(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023159540
(43)【公開日】2023-11-01
(54)【発明の名称】道路の構造
(51)【国際特許分類】
E01F 9/559 20160101AFI20231025BHJP
【FI】
E01F9/559
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022069272
(22)【出願日】2022-04-20
(71)【出願人】
【識別番号】000003609
【氏名又は名称】株式会社豊田中央研究所
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松畑 大樹
(72)【発明者】
【氏名】林 知三夫
(72)【発明者】
【氏名】竹川 秀人
(72)【発明者】
【氏名】長田 裕司
【テーマコード(参考)】
2D064
【Fターム(参考)】
2D064AA04
2D064AA22
2D064EA02
2D064EB05
2D064EB38
2D064HA12
(57)【要約】
【課題】コンクリートを用いて形成される道路に発熱体を埋設して設置する場合、発熱体の温度上昇に伴う不具合の発生を防止する。
【解決手段】プレキャストコンクリート版6は、格子枠状の鉄筋8と、鉄筋8の格子枠に嵌まるよう形成される箱形状で鉄鋼製のLED用ボックス10と、LED用ボックス10に当接させて収容されるLEDユニット12と、備え、コンクリート18が流し込まれて形成される。LEDユニット12が発する熱は、LED用ボックス10を介して鉄筋8に伝わり、LED用ボックス10及び鉄筋8からコンクリート18に逃がされる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンクリートを用いて形成される道路に埋設されている発熱体に当接し、前記発熱体から奪った熱を前記コンクリートに伝達する熱伝達部材を備えることを特徴とする道路の構造。
【請求項2】
前記道路が鉄筋コンクリートにより形成される場合、前記鉄筋コンクリートの鉄筋を前記熱伝達部材として利用することを特徴とする請求項1に記載の道路の構造。
【請求項3】
格子状に骨組みされることによって形成される前記鉄筋の格子枠の中に嵌め込まれ、前記発熱体を収容する箱を更に前記熱伝達部材として利用することを特徴とする請求項2に記載の道路の構造。
【請求項4】
前記道路が鉄骨構造のプレキャストコンクリート版により形成される場合、前記プレキャストコンクリート版の鉄骨を前記熱伝達部材として利用することを特徴とする請求項1に記載の道路の構造。
【請求項5】
前記発熱体は、電子部品であることを特徴とする請求項1に記載の道路の構造。
【請求項6】
前記電子部品が発光体の場合、複数の前記発光体を路面に沿って並べて配設することで形成される路面標示器を備えることを特徴とする請求項4に記載の道路の構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路の構造、特に発熱体を埋設する場合の道路の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、LEDやマイコン等の電子部品を道路に設置して、道路を高機能化させる技術が種々提案されている(例えば、特許文献1)。電子部品の耐久性等を考慮すると、車両等の重量物の荷重が直接電子部品にかからないように、電子部品を道路の中に埋設して設置するのが好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電子部品等使用により熱を発する発熱体をコンクリートに埋設させる場合、コンクリートだけでは、発熱体の放熱を処理しきれず、発熱体を十分に冷却することができない場合がある。
【0005】
本発明は、コンクリートを用いて形成される道路に発熱体を埋設して設置する場合、発熱体の温度上昇を抑制することができる道路の構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る道路の構造は、コンクリートを用いて形成される道路に埋設されている発熱体に当接し、前記発熱体から奪った熱を前記コンクリートに伝達する熱伝達部材を備えることを特徴とする。
【0007】
また、前記道路が鉄筋コンクリートにより形成される場合、前記鉄筋コンクリートの鉄筋を前記熱伝達部材として利用することを特徴とする。
【0008】
また、格子状に骨組みされることによって形成される前記鉄筋の格子枠の中に嵌め込まれ、前記発熱体を収容する箱を更に前記熱伝達部材として利用することを特徴とする。
【0009】
また、前記道路が鉄骨構造のプレキャストコンクリート版により形成される場合、前記プレキャストコンクリート版の鉄骨を前記熱伝達部材として利用することを特徴とする。
【0010】
また、前記発熱体は、電子部品であることを特徴とする。
【0011】
また、前記電子部品が発光体の場合、複数の前記発光体を路面に沿って並べて配設することで形成される路面標示器を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、コンクリートを用いて形成される道路に発熱体を埋設して設置する場合、発熱体の温度上昇を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明に係る道路の構造の一実施の形態を利用して道路に設置される路面標示器を上方から見たときの平面図である。
【
図2】本実施の形態において路面標示器が埋設されている道路の部分を示す概略的な斜視図である。
【
図3】本実施の形態における路面標示器を形成するプレキャストコンクリート版の一部を切り欠いて示す概略構成図である。
【
図4】本実施の形態におけるプレキャストコンクリート版の骨組みとなる鉄筋の一部を切り欠いて示す概略構成図である。
【
図5】本実施の形態におけるプレキャストコンクリート版に埋め込まれる複数のLED用ボックスの並びを示す斜視図である。
【
図6】本実施の形態におけるLED用ボックスを示す斜視図である。
【
図7】本実施の形態においてLED用ボックスに取り付けられた状態のLEDユニットの一部を切り欠いて示す概略構成図である。
【
図8】
図3において、A-A’切断線で切断したときの一部分を示す側断面図である。
【
図9】各種道路の構造と外気温との関係を示すグラフ図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面に基づいて、本発明の好適な実施の形態について説明する。
【0015】
図1は、本実施の形態において特徴的な道路の構造を利用して道路2に設置される路面標示器4を上方から見たときの平面図である。
図2は、路面標示器4が埋設されている道路2の部分を示す概略的な斜視図である。また、
図3は、路面標示器4を形成するプレキャストコンクリート版6の一部を切り欠いて示す概略構成図、
図4は、プレキャストコンクリート版6の骨組みとなる鉄筋8の一部を切り欠いて示す概略構成図、
図5は、プレキャストコンクリート版6に埋め込まれる複数のLED用ボックス10の並びを示す斜視図、
図6は、LED用ボックス10の単体を示す斜視図である。また、
図7は、LED用ボックス10に取り付けられた状態のLEDユニット12の一部を切り欠いて示す概略構成図、
図8は、
図3において、A-A’切断線で切断したときの一部分を示す側断面図である。以下、これらの図を用いて、本実施の形態の道路2の構造について説明する。
【0016】
まず、
図1に示すように、本実施の形態における路面標示器4は、鉄筋コンクリートで形成されるプレキャストコンクリート版(以下、「路版」ともいう)6を縦横に並べることによって形成され、道路2に設置されることで、路面の一部を形成する。
図1には、縦方向、すなわち図面においては上下方向であり、道路2の形成時には車両進行方向に2個の路版6を、そして横方向、すなわち図面においては左右方向であり、道路2の形成時には道路幅方向に4個の路版6を、それぞれ並べて形成される路面標示器4が例示されている。路版6を並べる個数は、この例に限る必要はない。プレキャストコンクリート版6は、
図5に示すようにLED用ボックス10を縦横に4個ずつ並べて形成される。LED用ボックス10を並べる個数は、この例に限る必要はない。本実施の形態における各LED用ボックス10にはそれぞれ、2個のLEDユニット12が収容される。本実施の形態では、LEDユニット12が縦横に整列されるようにLED用ボックス10が設置されることから、16×32個のLEDユニット12によって種々の標識を路面に示すことが可能となる。
図2には、「止まれ」という路面標示がされている例が示されている。路面標示器4は、図示しない制御装置によって種々の路面標示ができるように制御されてもよいし、設置場所に応じて所定の路面標示を固定的に行うように構成されてもよい。なお、
図2は、LEDユニット12が点灯することで路面標示を行うことを示す概念図であり、
図1と一致していない。
【0017】
図6に示すように、LED用ボックス10は、蓋のない矩形形状の箱で形成される。本実施の形態におけLED用ボックス10は、全て同一形状でよく、
図5に例示するように所望の数を並べて使用される。LED用ボックス10は、熱伝達部材により形成される。本実施の形態において、「熱伝達部材」というのは、発熱体から熱を奪い、その奪った熱をコンクリートに伝達する材質により形成される部材である。発熱体から熱を効率的に奪い、そして奪った熱をコンクリートに効率的に逃がすことができるように、熱伝達部材を少なくともコンクリートより熱伝導率が高い材質、特に鋼鉄等の熱伝導率が高いといわれる材質で形成するのが好適である。本実施の形態では、熱伝達部材として鉄や鋼を用いるが、これに限る必要はない。
【0018】
図7に示すように、LEDユニット12は、LED用ボックス10の中に収容される。なお、
図7には、1つのLEDユニット12のみが示されているが、
図1,
図8に示すように、本実施の形態においては、2つのLEDユニット12をLED用ボックス10の所定の位置に載置して収容する。LEDユニット12は、LEDチップ121、基板122及び固定枠123を有する。LEDチップ121は、光を発する発光体の一例であり、光を発する際に熱を発する発熱体の一例でもある。基板122は、LEDチップ121を電気的に接続し、図示しない電源から供給される電力の供給、必要により図示しない制御装置からの指示に応じてLEDチップ121の点灯、消灯等の動作制御を行う。固定枠123は、LEDチップ121及び基板122をLED用ボックス10に固定するための部品である。固定枠123は、基板122を、LED用ボックス10との間で挟むようにして固定する。基板122と接合されているLEDチップ121は、基板122がLED用ボックス10に固定されることにより、固定枠123の中央部に設けられている穴に嵌まる状態にてLED用ボックス10に固定される。固定枠123は、樹脂で形成されている。
【0019】
LEDユニット12は、内面を反射板とする円筒形状の筒14の中に配設され、筒14の上部は、円形状の透明レンズ16によって塞がれる。透明レンズ16は、路面の一部を形成し、LEDユニット12が発する光を外部へ照射する。
【0020】
次に、本実施の形態における路面標示器4の製造方法について説明する。
【0021】
例えば、
図1に示すように、LEDユニット12は、LED用ボックス10の中の所定の位置に固定される。続いて、筒14は、LEDユニット12を内側に収めるようにLED用ボックス10の中に固定される。続いて、透明レンズ16は、筒14の上部に設置される。LEDユニット12は、このようにして筒14の外部から遮断された状態にてLED用ボックス10に収容される。
【0022】
図4に示すように、鉄筋8は、LED用ボックス10が入る大きさで格子状に骨組みされる。換言すると、LED用ボックス10は、格子状に骨組みされることによって形成される鉄筋8の格子枠の中に嵌め込まれる大きさで形成される。いずれにしても、LEDユニット12が収容されているLED用ボックス10は、鉄筋8の各格子枠に嵌め込まれるように載置される。
【0023】
LED用ボックス10が嵌め込まれている状態の鉄筋8は、所定の型枠の中に置かれ、その後、型枠の中にコンクリート18が流し込まれる。コンクリート18は、LED用ボックス10の中にも流し込まれる。これにより、路版6の表面は、
図18に示すように透明レンズ16とコンクリート18で形成される。このようにして、路版6は形成される。そして、路面標示器4は、縦横に所定の数の路版6が並べられ、コンクリートや所定の接続部材を用いて連結されることで形成される。
【0024】
なお、本実施の形態では、前述した手順にて路面標示器4を製造したが、
図1に示す路面標示器4を最終的に完成できればよいので、製造する手順は上記に限定する必要はない。例えば、LED用ボックス10を鉄筋8に嵌め込んでからLEDユニット12を取り付けるようにしてもよい。また、LEDユニット12、筒14及び透明レンズ16をアセンブリとして組み立て、そのアセンブリをLED用ボックス10の中に固定するようにしてもよい。また、本実施の形態では、路面標示器4を、複数の路版6を連結することで製造するようにしたが、路版6を形成せずに必要数のLED用ボックス10を、
図1に例示するように並べて連結することで製造してもよい。ただ、路版6を形成することで、いずれかの路版6に含まれるLEDユニット12に不具合が生じた場合でも、不具合が生じたLEDユニット12を含む路版6のみを交換すればよい。すなわち、路版6を形成することによって、路版6単位で交換することが可能となる。
【0025】
路面標示器4は、以上のようにして形成され、所定の位置のLEDチップ121が点灯されることによって、
図2に例示するように路面標示を行う。
【0026】
ところで、LEDチップ121は、稼働することで熱を発する発熱体である。なお、以降の説明では、LEDチップ121を含むLEDユニット12を発熱体とも言う場合もある。LEDチップ121を冷却しないと、寿命が相対的に短くなる可能性がある。コンクリート18は、鋼鉄等と比較して熱伝導率が低い材質であるため、LEDチップ121をコンクリート18に直接取り付けると、LEDチップ121の熱を十分に逃がすことができない可能性がある。
【0027】
そこで、本実施の形態においては、LEDチップ121を鋼鉄等の熱伝達部材で形成したLED用ボックス10に収容し、LED用ボックス10を介して鉄筋8に熱を逃がすようにした。すなわち、LEDユニット12にLED用ボックス10を当接させ、LED用ボックス10によりLEDユニット12から奪った熱をコンクリート18に放熱するようにした。これにより、LEDチップ121を冷却することができ、寿命が短くなることから防止することができる。
【0028】
なお、本実施の形態では、
図3に示すように道路2の一部となる路版6が鉄筋コンクリートにより形成される場合、路版6に組み込まれる鉄筋8を熱伝達部材として利用している。路版6の中に格子状に骨組みされた鉄筋8は、周囲をコンクリート18で覆われることで、LEDユニット12より大きい表面積でコンクリート18と接しているからである。ただ、本実施の形態における道路2は、LEDユニット12が鉄筋8に直接当接していない構造なので、LEDユニット12を熱伝達部材で形成されたLED用ボックス10に収容し、LEDユニット12からの熱を、LED用ボックス10を介して鉄筋8に伝えるようにしている。LED用ボックス10もコンクリート18と直接接しているため、LEDユニット12からの熱を、LED用ボックス10からもコンクリート18に放熱することができる。
【0029】
なお、本実施の形態では、発熱体としてのLEDユニット12を路面標示器4として利用する場合を例にしているので、LEDユニット12を整列配置するのにLED用ボックス10を利用するのが好ましいが、例えば発熱体の用途上、鉄筋8に直接当接するように発熱体を配設することに問題がなければ、LED用ボックス10を用いなくてもよい。
【0030】
また、LEDユニット12を熱伝達部材で形成されたLED用ボックス10に収容することで、LED用ボックス10のみをLEDユニット12からコンクリート18に熱を伝達する熱伝達部材として備えてもよい。例えば、道路2が鉄筋コンクリートにより形成されていない場合、道路2は、LED用ボックス10を鉄骨とした鉄骨構造のプレキャストコンクリート版により形成される。この場合、LED用ボックス10のみが熱伝達部材として利用される。
【0031】
なお、鉄骨構造のプレキャストコンクリート版の場合、鉄筋構造のプレキャストコンクリート版の場合と異なりLED用ボックス10が接するべき鉄筋8は存在しないので、LED用ボックス10の、LEDユニット12と直接接しており、かつコンクリート18とも接している底面のみを熱伝達部材で形成してもよい。
【0032】
図9は、CAE(Computer Aided Engineering)を利用した実験結果であり、
図3に示す「鉄筋」構造、鉄筋8がなくLED用ボックス10を鉄骨として形成された「鉄骨」構造及び「鉄筋・鉄骨無し」構造によるLEDチップ121の温度と外気温との関係を示すグラフ図である。外気温が高くなるにつれ、LEDチップ121の温度が高くなる点では、全ての構造で共通するものの、最大温度は、「鉄筋・鉄骨無し」構造と本実施の形態を適用した構造とでは、20度近く温度に差が生じることが理解できる。すなわち、本実施の形態を適用することによって、LEDチップ121の温度上昇が抑制される。これにより、LEDチップ121の長寿命化が期待できる。
【0033】
上記説明では、熱を発する発熱体として、電子部品であるLEDチップ121を含むLEDユニット12を例にして説明したが、電子部品をLEDユニット12に限定する必要はない。例えば、電子部品がマイコンの場合、マイコンは、蓄熱により動作が不安定になる場合がある。従って、マイコンが道路2に埋設して使用される場合、LEDユニット12と同様に本実施の形態における放熱機構を適用するのが好適である。
【0034】
本実施の形態では、熱伝達部材を電子部品に当接するよう設け、熱伝達部材が電子部品から熱をいったん奪い、そしてコンクリート18に逃がす構造とした。また、熱伝達部材がコンクリート18と接する面積を電子部品がコンクリート18と接する面積より大きくすることによって電子部品が発する熱をコンクリート18に逃がしやすい構造とすることが効果的である。
【0035】
なお、本実施の形態では、鉄筋・鉄骨構造の路版6を例にして説明したが、必ずしも鉄筋・鉄骨構造の路版6を形成する必要はなく、上記理由から電子部品とコンクリート18との間に熱伝達部材、特に熱伝導率がコンクリート18よりも高い熱伝達部材を配設するだけでも有効である。
【0036】
ところで、本実施の形態では、特徴的な道路2の構造を、LEDを使用する路面標示器4に適用した場合を例にして説明した。路面標示器4は、交通に関連する情報を道路2の路面に標示するための機器である。本実施の形態における「道路」は、公道、私道は当然のこと、工場内の敷地に形成される道路やショッピングモール等の大型施設の駐車場等、特定の施設の中で通行者(歩行者、車両等)が通行する通行路等を含む。なお、「通行路」とは、移動するために通る道を意味し、例えば、歩道や車道のことをいう。
【0037】
また、本実施の形態における「路面標示」というのは、道路の表面、すなわち路面に標示することを目的とした交通に関連する情報を示す文字、記号、図などを意味する。路面標示の種類として代表的なのは、法律に従った道路標示、区画線、また法定外表示等の設置指針に従った道路標示等である。法律に従った道路標示には、規制標示及び指示標示が含まれる。規制標示は、転回禁止等、特定の通行方法を制限または指定する目的で設置される路面標示である。指示標示は、横断歩道等特定の通行方法ができることや、その区間、場所の道路交通法上の意味、通行すべき道路の部分などを示す目的で設置される路面標示である。区画線は、車道中央線等、道路の構造の保全や交通の流れを適切に誘導する目的で設置される路面標示である。法定外表示等の設置指針に従った道路標示は、「止まれ」等、法令に定められたもの以外の看板、表示などの路面標示である。路面標示には、その他にも、例えば駐車場内において通行者を誘導するような文字や記号等を含む。つまり、路面標示は、広義には道路の表面に標示可能な文字や記号等全般を含む。
【0038】
図2に例示した路面標示器4は、文字を標示させる場合を例にしているが、この例に限らず、上記「路面標示」に利用することが可能である。本実施の形態では、文字を標示させるため、文字を形成するドットを想定して円筒形状の筒14の中にLEDユニット12を載置し、円形状の透明レンズ16を用いたが、これらの形状は、標示させたい路面標示に応じて決めてもよい。例えば、路面標示器4をセンターラインの標示に適用するならば、矩形形状の筒を用いるようにしてもよい。
【0039】
また、
図2に例示した路面標示器4は、文字の路面標示に適合させるために、LED用ボックス10に2つのLEDユニット12を並べて配設したが、LED用ボックス10に配設するLEDユニット12の数や位置は、路面標示の目的に応じて決めればよい。
【符号の説明】
【0040】
2 道路、4 路面標示器、6 プレキャストコンクリート版(路版)、8 鉄筋、10 LED用ボックス、12 LEDユニット、14 筒、16 透明レンズ、18 コンクリート、121 LEDチップ、122 基板、123 固定枠。