層基板
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/14 20060101AFI20231010BHJP
【FI】
H05K1/14 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022062449
(22)【出願日】2022-04-04
(71)【出願人】
【識別番号】591036457
【氏名又は名称】三菱電機エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100161171
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 潤一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100188514
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 隆裕
(72)【発明者】
【氏名】大谷 公章
(72)【発明者】
【氏名】神本 直樹
【テーマコード(参考)】
5E344
【Fターム(参考)】
5E344AA08
5E344AA09
5E344AA23
5E344AA28
5E344BB03
5E344BB06
5E344CC05
5E344CC23
5E344CC25
5E344CD09
5E344DD02
5E344EE30
(57)【要約】
【課題】互いに対向する第1基板および第2基板の間での接続線数をより多くすることができる多階層基板を提供することを目的とする。
【解決手段】2階建て基板100は、メイン基板50と、サブ基板60と、1つ以上の第1中継配線12が形成された第1中継基板10と、を備え、互いに対向して配置されたメイン基板50とサブ基板60との間に、第1中継基板10がメイン基板50およびサブ基板60のそれぞれに交差して配置されている。メイン基板50上に形成された第1回路配線51は、1つ以上の第1中継配線12を介して、サブ基板60上に形成された第2回路配線61と電気的に接続されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1回路配線が形成された第1基板と、
第2回路配線が形成された第2基板と、
1つ以上の第1中継配線が形成された第1中継基板と、
を備え、
前記第1基板と前記第2基板とは、互いに対向して配置されており、
前記第1中継基板は、前記第1基板と前記第2基板との間に、前記第1基板および前記第2基板のそれぞれに交差して配置されており、
前記第1回路配線は、前記1つ以上の第1中継配線を介して、前記第2回路配線と電気的に接続されている、
多階層基板。
【請求項2】
前記第1基板には、第1スルーホールが形成されており、
前記第2基板には、第2スルーホールが形成されており、
前記第1中継基板の一端部は、前記第1スルーホールに挿入されており、
前記第1中継基板の他端部は、前記第2スルーホールに挿入されている、
請求項1に記載の多階層基板。
【請求項3】
前記第1中継基板の一端部には、第1凸部が形成されており、
前記第1中継基板の他端部には、第2凸部が形成されており、
前記第1凸部は、前記第1スルーホールに挿入されており、
前記第2凸部は、前記第2スルーホールに挿入されている、
請求項2に記載の多階層基板。
【請求項4】
前記1つ以上の第1中継配線のそれぞれには、第1中継端子および第2中継端子が形成されており、
1つ以上の前記第1中継端子は、前記第1凸部に形成されており、
1つ以上の前記第2中継端子は、前記第2凸部に形成されており、
1つ以上の前記第1中継端子と前記第1回路配線とは、はんだにより接合されており、
1つ以上の前記第2中継端子と前記第2回路配線とは、はんだにより接合されている、
請求項3に記載の多階層基板。
【請求項5】
前記第1中継基板には、1つ以上の第1中継電気部品が実装されており、
前記1つ以上の第1中継配線の少なくとも1つは、前記第1中継電気部品に接続されている、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の多階層基板。
【請求項6】
1つ以上の第2中継配線が形成された第2中継基板を、さらに備え、
前記第2中継基板は、前記第1基板と前記第2基板との間に、前記第1基板と前記第2基板とのそれぞれに交差して配置されており、
前記第1回路配線は、前記1つ以上の第2中継配線を介して、前記第2回路配線と電気的に接続されている、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の多階層基板。
【請求項7】
前記第1基板には、第3スルーホールが形成されており、
前記第2基板には、第4スルーホールが形成されており、
前記第2中継基板の一端部は、前記第3スルーホールに挿入され、
前記第2中継基板の他端部は、前記第4スルーホールに挿入されている、
請求項6に記載の多階層基板。
【請求項8】
前記第2中継基板の一端部には、第3凸部が形成されており、
前記第2中継基板の他端部には、第4凸部が形成されており、
前記第3凸部は、前記第3スルーホールに挿入されており、
前記第4凸部は、前記第4スルーホールに挿入されている、
請求項7に記載の多階層基板。
【請求項9】
前記1つ以上の第2中継配線のそれぞれは、第3中継端子および第4中継端子が形成されており、
1つ以上の前記第3中継端子は、前記第3凸部に形成されており、
1つ以上の前記第4中継端子は、前記第4凸部に形成されており、
1つ以上の前記第3中継端子と前記第1回路配線とは、はんだにより接合されており、
1つ以上の前記第4中継端子と前記第2回路配線とは、はんだにより接合されている、
請求項8に記載の多階層基板。
【請求項10】
前記第2中継基板には、第2中継電気部品が実装されており、
前記1つ以上の第2中継配線の少なくとも1つは、前記第2中継電気部品に接続されている、
請求項6から請求項9のいずれか一項に記載の多階層基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、2つ以上の基板を備える多階層基板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、互いに対向している2つの基板のそれぞれが汎用コネクタによって電気的に接続される2階建て基板が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019―16671号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に示された2階建て基板では、2つの基板間で接続される接点数が1つの汎用コネクタの接点数より多い場合、汎用コネクタを追加する必要があった。また、汎用コネクタを追加する場所がない場合には、2つの基板間で接続される接点数を削減しなければならないという問題があった。
【0005】
本開示は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、互いに対向する第1基板および第2基板の間での接続線数をより多くすることができる多階層基板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る多階層基板は、第1回路配線が形成された第1基板と、第2回路配線が形成された第2基板と、1つ以上の第1中継配線が形成された第1中継基板と、を備え、第1基板と第2基板とは、互いに対向して配置されており、第1中継基板は、第1基板と第2基板との間に、第1基板および第2基板のそれぞれに交差して配置されており、第1回路配線は、1つ以上の第1中継配線を介して、第2回路配線と電気的に接続されている。
【発明の効果】
【0007】
本開示に係る多階層基板によれば、互いに対向する第1基板および第2基板の間での接続線数をより多くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1による2階建て基板を示す斜視図である。
図2図1のメイン基板を示す斜視図である。
図3図1のサブ基板を示す斜視図である。
図4図1の第1中継基板を示す斜視図である。
図5図1の2階建て基板の分解された状態を示す分解図である。
図6図1の2階建て基板が組み立てられた状態を示す斜視図である。
図7】実施の形態2による第1中継基板を示す斜視図である。
図8】実施の形態3による2階建て基板を示す斜視図である。
図9図8の第2中継基板を示す斜視図である。
図10】実施の形態4による第2中継基板を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施の形態について図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1による2階建て基板100を示す斜視図である。図2は、図1のメイン基板50を示す斜視図である。図3は、図1のサブ基板60を示す斜視図である。図4は、図1の第1中継基板10を示す斜視図である。
【0010】
多階層基板である2階建て基板100は、第1基板としてのメイン基板50と、第2基板としてのサブ基板60、複数の結合部材70と、接続部材としての第1中継基板10と、を備えている。
【0011】
メイン基板50には、第1回路配線51が形成されている。メイン基板50の第1回路配線51が形成されている面は、メイン基板50の表面である。メイン基板50の表面の反対側の面は、メイン基板50の裏面である。
【0012】
メイン基板50の表面には、第1電気部品としての第1電気素子が実装されている。第1回路配線51は、第1電気素子に接続されている。メイン基板50には、複数の第1結合孔52が形成されている。メイン基板50には、第1スルーホール53が設けられている。
【0013】
第1スルーホール53は、メイン基板50を貫通する長孔である。メイン基板50には、複数の第1接続部54が設けられている。複数の第1接続部54は、第1スルーホール53の長手方向に沿って並んでいる。
【0014】
各第1接続部54は、メイン基板50の表面、裏面、および第1スルーホール53の側面に露出するように形成されている。各第1接続部54は、第1回路配線51に電気的に接続されている。
【0015】
サブ基板60には、第2回路配線61が形成されている。サブ基板60の第2回路配線61が形成されている面は、サブ基板60の表面である。サブ基板60の表面の反対側の面は、サブ基板60の裏面である。
【0016】
サブ基板60の表面には、第2電気部品としての第2電気素子が実装されている。第2回路配線61は、第2電気素子に接続されている。
【0017】
サブ基板60には、第2スルーホール63が設けられている。第2スルーホール63は、サブ基板60を貫通する長孔である。サブ基板60には、複数の第2接続部64が設けられている。複数の第2接続部64は、第2スルーホール63の長手方向に沿って並んでいる。
【0018】
各第2接続部64は、サブ基板60の表面、裏面、および第2スルーホール63の側面に露出するように形成されている。各第2接続部64は、第2回路配線61に電気的に接続されている。
【0019】
第1中継基板10には、複数の第1中継配線12が形成されている。第1中継基板10に形成された各第1中継配線12には、第1中継端子13および第2中継端子14が形成されている。本実施の形態では、各第1中継配線12の一端部に第1中継端子13が形成され、各第1中継端子の他端部に第2中継端子14が形成されている。
【0020】
第1中継基板10の一端部には、第1凸部15aが形成されている。第1中継基板10の他端部には、第2凸部15bが形成されている。第1凸部15aの両端のそれぞれには、段部16が形成されている。第2凸部15bの両端それぞれには、段部16が形成されている。即ち第1中継基板10の四隅には、段部16が形成されている。
【0021】
各第1中継端子13は、第1凸部15aに形成されている。各第2中継端子14は、第2凸部15bに形成されている。各第1中継端子13および各第2中継端子14は、周知な構成で形成されている。例えば、第1中継基板10に形成した銅箔であってもよい。
【0022】
メイン基板50とサブ基板60とは、互いに対向して配置されている。各結合部材70の形状は、棒状の形状である。各結合部材70の両端部のうち、一端部はメイン基板50を貫通しており、他端部はサブ基板60を貫通している。メイン基板50とサブ基板60とは、各結合部材70によって互いに固定されている。
【0023】
第1中継基板10は、メイン基板50とサブ基板60との間に配置されている。第1中継基板10は、メイン基板50とサブ基板60とのそれぞれに直交して配置されている。
【0024】
メイン基板50とサブ基板60とが複数の結合部材70によって互いに固定されている状態では、第1中継基板10がメイン基板50とサブ基板60との間に保持されている。
【0025】
メイン基板50に形成された第1回路配線51と、サブ基板60に形成された第2回路配線61とは、複数の第1中継配線12を介して互いに電気的に接続されている。
【0026】
図5は、図1の2階建て基板100の分解された状態を示す分解図である。図6は、図1の2階建て基板100が組み立てられた状態を示す斜視図である。図6では、複数の結合部材70の図示を省略している。
【0027】
メイン基板50に形成されている第1結合孔52の数は、結合部材70の数に対応している。サブ基板60に形成されている第2結合孔62の数は、結合部材70の数に対応している。メイン基板50に形成されている各第1結合孔52の位置とサブ基板60に形成されている各第2結合孔62の位置とは、互いに対応している。
【0028】
各結合部材70の一端部は、対応する第1結合孔52に挿入されている。各結合部材70の他端部は、対応する第2結合孔62に挿入されている。
【0029】
第1凸部15aは、第1スルーホール53に挿入されている。第2凸部15bは、第2スルーホール63に挿入されている。第1中継基板10の一端部に形成された一対の段部16のそれぞれは、メイン基板50の表面に当たっている。第1中継基板10の他端側に形成された一対の段部16のそれぞれは、サブ基板60の裏面に当たっている。
【0030】
第1凸部15aは、メイン基板50の裏面側に突出している。第1凸部15aに形成された複数の第1中継端子13は、メイン基板50の裏面側に露出している。
【0031】
第2凸部15bは、サブ基板60の表面側に突出している。第2凸部15bに形成された複数の第2中継端子14は、サブ基板60の表面側に露出している。
【0032】
各第1中継端子13は、対応する第1接続部54とはんだ接合により電気的に接続されている。各第2中継端子14は、対応する第2接続部64とはんだ接合により電気的に接続されている。これによって、第1回路配線51と第2回路配線61とは、複数の第1中継配線12によって電気的に接続されている。
【0033】
実施の形態1の2階建て基板100によれば、第1回路配線51が形成されたメイン基板50と、第2回路配線61が形成されたサブ基板60と、を備えている。また、1つ以上の第1中継配線12が形成された第1中継基板10をさらに備えている。また、メイン基板50とサブ基板60とは、互いに対向して配置されており、第1中継基板10は、メイン基板50とサブ基板60との間に、メイン基板50とサブ基板60とのそれぞれに交差して配置されている。また、第1回路配線51は、1つ以上の第1中継配線12を介して、対応する第2回路配線61と電気的に接続されている。これにより、第1中継基板10上に複数の第1中継配線12を高密度に形成することができ、第1中継基板10に形成した第1中継配線12の数だけ、メイン基板50とサブ基板60との間の接続線を設けることができる。従って、定まった接続線を有する汎用コネクタを接続部材として用いるよりも、より多くの接続線を設けることができる。よって、互いに対向する第1基板および第2基板の間での接続線数をより多くすることができる。また、第1中継基板10は、任意の大きさで設計することができる。従って、第1中継基板10の高さ方向の寸法を短くすることができる。よって、多階層基板の高さ寸法も小さく抑えることができる。また、第1中継基板10には、複数の第1中継配線12を高密度で形成することができる。従って、接続線数が多い場合でも、メイン基板50の表面、およびサブ基板60の表面において第1中継基板10が専有する面積を小さくすることができる。よって、回路形成に使用できるメイン基板50の面積およびサブ基板60の面積をより多くとることができ、回路配置への制限を少なくすることができる。また、第1中継基板10を使用していることから接続部材として汎用コネクタを用いていないため、汎用コネクタの選定、手配を不要とすることができる。
【0034】
実施の形態1の2階建て基板100によれば、メイン基板50には、第1スルーホール53が形成されており、サブ基板60には、第2スルーホール63が形成されている。また、第1中継基板10の一端部は、第1スルーホール53に挿入されており、第1中継基板10の他端部は、第2スルーホール63に挿入されている。これにより、多階層基板における第1中継基板10の位置ずれを防止することができる。従って、メイン基板50とサブ基板60とを結合する結合部材を少なくすることができる。
【0035】
実施の形態1の2階建て基板100によれば、第1中継基板10の一端部には、第1凸部15aが形成されており、第1中継基板10の他端部には、第2凸部15bが形成されている。また、第1凸部15aは、第1スルーホール53に挿入されており、第2凸部15bは、第2スルーホール63に挿入されている。これにより、第1凸部15aの両端の段部16は、メイン基板50の表面に当たっている。第2凸部15bの両端の段部16は、サブ基板60の裏面に当たっている。従って、多階層基板における第1中継基板10の位置ずれをより確実に防止することができる。よって、メイン基板50とサブ基板60とを結合する結合部材を少なくすることができる。
【0036】
実施の形態1の2階建て基板100によれば、1つ以上の第1中継配線12のそれぞれには、第1中継端子および第2中継端子が形成されている。また、1つ以上の第1中継端子13は、第1凸部15aに形成されており、1つ以上の第2中継端子14は、第2凸部15bに形成されている。また、1つ以上の第1中継端子13と第1回路配線51とは、はんだにより接合されており、1つ以上の第2中継端子14と第2回路配線61とは、はんだにより接合されている。これにより、第1中継基板10がはんだ接合によって、より強固にメイン基板50およびサブ基板60に固定されている。従って、多階層基板が構造的により安定している。また、各第1中継端子13と第1回路配線51との接合、および各第2中継端子14と第2回路配線61との接合が従来周知な装置により実施することができる。従って、新規な装置を導入する必要がない。
【0037】
実施の形態2.
図7は、実施の形態2による第1中継基板10を示す斜視図である。実施の形態2では、第1中継基板10に第1中継電気部品である第1中継電気素子17が実装されている。その他の構成は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
【0038】
第1中継基板10には、複数の第1中継電気素子17が実装されている。各第1中継電気素子17には、第1中継配線12が接続されている。
【0039】
実施の形態2の2階建て基板100によれば、第1中継基板10には、1つ以上の第1中継電気素子17が実装されており、1つ以上の第1中継配線12の少なくとも1つが第1中継電気素子17に接続されている。これにより、第1中継基板10上に第1中継電気素子17を有した回路を形成することができる。従って、メイン基板50またはサブ基板60に第1中継電気素子17を実装する領域を確保することが難しい場合でも、第1中継電気素子17を有した回路が形成できる。よって、多階層基板における回路設計の自由度があがる。さらに、第1中継電気素子17を第1中継基板10に実装することで、メイン基板50およびサブ基板60を小さくすることができ、多階層基板を小型化することができる。
【0040】
実施の形態3.
図8は、実施の形態3による2階建て基板100を示す斜視図である。図9は、図8の第2中継基板20を示す斜視図である。実施の形態3では、さらに第2中継基板20がメイン基板50およびサブ基板60の間に配置されている。その他の構成は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
【0041】
メイン基板50には、第3スルーホール55が設けられている。第3スルーホール55は、メイン基板50を貫通する長孔である。メイン基板50には、複数の第3接続部56が設けられている。複数の第3接続部56は、第3スルーホール55の長手方向に沿って並んでいる。
【0042】
各第3接続部56は、メイン基板50の表面、裏面、および第3スルーホール55の側面に露出するように形成されている。各第3接続部56は、第1回路配線51に電気的に接続されている。
【0043】
サブ基板60には、第4スルーホール65が設けられている。第4スルーホール65は、サブ基板60を貫通する長孔である。サブ基板60には、複数の第4接続部66が設けられている。複数の第4接続部66は、第4スルーホール65の長手方向に沿って並んでいる。
【0044】
各第4接続部66は、サブ基板60の表面、裏面、および第4スルーホール65の側面に露出するように形成されている。各数の第4接続部66は、第2回路配線61に電気的に接続されている。
【0045】
第2中継基板20は、第1中継基板10と同じ構造である。第2中継基板20には、複数の第2中継配線22が形成されている。各第2中継配線22には、第3中継端子23および第4中継端子24が形成されている。本実施の形態では、各第2中継配線22の一端部に第3中継端子23が形成され、各第2中継配線22の他端部に第4中継端子24が形成されている。
【0046】
第2中継基板20の一端部には、第3凸部25aが形成されている。第2中継基板20の他端部には、第4凸部25bが形成されている。第3凸部25aの両端のそれぞれには、段部26が形成されている。第4凸部25bの両端のそれぞれには、段部26が形成されている。即ち第2中継基板20の四隅には、段部26が形成されている。
【0047】
各第3中継端子23は、第3凸部25aに形成されている。各第4中継端子24は、第4凸部25bに形成されている。
【0048】
各第3中継端子23および各第4中継端子24は、周知な構成で形成されている。例えば、第2中継基板20に形成された銅箔であってもよい。
【0049】
第2中継基板20は、メイン基板50とサブ基板60との間に配置されている。第2中継基板20は、メイン基板50とサブ基板60とのそれぞれに直交して配置されている。
【0050】
メイン基板50とサブ基板60とが複数の結合部材70によって互いに固定されている状態では、第2中継基板20がメイン基板50とサブ基板60との間に保持されている。
【0051】
メイン基板50に形成された第1回路配線51と、サブ基板60に形成された第2回路配線61とは、複数の第2中継配線22を介して互いに電気的に接続されている。
【0052】
第3凸部25aは、第3スルーホール55に挿入されている。第4凸部25bは、第4スルーホール65に挿入されている。第2中継基板20の一端部に形成された一対の段部26のそれぞれは、メイン基板50の表面に当たっている。第2中継基板20の他端側に形成された一対の段部26のそれぞれは、サブ基板60の裏面に当たっている。
【0053】
第3凸部25aは、メイン基板50の裏面側に突出している。第3凸部25aに形成された複数の第3中継端子23は、メイン基板50の裏面側に露出している。
【0054】
第4凸部25bは、サブ基板60の表面側に突出している。第4凸部25bに形成された複数の第4中継端子24は、サブ基板60の表面側に露出している。
【0055】
複数の第3中継端子23のそれぞれは、対応する第3接続部56とはんだ接合により電気的に接続されている。複数の第4中継端子24のそれぞれは、対応する第4接続部66とはんだ接合により電気的に接続されている。これによって、第1回路配線51と第2回路配線61とは、複数の第2中継配線22によって電気的に接続されている。
【0056】
実施の形態3の2階建て基板100によれば、1つ以上の第2中継配線22が形成された第2中継基板20を、さらに備えている。また、第2中継基板20は、メイン基板50とサブ基板60との間に、メイン基板50とサブ基板60とのそれぞれに交差して配置されており、第1回路配線51は、1つ以上の第2中継配線22を介して、第2回路配線61と電気的に接続されている。これにより、メイン基板50とサブ基板60との接続において、第1中継基板10と第2中継基板20とに形成された第1中継配線を使うことができる。従って、接続線の数を大幅に増やすことができる。また、第1中継基板10と第2中継基板20とがメイン基板50およびサブ基板60のそれぞれに接続されていることから、より強固にメイン基板50およびサブ基板60を接続することができる。従って、複数の結合部材70の数を減らすこと、または結合部材70を使わないことができる。
【0057】
実施の形態3の2階建て基板100によれば、メイン基板50には、第3スルーホール55が形成されており、サブ基板60には、第4スルーホール65が形成されている。また、第2中継基板20の一端部は、第3スルーホール55に挿入され、第2中継基板20の他端部は、第4スルーホール65に挿入されている。これにより、2階建て基板100は、構造的により強固にすることができる。よって、複数の結合部材70の数を減らすこと、または結合部材70を使わないことができる。また、多階層基板における第2中継基板20の位置ずれを防止することができる。従って、メイン基板50とサブ基板60とを結合する結合部材を少なくすることができる。
【0058】
実施の形態3の2階建て基板100によれば、第2中継基板20の一端部には、第3凸部25aが形成されており、第2中継基板20の他端部には、第4凸部25bが形成されている。また、第3凸部25aは、第3スルーホール55に挿入されており、第4凸部25bは、第4スルーホール65に挿入されている。これにより、第3凸部25aの両端の段部26は、メイン基板50の表面に当たっている。第4凸部25bの両端の段部26は、サブ基板60の裏面に当たっている。従って、多階層基板における第2中継基板20の位置ずれをより確実に防止することができる。よって、メイン基板50とサブ基板60とを結合する結合部材70を少なくすることができる。
【0059】
実施の形態3の2階建て基板100によれば、1つ以上の第2中継配線22のそれぞれには、第3中継端子23および第4中継端子24が形成されている。また、1つ以上の第3中継端子23は、第3凸部25aに形成されており、1つ以上の第4中継端子24は、第4凸部25bに形成されている。また、1つ以上の第3中継端子23と第1回路配線51とは、はんだにより接合されており、1つ以上の第4中継端子24と第2回路配線61とは、はんだにより接合されている。これにより、第2中継基板20がはんだ接合によって、より強固にメイン基板50およびサブ基板60に固定されている。従って、多階層基板が構造的により安定している。また、各第3中継端子23と第1回路配線51との接合、および各第4中継端子24と第2回路配線61との接合が従来周知な装置により実施することができる。従って、新規な装置を導入する必要がない。
【0060】
実施の形態4.
図10は、実施の形態4による第2中継基板を示す斜視図である。実施の形態4では、第2中継基板20に第2中継電気部品である第2中継電気素子27が実装されている。第2中継基板20に第2中継電気素子27が実装されている構成は、実施の形態2による第1中継基板10に第1中継電気素子17が実装されている構成に等しい。その他の構成は、実施の形態3と等しいため、説明を省略する。
【0061】
第2中継基板20に実装されている第2中継電気素子27には、第2中継配線22が接続されている。
【0062】
実施の形態4における2階建て基板100によれば、第2中継基板20には、第2中継電気素子27が実装されており、1つ以上の第2中継配線22の少なくとも1つは、第2中継電気素子27に接続している。これにより、第2中継基板20上に第2中継電気素子27を有した回路を形成することができる。従って、メイン基板50またはサブ基板60に第2中継電気素子27を実装する領域を確保することが難しい場合でも、第2中継電気素子27を有した回路が形成できる。よって、多階層基板における回路設計の自由度があがる。さらに、第2中継電気素子27を第2中継基板20に実装することで、メイン基板50およびサブ基板60を小さくすることができ、多階層基板を小型化することができる。
【0063】
なお、実施の形態3および実施の形態4における2階建て基板100では、第1中継基板10および第2中継基板20を備えている。即ち、2階建て基板100は、2枚の中継基板を備えている。しかし、これに限られたものではない。メイン基板50およびサブ基板60との間に3枚以上の中継基板を備えて、第1回路配線51と第2回路配線61とを電気的に接続してもよい。
【0064】
また、実施の形態3および実施の形態4における2階建て基板100では、第1中継基板10に第1中継電気素子17が実装されていない。しかし、これに限られたものではない。第1中継基板10に1つ以上の第1中継電気素子17を実装し、実装された少なくとも1つ以上の第1中継電気素子17に第1中継配線12を接続してもよい。即ち、実施の形態3および実施の形態4における2階建て基板100に、実施の形態2の第1中継基板10を適用してもよい。
【0065】
また、実施の形態3および実施の形態4による2階建て基板100によれば、第2中継基板20がメイン基板50とサブ基板60とのそれぞれに直交して配置されている。しかし、これに限られたものではない。第2中継基板20は、互いに対向して配置されるメイン基板50とサブ基板60とのそれぞれに交差して配置されてもよい。
【0066】
また、実施の形態3および実施の形態4による第2中継基板20によれば、複数の第2中継配線22を有している。しかし、これに限られたものではない。第2中継基板20には、必要に応じた接続線の数だけ、第2中継配線22が形成されていればよい。即ち、1つ以上の第2中継配線22が形成されていればよい。
【0067】
また、実施の形態3および実施の形態4による第2中継基板20によれば、第2中継配線22には、両端に一つの第3中継端子23と一つの第4中継端子24とが形成されている。しかし、これに限られたものではない。例えば、第2中継配線22の一端には2つの第3中継端子23が形成されていてもよい。
【0068】
また、実施の形態3および実施の形態4による第2中継基板20によれば、複数の第3中継端子23のそれぞれと対応する第3接続部56とが電気的に接続されており、複数の第4中継端子24のそれぞれと対応する第4接続部66とが電気的に接続されている。しかし、これに限られたものではない。第3接続部56と接続されていない第3中継端子23が存在していてもよい。第4接続部66と接続されていない第4中継端子24が存在していてもよい。
【0069】
また、実施の形態3および実施の形態4による第2中継基板20によれば、第2中継基板20の両端のそれぞれを第3スルーホール55および第4スルーホール65に挿入している。しかし、これに限られたものではない。例えば、第2中継基板20の端部を挿入するスルーホールを基板に形成しなくてもよい。例えば、メイン基板50に第2スルーホール63が形成されていない場合、第2中継基板20の一端側をメイン基板50の表面に固定してもよい。
【0070】
また、実施の形態1から実施の形態4による2階建て基板100によれば、第1中継基板10がメイン基板50とサブ基板60とのそれぞれに直交して配置されている。しかし、これに限られたものではない。第1中継基板10は、互いに対向して配置されるメイン基板50とサブ基板60とのそれぞれに交差して配置されてもよい。
【0071】
また、実施の形態1から実施の形態4による第1中継基板10によれば、複数の第1中継配線12を有している。しかし、これに限られたものではない。第1中継基板10には、必要に応じた接続線の数だけ、第1中継配線12が形成されていればよい。即ち、1つ以上の第1中継配線12が形成されていればよい。
【0072】
また、実施の形態1から実施の形態4による第1中継基板10によれば、第1中継配線12には、両端に一つの第1中継端子13と一つの第2中継端子14とが形成されている。しかし、これに限られたものではない。例えば、第1中継配線12の一端には2つの第1中継端子13が形成されていてもよい。
【0073】
また、実施の形態1から実施の形態4による第1中継基板10によれば、複数の第1中継端子13のそれぞれと対応する第1接続部54とが電気的に接続されており、複数の第2中継端子14のそれぞれと対応する第2接続部64とが電気的に接続されている。しかし、これに限られたものではない。第1接続部54と接続されていない第1中継端子13が存在していてもよい。第2接続部64と接続されていない第2中継端子14が存在していてもよい。
【0074】
また、実施の形態1から実施の形態4による第1中継基板10によれば、第1中継基板10の両端のそれぞれを第1スルーホール53および第2スルーホール63に挿入している。しかし、これに限られたものではない。例えば、第1中継基板10の端部を挿入するスルーホールを基板に形成しなくてもよい。例えば、メイン基板50に第1スルーホール53が形成されていない場合、第1中継基板10の一端側をメイン基板50の表面に固定してもよい。
【0075】
また、実施の形態1から実施の形態4による2階建て基板100によれば、複数の結合部材70によって、メイン基板50、サブ基板60、および第1中継基板10が固定されている。しかし、これに限られたものではない。複数の結合部材70を用いなくてもよい。例えば、メイン基板50およびサブ基板60と第1中継基板10とのそれぞれを、はんだ接合のみで接合してもよい。または、メイン基板50およびサブ基板60と第1中継基板10とのそれぞれを封止樹脂で封止することにより接合する、クランプ機能を持った係止部材といった支持部材を用いて接合するといった構成としてもよい。さらに、筐体といった他の部材でメイン基板50、サブ基板60、および第1中継基板10を支持することとしてもよい。第2中継基板20についても同様である。
【0076】
また、実施の形態1から実施の形態4における2階建て基板100では、複数の結合部材70を備えている。しかし、これに限られたものではない。中継基板を用いることで、多階層基板のそれぞれの基板の固定強度があがるため、結合部材70の数を適宜減らしてもよい。さらには、結合部材70を使用しなくてもよい。
【0077】
また、実施の形態1から実施の形態4における2階建て基板100では、結合部材70の数と第1結合孔52の数と第2結合孔62の数とは、互いに対応している。しかし、これに限られたものではない。結合部材70が挿入されていない第1結合孔52、または結合部材70が挿入されていない第2結合孔62が存在していてもよい。
【0078】
また、実施の形態1から実施の形態4による2階建て基板100よれば、メイン基板50とサブ基板60といった基板を2枚備えている。しかし、これに限られたものではない。例えば、基板を3枚以上備えた、3階建て以上の基板構造、即ち多階層基板としてもよい。このとき、それぞれの基板の接続の全てに中継基板を用いてもよい。また、それぞれの基板の接続のうち、1つ以上の基板の接続のみに中継基板を用いてもよい。中継基板を用いていない基板の接続には、従来用いていた汎用コネクタといった接続部材を用いてもよい。
【0079】
また、実施の形態1から実施の形態4による2階建て基板100よれば、第1中継基板10または第2中継基板20は、メイン基板50とサブ基板60との2枚の基板の接続に用いられている。しかし、これに限られたものではない。例えば、3枚以上の基板の接続に1枚の中継基板を用いてもよい。例えば、メイン基板50に形成された第1スルーホール53、サブ基板60に形成された第2スルーホール63、および第3基板に形成された第5スルーホールのそれぞれを第1中継基板10が貫通するように配置してもよい。さらに、第1回路配線51、第2回路配線61、および第3基板の表面に形成された第3回路配線のそれぞれを、複数の第1中継配線12と任意に接続して、第1回路配線51、第2回路配線61、および第3回路配線のそれぞれを任意に電気的に接続してもよい。
【0080】
また、実施の形態1から実施の形態4による第1中継基板10によれば、第1中継配線12を形成する面について、指定していない。即ち、第1中継配線12を第1中継基板10のいずれの表面に形成してもよい。
【0081】
また、実施の形態3および実施の形態4による第2中継基板20によれば、第2中継配線22を形成する面について、指定していない。即ち、第2中継配線22を第2中継基板20のいずれの表面に形成してもよい。
【0082】
また、実施の形態1から実施の形態4による2階建て基板100よれば、メイン基板50の表面に第1回路配線51が形成されている。しかし、これに限られたものではない。メイン基板50の裏面にも第1回路配線51を形成してもよい。または、メイン基板50の表面には、第1回路配線51を形成せずに、メイン基板50の裏面にのみ第1回路配線51を形成してもよい。
【0083】
また、実施の形態1から実施の形態4による2階建て基板100よれば、サブ基板60の表面に第2回路配線61が形成されている。しかし、これに限られたものではない。サブ基板60の裏面にも第2回路配線61を形成してもよい。または、サブ基板60の表面には、第2回路配線61を形成せずに、サブ基板60の裏面にのみ第2回路配線61を形成してもよい。
【符号の説明】
【0084】
10 第1中継基板、12 第1中継配線、13 第1中継端子、14 第2中継端子、15a 第1凸部、15b 第2凸部、16 段部、17 第1中継電気素子(第1中継電気部品)、20 第2中継基板、22 第2中継配線、23 第3中継端子、24 第4中継端子、25a 第3凸部、25b 第4凸部、26 段部、27 第2中継電気素子(第2中継電気部品)、50 メイン基板(第1基板)、51 第1回路配線、52 第1結合孔、53 第1スルーホール、54 第1接続部、55 第3スルーホール、56 第3接続部、60 サブ基板(第2基板)、61 第2回路配線、62 第2結合孔、63 第2スルーホール、64 第2接続部、65 第4スルーホール、66 第4接続部、70 結合部材、100 2階建て基板(多階層基板)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10