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特開2023-156422二重特異性抗CD37抗体、モノクローナル抗CD37抗体、およびそれらの使用方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023156422
(43)【公開日】2023-10-24
(54)【発明の名称】二重特異性抗CD37抗体、モノクローナル抗CD37抗体、およびそれらの使用方法
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/13 20060101AFI20231017BHJP
   C12N 15/63 20060101ALI20231017BHJP
   C07K 16/28 20060101ALI20231017BHJP
   C07K 16/46 20060101ALI20231017BHJP
   C12P 21/08 20060101ALI20231017BHJP
   C12N 1/15 20060101ALI20231017BHJP
   C12N 1/19 20060101ALI20231017BHJP
   C12N 1/21 20060101ALI20231017BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20231017BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20231017BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20231017BHJP
   A61P 37/06 20060101ALI20231017BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20231017BHJP
   A61P 37/08 20060101ALI20231017BHJP
   A61P 7/00 20060101ALI20231017BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20231017BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20231017BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20231017BHJP
【FI】
C12N15/13 ZNA
C12N15/63 Z
C07K16/28
C07K16/46
C12P21/08
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
A61K39/395 N
A61K39/395 D
A61P35/00
A61P37/06
A61P29/00
A61P37/08
A61P7/00
A61P35/02
A61P43/00 121
A61K45/00
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023130372
(22)【出願日】2023-08-09
(62)【分割の表示】P 2020503365の分割
【原出願日】2018-04-03
(31)【優先権主張番号】62/479,712
(32)【優先日】2017-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】PCT/EP2018/057836
(32)【優先日】2018-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TRITON
2.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】519349403
【氏名又は名称】ジェンマブ ホールディング ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【弁理士】
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【弁理士】
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【弁理士】
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】オースティンディー シモーヌ
(72)【発明者】
【氏名】ビュールスケンズ フランク
(72)【発明者】
【氏名】ブレイジ エスター
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン デン ブリンク エドワード
(72)【発明者】
【氏名】ホレンステイン アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】オーバーダイク マライエ
(72)【発明者】
【氏名】リンドルファー マーガレット
(72)【発明者】
【氏名】テイラー ロナルド
(72)【発明者】
【氏名】パレン ポール
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン デル ホースト ヒルマ
(72)【発明者】
【氏名】イー.ディー. シャムロー マルティネ
(72)【発明者】
【氏名】ムティス トゥナ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】がんおよび/または他の疾患の治療に有用であり得る抗CD37抗体を提供する。
【解決手段】ヒトCD37抗原の異なるエピトープに結合するCD37特異的二重特異性抗体分子であって、細胞表面上のCD37への結合時に増強されたFc-Fc相互作用を有する二重特異性抗体分子を提供する。本発明はまた、前記二重特異性抗体分子の第一または第二の結合領域が得られる元のモノクローナル親抗体も提供する。本発明はまた、それらの分子を含有する医薬組成物ならびにそれらの医薬組成物を使用するがんおよび他の疾患の治療を提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
SEQ ID NO: 62の配列を有するヒトCD37に結合する第一および第二の抗原結合領域、ならびにヒト免疫グロブリンの第一および第二のFc領域を含む二重特異性抗体であって、ここで、
該第一の抗原結合領域が、CDR配列:
SEQ ID NO: 16に記されるVH CDR1配列、
SEQ ID NO: 17に記されるVH CDR2配列、
SEQ ID NO: 18に記されるVH CDR3配列、
SEQ ID NO: 20に記されるVL CDR1配列、
KASであるVL CDR2配列、および
SEQ ID NO: 21に記されるVL CDR3配列[010]
を含み、かつ、該第二の抗原結合領域が、以下のCDR配列:
SEQ ID NO: 23に記されるVH CDR1配列、
SEQ ID NO: 24に記されるVH CDR2配列、
SEQ ID NO: 25に記されるVH CDR3配列、
SEQ ID NO: 27に記されるVL CDR1配列、
YASであるVL CDR2配列、および
SEQ ID NO: 31に記されるVL CDR3配列[016-C90S]
を含み、
該第一および第二のFc領域が少なくとも1つのE430G置換を含む、前記二重特異性抗体。
【請求項2】
前記第一の抗原結合領域が、VHおよびVL配列:
(i)SEQ ID NO: 15に記されるVH配列、およびSEQ ID NO: 19に記されるVL配列を含む、請求項1記載の二重特異性抗体。
【請求項3】
前記第二の抗原結合領域が、SEQ ID NO: 22に記されるVH配列、およびSEQ ID NO: 29に記されるVL配列を含む、請求項1に記載の二重特異性抗体。
【請求項4】
IgG1、IgG2、IgG3もしくはIgG4アイソタイプまたはそれらの組み合わせである、請求項1~3のいずれか一項記載の二重特異性抗体。
【請求項5】
IgG1アイソタイプである、請求項1~4のいずれか一項記載の二重特異性抗体。
【請求項6】
完全長抗体である、請求項1~5のいずれか一項記載の二重特異性抗体。
【請求項7】
ヒト抗体、ヒト化抗体もしくはキメラ抗体またはそれらの組み合わせである、請求項1~6のいずれか一項記載の二重特異性抗体。
【請求項8】
それぞれSEQ ID NO: 62および63に記された配列を有するヒトおよびカニクイザルCD37に結合する、請求項1~7のいずれか一項記載の二重特異性抗体。
【請求項9】
EUナンバリングを使用する場合、
A)前記第一のFc領域がヒトIgG1中のさらなるF405L変異を含み、かつ前記第二のFc領域がヒトIgG1中のさらなるK409R変異を含むか、または
B)前記第二のFc領域がヒトIgG1中のさらなるF405L変異を含み、かつ前記第一のFc領域がヒトIgG1中のさらなるK409R変異を含む、
請求項1~8のいずれか一項記載の二重特異性抗体。
【請求項10】
Fc-Fc相互作用増強変異を有しない同一の二重特異性分子と比べて、増強されたCDCエフェクター機能を有する、請求項1~9のいずれか一項記載の二重特異性抗体。
【請求項11】
以下を含む、ヒトCD37に結合する抗CD37抗体:
SEQ ID NO: 16に記されるCDR1配列、SEQ ID NO: 17に記されるCDR2配列、およびSEQ ID NO: 18に記されるCDR3配列を含む、VH領域、ならびにSEQ ID NO: 20に記されるCDR1配列、KASであるCDR2配列、およびSEQ ID NO: 21に記されるCDR3配列を含む、VL領域[010];かつ、Fc領域中の少なくとも1つのE430G置換を含む。
【請求項12】
SEQ ID NO: 23に記されるCDR1配列、SEQ ID NO: 24に記されるCDR2配列、およびSEQ ID NO: 25に記されるCDR3配列を含む、VH領域、ならびにSEQ ID NO: 27に記されるCDR1配列、YASであるCDR2配列、およびSEQ ID NO: 31に記されるCDR3配列を含む、VL領域[016-C90S]
を含む、かつ、Fc領域中の少なくとも1つのE430G置換を含む、ヒトCD37に結合する抗CD37抗体。
【請求項13】
ヒトIgG1中のF405LまたはK409Rから選択される変異を含む、請求項11~12のいずれか一項記載の抗体。
【請求項14】
ヒト抗体、ヒト化抗体、またはキメラ抗体である、請求項11~13のいずれか一項記載の抗体。
【請求項15】
ヒトおよびカニクイザル両方のCD37に結合する、請求項11~14のいずれか一項記載の抗体。
【請求項16】
請求項1~10のいずれか一項記載の二重特異性抗体または請求項11~15のいずれか一項記載の抗体と、薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物。
【請求項17】
医薬として使用するための、請求項1~10のいずれか一項記載の二重特異性抗体または請求項11~15のいずれか一項記載の抗体または請求項16記載の医薬組成物。
【請求項18】
がんまたは自己免疫疾患または炎症性障害の治療に使用するための、請求項1~10のいずれか一項記載の二重特異性抗体または請求項11~15のいずれか一項記載の抗体または請求項16記載の医薬組成物。
【請求項19】
アレルギー、移植片拒絶、またはB細胞悪性腫瘍の治療に使用するための、請求項1~10のいずれか一項記載の二重特異性抗体または請求項11~15のいずれか一項記載の抗体または請求項16記載の医薬組成物。
【請求項20】
B細胞悪性腫瘍が、非ホジキンリンパ腫(NHL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、ろ胞性リンパ腫(FL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、形質細胞性白血病(PCL)、びまん性大B細胞リンパ腫(DLBCL)、または急性リンパ芽球性白血病(ALL)である、請求項19記載の二重特異性抗体、抗体、または医薬組成物。
【請求項21】
1つまたは複数のさらなる治療剤との組み合わせて用いられることを特徴とする、請求項16~20のいずれか一項記載の二重特異性抗体、抗体、または医薬組成物。
【請求項22】
前記1つまたは複数のさらなる治療剤が、ドキソルビシン、シスプラチン、ブレオマイシン、カルムスチン、シクロホスファミド、クロラムブシル、ベンダムスチン、ビンクリスチン、フルダラビン、イブルチニブ、および抗CD20抗体を含む群より選択される、請求項21記載の二重特異性抗体、抗体、医薬組成物。
【請求項23】
前記抗CD20抗体が、リツキシマブまたはオファツムマブである、請求項22記載の二重特異性抗体、抗体、または医薬組成物。
【請求項24】
前記さらなる治療剤が、
i)SEQ ID NO: 95に記されるVH CDR1配列、
SEQ ID NO: 96に記されるVH CDR2配列、
SEQ ID NO: 97に記されるVH CDR3配列、
SEQ ID NO: 99に記されるVL CDR1配列、
ATSであるVL CDR2配列、および
SEQ ID NO: 100に記されるVL CDR3配列;
からなるCDR配列を含む、ヒトCD20に結合することができる抗CD20抗体である、請求項21~23のいずれか一項記載の二重特異性抗体、抗体、または医薬組成物。
【請求項25】
請求項1~10のいずれか一項記載の二重特異性抗体または請求項11~15のいずれか一項記載の抗体をコードする、核酸構築物。
【請求項26】
請求項25記載の1つまたは複数の核酸構築物を含む、発現ベクター。
【請求項27】
請求項26記載の発現ベクターを含む、宿主細胞。
【請求項28】
組換え宿主細胞である、請求項27記載の宿主細胞。
【請求項29】
組換え原核細胞、組換え真核細胞、または組換え微生物宿主細胞である、請求項27または28記載の宿主細胞。
【請求項30】
試料中のヒトCD37抗原またはヒトCD37を発現する細胞の存在を検出するためのインビトロ方法であって、
(i)該試料を、請求項1~10のいずれか一項記載の二重特異性抗体または請求項11~15のいずれか一項記載の抗体と、該抗体または該二重特異性抗体とCD37との間での複合体の形成を可能にする条件下で接触させる工程;および
(ii)複合体の形成を検出する工程
を含む、前記方法。
【請求項31】
対象中のヒトCD37抗原またはヒトCD37を発現する細胞の存在を検出するための、請求項1~10のいずれか一項記載の二重特異性抗体または請求項11~15のいずれか一項記載の抗体を含む組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、ヒトCD37抗原に特異的に結合する二重特異性抗体に関する。本発明は、特に、ヒトCD37抗原の異なるエピトープに結合するCD37特異的二重特異性抗体分子であって、細胞表面上のCD37への結合時に増強されたFc-Fc相互作用を有し、ひいては、増強されたエフェクター機能を有する、二重特異性抗体分子に関する。本発明はまた、二重特異性抗体分子の第一または第二の抗原結合領域が得られる元の新規モノクローナル親抗体に関する。本発明はまた、それらの分子を含有する医薬組成物ならびに当該組成物を使用するがんおよび他の疾患の治療に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
白血球抗原CD37「CD37」(GP52-40、テトラスパニン-26、またはTSPAN26とも知られる)は、テトラスパニンスーパーファミリーの膜貫通タンパク質である(Maecker et al., FASEB J. 1997;11:428-442(非特許文献1))。正常な生理において、CD37は、前B~末梢成熟B細胞期中、B細胞上で発現されるが、形質細胞上には存在しないと報告されている(Link et al., J Pathol. 1987;152:12-21(非特許文献2))。CD37抗原は、T細胞ならびに骨髄性細胞、例えば単球、マクロファージ、樹状細胞、および顆粒球上では弱くしか発現しない(Schwartz-Albiez et al., J. Immunol 1988;140(3):905-914(非特許文献3))。CD37は、非ホジキンリンパ腫(NHL)および慢性リンパ性白血病(CLL)をはじめとする多様なB細胞白血病およびリンパ腫において悪性細胞上で広く発現する(Moore et al. J Immunol. 1986;137(9):3013(非特許文献4))。
【0003】
いくつかの抗体ベースのCD37ターゲティング剤が、B細胞悪性腫瘍および他の悪性腫瘍のための潜在的な治療剤として評価されている。これらは、例えば、ラジオイムノコンジュゲート、例えばBetalutin(登録商標)、抗体薬物コンジュゲート、例えばIMGN529およびAGS-67E、ならびに再構成またはFc改変抗体、例えばオトレルツズマブおよびBI 836826(Robak and Robak, Expert Opin Biol Ther 2014;14(5):651-61(非特許文献5))を含む。抗CD37抗体は、上記および他のフォーマットで治療剤としての使用に提案されている(例えば、WO2012/135740(特許文献1)、WO2012/007576(特許文献2)、WO2011/112978(特許文献3)、WO2009/126944(特許文献4)、WO2011/112978(特許文献5)およびEP2241577(特許文献6)を参照)。
【0004】
Betalutinは、マウス抗CD37抗体リロトマブ(以前はHH1/テツロマブ)が177-ルテチウムにコンジュゲートしたものである。Betalutinは急速に細胞内移行し、インビトロでB細胞成長を阻害し、静脈内Daudi-SCIDモデルにおいて生存を延ばす(Dahle et al 2013, Anticancer Res 33:85-96(非特許文献6))。
【0005】
IMGN529は、SMCCリンカーを介してメイタンシノイドDM1にコンジュゲートしたK7153A抗体からなるADCである。K7153抗体は、架橋の非存在下で、Ramos細胞を発現するCD37においてアポトーシスを誘導することが報告されている。また、バーキットリンパ腫細胞株においてCDCおよびADCCを誘導したが、CDCを誘導する能力は、リツキシマブと比べて、ずっと低かった(Deckert et al, Blood 2013; 122(20):3500-10(非特許文献7))。K7153AのこれらのFc媒介エフェクター機能はDM-1コンジュゲート抗体において保持されている。
【0006】
Agensysは、AGS-67E(モノメチルアウリスタチンEにコンジュゲートしたヒト抗CD37 IgG2 mAb)を開発中である。AGS67Eは強力な細胞傷害作用およびアポトーシスを誘導する(Pereira et al, Mol Cancer Ther 2015; 14(7): 1650-1660(非特許文献8))。
【0007】
オトレルツズマブ(元はTRU-016として知られる)はSMIP(小モジュラー免疫薬製品)である。SMIPは、1つの抗原結合VH/VL、接続ヒンジ領域、およびFc(結晶性断片)領域(CH2-CH3)で構成された一本鎖タンパク質がジスルフィド結合により連結した二量体である。その作用機序は、アポトーシスおよびADCCの誘導であり、CDCの誘導ではない(Zhao et al 2007, Blood 110(7), 2569-2577(非特許文献9))。
【0008】
mAb37.1/BI 836826は、FcγRIIIa(CD16a)への高親和性結合のために改変されたキメラ抗体である(Heider et al 2011, Blood 118: 4159-4168(非特許文献10))。これは、IgG Fc架橋とは関係なくアポトーシス促進活性を有するが、アポトーシス促進活性は架橋によって増強される。これは、CD37+B細胞株および初代CLL細胞において強力なADCCを示す。
【0009】
しかし、当技術分野におけるこれらおよび他の進歩にもかかわらず、がんおよび他の疾患の治療のための改良された抗CD37抗体の必要性がまだある。
【0010】
したがって、本発明の目的は、がんおよび/または他の疾患の治療に有用であり得る抗CD37抗体を提供することである。本発明の目的は、ヒト補体によるヒト細胞のCDCに関して、従来技術の抗体と比べて改良されている抗CD37抗体を提供することである。さらなる目的は、CD37上の異なるエピトープに結合する2つの親抗体から得られる結合アームを有する二重特異性抗体であって、前記異なるエピトープに結合する2つの親モノクローナル抗体の組み合わせおよび/またはいずれかの親モノクローナル抗体単独と比べて増強されたCDCおよび/またはADCCを有する二重特異性抗体を提供することである。さらなる目的は、CD37上の異なるエピトープに結合する新たなモノクローナル抗体を提供することであり、特に、目的は、CD37の新たなエピトープに結合する抗CD37抗体を提供することである。本発明のさらなる目的は、CD37上の異なるエピトープに結合する新たなモノクローナル抗体であって、本発明の二重特異性抗体のための親抗体として働き得るモノクローナル抗体を提供することである。さらなる目的は、CD37上の2つの異なるエピトープに結合する二重特異性抗体であって、本発明の二重特異性抗体と同一の結合アームを有する同じアイソタイプの二重特異性抗体と比べて増強された、細胞膜上のCD37への結合時のFc-Fc相互作用を有する、二重特異性抗体を提供することである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】WO2012/135740
【特許文献2】WO2012/007576
【特許文献3】WO2011/112978
【特許文献4】WO2009/126944
【特許文献5】WO2011/112978
【特許文献6】EP2241577
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】Maecker et al., FASEB J. 1997;11:428-442
【非特許文献2】Link et al., J Pathol. 1987;152:12-21
【非特許文献3】Schwartz-Albiez et al., J. Immunol 1988;140(3):905-914
【非特許文献4】Moore et al. J Immunol. 1986;137(9):3013
【非特許文献5】Robak and Robak, Expert Opin Biol Ther 2014;14(5):651-61
【非特許文献6】Dahle et al 2013, Anticancer Res 33:85-96
【非特許文献7】Deckert et al, Blood 2013; 122(20):3500-10
【非特許文献8】Pereira et al, Mol Cancer Ther 2015; 14(7): 1650-1660
【非特許文献9】Zhao et al 2007, Blood 110(7), 2569-2577
【非特許文献10】Heider et al 2011, Blood 118: 4159-4168
【発明の概要】
【0013】
本発明者らは、驚くことに、CD37上の2つの異なるエピトープに対する結合特異性を有し、細胞膜上のCD37への結合時のFc-Fc相互作用を増強する変異を有する二重特異性抗体が、CDCの誘導において、CD37上の2つの異なるエピトープのうちの1つに対する結合特異性をそれぞれが有し、Fc-Fc相互作用を増強する同じ変異を有する2つの抗CD37抗体の組み合わせまたはFc-Fc相互作用を増強する同じ変異を有するいずれかの親抗体単独よりも強力であることを見いだした。加えて、CD37上の2つの異なるエピトープに対する結合特異性を有し、Fc-Fc相互作用を増強する変異を有する二重特異性抗体は、ADCCの誘導において、CD37上の2つの異なるエピトープのうちの1つに対する結合特異性をそれぞれが有し、Fc-Fc相互作用を増強する同じ変異を有する2つの抗CD37抗体の組み合わせよりも強力であった。
【0014】
したがって、本発明は、抗原結合特性、CDCおよびADCCを誘導する能力、膜結合標的への結合時のFc-Fc相互作用、CD37発現細胞に対する細胞傷害効果、および本明細書に記載される他の性質に関して有利な性質を有する、ヒトCD37に結合する新規な二重特異性抗体に関する。
【0015】
したがって、第一の局面において、本発明は、SEQ ID NO: 62の配列を有するヒトCD37に結合する第一および第二の抗原結合領域、ならびにヒト免疫グロブリンの第一および第二のFc領域を含む二重特異性抗体であって、第一および第二の抗原結合領域がCD37上の異なるエピトープに結合し、第一および第二のFc領域が1つまたは複数のアミノ酸変異を含み、そのアミノ酸変異が、膜結合CD37への結合時の二重特異性抗体間のFc-Fc相互作用を、前記変異を有しない二重特異性抗体間のFc-Fc相互作用と比べて増強する、二重特異性抗体に関する。
【0016】
したがって、第一の局面において、SEQ ID NO: 62の配列を有するヒトCD37に結合する第一および第二の抗原結合領域、ならびにヒト免疫グロブリンの第一および第二のFc領域を含む二重特異性抗体であって、第一および第二の抗原結合領域がCD37上の異なるエピトープに結合し、第一および第二のFc領域が1つまたは複数のアミノ酸変異を含み、そのアミノ酸変異が、膜結合標的への結合時の二重特異性抗体間のFc-Fc相互作用を、前記変異を有しない二重特異性抗体間のFc-Fc相互作用と比べて増強する、二重特異性抗体。
【0017】
第二の局面において、本発明は、
(i)SEQ ID NO: 16に記されるCDR1配列、SEQ ID NO: 17に記されるCDR2配列、およびSEQ ID NO: 18に記されるCDR3配列を含むVH領域、ならびにSEQ ID NO: 20に記されるCDR1配列、およびKASであるCDR2配列、およびSEQ ID NO: 21に記されるCDR3配列を含むVL領域[010];または
(ii)SEQ ID NO: 9に記されるCDR1配列、SEQ ID NO: 10に記されるCDR2配列、およびSEQ ID NO: 11に記されるCDR3配列を含むVH領域、ならびにSEQ ID NO: 113に記されるCDR1配列、およびAASであるCDR2配列、およびSEQ ID NO: 14に記されるCDR3配列を含むVL領域[005]
を含む抗CD37抗体と同じ、ヒトCD37上のエピトープに結合する、抗CD37抗体に関する。
【0018】
第三の局面において、本発明は、
(i)SEQ ID NO: 23に記されるCDR1配列、SEQ ID NO: 24に記されるCDR2配列、およびSEQ ID NO: 25に記されるCDR3配列を含むVH領域、ならびにSEQ ID NO: 27に記されるCDR1配列、およびYASであるCDR2配列、およびSEQ ID NO: 28に記されるCDR3配列を含むVL領域[016];または
(ii)SEQ ID NO: 2に記されるCDR1配列、SEQ ID NO: 3に記されるCDR2配列、およびSEQ ID NO: 4に記されるCDR3配列を含むVH領域、ならびにSEQ ID NO: 6に記されるCDR1配列、およびEASであるCDR2配列、およびSEQ ID NO: 7に記されるCDR3配列を含むVL領域[004]
を含む、ヒトCD37に結合する抗CD37抗体に関する。
【0019】
第四の局面において、本発明は、本発明の二重特異性抗体または抗体と、薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物に関する。
【0020】
第五の局面において、本発明は、医薬として使用するための、本発明の二重特異性抗体または抗体または組成物に関する。特定の局面において、これらは、がんまたは自己免疫疾患または炎症性障害の治療、特にB細胞悪性腫瘍の治療に使用される。
【0021】
他の局面において、本発明は、治療方法、併用治療、本発明の抗体をコードする核酸配列、それらを発現させるベクター、および宿主細胞、ならびに試料または対象におけるCD37抗原またはCD37抗原を発現する細胞の存在を検出する方法に関する。
[本発明1001]
SEQ ID NO: 62の配列を有するヒトCD37に結合する第一および第二の抗原結合領域、ならびにヒト免疫グロブリンの第一および第二のFc領域を含む二重特異性抗体であって、該第一および第二の抗原結合領域がCD37上の異なるエピトープに結合し、該第一および第二のFc領域が1つまたは複数のアミノ酸変異を含み、該変異が、膜結合標的への結合時の該二重特異性抗体間のFc-Fc相互作用を、該変異を有しない二重特異性抗体間のFc-Fc相互作用と比べて増強する、前記二重特異性抗体。
[本発明1002]
前記第一の抗原結合領域が、CDR配列:
SEQ ID NO: 16に記されるVH CDR1配列、
SEQ ID NO: 17に記されるVH CDR2配列、
SEQ ID NO: 18に記されるVH CDR3配列、
SEQ ID NO: 20に記されるVL CDR1配列、
KASであるVL CDR2配列、および
SEQ ID NO: 21に記されるVL CDR3配列[010]
を含むCD37抗体と、ヒトCD37への結合に関して競合する抗体から得られる、本発明1001の二重特異性抗体。
[本発明1003]
前記第一の抗原結合領域が、CDR配列:
SEQ ID NO: 16に記されるVH CDR1配列、
SEQ ID NO: 17に記されるVH CDR2配列、
SEQ ID NO: 18に記されるVH CDR3配列、
SEQ ID NO: 20に記されるVL CDR1配列、
KASであるVL CDR2配列、および
SEQ ID NO: 21に記されるVL CDR3配列[010]
を含むCD37抗体と同じ、ヒトCD37上のエピトープに結合する、前記本発明のいずれかの二重特異性抗体。
[本発明1004]
前記第一の抗原結合領域が、CDR配列:
SEQ ID NO: 16に記されるVH CDR1配列、
SEQ ID NO: 17に記されるVH CDR2配列、
SEQ ID NO: 18に記されるVH CDR3配列、
SEQ ID NO: 20に記されるVL CDR1配列、
KASであるVL CDR2配列、および
SEQ ID NO: 21に記されるVL CDR3配列[010]
を含む、前記本発明のいずれかの二重特異性抗体。
[本発明1005]
前記第一の抗原結合領域が、VHおよびVL配列:
(i)SEQ ID NO: 15に記されるVH配列、およびSEQ ID NO: 19に記されるVL配列;または
(ii)SEQ ID NO: 15および19のVH配列およびVL配列に対して、少なくとも90%の同一性、例えば少なくとも95%の同一性、例えば少なくとも98%の同一性、例えば少なくとも99%の同一性を有するVH配列、および少なくとも90%の同一性、例えば少なくとも95%の同一性、例えば少なくとも98%の同一性、例えば少なくとも99%の同一性を有するVL配列
を含む、前記本発明のいずれかの二重特異性抗体。
[本発明1006]
前記第一の抗原結合領域が、SEQ ID NO: 62(CD37)のY182、D189、T191、I192、D194、K195、V196、I197、およびP199からなる群より選択されるアミノ酸のうちの1つまたは複数を含む機能的エピトープに結合する、本発明1001~1006のいずれかの二重特異性抗体。
[本発明1007]
前記第一の抗原結合領域が、CDR配列:
SEQ ID NO: 9に記されるVH CDR1配列、
SEQ ID NO: 10に記されるVH CDR2配列、
SEQ ID NO: 11に記されるVH CDR3配列、
SEQ ID NO: 13に記されるVL CDR1配列、
AASであるVL CDR2配列、および
SEQ ID NO: 14に記されるVL CDR3配列[005]
を含むCD37抗体と、ヒトCD37への結合に関して競合する抗体から得られる、本発明1001の二重特異性抗体。
[本発明1008]
前記第一の抗原結合領域が、CDR配列:
SEQ ID NO: 9に記されるVH CDR1配列、
SEQ ID NO: 10に記されるVH CDR2配列、
SEQ ID NO: 11に記されるVH CDR3配列、
SEQ ID NO: 13に記されるVL CDR1配列、
AASであるVL CDR2配列、および
SEQ ID NO: 14に記されるVL CDR3配列[005]
を含むCD37抗体と同じ、ヒトCD37上のエピトープに結合する、本発明1001または1007の二重特異性抗体。
[本発明1009]
前記第一の抗原結合領域が、CDR配列:
SEQ ID NO: 9に記されるVH CDR1配列、
SEQ ID NO: 10に記されるVH CDR2配列、
SEQ ID NO: 11に記されるVH CDR3配列、
SEQ ID NO: 13に記されるVL CDR1配列、
AASであるVL CDR2配列、および
SEQ ID NO: 14に記されるVL CDR3配列[005]
を含む、本発明1001、1007または1008の二重特異性抗体。
[本発明1010]
前記第一の抗原結合領域が、VHおよびVL配列:
(i)SEQ ID NO: 8に記されるVH配列、およびSEQ ID NO: 12に記されるVL配列;または
(ii)SEQ ID NO: 8および12のVH配列およびVL配列に対して、少なくとも90%の同一性、例えば少なくとも95%の同一性、例えば少なくとも98%の同一性、例えば少なくとも99%の同一性を有するVH配列、および少なくとも90%の同一性、例えば少なくとも95%の同一性、例えば少なくとも98%の同一性、例えば少なくとも99%の同一性を有するVL配列
を含む、本発明1001または1007~1009のいずれかの二重特異性抗体。
[本発明1011]
前記第二の抗原結合領域が、
(i)SEQ ID NO: 23に記されるVH CDR1配列、
SEQ ID NO: 24に記されるVH CDR2配列、
SEQ ID NO: 25に記されるVH CDR3配列、
SEQ ID NO: 27に記されるVL CDR1配列、
YASであるVL CDR2配列、および
SEQ ID NO: 28に記されるVL CDR3配列[016];
(ii)SEQ ID NO: 2に記されるVH CDR1配列、
SEQ ID NO: 3に記されるVH CDR2配列、
SEQ ID NO: 4に記されるVH CDR3配列、
SEQ ID NO: 6に記されるVL CDR1配列、
EASであるVL CDR2配列、および
SEQ ID NO: 7に記されるVL CDR3配列[004];
(iii)SEQ ID NO: 40に記されるVH CDR1配列、
SEQ ID NO: 41に記されるVH CDR2配列、
SEQ ID NO: 42に記されるVH CDR3配列、
SEQ ID NO: 44に記されるVL CDR1配列、
FAKであるVL CDR2配列、および
SEQ ID NO: 45に記されるVL CDR3配列[G28.1];ならびに
(iv)SEQ ID NO: 47に記されるVH CDR1配列、
SEQ ID NO: 48に記されるVH CDR2配列、
SEQ ID NO: 49に記されるVH CDR3配列、
SEQ ID NO: 51に記されるVL CDR1配列、
VATであるVL CDR2配列、および
SEQ ID NO: 52に記されるVL CDR3配列[37.3]
を含む群より選択されるCDR配列を含むCD37抗体と、ヒトCD37への結合に関して競合する抗体から得られる、前記本発明のいずれかの二重特異性抗体。
[本発明1012]
前記第二の抗原結合領域が、
(i)SEQ ID NO: 23に記されるVH CDR1配列、
SEQ ID NO: 24に記されるVH CDR2配列、
SEQ ID NO: 25に記されるVH CDR3配列、
SEQ ID NO: 27に記されるVL CDR1配列、
YASであるVL CDR2配列、および
SEQ ID NO: 28に記されるVL CDR3配列[016];
(ii)SEQ ID NO: 2に記されるVH CDR1配列、
SEQ ID NO: 3に記されるVH CDR2配列、
SEQ ID NO: 4に記されるVH CDR3配列、
SEQ ID NO: 6に記されるVL CDR1配列、
EASであるVL CDR2配列、および
SEQ ID NO: 7に記されるVL CDR3配列[004];
(iii)SEQ ID NO: 40に記されるVH CDR1配列、
SEQ ID NO: 41に記されるVH CDR2配列、
SEQ ID NO: 42に記されるVH CDR3配列、
SEQ ID NO: 44に記されるVL CDR1配列、
FAKであるVL CDR2配列、および
SEQ ID NO: 45に記されるVL CDR3配列[G28.1];ならびに
(iv)SEQ ID NO: 47に記されるVH CDR1配列、
SEQ ID NO: 48に記されるVH CDR2配列、
SEQ ID NO: 49に記されるVH CDR3配列、
SEQ ID NO: 51に記されるVL CDR1配列、
VATであるVL CDR2配列、および
SEQ ID NO: 52に記されるVL CDR3配列[37.3]
を含む群より選択されるCDR配列を含むCD37抗体と同じ、ヒトCD37上のエピトープに結合する、前記本発明のいずれかの二重特異性抗体。
[本発明1013]
前記第二の抗原結合領域が、SEQ ID NO: 62(CD37)のE124、F162、Q163、V164、L165、およびH175からなる群より選択されるアミノ酸のうちの1つまたは複数を含む機能的エピトープに結合する、前記本発明のいずれかの二重特異性抗体。
[本発明1014]
前記第二の抗原結合領域が、
(i)SEQ ID NO: 23に記されるVH CDR1配列、
SEQ ID NO: 24に記されるVH CDR2配列、
SEQ ID NO: 25に記されるVH CDR3配列、
SEQ ID NO: 27に記されるVL CDR1配列、
YASであるVL CDR2配列、および
SEQ ID NO: 28に記されるVL CDR3配列[016];
(ii)SEQ ID NO: 2に記されるVH CDR1配列、
SEQ ID NO: 3に記されるVH CDR2配列、
SEQ ID NO: 4に記されるVH CDR3配列、
SEQ ID NO: 6に記されるVL CDR1配列、
EASであるVL CDR2配列、および
SEQ ID NO: 7に記されるVL CDR3配列[004];
(iii)SEQ ID NO: 40に記されるVH CDR1配列、
SEQ ID NO: 41に記されるVH CDR2配列、
SEQ ID NO: 42に記されるVH CDR3配列、
SEQ ID NO: 44に記されるVL CDR1配列、
FAKであるVL CDR2配列、および
SEQ ID NO: 45に記されるVL CDR3配列[G28.1];ならびに
(iv)SEQ ID NO: 47に記されるVH CDR1配列、
SEQ ID NO: 48に記されるVH CDR2配列、
SEQ ID NO: 49に記されるVH CDR3配列、
SEQ ID NO: 51に記されるVL CDR1配列、
VATであるVL CDR2配列、および
SEQ ID NO: 52に記されるVL CDR3配列[37.3]
を含む群より選択されるCDR配列を含む、前記本発明のいずれかの二重特異性抗体。
[本発明1015]
前記第二の抗原結合領域が、
(i)SEQ ID NO: 22に記されるVH配列、およびSEQ ID NO: 26に記されるVL配列;または
(ii)SEQ ID NO: 1に記されるVH配列、およびSEQ ID NO: 5に記されるVL配列;または
(iii)SEQ ID NO: 39に記されるVH配列、およびSEQ ID NO: 43に記されるVL配列;または
(iv)SEQ ID NO: 46に記されるVH配列、およびSEQ ID NO: 50に記されるVL配列;または
(v)(i)~(iv)のいずれか1つに記されるVH配列およびVL配列に対して、それぞれ、少なくとも90%の同一性、例えば少なくとも95%の同一性、例えば少なくとも98%の同一性、例えば少なくとも99%の同一性を有するVH配列、および少なくとも90%の同一性、例えば少なくとも95%の同一性、例えば少なくとも98%の同一性、例えば少なくとも99%の同一性を有するVL配列
を含む群より選択されるVHおよびVL配列を含む、前記本発明のいずれかの二重特異性抗体。
[本発明1016]
前記第一および第二のFc領域中の1つまたは複数のFc-Fc相互作用増強変異がアミノ酸置換である、前記本発明のいずれかの二重特異性抗体。
[本発明1017]
前記第一および第二のFc領域中の1つまたは複数のFc-Fc相互作用増強変異が、EUナンバリングシステムを使用する場合のヒトIgG1中のアミノ酸位置430、440および345に対応する1つまたは複数の位置におけるアミノ酸置換である、前記本発明のいずれかの二重特異性抗体。
[本発明1018]
E430G、E345K、E430S、E430F、E430T、E345Q、E345R、E345Y、S440Y、およびS440Wを含む群より選択される、前記第一および第二のFc領域中の少なくとも1つの置換を含む、前記本発明のいずれかの二重特異性抗体。
[本発明1019]
E430GまたはE345Kより選択され、好ましくはE430Gである、前記第一および第二のFc領域中の少なくとも1つの置換を含む、前記本発明のいずれかの二重特異性抗体。
[本発明1020]
前記第一および第二のFc領域中の前記Fc-Fc相互作用増強変異が、前記第一および第二のFc領域中の同一の置換である、前記本発明のいずれかの二重特異性抗体。
[本発明1021]
IgG1、IgG2、IgG3もしくはIgG4アイソタイプまたはそれらの組み合わせであり、好ましくはIgG1アイソタイプである、前記本発明のいずれかの二重特異性抗体。
[本発明1022]
完全長抗体である、前記本発明のいずれかの二重特異性抗体。
[本発明1023]
ヒト抗体、ヒト化抗体もしくはキメラ抗体またはそれらの組み合わせである、前記本発明のいずれかの二重特異性抗体。
[本発明1024]
それぞれSEQ ID NO: 62および63に記された配列を有するヒトおよびカニクイザルCD37に結合する、前記本発明のいずれかの二重特異性抗体。
[本発明1025]
EUナンバリングを使用する場合、
A)前記第一のFc領域がヒトIgG1中のF405Lに対応するさらなる変異を含み、かつ前記第二のFc領域がヒトIgG1中のK409Rに対応するさらなる変異を含むか、または
B)前記第二のFc領域がヒトIgG1中のF405Lに対応するさらなる変異を含み、かつ前記第一のFc領域がヒトIgG1中のK409Rに対応するさらなる変異を含む、
前記本発明のいずれかの二重特異性抗体。
[本発明1026]
Fc-Fc相互作用増強変異を有しない同一の二重特異性分子と比べて、増強されたCDC、または増強されたCDCおよびADCCエフェクター機能を有する、前記本発明のいずれかの二重特異性抗体。
[本発明1027]
(i)SEQ ID NO: 16に記されるCDR1配列、SEQ ID NO: 17に記されるCDR2配列、およびSEQ ID NO: 18に記されるCDR3配列を含む、VH領域、ならびにSEQ ID NO: 20に記されるCDR1配列、KASであるCDR2配列、およびSEQ ID NO: 21に記されるCDR3配列を含む、VL領域[010];または
(ii)SEQ ID NO: 9に記されるCDR1配列、SEQ ID NO: 10に記されるCDR2配列、およびSEQ ID NO: 11に記されるCDR3配列を含む、VH領域、ならびにSEQ ID NO: 113に記されるCDR1配列、AASであるCDR2配列、およびSEQ ID NO: 14に記されるCDR3配列を含む、VL領域[005]
を含む抗CD37抗体と同じ、ヒトCD37上のエピトープに結合する、抗CD37抗体。
[本発明1028]
(i)SEQ ID NO: 16に記されるCDR1配列、SEQ ID NO: 17に記されるCDR2配列、およびSEQ ID NO: 18に記されるCDR3配列を含む、VH領域、ならびにSEQ ID NO: 20に記されるCDR1配列、KASであるCDR2配列、およびSEQ ID NO: 21に記されるCDR3配列を含む、VL領域[010];または
(ii)SEQ ID NO: 9に記されるCDR1配列、SEQ ID NO: 10に記されるCDR2配列、およびSEQ ID NO: 11に記されるCDR3配列を含む、VH領域、ならびにSEQ ID NO: 113に記されるCDR1配列、AASであるCDR2配列、およびSEQ ID NO: 14に記されるCDR3配列を含む、VL領域[005]
を含む、本発明1027の抗CD37抗体。
[本発明1029]
(i)SEQ ID NO: 23に記されるCDR1配列、SEQ ID NO: 24に記されるCDR2配列、およびSEQ ID NO: 25に記されるCDR3配列を含む、VH領域、ならびにSEQ ID NO: 27に記されるCDR1配列、YASであるCDR2配列、およびSEQ ID NO: 28に記されるCDR3配列を含む、VL領域[016];または
(ii)SEQ ID NO: 2に記されるCDR1配列、SEQ ID NO: 3に記されるCDR2配列、およびSEQ ID NO: 4に記されるCDR3配列を含む、VH領域、ならびにSEQ ID NO: 6に記されるCDR1配列、EASであるCDR2配列、およびSEQ ID NO: 7に記されるCDR3配列を含む、VL領域[004]
を含む、ヒトCD37に結合する抗CD37抗体。
[本発明1030]
前記抗体が1つまたは複数のアミノ酸変異を含むFc領域を含み、該変異が、標的結合時の該抗体間のFc-Fc相互作用を、前記変異を有しない抗体間のFc-Fc相互作用と比べて増強する、本発明1027~1029のいずれかの抗体。
[本発明1031]
前記抗体のFc領域中の1つまたは複数のアミノ酸変異が、EUナンバリングシステムを使用する場合のヒトIgG1中のアミノ酸位置430、440および345に対応する1つまたは複数の位置におけるアミノ酸置換である、本発明1030の抗体。
[本発明1032]
E430G、E345K、E430S、E430F、E430T、E345Q、E345R、E345Y、S440Y、およびS440Wを含む群より選択される、Fc領域中の少なくとも1つのアミノ酸置換を含む、本発明1031の抗体。
[本発明1033]
E430GまたはE345Kより選択され、好ましくはE430Gである、前記Fc領域中の少なくとも1つの置換を含む、本発明1032の抗体。
[本発明1034]
ヒトIgG1中のF405LまたはK409Rに対応する変異を含む、本発明1027~1033のいずれかの抗体。
[本発明1035]
ヒトCD37に結合する抗CD37抗体であって、
(i)SEQ ID NO: 40に記されるCDR1配列、SEQ ID NO: 41に記されるCDR2配列、およびSEQ ID NO: 42に記されるCDR3配列を含む、VH領域、ならびにSEQ ID NO: 44に記されるCDR1配列、FAKであるCDR2配列、およびSEQ ID NO: 45に記されるCDR3配列を含む、VL領域[G28.1]または
(ii)SEQ ID NO: 47に記されるCDR1配列、SEQ ID NO: 48に記されるCDR2配列、およびSEQ ID NO: 49に記されるCDR3配列を含む、VH領域、ならびにSEQ ID NO: 51に記されるCDR1配列、VATであるCDR2配列、およびSEQ ID NO: 52に記されるCDR3配列を含む、VL領域[37.3]
を含み;
(iii)(i)または(ii)の抗体が、E430G、E345K、E430S、E430F、E430T、E345Q、E345R、E345Y、S440Y、およびS440Wを含む群より選択される少なくとも1つのアミノ酸置換を含むFc領域を含み;
(iv)任意で、該Fc領域が、K409RまたはF405Lである変異をさらに含む、前記抗体。
[本発明1036]
IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4アイソタイプである、本発明1027~1035のいずれかの抗体。
[本発明1037]
ヒト抗体、ヒト化抗体、またはキメラ抗体である、本発明1027~1036のいずれかの抗体。
[本発明1038]
ヒトおよびカニクイザル両方のCD37に結合する、本発明1027~1037のいずれかの抗体。
[本発明1039]
本発明1001~1026のいずれかの二重特異性抗体または本発明1027~1038のいずれかの抗体と、薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物。
[本発明1040]
医薬として使用するための、本発明1001~1026のいずれかの二重特異性抗体または本発明1027~1038のいずれかの抗体または本発明1039の組成物。
[本発明1041]
がんまたは自己免疫疾患または炎症性障害の治療に使用するための、本発明1001~1026のいずれかの二重特異性抗体または本発明1027~1038のいずれかの抗体または本発明1039の組成物。
[本発明1042]
アレルギー、移植片拒絶、またはB細胞悪性腫瘍、例えば、非ホジキンリンパ腫(NHL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、ろ胞性リンパ腫(FL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、形質細胞性白血病(PCL)、びまん性大B細胞リンパ腫(DLBCL)、または急性リンパ芽球性白血病(ALL)の治療に使用するための、本発明1001~1026のいずれかの二重特異性抗体または本発明1027~1038のいずれかの抗体または本発明1039の組成物。
[本発明1043]
1つまたは複数のさらなる治療剤との組み合わせでの本発明1040~1042のいずれかの使用のための、本発明1001~1026のいずれかの二重特異性抗体または本発明1027~1038のいずれかの抗体または本発明1039の組成物。
[本発明1044]
前記1つまたは複数のさらなる治療剤が、ドキソルビシン、シスプラチン、ブレオマイシン、カルムスチン、シクロホスファミド、クロラムブシル、ベンダムスチン、ビンクリスチン、フルダラビン、イブルチニブ、および抗CD20抗体、例えばリツキシマブまたはオファツムマブを含む群より選択される、本発明1040~1043のいずれかの使用のための、本発明1001~1026のいずれかの二重特異性抗体または本発明1027~1038のいずれかの抗体または本発明1039の組成物。
[本発明1045]
前記さらなる治療剤が、
i)SEQ ID NO: 75に記されるVH CDR1配列、
SEQ ID NO: 76に記されるVH CDR2配列、
SEQ ID NO: 77に記されるVH CDR3配列、
SEQ ID NO: 79に記されるVL CDR1配列、
DASであるVL CDR2配列、および
SEQ ID NO: 80に記されるVL CDR3配列;
ii)SEQ ID NO: 82に記されるVH CDR1配列、
SEQ ID NO: 83に記されるVH CDR2配列、
SEQ ID NO: 84に記されるVH CDR3配列、
SEQ ID NO: 85に記されるVL CDR1配列、
DASであるVL CDR2配列、および
SEQ ID NO: 86に記されるVL CDR3配列;
iii)SEQ ID NO: 95に記されるVH CDR1配列、
SEQ ID NO: 96に記されるVH CDR2配列、
SEQ ID NO: 97に記されるVH CDR3配列、
SEQ ID NO: 99に記されるVL CDR1配列、
ATSであるVL CDR2配列、および
SEQ ID NO: 100に記されるVL CDR3配列;
iv)SEQ ID NO: 88に記されるVH CDR1配列、
SEQ ID NO: 89に記されるVH CDR2配列、
SEQ ID NO: 90に記されるVH CDR3配列、
SEQ ID NO: 92に記されるVL CDR1配列、
DASであるVL CDR2配列、および
SEQ ID NO: 93に記されるVL CDR3配列;ならびに
v)SEQ ID NO: 102に記されるVH CDR1配列、
SEQ ID NO: 103に記されるVH CDR2配列、
SEQ ID NO: 104に記されるVH CDR3配列、
SEQ ID NO: 106に記されるVL CDR1配列、
QMSであるVL CDR2配列、および
SEQ ID NO: 107に記されるVL CDR3配列
からなる群より選択されるCDR配列を含む、ヒトCD20に結合することができる抗CD20抗体である、本発明1043または1044の使用のための、本発明1043または1044の二重特異性抗体または本発明1043または1044の抗体または本発明1043または1044の組成物。
[本発明1046]
医薬を製造するための、本発明1001~1026のいずれかの二重特異性抗体または本発明1027~1038のいずれかの抗体または本発明1039の組成物の使用。
[本発明1047]
がん、自己免疫疾患、または炎症性疾患の治療のための医薬を製造するための、本発明1046の使用。
[本発明1048]
アレルギー、移植片拒絶、またはB細胞悪性腫瘍、例えば、非ホジキンリンパ腫(NHL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、ろ胞性リンパ腫(FL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、形質細胞性白血病(PCL)、びまん性大B細胞リンパ腫(DLBCL)または急性リンパ芽球性白血病(ALL)の治療のための医薬を製造するための、本発明1047の使用。
[本発明1049]
1つまたは複数のさらなる治療剤との組み合わせでの、本発明1046~1048のいずれかの使用。
[本発明1050]
前記1つまたは複数のさらなる治療剤が、ドキソルビシン、シスプラチン、ブレオマイシン、カルムスチン、シクロホスファミド、クロラムブシル、ベンダムスチン、ビンクリスチン、フルダラビン、イブルチニブおよび抗CD20抗体、例えばリツキシマブまたはオファツムマブを含む群より選択される、本発明1049の使用。
[本発明1051]
CD37を発現する腫瘍細胞の細胞死を誘導する、または該細胞の成長および/もしくは増殖を阻害する方法であって、それを必要とする個体に、有効量の本発明1001~1026のいずれかの二重特異性抗体または本発明1027~1038のいずれかの抗体または本発明1039の組成物を投与する工程を含む、前記方法。
[本発明1052]
アレルギー、自己免疫疾患、炎症性疾患、移植片拒絶、またはB細胞悪性腫瘍、例えば、非ホジキンリンパ腫(NHL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、ろ胞性リンパ腫(FL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、形質細胞性白血病(PCL)、びまん性大B細胞リンパ腫(DLBCL)、または急性リンパ芽球性白血病(ALL)を有する個体を治療する方法であって、有効量の本発明1001~1025のいずれかの二重特異性抗体または本発明1027~1038のいずれかの抗体または本発明1039の組成物を前記個体に投与する工程を含む、前記方法。
[本発明1053]
前記抗体または前記二重特異性抗体と組み合わせて1つまたは複数のさらなる治療剤を投与する工程を含む、本発明1051または1052の方法。
[本発明1054]
前記1つまたは複数のさらなる治療剤が、ドキソルビシン、シスプラチン、ブレオマイシン、カルムスチン、シクロホスファミド、クロラムブシル、ベンダムスチン、ビンクリスチン、フルダラビン、イブルチニブ、および抗CD20抗体、例えばリツキシマブまたはオファツムマブを含む群より選択される、本発明1053の方法。
[本発明1055]
表1に提示されるSEQ ID NO: 1、2、3、4、5、6、6a、7、8、9、10、11、12、13、13a、14、15、16、17、18、19、20、20a、21、22、23、24、25、26、27、27a、28、29、30、30aおよび31を含む群より選択される1つまたは複数の配列をコードする、核酸構築物。
[本発明1056]
本発明1001~1026のいずれかの二重特異性抗体または本発明1027~1038のいずれかの抗体をコードする、核酸構築物。
[本発明1057]
本発明1055または1056の1つまたは複数の核酸構築物を含む、発現ベクター。
[本発明1058]
本発明1057の発現ベクターを含む、宿主細胞。
[本発明1059]
組換え宿主細胞、例えば、組換え原核細胞、組換え真核細胞、または組換え微生物宿主細胞である、本発明1058の宿主細胞。
[本発明1060]
本発明1027~1038のいずれかの抗体に結合する、抗イディオタイプ抗体。
[本発明1061]
試料中のヒトCD37抗原またはヒトCD37を発現する細胞の存在を検出するためのインビトロ方法であって、
(i)該試料を、本発明1001~1026のいずれかの二重特異性抗体または本発明1027~1038のいずれかの抗体と、該抗体または該二重特異性抗体とCD37との間での複合体の形成を可能にする条件下で接触させる工程;および
(ii)複合体の形成を検出する工程
を含む、前記方法。
[本発明1062]
対象中のヒトCD37抗原またはヒトCD37を発現する細胞の存在を検出するためのインビボ方法であって、
(i)本発明1001~1026のいずれかの二重特異性抗体または本発明1027~1038のいずれかの抗体を、該抗体または該二重特異性抗体とCD37との間での複合体の形成を可能にする条件下で投与する工程;および
(ii)形成された該複合体を検出する工程
を含む、前記方法。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】G28.1バリアントによって媒介される、初代CLL腫瘍細胞におけるCDC。(A)IgG1-G28.1-K409R-delK、IgG1-G28.1-E345R、またはIgG1-b12-E345R(細胞:患者由来、新たに診断/未処置(PB=末梢血由来))および(B)IgG1-G28.1、IgG1-G28.1-E430G、またはIgG1-b12(細胞:患者由来、新たに診断/未処置(BM=骨髄由来))の、初代CLL細胞においてCDCを誘導する能力を、インビトロで測定した。示されているデータは、フローサイトメトリーによる死細胞(PI陽性細胞に相当)の割合の計測によって測定された溶解率(%)である。
図2】CLL腫瘍細胞におけるCD37、CD46、CD55、およびCD59発現レベルの定量。1名の患者(患者VM-PB0005、新たに診断/未処置)由来のCLL細胞におけるCD37、CD46、CD55、およびCD59の発現レベルをフローサイトメトリーによって測定した。抗原量が分子数/細胞として示されている。mIgG1はマウスIgG1κアイソタイプコントロールである。
図3】Daudi細胞へのヒト化CD37抗体およびそのバリアントの結合。Daudi細胞へのIgG1-004-H5L2、IgG1-004-H5L2-E430G、IgG1-005-H1L2、IgG1-005-H1L2-E430G、IgG1-010-H5L2、IgG1-010-H5L2-E430G、IgG1-016-H5L2、およびIgG1-016-H5L2-E430Gの結合をフローサイトメトリーによって測定した。示されているデータは、1つの代表的な実験の場合の平均蛍光強度(MFI)値である。
図4】Daudi細胞へのG28.1および37.3ならびにそれらのバリアントの結合。Daudi細胞へのIgG1-G28.1、IgG1-G28.1-E430G、IgG1-37.3、およびIgG1-37.3-E430Gの結合をフローサイトメトリーによって測定した。示されているデータは、1つの代表的な実験の場合の平均蛍光強度(MFI)値である。
図5】Daudi細胞へのヒト化CD37抗体IgG1-016-H5L2のバリアントの結合。Daudi細胞へのIgG1-016-H5L2、IgG1-016-H5L2-E430G、IgG1-016-H5L2-F405L-E430G、およびIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430Gの結合をフローサイトメトリーによって測定した。示されているデータは、1つの代表的な実験の場合の平均蛍光強度(MFI)値である。
図6】カニクイザルCD37を発現するCHO細胞へのCD37抗体バリアントの結合。IgG1-004-H5L2-E430G、IgG1-005-H1L2-E430G、IgG1-010-H5L2-E430G、IgG1-016-H5L2-E430G、IgG1-G28.1、およびIgG1-G28.1-E430Gの結合をフローサイトメトリーによって測定した。示されているデータは、1つの代表的な実験の場合の平均蛍光強度(MFI)値である。
図7A図7:CD37抗体間の結合競合の測定、ならびにヒト化CD37抗体、そのバリアント、およびCD37抗体の組み合わせによって媒介される、Raji細胞におけるCDC。(A)IgG1-37.3-E430G、IgG1-G28.1-E430G、IgG1-004-H5L2-E430G、IgG1-005-H1L2-E430G、IgG1-010-H5L2-E430G、およびIgG1-016-H5L2-E434Gの間の結合競合を、フローサイトメトリーによって測定した。Raji細胞を一次結合のための非標識抗体とともにインキュベートし、その後、Alexa Fluor 488標識プローブ抗体とともにインキュベートした。非標識抗体とのプレインキュベーション後のA488標識プローブ抗体の結合の、A488標識抗体単独の場合の結合と比べての喪失が、A488標識抗体と非標識抗体との間の結合競合を示す。示されているデータは、1つの代表的な実験の場合のMESF(可溶性蛍光分子数)の二重反復試験値である。(B~G)IgG1-004-H5L2、IgG1-005-H1L2、IgG1-010-H5L2、IgG1-016-H5L2、およびIgG1-37.3(E430G変異を有する、または有しない)ならびにそれらの組み合わせの、Raji細胞においてCDCを誘導する能力を、インビトロで測定した。示されているデータは、フローサイトメトリーによる死細胞(PI陽性細胞に相当)の割合の計測によって測定された溶解率(%)である。
図7B図7Aの説明を参照。
図7C図7Aの説明を参照。
図7D図7Aの説明を参照。
図7E図7Aの説明を参照。
図7F図7Aの説明を参照。
図7G図7Aの説明を参照。
図8】CD37抗体間の結合競合の概観。Raji細胞へのIgG1-37.3-E430G、IgG1-G28.1-E430G、IgG1-004-H5L2-E430G、IgG1-005-H1L2-E430G、IgG1-010-H5L2-E430G、およびIgG1-016-H5L2-E4340Gの間の結合競合を、一次結合のための非標識抗体と、その後の競合抗体の結合を検出するためのAlexa Fluor 488標識プローブ抗体とを使用して、フローサイトメトリーにより測定した。色表示:黒;同時結合、白;結合に関して競合、グレー;同じ抗体。
図9】Daudi細胞における、ヒト化CD37抗体およびそのバリアントによって媒介されるCDC。IgG1-004-H5L2、IgG1-004-H5L2-E430G、IgG1-005-H1L2、IgG1-005-H1L2-E430G、IgG1-010-H5L2、IgG1-010-H5L2-E430G、IgG1-016-H5L2、およびIgG1-016-H5L2-E430Gの、Daudi細胞においてCDCを誘導する能力を、インビトロで測定した。示されているデータは、フローサイトメトリーによる死細胞(PI陽性細胞に相当)の割合の計測によって測定された溶解率(%)である。
図10A図10:Daudi細胞における、G28.1および37.3ならびにそれらのバリアントによって媒介されるCDC、ならびにFc-Fc相互作用増強変異を有するヒト化CD37抗体によって媒介されるCDC。(A)IgG1-G28.1、IgG1-G28.1-E430G、IgG1-37.3、およびIgG1-37.3-E430Gの、Daudi細胞においてCDCを誘導する能力を、インビトロで測定した。示されているデータは、フローサイトメトリーによる死細胞(PI陽性細胞に相当)の割合の計測によって測定された溶解率(%)である。(B~C)(A)IgG1-010-H5L2-K409R-E430G、IgG1-010-H5L2-E345R-K409R、IgG1-010-H5L2-E345K-K409R、IgG1-010-H5L2-K409R-E430S、IgG1-010-H5L2-RRGY、および(B)IgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G、IgG1-016-H5L2-E345K-F405L、IgG1-016-H5L2-F405L-E430S、およびIgG1-016-H5L2-E345R-F405Lの、Daudi細胞においてCDCを誘導する能力を、インビトロで測定した。示されているデータは、1つの代表的な実験の場合の、フローサイトメトリーによる死細胞(PI陽性細胞に相当)の割合の計測によって測定された溶解率(%)(抗体濃度10μg/mLでの最大死滅)である。エラーバーは実験(二重反復で実施)内のばらつきを示す。
図10B図10Aの説明を参照。
図10C図10Aの説明を参照。
図11】Daudi細胞における、ヒト化抗体IgG1-016-H5L2のバリアントによって媒介されるCDC。IgG1-016-H5L2、IgG1-016-H5L2-E430G、IgG1-016-H5L2-F405L-E430G、およびIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430Gの、Daudi細胞においてCDCを誘導する能力を、インビトロで測定した。示されているデータは、フローサイトメトリーによる死細胞(PI陽性細胞に相当)の割合の計測によって測定された溶解率(%)である。
図12A図12:Daudi細胞における、Fc-Fc相互作用増強変異を有する二重特異性CD37抗体、Fc-Fc相互作用増強変異を有するCD37抗体(の組み合わせ)およびFc-Fc相互作用増強変異を有する一価CD37結合抗体によって媒介されるCDC;ならびに、OCI-Ly-7細胞における、Fc-Fc相互作用増強変異を有するCD37抗体バリアントおよびそれらの組み合わせのCDC活性。(A)bsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×005-H1L2-K409R-E430G、IgG1-005-H1L2-E430G、IgG1-016-H5L2-E430G、IgG1-005-H1L2-K409R-E430GとIgG1-016-H5L2-F405L-E430Gとの組み合わせ、bsIgG1-b12-F405L-E430G×005-H1L2-K409R-E430G、およびbsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×b12-K409R-E430G、ならびに(B)bsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×010-H5L2-K409R-E430G、IgG1-010-H5L2-E430G、IgG1-016-H5L2-E430G、IgG1-010-H5L2-E430GとIgG1-016-H5L2-E430Gとの組み合わせ、bsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×b12-K409R-E430G、およびbsIgG1-b12-F405L-E430G×010-H5L2-K409R-E430Gの、Daudi細胞においてCDCを誘導する能力を、インビトロで測定した。示されているデータは、フローサイトメトリーによる死細胞(PI陽性細胞に相当)の割合の計測によって測定された溶解率(%)である。(C)CD37二重特異性抗体bsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×010-H5L2-K409R-E430G、CD37単一特異性二価(モノクローナル)抗体IgG1-010-H5L2-E430G、IgG1-016-H5L2-E430G、IgG1-010-H5L2-E430GとIgG1-016-H5L2-E430Gとの組み合わせ、一価CD37抗体bsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×b12-K409R-E430G、bsIgG1-b12-F405L-E430G×010-H5L2-K409R-E430G、およびbsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×b12-K409R-E430GとbsIgG1-b12-F405L-E430G×010-H5L2-K409R-E430Gとの組み合わせの、OCI-Ly-7細胞を誘導する能力を、インビトロで測定した。示されているデータは、フローサイトメトリーによる死細胞(PI陽性細胞に相当)の割合の計測によって測定された溶解率(%)である。(D)2つの独立した実験において測定された、bsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×b12-K409R-E430GとbsIgG1-b12-F405L-E430G×010-H5L2-K409R-E430G、およびIgG1-010-H5L2-E430GとIgG1-016-H5L2-E430GによるCDC誘導のEC50値。(E)3つの独立した実験において測定された、bsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×010-H5L2-K409R-E430G、およびIgG1-010-H5L2-E430GとIgG1-016-H5L2-E430GによるCDC誘導のEC50値。
図12B図12Aの説明を参照。
図12C図12Aの説明を参照。
図12D図12Aの説明を参照。
図12E図12Aの説明を参照。
図13A図13:Daudi細胞における、二重特異性CD37抗体およびFc-Fc相互作用増強変異を有する二重特異性CD37抗体によって媒介されるCDC。(A)bsIgG1-016-H5L2-F405L×005-H1L2-K409R、およびbsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×005-H1L2-K409R-E430G、ならびに(B)bsIgG1-016-H5L2-F405L×010-H5L2-K409RおよびbsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×010-H5L2-K409R-E430Gの、Daudi細胞においてCDCを誘導する能力を、インビトロで測定した。示されているデータは、フローサイトメトリーによる死細胞(PI陽性細胞に相当)の割合の計測によって測定された溶解率(%)である。
図13B図13Aの説明を参照。
図14A図14:初代CLL腫瘍細胞における、Fc-Fc相互作用増強変異を有する二重特異性CD37抗体、Fc-Fc相互作用増強変異を有するCD37抗体(の組み合わせ)、およびFc-Fc相互作用増強変異を有する一価結合CD37抗体によって媒介されるCDC。(A)bsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×005-H1L2-K409R-E430G、IgG1-005-H1L2-K409R-E430G、IgG1-016-H5L2-F405L-E430G、IgG1-005-H1L2-K409R-E430GとIgG1-016-H5L2-F405L-E430Gとの組み合わせ、bsIgG1-b12-F405L-E430G×005-H1L2-K409R-E430G、およびbsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×b12-K409R-E430G、ならびに(B)bsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×010-H5L2-K409R-E430G、IgG1-010-H5L2-E430G、IgG1-016-H5L2-E430G、IgG1-010-H5L2-E430GとIgG1-016-H5L2-E430Gとの組み合わせ、bsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×b12-K409R-E430G、およびbsIgG1-b12-F405L-E430G×010-H5L2-K409R-E430Gの、初代CLL腫瘍細胞(患者:VM-BM0091、新たに診断/未処置(BM=骨髄由来))においてCDCを誘導する能力を、インビトロで測定した。示されているデータは、フローサイトメトリーによる死細胞(PI陽性細胞に相当)の割合の計測によって測定された溶解率(%)である。
図14B図14Aの説明を参照。
図15】B細胞リンパ腫細胞株における、Fc-Fc相互作用増強変異を有する二重特異性CD37抗体によって媒介されるCDC。bsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×010-H5L2-K409R-E430G(濃度10μg/mL)の、さまざまなB細胞リンパ腫細胞株においてCDCを誘導する能力を、インビトロで測定した。CD37の発現レベルを定量的フローサイトメトリーによって測定し、分子数/細胞(2つの実験の平均値±SD)として示す。白いバーは、bsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×010-H5L2-K409R-E430Gによって媒介されるCDCへの感受性があること(>10%溶解、2つの実験の平均)を示し、黒いバーは、bsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×010-H5L2-K409R-E430Gによって媒介されるCDCへの感受性がないこと(<10%溶解、2つの実験の平均)を示す。
図16A図16:Daudi細胞およびRaji細胞における、Fc-Fc相互作用増強変異を有する二重特異性CD37抗体、Fc-Fc相互作用増強変異を有するCD37抗体(の組み合わせ)、およびFc-Fc相互作用増強変異を有する一価結合CD37抗体によって媒介されるADCC。(A)bsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×005-H1L2-K409R-E430G、IgG1-005-H1L2-K409R-E430G、IgG1-016-H5L2-F405L-E430G、およびIgG1-005-H1L2-K409R-E430GとIgG1-016-H5L2-F405L-E430Gとの組み合わせの、Daudi細胞においてADCCを誘導する能力、(B)bsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×010-H5L2-K409R-E430G、IgG1-010-H5L2-E430G、IgG1-016-H5L2-E430G、およびIgG1-010-H5L2-E430GとIgG1-016-H5L2-E430Gとの組み合わせの、Daudi細胞においてADCCを誘導する能力、ならびに(C)bsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×010-H5L2-K409R-E430G、IgG1-010-H5L2-E430G、IgG1-016-H5L2-E430G、IgG1-010-H5L2-E430GとIgG1-016-H5L2-E430Gとの組み合わせ、bsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×b12-K409R-E430G、およびbsIgG1-b12-F405L-E430G×010-H5L2-K409R-E430Gの、Raji細胞においてADCCを誘導する能力を、クロムリリースアッセイを使用してインビトロで測定した。示されているデータは特異的溶解率(%)であり;エラーバーはアッセイ内のばらつきを示す(データ点あたり5回反復(A、B)または6回反復(C))。
図16B図16Aの説明を参照。
図16C図16Aの説明を参照。
図17A図17:(A)CLL、(B)FL、(C)MCL、または(D)DLBCL腫瘍細胞におけるCD37、CD46、CD55、およびCD59発現レベルの定量。腫瘍細胞における発現レベルをフローサイトメトリーによって測定した。抗原量が抗体結合能として示されている。
図17B図17Aの説明を参照。
図17C図17Aの説明を参照。
図17D図17Aの説明を参照。
図18A図18:CLL、FL、MCL、DLBCL、またはB-NHL(さらなる特定はされていない)患者の初代腫瘍細胞における、Fc-Fc相互作用増強変異を有する二重特異性CD37抗体によって媒介されるCDC。(A)CLL、(B)FL、および(C)MCL、DLBCL、またはB-NHL(さらなる特定はされていない)患者に由来する腫瘍細胞においてCDCを誘導するbsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L×010-H5L2-K409R-E430Gの能力を、フローサイトメトリーによって測定した。CDC誘導は、bsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L×010-H5L2-K409R-E430Gを100μg/mL(AおよびB)または10μg/mL(C)で使用して、7-AAD陽性腫瘍細胞の分画によって測定された溶解率(%)として提示されている。
図18B図18Aの説明を参照。
図18C図18Aの説明を参照。
図19】ヒトまたはカニクイザル血液中のB細胞への、Fc-Fc相互作用増強変異を有する二重特異性CD37抗体の結合。(A)ヒトまたは(B)カニクイザル血液中のB細胞へのAlexa-488標識bsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×010-H5L2-K409R-E430Gの結合をフローサイトメトリーによって測定した。Alexa-488標識IgG1-b12をネガティブコントロール抗体として使用した。データは、1つの代表的なドナー/動物の場合の幾何平均A488蛍光強度値として示されている。エラーバーは実験(二重反復計測)内のばらつきを示す。
図20】ヒトまたはカニクイザル血液中のB細胞に対する、Fc-Fc相互作用増強変異を有する二重特異性CD37抗体およびFcγR相互作用増強性モノクローナルCD37特異的抗体の細胞傷害作用。(A)ヒト血液中のB細胞に対するbsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×010-H5L2-K409R-E430GおよびIgG1-CD37-B2-S239D-I332Eの細胞傷害作用ならびに(B)カニクイザル血液中のB細胞に対するbsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×010-H5L2-K409R-E430Gの細胞傷害作用を全血細胞傷害アッセイにおいて測定した。IgG1-b12をネガティブコントロール抗体として使用した。データは、1つの代表的なドナー/動物の場合のB細胞枯渇率(%)として示されている。エラーバーは実験(二重反復計測)内のばらつきを示す。
図21A図21:Fc-Fc相互作用増強変異を有する二重特異性CD37抗体、CD20特異的抗体、またはそれらの組み合わせによって媒介されるCDC。(A~D)bsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×010-H5L2-K409R-E430G、オファツムマブ、またはそれらの組み合わせ(示された濃度の)の、2名のCLL患者に由来する腫瘍細胞においてCDCを誘導する能力を、エクスビボで測定した。データは、生存B細胞の割合(%)として示されている。
図21B図21Aの説明を参照。
図21C図21Aの説明を参照。
図21D図21Aの説明を参照。
図22】JVM-3モデルにおけるbsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×010-H5L2-K409R-E430Gの週1回投与を三回行った場合の用量-効果関係。(A)様々な用量のbsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×010-H5L2-K409R-E430Gまたはアイソタイプコントロール抗体(IgG1-b12)による処置後のJVM-3異種移植片の腫瘍成長。各時点での各グループ(n=10)の平均値およびSEMが示されている。(B)25日目のマウス1匹あたりの腫瘍サイズ。処置グループごとに平均値およびSEMが示されている。マン・ホイットニー検定によって差を分析した。統計的に有意な差を以下のように示した:**:p<0.01;***:p<0.001。
図23】Daudi-lucモデルにおけるbsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×010-H5L2-K409R-E430Gの週1回投与を三回行った場合の用量-効果関係。(A)様々な用量のbsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×010-H5L2-K409R-E430Gまたはアイソタイプコントロール抗体(IgG1-b12)による処置後のDaudi-luc異種移植片の腫瘍成長(ルシフェラーゼ活性、バイオルミネセンスによって計測)。各時点での各グループ(n=9)の平均値およびSEMが示されている。(B)36日目のマウス1匹あたりのルシフェラーゼ活性。処置グループごとに平均値およびSEMが示されている。一元配置分散分析、補正なしのフィッシャーのLSDによって差を分析した。統計的に有意な差を以下のように示した:**:p<0.01;***:p<0.001。
図24-1】図24:SCIDマウスにおける静脈内注射後のbsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×010-H5L2-K409R-E430GおよびIgG1-b12の血漿中濃度。(A~B)100μg(5mg/kg)または(C~D)500μg(25mg/kg)のbsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×010-H5L2-K409R-E430GまたはIgG1-b12をSCIDマウスに1回静脈内注射した。
図24-2】図24-1の説明を参照。
図25】細胞外ドメインにアラニン変異を有するCD37バリアントへのCD37抗体の結合の分析。zスコア(倍率変化)を(正規化されたgMFI[aa位置]-μ)/σと定義した(式中、μおよびσは、すべての変異体の正規化されたgMFIの平均値および標準偏差(SD)である)。zスコアが-1.5(点線によって示す)未満であった残基を「結合性喪失変異体」とみなした。x軸上の数字はアミノ酸位置を指す。x軸は不連続であることに留意すること。軸の左部分(ストライプ線まで)は、アラニンまたはシステインではない、ヒトCD37の小さな細胞外ループ中のaa残基を表し;軸の右部分は、アラニンまたはシステインではない、ヒトCD37の大きな細胞外ループ中のaa残基を表す。点線は-1.5のzスコア(倍率変化)を示す。
図26A図26:Raji細胞における、Fc-Fc相互作用増強変異を有するCD37抗体+臨床的に確立されたCD20抗体製品の混合物によって媒介されるCDC。Fc-Fc相互作用増強変異を有するCD37抗体+標準治療CD20抗体製品MabThera(リツキシマブ)、Arzerra(オファツムマブ)、およびGazyva(オビヌツズマブ、GA101)の1:0、3:1、1:1、3:1、および0:1抗体混合物の抗体濃度希釈系列(最終濃度10μg/mL)の場合のCDC媒介Raji細胞死滅(フローサイトメトリーによって測定されるPI陽性細胞分画として表される溶解率(%)):(A)IgG1-37.3-E430Gとの混合物、(B)IgG1-G28.1-E430Gとの混合物、(C)IgG1-004-E430Gとの混合物、(D)IgG1-005-E430Gとの混合物、(E)IgG1-010-E430Gとの混合物、および(F)IgG1-016-E430Gとの混合物。
図26B図26Aの説明を参照。
図26C図26Aの説明を参照。
図26D図26Aの説明を参照。
図26E図26Aの説明を参照。
図26F図26Aの説明を参照。
【発明を実施するための形態】
【0023】
発明の詳細な説明
定義
本明細書において使用される語「CD37」とは、4つの膜貫通ドメイン(TM)、1つの小さな細胞外ドメイン、および1つの大きな細胞外ドメインを有する、重度にグリコシル化された膜貫通タンパク質である、GP52-40、テトラスパニン-26、およびTSPAN26とも呼ばれる白血球抗原CD37をいう。Homo sapiensすなわちヒトのCD37タンパク質は、SEQ ID NO: 62(ヒトCD37タンパク質:UniprotKB/Swissprot P11049)に示されるアミノ酸配列をコードする核酸配列によってコードされる。このアミノ酸配列中、112~241番目の残基が大きな細胞外ドメインに相当し、39~59番目の残基が小さな細胞外ドメインに相当し、残りの残基は膜貫通ドメインおよび細胞質ドメインに相当する。Macaca fascicularisすなわちカニクイザルのCD37タンパク質は、SEQ ID NO: 63(カニクイザルCD37タンパク質:Genbankアクセッション番号XP_005589942)に示されるアミノ酸配列をコードする核酸配列によってコードされる。文脈と矛盾しない限り、語「CD37」は「ヒトCD37」を意味する。語「CD37」は、腫瘍細胞をはじめとする細胞によって天然に発現される、またはCD37遺伝子もしくはcDNAをトランスフェクトされた細胞上に発現する、CD37の任意のバリアント、アイソフォーム、および相同分子種を含む。
【0024】
語「ヒトCD20」または「CD20」とは、ヒトCD20(UniProtKB/Swiss-Prot No P11836)を指し、腫瘍細胞をはじめとする細胞によって天然に発現される、またはCD20遺伝子もしくはcDNAをトランスフェクトされた細胞上に発現する、CD20の任意のバリアント、アイソフォーム、および相同分子種を含む。相同分子種は、アカゲザルCD20(macaca mulatta;UniProtKB/Swiss-Prot No H9YXP1)およびカニクイザルCD20(Macaca fascicularis)を含む。
【0025】
本明細書において互換的に使用され得る語「CD37に結合する抗体」、「抗CD37抗体」、「CD37結合抗体」、「CD37特異的抗体」、「CD37抗体」とは、CD37の細胞外部分上のエピトープに結合する任意の抗体をいう。
【0026】
本発明に関連する語「抗体(Ab)」とは、一般的な生理学的条件下で、有意な期間の半減期、例えば、少なくとも約30分、少なくとも約45分、少なくとも約1時間、少なくとも約2時間、少なくとも約4時間、少なくとも約8時間、少なくとも約12時間、約24時間もしくはより多く、約48時間もしくはより多く、約3日、4日、5日、6日、7日、またはより多くの日数など、あるいは任意の他の関連する機能的に決定される期間(例えば、抗原への抗体の結合と関連する生理学的反応を誘導、促進、増強、および/もしくはモジュレートするのに十分な期間、ならびに/または抗体がエフェクター活性を動員するのに十分な期間)、抗原に特異的に結合する能力を有する、免疫グロブリン分子、免疫グロブリン分子の断片、またはそれらのいずれかの誘導体をいう。免疫グロブリン分子の重鎖および軽鎖の可変領域は、抗原と相互作用する結合ドメインを含む。抗体(Ab)の定常領域は、免疫系の様々な細胞(例えばエフェクター細胞)および補体系の成分、例えばC1q(補体活性化の古典経路における第一成分)を含む、宿主組織または因子への免疫グロブリンの結合を媒介し得る。先に示したように、本明細書における語「抗体」は、別段の記述がない限り、または文脈と明らかに矛盾しない限り、抗原結合断片である、すなわち、抗原に特異的に結合する能力を保持する、抗体の断片を含む。抗体の抗原結合機能は完全長抗体の断片によって発揮され得ることが示されている。語「抗体」に包含される抗原結合断片の例は、(i)VL、VH、CL、およびCH1ドメインからなる一価断片であるFab'もしくはFab断片、またはWO2007059782(Genmab)に記載されている一価抗体;(ii)ヒンジ領域においてジスルフィド架橋によって連結された2つのFab断片を含む二価断片であるF(ab')2断片;(iii)本質的にVHおよびCH1ドメインのみからなるFd断片;(iv)本質的に抗体の単一のアームのVLおよびVHドメインのみからなるFv断片;(v)本質的にVHドメインのみからなり、ドメイン抗体とも呼ばれる(Holt et al; Trends Biotechnol. 2003 Nov;21(11):484-90)dAb断片(Ward et al., Nature 341, 544-546 (1989));(vi)ラクダ科またはナノボディ(Revets et al; Expert Opin Biol Ther. 2005 Jan;5(1):111-24)および(vii)単離された相補性決定領域(CDR)を含む。さらには、Fv断片の2つのドメインVLおよびVHは別々の遺伝子によってコードされているが、それらは、組換え法を使用して、それらが単一のタンパク質鎖(VLおよびVH領域が対を成して一価分子を形成する)として作られることを可能にする合成リンカーによってつながれてもよい(一本鎖抗体または一本鎖Fv(scFv)として知られる。例えば、Bird et al., Science 242, 423-426 (1988)およびHuston et al., PNAS USA 85, 5879-5883 (1988)を参照)。そのような一本鎖抗体は、別段の記載がない、または文脈によって明確に示されていない限り、語「抗体」に包含される。そのような断片は概して抗体の意味に含まれるが、それらは、集合的に、またそれぞれ独立して、本発明に特有の特徴であり、様々な生物学的性質および有用性を示す。本発明に関するこれらおよび他の有用な抗体断片ならびにそのような断片の二重特異性フォーマットが本明細書においてさらに説明される。本発明の二重特異性抗体の場合、そのような断片はFcドメインに連結されている。また、語「抗体」は、別段の指定がない限り、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体(mAb)、抗体様ポリペプチド、例えばキメラ抗体およびヒト化抗体、ならびに任意の公知の技術、例えば酵素的切断、ペプチド合成、および組換え技術によって提供される、抗原に特異的に結合する能力を保持する抗体断片(抗原結合断片)をも含むことが理解されるべきである。生成される抗体は任意のアイソタイプを有することができる。
【0027】
語「二重特異性抗体」とは、少なくとも2つの異なる、一般的には重複しないエピトープに対する特異性を有する抗体をいう。そのようなエピトープは、同じ標的上にあってもよいし、異なる標的上にあってもよい。本発明に関して、エピトープは同じ標的(すなわちCD37)上にある。Fc領域を含む様々なクラスの二重特異性抗体の例は、非対称二重特異性分子、例えば、相補的CH3ドメインを有するIgG様分子;および対称二重特異性分子、例えば組換えIgG様二重ターゲティング分子(分子の各抗原結合領域が少なくとも2つの異なるエピトープに結合する)を含むが、これらに限定されない。
【0028】
二重特異性分子の例は、Triomab(登録商標)(Trion Pharma/Fresenius Biotech、WO/2002/020039)、Knobs-into-Holes(Genentech、WO1998/50431)、CrossMAbs(Roche、WO2009/080251、WO2009/080252、WO2009/080253)、静電気的にマッチしたFcヘテロ二量体分子(Amgen、EP1870459およびWO2009089004;Chugai、US201000155133;Oncomed、WO2010/129304)、LUZ-Y(Genentech)、DIG-body、PIG-bodyおよびTIG-body(Pharmabcine)、Strand Exchange Engineered Domain body(SEEDbody)(EMD Serono、WO2007110205)、二重特異性IgG1およびIgG2(Pfizer/Rinat、WO2011/143545)、Azymetric足場(Zymeworks/Merck、WO2012058768)、mAb-Fv(Xencor、WO2011/028952)、XmAb(Xencor)、二価二重特異性抗体(Roche、WO2009/080254)、二重特異性IgG(Eli Lilly)、DuoBody(登録商標)分子(Genmab A/S、WO2011/131746)、DuetMab(Medimmune、US2014/0348839)、Biclonics(Merus、WO2013/157953)、NovImmune(κλBodies、WO2012/023053)、FcΔAdp(Regeneron、WO2010/151792)、(DT)-Ig(GSK/Domantis)、Two-in-one AntibodyまたはDual Action Fabs(Genentech、Adimab)、mAb2(F-Star、WO2008/003116)、Zybody(商標)分子(Zyngenia)、CovX-body(CovX/Pfizer)、FynomAbs(Covagen/Janssen Cilag)、DutaMab(Dutalys/Roche)、iMab(MedImmune)、Dual Variable Domain (DVD)-IgTM(Abbott)、デュアルドメインダブルヘッド抗体(Unilever;Sanofi Aventis、WO2010/0226923)、Ts2Ab(MedImmune/AZ)、BsAb(Zymogenetics)、HERCULES(Biogen Idec、US7,951,918)、scFv融合体(Genentech/Roche、Novartis、Immunomedics、Changzhou Adam Biotech Inc、CN102250246)、TvAb(Roche、WO2012/025525、WO2012/025530)、ScFv/Fc融合体、SCORPION(Emergent BioSolutions/Trubion、Zymogenetics/BMS)、Interceptor(Emergent)、Dual Affinity Retargeting Technology(Fc-DARTTM)(MacroGenics、WO2008/157379、WO2010/080538)、BEAT(Glenmark)、Di-Diabody(Imclone/Eli Lilly)および化学的に架橋したmAb(Karmanos Cancer Center)ならびに共有結合的に融合したmAb(AIMM therapeutics)を含むが、これらに限定されない。
【0029】
本明細書において使用される語「完全長抗体」とは、そのクラスまたはアイソタイプの野生型抗体において普通に見られるものに対応するすべての重鎖および軽鎖定常および可変ドメインを含む抗体(例えば親またはバリアント抗体)をいう。
【0030】
本明細書において使用される語「キメラ抗体」とは、可変領域が非ヒト種(例えば、げっ歯類)に由来し、定常領域が異なる種(例えば、ヒト)に由来する抗体をいう。キメラ抗体は、抗体エンジニアリングによって生成され得る。「抗体エンジニアリング」とは、当業者には周知のプロセスである、様々な種類の抗体改変のために総称的に使用される語である。特に、キメラ抗体は、Sambrook et al., 1989, Molecular Cloning: A laboratory Manual, New York: Cold Spring Harbor Laboratory Press, Ch. 15に記載されているような標準的なDNA技術を使用することによって生成され得る。したがって、キメラ抗体は、遺伝子的または酵素的に改変された組換え抗体であり得る。キメラ抗体を生成することは当業者の知識の範囲内であり、したがって、本発明のキメラ抗体の生成は、本明細書に記載される以外の方法によって実施されてもよい。抗体の免疫原性を低減させるために治療用途のキメラモノクローナル抗体が開発されている。そのような抗体は一般的に、対象の抗原に特異的である非ヒト(例えば、マウス)可変領域と、ヒト定常抗体重鎖および軽鎖ドメインとを含み得る。キメラ抗体に関して使用される語「可変領域」または「可変ドメイン」とは、免疫グロブリンの重鎖および軽鎖両方のCDRおよびフレームワーク領域を含む領域をいう。
【0031】
本明細書において使用される語「オリゴマー」とは、少なくとも原則的には無限数のモノマーからなるポリマーとは対照的に、1よりも多い、ただし限られた数のモノマー単位(例えば抗体)からなる分子をいう。例示的なオリゴマーは、二量体、三量体、四量体、五量体、および六量体である。同様に、本明細書において使用される「オリゴマー化」、例えば「六量体化」は、本発明の標的結合領域を含む抗体および/または他の二量体タンパク質の配分が増してオリゴマー、例えば六量体になることを意味する。六量体などのオリゴマーの形成の増加は、膜結合標的への結合後のFc-Fc相互作用の増大によるものである。
【0032】
本明細書において使用される語「抗原結合領域」、「結合領域」、または「抗原結合ドメイン」とは、抗体の、抗原に結合することができる領域をいう。この結合領域は一般的に抗体のVHおよびVLドメインによって画定され、これらのドメインはさらに、フレームワーク領域(FR)と呼ばれる、より保存的である領域の間に散在する、相補性決定領域(CDR)とも呼ばれる超可変性の領域(または、構造的に画定されたループの配列および/または形態において超可変性であり得る超過変性領域)へと細分化され得る。抗原は、例えば細胞上、細菌上、もしくはビリオン上、または溶液中に存在する任意の分子、例えばポリペプチドであることができる。語「抗原」および「標的」は、文脈と矛盾しない限り、本発明に関しては互換的に使用され得る。
【0033】
本明細書において使用される語「標的」とは、抗体の抗原結合領域が結合する分子をいう。標的は、産生される抗体が標的とする任意の抗原を含む。語「抗原」および「標的」は、抗体に対しては互換的に使用され、本発明の任意の局面または態様に関して同じ意味および趣旨を成し得る。
【0034】
本明細書において使用される語「ヒト化抗体」とは、ヒト抗体定常ドメインと、ヒト可変ドメインに対して高いレベルの配列相同性を含むように改変された非ヒト可変ドメインとを含有する、遺伝子操作された非ヒト抗体をいう。これは、いっしょになって抗原結合部位を形成する6つの非ヒト抗体相補性決定領域(CDR)を相同なヒトアクセプターフレームワーク領域(FR)にグラフトすることによって達成することができる(W092/22653およびEP0629240を参照)。親抗体の結合親和性および特異性を十分に再構成するためには、親抗体(すなわち非ヒト抗体)由来のフレームワーク残基をヒトフレームワーク領域に置換すること(復帰変異)が必要となり得る。構造相同性モデリングが、フレームワーク領域中の、抗体の結合性に重要であるアミノ酸残基の同定を支援し得る。したがって、ヒト化抗体は、非ヒトCDR配列と、任意で非ヒトアミノ酸配列への1つまたは複数のアミノ酸復帰変異を含む、主にヒトのフレームワーク領域と、完全にヒトの定常領域とを含み得る。任意で、好ましい特性、例えば親和性および生化学的性質を有するヒト化抗体を得るために、必ずしも復帰変異ではないさらなるアミノ酸改変が適用されてもよい。
【0035】
ヒト化抗体は、免疫化されたウサギ、生殖細胞系ヒト化(CDRグラフト)技術を使用するウサギ抗体のヒト化、および、必要ならば、抗体結合性にとって決定的であり得る残基(構造モデリングにおいて同定される)をウサギ残基に復帰変異させることによって生成することができる。潜在的なT細胞エピトープのスクリーニングを適用することができる。
【0036】
本明細書において使用される語「ヒト抗体」とは、ヒト生殖細胞系免疫グロブリン配列に由来する可変および定常領域を有する抗体をいう。ヒト抗体は、ヒト生殖細胞系免疫グロブリン配列によってコードされないアミノ酸残基(例えば、インビトロでランダムまたは部位特異的変異誘発によって、またはインビボで体細胞変異によって導入された変異)を含み得る。しかし、本明細書において使用される語「ヒト抗体」は、別の哺乳動物種、例えばマウスの生殖細胞系に由来するCDR配列がヒトフレームワーク配列にグラフトされている抗体を含むことを意図しない。本発明のヒトモノクローナル抗体は、従来のモノクローナル抗体法、例えば、Kohler and Milstein, Nature 256: 495 (1975)の標準的な体細胞ハイブリダイゼーション技術をはじめとする多様な技術によって作製することができる。体細胞ハイブリダイゼーション手法が好ましいが、原則的には、モノクローナル抗体を作製するための他の技術、例えばBリンパ球のウイルスもしくは発がん性形質転換またはヒト抗体遺伝子のライブラリーを使用するファージディスプレイ技術を用いることもできる。
【0037】
ヒトモノクローナル抗体を分泌するハイブリドーマを調製するのに適当な動物系はマウス系である。マウスにおけるハイブリドーマ作製は非常によく確立された手法である。融合のための免疫化された脾臓細胞の単離のための免疫化プロトコルおよび技術は当技術分野において公知である。融合パートナ(例えばマウス骨髄腫細胞)および融合手法もまた公知である。
【0038】
ヒトモノクローナル抗体は、例えば、マウスまたはウサギ系ではなくヒト免疫系の一部を有するトランスジェニックまたはトランスクロモソームマウスまたはウサギを使用して生成することができる。
【0039】
語「免疫グロブリン」とは、二対のポリペプチド鎖、すなわち一対の低分子量軽(L)鎖および一対の重(H)鎖からなり、4本の鎖すべてがジスルフィド結合によって相互接続されている、構造的に関連した糖タンパク質のクラスをいう。免疫グロブリンの構造は十分に特徴づけされている。例えば、Fundamental Immunology Ch. 7(Paul, W., ed., 2nd ed. Raven Press, N.Y. (1989))を参照すること。簡潔にいうと、各重鎖は一般的に重鎖可変領域(本明細書においてはVHまたはVHと略す)および重鎖定常領域(本明細書においてはCHまたはCHと略す)で構成されている。重鎖定常領域は一般的に、3つのドメインCH1、CH2およびCH3で構成されている。各軽鎖は一般的に軽鎖可変領域(本明細書においてはVLまたはVLと略す)および軽鎖定常領域(本明細書においてはCLまたはCLと略す)で構成されている。軽鎖定常領域は一般的に1つのドメインCLで構成されている。VHおよびVL領域はさらに、フレームワーク領域(FR)と呼ばれる、より保存的である領域の間に散在する、相補性決定領域(CDR)とも呼ばれる超可変性の領域(または、構造的に画定されたループの配列および/または形態において超可変性であり得る超可変性領域)へと細分化され得る。各VHおよびVLは一般的に、アミノ末端からカルボキシ末端まで順序:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4で配置された3つのCDRおよび4つのFRで構成されている(また、Chothia and Lesk J. Mol. Biol. 196, 901-917 (1987)を参照)。別段の記述がない、または文脈と矛盾しない限り、本明細書におけるCDR配列は、IMGT規則(Brochet X., Nucl Acids Res. 2008;36:W503-508およびLefranc MP., Nucleic Acids Research 1999;27:209-212;また、インタネットhttpアドレスhttp://www.imgt.org/を参照)にしたがって同定される。別段の記述がない、または文脈と矛盾しない限り、本発明における定常領域中のアミノ酸位置の参照は、EUナンバリング(Edelman et al., Proc Natl Acad Sci U S A. 1969 May;63(1):78-85;Kabat et al., Sequences of Proteins of Immunological Interest, Fifth Edition. 1991 NIH Publication No. 91-3242)に準ずる。
【0040】
文脈と矛盾しない限り、本明細書において使用される語「Fabアーム」または「アーム」とは、1つの重鎖-軽鎖対を指し、本明細書における「半分子」と互換的に使用される。したがって、「Fabアーム」は、重鎖および軽鎖の可変領域ならびに軽鎖の定常領域および重鎖の定常領域を含み、それが免疫グロブリンのCH1領域、ヒンジ、CH2領域およびCH3領域を含む。「CH1領域」とは、例えば、ヒトIgG1抗体の、EUナンバリングにしたがってアミノ酸118~215に対応する領域をいう。したがって、Fab断片は免疫グロブリンの結合領域を含む。
【0041】
本明細書において互換的に使用され得る語「結晶性断片領域」、「Fc領域」、「Fc断片」または「Fcドメイン」とは、アミノ末端からカルボキシ末端まで配置された、少なくともヒンジ領域、CH2ドメインおよびCH3ドメインを含む抗体領域をいう。IgG1抗体のFc領域は、例えば、パパインによるIgG1抗体の消化によって生成することができる。抗体のFc領域は、免疫系の様々な細胞(例えばエフェクター細胞)および補体系の成分、例えばC1q(補体活性化の古典経路中の第一成分)を含む、宿主組織または因子への免疫グロブリンの結合を媒介し得る。本明細書において使用される語「ヒンジ領域」は、免疫グロブリン重鎖のヒンジ領域を指すことを意図する。したがって、例えば、ヒトIgG1抗体のヒンジ領域は、EUナンバリングにしたがってアミノ酸216~230に対応する。
【0042】
本明細書において使用される語「コアヒンジ」または「コアヒンジ領域」とは、ヒトIgG1抗体の位置226~229に対応する4つのアミノ酸をいう。
【0043】
本明細書において使用される語「CH2領域」または「CH2ドメイン」は、免疫グロブリン重鎖のCH2領域を指すことを意図する。したがって、例えば、ヒトIgG1抗体のCH2領域は、EUナンバリングにしたがってアミノ酸231~340に対応する。しかし、CH2領域はまた、本明細書に記載される他のアイソタイプまたはアロタイプのいずれかでもあり得る。
【0044】
本明細書において使用される語「CH3領域」または「CH3ドメイン」は、免疫グロブリン重鎖のCH3領域を指すことを意図する。したがって、例えば、ヒトIgG1抗体のCH3領域は、EUナンバリングにしたがってアミノ酸341~447に対応する。しかし、CH3領域はまた、本明細書に記載される他のアイソタイプまたはアロタイプのいずれかでもあり得る。
【0045】
本明細書において使用される語「アイソタイプ」とは、重鎖定常領域遺伝子によってコードされる免疫グロブリンクラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgD、IgA、IgE、またはIgM)をいう。
【0046】
本発明に関して、語「一価抗体」とは、抗体分子が単一の抗原分子にしか結合することができず、したがって、抗原架橋することができないことをいう。
【0047】
「CD37抗体」または「抗CD37抗体」とは、抗原CD37に特異的に結合する、上記のような抗体である。
【0048】
「CD37×CD37抗体」または「抗CD37×CD37抗体」とは、2つの異なる抗原結合領域(1つは抗原CD37上の第一のエピトープに特異的に結合し、もう1つはCD37上の異なるエピトープに特異的に結合する)を含む二重特異性抗体である。
【0049】
一態様において、本発明の二重特異性抗体は単離されている。本明細書において使用される「単離された二重特異性抗体」は、異なる抗原特異性を有する他の抗体を実質的に有しない二重特異性抗体を指すことを意図する(例えば、CD37に特異的に結合する単離された二重特異性抗体は、CD37に特異的に結合する単一特異性抗体を実質的に有しない)。
【0050】
語「エピトープ」とは、抗体の抗原結合領域(「パラトープ」)に結合することができるタンパク質決定基をいう。エピトープは通常、アミノ酸または糖側鎖のような分子の表面集団からなり、通常、特異的な三次元構造的特徴および特異的な電荷特性を有する。立体構造エピトープと非立体構造エピトープとは、変性溶媒の存在下で前者への結合は失われるが後者への結合は失われない、という点で区別される。エピトープマッピング技術によって「構造的エピトープ」または「機能的エピトープ」を決定することができる。構造的エピトープは、構造内の、抗体と直接接触している残基と定義され、例えば、構造ベースの方法、例えばX線結晶構造解析法によって評価することができる。構造的エピトープは、抗体の結合に直接的に関与するアミノ酸残基、および結合に直接は関与しない他のアミノ酸残基、例えば抗体によって効果的に遮断または隠蔽されるアミノ酸残基を含み得る(換言するならば、当該アミノ酸残基は抗体のフットプリント内にある)。機能的エピトープは、抗原-抗体結合相互作用にエネルギー的に寄与する残基と定義され、例えば、アラニンスキャニングなどの部位特異的変異誘発によって評価することができる(Cunningham, B. C, & Wells, J. A. (1993) Journal of Molecular Biology;Clackson, T., & Wells, J. (1995) Science, 267(5196), 383-386)。機能的エピトープは、抗体の結合に直接的に関与するアミノ酸残基、および結合に直接は関与しない他のアミノ酸残基、例えば、直接的な相互作用に関与する残基の位置に対する立体構造的変化を生じさせるアミノ酸残基を含み得る(Greenspan, N. S., & Di Cera, E. (1999) Nature Biotechnology, 17(10), 936-937)。抗原-抗体相互作用の場合、機能的エピトープを使用して抗体分子を互いに区別し得る。機能的エピトープは、実施例17に記載されているアラニンスキャニング法を用いて決定され得る。したがって、タンパク質中のアミノ酸がアラニンに置換されて、それにより、一連の変異体タンパク質が生成され得、変異体タンパク質への抗体の抗原結合領域の結合が野生型タンパク質と比べて減少し;結合の減少は、実施例17に記載されるように、前記抗体の結合における標準化されたlog(倍率変化)(zスコアとして表す)が-1.5未満であるとして決定される。
【0051】
本明細書において使用される語「モノクローナル抗体」とは、分子組成が本質的に単一である抗体分子の調製物をいう。モノクローナル抗体組成物は、特定のエピトープに対する単一の結合特異性および親和性を示す。したがって、語「ヒトモノクローナル抗体」とは、ヒト生殖細胞系免疫グロブリン配列に由来する可変領域および定常領域を有する、単一の結合特異性を示す抗体をいう。ヒトモノクローナル抗体は、不死化細胞に融合された、ヒト重鎖導入遺伝子および軽鎖導入遺伝子を含むゲノムを有するトランスジェニックまたはトランスクロモソーム非ヒト動物、例えばトランスジェニックマウスから得られるB細胞を含む、ハイブリドーマによって生成され得る。
【0052】
本明細書において使用される、所定の抗原への抗体の結合に関する語「結合」とは、一般的に、例えば、抗体をリガンドとして使用し、抗原を分析対象物として使用して、Octet HTX計器にてBioLayer Interferometry(BLI)技術により決定される場合、約10-6M以下、例えば約10-7M以下、例えば約10-8M以下、例えば約10-9M以下、約10-10M以下、または約10-11M以下のKDに相当する親和性での結合であり、抗体は、所定の抗原または近い関係の抗原以外の非特異的抗原(例えばBSA、カゼイン)への結合のKDの少なくとも10倍の低さ、例えば少なくとも100倍の低さ、例えば少なくとも1,000倍の低さ、例えば少なくとも10,000倍の低さ、例えば少なくとも100,000倍の低さであるKDに相当する親和性で所定の抗原に結合する。結合のKDがどれだけ低いかは抗体のKDに依存し、したがって、抗体のKDが非常に低い場合、抗原への結合のKDは、非特異的抗原への結合のKDよりも少なくとも10,000倍低い場合がある(すなわち、当該抗体の特異性は高い)。
【0053】
本明細書において使用される語「KD」(M)とは、特定の抗体-抗原相互作用の解離平衡定数をいう。
【0054】
本明細書において使用される「親和性」と「KD」とは逆相関する。すなわち、より高い親和性はより低いKDを指すことを意図し、より低い親和性はより高いKDを指すことを意図する。
【0055】
本明細書において使用される、別の抗体(すなわち参照抗体)と「競合する」または「交差競合する」抗体は、「遮断」または「交差遮断」する抗体と互換的に使用され、例えば、本明細書において実施例7に記載されるアッセイで決定されるように、抗体と参照抗体とがヒトCD37への結合に関して競合することを意味する。一態様において、抗体は、競合する参照抗体の存在下では、その最大結合の50%未満、例えば20%未満、例えば15%未満で結合する。
【0056】
本明細書において使用される、別の抗体(すなわち参照抗体)と「競合しない」または「交差競合しない」または「遮断しない」抗体とは、本明細書において実施例7に記載されるアッセイで決定されるように、抗体と参照抗体とがヒトCD37への結合に関して競合しないことを意味する。抗体と参照抗体とのいくつかの対については、実施例7のアッセイにおける非競合が、一方の抗体が細胞上の抗原に結合しておりかつ他方の抗体が競合のために使用される場合にのみ認められ、その逆の場合には認められない。本明細書において使用される語「~と競合しない」または「非競合」または「非遮断」はまた、抗体のそのような組み合わせを包含することを意図する。一態様において、抗体は、参照抗体の存在下では、その最大結合の少なくとも75%、例えば少なくとも80%、例えば少なくとも85%で結合する。
【0057】
本明細書において使用される語「Fc-Fc相互作用増強変異」とは、細胞表面標的に結合している隣接するIgG抗体間のFc-Fc相互作用を強化する、IgG抗体における変異をいう。これは、いずれも参照により本明細書に組み入れられるWO2013/004842;WO2014/108198に記載されているように、抗体分子が溶液中では単量体のままであるが、標的との結合時の抗体の増強されたオリゴマー形成(例えば六量体化)を生じさせ得る。
【0058】
本明細書において使用される語「Fcエフェクター機能」または「Fc媒介エフェクター機能」は、ポリペプチドまたは抗体の、細胞膜上のその標的(例えば抗原)への結合およびその後のIgG Fcドメインと生来の免疫系の分子(例えば可溶性分子または膜結合分子)との相互作用の結果である機能を指すことを意図する。Fcエフェクター機能の例は、(i)C1q結合、(ii)補体活性化、(iii)補体依存性細胞傷害作用(CDC)、(iv)抗体依存性細胞傷害作用(ADCC)、(v)Fc-γ受容体結合、(vi)抗体依存性細胞貪食作用(ADCP)、(vii)補体依存性細胞傷害作用(CDCC)、(viii)補体増強細胞傷害作用、(ix)抗体によって媒介されるオプソニン化抗体の補体受容体への結合、(x)オプソニン化、および(xi)(i)~(x)のいずれかの組み合わせを含む。
【0059】
本明細書において使用される語「第一および第二のCH3領域の間のヘテロ二量体相互作用」とは、第一のCH3/第二のCH3ヘテロ二量体タンパク質における第一のFc領域の第一のCH3領域と第二のFc領域の第二のCH3領域との間の相互作用をいう。二重特異性抗体がヘテロ二量体タンパク質の例である。
【0060】
本明細書において使用される語「第一および第二のCH3領域のホモ二量体相互作用」とは、第一のCH3/第一のCH3ホモ二量体タンパク質における第一のCH3領域と別の第一のCH3領域との間の相互作用、および第二のCH3/第二のCH3ホモ二量体タンパク質における第二のCH3領域と別の第二のCH3領域との間の相互作用をいう。モノクローナル抗体がホモ二量体タンパク質の例である。
【0061】
語「還元条件」または「還元環境」とは、基質、例えば抗体のヒンジ領域中のシステイン残基が酸化されるよりも還元される可能性が高い条件または環境をいう。
【0062】
本発明はまた、実施例の二重特異性抗体のVL領域、VH領域、または1つもしくは複数のCDRの機能的バリアントを含む二重特異性抗体を提供する。二重特異性抗体に関して使用されるVL、VH、またはCDRの機能的バリアントは、二重特異性抗体の各アームが親二重特異性抗体の親和性および/または特異性/選択性の少なくとも実質的な割合(少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、またはより多く)を保持することをなおも許し、いくつかの場合、そのような二重特異性抗体は、親二重特異性抗体よりも高い親和性、選択性、および/または特異性と関連し得る。そのような機能的バリアントは概して、親二重特異性抗体との間で有意な配列同一性を保持する。2つの配列の間の同一性(%)は、2つの配列の最適なアラインメントのために導入される必要があるギャップの数および各ギャップの長さを考慮しながら、両配列によって共有される同一位置の数の関数である(すなわち、相同性(%)=同一位置の数/位置の総数×100)。2つのヌクレオチドまたはアミノ酸配列の間の同一性(%)は、例えば、ALIGNプログラム(バージョン2.0)に組み込まれた、E. Meyers and W. Miller, Comput. Appl. Biosci 4, 11-17 (1988)のアルゴリズムを使用して、PAM120ウエイト残基表、ギャップ長ペナルティ12、およびギャップペナルティ4を使用して決定され得る。加えて、2つのアミノ酸配列の間の同一性(%)は、Needleman and Wunsch, J. Mol. Biol. 48, 444-453 (1970)アルゴリズムを使用して決定されてもよい。
【0063】
例示的なバリアントは、主に保存的置換によって親二重特異性抗体配列のVHおよび/またはVLおよび/またはCDR領域とは異なるバリアントを含む。例えば、バリアントにおける置換のうちの10個、例えば9個、8個、7個、6個、5個、4個、3個、2個、または1個が保存的アミノ酸残基置換である。好ましくは、バリアントは、親抗体のVHおよび/またはVL領域中に多くて10個のアミノ酸置換、例えば多くて9個、8個、7個、6個、5個、4個、3個、2個、または多くて1個のアミノ酸置換を含む。好ましくは、そのような置換は保存的置換であり、CDR配列中にある場合は、特にそうである。
【0064】
本発明に関して、保存的置換は、以下の表に示されているアミノ酸クラス内での置換によって定義され得る。
保存的置換のアミノ酸残基クラス
【0065】
本発明に関して、別段の指示がない限り、変異を説明するために以下の表記が使用される。i)所与の位置のアミノ酸の置換は、例えばK409Rのように記される(位置409のリシンのアルギニンによる置換を意味する);ii)特定のバリアントの場合、任意のアミノ酸残基を示すために指定の3または1文字コード、例えばコードXaaおよびXが使用される。例えば、位置409のリシンのアルギニンによる置換はK409Rと指定され;位置409のリシンの任意のアミノ酸残基による置換はK409Xと指定される。位置409のリシンの欠失の場合、それはK409*によって示される。
【0066】
本明細書において使用される語「組換え宿主細胞」(または単に「宿主細胞」)は、発現ベクター、例えば本発明の抗体をコードする発現ベクターが中に導入された細胞を指すことを意図する。組換え宿主細胞は、例えば、トランスフェクトーマ、例えばCHO、CHO-S、HEK、HEK293、HEK-293F、Expi293F、PER.C6、またはNS0細胞およびリンパ球細胞を含む。
【0067】
語「治療」とは、症状または疾患状態を緩和する、改善する、抑制する、または根絶する(治癒する)目的をもって、有効量の本発明の治療的に活性の二重特異性抗体を投与することをいう。
【0068】
語「有効量」または「治療有効量」とは、必要な用量および期間で所望の治療結果を達成するのに有効な量をいう。二重特異性抗体の治療有効量は、疾患状態、個体の年齢、性別、および体重、ならびに個体において所望の反応を誘発する二重特異性抗体の能力などの要因にしたがって異なり得る。治療有効量はまた、抗体または抗体部分の任意の毒性または有害作用よりも治療的に有益な効果が勝る量である。
【0069】
語「抗イディオタイプ抗体」とは、概して抗体の抗原結合部位と関連する特有の決定基を認識する抗体をいう。
【0070】
発明の態様
第一の主要な態様において、本発明は、SEQ ID NO: 62の配列を有するヒトCD37に結合する第一および第二の抗原結合領域、ならびにヒト免疫グロブリンの第一および第二のFc領域を含む二重特異性抗体であって、第一および第二の抗原結合領域がCD37上の異なるエピトープに結合し、第一および第二のFc領域が1つまたは複数のアミノ酸変異を含み、当該アミノ酸変異が、膜結合標的への結合時の二重特異性抗体間のFc-Fc相互作用を、前記変異を有しない二重特異性抗体間のFc-Fc相互作用と比べて増強する、二重特異性抗体を提供する。本明細書により、CD37上の2つの異なるエピトープに結合する二重特異性抗CD37抗体が提供される。好ましくは、2つのエピトープは、両方の結合アームが同じタンパク質に結合することができ、したがって、各結合アームが、二重特異性分子の他方のアームの結合を遮断しない、かつ/または結合に関して二重特異性分子の他方の結合アームと競合しないようなエピトープである。また、二重特異性抗体は、2つ以上の本発明の二重特異性抗体の間のFc-Fc相互作用を増強する変異を含む。これは、二重特異性分子が、標的細胞の細胞膜上に発現したCD37に結合したときにオリゴマーを形成する効果を有する。Fc-Fc相互作用は、変異を除いては同一である分子と比べて増強される。好ましくは、変異は二重特異性分子のFc領域にある。一態様において、それは、二重特異性分子のFc領域中の単一のアミノ酸置換である。それは、好ましくは、両方の半分子(親抗体)が変異を有することを意味する対称な置換である。本二重特異性抗体のさらなる利点は、それが、Fc-Fc相互作用増強変異を有しない同一の二重特異性分子と比べて増強されたCDCおよび/またはADCCエフェクター機能を有するということである。驚くことに、二重特異性分子はまた、増強されたFc-Fc相互作用を有するように変異した2つの親モノクローナル抗CD37抗体の組み合わせと比べて改善されたCDCおよび/またはADCCを有し、また、増強されたFc-Fc相互作用を有するように変異したいずれかの親モノクローナル抗CD37抗体単独と比べても、改善されたCDCおよび/またはADCCを有する。したがって、本発明の二重特異性抗体は、CDCおよび/またはADCCの誘導において、第一の抗原結合領域を有する抗体と、第二の抗原結合領域を有する第二の抗体との組み合わせ(両抗体はFc-Fc相互作用増強変異を含む)よりも、または、第一または第二の抗原結合領域を有し、Fc-Fc相互作用増強変異を含む単独のモノクローナル抗CD37抗体と比べて、強力である。
【0071】
本発明の一態様において、二重特異性抗体の第一の抗原結合領域は、CDR配列:
SEQ ID NO: 16に記されるVH CDR1配列、
SEQ ID NO: 17に記されるVH CDR2配列、
SEQ ID NO: 18に記されるVH CDR3配列、
SEQ ID NO: 20に記されるVL CDR1配列、
KASであるVL CDR2配列、および
SEQ ID NO: 21に記されるVL CDR3配列[010]
を含むCD37抗体と、ヒトCD37への結合に関して競合する抗体から得られる。
【0072】
好ましくは、結合のための競合は実施例7にしたがって判定される。
【0073】
別の態様において、二重特異性抗体の第一の抗原結合領域は、CDR配列:
SEQ ID NO: 16に記されるVH CDR1配列、
SEQ ID NO: 17に記されるVH CDR2配列、
SEQ ID NO: 18に記されるVH CDR3配列、
SEQ ID NO: 20に記されるVL CDR1配列、
KASであるVL CDR2配列、および
SEQ ID NO: 21に記されるVL CDR3配列[010]
を含むCD37抗体と同じ、ヒトCD37上のエピトープに結合する。
【0074】
本発明のさらなる態様において、二重特異性抗体の第一の抗原結合領域は、CDR配列:
SEQ ID NO: 16に記されるVH CDR1配列、
SEQ ID NO: 17に記されるVH CDR2配列、
SEQ ID NO: 18に記されるVH CDR3配列、
SEQ ID NO: 20に記されるVL CDR1配列、
KASであるVL CDR2配列、および
SEQ ID NO: 21に記されるVL CDR3配列[010]
を含む。
【0075】
本発明のさらなる態様において、本発明の二重特異性抗体の第一の抗原結合領域は、VHおよびVL配列:
(i)SEQ ID NO: 15に記されるVH配列およびSEQ ID NO: 19に記されるVL配列、または
(ii)SEQ ID NO: 15および19のVH配列およびVL配列に対して、少なくとも90%の同一性、例えば少なくとも95%の同一性、例えば少なくとも98%の同一性、例えば少なくとも99%の同一性を有するVH配列、および少なくとも90%の同一性、例えば少なくとも95%の同一性、例えば少なくとも98%の同一性、例えば少なくとも99%の同一性を有するVL配列
を含む。
【0076】
本発明のさらなる態様において、二重特異性抗体の第一の抗原結合領域は、CDR配列:
SEQ ID NO: 9に記されるVH CDR1配列、
SEQ ID NO: 10に記されるVH CDR2配列、
SEQ ID NO: 11に記されるVH CDR3配列、
SEQ ID NO: 13に記されるVL CDR1配列、
AASであるVL CDR2配列、および
SEQ ID NO: 14に記されるVL CDR3配列[005]
を含むCD37抗体と、ヒトCD37への結合に関して競合する抗体から得られる。
【0077】
本発明のさらなる態様において、二重特異性抗体の第一の抗原結合領域は、CDR配列:
SEQ ID NO: 9に記されるVH CDR1配列、
SEQ ID NO: 10に記されるVH CDR2配列、
SEQ ID NO: 11に記されるVH CDR3配列、
SEQ ID NO: 13に記されるVL CDR1配列、
AASであるVL CDR2配列、および
SEQ ID NO: 14に記されるVL CDR3配列[005]
を含むCD37抗体と同じ、ヒトCD37上のエピトープに結合する。
【0078】
本発明の一態様において、二重特異性抗体の第一の抗原結合領域は、SEQ ID NO: 62(CD37)のアミノ酸Y182、D189、T191、I192、D194、K195、V196、I197、およびP199のうちの1つまたは複数を含む機能的エピトープを有する。
【0079】
本発明の一態様において、前記第一の抗原結合領域は、SEQ ID NO: 62(CD37)のY182、D189、T191、I192、D194、K195、V196、I197、およびP199からなる群より選択されるアミノ酸のうちの1つまたは複数を含む機能的エピトープに結合する。
【0080】
本発明の一態様において、二重特異性抗体の第一の抗原結合領域はCD37上の機能的エピトープに結合し、SEQ ID NO: 62(CD37)の位置Y182、D189、T191、I192、D194、K195、V196、I197、およびP199に対応する位置のアミノ酸残基のうちの任意の1つまたは複数がアラニンで置換されている変異体CD37への結合は、SEQ ID NO: 62に記されるアミノ酸配列を有する野生型CD37と比べて減少し、結合の減少は、前記抗体の結合におけるzスコア(倍率変化)が-1.5未満であるとして決定され、結合におけるzスコア(倍率変化)は、実施例17に記されるように計算される。
【0081】
本発明のさらなる態様において、二重特異性抗体の第一の抗原結合領域は、CDR配列:
SEQ ID NO: 9に記されるVH CDR1配列、
SEQ ID NO: 10に記されるVH CDR2配列、
SEQ ID NO: 11に記されるVH CDR3配列、
SEQ ID NO: 13に記されるVL CDR1配列、
AASであるVL CDR2配列、および
SEQ ID NO: 14に記されるVL CDR3配列[005]
を含む。
【0082】
本発明のさらなる態様において、二重特異性抗体の第一の抗原結合領域は、VHおよびVL配列:
(i)SEQ ID NO: 8に記されるVH配列およびSEQ ID NO: 12に記されるVL配列、または
(ii)SEQ ID NO: 8および12のVH配列およびVL配列に対して、少なくとも90%の同一性、例えば少なくとも95%の同一性、例えば少なくとも98%の同一性、例えば少なくとも99%の同一性を有するVH配列、および少なくとも90%の同一性、例えば少なくとも95%の同一性、例えば少なくとも98%の同一性、例えば少なくとも99%の同一性を有するVL配列
を含む。
【0083】
本発明のさらなる態様において、二重特異性抗体の第二の抗原結合領域は
(i)SEQ ID NO: 23に記されるVH CDR1配列、
SEQ ID NO: 24に記されるVH CDR2配列、
SEQ ID NO: 25に記されるVH CDR3配列、
SEQ ID NO: 27に記されるVL CDR1配列、
YASであるVL CDR2配列、および
SEQ ID NO: 28に記されるVL CDR3配列[016];
(ii)SEQ ID NO: 2に記されるVH CDR1配列、
SEQ ID NO: 3に記されるVH CDR2配列、
SEQ ID NO: 4に記されるVH CDR3配列、
SEQ ID NO: 6に記されるVL CDR1配列、
EASであるVL CDR2配列、および
SEQ ID NO: 7に記されるVL CDR3配列[004];
(iii)SEQ ID NO: 40に記されるVH CDR1配列、
SEQ ID NO: 41に記されるVH CDR2配列、
SEQ ID NO: 42に記されるVH CDR3配列、
SEQ ID NO: 44に記されるVL CDR1配列、
FAKであるVL CDR2配列、および
SEQ ID NO: 45に記されるVL CDR3配列[G28.1];ならびに
(iv)SEQ ID NO: 47に記されるVH CDR1配列、
SEQ ID NO: 48に記されるVH CDR2配列、
SEQ ID NO: 49に記されるVH CDR3配列、
SEQ ID NO: 51に記されるVL CDR1配列、
VATであるVL CDR2配列、および
SEQ ID NO: 52に記されるVL CDR3配列[37.3]
を含む群より選択されるCDR配列を含むCD37抗体と、ヒトCD37への結合に関して競合する抗体から得られる。
【0084】
本発明のさらなる態様において、二重特異性抗体の第二の抗原結合領域は
(i)SEQ ID NO: 23に記されるVH CDR1配列、
SEQ ID NO: 24に記されるVH CDR2配列、
SEQ ID NO: 25に記されるVH CDR3配列、
SEQ ID NO: 27に記されるVL CDR1配列、
YASであるVL CDR2配列、および
SEQ ID NO: 28に記されるVL CDR3配列[016];
(ii)SEQ ID NO: 2に記されるVH CDR1配列、
SEQ ID NO: 3に記されるVH CDR2配列、
SEQ ID NO: 4に記されるVH CDR3配列、
SEQ ID NO: 6に記されるVL CDR1配列、
EASであるVL CDR2配列、および
SEQ ID NO: 7に記されるVL CDR3配列[004];
(iii)SEQ ID NO: 40に記されるVH CDR1配列、
SEQ ID NO: 41に記されるVH CDR2配列、
SEQ ID NO: 42に記されるVH CDR3配列、
SEQ ID NO: 44に記されるVL CDR1配列、
FAKであるVL CDR2配列、および
SEQ ID NO: 45に記されるVL CDR3配列[G28.1];ならびに
(iv)SEQ ID NO: 47に記されるVH CDR1配列、
SEQ ID NO: 48に記されるVH CDR2配列、
SEQ ID NO: 49に記されるVH CDR3配列、
SEQ ID NO: 51に記されるVL CDR1配列、
VATであるVL CDR2配列、および
SEQ ID NO: 52に記されるVL CDR3配列[37.3]
からなる群より選択されるCDR配列を含むCD37抗体と、ヒトCD37への結合に関して競合する抗体から得られる。
【0085】
本明細書により、第一および第二の抗原結合領域がヒトCD37上の異なるエピトープに結合する二重特異性抗体が提供される。本発明者らは、抗体005のCDR配列(SEQ ID NO: 9、10、11および13、13a、14)を有する抗体および抗体010のCDR配列(SEQ ID NO: 16、17、18および20、20a、21)を有する抗体が、ヒトCD37への結合に関して競合し、CD37への結合に関して、抗体016のCDR配列(SEQ ID NO: 23、24、25および27、27a、28)を有する抗体、抗体004のCDR配列(SEQ ID NO: 2、3、4および6、6a、7)を有する抗体、抗体G28.1のCDR配列(SEQ ID NO: 40、41、42および44、44a、45)を有する抗体、および抗体37.3のCDR配列(SEQ ID NO: 47、48、49および51、51a、52)を有する抗体のいずれとも競合しないことを見いだした。しかし、016、004、G28.1、および37.3抗体は、ヒトCD37への結合に関して互いに競合することがわかった。したがって、結合に関して005または010抗体のいずれかまたは両方と競合する抗体から得られる第一の結合アームと、結合に関して016、004、G28.1、および37.3のうちのいずれかまたは全てと競合する抗体から得られる第二の結合アームとを含む二重特異性抗体は、CD37上の2つの異なるエピトープに対する特異性を有する二重特異性抗体である。本発明者らは、驚くことに、そのような抗体が、CD37発現細胞において、CD37への結合に関して競合しない2つのモノクロナール抗体の組み合わせによって当該細胞を処置する場合と比べて有利なCDC効力を有することを見いだした。加えて、本発明者らは、驚くことに、そのような二重特異性抗体が、CD37発現細胞において、CD37への結合に関して競合しない2つのモノクロナール抗体の組み合わせによって当該細胞を処置する場合と比べて有利なADCC効力を有することを見いだした。
【0086】
本発明の一態様において、二重特異性抗体は、ヒトCD37への結合に関して抗体010のCDR配列を有する抗体と競合する抗体から得られる第一の抗原結合領域と、ヒトCD37への結合に関して016のCDR配列を有する抗体と競合する抗体から得られる第二の結合領域とを含む。
【0087】
本発明の別の態様において、二重特異性抗体は、ヒトCD37への結合に関して抗体010のCDR配列を有する抗体と競合する抗体から得られる第一の抗原結合領域と、ヒトCD37への結合に関して004のCDR配列を有する抗体と競合する抗体から得られる第二の結合領域とを含む。
【0088】
本発明の別の態様において、二重特異性抗体は、ヒトCD37への結合に関して抗体010のCDR配列を有する抗体と競合する抗体から得られる第一の抗原結合領域と、ヒトCD37への結合に関してG28.1のCDR配列を有する抗体と競合する抗体から得られる第二の結合領域とを含む。
【0089】
本発明の別の態様において、二重特異性抗体は、ヒトCD37への結合に関して抗体010のCDR配列を有する抗体と競合する抗体から得られる第一の抗原結合領域と、ヒトCD37への結合に関して37.3のCDR配列を有する抗体と競合する抗体から得られる第二の結合領域とを含む。
【0090】
本発明の一態様において、二重特異性抗体は、ヒトCD37への結合に関して抗体005のCDR配列を有する抗体と競合する抗体から得られる第一の抗原結合領域と、ヒトCD37への結合に関して016のCDR配列を有する抗体と競合する抗体から得られる第二の結合領域とを含む。
【0091】
本発明の別の態様において、二重特異性抗体は、ヒトCD37への結合に関して抗体005のCDR配列を有する抗体と競合する抗体から得られる第一の抗原結合領域と、ヒトCD37への結合に関して004のCDR配列を有する抗体と競合する抗体から得られる第二の結合領域とを含む。
【0092】
本発明の別の態様において、二重特異性抗体は、ヒトCD37への結合に関して抗体005のCDR配列を有する抗体と競合する抗体から得られる第一の抗原結合領域と、ヒトCD37への結合に関してG28.1のCDR配列を有する抗体と競合する抗体から得られる第二の結合領域とを含む。
【0093】
本発明の別の態様において、二重特異性抗体は、ヒトCD37への結合に関して抗体005のCDR配列を有する抗体と競合する抗体から得られる第一の抗原結合領域と、ヒトCD37への結合に関して37.3のCDR配列を有する抗体と競合する抗体から得られる第二の結合領域とを含む。
【0094】
本明細書に記載されるそのような二重特異性抗体は、さらなる態様において、二重特異性抗体の両Fc領域(すなわち、第一および第二の親抗体から得られるFc領域)中にFc-Fc相互作用増強置換を含み得、その置換は、EUナンバリングを使用する場合にはIgG1中のE430Gに対応し、膜結合標的への結合時の2つ以上の本発明の二重特異性抗体のFc-Fc相互作用を増強する。別の態様において、Fc-Fc相互作用増強性置換は、EUナンバリングを使用する場合、IgG1中のE345Kに対応する。
【0095】
本発明の別の態様において、二重特異性抗体は、
(i)SEQ ID NO: 23に記されるVH CDR1配列、
SEQ ID NO: 24に記されるVH CDR2配列、
SEQ ID NO: 25に記されるVH CDR3配列、
SEQ ID NO: 27に記されるVL CDR1配列、
YASであるVL CDR2配列、および
SEQ ID NO: 28に記されるVL CDR3配列[016];
(ii)SEQ ID NO: 2に記されるVH CDR1配列、
SEQ ID NO: 3に記されるVH CDR2配列、
SEQ ID NO: 4に記されるVH CDR3配列、
SEQ ID NO: 6に記されるVL CDR1配列、
EASであるVL CDR2配列、および
SEQ ID NO: 7に記されるVL CDR3配列[004];
(iii)SEQ ID NO: 40に記されるVH CDR1配列、
SEQ ID NO: 41に記されるVH CDR2配列、
SEQ ID NO: 42に記されるVH CDR3配列、
SEQ ID NO: 44に記されるVL CDR1配列、
FAKであるVL CDR2配列、および
SEQ ID NO: 45に記されるVL CDR3配列[G28.1];ならびに
(iv)SEQ ID NO: 47に記されるVH CDR1配列、
SEQ ID NO: 48に記されるVH CDR2配列、
SEQ ID NO: 49に記されるVH CDR3配列、
SEQ ID NO: 51に記されるVL CDR1配列、
VATであるVL CDR2配列、および
SEQ ID NO: 52に記されるVL CDR3配列[37.3]
を含む群より選択されるCDR配列を含むCD37抗体と同じ、ヒトCD37上のエピトープに結合する、第二の抗原結合領域を含む。
【0096】
本発明の別の態様において、二重特異性抗体は、
a. SEQ ID NO: 23に記されるVH CDR1配列、
SEQ ID NO: 24に記されるVH CDR2配列、
SEQ ID NO: 25に記されるVH CDR3配列、
SEQ ID NO: 27に記されるVL CDR1配列、
YASであるVL CDR2配列、および
SEQ ID NO: 28に記されるVL CDR3配列[016];
b. SEQ ID NO: 2に記されるVH CDR1配列、
SEQ ID NO: 3に記されるVH CDR2配列、
SEQ ID NO: 4に記されるVH CDR3配列、
SEQ ID NO: 6に記されるVL CDR1配列、
EASであるVL CDR2配列、および
SEQ ID NO: 7に記されるVL CDR3配列[004];
c. SEQ ID NO: 40に記されるVH CDR1配列、
SEQ ID NO: 41に記されるVH CDR2配列、
SEQ ID NO: 42に記されるVH CDR3配列、
SEQ ID NO: 44に記されるVL CDR1配列、
FAKであるVL CDR2配列、および
SEQ ID NO: 45に記されるVL CDR3配列[G28.1];ならびに
d. SEQ ID NO: 47に記されるVH CDR1配列、
SEQ ID NO: 48に記されるVH CDR2配列、
SEQ ID NO: 49に記されるVH CDR3配列、
SEQ ID NO: 51に記されるVL CDR1配列、
VATであるVL CDR2配列、および
SEQ ID NO: 52に記されるVL CDR3配列[37.3]
からなる群より選択されるCDR配列を含むCD37抗体と同じ、ヒトCD37上のエピトープに結合する、第二の抗原結合領域を含む。
【0097】
本発明の一態様において、二重特異性抗体の第二の抗原結合領域は、SEQ ID NO: 62(CD37)のアミノ酸E124、F162、Q163、V164、L165、およびH175のうちの1つまたは複数を含む機能的エピトープを有する。
【0098】
本発明の一態様において、前記第二の抗原結合領域は、SEQ ID NO: 62(CD37)のE124、F162、Q163、V164、L165、およびH175からなる群より選択されるアミノ酸のうちの1つまたは複数を含む機能的エピトープに結合する。
【0099】
本発明の一態様において、二重特異性抗体の第二の抗原結合領域はCD37上の機能的エピトープに結合し、SEQ ID NO: 62(CD37)の位置E124、F162、Q163、V164、L165、およびH175に対応する位置のアミノ酸残基のうちの任意の1つまたは複数がアラニンで置換されている変異体CD37への結合は、SEQ ID NO: 62に記されるアミノ酸配列を有する野生型CD37と比べて減少し;結合の減少は、前記抗体の結合におけるzスコア(倍率変化)が-1.5未満であるとして決定され、結合におけるzスコア(倍率変化)は、実施例17に記されるように計算される。
【0100】
したがって、一態様において、本発明は、第一および第二の抗原結合領域を含む二重特異性抗体であって、第一の抗原結合領域が、抗体010のCDR配列を含む抗CD37抗体と同じ、ヒトCD37上のエピトープに結合し、第二の抗原結合領域が、抗体016のCDR配列を含む抗CD37抗体と同じ、ヒトCD37上のエピトープに結合する、二重特異性抗体を提供する。
【0101】
別の態様において、本発明は、第一および第二の抗原結合領域を含む二重特異性抗体であって、第一の抗原結合領域が、抗体010のCDR配列を含む抗CD37抗体と同じ、ヒトCD37上のエピトープに結合し、第二の抗原結合領域が、抗体004のCDR配列を含む抗CD37抗体と同じ、ヒトCD37上のエピトープに結合する、二重特異性抗体を提供する。
【0102】
別の態様において、本発明は、第一および第二の抗原結合領域を含む二重特異性抗体であって、第一の抗原結合領域が、抗体010のCDR配列を含む抗CD37抗体と同じ、ヒトCD37上のエピトープに結合し、第二の抗原結合領域が、抗体G28.1のCDR配列を含む抗CD37抗体と同じ、ヒトCD37上のエピトープに結合する、二重特異性抗体を提供する。
【0103】
別の態様において、本発明は、第一および第二の抗原結合領域を含む二重特異性抗体であって、第一の抗原結合領域が、抗体010のCDR配列を含む抗CD37抗体と同じ、ヒトCD37上のエピトープに結合し、第二の抗原結合領域が、抗体37.3のCDR配列を含む抗CD37抗体と同じ、ヒトCD37上のエピトープに結合する、二重特異性抗体を提供する。
【0104】
別の態様において、本発明は、第一および第二の抗原結合領域を含む二重特異性抗体であって、第一の抗原結合領域が、抗体005のCDR配列を含む抗CD37抗体と同じ、ヒトCD37上のエピトープに結合し、第二の抗原結合領域が、抗体016のCDR配列を含む抗CD37抗体と同じ、ヒトCD37上のエピトープに結合する、二重特異性抗体を提供する。
【0105】
さらに別の態様において、本発明は、第一および第二の抗原結合領域を含む二重特異性抗体であって、第一の抗原結合領域が、抗体005のCDR配列を含む抗CD37抗体と同じ、ヒトCD37上のエピトープに結合し、第二の抗原結合領域が、抗体004のCDR配列を含む抗CD37抗体と同じ、ヒトCD37上のエピトープに結合する、二重特異性抗体を提供する。
【0106】
別の態様において、本発明は、第一および第二の抗原結合領域を含む二重特異性抗体であって、第一の抗原結合領域が、抗体005のCDR配列を含む抗CD37抗体と同じ、ヒトCD37上のエピトープに結合し、第二の抗原結合領域が、抗体G28.1のCDR配列を含む抗CD37抗体と同じ、ヒトCD37上のエピトープに結合する、二重特異性抗体を提供する。
【0107】
別の態様において、本発明は、第一および第二の抗原結合領域を含む二重特異性抗体であって、第一の抗原結合領域が、抗体005のCDR配列を含む抗CD37抗体と同じ、ヒトCD37上のエピトープに結合し、第二の抗原結合領域が、抗体37.3のCDR配列を含む抗CD37抗体と同じ、ヒトCD37上のエピトープに結合する、二重特異性抗体を提供する。
【0108】
本発明のさらなる態様において、二重特異性抗体の第二の抗原結合領域は、
(i)SEQ ID NO: 23に記されるVH CDR1配列、
SEQ ID NO: 24に記されるVH CDR2配列、
SEQ ID NO: 25に記されるVH CDR3配列、
SEQ ID NO: 27に記されるVL CDR1配列、
YASであるVL CDR2配列、および
SEQ ID NO: 28に記されるVL CDR3配列[016];
(ii)SEQ ID NO: 2に記されるVH CDR1配列、
SEQ ID NO: 3に記されるVH CDR2配列、
SEQ ID NO: 4に記されるVH CDR3配列、
SEQ ID NO: 6に記されるVL CDR1配列、
EASであるVL CDR2配列、および
SEQ ID NO: 7に記されるVL CDR3配列[004];
(iii)SEQ ID NO: 40に記されるVH CDR1配列、
SEQ ID NO: 41に記されるVH CDR2配列、
SEQ ID NO: 42に記されるVH CDR3配列、
SEQ ID NO: 44に記されるVL CDR1配列、
FAKであるVL CDR2配列、および
SEQ ID NO: 45に記されるVL CDR3配列[G28.1];ならびに
(v)SEQ ID NO: 47に記されるVH CDR1配列、
SEQ ID NO: 48に記されるVH CDR2配列、
SEQ ID NO: 49に記されるVH CDR3配列、
SEQ ID NO: 51に記されるVL CDR1配列、
VATであるVL CDR2配列、および
SEQ ID NO: 52に記されるVL CDR3配列[37.3]
を含む群より選択されるCDR配列を含む。
【0109】
本発明のさらなる態様において、二重特異性抗体の第二の抗原結合領域は、
(i)SEQ ID NO: 23に記されるVH CDR1配列、
SEQ ID NO: 24に記されるVH CDR2配列、
SEQ ID NO: 25に記されるVH CDR3配列、
SEQ ID NO: 27に記されるVL CDR1配列、
YASであるVL CDR2配列、および
SEQ ID NO: 28に記されるVL CDR3配列[016];
(ii)SEQ ID NO: 2に記されるVH CDR1配列、
SEQ ID NO: 3に記されるVH CDR2配列、
SEQ ID NO: 4に記されるVH CDR3配列、
SEQ ID NO: 6に記されるVL CDR1配列、
EASであるVL CDR2配列、および
SEQ ID NO: 7に記されるVL CDR3配列[004];
(iii)SEQ ID NO: 40に記されるVH CDR1配列、
SEQ ID NO: 41に記されるVH CDR2配列、
SEQ ID NO: 42に記されるVH CDR3配列、
SEQ ID NO: 44に記されるVL CDR1配列、
FAKであるVL CDR2配列、および
SEQ ID NO: 45に記されるVL CDR3配列[G28.1];ならびに
(vi)SEQ ID NO: 47に記されるVH CDR1配列、
SEQ ID NO: 48に記されるVH CDR2配列、
SEQ ID NO: 49に記されるVH CDR3配列、
SEQ ID NO: 51に記されるVL CDR1配列、
VATであるVL CDR2配列、および
SEQ ID NO: 52に記されるVL CDR3配列[37.3]
からなる群より選択されるCDR配列を含む。
【0110】
したがって、本発明はまた、別の態様において、第一および第二の抗原結合領域を含む二重特異性抗体であって、第一の抗原結合領域が抗体010のCDR配列(すなわちSEQ ID NO: 16~18および20~21)を含み、第二の抗原結合領域が抗体016のCDR配列(すなわちSEQ ID NO: 23~25および27~28)を含む、二重特異性抗体を提供する。同じく上記のように、本発明のそのような二重特異性抗体は、抗体のFc領域中にFc-Fc相互作用増強変異をさらに含む。一態様において、この変異は、EUナンバリングシステムを使用する場合にIgG1における位置E430またはE345における変異に相当する。一態様において、変異はE430G置換である。別の態様において、変異はE345K置換である。
【0111】
本発明はまた、別の態様において、第一および第二の抗原結合領域を含む二重特異性抗体であって、第一の抗原結合領域が抗体010のCDR配列(すなわちSEQ ID NO: 16~18および20~21)を含み、第二の抗原結合領域が抗体004のCDR配列(すなわちSEQ ID NO: 2~4および6~7)を含む、二重特異性抗体を提供する。
【0112】
本発明はまた、別の態様において、第一および第二の抗原結合領域を含む二重特異性抗体であって、第一の抗原結合領域が抗体010のCDR配列(すなわちSEQ ID NO: 16~18および20~21)を含み、第二の抗原結合領域が抗体G28.1のCDR配列(すなわちSEQ ID NO: 40~42および44~45)を含む、二重特異性抗体を提供する。
【0113】
本発明はまた、別の態様において、第一および第二の抗原結合領域を含む二重特異性抗体であって、第一の抗原結合領域が抗体010のCDR配列(すなわちSEQ ID NO: 16~18および20~21)を含み、第二の抗原結合領域が抗体37.3のCDR配列(すなわちSEQ ID NO: 47~49および51~52)を含む、二重特異性抗体を提供する。
【0114】
本発明のさらなる態様において、二重特異性抗体の第二の抗原結合領域は、
(i)SEQ ID NO: 22に記されるVH配列およびSEQ ID NO: 26に記されるVL配列[016]または
(ii)SEQ ID NO: 1に記されるVH配列およびSEQ ID NO: 5に記されるVL配列[004]または
(iii)SEQ ID NO: 39に記されるVH配列およびSEQ ID NO: 43に記されるVL配列[G28.1]または
(iv)SEQ ID NO: 46に記されるVH配列およびSEQ ID NO: 50に記されるVL配列[37.3]または
(i)~(iv)のいずれか1つに記されるVH配列およびVL配列に対して、それぞれ少なくとも90%の同一性、例えば少なくとも95%の同一性、例えば少なくとも98%の同一性、例えば少なくとも99%の同一性を有するVH配列、および少なくとも90%の同一性、例えば少なくとも95%の同一性、例えば少なくとも98%の同一性、例えば少なくとも99%の同一性を有するVL配列
を含む群より選択されるVHおよびVL配列を含む。
【0115】
本発明のさらなる態様において、二重特異性抗体の第二の抗原結合領域は、
(i)SEQ ID NO: 22に記されるVH配列およびSEQ ID NO: 26に記されるVL配列[016]または
(ii)SEQ ID NO: 1に記されるVH配列およびSEQ ID NO: 5に記されるVL配列[004]または
(iii)SEQ ID NO: 39に記されるVH配列およびSEQ ID NO: 43に記されるVL配列[G28.1]または
(iv)SEQ ID NO: 46に記されるVH配列およびSEQ ID NO: 50に記されるVL配列[37.3]または
(i)~(iv)のいずれか1つに記されるVH配列およびVL配列に対して、それぞれ少なくとも90%の同一性、例えば少なくとも95%の同一性、例えば少なくとも98%の同一性、例えば少なくとも99%の同一性を有するVH配列、および少なくとも90%の同一性、例えば少なくとも95%の同一性、例えば少なくとも98%の同一性、例えば少なくとも99%の同一性を有するVL配列
からなる群より選択されるVHおよびVL配列を含む。
【0116】
したがって、別の態様において、本発明はまた、第一および第二の抗原結合領域を含む二重特異性抗体であって、第一の抗原結合領域が抗体010のVHおよびVL配列(すなわちSEQ ID NO: 15および19)を含み、第二の抗原結合領域が抗体016のVHおよびVL配列(すなわちSEQ ID NO: 22および26)を含む、二重特異性抗体を提供する。
【0117】
別の態様において、本発明はまた、第一および第二の抗原結合領域を含む二重特異性抗体であって、第一の抗原結合領域が抗体010のVHおよびVL配列(すなわちSEQ ID NO: 15および19)を含み、第二の抗原結合領域が抗体004のVHおよびVL配列(すなわちSEQ ID NO: 1および5)を含む、二重特異性抗体を提供する。
【0118】
別の態様において、本発明はまた、第一および第二の抗原結合領域を含む二重特異性抗体であって、第一の抗原結合領域が抗体010のVHおよびVL配列(すなわちSEQ ID NO: 15および19)を含み、第二の抗原結合領域が抗体G28.1のVHおよびVL配列(すなわちSEQ ID NO: 39および43)を含む、二重特異性抗体を提供する。
【0119】
別の態様において、本発明はまた、第一および第二の抗原結合領域を含む二重特異性抗体であって、第一の抗原結合領域が抗体010のVHおよびVL配列(すなわちSEQ ID NO: 15および19)を含み、第二の抗原結合領域が抗体37.3のVHおよびVL配列(すなわちSEQ ID NO: 46および50)を含む、二重特異性抗体を提供する。
【0120】
さらに別の態様において、本発明は、第一および第二の抗原結合領域を含む二重特異性抗体であって、第一の抗原結合領域が抗体005のVHおよびVL配列(すなわちSEQ ID NO: 8および12)を含み、第二の抗原結合領域が抗体016のVHおよびVL配列(すなわちSEQ ID NO: 22および26)を含む、二重特異性抗体を提供する。
【0121】
別の態様において、本発明はまた、第一および第二の抗原結合領域を含む二重特異性抗体であって、第一の抗原結合領域が抗体005のVHおよびVL配列(すなわちSEQ ID NO: 8および12)を含み、第二の抗原結合領域が抗体004のVHおよびVL配列(すなわちSEQ ID NO: 1および5)を含む、二重特異性抗体を提供する。
【0122】
別の態様において、本発明はまた、第一および第二の抗原結合領域を含む二重特異性抗体であって、第一の抗原結合領域が抗体005のVHおよびVL配列(すなわちSEQ ID NO: 8および12)を含み、第二の抗原結合領域が抗体G28.1のVHおよびVL配列(すなわちSEQ ID NO: 39および43)を含む、二重特異性抗体を提供する。
【0123】
別の態様において、本発明はまた、第一および第二の抗原結合領域を含み、第一の抗原結合領域が抗体005のVHおよびVL配列(すなわちSEQ ID NO: 8および12)を含み、第二の抗原結合領域が抗体37.3のVHおよびVL配列(すなわちSEQ ID NO: 46および50)を含む、二重特異性抗体を提供する。
【0124】
本発明のさらに他の態様において、上記で開示したVHおよびVL配列は、配列同一性90%の範囲内で異なり得る。
【0125】
さらに異なる態様において、本発明は、CDR配列が抗体004、005、010、016、28.1、または37.3のうちの1つのCDR配列である、本明細書に記載されている1つの抗原結合領域を含む、CD37結合分子を提供する。一態様において、当該分子は1つの抗原結合領域しか有しない。ここで、当該結合分子は、CD37に対する一価結合を有する。好ましくは、当該分子は免疫グロブリンのインタクトなFc領域を含む。一態様において、CD37結合分子は、無関係の標的(例えばb12であってもよい)に対する第二の抗原結合領域を含む。
【0126】
Fc-Fc増強変異
本発明の一態様において、二重特異性抗体の前記第一および第二のFc領域中の1つまたは複数のFc-Fc相互作用増強変異はアミノ酸置換である。二重特異性抗体のFc領域は、2つの異なるFc領域(それぞれの親抗CD37抗体から1つずつ)を含むということができる。あるいはまた、二重特異性抗体は、各半分子中に1つまたは複数のFc-Fc相互作用増強変異を含み得る。Fc-Fc相互作用増強変異は対称である、すなわち2つのFc領域中に同一の変異が生じていると理解されなければならない。
【0127】
一態様において、本発明は、前記第一および第二のFc領域中の1つまたは複数のFc-Fc相互作用増強変異が、EUナンバリングシステムを使用する場合のヒトIgG1中のアミノ酸位置430、440、および345に対応する1つまたは複数の位置におけるアミノ酸置換である、二重特異性抗体を提供する。一態様において、本発明は、前記第一および第二のFc領域中の1つまたは複数のFc-Fc相互作用増強変異が、EUナンバリングシステムを使用する場合のヒトIgG1中のアミノ酸位置430、440、および345に対応する1つまたは複数の位置におけるアミノ酸置換であり、ただし440における置換は440Yまたは440Wである、二重特異性抗体を提供する。
【0128】
別の態様において、本発明は、前記第一および第二のFc領域中に、E430G、E345K、E430S、E430F、E430T、E345Q、E345R、E345Y、S440Y、およびS440Wを含む群より選択される少なくとも1つの置換を含む二重特異性抗体を提供する。特に好ましい態様において、二重特異性抗体は、前記第一および第二のFc領域中に、E430GまたはE345Kより選択され、好ましくはE430Gである少なくとも1つの置換を含む。本明細書により、前記変異を有する異なる抗体の間で増強されたFc-Fc相互作用を有する二重特異性抗体が提供される。この変異が、標的細胞上で抗体のオリゴマーを形成させ、それによってCDCを増強すると考えられる。
【0129】
別の態様において、二重特異性抗体は、前記Fc領域中に、K439E、S440K、およびS440Rより選択される1つのさらなる変異を含む。K439Eのさらなる変異を有する二重特異性抗体と、さらなるS440KまたはS440R変異を有する第二の異なる抗体または二重特異性抗体とが、第一および第二の抗体の交互パターンでオリゴマーを形成する。その理由は、さらなる変異が、前記Fc領域の間の非共有結合のために、第一の抗体同士の相互作用または第二の抗体同士の相互作用よりも第一の抗体と第二の抗体との間の相互作用を選好するからであると考えられる。
【0130】
前記第一および第二のFc領域中のFc-Fc相互作用増強変異は同一の置換であることが好ましい。したがって、好ましい一態様において、二重特異性抗体は、両Fc領域中に同じFc-Fc相互作用増強変異を有する。Fc領域はFc鎖と記すこともでき、抗体は、その抗体の共通のFc領域を構成する2本のFc鎖を有する。したがって、好ましい態様において、2本のFc鎖それぞれは、EUナンバリングシステムを使用する場合のヒトIgG1中のアミノ酸位置430、440、および345に対応する位置の群より選択される位置の置換を含む。一態様において、2本のFc鎖はそれぞれE430G置換を含み、その結果、本発明の二重特異性抗体は2つのE430G置換を含む。別の態様において、2本のFc鎖はそれぞれE345K置換を含み、その結果、本発明の二重特異性抗体は2つのE345K置換を含む。
【0131】
本発明の態様において、二重特異性抗体はIgG1アイソタイプである。
【0132】
本発明の態様において、二重特異性抗体はIgG2アイソタイプである。
【0133】
本発明の態様において、二重特異性抗体はIgG3アイソタイプである。
【0134】
本発明の態様において、二重特異性抗体はIgG4アイソタイプである。
【0135】
本発明の態様において、二重特異性抗体はIgGアイソタイプである。
【0136】
本発明の一態様において、二重特異性抗体は、アイソタイプIgG1、IgG2、IgG3、およびIgG4の組み合わせである。例えば、第一の親抗体から得られる第一の半抗体がIgG1アイソタイプであり得、第二の親抗体から得られる第二の半抗体がIgG4アイソタイプであり得、その結果、その二重特異性抗体はIgG1とIgG4との組み合わせである。別の態様において、二重特異性抗体はIgG1とIgG2との組み合わせである。別の態様において、二重特異性抗体はIgG1とIgG3との組み合わせである。別の態様において、二重特異性抗体はIgG2とIgG3との組み合わせである。別の態様において、二重特異性抗体はIgG2とIgG4との組み合わせである。別の態様において、二重特異性抗体はIgG3とIgG4との組み合わせである。一般的に、コアヒンジは、配列CPPCを有するIgG1タイプコアヒンジであるが、Fabアームがインビボで交換することを許さない(配列CPSCを有するIgG4コアヒンジの場合に当てはまる)安定な他のヒンジであることもできる。
【0137】
好ましい態様において、本発明の二重特異性抗体は完全長抗体である。
【0138】
本発明のさらに別の態様において、二重特異性抗体はヒト抗体である。本発明のさらに別の態様において、二重特異性抗体はヒト化抗体である。本発明のさらに別の態様において、二重特異性抗体はキメラ抗体である。本発明の態様において、二重特異性抗体は、ヒト、ヒト化およびキメラの組み合わせである。例えば、第一の親抗体から得られる第一の半抗体はヒト抗体であり得、第二の親抗体から得られる第二の半抗体はヒト化抗体であり得、その結果、二重特異性抗体はヒトとヒト化との組み合わせである。本発明の好ましい態様において、二重特異性抗体は、それぞれSEQ ID NO: 62および63に記される配列を有するヒトおよびカニクイザル両方のCD37に結合する。これは、同じ二重特異性分子を用いて前臨床毒性試験をカニクイザルにおいて実施し、それを後にヒトで試験することを可能にするため、好都合である。ヒト標的に対する抗体が動物モデルでは標的に結合しない場合、規制当局によって求められている、分子の前臨床毒性試験および非臨床安全性プロフィールを実施することは非常に困難である。
【0139】
二重特異性抗体フォーマット
本発明は、CD37発現腫瘍細胞、例えばB細胞由来の腫瘍のCDCおよび/またはADCC媒介死滅を効率的に促進する二重特異性CD37×CD37抗体を提供する。特定の使用に望まれる機能的性質に依存して、本発明によって提供される抗体または抗原結合領域のセットから特定の抗原結合領域を選択することができる。二重特異性抗体の多くの異なるフォーマットおよび使用が当技術分野において公知であり、Kontermann; Drug Discov Today, 2015 Jul;20(7):838-47およびMAbs, 2012 Mar-Apr;4(2):182-97によって考察されている。
【0140】
本発明の二重特異性抗体は、任意の特定の二重特異性フォーマットまたはその作製方法に限定されないが、本発明の二重特異性抗体は、増強されたFc-Fc相互作用を誘導するためにインタクトなFcドメインを有するべきである。
【0141】
本発明に使用され得る二重特異性抗体分子の例は、(i)異なる抗原結合領域を含む2つのアームを有する単一の抗体;(ii)各軽鎖および重鎖が短いペプチド結合を介して2つの可変ドメインを縦一列に含む二重可変ドメイン抗体(DVD-Ig)(Wu et al., Generation and Characterization of a Dual Variable Domain Immunoglobulin (DVD-IgTM) Molecule, In: Antibody Engineering, Springer Berlin Heidelberg (2010));(iii)プロテインキナーゼAにおける「二量体化およびドッキングドメイン」に基づくいわゆる「dock and lock」分子を含む。
【0142】
一態様において、本発明の二重特異性抗体は、クロスボディ、すなわち、制御されたFabアーム交換を介して得られる二重特異性抗体である(例えば、WO2011131746(Genmab)に記載)。
【0143】
二重特異性抗体の様々なクラスの例は、(i)ヘテロ二量体化を強いるための相補的CH3ドメインを有するIgG様分子;(ii)分子の2つの側それぞれが少なくとも2つの異なる抗体のFab断片またはFab断片の一部を含む組換えIgG様二重ターゲティング分子;(iii)完全長IgG抗体が余分なFab断片またはFab断片の一部に融合しているIgG融合分子;(iv)一本鎖Fv分子または安定化されたダイアボディが重鎖定常ドメイン、Fc領域またはその一部に融合しているFc融合分子;(v)異なるFab断片が互いに融合し、重鎖定常ドメイン、Fc領域またはその一部に融合しているFab融合分子;および(vi)異なる一本鎖Fv分子または異なるダイアボディまたは異なる重鎖抗体(例えばドメイン抗体、ナノボディ)がFc-に融合しているscFvおよびダイアボディベースの重鎖抗体(例えばドメイン抗体、ナノボディなど)を含むが、これらに限定されない。
【0144】
相補的CH3ドメインを有するIgG様分子の例は、Triomab/Quadroma分子(Trion Pharma/Fresenius Biotech;Roche、WO2011069104)、いわゆるKnobs-into-Holes分子(Genentech、WO9850431)、CrossMAb(Roche、WO2011117329)および静電操舵分子(Amgen、EP1870459およびWO2009089004;Chugai、US201000155133;Oncomed、WO2010129304)、LUZ-Y分子(Genentech、Wranik et al. J. Biol. Chem. 2012, 287(52): 43331-9, doi:10.1074/jbc.M112.397869. Epub 2012 Nov 1)、DIG-bodyおよびPIG-body分子(Pharmabcine、WO2010134666、WO2014081202)、Strand Exchange Engineered Domainボディ(SEEDbody)分子(EMD Serono、WO2007110205)、Biclonics分子(Merus、WO2013157953)、FcΔAdp分子(Regeneron、WO201015792)、ヒンジ操作二重特異性IgG1およびIgG2分子(Pfizer/Rinat、WO11143545)、Azymetric足場分子(Zymeworks/Merck、WO2012058768)、mAb-Fv分子(Xencor、WO2011028952)、二価二重特異性抗体(WO2009080254)およびDuoBody(登録商標)分子(Genmab A/S、WO2011131746)を含むが、これらに限定されない。
【0145】
組換えIgG様二重ターゲティング分子の例は、二重ターゲティング(DT)-Ig分子(WO2009058383)、Two-in-one Antibody(Genentech;Bostrom, et al 2009. Science 323, 1610-1614)、Cross-linked Mab(Karmanos Cancer Center)、mAb2(F-Star、WO2008003116)、Zybody分子(Zyngenia;LaFleur et al. MAbs. 2013 Mar-Apr;5(2):208-18)、共通の軽鎖を用いるアプローチ(Crucell/Merus、US7,262,028)、κλBodies(NovImmune、WO2012023053)およびCovX-body(CovX/Pfizer;Doppalapudi, V.R., et al 2007. Bioorg. Med. Chem. Lett. 17,501-506)を含むが、これらに限定されない。
【0146】
IgG融合分子の例は、Dual Variable Domain(DVD)-Ig分子(Abbott、US7,612,181)、Dualドメインダブルヘッド抗体(Unilever;Sanofi Aventis、WO2010/0226923)、IgG様Bispecific分子(ImClone/Eli Lilly、Lewis et al. Nat Biotechnol. 2014 Feb;32(2):191-8)、Ts2Ab(MedImmune/AZ;Dimasi et al. J Mol Biol. 2009 Oct 30;393(3):672-92)およびBsAb分子(Zymogenetics、WO2010111625)、HERCULES分子(Biogen Idec、US007951918)、scFv融合分子(Novartis)、scFv融合分子(Changzhou Adam Biotech Inc、CN102250246)ならびにTvAb分子(Roche、WO2012025525、WO2012025530)を含むが、これらに限定されない。
【0147】
Fc融合分子の例は、ScFv/Fc Fusions(Pearce et al., Biochem Mol Biol Int. 1997 Sep;42(6):1179-88)、SCORPION分子(Emergent BioSolutions/Trubion、Blankenship JW, et al. AACR 100th Annual meeting 2009 (Abstract #5465);Zymogenetics/BMS、WO2010111625)、Dual Affinity Retargeting Technology(Fc-DART)分子(MacroGenics、WO2008157379、WO2010080538)およびDual(ScFv)2-Fab分子(National Research Center for Antibody Medicine‐China)を含むが、これらに限定されない。
【0148】
Fab融合二重特異性抗体の例は、F(ab)2分子(Medarex/AMGEN;Deo et al J Immunol. 1998 Feb 15;160(4):1677-86)、Dual-ActionまたはBis-Fab分子(Genentech、Bostrom, et al 2009. Science 323, 1610-1614)、Dock-and-Lock(DNL)分子(ImmunoMedics、WO2003074569、WO2005004809)、Bivalent Bispecific分子(Biotecnol、Schoonjans, J Immunol. 2000 Dec 15;165(12):7050-7)およびFab-Fv分子(UCB-Celltech, WO2009040562A1)を含むが、これらに限定されない。
【0149】
scFvに基づく抗体、ダイアボディに基づく抗体、およびドメイン抗体の例は、Dual Affinity Retargeting Technology(DART)分子(MacroGenics、WO2008157379、WO2010080538)、COMBODY分子(Epigen Biotech、Zhu et al. Immunol Cell Biol. 2010 Aug;88(6):667-75)および二重ターゲティングナノボディ(Ablynx、Hmila et al., FASEB J. 2010)を含むが、これらに限定されない。
【0150】
一局面において、本発明の二重特異性抗体は、第一のCH3領域を含む第一のFc領域と、第二のCH3領域を含む第二のFc領域とを含み、第一および第二のCH3領域の配列が異なり、前記第一および第二のCH3領域の間のヘテロ二量体相互作用が前記第一および第二のCH3領域それぞれのホモ二量体相互作用よりも強いようなものである。これらの相互作用およびそれらを達成することができる方法に関するさらなる詳細は、参照により本明細書に組み入れられるWO2011131746およびWO2013060867(Genmab)に提供されている。
【0151】
本明細書にさらに記載されるように、1つのホモ二量体出発CD37抗体と、CH3領域中に少数のかなり保存的な非対称変異を含む別のホモ二量体出発CD37抗体とに基づく特定の方法を使用して、安定な二重特異性CD37×CD37抗体を高い収率で得ることができる。非対称変異とは、前記第一および第二のCH3領域の配列が非同一位置にアミノ酸置換を含み、その結果、第一および第二のCH3領域が異なるアミノ酸配列を有することを意味する。
【0152】
一局面において、本明細書に開示される態様のいずれかにおいて定義される二重特異性抗体は第一および第二のFc領域を含み、前記第一および第二のFc領域それぞれが少なくともヒンジ領域、CH2領域およびCH3領域を含み、前記第一のFc領域中、ヒトIgG1重鎖中のT366、L368、K370、D399、F405、Y407、およびK409からなる群より選択される位置に対応する位置のアミノ酸の少なくとも1つが置換されており、前記第二のFc領域中、ヒトIgG1重鎖中のT366、L368、K370、D399、F405、Y407、およびK409からなる群より選択される位置に対応する位置のアミノ酸の少なくとも1つが置換されており、前記第一および第二のFc領域は同じ位置では置換されていない。
【0153】
したがって、本発明の好ましい態様において、二重特異性抗体の第一のFc領域は、ヒトIgG1における位置F405に対応するアミノ酸の変異を含み、二重特異性抗体の第二のFc領域は、ヒトIgG1における位置K409に対応するアミノ酸のさらなる変異を含む。したがって、これらの変異は、上述のFc-Fc相互作用増強変異と比べて非対称である。
【0154】
本明細書に開示される態様のいずれかにおいて定義される二重特異性抗体の一態様において、第一のFc領域は位置366にアミノ酸置換を有し、前記第二のFc領域は、368、370、399、405、407、および409からなる群より選択される位置にアミノ酸置換を有する。一態様において、位置366のアミノ酸はAla、Asp、Glu、His、Asn、ValまたはGlnより選択される。
【0155】
本明細書に開示される態様のいずれかにおいて定義される二重特異性抗体の一態様において、第一のFc領域は位置368にアミノ酸置換を有し、前記第二のFc領域は、366、370、399、405、407、および409からなる群より選択される位置にアミノ酸置換を有する。
【0156】
本明細書に開示される態様のいずれかにおいて定義される二重特異性抗体の一態様において、第一のFc領域は位置370にアミノ酸置換を有し、前記第二のFc領域は、366、368、399、405、407、および409からなる群より選択される位置にアミノ酸置換を有する。
【0157】
本明細書に開示される態様のいずれかにおいて定義される二重特異性抗体の一態様において、第一のFc領域は位置399にアミノ酸置換を有し、前記第二のFc領域は、366、368、370、405、407、および409からなる群より選択される位置にアミノ酸置換を有する。
【0158】
本明細書に開示される態様のいずれかにおいて定義される二重特異性抗体の一態様において、第一のFc領域は位置405にアミノ酸置換を有し、前記第二のFc領域は、366、368、370、399、407、および409からなる群より選択される位置にアミノ酸置換を有する。
【0159】
本明細書に開示される態様のいずれかにおいて定義される二重特異性抗体の一態様において、第一のFc領域は位置407にアミノ酸置換を有し、前記第二のFc領域は、366、368、370、399、405および409からなる群より選択される位置にアミノ酸置換を有する。
【0160】
本明細書に開示される態様のいずれかにおいて定義される二重特異性抗体の一態様において、第一のFc領域は位置409にアミノ酸置換を有し、前記第二のFc領域は、366、368、370、399、405および407からなる群より選択される位置にアミノ酸置換を有する。
【0161】
したがって、本明細書に開示される態様のいずれかにおいて定義される二重特異性抗体の一態様において、前記第一および第二のFc領域の配列は、非対称変異、すなわち、2つのFc領域中の異なる位置における変異、例えば一方のFc領域中の位置405における変異および他方のFc領域中の位置409における変異を含む。
【0162】
本明細書に開示される態様のいずれかにおいて定義される二重特異性抗体の一態様において、第一のFc領域は、Lys、LeuまたはMet以外のアミノ酸、例えばGly、Ala、Val、Ile、Ser、Thr、Phe、Arg、His、Asp、Asn、Glu、Gln、Pro、Trp、TyrまたはCysを位置409に有し、前記第二のFc領域は、366、368、370、399、405および407からなる群より選択される位置にアミノ酸置換を有する。1つのそのような態様において、前記第一のFc領域は、Lys、LeuまたはMet以外のアミノ酸、例えばGly、Ala、Val、Ile、Ser、Thr、Phe、Arg、His、Asp、Asn、Glu、Gln、Pro、Trp、TyrまたはCysを位置409に有し、前記第二のFc領域は、Phe以外のアミノ酸、例えばGly、Ala、Val、Ile、Ser、Thr、Lys、Arg、His、Asp、Asn、Glu、Gln、Pro、Trp、Tyr、Cys、LysまたはLeuを位置405に有する。そのさらなる態様において、前記第一のFc領域は、Lys、LeuまたはMet以外のアミノ酸、例えばGly、Ala、Val、Ile、Ser、Thr、Phe、Arg、His、Asp、Asn、Glu、Gln、Pro、Trp、TyrまたはCysを位置409に有し、前記第二のFc領域は、Phe、ArgまたはGly以外のアミノ酸、例えばLeu、Ala、Val、Ile、Ser、Thr、Met、Lys、His、Asp、Asn、Glu、Gln、Pro、Trp、TyrまたはCysを位置405に有する。
【0163】
本明細書に開示される態様のいずれかにおいて定義される二重特異性抗体の別の態様において、前記第一のFc領域は、Pheを位置405に含み、Lys、LeuまたはMet以外のアミノ酸、例えばGly、Ala、Val、Ile、Ser、Thr、Phe、Arg、His、Asp、Asn、Glu、Gln、Pro、Trp、TyrまたはCysを位置409に含み、前記第二のFc領域は、Phe以外のアミノ酸、例えばGly、Ala、Val、Ile、Ser、Thr、Lys、Arg、His、Asp、Asn、Glu、Gln、Pro、Trp、Tyr、Leu、MetまたはCysを位置405に含み、Lysを位置409に含む。そのさらなる態様において、前記第一のFc領域は、Pheを位置405に含み、Lys、LeuまたはMet以外のアミノ酸、例えばGly、Ala、Val、Ile、Ser、Thr、Phe、Arg、His、Asp、Asn、Glu、Gln、Pro、Trp、TyrまたはCysを位置409に含み、前記第二のFc領域は、Phe、ArgまたはGly以外のアミノ酸、例えばLeu、Ala、Val、Ile、Ser、Thr、Met、Lys、His、Asp、Asn、Glu、Gln、Pro、Trp、TyrまたはCysを位置405に含み、Lysを位置409に含む。
【0164】
本明細書に開示される態様のいずれかにおいて定義される二重特異性抗体の別の態様において、前記第一のFc領域は、Pheを位置405に含み、Lys、LeuまたはMet以外のアミノ酸、例えばGly、Ala、Val、Ile、Ser、Thr、Phe、Arg、His、Asp、Asn、Glu、Gln、Pro、Trp、TyrまたはCysを位置409に含み、前記第二のFc領域は、Leuを位置405に含み、Lysを位置409に含む。そのさらなる態様において、前記第一のFc領域は、Pheを位置405に有し、Argsを位置409に含み、前記第二のFc領域は、Phe、ArgまたはGly以外のアミノ酸、例えばLeu、Ala、Val、Ile、Ser、Thr、Lys、Met、His、Asp、Asn、Glu、Gln、Pro、Trp、TyrまたはCysを位置405に含み、Lysを位置409に含む。別の態様において、前記第一のFc領域は、Pheを位置405に含み、Argを位置409に含み、前記第二のFc領域は、Leuを位置405に含み、Lysを位置409に含む。
【0165】
本明細書に開示される態様のいずれかにおいて定義される二重特異性抗体のさらなる態様において、前記第一のFc領域は、Lys、LeuまたはMet以外のアミノ酸、例えばGly、Ala、Val、Ile、Ser、Thr、Phe、Arg、His、Asp、Asn、Glu、Gln、Pro、Trp、TyrまたはCysを位置409に含み、前記第二のFc領域は、Lysを位置409に含み、Thrを位置370に含み、Leuを位置405に含む。さらなる態様において、前記第一のFc領域は、Argを位置409に含み、前記第二のFc領域は、Lysを位置409に含み、Thrを位置370に含み、Leuを位置405に含む。
【0166】
本明細書に開示される態様のいずれかにおいて定義される二重特異性抗体のなおさらなる態様において、前記第一のFc領域は、Lysを位置370に含み、Pheを位置405に含み、Argを位置409に含み、前記第二のFc領域は、Lysを位置409に含み、Thrを位置370に含み、Leuを位置405に含む。
【0167】
本明細書に開示される態様のいずれかにおいて定義される二重特異性抗体の別の態様において、前記第一のFc領域は、Lys、LeuまたはMet以外のアミノ酸、例えばGly、Ala、Val、Ile、Ser、Thr、Phe、Arg、His、Asp、Asn、Glu、Gln、Pro、Trp、TyrまたはCysを位置409に含み、前記第二のFc領域は、Lysを位置409に含み、a)Ileを位置350に含み、Leuを位置405に含む、またはb)Thrを位置370に含み、Leuを位置405に含む。
【0168】
本明細書に開示される態様のいずれかにおいて定義される二重特異性抗体の別の態様において、前記第一のFc領域は、Argを位置409に含み、前記第二のFc領域は、Lysを位置409に含み、a)Ileを位置350に含み、Leuを位置405に含む、またはb)Thrを位置370に含み、Leuを位置405に含む。
【0169】
本明細書に開示される態様のいずれかにおいて定義される二重特異性抗体の別の態様において、前記第一のFc領域は、Thrを位置350に含み、Lysを位置370に含み、Pheを位置405に含み、Argを位置409に含み、前記第二のFc領域は、Lysを位置409に含み、a)Ileを位置350に含み、Leuを位置405に含む、またはb)Thrを位置370に含み、Leuを位置405に含む。
【0170】
本明細書に開示される態様のいずれかにおいて定義される二重特異性抗体の別の態様において、前記第一のFc領域は、Thrを位置350に含み、Lysを位置370に含み、Pheを位置405に含み、Argを位置409に含み、前記第二のFc領域は、Ileを位置350に含み、Thrを位置370に含み、Leuを位置405に含み、Lysを位置409に含む。
【0171】
本明細書に開示される態様のいずれかにおいて定義される二重特異性抗体の一態様において、前記第一のFc領域は、Lys、LeuまたはMet以外のアミノ酸を位置409に有し、前記第二のFc領域は、Phe以外のアミノ酸、例えばPhe、ArgまたはGly以外のアミノ酸を位置405に有する;または、前記第一のCH3領域は、Lys、LeuまたはMet以外のアミノ酸を位置409に有し、前記第二のCH3領域は、Tyr、Asp、Glu、Phe、Lys、Gln、Arg、SerまたはThr以外のアミノ酸を位置407に有する。
【0172】
一態様において、本明細書に開示される態様のいずれかにおいて定義される二重特異性抗体は、Lys、LeuまたはMet以外のアミノ酸を位置409に有する第一のFc領域と、Tyr、Asp、Glu、Phe、Lys、Gln、Arg、SerまたはThr以外のアミノ酸を位置407に有する第二のFc領域とを含む。
【0173】
一態様において、本明細書に開示される態様のいずれかにおいて定義される二重特異性抗体は、Tyrを位置407に有し、Lys、LeuまたはMet以外のアミノ酸を位置409に有する第一のFc領域と、Tyr、Asp、Glu、Phe、Lys、Gln、Arg、SerまたはThr以外のアミノ酸を位置407に有し、Lysを位置409に有する第二のFc領域とを含む。
【0174】
一態様において、本明細書に開示される態様のいずれかにおいて定義される二重特異性抗体は、Tyrを位置407に有し、Argを位置409に有する第一のFc領域と、Tyr、Asp、Glu、Phe、Lys、Gln、Arg、SerまたはThr以外のアミノ酸を位置407に有し、Lysを位置409に有する第二のFc領域とを含む。
【0175】
別の態様において、前記第一のFc領域は、Lys、LeuまたはMet以外のアミノ酸、例えばGly、Ala、Val、Ile、Ser、Thr、Phe、Arg、His、Asp、Asn、Glu、Gln、Pro、Trp、TyrまたはCysを位置409に有し、前記第二のFc領域は、Tyr、Asp、Glu、Phe、Lys、Gln、Arg、SerまたはThr以外のアミノ酸、例えばLeu、Met、Gly、Ala、Val、Ile、His、Asn、Pro、TrpまたはCysを位置に407に有する。別の態様において、前記第一のFc領域は、Lys、LeuまたはMet以外のアミノ酸、例えばGly、Ala、Val、Ile、Ser、Thr、Phe、Arg、His、Asp、Asn、Glu、Gln、Pro、Trp、TyrまたはCysを位置409に有し、前記第二のFc領域は、Ala、Gly、His、Ile、Leu、Met、Asn、ValまたはTrpを位置407に有する。
【0176】
本明細書に開示される態様のいずれかにおいて定義される二重特異性抗体の別の態様において、前記第一のFc領域は、Lys、LeuまたはMet以外のアミノ酸、例えばGly、Ala、Val、Ile、Ser、Thr、Phe、Arg、His、Asp、Asn、Glu、Gln、Pro、Trp、TyrまたはCysを位置409に有し、前記第二のFc領域は、Gly、Leu、Met、AsnまたはTrpを位置407に有する。
【0177】
本明細書に開示される態様のいずれかにおいて定義される二重特異性抗体の別の態様において、前記第一のFc領域は、Tyrを位置407に有し、Lys、LeuまたはMet以外のアミノ酸、例えばGly、Ala、Val、Ile、Ser、Thr、Phe、Arg、His、Asp、Asn、Glu、Gln、Pro、Trp、TyrまたはCysを位置409に有し、前記第二のFc領域は、Tyr、Asp、Glu、Phe、Lys、Gln、Arg、SerまたはThr以外のアミノ酸、例えばLeu、Met、Gly、Ala、Val、Ile、His、Asn、Pro、TrpまたはCysを位置407に有し、Lysを位置409に有する。
【0178】
本明細書に開示される態様のいずれかにおいて定義される二重特異性抗体の別の態様において、前記第一のFc領域は、Tyrを407に有し、Lys、LeuまたはMet以外のアミノ酸、例えばGly、Ala、Val、Ile、Ser、Thr、Phe、Arg、His、Asp、Asn、Glu、Gln、Pro、Trp、TyrまたはCysを位置409に有し、前記第二のFc領域は、Ala、Gly、His、Ile、Leu、Met、Asn、ValまたはTrpを位置407に有し、Lysを409に有する。
【0179】
本明細書に開示される態様のいずれかにおいて定義される二重特異性抗体の別の態様において、前記第一のFc領域は、Tyrを位置407に有し、Lys、LeuまたはMet以外のアミノ酸、例えばGly、Ala、Val、Ile、Ser、Thr、Phe、Arg、His、Asp、Asn、Glu、Gln、Pro、Trp、TyrまたはCysを位置409に有し、前記第二のFc領域は、Gly、Leu、Met、AsnまたはTrpを位置407に有し、Lysを位置409に有する。
【0180】
本明細書に開示される態様のいずれかにおいて定義される二重特異性抗体の別の態様において、前記第一のFc領域は、Tyrを位置407に有し、Argを位置409に有し、前記第二のFc領域は、Tyr、Asp、Glu、Phe、Lys、Gln、Arg、SerまたはThr以外のアミノ酸、例えばLeu、Met、Gly、Ala、Val、Ile、His、Asn、Pro、TrpまたはCysを位置407に有し、Lysを位置409に有する。
【0181】
本明細書に開示される態様のいずれかにおいて定義される二重特異性抗体の別の態様において、前記第一のFc領域は、Tyrを位置407に有し、Argを位置409に有し、前記第二のFc領域は、Ala、Gly、His、Ile、Leu、Met、Asn、ValまたはTrpを位置407に有し、Lysを位置409に有する。
【0182】
本明細書に開示される態様のいずれかにおいて定義される二重特異性抗体の別の態様において、前記第一のFc領域は、Tyrを位置407に有し、Argを位置409に有し、前記第二のFc領域は、Gly、Leu、Met、AsnまたはTrpを位置407に有し、Lysを位置409に有する。
【0183】
本明細書に開示される態様のいずれかにおいて定義される二重特異性抗体の別の態様において、第一のFc領域は、Lys、LeuまたはMet以外のアミノ酸、例えばGly、Ala、Val、Ile、Ser、Thr、Phe、Arg、His、Asp、Asn、Glu、Gln、Pro、Trp、TyrまたはCysを位置409に有し、第二のFc領域は、
(i)Phe、LeuおよびMet以外のアミノ酸、例えばGly、Ala、Val、Ile、Ser、Thr、Lys、Arg、His、Asp、Asn、Glu、Gln、Pro、Trp、TyrまたはCysを位置368に有する、または
(ii)Trpを位置370に有する、または
(iii)Asp、Cys、Pro、GluまたはGln以外のアミノ酸、例えばPhe、Leu、Met、Gly、Ala、Val、Ile、Ser、Thr、Lys、Arg、His、Asn、Trp、TyrまたはCysを位置399に有する、または
(iv)Lys、Arg、Ser、ThrまたはTrp以外のアミノ酸、例えばPhe、Leu、Met、Ala、Val、Gly、Ile、Asn、His、Asp、Glu、Gln、Pro、TyrまたはCysを位置366に有する。
【0184】
一態様において、第一のFc領域は、Arg、Ala、HisまたはGlyを位置409に有し、第二のFc領域は、
(i)Lys、Gln、Ala、Asp、Glu、Gly、His、Ile、Asn、Arg、Ser、Thr、ValまたはTrpを位置368に有する、または
(ii)Trpを位置370に有する、または
(iii)Ala、Gly、Ile、Leu、Met、Asn、Ser、Thr、Trp、Phe、His、Lys、ArgまたはTyrを位置399に有する、または
(iv)Ala、Asp、Glu、His、Asn、Val、Gln、Phe、Gly、Ile、Leu、MetまたはTyrを位置366に有する。
【0185】
一態様において、第一のFc領域は、Argを位置409に有し、第二のFc領域は、
(i)Asp、Glu、Gly、Asn、Arg、Ser、Thr、ValまたはTrpを位置368に有する、または
(ii)Trpを位置370に有する、または
(iii)Phe、His、Lys、ArgまたはTyrを位置399に有する、または
(iv)Ala、Asp、Glu、His、Asn、Val、Glnを位置366に有する。
【0186】
先に指定したアミノ酸置換に加えて、前記第一および第二のFc領域は、野生型Fc配列に対してさらなるアミノ酸置換、欠失または挿入を含んでもよい。
【0187】
本発明の好ましい態様において、EUナンバリングを使用する場合、二重特異性抗体の第二のFc領域は、ヒトIgG1中のF405に対応する変異を含み、第一のFc領域は、ヒトIgG1中のK409に対応する変異を含む。
【0188】
一態様において、位置F405およびK409における変異は置換である。特定の態様において、位置F405における置換はF405L置換である。別の態様において、位置K409における置換はK409R置換である。
【0189】
二重特異性抗体がIgG4アイソタイプである態様において、第一のFc領域はさらに、F405L置換およびR409K置換を含み得る。そのような態様において、第二のFc領域は、405および409アミノ酸位置のいずれにおいても置換されていない。
【0190】
別段の明白な記述がない限り、開示された位置における前記すべてのアミノ酸変異は、EUナンバリングシステムを使用するナンバリングの場合にヒトIgG1を使用する、ヒトIgG1に対する変異であることが理解されよう。
【0191】
一態様において、前記第一または第二のFc領域のいずれもコアヒンジ領域中にCys-Pro-Ser-Cys配列を含まない。
【0192】
さらなる態様において、前記第一および第二のFc領域はいずれもコアヒンジ領域中にCys-Pro-Pro-Cys配列を含む。
【0193】
本明細書により、高い収率で作製することができかつインビボで安定である二重特異性抗体が提供される。
【0194】
別の態様において、本発明の二重特異性抗体は、Fc-Fc相互作用増強変異を有しない同一の二重特異性分子と比べて増強されたCDCおよび/またはADCCエフェクター機能を有する。別の態様において、本発明の二重特異性分子は、二重特異性抗体の第一または第二の結合領域いずれかの結合領域を有し、本発明の二重特異性抗体と同一のFc-Fc相互作用増強変異を有するモノクローナル親抗体と比べて増強されたCDCおよび/またはADCCエフェクター機能を有する。
【0195】
本発明の二重特異性抗体を調製する方法
本発明の二重特異性抗体の調製には、ハイブリッドハイブリドーマおよび化学コンジュゲーション法(Marvin and Zhu (2005) Acta Pharmacol Sin 26:649)などの従来の方法を使用することができる。異なる重および軽鎖からなる2つの抗体の宿主細胞中の共発現が、所望の二重特異性抗体に加えて、可能な抗体産物の混合物を生じさせ、それを、例えばアフィニティークロマトグラフィーまたは類似の方法によって単離することができる。
【0196】
また、異なる抗体構築物の共発現による機能的二重特異性産物の形成に好都合な戦略、例えば、Lindhoferらによって記載された方法(1995 J Immunol 155:219)を使用することもできる。異なる抗体を産生するラットおよびマウスハイブリドーマの融合は、選好的な種限定的重/軽鎖ペアリングのせいで、限られた数のヘテロ二量体タンパク質しか生じさせない。ホモ二量体を上回るヘテロ二量体の形成を促進するための別の戦略が、突出部を第一の重鎖ポリペプチドに導入し、対応する空所を第二の重鎖ポリペプチドに導入して、突出部がこれらの2つの重鎖の界面で空所の中に配置されて、ヘテロ二量体形成を促進し、ホモ二量体形成を妨げるようにする「knob-into-hole」戦略である。「突出部」は、第一のポリペプチドの界面からの小さなアミノ酸側鎖をより大きな側鎖で置換することによって構築される。突出部と同一または類似のサイズの相補的な「空所」は、大きなアミノ酸側鎖をより小さいもので置換することにより、第二のポリペプチドの界面中に創出される(米国特許第5,731,168号)。EP1870459(Chugai)およびWO2009089004(Amgen)は、宿主細胞中の異なる抗体ドメインの共発現によるヘテロ二量体形成に好都合な他の戦略を記載している。これらの方法においては、両CH3ドメイン中のCH3-CH3界面を構成する1つまたは複数の残基を荷電アミノ酸で置換して、ホモ二量体形成が静電的に不都合になり、ヘテロ二量体化が静電的に好都合になるようにする。WO2007110205(Merck)は、IgAとIgGとのCH3ドメインの差異を利用してヘテロ二量体化を促進する、さらに別の戦略を記載している。
【0197】
二重特異性抗体を作製するための別のインビトロ法がWO2008119353(Genmab)に記載されており、この方法では、還元条件下でのインキュベーションにより、2つの単一特異性IgG4またはIgG4様抗体の間での「Fabアーム」または「半分子」交換(重鎖および結合した軽鎖の交換)によって二重特異性抗体が形成される。結果的に得られる産物は、異なる配列を含み得る2つのFabアームを有する二重特異性抗体である。
【0198】
本発明の二重特異性CD37×CD37抗体を調製するための好ましい方法は、WO2011131746およびWO2013060867(Genmab)に記載された方法であって、以下の工程:
a)第一のCH3領域を含むFc領域を含む第一の抗体を提供する工程;
b)第二のCH3領域を含む第二のFc領域を含む第二の抗体を提供する工程(第一の抗体はCD37抗体であり、第二の抗体は異なるCD37抗体であり;前記第一および第二のCH3領域の配列は異なり、その結果、前記第一および第二のCH3領域の間のヘテロ二量体相互作用は前記第一および第二のCH3領域それぞれのホモ二量体相互作用よりも強い);
c)還元条件下で前記第一の抗体を前記第二の抗体とともにインキュベートする工程;および
d)前記二重特異性抗体を得る工程
を含む方法を含む。
【0199】
一態様において、前記第一の抗体と前記第二の抗体とは、ヒンジ領域中のシステインがジスルフィド結合異性化を受けることを許すのに十分な還元条件下でインキュベートされ、結果的に得られるヘテロ二量体抗体中の前記第一および第二の抗体の間のヘテロ二量体相互作用は、0.5mM GSHで、37℃で24時間後、Fabアーム交換が起こらないようなものである。
【0200】
理論によって拘束されることなく、工程c)で、親抗体のヒンジ領域中の重鎖ジスルフィド結合が還元され、結果的に得られるシステインは、別の親抗体分子(元々は異なる特異性を有する)のシステイン残基とで重鎖間ジスルフィド結合を形成することができる。この方法の一態様において、工程c)における還元条件は、還元剤、例えば、2-メルカプトエチルアミン(2-MEA)、ジチオトレイトール(DTT)、ジチオエリトリトール(DTE)、グルタチオン、トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)、L-システインおよびベータ-メルカプトエタノールからなる群より選択される還元剤、好ましくは、2-メルカプトエチルアミン、ジチオトレイトールおよびトリス(2-カルボキシエチル)ホスフィンからなる群より選択される還元剤の添加を含む。さらなる態様において、工程c)は、例えば、例えば脱塩による還元剤の除去によって条件を非還元性またはより低還元性に戻す工程を含む。
【0201】
この方法の場合、第一および/または第二のFc領域を含む第一および第二のCD37抗体を含む、本明細書に記載されるCD37抗体のいずれを使用してもよい。そのような第一および第二のFc領域の例は、そのような第一および第二のFc領域の組み合わせをも含め、本明細書に記載されるもののいずれをも含み得る。
【0202】
この方法の一態様において、第一および/または第二の抗体は完全長抗体である。
【0203】
第一および第二の抗体のFc領域は、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4をはじめとする、任意のアイソタイプであり得る。この方法の一態様において、前記第一および前記第二の抗体両方のFc領域はIgG1アイソタイプである。別の態様において、前記抗体のFc領域の一方はIgG1アイソタイプであり、他方はIgG4アイソタイプである。後者の態様において、結果的に得られる二重特異性抗体はIgG1のFc領域およびIgG4のFc領域を含み、したがって、エフェクター機能の活性化に関連して興味深い中間的な性質を有し得る。
【0204】
さらなる態様において、出発抗体タンパク質の一方は、プロテインAと結合せず、したがって、産物をプロテインAカラムに通すことによって前記ホモ二量体出発タンパク質からヘテロ二量体タンパク質を分離することを可能にする操作されている。
【0205】
上記のように、ホモ二量体出発抗体(親抗体)の第一および第二のCH3領域の配列は異なり、前記第一および第二のCH3領域の間のヘテロ二量体相互作用が前記第一および第二のCH3領域それぞれのホモ二量体相互作用よりも強いようなものである。これらの相互作用およびそれらを達成することができる方法に関するさらなる詳細は、全体として参照により本明細書に組み入れられるWO2011131746およびWO2013060867(Genmab)に提供されている。
【0206】
特に、CD37の異なるエピトープに結合し、CH3領域中に少数のかなり保存的な非対称変異を含む2つのホモ二量体出発抗体に基づく本発明の上記方法を使用して、安定な二重特異性CD37×CD37抗体を高い収率で得ることができる。非対称変異とは、前記第一および第二のCH3領域の配列が非同一位置にアミノ酸置換を含むことを意味する。
【0207】
また、本発明の二重特異性抗体は、単一細胞中、第一および第二のポリペプチドをコードする構築物の共発現によって得てもよい。したがって、さらなる局面において、本発明は、以下の工程:
a)第一の抗体重鎖の第一のFc領域(第一のCH3領域を含む)および第一の抗原結合領域を含む第一のポリペプチドをコードする第一の核酸構築物を提供する工程;
b)第二の抗体重鎖の第二のFc領域(第二のCH3領域を含む)および第二の抗原結合領域を含む第二のポリペプチドをコードする第二の核酸構築物を提供する工程(前記第一および第二のCH3領域の配列は異なり、その結果、前記第一および第二のCH3領域の間のヘテロ二量体相互作用は前記第一および第二のCH3領域それぞれのホモ二量体相互作用よりも強く、任意で、前記第一および第二の核酸構築物は前記第一および第二の抗体の軽鎖配列をコードする);
c)前記第一および第二の核酸構築物を宿主細胞中で共発現させる工程;および
d)前記ヘテロ二量体タンパク質を細胞培養物から得る工程
を含む、二重特異性抗体を生産する方法に関する。
【0208】
したがって、本発明はまた、本発明の二重特異性抗体を産生する組換え真核または原核宿主細胞に関する。
【0209】
本発明の一態様において、二重特異性抗体は、本発明による方法のいずれかによって得られる。
【0210】
抗体の産生に適した発現ベクター(プロモーター、エンハンサーなどを含む)および宿主細胞は、当技術分野において周知である。宿主細胞の例には、酵母細胞、細菌細胞、および哺乳動物細胞(例えば、CHO細胞またはHEK細胞)が含まれる。
【0211】
一態様において、本明細書に開示される態様のいずれかにおいて定義される二重特異性抗体は第一のFc領域および第二のFc領域を含み、前記第一または第二のFc領域はいずれもヒンジ領域中にCys-Pro-Ser-Cys配列を含まない。
【0212】
一態様において、本明細書に開示される態様のいずれかにおいて定義される二重特異性抗体は第一のFc領域および第二のFc領域を含み、前記第一および前記第二のFc領域はいずれもヒンジ領域中にCys-Pro-Pro-Cys配列を含む。
【0213】
一態様において、本明細書に開示される態様のいずれかにおいて定義される二重特異性抗体は第一のFc領域および第二のFc領域を含み、第一および第二のFc領域はヒト抗体Fc領域である。
【0214】
一態様において、本明細書に開示される態様のいずれかにおいて定義される二重特異性抗体は第一のFc領域および第二のFc領域を含み、第一および第二の抗原結合領域はヒト抗体VH配列および任意でヒト抗体VL配列を含む。
【0215】
一態様において、本明細書に開示される態様のいずれかにおいて定義される二重特異性抗体は第一のFc領域および第二のFc領域を含み、第一および第二の抗原結合領域は重鎖抗体由来である。
【0216】
一態様において、本明細書に開示される態様のいずれかにおいて定義される二重特異性抗体は第一のFc領域および第二のFc領域を含み、第一および第二の抗原結合領域は第一および第二の軽鎖を含む。
【0217】
さらなる態様において、本発明の共発現法は、上記インビトロ法の箇所に記載されたさらなる特徴のいずれかを含む。
【0218】
親抗体
別の態様において、本発明は、本発明の二重特異性抗体を調製するために使用される親抗体に関する。
【0219】
したがって、一態様において、本発明は、
(i)SEQ ID NO: 16に記されるCDR1配列、SEQ ID NO: 17に記されるCDR2配列およびSEQ ID NO: 18に記されるCDR3配列を含むVH領域、ならびにSEQ ID NO: 20に記されるCDR1配列およびKASであるCDR2配列およびSEQ ID NO: 21に記されるCDR3配列を含むVL領域[010];または
(ii)SEQ ID NO: 9に記されるCDR1配列、SEQ ID NO: 10に記されるCDR2配列およびSEQ ID NO: 11に記されるCDR3配列を含むVH領域、ならびにSEQ ID NO: 113に記されるCDR1配列およびAASであるCDR2配列およびSEQ ID NO: 14に記されるCDR3配列を含むVL領域[005]
を含む抗CD37抗体と同じ、ヒトCD37上のエピトープに結合する抗CD37抗体に関する。
【0220】
別の態様において、本発明は、
(i)SEQ ID NO: 16に記されるCDR1配列、SEQ ID NO: 17に記されるCDR2配列およびSEQ ID NO: 18に記されるCDR3配列を含むVH領域、ならびにSEQ ID NO: 20に記されるCDR1配列およびKASであるCDR2配列およびSEQ ID NO: 21に記されるCDR3配列を含むVL領域[010];または
(ii)SEQ ID NO: 9に記されるCDR1配列、SEQ ID NO: 10に記されるCDR2配列およびSEQ ID NO: 11に記されるCDR3配列を含むVH領域、ならびにSEQ ID NO: 113に記されるCDR1配列およびAASであるCDR2配列およびSEQ ID NO: 14に記されるCDR3配列を含むVL領域[005]
を含む抗CD37抗体と結合に関して競合する抗CD37抗体に関する。
【0221】
別の態様において、本発明は、
(i)SEQ ID NO: 16に記されるCDR1配列、SEQ ID NO: 17に記されるCDR2配列およびSEQ ID NO: 18に記されるCDR3配列を含むVH領域、ならびにSEQ ID NO: 20に記されるCDR1配列およびKASであるCDR2配列およびSEQ ID NO: 21に記されるCDR3配列を含むVL領域[010];または
(ii)SEQ ID NO: 9に記されるCDR1配列、SEQ ID NO: 10に記されるCDR2配列およびSEQ ID NO: 11に記されるCDR3配列を含むVH領域、ならびにSEQ ID NO: 113に記されるCDR1配列およびAASであるCDR2配列およびSEQ ID NO: 14に記されるCDR3配列を含むVL領域[005]
を含む抗CD37抗体に関する。
【0222】
別の態様において、本発明は、
(i)SEQ ID NO: SEQ ID NO: 23に記されるCDR1配列、SEQ ID NO: 24に記されるCDR2配列およびSEQ ID NO: 25に記されるCDR3配列を含むVH領域、ならびにSEQ ID NO: 27に記されるCDR1配列およびYASであるCDR2配列およびSEQ ID NO: 28に記されるCDR3配列を含むVL領域[016];または
(ii)SEQ ID NO: 2に記されるCDR1配列、SEQ ID NO: 3に記されるCDR2配列およびSEQ ID NO: 4に記されるCDR3配列を含むVH領域、ならびにSEQ ID NO: 6に記されるCDR1配列およびEASであるCDR2配列およびSEQ ID NO: 7に記されるCDR3配列を含むVL領域[004]
を含む抗CD37抗体に関する。
【0223】
別の態様において、本発明は、Fc領域中に1つまたは複数のアミノ酸変異を含む先に定義した抗体であって、変異が、標的結合時の抗体間のFc-Fc相互作用を、前記変異を有しない抗体間のFc-Fc相互作用と比べて増強する、抗体に関する。
【0224】
前記増強されたFc-Fc相互作用は、抗体が標的細胞上でオリゴマーを形成する(例えば六量体化)効果を有し、そのオリゴマー形成がCDC増強効果を生じさせると考えられる。好ましい態様において、抗体のFc領域中の1つまたは複数のアミノ酸変異は、EUナンバリングシステムを使用する場合のヒトIgG1中のアミノ酸位置430、440および345に対応する1つまたは複数の位置におけるアミノ酸置換であり、置換は、ヒトIgG1のアミノ酸配列に対する置換である。一態様において、抗体のFc領域中の1つまたは複数のアミノ酸変異は、EUナンバリングシステムを使用する場合のヒトIgG1中のアミノ酸位置430、345および440に対応する1つまたは複数の位置におけるアミノ酸置換であり、ただし、440における置換は440Yまたは440Wである。一態様において、Fc領域中の少なくとも1つのアミノ酸置換は、E430G、E345K、E430S、E430F、E430T、E345Q、E345R、E345Y、S440Y、およびS440Wを含む群より選択される。
【0225】
好ましい態様において、前記Fc領域中の少なくとも1つの置換は、E430GまたはE345Kより選択され、好ましくはE430Gである。これらのFc-Fc相互作用増強変異は、抗体の2本のFc鎖が同一の変異/置換を有するような対称変異である。
【0226】
さらなる態様において、抗体はさらに、ヒトIgG1中の366、368、370、399、405、407、および409に対応する位置に置換を含み得る。これらのアミノ酸位置の1つに置換を有する抗体は安定であるが、それは、還元条件下で、いわゆる「fabアーム交換」反応において、これらのアミノ酸位置の別の位置に置換を有し、異なる抗原結合領域を有する抗体とで二重特異性抗体を形成することができる。ヒンジ領域中のシステインがジスルフィド結合異性化を受けることを許すのに十分な還元条件下で、本発明の抗体は、それぞれが単一の抗原結合部位およびFc領域を含む半分子を形成する。ヒトIgG1中の366、368、370、399、405、407、および409に対応する位置のいずれかの非同一位置における置換は、第一の抗体の半分子をして第二の抗体の半分子とで好都合に二量体化させて、還元条件が解除され、ヒンジ領域中のジスルフィド結合が再形成するとき二重特異性(ヘテロ二量体)抗体が形成するようにする。
【0227】
したがって、異なる抗原結合領域を有し、CD37上の異なるエピトープに結合し、両Fc鎖(Fc領域)中、ヒトIgG1中の366、368、370、399、405、407、および409に対応するアミノ酸位置のいずれか(ただし非同一位置)に置換を含む本発明の2つの抗体が、本発明の二重特異性抗体を調製するのに適し得る。
【0228】
一態様において、第一の抗体は、位置366にアミノ酸置換を有し、前記第二のホモ二量体タンパク質は、368、370、399、405、407、および409からなる群より選択される位置にアミノ酸置換を有する。一態様において、位置366のアミノ酸は、Arg、Lys、Asn、Gln、Tyr、GluおよびGlyより選択される。
【0229】
一態様において、第一の抗体は、位置368にアミノ酸置換を有し、前記第二の抗体は、366、370、399、405、407、および409からなる群より選択される位置にアミノ酸置換を有する。
【0230】
一態様において、第一の抗体は、位置370にアミノ酸置換を有し、前記第二の抗体は、366、368、399、405、407、および409からなる群より選択される位置にアミノ酸置換を有する。
【0231】
一態様において、第一の抗体は、位置399にアミノ酸置換を有し、前記第二の抗体は、366、368、370、405、407、および409からなる群より選択される位置にアミノ酸置換を有する。
【0232】
一態様において、第一の抗体は、位置405にアミノ酸置換を有し、前記第二の抗体は、366、368、370、399、407、および409からなる群より選択される位置にアミノ酸置換を有する。
【0233】
一態様において、第一の抗体は、位置407にアミノ酸置換を有し、前記第二の抗体は、366、368、370、399、405および409からなる群より選択される位置にアミノ酸置換を有する。
【0234】
一態様において、第一の抗体は、位置409にアミノ酸置換を有し、前記第二の抗体は、366、368、370、399、405および407からなる群より選択される位置にアミノ酸置換を有する。
【0235】
一態様において、第一の抗体は、Lys、LeuまたはMet以外のアミノ酸、例えばGly、Ala、Val、Ile、Ser、Thr、Arg、His、Asp、Asn、Glu、Gln、Trp、PheまたはTyrを含む群より選択されるアミノ酸を位置409に有し、前記第二の抗体は、366、368、370、399、405および407からなる群より選択される位置にアミノ酸置換を有する。
【0236】
1つのそのような態様において、前記第一の抗体は、Lys、Leu、またはMet以外のアミノ酸、例えば、Gly、Ala、Val、Ile、Ser、Thr、Arg、His、Asp、Asn、Glu、Gln、Trp、Phe、またはTyrを含む群より選択されるアミノ酸を位置409に有し、前記第二の抗体は、Phe以外のアミノ酸、例えば、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Ser、Thr、Lys、Arg、His、Asp、Asn、Glu、Gln、Trp、Met、またはTyrを含む群より選択されるアミノ酸を、IgG1中の405に対応する位置に有する。そのさらなる態様において、前記第一の抗体は、Lys、Leu、またはMet以外のアミノ酸を位置409に有し、前記第二の抗体は、Phe、Arg、またはGly以外のアミノ酸を位置405に有する。
【0237】
別の態様において、前記第一の抗体は、Pheを位置405に含み、Lys、Leu、またはMet以外のアミノ酸を位置409に含み、前記第二の抗体は、Phe以外のアミノ酸を位置405に含み、Lysを位置409に含む。
【0238】
別の態様において、前記第一の抗体は、Pheを位置405に含み、Argを位置409に含み、前記第二の抗体は、Leuを位置405に含み、Lysを位置409に含む。抗体がIgG1、IgG2、またはIgG3アイソタイプである態様において、第一の抗体はF405L置換を含み得、第二の抗体はK409R置換を含み得る、またはその逆であり得る。しかし、抗体がいずれもIgG4アイソタイプである態様において、位置409のアミノ酸は当然、Arg(R)である。したがって、そのような態様において、第一の抗体は、位置409において置換されず、当然、R409を有し、第二の抗体はF405LおよびR405K置換を含む、またはその逆であり;第二の抗体は、位置409において置換されず、当然、R409を有し、第一の抗体はF405LおよびR405K置換を含む。第一および第二の抗体の一方または両方がIgG4アイソタイプである態様において。
【0239】
したがって、一態様において、本発明の抗体は、ヒトIgG1中のF405Lに対応する置換を含み得る。別の態様において、本発明の抗体は、ヒトIgG1中のK409Rに対応する置換を含み得る。そのような2つの異なる抗体は、本発明の二重特異性抗体を調製するのに適している。特定の好ましい態様において、本発明の第一の抗体はF405LおよびE430G置換を含み、本発明の第二の抗体はK409RおよびE430G置換を含む。本明細書により、ナンバリングのためにIgG1を使用する場合に、F405L+E430G置換を含む第一の半分子と、K409R+E430Gを含む第二の半分子とを含む本発明の二重特異性抗体を形成し得る抗体が提供される。アイソタイプがIgG4である態様において、ナンバリングのためにIgG4を使用する場合、第一の半分子はF405L+R409K+E430G置換を含み、第二の半分子はE430Gを含む。好ましくは、そのようなIgG4態様においては、コアヒンジ領域が「CPSC」アミノ酸配列」から「CPPC」配列に置換されて、二重特異性抗体を、CPSCコアヒンジを有するIgG4抗体と比べて、インビボおよび/またはインビトロでより安定にする。
【0240】
本発明の一態様において、第一の抗体は、SEQ ID NO: 16に記されるCDR1配列、SEQ ID NO: 17に記されるCDR2配列およびSEQ ID NO: 18に記されるCDR3配列を含むVH領域、ならびにSEQ ID NO: 20に記されるCDR1配列およびKASであるCDR2配列およびSEQ ID NO: 21に記されるCDR3配列を含むVL領域[010];ならびにF405L置換および1つまたは複数のFc-Fc相互作用増強変異を含むFc領域を含む。好ましい態様において、Fc-Fc相互作用増強変異は、430、345および440を含む群より選択される1つまたは複数のアミノ酸位置における置換、例えばE430G、E345K、E430S、E430F、E430T、E345Q、E345R、E345Y、S440Y、およびS440Wである。好ましい態様において、置換はE430Gである。
【0241】
本発明の別の態様において、第一の抗体は、SEQ ID NO: 16に記されるCDR1配列、SEQ ID NO: 17に記されるCDR2配列およびSEQ ID NO: 18に記されるCDR3配列を含むVH領域、ならびにSEQ ID NO: 20に記されるCDR1配列およびKASであるCDR2配列およびSEQ ID NO: 21に記されるCDR3配列を含むVL領域[010];ならびにK409R置換および1つまたは複数のFc-Fc相互作用増強変異を含むFc領域を含む。好ましい態様において、Fc-Fc相互作用増強変異は、430、345および440を含む群より選択される1つまたは複数のアミノ酸位置における置換、例えばE430G、E345K、E430S、E430F、E430T、E345Q、E345R、E345Y、S440Y、およびS440Wである。好ましい態様において、置換はE430Gである。
【0242】
本発明の別の態様において、第一の抗体は、SEQ ID NO: 9に記されるCDR1配列、SEQ ID NO: 10に記されるCDR2配列およびSEQ ID NO: 11に記されるCDR3配列を含むVH領域、ならびにSEQ ID NO: 113に記されるCDR1配列およびAASであるCDR2配列およびSEQ ID NO: 14に記されるCDR3配列を含むVL領域[005];ならびにF405L置換および1つまたは複数のFc-Fc相互作用増強変異を含むFc領域を含む。好ましい態様において、Fc-Fc相互作用増強変異は、430、345および440を含む群より選択される1つまたは複数のアミノ酸位置における置換、例えばE430G、E345K、E430S、E430F、E430T、E345Q、E345R、E345Y、S440Y、およびS440Wである。好ましい態様において、置換はE430Gである。
【0243】
本発明のさらに別の態様において、第一の抗体は、SEQ ID NO: 9に記されるCDR1配列、SEQ ID NO: 10に記されるCDR2配列およびSEQ ID NO: 11に記されるCDR3配列を含むVH領域、ならびにSEQ ID NO: 113に記されるCDR1配列およびAASであるCDR2配列およびSEQ ID NO: 14に記されるCDR3配列を含むVL領域[005];ならびにK409R置換および1つまたは複数のFc-Fc相互作用増強変異を含むFc領域を含む。好ましい態様において、Fc-Fc相互作用増強変異は、430、345および440を含む群より選択される1つまたは複数のアミノ酸位置における置換、例えばE430G、E345K、E430S、E430F、E430T、E345Q、E345R、E345Y、S440Y、およびS440Wである。好ましい態様において、置換はE430Gである。
【0244】
本発明の一態様において、第二の抗体は、SEQ ID NO: 23に記されるCDR1配列、SEQ ID NO: 24に記されるCDR2配列およびSEQ ID NO: 25に記されるCDR3配列を含むVH領域、ならびにSEQ ID NO: 27に記されるCDR1配列およびYASであるCDR2配列およびSEQ ID NO: 28に記されるCDR3配列を含むVL領域[016];ならびにF405L置換および1つまたは複数のFc-Fc相互作用増強変異を含むFc領域を含む。好ましい態様において、Fc-Fc相互作用増強変異は、430、345および440を含む群より選択される1つまたは複数のアミノ酸位置における置換、例えばE430G、E345K、E430S、E430F、E430T、E345Q、E345R、E345Y、S440Y、およびS440Wである。好ましい態様において、置換はE430Gである。
【0245】
本発明の別の態様において、第二の抗体は、SEQ ID NO: 23に記されるCDR1配列、SEQ ID NO: 24に記されるCDR2配列およびSEQ ID NO: 25に記されるCDR3配列を含むVH領域、ならびにSEQ ID NO: 27に記されるCDR1配列およびYASであるCDR2配列およびSEQ ID NO: 28に記されるCDR3配列を含むVL領域[016];ならびにK409R置換および1つまたは複数のFc-Fc相互作用増強変異を含むFc領域を含む。好ましい態様において、Fc-Fc相互作用増強変異は、430、345および440を含む群より選択される1つまたは複数のアミノ酸位置における置換、例えばE430G、E345K、E430S、E430F、E430T、E345Q、E345R、E345Y、S440Y、およびS440Wである。好ましい態様において、置換はE430Gである。
【0246】
本発明の別の態様において、第二の抗体は、SEQ ID NO: 2に記されるCDR1配列、SEQ ID NO: 3に記されるCDR2配列およびSEQ ID NO: 4に記されるCDR3配列を含むVH領域、ならびにSEQ ID NO: 6に記されるCDR1配列およびEASであるCDR2配列およびSEQ ID NO: 7に記されるCDR3配列を含むVL領域[004];ならびにF405L置換および1つまたは複数のFc-Fc相互作用増強変異を含むFc領域を含む。好ましい態様において、Fc-Fc相互作用増強変異は、430、345および440を含む群より選択される1つまたは複数のアミノ酸位置における置換、例えばE430G、E345K、E430S、E430F、E430T、E345Q、E345R、E345Y、S440Y、およびS440Wである。好ましい態様において、置換はE430Gである。
【0247】
本発明のさらに別の態様において、第二の抗体は、SEQ ID NO: 2に記されるCDR1配列、SEQ ID NO: 3に記されるCDR2配列およびSEQ ID NO: 4に記されるCDR3配列を含むVH領域、ならびにSEQ ID NO: 6に記されるCDR1配列およびEASであるCDR2配列およびSEQ ID NO: 7に記されるCDR3配列を含むVL領域[004];ならびにK409R置換および1つまたは複数のFc-Fc相互作用増強変異を含むFc領域を含む。好ましい態様において、Fc-Fc相互作用増強変異は、430、345および440を含む群より選択される1つまたは複数のアミノ酸位置における置換、例えばE430G、E345K、E430S、E430F、E430T、E345Q、E345R、E345Y、S440Y、およびS440Wである。好ましい態様において、置換はE430Gである。
【0248】
本発明の別の態様において、第二の抗体は、SEQ ID NO: 40に記されるCDR1配列、SEQ ID NO: 41に記されるCDR2配列およびSEQ ID NO: 42に記されるCDR3配列を含むVH領域、ならびにSEQ ID NO: 44に記されるCDR1配列およびFAKであるCDR2配列およびSEQ ID NO: 45に記されるCDR3配列を含むVL領域[G28.1];ならびにF405L置換および1つまたは複数のFc-Fc相互作用増強変異を含むFc領域を含む。好ましい態様において、Fc-Fc相互作用増強変異は、430、345および440を含む群より選択される1つまたは複数のアミノ酸位置における置換、例えばE430G、E345K、E430S、E430F、E430T、E345Q、E345R、E345Y、S440Y、およびS440Wである。好ましい態様において、置換はE430Gである。
【0249】
本発明のさらに別の態様において、第二の抗体は、SEQ ID NO: 40に記されるCDR1配列、SEQ ID NO: 41に記されるCDR2配列およびSEQ ID NO: 42に記されるCDR3配列を含むVH領域、ならびにSEQ ID NO: 44に記されるCDR1配列およびFAKであるCDR2配列およびSEQ ID NO: 45に記されるCDR3配列を含むVL領域[G28.1];ならびにK409R置換および1つまたは複数のFc-Fc相互作用増強変異を含むFc領域を含む。好ましい態様において、Fc-Fc相互作用増強変異は、430、345および440を含む群より選択される1つまたは複数のアミノ酸位置における置換、例えばE430G、E345K、E430S、E430F、E430T、E345Q、E345R、E345Y、S440Y、およびS440Wである。好ましい態様において、置換はE430Gである。
【0250】
本発明の別の態様において、第二の抗体は、SEQ ID NO: 47に記されるCDR1配列、SEQ ID NO: 48に記されるCDR2配列およびSEQ ID NO: 49に記されるCDR3配列を含むVH領域、ならびにSEQ ID NO: 51に記されるCDR1配列およびVATであるCDR2配列およびSEQ ID NO: 52に記されるCDR3配列を含むVL領域[37.3];ならびにF405L置換および1つまたは複数のFc-Fc相互作用増強変異を含むFc領域を含む。好ましい態様において、Fc-Fc相互作用増強変異は、430、345および440を含む群より選択される1つまたは複数のアミノ酸位置における置換、例えばE430G、E345K、E430S、E430F、E430T、E345Q、E345R、E345Y、S440Y、およびS440Wである。好ましい態様において、置換はE430Gである。
【0251】
本発明のさらに別の態様において、第二の抗体は、SEQ ID NO: 47に記されるCDR1配列、SEQ ID NO: 48に記されるCDR2配列およびSEQ ID NO: 49に記されるCDR3配列を含むVH領域、ならびにSEQ ID NO: 51に記されるCDR1配列およびVATであるCDR2配列およびSEQ ID NO: 52に記されるCDR3配列を含むVL領域[37.3];ならびにK409R置換および1つまたは複数のFc-Fc相互作用増強変異を含むFc領域を含む。好ましい態様において、Fc-Fc相互作用増強変異は、430、345および440を含む群より選択される1つまたは複数のアミノ酸位置における置換、例えばE430G、E345K、E430S、E430F、E430T、E345Q、E345R、E345Y、S440Y、およびS440Wである。好ましい態様において、置換はE430Gである。
【0252】
したがって、本発明はまた、ヒトCD37に結合する抗CD37抗体であって、
(i)SEQ ID NO: 40に記されるCDR1配列、SEQ ID NO: 41に記されるCDR2配列およびSEQ ID NO: 42に記されるCDR3配列を含むVH領域、ならびにSEQ ID NO: 44に記されるCDR1配列およびFAKであるCDR2配列およびSEQ ID NO: 45に記されるCDR3配列を含むVL領域[G28.1]または
(ii)SEQ ID NO: 47に記されるCDR1配列、SEQ ID NO: 48に記されるCDR2配列およびSEQ ID NO: 49に記されるCDR3配列を含むVH領域、ならびにSEQ ID NO: 51に記されるCDR1配列およびVATであるCDR2配列およびSEQ ID NO: 52に記されるCDR3配列を含むVL領域[37.3]
を含み;
(iii)(i)または(ii)の抗体が、E430G、E345K、E430S、E430F、E430T、E345Q、E345R、E345Y、S440Y、およびS440Wを含む群より選択される少なくとも1つのアミノ酸置換を含むFc領域を含み;
(iv)任意で、Fc領域が、K409RまたはF405Lである変異をさらに含む、抗体に関する。
【0253】
上述したように、本発明の抗CD37抗体は、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4アイソタイプであり得る。一態様において、本発明の抗CD37抗体はIgGアイソタイプである。
【0254】
一態様において、本発明の抗体はヒト抗体、ヒト化抗体、またはキメラ抗体である。
【0255】
一態様において、本発明の抗体はヒトおよびカニクイザル両方のCD37抗原に結合する。
【0256】
本発明のさらなる態様
別の態様において、本発明は、本発明の二重特異性抗体を含み、さらに、単一特異性抗CD37抗体、好ましくは、二重特異性抗体の第一または第二の抗原結合領域いずれかの抗原結合領域を有する抗CD37抗体を含む組成物に関する。
【0257】
一態様において、本発明は、本発明の二重特異性抗体または本発明の抗CD37抗体と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物に関する。
【0258】
別の態様において、本発明は、医薬として使用するための、本明細書の二重特異性抗体または本発明の抗体または本発明の組成物に関する。
【0259】
本発明の一態様において、本発明の二重特異性抗体は、がん、自己免疫疾患、または炎症性障害の治療に使用するためのものである。
【0260】
本発明の一態様において、本発明の抗CD37抗体は、がん、自己免疫疾患、または炎症性障害の治療に使用するためのものである。
【0261】
本発明の一態様において、本発明の組成物は、がん、自己免疫疾患、または炎症性障害の治療に使用するためのものである。
【0262】
別の態様において、本発明は、アレルギー、移植片拒絶、またはB細胞悪性腫瘍、例えば、非ホジキンリンパ腫(NHL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、ろ胞性リンパ腫(FL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、形質細胞性白血病(PCL)、びまん性大B細胞リンパ腫(DLBCL)または急性リンパ芽球性白血病(ALL)の治療に使用するための本発明の二重特異性抗体に関する。
【0263】
別の態様において、本発明は、リウマチ性関節炎、例えば急性関節炎、慢性関節リウマチ、痛風または痛風性関節炎、急性痛風性関節炎、急性免疫性関節炎、慢性炎症性関節炎、変性関節炎、II型コラーゲン誘発関節炎、感染性関節炎、ライム関節炎、増殖性関節炎、乾癬性関節炎、スティル病、脊椎関節炎および若年性関節リウマチ、変形性関節症、進行性慢性関節炎、変形性関節炎、原発性慢性多発性関節炎、反応性関節炎および強直性脊椎炎、全身性エリテマトーデス(SLE)、例えば皮膚SLEまたは亜急性皮膚SLE、新生児ループス症候群(NLE)および播種性エリテマトーデス、多発性硬化症、潰瘍性大腸炎およびクローン病を含む炎症性腸疾患(IBD)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、乾癬、IgA腎症、IgM多発神経障害、重症筋無力症、糖尿病、レイノー症候群および糸球体腎炎、掌蹠膿疱症(PPP)、びらん性扁平苔癬、水疱性天疱瘡、表皮水疱症、接触性皮膚炎およびアトピー性皮膚炎、ギランバレー症候群を含む多発神経炎の治療に使用するための本発明の二重特異性抗体に関する。
【0264】
別の態様において、本発明は、アレルギー、移植片拒絶、またはB細胞悪性腫瘍の治療に使用するための本発明の抗CD37抗体に関する。
【0265】
別の態様において、本発明は、アレルギー、移植片拒絶、またはB細胞悪性腫瘍、例えば、非ホジキンリンパ腫(NHL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、ろ胞性リンパ腫(FL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、形質細胞性白血病(PCL)、びまん性大B細胞リンパ腫(DLBCL)または急性リンパ芽球性白血病(ALL)の治療に使用するための本発明の抗CD37抗体に関する。
【0266】
別の態様において、本発明は、リウマチ性関節炎、例えば急性関節炎、慢性関節リウマチ、痛風または痛風性関節炎、急性痛風性関節炎、急性免疫性関節炎、慢性炎症性関節炎、変性関節炎、II型コラーゲン誘発関節炎、感染性関節炎、ライム関節炎、増殖性関節炎、乾癬性関節炎、スティル病、脊椎関節炎および若年性関節リウマチ、変形性関節症、進行性慢性関節炎、変形性関節炎、原発性慢性多発性関節炎、反応性関節炎および強直性脊椎炎、全身性エリテマトーデス(SLE)、例えば皮膚SLEまたは亜急性皮膚SLE、新生児ループス症候群(NLE)および播種性エリテマトーデス、多発性硬化症、潰瘍性大腸炎およびクローン病を含む炎症性腸疾患(IBD)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、乾癬、IgA腎症、IgM多発神経障害、重症筋無力症、糖尿病、レイノー症候群および糸球体腎炎、掌蹠膿疱症(PPP)、びらん性扁平苔癬、水疱性天疱瘡、表皮水疱症、接触性皮膚炎およびアトピー性皮膚炎、ギランバレー症候群を含む多発神経炎の治療に使用するための本発明の抗CD37抗体に関する。
【0267】
別の態様において、本発明は、1つまたは複数のさらなる治療剤と組み合わせて使用するための本発明の二重特異性抗体に関する。本発明の別の態様において、本発明の抗CD37抗体は、1つまたは複数のさらなる治療剤と組み合わせて使用するためのものである。1つまたは複数のさらなる治療剤は、例えば、ドキソルビシン、シスプラチン、ブレオマイシン、カルムスチン、シクロホスファミド、クロラムブシル、ベンダムスチン、ビンクリスチン、フルダラビン、イブルチニブ、および抗CD20抗体(例えば、リツキシマブ、オファツムマブ、オビヌツズマブ、ベルツズマブ、オカラツズマブ、オクレリズマブ、またはTRU-015)を含む群より選択され得る。
【0268】
本発明の好ましい態様において、さらなる治療剤は抗CD20抗体である。
【0269】
本発明の一態様において、抗CD20抗体は、SEQ ID NO: 72に記される配列を有するヒトCD20に結合することができる。
【0270】
本発明の一態様において、抗CD20抗体は、SEQ ID NO: 73に記される配列を有するカニクイザルCD20に結合することができる。
【0271】
本発明の一態様において、抗CD20抗体は、それぞれSEQ ID NO: 72および73に記される配列を有するヒトおよびカニクイザルCD20に結合することができる。
【0272】
本発明の一態様において、抗CD20抗体は、SEQ ID NO: 72の、アミノ酸残基、位置170のアラニンまたは位置172のプロリンを含まない、または必要としないが、アミノ酸残基、位置163のアスパラギンおよび位置166のアスパラギンを含む、または必要とする、ヒトCD20上のエピトープに結合することができる。そのような抗体の例は、WO2004035607(Genmab)に開示されている、2F2および7D8と指定された抗体ならびにWO2005103081(Genmab)に開示されている、2C6と指定された抗体である。7D8のCDR配列が表1に開示されている。
【0273】
本発明の一態様において、抗CD20抗体は、SEQ ID NO: 72の、アミノ酸残基、位置170のアラニンまたは位置172のプロリンを含まない、または必要としない、ヒトCD20上のエピトープに結合することができる。そのような抗体の例は、WO2004035607(Genmab)に開示されている11B8である。11B8のCDR配列が表1に開示されている。
【0274】
本発明の一態様において、抗CD20抗体は、ヒトCD20上の不連続エピトープに結合することができ、エピトープは、第一の小さな細胞外ループの一部および第二の細胞外ループの一部を含む。
【0275】
本発明の一態様において、抗CD20抗体は、ヒトCD20上の不連続エピトープに結合することができ、エピトープは、第一の小さな細胞外ループの残基AGIYAPおよび第二の細胞外ループの残基MESLNFIRAHTPYを有する。
【0276】
抗CD20抗体は、I型およびII型抗CD20抗体として特徴付け得る。I型抗CD20抗体は、高いCDCおよびADCC活性を有するが、アポトーシス活性が低く(例えばオファツムマブ(2F2)およびリツキシマブ)、II型CD20抗体は、CDC活性が低い、または無であるが、高いADCCおよびアポトーシス活性を有する(例えばオビヌツズマブおよび11B8)。また、I型抗体は、CD20を誘導して、大きな界面活性剤耐性マイクロドメイン(rafts)中に再分布させるが、II型抗体はそれをしない。
【0277】
本発明の一態様において、抗CD20抗体は、ヒトCD20に結合することができる抗原結合領域を含み、抗原結合領域は、ヒトCD20への結合に関し、それぞれSEQ ID NO: 74およびSEQ ID NO: 78に記される可変重鎖(VH)配列および可変軽鎖(VL)を含む抗CD20抗体と競合する。
【0278】
本発明の一態様において、抗CD20抗体は、ヒトCD20に結合することができる抗原結合領域を含み、抗原結合領域は、ヒトCD20への結合に関し、それぞれSEQ ID NO: 81およびSEQ ID NO: 109に記される可変重鎖(VH)配列および可変軽鎖(VL)を含む抗CD20抗体と競合する。
【0279】
本発明の一態様において、抗CD20抗体は、ヒトCD20に結合することができる抗原結合領域を含み、抗原結合領域は、ヒトCD20への結合に関し、それぞれSEQ ID NO: 94およびSEQ ID NO: 98に記される可変重鎖(VH)配列および可変軽鎖(VL)を含む抗CD20抗体と競合する。
【0280】
本発明の一態様において、抗CD20抗体は、ヒトCD20に結合することができる抗原結合領域を含み、抗原結合領域は、ヒトCD20への結合に関し、それぞれSEQ ID NO: 87およびSEQ ID NO: 91に記される可変重鎖(VH)配列および可変軽鎖(VL)を含む抗CD20抗体と競合する。
【0281】
本発明の一態様において、抗CD20抗体は、ヒトCD20に結合することができる抗原結合領域を含み、抗原結合領域は、ヒトCD20への結合に関し、それぞれSEQ ID NO: 101およびSEQ ID NO: 105に記される可変重鎖(VH)配列および可変軽鎖(VL)を含む抗CD20抗体と競合する。
【0282】
本発明の一態様において、抗CD20抗体は、CDR配列:
SEQ ID NO: 75に記されるVH CDR1配列、
SEQ ID NO: 76に記されるVH CDR2配列、
SEQ ID NO: 77に記されるVH CDR3配列、
SEQ ID NO: 79に記されるVL CDR1配列、
DASであるVL CDR2配列、および
SEQ ID NO: 80に記されるVL CDR3配列[7D8]
を含むヒトCD20に結合することができる抗原結合領域を含む。
【0283】
本発明の一態様において、抗CD20抗体は、CDR配列:
SEQ ID NO: 82に記されるVH CDR1配列、
SEQ ID NO: 83に記されるVH CDR2配列、
SEQ ID NO: 84に記されるVH CDR3配列、
SEQ ID NO: 85に記されるVL CDR1配列、
DASであるVL CDR2配列、および
SEQ ID NO: 86に記されるVL CDR3配列[118B]
を含むヒトCD20に結合することができる抗原結合領域を含む。
【0284】
本発明の一態様において、抗CD20抗体は、CDR配列:
SEQ ID NO: 95に記されるVH CDR1配列、
SEQ ID NO: 96に記されるVH CDR2配列、
SEQ ID NO: 97に記されるVH CDR3配列、
SEQ ID NO: 99に記されるVL CDR1配列、
ATSであるVL CDR2配列、および
SEQ ID NO: 100に記されるVL CDR3配列
を含むヒトCD20に結合することができる抗原結合領域を含む。[リツキシマブ]
【0285】
本発明の一態様において、抗CD20抗体は、CDR配列:
SEQ ID NO: 88に記されるVH CDR1配列、
SEQ ID NO: 89に記されるVH CDR2配列、
SEQ ID NO: 90に記されるVH CDR3配列、
SEQ ID NO: 92に記されるVL CDR1配列、
DASであるVL CDR2配列、および
SEQ ID NO: 93に記されるVL CDR3配列
を含むヒトCD20に結合することができる抗原結合領域を含む。[オファツムマブ]
【0286】
本発明の一態様において、抗CD20抗体は、CDR配列:
SEQ ID NO: 102に記されるVH CDR1配列、
SEQ ID NO: 103に記されるVH CDR2配列、
SEQ ID NO: 104に記されるVH CDR3配列、
SEQ ID NO: 106に記されるVL CDR1配列、
QMSであるVL CDR2配列、および
SEQ ID NO: 107に記されるVL CDR3配列
を含むヒトCD20に結合することができる抗原結合領域を含む。[オビヌツズマブ]
【0287】
本発明の一態様において、抗CD20抗体は、
i)SEQ ID NO: 75に記されるVH CDR1配列、
SEQ ID NO: 76に記されるVH CDR2配列、
SEQ ID NO: 77に記されるVH CDR3配列、
SEQ ID NO: 79に記されるVL CDR1配列、
DASであるVL CDR2配列、および
SEQ ID NO: 80に記されるVL CDR3配列[7D8];
ii)SEQ ID NO: 82に記されるVH CDR1配列、
SEQ ID NO: 83に記されるVH CDR2配列、
SEQ ID NO: 84に記されるVH CDR3配列、
SEQ ID NO: 85に記されるVL CDR1配列、
DASであるVL CDR2配列、および
SEQ ID NO: 86に記されるVL CDR3配列[118B];
iii)SEQ ID NO: 95に記されるVH CDR1配列、
SEQ ID NO: 96に記されるVH CDR2配列、
SEQ ID NO: 97に記されるVH CDR3配列、
SEQ ID NO: 99に記されるVL CDR1配列、
ATSであるVL CDR2配列、および
SEQ ID NO: 100に記されるVL CDR3配列[リツキシマブ];
iv)SEQ ID NO: 88に記されるVH CDR1配列、
SEQ ID NO: 89に記されるVH CDR2配列、
SEQ ID NO: 90に記されるVH CDR3配列、
SEQ ID NO: 92に記されるVL CDR1配列、
DASであるVL CDR2配列、および
SEQ ID NO: 93に記されるVL CDR3配列[オファツムマブ];ならびに
v)SEQ ID NO: 102に記されるVH CDR1配列、
SEQ ID NO: 103に記されるVH CDR2配列、
SEQ ID NO: 104に記されるVH CDR3配列、
SEQ ID NO: 106に記されるVL CDR1配列、
QMSであるVL CDR2配列、および
SEQ ID NO: 107に記されるVL CDR3配列[オビヌツズマブ]
からなる群より選択されるCDR配列を含むヒトCD20に結合することができる抗原結合領域を含む。
【0288】
別の態様において、本発明は、医薬を製造するための本発明の二重特異性抗体または本発明の抗CD37抗体の使用に関する。その別の態様において、使用は、がん、自己免疫疾患、または炎症性障害、例えばアレルギー、移植片拒絶、またはB細胞悪性腫瘍、例えば、非ホジキンリンパ腫(NHL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、ろ胞性リンパ腫(FL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、形質細胞性白血病(PCL)、びまん性大B細胞リンパ腫(DLBCL)または急性リンパ芽球性白血病(ALL)、リウマチ性関節炎、例えば急性関節炎、慢性関節リウマチ、痛風または痛風性関節炎、急性痛風性関節炎、急性免疫性関節炎、慢性炎症性関節炎、変性関節炎、II型コラーゲン誘発関節炎、感染性関節炎、ライム関節炎、増殖性関節炎、乾癬性関節炎、スティル病、脊椎関節炎および若年性関節リウマチ、変形性関節症、進行性慢性関節炎、変形性関節炎、原発性慢性多発性関節炎、反応性関節炎および強直性脊椎炎、全身性エリテマトーデス(SLE)、例えば皮膚SLEまたは亜急性皮膚SLE、新生児ループス症候群(NLE)および播種性エリテマトーデス、多発性硬化症、潰瘍性大腸炎およびクローン病を含む炎症性腸疾患(IBD)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、乾癬、IgA腎症、IgM多発神経障害、重症筋無力症、糖尿病、レイノー症候群および糸球体腎炎、掌蹠膿疱症(PPP)、びらん性扁平苔癬、水疱性天疱瘡、表皮水疱症、接触性皮膚炎およびアトピー性皮膚炎、ギランバレー症候群を含む多発神経根炎の治療のための医薬を製造するための使用である。
【0289】
別の態様において、本発明は、CD37を発現する腫瘍細胞の細胞死を誘導する、または該細胞の成長および/もしくは増殖を阻害する方法であって、それを必要とする個体に対し、有効量の本発明の二重特異性抗体または本発明の抗CD37抗体を投与する工程を含む方法に関する。特定の態様において、方法は、アレルギー、移植片拒絶、またはB細胞悪性腫瘍、例えば、非ホジキンリンパ腫(NHL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、ろ胞性リンパ腫(FL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、形質細胞性白血病(PCL)、びまん性大B細胞リンパ腫(DLBCL)または急性リンパ芽球性白血病(ALL)を有する個体を治療する方法であって、前記個体に対し、有効量の本発明の二重特異性抗体または本発明の抗CD37抗体を投与する工程を含む方法である。特定の態様において、方法は、1つまたは複数のさらなる治療剤、例えばドキソルビシン、シスプラチン、ブレオマイシン、カルムスチン、シクロホスファミド、クロラムブシル、ベンダムスチン、ビンクリスチン、フルダラビン、イブルチニブ、または抗CD20抗体(例えばリツキシマブ、オファツムマブ、オビヌツズマブ、ベルツズマブ、オカラツズマブ、オクレリズマブ、もしくはTRU-015)を前記抗体または前記二重特異性抗体と組み合わせて投与する工程を含む。
【0290】
本発明の一態様において、さらなる治療剤は、シクロホスファミド、クロラムブシル、ベンダムスチン、イホスファミド、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、カルムスチン、プレドニゾン、デキサメタゾン、フルダラビン、ペントスタチン、クラドリビン、フルオロウラシル、ゲムシタビン、シタラビン、メトトレキサート、プララトレキサート、ゲムシタビン、ビンクリスチン、パクリタキセル、ドセタキセル、ドキソルビシン、ミトキサントロン、エトポシド、トポテカン、イリノテカン、ブレオマイシン、CD20特異的なリツキシマブ、オビヌツズマブ、およびオファツムマブ、CD52特異的なアレムツズマブ、CD30特異的なブレンツキシマブ、JNJ-63709178、JNJ-64007957、HuMax-IL8、抗DR5、抗VEGF、抗CD38、抗PD-1、抗PD-L1、抗CTLA4、抗CD40、抗CD137、抗GITR、抗VISTA、他の免疫調節標的に特異的な抗体、ブレンツキシマブベドチン、HuMax-TAC-ADC、インターフェロン、サリドマイド、レナリドマイド、アキシカブタゲンシロロイセル、ボルテゾミブ、ロミデプシン、ベリノスタット、ボリノスタット、イブルチニブ、アカラブルチニブ、イデラリシブ、コパンリシブ、ソラフェニブ、スニチニブ、エベロリムス、組換えヒトTRAIL、ビリナパント、およびベネトクラックスを含む群より選択される。
【0291】
本発明の一態様において、さらなる治療剤は、イブルチニブ、リツキシマブ、ベネトクラックス、CHOP(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチンおよびプレドニゾン)、ベンダムスチン、フルダラビン、シクロホスファミド、およびクロラムブシルを含む群より選択される。
【0292】
本発明の一態様において、さらなる治療剤は、イブルチニブ、リツキシマブ、およびベネトクラックスを含む群より選択される。
【0293】
さらなる局面において、本発明は、表1に提示される1つまたは複数の配列をコードする核酸構築物に関する。さらなる局面において、本発明は、SEQ ID NO: 1、2、3、4、5、6、6a、7、8、9、10、11、12、13、13a、14、15、16、17、18、19、20、20a、21、22、23、24、25、26、27、27a、28、29、30、30a、および31を含む群より選択される1つまたは複数の配列をコードする核酸構築物に関する。
【0294】
本発明はさらに、本明細書における態様のいずれかの二重特異性抗体または抗CD37抗体のVHおよび/またはVL領域をコードする核酸構築物に関する。
【0295】
本発明はさらに、本明細書における態様のいずれかの二重特異性抗体または抗CD37抗体をコードする核酸構築物に関する。
【0296】
さらなる態様において、本発明は、上記1つまたは複数の核酸構築物を含む発現ベクターに関する。別の態様において、本発明は、上記発現ベクターを含む宿主細胞に関する。
【0297】
本発明に関連する発現ベクターは、染色体、非染色体および合成核酸ベクター(発現制御エレメントの適当なセットを含む核酸配列)を含む任意の適当なベクターであり得る。そのようなベクターの例は、SV40の誘導体、細菌プラスミド、ファージDNA、バキュロウイルス、酵母プラスミド、プラスミドとファージDNAとの組み合わせに由来するベクターおよびウイルス核酸(RNAまたはDNA)ベクターを含む。一態様において、CD37抗体をコードする核酸は、例えば直鎖発現エレメントを含む裸のDNAまたはRNAベクター(例えばSykes and Johnston, Nat Biotech 17, 355 59 (1997)に記載)、圧縮核酸ベクター(例えばUS6,077,835および/またはWO00/70087に記載)、プラスミドベクター、例えばpBR322、pUC19/18またはpUC118/119、「midge」最小サイズ核酸ベクター(例えばSchakowski et al., Mol Ther 3, 793 800 (2001)に記載)の中に含まれる、または沈殿核酸ベクター構築物、例えばCaPO4沈殿構築物(例えばWO200046147、Benvenisty and Reshef, PNAS USA 83, 9551 55 (1986)、Wigler et al., Cell 14, 725 (1978)およびCoraro and Pearson, Somatic Cell Genetics 7, 603 (1981)に記載)として含まれる。そのような核酸ベクターおよびそれらの利用は当技術分野において周知である(例えばUS5,589,466およびUS5,973,972を参照)。
【0298】
一態様において、ベクターは、細菌細胞におけるCD37抗体の発現に適している。そのようなベクターの例は、発現ベクター、例えばBlueScript(Stratagene)、pINベクター(Van Heeke & Schuster, J Biol Chem 264, 5503 5509 (1989)、pETベクター(Novagen, Madison WI)などを含む。
【0299】
同様にまたは代替的に、発現ベクターは、酵母系中の発現に適したベクターであってもよい。酵母系中の発現に適した任意のベクターを用い得る。適当なベクターは、例えば、構成的または誘導性プロモーター、例えばアルファ因子、アルコールオキシダーゼおよびPGHを含むベクターを含む(F. Ausubel et al., ed. Current Protocols in Molecular Biology, Greene Publishing and Wiley InterScience New York (1987)およびGrant et al., Methods in Enzymol 153, 516 544 (1987)において考察)。
【0300】
同様にまたは代替的に、発現ベクターは、哺乳動物細胞中の発現に適したベクター、例えば、選択マーカーとしてグルタミンシンテターゼを含むベクター、例えば、Bebbington (1992) Biotechnology (NY) 10:169-175に記載されているベクターであってもよい。
【0301】
核酸および/またはベクターはまた、ポリペプチド(例えば新生ポリペプチド鎖)をペリプラズム空間または細胞培地中へと導くことができる分泌/局在化配列をコードする核酸配列を含み得る。そのような配列は当技術分野において公知であり、分泌リーダまたはシグナルペプチドを含む。
【0302】
発現ベクターは、任意の適したプロモーター、エンハンサーおよび他の発現促進エレメントを含み得る、またはそれらと会合し得る。そのようなエレメントの例は、強発現プロモーター(例えばヒトCMV IEプロモーター/エンハンサーならびにRSV、SV40、SL3 3、MMTVおよびHIV LTRプロモーター)、有効なポリ(A)終結配列、大腸菌中のプラスミド産物のための複製起点、選択マーカーとしての抗生物質耐性遺伝子および/または好都合なクローニングサイト(例えばポリリンカー)を含む。核酸はまた、CMV IEなどの構成的プロモーターとは違い、誘導性プロモーターを含んでもよい。
【0303】
一態様において、CD37抗体をコードする発現ベクターは、ウイルスベクターを介して宿主細胞内または宿主動物内に配置および/または送達され得る。
【0304】
したがって、本発明はまた、本発明の二重特異性抗体を産生する組換え真核または原核宿主細胞、例えばトランスフェクトーマにも関する。
【0305】
本発明はさらに、本発明の抗体または二重特異性抗体の抗原結合領域に結合する抗イディオタイプ抗体に関する。
【0306】
試料中のヒトCD37抗原またはヒトCD37を発現する細胞の存在を検出するためのインビトロでの方法であって、
(i)試料を、上記態様のいずれかの二重特異性抗体または本明細書における態様のいずれかの抗体と、該抗体または該二重特異性抗体とCD37との間での複合体の形成を可能にする条件下で、接触させる工程;および
(ii)複合体の形成を検出する工程
を含む、方法。
【0307】
対象中のヒトCD37抗原またはヒトCD37を発現する細胞の存在を検出するためのインビボでの方法であって、
(i)上記態様のいずれかの二重特異性抗体または本明細書における態様のいずれかの抗体を、該抗体または該二重特異性抗体とCD37との間での複合体の形成を可能にする条件下で、投与する工程;および
(ii)形成された複合体を検出する工程
を含む、方法。
【0308】
配列
(表1)
【実施例0309】
実施例1:ウサギにおけるCD37特異的抗体の生成
CD37のための発現構築物
完全長CD37バリアントの発現のために以下のコドン最適化構築物を生成した:ヒト(Homo sapiens)CD37(Genbankアクセッション番号NP_001765)(SEQ ID NO: 62)、カニクイザル(Macaca fascicularis)CD37(mfCD37)(SEQ ID NO: 63)。加えて、様々なCD37 ECDバリアントの発現のために以下のコドン最適化構築物を生成した:C末端Hisタグを有するヒトIgGのFc(CH2-CH3)ドメインに融合したヒトCD37の第二の細胞外ドメイン(EC2)(aa 112~241)が続くシグナルペプチドコード配列(CD37EC2-FcHis、SEQ ID NO: 64)およびmfCD37についての類似の構築物(CD37mfEC2-FcHis、SEQ ID NO: 65)。構築物は、クローニングのための適当な制限部位および最適なKozak(GCCGCCACC)配列[Kozak et al. (1999) Gene 234: 187-208]を含むものであった。構築物を哺乳動物発現ベクターpcDNA3.3(Invitrogen)または同等なベクター中にクローニングした。
【0310】
CHO細胞およびHEK細胞における一過性発現
基本的には製造元によって記載されるように293fectin(Life technologies)を使用してFreestyle 293-F(HEK293F)細胞(Life technologies、USA)において、または、基本的には製造元によって記載されるようにFreestyle Max試薬(Life technologies)を使用してFreesyle CHO-S細胞(CHO)(Life technologies)において、膜タンパク質を一過的に発現させた。基本的には製造元によって記載されるようにExpiFectamine 293試薬(Life technologies)を使用してExpi293細胞(Life technologies)において、可溶性タンパク質を一過的に発現させた。
【0311】
プロテインAアフィニティークロマトグラフィーを使用して、細胞培養上清からFc融合タンパク質(CD37mfEC2-FcHisおよびCD37EC2-FcHis)を精製した。
【0312】
ウサギの免疫化
MAB Discovery GMBH(Neuried, Germany)においてウサギの免疫化を実施した。ウサギを、CD37EC2-FcHisとCD37mfEC2-FcHisとの混合物またはヒトもしくはmfCD37を一過性に発現するHEK293F細胞で繰り返し免疫化した。これらのウサギの血液を採取し、Bリンパ球を単離した。MAB Discovery専有のプロセスを使用して、単一B細胞をマイクロタイタプレートのウェル中にソートし、さらに増殖させた。これらの単一B細胞の上清を、CD37を一過性に発現するCHO-S細胞(CHO-CD37)およびmfCD37を一過性に発現するCHO-S細胞(CHO-mfCD37)への特異的結合に関して分析した。
【0313】
組換え抗体産生
一次スクリーニング結果を分析したところで、配列決定、組換えmAb産生および精製のための一次ヒットを選択した。特有の可変重鎖(VH)および軽鎖(VL)コード領域を遺伝子合成し、ヒトIgG1定常領域コード配列(Igカッパ鎖およびE430G変異(EUナンバリング)重鎖を含むIgG1アロタイプG1m(f))を含む哺乳動物発現ベクター中にクローニングした。このプロセス中、一部の抗体軽鎖中の望ましくない不対システインをセリンによって置換した。
【0314】
Tecan Freedom Evoプラットフォーム上で自動化手法を使用して重鎖(HC)および軽鎖(LC)コード発現ベクターを一過性にコトランスフェクトすることにより、HEK293細胞中で組換えキメラ抗体を産生した。Dionex Ultimate 3000 HPLCシステム上でアフィニティー精製(プロテインA)を使用して、細胞上清から免疫グロブリンを精製した。
【0315】
変異E430Gを含む産生されたキメラ(VHウサギ、Fcヒト)モノクローナル抗体(mAb)の反応性を、CHO-CD37またはCHO-mfCD37細胞への結合に関して再び分析した。加えて、ヒトリンパ腫細胞株Daudiへの結合およびDaudi細胞に対するCDCアッセイにおける機能性を分析した。
【0316】
実施例2:ウサギキメラ抗体のヒト化
ヒト化抗体配列の生成
Antitope(Cambridge, UK)において、ウサギ抗体、ウサギ抗CD37-004、-005、-010および-016からヒト化抗体配列を生成した。ヒト化抗体配列は、生殖細胞系ヒト化(CDRグラフト)技術を使用して生成した。ウサギおよびマウス抗体のVHおよびVκアミノ酸配列とで最大の相同性を有するヒト生殖細胞系配列に基づいてヒト化V領域遺伝子を設計した。各ウサギ抗体に関し、4~6つの一連のVHおよび4または5つの一連のVκ(VL)生殖細胞系ヒト化V領域遺伝子を設計した。
【0317】
Swiss PDBを使用してウサギ抗体V領域の構造モデルを作製し、それを分析して、抗体の結合性にとって重要であり得るV領域フレームワーク中のアミノ酸を同定した。これらのアミノ酸を、1つまたは複数のバリアントCDRグラフト抗体への組み込みに関して留意した。
【0318】
重鎖および軽鎖V領域アミノ酸配列をヒト生殖細胞系VおよびJセグメント配列のデータベースに対して比較して、ヒト可変ドメインフレームワークとして使用するための、最大の相同度を有する重および軽鎖ヒト配列を同定した。ヒト化デザインの基礎として使用した生殖細胞系配列を表2に示す。
【0319】
(表2)最大にマッチするヒト生殖細胞系VセグメントおよびJセグメント配列
【0320】
次いで、CDRをフレームワークにグラフトし、必要ならば、抗体結合性にとって重要であり得る残基(構造モデリングによって同定される)をウザギ残基へ復帰変異させることにより、一連のヒト化重および軽鎖V領域をデザインした。次いで、Antitope専有のインシリコ技術iTope(商標)およびTCED(商標)(T Cell Epitope Database)(Perry, L.C.A, Jones, T.D. and Baker, M.P. New Approaches to Prediction of Immune Responses to Therapeutic Proteins during Preclinical Development (2008). Drugs in R&D 9(6): 385-396;Bryson, C.J., Jones, T.D. and Baker, M.P. Prediction of Immunogenicity of Therapeutic Proteins (2010). Biodrugs 24(1):1-8)を使用して、潜在的T細胞エピトープの出現率が最低であるバリアント配列を選択した。最後に、デザインされたバリアントのヌクレオチド配列をコドン最適化した。
【0321】
抗体IgG1-016-H5L2の場合、遊離システインを置換するために可変ドメイン中に点変異を有するバリアントを生成した:IgG1-016-H5L2-LC90S(また、さらなるF405LおよびE430G変異でも生成した)。この変異体は遺伝子合成(Geneart)によって生成した。
【0322】
ヒト化CD37抗体の可変領域配列は本明細書における配列リストおよび上記表1に示されている。
【0323】
実施例3:二重特異性抗体の生成
制御された還元条件下で、Fabアーム交換によって二重特異性IgG1抗体を生成した。この方法の基礎は、WO2011/131746に記載されている特定のアッセイ条件下でヘテロ二量体の形成を促進する相補的CH3ドメインの使用である。F405LおよびK409R(EUナンバリング)変異をCD37抗体に導入して、相補的CH3ドメインを有する抗体対を創出した。特定の場合、F405LおよびK409RをE430G変異と組み合わせた。
【0324】
二重特異性抗体を生成するために、2つの親相補的抗体(それぞれ最終濃度0.5mg/mL)を75mMの2-メルカプトエチルアミンHCl(2-MEA)とともに総量100μLのTE中31℃で5時間インキュベートした。スピンカラム(Microcon遠心フィルタ、30k、Millipore)を製造元のプロトコルにしたがって使用して還元剤2-MEAを除くことにより、還元反応を停止させた。
【0325】
実施例4:抗体のための発現構築物、一過性発現および精製
抗体発現のために、VHおよびVL配列を、VHの場合には適切な定常重鎖(HC)領域を含み、特定の場合にはF405LまたはK409R変異および/またはE345RまたはE430G変異を含み、VLの場合には軽鎖(LC)領域を含む発現ベクター(pcDNA3.3)中にクローニングした。
【0326】
抗体をIgG1κとして発現させた。抗体の重および軽鎖両方をコードするプラスミドDNA混合物を、293fectin(Life technologies)を使用して、基本的にはVinkら(Vink et al., Methods, 65(1), 5-10 2014)によって記載されているように、Expi293F細胞(Life technologies、USA)中に一過性にトランスフェクトした。次に、固定化プロテインGクロマトグラフィーによって抗体を精製した。
【0327】
以下の抗体を実施例に使用した。
【0328】
野生型IgG1抗体:
IgG1-004-H5L2(SEQ ID NO: 1およびSEQ ID NO: 5に記されるVHおよびVL配列を有する)
IgG1-005-H1L2(SEQ ID NO: 8およびSEQ ID NO: 12に記されるVHおよびVL配列を有する)
IgG1-010-H5L2(SEQ ID NO: 15およびSEQ ID NO: 19に記されるVHおよびVL配列を有する)
IgG1-016-H5L2(SEQ ID NO: 22およびSEQ ID NO: 26に記されるVHおよびVL配列を有する)
IgG1-G28.1(SEQ ID NO: 39およびSEQ ID NO: 43に記されるVHおよびVL配列を有する―EP2241577のSEQ ID NO: 1および3に基づく)
IgG1-G28.1-K409R-delK(C末端重鎖変異445-PG-446をも含む)
IgG1-37.3(SEQ ID NO: 46およびSEQ ID NO: 50に記されるVHおよびVL配列を有する―WO2011/112978のSEQ ID NO: 55および72に基づく)
IgG1-b12(SEQ ID NO: 32およびSEQ ID NO: 36に記されるVHおよびVL配列を有する―gp120特異的抗体b12[Barbas, CF. J Mol Biol. 1993 Apr 5;230(3):812-23]に基づく)
【0329】
Fc-Fc相互作用増強変異E430Gを有するIgG1抗体:
IgG1-004-H5L2-E430G
IgG1-005-H1L2-E430G
IgG1-010-H5L2-E430G
IgG1-016-H5L2-E430G
IgG1-G28.1-E430G
IgG1-37.3-E430G
IgG1-b12-E430G
IgG1-005-H1L2-K409R-E430G
IgG1-010-H5L2-K409R-E430G
IgG1-016-H5L2-F405L-E430G
IgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G
IgG1-004-E430G
IgG1-005-E430G
IgG1-010-E430G
IgG1-016-E430G
【0330】
Fc-Fc相互作用増強変異E430Sを有するIgG1抗体:
IgG1-010-H5L2-K409R-E430S
IgG1-016-H5L2-F405L-E430S
【0331】
Fc-Fc相互作用増強変異E345Kを有するIgG1抗体:
IgG1-010-H5L2-K409R-E345K
IgG1-016-H5L2-F405L-E345K
【0332】
Fc-Fc相互作用増強変異E345Rを有するIgG1抗体:
IgG1-G28.1-E345R
IgG1-b12-E345R
IgG1-010-H5L2-K409R-E345R
IgG1-016-H5L2-F405L-E345R
【0333】
二重特異性抗体
bsIgG1-016-H5L2-F405L×IgG1-IgG1-005-H1L2-K409R
bsIgG1-016-H5L2-F405L×IgG1-010-H5L2-K409R
【0334】
Fc-Fc相互作用増強変異E430Gを有する二重特異性抗体:
bsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×005-H1L2-K409R-E430G
bsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×010-H5L2-K409R-E430G
bsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×b12-K409R-E430G
bsIgG1-b12-F405L-E430G×010-H5L2-K409R-E430G
bsIgG1-b12-F405L-E430G×005-H1L2-K409R-E430G
【0335】
FcγR相互作用増強変異S239D-I332Eを有するIgG1抗体:
IgG1-G28.1-S239D-I332E
【0336】
実施例5:CD37抗体へのFc-Fc相互作用増強変異の導入は、補体依存性細胞傷害作用(CDC)を誘導する増強された新たな能力を生じさせる
補体依存性細胞傷害作用(CDC)の決定
第一の実験において、未処置CLL患者由来の腫瘍細胞(AllCells、California, USA)を、0.2% BSA(ウシ血清アルブミン)を含有するRPMIに再懸濁させ、0.2×105個/ウェル(40μL/ウェル)の密度でポリスチレン96ウェル丸底プレート(Greiner bio-one Cat # 650101)に播種し、IgG1-G28.1-K409R-delK、IgG1-G28.1-E345RまたはIgG1-b12-E345Rの濃度系列(0.003~10μg/mL最終抗体濃度)40μLを加えた。IgG1-b12-E345R(gp120特異的抗体b12[Barbas, CF. J Mol Biol. 1993 Apr 5;230(3):812-23]に基づく)をネガティブコントロールとして使用した。IgG1-G28.1-K409R-delKの場合、K409R変異は、結合能力またはCDC誘導能力に対して影響を及ぼさないことが留意されるべきである。同様に、生化学的分析を容易にするために抗体に導入しておいたdelK(445-PG-446)変異は、標的結合能力またはCDC誘導能力に影響しなかった(以下参照)。
【0337】
インキュベーション(振とうしながら室温で10分)後、プールされた正常ヒト血清(NHS Cat # M0008 Sanquin、Amsterdam, The Netherlands)20μLを補体ソースとして各ウェルに加え、プレートを37℃で45分間インキュベートした。プレートを氷で冷やすことにより、反応を停止させた。次に、ヨウ化プロピジウム(PI;10μg/mL溶液10μL;Sigma-Aldrich Chemie B.V.、Zwijndrecht, The Netherlands)を加え、フローサイトメトリー(FACS Canto II;BD Biosciences)による死細胞(PI陽性細胞に相当)の割合の計測によって溶解を検出した。GraphPad Prism V6.04ソフトウェア(GraphPad Software、San Diego, CA, USA)中、対数変換濃度との非線形用量反応フィットのベストフィット値を使用してグラフを生成した。
【0338】
第二の実験において、別の未処置CLL患者由来の腫瘍細胞(AllCells、California, USA)を、0.2% BSAを含有するRPMIに再懸濁させ、0.5×105個/ウェル(30μL/ウェル)の密度でポリスチレン96ウェル丸底プレート(Greiner bio-one Cat # 650101)に播種し、IgG1-G28.1、IgG1-G28.1-E430GまたはIgG1-b12の濃度系列(3.33×段階希釈物中0.003~10μg/mL最終抗体濃度)50μLを加えた。インキュベーション(室温で15分)後、プールされた正常ヒト血清(NHS Cat # M0008 Sanquin、Amsterdam, The Netherlands)20μLを補体ソースとして各ウェルに加え、プレートを37℃で45分間インキュベートした。プレートを氷で冷やすことにより、反応を停止させた。次に、ヨウ化プロピジウム(PI;10μg/mL溶液20μL;Sigma-Aldrich Chemie B.V., Zwijndrecht, The Netherlands)を加え、フローサイトメトリー(FACS Canto II;BD Biosciences)による死細胞(PI陽性細胞に相当)の割合の計測によって溶解を検出した。GraphPad Prism V6.04ソフトウェア(GraphPad Software、San Diego, CA, USA)中、対数変換濃度との非線形用量反応フィットのベストフィット値を使用してグラフを生成した。
【0339】
図1AおよびBは、Fc-Fc相互作用増強性E345RまたはE430G変異を有しないCD37抗体G28.1(IgG1-G28.1またはIgG1-G28.1-K409R-delK)はCLL患者由来の初代腫瘍細胞においてCDCを誘導しなかったが、Fc-Fc相互作用増強変異E345RまたはE430Gを有するG28.1(IgG1-G28.1-E345RまたはIgG1-G28.1-E430G)は初代CLL細胞において深い用量依存性CDCを誘導したことを示している。
【0340】
フローサイトメトリー(Qifi)による細胞表面抗原の定量的測定
Human IgG Calibrator Kit(Biocytix Cat # CP010)を使用して、CLL腫瘍細胞上のCD37および膜補体調節タンパク質(mCRP;CD46、CD55およびCD59)発現レベルを測定した。簡潔にいうと、0.2% BSAを含有するRPMIに再懸濁させたCLL患者由来の腫瘍細胞(上記第一の実験におけるような)を、0.5×105個/ウェル(30μL/ウェル)の密度でポリスチレン96ウェル丸底プレート(Greiner bio-one Cat # 650101)に播種し、遠心処理し、CD37(Abcam、cat. no. 76522)またはコントロールマウス抗体(Purified Mouse IgG1κ Isotype Control, Clone MOPC-21;BD cat. no. 555746)50μLを加えた。インキュベーション(4℃で30分)後、キャリブレーションビーズ50μLを別々のウェルに加えた。ビーズおよび細胞を二回洗浄した後(FACSバッファ150μL、洗浄工程の合間に300×g、4℃で3分間遠心処理)、Human IgG Calibrator Kit中に提供されている二次抗体(FITCコンジュゲート)希釈物を50μL/ウェルで加えた。暗所でのインキュベーション(4℃で45分)後、細胞をFACSバッファで二回洗浄し、FACSバッファ35μLに再懸濁させ、フローサイトメトリー(Intellicyt iQue(商標)スクリーナ)によって分析した。製造元のガイドラインにしたがってキャリブレーションカーブに基づいて抗体結合能を計算することにより、抗原量を測定した。
【0341】
図2は、このCLL患者に由来する初代腫瘍細胞においてCD37が高度に発現していたことを示している。患者は正常なmCRP発現レベルを示した。
【0342】
実施例6:細胞表面発現CD37へのCD37抗体およびそのバリアントの結合
細胞表面発現CD37(Daudi細胞、カニクイザルCD37を発現するCHO細胞)への結合をフローサイトメトリーによって測定した。0.2% BSAを含有するRPMIに再懸濁させた細胞を、100,000個/ウェルでポリスチレン96ウェル丸底プレート(Greiner bio-one Cat # 650101)に播種し、300×g、4℃で3分間遠心処理した。CD37またはコントロール抗体の段階希釈物(3.33×段階希釈物中0.003~10μg/mL最終抗体濃度)を加え、細胞を4℃で30分間インキュベートした。FACSバッファ(PBS/0.1% BSA/0.01%アジ化ナトリウム)を使用してプレートを二回洗浄/遠心処理した。次に、細胞を、PBS/0.1% BSA/0.01%アジ化ナトリウム中で1/100に希釈したR-フィコエリスリン(PE)コンジュゲートヤギ抗ヒトIgG F(ab')2(Jackson ImmunoResearch Laboratories, Inc.、West Grove, PA;cat #: 109-116-098)とともに4℃で30分間インキュベートした。FACSバッファを使用して細胞を二回洗浄/遠心処理し、FACSバッファ30μLに再懸濁させ、Intellicyt iQue(商標)スクリーナ(Westburg)を使用して平均蛍光強度を測定することによって分析した。GraphPad Prism V6.04ソフトウェア(GraphPad Software、San Diego, CA, USA)内で非線形回帰(シグモイド型用量反応、可変傾斜)分析を使用して結合曲線を生成した。
【0343】
Daudi細胞への結合
図3は、ヒト化CD37抗体IgG1-004-H5L2、IgG1-005-H1L2、IgG1-010-H5L2およびIgG1-016-H5L2がDaudi細胞への用量依存性結合を示したことを示している。これらの抗体へのFc-Fc相互作用増強性E430G変異の導入および、IgG1-005-H1L2の場合には、さらにK409R変異の導入は、結合に影響しなかった。
【0344】
図4は、IgG1-G28.1またはIgG1-37.3へのE430G変異の導入がDaudi細胞への結合に影響しなかったことを示している。
【0345】
抗体IgG1-016-H5L2の場合、軽鎖中の遊離システインを置換するために可変ドメイン中に点変異を有するバリアント:IgG1-016-H5L2-LC90Sを生成した。また、このバリアントを、標的結合特性に影響しないことが以前に示されているさらなるF405LおよびE430G変異でも生成した。図5は、IgG1-016-H5L2、IgG1-016-H5L2-E430G、IgG1-016-H5L2-F405L-E430GおよびIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430GがすべてDaudi細胞への同等な結合を示したこと、ひいてはLC90S変異が結合に影響しなかったことを示している。
【0346】
カニクイザルCD37を発現するCHO細胞への結合
カニクイザルCD37を発現するCHO細胞への結合を、上記方法を使用するフローサイトメトリーによって測定した。図6は、IgG1-004-H5L2-E430G、IgG1-005-H1L2-E430G、IgG1-010-H5L2-E430GおよびIgG1-016-H5L2-E430Gが、カニクイザルCD37を発現するCHO細胞への用量依存性結合を示したことを示している。IgG1-G28.1およびIgG1-28.1-E430Gは、カニクイザルCD37を発現するCHO細胞に結合しなかった。
【0347】
実施例7:CD37への結合に関して競合しないCD37抗体の同定
結合競合(の欠如)―フローサイトメトリーによって測定
CD37抗体をAlexa Fluor 488 NHS Ester(スクシンイミジルエステル)で標識した。CD37抗体(PBS中に溶解)1mgを1mlマイクロ遠心バイアル(反応バイアル)に移した。10体積%の1M炭酸水素ナトリウムバッファ(pH9)の添加によってpHを高めた。使用の直前に、Alexa Fluor 488 NHS Ester(室温に調節)1mgをDMSO 100μL中に溶解させた。抗体1mgあたり10μLの新鮮なAlexa色素溶液の添加によって標識反応を開始させた。反応バイアルに蓋をし、逆さにしてやさしく混合した。室温で1時間のインキュベーションの後、1Mトリス50μLを各反応バイアルに加えることによって反応物を急冷した。ホウ酸緩衝食塩水で平衡化したBioRad PDP10カラムを使用するゲルろ過により、製造元の指示にしたがってAlexa標識抗体から未反応色素を除去した。Alexa標識抗体を4℃で貯蔵し、光から防護した。
【0348】
異なるCD37抗体の間の結合競合をフローサイトメトリーによって測定した。Raji細胞(ATCC、CCL-86)を、1×107個/mLの濃度でRaji培地(RPMI 1640、10% FBS、100U/mLペニシリン、100μg/mLストレプトマイシン、10mM HEPES、および1mMピルビン酸塩)に再懸濁させた。次に、細胞懸濁液のアリコート30μLを非標識抗体溶液のアリコート30μL(40μg/mL最終濃度)とともにFACSチューブに移した。混合物を、やさしく振とうしながら37℃で15分間インキュベートした。次に、A488標識抗体希釈物を調製し、インキュべーション後、標識抗体10μL(最終濃度4μg/mL)を、非標識抗体および細胞を含むFACSチューブに移した。混合物を、やさしく振とうしながら37℃で15分間インキュベートした。インキュべーション後、氷冷PBS4mlを加えることによって試料を急冷し、4℃、2000rpmで3分間遠心処理し、二回吸引し、その後、PBS 125μLに再懸濁させた。BD FACSCalibur(BD Biosciences)を使用して平均蛍光強度を測定することにより、結合競合を分析した。定量化のために、蛍光強度をMESF(可溶性蛍光分子数)に換算した。
【0349】
図7Aおよび図8は、IgG1-005-H1L2-E430GおよびIgG1-010-H5L2-E430GとのRaji細胞のプレインキュベーションが、IgG1-005-H1L2-E430GおよびIgG1-010-H5L2E430Gのその後の結合を遮断したが、IgG1-37.3-E430G、IgG1-G28.1-E430G、IgG1-004-H5L2-E430G、およびIgG1-016-H5L2-E430Gのその後の結合を遮断しなかったことを示している。
【0350】
IgG1-004-H5L2-E430GとのRaji細胞のプレインキュベーションは、IgG1-37.3-E430G、IgG1-G28.1-E430G、IgG1-004-H5L2-E430G、およびIgG1-016-H5L2-E430Gのその後の結合を実質的に低減させたが、IgG1-005-H1L2-E430G、およびIgG1-010-H5L2-E430Gのその後の結合を低減させなかった。
【0351】
IgG1-016-H5L2-E430GとのRaji細胞のプレインキュベーションは、IgG1-37.3-E430G、IgG1-G28.1-E430G、IgG1-004-H5L2-E430G、およびIgG1-016-H5L2-E430Gのその後の結合を遮断したが、IgG1-005-H1L2-E430GおよびIgG1-010-H5L2-E430Gのその後の結合を遮断しなかった。
【0352】
IgG1-37.3-E430Gとの細胞のプレインキュベーションは、試験したすべての抗体のその後の結合を遮断した。しかし、上記のように、IgG1-005-H1L2-E430GまたはIgG1-010-H5L2-E430GのいずれかとのプレインキュベーションはIgG1-37.3-E430Gの結合を遮断しなかった。
【0353】
IgG1-G28.1-E430Gとの細胞のプレインキュベーションは、IgG1-37.3-E430G、IgG1-G28.1-E430G、IgG1-004-H5L2-E430G、およびIgG1-016-H5L2-E430Gのその後の結合を遮断したが、IgG1-005-H1L2-E430GおよびIgG1-010-H5L2-E430Gのその後の結合を遮断しなかった。
【0354】
結合競合(の欠如)―CDCアッセイを使用する機能スクリーニングによって測定
非交差遮断CD37抗体が組み合わされたときに増強されたCDCを示すかどうかを判定するため、および非交差遮断CD37抗体どうしを機能的に組み合わせる可能性を確認するために、個々のCD37抗体およびそれらの組み合わせを使用してCDCアッセイを実施した。
【0355】
0.2% BSAを含有するRPMIに再懸濁させたRaji細胞を、1×105個/ウェル(30μL/ウェル)の密度でポリスチレン96ウェル丸底プレート(Greiner bio-one Cat # 650101)に播種し、ヒト化CD37抗体、それらのバリアント、それらの組み合わせ、またはコントロール抗体IgG1-b12を50μL加えた(最終抗体濃度10μg/mL、組み合わせ:5+5μg/mL)。(振とうしながら室温で15分)インキュベーション後、プールされた正常ヒト血清(NHS Cat # M0008 Sanquin、Amsterdam, The Netherlands)20μLを各ウェルに加え、プレートを37℃で45分間インキュベートした。プレートを遠心処理し(3分、1200rpm)、上清を捨てた。ヨウ化プロピジウム(PI;1.67μg/mL溶液30μL;Sigma-Aldrich Chemie B.V.、Zwijndrecht, The Netherlands)を加え、フローサイトメトリー(Intellicyt iQue(商標)スクリーナ、Westburg)による死細胞(PI陽性細胞に相当)の割合の計測によって溶解を検出した。GraphPad Prismソフトウェア(GraphPad Software、San Diego, CA, USA)を使用してデータを解析した。
【0356】
図7BおよびCは、IgG1-004-H5L2+IgG1-010-H5L2の組み合わせ(E430G変異を有する、または有しない)およびIgG1-005-H1L2+IgG1-016-H5L2の組み合わせ(E430G変異を有する、または有しない)が、それらの個々の対応物と比べて増強されたCDCを誘導したことを示している。IgG1-004-H5L2+IgG1-016-H5L2の組み合わせ(E430G変異を有する、または有しない)は、それらの個々の対応物と比べて増強されたCDCを誘導しなかった。
【0357】
図7DおよびEは、IgG1-004-H5L2+IgG1-005-H1L2の組み合わせ(E430G変異を有する、または有しない)およびIgG1-010-H5L2+IgG1-016-H5L2の組み合わせ(E430G変異を有する、または有しない)が、それらの個々の対応物と比べて増強されたCDCを誘導したことを示している。IgG1-005-H1L2+IgG1-010-H5L2の組み合わせ(E430G変異を有する、または有しない)は、それらの個々の対応物と比べて増強されたCDCを誘導しなかった。
【0358】
図7FおよびGは、IgG1-37.3+IgG1-005-H1L2の組み合わせ(E430G変異を有する、または有しない)およびIgG1-37.3+IgG1-010-H5L2の組み合わせ(E430G変異を有する、または有しない)が、それらの個々の対応物と比べて増強されたCDCを誘導したことを示している。
【0359】
よって、機能組み合わせ試験によって、記載されたCD37に関する結合競合試験の結果が確認され、非交差遮断CD37抗体どうしを機能的に組み合わせることができることが示された。
【0360】
実施例8:ヒト化CD37抗体へのFc-Fc相互作用増強変異の導入は、補体依存性細胞傷害作用(CDC)を誘導する増強された新たな能力を生じさせる
0.2% BSAを含有するRPMIに再懸濁させたDaudi細胞を、1×105個/ウェル(30μL/ウェル)の密度でポリスチレン96ウェル丸底プレート(Greiner bio-one Cat # 650101)に播種し、ヒト化CD37抗体およびそれらのバリアントまたはコントロール抗体IgG1-b12の濃度系列(3.33×段階希釈物中0.003~10μg/mL最終抗体濃度)50μLを加えた。インキュベーション(室温で15分)後、プールされた正常ヒト血清(NHS Cat # M0008 Sanquin、Amsterdam, The Netherlands)20μLを各ウェルに加え、プレートを37℃で45分間インキュベートした。プレートを遠心処理し(3分、1200rpm)、上清を捨てた。ヨウ化プロピジウム(PI;1.67μg/mL溶液30μL;Sigma-Aldrich Chemie B.V.、Zwijndrecht, The Netherlands)を加え、フローサイトメトリー(Intellicyt iQue(商標)スクリーナ、Westburg)による死細胞(PI陽性細胞に相当)の割合の計測によって溶解を検出した。GraphPad Prism V6.04ソフトウェア(GraphPad Software、San Diego, CA, USA)中、対数変換濃度との非線形用量反応フィットのベストフィット値を使用してグラフを生成した。
【0361】
図9は、IgG1-004-H5L2、IgG1-005-H1L2、IgG1-010-H5L2およびIgG1-016-H5L2がDaudi細胞においてCDCを誘導しなかったことを示している。Fc-Fc相互作用増強性E430G変異を導入すると、これらの抗体(IgG1-004-H5L2-E430G、IgG1-005-H1L2-E430G、IgG1-010-H5L2-E430GおよびIgG1-016-H5L2-E430G)はDaudi細胞において深い用量依存性CDCを誘導した。
【0362】
図10Aは、IgG1-G28.1およびIgG1-37.3がDaudi細胞においてCDCを誘導しなかったことを示している。Fc-Fc相互作用増強性E430G変異を導入すると、これらの抗体(IgG1-G28.1-E430GおよびIgG1-37.3-E430G)はDaudi細胞の深い用量依存性CDCを誘導した。
【0363】
抗体IgG1-016-H5L2の場合、軽鎖中の遊離システインを置換するために可変ドメイン中に点変異を有するバリアントを生成した:IgG1-016-H5L2-LC90S。加えて、このバリアントを、F405L変異(標的結合またはCDCに影響しないことが以前に示されている)およびFc-Fc相互作用増強性E430G変異でも生成した。図11は、IgG1-016-H5L2-E430G、IgG1-016-H5L2-F405L-E430GおよびIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430GはすべてインビトロCDCアッセイにおいて同等な活性を示し、したがって、LC90S変異が、CDCを誘発する能力に影響しなかったことを示している。IgG1-016-H5L2はDaudi細胞においてCDCを誘導しなかった。
【0364】
また、IgG1-010-H5L2およびIgG1-016-H5L2への他のFc-Fc相互作用増強変異E345K、E345R、E430SおよびRRGYの導入がDaudi細胞において深いCDCを生じさせた。図10BおよびCは、試験したすべてのFc-Fc相互作用増強変異に関してDaudi細胞の最大溶解が同等であったことを示している。
【0365】
実施例9:Fc-Fc相互作用増強変異を有する二重特異性CD37抗体は、一価結合および二重エピトープターゲティングのため、CDC誘導において、Fc-Fc相互作用増強変異を有する単一特異性二価CD37抗体よりも強力である
F405LまたはK409R変異を、E430G変異を含むヒト化CD37抗体に導入して、CD37への結合に関して競合しない2つのCD37特異的Fabアームを有する二重特異性抗体(bsIgG1)の生成を可能にした。E430G変異を含む二重特異性CD37抗体がCDCを誘導する能力を上記のように測定し、E430G変異を含むCD37単一特異性二価抗体、CD37への結合に関して競合しない、E430G変異を含む2つのCD37単一特異性二価抗体の組み合わせ(組み合わせた抗体の最終濃度は個々の二重特異性抗体の濃度と同一である)、E430G変異を含む一価CD37抗体(すなわち、1つのCD37特異的Fabアームと、IgG1-b12に由来する1つの非結合性Fabアームとを含み、E430G変異を含む、二重特異性抗体)またはCD37への結合に関して競合しない、E430G変異を含む2つの一価CD37抗体の組み合わせの能力と比較した。
【0366】
Daudi細胞におけるCDC
図12Aは、bsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×005-H1L2-K409R-E430Gが、Daudi細胞におけるCDC誘導において、IgG1-005-H1L2-E430GまたはIgG1-016-H5L2-E430Gのいずれよりも強力であったことを示している。二重特異性bsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×005-H1L2-K409R-E430Gはまた、IgG1-005-H1L2-K409R-E430G+IgG1-016-H5L2-F405L-E430Gの組み合わせよりも強力であった。一価CD37結合抗体bsIgG1-b12-F405L-E430G×005-H1L2-K409R-E430GおよびbsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×b12-K409R-E430Gもまた、Daudi細胞においてCDCを誘導したが、それにおいてはbsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×005-H1L2-K409R-E430Gよりも低効率であった。
【0367】
図12Bは、bsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×010-H5L2-K409R-E430Gが、Daudi細胞におけるCDC誘導において、IgG1-010-H5L2-E430GまたはIgG1-016-H5L2-E430Gのいずれよりも強力であったことを示している。二重特異性bsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×010-H5L2-K409R-E430Gはまた、IgG1-010-H5L2-E430G+IgG1-016-H5L2-E430Gの組み合わせよりも強力であった。一価結合抗体bsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×b12-K409R-E430GおよびbsIgG1-b12-F405L-E430G×010-H5L2-K409R-E430Gもまた、Daudi細胞においてCDCを誘導したが、bsIgG1-b12-F405L-E430G×010-H5L2-K409R-E430Gは、bsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×010-H5L2-K409R-E430Gと比べてそれほど強力ではなく、bsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×b12-K409R-E430Gは、bsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×010-H5L2-K409R-E430Gと比べて同等に強力であった。
【0368】
また、E430G変異を含む二重特異性CD37抗体によってCDCを誘導する能力を、E430G変異を有しない二重特異性CD37抗体の能力と比較した。図13は、bsIgG1-016-H5L2-F405L×005-H1L2-K409RおよびbsIgG1-016-H5L2-F405L×010-H5L2-K409RはDaudi細胞においてCDCを誘導することができたが、それらのE430G含有対応物bsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×005-H1L2-K409R-E430GおよびbsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×010-H5L2-K409R-E430Gと比べ、それにおいてそれほど強力ではなったことを示している。
【0369】
OCI-Ly-7細胞におけるCDC
図12Cは、OCI-Ly-7細胞におけるCDCの誘導において、一価結合抗体bsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×b12-K409R-E430GおよびbsIgG1-b12-F405L-E430G×010-H5L2-K409R-E430Gが、それらの単一特異性二価結合対応物IgG1-016-H5L2-E430GおよびIgG1-010-H5L2-E430Gと比べ、より強力であったことを示している。一価結合抗体(bsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×b12-K409R-E430G+bsIgG1-b12-F405L-E430G×010-H5L2-K409R-E430G)は、2つの独立実験における一貫してより低いEC50によって実証されるように(図12D)、二価抗体の組み合わせ(IgG1-010-H5L2-E430G+IgG1-016-H5L2-E430G)よりも強力であった。また、bsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×010-H5L2-K409R-E430Gは、3つの独立実験における一貫してより低いEC50によって実証されるように(図12E)、OCI-Ly-7細胞におけるCDCの誘導において、二価抗体の組み合わせ(IgG1-010-H5L2-E430G+IgG1-016-H5L2-E430G)よりも強力であった。
【0370】
一価結合抗体の組み合わせ(bsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×b12-K409R-E430G+bsIgG1-b12-F405L-E430G×010-H5L2-K409R-E430G)の、OCI-Ly-7細胞においてCDCを誘導する能力は、bsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×010-H5L2-K409R-E430Gの能力と同等であった。
【0371】
初代CLL腫瘍細胞におけるCDC
E430G変異を含む二重特異性CD37抗体がCLL患者由来の腫瘍細胞においてCDCを誘導する能力を上記のように測定し、E430G変異を含むCD37抗体またはE430G変異を含むCD37抗体の組み合わせまたはE430G変異を含む一価CD37抗体の能力と比較した。
【0372】
図14Aは、初代CLL腫瘍細胞におけるCDCの誘導において、bsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×005-H1L2-K409R-E430Gが、IgG1-005-H1L2-K409R-E430GまたはIgG1-016-H5L2-F405L-E430Gのいずれよりも強力であったことを示している。二重特異性bsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×005-H1L2-K409R-E430Gはまた、IgG1-005-H1L2-K409R-E430G+IgG1-016-H5L2-F405L-E430Gの組み合わせよりも強力であった。一価結合抗体bsIgG1-b12-F405L-E430G×005-H1L2-K409R-E430GおよびbsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×b12-K409R-E430Gもまた、初代CLL腫瘍細胞においてCDCを誘導したが、それにおいてはbsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×005-H1L2-K409R-E430Gよりも低効率であった。
【0373】
図14Bは、初代CLL腫瘍細胞におけるCDC誘導において、bsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×010-H5L2-K409R-E430Gが、IgG1-010-H5L2-E430GまたはIgG1-016-H5L2-E430Gのいずれよりも強力であったことを示している。二重特異性bsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×010-H5L2-K409R-E430Gはまた、IgG1-010-H5L2-E430G+IgG1-016-H5L2-E430Gの組み合わせよりも強力であった。一価結合抗体bsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×b12-K409R-E430GおよびbsIgG1-b12-F405L-E430G×010-H5L2-K409R-E430Gもまた、初代CLL腫瘍細胞においてCDCを誘導したが、bsIgG1-b12-F405L-E430G×010-H5L2-K409R-E430Gは、bsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×010-H5L2-K409R-E430Gと比べてそれほど強力ではなく、bsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×b12-K409R-E430Gは、bsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×010-H5L2-K409R-E430Gと比べて同等に強力であった。
【0374】
実施例10:Fc-Fc相互作用増強変異を有する二重特異性CD37抗体は、広い範囲のCD37発現を示す多様なB細胞リンパ腫細胞株においてCDCを誘導する
多様なB細胞リンパ腫サブタイプに由来するさまざまなB細胞リンパ腫細胞株においてbsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×010-H5L2-K409R-E430Gが10μg/mLの濃度でCDCを誘導する能力を測定した(上記のように)。これらの細胞株の細胞表面上のCD37分子の発現レベルを上記のような定量的フローサイトメトリーによって測定した。
【0375】
表3は、試験した細胞株の概要を記す。
【0376】
(表3)B細胞リンパ腫細胞株
【0377】
図15は、bsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×010-H5L2-K409R-E430Gが、様々なB細胞リンパ腫タイプに由来する広い範囲のB細胞リンパ腫細胞株においてCDCを誘導したことを示している。
【0378】
実施例11:Fc-Fc相互作用増強変異を有する二重特異性CD37抗体は、抗体依存性細胞傷害作用(ADCC)の誘導においてより強力である
標的細胞の標識
ADCCを誘導するCD37抗体の能力をクロムリリースアッセイによって測定した。培地(鉄を含む10%ドナーウシ血清(DBSI;ThermoFischer、Cat # 10371029)およびペニシリンストレプトマイシン混合物(pen/strep)で補足されたRPMI 1640に100μCiの51Cr(Chromium-51;PerkinElmer、Cat # NEZ030005MC)を加えたもの)1mL中にDaudiまたはRaji細胞を捕集した(5×106個/mL)。細胞を、37℃の水浴中、振とうしながら1時間インキュベートした。細胞の洗浄(PBS中で二回、1500rpm、5分)後、細胞をRPMI 1640/10% DBSI/pen/strepに再懸濁させ、トリパンブルー色素排除試験法によって計数した。細胞を1×105個/mLの密度まで希釈した。
【0379】
エフェクター細胞の調製
健康ボランティア由来の末梢血単核細胞(Sanquin、Amsterdam, The Netherlands)を、抜き取ったばかりのヘパリン血(軟膜)45mLから、Ficoll密度勾配遠心法(Bio Whittaker;リンパ球分離媒体、cat 17-829E)により、製造元の指示にしたがって単離した。細胞をRPMI 1640/10% DBSI/pen/strepに再懸濁させた後、トリパンブルー色素排除試験法によって計数し、1×107個/mLの密度まで希釈した。
【0380】
ADCCアッセイ手順
51Cr標識標的細胞50μLを96ウェル丸底マイクロタイタプレート(Greiner Bio-One;Cat # 650101)の中にピペット移送し、RPMI 1640/10% DBSI/pen/strep中に希釈したCD37またはコントロール抗体の濃度系列(3倍希釈物中1.5~5,000ng/mL最終濃度)50μLを加えた。細胞を室温(RT)で15分間インキュベートし、エフェクター細胞50μLを加えて、100:1のエフェクター:標的比を生じさせた。細胞を37℃および5%C02で4時間インキュベートした。最大溶解の測定のために、51Cr標識Daudi細胞50μL(5.000個)を5% Triton-X100 100μLとともにインキュベートし;自然発生的溶解(バックグラウンド溶解)の測定のために、51Cr標識Daudi細胞5,000個を、培地150μL中、任意の抗体またはエフェクター細胞なしでインキュベートした。Daudi細胞5,000個をPBMC500,000個とともに抗体なしでインキュベートすることにより、抗体非依存性細胞溶解のレベルを測定した。プレートを遠心処理し(1200rpm、10分)、上清25μLを、96ウェルプレート中のMicroscint-40溶液(Packard, Cat # 6013641)100μLに移した。プレートを密封し、800rpmで15分間振とうし、放出された51Crをシンチレーションカウンタ(TopCount(登録商標)、PerkinElmer)によって計数した。特異的溶解率(%)を以下のように計算した:
特異的溶解率(%)=(試料のcpm-自然発生的溶解のcpm)/(最大溶解のcpm-自然発生的溶解のcpm)(式中、cpmは毎分計数値である)。
【0381】
図16Aは、bsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×005-H1L2-K409R-E430Gが、Daudi細胞におけるADCC誘導において、IgG1-005-H1L2-K409R-E430GまたはIgG1-016-H5L2-F409L-E430GいずれかまたはIgG1-005-H1L2-K409R-E430G+IgG1-016-H5L2-F405L-E430Gの組み合わせよりも強力であったことを示している。
【0382】
図16Bは、bsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×010-H5L2-K409R-E430Gが、Daudi細胞におけるADCC誘導において、IgG1-010-H5L2-E430GまたはIgG1-016-H5L2-E430GいずれかまたはIgG1-010-H5L2-E430G+IgG1-016-H5L2-E430Gの組み合わせよりも強力であったことを示している。
【0383】
図16Cは、異なるドナーに由来するPBMCに関して図16Bと類似の結果を示し、加えて、bsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×010-H5L2-K409R-E430Gが、Raji細胞におけるADCC誘導において、一価結合抗体bsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×b12-K409R-E430GおよびbsIgG1-b12-F405L-E430G×010-H5L2-K409R-E430Gよりも強力であったことを示している。
【0384】
実施例12:Fc-Fc相互作用増強変異を有する二重特異性CD37抗体は、様々なB細胞悪性腫瘍を有する患者に由来する初代腫瘍細胞において強力なエクスビボCDCを誘導する
5つの異なるB細胞悪性腫瘍:慢性リンパ球性白血病(CLL)、ろ胞性リンパ腫(FL)、びまん性大B細胞リンパ腫(DLBCL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、および非ホジキンリンパ腫(さらなる特定はされていない)からの患者由来初代腫瘍細胞を使用して、bsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L×010-H5L2-K409R-E430GのCDC効力を分析した。ヘルシンキ宣言にしたがって、VUmc医学倫理委員会によって認められたプロトコルを使用して、書面でのインフォームドコンセントの後、すべての患者試料を得、貯蔵した。密度勾配遠心法(Ficoll-Paque PLUS、GE Healthcare)により、患者の骨髄穿刺液または末梢血試料から患者骨髄単核細胞(BMNC)または末梢血単核細胞(PBMC)を単離した。細胞は、ただちに使用したか、さらなる使用まで液体窒素中に貯蔵した。
【0385】
患者リンパ節組織を小さな断片へと切り分け、1%ペニシリンストレプトマイシン、0.2%ヘパリンおよび5%血小板溶解物を含むα-MEM培地(ThermoFischer Scientific、Waltham, MA)中に捕集し、37℃で一晩放置した。インキュべーション後、上清(腫瘍細胞を含む非間質細胞区画)を捕集し、70μM Easy Strainer(Greiner Bio-one)を使用して細胞をろ過した。細胞を計数し、25%熱不活性化FBSおよび10%DMSOを含むRPMI1640培地に再懸濁させ、さらなる使用まで液体窒素中に冷凍した。
【0386】
QifiKit(DAKO、cat. no. K007811)を使用して、単離された患者細胞上のCD37および膜補体調節タンパク質(mCRP;CD46、CD55およびCD59)発現レベルを測定した。細胞を、精製された抗体CD37(BD、cat. no. 555456)、CD46(BioLegend、cat. no. 352404)、CD55(BioLegend、cat. no. 311302)、CD59(BioLegend、cat. no. 304702)およびb12(Genmab)とともに4℃で30分間インキュベートした。この後、QifiKit製造元によって提供される方法を使用した。Qifiキット手順の最終工程の後、細胞をリンパ腫細胞特異的マーカーとともにインキュベートして、腫瘍細胞同定を可能にした。図17は、適応症ごとの発現レベルを示している。
【0387】
患者由来の腫瘍細胞を10μg/mLまたは100μg/mLのbsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L×010-H5L2-K409R-E430Gでオプソニン化し、20%のプールされたNHSの存在下で、CDC誘導を評価した。異なる細胞集団を同定するために以下の細胞マーカーを使用した:CD45-KO(Beckman Coulter B36294)、CD19-PC7(Beckman Coulter、cat. no. IM3628)、CD3-V450(BD、cat. no. 560365)、CD5-APC(BD、cat. no. 345783)、CD5-PE(DAKO、cat. no. R084201)、CD10-APC-H7(BD、cat. no. 655404)、CD10-PE(DAKO、cat. no. R084201)、CD23-FITC(Biolegend、cat. no. 338505)、ラムダ-APC-H7(BD、cat. no. 656648)、カッパ-PE(DAKO、cat. no. R043601)およびラムダ-FITC(Emelca Bioscience CYT-LAMBF)。CD45+細胞集団内で、適応症に依存する異なるマーカーによって悪性B細胞を決定した:CD3-/CD19+/CD5+(CLL)、CD3-/CD19+/CD10+(FL、DLBCL)、CD3-/CD19+/CD5+/CD23-(MCL)。これらのマーカーに基づいて悪性B細胞を同定することができなかった場合、悪性腫瘍細胞は、カッパ/ラムダ染色を使用してクローン性に基づいて同定した。また、いくつかの試料において、悪性B細胞は、クローン性に基づいて同定することができなかった。そのような場合、正常B細胞と悪性B細胞との区別なく全B細胞集団を評価した。LSRFortessaフローサイトメータ(BD Biosciences、San Jose, CA)によって測定される7-アミノアクチノマイシンD(7-AAD;BD、cat. no. 555816)陽性悪性B細胞の分画(%)として死滅を計算した。
【0388】
図18は、bsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L×010-H5L2-K409R-E430Gが、CLL、FL、MCL、DLBCLまたはB-NHL(これ以上は特定せず)患者由来の腫瘍細胞におけるCDC誘導において非常に強力(50%超の溶解)であったことを示している。再発性/難治性FLの患者1名に由来する細胞において、bsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L×010-H5L2-K409R-E430Gは、CDCを誘導する能力が低かった。
【0389】
実施例13:全血中のヒトまたはカニクイザルB細胞への、Fc-Fc相互作用増強変異を有する二重特異性CD37抗体の結合および全血中のB細胞における細胞傷害作用の誘導
ヒトまたはカニクイザルB細胞への結合
全血結合アッセイにおいてヒトまたはカニクイザルB細胞への結合を測定した。健康ボランティア由来のヘパリン処理したヒト血液をUMC Utrecht(Utrecht, The Netherlands)から得、カニクイザル由来のヒルジン処理血液をCovance(Munster, Germany)から得た。血液を96ウェル丸底プレート(Greiner Bio-one、cat. no. 65010)のウェルに分取した(35μL/ウェル)。RBC溶解バッファ(10mM KHC03[Sigma P9144]、0.1mM EDTA[Fluka 03620]および0.15mM NH4CL[Sigma A5666])100μLの添加によって赤血球(RBC)を溶解させ、RBC溶解が完了するまで氷上でインキュベートした。300×Gで3分間の遠心処理の後、細胞を、Alexa-488標識bsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×010-H5L2-K409R-E430GまたはAlexa-488標識コントロールIgG1(IgG1-b12)および直接標識抗体の段階希釈物(3×段階希釈物中0.014~30μg/mL最終抗体濃度)とともに4℃で30分間インキュベートしてB細胞を同定した(血液細胞サブセットをさらに同定するために、抗体の混合物の中で)。
【0390】
ヒト血液B細胞の場合、以下の抗体を使用した。
【0391】
カニクイザル血液B細胞の場合、以下の抗体を使用した。
【0392】
細胞をペレット化し、FACSバッファ150μL中で二回洗浄し、TO-PRO-3(最終濃度0.2μM;Molecular Probes、cat no. T3605)150μLに再懸濁させた。LSRFortessaフローサイトメータを使用するフローサイトメトリーによって試料を計測した。結合は、生存TO-PRO-3-/CD14-/CD19+B細胞(ヒト)または生存TO-PRO-3-/CD14-/CD19+/CD20+B細胞(カニクイザル)の場合のA488蛍光強度の幾何平均として表す。GraphPad PRISM中、非線形用量反応フィットのベストフィット値を使用して対数変換データを解析した。
【0393】
図19は、1つの代表的なドナー/動物としての(A)ヒトおよび(B)カニクイザルの血液中のB細胞へのbsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×010-H5L2-K409R-E430Gの濃度依存的な結合を示している。ヒトおよびカニクイザルB細胞への結合の平均EC50値は同じ範囲内であり(それぞれ[6名のヒトドナー由来の血液中のB細胞への結合に基づいて0.85μg/mL±0.284]および[4匹のカニクイザル由来の血液中のB細胞への結合に基づいて0.63μg/mL±0.228])、bsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×010-H5L2-K409R-E430GがヒトおよびカニクイザルCD37への同等な結合を示すことを示した。
【0394】
ヒトまたはカニクイザルB細胞への細胞傷害作用
全血細胞傷害アッセイにおいてヒトまたはカニクイザルB細胞に対する細胞傷害作用を測定した。健康ボランティア由来のヒルジン処理されたヒト血液をUMC Utrecht(Utrecht, The Netherlands)から得、カニクイザル由来のヒルジン処理血液をCovance(Munster, Germany)から得た。血液を96ウェル丸底プレートのウェルに35μL/ウェルで分取した。
【0395】
bsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×010-H5L2-K409R-E430GまたはIgG1-b12の段階希釈物(3×段階希釈物中0.0005~10μg/mL最終抗体濃度;最終量100μL/ウェル)を加えた。ヒト全血を使用する細胞傷害アッセイにおいては、モノクローナルFcγR相互作用増強CD37特異的抗体IgG1-G28.1-S239D-I332Eを参照として含めた。試料を37℃で4時間インキュベートした。その後、上記のように赤血球を溶解させ、上記のように試料を染色してB細胞を同定した。細胞をペレット化し、FACSバッファ150μL中で二回洗浄し、TO-PRO-3(最終濃度0.2μM;Molecular Probes、cat no. T3605)150μLに再懸濁させた。LSRFortessaフローサイトメータを使用するフローサイトメトリーによって試料を計測した。ダブレットの排除後、生存TO-PRO-3-/CD14-/CD19+B細胞(ヒト)または生存TO-PRO-3-/CD14-/CD19+/CD20+B細胞(カニクイザル)の割合を測定した。B細胞枯渇率(%)を以下のように計算した:B細胞枯渇率(%)=100×[(AbなしコントロールのB細胞% - 試料のB細胞%)/(AbなしコントロールのB細胞%)]。GraphPad PRISM中、非線形用量反応フィットのベストフィット値を使用して対数変換データを解析した。
【0396】
図20は、1つの代表的なドナー/動物としての(A)ヒトおよび(B)カニクイザルの血液中のB細胞に対するbsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×010-H5L2-K409R-E430Gの濃度依存性細胞傷害作用を示している。
【0397】
EC50に基づくと、細胞傷害作用を誘導するbsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×010-H5L2-K409R-E430Gの能力は、ヒトB細胞とカニクイザルB細胞とで同等であった。ヒトB細胞(6名のドナー由来の血液中)に対する細胞傷害作用の平均EC50は0.077μg/mL±0.039であり;カニクイザルB細胞(4匹からの血液中)に対する細胞傷害作用の平均EC50は0.043μg/mL±0.019であった。
【0398】
図20Aはまた、bsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×010-H5L2-K409R-E430Gよりも低い細胞傷害作用を示した、代表的な応答ドナーの場合のヒトB細胞に対するFcγR相互作用増強モノクローナルCD37抗体IgG1-G28.1-S239D-I332Eの細胞傷害作用を示している。3名の応答ドナー由来のB細胞においては、IgG1-G28.1-S239D-I332Eによる50%の最大B細胞枯渇が計測されたが、他3名のドナー由来のB細胞においては、この抗体によるB細胞に対する細胞傷害作用は計測されなかった。bsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×010-H5L2-K409R-E430Gは、6/6ドナー中のB細胞の93~99%において細胞傷害作用を誘導した。Daudi細胞上に発現したCD37へのIgG1-G28.1-S239D-I332Eの結合はbsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×010-H5L2-K409R-E430Gの結合と同等であった(データは示さず)。
【0399】
実施例14:Fc-Fc相互作用増強変異を有する二重特異性CD37抗体とCD20特異的抗体との組み合わせによる強力なCDC活性
bsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×010-H5L2-K409R-E430Gと抗CD20抗体(IgG1-CD20-ofa;オファツムマブ)との組み合わせに関し、ConversantBio(Huntsville, Alabama, USA)から得られた患者由来CLL腫瘍細胞においてCDCを誘導する能力を試験した。患者由来のPBMCを、0.2% BSA(ウシ血清アルブミン)含有RPMIに再懸濁させ、ポリスチレン96ウェル丸底プレート(Greiner bio-one Cat # 650101)中に0.1×106個/ウェル(30μL/ウェル)の密度で播種し、bsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×010-H5L2-K409R-E430G(0.0625~0.05μg/mL)およびIgG1-CD20-ofa(1~8μg/mL)の濃度系列50μLを2倍希釈で加えた。bsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×010-H5L2-K409R-E430GとIgG1-CD20-ofaとを、各抗体の相対効力(EC50の差)に基づく抗体濃度で、平均すると別々に同じ効果に達するであろう2つの濃度を混合することにより、合わせた。IgG1-b12をネガティブコントロールとして使用した。
【0400】
インキュベーション(振とうしながら室温で15分)後、プールされた正常ヒト血清(NHS Cat # M0008 Sanquin、Amsterdam, The Netherlands)20μLを補体ソースとして各ウェルに加え、プレートを37℃で45分間インキュベートした。プレートを氷で冷やすことにより、反応を停止させた。300×gで3分間遠心処理した後、細胞をFACSバッファ150μLで二回洗浄し、R-フィコエリスリン(PE)標識マウス抗ヒトIgG1-CD19抗体(クローンJ3-119、Beckman Coulter、cat no. A07769、原液から1:50希釈)とともに4℃で30分間インキュベートして、死細胞の同定のために腫瘍B細胞およびTO-PRO-3(最終濃度0.2μM;Molecular Probes、cat no. T3605)を測定した。細胞をペレット化し、FACSバッファ150μL中で二回洗浄し、LSRFortessaフローサイトメータを使用するフローサイトメトリーによって計測した。生存細胞の割合を以下のように計算した:生存細胞(%)=100×(TO-PRO-3陰性イベント数)/(全イベント数)。
【0401】
図21A~Dは、bsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×010-H5L2-K409R-E430Gおよびオファツムマブの両方が2名のCLL患者由来の腫瘍細胞においてCDCを誘導し、用量レベルの増加とともにCDC活性が増強されることを示している。bsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×010-H5L2-K409R-E430Gをオファツムマブと合わせると、試験したすべての濃度で、試験した両CLL患者においてCDC活性の増強が得られたが、これらの効果は、単独の作用物質によってほぼ完全な細胞死が誘導される高めの抗体濃度ではそれほど顕著ではなかった(図21AおよびB)。これらの結果は、bsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×010-H5L2-K409R-E430Gへのオファツムマブの添加が、CLL患者から得られた悪性B細胞においてCDC媒介腫瘍細胞死を改善することができることを示している。
【0402】
実施例15:B細胞悪性腫瘍の異種移植モデルにおけるFc-Fc相互作用増強変異を有する二重特異性CD37抗体の抗腫瘍活性
皮下JVM-3ヒト慢性B細胞白血病異種移植モデルにおける抗腫瘍活性
JVM-3細胞(1×107個)をCB17.SCIDマウスの右脇腹に接種し、腫瘍が約158mm3の平均体積に達したところで抗体処置(0.1、0.3、1、3、または10mg/kgの用量の週1回静脈内注射を三回;IgG1-b12をネガティブコントロールとして使用し、10mg/kgで投与)を開始した。週二回、ノギスを使用して腫瘍体積を二次元計測し、式:V=(L×W×W)/2を使用して体積をmm3単位で表した(式中、Vは腫瘍体積であり、Lは腫瘍長さ(最長腫瘍寸法)であり、Wは腫瘍幅(Lに対して垂直な最長腫瘍寸法)である)。
【0403】
図22Aは、投与グループごとの腫瘍体積を時間とともに示し、図22Bは、すべてのグループがまだ1匹も欠けていなかった25日目での投与グループごとのマウス1匹あたりの腫瘍体積を示している。1、3、または10mg/kgでのbsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×010-H5L2-K409R-E430Gの週1回投与を三回行ったところ、JVM-3細胞腫瘍成長が有意に減少したが、0.1または0.3mg/kgでの投与は腫瘍成長に影響しなかった(マン・ホイットニー検定、p<0.01)。
【0404】
静脈内Daudi-lucバーキットリンパ腫異種移植モデルにおける抗腫瘍活性
0日目、SCIDマウス(C.B-17/IcrHan(登録商標)Hsd-Prkdcscid;Harlan)に対し、Daudi-luc(ルシフェラーゼトラスフェクトDaudi細胞、2.5×106個/マウス)を静脈内注射した。14、21および28日目、マウスに対し、bsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×010-H5L2-K409R-E430Gを0.1、0.3、1、3または10mg/kgで腹腔内注射した。IgG1-b12をネガティブコントロール抗体として使用し、10mg/kgで投与した。毎週(2日目から開始)、バイオルミネセンスイメージング(BLI)によって腫瘍成長を評価した。マウスに対し、ホタルD-ルシフェリン(30mg/mL;Caliper LifeSciences、cat. no. 119222)100μLを腹腔内注射し、イソフルラン麻酔下でBiospace Bioluminescence Imaging System(PerkinElmer;マウスを背側から撮影)を使用してバイオルミネセンス(p/s/cm2/sr[光子数/秒/cm2/平方ラジアン]単位の放射輝度)を計測した。
【0405】
図23Aは、投与グループごとのルシフェラーゼ活性(バイオルミネセンス、腫瘍体積の尺度として)を時間とともに示す。図23Bは、すべてのグループがまだ1匹も欠けていなかった36日目での投与グループごとのマウス1匹あたりのルシフェラーゼ活性を示している。0.1、0.3、1、3、または10mg/kgでのbsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×010-H5L2-K409R-E430Gの週1回投与を三回行ったところ、Daudi-luc細胞のインビボ成長が有意に減少した(一元配置分散分析、補正なしのフィッシャーのLSD)。
【0406】
実施例16:SCIDマウスにおけるFc-Fc相互作用増強変異を有する二重特異性CD37抗体の血漿クリアランスの評価
11~12週齢の雌SCIDマウス(C.B-17/IcrHan(登録商標)Hsd-Prkdcscid;Harlan)(1グループ3匹)に対し、100μg(5mg/kg)または500μg(25mg/kg)のbsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×010-H5L2-K409R-E430GまたはIgG1-b12を1回、静脈内(i.v.)注射した。bsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×010-H5L2-K409R-E430GおよびIgG1-b12のいずれもマウスと交差反応性を示さないため、この実験は、標的媒介クリアランスが無い場合の抗体クリアランスを研究するように設定された。
【0407】
抗体投与から10分、4時間、24時間、2日、7または8日、14日および21日後、血液試料50~100μLを伏在静脈から捕集した。血液をヘパリン含有バイアル中に捕集し、10,000gで5分間遠心処理した。血漿試料を、5mg/kgを投与されたマウスの場合には1:50に希釈し(PBSA(0.2%ウシ血清アルブミン(BSA)で補足されたPBS)980μL中試料20μL)、25mg/kgを投与されたマウスの場合には1:20に希釈し(PBSA380μL中試料20μL)、mAb濃度の測定まで-20℃で貯蔵した。
【0408】
サンドイッチELISAを使用してヒトIgG濃度を測定した。96ウェルMicrolon ELISAプレート(Greiner、Germany)に100μLを4℃で一晩コートしたマウスmAb抗ヒトIgGカッパクローンMH16(CLB Sanquin、The Netherlands;cat. no. M 1268)を2μg/mLの濃度で捕獲抗体として使用した。プレートをPBSAで室温(RT)で1時間遮断した後、試料を加え、PBSA中に段階希釈し、プレートシェーカ上、RTで1時間インキュベートした。プレートをPBST(0.05%Tween 20で補足されたPBS)300μLで三回洗浄し、その後、ヤギ抗ヒトIgG免疫グロブリン(Jackson、West Grace, PA;cat. no. 109-035-098;0.2% BSAで補足されたPBST中1:10.000)とともにRTで1時間インキュベートした。プレートを再びPBST300μLで三回洗浄した後、光防護状態で2,2'-アジノ-ビス(3-エチルベンズチアゾリン-6-スルホン酸)(ABTS;Roche、Mannheim, Germany)とともにインキュベートした。2%シュウ酸100μLを加えることにより、反応を停止させた。マイクロプレートリーダ(Biotek、Winooski, VT)中、405nmで吸光度を計測した。注射した物質を参照カーブとして使用することにより、ヒトIgG濃度を計算した。プレートコントロールとして、精製ヒトIgG1(The binding site、cat. no. BP078)を含めた。ヒトIgG濃度(μg/mL単位)をプロットし(図24AおよびC)、Graphpad prism 6.0を使用してAUC(曲線下面積)を計算した。式D*1.000/AUC(式中、Dは注入量(1mg/kg)である)により、血液試料採取の最終日(21日目)までのIgGクリアランスを測定した(図24BおよびD)。
【0409】
bsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×010-H5L2-K409R-E430GとIgG1-b12との間で血漿クリアランス速度の実質的な差はなく、bsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×010-H5L2-K409R-E430Gが標的結合の非存在下において野生型ヒトIgG1と同等な薬物動態プロフィールを示すことを実証した。
【0410】
実施例17:アラニンスキャニングを使用するCD37抗体の結合に対するCD37アミノ酸残基の貢献度の測定
ライブラリーデザイン
すでにアラニンまたはシステインを含む位置を除き、ヒトCD37(Uniprot P11049)の細胞外ドメイン中のすべてのアミノ酸(aa)残基を個々にアラニンに変異させたCD37単一残基アラニンライブラリーを合成した(Geneart)。システインは、抗原の構造崩壊を可能性を最小限にするために、変異させなかった。ライブラリーを、CMV/TK-ポリA発現カセット、Amp耐性遺伝子およびpBR322複製起点を含むpMAC発現ベクター中にクローニングした。
【0411】
ライブラリー作製およびスクリーニング
製造元(Thermo Scientific)の指示にしたがって、野生型CD37およびアラニン変異体をFreestyle HEK293細胞中に個々に発現させた。トランスフェクションから1日目後、細胞を収穫した。約100,000個の細胞を、Alexa488コンジュゲートbsIgG1-b12-F405L-E430G×010-H5L2-K409R-E430G(一価結合010)またはAlexa488コンジュゲートbsIgG1-016-H5L2-LC90S-F405L-E430G×b12-K409R-E430G(一価結合016)20μLとともに、FACSバッファ(PBS+0.1%(w/v)ウシ血清アルブミン(BSA)+0.02%(w/v)アジ化ナトリウム)中、3μg/mLの濃度でインキュベートした。細胞を室温で1時間インキュベートした。その後、FACSバッファ150μLを加え、遠心処理後に上清を除去することにより、細胞を二回洗浄した。細胞を新鮮なFACSバッファ20μLに再懸濁させ、iQueスクリーナ(IntelliCyt)を使用するフローサイトメトリーによる分析まで4℃で貯蔵した。実験全体を二回実施した。
【0412】
データ解析
試料ごとに、細胞1個あたりの平均抗体結合を、ゲーティングされない細胞集団の蛍光強度の幾何平均(gMFI)として測定した。gMFIは、CD37変異体に対する抗体の親和性および細胞1個あたりのCD37変異体の発現レベルによって影響される。特定のアラニン変異が変異型CD37の表面発現レベルに影響することができるため、また、概してCD37変異体ごとの発現差を補正するためにも、非競合CD37特異的コントロール抗体(この例においては、一価結合抗体010および一価結合抗体016は非競合抗体であり、一方の抗体を他方の抗体のコントロールとして使用した)の結合強度に対してデータを正規化した。以下の式を使用した:
式中、「aa位置」とは、CD37または野生型(wt)CD37中の特定のアラニン変異位置を指す。
【0413】
抗体結合性の喪失または獲得を表すために、以下の計算にしたがって標準スコアを決定した:
式中、μおよびσは、すべての変異体の正規化gMFIの平均値および標準偏差(SD)である。
【0414】
多くの場合の結合性の獲得は、特定のala変異体に対する参照抗体の結合性の喪失によって生じる。これらの計算を使用すると、アミノ酸をアラニンで置換した場合の特定の抗体による結合性の喪失または獲得がないアミノ酸位置はzスコア「0」を出し、結合性の獲得は「zスコア>0」を出し、結合性の喪失は「zスコア<0」を出す。試料間のばらつきを補正するために、zスコアが-1.5未満であったCD37アミノ酸残基だけを「結合性喪失変異体」と考慮した。特定のCD37変異体のコントロール抗体のgMFIが平均gMFIコントロールAbの平均gMFI-2.5×SD未満であった場合、データを解析から除外した(そのようなCD37変異体に関しては、発現レベルが不十分であるとみなした)。
【0415】
図25は、位置42~131(SEQ ID NO: 94に準ずる)にala変異を有するCD37バリアントに対するCD37抗体の「zスコア(倍率変化)」を示している。結果は以下を示す:
・抗体010の結合は少なくともヒトCD37のaa Y182、D189、T191、I192、D194、K195、V196、I197、およびP199に依存し、
・抗体016の結合は少なくともヒトCD37のaa E124、F162、Q163、V164、L165、およびH175に依存する。
【0416】
要約
要約すると、Fc-Fc相互作用増強変異を有する、標的への結合に関して競合しない2つのCD37特異的抗体で構成された二重特異性抗体は、CD37陽性腫瘍細胞においてCDC効力とADCC効力とのもっとも好ましい組み合わせを示した。両方のエフェクター機序に関して、Fc-Fc相互作用増強変異を有する二重特異性抗体は、Fc-Fc相互作用増強変異を含む2つの非競合性CD37抗体の組み合わせまたはFc-Fc相互作用増強変異を有する単独のCD37抗体と比べて優れた効力を示した。
【0417】
実施例18:Raji細胞に対する、新規な六量体化増強CD37抗体と臨床的に確立されたCD20抗体製品との混合物のCDC活性のインビトロ評価
Fc-Fc相互作用増強変異を有するCD37抗体IgG1-37.3-E430G、IgG1-G28.1-E430G、IgG1-004-E430G、IgG1-005-E430G、IgG1-010-E430GおよびIgG1-016-E430G(後者4つはキメラウサギ/ヒト抗体である)+臨床的に確立されたCD20ターゲティングモノクローナル抗体製品MabThera(リツキシマブ;Roche、H0124B08)、Arzerra(オファツムマブ;Novartis;C656294)およびGazyva(オビヌツズマブ、GA101;Roche、D287-41A GACD20)の混合物のCDC活性を、バーキットリンパ腫Raji細胞を使用してインビトロで試験した。Raji細胞(ATCC、Cat No. CCL-86)を、10%熱不活性化FBS、1U/mLペニシリン、1μg/mLストレプトマイシンおよび4mM L-グルタミンで補足されたRPMI 1640中で培養した。0.1×106個のRaji細胞を、抗体とともに、1ウェルあたり合計量80μLのRPMI/0.2% BSA中、シェーカ上、室温で15分間プレインキュベートした。次に、プレインキュベートした細胞にNHSを最終量100μLまで加え(最終抗体濃度10μg/mL;20% NHS)、37℃で45分間インキュベートした。試験したすべての全抗体濃度に関し、混合物中の2つの抗体の異なる比率(1:0-3:1-1:1-1:3-0:1)を試験した。プレートを遠心処理し、細胞をPI30μLに再懸濁させた(2μg/mL)。iQueスクリーナ(IntelliCyt)上でのフローサイトメトリーによって測定されるPI陽性細胞の分画(%)として死滅を計算した。GraphPad Prismソフトを使用してデータを解析し、プロットした。
【0418】
Fc-Fc相互作用増強変異を有する試験したCD37抗体と臨床的に確立されたCD20抗体製品との混合物は、Raji細胞に対し、同じ濃度の単独の抗体と比べて増強された用量依存性CDC活性を示した(図8)。混合物中の2つの抗体の異なる試験比(1:3、1:1または3:1)で、CDC活性の差はほとんどなかった。これらのデータは、Fc-Fc相互作用増強変異を有する六量体化増強されたCD37抗体+臨床的に確立されたCD20抗体製品、例えばMabThera、Arzerra(I型CD20抗体)またはGazyva(II型CD20抗体)の混合物が、単独の標準的なCD20ターゲティング処置に対しては難治性になることが多いB細胞悪性腫瘍の患者のための治療能力を改善し得ることを示している。
【0419】
配列情報
SEQUENCE LISTING
<110> Genmab Holding B.V.
<120> BISPECIFIC ANTI-CD37 ANTIBODIES, MONOCLONAL ANTI-CD37 ANTIBODIES
AND METHODS OF USE THEREOF
<150> US 62/479,712
<151> 2017-03-31
<150> PCT/EP2018/057836
<151> 2018-03-27
<160> 117
<170> PatentIn version 3.5

<210> 1
<211> 121
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> N/A
<400> 1
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Ser Ile Ile Tyr Ser Ser Val Gly Ala Tyr Tyr Ala Ser Trp Ala Lys
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Leu Ile Tyr Glu Ala Ser Lys Leu Ala Ser Gly Val Pro Ser Arg Phe
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Leu Tyr Ser Lys Leu Thr Val Asp Lys Ser Arg Trp Gln Gln Gly Asn
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325

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<223> N/A
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Gln Pro Arg Arg Pro Gln Val Tyr Thr Leu Pro Pro Ser Arg Glu Glu
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Met Thr Lys Asn Gln Val Ser Leu Thr Cys Leu Val Lys Gly Phe Tyr
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Leu Tyr Ser Lys Leu Thr Val Asp Lys Ser Arg Trp Gln Gln Gly Asn
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Gln Lys Ser Leu Ser Leu Ser Pro Gly Lys
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<223> N/A
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100 105 110
Pro Ala Pro Glu Leu Leu Gly Gly Pro Ser Val Phe Leu Phe Pro Pro
115 120 125
Lys Pro Lys Asp Thr Leu Met Ile Ser Arg Thr Pro Glu Val Thr Cys
130 135 140
Val Val Val Asp Val Ser His Glu Asp Pro Glu Val Lys Phe Asn Trp
145 150 155 160
Tyr Val Asp Gly Val Glu Val His Asn Ala Lys Thr Lys Pro Arg Glu
165 170 175
Glu Gln Tyr Asn Ser Thr Tyr Arg Val Val Ser Val Leu Thr Val Leu
180 185 190
His Gln Asp Trp Leu Asn Gly Lys Glu Tyr Lys Cys Lys Val Ser Asn
195 200 205
Lys Ala Leu Pro Ala Pro Ile Glu Lys Thr Ile Ser Lys Ala Lys Gly
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Gln Pro Arg Glu Pro Gln Val Tyr Thr Leu Pro Pro Ser Arg Glu Glu
225 230 235 240
Met Thr Lys Asn Gln Val Ser Leu Thr Cys Leu Val Lys Gly Phe Tyr
245 250 255
Pro Ser Asp Ile Ala Val Glu Trp Glu Ser Asn Gly Gln Pro Glu Asn
260 265 270
Asn Tyr Lys Thr Thr Pro Pro Val Leu Asp Ser Asp Gly Ser Phe Phe
275 280 285
Leu Tyr Ser Arg Leu Thr Val Asp Lys Ser Arg Trp Gln Gln Gly Asn
290 295 300
Val Phe Ser Cys Ser Val Met His Gly Ala Leu His Asn His Tyr Thr
305 310 315 320
Gln Lys Ser Leu Ser Leu Ser Pro Gly Lys
325 330

<210> 61
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<212> PRT
<213> Homo Sapiens
<400> 61
Arg Thr Val Ala Ala Pro Ser Val Phe Ile Phe Pro Pro Ser Asp Glu
1 5 10 15
Gln Leu Lys Ser Gly Thr Ala Ser Val Val Cys Leu Leu Asn Asn Phe
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Ser Gly Asn Ser Gln Glu Ser Val Thr Glu Gln Asp Ser Lys Asp Ser
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Thr Tyr Ser Leu Ser Ser Thr Leu Thr Leu Ser Lys Ala Asp Tyr Glu
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Lys His Lys Val Tyr Ala Cys Glu Val Thr His Gln Gly Leu Ser Ser
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Pro Val Thr Lys Ser Phe Asn Arg Gly Glu Cys
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<212> PRT
<213> Homo Sapiens
<400> 62
Met Ser Ala Gln Glu Ser Cys Leu Ser Leu Ile Lys Tyr Phe Leu Phe
1 5 10 15
Val Phe Asn Leu Phe Phe Phe Val Leu Gly Ser Leu Ile Phe Cys Phe
20 25 30
Gly Ile Trp Ile Leu Ile Asp Lys Thr Ser Phe Val Ser Phe Val Gly
35 40 45
Leu Ala Phe Val Pro Leu Gln Ile Trp Ser Lys Val Leu Ala Ile Ser
50 55 60
Gly Ile Phe Thr Met Gly Ile Ala Leu Leu Gly Cys Val Gly Ala Leu
65 70 75 80
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100 105 110
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Leu Asp Lys Val Ile Leu Pro Gln Leu Ser Arg Leu Gly His Leu Ala
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Arg Ser Arg His Ser Ala Asp Ile Cys Ala Val Pro Ala Glu Ser His
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Ile Tyr Arg Glu Gly Cys Ala Gln Gly Leu Gln Lys Trp Leu His Asn
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Asn Leu Ile Ser Ile Val Gly Ile Cys Leu Gly Val Gly Leu Leu Glu
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Val Tyr Asn Arg Leu Ala Arg Tyr Arg
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<212> PRT
<213> Macaca fascicularis
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<223> N/A
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<223> N/A
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Gly Ser Phe Phe Leu Tyr Ser Lys Leu Thr Val Asp Lys Ser Arg Trp
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Gln Gln Gly Asn Val Phe Ser Cys Ser Val Met His Glu Ala Leu His
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His His His His His His
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<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> N/A
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Tyr Val Asp Gly Val Glu Val His Asn Ala Lys Thr Lys Pro Arg Glu
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Glu Gln Tyr Asn Ser Thr Tyr Arg Val Val Ser Val Leu Thr Val Leu
180 185 190
His Gln Asp Trp Leu Asn Gly Lys Glu Tyr Lys Cys Lys Val Ser Asn
195 200 205
Lys Ala Leu Pro Ala Pro Ile Glu Lys Thr Ile Ser Lys Ala Lys Gly
210 215 220
Gln Pro Arg Arg Pro Gln Val Tyr Thr Leu Pro Pro Ser Arg Glu Glu
225 230 235 240
Met Thr Lys Asn Gln Val Ser Leu Thr Cys Leu Val Lys Gly Phe Tyr
245 250 255
Pro Ser Asp Ile Ala Val Glu Trp Glu Ser Asn Gly Gln Pro Glu Asn
260 265 270
Asn Tyr Lys Thr Thr Pro Pro Val Leu Asp Ser Asp Gly Ser Phe Leu
275 280 285
Leu Tyr Ser Lys Leu Thr Val Asp Lys Ser Arg Trp Gln Gln Gly Asn
290 295 300
Val Phe Ser Cys Ser Val Met His Glu Ala Leu His Asn His Tyr Thr
305 310 315 320
Gln Lys Ser Leu Ser Leu Ser Pro Gly Lys
325 330

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<213> Artificial Sequence
<220>
<223> N/A
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Ala Ser Thr Lys Gly Pro Ser Val Phe Pro Leu Ala Pro Ser Ser Lys
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Ser Thr Ser Gly Gly Thr Ala Ala Leu Gly Cys Leu Val Lys Asp Tyr
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Phe Pro Glu Pro Val Thr Val Ser Trp Asn Ser Gly Ala Leu Thr Ser
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<223> N/A
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<223> N/A
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Lys Pro Lys Asp Thr Leu Met Ile Ser Arg Thr Pro Glu Val Thr Cys
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Val Val Val Asp Val Ser His Glu Asp Pro Glu Val Lys Phe Asn Trp
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Tyr Val Asp Gly Val Glu Val His Asn Ala Lys Thr Lys Pro Arg Glu
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Glu Gln Tyr Asn Ser Thr Tyr Arg Val Val Ser Val Leu Thr Val Leu
180 185 190
His Gln Asp Trp Leu Asn Gly Lys Glu Tyr Lys Cys Lys Val Ser Asn
195 200 205
Lys Ala Leu Pro Ala Pro Ile Glu Lys Thr Ile Ser Lys Ala Lys Gly
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Gln Pro Arg Glu Pro Gln Val Tyr Thr Leu Pro Pro Ser Arg Glu Glu
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Met Thr Lys Asn Gln Val Ser Leu Thr Cys Leu Val Lys Gly Phe Tyr
245 250 255
Pro Ser Asp Ile Ala Val Glu Trp Glu Ser Asn Gly Gln Pro Glu Asn
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Asn Tyr Lys Thr Thr Pro Pro Val Leu Asp Ser Asp Gly Ser Phe Phe
275 280 285
Leu Tyr Ser Arg Leu Thr Val Asp Lys Ser Arg Trp Gln Gln Gly Asn
290 295 300
Val Phe Ser Cys Ser Val Met His Ser Ala Leu His Asn His Tyr Thr
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<211> 297
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<400> 72
Met Thr Thr Pro Arg Asn Ser Val Asn Gly Thr Phe Pro Ala Glu Pro
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<210> 115
<211> 110
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> N/A
<400> 115
Ala Tyr Asp Met Thr Gln Thr Pro Ser Ser Val Glu Ala Ala Val Gly
1 5 10 15
Gly Thr Val Thr Ile Lys Cys Gln Ala Ser Gln Asn Ile Ile Asp Tyr
20 25 30
Leu Ala Trp Tyr Gln Gln Lys Pro Gly Gln Pro Pro Gln Leu Leu Ile
35 40 45
His Lys Ala Ser Thr Leu Ala Ser Gly Val Pro Ser Arg Phe Lys Gly
50 55 60
Ser Gly Ser Gly Thr Gln Phe Thr Leu Thr Ile Ser Gly Val Gln Ser
65 70 75 80
Asp Asp Ala Ala Thr Tyr Tyr Cys Gln Gln Gly Tyr Ser Asn Ser Asn
85 90 95
Ile Asp Asn Thr Phe Gly Gly Gly Thr Glu Val Val Val Lys
100 105 110

<210> 116
<211> 117
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> N/A
<400> 116
Gln Ser Val Glu Glu Ser Gly Gly Arg Leu Val Thr Pro Gly Thr Pro
1 5 10 15
Leu Thr Leu Thr Cys Thr Val Ser Gly Phe Ser Leu Ser Asn Tyr Asn
20 25 30
Met Gly Trp Val Arg Gln Ala Pro Gly Lys Gly Leu Glu Trp Ile Gly
35 40 45
Val Ile Asp Ala Ser Gly Thr Thr Tyr Tyr Ala Thr Trp Ala Lys Gly
50 55 60
Arg Phe Thr Cys Ser Lys Thr Ser Ser Thr Val Glu Leu Lys Met Thr
65 70 75 80
Ser Leu Thr Thr Glu Asp Thr Ala Thr Tyr Phe Cys Ala Arg Glu Leu
85 90 95
Leu Tyr Phe Gly Ser Ser Tyr Tyr Asp Leu Trp Gly Gln Gly Thr Leu
100 105 110
Val Thr Val Ser Ser
115

<210> 117
<211> 110
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> N/A
<400> 117
Asp Val Val Met Thr Gln Thr Pro Ala Ser Val Ser Glu Pro Val Gly
1 5 10 15
Gly Thr Val Thr Ile Lys Cys Gln Ala Ser Gln Asn Ile Asp Ser Asn
20 25 30
Leu Ala Trp Tyr Gln Gln Lys Pro Gly Gln Pro Pro Lys Phe Leu Ile
35 40 45
Tyr Tyr Ala Ser Asn Leu Pro Phe Gly Val Ser Ser Arg Phe Lys Gly
50 55 60
Ser Gly Ser Gly Thr Gln Phe Thr Leu Thr Ile Ser Asp Leu Glu Ser
65 70 75 80
Ala Asp Ala Ala Thr Tyr Tyr Cys Gln Cys Ala Asp Val Gly Ser Thr
85 90 95
Tyr Val Ala Ala Phe Gly Gly Gly Thr Glu Val Val Val Lys
100 105 110
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図7F
図7G
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図11
図12A
図12B
図12C
図12D
図12E
図13A
図13B
図14A
図14B
図15
図16A
図16B
図16C
図17A
図17B
図17C
図17D
図18A
図18B
図18C
図19
図20
図21A
図21B
図21C
図21D
図22
図23
図24-1】
図24-2】
図25
図26A
図26B
図26C
図26D
図26E
図26F
【配列表】
2023156422000001.app
【手続補正書】
【提出日】2023-09-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本明細書に記載の発明。