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特開2023-158876管内作業用足場及び管内作業用移動足場
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  • 特開-管内作業用足場及び管内作業用移動足場 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023158876
(43)【公開日】2023-10-31
(54)【発明の名称】管内作業用足場及び管内作業用移動足場
(51)【国際特許分類】
   E04G 3/24 20060101AFI20231024BHJP
   E04G 3/30 20060101ALI20231024BHJP
   E04G 1/24 20060101ALI20231024BHJP
【FI】
E04G3/24 301Z
E04G3/30
E04G1/24 301A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022068910
(22)【出願日】2022-04-19
(71)【出願人】
【識別番号】000178011
【氏名又は名称】山九株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】591267143
【氏名又は名称】株式会社カシワバラ・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100120086
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼津 一也
(74)【代理人】
【識別番号】100090697
【弁理士】
【氏名又は名称】中前 富士男
(74)【代理人】
【識別番号】100176142
【弁理士】
【氏名又は名称】清井 洋平
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 秀夫
(72)【発明者】
【氏名】片重 竜生
【テーマコード(参考)】
2E003
【Fターム(参考)】
2E003EB03
(57)【要約】
【課題】傾斜して配置される管路に設置される仮設階段への着脱が容易で安全性に優れる管内作業用足場及び管路内の所望の位置に簡単に設置され、管路内での移動も容易で施工性に優れる管内作業用移動足場を提供する。
【解決手段】足場部16と、使用時に管路11の上流側となる足場部16の前側を支持し、仮設階段12の左右の支柱部13に着脱可能に固定される前側支持部18と、使用時に管路11の下流側となる足場部16の後側を支持し、仮設階段12の左右の支柱部13に着脱可能に固定される後側支持部19と、足場部16に立設されて足場部16の外周の少なくとも一部を囲繞する保護柵30とを有する管内作業用足場10が、左右の支柱部13と、左右の支柱部13を連結する複数のステップ14とを有し、管路11の上流側から吊り下げられて管路11の底部内側に設置される仮設階段12に着脱可能に取付けられて管内作業用移動足場32が構成される。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
傾斜して配置される管路の底部内側に設置される仮設階段に着脱可能に取付けられる管内作業用足場であって、
足場部と、使用時に前記管路の上流側となる前記足場部の前側を支持し、前記仮設階段の左右の支柱部に着脱可能に固定される前側支持部と、使用時に前記管路の下流側となる前記足場部の後側を支持し、前記仮設階段の左右の前記支柱部に着脱可能に固定される後側支持部と、前記足場部に立設されて該足場部の外周の少なくとも一部を囲繞する保護柵とを有することを特徴とする管内作業用足場。
【請求項2】
請求項1記載の管内作業用足場において、前記保護柵は、前記足場部の左右の両側部及び後部を囲繞し、該保護柵の後部位置に、前記作業者が前記足場部と前記仮設階段を上り下りするための開閉部が形成されていることを特徴とする管内作業用足場。
【請求項3】
請求項1記載の管内作業用足場において、前記前側支持部は、左右の前脚と、左右の該前脚の下端側を連結する前脚連結体と、該前脚連結体に取付けられ前記仮設階段の左右の前記支柱部をそれぞれ保持する左右の前脚固定具とを有し、前記後側支持部は、左右の後脚と、左右の該後脚の下端側を連結する後脚連結体と、該後脚連結体に取付けられ前記仮設階段の左右の前記支柱部をそれぞれ保持する左右の後脚固定具とを有することを特徴とする管内作業用足場。
【請求項4】
請求項3記載の管内作業用足場において、前記後側支持部は、左右の前記後脚の長手方向の途中を連結する1又は複数の足掛け部を備えていることを特徴とする管内作業用足場。
【請求項5】
傾斜して配置される管路の内部に移動可能に仮設される管内作業用移動足場であって、
左右の支柱部と、左右の該支柱部を連結する複数のステップとを有し、前記管路の上流側から吊り下げられて該管路の底部内側に設置される仮設階段と、該仮設階段に着脱可能に取付けられる請求項1~4のいずれか1記載の管内作業用足場とを備えていることを特徴とする管内作業用移動足場。
【請求項6】
請求項5記載の管内作業用移動足場において、前記仮設階段は、左右の前記支柱部からそれぞれ突出して前記管路の下側内表面に当接する支持突起を備えていることを特徴とする管内作業用移動足場。
【請求項7】
請求項5記載の管内作業用移動足場において、前記仮設階段は、左右の前記支柱部に取付けられた複数対の移動輪を備えていることを特徴とする管内作業用移動足場。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、傾斜して配置される管路の内部での作業時に用いられる管内作業用足場及び管内作業用移動足場に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、水力発電所における水圧管路等のように、水が流れる管路は複数の管体が連結され傾斜して配置されているため、管路の内部で、隣り合う管体の接合やそれぞれの管体内面の塗装等の作業が行われる際には、管路(管体)の内部に足場が組まれ、作業者はその足場上を移動して作業を行っている。例えば、特許文献1の水圧管路更新方法においても、水圧管路が設置される傾斜面上で、輪切り状態の新規鉄管(管体)が順次接続されており、傾斜配置された鉄管内で鉄管同士の溶接作業が発生するため、従来と同様に、鉄管内に仮設の作業足場が設置される。管路(管体)の内部での作業に際して用いられる管内作業用足場として、例えば、特許文献2には、梯子部と梯子部に連結された内面バンドを備えたものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特願2020-206911号
【特許文献2】特開2020-169522号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献2では、内面バンドは、周方向外側に向けて付勢された環状部材であり、この内面バンドが管部材(管体)の内面に当接することによって、内面バンドと連結された梯子部が管部材内部の一定の位置に固定されるものであって、摩擦力のみに頼った固定であるため、固定の確実性及び安定性に欠けるという課題がある。また、足場を移動させる度に、内面バンドによる固定を解除し、足場を移動させた後に、再び内面バンドによる固定を行わなければならず、作業性に欠けるという課題がある。さらに、梯子部と足場部を備えているが、足場部は支持脚によって水平に支持された作業足場のみで周囲に手摺りや柵等がないため、作業者が足を滑らせたり、体勢を崩したりした際に、身体を支えることができずに落下するおそれがあり安全性に欠けるという課題がある。また、平面視して梯子部と重なる範囲には作業足場が設けられず、梯子部の左右両外側に分割されて作業足場が設置されており、それぞれの作業足場が支持脚で片持ち支持されているため、耐久性及び安全性に欠けるという課題がある。さらに、傾斜配置される梯子部に対して水平に支持される作業足場では、上流側より下流側の支持脚が長く、下流側での梯子部から作業足場までの距離が長くなるため、作業足場に下流側から上り下りすることは困難で、梯子部を上流側まで移動して作業足場を上り下りしなければならず、作業性に欠けるという課題がある。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、傾斜して配置される管路に設置される仮設階段への着脱が容易で、作業性及び安全性に優れる管内作業用足場及び管路の内部の所望の位置に簡単に設置されると共に、管路の内部での移動も容易で施工性及び作業の効率性に優れる管内作業用移動足場を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的に沿う第1の発明に係る管内作業用足場は、傾斜して配置される管路の底部内側に設置される仮設階段に着脱可能に取付けられる管内作業用足場であって、
足場部と、使用時に前記管路の上流側となる前記足場部の前側を支持し、前記仮設階段の左右の支柱部に着脱可能に固定される前側支持部と、使用時に前記管路の下流側となる前記足場部の後側を支持し、前記仮設階段の左右の前記支柱部に着脱可能に固定される後側支持部と、前記足場部に立設されて該足場部の外周の少なくとも一部を囲繞する保護柵とを有する。
ここで、管路は、複数の管体で構成されており、その中には、円形だけでなく、半円又は四分円等のように、円周方向の一部が切断、除去されて円弧状の底部のみが残存している管体が含まれる。
【0006】
第1の発明に係る管内作業用足場において、前記保護柵は、前記足場部の左右の両側部及び後部を囲繞し、該保護柵の後部位置に、前記作業者が前記足場部と前記仮設階段を上り下りするための開閉部が形成されていることが好ましい。
【0007】
第1の発明に係る管内作業用足場において、前記前側支持部は、左右の前脚と、左右の該前脚の下端側を連結する前脚連結体と、該前脚連結体に取付けられ前記仮設階段の左右の前記支柱部をそれぞれ保持する左右の前脚固定具とを有し、前記後側支持部は、左右の後脚と、左右の該後脚の下端側を連結する後脚連結体と、該後脚連結体に取付けられ前記仮設階段の左右の前記支柱部をそれぞれ保持する左右の後脚固定具とを有してもよい。
【0008】
第1の発明に係る管内作業用足場において、前記後側支持部は、左右の前記後脚の長手方向の途中を連結する1又は複数の足掛け部を備えていることがさらに好ましい。
【0009】
前記目的に沿う第2の発明に係る管内作業用移動足場は、傾斜して配置される管路の内部に移動可能に仮設される管内作業用移動足場であって、
左右の支柱部と、左右の該支柱部を連結する複数のステップとを有し、前記管路の上流側から吊り下げられて該管路の底部内側に設置される仮設階段と、該仮設階段に着脱可能に取付けられる第1の発明に係る管内作業用足場とを備えている。
【0010】
第2の発明に係る管内作業用移動足場において、前記仮設階段は、左右の前記支柱部からそれぞれ突出して前記管体の下側内表面に当接する支持突起を備えることができる。
【0011】
第2の発明に係る管内作業用移動足場において、前記仮設階段は、左右の前記支柱部に取付けられた複数対の移動輪を備えてもよい。
【発明の効果】
【0012】
第1の発明に係る管内作業用足場は、足場部の前側及び後側をそれぞれ支持し、仮設階段の左右の支柱部に着脱可能に固定される前側支持部及び後側支持部を有するので、仮設階段への取付け及び取付け位置の変更が容易で施工性に優れると共に、仮設階段への固定の確実性及び安定性に優れる。また、第1の発明に係る管内作業用足場は、足場部の外周の少なくとも一部を囲繞する保護柵を有するので、足場部からの作業者の落下を効果的に防止することができる。
【0013】
第1の発明に係る管内作業用足場において、保護柵が、足場部の左右の両側部及び後部を囲繞し、保護柵の後部位置に、作業者が足場部と仮設階段を上り下りするための開閉部が形成されている場合、作業者が足場部から落下することを確実に防止できると共に、必要時には開閉部を開くことにより、作業者が容易に足場部と仮設階段を行き来することができ、作業性に優れる。
【0014】
第1の発明に係る管内作業用足場において、前側支持部が、左右の前脚と、左右の前脚の下端側を連結する前脚連結体と、前脚連結体に取付けられ仮設階段の左右の支柱部をそれぞれ保持する左右の前脚固定具とを有し、後側支持部が、左右の後脚と、左右の後脚の下端側を連結する後脚連結体と、後脚連結体に取付けられ仮設階段の左右の支柱部をそれぞれ保持する左右の後脚固定具とを有する場合、前側支持部及び後側支持部の耐久性及び足場部の支持安定性に優れると共に、仮設階段の左右の支柱部の間隔に応じて、左右の前脚固定具の間隔及び左右の後脚固定具の間隔をそれぞれ調整し、管内作業用足場を確実に仮設階段に取付けることができ、汎用性に優れる。
【0015】
第1の発明に係る管内作業用足場において、後側支持部が、左右の後脚の長手方向の途中を連結する1又は複数の足掛け部を備えている場合、管路の傾斜が急で、後脚(足場部の後端から仮設階段までの垂直距離)が長くても、作業者は足掛け部を利用して容易に足場部と仮設階段を行き来することができ、作業性に優れる。
【0016】
第2の発明に係る管内作業用移動足場において、管路の上流側から吊り下げられて管路の底部内側に設置される仮設階段に、管内作業用足場が着脱可能に取付けられるので、管路の内部で、仮設階段と共に管内作業用足場を移動させることや仮設階段を固定したまま仮設階段上で管内作業用足場の位置のみを移動させることができ、作業の効率性に優れる。
【0017】
第2の発明に係る管内作業用移動足場において、仮設階段が、左右の支柱部からそれぞれ突出して管路の下側内表面に当接する支持突起を備えている場合、仮設階段の前後(管路の軸方向)及び左右(管路の周方向)への移動を防止することができ、管内作業用足場の固定安定性に優れる。
【0018】
第2の発明に係る管内作業用移動足場において、仮設階段が、左右の支柱部に取付けられた複数対の移動輪を備えている場合、必要時に、仮設階段を管路の軸方向に沿ってスムーズに移動させることができ、省力性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施の形態に係る管内作業用足場の正面側斜視図である。
図2】同管内作業用足場の平面図である。
図3】同管内作業用足場の背面図である。
図4】同管内作業用足場を備えた管内作業用移動足場の使用状態を示す部分断面側面図である。
図5図4の部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図1図5に示す本発明の一実施の形態に係る管内作業用足場10は、図4図5に示す水力発電所の水圧管路等のように傾斜して配置される管路11の内部で作業を行う際に、管路11の底部内側に設置される仮設階段12に着脱可能に取付けられるものである。仮設階段12としては、単管からなる左右の支柱部13と、左右の支柱部13を連結する複数のステップ14とを有するものが好適に用いられるが、これに限定されない。なお、管路11は複数の管体11aで構成されている。
図1図2図5に示すように、管内作業用足場10は、複数の足場板15が敷設された足場部16を有する。本実施の形態では、足場部16の外周は周壁部16aで囲まれているが、その高さは、適宜、選択され、一部又は全部が省略されてもよい。なお、足場部16の形状及び大きさは、管路11(管体11a)の内径等に応じて、適宜、選択される。
また、管内作業用足場10は、使用時に管路11の上流側となる足場部16の前側を支持し、仮設階段12の左右の支柱部13(図5参照)に着脱可能に固定される前側支持部18と、使用時に管路11の下流側となる足場部16の後側を支持し、仮設階段12の左右の支柱部13に着脱可能に固定される後側支持部19を有している。
【0021】
ここで、前側支持部18は、左右の前脚20と、左右の前脚20の下端側を連結する前脚連結体21と、前脚連結体21に取付けられ仮設階段12の左右の支柱部13をそれぞれ保持する左右の前脚固定具22とを有している。また、後側支持部19は、左右の後脚24と、左右の後脚24の下端側を連結する後脚連結体25と、後脚連結体25に取付けられ仮設階段12の左右の支柱部13をそれぞれ保持する左右の後脚固定具26とを有する。本実施の形態で示したように、前脚固定具22及び後脚固定具26には、クランプが好適に用いられるが、前脚固定具及び後脚固定具は支柱部を保持できる(前脚及び後脚を支柱に固定できる)ものであればよく、その形状(構造)及び固定方法は、支柱部の形状等に応じて適宜、選択される。なお、左右の前脚固定具22の間隔及び左右の後脚固定具26の間隔をそれぞれ調整可能とすることにより、左右の支柱部13の間隔が異なる仮設階段にも対応することができ、汎用性に優れる。
また、後側支持部19は、左右の後脚24の長手方向の途中を連結する足掛け部27を備えており、これにより、管路11の傾斜が急で、後脚24(足場部16の後端から仮設階段12までの垂直距離)が長くても、作業者は足掛け部24を利用して容易に足場部16と仮設階段12を行き来することができる。なお、本実施の形態では、2つの足掛け部を設けたが、足掛け部の数は、後脚の長さに応じて適宜、選択され1つでも3つ以上でもよい。また、前側支持部18と後側支持部19は補強材28a、28bで補強されているが、補強材の数及び配置は、適宜、選択される。
【0022】
管内作業用足場10は、足場部16に立設されて足場部16の外周の少なくとも一部を囲繞する保護柵30を有する。本実施の形態では、保護柵30は、足場部16の左右の両側部及び後部を囲繞するように、平面視して略コ字状に形成されている。そして、保護柵30の後部位置に、作業者が足場部14と仮設階段12を上り下りするための開閉部30aが形成されている。これにより、作業者が足場部16から落下することを確実に防止できると共に、必要時には開閉部30aを開くだけで、作業者が容易に足場部16と仮設階段12を行き来することができる。なお、保護柵の形状及び配置は、適宜、選択される。また、本実施の形態では、開閉部30aは、片開きの回動式であるが、両開きの回動式(観音開き)でもよい。
【0023】
以上のように構成された管内作業用足場10が取付けられた仮設階段12が、図4に示すように、管路11の上流側から吊り下げ兼移動用連結材31で吊り下げられて管路11の底部内側に設置されることにより、管内作業用移動足場32として機能する。本実施の形態では、仮設階段12に2つの管内作業用足場10が取付けられているが、仮設階段の長さ及び仮設階段に取付けられる管内作業用足場の数及び配置は、適宜、選択される。作業者は、管内作業用足場10と仮設階段12を行き来しながら作業を行うことができる。また、必要に応じて、仮設階段12を固定したまま管内作業用足場10のみを移動させることも、吊り下げ兼移動用連結材31により管内作業用移動足場32全体を管路11の軸方向に沿って移動させることも可能である。吊り下げ兼移動用連結材31の一端側は管路11の上流側(図示せず)に固定され他端側は仮設階段12に取付けられた連結具(図示せず)に連結される。
吊り下げ兼移動用連結材31としては、ワイヤー又はチェーン等が好適に用いられるが、これらに限定されるものではなく、管内作業用移動足場32(管内作業用足場10と仮設階段12)及び作業者等の重量を考慮して、適宜、選択される。そして、連結具としては、環状に形成されたものが好適に用いられるが、これに限定されるものではなく、吊り下げ兼移動用連結材が連結可能であればよい。また、連結具は、左右の支柱部の上流側端部に取付けられることが好ましいが、支柱部の長手方向の途中又はいずれかのステップに取付けられてもよい。
【0024】
ここで、仮設階段12は、図5に仮想線で示されたように、左右の支柱部13からそれぞれ突出して(例えば、正面視してハ字状に配置され)、管路11の内表面33の下側領域に当接する支持突起34aを備えてもよい。これにより、作業中の仮設階段12の前後(管路11の軸方向)及び左右(管路11の周方向)への移動が防止される。なお、支持突起の数及び配置は、適宜、選択される。また、図5に仮想線で示されたように、仮設階段12の左右の支柱部13に複数対の移動輪34bが取付けられていれば、仮設階段12は、必要時には、管路11の軸方向に沿ってスムーズに移動できる。なお、移動輪の数及び配置は、適宜、選択される。特に、仮設階段が、支持突起及び移動輪の双方を備えている場合、それぞれを管路の半径方向に移動(進退)可能とし、作業時(仮設階段の固定時)は、少なくとも支持突起を管路の内表面に接地させ、移動時は、移動輪のみを管路の内表面に接地させることが好ましい。
なお、図4中、管路11の一部はトンネル35で覆われている。また、管路11の一部(ここでは下流端)には、管体11aの外周をコンクリートで覆って固定する固定台36が設けられ、管路11の長手方向の要所は、複数の小支台37により支持されている。
【0025】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。
管内作業用足場を構成する部品のうち、特に指定していない部品の材質としてはステンレス等の金属が好適に用いられるが、各部に必要な強度及び耐久性等を考慮して、各種の材質を適宜、選択することができ、部分的に合成樹脂(強化プラスチックを含む)を用いることもできる。足場板については、木製でもよい。
上記実施の形態では、管内作業用足場及び管内作業用移動足場が、水力発電所の水圧管路(管体)に設置される場合について説明したが、この管内作業用足場及び管内作業用移動足場は、傾斜して配置される各種の管路の内部で作業を行う際に使用される。
【符号の説明】
【0026】
10:管内作業用足場、11:管路、11a:管体、12:仮設階段、13:支柱部、14:ステップ、15:足場板、16:足場部、16a:周壁部、18:前側支持部、19:後側支持部、20:前脚、21:前脚連結体、22:前脚固定具、24:後脚、25:後脚連結体、26:後脚固定具、27:足掛け部、28a、28b:補強材、30:保護柵、30a:開閉部、31:吊り下げ兼移動用連結材、32:管内作業用移動足場、33:内表面、34a:支持突起、34b:移動輪、35:トンネル、36:固定台、37:小支台
図1
図2
図3
図4
図5