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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023154543
(43)【公開日】2023-10-20
(54)【発明の名称】車載用映像中継装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/436 20110101AFI20231013BHJP
   H04N 21/442 20110101ALI20231013BHJP
   B60R 11/02 20060101ALI20231013BHJP
   G01C 21/36 20060101ALI20231013BHJP
【FI】
H04N21/436
H04N21/442
B60R11/02 C
G01C21/36
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022063921
(22)【出願日】2022-04-07
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-08-04
(71)【出願人】
【識別番号】502365656
【氏名又は名称】株式会社日本電機サービス
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(72)【発明者】
【氏名】河野 博
(72)【発明者】
【氏名】秋山 勝彦
【テーマコード(参考)】
2F129
3D020
5C164
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129CC33
2F129EE02
2F129EE42
2F129EE43
2F129EE67
2F129GG17
2F129GG23
2F129HH12
3D020BA04
3D020BE03
5C164FA16
5C164UB41P
5C164UB71P
5C164YA21
(57)【要約】
【課題】ナビゲーションの機能を損なうことなく、車両が走行中であってもテレビの視聴を可能とする車載用映像中継装置を提供する。
【解決手段】映像中継装置(20)はカメラECU(32)と純正ナビゲーションシステム(10)との間に接続され、さらに純正ナビゲーションシステム(10)の通信部(13)と映像出力部(15)に接続され、映像中継装置(20)内の通信制御部(21)から純正ナビゲーションシステム(10)内の通信部(13)に第1の制御信号を送信し、映像中継装置(20)内の切替信号制御部(23)から純正ナビゲーションシステム(10)内の映像切替入力部(17)に第2の制御信号を送信し、さらに映像出力部(15)から送信される映像信号とカメラECU(32)から送信される映像信号を切替えて純正ナビゲーションシステム(10)内の映像入力部に送信する機能を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像用入力端子と映像出力端子とディスプレイ部と通信用端子を備えるナビゲーションシステムを対象とする車載用映像中継装置であって、
前記ナビゲーションシステムは特定の種類の車載機器が前記通信端子部に電気的に接続可能とされ、且つ前記通信端子部を介して接続された機器の種類を判別するための信号を受信したことを条件とし、前記映像出力端子に特定の映像信号を出力するシステムであり、
前記車載用映像中継装置は、前記通信端子に接続された場合に、前記ナビゲーションシステムの前記通信端子を介して、前記機器の種類を判別するための信号を模した信号を送信し、前記映像出力端子に特定の映像信号を出力させる制御部を有する、
車載用映像中継装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車載用映像中継装置であって、
前記ナビゲーションシステムの前記映像用入力端子に本来入力されるべき映像信号とは別の前記映像出力端子から出力された第2の映像信号を入力することを可能とする映像信号切替部と、
前記映像入力端子に入力された映像信号を前記ディスプレイ部に映し出すための切替信号の入力端子を有した、前記ナビゲーションシステムにおいて、切替信号の送信を可能とする制御部と
を有する車載用映像中継装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の車載用映像中継装置であって、
スイッチとインジケーターとで構成される操作部と、
前記車載用映像中継装置の動作実行を任意で行うことができ、前記車載用映像中継装置の動作状態を示すインジケーターと
を有する車載用映像中継装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の車載用映像中継装置であって、
車両内にあるLAN通信と通信可能な通信制御部と、
前記車載用映像中継装置の動作と停止の切替を、前記LAN通信にある車両制御用データで行う機能と
を有する車載用映像中継装置。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の車載用映像中継装置であって、
音を発する装置と、
前記車載用映像中継装置の動作状態を音で示す機能と
を有する車載用映像中継装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載ナビゲーションシステム用の車載用映像中継装置に関し、特に通信を行う純正ナビゲーションシステム用の中継装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、純正の車載ナビゲーションシステムに搭載されているテレビは車両の走行中に運転者がテレビの視聴を行うと、わき見運転の可能性がある為、安全性を考慮し走行中はテレビの視聴ができないような機能が搭載されている。
しかし、それでは運転に支障の無い助手席や後席の同乗者も走行中にテレビを視聴することが出来ないために、走行中であってもテレビの視聴ができるようにするアダプターが製造販売されている。
純正ナビゲーションシステムには車両が走行中であることを検知するために、車速パルス信号(車両の走行速度に応じたパルス信号)等が用いられているが、従来の車載用テレビアダプターではこれらの車速パルス信号等を車両が走行中であっても、停車中であるかのように変換して純正ナビゲーションシステムに送信、又はそれらの信号を純正ナビゲーションシステムに送信しないように遮断するという手法がとられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-43064号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の手法である車速パルスを停車中であるかのように変換する方法では実際の車両は走行中であっても、ナビゲーションシステムには車両が停車中(車速パルスが無い状態)である信号しか入力されないために、実際の車両の走行位置とナビゲーションシステムの地図上の車両の位置にズレが生じてしまうという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するためには、車速パルスを停車中であるかのように変換する方法は行わず、純正ナビゲーションシステム内の映像信号出力部より出力されるリアモニター用のテレビ映像信号を、カメラECU(Electronic Control Unit)と接続されている映像入力部に入力されるカメラ映像信号と切替て入力させることにより、車両が走行中であってもテレビの視聴を可能とし、さらには車速パルスを停車中であるかのように変換又は遮断を行わないので、実際の車両の走行位置とナビゲーションシステム上の車両の走行位置を正確に表示することができる。
【発明の効果】
【0006】
本発明の車載用映像中継装置は、ナビゲーションの自車位置表示の精度を損なうことなく、車両走行中であってもテレビの視聴を可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、第1の実施形態に係る本発明の映像中継装置と車載システムを概略的に例示するブロック図である。
図2図2は、本来の車載システムを概略的に例示するブロック図である。
図3図3は、第2の実施形態に係る本発明の映像中継装置と車載システムを概略的に例示するブロック図である。
図4図4は、第1の実施形態に係る動作を示すフォローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0009】
〔第1の実施の形態〕
図2は純正ナビゲーションシステムとカメラ・カメラECUとの関係を示した図である。
図2に示す純正ナビゲーションシステム(10b)はディスプレイ部(11b)・ナビゲーション部(12b)・通信部(13b)・テレビチューナー部(14b)・映像出力部(15b)・映像入力部(16b)・映像切替入力部(17b)で構成されている、実際の車両ではこの他にも機能があるが、本発明に関連する部分を記載している。
図2に示すカメラ(31b)は車両に搭載されたバック走行時に後方確認用のバックカメラカメラや前方確認用の前方カメラ、車両側面確認用のサイドカメラ等のカメラ全般を示す、カメラECU(32b)は前期カメラ類の複数のカメラ画像を合成したり、切替えたりするコントロールユニットを示す。
動作の一例を示すと、車両のシフトレバーによりバック(R)が選択されたときは、カメラECU(32b)から純正ナビゲーションシステム(10b)の映像切替入力部(17b)に車両がバック状態であることを示す信号と、映像入力部(16b)にバックカメラの映像信号が送信され、それらを受けた純正ナビゲーションシステム(10b)はディスプレイ部(11b)にバックカメラの映像を映し出す。
純正ナビゲーションシステムのディスプレイ部にはナビゲーションの地図表示やテレビの画像(車両の停車時のみ)等を運転者が切替えることにより表示させることができる。ただし車両が走行を開始した場合にはテレビの画面を表示中であっても、「走行中はテレビ画面の表示はできません」等の注意画面に変る又は、地図画面に自動で切り替わる機能が備わっており、この機能によって走行中にテレビの画面を表示することが出来ない。
【0010】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る、車載用映像中継装置の構成を示すブロック図である。
図1に示す純正ナビゲーションシステム(10)はディスプレイ部(11)・ナビゲーション部(12)・通信部(13)・テレビチューナー部(14)・映像出力部(15)・映像入力部(16)・映像切替入力部(17)で構成されている、実際の車両ではこの他にも機能があるが、本発明に関連する部分を記載している。
図1に示す映像中継装置(20)は通信制御部(21)・映像切替部(22)・切替信号制御部(23)で構成されており、操作部(50)はスイッチ(51)とインジケーター(52)で構成されている。
図1に示すカメラ(31)は車両に搭載されたバック走行時に後方確認用のバックカメラや前方確認用の前方カメラ、車両側面の確認用のサイドカメラ等のカメラ全般を示す、カメラECU(32)は前期カメラ類の複数のカメラ画像を合成したり、切替えたりするコントロールユニットを示す。
【0011】
第1形態の場合、純正ナビゲーションシステムのディスプレイ部にはナビゲーションの地図表示やテレビの画像(車両の停車時のみ)等を運転者が切替えることにより表示させることができる。ただし車両が走行を開始した場合にはテレビの画面を表示中であっても、「走行中はテレビ画面の表示はできません」等の注意画面に変る又は、地図画面に自動で切り替わる機能が備わっており、この機能によって走行中にテレビの画面を表示することが出来ないことは前記図2で説明したが、映像出力部(15)にはリア座席用のモニターが接続される為の出力端子が設けられていて、本来の目的である純正のリアモニターを接続した場合には通信部(13)にリアモニターが接続されたことを示す信号やリアモニターにどのような画像を映し出すのかをコントロールする信号が純正のリアモニター側から入力される。
リアモニターは後部座席用のモニターであり運転者が注視することは物理的に不可能である為に、車両が走行中であってもテレビ画面を表示できる、すなわち映像出力部(15)には走行中であってもテレビ画面を出力できる機能をなっている。
【0012】
次に、車両が本発明の映像中継装置が動作していない通常の状態での純正ナビゲーションシステム(10)の動作を説明すると、車両がバック時にはカメラECUから車両がバック状態であることを示す映像切替信号(45)とバックカメラの映像信号(44)が送信される。
これらの信号を受けた純正ナビゲーションシステムはディスプレイ部にそれまで表示していた地図画面等からバックカメラの映像に切替え表示する。
この場合は車両が走行中であっても、バックカメラの映像が表示される機能となっているが、これは車両がバック走行中に安全確認するための映像なので、走行中であっても画像の表示が行わるのは当然の機能である。
【0013】
第1形態の本発明の映像中継装置が作動中の働きを説明すると、映像中継装置の通信制御部からはリアモニターが接続されたことを示す信号とリアモニターにテレビ映像を映し出すことを示す信号を模した信号を送信する。このことにより、実際には映像出力部(15)にリアモニターが接続されていなくても、純正ナビゲーションシステムはテレビ映像等を出力する。さらに切替信号制御部からは車両がバック走行中である信号を模した信号を映像切替入力部に送信することにより、ディスプレイ部にはバックカメラの映像、すなわち映像入力部に入力された映像が映し出される。
【0014】
さらに映像切替部において本来接続されているカメラ映像の信号を遮断し、代わりに映像出力部より送信されているテレビ映像を映像入力部に切替えて送信することにより、車両が走行中であっても、テレビ映像をディスプレイに映し出すことが可能となる。また実際の車両がバックした場合は、カメラECUからバックを示す信号(45)が送信されるので、それを切替信号制御部で受けた場合は、バックカメラの映像に着かえることにより、テレビ視聴中であってもバック時はバックカメラの映像を確認できる。
【0015】
操作部(50)には映像切替装置を動作させることを選択できるスイッチと映像切替装置の動作状態を示すインジケーターを備えることにより、運転者が任意意思のもとでテレビ画像を走行中に映し出すことを選択できる。
【0016】
また車両がバック中である場合は、切替信号入力部にはカメラECUから(45)を通じしてバック中であることの信号が入力されるので、この場合は操作部(50)のスイッチ(51)が押されても、インジケーター(52)を点滅表示し、バック中である為にテレビ映像に切替できないことを操作者に示す。
具体的な動作条件等は図4のフォローチャートに示す。
【0017】
上記の説明はカメラECUからの映像や映像切替信号は車両がバックしている場合を想定して説明したが、車両が前進走行中であっても運転者の操作や一定の条件を満たした場合は前方カメラやサイドカメラ等の映像を表示でき、その場合も映像切替入力部にはカメラECUの映像を映すための指示信号が入力されるので、バック時と同様となる。
【0018】
〔第2の実施の形態〕
上記第1の形態に記載してある操作部(50)はスイッチを押して動作させるか否かを選択すると説明したが、このスイッチに変わり、車両から発せられる特定の信号(例えばステアリングの設けられたスイッチを設定した順序で押した場合等)を使用する。
【0019】
この場合の例としては図3に示すように純正ナビゲーション(10c)と映像中継装置(20c)とカメラECU(32c)はLAN通信で接続されており、通信制御部においては、リアモニターが接続されている事を示す模擬信号の発生、リアモニターにテレビ映像を映し出すことを示す信号を模した信号を送信、車両がバック中であること模した信号を送信、車両がバック中でることを認識するための信号を送受信する機能を備える。
【0020】
上記LAN通信とは、AVC-LAN(Audio Visual Communication Local Area Network)やCAN(Controller Area Network)通信等の車内用の通信全般を表す。
【0021】
またインジケーターに変わり、動作したことを示す為にブザー等の音で運転者に知らせるものとしてもよい。
【符号の説明】
【0022】
10…純正ナビゲーションシステム
11…純正ナビゲーションシステムのディスプレイ部
12…純正ナビゲーションシステムのナビゲーション部
13…純正ナビゲーションシステムの通信部
14…純正ナビゲーションシステムのテレビチューナー部
15…純正ナビゲーションシステムの映像出力部
16…純正ナビゲーションシステムの映像入力部
17…純正ナビゲーションシステムの映像切替部
20…映像中継装置
21…映像中継装置の通信制御部
22…映像中継装置の映像切替部
23…映像中継装置の切替信号制御部
31…車載のカメラ装置
32…車載カメラECU(Electronic Control Unit)
50…映像中継装置の操作部
51…映像中継装置の操作部のスイッチ
52…映像中継装置の操作部のインジケーター
40~45…通信・映像等の信号を伝送する接続線(複数線で構成されている場合もある)
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2022-05-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像入力端子と映像出力端子とディスプレイ部と通信端子を備えるナビゲーションシステムを対象とする車載用映像中継装置であって、
前記ナビゲーションシステムは、前記通信端子を介してリアモニターに映像を映すための信号を受信したことを条件とし、前記映像出力端子に特定の映像信号を出力するシステムであり、
前記車載用映像中継装置は、
前記通信端子に接続された場合に、前記ナビゲーションシステムの前記通信端子を介して、前記リアモニターに映像を映すための信号を模した信号を送信し、前記映像出力端子に特定の映像信号を出力させる通信制御部と、
前記ナビゲーションシステムの前記映像入力端子に本来入力されるべき映像信号とは別の前記映像出力端子から出力された第2の映像信号を入力することを可能とする映像信号切替部と、
前記映像入力端子に入力された映像信号を前記ディスプレイ部に映し出すための切替信号の入力端子を有した、前記ナビゲーションシステムにおいて、切替信号の送信を可能とする切替信号制御部と
を有する
車載用映像中継装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車載用映像中継装置であって、前記リアモニターに映像を映すための信号は、
前記リアモニターが接続されたことを示す信号と、
前記リアモニターにテレビ映像を映し出すことを示す信号と
のうちの一方又は双方を含む、車載用映像装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の車載用映像中継装置であって、
スイッチとインジケーターとで構成される操作部と、
前記車載用映像中継装置の動作実行を任意で行うことができ、前記車載用映像中継装置の動作状態を示すインジケーターと
を有する車載用映像中継装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の車載用映像中継装置であって、
車両内にあるLAN通信と通信可能な通信制御部と、
前記車載用映像中継装置の動作と停止の切替を、前記LAN通信にある車両制御用データで行う機能と
を有する車載用映像中継装置。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の車載用映像中継装置であって、
音を発する装置と、
前記車載用映像中継装置の動作状態を音で示す機能と
を有する車載用映像中継装置。