(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023156275
(43)【公開日】2023-10-24
(54)【発明の名称】ドリフト補正を用いるモーションセンサ
(51)【国際特許分類】
G01C 21/28 20060101AFI20231017BHJP
【FI】
G01C21/28
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023109209
(22)【出願日】2023-07-03
(62)【分割の表示】P 2020572974の分割
【原出願日】2019-06-27
(31)【優先権主張番号】62/690,865
(32)【優先日】2018-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
2.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】517202814
【氏名又は名称】セス,ロヒット
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】セス,ロヒット
(57)【要約】 (修正有)
【課題】物体の位置/場所及び方位を追跡するための追跡デバイスを実現するためのシステム及び/又はデバイスを提供する。
【解決手段】デバイスは、所定の形状を規定する1つ又は複数の面と、所定の形状の1つ又は複数の面に取り付けられた複数の慣性計測装置(IMU)とを有する。各IMUは、物体の移動を検出し、並びに物体の位置及び/又は方位を表す慣性出力データを生成するように構成される。各IMUは、第1のサブセンサ及び第2のサブセンサを含む。各IMUは、追跡デバイスの中心点に対して所定の距離及び方位に配置される。デバイスは、複数のIMUに通信可能に結合されたコントローラも有し、コントローラは、複数のIMUのそれぞれから出力データを受信し、センサデータからドリフトを排除するために、複数のIMUからの受信された出力データ及び所定の形状に関する既知のデータ点に基づいて、物体の位置/場所及び方位を決定する。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体の場所及び方位を追跡するための追跡デバイスであって、
所定の形状を規定する1つ又は複数の面と、
前記所定の形状の前記1つ又は複数の面に取り付けられた複数の慣性計測装置(IMU)であって、各IMUが、前記物体の移動を検出し、並びに前記物体の前記場所及び/又は方位を表す慣性出力データを生成するように構成され、各IMUが、第1のサブセンサ及び第2のサブセンサを含み、各IMUが、前記追跡デバイスの重心に対して所定の距離及び方位に配置される、複数のIMUと、
前記複数のIMUに通信可能に結合されたコントローラであって、
高サンプリングレートで、前記複数のIMUのそれぞれから、第1のサブセンサ慣性出力データ及び第2のサブセンサ慣性出力データを受信するステップと、
IMUごとに、
前記第1のサブセンサ慣性出力データ及び前記第2のサブセンサ慣性出力データに基づいて、較正された慣性出力データを生成するステップと、
分解慣性出力データを生成するために、前記第1のサブセンサ慣性出力データを前記第2のサブセンサ慣性出力データと相互相関させることによって、前記第2のサブセンサ慣性出力データを用いて、異常を識別し、及び前記第1のサブセンサ慣性出力データから除去するステップと、
前記複数のIMUのそれぞれからの前記分解慣性出力データに基づいて、前記追跡デバイスの位置及び回転状態を決定するステップと、
前記追跡デバイスの前記位置及び回転状態に基づいて、合成技法を用いて、IMU合成データを生成するために、第1のサブセンサ慣性出力データ及び第2のサブセンサ慣性出力データを合成するステップと、
前記複数のIMUのそれぞれに関する、前記合成されたデータ、前記複数のIMUのそれぞれの所定の位置、及び前記複数のIMUのそれぞれの所定の方位に基づいて、現在の追跡デバイス修正データ出力を計算するステップと、
前記現在の物体修正データ出力と、以前の物体修正データ出力との差に基づいて、物体の現在の場所及び方位を計算するステップと、
を行うように構成された、コントローラと、
を有する、追跡デバイス。
【請求項2】
較正された慣性出力データを生成することが、前記第1のサブセンサ慣性出力データ及び前記第2のサブセンサ慣性出力データを評価するために、ニューラルネットワーク重みを使用することであって、前記重みが、前記追跡デバイスの前記位置状態に基づいて学習率で調節される、使用することと、前記物体の実際の移動と、前記物体の推定された移動との差を表す相違値を計算することと、前記較正された慣性出力データから前記相違値を除去することと、を含む、請求項1に記載の追跡デバイス。
【請求項3】
第1のサブセンサ慣性出力データ及び前記第2の慣性出力データの前記ニューラルネットワークに適用される前記重みが、前記第1のサブセンサ及び前記第2のサブセンサのそれぞれからの履歴慣性出力データに基づいて調節される、請求項2に記載の追跡デバイス。
【請求項4】
前記第1のサブセンサに対応する、前記分解慣性出力データが、前記第2のサブセンサ慣性出力データに基づいて較正される、請求項1~3の何れか一項に記載の追跡デバイス。
【請求項5】
前記第1のサブセンサ慣性出力データを前記第2のサブセンサ慣性出力データと相互相関させることが、前記第1のサブセンサ慣性出力データを表す前記分解慣性出力データを生成するために、パターン認識を前記第2のサブセンサ慣性出力データに適用することを含む、請求項1~4の何れか一項に記載の追跡デバイス。
【請求項6】
信号調整によって信号ノイズを最小限に抑えるために、前記第1のサブセンサ慣性出力データ及び前記第2のサブセンサ慣性出力データがフィルタにかけられる、請求項1~5の何れか一項に記載の追跡デバイス。
【請求項7】
前記複数のIMUのそれぞれからの前記第1のサブセンサ慣性出力データ及び第2のサブセンサ慣性出力データが、高速の、連続的な、高サンプリングレートのために、約1ms未満で周期的に受信される、請求項1~5の何れか一項に記載の追跡デバイス。
【請求項8】
第1のサブセンサ及び第2のサブセンサが、それぞれ、加速度計、磁力計、ジャイロスコープ、高度計、及び/又は圧力センサの1つであり、前記第1のサブセンサが、前記第2のサブセンサとは異なるセンサタイプである、請求項1~5の何れか一項に記載の追跡デバイス。
【請求項9】
前記所定の形状が、平面、四面体、及び立方体の1つである、請求項1~8の何れか一項に記載の追跡デバイス。
【請求項10】
前記修正データ出力を計算するために使用される前記複数のIMUの少なくとも幾つかが、互いに対して異なる2つの軸に沿って異なる角度で配向される、請求項1~9の何れか一項に記載の追跡デバイス。
【請求項11】
前記現在の物体修正データ出力と、前記以前の物体修正データ出力との前記差に基づいて、前記物体の前記現在の位置及び方位を計算することが、
エッジ状態を識別することと、
前記エッジ状態を除去するために、前記現在の物体修正データ出力及び前記以前の物体修正データ出力を混合することと、
を含む、請求項1~10の何れか一項に記載の追跡デバイス。
【請求項12】
追跡デバイスを使用して、物体の位置及び方位を追跡する方法であって、前記追跡デバイスが、所定の形状を規定する1つ又は複数の面と、前記所定の形状の前記1つ又は複数の面に取り付けられた複数の慣性計測装置(IMU)であって、各IMUが、第1のサブセンサ及び第2のサブセンサを含み、各IMUが、前記追跡デバイスの重心に対して所定の距離及び方位に配置される、複数のIMUと、前記複数のIMUに通信可能に結合されたコントローラと、を含み、前記方法が、
各IMUにおいて、前記物体の移動を検出すること、並びに前記物体の位置及び/又は方位を表す慣性出力データを生成することと、
前記コントローラにおいて、
前記複数のIMUのそれぞれから、第1のサブセンサ慣性出力データ及び第2のサブセンサ慣性出力データを受信することと、
IMUごとに、
前記第1のサブセンサ慣性出力データ及び前記第2のサブセンサ慣性出力データに基づいて、較正された慣性出力データを生成することと、
分解慣性出力データを生成するために、前記第1のサブセンサ慣性出力データを前記第2のサブセンサ慣性出力データと相互相関させることによって、前記第2のサブセンサ慣性出力データを用いて、異常を識別し、及び前記第1のサブセンサ慣性出力データから除去することと、
前記複数のIMUのそれぞれからの前記分解慣性出力データに基づいて、前記追跡デバイスの位置及び回転状態を決定することと、
前記追跡デバイスの前記位置及び回転状態に基づいて、合成技法を用いて、IMU合成データを生成するために、第1のサブセンサ慣性出力データ及び第2のサブセンサ慣性出力データを合成することと、
前記複数のIMUのそれぞれに関する合成された、前記補正された移動、前記複数のIMUのそれぞれの所定の位置、及び前記複数のIMUのそれぞれの所定の方位に基づいて、現在の追跡デバイス修正データ出力を計算することと、
前記現在の物体修正データ出力と、以前の物体修正データ出力との差に基づいて、物体の現在の場所及び方位を計算することと、
を有する、方法。
【請求項13】
較正された慣性出力データを生成することが、重みを前記第1のサブセンサ慣性出力データ及び前記第2のサブセンサ慣性出力データに適用するために、ニューラルネットワークを使用することであって、前記重みが、前記追跡デバイスの前記位置状態に基づいて学習率で調節される、使用することと、前記物体の実際の移動と、前記物体の推定された移動との差を表す相違値を計算することと、前記較正された慣性出力データから前記相違値を除去することと、を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1のサブセンサ慣性出力データ及び前記第2の慣性出力データに適用される前記重みが、前記第1のサブセンサ及び前記第2のサブセンサのそれぞれからの履歴慣性出力データに基づいて調節される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第1のサブセンサに対応する、前記分解慣性出力データが、前記第2のサブセンサ慣性出力データに基づいて較正される、請求項12~14の何れか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記第1のサブセンサ慣性出力データを前記第2のサブセンサ慣性出力データと相互相関させることが、前記第1のサブセンサ慣性出力データを表す前記分解慣性出力データを生成するために、パターン認識を前記第2のサブセンサ慣性出力データに適用することを含む、請求項12~15の何れか一項に記載の方法。
【請求項17】
信号ノイズを最小限に抑えるために、前記第1のサブセンサ慣性出力データ及び前記第2のサブセンサ慣性出力データがフィルタにかけられる、請求項12~16の何れか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記複数のIMUのそれぞれからの前記第1のサブセンサ慣性出力データ及び第2のサブセンサ慣性出力データが、連続的な、高サンプリングレートのために、約1ms未満で周期的に受信される、請求項12~16の何れか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記第1のサブセンサ及び前記第2のサブセンサが、それぞれ、加速度計、磁力計、ジャイロスコープ、高度計、及び/又は圧力センサの1つであり、前記第1のサブセンサが、前記第2のサブセンサとは異なるセンサタイプである、請求項12~18の何れか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記所定の形状が、平面、四面体、及び立方体の1つである、請求項12~19の何れか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記修正データ出力を計算するために使用される前記複数のIMUの少なくとも幾つかが、互いに対して異なる2つの軸に沿って異なる角度で配向される、請求項12~20の何れか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記現在の物体修正データ出力と、前記以前の物体修正データ出力との前記差に基づいて、前記物体の前記現在の場所及び方位を計算することが、
エッジ状態を識別することと、
前記エッジ状態を除去するために、前記現在の物体修正データ出力及び前記以前の物体修正データ出力を混合することと、
を含む、請求項12~21の何れか一項に記載の方法。
【請求項23】
1つ又は複数のプロセッサを含むコンピュータシステムによって実行されるように構成された1つ又は複数のコンピュータプログラムを保存する、非一時的なコンピュータ可読ストレージ媒体であって、前記1つ又は複数のプログラムが、実行されると、請求項12~22の何れか一項に記載の方法を前記コンピュータシステムに行わせる命令、非一時的なコンピュータ可読ストレージ媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
[0001] 開示する実施態様は、一般に、モーションセンサに関し、より詳細には、幾つかの実施態様では、全地球測位システム(GPS)よりも正確で、且つ外部基準マーカ、トランスポンダ、又はサテライトから独立した位置追跡が可能な、ドリフト補正を用いるモーションセンサを実現するための方法、システム、及びデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
背景
[0002] モーション追跡は、物体の回転(ピッチ、ヨー、及びロール)並びに並進移動を認識することによって、物体の正確な位置及び場所を検出する。慣性追跡は、物体の位置的変化を測定するために、物体に取り付けられたセンサ(例えば、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計、高度計、及び圧力センサ)からのデータを使用するモーション追跡の一種である。これらのセンサの幾つかは、動作するために推測航法に依存する慣性センサである。推測航法は、以前に決定された位置を使用し、経過時間及びコースにわたる、既知の、又は推定された加速度、速度、又は変位に基づいて、その位置を前進させることによって、物体の現在の場所を計算するプロセスである。推測航法技術は、多少効果的ではあるが、それらは、「ドリフト」と呼ばれる累積誤差を受ける。一部のIMUは、加速度計からの加速度データを二度積分することによって、相対位置/場所を推定するため、加速度の小さな誤差でさえ、時間と共に累積する、相対位置/場所の複合の増大する誤差をもたらす。同様に、ジャイロスコープの角速度データの誤差は、相対角方位の累積誤差をもたらす。従って、加速度及びジャイロスコープデータは、分離して使用されるときは、IMUを使用して追跡されている物体の方位及び位置的変化を推定するには信頼性が低い。
【0003】
[0003] ドリフトを排除せずに補償する従来の解決策は、費用が高すぎ、及び/又は信頼性が低すぎる。このような解決策の1つは、例えばカメラ又はGPSからの外部基準データを、追跡されている物体に取り付けられたIMUからのデータと統合することによって、規定の間隔でIMUデータのドリフトをリセットする。IMUデータをGPS信号と融合させることは、一般的に、大きな誤差マージン(例えば、数メートル)をもたらす。他の解決策は、カルマンフィルタ、及び示差測定技術を用いて大規模なサンプル又は多数のIMUセンサにわたる統計的計算を使用して方位ドリフトを減少させようと試みるための重み付き平均化を用いて、複数のIMUからのデータを融合する。複数のセンサが使用されるときは、センサの内の数個が遮断された場合でさえ、方位追跡は、ますます信頼性が低くなる。場所追跡は、重み付き統計計算を用いた複数のセンサを使用する、現在最良のドリフト補償技術を用いても解くことができないままである。さらに、マルチセンサシステムにおける総合的なドリフトを大幅に減少させるためには、非常に多くのセンサが必要とされる。センサが多くなれば、費用も高くなり、総消費電力も増え、並びに方位データのサンプリング及び処理の待ち時間も増えることを意味する。待ち時間の増加は、低サンプリングレートの原因となり、位置的誤差及び位置精度の低下をさらにもたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
概要
[0004] 従って、ドリフトを補正する、費用効率の高い、高精度の、高速モーションセンサを実現するためのシステム及び/又はデバイスに対するニーズが存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[0005] (A1)ある態様において、幾つかの実施態様は、物体の場所及び方位を追跡するための追跡デバイスを含む。本デバイスは、所定の形状を形成する1つ又は複数の面を有する。本デバイスは、所定の形状の1つ又は複数の面に取り付けられた複数の慣性計測装置(IMU)も有する。各IMUは、物体の移動を検出し、並びに物体の非線形加速度及び/又は角速度を表す慣性出力データを生成するように構成される。各IMUは、第1のサブセンサ及び第2のサブセンサを含む。各IMUは、互いに対して、及び追跡デバイスの重心に対して、所定の距離及び方位に配置される。本デバイスは、複数のIMUに通信可能に結合されたコントローラも有し、このコントローラは、一連のステップを行うように構成される。一連のステップは、複数のIMUのそれぞれから、第1のサブセンサ慣性出力データ及び第2のサブセンサ慣性出力データを受信することを有する。一連のステップは、IMUごとに、第1のサブセンサ慣性出力データ及び第2のサブセンサ慣性出力データに基づいて、較正された慣性出力データを生成することと、分解慣性出力データを生成するために、第1のサブセンサ慣性出力データを第2のサブセンサ慣性出力データと相互相関させることによって、第2のサブセンサ慣性出力データを用いて、異常を識別し、及び第1のサブセンサ慣性出力データから除去することと、も有する。一連のステップは、各IMUからの分解慣性出力データに基づいて、追跡デバイスの並進及び回転状態を決定することも有する。一連のステップは、追跡デバイスの並進及び回転状態に基づいて、合成技法を用いて、IMU合成又は算出データを生成するために、第1のサブセンサ慣性出力データ及び第2のサブセンサ慣性出力データを合成することも有する。一連のステップは、各IMUの合成された移動、各IMUの所定の位置、及び各IMUの所定の方位に基づいて、現在の追跡デバイス修正データ出力(本明細書では、「ドリフトフリー」又は「ドリフト補正された」とも呼ばれる)を計算することも有する。一連のステップは、現在の物体修正データ出力と、以前の物体ドリフトフリー又は修正データ出力との差に基づいて、物体の現在の場所及び方位を計算することも有する。
【0006】
[0006] (A2)較正された慣性出力データを生成することが、第1のサブセンサ慣性出力データ及び第2のサブセンサ慣性出力データにニューラルネットワーク重みを適用することであって、ニューラルネットワーク重みが、追跡デバイスの位置状態に基づいて学習率で調節される、適用することと、物体の実際の移動と、物体の推定された移動との差を表す相違値を計算することと、較正された慣性出力データから相違値を除去することと、を含む、A1の追跡デバイスの幾つかの実施態様において。
【0007】
[0007] (A3)A2の追跡デバイスの幾つかの実施態様では、第1のサブセンサ慣性出力データ及び第2の慣性出力データに適用されるニューラルネットワーク重みが、第1のサブセンサ及び第2のサブセンサのそれぞれからの履歴慣性出力データに基づく。
【0008】
[0008] (A4)A1の追跡デバイスの幾つかの実施態様では、第1のサブセンサに対応する、分解慣性出力データが、第1のサブセンサの動的較正ニューラルネットワークにフィードバックを提供することによって、第2のサブセンサ慣性出力データに基づいて較正される。
【0009】
[0009] (A5)A1の追跡デバイスの幾つかの実施態様では、第1のサブセンサ慣性出力データを第2のサブセンサ慣性出力データと相互相関させることが、第1のサブセンサ慣性出力データを表す分解慣性出力データを生成するために、パターン認識を第2のサブセンサ慣性出力データに適用することを含む。
【0010】
[0010] (A6)A1の追跡デバイスの幾つかの実施態様では、信号調整によって信号ノイズを最小限に抑えるために、第1のサブセンサ慣性出力データ及び第2のサブセンサ慣性出力データがフィルタにかけられる。
【0011】
[0011] (A7)A1の追跡デバイスの幾つかの実施態様では、複数のIMUのそれぞれからの第1のサブセンサ慣性出力データ及び第2のサブセンサ慣性出力データが、連続的な、高サンプリングレートのために、約1ミリ秒(ms)未満で周期的に受信される。
【0012】
[0012] (A8)A1の追跡デバイスの幾つかの実施態様では、第1のサブセンサ及び第2のサブセンサが、それぞれ、加速度計、磁力計、ジャイロスコープ、高度計、及び圧力センサの1つであり、第1のサブセンサが、第2のサブセンサとは異なるセンサタイプである。
【0013】
[0013] (A9)A1の追跡デバイスの幾つかの実施態様では、所定の形状が、平面、四面体、立方体、又は何らかのプラトンの立体、又はIMU間で既知の距離及び天使を有する、その他の不規則な構成の1つである。
【0014】
[0014] (A10)A1の追跡デバイスの幾つかの実施態様では、修正IMUデータ出力を計算するために使用されるIMUの少なくとも幾つかが、互いに対して異なる2つの軸に沿って異なる角度で配向される。
【0015】
[0015] (A11)A1の追跡デバイスの幾つかの実施態様では、現在の修正IMU出力と、以前の物体修正IMU出力との差に基づいて、物体の現在の位置及び方位を計算することが、エッジ状態を識別することと、ニューラルネットワークを使用して、エッジ状態を除去するために、現在の物体修正IMU出力及び以前の物体修正IMU出力を混合することと、を含む。
【0016】
[0016] 別の態様において、幾つかの実施態様は、追跡デバイスを使用して、物体の場所及び方位を追跡する方法を含む。追跡デバイスは、所定の形状を規定する1つ又は複数の面を含む。追跡デバイスは、所定の形状の1つ又は複数の面に取り付けられた複数の慣性計測装置(IMU)も含む。各IMUは、第1のサブセンサ及び第2のサブセンサを含む。各IMUは、互いに対して、及び追跡デバイスの重心に対して、所定の距離及び方位に配置される。追跡デバイスは、IMUに通信可能に結合されたコントローラも含む。本方法は、一連のステップを行うことを有する。一連のステップは、各IMUにおいて、物体の移動を検出すること、並びに物体の加速度及び/又は角速度を表す慣性出力データを生成することを含む。一連のステップは、コントローラにおいて、複数のIMUのそれぞれから、第1のサブセンサ慣性出力データ及び第2のサブセンサ慣性出力データを受信することも含む。一連のステップは、コントローラにおいて、IMUごとに、第1のサブセンサ慣性出力データ及び第2のサブセンサ慣性出力データに基づいて、較正された慣性出力データを生成することと、分解慣性出力データを生成するために、第1のサブセンサ慣性出力データを第2のサブセンサ慣性出力データと相互相関させることによって、第2のサブセンサ慣性出力データを用いて、異常を識別し、及び第1のサブセンサ慣性出力データから除去することと、も含む。一連のステップは、コントローラにおいて、各IMUからの分解慣性出力データに基づいて、追跡デバイスの並進及び回転状態を決定することも含む。一連のステップは、コントローラにおいて、追跡デバイスの位置及び回転状態に基づいて、合成技法を用いて、IMU合成又は算出データを生成するために、第1のサブセンサ慣性出力データ及び第2のサブセンサ慣性出力データを合成することも含む。一連のステップは、コントローラにおいて、各IMUの合成移動、各IMUの所定の場所、及び各IMUの所定の方位に基づいて、現在の追跡デバイス総合的ドリフトフリー又は修正データ出力を計算することも含む。一連のステップは、コントローラにおいて、現在の物体総合的修正データと、以前の物体総合的修正データとの差に基づいて、物体の現在の場所及び方位を計算することも含む。
【0017】
[0017] (A13)較正された慣性出力データを生成することが、ニューラルネットワーク重みを第1のサブセンサ慣性出力データ及び第2のサブセンサ慣性出力データに適用することであって、ニューラルネットワーク重みが、追跡デバイスの位置状態に基づいて学習率で調節される、適用することと、物体の実際の移動と、物体の推定された移動との差を表す相違値を計算することと、較正された慣性出力データから相違値を除去することと、を含む、(A12)の方法の幾つかの実施態様において。
【0018】
[0018] (A14)(A13)の方法の幾つかの実施態様では、第1のサブセンサ慣性出力データ及び第2の慣性出力データに適用されるニューラルネットワーク重みが、第1のサブセンサ及び第2のサブセンサのそれぞれからの履歴慣性出力データに基づく。
【0019】
[0019] (A15)(A12)の方法の幾つかの実施態様では、第1のサブセンサに対応する、分解慣性出力データが、第1のサブセンサの動的較正ニューラルネットワークにフィードバックを提供することによって、第2のサブセンサ慣性出力データに基づいて較正される。
【0020】
[0020] (A16)(A12)の方法の幾つかの実施態様では、第1のサブセンサ慣性出力データを第2のサブセンサ慣性出力データと相互相関させることが、第1のサブセンサ慣性出力データを表す分解慣性出力データを生成するために、パターン認識を第2のサブセンサ慣性出力データに適用することを含む。
【0021】
[0021] (A17)(A12)の方法の幾つかの実施態様では、信号調整によって信号ノイズを最小限に抑えるために、第1のサブセンサ慣性出力データ及び第2のサブセンサ慣性出力データがフィルタにかけられる。
【0022】
[0022] (A18)(A12)の方法の幾つかの実施態様では、複数のIMUのそれぞれからの第1のサブセンサ慣性出力データ及び第2のサブセンサ慣性出力データが、連続的な、高サンプリングレートのために、約1ms未満で周期的に受信される。
【0023】
[0023] (A19)(A12)の方法の幾つかの実施態様では、第1のサブセンサ及び第2のサブセンサが、それぞれ、加速度計、磁力計、ジャイロスコープ、高度計、及び圧力センサの1つであり、第1のサブセンサが、第2のサブセンサとは異なるセンサタイプである。
【0024】
[0024] (A20)(A12)の方法の幾つかの実施態様では、所定の形状が、平面、四面体、立方体、又は何らかのプラトンの立体、又はIMU間で既知の距離及び天使を有する、その他の不規則な構成の1つである。
【0025】
[0025] (A21)(A12)の方法の幾つかの実施態様では、総合的ドリフトフリー又は修正システム出力を計算するために使用されるIMUの少なくとも幾つかが、互いに対して異なる2つの軸に沿って異なる角度で配向される。
【0026】
[0026] (A22)(A12)の方法の幾つかの実施態様では、現在の物体修正データと、以前の物体修正データ出力との差に基づいて、物体の現在の場所及び方位を計算することが、エッジ状態を識別することと、ニューラルネットワークを使用して、エッジ状態を除去するために、現在の物体修正データ出力及び以前の物体修正データ出力を混合することと、を含む。
【0027】
図面の簡単な説明
[0027] 様々な記載される実施態様のより深い理解のために、図面全体を通して同様の参照番号が対応する部分を指す、以下の図面と併せて、以下の実施態様の説明が参照されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1A】[0028]幾つかの実施態様による、二次元(「2D」)又は三次元(「3D」)物体に取り付けられたモーションセンサの様々な構成を示す。
【
図1B】[0028]幾つかの実施態様による、二次元(「2D」)又は三次元(「3D」)物体に取り付けられたモーションセンサの様々な構成を示す。
【
図1C】[0028]幾つかの実施態様による、二次元(「2D」)又は三次元(「3D」)物体に取り付けられたモーションセンサの様々な構成を示す。
【
図1D】[0028]幾つかの実施態様による、二次元(「2D」)又は三次元(「3D」)物体に取り付けられたモーションセンサの様々な構成を示す。
【
図1E】[0028]幾つかの実施態様による、二次元(「2D」)又は三次元(「3D」)物体に取り付けられたモーションセンサの様々な構成を示す。
【
図1F】[0028]幾つかの実施態様による、二次元(「2D」)又は三次元(「3D」)物体に取り付けられたモーションセンサの様々な構成を示す。
【
図2】[0029]幾つかの実施態様による、ドリフト補正を用いるセンサを備えた代表的システムを示すブロック図である。
【
図3】[0030]幾つかの実施態様による、ドリフト補正を用いる代表的システムを通るセンサデータのフローを示すフロー図である。
【
図4A】[0031]幾つかの実施態様による、追跡デバイスを用いた、物体の位置及び方位を追跡する方法のフローチャート図を示す。
【
図4B】[0031]幾つかの実施態様による、追跡デバイスを用いた、物体の位置及び方位を追跡する方法のフローチャート図を示す。
【
図4C】[0031]幾つかの実施態様による、追跡デバイスを用いた、物体の位置及び方位を追跡する方法のフローチャート図を示す。
【
図4D】[0031]幾つかの実施態様による、追跡デバイスを用いた、物体の位置及び方位を追跡する方法のフローチャート図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
実施態様の説明
[0032] これより、例が添付の図面に示される実施態様について詳細に言及する。以下の詳細な説明では、様々な記載される実施態様の十分な理解を提供するために、多数の具体的詳細が記載される。しかし、様々な記載される実施態様が、これらの具体的詳細なしに実施され得ることが当業者には明らかとなるだろう。他の例では、周知の方法、プロシージャ、コンポーネント、回路、及びネットワークが、実施態様の態様を不必要に分かり難くしないように、詳細に記載されない。
【0030】
[0033] 幾つかの例では、「第1の」、「第2の」などの用語が、様々な要素を表すために本明細書で使用されるが、これらの要素は、これらの用語によって限定されるものではないことも理解されるだろう。これらの用語は、ある要素を別の要素と区別するためだけに使用される。例えば、様々な記載される実施態様の範囲から逸脱することなく、第1の電子デバイスは、第2の電子デバイスと名付けることができ、同様に、第2の電子デバイスは、第1の電子デバイスと名付けることができる。第1の電子デバイス及び第2の電子デバイスは、共に電子デバイスであるが、これらは、必ずしも同じ電子デバイスではない。
【0031】
[0034] 本明細書の様々な記載される実施態様の説明で使用される専門用語は、特定の実施態様を説明する目的のものにすぎず、限定を意図するものではない。様々な記載される実施態様の説明及び添付の特許請求の範囲において、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈上明白に他の意味を示す場合を除き、複数形も含むことが意図される。本明細書における「及び/又は」という用語は、関連する列挙されたアイテムの1つ又は複数のあらゆる可能な組み合わせを指し、及びそれらを包含することも理解されるだろう。「含む(includes)」、「含んだ(including)」、「有する(comprises)」、及び/又は「有した(comprising)」という用語は、本明細書で使用されるときに、記載された特徴、整数値、ステップ、動作、要素、及び/又はコンポーネントの存在を明示するが、1つ又は複数の他の特徴、整数値、ステップ、動作、要素、コンポーネント、及び/又はこれらのグループの存在又は追加を除外しないことがさらに理解されるだろう。
【0032】
[0035] 本明細書において、「もし~ならば(if)」という用語は、任意選択的に、文脈に応じて、「~するときに(when)」、又は「~のときに(upon)」、又は「決定に応答して(in response to determining)」、又は「検出に応答して(in response to detecting)」、又は「~という決定に従って(in accordance with a determination that)」を意味すると解釈される。同様に、「もし決定されたならば(if it is determined)」、又は「もし[記載された状態又は事象]が検出されたならば」というフレーズは、任意選択的に、文脈に応じて、「決定時に(upon determining)」、又は「決定に応答して(in response to determining)」、又は「[記載された状態又は事象]の検出時に(upon detecting [the stated condition or event])」、又は「[記載された状態又は事象]の検出に応答して(in response to detecting [the stated condition or event])」、又は「[記載された状態又は事象]が検出されたという決定に従って(in accordance with a determination that [a stated condition or event] is detected)」を意味すると解釈される。
【0033】
[0036] 本明細書に記載するのは、ドリフトを補正する、費用効率の高い、高精度の、高速モーションセンサを実現するためのシステム、方法、及び/又はデバイスの例示的な実施態様である。中でも、ゲーム機、スマートフォン、ヘルメット装着ディスプレイ、軍事用途、及びジェスチャ追跡デバイスを含む(ただし、これらに限定されない)、ドリフトを補正するモーションセンサの幾つかの異なる適用例が存在する。例えば、全体が参照により本明細書に援用される米国特許第9,417,693号(「’693号特許」)では、ウェアラブル無線ヒューマンマシンインタフェース(HMI)の異なる実施態様が記載されている。‘693号特許では、ユーザは、ウェアラブルHMIを使用してユーザによって行われたジェスチャに基づいて、制御可能なデバイスを制御することができる。幾つかの実施態様では、本明細書に記載されるような、モーションを追跡し、及びドリフトを補正するコントローラが、ウェアラブルHMIのIMUに接続されてもよい。幾つかの実施態様では、コントローラは、ウェアラブルHMIに取り付けられ、又はウェアラブルHMIに組み込まれる。幾つかの実施態様では、コントローラは、ウェアラブルHMIから離れているが、ウェアラブルHMIと通信可能に結合されている。
【0034】
[0037]
図1A~1Fは、幾つかの実施態様による、3D物体に取り付けられたモーションセンサの様々な構成を示す。モーションセンサは、線形配列で、又は任意の次元の平面、プラトンの立体、若しくは不規則な3D物体によって形成された、多数のジオメトリ構成の平面若しくは頂点に取り付けられてもよい。取り付けられたモーションセンサ間の距離及び角度が分かっている限り、ドリフトは、本明細書に記載される特定の方法又はそれらの一部の中でも、下記のフローチャート4A~4Dを参照して下記でさらに説明されるように、互いに対するモーションセンサの物理的距離及び角度によって形成される既知のジオメトリに合致するように、モーションセンサの即時測定加速度、角速度、磁気方位、及び高度をリセットすることによって排除することができる。
【0035】
[0038]
図1Aに示すような線形ジオメトリでは、2つのセンサ102、104が、一定距離107を置いて、互いに隣接して配置され、2つのセンサ間の角度は、約0度又は約180度と見なされ得る。2つの固定センサ102と104との間の測定距離又は角度は、いかなる即時読み取りにおいても、既知の距離107、又はそれらの間の角度から逸脱するため、このドリフトは、除去することができ、2つのモーションセンサの位置は、かなり正確な度合いにまでリセットすることができる。
【0036】
[0039] 3つ、又は4つ、又はそれよりも多いセンサの平面構成は、センサ間の既知の物理的角度及び距離を有する配列にある全センサの即時測定の、より多い数のIMUの読み取りに基づいて、空間計算を提供し得る。
図1Bは、平面構成で互いに隣接して取り付けられたセンサ106、108、110、及び112を備えた4つのセンサ構成を示す。
図1A及び1Bに示される構成などの平面構成は、算出要求がかなり低い、より単純な数学モデルを提供する。しかし、物理センサの軸方向モーション検出方法のばらつきが、モーションの異なる軸及び方位の測定の精度に影響を与え得る。例えば、MEMSベースのセンサのZ軸のモーションは、この軸におけるセンサの物理的モーションのより高い分散を導入し得る重力ベクトルを用いて、重くバイアスされる。加えて、z軸のヨーを計算するために使用されるコリオリの力も、X軸又はY軸よりも大きな分散を受けやすい。
【0037】
[0040] ドリフト補正の向上のために、4つのセンサを備えた四面体構成(各センサが、四面体の各面に取り付けられる)は、幾つかの実施態様によれば、全センサの単一のZ軸よりも、重力ベクトルバイアスに対して良好な相補的及び補償的測定をもたらす多軸データの混合を提供し得る。
図1C及び1Dは、そのような構成の1つを示す。
図1Cは、見えている3つの面のそれぞれに取り付けられたモーションセンサ114、116、及び118を備えた四面体の上面斜視図を示す。
図1Dは、四面体の第4の面上のさらなるセンサ120を示す、
図1Cに示された四面体の底面斜視図を示す。この構成では、X及びY軸のコンポーネントも、いかなる時点においても、少なくとも3つのセンサからの重力ベクトルを受け、これによって、あらゆる即時測定において、幾つかのセンサ及び幾つかの軸からの重力ベクトルの除去により、より高い度合いの精度が可能となる。センサは、幾つかの実施態様によれば、各表面上に、傾斜して取り付けられ、より良好な空間計算及びドリフト補正のために、X、Y、及びZ軸データの混合を提供する。
【0038】
[0041] さらに、立方体構成は、空間的逸脱をさらにより安定させるために、立方体の6つの表面上に、6つのセンサという、より大きなセンサ数を提供する。
図1Eは、幾つかの実施態様による、立方体構成の斜視図を示す。6つの面の内の3つのみが、
図1Eでは見えている。6つの面のそれぞれは、センサ122、124、及び126を含む、取り付けられたセンサを備え得る。幾つかの実施態様では、本明細書に記載される何れかの物体の幾つかの(全てよりも少ない)面が、少なくとも1つのセンサを有する。この構成では、各面上の各センサは、立方体の他の面上の他のセンサ間の相補的読み取りを可能にする。しかし、センサの数が増えるにつれて、立方体又はより高い次元の立体ジオメトリにおいて、全ての測定を読み取るための待ち時間も増加する。
【0039】
[0042] 幾つかの実施態様によれば、モーションセンサは、どのような構成においても、軸方向の混合を提供するために、幾何学的立体の対向面上で、回転されてもよい。
図1Fは、モーションセンサが、前述同様に、立方体の各面上に取り付けられるが、センサが、0~90度の角度(0度及び90度は含まない)で回転され得る、
図1Eの直方体の別の構成の斜視図を示す。例えば、センサ122は、他のセンサに対して約45度の角度で回転されてもよい。この方法は、即時モーションデータのより良好な分析を提供し得るが、測定-計算出力当たりの算出時間は、長くなり得る。
【0040】
[0043]
図2は、幾つかの実施態様による、1つ又は複数のドリフトフリーセンサを備えた代表的システム200を示すブロック図である。幾つかの実施態様では、システム200は、1つ又は複数の処理装置(例えば、CPU、ASIC、FPGA、マイクロプロセッサなど)202、1つ又は複数の通信インタフェース214、メモリ220、及びこれらのコンポーネントを相互接続するための1つ又は複数の通信バス216(チップセットと呼ばれることもある)を含む。処理装置202のタイプは、幾つかの実施態様によれば、電力要件を含む、適用の要件に合致するように選択される。例えば、CPUの速度は、適用のスループットに合致するのに十分であるべきである。
【0041】
[0044] 幾つかの実施態様では、システム200は、ユーザインタフェース208を含む。幾つかの実施態様では、ユーザインタフェース208は、1つ若しくは複数のスピーカ及び/又は1つ若しくは複数の視覚表示装置を含む、メディアコンテンツの提示を可能にする1つ又は複数の出力デバイス210を含む。幾つかの実施態様では、ユーザインタフェース208は、キーボード、マウス、ボイスコマンド入力装置、若しくはマイクロフォン、タッチスクリーンディスプレイ、タッチセンサ式入力パッド、ジェスチャ捕捉デバイス、又は他の入力ボタン、若しくは制御装置などのユーザ入力を容易にするユーザインタフェースコンポーネントを含む、1つ又は複数の入力デバイス212も含む。さらに、幾つかのシステムは、キーボードを補完し、又はキーボードに取って代わる、マイクロフォン及び音声認識、又はカメラ及びジェスチャ認識、又はモーションデバイス及びジェスチャ認識を用いる。
【0042】
[0045] 幾つかの実施態様では、システム200は、1つ又は複数の慣性計測装置204を含む。幾つかの実施態様では、IMUは、1つ若しくは複数の加速度計、1つ若しくは複数の磁力計、及び/又は1つ若しくは複数のジャイロスコープ、及び/又は高度計、及び/又は複数の圧力センサを含む。幾つかの実施態様では、1つ又は複数のIMUは、所定の形状に応じて、システム200を組み込む物体に取り付けられる。上記の
図1A~1Fは、モーションセンサの様々な例示的な構成を示す。幾つかの実施態様では、IMUの初期構成(例えば、IMUの数、所定の形状)も、個々のIMUの特徴に基づいて決定される。例えば、IMUの方位又は軸、ひいては所定の形状が、製造欠陥を補償するように選択される。幾つかの実施態様では、1つ又は複数のIMUは、システム200を組み込むCMOS及びMEMSシステムオンチップ(SOC)として組み立てられる。
【0043】
[0046] 通信インタフェース214は、例えば、様々なカスタム若しくは標準無線プロトコル(例えば、IEEE 802.15.4、Wi-Fi、ZigBee、6LoWPAN、Thread、Z-Wave、Bluetooth Smart、ISA100.11a、WirelessHART、MiWiなど)の何れか、及び/又は様々なカスタム若しくは標準有線プロトコル(例えば、Ethernet、HomePlugなど)の何れか、又は本文書の出願日時点でまだ開発されていない通信プロトコルを含む、その他の適宜の通信プロトコルを用いてデータ通信が可能なハードウェアを含む。
【0044】
[0047] メモリ220は、DRAM、SRAM、DDR RAM、又は他のランダムアクセス固体メモリデバイスなどの高速ランダムアクセスメモリを含み、任意選択的に、1つ若しくは複数の磁気ディスクストレージデバイス、1つ若しくは複数の光ディスクストレージデバイス、1つ若しくは複数のフラッシュメモリデバイス、1つ若しくは複数のEPROM、1つ若しくは複数のEEPROM、又は1つ若しくは複数の他の不揮発性固体ストレージデバイスなどの不揮発性メモリを含む。メモリ220、又は代替的にメモリ220内の不揮発性メモリは、非一時的なコンピュータ可読ストレージ媒体を含む。幾つかの実施態様では、メモリ220、又はメモリ220の非一時的なコンピュータ可読ストレージ媒体は、以下のプログラム、モジュール、及びデータ構造、又はそれらのサブセット若しくはスーパーセットを保存する:
・ 様々な基本システムサービスを取り扱うため、及びハードウェア依存タスクを行うためのプロシージャを含むオペレーティング論理222;
・ 1つ又は複数の通信インタフェース214(有線又は無線)を介して1つ又は複数のネットワークに接続された他のネットワークデバイス(例えば、インターネット接続を提供するルータなどのネットワークインタフェース、ネットワーク化されたストレージデバイス、ネットワークルーティングデバイス、サーバシステムなど)に接続し、及びそれらと通信するためのデバイス通信モジュール224;
・ 1つ又は複数の入力デバイス212からの1つ又は複数のユーザ入力又はインタラクションを検出し、検出された入力又はインタラクションを解釈するための入力処理モジュール226;
・ 1つ又は複数のデバイス(図示されない)に関する設定、捕捉データ、及び/又は他のデータを構成し、及び/又は見ることができるユーザインタフェースを提供及び表示するためのユーザインタフェースモジュール228;
・ デバイスを制御するため、並びにデバイスによって捕捉されたデータ(例えば、デバイスステータス及び設定、捕捉データ、又はシステム200及び/又は他のクライアント/電子デバイスに関する他の情報)を見直すためにシステム200によって実行される1つ又は複数のアプリケーションモジュール230;
・ 以下を含む(ただし、限定されない)、1つ又は複数のIMU204からのデータを処理するための機能性を提供する、1つ又は複数のコントローラモジュール240:
・ 1つ又は複数のコントローラモジュール240によって処理される、1つ又は複数のIMU204からのデータを受信するためのデータ受信モジュール242;
・ データ受信モジュール242によって受信された生データからノイズを除去するためのフィルタリングモジュール244;
・ 1つ又は複数のIMU204(例えば、1つ又は複数のIMU204の異なる複数のジャイロスコープ及び加速度計)間でデータを相互相関させることにより、1つ又は複数のIMU204に関するフィルタにかけられたデータを較正するための動的較正モジュール246;
・ 1つ又は複数のIMUのそれぞれに関する分解出力に基づいて、位置及び回転状態を決定するモーション分解モジュール248;
・ 動的較正モジュール246及びモーション分解モジュール248の出力に基づいて、モーションを合成するためのモーション合成モジュール250;
・ モーション合成モジュール248からの出力に基づいて、所定の形状に関してセンサ出力のドリフトを補正する(例えば、台形モーションパラメータを用いた適用連続ファジールール(肯定式なし)ベイズフィルタ(ACFBT:Adaptive Continuous Fuzzy Rule Bayesian Filter with Trapazoidal Motion Paramters)ためのドリフト補正モジュール252;並びに
・ (例えば、人工知能/ニューラルネットワーク/深層学習を用いて)ドリフト補正モジュール252の出力に基づいて、複雑な移動を取り扱うエッジ状態取り扱いモジュール254。
【0045】
[0048] 幾つかの実施態様では、IMUからデータ受信モジュール242によって受信された生データは、加速度計からの加速度情報、ジャイロスコープからの角速度、磁力計からの磁場の回転度、高度計からの気圧、及び差圧センサを含む。生データは、幾つかの実施態様によれば、各IMUから順次受信される。幾つかの実施態様では、IMUデータは、並行して受信される。
【0046】
[0049] 幾つかの実施態様では、フィルタリングモジュール244は、生データをフィルタにかけることにより、データ受信モジュール242によって受信された生データ信号からノイズを除去する。幾つかの実施態様によれば、フィルタリングモジュール244は、標準的な信号処理技術(例えば、低域フィルタリング、クリッピングなど)を用いることによって、生データをフィルタにかけ、それによって、センサデータのノイズを最小限に抑える。幾つかの実施態様によれば、フィルタリングモジュール244は、センサからの履歴データを用いて、移動平均及び移動分散も算出する。
【0047】
[0050] 幾つかの実施態様では、動的較正モジュール246は、人工知能(AI)フレームワーク(例えば、ニューラルネットワークフレームワーク)を用いることによって、1つ又は複数のIMU204からのデータを較正する。例えば、1つ又は複数の「ニューロン」(一般的に、センサ当たり3つ)が、1つ又は複数のIMU204に関するフィルタにかけられたデータを較正するように、ニューラルネットワーク構成において構成される。どのように動的較正が機能するかを理解するために、まず、物体の静的構成を考察する。さらに、説明のために、物体の形状(本明細書では、所定の形状と呼ばれることもある)が直方体であると仮定する。直方体形状の物体は、6つの異なる様式で平面上に(すなわち、直方体の6つの異なる面上に)配置され得る。従って、較正すべき6つの方位が存在する。この静的構成では、システム200は、6つの方位のそれぞれに関して、多数のサンプル(例えば、約1,000以上のサンプル)を収集する。このサンプルデータは、収集され、メモリ220に保存される。後に、生データが受信されるときに、保存されたサンプルデータは、定住状態中に(すなわち、物体が移動していないときに)、生データのオフセット誤差を補正するためのベースラインとして使用される。ニューラルネットワークを使用する幾つかの実施態様では、ネットワークの重みは、幾つかの実施態様によれば、保存されたサンプルデータのオフセット後に、IMUからの受信生データに基づいて、常に調整又は調節される。ニューラルネットワークベースの解は、最小二乗回帰分析又は統計的尺度よりも優れた推定を提供する。どのようにニューラルネットワークの重みが動的に調節されるかの一例として、物体が静止しているが、物体が移動していることをニューラルネットワーク出力が示す場合を考察する。物体が静止していることを出力が示すように、逆伝搬を用いて、重みが再調節される。従って、重みは、物体が静止しているときに定まる。幾つかの実施態様では、ニューラルネットワークの学習率は、定住状態(本明細書では静止状態と呼ばれることもある)中に最大化され、物体が動いているときに最小化される。幾つかの実施態様によれば、学習率を調節することができるように、パターン認識を使用することによって、物体が移動しているか、或いは静止しているかが検出される。異なる静止状態及び移動状態を用いることによって、加速度計に影響を与える重みが調節される。幾つかの実施態様では、磁北に対する既知の参照を用いることにより、磁力計に対応する重みが常に調節される。幾つかの実施態様では、磁北の基準点及び重力ベクトルが常に分かっているため、物体が移動しているときに、加速度計に関する重みを補正し、又は定めるために、磁力計データも使用される。ジャイロスコープデータは、それが単一のレベル統合のみを必要とするため、加速度計からのデータよりも信頼性が高い。従って、幾つかの実施態様によれば、加速度計の重みを補正するために、ジャイロスコープデータも使用される。なお、幾つかの実施態様では、動的較正モジュール246が任意選択のものであり、パススルーチャネルは、動的較正なしに、フィルタリングモジュール244の出力をモーション合成モジュール250へと渡す。
【0048】
[0051] 幾つかの実施態様では、モーション分解モジュール248は、パターン認識技術を用いることによって、各IMUにおけるサブセンサ間の相互作用又は干渉による異常を排除する。物体の制御された並進移動及び回転移動に関する実験データが収集される。例えば、ジャイロスコープの挙動が、一定速度下で追跡され、パターンがメモリに保存される。ジャイロスコープデータが既知のパターンをたどるときは、このパターンに基づいて、物体が一定速度下にあるという事実が推論される。同様に、幾つかの実施態様によれば、加速度計データ(例えば、一定重力ベクトル)を使用して、ジャイロスコープデータ及び/又は磁力計データの誤差を補正するためのパターンを識別することができ、磁力計データを使用して、加速度計データ及び/又はジャイロスコープデータの誤差を補正するためのパターンを識別することができる。
【0049】
[0052] 幾つかの実施態様では、モーション分解モジュール248は、物体が移動又は回転を突然停止したときなどに、センサデータから検出されるパターンの変化を、異常を補正するための別の影響として、観察することによって、異常を除去する。幾つかの実施態様では、モーション分解モジュール248は、各センサにおいて、異常を補正するために、幾つかの異なる保存されたパターンを分析する。幾つかの実施態様では、モーション分解モジュール248は、追跡された物体の各IMUの並進移動及び/又は回転移動のタイプを分類し、モーション合成モジュール250に対して、パターン又はカテゴリを出力する。例えば、モーション分解モジュール248は、各IMUが、単純な線形モーション、回転がある単純な線形モーション、単純な回転がある非線形モーションを含む、多くの状態の1つにあることを推論する。幾つかの実施態様では、モーション分解モジュール248からの出力は、さらに、動的較正モジュール246の学習率を制御する。
【0050】
[0053] 幾つかの実施態様では、モーション合成モジュール250は、モーション分解モジュール248からの状態情報(例えば、一定速度、一定加速度、変化する加速度、回転との組み合わせで)を使用して、1つ又は複数のアルゴリズム/技法を選択する。モーション合成モジュール250は、後に、動的較正モジュール246からのデータ出力に対して、1つ又は複数のアルゴリズムを適用することにより、物体のモーションを合成する(本明細書では、1つ又は複数のIMUに関する総合的修正データの算出と呼ばれることもある)。例えば、もし物体が回転していることをモーション分解モジュール326からの状態情報が示すならば、モーション合成モジュール250は、(動的較正モジュールの出力によって示される)IMUの角運動量の差、及び異なる複数のIMUの所定の位置によって外形が描かれる既知の形状に基づいて、回転軸を算出する方程式を用いる。この例を詳述するために、4つのセンサを有する(角に各センサ)、
図1Bのような平面構成で、物体にIMUが取り付けられると仮定する。さらに、この平面構成が、縦軸が最上部のIMU及び底部のIMUを通過するひし形に、垂直に配置されると仮定する。ここで、もし平面(ひし形)の物体が、縦軸の周りを回転するならば、縦軸の両側の横側のIMUは、同じ角運動量を共有するが、最上部のIMU及び底部のIMUと比較して異なる角運動量を有し、最上部のIMUは、回転軸により近い底部のIMUよりも大きな角速度を有する。モーション合成モジュール250は、IMUによって形成される形状に基づいて、センサ間の角運動量の差及び既知の距離から回転軸データを算出又は合成する。
【0051】
[0054] 幾つかの実施態様では、ドリフト補正モジュール252は、ベイズ定理を用いて、センサの位置及び方位を既知の(本明細書では、「所定の」と呼ばれることもある)形状に再び一致させることによって、ドリフトを除去する。ベイズフィルタは、どの程度IMUデータがドリフトするかを予測する。幾つかの実施態様では、ドリフト補正モジュール252は、センサ間のノルム、距離、及び角度の変動に基づいて、モーションセンサによってデータの歪度を算出する。もしノルムの変動が閾値を超えるならば、ドリフト補正モジュール252は、後続のセンサの読み取りにおいてドリフトを排除するための補正マトリックス(ドリフトマトリックスと呼ばれることもある)を生成する。幾つかの実施態様によれば、形状補正モジュール(図示されない)は、補正マトリックスを用いて、動的較正モジュールからのデータ出力(本明細書では、クリーンデータ又はフィルタにかけられたデータと呼ばれることもある)を、連続的に、又は反復的に、クリーンデータから予測されたドリフトを減算することによって補正する。例えば、幾つかの実施態様によれば、センサデータの各読み取り後に、ドリフト補正モジュール252からの以前に生成及び保存されたデータを使用して、ノイズ除去された、動的較正モジュールからのクリーンデータ出力が補正される。
【0052】
[0055] 幾つかの実施態様では、エッジ状態取り扱いモジュール254は、ドリフト補正モジュール252の出力に基づいて、ドリフトを減少させるために、複雑な移動(例えば、2つの軸に沿ってスピンし、一直線に横断しながら、例えば物体が上にも上がる)、及び/又は並進移動(例えば、直線に沿って横方向に移動するようにスピンする)を取り扱う。幾つかの実施態様では、エッジ状態取り扱いモジュール254は、AIを使用して、エッジ状態を補償するために確率重み付けを適用する。幾つかの実施態様では、エッジ状態取り扱いモジュール254は、現在の物体の共通データ点(例えば、ドリフト補正モジュール252による出力)、及び以前の物体共通データ点(例えば、メモリに保存された、ドリフト補正モジュール252による事前のセンサ読み取りに関する以前の出力)を混合することにより、エッジ状態を除去する。
【0053】
[0056] 幾つかの複雑なシナリオでは、ドリフトが、完全には補正されない場合があるが、上述のモジュールを用いて、絶え間ないドリフト、又は恒常的なドリフトは、排除することができる。さらに、幾つかの実施態様では、本明細書に記載されるモジュールの組み合わせによって観測されるドリフトは、センチメートル或いはミリメートルのオーダーのものであるが、(例えば、GPSを使用した)代替の外部基準に基づくドリフト排除は、時に、メートルのオーダーのドリフトをもたらす可能性がある。
【0054】
[0057] 上記で識別された要素のそれぞれは、前述のメモリデバイスの1つ又は複数に保存されてもよく、上記の機能を行うための命令のセットに対応する。上記で識別されたモジュール又はプログラム(すなわち、命令のセット)は、別個のソフトウェアプログラム、プロシージャ、又はモジュールとして実現される必要はなく、従って、様々な実施態様において、これらのモジュールの様々なサブセットが、組み合わせられてもよく、又は再構成されてもよい。幾つかの実施態様では、メモリ220は、任意選択的に、上記で識別されたモジュール及びデータ構造のサブセットを保存する。さらに、メモリ220は、任意選択的に、上記に記載されていない追加のモジュール及びデータ構造を保存する。幾つかの実施態様では、1つ又は複数の処理モジュール、及びメモリ220に保存された関連のデータは、IMU214によって生成された信号を受信及び処理するように構成されたドリフトフリーモーションセンサ200を備えたシステム以外の第2の処理デバイスに保存され、及びそのような第2の処理デバイス上で実行される。例えば、第2の処理デバイスは、少なくとも動作の一部が、IMUによって提供されたモーション信号に応答したものである、アプリケーション(例えば、コンピュータゲーム)を実行するコンピュータシステム、スマートホームデバイス、又はゲーム機でもよい。
【0055】
[0058]
図3は、幾つかの実施態様による、1つ又は複数のドリフトフリーセンサを備えた代表的システムを通るセンサデータのフローを示すフロー図である。1つ又は複数のIMUセンサ(IMU0、IMU1、IMU2、…、IMUN)からの生データ(302)が、コントローラ300(例えば、コントローラモジュール240)によって受信される(324)。前述の通り、幾つかの実施態様では、コントローラは、(
図3に示すように)1つ又は複数のIMUからデータを並行して受信する。幾つかの実施態様によれば、受信されたデータは、生データ(304)として、モーション分解モジュール326に出力される。幾つかの実施態様では、生データは、次に動的較正モジュール330へと入力される、フィルタにかけられたデータ310を生成するために生データをフィルタにかけるフィルタリングモジュール328へと、データ306としても入力される。幾つかの実施態様では、モーション分解モジュール326は、動的較正モジュール330の学習率も制御する(314)。幾つかの実施態様では、モーション分解モジュール326及び/又は動的較正モジュール330は、任意選択のモジュールである。このような場合、フィルタにかけられたデータ310は、モーション合成モジュールに入力される(図示されない)。これらの場合、モーション合成モジュール332は、モーションのパターン又はカテゴリを知らないが、モーションを合成するために、1つ又は複数のアルゴリズム又は方程式を反復的に適用する。幾つかの実施態様では、モーション分解326及び動的較正330のステップは、非同期的に、及び/又は並行して実行される。ベイズ計算ステップ336は、モーション合成モジュールの出力316を使用して、モーション合成の次の反復で(すなわち、そのようなデータが利用可能になった以降に)入力を補正するために形状補正モジュール334によって使われる(
図2を参照して前述したような)ドリフト補正マトリックス320を生成する。
図3には示されないが、幾つかの実施態様では、1つ又は複数の反復の第1のセット中に、形状補正データは、利用可能ではなく、動的較正出力312が、モーション合成ステップ332に入力される。幾つかの実施態様では、ベイズ計算ステップ336の出力(318)は、複雑な移動及び動的学習に関する(
図2を参照して上記に記載した)エッジ状態を取り扱うステップ338に入力される。幾つかの実施態様によれば、出力322は、コントローラのドリフトフリーの実際のモーション出力を示す。
【0056】
[0059] 幾つかの実施態様では、フィルタリングモジュール328は、
図2のフィルタリングモジュール244に類似の機能性を含み、モーション分解モジュール326は、
図2のモーション分解モジュール248と類似の機能性を含み、動的較正モジュール330は、
図2の動的較正モジュール246と類似の機能性を含み、形状補正モジュール334は、
図2に関する説明で上記に記載した形状補正モジュールと類似の機能性を含み、モーション合成モジュール332は、
図2のモーション合成モジュール250と類似の機能性を含み、ベイズ計算モジュール336は、
図2のドリフト補正モジュール252と類似の機能性を含み、エッジ状態を取り扱うモジュール338は、
図2のエッジ状態取り扱いモジュール254と類似の機能性を含む。
【0057】
[0060]
図4A~4Dは、幾つかの実施態様による、追跡デバイスを用いた、物体の位置及び方位を追跡する方法400のフローチャート図を示す。幾つかの実施態様では、追跡デバイスは、所定の形状を規定する1つ又は複数の面、及び所定の形状の1つ又は複数の面に取り付けられた複数の慣性計測装置(IMU)を含む(402)。さらに、幾つかの実施態様によれば、各IMUは、第1のサブセンサ及び第2のサブセンサを含み、各IMUは、追跡システムの重心に対して所定の距離及び方位に配置される。上記の
図1A~1Fは、様々な実施態様による、3D物体に取り付けられたセンサの様々な構成を示す。幾つかの実施態様(404)では、追跡デバイスの第1のサブセンサ及び第2のサブセンサ(例えば、
図2のIMU204)はそれぞれ、加速度計、磁力計、ジャイロスコープ、高度計、及び圧力センサの1つであり、第1のサブセンサは、第2のサブセンサとは異なるセンサタイプである。幾つかの実施態様(406)では、追跡デバイスの所定の形状は、平面、四面体、及び立方体の1つである。幾つかの実施態様では、追跡デバイスは、複数のIMUに通信可能に結合されたコントローラも含む。幾つかの実施態様による、IMU204を備えた例示的なシステム200が、
図2を参照して上記に記載されている。
【0058】
[0061] 幾つかの実施態様では、追跡デバイスの各IMU(408)は、物体の移動を検出し、並びに、物体の場所及び/又は方位を表す慣性出力データを生成する。例えば、
図2のIMU204、又は
図1A~1Fのセンサは、加速度計、磁力計、ジャイロスコープ、高度計、及び/又は圧力センサの組み合わせを使用して、物体の移動を検出し、並びに、物体の場所及び/又は方位を表すデータを生成する。
【0059】
[0062] 幾つかの実施態様では、追跡物体は、コントローラにおいて(410)、複数のIMUのそれぞれから、第1のサブセンサ慣性出力データ及び第2のサブセンサ慣性出力データを受信する(412)。例えば、システム200のデータ受信モジュール242が、通信バス216を介して、1つ又は複数のIMU204から出力を受信する。幾つかの実施態様では、コントローラは、連続する、高サンプリングレートのために、約1ms未満で周期的に、複数のIMUのそれぞれから第1のサブセンサ慣性出力データ及び第2のサブセンサ慣性出力データを受信する(414)。
【0060】
[0063] 幾つかの実施態様では、コントローラは、信号ノイズを最小限に抑えるために、フィルタリングモジュール(例えば、モジュール244)を用いて、第1のサブセンサ慣性出力データ及び第2のサブセンサ慣性出力データをフィルタにかける(416)。
【0061】
[0064] これより
図4Bを参照して、幾つかの実施態様によれば、コントローラは、各IMUに関して一連のステップ418を行う。幾つかの実施態様では、コントローラは、第1のサブセンサ慣性出力データ及び第2のサブセンサ慣性出力データに基づいて、較正された慣性出力データを生成する(420)。例えば、コントローラは、動的較正モジュール246を用いて、較正された慣性出力データを生成する。幾つかの実施態様では、コントローラは、第1のサブセンサ慣性出力データ及び第2のサブセンサ慣性出力データを評価するために、ニューラルネットワーク重みを使用(422)し(重みは、追跡デバイスの位置状態(例えば、静止位置状態)に基づいて学習率で調節される)、物体の実際の移動と、物体の推定された移動との差を表す相違値を計算し、並びに較正された慣性出力データから相違値を除去する(例えば、モジュール248などのモーション分解モジュールの出力を使用して)ことにより、誤差値を計算する。幾つかの実施態様では、コントローラは、第1のサブセンサ及び第2のサブセンサのそれぞれからの履歴(例えば、事前又は以前の)慣性出力データに基づいて、第1のサブセンサ慣性出力データ及び第2の慣性出力データにニューラルネットワーク重みを適用する(424)。図示されないが、コントローラは、後に履歴データとして取り出される、ある期間にわたってIMUから受信された慣性出力データを保存及び/又は蓄積する。
【0062】
[0065] 次に
図4Cを参照して、幾つかの実施態様によれば、コントローラは、各IMUの分解慣性出力データを生成するために、動的較正モジュール(例えば、モジュール246)を用いて、第1のサブセンサ慣性出力データを第2のサブセンサ慣性出力データと相互相関させる(426)ことによって、第2のサブセンサ慣性出力データを用いて、異常を識別し、及び第1のサブセンサ慣性出力データから除去する。幾つかの実施態様では、コントローラは、第2のサブセンサ慣性出力データに基づいて、第1のサブセンサに対応する分解慣性出力データを較正する(428)。幾つかの実施態様では、コントローラは、第1のサブセンサ慣性出力データを表す分解慣性出力データを生成するために、(例えば、モジュール248などのモーション分解モジュールを用いて)パターン認識を第2のサブセンサ慣性出力データに適用(430)することによって、第1のサブセンサ慣性出力データを第2のサブセンサ慣性出力データに相互相関させる。
【0063】
[0066] 次に、
図4Dを参照して、コントローラは、幾つかの実施態様によれば、モーション分解モジュール(例えば、上記のモジュール248)を使用して、各IMUからの分解慣性出力データに基づいて、追跡デバイスの位置及び回転状態を決定する(432)。
【0064】
[0067] 続いて、幾つかの実施態様によれば、コントローラは、追跡デバイスの位置及び回転状態に基づいて、合成技法を用いてIMU合成データを生成するために、モーション合成モジュール(例えば、上記のモジュール250)を用いて、第1のサブセンサ慣性出力データ及び第2のサブセンサ慣性出力データを合成(434)する。
【0065】
[0068] 幾つかの実施態様では、コントローラは、所定の形状に対して確認するように、各IMUに関する合成されたデータ、各IMUの所定の位置、及び各IMUの所定の方位に基づいて、ACFBT計算モジュール(図示されない)を用いて、現在の追跡デバイス修正データ出力を計算する(436)。コントローラの幾つかの実施態様(438)では、共通データ点を計算するために使用される複数のIMUの少なくとも幾つかが、互いに対して異なる2つの軸に沿って異なる角度で配向される。
【0066】
[0069] 続いて、コントローラは、幾つかの実施態様によれば、現在の位置及び方位決定モジュール(例えば、
図2のモジュール252、又は
図3のステップ336及び334)を使用して、現在の物体修正データ出力と、以前の物体修正データ出力との差に基づいて、物体の現在の位置及び方位を計算する(440)。幾つかの実施態様では、コントローラは、エッジ状態(例えば、上記の複雑な移動)を識別し(442)、並びに、エッジ状態を除去するために、エッジ状態取り扱いモジュール(例えば、上記のモジュール254)を用いて、現在の物体修正データ出力及び以前の物体修正データ出力を混合する(444)。
【0067】
[0070]
図4A~4Dの動作が説明された特定の順序は、単なる例であり、記載された順序が、これらの動作が行われ得る唯一の順序であることを示す意図はないことが理解されるものとする。当業者は、本明細書に記載される動作を並べ替える様々なやり方を認識するだろう。
【0068】
[0071] 様々な図の幾つかは、ある特定の順序で、幾つかの論理段階を示すが、順序に依存しない段階は、並べ替えられてもよく、他の段階は、組み合わせられてもよく、又は取り出されてもよい。幾つかの並び替え、又は他のグループ分けを具体的に述べたが、他の並び替え又はグループ分けが、当業者には明らかとなり、従って、本明細書で提示される順序付け及びグループ分けは、代替手段の網羅的なリストではない。また、これらの段階は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はこれらの任意の組み合わせで実現され得ることを認識されたい。
【0069】
[0072] 上記の記載は、説明目的で、特定の実施態様を参照して説明されたものである。しかし、上記の説明のための記述が、網羅的であること、又は請求項の範囲を開示した通りの形に限定することは意図されない。上記の教示に鑑みて、多くの変更形態及び変形形態が可能である。実施態様は、請求項及びそれらの実際の応用の基礎となる原理を最良に説明することによって、当業者が、企図される特定の使用に適するような様々な変更を有する実施態様を最良に利用することを可能にするために、選択されたものである。
【手続補正書】
【提出日】2023-07-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体の場所及び方位を追跡するための追跡デバイスであって、
所定の形状を規定する1つ又は複数の面と、
前記所定の形状の前記1つ又は複数の面に取り付けられた複数の慣性計測装置(IMU)であって、各IMUが、前記物体の移動を検出し、並びに前記物体の前記場所及び/又は方位を表す慣性出力データを生成するように構成され、各IMUが、第1のサブセンサ及び第2のサブセンサを含み、各IMUが、前記追跡デバイスの重心に対して所定の距離及び方位に配置される、複数のIMUと、
前記複数のIMUに通信可能に結合されたコントローラであって、
前記複数のIMUのうちの1つ又は複数のIMUの前記第1のサブセンサ及び前記第2のサブセンサからそれぞれの慣性出力データを受信するステップと、
IMUごとに、
前記IMUの前記それぞれの慣性出力データに対して合成技法を反復的に適用することによって、IMU合成データを生成するために、前記IMUの前記それぞれの慣性出力データを合成するステップと、
前記IMUに関する前記合成されたデータ、前記IMUの所定の位置、及び前記IMUの所定の方位に基づいて、現在の追跡デバイス修正データ出力を計算するステップと、
前記現在の追跡デバイス修正データ出力と、以前の追跡デバイス修正データ出力との差に基づいて、前記物体の現在の場所及び方位を計算するステップと、
を行うように構成された、コントローラと、
を有する、追跡デバイス。
【請求項2】
前記コントローラがさらに、
IMUごとに、
分解慣性出力データを生成するために、前記第1のサブセンサ慣性出力データを前記第2のサブセンサ慣性出力データと相互相関させることによって、前記第2のサブセンサ慣性出力データを用いて、異常を識別し、及び前記第1のサブセンサ慣性出力データから除去するステップと、
前記複数のIMUのそれぞれからの前記分解慣性出力データに基づいて、前記追跡デバイスの位置及び回転状態を決定するステップと
を行うように構成され、IMU合成データを生成するために前記IMUの前記それぞれの慣性出力データを合成するステップが、前記追跡デバイスの前記位置及び回転状態に基づいて合成技法を用いることを含む、請求項1に記載の追跡デバイス。
【請求項3】
前記コントローラがさらに、
IMUごとに、
前記それぞれの慣性出力データに基づいて、較正された慣性出力データを生成するステップ
を行うように構成され、IMU合成データを生成するために前記IMUの前記それぞれの慣性出力データを合成するステップが、前記較正された慣性出力データにさらに基づく、請求項2に記載の追跡デバイス。
【請求項4】
較正された慣性出力データを生成することが、前記それぞれの慣性出力データを評価するために、ニューラルネットワーク重みを使用することであって、前記重みが、前記追跡デバイスの前記位置状態に基づいて学習率で調節される、使用することと、前記物体の実際の移動と、前記物体の推定された移動との差を表す相違値を計算することと、前記較正された慣性出力データから前記相違値を除去することと、を含む、請求項3に記載の追跡デバイス。
【請求項5】
前記重みがさらに、前記第1のサブセンサ及び前記第2のサブセンサのそれぞれからの履歴慣性出力データに基づいて調節される、請求項4に記載の追跡デバイス。
【請求項6】
前記第1のサブセンサに対応する、前記分解慣性出力データが、前記第2のサブセンサ慣性出力データに基づいて較正される、請求項2に記載の追跡デバイス。
【請求項7】
前記第1のサブセンサ慣性出力データを前記第2のサブセンサ慣性出力データと相互相関させることが、前記分解慣性出力データを生成するために、パターン認識を前記第2のサブセンサ慣性出力データに適用することを含む、請求項2に記載の追跡デバイス。
【請求項8】
信号調整によって信号ノイズを最小限に抑えるために、前記第1のサブセンサ慣性出力データ及び前記第2のサブセンサ慣性出力データがフィルタにかけられる、請求項1に記載の追跡デバイス。
【請求項9】
前記複数のIMUのそれぞれからの前記第1のサブセンサ慣性出力データ及び第2のサブセンサ慣性出力データが、約1ms未満で周期的に受信される、請求項1に記載の追跡デバイス。
【請求項10】
第1のサブセンサ及び第2のサブセンサが、それぞれ、加速度計、磁力計、ジャイロスコープ、高度計、及び/又は圧力センサの1つであり、前記第1のサブセンサが、前記第2のサブセンサとは異なるセンサタイプである、請求項1に記載の追跡デバイス。
【請求項11】
前記所定の形状が、平面、四面体、及び立方体の1つである、請求項1に記載の追跡デバイス。
【請求項12】
前記修正データ出力を計算するために使用される前記複数のIMUの少なくとも幾つかが、互いに対して異なる2つの軸に沿って異なる角度で配向される、請求項1に記載の追跡デバイス。
【請求項13】
前記現在の追跡デバイス修正データ出力と、前記以前の追跡デバイス修正データ出力との前記差に基づいて、前記物体の前記現在の位置及び方位を計算することが、
エッジ状態を識別することと、
前記エッジ状態を除去するために、前記現在の追跡デバイス修正データ出力及び前記以前の追跡デバイス修正データ出力を混合することと、
を含む、請求項1に記載の追跡デバイス。
【請求項14】
追跡デバイスを使用して、物体の位置及び方位を追跡する方法であって、前記追跡デバイスが、所定の形状を規定する1つ又は複数の面と、前記所定の形状の前記1つ又は複数の面に取り付けられた複数の慣性計測装置(IMU)であって、各IMUが、第1のサブセンサ及び第2のサブセンサを含み、各IMUが、前記追跡デバイスの重心に対して所定の距離及び方位に配置される、複数のIMUと、前記複数のIMUに通信可能に結合されたコントローラと、を含み、前記方法が、
各IMUにおいて、前記物体の移動を検出すること、並びに前記物体の位置及び/又は方位を表す慣性出力データを生成することと、
前記コントローラにおいて、
前記複数のIMUのうちの1つ又は複数のIMUの前記第1のサブセンサ及び前記第2のサブセンサからそれぞれの慣性出力データを受信することと、
IMUごとに、
前記IMUの前記それぞれの慣性出力データに対して合成技法を反復的に適用することによって、IMU合成データを生成するために、前記IMUの前記それぞれの慣性出力データを合成することと、
前記IMUに関する前記合成されたデータ、前記IMUの所定の位置、及び前記IMUの所定の方位に基づいて、現在の追跡デバイス修正データ出力を計算することと、
前記現在の追跡デバイス修正データ出力と、以前の追跡デバイス修正データ出力との差に基づいて、前記物体の現在の場所及び方位を計算することと、
を有する、方法。
【請求項15】
前記コントローラがさらに、
IMUごとに、
分解慣性出力データを生成するために、前記第1のサブセンサ慣性出力データを前記第2のサブセンサ慣性出力データと相互相関させることによって、前記第2のサブセンサ慣性出力データを用いて、異常を識別し、及び前記第1のサブセンサ慣性出力データから除去するステップと、
前記複数のIMUのそれぞれからの前記分解慣性出力データに基づいて、前記追跡デバイスの位置及び回転状態を決定するステップと
を行うように構成され、IMU合成データを生成するために前記IMUの前記それぞれの慣性出力データを合成することが、前記追跡デバイスの前記位置及び回転状態に基づいて合成技法を用いることを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記コントローラがさらに、
IMUごとに、
前記それぞれの慣性出力データに基づいて、較正された慣性出力データを生成するステップ
を行うように構成され、IMU合成データを生成するために前記IMUの前記それぞれの慣性出力データを合成することが、前記較正された慣性出力データにさらに基づく、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
較正された慣性出力データを生成することが、前記それぞれの慣性出力データを評価するために、ニューラルネットワーク重みを使用することであって、前記重みが、前記追跡デバイスの前記位置状態に基づいて学習率で調節される、使用することと、前記物体の実際の移動と、前記物体の推定された移動との差を表す相違値を計算することと、前記較正された慣性出力データから前記相違値を除去することと、を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記重みがさらに、前記第1のサブセンサ及び前記第2のサブセンサのそれぞれからの履歴慣性出力データに基づいて調節される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記第1のサブセンサに対応する、前記分解慣性出力データが、前記第2のサブセンサ慣性出力データに基づいて較正される、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
1つ又は複数のプロセッサを含むコンピュータシステムによって実行されるように構成された1つ又は複数のコンピュータプログラムを保存する、非一時的なコンピュータ可読ストレージ媒体であって、追跡デバイスを使用し、前記追跡デバイスが、所定の形状を規定する1つ又は複数の面と、前記所定の形状の前記1つ又は複数の面に取り付けられた複数の慣性計測装置(IMU)であって、各IMUが、第1のサブセンサ及び第2のサブセンサを含み、各IMUが、前記追跡デバイスの重心に対して所定の距離及び方位に配置される、複数のIMUと、前記複数のIMUに通信可能に結合されたコントローラと、を含み、前記1つ又は複数のコンピュータプログラムが、実行されると、
前記複数のIMUのうちの1つ又は複数のIMUの前記第1のサブセンサ及び前記第2のサブセンサからそれぞれの慣性出力データを受信することと、
IMUごとに、
前記IMUの前記それぞれの慣性出力データに対して合成技法を反復的に適用することによって、IMU合成データを生成するために、前記IMUの前記それぞれの慣性出力データを合成することと、
前記IMUに関する前記合成されたデータ、前記IMUの所定の位置、及び前記IMUの所定の方位に基づいて、現在の追跡デバイス修正データ出力を計算することと、
前記現在の追跡デバイス修正データ出力と、以前の追跡デバイス修正データ出力との差に基づいて、前記物体の現在の場所及び方位を計算することと
を前記コンピュータシステムに行わせる、非一時的なコンピュータ可読ストレージ媒体。
【外国語明細書】