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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023159069
(43)【公開日】2023-10-31
(54)【発明の名称】検査システム及び管理システム
(51)【国際特許分類】
   A63F 1/06 20060101AFI20231024BHJP
   G06K 19/04 20060101ALI20231024BHJP
   G06K 19/07 20060101ALI20231024BHJP
   G06K 7/10 20060101ALI20231024BHJP
   G07D 5/08 20060101ALI20231024BHJP
【FI】
A63F1/06 Z
G06K19/04 070
G06K19/07 230
G06K7/10 264
G07D5/08
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023119841
(22)【出願日】2023-07-24
(62)【分割の表示】P 2021055408の分割
【原出願日】2017-07-14
(31)【優先権主張番号】PCT/JP2016/072673
(32)【優先日】2016-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2016225540
(32)【優先日】2016-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2017100318
(32)【優先日】2017-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000103301
【氏名又は名称】エンゼルグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115808
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 真司
(74)【代理人】
【識別番号】100113549
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 守
(72)【発明者】
【氏名】重田 泰
(57)【要約】      (修正有)
【課題】不正遊技用貨幣がプレイヤからディーラに渡されたときに、それが不正遊技貨幣であることを検知する。
【解決手段】RFタグが内蔵された遊技用貨幣Cを検査する検査システム600は、カジノゲームにおいてディーラの遊技用貨幣Cを収容するための遊技用貨幣トレイと、遊技用貨幣トレイに収容された複数の遊技用貨幣CのRFタグを読み取るRFリーダ6100と、遊技用貨幣トレイに収容された複数の遊技用貨幣Cの少なくとも数を、RFID以外の方法で、一定時間間隔で、もしくは常時、検知する複数のフォトセンサ6173と、RFリーダ6100にてRFタグが読み取られた遊技用貨幣Cの数と、複数のフォトセンサ6173で検知された遊技用貨幣Cの数とが一致しない場合に警報を生成する検査・警報部6200とを備えている。
【選択図】図67
【特許請求の範囲】
【請求項1】
RFIDタグを内蔵したチップを検査する検査システムであって、
少なくともディーラがプレイヤから回収したチップを収容するのに用いられる第1収容手段と、
前記チップをストックするための第2収容手段と、ここで、前記第2収容手段は前記第1収容手段の近傍に設けられ、前記ディーラによって回収されて前記第1収容手段に収容されたチップは後に前記第2収容手段に移される、
前記第1収容手段に収容された前記複数のチップの前記RFIDタグを読み取る第1読取手段と、
前記第2収容手段に収容された複数のチップの前記RFIDタグを読み取る第2読取手段と、
前記第1収容手段に収容された前記チップの枚数より前記第1読取手段で読み取られた前記RFIDタグの数が少ない場合に、前記RFIDタグが不正である不正チップが存在すると判定する制御手段と、
を備えた、検査システム。
【請求項2】
前記第1収容手段に収容されたチップをRFID以外の手段で検知することで、前記第1収容手段に収容された前記チップの枚数を取得する枚数取得手段をさらに備え、
前記制御装置は、前記枚数取得手段で取得された前記チップの枚数より前記第1読取手段で読み取ったRFIDタグの数が少ない場合に、前記不正チップが存在すると判定する、請求項1に記載の検査システム。
【請求項3】
前記枚数取得手段は、前記第1収容手段に収容されたチップを撮影して画像を生成するための撮像素子と、前記撮像素子を用いて生成された画像に基づいて前記第1収容手段に収容された前記チップの枚数を取得する枚数取得装置とを備えた、請求項2に記載の検査システム。
【請求項4】
前記第1収容手段に収容された前記チップの枚数は、既知の数である、請求項1に記載の検査システム。
【請求項5】
前記既知の数を記憶する記憶手段をさらに備え、
前記制御装置は、前記既知の数より前記第1読取手段で読み取ったRFIDタグの数が少ない場合に、前記不正チップが存在すると判定する、請求項4に記載の検査システム。
【請求項6】
前記第1収容手段と前記第2収容手段は、同じチップトレイに設けられる、請求項1に記載の検査システム。
【請求項7】
前記RFIDタグには当該チップの識別情報が管理装置に記憶されており、
前記制御手段は、前記第1読取手段で前記RFIDタグから読み取られた識別情報が前記管理装置に記憶されているか否かによって、前記チップの真贋を判定する、請求項1に記載の検査システム。
【請求項8】
RFIDタグを内蔵したチップを検査する検査システムであって、
複数の前記チップを収容するのに用いられる第1収容手段と、
複数の前記チップを収容するのに用いられる、前記第1収容手段とは別の第2収容手段と、
前記第1収容手段に収容された前記複数のチップの前記RFIDタグを読み取る第1読取手段と、
前記第2収容手段に収容された複数のチップの前記RFIDタグを読み取る第2読取手段と、
前記第1収容手段に収容された前記チップの枚数と、前記第1読取手段で読み取られた前記RFIDタグの数とを比較するために、前記第1読取手段で読み取られた前記RFIDタグの数を反映した表示を行う表示手段と、
を備えた、検査システム。
【請求項9】
前記表示手段は、さらに、前記第1収容手段に収容されたチップの枚数を表示する、請求項8に記載の検査システム。
【請求項10】
前記第1収容手段に収容されたチップの側面を撮影して画像を生成する撮像手段をさらに備え、
前記表示手段は、前記画像に映ったチップの枚数と、前記第1読取手段で読み取ったRFIDタグの数とが一致しない場合に、不一致があることを示す画面を表示する、請求項8に記載の検査システム。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願では、2016年8月2日に出願された国際出願番号PCT/JP2016/072673、2016年11月18日に日本国に出願された特許出願番号2016-225540、及び2017年4月29日に日本国に出願された特許出願番号2017-100318の利益を主張し、当該出願の内容は引用することによりここに組み込まれているものとする。
【技術分野】
【0002】
本発明は、遊技場における遊技用貨幣(gaming chips)等の検査システムに関する。
【背景技術】
【0003】
カジノなどの遊技場では、様々な不正行為を防止する試みが行われている。遊技場は不正行為を監視するための監視カメラを備え、監視カメラより得た画像からゲームの不正や、勝敗結果と異なる遊技用貨幣の回収や償還による不正を判定するなどして不正の防止をしている。
【0004】
一方で、賭けられた遊技用貨幣の枚数や総額を把握するため各遊技用貨幣に無線IC(RFID)タグを付けて遊技用貨幣の額を把握することが提案されている。
【0005】
国際公開第2015/107902号に記載のカードゲームモニタリングシステムでは、遊技テーブル上に置かれた遊技用貨幣が勝敗結果通り回収あるいは償還されたか否かを、遊技用貨幣の動きを画像解析することで判定し、不正行為のモニタリングが行われる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、不正遊技用貨幣ないし不正の物体が提出されたときに、それが不正であることを検知することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様の検査システムは、RFタグが内蔵された遊技用貨幣を検査する検査システムであって、カジノゲームにおいてディーラの遊技用貨幣を収容するための収容手段と、前記収容手段に収容された複数の前記遊技用貨幣のRFタグを読み取るRF読取手段と、前記収容手段に収容された前記複数の遊技用貨幣の少なくとも数を、RFID以外の方法で、一定時間間隔で、もしくは常時、検知する検知手段と、前記RF読取手段にて前記RFタグが読み取られた遊技用貨幣の数と、前記検知手段で検知された遊技用貨幣の数とが一致しない場合に警報を生成する警報手段とを備えた構成を有している。
【0008】
本発明の他の態様の検査システムは、テーブルで行うゲームに用いる遊技用貨幣を検査する検査システムであって、前記テーブルに設置され、前記ゲームごとに増減する複数の遊技用貨幣を収容するための収容手段と、前記収容手段内で前記ゲームごとに増減する前記遊技用貨幣を検査する検査手段とを備えた構成を有している。
【0009】
本発明のさらに他の態様の検査システムは、RFタグが内蔵された遊技用貨幣を検査する検査システムであって、所定数の遊技用貨幣を収容可能な収容手段と、前記収容手段に収容された複数の前記遊技用貨幣のRFタグを読み取るRF読取手段と、前記RF読取手段にて前記RFタグが読み取られた遊技用貨幣の数が前記所定枚数と一致しない場合に警報を生成する警報手段とを備えた構成を有している。
【0010】
本発明のさらに他の態様の検査システムは、遊技用貨幣を検査する検査システムに限られず、RFタグが内蔵された任意の有価物を検査する検査システムとして応用が可能である。この場合、有価物の検査システムは、個別に識別可能なユニークなIDが付された有価物と、前記有価物を使用するテーブルと、前記テーブルにおいて有価物を保持するトレイと、前記ユニークなIDを用いて前記トレイに保持されている前記有価物の数を特定する判定手段と、少なくとも前記トレイを含む前記テーブル上の前記有価物を撮影して画像を生成し、前記画像に基づいて前記有価物の少なくとも数を検知する検知手段と、前記検知手段で検知した前記数を記憶する記憶手段と、前記判定手段により判定した数と、前記検知手段で検知した数との関連を検査する検査手段とを備えている。
【0011】
本発明のさらに他の態様の検査システムは、RFタグが内蔵された物体を検査する検査システムであって、所定の場所に置かれた前記物体のRFタグを読み取るRF読取手段と、前記所定の場所に置かれた前記物体の少なくとも数を、RFID以外の方法で検知する検知手段と、前記RF読取手段にて前記RFタグが読み取られた前記物体の数が前記検知手段で検知された数と一致しない場合に警報を生成する警報手段とを備えた構成を有している。
【0012】
本発明の一態様の管理システムは、有価物の管理システムであって、個別に識別可能なユニークなIDが付された有価物と、前記有価物を使用するテーブルと、前記テーブルにおいて有価物を保持するトレイと、前記ユニークなIDを用いて前記トレイに保持されている前記有価物の種類と数を特定する判定装置と、前記IDに基づいて前記有価物の異常を判定する管理制御装置と、少なくとも前記トレイを含む前記テーブル上の有価物の数をカメラを用いて測定する測定装置とを備え、前記管理制御装置は前記測定装置の測定結果を用いて、前記トレイ上の有価物の数を特定し記憶する機能を有し、更に前記管理制御装置は、前記判定装置により得た前記IDの情報と、前記測定装置で読み取った情報との関連を検査する機能を備えている。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、第1の実施の形態の複数の遊技テーブルを有する遊技場における不正検知システムの全体の概要を示す図である。
図2A図2Aは、それぞれ第1の実施の形態において把握される遊技用貨幣の異なる重ね状態の例を示す遊技用貨幣の斜視図である。
図2B図2Bは、それぞれ第1の実施の形態において把握される遊技用貨幣の異なる重ね状態の例を示す遊技用貨幣の斜視図である。
図3図3は、第1の実施の形態において把握されるカードの汚れを説明するマークの拡大図である。
図4A図4Aは、マーカーの表を表す平面図である。
図4B図4Bはマーカーの裏を表す平面図である。
図5図5は、第1の実施の形態において把握されるお札と遊技用貨幣の交換状態の映像を簡略化した説明図である。
図6図6は、第2の実施の形態における遊技場のテーブルゲームの管理システムの全体の概要を示す平面図である。
図7図7は、従来の遊技用貨幣の斜視図である。
図8図8は、第2の実施の形態における遊技用貨幣の側面断面図である。
図9A図9Aは、第2の実施の形態における遊技用貨幣の側面図である。
図9B図9Bは、第2の実施の形態における遊技用貨幣の平面図である。
図10A図10Aは、第2の実施の形態における遊技用貨幣の別の例を示す図である。
図10B図10Bは、第2の実施の形態における遊技用貨幣の別の例を示す図である。
図11図11は、第2の実施の形態における遊技用貨幣を積上げた状態の斜視図である。
図12図12は、遊技用貨幣の種類の異なるものを積上げた状態を説明する斜視説明写真図である。
図13A図13Aは、第1の実施の形態の遊技用貨幣トレイの詳細を示す図である。
図13B図13Bは、第1の実施の形態の遊技用貨幣トレイの他の例を示す図である。
図14A図14Aは、二段構造の遊技用貨幣トレイとカメラ装置2との関係を示す図であり、二段を重ねた状態を示す図である。
図14B図14Bは、二段構造の遊技用貨幣トレイとカメラ装置2との関係を示す図であり、二段をずらした状態を示す図である。
図15図15は、第2の実施の形態の遊技用貨幣を検査する検査装置を示す図である。
図16図16は、第3の実施の形態の遊技用貨幣の管理システムの全体の概要を示す図である。
図17図17は、第3の実施の形態の遊技用貨幣の側面図である。
図18図18は、上下のマークCがペアーになってコード(4種)を構成する遊技用貨幣を示す図である。
図19図19は、サイドIDが可視光で見えないインク(赤外線を吸収するインク)で印刷されている遊技用貨幣を示す図である。
図20A図20Aは、第3の実施の形態の遊技用貨幣が、カジノテーブルの遊技用貨幣トレイに保持された状態を示す、遊技用貨幣トレイの要部平面図である。
図20B図20Bは、遊技用貨幣が積み重なった状態の斜視図である。
図21図21は、第3の実施の形態の遊技用貨幣の別の例を示す図である。
図22図22は、遊技用貨幣を検査する検査装置の別の例を示す図である。
図23図23は、遊技用貨幣を検査する検査装置の別の例を示す図である。
図24図24は、遊技用貨幣を検査する検査装置の別の例を示す図である。
図25図25は、第4の実施の形態における検査システムの構成を示す図である。
図26図26は、第4の実施の形態における遊技用貨幣の斜視図である。
図27図27は、第4の実施の形態における遊技用貨幣の側面図である。
図28図28は、第4の実施の形態における複数の遊技用貨幣を撮影して得られた画像の例を示す図である。
図29図29は、第4の実施の形態におけるコード情報の構成を説明するための図である。
図30図30は、第4の実施の形態における検査装置の構成を示すブロック図である。
図31図31は、第4の実施の形態におけるケースの斜視図である。
図32図32は、第4の実施の形態における変形例のケースの斜視図である。
図33図33は、第4の実施の形態における変形例のケースの平面図である。
図34図34は、第4の実施の形態における遊技用貨幣の流通とともに検査システムの利用態様の例を説明する図である。
図35図35は、第4の実施の形態における使用管理装置に記憶される情報の内容の例を示す図である。
図36図36は、第4の実施の形態における読み出される情報の内容の例を示す図である。
図37図37は、第4の実施の形態における第1の合否判定方法を説明する図である。
図38図38は、第4の実施の形態における第2の合否判定方法を説明する図である。
図39図39は、第4の実施の形態における第3の合否判定方法を説明する図である。
図40図40は、第4の実施の形態における第4の合否判定方法を説明する図である。
図41図41は、第4の実施の形態における第5の合否判定方法を説明する図である。
図42図42は、第4の実施の形態における合否判定の結果(合格)を示す合否結果表示画面の例を示す図である。
図43図43は、第4の実施の形態における合否判定の結果(不合格)を示す合否結果表示画面の例を示す図である。
図44図44は、第4の実施の形態における検査装置のRFIDアンテナの変形例を示す図である。
図45図45は、第4の実施の形態における変形例の遊技用貨幣の側面図である。
図46図46は、第4の実施の形態における変形例の遊技用貨幣の側断面図である。
図47図47は、第4の実施の形態における変形例の遊技用貨幣の斜視図である。
図48図48は、第4の実施の形態における変形例の遊技用貨幣の側面図である。
図49図49は、第4の実施の形態における変形例の遊技用貨幣の平面図である。
図50図50は、第4の実施の形態における積み重ねられた遊技用貨幣を撮影して得られた画像の例を示す図である。
図51図51は、第4の実施の形態における変形例の検査システムの構成を示す図である。
図52図52は、第4の実施の形態における変形例の検査システムの構成を示す図である。
図53図53は、第5の実施の形態における検査システムの構成を示す図である。
図54図54は、第5の実施の形態における検査装置の構成を示すブロック図である。
図55図55は、第5の実施の形態におけるケースの斜視図である。
図56図56は、第5の実施の形態における変形例のケースの斜視図である。
図57図57は、第5の実施の形態における変形例のケースの平面図である。
図58図58は、第5の実施の形態における遊技用貨幣の側断面図である。
図59図59は、第5の実施の形態における積み重ねられた遊技用貨幣を撮影して得られた画像の例を示す図である。
図60図60は、第5の実施の形態における合否判定の結果(合格)を示す合否結果表示画面の例を示す図である。
図61図61は、第5の実施の形態における合否判定の結果(不合格)を示す合否結果表示画面の例を示す図である。
図62図62は、第5の実施の形態における遊技用貨幣の流通とともに検査システムの利用態様の例を説明する図である。
図63図63は、第5実施の形態の別の実施の形態における検査装置の構成を示す図である。
図64図64は、第6の実施の形態の遊技用貨幣を収容する遊技用貨幣トレイの平面図である。
図65図65は、第6の実施の形態のRFリーダのアンテナを示す図である。
図66図66は、第6の実施の形態の溝の拡大平面図及び正面方向の断面図である。
図67図67は、第6の実施の形態の検査システムの全体構成を示す図である。
図68図68は、第6の実施の形態の遊技用貨幣トレイの他の例を示す平面図である。
図69図69は、第6の実施の形態の遊技用貨幣トレイのさらに他の例を示す平面図である。
図70図70は、第6の実施の形態の遊技用貨幣トレイのさらに他の例を示す平面図である。
図71図71は、第6の実施の形態のRFアンテナの他の構成を示す図である。
図72図72は、第6の実施の形態の検知手段としてラインセンサを用いる遊技用貨幣トレイの1つの溝を示す図である。
図73図73は、図72の例の検査システム600の全体構成を示す図である。
図74図74は、第6の実施の形態の検知手段としてスキャナを用いる遊技用貨幣トレイの1つの溝を示す図である。
図75図75は、図74の例の検査システム600の全体構成を示す図である。
図76図76は、第6の実施の形態の検知手段としてレーザ測距器を用いる遊技用貨幣トレイの1つの溝を示す図である。
図77図77は、図76の例の検査システム600の全体構成を示す図である。
図78図78は、第6の実施の形態の検知手段として重量計を用いる遊技用と例の1つの溝を示す図である。
図79図79は、図78の例の検査システム600の全体構成を示す図である。
図80図80は、第6の実施の形態のスペーサによって溝の空いているスペースを埋めた状態を示す図である。
図81図81は、図80の例の検査システム600の全体構成を示す図である。
図82図82は、第6の実施の形態のRFタグを内蔵した物体を検査する検査システムの全体構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第1の実施の形態)
カジノなどの遊技場では、遊技用貨幣が嵩高く積み重ねられて遊技テーブルに置かれるが、遊技テーブルの下に設けたICタグの読取装置では、総額が正確に読み取れないという問題があり、読取装置の感度を高くすると、異なる位置(位置により勝敗が左右される)に置かれた遊技用貨幣が、合算されてしまい各位置の遊技用貨幣の総額が把握できない、という課題が存在する。また、カメラからの撮像では、カメラの視角により死角ができたり、重なりにより影に入って遊技用貨幣の総額が把握できないという課題がある。
【0015】
また、バカラゲームにおいてしばしば行われるが、プレイヤによるカードのスクイーズ(裏向きのカードを曲げてカードのランク等を楽しみながら少しずつ見る行為)等によりカードが曲がってしまい、カメラからの画像分析ではカードのランクとスートが判定できない、という課題が存在する。
【0016】
また、さらに遊技テーブルにおける不正が高度化し、その遊技テーブルで単純に勝った額が多い等の検出では発見できない高度な賭け方による不正などは、カメラや勝ち額の追跡では発見できない、という新たな課題も把握されている。また、ディーラとプレイヤの共謀による不正行為も従来技術では防止が十分でない。
【0017】
上記種々の課題を解決するため、第1の実施の形態の複数の遊技テーブルを有する遊技場における不正検知システムは、複数の遊技テーブルを有する遊技場における不正検知システムであって、前記遊技テーブルで行われるゲームの進行状態をディーラおよびプレイヤを含めカメラを介して映像として記録するゲーム記録装置と、前記記録されたゲームの進行状態の映像を画像分析する画像分析装置と、前記遊技テーブルにおいて各ゲームの勝敗結果を判定し表示するカード配布装置と、前記画像分析装置による画像分析結果と前記カード配布装置が判定する勝敗結果とを用いて、前記遊技テーブルで行われる不正行為を検知する制御装置と、を備える。
【0018】
さらに、不正検知システムであって、カード配布装置は、配布されるカードのランクを読取り可能な構造であって、制御装置は、遊技テーブルにおいて配布された各カードの映像より前記画像分析装置が得るランクの情報と、前記カード配布装置が読取ったカードのランクの情報とを照合して一致不一致を判定可能な構造である。
【0019】
さらに、不正検知システムであって、画像分析装置もしくは制御装置は、遊技テーブルにおいて配布されプレイヤによって折曲げられたもしくは汚れたカードからカードのランクの情報を得ることが可能な人工知能活用型もしくはディープラーニング構造である。
【0020】
さらに、不正検知システムであって、制御装置は、前記画像分析装置を介して各プレイヤが賭ける遊技用貨幣の位置、種類および枚数を把握し、各プレイヤの賭けた負け遊技用貨幣の回収および勝ち遊技用貨幣への支払がゲームの勝敗結果に従って適正に行われたか否かを、前記画像分析装置を介してゲームの進行状態の映像を分析することにより判定する。
【0021】
さらに、不正検知システムであって、画像分析装置もしくは制御装置は、遊技テーブル上に置かれた複数の遊技用貨幣が前記カメラの死角により一部もしくは一枚全体が隠れた状態となっていても、賭けられた遊技用貨幣の種類、枚数と位置の情報を得ることが可能な人工知能活用型もしくはディープラーニング構造である。
【0022】
さらに、不正検知システムであって、制御装置は、遊技テーブルのディーラの遊技用貨幣トレイにおける把握されている遊技用貨幣の額が、ゲームが終了して清算後に、各プレイヤの賭けた負け遊技用貨幣の回収および勝ち遊技用貨幣への支払額に応じて増減したか否かを、ゲームの勝敗結果に従って比較計算可能な人工知能活用型もしくはディープラーニング構造である。
【0023】
さらに、不正検知システムであって、制御装置は、遊技テーブルの各プレー位置において賭けた遊技用貨幣の位置と額とを把握し、各ゲームの勝敗結果より得られる各プレイヤの勝敗履歴と得た遊技用貨幣の額を、過去のゲームの統計データと比較して特異な状況として抽出可能な人工知能活用型もしくはディープラーニング構造である。
【0024】
さらに、不正検知システムであって、制御装置は、ある遊技テーブルのプレー位置において、負けた時の賭け遊技用貨幣の額が、勝った時の賭け遊技用貨幣の額より少額である状態が過去のゲームの統計データと比較して特異な状況として抽出可能な人工知能活用型もしくはディープラーニング構造である。
【0025】
さらに、不正検知システムであって、制御装置は、前記画像分析装置を介して前記特異な状況として抽出されるか、もしくは所定額以上の勝ちを収めたプレー位置における個別のプレイヤの特定が可能な構造である。
【0026】
さらに、不正検知システムであって、制御装置は、前記特定されたプレイヤが、離席して別の遊技テーブルに着いたとき、当該別の遊技テーブルに当該特定プレイヤの存在を知らせる警告機能を有する。
【0027】
上記種々の課題を解決するため、本願発明の複数の遊技テーブルを有する遊技場における不正検知システムは、
前記遊技テーブルで行われるゲームの進行状態をディーラおよびプレイヤを含めカメラを介して映像として記録するゲーム記録装置と、
前記遊技テーブルにおいて各ゲームの勝敗結果を判定し表示するカード配布装置と、
前記記録されたゲームの進行状態の映像を画像分析する画像分析装置と、
前記画像分析装置による画像分析結果を用いて、前記遊技テーブルにおいてお札と遊技用貨幣を検知可能な制御装置と、を備え、
前記前記画像分析装置もしくは制御装置は、前記カード配布装置あるいは前記ディーラより得られる情報に基づいて、カードのディーリング中以外の状況において、前記遊技テーブルにおいてお札と遊技用貨幣との交換が行われていることを検知可能であり、さらに前記お札がブラックライトにより検証された真正なお札の総額を認知し、さらに交換対象として遊技テーブル上に出された複数の遊技用貨幣が前記カメラの死角により一部もしくは一枚全体が隠れた状態となっていても遊技用貨幣の総額を認知可能で、前記遊技テーブル上にプレイヤから出されたお札の総額と、ディーラから出された遊技用貨幣の総額とを比較し、両者の額が一致するか否かを判定可能な人工知能活用型もしくはディープラーニング構造である。
【0028】
さらに、不正検知システムであって、制御装置は、遊技テーブルのディーラの遊技用貨幣トレイにおける把握されている遊技用貨幣の額が、お札と遊技用貨幣との交換が行われて清算した後に、交換したお札に対応した遊技用貨幣の支払額に応じて増減したか否かを、比較計算可能な人工知能活用型もしくはディープラーニング構造である。
【0029】
さらに、不正検知システムであって、制御装置は、お札と遊技用貨幣との交換が行われて清算した後に、ディーラの入力による当該ディーラの入力によるお札の入金額と、前記画像分析装置による画像分析結果によるお札の総額の一致不一致を比較計算可能な人工知能活用型もしくはディープラーニング構造である。また、さらには、制御装置は、当該ディーラの担当する遊技テーブルにおける当該ディーラの入力によるお札の総トータル入金額と、前記画像分析装置による画像分析結果によるお札の総トータル額との一致不一致を比較計算可能な人工知能活用型もしくはディープラーニング構造である。
【0030】
本実施の形態の不正検知システムによれば、バカラゲーム等においてしばしば行われるプレイヤによるカードのスクイーズによりカードが曲がってしまっても、画像分析でカードのランクとスートが判定でき、死角や重なった遊技用貨幣も総額が位置と共に把握することができる。またお札と遊技用貨幣の交換時の不正も検知することができる。
【0031】
第1の実施の形態の複数の遊技テーブルを有する遊技場における不正検知システムの全体の概要を以下にさらに詳細に説明する。図1は同システムの全体の概要を示す図であって、複数の遊技テーブル4を有する遊技場における不正検知システムは、遊技テーブル4で行われるゲームの進行状態をプレイヤ6およびディーラ5を含め複数のカメラ装置2を介して映像として記録するゲーム記録装置11、および記録されたゲームの進行状態の映像を画像分析する画像分析装置12、さらに遊技テーブル4において各ゲームの勝敗結果を判定し表示するカード配布装置3を備える。カード配布装置3は、すでに当業者で使われているいわゆる電子シューであり、あらかじめゲームのルールがプログラムされており、配布されるカードCの情報を読み取って、ゲームの勝敗を判定することができる構造となっている。たとえばバカラゲームでは、バンカーの勝、プレイヤの勝、タイ(引き分け)が、基本的に2-3枚のカードのランクにより決定され、判定結果(勝敗結果)は結果表示ランプ13にて表示される。
【0032】
本不正検知システムは、さらに画像分析装置12による画像分析結果による実際のカードのランクと、カード配布装置3が判定する勝敗結果とを比較し、遊技テーブル4で行われる不正行為(配布されたカードのランク合計と勝敗結果の不一致など)を検知する制御装置14を備える。カード配布装置3は、ディーラ5により手動で配布されるカードCのランク(A,2~10,J,Q,K)とスート(ハート、スペードなど)を読取り可能な構造であって、制御装置14は、遊技テーブル4において配布された各カードの映像(カメラ装置2を使って撮影する)から画像分析装置12(人工知能を使用する)が得るランクとスートの情報と、カード配布装置3が読取ったカードとスートの情報とを照合して一致不一致を判定可能な構造となっている。本不正検知システムにおける画像分析装置12および制御装置14は、一体もしくは複数の構成からなるコンピュータおよびプログラム、メモリを複合的に備えた構造となっている。
【0033】
画像分析装置12および制御装置14は、遊技テーブル4において配布されプレイヤ6によって折曲げられもしくは汚れたカードCであっても、カードのランクの情報を得ることが可能な人工知能活用型もしくはディープラーニング構造を有する。汚れたカードCは図3に示すように、クラブとスペードの判別が困難な状況が出現する。このような場合でも、人工知能活用型のコンピュータもしくは制御システム、ディープラーニング(構造)技術を用いた画像の分析、判定により、スートの判別が可能となる。また、バカラゲーム等においてしばしば行われるプレイヤによるカードのスクイーズによりカードが曲がってしまっても、多数の画像の変形例の自己学習等を利用して、人工知能活用型のコンピュータもしくは制御システム、ディープラーニング(構造)技術により、変形前のカードが有していたスートやランクを認識可能となる。人工知能活用型のコンピュータもしくは制御システム、ディープラーニング(構造)技術は当業者ですでに既知で利用可能であるため、詳細な説明を略する。
【0034】
人工知能活用型もしくはディープラーニング構造を有する制御装置14は、カメラ装置2、画像分析装置12を介して各プレイヤ6が遊技用貨幣120をベットエリア8のいずれの位置(プレイヤか、バンカーか、ペアー)に賭けたか、賭けた遊技用貨幣120の種類(遊技用貨幣120は色毎に異なる額の値が割り付けられている)および枚数を把握することが可能である。遊技用貨幣120は、垂直方向に整列して積み重なる場合だけでなく、図2Aに示すようにずれて重なることがある。この場合、図2Aに示す矢印X方向にカメラ装置2が位置する場合(もしくは相対的に遊技用貨幣120の向きが死角になる場合)、図2Bのように遊技用貨幣120が見えない(死角に入る)ことが想定される。人工知能活用型のコンピュータもしくは制御システム、ディープラーニング(構造)技術においては、自己学習機能等を用いて、遊技用貨幣120の死角による隠れ等(一枚の遊技用貨幣の一部が隠れる場合、あるいは遊技用貨幣全体が隠れる場合)を認識して、正確に枚数等が把握される。このように、遊技用貨幣120がベットエリア8のいずれの位置(プレイヤか、バンカーか、ペアー)に賭けたか、賭けた遊技用貨幣120の種類(遊技用貨幣120は色毎に異なる額の値が割り付けられている)および枚数を把握することが可能であるため、各ゲームにおいてカード配布装置3が判定するゲームの勝敗結果に従って、各プレイヤ6の賭けた負け遊技用貨幣の回収(矢印Lに示す)および勝ったプレイヤ6Wへの勝ち遊技用貨幣への支払(120W)がゲームの勝敗結果に従って適正に行われたか否かを、制御装置14は、画像分析装置12を介してゲームの進行状態の映像を分析することにより判定する。知能型の制御装置14が画像分析装置12を介して分析した判定結果が、その他の手段による読み取り結果(例えばRFIDによる読み取り結果)と異なっていた場合には、当該分析画像を保存して後から検証することができる。検証の結果、知能型の制御装置14の誤りであった場合には、当該分析画像をディープラーニング技術における教師学習のサンプルデータとして利用し、知能型の制御装置14の精度向上に使用することができる。
【0035】
制御装置14は、遊技テーブル4のディーラ5の遊技用貨幣トレイ17における遊技用貨幣120の総額が画像分析装置12を用いて分析把握可能で、ゲームが終了して清算した後に、各プレイヤ6の賭けた負け遊技用貨幣120の回収および勝ったプレイヤ6Wへの勝ち遊技用貨幣への支払120Wの額に応じて、遊技用貨幣トレイ17内の遊技用貨幣120の総額が増減したか否かを、ゲームの勝敗結果に従って比較計算可能である。遊技用貨幣トレイ17における遊技用貨幣120の総額は、RFIDなどの手段で常に把握されていても、その増減額が正しいか、否かは、制御装置14が、画像分析装置12を介してゲームの進行状態の映像を分析することにより判定する。これらも人工知能活用型もしくはディープラーニング構造が活用される。
【0036】
この例では、ゲームの勝敗結果、どの種類の遊技用貨幣120がベットエリア8のいずれの位置(プレイヤか、バンカーか、ペアー)に何枚賭けたかの情報、及び負け遊技用貨幣の回収及び勝ち遊技用貨幣120に対する償還が終わった後の遊技用貨幣トレイ17における遊技用貨幣120の増減額に基づいて不正やミスを検知するので、ゲーム終了後の遊技用貨幣120の動き、すなわち、賭けられていた遊技用貨幣120がプレイヤ側に移動したか、ディーラ側に移動したかを把握しなくても、不正やミスを検知できる。
【0037】
ここで、ゲームの勝敗結果は、例えばバカラの場合には、カード配布装置3において、そのゲームで繰り出されたカードCのランクを読み取ることで、バカラのルールに従って判定することができる。また、ゲームの勝敗結果は、遊技テーブル4上をカメラ装置2で撮影して、その画像を画像分析装置12で分析し、制御装置14で分析結果をゲームのルールと照らし合わせることでも判定できる。この場合には、カメラ装置2と画像分析装置12と制御装置14とで勝敗結果判定装置が構成される。各プレー位置7のプレイヤ、どの種類の遊技用貨幣120がベットエリア8のいずれの位置(プレイヤか、バンカーか、ペアー)に何枚賭けたかの情報は、ベットエリア8に置かれた遊技用貨幣120をカメラ装置2で撮影し、画像分析装置12でプレー位置7毎にその画像を分析することで得られる。
【0038】
また、負け遊技用貨幣120の回収及び勝ち遊技用貨幣120に対する償還が行われる前後の遊技用貨幣トレイ17における遊技用貨幣120の増減額は、負け遊技用貨幣120の回収及び勝ち遊技用貨幣120に対する償還をする前の遊技用貨幣トレイ17内の遊技用貨幣120の総額と負け遊技用貨幣120の回収及び勝ち遊技用貨幣120に対する償還をした後の遊技用貨幣トレイ17内の遊技用貨幣120の総額とを比較することで算出できる。負け遊技用貨幣120の回収及び勝ち遊技用貨幣120に対する償還をする前の遊技用貨幣トレイ17内の遊技用貨幣120の総額、及び負け遊技用貨幣120の回収及び勝ち遊技用貨幣120に対する償還をした後の遊技用貨幣トレイ17内の遊技用貨幣120の総額は、それぞれ遊技用貨幣120を収容した遊技用貨幣トレイ17をカメラ装置2で撮影し、画像分析装置12でその画像を分析することで検知可能である。また、遊技用貨幣120内にその額を示すRFIDを埋め込むとともに遊技用貨幣トレイ17にRFIDリーダを設けることで、遊技用貨幣トレイ17に収容されている遊技用貨幣120の総額を検出するようにしてもよい。
【0039】
例えば、ゲームの開始前に遊技用貨幣トレイ17の遊技用貨幣120の総額がBbであり、ゲームが終了して負け遊技用貨幣の回収及び勝ち遊技用貨幣に対する償還が終わった後の遊技用貨幣トレイ17の遊技用貨幣120の総額がBaであるとする。また、このゲームにおいて、プレイヤエリアに賭けられた遊技用貨幣120の全プレー位置7の総額がbpであり、バンカーエリアに賭けられた遊技用貨幣120の全プレー位置7の総額がbbであり、タイエリアに賭けられた遊技用貨幣120の全プレー位置7の総額がbtであるとする。例えばこのゲームの勝敗結果がバンカーの勝ちである場合には、Ba-Bb=bp-bb+btが成立すべきである。あるいは、ゲーム終了後の遊技用貨幣トレイ17の遊技用貨幣120の総額Baは(Bb+bp-bb+bt)であるべきである。そのようになっていない場合には、遊技用貨幣の回収又は償還において、不正又はミスがあったと判定することができる。
【0040】
図13Aは、本実施の形態の遊技用貨幣トレイの詳細を示す図であり、図13Bは遊技用貨幣トレイの他の例を示す図である。遊技用貨幣トレイ17には、負けたプレイヤ6Lの賭けた遊技用貨幣120Lを回収して一時保管する回収遊技用貨幣トレイ171と償還する遊技用貨幣120Wを保管する償還遊技用貨幣トレイ172とが設けられている。画像分析装置12および制御装置14は、負けたプレイヤ6Lが賭けた遊技用貨幣120Lの位置、種類および枚数を把握し、当該ゲームにおける遊技用貨幣0Lの増額分(当該回収遊技用貨幣トレイ171における遊技用貨幣120のあるべき額)を計算する。さらに、画像分析装置12及び制御装置14は、回収した後の遊技用貨幣トレイ171における遊技用貨幣120の現実の総額を把握し、あるべき総額と現実の総額とを比較して違いがあるか否かを判定する。
【0041】
また、勝ったプレイヤ6Wに対する遊技用貨幣120Wの償還は償還遊技用貨幣トレイ172にある遊技用貨幣120を使用することで、画像分析装置12及び制御装置14が回収した後の回収遊技用貨幣トレイ171における遊技用貨幣120の現実の総額を把握するのに十分な時間を確保することができる。
【0042】
図1に示すように、遊技テーブル4は、ゲームで使用されたカードCを廃棄するための廃棄エリア41及び/又は廃棄スロット42を備える。ゲームが終了する度に当該ゲームで使用されたカードCは、回収され、遊技テーブル4上の廃棄エリア41もしくは廃棄スロット42に入れて廃棄される。
【0043】
遊技テーブル4は、さらにゲームの勝敗を示すマーカー43を備える。図4Aは、マーカーの表を表す平面図であり、図4Bはマーカーの裏を表す平面図である。バカラゲームでは、プレイヤの勝ちを示すマーカー43aとバンカーの勝ちを示すマーカー43bの2種類が使用され、ディーラ5は、ゲームの結果が出た際に、プレイヤもしくはバンカーのうち勝った方のマーカーをひっくり返す。これによりゲームの勝敗がテーブル上で分かりやすく示される。ひっくり返っているマーカーは遊技用貨幣120の回収、償還終了後にディーラ5により元に戻される。マーカーを元に戻すことで、次ゲームが開始できる状態であることも意味される。
【0044】
以上のように、本実施の形態では、制御装置14は、ゲーム毎に遊技テーブル4上の賭け遊技用貨幣額とゲームの勝敗結果から遊技用貨幣の収支を計算し、ゲーム後における遊技用貨幣トレイ17内の遊技用貨幣の残高の増額を検証する。制御装置14は、この検証において違いが検出されたら、アラームを発出するか、あるいはカメラ装置2で撮影されたビデオの記録にその旨の記録を追加する。カジノ運営者は、ビデオを確認することで違いの原因を追究することができる。
【0045】
本実施の形態の不正検知システムは、各ゲームの清算前の遊技用貨幣トレイ17における遊技用貨幣120の総額から、当該ゲームですべてのプレイヤ6の賭けた遊技用貨幣120の位置、種類および枚数と勝敗結果判定装置で得た当該ゲームの勝敗結果とから計算される当該ゲームにおける遊技用貨幣の増減額を加減算し、当該ゲームの終了時の清算後の遊技用貨幣トレイ17における遊技用貨幣120のあるべき総額と、画像分析装置12を介し得た当該ゲームの終了時の遊技用貨幣トレイ17における遊技用貨幣120の現実の総額を比較し、あるべき総額と現実の総額との間に違いがあるか否かを判定する。
【0046】
制御装置14は、画像分析装置12を介して各プレイヤが賭ける遊技用貨幣の位置、種類および枚数を把握し、各プレイヤの賭けた負け遊技用貨幣のすべての回収が終わったときに、遊技用貨幣トレイにおける遊技用貨幣の現実の総額を把握し、各ゲームの清算前の遊技用貨幣トレイにおける遊技用貨幣の総額から、負けたプレイヤの賭けた遊技用貨幣の位置、種類および枚数から当該ゲームにおける遊技用貨幣トレイ17の増額を加算した当該遊技用貨幣トレイ17における遊技用貨幣120のあるべき総額と、当該遊技用貨幣トレイ17における遊技用貨幣120の現実の総額とを比較し、あるべき総額と現実の総額との間に違いがあるか否かを判定する。
【0047】
制御装置14は、各ゲームの清算前の遊技用貨幣トレイ17における遊技用貨幣120の総額から、負けたプレイヤの賭けた遊技用貨幣120の位置、種類および枚数から当該ゲームにおける遊技用貨幣トレイ17の増額を加算した当該遊技用貨幣トレイ17における遊技用貨幣120のあるべき総額と、当該遊技用貨幣トレイ17における遊技用貨幣120の現実の総額とを比較し、あるべき総額と現実の総額との間に違いがないと判定し、かつ当該ゲームの終了時の精算後の遊技用貨幣トレイ17におけるあるべき総額と、画像分析装置12を介し得た当該ゲームの終了時の遊技用貨幣トレイ17における遊技用貨幣120の現実の総額を比較し、あるべき総額と現実の総額との間に違いがあると判定した場合には、支払いの間違いと判定し、支払いの間違いを知らせる支払い誤りシグナルを発生させる。
【0048】
遊技用貨幣トレイ17には、負けたプレイヤの賭けた遊技用貨幣120を回収して一時保管する回収遊技用貨幣トレイ171が設けられ、画像分析装置12は、負けたプレイヤの賭けた遊技用貨幣120Lの位置、種類および枚数から計算される当該ゲームにおける遊技用貨幣120の増額を加算した回収遊技用貨幣トレイ171における遊技用貨幣120のあるべき総額と、回収遊技用貨幣トレイ171における遊技用貨幣120の現実の総額とを比較し、あるべき総額と現実の総額との間に違いがあるか否を判定する。
【0049】
制御装置14が遊技テーブル4のディーラ5の遊技用貨幣トレイ17における把握されている遊技用貨幣120の現実の総額が、すべてのプレイヤの賭けた遊技用貨幣額と当該ゲームの勝敗結果とから計算される遊技用貨幣の増減額に対応していない違いを判定したときは、ゲーム記録装置11において上記の違いが生じたゲームの記録が分析可能となるように、ゲーム記録装置11は、取得した映像にインデックスもしくは時刻を付与するか、もしくは遊技用貨幣120の回収シーンあるいは支払シーンを特定して再生できる。
【0050】
このように、制御装置14は、画像分析装置12を介してゲームの終了時の清算後に遊技用貨幣トレイ17における遊技用貨幣(チップ)の総額を得るが、この場合の清算後の判断というのは、以下の1)~4)のいずれかが起こったときとする。
1)勝ち遊技用貨幣(勝ちチップ)120に対する償還が終了したとき、
2)当該ゲームで使用されたカードCが回収され、当該テーブルの廃棄エリアもしくは廃棄スロットに廃棄されるとき、
3)勝敗結果判定装置に付随する所定のボタンを押したとき、
4)勝敗を示すマーカー43を元に戻したとき。
【0051】
上記のテーブルゲームの管理システムにおいて、前記管理制御装置は、各ゲームでゲーム参加人が置いた遊技用貨幣の位置と種類と枚数の撮像を行うが、これは以下の1)~3)のいずれかを検出したときとする。
1)前記カード配布装置が一枚目のカードが引かれるのを検出したとき、
2)引かれる前後、
3)ディーラの賭け終了のサインを管理制御装置が認識した後。
【0052】
また、制御装置14は、遊技テーブル4の各プレー位置7において賭けた遊技用貨幣の位置(プレイヤか、バンカーか、ペアーに賭けた位置)と額(種類と枚数)を把握し、各ゲームの勝敗結果により得られる各プレイヤ6の勝敗履歴と得た遊技用貨幣の額(勝った額)を、過去の多数(ビッグデータ)のゲームの統計データと比較して特異な状況(カジノにより設定される)として抽出可能な人工知能活用型もしくはディープラーニング構造である。典型的にはある額(100万ドル)以上の勝ち額の発生や、ある遊技テーブル4のプレー位置7において、負けた時の賭け遊技用貨幣の額が少なく、勝った時の賭け遊技用貨幣の額が多い状態が数ゲーム続き、それが過去のゲームの統計データ(ビッグデータ等)と比較して特異な状況としてこれを抽出可能な人工知能活用型もしくはディープラーニング構造の制御装置14を備えるものである。
【0053】
さらに、本不正検知システムの制御装置14は(画像分析装置12と一体となって)特異な状況として抽出されるか、もしくは所定額以上の勝ちを収めたプレー位置7における個別のプレイヤ6の特定が可能な構造である。このようなプレイヤ6の特定は、画像分析装置12において、顔の画像を特徴点抽出等により得、アイデンティティ番号(ID等)を付して特定しておく。そして制御装置14は、特定されたプレイヤ6が、離席して別の遊技テーブルに着いたとき、当該別の遊技テーブルに当該特定プレイヤの存在を知らせる警告機能を有する。具体的には、各遊技テーブル4を管理するピットマネージャや各テーブル責任者(ディーラでもよい)に知らせて、更なる特異現象の防止を図る。
【0054】
制御装置14は、さらに、お札Kと遊技用貨幣120の交換の履歴を残すデータベースを備え、一定時間又は一日単位で、データベースを参照し、遊技テーブル4のディーラ5の遊技用貨幣トレイ17における把握されている遊技用貨幣120の額が、交換したお札Kに対応した遊技用貨幣120の支払額、又は交換した遊技用貨幣120に対応したお札Kの支払額の総額に応じて増減したか否かを比較し判定する。
【0055】
なお、上記の例において、個別のプレイヤ6を特定せずにプレー位置7ごとの勝敗履歴と得た遊技用貨幣の額(勝った額)を監視してもよい。この場合には、各プレイヤ6が離席した場合にそのプレイヤ6をトラッキングできないことになるが、1つの遊技テーブル4の特定のプレー位置7で負けた時の賭け遊技用貨幣の額が少なく、勝った時の賭け遊技用貨幣の額が多い状態が数ゲーム続く等の特異な状況を検知することができる。そして、そのようなプレー位置7が検出された場合には、そのプレー位置7において不正やミスがあった疑いがある。そして、そのプレー位置7を撮影したビデオを検証することで、不正やミスを発見することができる。
【0056】
具体的には、カメラ装置2は、少なくとも遊技テーブル4のベットエリア8に置かれた遊技用貨幣120を撮影するように設置される。画像分析装置12は、カメラ装置2によって撮影された画像を分析して、ユーザ位置7ごとにベットエリア8のプレイヤ、バンカー、タイのいずれの位置に遊技用貨幣が置かれたか、及び置かれた遊技用貨幣の額を検知する。また、カード配布装置3は、勝敗結果判定装置としても機能し、ゲームの勝敗結果を判定する。制御装置14は、遊技用貨幣120が置かれたベットエリア8内の位置(プレイヤ、バンカー、又はタイ)及びゲームの勝敗結果に基づいて、プレー位置7ごとの勝敗履歴及び得た遊技用貨幣の額(遊技用貨幣獲得額)を記録していく(監視する)。なお、勝敗履歴及び遊技用貨幣獲得額は、そのいずれかのみが記録されてもよい。制御装置14は、この勝敗履歴及び/又は遊技用貨幣獲得額の履歴が、過去の多数(ビッグデータ)のゲームの統計データと比較して特異な状況(カジノにより設定される)である場合に、このプレイヤ位置7を不正行為が疑われるプレー位置として特定する。
【0057】
あるプレイヤ位置7について不正行為が疑われた場合には、不正検知システムは、その時点で少なくともディーラが近くできるようにアラーム(光や音や振動)を発生させてよい。これにより、少なくともその場でそれ以降のゲームを中断するなどして、不正行為の継続を阻止することができる。また、カメラ装置2によって撮影されて記録される映像に、不正行為が疑われたことを示す情報を付加するようにしてよい。これにより、ビデオを確認することで、不正行為の疑いの原因を究明できる。
【0058】
本実施の形態における遊技テーブルを有する遊技場における不正検知システムは、さらに遊技テーブル4においてしばしば行われるお札と遊技用貨幣との交換時の検査を行う機能を備える。カジノ等の遊技場では、ゲームの前にプレイヤ6は、所定の遊技用貨幣交換所で、お札(現金など)と遊技用の遊技用貨幣を交換する。しかし、プレイヤ6が遊技用貨幣を使い果たすと、遊技テーブル4から離席せずに、遊技テーブル(バカラテーブル等)上で、現金(お札)から遊技用貨幣120の交換をしてゲームを続けることができる。しかし、ここにディーラ5とプレイヤとの間で不正が行われる機会が生じる。遊技テーブル(バカラテーブル等)上で、現金(お札)から遊技用貨幣120の交換は、ゲームが進行していない時に行われる必要がある。カード配布装置3は、ゲームの勝敗を決定するために、カードのディーリング開始と、ディーリング終了(勝敗の決定時期)を検出することが可能である。このため、カード配布装置3において、カードの配布(ディーリング)以外の状況を検出し、制御装置14は、カードのディーリング中以外の状況において、遊技テーブル4においてお札と遊技用貨幣120との交換が行われていることを検知する(図5に示す)。カードのディーリング中(又はそれ以外の状況)は、カード配布装置3あるいはディーラ5の動作より得られる情報に基づいて検出できる。
【0059】
制御装置14は、お札Kの表面の画像分析を行いお札の枚数と額を認識可能である。さらに、遊技テーブル4では、遊技用貨幣120との交換用のお札Kが真正なものか否かが、ブラックライトを照射することでお札の真正マークGを検出して行われる。図5に示すように、制御装置14は、この真正マークGも画像分析して検証し、真正なお札の総額を認知し、さらに交換対象として遊技テーブル上に出された複数の遊技用貨幣がカメラ装置2の死角により隠れた状態となっていても遊技用貨幣の総額を認知可能で、遊技テーブル4上にプレイヤから出されたお札Kの総額と、ディーラ5から出された遊技用貨幣120の総額とを比較し、両者の額が一致するか否かを判定可能な人工知能活用型もしくはディープラーニング構造となっている。
【0060】
制御装置14は、遊技テーブル4のディーラ5の遊技用貨幣トレイ17における遊技用貨幣120の総額が、お札と遊技用貨幣との交換が行われて清算した後に、交換したお札に対応した遊技用貨幣の支払額に応じて増減したか否かを、比較計算可能な人工知能活用型もしくはディープラーニング構造である。ディーラ5の遊技用貨幣トレイ17における遊技用貨幣120の総額は、遊技用貨幣120のRFID等によりあらかじめ常に把握されている場合も考えられる。また、遊技用貨幣120を収容した遊技用貨幣トレイ17をカメラ装置2で撮影し、画像分析装置12でその画像を分析することでも、遊技用貨幣トレイ17に収容された遊技用貨幣120の総額を検知できる。
【0061】
また、制御装置14は、お札と遊技用貨幣との交換の前後における、遊技用貨幣トレイ17内の遊技用貨幣120の額の増減と遊技テーブル4上において画像分析結果の遊技用貨幣の交換額と一致するかを検証する。支払われたお札の額は、ディーラ5がキー入力等によって制御装置14に対して入力してもよいし、カメラ装置2によってお札の支払いが行われる遊技テーブル4上を撮影して、画像分析装置12でその画像を分析することで特定してもよい。
【0062】
上記のように、制御装置14は、お札と遊技用貨幣との交換による遊技用貨幣トレイ17からの遊技用貨幣120の減額分が、プレイヤ6からディーラ5に支払われたお札の額と一致するか否かを判定する。さらに、制御装置14は、お札と遊技用貨幣との交換が行われて清算した後に、ディーラ5によるお札の入金額(通常はキー入力等による)と、画像分析装置12による画像分析結果のお札の計算金額の一致不一致を比較計算可能な知能型制御装置であり、さらには人工知能活用型もしくはディープラーニング構造であってもよい。
【0063】
また、さらには、制御装置14は、当該ディーラの担当する遊技テーブル4における当該ディーラの入力によるお札の総額、画像分析装置12による画像分析結果によるお札の総額との一致不一致を比較計算可能な人工知能活用型もしくはディープラーニング構造である。
【0064】
制御装置14は、遊技テーブル4のディーラ5の遊技用貨幣トレイ17における把握されている遊技用貨幣120の額が、お札と遊技用貨幣120との交換が行われた後に、交換したお札に対応した遊技用貨幣120の支払額、又は交換した遊技用貨幣120に対応したお札の支払額に応じて増減したか否かを比較し判定する。
【0065】
制御装置14は、遊技用貨幣120の種類と枚数とを計測判定する際に、遊技用貨幣の一部もしくは一枚全体が隠れた状態となっていても遊技用貨幣120の種類、枚数の情報を得ることが可能な人工知能活用型もしくはディープラーニング構造の制御装置である。
【0066】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態の管理システムは、遊技場におけるテーブルゲームの管理システムに関する。
【0067】
カジノなどの遊技場では、様々なディーラの遊技用貨幣(遊技用貨幣)の取扱いミスを防止する試みが行われている。遊技場はディーラの遊技用貨幣の取扱いミスを監視するための監視カメラを備え、監視カメラより得た画像から勝敗結果と異なる遊技用貨幣の回収や償還によるミスや不正を判定するなどしての防止をしている。
【0068】
一方で、賭けられた遊技用貨幣の枚数や総額を把握するため各遊技用貨幣にICタグを付けて遊技用貨幣の額を把握することが提案されている。
【0069】
国際出願PCT/JP2015/000171に記載のカードゲームモニタリングシステムでは、遊技テーブル上に置かれた遊技用貨幣が勝敗結果通り回収あるいは償還されたか否かを、遊技用貨幣の動きを画像解析することで判定し、ディーラの遊技用貨幣の取扱いミスのモニタリングが行われる。
【0070】
カジノなどの遊技場では、遊技用貨幣が嵩高く積み重ねられて遊技テーブルに置かれるが、遊技テーブルの下に設けたICタグの読取装置では、総額が正確に読み取れないという問題があり、読取装置の感度を高くすると、異なる位置(位置により勝敗が左右される)に置かれた遊技用貨幣が、合算されてしまい各位置毎の遊技用貨幣の総額が把握できない、という課題が存在する。また従来、図7に示すように遊技用貨幣(遊技用貨幣)9の柄は、複雑なものとなっており、多数の遊技用貨幣が積まれていると、カメラにより正確に積まれた枚数が把握できないという課題がある。
【0071】
また、さらに遊技テーブルにおける不正が高度化し、その遊技テーブルで単純に勝った額が多い、とかの検出では発見できない高度な賭け方による不正などは、カメラでは発見できない、という新たな課題も把握されている。
【0072】
また、ディーラは遊技テーブル上に置かれた遊技用貨幣が勝敗結果通り回収あるいは償還される必要がある。これを、遊技用貨幣を画像解析することで判定しようとしても、遊技用貨幣(遊技用貨幣)の柄が複雑であるために、賭けられた遊技用貨幣に対応した遊技用貨幣を償還時にディーラが正確に償還したか否かは、現存の実用的な画像解析技術では判定できず、ミスの防止が十分でないという課題が存在した。
【0073】
上記種々の課題を解決するため、本実施の形態のテーブルゲームの管理システムは、遊技テーブルにおいて各ゲームの勝敗結果を判定し表示するカード配布装置と、前記遊技テーブル上に置いた遊技用貨幣の種類と枚数をカメラを用いて測定する測定装置と、各ゲームにおいて前記測定装置の測定結果を用いて、ゲーム参加人が前記遊技テーブル上に置いた遊技用貨幣の位置と種類と枚数とを特定し記憶する管理制御装置と、を有し、前記遊技用貨幣は、複数の色の異なるプラスチックの層が積層され、少なくとも中間に着色層を備え、前記中間の着色層の両側に白色層もしくは薄色層を積層した多層構造とすることで側面に積層方向の縞模様を形成し、前記着色層により遊技用貨幣の種類が特定可能な構成を有し、前記管理制御装置は、前記カード配布装置から得た勝敗結果及びゲーム参加人が置いた遊技用貨幣の位置と種類と枚数の測定結果を用いて、各ゲームにおける参加人の勝者および敗者を判定するとともに前記遊技テーブルにおけるカジノ側の収支計算をゲーム毎に行う計算機能を備える。
【0074】
さらに、管理システムであって、管理制御装置は、各ゲーム参加人が置いた遊技用貨幣の着色層又は白色層もしくは薄色層の数を計測して遊技用貨幣の枚数を判定する機能を備えた構造である。
【0075】
上記種々の課題を解決するため、本実施の形態の遊技用貨幣は、複数の色の異なるプラスチックの層が積層され、少なくとも中間に着色層を備え、前記着色層を挟んで両側に白色層もしくは薄色層を積層して、側面に積層方向の縞模様を形成し、前記着色層により遊技用貨幣の種類が特定可能な構成を有する。
【0076】
さらに、遊技用貨幣は、白色層もしくは薄色層の表面には遊技用貨幣の種類を表す印刷が施され、最外層に透明層が設けられ、各層間が熱圧着されて少なくとも5層構造をなす。
【0077】
さらに、遊技用貨幣は、白色層もしくは薄色層の表面にUVインク又は赤外線を吸収するインク(カーボンブラックインク)によるマークが設けられているもの、あるいは最外層の透明層にはエンボス加工が施され、あるいは、最外層の透明層の端にはR加工が施され、あるいは着色層が複数の層により形成されており、さらには着色層にはRFIDが内蔵されている、ものであってよい。
【0078】
上記種々の課題を解決するため、本実施の形態の遊技用貨幣を検査する検査装置は、遊技用貨幣が半径方向に通過可能な入口と出口を有する通路と、前記通路を通過する遊技用貨幣の側面を撮影して側面の積層方向の縞模様の色を判定する遊技用貨幣種類の判定装置と、通過する遊技用貨幣の表面に設けたUVインク又は赤外線を吸収するインク(カーボンブラックインク)によるマークを読み取るマーク読取装置と、前記通路に対して垂直方向から遊技用貨幣の表面に設けた種類を表す印刷を読取る印刷検査装置と、装置全体の制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記遊技用貨幣種類の判定装置が判定した遊技用貨幣種類と、前記印刷検査装置から得た種類を表す印刷の内容とが一致するか否かを検査する構成である。
【0079】
本実施の形態のシステムによれば、遊技用貨幣(遊技用貨幣)が多数積み上げられていても画像分析で遊技用貨幣の枚数が判定でき、比較的重なった遊技用貨幣も総額が位置と色とで把握することができる。
【0080】
以下、図面を参照して、本実施の形態の遊技テーブルを有する遊技場におけるテーブルゲームの管理システムを説明する。図6は同システムの全体の概要を示す図であって、複数の遊技テーブル4を有する遊技場におけるテーブルゲームの管理システムは、遊技テーブル4で行われるゲームの進行状態をゲーム参加人6およびディーラ5を含め複数のカメラ装置2を介して映像として記録するとともに記録されたゲームの進行状態の映像を画像分析する画像分析装置18を備えた測定装置19、さらに遊技テーブル4において各ゲームの勝敗結果を判定し表示するカード配布装置3を備える。カード配布装置3は、すでに当業者で使われて知られている、いわゆる電子シューであり、あらかじめゲームのルールがプログラムされており、配布されるカードCの情報(ランクとスーツ)を読み取って、ゲームの勝敗を判定することができる構造となっている。たとえばバカラゲームでは、バンカーの勝、プレイヤの勝、タイ(引き分け)が、基本的に各2-3枚のカードのランクにより決定され、判定結果(勝敗結果)は表示ランプ13にて表示される。
【0081】
管理制御装置14は、カード配布装置3から得たカードCの情報(ランクとスーツ)を読み取って各ゲームの勝敗結果を判定するとともに、ゲーム参加人6が置いた遊技用貨幣120の位置と種類と枚数の測定結果を用いて、各ゲームにおける参加人6の内の勝者6Wおよび敗者6Lを判定する。また、さらに遊技テーブル1におけるカジノ側の収支計算(敗者6Lの賭けた遊技用貨幣120)の総額から参加人6の内の勝者6Wに償還した遊技用貨幣120の総額を差引いた額)をゲーム毎に行う計算機能を備える。
【0082】
本検知システムにおける画像分析装置18、測定装置19および管理制御装置14は、一体もしくは複数の構成からなるコンピュータおよびプログラム、メモリを複合的に備えた構造となっている。
【0083】
次に、本検知システムに使用する遊技用貨幣の詳細を説明する。図8は、本検知システムに使用する遊技用貨幣120の正面断面図であり、複数の色の異なるプラスチックの層が積層され、少なくとも中間に着色層121を備え、この中間の着色層121の両側に白色層122もしくは薄色層(図示しないが着色層121より色の薄い層であればよい)を積層した多層構造となっている。このように着色層121を備え、この中間の着色層121の両側に白色層122もしくは薄色層(図示しないが着色層121より色の薄い層であればよい)を積層した多層構造とすることで図9Aに示すように側面に積層方向の縞模様を形成し、遊技用貨幣120の種類(10ポイント、20ポイント、100ポイント、1000ポイントなど)ごとに着色層121の色を変える(赤色、緑色、黄色や青色等)ことにより遊技用貨幣120の種類を特定できるようにしている。
【0084】
遊技用貨幣120は、側面に軸方向の縞模様を形成するよう少なくとも外観において着色層121と白色層122もしくは薄色層を有する構造体とし、着色層121により遊技用貨幣120の種類を特定することが可能な構成を有している。図10A及び図10Bは、それぞれ別の実施例であるが、着色層121及び白色層122もしくは薄色層を射出成形により形成している例であり、成形金型(図示せず)内でまず着色層121を成形し、そのあと白色層122もしくは薄色層を成形するいわゆる2色成形で造られている。
【0085】
さらに、図9Bに示すように、遊技用貨幣120は、白色層122の表面(上面と下面)には遊技用貨幣120の種類を表す印刷123(100ポイントなど)が施されている。図8に示すように、最外層に透明層124が設けられ、各層間が熱圧着されて少なくとも5層構造をなしている。これらの遊技用貨幣120は、細長い長尺状のプラスチック材料を用い、長尺の状態で各層(着色層121、白色層122、透明層124)の間が熱圧着されて密着した状態(5層構造等)を形成し、その後にプレス等により円形あるいは長方形等に打ち抜いて形成される。プレスにより打ち抜く際に打ち抜きのための金型のダイとポンチの寸法を設計して最外層の透明層124の端にR加工(丸い角)が施される。
【0086】
すなわち、遊技用貨幣120を製造する際には、まず、板状のプラスチック製の着色層121と、板状のプラスチック製の白色層122もしくは薄色層とを積層して、複数のプラスチックの層からなる積層構造体を形成する。そして、この積層構造体の上面及び下面に図柄を印刷し、さらにその上に透明層124を設ける。そして、積層構造体と透明層124の各層を加熱圧着して各層を熱溶着して代用貨幣原板を作成する。このようにしてできた代用貨幣原板を金型により打ち抜き加工して、所定の形状の複数の遊技用貨幣120を得る。この打ち抜き加工の際に、金型により遊技用貨幣120の外側の上下の角をR加工する。
【0087】
さらに、遊技用貨幣120には、白色層122の表面にUVインク又は赤外線を吸収するインク(カーボンブラックインク)によるフェイスコードが設けられている(図9B参照)。このフェイスコードは遊技用貨幣120の真偽を表すものであり、紫外線(もしくは赤外線)を当てるとマークが目に見えるようになり、その形や数の組み合わせで真正なものを表す。図11は遊技用貨幣120を積み上げた状態の斜視図であり、長いコードLと短いコードSを組み合わせたものが、フェイスコードMである。印刷123やフェイスコードを覆うように最外層には透明層(印刷層)124が熱圧着あるいはコーティング(塗布)されているが、この透明層124にはエンボス加工が施され、遊技用貨幣120が互いに密着するのを防いでいる。なお、本実施の形態では、白色層122の表面にフェイスコードを印刷した例を挙げて説明したが、フェイスコードに代えて、あるいはフェイスコードとともに、セキュリティマーク、オプティカルバリアブルデバイス(OVD)のいずれかまたは両方を印刷してもよい。
【0088】
印刷123(100ポイントなど)が施された最外層の透明層(印刷層)124の端はR加工(R)が施され、遊技用貨幣120の打ち抜き工程において、白色層122の表面が変形して側面に現れるのを防止している。また、遊技用貨幣120は鋭利な端が残り、手や他の遊技用貨幣120を損傷するのを防いでいる。
【0089】
着色層121は、図8に示すように、着色された複数の層(図8では3層)により形成されてもよい。着色された複数の層(図8では3層)は互いに熱圧着されているので、図8のように3層構造が目視可能な状態ではなく、図8は説明上3層を表している。さらには着色層121の3層の内真ん中の層には一部くり抜きBが設けられ、その中にはRFID125が内蔵されている。
【0090】
なお、RFID125は、着色層121にくり抜きBを設けずに、平らな表面の着色層121と平らな表面の白色層122との間に配置して、そのまま着色層121と白色層122を熱圧着することで遊技用貨幣120に内蔵させてもよい。着色層121及び白色層122の少なくともいずれかをプラスチック等の熱変形可能な素材で構成することで、熱圧着によってRFID125を挟む着色層121及び白色層122のうちのプラスチック層が熱変形するので、くり抜きBを設けなくてもRFID125がそれらの層の間に密着固定される。
【0091】
図12は、遊技用貨幣の種類の異なるものを積上げた状態を説明する斜視説明写真図である。管理制御装置14は、遊技テーブル1上にゲームの参加人6が置いた遊技用貨幣120をカメラ装置2で撮像し、置かれたエリア8別に(バンカーに賭けたか、プレイヤに賭けたか、あるいはペアー(PAIR)に賭けたか、タイ(TIE)に賭けたか)を画像分析装置18を備えた測定装置19により測定すると共に、各エリアにおいて積層された遊技用貨幣120の着色層121(もしくは薄色層)又は白色層122の数と色を測定装置19が(画像分析装置18により得られた情報を使い)分析計測して遊技用貨幣120の種類と枚数を判定する。管理制御装置14は、カメラ装置2による撮像をカード配布装置から一枚目のカードが引かれるとき、又は引かれる前後、あるいはディーラの賭け終了のサイン後に行うように、カメラ装置2を制御する。
【0092】
管理制御装置14は、人工知能活用型もしくはディープラーニング構造を有する制御装置であってもよい。管理制御装置14は、カメラ装置2、画像分析装置18を介して各参加人6が賭ける遊技用貨幣120の位置8(プレイヤか、バンカーか、ペアーに賭けた位置)、種類(遊技用貨幣120は色毎に異なる額の値が割り付けられている)および枚数を把握することが可能である。人工知能活用型のコンピュータもしくは制御システム、ディープラーニング(構造)技術においては、自己学習機能等を用いて、遊技用貨幣120の位置8(プレイヤか、バンカーか、ペアーに賭けた位置)、種類(遊技用貨幣は色毎に異なる額の値が割り付けられている)および枚数を把握することが可能であるため、各ゲームにおいてカード配布装置3が判定するゲームの勝敗結果に従って、各ゲームの負けた参加人6Lの賭けた遊技用貨幣120の回収(矢印Lに示す)および勝ったゲーム参加人6Wへの勝ち遊技用貨幣120への償還(支払(120W))がゲームの勝敗結果に従って適正に行われたか否かを、管理制御装置14は、画像分析装置18を介してゲームの進行状態の映像を分析することにより判定する。
【0093】
このような場合、図11に示すように(図7に示す従来遊技用貨幣に比べて)積層した多層構造になっており、側面に積層方向の縞模様がくっきりと形成されているので、画像分析装置18を含む測定装置19は容易に遊技用貨幣の種類および枚数の測定を正確に行うことが可能となる。さらに、人工知能活用型のコンピュータもしくは制御システム、ディープラーニング(構造)技術を用いれば、画像の分析、判定がより正確に可能となる。人工知能活用型のコンピュータもしくは制御システム、ディープラーニング(構造)技術は当業者ですでに既知で利用可能であるため、詳細な説明を略する。
【0094】
管理制御装置14は、遊技テーブル4のディーラ5の遊技用貨幣トレイ17における遊技用貨幣120の総額が画像分析装置18を用いて分析把握可能で、ゲームが終了して清算した後に、各ゲーム参加人6の賭けた負け遊技用貨幣120の回収および勝ったゲーム参加人6Wへの勝ち遊技用貨幣への支払120Wの額に応じて、遊技用貨幣トレイ17内の遊技用貨幣120総額が増減したか否かを、ゲームの勝敗結果に従って比較計算可能である。遊技用貨幣トレイ17における遊技用貨幣120の総額は、RFIDなどの手段で常に把握されていても、その増減額が正しいか、否かは、管理制御装置14が、画像分析装置18を介してゲームの進行状態の映像を分析することにより判定する。これらも人工知能活用型もしくはディープラーニング構造が活用されてよい。
【0095】
管理制御装置14は、遊技テーブル4の各プレー位置7において賭けた遊技用貨幣の位置(プレイヤか、バンカーか、ペアーに賭けた位置)と額(種類と枚数)を把握し、各ゲームの勝敗結果により得られる各ゲーム参加人6の勝敗履歴と得た遊技用貨幣の額(勝った額)を、過去の多数(ビッグデータ)のゲームの統計データと比較して特異な状況(カジノにより設定される)として抽出可能な人工知能活用型もしくはディープラーニング構造であってもよい。典型的にはある額(100万ドル)以上の勝ち額の発生や、ある遊技テーブル4のプレー位置7において、負けた時の賭け遊技用貨幣の額が少なく、勝った時の賭け遊技用貨幣の額が多い状態が数ゲーム続き、それが過去のゲームの統計データ(ビッグデータ等)と比較して特異な状況としてこれを抽出可能な人工知能活用型もしくはディープラーニング構造の管理制御装置14を備えるものである。
【0096】
管理制御装置14は、遊技テーブル4のディーラ5の遊技用貨幣トレイ17における遊技用貨幣120の総額が、各ゲームの後に各参加人6の賭けた遊技用貨幣120との清算が行われて清算した後に、清算に対応した遊技用貨幣の増減が正しいか否かを、比較計算可能な構造となっている。
【0097】
図6に示すディーラ5の遊技用貨幣120の保持用の遊技用貨幣トレイ17においては、横方向に積層された遊技用貨幣120の着色層121又は白色層122の数と色を測定装置19(画像分析装置18により得られた情報を使い)が分析計測することで、遊技用貨幣120の種類と枚数が判定可能である。保持用の遊技用貨幣トレイ17の遊技用貨幣120の総額は、このようにして常に(もしくは所定の時間間隔で)把握されている。管理制御装置14は、各ゲームの清算額(遊技テーブル4におけるカジノ側の収支計算(敗者6Lの賭けた遊技用貨幣120の総額から参加人6の内の勝者6Wに償還した遊技用貨幣120の総額を差引いた額))をゲーム毎に行う計算機能を備える(上記参照)ので、遊技用貨幣トレイ17の遊技用貨幣120の総額は常に(もしくは所定の時間間隔で)検証される。すなわち、遊技用貨幣の増減が、画像分析装置18による画像分析結果とディーラ5による各ゲームの清算額と一致するか否かが検証される。
【0098】
図13Aは、本実施の形態の遊技用貨幣トレイの詳細を示す図であり、図13Bは遊技用貨幣トレイの他の例を示す図である。遊技用貨幣トレイ17には、負けたプレイヤ6Lの賭けた遊技用貨幣120Lを回収して一時保管する回収用の遊技用貨幣トレイ171と償還する遊技用貨幣120Wを保管する償還用の遊技用貨幣トレイ172とが設けられている。画像分析装置12および制御装置14は、負けたプレイヤ6Lが賭けた遊技用貨幣120Lの位置、種類および枚数を把握し、当該ゲームにおける遊技用貨幣120Lの増額分(当該回収用の遊技用貨幣トレイ171における遊技用貨幣120のあるべき額)を計算する。さらに、画像分析装置12及び制御装置14は、回収した後の遊技用貨幣トレイ171における遊技用貨幣120の現実の総額を把握し、あるべき総額と現実の総額とを比較して違いがあるか否かを判定する。
【0099】
ここで、前に示した遊技用貨幣トレイ17は、上段遊技用貨幣トレイ17aと下段遊技用貨幣トレイ17bとからなる二段構造になっている。図14A及び図14Bは、二段構造の遊技用貨幣トレイ17とカメラ装置2との関係を示す図であり、図14Aは、二段を重ねた状態を示し、図14Bは二段をずらした状態を示している。上段遊技用貨幣トレイ17aの下段には下段遊技用貨幣トレイ17bがあり、互いにヒンジ17cでつながっている。上段遊技用貨幣トレイ17aの遊技用貨幣120が不足した場合には下段遊技用貨幣トレイ17bから上段遊技用貨幣トレイ17aに遊技用貨幣120を補充し、上段遊技用貨幣トレイ17aの遊技用貨幣120が過剰になった場合には下段遊技用貨幣トレイ17bに遊技用貨幣120を移動させる。
【0100】
下段遊技用貨幣トレイ17bから遊技用貨幣120を出し入れするためには上段遊技用貨幣トレイ17aをヒンジ17cによって移動させ、図14Bの状態にする。図14Aの状態ではカメラ装置2によって上段遊技用貨幣トレイ17aを撮像し、図14Bの状態ではカメラ装置2によって下段遊技用貨幣トレイ17bを撮像可能である。図14Bの状態ではさらに、カメラ装置2cによって上段遊技用貨幣トレイ17aと下段遊技用貨幣トレイ17bとを同時にかつ互いに区別可能な状態でも撮像可能である。また、図14Bの状態で上段遊技用貨幣トレイ17aと下段遊技用貨幣トレイ17bを別々に撮影してもよい。カメラ装置2,2cはサイドID126の印刷されているインクに対応した可視光カメラ又は赤外線カメラを単独で備えているか、あるいは、印刷されているインクに対応した可視光カメラ、赤外線カメラの複数の機能を切り替え可能なカメラである。
【0101】
次に、図15を参照して、本願発明の実施の形態である遊技用貨幣120を検査する検査装置200について説明する。検査装置200には、遊技用貨幣120が半径方向(矢印Y方向)に通過可能な入口201と出口202を有する通路203を備えている。通路203は傾斜しており、遊技用貨幣120は矢印Y方向に通過する。通路203には、遊技用貨幣120の側面を撮影して側面の積層方向の縞模様の色を判定する遊技用貨幣種類の判定装置204と、通過する遊技用貨幣120の表面に設けたUVインク又は赤外線を吸収するインク(カーボンブラックインク)によるフェイスコードとしてのフェイスコードを読み取るマーク読取装置205と、通路203に対して垂直方向から遊技用貨幣の表面に設けた種類を表す印刷123を読取る印刷検査装置206と、装置全体の制御装置207と、を備え、制御装置207は、遊技用貨幣種類の判定装置204が判定した遊技用貨幣種類と、印刷検査装置206から得た種類を表す印刷の内容とが一致するか否かを検査する構成である。
【0102】
この検査装置200により、製造された遊技用貨幣120の印刷123が、遊技用貨幣120の縞模様の色による遊技用貨幣種類と一致して正しく印刷されているか否かが検査可能となる。
【0103】
以上のように、本実施の形態の遊技用貨幣120は、着色層121と、着色層121を挟む白色層122もしくは薄色層が積層された、複数のプラスチックの層からなる積層構造を有し、これにより側面に積層方向に縞模様が形成されている。遊技用貨幣120は、側面に現れた着色層121により遊技用貨幣120の種類が特定可能な構成を有する。また、遊技用貨幣120の上面および下面には印刷が施されている。具体的には、白色層122もしくは薄色層の表面に印刷が施され、その上面に透明層124を有する。着色層121、白色層122もしくは薄色層、印刷層124は、各層間が熱圧着されて層構造をなしている。
【0104】
着色層121を挟む白色層122又は薄色層は、上下で厚みが異なるように構成してもよい。
【0105】
また、本実施の形態では、遊技用貨幣120の上面および下面の外縁はR加工が施されている。これにより、遊技用貨幣120を扱うプレイヤの手が傷ついたり、他の遊技用貨幣120を損傷することを防ぐことができる。
【0106】
また、本実施の形態では、着色層121、白色層122又は薄色層のいずれかを形成するプラスチックの層の間にRFID125が密着固定されている。
【0107】
また、本実施の形態では、遊技用貨幣120の上面及び/又は下面には、UV発光インク、又は赤外線を吸収するインク(カーボンブラックインク)等の赤外線吸収インクによるフェイスコードが設けられている。また、本実施の形態の変形例として、フェイスコードに代えて、あるいはフェイスコードとともに、セキュリティマーク、オプティカルバリアブルデバイス(OVD)のいずれかまたは両方が遊技用貨幣120の表面に印刷されていてもよい。
【0108】
また、本実施の形態の遊技用貨幣120は、側面にサイドID126が付され、かつRFID125を内蔵する構造を有するとともに、上面又は下面(印刷層124)に、UV発光インク又は赤外線吸収インクによるフェイスコードが設けられている。そして、サイドID126の情報とRFID125の情報とが関連付けられているか、サイドID126の情報とフェイスコードの情報とが関連付けられているか、あるいは、サイドID126の情報とRFID125の情報とフェイスコードの情報とが関連付けられている。
【0109】
また、本実施の形態の検査装置200は、遊技用貨幣120の側面を撮影して側面の積層方向の縞模様の色を判定する遊技用貨幣120の種類の測定装置19、及び、遊技用貨幣の印刷を読み取るマーク読取装置205を備えている。これにより、遊技用貨幣の種類と印刷内容との関係を検査することができる。
【0110】
本実施の形態の管理制御装置14は、各ゲームでゲーム参加人が置いた遊技用貨幣の位置と種類と枚数を判別するための撮像を、カード配布装置3から一枚目のカードが引かれるとき、又は、引かれる前後、あるいはディーラの賭け終了のサイン後に行う。
【0111】
また、本実施の形態の遊技用貨幣120は以下のようにして製造される。まず、着色層121と、白色層122もしくは薄色層を加熱圧着して複数のプラスチックの層を含む積層構造体を形成する。そして、積層構造体の少なくとも上面又は下面に図柄を印刷して代用貨幣原板を作成する。そして、金型により代用貨幣原板を打ち抜き加工して所定の形状の複数の遊技用貨幣を得る。ここで、打ち抜き加工の際に、金型により遊技用貨幣120の上下面の外縁をR加工する。
【0112】
また、サイドIDを有する遊技用貨幣120を製造する場合には、白色層122もしくは薄色層の側面に、サイドIDをインクジェット印刷する。また、RFIDを有する遊技用貨幣120を製造する場合には、積層構造体の層間にRFIDを挟み、各層を加熱圧着する際にRFIDを挟む各層を熱溶着してRFIDの周りをプラスチックの層で密着させる。
【0113】
また、本実施の形態のテーブルゲームの管理システムは、遊技テーブル4において各ゲームの勝敗結果を判定して表示するカード配布装置13と、遊技テーブル4上に置かれた遊技用貨幣120を撮像するカメラ装置2と、カメラ装置2による撮像結果を用いて、ゲーム参加人6が遊技テーブル4上に置いた遊技用貨幣の位置と種類と枚数とを特定して記憶する管理制御装置14とを備える。遊技用貨幣120は、着色層121と白色層122もしくは薄色層が積層された積層構造体であり、側面に積層方向の縞模様を有する。管理制御装置14は、カード配布装置13から得た勝敗結果と、カメラ装置2の撮像結果を用いて特定した遊技用貨幣120の位置と種類と枚数とに基づいて、遊技テーブル4におけるカジノ側の収支計算をゲーム毎に行う計算機能を備えている。
【0114】
管理制御装置14は、各ゲーム参加人6が置いた遊技用貨幣120の着色層121又は白色層122もしくは薄色層の数を計測し、着色層121の色により遊技用貨幣の種類や金額を判定して遊技用貨幣120の枚数を判定する機能を備えている。
【0115】
(第3の実施の形態)
本実施の形態のシステムは、カジノや他の遊技用貨幣を使用するゲーム施設において、遊技用貨幣の偽物が遊技場で使用されることを防ぐ遊技用貨幣の管理システムに関する。
【0116】
カジノやゲーム施設において行われる多くのライブテーブルゲームの中にはバカラやブラックジャックがある。これらのゲームは52枚のプレイングカードからなる標準的なデッキを使用し、あらかじめシャッフルされている複数のデッキ(6から9あるいは10デッキ)を備えるシュータからゲームテーブル上にプレイングカードが配布されゲームが行われる。カジノやゲーム施設においては、こうしたゲームに使用するために遊技用貨幣が使われる。
【0117】
遊技用貨幣の偽物の使用はカジノで起こってはならない。カジノにおける遊技用貨幣の偽物の使用を防ぐため、カジノでは遊技用貨幣にRFIDを付けて偽物の使用を防止する技術が存在している。RFID付遊技用貨幣は公知であり、国際出願公開第WO2008/120749号に開示されている。
【0118】
本実施の形態は、カジノやゲーム施設において使用される遊技用貨幣の偽物の使用を防ぐ管理システムあるいは遊技用貨幣を提供するものであり、カジノやゲーム施設における遊技用貨幣の偽物の使用や不正な交換を防ぐことができるものである。近年、遊技用貨幣の偽物の製造技術が進化し、真偽判定マークやRFIDがほぼ完ぺきにコピーできるまでに技術が進歩した。この結果、偽の遊技用貨幣に真正な真偽判定マークやRFIDと同じものが付され、偽物と本物の遊技用貨幣の区別ができず、真偽判定がほぼ不可能になっているという課題が存在する。
【0119】
上記の従来の問題を解決するために、本実施の形態の遊技用貨幣の管理システムは、個別に識別可能なサイドIDが付された遊技用貨幣と、前記遊技用貨幣に付されたサイドIDを読み取るID読取装置と、遊技場のキャッシャーにおいて、前記遊技用貨幣を保持する保管庫と、遊技テーブルにおいて、前記遊技用貨幣を保持する遊技テーブル遊技用貨幣トレイと、前記遊技テーブル遊技用貨幣トレイ及び前記保管庫に保持されている前記遊技用貨幣の種類と枚数を、前記ID読取装置を用いてそれぞれ特定する遊技用貨幣判定装置と、遊技場において、前記遊技用貨幣に付けられた前記IDをデータベース上で管理する管理制御装置と、を有し、前記管理制御装置は、使用を想定する遊技用貨幣の前記IDを前記データベースにあらかじめ登録しておき、前記データベースを用いて、少なくとも、前記遊技テーブル遊技用貨幣トレイ及び前記保管庫上に存在する遊技用貨幣の前記IDをその所在情報とともに前記データベース上で管理し、前記遊技テーブル遊技用貨幣トレイ及び前記保管庫における遊技用貨幣を所定のタイミングで特定するとともに前記データベースを検索して、以下の事象をデータベースの検索により判定し、1)データベースに存在しなかったIDが新たに存在すること、2)2つ以上の同じIDが存在すること、上記1)もしくは2)の状況があればエラーシグナルを生成する機能を備えた、ものである。
【0120】
またさらに、管理制御装置はさらに、少なくとも前記遊技テーブル遊技用貨幣トレイ及び前記保管庫において前記遊技用貨幣の存在に変化がある際に、変化があった時刻あるいは場所を前記IDと関連付けて前記データベース上に記録し、前記データベースを検索して、2つ以上の同じIDが存在する状況があれば、当該IDと、当該IDに関連付けて前記データベース上に記録されている時刻あるいは場所の情報を前記データベースから抽出して保存し、先に検出された当該IDが付された前記遊技用貨幣が前記遊技テーブル遊技用貨幣トレイもしくは前記保管庫に出入りした時刻、あるいは、前記遊技用貨幣が保持されていた前記遊技テーブル遊技用貨幣トレイもしくは前記保管庫の場所を特定可能な機能を備えた、ものである。
【0121】
さらに前記遊技用貨幣の管理システムにおいては、前記遊技テーブルのベットエリア上に賭けられている前記遊技用貨幣の種類と枚数を前記ID読取装置を用いて特定するベットエリアの遊技用貨幣判定装置を備え、前記遊技テーブルのベットエリア上に存在する遊技用貨幣の前記IDに対しても、以下の事象をデータベースの検索により判定し、1)データベースに存在しなかったIDが新たに存在すること、2)2つ以上の同じIDが存在すること、上記1)もしくは2)の状況があればエラーシグナルを生成する機能を備えた、ものであってもよい。
【0122】
さらには、サイドIDは、前記遊技用貨幣の側面の少なくとも3カ所に付されている。サイドIDが可視光で見えるインクによりインクジェット印刷で付されている。特には、前記サイドIDが複数行複数列のマークの有無で付されている、構成が有利である。さらには。遊技用貨幣の上下面には透明のコーティング層又はニスが設けられている。
【0123】
上記の従来の問題を解決するために、本実施の形態の遊技用貨幣は、複数の色の異なるプラスチックの層が積層され、少なくとも一層に着色層を備え、前記着色層より外側に白色層もしくは薄色層を積層した多層構造とすることで側面に積層方向の縞模様を形成し、前記着色層により遊技用貨幣の種類が特定可能な構成を有する。また、側面白色層もしくは薄色層の側面の少なくとも3カ所にサイドIDが付され、ID読取装置でIDを読み取ることにより、遊技用貨幣の種類と製造情報を特定可能で、IDをデータベース上で管理可能な構成を有する。そして、前記サイドIDが可視光で見えるインク(可視インク)によりインクジェット印刷で付されていてもよい。前記サイドIDが可視光で見えないインク(赤外線を吸収するインク、UVインク等)によりインクジェット印刷で付されていてもよい。また、前記サイドIDが、少なくとも可視光で見えるインク、赤外線を吸収するインク又はUVインクの2以上により印刷されていてもよい。
【0124】
上記の従来の問題を解決するために、本実施の形態の遊技用貨幣は、個別に識別可能なサイドIDが付され、前記遊技用貨幣に付されたサイドIDは、ID読取装置により読み取られ、前記ID読取装置は、遊技場のキャッシャーの保持する保管庫と、遊技テーブルの遊技テーブル遊技用貨幣トレイと、に保持された前記遊技用貨幣を読み取ることが可能で、さらに、前記遊技テーブル遊技用貨幣トレイ及び前記保管庫に保持されている前記遊技用貨幣の種類と枚数が、前記ID読取装置を介して遊技用貨幣判定装置により特定され、前記遊技テーブル遊技用貨幣トレイ及び前記保管庫上に存在する遊技用貨幣の前記IDがその所在情報とともにデータベース上で管理され、少なくとも、1)データベースに存在しなかったIDが新たに存在すること、2)2つ以上の同じIDが存在すること、が検査され、上記1)もしくは2)の状況の発生を判定可能な前記IDを備えた、ものである。
【0125】
以下、図面を参照して、本実施の形態の遊技テーブルを有する遊技場における遊技用貨幣の管理システムを説明する。図16は同システムの全体の概要を示す図であって、複数の遊技テーブル4(図16では、1台のみ示す)を有する遊技場における遊技用貨幣の管理システムは、遊技テーブル4で行われるゲームの進行状態をゲーム参加人6およびディーラ5を含めて、複数のカメラ装置2を介して撮像し記憶し管理する。特に、本遊技用貨幣の管理システムは、遊技テーブル4においてゲームに使用される遊技用貨幣120の種類と枚数を、カメラ装置2にて得られる画像情報を分析して特定する。遊技用貨幣120の側面には、サイドID126が付されており、遊技用貨幣120の種類と枚数は、サイドID126を判定し読み取ることで得られる。なお、本明細書において、「サイドID」ないし「ID」の語は、遊技用貨幣120の側面に付された物理的存在としてのIDの意味でも、それが示す識別情報の意味でも用いられる。カメラ装置2から得た画像情報を分析してサイドID126を特定するのが、カメラ装置2に接続された管理制御装置50の内部にあるID読取装置53である。特に管理制御装置50は、カメラ装置2を介して撮像した画像データを分析しサイドID126の読み取り結果から、横に並び、あるいは積み重ねられた状態の遊技用貨幣120の種類と枚数を特定する遊技用貨幣判定装置52を内部に有する。
【0126】
また、本実施の形態の管理システムは、遊技用貨幣120を撮影記録するカメラ装置2に加えて、所定の位置に配置され高さが異なる複数のカメラ装置2b-1、2b-2で遊技テーブル4上の遊技用貨幣120を撮影する構成となっている。カメラ装置2b-1は遊技テーブル4上の比較的遠方の遊技用貨幣120を撮像可能であり、カメラ装置2b-2は遊技テーブル4上の比較的近方の遊技用貨幣120を撮像するようになっている。2台のカメラ装置2b-1,2b-2で撮像することで、1台では死角になる場所の遊技用貨幣120も撮像可能である。
【0127】
遊技用貨幣120は、遊技場に複数あるキャッシャー60において、ゲーム参加人6が払う現金61と交換される、各キャッシャー60においては、遊技用貨幣120はこれを保持する保管庫62にて保管されている。遊技場の各キャッシャー60においては、またゲーム参加人6が持参する遊技用貨幣120を、現金61にて払い戻す。遊技テーブル4においては、遊技用貨幣120が遊技テーブル遊技用貨幣トレイ17により保持されており、ディーラ5は、各ゲームにおいて負けたゲーム参加人6が賭けた遊技用貨幣120をテーブル4上から回収し、遊技テーブル遊技用貨幣トレイ17に戻したのち、各ゲームに勝ったゲーム参加人6に対して遊技用貨幣120を償還する。このようなゲーム参加人6と遊技場のキャッシャー60、あるいはディーラ5とのやり取りはすべてカメラ装置2にて撮像され記録される。保管庫62や遊技テーブル遊技用貨幣トレイ17においては、ゲーム参加人6との遊技用貨幣120のやり取りがある度に保管庫62や遊技テーブル遊技用貨幣トレイ17にて保管されている遊技用貨幣120が増減する。遊技テーブル遊技用貨幣トレイ17及び保管庫62に保持されている遊技用貨幣120の種類と枚数は、カメラ装置2を介してID読取装置53と遊技用貨幣判定装置52により所定のタイミングで、あるいは常時監視されている。管理制御装置50は、遊技場で使用が想定されるすべての遊技用貨幣120のサイドID126をデータベース51上にあらかじめ保持している(遊技場では、使用が想定されるすべての遊技用貨幣120のサイドID126を登録しておく)。
【0128】
なお、本実施の形態においても、遊技用貨幣トレイ17は、図14A及び図14Bで説明したように上下二段の上段遊技用貨幣トレイ17a、下段遊技用貨幣トレイ17bによって構成されていてもよい。これにより、図14Aの状態ではカメラ装置2によって上段遊技用貨幣トレイ17aを撮像し、図14Bの状態ではカメラ装置2によって下段遊技用貨幣トレイ17bを撮像可能である。図14Bの状態ではさらに、カメラ装置2cによって上段遊技用貨幣トレイ17aと下段遊技用貨幣トレイ17bとを同時にかつ互いに区別可能な状態でも撮像可能である。また、図14Bの状態で上段遊技用貨幣トレイ17aと下段遊技用貨幣トレイ17bを別々に撮影してもよい。カメラ装置2,2cはサイドID126の印刷されているインクに対応した可視光カメラ又は赤外線カメラを単独で備えているか、あるいは、印刷されているインクに対応した可視光カメラ、赤外線カメラの複数の機能を切り替え可能なカメラである。
【0129】
このようにして、遊技用貨幣120に付けられたサイドID126をデータベース上で管理する管理制御装置50は、データベース51を用いて、遊技場において、少なくとも、遊技テーブル遊技用貨幣トレイ17及び保管庫62上に存在する遊技用貨幣120のすべてのサイドID126をその所在情報(保管庫62や遊技テーブル遊技用貨幣トレイ17、あるいはバックヤード(図示せず)からの移動中、もしくはゲーム参加人6が保持している、など。)とともにデータベース51上で管理する。管理制御装置50は、遊技テーブル遊技用貨幣トレイ17及び保管庫62におけるすべての遊技用貨幣120を所定のタイミングもしくは常時、サイドID126によって特定するとともに、データベース51を検索して、以下の事象をデータベース51の検索によりに判定する。
1)データベース51に存在しなかった(又は存在しない)サイドID126が新たに存在することが判定される、
2)2つ以上の同じIDが存在すること、が判定される。
【0130】
管理制御装置50は、上記1)もしくは2)の状況があれば、異常を示すエラーシグナルを生成し、遊技場の管理部門やセキュリティ部門54に知らせる機能を備えている。管理制御装置50は、遊技テーブル遊技用貨幣トレイ17及び保管庫62におけるすべての遊技用貨幣120を所定のタイミングもしくは常時、サイドID126によって特定し、データベース51に記憶しているので、1)データベース51に存在しなかった(又は存在しない)サイドID126が新たに存在することが判定できるし、2)2つ以上の同じIDが存在することも判定できる。
【0131】
管理制御装置50はさらに、少なくとも遊技テーブル遊技用貨幣トレイ17及び保管庫62において遊技用貨幣120の存在に変化がある際に、変化があった時刻あるいは場所(保管庫62や遊技テーブル遊技用貨幣トレイ17、など)をサイドID126と関連付けてデータベース51上に記録し、データベース51を検索した結果、2つ以上の同じサイドID126が存在する状況があれば、当該サイドID126と、当該サイドID126に関連付けてデータベース51上に記録されている時刻あるいは場所の情報をデータベース51から抽出して保存し、先に検出された(すでに先に使用され、あるいは換金された)当該サイドID126が付された遊技用貨幣120が遊技テーブル遊技用貨幣トレイ17もしくは保管庫13に出入りした時刻、あるいは、遊技用貨幣120が保持されていた遊技テーブル遊技用貨幣トレイ17もしくは保管庫13の場所がデータベース51により特定可能となる。時刻と場所が特定できると、カメラ装置2の記録映像から、不正な遊技用貨幣120の使用の疑いがある人物等の特定が可能となる。
【0132】
本遊技用貨幣の管理システムにおいて、管理制御装置50は遊技テーブル4のベットエリア8上に賭けられている遊技用貨幣120の種類と枚数をID読取装置53を用いて特定できる。ベットエリア8の遊技用貨幣120は、ベットエリア8を特に撮像するカメラ装置2bによって撮影され、遊技テーブル4のベットエリア8上に存在する遊技用貨幣120のサイドID126に対しても、以下の事象をデータベース51の検索により判定する。
1)データベース51に存在しなかったサイドID126がベットエリア16に新たに存在すること、
2)2つ以上の同じIDが存在すること、
管理制御装置50は、上記1)もしくは2)の状況があればエラーシグナルを生成する機能を備える。
【0133】
本システムにおける管理制御装置50、内部にあるID読取装置53、遊技用貨幣120の種類と枚数を特定する遊技用貨幣判定装置52は、一体もしくは複数の構成からなるコンピュータおよびプログラム、メモリを複合的に備えた構造となっている。
【0134】
次に、本システムに使用する遊技用貨幣120(いわゆる遊技用貨幣)の詳細を説明する。図17は、本システムに使用する遊技用貨幣120の側面図であり、遊技用貨幣120は複数の色の異なる板状のプラスチックの層が積層され、熱圧着等の手段で一体にされたあと、円形や四辺形に打ち抜きされて形成される。このようにして製造された遊技用貨幣120は、少なくとも中間に着色層121を備え、この中間の着色層121の両側(図17では上下)に白色層122もしくは薄色層(図示しないが着色層121より色の薄い層であればよい)を積層した多層構造となっている。このように着色層121を備え、この中間の着色層121の両側に白色層122もしくは薄色層(図示しないが着色層121より色の薄い層であればよい)を積層した多層構造とすることで図17に示すように側面から見ると(積層方向の)縞模様を形成し、遊技用貨幣120の種類(10ポイント、20ポイント、100ポイント、1000ポイントなど)ごとに着色層121の色を変える(赤色、緑色、黄色や青色等)ことにより遊技用貨幣120の種類)を特定できるようにしている。
【0135】
さらに、図17に示すように、遊技用貨幣120には、白色層122の側面に遊技用貨幣120の種類を表すサイドID126が施されている。最外層には透明層124が設けられ、各層間が熱圧着されて少なくとも5層構造をなしている。これらの遊技用貨幣120は、細長い長尺状のプラスチック材料を用い、長尺の状態で各層(少なくとも着色層121、白色層122)の間が熱圧着されて密着した状態(5層構造等)を形成し、その後にプレス等により円形あるいは長方形等に打ち抜いて形成される。プレスにより打ち抜く際に打ち抜きのための金型のダイとポンチの寸法を設計して最外層の透明層124の端にR加工(丸い角)が施される。透明層124はニスの塗装層であってもよい。サイドID126は、遊技用貨幣120の側面の少なくとも3カ所に付されている。サイドID126が可視光で見えるインクによりインクジェット印刷で付されている。
【0136】
特に本実施の形態では、サイドID126が複数行複数列のマークCの有無で構成され付されている。複数行複数列のマークCは、図17で示すように、上下のマークCがペアーになってコードを構成し、図17では10桁のコードとしている。上下のマークCがペアーになってコード(4種)を構成する構成を図18に示す。マークCの横のYの字は、マークの上側と下側を識別するための識別マークである。マークCで構成されるコードは、マークCの所定の組み合わせが特定できるように構成している。結果としては、図18に示す実施例で、上下2列のマークCの組み合わせとして4種、これを10列印刷すると、4種の10乗のコードが構成可能となる。10桁のコードは、4種あるので4の10乗の種類のコードがえられるので、遊技用貨幣120のサイドID126が十分付与できる。
【0137】
遊技用貨幣120は、複数の色の異なるプラスチックの層が積層され、少なくとも一層に着色層121を備え、着色層121より外側に白色層122もしくは薄色層を積層した多層構造とすることで側面に積層方向の縞模様を形成し、着色層121により遊技用貨幣120の種類が特定可能な構成を有する。サイドID126は、白色層122もしくは薄色層の側面の少なくとも3カ所(望ましくは6か所)で、本実施例では6個が回転方向(周方向)に60度の所定の間隔を隔てて設けられている。遊技用貨幣120は、個別に識別可能な(一個毎に異なる)サイドID126が付され、側方から必ずサイドID126が見えるように回転方向(周方向)に60度の所定の間隔を隔てて設けられている。遊技用貨幣120に付されたサイドID126は、前述のID読取装置53により読み取られる。このID読取装置53でサイドID126を読み取ることにより、遊技用貨幣120の種類と製造情報等を特定可能で、サイドID126をデータベース51上で管理可能な構成となっている。本実施の形態では、サイドID126が可視光で見えるインクによりインクジェット印刷で付されている。サイドID126は、可視光で見えないインク(赤外線を吸収するインク)あるいは少なくとも可視光で見えるインク(非常に小さくて見えにくいものも含む)のいずれか又は組み合わせにより印刷されていてもよい。また、サイドID126は、これらの複数種類のインクを複数組み合わせて印刷されていてもよい。ID読取装置53は、サイドID126の印刷されているインクに対応したカメラ(即ち、インクが可視インクである場合は可視光カメラ、インクが赤外反応インクである場合は赤外線カメラ、インクがUVインクである場合は紫外線カメラ(UV照射機と可視光カメラ))の少なくとも複数個を備えるか、インクに対応したカメラ(可視光カメラ、赤外線カメラ、紫外線カメラ(UV照射機と可視光カメラ等))の複数機能を切り替え可能なカメラを備えている。
【0138】
図19は、遊技用貨幣120-1ではサイドID126は可視光で見えないインク(赤外線を吸収するインク)で印刷されている。遊技用貨幣120-2では複数行複数列のマークCが可視光では黒く見えるインクで印刷されている。遊技用貨幣120-3ではさらに、サイドID126どうしの間にも可視光では黒く見えるインクでマークCを印刷し、サイドID126をデザインに溶け込ませて目立たなくしている。遊技用貨幣120-4では端を示すマークCfによって、サイドID126の始点と終点を示している。遊技用貨幣120-1~4は赤外線カメラで見ると、赤外線を吸収するインクは赤外線を吸収して黒く見え、サイドID126が読取可能な状態(遊技用貨幣120-5として示す)で撮像可能である。また、上下を示すマークCLによってサイドID126の上下を示している。マークの上下の関係は図17に示す通りである。なお、サイドID126が、可視光で見えるインクと赤外線吸収インクの組み合わせにより印刷されてもよい。
【0139】
遊技用貨幣120に付されたサイドID126は、前述のID読取装置53により読み取られ、ID読取装置53は、遊技場のキャッシャーの保持する保管庫62と、遊技テーブルの遊技テーブル遊技用貨幣トレイ17と、に保持された遊技用貨幣120を読み取ることが可能で、実際には図20Aに示すように水平(横)に積層されていても、サイドID126が読み取り可能となっている。また、ベットエリア8等に、図20Bに示すように積んでおかれた遊技用貨幣120も読み取ることが可能である。
【0140】
さらに、遊技用貨幣120には、白色層122の表面(X)にUVインク又は赤外線を吸収するインク(カーボンブラックインク)によるフェイスコードが設けられている(図9B参照)。このフェイスコードは遊技用貨幣120の真偽を表すものであり、紫外線(もしくは赤外線)を当てるとフェイスコードが目に見えるようになり、その形や数の組み合わせで真正なものを表す。表面の遊技場特定用の印刷123(100ポイントなど)やフェイスコードを覆うように最外層には透明層(印刷層)124が熱圧着あるいはコーティング(塗布)されているが、この透明層124にはエンボス加工やニス加工が施され、遊技用貨幣120が互いに密着するのを防いだり、滑りをよくしている。遊技用貨幣120は、上下面の中央に円形のくぼみ127を設けている。くぼみ127によって遊技用貨幣120が互いに密着するのを防いだり、くぼみ127の直径を大きくすることで遊技用貨幣120の滑りをよくすることができる。
【0141】
印刷123(100ポイントなど)が施された最外層の透明層(印刷層)124の端はR加工(R)が施され、遊技用貨幣100の打ち抜き工程において、白色層122の表面が変形して側面に現れるのを防止している。また、遊技用貨幣100の鋭利な端が残り手や他の遊技用貨幣120を損傷するのを防いでいる。着色層121は、着色された一層もしくは複数の層により形成されてもよい。さらには着色層121の層の中の層に重量を増すための金属やセラミックが内装されてもよい。具体的には、着色層121の層の中の層の材料に、例えば、重量増加用に金属粉末(例えば、酸化亜鉛、酸化チタンの内の1又は複数の金属酸化物)を含有させてよい。また、着色層121の一部にくり抜き、又は着色層121と白色層122の間に空間が設けられ、その中にはRFIDが内蔵されていてもよい。この場合、遊技用貨幣120のサイドID126は、マークCによるコードによるサイドID126とRFIDによるものと併用される。
【0142】
このようにして構成される遊技用貨幣120においては、遊技テーブル遊技用貨幣トレイ17及び保管庫62に保持されている遊技用貨幣120の種類と枚数は、カメラ装置2、ID読取装置53を介して遊技用貨幣判定装置52により特定され、遊技テーブル遊技用貨幣トレイ17及び保管庫62上に存在する遊技用貨幣120のサイドID126がその所在情報とともにデータベース51上で管理される。これにより、少なくとも、
1)データベース51に存在しなかったサイドID126が新たに存在すること、
2)2つ以上の同じサイドID126が存在すること、が検査される。
上記1)もしくは2)の状況の発生を、すべてのサイドID126を検索、判定することで実現可能となっている。
【0143】
上述のように、ゲーム参加者6は、キャッシャー60において現金61を遊技用貨幣に交換できるが、現金61から遊技用貨幣120への交換は、遊技テーブル4においても行うことができる。カメラ装置2は、遊技用貨幣120と交換するために遊技テーブル4上に置かれた紙幣を撮像する。すなわち、遊技テーブル4上の遊技用貨幣120を撮像する複数のカメラ装置2は、各々異なる位置に配置され、その高さも異なる。
【0144】
管理制御装置50は、カメラ装置2による紙幣の撮像結果を用いて、紙幣との交換において遊技用貨幣トレイ17から払い出されるべき遊技用貨幣120の種類と枚数とを特定する。管理制御装置50は、遊技用貨幣トレイ17に収容された遊技用貨幣120の現実の総額を払い出しの前後で比較して、この差分が、特定された払い出されるべき遊技用貨幣120の種類と枚数に対応しているか否かを判断する。すなわち、管理制御装置50は、遊技用貨幣トレイ17における把握されている遊技用貨幣120の総額が、紙幣と遊技用貨幣120との交換が行われた後に、交換した紙幣に対応した遊技用貨幣120の支払額に応じた増減に対応しているか否かを比較判定する。また、ゲームの勝敗結果に応じた回収及び償還も同時に行われるときには、管理制御装置50は、すべてのプレイヤ6の賭けた遊技用貨幣120の額と当該ゲームの勝敗結果とから計算される遊技用貨幣120の増減にも対応しているか否かを比較判定する。
【0145】
ここで、管理制御装置50は、遊技用貨幣120の種類と枚数とを計測判定する際に、遊技用貨幣120の一部もしくは一枚全体が隠れた状態となっていても遊技用貨幣120の種類、枚数の情報を得ることが可能な人工知能活用型もしくはディープラーニング構造の制御装置である。
【0146】
上述のように、遊技用貨幣120は側面の白色層122もしくは薄色層に回転方向(周方向)に間隔を隔てて少なくとも3カ所以上にサイドID126が付されている。ID読取装置53でサイドID126を読み取ることにより、遊技用貨幣120の種類と製造情報を特定可能である。このようにして測定して特定される情報は、データベース51と照合管理可能な構成を有している。
【0147】
管理制御装置50は、人工知能活用型もしくはディープラーニング構造を有する制御装置であってもよい。管理制御装置50は、人工知能活用型のコンピュータもしくは制御システム、ディープラーニング(構造)技術、自己学習機能等を用いて、遊技用貨幣120の位置8(プレイヤか、バンカーか、ペアーに賭けた位置)、種類(遊技用貨幣は色毎に異なる額の値が割り付けられている)および枚数を把握することが可能である。
【0148】
以下に遊技用貨幣120の変形例について説明する。変形例では、遊技用貨幣120の側面には、サイドID126として数字が7桁印刷されている。図21に示す実施例で、中心に白色層122が設けられ、その上下に着色層121が設けられている。中心の白色層122にマークとしての数字が印刷されサイドID126を構成している。数字の組み合わせとして10種、これを桁印刷すると、10種の7乗のコードが構成可能となるので遊技用貨幣120のサイドID126が十分付与できる。カメラ装置2とその画像分析では、数字の判定読み取りが困難な場合もあり、前に示す実施例のマークCの組み合わせが、画像分析上は有利と考えられる。
【0149】
遊技用貨幣120を検査する別の検査装置300について、図22により説明する。遊技用貨幣120の表面に設けたUV発光インク又は赤外線を吸収するインクによるフェイスコードMを読み取るフェイスコード読取装置306と、側面のサイドID126を読み取るID読取装置307と、遊技用貨幣120のRFID(図示せず)の情報を読み取るRFID読取装置308と、制御装置207と、を備え、制御装置207は、ID読取装置307により得られるサイドID126の情報と、フェイスコード読取装置306から得た情報と、RFID読取装置308から得た情報の関連を検査する構成である。上記情報の関連は正しいあるべきデータベース(図示せず)があって読取結果をこれと比較することによって検査される。この検査は、フェイスコードMやサイドID126の印刷ミスを検出し不良の発生を防ぐためもしくは偽物と区別するために使用される。
【0150】
この実施例(図22)は、押出装置302により矢印Z方向に動く押し出し部301により遊技用貨幣120を一枚ずつ読取ステージ309に供給する押出装置302を備えており、積み重ねられた遊技用貨幣120は押出装置302より読取ステージ309に供給される。これにより検査が終了した前の遊技用貨幣120が押し出され矢印X方向に落ち、矢印X方向に落とされた遊技用貨幣120は保持ステージ310に保持される。
【0151】
遊技用貨幣120を検査する更に別の検査装置400について、図23により説明する。検査装置400は、遊技用貨幣120のRFID(図示せず)の情報を読み取るRFID読取装置408と、側面のサイドID126を読み取るID読取装置307と、制御装置207と、を備え、ID読取装置307により得られるサイドID126の情報と、RFID読取装置408から得た情報の関連を検査する構成である。上記情報の関連は正しいあるべきデータベース(図示せず)があって読み取り結果をこれと比較することによって検査される。この検査は、フェイスコードMやサイドID126の印刷ミスを検出し不良の発生を防ぐためもしくは偽物と区別するために使用される。
【0152】
ID読取装置307は、サイドID126の印刷されているインクに対応した可視光カメラ又は赤外線カメラを単独で備え、印刷されているインクに対応した可視光カメラ、赤外線カメラの複数の機能を切り替え可能なカメラ409を備えた構成である。可視光カメラは遊技用貨幣120の数と色を読み取り、赤外線カメラは遊技用貨幣120のサイドID126を読み取ることができる。
【0153】
遊技用貨幣120を検査する更に別の検査装置450について、図24により説明する。検査装置400と同じ部品については同じ番号を付している(説明略)。ID読取装置307は、サイドID126の印刷されているインクに対応した可視光カメラ304又は赤外線カメラ305を複数備えた構成である。可視光カメラ304は遊技用貨幣120の数と色を読み取り、赤外線カメラ305は遊技用貨幣120のサイドID126を読み取ることができる。
【0154】
管理制御装置50は、遊技用貨幣判定装置52を介してゲームの終了時の清算後に遊技用貨幣トレイ17における遊技用貨幣(チップ)の総額を得るが、この場合の清算後の判断というのは、以下の1)~4)のいずれかが起こったときとする。
1)勝ち遊技用貨幣(勝ちチップ)120に対する償還が終了したとき、
2)当該ゲームで使用されたカードCが回収され、当該テーブルの廃棄エリアもしくは廃棄スロットに廃棄されるとき、
3)勝敗結果判定装置として機能するカード配布装置3に付随する所定のボタンを押したとき、
4)勝敗を示すマーカー43を元に戻したとき。
【0155】
なお、本実施の形態に、第2の実施の形態の、遊技テーブル4で行われるゲームの進行状態をゲーム参加人6およびディーラ5を含め複数のカメラ装置2を介して映像として記録するとともに記録されたゲームの進行状態の映像を画像分析することで、遊技テーブル4のディーラ5の遊技用貨幣トレイ17における遊技用貨幣120の総額を分析把握可能な画像分析装置18、画像分析装置18により得られた情報を使って分析計測して遊技用貨幣120の種類と枚数を判定する測定装置19、及び/又は、遊技用貨幣120の表面に設けたUV発光インク又は赤外線を吸収するインクによるフェイスコードを読み取るマーク読取装置205を組み合わせ、さらに、必要に応じて、遊技用貨幣120のRFID125の情報を読み取るRFID読取装置308を組み合わせることで、管理制御装置50を含む以下のような検査装置を構成できる。
【0156】
すなわち、上記の構成に、遊技用貨幣120のRFID125の情報を読み取るRFID読取装置308を組み合わせることで、側面のサイドID126を読み取るID読取装置53と、管理制御装置50とを備えた検査装置を構成できる。この検査装置において、管理制御装置50は、ID読取装置53で読み取ったサイドID126の情報と、RFID読取装置308で読み取ったRFID125の情報との関連を検査する。
【0157】
また、上記の構成に、遊技用貨幣120の上面又は下面に設けたUV発光インク又は赤外線吸収インクによるフェイスコードを読み取る第2の実施の形態のマーク読取装置205を組み合わせることで、側面のサイドID126を読み取るID読取装置53と、管理制御装置50とを備えた検査装置を構成できる。この検査装置において、管理制御装置50は、ID読取装置53で読み取ったサイドID126の情報と、マーク読取装置205で読み取ったフェイスコードの情報との関連を検査する。
【0158】
また、上記の構成に、遊技用貨幣120の表面に設けたUV発光インク又は赤外線を吸収するインクによるフェイスコードを読み取る第2の実施の形態のマーク読取装置205と、遊技用貨幣120のRFID125の情報を読み取るRFID読取装置308とを組み合わせることで、側面のサイドID126を読み取るID読取装置53と、管理制御装置50とを備えた検査装置を構成できる。この検査装置において、管理制御装置50は、ID読取装置53で読み取ったサイドID126の情報と、マーク読取装置205で読み取ったフェイスコードの情報と、RFID読取装置308で読み取ったRFID125の情報との関連を検査する。
【0159】
以上説明したように、本実施の形態では、遊技用貨幣120は、白色層122もしくは薄色層の外側面には、各個体を識別するサイドID126が付されている。
【0160】
このサイドID126は、遊技用貨幣120の側面の回転方向(周方向)に間隔を隔てて少なくとも3カ所以上に付されている。
【0161】
また、サイドID126は、可視光では見えない不可視インク(例えば、赤外線吸収インク又はUV発光インク)により印刷されている。
【0162】
さらに、サイドID126は、白色層122もしくは薄色層の2つの層の側面のそれぞれに複数行設けられている。
【0163】
また、着色層121及び白色層122を構成する複数のプラスチックの層の少なくとも一層は、層中に重量増加用の金属粉末(例えば、酸化亜鉛、酸化チタンの内の1又は複数の金属酸化物)を含有した層である。
【0164】
また、サイドID126は、少なくとも可視光で見えるインク、赤外線吸収インク又はUVインクのうちの2つ以上のインクにより印刷されていてよい。この場合には、ID読取装置53は、サイドID126の印刷に用いられている各インクに対応した複数個のカメラを備えるか、各インクに対応した複数の撮像機能を切り替え可能なカメラを備えている。
【0165】
また、遊技用貨幣120は、以下のようにして製造される。まず、着色層121と、着色層121を挟む白色層122もしくは薄色層を加熱圧着して複数のプラスチックの層を含む積層構造体を形成する。そして、積層構造体の少なくとも上面又は下面に図柄を印刷して代用貨幣原板を作成する。そして、金型により代用貨幣原板を打ち抜き加工して所定の形状の複数の遊技用貨幣を得る。ここで、複数のプラスチックの層の少なくとも一層には、重量増加用の金属粉末又は金属酸化物を含有した層を用いる。このようにして製造された遊技用貨幣120の側面に、各個体を識別するサイドID126を印刷する。この際に、サイドID126はインクジェット印刷で印刷されてもよい。
【0166】
また、積層構造体の層間にRFID125を挟み、各層を加熱圧着する際にRFID125を挟む各層を熱溶着してRFID125の周りをプラスチックの層で密着して固定する。
【0167】
また、本実施の形態のテーブルゲームの管理システムは、遊技テーブル4に設けられ、遊技用貨幣120をその種類毎に保持する遊技用貨幣トレイ17と、遊技用貨幣トレイ17に保持された遊技用貨幣120を撮像するカメラ装置2と、カメラ装置2による撮像結果を用いて、遊技用貨幣トレイ17に保持された遊技用貨幣120の種類と枚数とを特定し、遊技用貨幣トレイ17上の遊技用貨幣120の総額を計測する管理制御装置50とを備える。
【0168】
遊技用貨幣120は、着色層121と白色層122もしくは薄色層が積層された積層構造体であり、側面に積層方向の縞模様を有する。管理制御装置50は、各ゲーム参加人が置いた遊技用貨幣の着色層121又は白色層122もしくは薄色層の数を計測し、着色層121の色により遊技用貨幣の種類や金額を判定する機能を備えている。
【0169】
管理制御装置50は、遊技用貨幣トレイ17における把握されているゲーム終了後における遊技用貨幣120の現実の総額が、すべてのプレイヤ6の賭けた遊技用貨幣120の額と当該ゲームの勝敗結果とから計算される遊技用貨幣120の増減額に対応しているか否かを判定する。
【0170】
管理制御装置50がゲームの終了時の清算後に遊技用貨幣トレイ17における遊技用貨幣120の総額を得るのは、
1)勝ち遊技用貨幣120Wに対する償還が終了したとき、
2)当該ゲームで使用されたカードが回収され、当該テーブルの廃棄エリアに廃棄されるとき、
3)勝敗結果判定装置として機能するカード配布装置3に付随する所定のボタンを押したとき、
4)勝敗を示すマーカーを元に戻したとき、
のいずれかである。
【0171】
カメラ装置2は、遊技用貨幣120と交換するために遊技テーブル4上に置かれた紙幣の撮像も可能であり、管理制御装置50は、紙幣の撮像結果を用いて、遊技用貨幣トレイ17上の遊技用貨幣120と紙幣との交換によって減るべき遊技用貨幣トレイ17上の遊技用貨幣120の種類と枚数とを特定し、遊技用貨幣トレイ17上の遊技用貨幣120の現実の総額と比較する。
【0172】
管理制御装置50は、遊技用貨幣トレイ17における把握されている遊技用貨幣120の総額が、紙幣と遊技用貨幣120との交換が行われた後に、交換した紙幣に対応した遊技用貨幣120の支払額に応じた増減、およびすべてのプレイヤ6の賭けた遊技用貨幣120の額と当該ゲームの勝敗結果とから計算される遊技用貨幣120の増減に対応しているか否かを比較判定する。
【0173】
管理制御装置50は、遊技用貨幣120の種類と枚数とを計測判定する際に、遊技用貨幣120の一部もしくは一枚全体が隠れた状態となっていても遊技用貨幣120の種類、枚数の情報を得ることが可能な人工知能活用型もしくはディープラーニング構造の制御装置である。
【0174】
遊技用貨幣120は側面の白色層122もしくは薄色層に回転方向(周方向)に間隔を隔てて少なくとも3カ所以上にサイドID126が付されており、ID読取装置53でサイドID126を読み取ることにより、遊技用貨幣120の種類と製造情報が特定可能であり、測定して特定された情報は、データベース51と照合管理可能な構成を有している。
【0175】
サイドID126は、可視光で見えるインク(可視インク)、赤外線吸収インク又はUV発光インクのうちの2つ以上により印刷されていてよい。この場合には、ID読取装置53は、サイドID126の印刷されているインクに対応した複数種類のカメラ(可視光カメラ、赤外線カメラ、紫外線カメラ(UV照射機と可視光カメラ等)の内の複数種類)を備える。あるいは、各インクに対応して、可視光カメラ、赤外線カメラ、紫外線カメラ(UV照射機と可視光カメラ等)の複数の撮像機能を切り替え可能なカメラを備えていてもよい。
【0176】
また、それぞれ所定の位置に配置され、それぞれ高さが異なる複数のカメラ装置2b-1,2b-2で遊技テーブル4上の遊技用貨幣120を撮像する構成としてもよい。
【0177】
なお、上記の実施の形態では、画像分析装置12や制御装置14が人工知能活用型もしくはディープラーニング構造を有する装置であったが、画像分析装置12や制御装置14は、具体的には、スケールが不変の特徴変換(SIFT;Scale-Invariant Feature Transform)アルゴリズム、畳み込みニューラルネットワーク(CNN;Convolutional Neutral Network)、深層学習(deep learning)、機械学習(machine learning)、又は同様のものを用いて画像の分析や上記の各種の制御を行ってよい。これらの技術は、撮像画像に対して画像認識を行って画像内に含まれる対象を認識する技術であって、特に、近年は、ニューラルネットワークを多層化したディープラーニング技術を利用して高い精度で対象を認識することが行われている。このディープラーニング技術は、一般的にはニューラルネットワークの入力層と出力層との間の中間層において複数段階に亘って層を重ねることにより高い精度で対象を認識する。このディープラーニング技術において、特に、畳み込みニューラルネットワークが、従来の画像特徴量に基づいて対象を認識するよりも高い性能を有することで注目されている。
【0178】
畳み込みニューラルネットワークでは、ラベルが付与された認識対象画像を学習し、認識対象画像に含まれる主な対象を認識する。学習画像内に主な対象が複数存在する場合には、領域矩形で指定して、当該指定された領域に対応した画像にラベルを付与して学習を行う。さらに、畳み込みニューラルネットワークにおいて、画像内の主な対象および当該対象の位置を判定することも可能である。
【0179】
畳み込みニューラルネットワークについてさらに説明すると、対象の認識プロセスは、認識対象画像に対してエッジ抽出処理等を実施することにより局所的な特徴に基づいて候補領域を抽出すると共に、候補領域を畳み込みニューラルネットワークに入力して特徴ベクトルを抽出した上で分類を行い、分類された最も確信度が高い候補領域を認識結果として得る。確信度とは、ある画像領域とラベルとともに学習された画像の主体の類似度が、他のクラスの類似度より相対的にどの程度高いかを示す量である。
【0180】
なお、人工知能活用型もしくはディープラーニング構造を有する装置については、米国特許9361577号、米国特許公開公報2016-171336号、米国公開公報2015-036920号、日本特許公開公報2016-110232号等に記載されており、これらの記載は参照により本明細書に組み込まれる。
【0181】
以上、第1~第3の実施の形態を説明したが、上述の実施の形態は、当業者により変形可能なことはもちろんであり、適用されるゲームでの必要に応じて、本実施の形態の装置が適当に変形されてよい。
【0182】
上記の第1~第3の実施の形態によって、以下の発明が開示される。
【0183】
第1~第3の実施の形態の一態様の遊技用貨幣は、少なくとも着色層と、白色層もしくは薄色層を積層して複数のプラスチックの層からなる積層構造体を構成して側面に積層方向の縞模様を形成し、前記着色層により遊技用貨幣の種類が特定可能な構成を有するとともに、前記積層構造体のさらに上下面には遊技用貨幣の種類を表す印刷層が施され、各層間が熱圧着されて層構造をなしている。
【0184】
上記の遊技用貨幣において、前記白色層もしくは薄色層の外側面には、それぞれ個別に識別可能なサイドIDが付されていてよい。
【0185】
上記の遊技用貨幣において、前記サイドIDは、前記遊技用貨幣の側面の回転方向に間隔を隔てて少なくとも3カ所以上に付されていてよい。
【0186】
上記の遊技用貨幣において、前記サイドIDが、可視光では見えないインクにより印刷されていてよい。
【0187】
上記の遊技用貨幣において、前記サイドIDが、赤外線を吸収するインクにより印刷されていてよい。
【0188】
上記の遊技用貨幣において、前記サイドIDは、前記白色層もしくは薄色層の2つの層の外側面のそれぞれに複数行設けられていてよい。
【0189】
上記の遊技用貨幣において、前記印刷層の上下面の外側角にはR加工が施されていてよい。
【0190】
上記の遊技用貨幣において、前記複数のプラスチックの層の少なくとも一層は、層中に重量増加用の金属粉末を含有した重い層であってよい。
【0191】
上記の遊技用貨幣において、前記重量増加用の金属粉末は金属酸化物であり、特に酸化亜鉛、酸化チタンの内の1又は複数の金属酸化物であってよい。
【0192】
上記の遊技用貨幣において、前記着色層を挟んで両側に白色層もしくは薄色層を設け、前記着色層を挟んで設けた白色層又は薄色層の上下の層の厚みを相互に異なるように構成してよい。
【0193】
上記の遊技用貨幣において、前記着色層、前記白色層又は薄色層のいずれかを形成するプラスチックの層の間にRFIDを密着固定してよい。
【0194】
上記の遊技用貨幣において、前記印刷層には、UV発光インク又は赤外線を吸収するインクによるフェイスコードが設けられていてよい。
【0195】
上記の遊技用貨幣において、側面にサイドIDが付され、かつRFIDを内蔵する構造であってよく、前記印刷層には、UV発光インク又は赤外線を吸収するインクによるフェイスコードが設けられ、前記側面に付されたサイドIDの情報とRFIDの情報とが関連付けられているか、または前記サイドIDの情報とフェイスコードの情報とが関連付けられているか、またはサイドIDの情報とRFIDの情報とフェイスコードの情報とが関連付けられてよい。
【0196】
第1~第3の実施の形態の一態様の検査装置は、上記の遊技用貨幣を検査する検査装置であって、前記遊技用貨幣のRFIDの情報を読み取るRFID読取装置と、側面のサイドIDを読み取るID読取装置と、制御装置とを備え、前記ID読取装置により得られるサイドIDの情報と、前記RFID読取装置から得た情報の関連を検査する構成である。
【0197】
第1~第3の実施の形態の他の態様の検査装置は、上記の遊技用貨幣を検査する検査装置であって、前記遊技用貨幣の表面に設けたUV発光インク又は赤外線を吸収するインクによるフェイスコードを読み取るフェイスコード読取装置と、側面のサイドIDを読み取るID読取装置と、制御装置とを備え、前記制御装置は、前記ID読取装置により得られるサイドIDの情報と、前記フェイスコード読取装置から得た情報と、の関連を検査する構成である。
【0198】
第1~第3の実施の形態のさらに他の態様の検査装置は、上記の遊技用貨幣を検査する検査装置であって、前記遊技用貨幣の表面に設けたUV発光インク又は赤外線を吸収するインクによるフェイスコードを読み取るフェイスコード読取装置と、側面の前記サイドIDを読み取るID読取装置と、前記遊技用貨幣のRFIDの情報を読み取るRFID読取装置と、制御装置とを備え、前記制御装置は、前記ID読取装置により得られるサイドIDの情報と、前記フェイスコード読取装置から得た情報と、前記RFID読取装置から得た情報の関連を検査する構成である。
【0199】
上記の検査装置において、前記サイドIDが、少なくとも可視光で見えるインクまたは赤外線を吸収するインクのいずれかまたは組み合わせにより印刷されており、前記ID読取装置は、前記サイドIDの印刷されているインクに対応した可視光カメラまたは赤外線カメラをそれぞれ単独で、または複数備えるか、前記インクに対応した可視光カメラ、赤外線カメラの複数機能を切り替え可能なカメラを備えていてよい。
【0200】
上記の検査装置において、前記遊技用貨幣の側面を撮影して側面の積層方向の縞模様の色を判定する前記遊技用貨幣種類の判定装置、又は、前記遊技用貨幣に設けた印刷層の印刷を読取る印刷検査装置をさらに備え、前記遊技用貨幣の種類と印刷層の印刷内容との関係を検査してよい。
【0201】
第1~第3の実施の形態の一態様の遊技用貨幣の製造方法は、少なくとも着色層と、白色層もしくは薄色層を積層して複数のプラスチックの層からなる積層構造体を形成し、前記複数のプラスチックの前記積層構造体の少なくとも上面又は下面に図柄を印刷した印刷層を設け、前記積層構造体と印刷層の各層を加熱圧着して前記各層を熱溶着して代用貨幣原板を作成し、金型により前記代用貨幣原板を打ち抜き加工して所定の形状の複数の遊技用貨幣を得るとともに、打ち抜き加工の際に金型により遊技用貨幣の外側の上下の角をR加工する。
【0202】
第1~第3の実施の形態の他の態様の遊技用貨幣の製造方法は、少なくとも中間に着色層を備え、前記中間の着色層の上下に白色層もしくは薄色層を積層して複数のプラスチックの層からなる積層構造体を形成し、前記複数のプラスチックの層の少なくとも一層は、層中に重量増加用の金属粉末又は金属酸化物を含有した層を用い、前記積層構造体の少なくとも上面又は下面に図柄を印刷した印刷層を設け、前記積層構造体と印刷層の各層を加熱圧着して前記各層を熱溶着して代用貨幣原板を作成し、金型により前記代用貨幣原板を打ち抜き加工して所定の形状の複数の遊技用貨幣を得る。
【0203】
上記の遊技用貨幣の製造方法において、サイドIDがインクジェット印刷で付されていてよい。
【0204】
上記の遊技用貨幣の製造方法において、前記積層構造体の層間にRFIDを挟み、各層を加熱圧着する際に前記RFIDを挟む各層を熱溶着して前記RFIDの周りをプラスチックの層で密着してよい。
【0205】
上記の遊技用貨幣の製造方法において、前記印刷層には、フェイスコード、セキュリティマーク、オプティカルバリアブルデバイス(OVD)の内のいずれかもしくは複数が印刷されてもよい。
【0206】
第1~第3の実施の形態の一態様のテーブルゲームの管理システムは、遊技テーブルにおいて各ゲームの勝敗結果を判定し表示するカード配布装置と、前記遊技テーブル上に置いた遊技用貨幣をカメラを用いて撮影記録するカメラ装置と、各ゲームにおいて前記カメラ装置の撮像結果を用いて、ゲーム参加人が前記遊技テーブル上に置いた遊技用貨幣の位置と種類と枚数とを特定し記憶する管理制御装置と、を有し、前記遊技用貨幣は、側面に軸方向の縞模様を形成するよう少なくとも外観において着色層と白色層もしくは薄色層を有する構造体とし、前記着色層により遊技用貨幣の種類を特定することが可能な構成を有し、前記管理制御装置は、前記カード配布装置から得た勝敗結果及びゲーム参加人が置いた遊技用貨幣の位置と種類と枚数の撮像結果を用いて、前記遊技テーブルにおけるカジノ側の収支計算をゲーム毎に行う計算機能を備える。
【0207】
上記のテーブルゲームの管理システムにおいて、前記管理制御装置は、各ゲーム参加人が置いた遊技用貨幣の着色層又は白色層もしくは薄色層の数を計測し、前記着色層の色により遊技用貨幣の種類や金額を判定する機能を備えてよい。
【0208】
上記のテーブルゲームの管理システムにおいて、前記管理制御装置は、各ゲームでゲーム参加人が置いた遊技用貨幣の位置と種類と枚数の撮像を行うが、これは前記カード配布装置が一枚目のカードが引かれるのを検出したとき、または引かれる前後、あるいはディーラの賭け終了のサインを管理制御装置が認識した後に行うようにしている。
【0209】
第1~第3の実施の形態の他の態様のテーブルゲームの管理システムは、前記遊技テーブルに設けられ、遊技用貨幣をその種類毎に保持する遊技用貨幣トレイと、前記遊技用貨幣トレイに置かれた遊技用貨幣をカメラを用いて撮像するカメラ装置と、前記カメラ装置の撮像結果を用いて前記遊技用貨幣トレイ上の遊技用貨幣の種類と枚数とを特定し記憶する管理制御装置と、を有し、前記遊技用貨幣は、側面に軸方向の縞模様を形成するよう少なくとも外観において着色層と白色層もしくは薄色層を有する構造体とし、前記着色層により遊技用貨幣の種類を特定することが可能な構成を有し、前記管理制御装置は、前記遊技用貨幣トレイ上の前記遊技用貨幣の種類と枚数の撮像結果を用いて、前記遊技用貨幣トレイ上の前記遊技用貨幣の総額を計測可能な構成である。
【0210】
上記のテーブルゲームの管理システムにおいて、前記管理制御装置は、各ゲーム参加人が置いた遊技用貨幣の着色層又は白色層もしくは薄色層の数を計測し、前記着色層の色により遊技用貨幣の種類や金額を判定する機能を備えてもよい。
【0211】
上記のテーブルゲームの管理システムにおいて、遊技テーブルのディーラの遊技用貨幣トレイにおける把握されているゲーム終了後における前記遊技用貨幣の現実の総額が、すべてのプレイヤの賭けた遊技用貨幣額と当該ゲームの勝敗結果とから計算される遊技用貨幣の増減額に対応していない違いを前記管理制御装置が判定可能な構成であってよい。
【0212】
上記のテーブルゲームの管理システムにおいて、管理制御装置を介してゲームの終了時の清算後に遊技用貨幣トレイにおける遊技用貨幣の総額を得るのは、
1)勝ち遊技用貨幣に対する償還が終了したとき、
2)当該ゲームで使用されたカードが回収され、当該テーブルの廃棄エリアに廃棄されるとき、
3)勝敗結果判定装置に付随する所定のボタンを押したとき、
4)勝敗を示すマーカーを元に戻したとき、
のいずれかであってもよい。
【0213】
上記のテーブルゲームの管理システムにおいて、前記カメラ装置は前記遊技用貨幣交換用の紙幣の撮像も可能であってよく、前記管理制御装置は、紙幣の撮像結果を用いて、前記遊技用貨幣トレイ上の遊技用貨幣の紙幣との交換によって減るべき前記遊技用貨幣トレイ上の遊技用貨幣の種類と枚数とを特定し、前記遊技用貨幣トレイ上の前記遊技用貨幣の現実の総額と比較計測可能な構成であってよい。
【0214】
上記のテーブルゲームの管理システムにおいて、前記管理制御装置は、遊技テーブルのディーラの遊技用貨幣トレイにおける把握されている遊技用貨幣の総額が、お札と遊技用貨幣との交換が行われた後に、交換したお札に対応した遊技用貨幣の支払額に応じて増減およびすべてのプレイヤの賭けた遊技用貨幣額と当該ゲームの勝敗結果とから計算される遊技用貨幣の増減に対応しているか否かを比較判定可能であってよい。
【0215】
上記のテーブルゲームの管理システムにおいて、前記管理制御装置は、遊技用貨幣の種類と枚数とを計測判定する際にカメラの死角により一部もしくは一枚全体が隠れた状態となっていても遊技用貨幣の種類、枚数の情報を得ることが可能な人工知能活用型もしくはディープラーニング構造であってよい。
【0216】
上記のテーブルゲームの管理システムにおいて、前記遊技用貨幣は側面の前記白色層もしくは薄色層に回転方向に間隔を隔てて少なくとも3カ所以上サイドIDが付されていてよく、ID読取装置でサイドIDを読み取ることにより、遊技用貨幣の種類と製造情報が特定可能であってよく、測定し特定され情報が所定のデータベースと照合管理可能な構成を有してよい。
【0217】
上記のテーブルゲームの管理システムにおいて、前記サイドIDが、少なくとも可視光で見えるインク、赤外線を吸収するインクのいずれかまたは両方により印刷されていてよく、前記ID読取装置は、前記サイドIDの印刷されているインクに対応した可視光カメラ、赤外線カメラの内の複数個を備えるか、前記インクに対応した、可視光カメラ、赤外線カメラの複数機能を切り替え可能なカメラを備えていてよい。
【0218】
上記のテーブルゲームの管理システムにおいて、前記遊技テーブル上の遊技用貨幣を撮影記録するカメラ装置は、所定の位置に配置された単独もしくは高さが異なる複数のカメラで遊技用貨幣を撮影する構成としてよい。
【0219】
第1~第3の実施の形態のシステムによれば、ゲームの勝敗結果に従った遊技用貨幣の回収及び償還における不正を検知できる。
【0220】
また、第1~第3の実施の形態のシステムによれば、バカラゲーム等においてしばしば行われるプレイヤによるカードのスクイーズによりカードが曲がってしまっても、画像分析でカードのランクとスートが判定でき、死角や重なった遊技用貨幣も総額が位置と共に把握することができる。またお札と遊技用貨幣の交換時の不正も検知することができる。
【0221】
(第4の実施の形態)
第4の実施の形態は、遊技用貨幣を検査する検査システム及び検査装置に関し、特に、ケースに収容された複数の遊技用貨幣を検査する検査システム及び検査装置に関する。
【0222】
カジノ等の遊技場で用いられる遊技用貨幣は、工場で製造されてから遊技場に運搬されて保管庫に保管され、保管庫から場内のキャッシャやゲームテーブルに移動されるが、この運搬、保管、移動の過程で遊技用貨幣が盗まれ、又は偽物とすり替えられることを防止する必要がある。このために、遊技用貨幣を収容するケースが用いられる。このケースが複数の遊技用貨幣を収容した後に封印されることで、封印後にケースから遊技用貨幣が抜き取られた事態が発見可能となる。
【0223】
遊技用貨幣として、識別情報や種類の情報を記憶した無線タグを内蔵するとともに側面に識別情報や種類の情報を示す光学的に読み取り可能なコード情報を付与したものが知られている(例えば、特開2009-66172号公報)。
【0224】
特開2009-66172号公報には、遊技用貨幣を用いたシステムが開示されている。このシステムは、遊技テーブルのベット用ボードに置かれた遊技用貨幣について、無線タグに記憶された識別情報に基づいて遊技用貨幣の枚数を算出し、かつ、側面に付与された識別情報に基づいて遊技用貨幣の枚数を算出し、それらを照合する。これにより、ゲームテーブルで不正な遊技用貨幣が用いられた場合に、これを検出することができる。
【0225】
しかしながら、特開2009-66172号公報に開示されたシステムは、ベットされた(ベット用ボードに置かれた)遊技用貨幣の枚数を算出して不正を検出するものであるので、このシステムによっても、ケースに収容された複数の遊技用貨幣について、ケースに収容されたままの状態で検査をして、不正な遊技用貨幣を検出することはできない。
【0226】
そこで、第4の実施の形態は、ケースに収容された複数の遊技用貨幣について、ケースに収容されたままの状態で検査することができる検査システム及び検査装置を提供することを目的とする。
【0227】
第4の実施の形態の第1の態様の検査システムは、少なくとも第1貨幣情報と第2貨幣情報とを有する遊技用貨幣を検査する検査システムであって、前記第2貨幣情報は、光学的に読み取り可能な形態で前記遊技用貨幣の側面に設けられており、複数の遊技用貨幣を重ねて収容するケースと、前記ケースに収容された遊技用貨幣を検査する検査装置とを備え、前記検査装置は、前記ケースに収容された遊技用貨幣の前記第1貨幣情報を取得する第1読取装置と、前記ケースに収容された遊技用貨幣の側面を光学的に読み取って第2貨幣情報を取得する第2読取装置と、前記第1読取装置で取得された第1貨幣情報と前記第2読取装置で取得された第2貨幣情報とを用いて、前記ケースに存在するすべての遊技用貨幣の真贋・破損もしくは価値毎の枚数を判定することで、当該ケースに収容された複数の遊技用貨幣の合否を判定する判定部とを備えた構成を有する。
【0228】
この構成により、第1読取部及び第2読取部は、いずれもケースに収容された遊技用貨幣から第1貨幣情報及び第2貨幣情報を取得するので、ケースに収容された状態の遊技用貨幣に対して検査をすることができる。また、第1貨幣情報と第2貨幣情報という2つの情報を遊技用貨幣から取得して検査を行うので、合否の判定を確実に行うことができる。
【0229】
第4の実施の形態の第2の態様の検査システムは、第1の態様の検査システムにおいて、共通の遊技用貨幣における前記第1貨幣情報と前記第2貨幣情報とは共通の情報を含み、前記判定部は、前記第1読取装置で取得された複数の前記第1貨幣情報と前記第2読取装置で取得された複数の前記第2貨幣情報の共通の情報部分が一致しない場合に、当該ケースに収容された複数の遊技用貨幣を不合格と判定する。
【0230】
この構成により、第1貨幣情報と第2貨幣情報との共通の情報部分が一致しない不正な遊技用貨幣がケース内に存在しているときに、判定部はそのケースに収容された遊技用貨幣を不合格とすることができる。
【0231】
例えば、無線タグと側面に共通の識別情報が記録されている場合は、複数の無線タグから読み出された複数の識別情報と、複数の側面から読み出された複数の識別情報とが完全に一致しない場合に、不合格となる。また、無線タグと側面に当該遊技用貨幣の価値が記録されている場合は、無線タグから読み出された各価値の数と、側面から読み出された各価値の数とが一致しない場合に、不合格となる。
【0232】
第4の実施の形態の第3の態様の検査システムは、第1の態様の検査システムにおいて、前記第1貨幣情報と前記第2貨幣情報の両方または一方は、個別に遊技用貨幣を識別する個別識別情報を含む。
【0233】
第4の実施の形態の第4の態様の検査システムは、第1の態様の検査システムにおいて、前記第2貨幣情報は、前記遊技用貨幣の価値を表す指定色で表現される情報を含み、前記指定色で遊技用貨幣の価値を示す情報である。
【0234】
第4の実施の形態の第5の態様の検査システムは、第3の態様の検査システムにおいて、前記第1貨幣情報と前記第2貨幣情報の両方が個別識別情報を含み、前記第1読取装置で取得された複数の前記第1貨幣情報と前記第2読取装置で取得された複数の前記第2貨幣情報の個別識別情報とが一致しない場合に、当該ケースに収容された複数の遊技用貨幣を不合格と判定する。
【0235】
この構成により、第1貨幣情報の個別識別情報と第2貨幣情報の個別識別情報が一致しない不正な遊技用貨幣がケース内に存在しているときに、判定部はそのケースに収容された遊技用貨幣を不合格とすることができる。
【0236】
第4の実施の形態の第6の態様の検査システムは、第1の態様の検査システムにおいて、前記ケースに収容されているべき複数の遊技用貨幣の少なくとも前記第1貨幣情報または前記第2貨幣情報の個別識別情報を記憶した記憶部をさらに備え、前記判定部は、前記第1読取装置で取得された複数の前記第1貨幣情報または前記第2読取装置で取得された複数の前記第2貨幣情報の個別識別情報が、前記記憶部に記憶された前記第1貨幣情報または前記第2貨幣情報の個別識別情報と一致しない場合に、当該ケースに収容された複数の遊技用貨幣を不合格と判定する。
【0237】
この構成により、第1貨幣情報又は第2貨幣情報が不正確である不正な遊技用貨幣がケース内に存在しているときに、判定部はそのケースに収容された遊技用貨幣を不合格とすることができる。
【0238】
例えば、無線タグに文字で表現される個別識別情報が記録されており、側面に数字で表現される個別識別情報が記録されている場合は、記憶部にも、ケースごとに、無線タグ用に文字で表現される複数の個別識別情報が記憶されており、側面用に数字で表現される複数の個別識別情報が記憶されており、複数の無線タグから読み出した複数の個別識別情報がそのケースの無線タグ用として記憶部に記憶された複数の個別識別情報と一致せず、または、複数の側面から読み出した複数の個別識別情報がそのケースの側面用として記憶部に記憶された複数の個別識別情報と一致しない場合に、不合格となる。
【0239】
第4の実施の形態の第7の態様の検査システムは、第1の態様の検査システムにおいて、前記第1貨幣情報と前記第2貨幣情報との対応関係を記憶した記憶部をさらに備え、前記判定部は、前記第1読取装置で取得された複数の前記第1貨幣情報と前記第2読取装置で取得された複数の前記第2貨幣情報とが、前記記憶部に記憶された前記対応関係と符合しない場合に、当該ケースに収容された複数の遊技用貨幣を不合格と判定する。
【0240】
この構成により、第1貨幣情報と第2貨幣情報との対応関係が不正確な遊技用貨幣がケース内に存在しているときに、不合格とすることができる。
【0241】
例えば、無線タグに識別情報が記録されており、側面に価値が記録されている場合には、記憶部には、各識別情報にいずれかの価値が割り当てれられて記憶されており、複数の無線タグから読み出した複数の識別情報について、記憶部を参照して、各価値の個数を求め、側面から読み出した各価値の個数がこれと一致しない場合に、不合格となる。逆に、無線タグに価値が記録されており、側面に識別情報が記録されている場合も同様である。これらの場合に、記憶部では、どのケースにどの識別情報の遊技用貨幣が含まれているかを記憶しておく必要はない。
【0242】
第4の実施の形態の第8の態様の検査システムは、第1ないし第7のいずれかの態様の検査システムにおいて、前記判定部は、前記第1読取装置で取得された前記第1貨幣情報及び前記第2読取装置で取得された前記第2貨幣情報の数が所定数でない場合に、当該ケースに収容された複数の遊技用貨幣を不合格と判定する。
【0243】
この構成により、ケースから遊技用貨幣が抜き取られ、あるいはケースに遊技用貨幣が追加されているときに、判定部はそのケースに収容された遊技用貨幣を不合格とすることができる。
【0244】
例えば、ケースの収容枚数が100枚である場合は、無線タグから読み出した第1貨幣情報又は側面から読み出した第2貨幣情報のいずれかが100個でない場合に不合格となる。
【0245】
第4の実施の形態の第9の態様の検査システムは、第1ないし第8のいずれかの態様の検査システムにおいて、前記遊技用貨幣は、前記第2貨幣情報に前記遊技用貨幣の価値を示す色情報を含み、前記第1貨幣情報に前記遊技用貨幣の価値を識別する価値情報を含み、前記判定部は、前記色情報と前記第1貨幣情報の価値情報とが一致しない場合に当該ケースに収容された複数の遊技用貨幣を不合格と判定する。
【0246】
第4の実施の形態の第10の態様の検査システムは、第9の態様の検査システムにおいて、前記第2貨幣情報は前記色情報に加えて前記遊技用貨幣の価値情報を更に含み、前記判定部は、前記第2貨幣情報における色情報による前記遊技用貨幣の価値が、前記第2貨幣情報の価値情報及び前記第1貨幣情報の価値情報の両方あるいは一方と一致しない場合に、当該ケースに収容された複数の遊技用貨幣を不合格と判定する。
【0247】
第4の実施の形態の第11の態様の検査システムは、第1ないし第10のいずれかの態様の検査システムにおいて、前記遊技用貨幣は前記第1貨幣情報を備えた無線タグを有する。
【0248】
第4の実施の形態の第12の態様の検査システムは、第1ないし第11のいずれかの態様の検査システムにおいて、前記第1貨幣情報と前記第2貨幣情報の少なくとも一方または両方は前記遊技用貨幣が属するグループを示すグループ情報を含み、前記グループは、前記遊技用貨幣の価値、製造時期、製造者、及び/又は使用遊技場によって分けられるグループである。
【0249】
第4の実施の形態の第13の態様の検査システムは、第10の態様の検査システムにおいて、前記判定部は、前記色情報と前記第1貨幣情報および前記第2貨幣情報の価値情報または共通の情報または個別識別情報の少なくとも一つとが一致しない場合に当該ケースに収容された複数の遊技用貨幣を不合格と判定する。
【0250】
第4の実施の形態の第14の態様の検査システムは、第10の態様の検査システムにおいて、前記判定部は、前記色情報または前記第1貨幣情報または前記第2貨幣情報の価値情報に基づいて、前記ケースに収容された複数の前記遊技用貨幣の価値毎の枚数、またはすべての前記遊技用貨幣の価値の総額を判定する。
【0251】
第4の実施の形態の第15の態様の検査システムは、第1の態様の検査システムにおいて、前記第2貨幣情報は、前記遊技用貨幣の側面において前記遊技用貨幣の価値を表す指定色で表現される情報を含み、前記指定色で遊技用貨幣の価値を示す情報であり、前記第2読取装置は、前記ケースに収容された複数の遊技用貨幣の側面を撮影するカメラと、前記カメラが撮影した画像を分析して、前記複数の遊技用貨幣の各々の指定色を特定し、特定した指定色に従って前記複数の遊技用貨幣の価値を特定する識別部とを備える。
【0252】
この構成により、判定部は遊技用貨幣の価値の情報を用いて合否を判定できる。
【0253】
第4の実施の形態の第16の態様の検査システムは、第15の態様の検査システムにおいて、前記第2貨幣情報を表現する前記指定色は、遊技用貨幣の側面において、価値の異なる遊技用貨幣について共通に付与される共通色によって、前記遊技用貨幣の厚さ方向に挟まれている。
【0254】
この構成により、ケース内で複数の遊技用貨幣が積み重ねられていても、識別部は側面の画像から共通色に挟まれた指定色を抽出することで、ケース内の複数の遊技用貨幣の種類を特定できる。
【0255】
第4の実施の形態の第17の態様の検査システムは、第1の態様の検査システムにおいて、前記第2貨幣情報は、側面に光学的に読み取り可能に表記された表記情報であり、前記第2読取装置は、前記ケースに積載して収容された複数の遊技用貨幣の側面を撮影するカメラと、前記カメラが撮影した画像を分析して前記複数の遊技用貨幣の各々の表記情報を特定し、特定した表記情報に従って前記複数の遊技用貨幣の各々の前記第2貨幣情報を特定する識別部とを備える。
【0256】
この構成により、判定部は遊技用貨幣の表記情報を用いて合否を判定できる。
【0257】
第4の実施の形態の第18の態様の検査システムは、第17の態様の検査システムにおいて、前記表記情報は、赤外線に反応して発光する赤外線反応インク又は赤外線を吸収する赤外線吸収インクで表記されており、前記カメラは、赤外線カメラである。
【0258】
この構成により、側面に付された識別情報を自然光下で視認できないようにできる。
【0259】
第4の実施の形態の第19の態様の検査システムは、第17の態様の検査システムにおいて、前記表記情報は、紫外線に反応して発光するインクで表記されており、前記検査装置は、前記ケースに収容された複数の遊技用貨幣の側面に紫外線を照射する紫外線照射部をさらに備えている。
【0260】
この構成によっても、側面に付された識別情報を自然光下で視認できないようにできる。
【0261】
第4の実施の形態の第20の態様の検査システムは、第1の態様の検査システムにおいて、前記ケースには、収容された前記遊技用貨幣を取出し可能に開けると破壊される封印がされており、前記検査装置は、未破壊の前記封印を検出する検出部をさらに備え、前記判定部は、前記検出部にて未破壊の前記封印が検出されない場合に、前記ケースに収容された複数の遊技用貨幣を不合格と判定する。
【0262】
この構成により、封印が破壊されたときに、判定部はそのケースに収容された遊技用貨幣を不合格とすることができる。
【0263】
第4の実施の形態の第21の態様の検査システムは、第1の態様の検査システムにおいて、前記ケースは、光透過部分を有し、前記第2読取装置は、前記光透過部分を介して前記ケースに収容された遊技用貨幣の側面を光学的に読み取る。
【0264】
この構成により、ケースを閉じたまま第2貨幣情報を読み取ることができる。
【0265】
第4の実施の形態の第22の態様の検査システムは、第21の態様の検査システムにおいて、前記光透過部分は、透明の部材で構成される。
【0266】
この構成により、ケースにおいて光透過部分も含めて密閉構造とすることができる。
【0267】
第4の実施の形態の第23の態様の検査システムは、第1の態様の検査システムにおいて、前記検査装置は、前記ケースを受け入れるケース受入部を備えている。
【0268】
この構成により、ケースをケース受け入れ部に配置することで、第1貨幣情報及び第2貨幣情報を読み取ることができる。
【0269】
第4の実施の形態の第24の態様の検査システムは、第21の態様の検査システムにおいて、前記ケースは、持ち運び可能である。
【0270】
この構成により、ケースが工場からテーブルやキャッシャまで移動する過程の任意のポイントでケース内の遊技用貨幣の検査を行うことができる。
【0271】
第4の実施の形態の第25の態様の検査システムは、第1の態様の検査システムにおいて、前記ケースは、ゲームテーブルにおいて前記遊技用貨幣を保持する2段式のチップフロートまたはチップトレイである。
【0272】
第4の実施の形態の第26の態様の検査システムは、側面に価値を表す指定色及び光学的に読み取り可能に表記された表記情報が付与された遊技用貨幣を検査する検査システムであって、複数の遊技用貨幣を重ねて収容するケースと、前記ケースに収容された遊技用貨幣を検査する検査装置とを備え、前記検査装置は、前記ケースに収容された遊技用貨幣の側面を撮影するカメラと、前記カメラが撮影した画像を分析して、前記複数の遊技用貨幣の各々の前記指定色及び前記表記情報を特定する識別部と、前記識別部で特定した前記指定色と前記表記情報とに基づいて、前記ケースごとに遊技用貨幣の合否を判定する判定部とを備えた構成を有する。
【0273】
この構成により、識別部はケースに収容された遊技用貨幣について指定色及び表記情報を特定するので、ケースに収容された状態の遊技用貨幣に対して検査をすることができる。また、指定色と表記情報という2つの情報を遊技用貨幣の側面から特定して検査を行うので、合否の判定を確実に行うことができる。
【0274】
第4の実施の形態の第27の態様の検査システムは、貨幣情報を記憶した無線タグを内蔵するとともに側面に価値を表す指定色が付与された遊技用貨幣を検査する検査システムであって、複数の遊技用貨幣を重ねて収容するケースと、前記ケースに収容された遊技用貨幣を検査する検査装置とを備え、前記検査装置は、前記ケースに収容された遊技用貨幣の無線タグを読み取って前記貨幣情報を取得する読取部と、前記ケースに収容された遊技用貨幣の側面を撮影するカメラと、前記カメラが撮影した画像を分析して、前記複数の遊技用貨幣の各々の前記指定色を特定する識別部と、前記読取部で取得された前記貨幣情報と前記識別部で特定した前記指定色とに基づいて、前記ケースごとに遊技用貨幣の合否を判定する判定部とを備えた構成を有する。
【0275】
この構成により、読取部は、ケースに収容された遊技用貨幣から貨幣情報を取得するとともに、識別部もケースに収容された遊技用貨幣について指定色を特定するので、ケースに収容された状態の遊技用貨幣に対して検査をすることができる。また、貨幣情報と指定色という2つの情報を遊技用貨幣の側面から特定して検査を行うので、合否の判定を確実に行うことができる。
【0276】
第4の実施の形態の第28の態様の検査装置は、第1貨幣情報を記憶した無線タグを内蔵するとともに側面に光学的に読み取り可能な第2貨幣情報が付与され、ケースに重ねて収容された複数の遊技用貨幣を検査する検査装置であって、前記ケースに収容された複数の遊技用貨幣の無線タグを読み取って第1貨幣情報を取得する第1読取装置と、前記ケースに収容された複数の遊技用貨幣の側面を光学的に読み取って第2貨幣情報を取得する第2読取装置と、前記第1読取装置で取得された第1貨幣情報と前記第2読取装置で取得された第2貨幣情報とに基づいて、前記ケースごとに遊技用貨幣の合否を判定する判定部とを備えた構成を有する。
【0277】
この構成により、第1読取部及び第2読取部は、いずれもケースに収容された遊技用貨幣から第1貨幣情報及び第2貨幣情報を取得するので、ケースに収容された状態の遊技用貨幣に対して検査をすることができる。また、第1貨幣情報と第2貨幣情報という2つの情報を遊技用貨幣から取得して検査を行うので、合否の判定を確実に行うことができる。
【0278】
第4の実施の形態の第29の態様の検査装置は、側面に価値を表す指定色及び光学的に読み取り可能な表記情報が付与され、ケースに重ねて収容された複数の遊技用貨幣を検査する検査装置であって、前記ケースに収容された複数の遊技用貨幣の側面を撮影するカメラと、前記カメラが撮影した画像を分析して、前記複数の遊技用貨幣の各々の前記指定色及び前記表記情報を特定する識別部と、前記識別部で特定した前記指定色と前記表記情報とに基づいて、前記ケースごとに遊技用貨幣の合否を判定する判定部とを備えた構成を有する。
【0279】
第4の実施の形態の第30の態様の検査装置は、貨幣情報を記憶した無線タグを内蔵するとともに側面に価値を表す指定色が付与され、ケースに重ねて収容された複数の遊技用貨幣を検査する検査装置であって、前記ケースに収容された複数の遊技用貨幣の無線タグを読み取って前記貨幣情報を取得する読取部と、前記ケースに収容された複数の遊技用貨幣の側面を撮影するカメラと、前記カメラが撮影した画像を分析して、前記複数の遊技用貨幣の各々の前記指定色を特定する識別部と、前記読取部で取得された前記貨幣情報と前記識別部で特定した前記指定色とに基づいて、前記ケースごとに遊技用貨幣の合否を判定する判定部とを備えた構成を有する。
【0280】
第4の実施の形態の第31の態様の検査システムは、貨幣情報を記憶した無線タグを内蔵する遊技用貨幣を検査する検査システムであって、複数の遊技用貨幣を重ねて収容するケースと、前記ケースに収容された遊技用貨幣を検査する検査装置とを備え、前記検査装置は、前記ケースに収容された遊技用貨幣の無線タグを読み取って貨幣情報を取得する読取部と、前記読取部で取得された貨幣情報に基づいて、前記ケースごとに遊技用貨幣の合否を判定する判定部と、前記ケースに収容されているべき複数の遊技用貨幣の前記貨幣情報を記憶した記憶部とを備え、前記判定部は、前記読取部で取得された複数の前記貨幣情報が前記記憶部に記憶された前記貨幣情報と一致しない場合に、当該ケースに収容された複数の遊技用貨幣を不合格と判定する。
【0281】
第4の実施の形態の第32の態様の検査装置は、貨幣情報を記憶した無線タグが内蔵され、ケースに重ねて収容された複数の遊技用貨幣を検査する検査装置であって、前記ケースに収容された複数の遊技用貨幣の無線タグを読み取って貨幣情報を取得する読取部と、前記読取部で取得された前記貨幣情報に基づいて、前記ケースごとに遊技用貨幣の合否を判定する判定部とを備えた構成を有する。
【0282】
第4の実施の形態によれば、第1読取部及び第2読取部は、いずれもケースに収容された遊技用貨幣から第1貨幣情報及び第2貨幣情報を取得するので、ケースに収容された状態の遊技用貨幣に対して検査をすることができる。また、第1貨幣情報と第2貨幣情報という2つの情報を遊技用貨幣から取得して検査を行うので、合否の判定を確実に行うことができる。
【0283】
以下、図面を参照して第4の実施の形態を説明する。
【0284】
<検査システムの構成>
図25は、第4の実施の形態における検査システムの構成を示す図である。検査システム41は、遊技用貨幣を重ねた状態で収容するためのケース4100と、ケース4100に重ねて収容された複数の遊技用貨幣をケース4100に収容された状態のまま検査する検査装置4200とからなる。
【0285】
ケース4100は、概略直方体形状を有し、透明の樹脂で構成されている。ケース4100は、円板形状の遊技用貨幣Cを積み重ねた状態で収容する。ケース4100には、20枚の遊技用貨幣Cを収容するカラムが5本形成されており、合計で100枚の遊技用貨幣Cを収容することができる。ケース4100は、遊技用貨幣Cを収容した状態で持ち運びが可能(ポータブル)である。ケース4100は、分離可能な上部4101と下部4102とからなり、上部4101と下部4102とを分離することで、ケース4100への遊技用貨幣Cの収容及びケース4100からの遊技用貨幣Cの取出しが可能となる。
【0286】
検査装置4200は、受入部4210と本体部4220とからなる。検査装置4200は、この受入部4210にてケース4100を受け入れることができる。受入部4210は、全体として概略上面と前面が開放された直方体形状をなし、左右の側壁4211、底部4212、及び奥壁4213によって形成され、ケース4100がちょうど収まる幅、高さ、奥行きを有する。
【0287】
本体部4220は、受入部4210の奥壁4213の裏側に設けられ、RFIDリーダ4221、コンピュータ4222、及び表示部4223を備えている。本体部4220には、さらに赤外線カメラ4225及び可視光カメラ4226が設けられている。赤外線カメラ4225及び可視光カメラ4226は、受入部4210に収容されたケース4100の上面側からケース4100に収容された遊技用貨幣Cの側面を撮影するように、アーム4227の先に取り付けられている。
【0288】
コンピュータ4222には、RFIDリーダ4221、表示部4223、赤外線カメラ4225、及び可視光カメラ4226が接続されている。RFIDリーダ4221にはRFIDアンテナ4224が接続されている。RFIDアンテナ4224は、RFIDリーダ4221から延びて、左右の側壁4211内で渦巻き状に延びている。すなわち、左右の側壁4211の各々の内部には、渦巻き状のRFIDアンテナ4224が敷設されており、各RFIDアンテナ4224はRFIDリーダ4221に接続されている。
【0289】
表示部4223は、液晶パネルで構成される。なお、この液晶パネルにタッチセンサが設けられ、表示部4223がタッチパネルとして構成されてもよい。
【0290】
<遊技用貨幣の構成>
図26は、第4の実施の形態における遊技用貨幣Cの斜視図であり、図27は、第4の実施の形態における遊技用貨幣Cの側面図である。遊技用貨幣Cは、中間に指定色で特徴づけられた指定色層4501を備え、この中間の指定色層4501の厚さ方向の両側(図27では上下)に共通色で特徴づけられた共通色層4502を備え、側面に(厚さ方向の)縞模様が形成されている。
【0291】
遊技用貨幣Cの指定色層4501と一方の共通色層4502との間には、無線タグとしてRFIDタグ4503が挿入される。RFIDタグ4503には、遊技用貨幣Cの貨幣情報として、例えば遊技用貨幣Cを個別に識別する(唯一に特定する)個別識別情報及び価値(種類)の情報が記憶されている。遊技用貨幣Cの最外層には透明層4504が設けられる。すなわち、遊技用貨幣Cは、中間層である指定色層4501と、指定色層4501を両面から挟む共通色層4502と、両面の最外層である透明層4504とを有している。
【0292】
遊技用貨幣Cは、細長い長尺状の5層(透明層4504、共通色層4502、指定色層4501、共通色層4502、透明層4504の順)のプラスチック材料を重ねて、その際に指定色層4501と一方の共通色層4502との間に、所定の間隔でRFIDタグ4503を配置し、この5層のプラスチック材料を熱圧着し、その後に、1つの遊技用貨幣Cに1つのRFIDタグ4503が含まれるように、プレス等により円形あるいは長方形等に打ち抜くことで形成される。プレスにより打ち抜く際に、打ち抜きのための金型のダイとポンチの寸法を設計して最外層の透明層4504の端にR加工(丸い角)が施される。
【0293】
なお、指定色層4501と2層の共通色層4502からなる3層を熱圧着した後に、表面にニスを塗装することで透明層4504を形成してもよい。また、指定色層4501と2つの共通色層4502とは、別部材でなくてもよく、一体的に形成された後に、側面に指定色(及び共通色)をインクジェットプリント等で塗布することで指定色層4501及び共通色層4502を形成してもよい。
【0294】
指定色層4501は、色(指定色)で遊技用貨幣Cの価値(種類)を表現している。すなわち、指定色層4501の色を遊技用貨幣Cの価値ごと異なる色(赤色、緑色、黄色、青色等)とすることにより、遊技用貨幣Cの側面から光学的に読み取れる指定色層501の色を確認することで、その遊技用貨幣Cの価値(10ポイント、20ポイント、100ポイント、1000ポイントなど)を特定できるようにしている。共通色層4502には、価値の異なる遊技用貨幣Cについて共通の色(共通色)が付与されている。共通色は、いずれの指定色よりも薄い色が望ましく、本実施の形態では白色である。
【0295】
遊技用貨幣Cの側面には、さらに、側面(具体的には、側面の共通色層4502)に、遊技用貨幣Cの貨幣情報を表すコード情報4505が表記されている。このコード情報4505は、複数の標識(マークと言ってもよく、本実施の形態では四角の標識)の配置によって情報を表現するものである。指定色層4501が色で情報(遊技用貨幣Cの価値)を表しているのに対して、コード情報4505は側面に表記された標識で情報を表現するものであるので、表記情報ということができる。表記情報の他の例としては、複数の文字列、数字列、バーコード等を挙げることができる。
【0296】
本実施の形態のコード情報4505は、遊技用貨幣Cの周方向に60度周期で繰り返し表記さている。これにより、コード情報4505は、遊技用貨幣Cの側面を周方向にどの方向から観察したときにも、周方向の120度の範囲内に完全なコード情報4505が含まれることになる。なお、遊技用貨幣Cの繰り返し周期は、60度に限られず、周方向に等間隔で少なくとも3回繰り返し表記されていればよい。
【0297】
コード情報4505は、不可視インクで表記される。本実施の形態では、不可視インクとして、赤外線を吸収する赤外線吸収インク(具体的には、カーボンブラック)を用いて、インクジェットプリントによって印刷されている。コード情報4505の印字部分のみが赤外線を反射しないので、遊技用貨幣Cの側面を赤外線カメラ4225で撮影することで、コード情報4505が浮かび上がることになる。なお、赤外線カメラ4225は、印字部分を明確に浮かび上がらせるために、赤外線ランプを備えて、撮影する遊技用貨幣Cの側面に赤外線を照射するようにしてもよい。
【0298】
なお、不可視インクは、赤外線吸収インクに限られず、例えば、赤外線に反応して蛍光発光する赤外線反応インクや、紫外線に反応して蛍光発光するUVインクであってもよい。UVインクを用いる場合には、赤外線カメラ4225に代えて紫外線カメラを用い、さらに、UVインクを蛍光発光させるために、遊技用貨幣Cの側面に紫外線を照射するブラックライトが用いられる。
【0299】
さらに、遊技用貨幣Cには、共通色層4502の表面XにUVインクまたはカーボンブラックインクによる標識(マーク)m´が設けられている。この標識m´は遊技用貨幣Cの真偽を表すものであり、紫外線(もしくは赤外線)を当てると標識m´が目に見えるようになり、その形や数の組み合わせで真正なものを表す。表面の遊技場特定用の印刷4506(100ポイントなど)や標識m´を覆うように最外層には透明層4504が熱圧着あるいはコーティング(塗布)されているが、この透明層4504にはエンボス加工やニス加工が施され、遊技用貨幣Cが互いに密着するのを防いだり、滑りをよくしたりしている。
【0300】
印刷4506(100ポイントなど)が施された最外層の透明層4504の端はR加工(R)が施され、遊技用貨幣Cの打ち抜き工程において、共通色層4502の表面が変形して側面に現れるのを防止している。また、遊技用貨幣Cの鋭利な端が残り手や他の遊技用貨幣Cを損傷するのを防いでいる。指定色層4501は、着色された一層もしくは複数の層により形成されてもよい。さらには指定色層4501の層の中の層に重量を増すための金属やセラミックが内装されてもよい。また、RFIDタグ4503は、指定色層4501の一部にくり抜き、または指定色層4501と共通色層4502との間に空間が設けられ、その中に内蔵されてもよい。
【0301】
図28は、ケース4100に収容された複数の遊技用貨幣Cを赤外線カメラ4225及び可視光カメラ4226で撮影して得られた画像の例を示す図である。この場合のケース4100はゲームテーブルにおいて遊技用貨幣Cを保持する2段式のチップフロート(2段になっているチップトレイにおいて、特に可動する上のトレイ部分)またはチップトレイであってもよい。遊技用貨幣Cが、ケース4100内で、図28に示すように縦方向に積層されていても、赤外線カメラ4225及び可視光カメラ4226はコード情報4505を撮影可能である。また、指定色層4501を縦方向に数えることで、遊技用貨幣Cの枚数のカウントも可能となる。なお、2段式であっても、各段を展開することで赤外線カメラ4225及び可視光カメラ4226によってケース4100に収容されたすべての遊技用貨幣Cの側面を撮影することが可能となる。
【0302】
本実施の形態では、コード情報4505は、複数行複数列の標識mの配置によって表現されている。図29は、コード情報4505の構成を説明するための図である。図29に示すように、上下の標識mがペアになって1つのコード要素が構成される。図29の例では、1つのコード情報4505は10桁のコード要素から構成される。図29に示すように、上下の標識mがペアになって構成される1つのコード要素のパターンは4種あり、1コード要素で4種類の情報を表現できるので、10桁のコード要素からなるコード情報4505は、4の10乗種類の情報を表現できる。10桁のコード要素の横のYの字は、コード情報4505の向きを判別するための向き判別マークYである。
【0303】
<検査装置の構成>
図30は、検査装置4200の構成を示すブロック図である。検査装置4200は、図25に示したRFIDリーダ4221、コンピュータ4222、表示部4223、RFIDアンテナ4224、赤外線カメラ4225、可視光カメラ4226のほか、バーコードリーダ4228及び通信部4229を備えている。また、コンピュータ4222は、図示しないプロセッサ、メモリ等によって構成され、プロセッサが検査プログラムを実行することで、識別部4230及び判定部4231が構成される。
【0304】
RFIDリーダ4221、RFIDアンテナ4224、及び遊技用貨幣Cに埋め込まれたRFIDタグ4503によって、RFIDシステムが構成される。遊技用貨幣Cに埋め込まれたRFIDタグ4503に記憶された遊技用貨幣Cの貨幣情報は、RFIDリーダ4221によって非接触で読み出され、コンピュータ4222における処理に用いられる。
【0305】
赤外線カメラ4225は、赤外線のみを透過する赤外線透過フィルタを含み、赤外線像を撮像する。赤外線カメラ4225の撮影によって生成された赤外線画像はコンピュータ4222に送信されて、識別部4230の処理に供される。可視光カメラ4226は、可視領域の光の像を撮像する。可視光カメラ4226の撮影によって生成された可視光画像もコンピュータ4222に送信されて、識別部4230の処理に供される。図25に示したように、赤外線カメラ4225及び可視光カメラ4226は、ケース4100の上方からケース4100に向けられており、ケース4100の上部4101越しにケース4100内の複数の遊技用貨幣Cの側面を撮影する。
【0306】
バーコードリーダ4228は、ケース4100に付されたバーコードBCを読み取って後述するケース識別情報を取得する。表示部4223は、コンピュータ4222の判定部4231の判定結果を表示する。通信部4229は、工場Fに設置された製造管理装置4302や遊技場Pに設置された使用管理装置4303との間でデータの通信を行う。
【0307】
<ケースの構成>
図31は、ケース4100の斜視図である。ケース4100は、上部4101と下部4102とが合わさって構成される。本実施の形態では、上部4101及び下部4102は、透明の樹脂でできている。上記のように本実施の形態の検査装置4200は、赤外線カメラ4225及び可視光カメラ4226(以下単にカメラという。)が受入部210の上方に設置されているので、ケース4100は少なくとも上面が光を透過する必要がある。すなわち、ケース4100には、それが検査装置4200の受入部4210に受け入れられたときにカメラとの間に位置する部分が光を透過する光透過部分である必要がある。なお、本実施の形態では、ケース4100が上部4101と下部4102とからなる密閉構造であったが、光透過部分が穴あき状態となっていてもよい。
【0308】
ケース4100は、上述のように、それぞれ20枚の遊技用貨幣Cが重ねて収容される5本のカラムが並列に形成された形状を有し、図31の例では、上部4101及び4下部4102が収容される遊技用貨幣Cの形状に概略沿うように、各カラムの断面が多角形(8角形)になっている。
【0309】
図32は、変形例のケース4100´の斜視図であり、図33は、このケース4100´の平面図である。ケース4100´も透明の樹脂で構成される上部4101´と下部4
102とからなる。本変形例では、カメラに面する上部4101´の上面が平面で形成されている。このように、カメラに面する面を平面とすることで、図33に示すように、カメラには、ケース4100´の多角形断面の角による線状の影が映りこまず、カメラの撮影画像に対する画像解析において、遊技用貨幣Cの側面の情報を正確に識別できる。
【0310】
<検査システムの利用態様>
図34は、遊技用貨幣Cの流通とともに検査システム41の利用態様の例を説明する図である。遊技用貨幣Cは、工場Fの製造装置4301によって製造されて(s1)、100枚ずつケース4100に収容される(s2)。ケース4100は、遊技用貨幣Cを収容した後に、工場Fにおいて封印シールによって封印される。また、ケース4100には、このケース4100を唯一に特定するためのケース識別情報を示すバーコードBCが側面に貼付される(s3)。
【0311】
このとき、工場Fの製造管理装置4302には、ケース4100に貼付されたバーコードBCのケース識別情報が入力される(s4)。また、遊技用貨幣Cを収容したケース4100は、検査装置4200にかけられて、遊技用貨幣Cに付与された貨幣情報(詳細は後述する)が読み取られ、合否の検査が行われる。そして、ケース4100に収容された遊技用貨幣Cから読み取られた貨幣情報は、製造管理装置4302に送られて(s5)、製造管理装置4302にてケース識別情報と関連付けられる。なお、製造管理装置4302は、パーソナルコンピュータであってよい。
【0312】
工場Fの検査装置4200において合格となったケース4100は、工場Fから遊技場Pに搬送される(s6)。ケース4100は、遊技場Pにおいて、まず保管庫Rに保管される(s7)。保管庫Rには検査装置4200が設置されており、工場Fから届いたケース4100はこの検査装置4200で検査される。
【0313】
一方、工場Fの製造管理装置4302からは、ケース識別情報とそれに関連付けられた貨幣情報が遊技場Pの使用管理装置4303に送信される。使用管理装置4303は、遊技用貨幣Cを収容した複数のケース4100の各々について、製造管理装置4302からケース識別情報とそれに関連付けられた貨幣情報を取得し、それをケース4100ごとに記憶する記憶部を備えている。なお、使用管理装置4303は、パーソナルコンピュータであってよい。
【0314】
保管庫Rの検査装置4200での検査では、この使用管理装置4303に記憶された情報を用いて検査が行われる。保管庫Rでの検査で合格となったケース4100は、ゲームテーブルTに運ばれ(s9)、あるいはキャッシャCAに運ばれる(s10)。ゲームテーブルT及びキャッシャCAもそれぞれ検査装置4200を備えており、遊技用貨幣Cを収容したケース4100は、封印をしたままでそれらの検査装置4200によって検査される。また、ゲームテーブルT及びキャッシャCAでは、使用済の遊技用貨幣Cを収容したケース4100の検査も行われ、その検査にも検査装置4200が用いられる。遊技場Pの3つの検査装置4200における検査では、製造管理装置4302から送信されて使用管理装置4303に記憶されたケース識別情報及びそれに関連付けれられた貨幣情報が参照される。
【0315】
<記憶される情報の構成>
図35は、製造管理装置4302にて生成されて使用管理装置4303に送信され、使用管理装置4303に記憶される情報の内容の例を示す図である。情報は、ケース4100ごとに生成され、各ケース識別情報(Ca1、Ca2、Ca3、・・・)には、当該ケース4100に収容された複数(本実施の形態では100枚)の遊技用貨幣Cの貨幣情報が関連付けられる。
【0316】
貨幣情報として、RFIDタグ4503には、当該遊技用貨幣Cを唯一に特定する個別識別情報(aa、ab、ac、・・・、du、dv)と、当該遊技用貨幣Cの価値(種類)を特定する情報(r、r、r、・・・、b、b)との組み合わせからなる情報が記憶され、側面の表記情報には、当該遊技用貨幣Cを唯一に特定する個別識別情報(00001、00002、00003、・・・、00099、00100)と、当該遊技用貨幣Cの価値(種類)を特定する情報(1、1、1、・・・、2、2)との組み合わせからなる情報が記憶され、側面の色の情報には、当該遊技用貨幣Cの価値(種類)を特定する情報(赤、赤、赤、・・・、青、青)が記憶される。
【0317】
このRFIDタグ4503に記憶される情報は、RFIDリーダ4221によって電磁的に読み取り可能な情報であって、本実施の形態の第1貨幣情報に該当し、側面に付与される表記情報及び色の情報は、光学的に読み取り可能な情報であって、本実施の形態の第2貨幣情報に該当する。
【0318】
<読み出される情報の構成>
図36は、検査装置4200において、1つのケース4100からバーコードリーダ4228、RFIDリーダ4221、赤外線カメラ4225、及び可視光カメラ4226によってそれぞれ取得される情報の内容の例を示す図である。RFIDリーダ4221からは、複数の遊技用貨幣Cに内蔵されているRFIDタグ4503に記憶された英文字列が読み出される。赤外線カメラ4225からは、側面に表記された表記情報である数字列が読み出される。また、可視光カメラ4226からは、側面の色が読み出される。識別部4230は、赤外線カメラ4225から読み出された数字列(の画像)を解析して、数字を識別して、数字列からなる情報を特定し、可視光カメラ4226から読み出された側面の画像から指定色を特定する。
【0319】
ここで、複数の遊技用貨幣Cの側面の表記情報及び指定色の情報は、ケース4100における遊技用貨幣Cの並び順に従って取得することができるが、複数のRFIDタグ4503から取得した情報は、遊技用貨幣Cの並び順に従って取得することはできない。すなわち、RFIDタグ4503の情報が、どの遊技用貨幣Cから得られたものであるかを特定することはできない。
【0320】
<合否判定方法>
次に、検査装置4200のコンピュータ4222における合否の判定の方法について説明する。上述のように、識別部4230は、RFIDリーダ4221の読取結果に基づいて、ケース4100に収容された複数の遊技用貨幣CのRFIDタグ4503に記憶された貨幣情報を特定し、赤外線カメラ4225で得られた赤外線像を解析して表記情報が示す貨幣情報を特定し、可視光カメラ4226で得られた可視光像を解析して指定色層4501の色を特定する。判定部4231は、これらの情報に基づいて、ケースに存在するすべての遊技用貨幣の真贋・破損もしくは価値毎の枚数を判定し、当該ケース4100の合否を判定する。以下の説明では、RFIDタグ4503に記憶された貨幣情報を第1貨幣情報といい、遊技用貨幣Cの側面に付与された表記情報及び指定色層4501の色の情報を第2貨幣情報という。
【0321】
(第1の合否判定方法)
第1の合否判定方法では、図37に示すように、同一の遊技用貨幣Cにおける第1貨幣情報と第2貨幣情報とを同一の情報とする。図37の例では、第1貨幣情報が各遊技用貨幣Cの個別識別情報と価値の情報からなる情報であり、これと同じ内容が第2貨幣情報として表記情報の形式で側面に表記されている。
【0322】
RFIDリーダ4221は、遊技用貨幣CのRFIDタグ4503から第1貨幣情報を読み出して、識別部4230に出力し、赤外線カメラ4225は、遊技用貨幣Cの側面を撮影して、識別部4230が第2貨幣情報を特定する。この場合に、識別部4230では、複数の第1貨幣情報と複数の第2貨幣情報との対応関係が不明となっている。
【0323】
判定部4231は、識別部4230で得られた複数の第1貨幣情報と複数の第2貨幣情報とを比較して、それらが一対一で完全に対応する場合、すなわち、すべての第1貨幣情報が、重複することなくいずれかの第2貨幣情報と一致する場合に、当該ケース4100に収容された複数の遊技用貨幣Cを合格と判定し、識別部4230で得られた複数の第1貨幣情報と複数の第2貨幣情報とが完全には一致しない場合に、当該ケース4100に収容された複数の遊技用貨幣Cを不合格と判定する。
【0324】
識別部4230で得られた複数の第1貨幣情報と複数の第2貨幣情報とが完全には一致しない場合としては、ケース4100に収容されたいずれかの遊技用貨幣Cが偽造されたものである場合や、いずれかの遊技用貨幣CのRFIDタグ4503又は側面が破損している場合が考えられる。すなわち、判定部4231は、ケース4100に存在するすべての遊技用貨幣Cの真贋・破損を判定することで、当該ケース4100に収容された複数の遊技用貨幣Cの合否を判定する。
【0325】
(第2の合否判定方法)
第2の合否判定方法でも、図38に示すように、同一の遊技用貨幣Cにおける第1貨幣情報と第2貨幣情報とは同一の情報である。図38の例では、第1貨幣情報が各遊技用貨幣Cの価値の情報であり、各遊技用貨幣Cには側面の指定色層4501に第2貨幣情報として指定色が与えられている。
【0326】
RFIDリーダ4221は、遊技用貨幣CのRFIDタグ4503から第1貨幣情報を読み出して、識別部4230に出力し、可視光カメラ4226は、遊技用貨幣Cの側面を撮影して、識別部4230がこの画像を解析して、第2貨幣情報(指定色層4501の色)を特定する。
【0327】
この場合には、識別部4230では、複数の第1貨幣情報と複数の第2貨幣情報との対応関係が不明となっており、また、複数の第1貨幣情報には互いに重複するものがあり、複数の第2貨幣情報にも互いに重複するものがある。なお、図38の第1貨幣情報及び第2貨幣情報において、「r」は赤色、「b」は青色、「y」は黄色、「g」は緑色をそれぞれ表している。
【0328】
判定部4231は、識別部4230で得られた複数の第1貨幣情報における各指定色(赤色、青色、黄色、緑色)の数と、複数の第2貨幣情報における各指定色(赤色、青色、黄色、緑色)の数とが何れも一致する場合には、合格と判定し、一致しない場合には、不合格と判定する。
【0329】
第1貨幣情報における各指定色の数と、複数の第2貨幣情報における各指定色の数とが一致しない場合としては、ケース4100に収容されたいずれかの遊技用貨幣Cが偽造されたものである場合や、いずれかの遊技用貨幣Cの側面が破損している場合が考えられる。すなわち、判定部4231は、ケース4100に存在するすべての遊技用貨幣Cの価値毎の枚数を判定することで、当該ケース4100に収容された複数の遊技用貨幣Cの合否を判定する。
【0330】
(第3の合否判定方法)
第3の合否判定方法では、図39に示すように、同一の遊技用貨幣Cにおける第1貨幣情報と第2貨幣情報とは異なる情報である。図39の例では、遊技用貨幣CのRFIDタグ4503には、第1貨幣情報として英文字列の情報が記憶され、遊技用貨幣Cの側面には第2貨幣情報として数字列の表記情報が表記されている。
【0331】
RFIDリーダ4221は、遊技用貨幣CのRFIDタグ4503から第1貨幣情報を読み出して、識別部4230に出力し、赤外線カメラ4225は、遊技用貨幣Cの側面を撮影して、識別部4230が第2貨幣情報を特定する。この場合に、識別部4230では、複数の第1貨幣情報と複数の第2貨幣情報との対応関係が不明となっている。
【0332】
使用管理装置4303には、このケース4100のケース識別情報に関連付けて、第1貨幣情報及び第2貨幣情報が記憶されている。判定部4231は、識別部4230で得られた複数の第1貨幣情報と使用管理装置4303に記憶されている当該ケース4100のケース識別情報に関連付けられた複数の第1貨幣情報とを比較して、それらが一対一で完全に対応するか否かを判断する。また、判定部4231は、識別部4230で得られた複数の第2貨幣情報と使用管理装置4303に記憶されている当該ケース4100のケース識別情報に関連付けられた複数の第2貨幣情報とを比較して、それらが一対一で完全に対応するか否かを判断する。
【0333】
判定部4231は、識別部4230で得られた複数の第1貨幣情報と使用管理装置4303に記憶されている当該ケース4100のケース識別情報に関連付けられた複数の第1貨幣情報とが一対一で完全に対応し、すなわち、識別部4230で得られた複数の第1貨幣情報が、重複することなく、使用管理装置4303に記憶されている当該ケース4100のケース識別情報に関連付けられた複数の第1貨幣情報のいずれかと一致し、かつ、識別部4230で得られた複数の第2貨幣情報と使用管理装置4303に記憶されている当該ケース4100のケース識別情報に関連付けられた複数の第2貨幣情報とが一対一で完全に対応する場合、すなわち、識別部4230で得られた複数の第2貨幣情報が、重複することなく、使用管理装置4303に記憶されている当該ケース4100のケース識別情報に関連付けられた複数の第2貨幣情報のいずれかと一致する場合に、当該ケース4100に収容された複数の遊技用貨幣Cを合格と判定し、複数の第1貨幣情報のいずれかが一致せず、又は複数の第2貨幣情報のいずれかが一致しない場合に、当該ケース4100に収容された複数の遊技用貨幣Cを不合格と判定する。
【0334】
複数の第1貨幣情報のいずれかが記憶されている情報と一致せず、又は複数の第2貨幣情報のいずれかが記憶されている情報と一致しない場合としては、ケース4100に収容されたいずれかの遊技用貨幣Cが偽造されたものである場合や、いずれかの遊技用貨幣CのRFIDタグ4503又は側面が破損している場合が考えられる。すなわち、判定部4231は、ケース4100に存在するすべての遊技用貨幣Cの真贋・破損を判定することで、当該ケース4100に収容された複数の遊技用貨幣Cの合否を判定する。
【0335】
(第4の合否判定方法)
第4の合否判定方法では、図40に示すように、同一の遊技用貨幣Cにおける第1貨幣情報と第2貨幣情報とは異なる情報である。図40の例では、遊技用貨幣CのRFIDタグ4503には、第1貨幣情報として英文字列の情報が記憶され、遊技用貨幣Cの側面の指定色層4501は第2貨幣情報として価値に応じた指定色に着色されている。
【0336】
RFIDリーダ4221は、遊技用貨幣CのRFIDタグ4503から第1貨幣情報を読み出して、識別部4230に出力し、可視光カメラ4226は、遊技用貨幣Cの側面を撮影して、識別部4230に出力し、識別部4230はこの撮影画像を分析して第2貨幣情報である指定色を特定する。この場合に、識別部4230では、複数の第1貨幣情報と複数の第2貨幣情報との対応関係が不明となっている。
【0337】
使用管理装置4303には、このケース4100のケース識別情報に関連付けて、第1貨幣情報及び第2貨幣情報が記憶されている。判定部4231は、識別部4230で得られた複数の第1貨幣情報と使用管理装置4303に記憶されている当該ケース4100のケース識別情報に関連付けられた複数の第1貨幣情報とを比較して、それらが一対一で完全に対応するか否かを判断する。また、判定部4231は、識別部4230で得られた複数の第2貨幣情報における各指定色の数と使用管理装置4303に記憶されている当該ケース4100のケース識別情報に関連付けられた複数の第2貨幣情報における各指定色の数とを比較して、各指定色について数が一致するか否かを判断する。
【0338】
判定部4231は、識別部4230で得られた複数の第1貨幣情報と使用管理装置4303に記憶されている当該ケース4100のケース識別情報に関連付けられた複数の第1貨幣情報とが一対一で完全に対応し、かつ、識別部4230で得られた複数の第2貨幣情報における各指定色の数と使用管理装置4303に記憶されている当該エース4100のケース識別情報に関連付けられた複数の第2貨幣情報における各指定色の数とがいずれも一致する場合に、当該ケース4100を合格と判定し、複数の第1貨幣情報のいずれかが一致せず、又は複数の第2貨幣情報における各指定色のいずれかの数が一致しない場合に、当該ケース4100に収容された複数の遊技用貨幣Cを不合格と判定する。
【0339】
複数の第1貨幣情報のいずれかが記憶されている情報と一致せず、又は複数の第2貨幣情報における各指定色のいずれかの数が一致しない場合としては、ケース4100に収容されたいずれかの遊技用貨幣Cが偽造されたものである場合や、いずれかの遊技用貨幣CのRFIDタグ4503又は側面が破損している場合が考えられる。すなわち、判定部4231は、ケース4100に存在するすべての遊技用貨幣Cの真贋・破損及び価値毎の枚数を判定することで、当該ケース4100に収容された複数の遊技用貨幣Cの合否を判定する。
【0340】
(第5の合否判定方法)
第5の合否判定方法では、図41に示すように、同一の遊技用貨幣Cにおける第1貨幣情報と第2貨幣情報とは異なる情報である。図41の例では、遊技用貨幣CのRFIDタグ4503には、第1貨幣情報として数字列からなる個別識別情報が記憶され、遊技用貨幣Cの側面には第2貨幣情報として遊技用貨幣Cの価値の情報が指定色層4501の指定色の形式で付与されている。
【0341】
RFIDリーダ4221は、遊技用貨幣CのRFIDタグ4503から第1貨幣情報を読み出して、識別部4230に出力し、可視光カメラ4226は、遊技用貨幣Cの側面を撮影して、識別部4230に出力し、識別部4230はこの撮影画像を分析して第2貨幣情報である指定色を特定する。この場合に、識別部4230では、複数の第1貨幣情報と複数の第2貨幣情報との対応関係が不明となっている。
【0342】
使用管理装置4303には、第1貨幣情報と第2貨幣情報との対応関係が記憶されている。図41の例では、遊技用貨幣Cを唯一に特定する個別識別情報と、側面の指定色層4501の指定色、すなわち遊技用貨幣Cの価値の情報とが対応付けられており、個別識別情報を指定するとその遊技用貨幣Cの価値が分かるようになっている。なお、本例の場合には、使用管理装置4303は、第1貨幣情報と第2貨幣情報との組み合わせをケース識別情報ごとに記憶しておく必要はない。換言すれば、本例では、ケース識別情報を用いずにケース4100に収容された遊技用貨幣Cの検査を行うことができる。
【0343】
判定部4231は、使用管理装置4303に記憶された第1貨幣情報から、識別部4230が識別した第1貨幣情報に対応する第1貨幣情報を特定し、当該第1貨幣情報に対応付けられた第2貨幣情報、すなわち価値を特定する。判定部4231は、これを識別部4230にて識別されたすべての第1貨幣情報について行うことで、1ケースについて使用管理装置4303から抽出された複数の第2貨幣情報における各価値の数を得ることができる。
【0344】
判定部4231は、このようにして得られた各価値の数と、識別部4230から当該ケース4100について識別された第2貨幣情報における各価値の数とを比較する。判定部4231は、各価値の数がいずれも一致する場合には、当該ケース4100に収容された複数の遊技用貨幣Cを合格と判定し、いずれかの価値の数が一致しない場合には、当該ケース4100に収容された複数の遊技用貨幣Cを不合格と判定する。
【0345】
使用管理装置4303から抽出された複数の第2貨幣情報における各価値の数と、識別部4230から当該ケース4100について識別された第2貨幣情報における各価値の数とが一致しない場合としては、ケース4100に収容されたいずれかの遊技用貨幣Cが偽造されたものである場合や、いずれかの遊技用貨幣CのRFIDタグ4503又は側面が破損している場合が考えられる。すなわち、判定部4231は、ケース4100に存在するすべての遊技用貨幣Cの真贋・破損及び価値毎の枚数を判定することで、当該ケース4100に収容された複数の遊技用貨幣Cの合否を判定する。
【0346】
なお、図示は省略するが、第1貨幣情報として遊技用貨幣Cの価値が記憶され、第2貨幣情報として遊技用貨幣Cの個別識別情報が記憶される場合にも、上記と同様にして合否の判定をすることができる。
【0347】
以上、第1ないし第5の合否判定方法を説明したが、判定部4231は、上記の合否判定方法を組み合わせて採用してもよい。また、判定部4231は、上記の合否判定方法に加えて、ケース4100に収容された複数の遊技用貨幣Cから読み取られた第1貨幣情報及び第2貨幣情報の数がいずれも所定数(本実施の形態では100)でない場合に、当該ケース4100に収容された複数の遊技用貨幣Cを不合格と判定してもよい。
【0348】
上記の第1及び第2の合否判定方法は、遊技場Pに設置された使用管理装置4303に記憶された情報を用いないで実行できる合否判定方法であり、工場F内の検査装置4200で実行されるのに適しており、第3ないし第5の合否判定方法は、遊技場Pに設置された使用管理装置4303に記憶された情報を用いる合否判定方法であり、遊技場P内の検査装置4200で実行されるのに適しているが、遊技場P内の検査装置4200が第1又は第2の合否判定方法を採用してもよい。遊技場P内のすべての検査装置4200が第1又は第2の合否判定方法のように使用管理装置4303に記憶された情報を用いない合否判定方法を採用する場合には、使用管理装置4303は省略することができる。
【0349】
また、遊技場Pの検査装置4200では、使用済の遊技用貨幣Cを収容したケース4100の検査も行うが、この場合には、当該ケースに収容されているべき遊技用貨幣の情報を記憶しておく必要がない第1、第2、又は第5の合否判定方法を採用することができる。
【0350】
また、上記の実施の形態では、遊技用貨幣Cが第1貨幣情報及び/又は第2貨幣情報として、個別識別情報及び/又は価値の情報を有していた。ここで、個別識別情報は、各遊技用貨幣Cを唯一に特定する情報であるのに対して、価値の情報は複数の遊技用貨幣Cにおいて互いに重複し得る情報であり、各遊技用貨幣が所属するグループを示す情報(グループ情報)ということもできる。本実施の形態は、この所属するグループのグループ情報として、価値に代えて、又は価値に加えて、例えば、遊技用貨幣の製造時期、製造者、及び/又は使用される遊技場の情報を採用することもできる。
【0351】
すなわち、第1貨幣情報及び第2貨幣情報が、いずれも当該遊技用貨幣を識別する個別識別情報を含んでいてよく、第1貨幣情報及び第2貨幣情報が、いずれも当該遊技用貨幣が属するグループを示すグループ情報を含んでいてよく、第1貨幣情報が当該遊技用貨幣を識別する個別識別情報を含み、かつ、第2貨幣情報が当該遊技用貨幣の属するグループのグループ情報を含んでいてよく、あるいは、第1貨幣情報が当該遊技用貨幣の属するグループのグループ情報を含み、かつ、第2貨幣情報が当該遊技用貨幣を識別する個別識別情報を含んでいてよい。
【0352】
<合否判定の結果表示>
図42及び図43は、判定部4231における合否判定の結果を示す合否結果表示画面の例を示す図である。これらの合否結果表示画面は、コンピュータ4222が判定部4231における合否判定の結果に基づいて生成し、表示部4223にて表示される。図42は、合格の場合の表示画面の例を示しており、図43は、不合格の場合の表示画面の例を示している。
【0353】
図42及び図43示すように、合否結果表示画面4800には、識別部4230が遊技用貨幣Cから読み出した第1貨幣情報と第2貨幣情報との組み合わせの数であるトータル検出数4801と、正しい遊技用貨幣Cの枚数4802と、不正な遊技用貨幣Cの枚数4803と含んでいる。
【0354】
コンピュータ4222は、第1貨幣情報の数と第2貨幣情報の数のうちの大きい方をトータル検出数4801とする。例えば、ケース4100内に遊技用貨幣Cが100枚収容されているが、そのうちの1枚がRFIDタグ4503を内蔵していない場合には、識別部4230は、複数の遊技用貨幣Cから100個の第2貨幣情報を特定するが、第1貨幣情報は99個しか得られないことになる。この場合には、コンピュータ4222は、第1貨幣情報及び第2貨幣情報のうちの大きい方である100をトータル検出数4801とする。
【0355】
コンピュータ4222は、上記の第1又は第2の合否判定方法の場合には、互いに一致すると判定された第1貨幣情報と第2貨幣情報との組み合わせの数を正しい遊技用貨幣Cの枚数4802とし、トータル検出枚数4801から正しい遊技用貨幣Cの枚数を引いた数を不正の遊技用貨幣Cの枚数4803とする。
【0356】
コンピュータ4222は、上記の第3又は第4の合否判定方法の場合には、使用管理装置4303に記憶された第1貨幣情報との対応関係が確認された第1貨幣情報の数、及び使用管理装置4303に記憶された第2貨幣情報との対応関係が確認された第2貨幣情報の数のうちの小さい方を正しい遊技用貨幣Cの枚数4802とし、トータル検出枚数4801から正しい遊技用貨幣Cの枚数を引いた数を不正の遊技用貨幣Cの枚数4803とする。
【0357】
コンピュータ4222は、上記の第5の合否判定方法の場合には、使用管理装置4303に記憶された第2貨幣情報との対応関係が確認された第2貨幣情報の数を正しい遊技用貨幣Cの枚数4802とし、トータル検出枚数4801から正しい遊技用貨幣Cの枚数を引いた数を不正の遊技用貨幣Cの枚数4803とする。
【0358】
合否結果表示画面4800には、識別部4230が遊技用貨幣Cから読み出した貨幣情報を表示する貨幣情報表示部4804が含まれる。貨幣情報表示部4804では、使用管理装置4303に記憶されている貨幣情報が読み取られた場合、又は、第1貨幣情報と第2貨幣情報とが一致している場合には、その貨幣情報が色付きで表示され、使用管理装置4303に記憶されているが読み出されなかった貨幣情報が白抜きで表示される(図43参照)。
【0359】
また、合否結果表示画面4800には、使用管理装置4303に記憶されていない貨幣情報が読み取られた場合、又は、第1貨幣情報と第2貨幣情報とが一致しなかった場合には、その貨幣情報が不正な貨幣情報4805として、貨幣情報表示部4804の外に表示される。
【0360】
<変形例>
(検査装置のRFIDアンテナ)
図44は、検査装置4200のRFIDアンテナ4224の変形例を示す図である。なお、図44では、アーム4227及び赤外線カメラ4225及び可視光カメラ4226の図示は省略している。上記の実施の形態では、RFIDアンテナ4224は、左右の側壁4211に内蔵されていたが、RFIDアンテナ4224は、底部4213に内蔵されていてもよい。この場合にも、RFIDアンテナ4224は、底部4213の内部で渦巻き状に配置される。
【0361】
(遊技用貨幣)
図45は、変形例の遊技用貨幣C´の側面図である。上記の実施の形態の遊技用貨幣Cは、指定色層4501が共通色層4502によって挟まれていたが、図45の例では、遊技用貨幣C´は、中央を共通色層4502として、その両側(上下)を指定色層4501として構成されている。図45の例では、遊技用貨幣C´の側面には、コード情報4505´として、7桁の数字列で表される個別識別情報が表記(印刷)されている。図45の例では、表記情報であるコード情報4505´を中央の共通色層502に表記されている。この場合のコード情報4505´は、10の7条種類の情報を表現することができる。
【0362】
さらに、上記の実施の形態の遊技用貨幣Cについて説明した、標識mの有無で表現されるコード情報4505と、図45に例示した数字列のコード情報4505´のいずれもが、遊技用貨幣Cの側面に表記されていてもよ。この場合に、標識mによるコード情報4505と数字列のコード情報4505´とが異なるインクで印刷されていてもよい。例えば、標識mによるコード情報4505は赤外線反応インクで印刷され、数字列によるコード情報4505´は紫外線反応インクで印刷されてもよい。この場合には、遊技用貨幣Cの側面を撮影するために赤外線カメラと紫外線カメラが用意され、赤外線カメラで標識mによるコード情報4505を読み取り、紫外線カメラで数字列によるコード情報4505´を読み取るようにしてよい。
【0363】
図46は、他の変形例の遊技用貨幣C´´の側断面図である。遊技用貨幣C´´は、複
数の色の異なるプラスチックの層が積層され、少なくとも中間に指定色層(着色層)4501を備え、この中間の指定色層4501の両側に共通色層(白色又は薄色の層)4502を積層した多層構造となっている。なお、共通色層4502の色は、指定色層4501の色より薄いことが望ましい。このように、遊技用貨幣C´´において、指定色層4501を備え、この中間の指定色層4501の両側に共通色層4502を積層した多層構造とすることで、図47に示すように、側面に積層方向の縞模様を形成し、指定色層4501の色を変える(赤色、緑色、黄色や青色等)ことにより遊技用貨幣C´´の種類(10ポイント、20ポイント、100ポイント、1000ポイントなど)を特定できるようにしている。
【0364】
図47は、積み重ねられた遊技用貨幣C´´の斜視図であり、図48は、遊技用貨幣C´´の側面図であり、図49は、遊技用貨幣C´´の平面図である。図47に示すように
、遊技用貨幣C´´は、共通色層4502の表面(上面と下面)に遊技用貨幣C´´の種
類(価値)を表す印刷4507(100ポイントなど)が施され、最外層に透明層4504が設けられ、各層間が熱圧着されて少なくとも5層構造をなしている。これらの遊技用貨幣C´´は、細長い長尺状のプラスチック材料を用い、長尺の状態で各層(指定色層4501、共通色層4502、透明層4504)の間が熱圧着されて密着した状態(5層構造等)を形成し、その後にプレス等により円形あるいは長方形等に打ち抜いて形成される。プレスにより打ち抜く際に打ち抜きのための金型のダイとポンチの寸法を設計して最外層の透明層4504の端にR加工(丸い角)が施される。
【0365】
さらに、遊技用貨幣C´´には、共通色層4502の表面にUVインクまたはカーボンブラックインクによる標識m´´が設けられている。この標識m´´は遊技用貨幣C´´
の真偽を表すものであり、紫外線(もしくは赤外線)を当てると標識m´´が目に見えるようになり、その形や数の組み合わせで真正なものを表す。印刷4507やマークm´を覆うように最外層には透明層4504が熱圧着あるいはコーティング(塗布)されているが、この透明層4504にはエンボス加工が施され、遊技用貨幣C´´が互いに密着するのを防いでいる。
【0366】
印刷4507(100ポイントなど)が施された最外層の透明層4504の端はR加工(R)が施され、遊技用貨幣C´´の打ち抜き工程において、共通色層4502の表面が変形して側面に現れるのを防止している。また、遊技用貨幣C´´は鋭利な端が残り手や他の遊技用貨幣C´´を損傷するのを防いでいる。
【0367】
指定色層4501は、図46に示すように、指定色に着色された複数の層(図46では3層)により形成されてもよい。指定色に着色された複数の層(図46では3層)は互いに熱圧着されているので、図46のように3層構造が目視可能な状態ではなく、図26は説明上、指定色層4501の3層を表している。さらには指定色層4501の3層の内真ん中の層には一部くり抜きBが設けられ、RIFDタグ4503はその中に内蔵される。
【0368】
図26図45、及び図46に示したように、遊技用貨幣C、C´、C´´は、積層し
た多層構造になっており、側面に積層方向の縞模様がくっきりと形成されているので、従来チップに比べて、画像分析によって指定色層4501の色(遊技用貨幣の種類)及び枚数の測定を容易かつ正確に行うことが可能となる。図50は、積み重ねられた遊技用貨幣を撮影して得られた画像の例を示す図である。図50に示すように、可視光カメラ4226によって遊技用貨幣Cの側面を撮影することで、指定色層4501を明確に識別することができる。さらに、この画像解析に人工知能活用型のコンピュータもしくは制御システム、ディープラーニング(構造)技術を用いれば、画像の分析、判定がより正確に可能となる。人工知能活用型のコンピュータもしくは制御システム、ディープラーニング(構造)技術は当業者ですでに既知で利用可能であるため、詳細な説明を略する。
【0369】
(封印の検出)
上述のように、ケース4100は、所定枚数の遊技用貨幣Cを収容した後に封印シールによって封印される。封印は、収容された前記遊技用貨幣を取出し可能に開けると破壊される。検出装置4200は、ケース4100に貼られた未破壊の封印を検出する検出部を備えていてよい。検出部は、光学的又は磁気的に封印を検出するものであってよい。この場合には、判定部4231は、検出部にて未破壊の封印が検出されない場合には、ケース4100に収容された複数の遊技用貨幣Cを不合格と判定する。
【0370】
(検査装置の構成要素の配置)
上記の実施の形態では、図30に示したように、検査装置4200のすべての構成要素が1つの装置に配置されていたが、これらが分散配置されてもよい。例えば、コンピュータ4222、表示部4223、通信部4224の一部又は全部が検査装置4200に接続されたパーソナルコンピュータによって実現されてもよい。分散配置された構成要素は、有線又は無線によって通信可能に接続されてよく、間にインターネット等のネットワークを介して接続されてもよい。
【0371】
さらに、図51図52に示すように、赤外線カメラ4225及び/又は可視光カメラ4226とアーム4227とを検査装置4200とは別体として、これらのカメラをコンピュータ4222と接続するようにしてもよい。図51は、赤外線カメラ4225又は可視光カメラ4226のいずれかのみが検査装置4200とは別体で設けられる例を示しており、図52は赤外線カメラ4225が検査装置4200とは別体で設けられるとともに、可視光カメラ4225が検査装置4200と一体に設けられる例を示している。なお、赤外線カメラ4225及び可視光カメラ4226に加えて、第3のカメラとして紫外線カメラが紫外線ランプとともに設けられてもよいし、図51及び図52のいずれかのカメラが、紫外線ランプを伴う紫外線カメラであってもよい。
【0372】
(貨幣情報)
上記の実施の形態では、遊技用貨幣Cは、RFIDタグ4503に貨幣情報が記憶されており、側面にも貨幣情報としてのコード情報4505が表記されており、また、側面の指定色層4501の指定色もその遊技用貨幣Cの価値を表す貨幣情報として扱われ、1つの遊技用貨幣Cがこれらの3つの貨幣情報を有していたが、本実施の形態はこれに限られず、遊技用貨幣Cがこれらのうちの2つの貨幣情報のみを有していてもよい。遊技用貨幣Cが2つの貨幣情報を有していれば、第1ないし第5の合否判定方法を実行可能である。
【0373】
また、上記の第1ないし第5の合否判定方法では、2つの貨幣情報を用いたが、遊技用貨幣Cが3つの貨幣情報を有している場合に、判定部4231は、これらの3つの貨幣情報を用いて合否の判定を行ってよい。
【0374】
(表示部)
上記の実施の形態では、表示部4223が液晶パネルで構成される例を説明したが、表示部4223は単に合否のみを示すランプであってよく、トータル検出数4801、正しい遊技用貨幣Cの枚数4802、及び不正な遊技用貨幣Cの枚数4803のみをデジタル表示するランプであってもよい。
【0375】
(価値の総額計算)
上記の実施の形態の判定部4231は、上述のように、ケース4100に収容される複数の遊技用貨幣Cの各価値の数を特定可能である。そこで、判定部4231は、さらに、この各価値の数に基づいて、ケース4100に収容される複数の遊技用貨幣Cの価値の総額を計算してもよい。算出された総額は、表示部4233に表示される合否結果表示画面(図42図43参照)において表示されてよい。
【0376】
(第5の実施の形態)
第5の実施の形態は、遊技用貨幣を検査する検査システム及び検査装置に関し、特に、無線タグの内蔵する遊技用貨幣を検査し、あるいは枚数をカウントする検査システム及び検査装置に関する。
【0377】
遊技用貨幣として、識別情報や種類の情報を記憶した無線タグを内蔵したものが知られている(例えば、特開2008-246103号公報)。
【0378】
特開2008-246103号公報には、無線タグが容易に取り出せない構造の遊技用貨幣が開示されている。これにより、無線タグの不良が発生し難い構造が実現されている。
【0379】
しかしながら、特開2008-246103号公報に開示された遊技用貨幣の枚数を無線タグにより読み取る場合は、読み取った無線タグ情報を基に遊技用貨幣の枚数を算出するものであるので、遊技用貨幣に内蔵されている無線タグが壊れている場合や無線タグが内蔵されていない場合には、貨幣情報を取得することができず、実際の遊技用貨幣枚数と、無線タグの読み取りにより算出した遊技用貨幣枚数との間に差異が生じる、ということが問題になっている。
【0380】
そこで、本実施の形態は、無線タグが壊れている場合にそのことが分かるような検査システム及び検査装置を提供することを目的とする。
【0381】
第5の実施の形態の第1の態様の検査システムは、貨幣情報を記憶した無線タグを内蔵するとともに外面に価値を表す色または表示を有する遊技用貨幣を最大収納枚数の制限されたケースに収納した状態で検査する検査システムであって、
前記遊技用貨幣は、厚み方向に積み重ねて遊技用貨幣が列をなす状態で収容可能な前記ケースに収納され、
前記ケース内の遊技用貨幣の無線タグを読み取り、遊技用貨幣の貨幣情報を取得する読取装置と、
前記読取装置で取得された前記貨幣情報を、前記ケース自体が収納可能最大数と比較判定し、前記読取装置で取得された前記貨幣情報から得られる遊技用貨幣の数が、収納可能最大数と異なるときに前記ケース内の当該遊技用貨幣の異常を判定する判定部と、
を備えた、検査システム、である。
【0382】
またさらに判定部は、前記ケース自体の物理的特徴又は前記読取装置以外の物理的計測手段から得られる遊技用貨幣の物理情報と、前記読取装置で取得された前記貨幣情報から得られる遊技用貨幣の物理情報数とを比較判定し、両者が一致しない場合に、当該ケースに収容された遊技用貨幣のいずれかに異常な遊技用貨幣が存在すると判定しこれを出力する機能を備えた、ものである。
【0383】
さらに前記物理情報は、光学的に得られる枚数又は高さであり、あるいは計量して得る重量である。
【0384】
さらに前記検査システムは、遊技用貨幣が内蔵する無線タグの情報を照会可能な無線タグの情報データベースを更に有し、前記判定部は、前記読取装置が読み取った遊技用貨幣の貨幣情報を前記無線タグの情報データベースと照合して検査対象の遊技用貨幣の異常を検出可能な構成であってもよい。
【0385】
さらに前記判定部は、前記ケース内の遊技用貨幣のいずれかに異常な遊技用貨幣が存在すると判定した場合に、前記ケースにおける全ての遊技用貨幣の前記無線タグの情報を、あらかじめ登録された前記無線タグの情報データベースと比較判定して、前記無線タグの情報データベースに存在しない異常な無線タグの存在を特定する機能を備えた、ものであってもよい。
【0386】
さらに前記判定部は、前記ケースにおける遊技用貨幣のいずれかに異常な遊技用貨幣が存在すると判定した場合に、前記ケースにおけるいずれかの遊技用貨幣に、前記無線タグからの情報を得ることができない異常な遊技用貨幣が存在することを特定する機能を備えた、ものであってもよい。
【0387】
さらに前記判定部は、前記読取装置で取得された前記無線タグの情報を分析し、当該無線タグから得られる情報が同一である2つ以上の遊技用貨幣が前記ケース内に存在するとき、シグナルを発する機能を備えた、ものであってもよい。
【0388】
さらに前記無線タグの情報データベースは、遊技場内で保管中又は使用中の遊技用貨幣の無線タグの情報データベースであり、
前記判定部は、前記読取装置で取得された前記無線タグの情報を分析し、当該無線タグから得られる情報が遊技場内の他の場所に存在する遊技用貨幣の無線タグの情報と同一であるとき、シグナルを発する機能を備えた、ものであってもよい。
【0389】
第5の実施の形態の第2の態様の検査装置は、貨幣情報を記憶した無線タグを内蔵するとともに外面に価値を表す色または表示を有する遊技用貨幣を検査する検査装置であって、
厚み方向に積み重ねて遊技用貨幣が列をなす状態で最大積み重ね枚数の制限された状態で前記遊技用貨幣の検査が可能な検査台と、
前記列状の遊技用貨幣の無線タグを読み取り、列状の遊技用貨幣の貨幣情報を取得する読取装置と、
前記読取装置で取得された前記貨幣情報を、前記検査台自体の積み重ね可能最大数と比較判定し、前記読取装置で取得された前記貨幣情報から得られる遊技用貨幣の数が、当該積み重ね可能最大数と異なるときに前記検査台に存在する当該遊技用貨幣の異常を判定する判定部と、
を備えた、ものである。
【0390】
さらに前記判定部は、前記読取装置で取得された遊技用貨幣の貨幣情報が、遊技用貨幣の物理情報と一致しない場合に、当該検査台に存在する遊技用貨幣のいずれかに異常な遊技用貨幣が存在すると判定しこれを出力する機能を備えた、ものであってもよい。
【0391】
さらに前記物理情報は、光学的に得られる枚数又は高さであり、あるいは計量して得る重量であってもよい。
【0392】
さらに前記検査装置は、遊技用貨幣が内蔵する無線タグの情報を照会可能な無線タグの情報データベースを更に有し、前記判定部は、前記読取装置が読み取った遊技用貨幣の貨幣情報を前記無線タグの情報データベースと照合して前記検査台にある検査対象の遊技用貨幣の異常を検出可能な構成であってもよい。
【0393】
さらに前記判定部は、前記検査台の遊技用貨幣のいずれかに異常な遊技用貨幣が存在すると判定した場合に、前記検査台における全ての遊技用貨幣の前記無線タグの情報を、あらかじめ登録された前記無線タグの情報データベースと比較判定して、前記無線タグの情報データベースに存在しない異常な無線タグの存在を特定する機能を備えた、ものであってもよい。
【0394】
さらに前記判定部は、前記ケースにおける遊技用貨幣のいずれかに異常な遊技用貨幣が存在すると判定した場合に、前記ケースにおけるいずれかの遊技用貨幣に、前記無線タグからの情報を得ることができない異常な遊技用貨幣が存在することを特定する機能を備えた、ものであってもよい。
【0395】
さらに前記判定部は、前記読取装置で取得された前記無線タグの情報を分析し、当該無線タグから得られる情報が同一である2つ以上の遊技用貨幣が前記ケース内に存在するとき、シグナルを発する機能を備えた、ものであってもよい。
【0396】
さらに前記無線タグの情報データベースは、遊技場内で保管中又は使用中の遊技用貨幣の無線タグの情報データベースであり、
前記判定部は、前記読取装置で取得された前記無線タグの情報を分析し、当該無線タグから得られる情報が遊技場内の他の場所に存在する遊技用貨幣の無線タグの情報と同一であるとき、シグナルを発する機能を備えた、ものであってもよい。
【0397】
本実施の形態によれば、収納可能数が決まっているものに遊技用貨幣を収納して枚数判定を行うので、無線タグが壊れている場合にそのことが分かるような検査を行うことができる。
【0398】
以下、図面を参照して第5の実施の形態を説明する。
【0399】
<検査システムの構成>
図53は、第5の実施の形態における検査システムの構成を示す図である。検査システム51は、遊技用貨幣を重ねた状態で収容するためのケース5100と、ケース5100に重ねて収容された複数の遊技用貨幣をケース5100に収容された状態のまま検査する検査装置200とからなる。
【0400】
ケース5100は、概略直方体形状を有し、透明の樹脂で構成されている。ケース5100は、円板形状の遊技用貨幣Cを積み重ねた状態で収容する。ケース5100には、20枚の遊技用貨幣Cを収容するカラム5100Cが5本形成されており、合計で100枚の遊技用貨幣Cを収容することができる。ケース5100は、遊技用貨幣Cを収容した状態で持ち運びが可能(ポータブル)である。ケース5100は、分離可能な上部5101と下部5102とからなり、上部5101と下部5102とを分離することで、ケース5100への遊技用貨幣Cの収容及びケース5100からの遊技用貨幣Cの取出しが可能となる。
【0401】
検査装置5200は、受入部5210と本体部5220とからなる。検査装置5200は、この受入部5210にてケース5100を受け入れることができる。受入部5210は、全体として概略上面と前面が開放された直方体形状をなし、左右の側壁5211、底部5212、及び奥壁5213によって形成され、ケース5100がちょうど収まる幅、高さ、奥行きを有する。
【0402】
本体部5220は、受入部5210の奥壁5213の裏側に設けられ、読取装置5221、判定部5222、及び表示部5223を備えている。
【0403】
判定部5222には、読取装置5221及び表示部5223が接続されている。読取装置5221には無線タグアンテナ5224が接続されている。無線タグアンテナ5224は、読取装置5221から延びて、左右の側壁5211内で渦巻き状に延びている。すなわち、左右の側壁5211の各々の内部には、渦巻き状の無線タグアンテナ5224が敷設されており、各無線タグアンテナ5224は読取装置5221に接続されている。
【0404】
表示部5223は、液晶パネルで構成される。なお、この液晶パネルにタッチセンサが設けられ、表示部5223がタッチパネルとして構成されてもよい。
【0405】
<検査装置の構成>
図54は、検査装置5200の構成を示すブロック図である。検査装置5200は、図53に示した読取装置5221、判定部5222、表示部5223、無線タグアンテナ5224のほか、バーコードリーダ5228及び通信部5229を備えている。また、判定部5222は、図示しないプロセッサ、メモリ等によって構成され、プロセッサが検査プログラムを実行することで、識別部5230及び識別内容判定部5231が構成される。
【0406】
読取装置5221、無線タグアンテナ5224、及び遊技用貨幣Cに埋め込まれた無線タグ5503によって、無線タグシステムが構成される。遊技用貨幣Cに埋め込まれた無線タグ5503に記憶された遊技用貨幣Cの貨幣情報は、読取装置5221によって非接触で読み出され、判定部5222における処理に用いられる。
【0407】
バーコードリーダ5228は、ケース5100に付されたバーコードBCを読み取ってケース識別情報を取得する。表示部5223は、判定部222の識別内容判定部5231の判定結果を表示する。通信部5229は、工場Fに設置された製造管理装置5302や遊技場Pに設置された情報データベース5303との間でデータの通信を行う。
【0408】
<ケースの構成>
図55は、ケース5100の斜視図である。ケース5100は、上部5101と下部5102とが合わさって構成される。本実施の形態では、上部5101及び下部5102は、透明の樹脂でできている。なお、本実施の形態では、ケース5100が上部5101と下部5102とからなる密閉構造であったが、光透過部分が穴あき状態となっていてもよい。
【0409】
ケース5100は、上述のように、それぞれ20枚の遊技用貨幣Cが重ねて収容される5本のカラム5100Cが並列に形成された形状を有し、図59の例では、上部5101及び下部5102が収容される遊技用貨幣Cの形状に概略沿うように、各カラムの断面が多角形(8角形)になっている。各カラム5100Cは21枚以上の遊技用貨幣Cは収容できない形状になっている。
【0410】
図56は、変形例のケース5100´の斜視図であり、図57は、このケース5100´の平面図である。ケース5100´も透明の樹脂で構成される上部5101´と下部5
102とからなる。本変形例では、カメラに面する上部5101´の上面が平面で形成されている。このように、カメラに面する面を平面とすることで、図57に示すように、カメラには、ケース5100´の多角形断面の角による線状の影が映りこまず、カメラの撮影画像に対する画像解析において、遊技用貨幣Cの側面の情報を正確に識別できる。
【0411】
(遊技用貨幣)
図58は、本実施の形態の遊技用貨幣Cの側断面図である。遊技用貨幣Cは、複数の色の異なるプラスチックの層が積層され、少なくとも中間に指定色層(着色層)5501を備え、この中間の指定色層5501の両側に共通色層(白色又は薄色の層)5502を積層した多層構造となっている。
【0412】
指定色層5501は、図58に示すように、指定色に着色された複数の層(図58では3層)により形成されてもよい。指定色に着色された複数の層(図58では3層)は互いに熱圧着されているので、図58のように3層構造が目視可能な状態ではなく、図58は説明上、指定色層5501の3層を表している。さらには指定色層5501の3層の内真ん中の層には一部くり抜きBが設けられ、無線タグ5503はその中に内蔵される。
【0413】
検査システム51は貨幣情報を記憶した無線タグ5503を内蔵するとともに外面に価値を表す色5501または表示5507を有する遊技用貨幣Cを最大収納枚数の制限されたケース5100に収納した状態で検査する。遊技用貨幣Cは、厚み方向に積み重ねて遊技用貨幣Cが列をなす状態で収容可能なケース5100に収納され、ケース5100内の遊技用貨幣Cの無線タグ5503を読み取り、遊技用貨幣Cの貨幣情報を取得する読取装置5221と、読取装置5221で取得された貨幣情報を、ケース5100自体が収納可能最大数(本実施例では最大100枚に設定されている)と比較判定し、読取装置5221で取得された貨幣情報から得られる遊技用貨幣Cの数が、収納可能最大数(100枚)と異なるときにケース5100内の遊技用貨幣Cの異常を判定する判定部222とを備える。
【0414】
検査システム51は、遊技用貨幣Cが内蔵する無線タグ5503の情報を照会可能な無線タグ5503の情報データベース5303を更に有し、判定部5222は、読取装置5221が読み取った遊技用貨幣Cの貨幣情報を無線タグ5503の情報データベース5303と照合して検査対象の遊技用貨幣Cの異常を検出可能な構成である。情報データベース5303はあらかじめ遊技場で使用する遊技用貨幣の全ての無線タグ5503の情報が記憶されている。
【0415】
判定部5222は、ケース5100内の遊技用貨幣Cのいずれかに異常な遊技用貨幣Cが存在すると判定した場合に、ケース5100における全ての遊技用貨幣Cの無線タグ5503の情報を、あらかじめ登録された無線タグ5503の情報データベース5303と比較判定して、無線タグ5503の情報データベースに存在しない異常な無線タグ5303の存在を特定する機能を備える。
【0416】
判定部5222は、ケース5100における遊技用貨幣Cのいずれかに異常な遊技用貨幣Cが存在すると判定した場合に、ケース5100におけるいずれかの遊技用貨幣Cに、無線タグ5503からの情報を得ることができない異常な遊技用貨幣Cが存在することを特定する機能を備える。
【0417】
表示部5223は、上述したような異常な遊技用貨幣Cが存在すると判定した場合には異常を表示する。
【0418】
図60及び図61に示すように、合否結果表示画面5800には、識別部5230が遊技用貨幣Cから読み出した無線タグ5503の情報の数であるトータル検出数5801と、不正な遊技用貨幣Cの枚数5803とを含んでいる。
【0419】
図60及び図61は、識別内容判定部5231における遊技用貨幣の異常の判定の結果を示す合否結果表示画面の例を示す図である。これらの合否結果表示画面は、判定部5222が識別内容判定部5231における遊技用貨幣の異常の判定の結果に基づいて生成し、表示部5223にて表示される。図60は、合格の場合の表示画面の例を示しており、図61は、不合格の場合の表示画面の例を示している。
【0420】
図62は他の変形例の検査装置5400を示す図である。検査装置5400は貨幣情報を記憶した無線タグ5503を内蔵するとともに外面に価値を表す色5501または表示5507を有する遊技用貨幣Cを検査する。厚み方向に積み重ねて遊技用貨幣Cが列をなす状態で最大積み重ね枚数の制限された状態で前記遊技用貨幣の検査が可能な検査台5427と、前記列状の遊技用貨幣Cの無線タグ5531を読み取り、列状の遊技用貨幣Cの貨幣情報を取得する読取装置5421と、前記読取装置5421で取得された前記貨幣情報を、前記検査台5427自体の積み重ね可能最大数(本実施例では最大20枚に設定されている)と比較判定し、前記読取装置5421で取得された前記貨幣情報から得られる遊技用貨幣Cの数が、当該積み重ね可能最大数(20枚)と異なるときに前記検査台5427に存在する当該遊技用貨幣Cの異常を判定する判定部5422と、を備えている。
【0421】
検査装置5400には、遊技用貨幣Cが列をなす状態で最大積み重ね枚数を制限する枚数制御板5425を備える。
【0422】
検査装置5400には光センサ5426があり、個別の遊技用貨幣Cの物理的枚数を判定する。判定部5422は、読取装置5421で取得された遊技用貨幣の貨幣情報が、遊技用貨幣Cの物理情報と一致しない場合に、検査台5427に存在する遊技用貨幣Cのいずれかに異常な遊技用貨幣Cが存在すると判定しこれを出力する機能を備える。
【0423】
<検査システムの利用態様>
図63は、遊技用貨幣Cの流通とともに検査システム1の利用態様の例を説明する図である。遊技用貨幣Cは、工場Fの製造装置5301によって製造されて(s1)、100枚ずつケース5100に収容される(s2)。ケース5100は、遊技用貨幣Cを収容した後に、工場Fにおいて封印シールによって封印される。また、ケース5100には、このケース5100を唯一に特定するためのケース識別情報を示すバーコードBCが側面に貼付される(s3)。
【0424】
このとき、工場Fの製造管理装置5302には、ケース5100に貼付されたバーコードBCのケース識別情報が入力される(s4)。また、遊技用貨幣Cを収容したケース5100は、検査装置5200にかけられて、遊技用貨幣Cに付与された貨幣情報(詳細は後述する)が読み取られ、合否の検査が行われる。そして、ケース5100に収容された遊技用貨幣Cから読み取られた貨幣情報は、製造管理装置5302に送られて(s5)、製造管理装置5302にてケース識別情報と関連付けられる。なお、製造管理装置5302は、パーソナルコンピュータであってよい。
【0425】
工場Fの検査装置5200において合格となったケース5100は、工場Fから遊技場Pに搬送される(s6)。ケース5100は、遊技場Pにおいて、まず保管庫Rに保管される(s7)。保管庫Rには検査装置5200が設置されており、工場Fから届いたケース5100はこの検査装置5200で検査される。
【0426】
一方、工場Fの製造管理装置5302からは、ケース識別情報とそれに関連付けられた貨幣情報が遊技場Pの情報データベース5303に送信される。情報データベース5303は、遊技用貨幣Cを収容した複数のケース5100の各々について、製造管理装置5302からケース識別情報とそれに関連付けられた貨幣情報を取得し、それをケース5100ごとに記憶する記憶部を備えている。なお、情報データベース5303は、パーソナルコンピュータであってよい。
【0427】
保管庫Rの検査装置5200での検査では、この情報データベース5303に記憶された情報を用いて検査が行われる。保管庫Rでの検査で合格となったケース5100は、ゲームテーブルTに運ばれ(s9)、あるいはキャッシャCAに運ばれる(s10)。ゲームテーブルT及びキャッシャCAもそれぞれ検査装置5200を備えており、遊技用貨幣Cを収容したケース5100は、封印をしたままでそれらの検査装置5200によって検査される。また、ゲームテーブルT及びキャッシャCAでは、使用済の遊技用貨幣Cを収容したケース5100の検査も行われ、その検査にも検査装置5200が用いられる。遊技場Pの3つの検査装置5200における検査では、製造管理装置5302から送信されて情報データベース5303に記憶されたケース識別情報及びそれに関連付けられた貨幣情報が参照される。
【0428】
また、上記の実施の形態では、遊技用貨幣Cが無線タグ情報として、識別情報及び/又は価値の情報を有していた。ここで、識別情報は、各遊技用貨幣Cを唯一に特定する情報であるのに対して、価値の情報は複数の遊技用貨幣Cにおいて互いに重複し得る情報であり、各遊技用貨幣が所属するグループを示す情報(グループ情報)ということもできる。本実施の形態は、この所属するグループのグループ情報として、価値に代えて、又は価値に加えて、例えば、遊技用貨幣の製造時期、製造者、及び/又は使用される遊技場の情報を採用することもできる。
【0429】
すなわち、無線タグ情報が、当該遊技用貨幣を識別する識別情報を含んでいてよく、また当該遊技用貨幣が属するグループを示すグループ情報を含んでいてよい。
【0430】
(封印の検出)
上述のように、ケース5100は、所定枚数の遊技用貨幣Cを収容した後に封印シールによって封印される。封印は、収容された前記遊技用貨幣を取出し可能に開けると破壊される。検出装置5200は、ケース5100に貼られた未破壊の封印を検出する検出部を備えていてよい。検出部は、光学的又は磁気的に封印を検出するものであってよい。この場合には、識別内容判定部5231は、検出部にて未破壊の封印が検出されない場合には、ケース5100に収容された複数の遊技用貨幣Cを不合格と判定する。
【0431】
(検査装置の構成要素の配置)
上記の実施の形態では、図542に示したように、検査装置5200のすべての構成要素が1つの装置に配置されていたが、これらが分散配置されてもよい。例えば、判定部5222、表示部5223、通信部5224の一部又は全部が検査装置5200に接続されたパーソナルコンピュータによって実現されてもよい。分散配置された構成要素は、有線又は無線によって通信可能に接続されてよく、間にインターネット等のネットワークを介して接続されてもよい。
【0432】
(表示部)
上記の実施の形態では、表示部5223が液晶パネルで構成される例を説明したが、表示部5223は単に合否のみを示すランプであってよく、トータル検出数5801、正しい遊技用貨幣Cの枚数5802、及び不正な遊技用貨幣Cの枚数5803のみをデジタル表示するランプであってもよい。
【0433】
(価値の総額計算)
上記の実施の形態の識別内容判定部5231は、上述のように、ケース5100に収容される複数の遊技用貨幣Cの各価値の数を特定可能である。そこで、識別内容判定部5231は、さらに、この各価値の数に基づいて、ケース5100に収容される複数の遊技用貨幣Cの価値の総額を計算してもよい。算出された総額は、表示部5233に表示される合否結果表示画面(図60図61参照)において表示されてよい。
【0434】
(第6の実施の形態)
上述のように、従来から遊技用貨幣の内部にRFタグ(無線タグ)を埋め込んで、遊技用貨幣の真贋を検査する検査システムが知られている。これらの検査システムでは、RFタグの読取りができず、あるいはRFタグから読み取った情報が所定の情報でない遊技用貨幣(典型的には偽造された遊技用貨幣、RFタグが壊れている遊技用貨幣であり、以下「不正遊技用貨幣」という。)が検知された場合に、そのことを記録装置に記録し、あるいは警報装置で警報を発するようにしている。
【0435】
しかしながら、遊技用貨幣は、ディーラ(カジノ)とプレイヤとの間で行き来するものであり、カジノ側が所持した遊技用貨幣を検査して不正遊技用貨幣が発見された場合に、いつどのプレイヤからカジノ側に渡されたかが分からないと不便である。
【0436】
そこで、本実施の形態では、不正遊技用貨幣がプレイヤからディーラに渡されたとき、ないしは渡されてからなるべく時間をおかずに、それが不正遊技貨幣であることを検知できる検査システムを提供する。
【0437】
このために、本実施の形態の一態様の検査システムは、RFタグが内蔵された遊技用貨幣を検査する検査システムであって、カジノゲームにおいてディーラの遊技用貨幣を収容するための収容手段と、前記収容手段に収容された複数の前記遊技用貨幣のRFタグを読み取るRF読取手段と、前記収容手段に収容された前記複数の遊技用貨幣の少なくとも数を、RFID以外の方法で、一定時間間隔で、もしくは常時、検知する検知手段と、前記RF読取手段にて前記RFタグが読み取られた遊技用貨幣の数と、前記検知手段で検知された遊技用貨幣の数とが一致しない場合に警報を生成する警報手段とを備えている。
【0438】
この構成により、RF読取手段が収容手段に収容された遊技用貨幣の数を検知し、検知手段がRFID以外の方法で、一定時間間隔で、もしくは常時、収容手段に収容された遊技用貨幣の数を検知し、それらが一致しない場合に警報手段が警報を生成するので、不正遊技用貨幣が収容手段に収容されたとき、あるいは収容されてから一定時間以内には、警報手段が警報を生成できる。なお、RF読取手段も一致時間間隔で、もしくは常時、RFタグの読取を行ってよい。
【0439】
前記検知手段は、記収容手段に収容された前記遊技用貨幣の数に変化があるか否かを検知してよい。警報手段は、検知手段によって遊技用貨幣の数に変換があると検知された場合に、検知手段で検知された遊技用貨幣の数とRF読取手段でRFタグが読み取られた遊技用貨幣の数とを比較して、両者が一致するか否かを判断してよい。
【0440】
前記収容手段は、カジノゲームにおいてディーラがプレイヤから遊技用貨幣を回収した際に、当該回収した遊技用貨幣を収容するのに用いられてよい。この構成により、ディーラがプレイヤから遊技用貨幣を回収した際に不正遊技用貨幣を検出することができる。
【0441】
前記検知手段は、前記収容手段に収容された前記複数の遊技用貨幣の各々の存在をRFID以外の方法で検出してよい。
【0442】
前記収容手段は、複数の前記遊技用貨幣を所定の積層方向に積層して収容するように構成されてよく、前記検知手段は、前記収容手段にて積層して収容された複数の前記遊技用貨幣の各々を検出するために、前記積層方向に沿って配置された複数のフォトセンサを有していてよい。
【0443】
前記収容手段は、前記積層方向に延在する溝を有していてよく、前記複数のフォトセンサは、前記積層方向に沿う複数の列に配置されてよく、前記遊技用貨幣は、積層順に、異なる列に配置された前記フォトセンサによって検出されてよい。
【0444】
前記収容手段は、前記積層方向に延在する複数列の溝を有していてよく、前記RF読取手段は、1列又は複数列の前記溝ごとに前記RFタグを読み取ってよい。
【0445】
前記検知手段は、前記収容手段に収容された複数の前記遊技用貨幣の各々を検知する複数のフォトセンサを備えていてよい。
【0446】
前記検知手段は、前記収容手段に収容された複数の前記遊技用貨幣を光学的に読み取ることで、前記収容手段に収容された複数の遊技用貨幣の数を検知してよい。このような検知手段は、例えば、積層された遊技用貨幣を積層方向にスキャンする光学スキャナであってよい。
【0447】
前記収容手段は、所定の基準位置から積層するようにして前記複数の遊技用貨幣を収容してよく、前記検知手段は、所定の観測位置から、前記所定の基準位置から最も遠い遊技用貨幣までの距離を測定することで、前記収容手段に収容された複数の遊技用貨幣の数を検知してよい。
【0448】
この構成により、収容手段において積層された複数の遊技用貨幣の積層方向の高さ(長さ)によって、収容手段において積層された複数の遊技用貨幣の数を検知できる。このような検知手段は、例えば、積層方向の先に設置され、基準位置から最も遠い遊技用貨幣までの距離を測定する距離センサであってよい。
【0449】
前記RF読取手段は、第1の時間間隔で前記RFタグの読取りを行うことで、前記収容手段に新たに遊技用貨幣が収容されてから前記第1の時間間隔以内に、当該新たに収容された遊技用貨幣を含む複数の遊技用貨幣のRFタグを読み取ってよく、前記検知手段は、第2の時間間隔で前記収容手段に収容された前記複数の遊技用貨幣の数を検知することで、前記収容手段に新たに遊技用貨幣が収容されてから前記第2の時間間隔以内に、当該新たに収容された遊技用貨幣を含む複数の遊技用貨幣の数を検知してよい。
【0450】
この構成により、収容手段に新たな遊技用貨幣が追加された場合に、第1の時間間隔以内にRFタグが読み取られ、第2の時間間隔以内に数が検知されるので、収容手段に新たな遊技用貨幣が追加されてから遅くとも第1の時間間隔及び第2の時間間隔のいずれか長い方の間には、RFタグの読取とRFID以外の手段での数の検知とが完了し、必要に応じて警報を生成することができる。よって、ディーラがゲームの結果に従ってプレイヤから回収した遊技用貨幣を収容手段に収容することで、遊技用貨幣をプレイヤから回収したときに、直ちにそれらの遊技用貨幣の検査を行うことができる。
【0451】
本実施の形態の別の態様の検査システムは、テーブルで行うゲームに用いる遊技用貨幣を検査する検査システムであって、前記テーブルに設置され、前記ゲームごとに増減する複数の遊技用貨幣を収容するための収容手段と、前記収容手段内で前記ゲームごとに増減する前記遊技用貨幣を検査する検査手段とを備えている。
【0452】
本実施の形態のさらに別の態様の検査システムは、RFタグが内蔵された遊技用貨幣を検査する検査システムであって、所定数の遊技用貨幣を収容可能な収容手段と、前記収容手段に収容された複数の前記遊技用貨幣のRFタグを読み取るRF読取手段と、前記RF読取手段にて前記RFタグが読み取られた遊技用貨幣の数が前記所定枚数と一致しない場合に警報を生成する警報手段とを備えている。
【0453】
この構成により、収容手段に収容可能な数の遊技用貨幣を収容した状態にしてRF読取手段でRFタグを読み取り、それを収容可能な数と比較することで、RFタグが読み取れない遊技用貨幣を検知して警報を生成することができる。
【0454】
前記遊技用貨幣が前記所定枚数に満たない場合に、前記遊技用貨幣と合わせて前記所定枚数となるように、前記遊技用貨幣と共に前記収容手段に収容される、前記RFタグを内蔵したダミー貨幣をさらに備えていてよい。
【0455】
この構成により、収容手段が収容可能な数(収容可能数)にまで満たない数の遊技用貨幣について検査をする場合に、当該足りない分のダミー貨幣を収容手段に収容することで、RF読取手段が読み取るべきRFタグの数の理想値が当該収容可能数と一致しないときに、警報を生成できる。
【0456】
本実施の形態の検査システムは、遊技用貨幣を検査する検査システムに限られず、RFタグが内蔵された任意の有価物を検査する検査システムとして応用が可能である。この場合、有価物の検査システムは、個別に識別可能なユニークなIDが付された有価物と、前記有価物を使用するテーブルと、前記テーブルにおいて有価物を保持するトレイと、前記ユニークなIDを用いて前記トレイに保持されている前記有価物の数を特定する判定手段と、少なくとも前記トレイを含む前記テーブル上の前記有価物を撮影して画像を生成し、前記画像に基づいて前記有価物の少なくとも数を検知する検知手段と、前記検知手段で検知した前記数を記憶する記憶手段と、前記判定手段により判定した数と、前記検知手段で検知した数との関連を検査する検査手段とを備えている。
【0457】
本実施の形態の検査システムは、遊技用貨幣を検査する検査システムに限られず、RFタグが内蔵された任意の物体を検査する検査システムとして応用が可能である。この場合、検査システムは、所定の場所に置かれた前記物体のRFタグを読み取るRF読取手段と、前記所定の場所に置かれた前記物体の少なくとも数を、RFID以外の方法で検知する検知手段と、前記RF読取手段にて前記RFタグが読み取られた前記物体の数が前記検知手段で検知された数と一致しない場合に警報を生成する警報手段とを備えている。
【0458】
以下、図面を参照して、具体的な実施の形態を説明する。ただし、以下の説明は例示にすぎず、本実施の形態は以下の例に限らない。本実施の形態の検査システムで利用される遊技用貨幣には、その種類、識別情報等の情報(タグ情報)を記憶したRFタグが内蔵されている。本実施の形態で用いられる遊技用貨幣としては、第1~第5の実施の形態で説明したいずれかの遊技用貨幣Cを採用することができる。遊技用貨幣に内蔵されたRFタグを後述するRFリーダで読み取ることで、RFタグに記憶されたタグ情報を読み取ることができる。
【0459】
図64は、遊技用貨幣を収容する遊技用貨幣トレイの平面図である。遊技用貨幣トレイ617には、遊技用貨幣Cをその厚さ方向に積層して収容する複数の溝6171が形成されている。溝6171は、円板状の遊技用貨幣Cを収容するように、半管形状に形成されている。各溝6171は、遊技用貨幣Cを40枚収容可能であり、遊技用貨幣トレイ617には14本の溝6171が各々縦方向に互いに平行に形成されている。
【0460】
各溝6171の内壁の右側及び左側の両側には、複数のフォトセンサ6173が埋め込まれている。また、図64では図示を省略するが、各溝6171の内側には、RFリーダのアンテナが埋め込まれている。なお、遊技用貨幣トレイ617は、カジノのゲームテーブルのディーラ位置の前に埋め込まれて利用される。
【0461】
図65は、RFリーダのアンテナ(以下、「RFアンテナ」という。)6172を示す図である。RFアンテナ6712は、各溝6171に対応して遊技用貨幣トレイ671の内部又は底部に設けられる。なお、図65は、4本の溝のみを示しているが、他の溝6171も同様である。
【0462】
図65の例では、1本の溝6171に対して1つのRFアンテナ6172が設けられている。RFアンテナ6172は、対応する溝6171に収容された遊技用貨幣Cに内蔵されたRFタグと無線通信をしてRFタグからRF情報を読み取る。なお、各RFアンテナ6172が隣の溝6171に収容された遊技用貨幣CのRFタグを読み取らないように、隣り合う溝6171の間に電波遮蔽壁を設けてもよい。
【0463】
図66は、溝6171の拡大平面図及び正面方向の断面図である。遊技用貨幣Cは、溝6171の長手方向に積み重ねられて溝6171内に収容される。図66の例では、1本の溝6171には40枚の遊技用貨幣Cを収容可能である。
【0464】
溝6171の断面半円の内壁の右側及び左側にはそれぞれ複数のフォトセンサ6713が、センシング面が内壁と面一になるようにして埋め込まれている。フォトセンサ6713は、反射型のフォトセンサであり、溝6171に遊技用貨幣Cが収容されることでセンシング面が遊技用貨幣Cによって塞がれると、遊技用貨幣Cを検出する。
【0465】
内壁の右側及び左側には、それぞれ、遊技用貨幣Cの2枚の厚さ分のピッチを開けて、複数のフォトセンサが配列されている。本例では、上述のように1本の溝6171に40枚の遊技用貨幣Cが収容可能であるので、右側に20個のフォトセンサ6173が設けられ、左側に20個のフォトセンサ6173が設けられる。
【0466】
右側の複数のフォトセンサ6173の列と左側の複数のフォトセンサ6173の列とは、遊技用貨幣Cの1枚の厚さ分だけ、その配列方向にずれて設けられている。よって、溝6171に積み重ねられて収容される複数の遊技用貨幣Cは、積層順に異なる列に配置されたフォトセンサ6173によって検出される。具体的には、溝6171の最下位置に収容される遊技用貨幣Cは右側の最下のフォトセンサ6173によって検出され、下から2番目の遊技貨幣は左側の最下のフォトセンサ6173によって検出され、下から3番目の遊技用貨幣Cは右側の下から2番目のフォトセンサ6173によって検出され、下から4番目の遊技用貨幣Cは左側の下から2番目のフォトセンサ6173によって検出され、このようにして下から順に右側のフォトセンサ6183と左側のフォトセンサ6173とが交互に遊技用貨幣Cを検出する。
【0467】
このように複数のフォトセンサ6173を異なる列に交互に配置することで、溝6171に厚さ方向に積み重ねて収容される複数の遊技用貨幣Cを1枚ごとによみとる複数のフォトセンサ6173を配置させることができる。
【0468】
図67は、検査システムの全体構成を示す図である。図67に示すように、検査システム600は、RFアンテナ6172を備えたRFリーダ6100と、複数のフォトセンサ6173と、RFリーダ6100及び複数のフォトセンサ6173に接続された検査・警報部6200と、検査・警報部6200に接続された記憶部6300とを備えている。検査・警報部6200は、プロセッサとメモリを備えたコンピュータによって構成され、プロセッサが本実施の形態の検査・警報プログラムを実行することで、実現される。
【0469】
RFリーダ6100は、RFアンテナ6172で遊技用貨幣CのRFタグから電波を受信して、RFタグに記憶された情報(タグ情報)を読み取る。RFリーダは、読み取ったタグ情報を検査・警報部6200に出力する。図65に示したように、検査システム600には複数のRFアンテナ6172が備えられているが、これらの複数のRFアンテナ6172が1つのRFリーダ6100に接続されていてもよいし、複数のRFアンテナ6172に対応する複数のRFリーダ6100が設けられてもよい。
【0470】
複数のフォトセンサ6173は、各々検査・警報部6200に接続され、センシング情報を検査・警報部6200に送信する。各フォトセンサ6173のセンシング情報は、遊技用貨幣Cの有無を示す情報である。
【0471】
検査・警報部6200は、RFリーダ6100で読み取られたタグ情報の数と、複数のフォトセンサ6173から得られた遊技用貨幣Cの検出情報の数とを比較する。この場合に、検査・警報部6200は、タグ情報が真正のものであるか否かを判断して、真正のものと判断したタグ情報の個数のみを、フォトセンサ6173の検出情報の数と比較してもよい。
【0472】
遊技用貨幣トレイ617に収容された複数の遊技用貨幣のすべてに真正のRFタグが内蔵されている場合には、RFリーダ6100で読み取ったタグ情報の数とフォトセンサ6173で検出した遊技用貨幣Cの数とが一致するはずである。よって、検査・警報部6200は、これらの数が一致するか否かを判断し、一致しない場合には警報を生成する。
【0473】
生成された警報は図示しない警報手段によって人が知覚可能な方式で出力される。例えば、警報手段がスピーカである場合には、検査・警報部6200は、警報として、スピーカから所定の警報音を出力するための信号を生成する。警報手段がランプである場合には、検査・警報部6200は、警報として、ランプを点灯するための信号を生成する。
【0474】
RFリーダ6100は所定の時間間隔(例えば1秒間隔)でタグ情報の読取を行う。また、フォトセンサ6173も所定の時間間隔(例えば2秒間隔)で検出を行う。なお、RFリーダ6100及びフォトセンサ6173は常に読取り、検出を行ってもよい。
【0475】
また、RFリーダが所定の時間間隔で、又は常に、タグ情報の読取を行い、検査・警報部6200で、読み取った複数のタグ情報に変化が生じるか否かを判断し、変化した場合に、検査・警報部6200の制御に従ってフォトセンサ6173で検出を行うようにしてもよい。逆に、複数のフォトセンサ6173で、所定の時間間隔で、又は常に、遊技用貨幣Cの検出を行い、検査・警報部6200にて、検出された遊技用貨幣Cの数が変化するかを判断し、変化した場合に検査・警報部6200の制御に従ってRFリーダ6100でタグ情報の読取を行うようにしてもよい。
【0476】
検査・警報部6200にて警報が生成されると、警報手段は直ちに警報を出力する。これによって、不正遊技用貨幣が遊技用貨幣トレイ617に収容されたら所定時間以内に、あるいは直ちに警報が出力されることになる。よって、不正遊技用貨幣が、そのときテーブルでプレイをしているいずれかのプレイヤから持ち込まれたことを把握できる。また、その後のゲームをいったん中止して、それ以上不正遊技用貨幣が使用されることを防止することも可能である。場合によっては、そのテーブルでプレイしているプレイヤの内から不正遊技用貨幣を持ち込んだプレイヤを特定することもできる。
【0477】
検査・警報部6200は、検査(比較)の結果及び生成した警報を日時の情報とともに記録部6300に記録する。
【0478】
図68は、遊技用貨幣トレイの他の例を示す平面図である。図68の例では、遊技用貨幣Cを収容する縦方向の複数の溝(ストック溝)6171に加えて、それらの上方に、ディーラがプレイヤから回収した遊技用貨幣Cを収容するのに用いる横向きの溝(回収溝)6174が設けられている。また、図68の例では、ストック溝6171にはフォトセンサ6173が設けられず、回収溝6174に図66と同様の配置でフォトセンサ6173が埋め込まれ、回収溝6174の下にRFアンテナ6172(不図示)が埋め込まれる。
【0479】
回収溝6174に収容される遊技用貨幣Cの数はゲームごとに増減する。よって、回収溝6174にフォトセンサ6173とRFアンテナ6172を設けて、検査のインターバルを十分に短くすることで、ゲームごとに、プレイヤから回収した直後の遊技用貨幣Cについて検査を行うことができ、不正遊技用貨幣が検出された場合には、それを所持していた者を特定したり、ゲームを中断したりすることができる。なお、回収溝6174に一定数以上又は収容可能数の遊技用貨幣Cが収容された場合には、それらの一部または全部をストック溝6171に移してよい。
【0480】
図69は、遊技用貨幣トレイのさらに他の例を示す平面図である。図69の例では、回収溝6175が右端に縦向きに設けられている。そして、この回収溝6175にフォトセンサ6173とRFアンテナ6172(不図示)が設けられる。
【0481】
図70は、遊技用貨幣トレイのさらに他の例を示す平面図である。図70の例では、縦方向の溝が、それぞれ20枚の遊技用貨幣Cを収容可能な上下2段の溝6176、6177に分かれている。各溝617は、20枚の遊技用貨幣Cを収容できる。各溝617には図64の例と同様に、左右の両側に交互にフォトセンサ6173が設けられる。この例の遊技用貨幣トレイ617によれば、積み重ねる遊技用貨幣Cの枚数が少ないので、積み重ねて収容された遊技用貨幣Cとフォトセンサ6173とのずれが大きくなることを避けることができる。
【0482】
これらの図69及び図70の例においても、回収溝にフォトセンサ6173とRFアンテナ6172が設けられるので、遊技用貨幣Cについて回収直後に検査をすることができる。
【0483】
図71は、RFアンテナの他の構成を示す図である。上記の第6の実施の形態では、1つの溝6171に対して1つのRFアンテナが設けられたが、図71に示すように、1つのRFアンテナ6172が複数の溝6171に収容される遊技用貨幣CのRFタグを読み取るように構成、配置されていてもよい。
【0484】
上記の第6の実施の形態では、遊技用貨幣Cの検査をするのに、RFリーダ6100でRFタグを読み取った遊技用貨幣Cの数と、RFID以外の物理的な手段で検出された遊技用貨幣Cの数とが一致するか否かを判断することで、RFタグを有しない、あるいはRFタグが破損している不正遊技用貨幣を検出した。そして、RFID以外の手段で物理的に遊技用貨幣Cの枚数を検知する手段として、遊技用貨幣の有無を1枚ずつ検出する複数のフォトセンサ6173を用いた。
【0485】
しかしながら、RFID以外の手段で遊技用貨幣Cの枚数を物理的に検知する手段は、複数のフォトセンサに限られない。以下、検知手段の他の例を説明する。
【0486】
図72は、検知手段としてラインセンサを用いる遊技用貨幣トレイの1つの溝を示す図である。図72に示すように、溝6171の内壁の底には、溝6171の長手方向に延びるスリット6178が形成されており、スリット6178の下にはスリット6178に沿ってラインセンサ6179が設けられている。ラインセンサ6179の長手方向の画素ピッチは、遊技用貨幣Cの厚さより小さく設定される(ラインセンサ6179の長手方向の画素数は溝6171の遊技用貨幣Cの収容枚数より十分に大きく設定される)。
【0487】
図73は、図72の例の検査システム600の全体構成を示す図である。ラインセンサ6179は、検査・警報部6200に接続されている。ラインセンサ6179は、撮影を行うことでライン画像を取得する。ラインセンサ6179は、取得したライン画像を検査・警報部6200に出力する。検査・警報部6200は、ライン画像に基づいて、下からどこまで遊技用貨幣Cがあるかを判断することで、溝6171に収容されている遊技用貨幣Cの枚数を検知する。
【0488】
RFアンテナ6172及びRFリーダ6100は上記の第6の実施の形態と同様である。検査・警報部6200は、RFリーダ6100で読み取られたタグ情報の数と、ライン画像から検知された遊技用貨幣Cの枚数とを比較することで検査を行い、それらの数が一致していない場合には警報を生成する。記録部6300は、検査・警報部6200における検査の結果及び生成された警報を記録する。
【0489】
図74は、検知手段としてスキャナを用いる遊技用貨幣トレイの1つの溝を示す図である。図74に示すように、溝6171の内壁の底には、溝6171の長手方向に延びるスリット6178が形成されており、スリット6178の下にはスリット6178に沿ってレール6181が設けられている。このレール6181の上を撮像素子6180が移動することでスキャナが構成される。
【0490】
図75は、図74の例の検査システム600の全体構成を示す図である。撮像素子6180は、検査・警報部6200に接続されている。撮像素子6180は、レール6178を移動しながら撮影を行い、レール上の位置の情報とその位置での撮影画像を検査・警報部6200に出力する。検査・警報部6200は、撮像素子6180がレール6181上を一端から他端まで一方向に移動しながら撮影してえられた複数の撮影画像について、遊技用貨幣Cの有無を判断することで、溝6171に収容された遊技用貨幣Cの枚数を検知する。
【0491】
図76は、検知手段としてレーザ測距器を用いる遊技用貨幣トレイの1つの溝を示す図である。図76に示すように、溝6171の上端にはレーザ測距器6182が設けられている。レーザ測距器6182のレーザは、溝6171の長手方向に平行になるように設定されている。溝6171に、下から順に積み重ねて遊技用貨幣Cが収容されると、レーザ測距器6182から発射されるレーザは、最上位の遊技用貨幣Cの表面で反射してレーザ測距器6182に戻る。よって、レーザ測距器6182は、溝6171の上端を観測位置、下端を基準位置として、観測位置から、基準位置から最も遠い遊技用貨幣C(最も上に積み上げられた遊技用貨幣C)までの距離を測定する。
【0492】
図77は、図76の例の検査システム600の全体構成を示す図である。レーザ測距器6182は、検査・警報部6200に接続されており、測定した距離を検査・警報部6200に出力する。溝6171に収容される遊技用貨幣Cの枚数が多くなるほど測定される距離が小さくなるので、検査・警報部6200は、レーザ測距器6182が測定した距離に基づいて、溝6171に収容されている遊技用貨幣Cの枚数を検知する。
【0493】
図78は、検知手段として重量計を用いる遊技用と例の1つの溝を示す図である。図78に示すように、溝6171は、重量計6183に載せられている。溝6171に遊技用貨幣Cが収容されると、重量計6183で計測される重量が増加する。
【0494】
図79は、図78の例の検査システム600の全体構成を示す図である。重量計6183は、検査・警報部6200に接続されており、計測した重量を検査・警報部6200に出力する。溝6171に収容される遊技用貨幣Cの枚数が多くなるほど計測される重量が大きくなるので、検査・警報部6200は、重量計6183が計測した重量に基づいて、溝6171に収容されている遊技用貨幣Cの枚数を検知する。
【0495】
上記の例では、いずれもRFID以外の手段で溝6171に収容された遊技用貨幣Cの枚数を検知する検知手段を設けたが、この検知手段がなくてもよい。溝6171には、遊技用貨幣Cを収容できる最大枚数が決まっているので、溝6171に最大枚数の遊技用貨幣Cを収容した状態でRFタグの読取りを行えば、その際に物理的に存在する遊技用貨幣Cの枚数は最大枚数として既知である。
【0496】
よって、検査・警報部6200は、RFリーダでタグ情報が読み取られた遊技用貨幣Cの枚数と、既知の最大枚数とを比較することで、RFタグを内蔵しない、又はRFタグが破損している不正遊技用貨幣を検出することができる。
【0497】
但し、検査をする溝6171に常に最大枚数の遊技用貨幣Cを収容できるとは限らない。そこで、ダミー貨幣としてのスペーサを用いて、溝6171の空いている部分を埋めるようにしてよい。スペーサは、遊技用貨幣Cと同じ形状(円板形状)のもののほか、積み重なった複数の遊技用貨幣Cと同じ形状(円柱形状)のものを用意してよい。
【0498】
図80は、スペーサによって溝の空いているスペースを埋めた状態を示す図である。この溝6171は40枚の遊技用貨幣Cを収容可能であり(最大収容枚数は40であり)、この溝6171に30枚の遊技用貨幣Cが収容されている。10枚分の空きスペースを埋めるために、1つの5枚分のスペーサ6184、1つの3枚分のスペーサ6184、2つの1枚分のスペーサ6184が溝6171に収容されている。
【0499】
スペーサ6184には、その枚数分のRFタグが内蔵されている。例えば、5枚分のスペーサ6184には5つのRFタグが内蔵されており、3枚分のスペーサ6184には3つのRFタグが内蔵されており、1枚分のスペーサ6184には1つのRFタグが内蔵されている。
【0500】
よって、溝6171に収容された30枚の遊技用貨幣Cがすべて真正であるとすると、RFリーダ6100は、スペーサ6184に内蔵されたRFタグも含めて、40のタグ情報を読み取ることになる。検査・警報部6200は、RFリーダ6100が読み取ったタグ情報の数がこの所定値、即ち溝6171の遊技用貨幣Cの収容可能枚数と一致しない場合には、不正遊技用貨幣が存在すると判断して警報を生成する。
【0501】
図81は、図80の例の検査システム600の全体構成を示す図である。上述のように、図80の例の場合には検知手段は不要であるが、任意のタイミングで検査が行われると、溝6171に空きスペースが生じていることがあり、RFリーダ6100で所定数のタグ情報を読み取れず、警報が生成されてしまうことがある。よって、図81の例では、検査・警報部6200にて検査を行うことを指示するためのスイッチ6185を設けた。スイッチ6185は、押されることでON信号を発生させる。
【0502】
スイッチ6185は、検査・警報部6200に接続され、ON信号を検査・警報部6200に出力する。検査・警報部6200は、スイッチ6185からON信号を受けると、RFリーダ6100に読取りの実行を指令する。
【0503】
ディーラは、ゲームに負けたプレイヤから遊技用貨幣Cを回収すると、溝6171に収容し、空きスペースにスペーサ6184を収容して、溝6171の空きスペースがなくなった状態となったら、スイッチ6185を押す。そうすると、RFリーダ6100はRFタグの読取りを実行して、検査・警報部6200は、読み取られたタグ情報の数が所定値と一致するか否かを判断することで検査を行う。
【0504】
第6の実施の形態では、カジノゲームに用いる遊技用貨幣を検査するシステムを説明したが、検査する対象は遊技用貨幣C以外の有価物であってもよい。また、遊技用貨幣には、RFタグが埋め込まれていたが、他の方法によって個別に識別可能なユニークなIDが付されていてもよい。
【0505】
また、第6の実施の形態では、RFID以外の手段で遊技用貨幣Cの数を検知する手段として種々説明したが、遊技用貨幣Cの数を検知する手段は、不正遊技用貨幣も含めてプレイヤやディーラが遊技用貨幣Cであると認識するままにその数を検知する手段であればよく、例えば、以下に説明する例のように、遊技用貨幣トレイ617に収容された遊技用貨幣Cをカメラで撮影して、その画像に基づいて枚数を検知する手段であってもよい。
【0506】
さらに、検査システムは、有価物以外の物体を検査するものであってもよい。
【0507】
図82は、RFタグを内蔵した物体を検査する検査システムの全体構成を示す図である。検査システム6001は物体を置くための台Bを備えている。台Bに置かれた物体は、カメラ6400によって撮影され、撮影画像が生成される。カメラ6400は検査・警棒部6200に接続されており、撮影画像は検査・警報部6200に出力される。検査・警報部6200は、ディープラーニングによって学習されたニューラルネットワークを備え、このニューラルネットワークによって、撮影画像から物体がいくつあるかを認識することで、物体の数を検知する。
【0508】
また、台BにはRFアンテナ6172が内蔵されている。台Bに置かれた物体に内蔵されたRFタグは、RFアンテナ6172に電波を送信し、RFリーダ6100がタグ情報を読み取る。
【0509】
検査・警報部6200は、RFリーダ6100で読み取られたタグ情報の数と、ニューラルネットワークで認識された物体の数とを比較し、両者が一致しない場合に警報を生成する。このように、RFID以外の手段であるカメラ6400によって、真偽は不明だが存在する物体の数を検知し、一方で、それらの物体のRFタグを読み取り、読み取られたタグ情報の数と、カメラ6400によって検知された数とを比較することで、RFタグ情報が読み取れない物体を検出することができる。
【符号の説明】
【0510】
1 プレイングカード
1s 複数枚のシャッフルプレイングカード
2 監視カメラ
3 カード配布装置
4 遊技テーブル
5 ディーラ
6 客(ゲーム参加人/プレイヤ)
7 椅子
8 ベットエリア
10 領域
10P プレイヤエリア
10B バンカーエリア
11 ゲーム記録装置
12 画像分析装置
13 結果表示ランプ
14 制御装置
14C カード配布検知装置
15 出力(異常判定結果等)
16 異常表示ランプ
30 配布制限装置
33 スロット
34 ロック部材
35 駆動部
36 ロック部材
37 駆動部
40 配布制限装置
102 カード収納部
103 インデックス
105 カードガイド部
106 開口部
107 カードガイド
109 制御部
112 側面モニタ
120 遊技用貨幣
121 着色層
122 白色層
123 印刷
124 透明層(印刷層)
125 RFID
126 サイドID
200 検査装置
201 入口
202 出口
203 通路
204 判定装置
205 マーク読取装置
206 印刷検査装置
207 制御装置
41 検査システム
4100、4100´ ケース
4101、4101´ 上部
4102 下部
4200 検査装置
4210 受入部
4211 側壁
4212 底部
4213 奥壁
4220 本体部
4221 RFIDリーダ
4222 コンピュータ
4223 表示部
4224 RFIDアンテナ
4225 赤外線カメラ
4226 可視光カメラ
4227 アーム
4228 バーコードリーダ
4229 通信部
4230 識別部
4231 判定部
4301 製造装置
4302 製造管理装置
4303 使用管理装置
4501 指定色層
4502 共通色層
4503 RFIDタグ
4504 透明層
4505、505´ コード情報
4506 印刷
4507 印刷
4800 合否結果表示画面
4801 トータル検出数
4802 正しい遊技用貨幣Cの枚数
4803 不正な遊技用貨幣Cの枚数
4804 貨幣情報表示部
4805 不正な貨幣情報
C、C´、C´´ 遊技用貨幣
m、m´、m´´ 標識
51 検査システム
5100、5100´ ケース
5101、5101´ 上部
5102 下部
5200、5400 検査装置
5210 受入部
5211 側壁
5212 底部
5213 奥壁
5220 本体部
5221、5421 読取装置
5222、5422 判定部
5223 表示部
5224、5424 無線タグアンテナ
5228 バーコードリーダ
5229 通信部
5230 識別部
5231 識別内容判定部
5301 製造装置
5302 製造管理装置
5303 情報データベース
5425 枚数制御板
5426 光センサ
5427 検査台
5501 指定色層
5502 共通色層
5503 無線タグ
5504 透明層
5505、5505´ コード情報
5506 印刷
5507 印刷
5800 合否結果表示画面
5801 トータル検出数
5802 正しい遊技用貨幣Cの枚数
5803 不正な遊技用貨幣Cの枚数
5804 貨幣情報表示部
5805 不正な貨幣情報
600、601 検査システム
617 遊技用貨幣トレイ
6171 溝
6172 RFアンテナ
6173 フォトセンサ
6174、6175 回収溝
6176 上段の溝
6177 下段の溝
6179 ラインセンサ
6180 撮像素子
6181 レール
6182 レーザ測距器
6183 重量計
6184 スペーサ
6185 スイッチ
6100 RFリーダ
6200 検査・警報部
6300 記録部
6400 カメラ
図1
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10A
図10B
図11
図12
図13A
図13B
図14A
図14B
図15
図16
図17
図18
図19
図20A
図20B
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42
図43
図44
図45
図46
図47
図48
図49
図50
図51
図52
図53
図54
図55
図56
図57
図58
図59
図60
図61
図62
図63
図64
図65
図66
図67
図68
図69
図70
図71
図72
図73
図74
図75
図76
図77
図78
図79
図80
図81
図82