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特開2023-157000はかり用のモノリシック計量センサ及び電子はかり
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023157000
(43)【公開日】2023-10-25
(54)【発明の名称】はかり用のモノリシック計量センサ及び電子はかり
(51)【国際特許分類】
   G01G 23/02 20060101AFI20231018BHJP
   G01G 7/02 20060101ALI20231018BHJP
   G01G 21/24 20060101ALI20231018BHJP
【FI】
G01G23/02 A
G01G7/02
G01G21/24 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023062120
(22)【出願日】2023-04-06
(31)【優先権主張番号】10 2022 109 151.1
(32)【優先日】2022-04-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】517166125
【氏名又は名称】ミネベア インテック アーヘン ゲーエムベーハー ウント ツェーオー カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】フォルカー ライナース
(57)【要約】      (修正有)
【課題】僅かな構造空間しか要求されず、且つ製造コストが廉価である、計量センサ、並びに計量センサを備えたはかりを提供する。
【解決手段】接地体22と、第1の平行四辺形ガイド26を介してモノリシックに接地体22に移行する荷重導入部24と、を備えた、はかり10用のモノリシック計量センサ12である。荷重導入部24は、荷重受容ブロック36と、荷重伝達部38と、を有し、荷重受容ブロック36は、第2の平行四辺形ガイド40によってモノリシックに荷重伝達部38に移行し、荷重伝達部38には更に第1の平行四辺形ガイド26が蝶着されている。荷重受容ブロック36には、過荷重保護部16のためのプッシュロッド受容部が設けられている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接地体(22)と、第1の平行四辺形ガイド(26)を介してモノリシックに前記接地体(22)に移行する荷重導入部(24)と、を含む、はかり用のモノリシック計量センサであって、前記荷重導入部(24)は、荷重受容ブロック(36)と、荷重伝達部(38)と、を有し、前記荷重受容ブロック(36)は、第2の平行四辺形ガイド(40)によってモノリシックに前記荷重伝達部(38)に移行し、前記荷重伝達部(38)には更に前記第1の平行四辺形ガイド(26)が蝶着されており、前記荷重受容ブロック(36)には、過荷重保護部(16)のためのプッシュロッド受容部(48)が設けられていることを特徴とする、計量センサ。
【請求項2】
前記第1の平行四辺形ガイド(26)は、前記荷重導入部(24)を前記接地体(22)に枢動可能に連結させる2つの第1の平行四辺形リンク(30)を有し、前記第2の平行四辺形ガイド(40)は、前記荷重受容ブロック(36)を前記荷重伝達部(38)に枢動可能に連結させる2つの第2の平行四辺形リンク(42)を有し、前記2つの第1の平行四辺形リンク(30)は、前記2つの第2の平行四辺形リンク(42)が位置する平面に対して実質的に直角な平面に位置することを特徴とする、請求項1記載の計量センサ。
【請求項3】
前記荷重受容ブロック(36)における前記プッシュロッド受容部(48)の内壁には、雌ねじ山(50)が設けられていることを特徴とする、請求項1又は2記載の計量センサ。
【請求項4】
前記接地体(22)は、前記第1の平行四辺形ガイド(26)及び前記荷重導入部(24)の下方に延在する基台(28)を有することを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項記載の計量センサ。
【請求項5】
前記第2の平行四辺形ガイド(40)は、2つの第2の平行四辺形リンク(42)を有し、前記荷重受容ブロック(36)の上方及び下方にそれぞれ1つの第2の平行四辺形リンク(42)が延在することを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項記載の計量センサ。
【請求項6】
前記荷重受容ブロック(36)の上方に延在する前記第2の平行四辺形リンク(42)は、前記荷重受容ブロック(36)に向けられた開口部(46)を有することを特徴とする、請求項5記載の計量センサ。
【請求項7】
ケーシングと、前記ケーシングによって収容される、請求項1から6のいずれか一項記載の計量センサ(12)と、を備えた電子はかりであって、前記計量センサ(12)の前記接地体(22)は、前記ケーシングと機械的に堅固に接続されており、前記ケーシング内には、加えられた力を測定するセンサ系と、ストッパ(18)と、前記過荷重保護部(16)のプッシュロッド(52)と、が配置されており、前記プッシュロッド(52)は、前記荷重受容ブロック(36)における前記プッシュロッド受容部(48)によって受容されており、前記ストッパ(18)まで延在しており、過荷重に達した際に、前記ストッパ(18)に当接する、電子はかり。
【請求項8】
前記過荷重保護部(16)の前記プッシュロッド(52)は、前記荷重受容ブロック(36)の方向にばね付勢されていることを特徴とする、請求項7記載のはかり。
【請求項9】
前記過荷重保護部(16)は、前記プッシュロッド(52)をばね付勢する板ばね(54)を含むことを特徴とする、請求項8記載のはかり。
【請求項10】
前記板ばねは、前記プッシュロッド(52)の長手方向において、前記荷重受容ブロック(36)と前記ストッパ(18)との間に配置されており、特に前記ストッパ(18)側を向いた前記荷重伝達部(38)の外面に配置されていることを特徴とする、請求項9記載のはかり。
【請求項11】
前記荷重受容ブロック(36)における前記プッシュロッド受容部(48)の内壁には、雌ねじ山(50)が設けられており、前記プッシュロッド(52)の自由端には、雄ねじ山(58)が設けられており、前記プッシュロッド(52)は、前記荷重受容ブロック(36)の前記プッシュロッド受容部(48)にねじ込まれることで、前記プッシュロッド(52)の前記雄ねじ山(58)は、前記荷重受容ブロック(36)の前記雌ねじ山(50)と係合することを特徴とする、請求項7から10のいずれか一項記載のはかり。
【請求項12】
前記接地体(22)は、前記第1の平行四辺形ガイド(26)及び前記荷重導入部(24)の下方に延在する基台(28)を有し、前記ストッパ(18)は、前記接地体(22)の基台(28)において、前記プッシュロッド(52)の仮想延長線上に配置されていることを特徴とする、請求項7から11のいずれか一項記載のはかり。
【請求項13】
前記過荷重保護部(16)は、荷重制御されており、且つ前記荷重受容ブロック(36)と前記センサ系との間の力流路に配置されており、前記過荷重保護部(16)は、前記過荷重を下回っている場合、荷重によって前記荷重受容ブロック(36)に加えられる力が前記荷重伝達部(38)を介して前記センサ系に伝達されるように構成されており、前記過荷重保護部(16)は、前記過荷重を上回ると、前記ストッパ(18)に接触し、前記力が前記接地体(22)及び/又は前記ケーシングを介して導出されることを特徴とする、請求項7から12のいずれか一項記載のはかり。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接地体と、第1の平行四辺形ガイドを介してモノリシックに接地体に移行する荷重導入部と、を含むはかり用のモノリシック計量センサに関する。更に、本発明は、電子はかりに関する。
【0002】
電子はかりは、電子センサ系を用いて、荷重によってはかりに及ぼされる重量力を検出する。例えば、センサ系は、電磁力補償の原理を用いて、加えられる力を検出する。
【0003】
このために、電子はかりにおいては、計量センサが使用されることが多く、この計量センサの荷重導入部に力が導入される。計量センサは、力を検出するために、その力を更にセンサ系に伝える。
【0004】
典型的には、公知の計量センサは、計量センサの実質的な構成部材、即ち接地体、荷重導入部及び平行四辺形ガイドが、材料ブロックから一体的に作製されたモノリシック構造を有する。
【0005】
更に、過荷重の際にモノリシックな計量センサ及び電子センサ系を損傷から保護する過荷重保護部を、計量センサの領域において電子はかりに設けることが公知である。
【0006】
本発明の課題は、計量センサを備えたはかりに対して僅かな構造空間しか要求されず、且つ製造コストが廉価である、計量センサ、並びに計量センサを備えたはかりを提供することである。
【0007】
この課題は、本発明によれば、荷重導入部が、荷重受容ブロックと、荷重伝達部と、を有する、冒頭で述べたような計量センサによって解決される。荷重受容ブロックは、第2の平行四辺形ガイドによってモノリシックに荷重伝達部に移行し、この荷重伝達部には更に第1の平行四辺形ガイドが蝶着されている。更に、荷重受容ブロックには、過荷重保護部のためのプッシュロッド受容部が設けられている。
【0008】
本発明の基本的な着想によれば、荷重受容部を起点とする力作用方向において、第2の平行四辺形ガイドが、第1の平行四辺形ガイドの前方に設けられており、荷重受容ブロックには、過荷重保護部のためのプッシュロッド受容部が設けられている。これによって、2つの平行四辺形ガイドがいわば直列に接続され、それによって、プッシュロッド受容部を備えた荷重受容ブロックが、荷重伝達部に対する相対運動を行うことができる。この場合、プッシュロッド受容部には、過荷重保護部が接触することができ、この過荷重保護部によって、過荷重がセンサ系に伝達されることが回避される。
【0009】
有利には、第1の平行四辺形ガイドは、荷重導入部を接地体に蝶着可能に連結させる2つの第1の平行四辺形リンクを有する。第2の平行四辺形ガイドもまた、荷重受容ブロックを荷重伝達部に蝶着可能に連結させる2つの第2の平行四辺形リンクを有しており、この場合、2つの第1の平行四辺形リンクは、2つの第2の平行四辺形リンクが位置する平面に対して実質的に直角な平面に位置する。それらの平面を直角に配置することによって、特に省スペースの計量センサを作製することができる。更に、荷重受容ブロックは、最適に案内されているので、力が導入された際にも、この荷重受容ブロックは傾斜しない。それらの平面は、計量センサを上から見て直角が決定されるように、対応付けられた平行四辺形リンクの長手方向中心軸線によって規定される。
【0010】
しかしながら、代替的には、2つの第1の平行四辺形リンク及び2つの第2の平行四辺形リンクが1つの平面に位置することも考えられる。
【0011】
1つの構成によれば、荷重受容ブロックにおけるプッシュロッド受容部の内壁には、雌ねじ山が設けられている。雌ねじ山によって、プッシュロッド受容部における、過荷重保護部の一部であってよいプッシュロッドの簡単な固定が実現される。
【0012】
本発明の一態様によれば、接地体は、第1の平行四辺形ガイド及び荷重導入部の下方に延在する基台を有する。基台は、計量センサの一種の脚部として用いられ、ケーシングは計量センサの接地体からトルクを受ける必要がないことから、上位のはかり構造群のケーシングに掛かる荷重はより少なくなる。
【0013】
一実施形態によれば、第2の平行四辺形ガイドは、2つの第2の平行四辺形リンクを有し、荷重受容ブロックの上方及び下方にそれぞれ1つの第2の平行四辺形リンクが延在する。従って、荷重受容ブロックは第2の平行四辺形ガイドの中央にあり、それによって、荷重受容部は、比較的僅かな奥行でもって省スペースで実施することができる。
【0014】
有利には、荷重受容ブロックの上方に延在する第2の平行四辺形リンクは、荷重受容ブロックに向けられた開口部を有する。平行四辺形ガイドの中央に配置されている荷重受容ブロックに連結される荷重受容部を、開口部を貫通するように案内することができる。上部の第2の平行四辺形リンクの下方に荷重受容ブロックが配置されるにもかかわらず、荷重受容部を荷重受容ブロックに連結させることができる。
【0015】
更に上記の課題は、本発明によれば、ケーシングと、ケーシングによって収容される本発明による計量センサと、を備えた電子はかり、特に電子テーブルスケールはかりによって解決される。計量センサの接地体は、ケーシングと機械的に堅固に接続されており、またケーシング内には、加えられた力を測定するセンサ系と、特にケーシングに固定されたストッパと、過荷重保護部のプッシュロッドと、が配置されている。プッシュロッドは、荷重受容ブロックにおけるプッシュロッド受容部によって受容されており、ストッパまで延在しており、過荷重に達した際に、ストッパに当接する。電子はかりは特に小型の構造を有する。更に、過荷重保護部を形成するために、少数のコンポーネントしか要求されない。
【0016】
本発明の一変形形態によれば、過荷重保護部のプッシュロッドは、荷重受容ブロックの方向にばね付勢されている。これによって、臨界過荷重を規定することができる。臨界過荷重とは、まさに、プッシュロッドがストッパに突き当たるために必要とされる荷重である。
【0017】
別の態様によれば、過荷重保護部が、プッシュロッドをばね付勢する薄板ばねを含む。薄板ばねは廉価であり、また種々の材料及び/又は厚さを使用することができ、これらを所望の臨界過荷重に応じて規定することができる。
【0018】
一実施形態によれば、薄板ばねは、プッシュロッドの長手方向において、荷重受容ブロックとストッパとの間に配置されている。特に、薄板ばねは、荷重伝達部のストッパ側の外面に配置されている。これによって、薄板ばねは、プッシュロッドに対して、ひいては荷重受容ブロックに対して簡単にプリロードをかけることができる。
【0019】
有利には、荷重受容ブロックにおけるプッシュロッド受容部の内壁には、雌ねじ山が設けられている。更に、プッシュロッドの自由端には、雄ねじ山が設けられており、プッシュロッドは、荷重受容ブロックのプッシュロッド受容部にねじ込まれている。ねじ結合の確立によって、荷重受容ブロック及びプッシュロッドは、簡単に組み付けることができる安定したユニットを形成する。
【0020】
本発明の別の態様によれば、接地体は、第1の平行四辺形ガイド及び荷重導入部の下方に延在する基台を有する。この場合、ストッパは、接地体の基台において、プッシュロッドの仮想延長線上に配置されている。これによって、基台による良好な安定性を、ストッパを用いて実現される省スペースの過荷重保護部と組み合わせることができる。この場合、ストッパは、基台によって一体的に形成されていてもよいし、基台とは別個に形成されていてもよい。
【0021】
本発明の一変形形態によれば、過荷重保護部が荷重制御されており、且つ荷重受容ブロックとセンサ系との間の力流路に配置されている。過荷重保護部は、過荷重を下回っている場合、荷重によって荷重受容ブロックに加えられる力が荷重伝達部を介してセンサ系に更に伝達されるように形成されている。この場合、過荷重保護部は、過荷重を上回ると、ストッパに接触し、力が接地体及び/又はケーシングを介して導出される。過荷重保護部、例えばプッシュロッド及び薄板ばねは、過荷重に達するまで力を伝達する。過荷重保護部は荷重導入部にだけ固定されているので、過荷重を上回らない限り、センサ系によって測定される力は過荷重保護部に影響を及ぼさない。
【0022】
以下では、添付の図面に図示した実施例に基づいて、本発明を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】外側ケーシング内にある、本発明によるモノリシック計量センサを備えた本発明による電子はかりの一部の斜視図を示し、はかりのケーシング及びセンサ系は図示していない。
図2図1の電子はかりを斜め下から見た別の斜視図を示す。
図3図1の電子はかりの側面図を示す。
図4図1の電子はかりの別の側面図を示す。
図5図3の線V-Vに沿った、図1の電子はかりの断面図を示す。
【0024】
図1から図5には、特にテーブルスケールの形態の電子はかり10の一実施形態が図示されている。はかり10を用いて、はかり10にかけられた荷重に起因して及ぼされる重量を特定することができる。
【0025】
電子はかり10は、モノリシック計量センサ12、センサ系、ケーシング、荷重受容部14及び過荷重保護部16、並びに、例えばケーシングに固定されたストッパ18を有し、このストッパ18は、とりわけ計量センサ12の接地体22に配置されている。
【0026】
ここでは、計量センサ12、センサ系、過荷重保護部16及びストッパ18が、ケーシングの内部に設けられており、荷重受容部14の一部には、ケーシングの外部からアクセス可能である。
【0027】
ここで、荷重受容部14は、例えば、被測定物体及び被測定物質を受容するための、ケーシングの外部に位置決めされた図示していない計量台と、スペーサ20と、を含み、スペーサ20は、ケーシング内に突入しており、且つ計量台を支持している。
【0028】
計量台及びスペーサ20を介して、荷重が及ぼす力が、ケーシングの内部に導入される。
【0029】
厳密に言えば、力はスペーサ20から計量センサ12に伝達され、続いて、計量センサ12はその力をセンサ系に更に伝達し、センサ系は、荷重が荷重受容部14に及ぼす力の値、つまり荷重の質量を求める。
【0030】
センサ系は、電磁力補償の原理を基礎としており、測定値に対応する電気信号を出力する。センサ系の機能原理は、従来技術から公知である。
【0031】
計量センサ12は、モノリシックに、即ち単一の部材から作製されており、通常の場合、アルミニウム又はアルミニウム合金のような軽金属から製造されている。
【0032】
計量センサ12は、ケーシングに堅固に接続されている接地体22と、第1の平行四辺形ガイド26を介してモノリシックに接地体22に移行する荷重導入部24と、を有する。
【0033】
接地体22は、一種の脚部として用いられる縦長の基台28を有し、これを用いて、計量センサ12は、例えばケーシングの底部に置かれる。
【0034】
基台28は、第1の平行四辺形ガイド26に沿って、その第1の平行四辺形ガイド26の下方、且つ荷重導入部24の下方に延在しており、これによって、計量センサ12の良好な安定性がもたらされる。ここで、下方は、予定されている動作位置に設置されている計量センサ12を基準としており、この関係において、下方は接地面により近いこと、即ち、例えばケーシングの底部により近いことを意味する。
【0035】
第1の平行四辺形ガイド26は、2つの第1の平行四辺形リンク30を有し、これら2つの第1の平行四辺形リンク30はそれぞれ、2つの第1のジョイント32を介して、一方では接地体22に移行し、他方では荷重導入部24に移行する。従って、荷重導入部24は、接地体22に蝶着可能に連結されている。
【0036】
第1の平行四辺形ガイド26の他に、接地体22及び荷重導入部24は、レバー系34を介して相互に接続されている。レバー系34は、荷重導入部24にかけられた力を、接地体22上又は接地体22内にあるセンサ系に更に伝達するために設けられている。レバー系34も、計量センサ12のワンピースの構成部材である。
【0037】
荷重導入部24は、荷重受容ブロック36及び荷重伝達部38を有し、これらは、第2の平行四辺形ガイド40を介してモノリシックに相互に移行している。
【0038】
第2の平行四辺形ガイド40は、2つの第2の平行四辺形リンク42を有し、これら2つの第2の平行四辺形リンク42はそれぞれ、2つの第2のジョイント44を介して、一方では荷重受容ブロック36に移行し、他方では荷重伝達部38に移行する。
【0039】
この場合、2つの第2の平行四辺形リンク42の一方は、荷重受容ブロック36の上方に延在し、2つの第2の平行四辺形リンク42の他方は、荷重受容ブロック36の下方に延在する。
【0040】
ここで、上方及び下方は、予定されている動作位置に設置されている計量センサ12を基準としており、下方は設置面により近いこと、即ち、例えばケーシングの底部により近く、また上方は設置面から更に離れていることを意味する。
【0041】
更に、荷重受容ブロック36の上方に延在する第2の平行四辺形リンク42は、荷重受容ブロック36の方向において、上部の平行四辺形リンク42を貫通して延在する開口部46を有する。
【0042】
荷重伝達部38は、側面で見るとL字形であり、下方に位置する基底部の側方から上方に向かって延在する肢部がワンピースで第2のジョイント44に移行している。従って、この「L」は、平行四辺形リンク42と共に、荷重受容ブロック36を囲む。換言すれば、平行四辺形リンク42及び荷重受容ブロック36は、「L」によって2辺が囲まれた空間を充填しており、荷重伝達部38と共に直方体を規定する(図1及び図2を参照されたい)。
【0043】
図1及び図2から分かるように、2つの第1の平行四辺形リンク30は、2つの第2の平行四辺形リンク42が位置する別の平面に対して実質的に平行な平面に位置する。これらの平面は、計量センサを上面から見ると直角が定められるように、対応付けられた平行四辺形リンク30及び42の長手方向中心軸線によって規定される。図1において、平行四辺形リンク30の平面は垂直方向に延在しており、また幅方向に見て、平行四辺形リンク30を中央として、接地体22から前方に向かって荷重受容ブロック36まで、即ち平行四辺形リンク30の長手方向に延在している。平行四辺形リンク42の平面も同様に垂直方向に延在しており、また幅方向に見て、平行四辺形リンク42を中央として、図1に図示した荷重受容ブロック36の前面に対して平行に延在している。
【0044】
更に、荷重受容ブロック36は、プッシュロッド受容部48(図5を参照されたい)を有する。
【0045】
プッシュロッド受容部48の内壁には、雌ねじ山50が設けられている。
【0046】
はかり10の冒頭で述べた過荷重保護部16は、過荷重に起因するはかり10の損傷を回避するために用いられる。力が既定の過荷重を上回ると、過荷重保護部16によって、力が完全にはセンサ系に伝達されなくなる。
【0047】
このために、過荷重保護部16は、荷重制御されており、また荷重受容ブロック36とセンサ系との間の力流路に配置されている。過荷重を下回っている場合、即ちはかり10の通常動作時には、荷重によって荷重受容ブロック36に加えられた力が荷重伝達部38を介してセンサ系に更に伝達される。規定された過荷重を上回った際に初めて、過荷重保護部16は、ストッパ18と接触し、その結果、力は接地体22及び/又はケーシングを介して導出される。
【0048】
このために、過荷重保護部16は、プッシュロッド52及び薄板ばね54を含む。
【0049】
プッシュロッド52は、プッシュロッド受容部48によって受容され、荷重伝達部38における貫通孔56(図5を参照されたい)を通り、垂直方向において下方に向かって延在している。
【0050】
固定のために、プッシュロッド52は、上部自由端に雄ねじ山58を有し、この雄ねじ山58は、荷重受容ブロック36におけるプッシュロッド受容部48の雌ねじ山50の対応部材として形成されている(図5を参照されたい)。
【0051】
プッシュロッド52の雄ねじ山58は、プッシュロッド受容部48の雌ねじ山50にねじ込まれ、その結果、雄ねじ山58が雌ねじ山50と係合する。
【0052】
貫通孔56は、荷重伝達部38において、荷重受容ブロック36に面した側から、荷重伝達部38を貫通して、ストッパ18の方向へと延在している。
【0053】
更に図5からは、プッシュロッド52が、段部60を有していることが分かり、この段部60は、少なくともはかりに荷重がかけられていない場合には、ばね付勢によって、荷重伝達部38の軸線方向において下方に向けられた境界面62に対して押圧される。
【0054】
このため、薄板ばね54は、段部60における境界面62とは反対側の面に当て付けられている。
【0055】
例えば、薄板ばね54は、ばね鋼から形成されている。
【0056】
薄板ばね54の厚さ及び/又は薄板ばね54の材料を設定することによって、過荷重保護部16に対して、所望のように規定された過荷重が定義されているように、薄板ばね54を構成することができる。
【0057】
薄板ばね54は、荷重伝達部38に、例えばねじ結合によって堅固に結合されている。
【0058】
更に、過荷重保護部16は、過荷重をケーシングへと導出するためにストッパ18と協働する。
【0059】
このために、ストッパ18は、例えばねじ結合によって、基台28の下面に固定されている。
【0060】
ここで、ストッパ18は、基台開口部64の下方に取り付けられている(図2及び図5を参照されたい)。基台開口部64は、基台28を完全に貫通して延在している。
【0061】
図1から図5においては、無荷重の状態のはかり10を見て取ることができ、そのため、プッシュロッド52とストッパ18との間には、プッシュロッド52の長手方向において間隙Sが形成される(図5を参照されたい)。
【0062】
規定された過荷重よりも小さい荷重に起因する力が荷重受容部14に作用すると、この力が、荷重受容ブロック36、プッシュロッド52、及び薄板ばね54を介して荷重伝達部38に更に伝達される。続いて、力は、荷重伝達部38から、公知の方式でレバー系34を介してセンサ系に伝達される。
【0063】
規定された過荷重を依然として下回っている限りにおいて、荷重が大きくなればなるほど、薄板ばね54には、より大きい曲げ荷重が加えられ、従って、薄板ばね54は撓む。
【0064】
しかしながら、荷重が、規定された過荷重に達するか、又はそれどころか、規定された過荷重を上回ると、ストッパ18は、プッシュロッド52の更なる移動を阻止し、その結果、規定された過荷重を超えた荷重の差分がストッパ18を介して導出される。
【0065】
ストッパ18は、接地体22の基台28に配置されているので、前述の差は、まず接地体22へと導出され、続いて、ケーシングへと導出される。
【符号の説明】
【0066】
10 はかり
12 計量センサ
14 荷重受容部
16 過荷重保護部
18 ストッパ
20 スペーサ
22 接地体
24 荷重導入部
26 平行四辺形ガイド
28 基台
30 平行四辺形リンク
32 ジョイント
34 レバー系
36 荷重受容ブロック
38 荷重伝達部
40 平行四辺形ガイド
42 平行四辺形リンク
44 ジョイント
46 開口部
48 プッシュロッド受容部
50 雌ねじ山
52 プッシュロッド
54 薄板ばね
56 貫通孔
58 雄ねじ山
60 段部
62 境界面
64 基台開口部
図1
図2
図3
図4
図5
【外国語明細書】