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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023161170
(43)【公開日】2023-11-07
(54)【発明の名称】衝撃吸収材料
(51)【国際特許分類】
   B32B 27/00 20060101AFI20231030BHJP
   F16F 7/00 20060101ALI20231030BHJP
   B32B 27/12 20060101ALI20231030BHJP
【FI】
B32B27/00 J
F16F7/00 Z
B32B27/12
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022071353
(22)【出願日】2022-04-25
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-06-05
(71)【出願人】
【識別番号】596063403
【氏名又は名称】山本産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110788
【弁理士】
【氏名又は名称】椿 豊
(74)【代理人】
【識別番号】100124589
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 竜郎
(72)【発明者】
【氏名】山本 修也
(72)【発明者】
【氏名】三品 潤一
【テーマコード(参考)】
3J066
4F100
【Fターム(参考)】
3J066AA22
3J066BD10
4F100AA08E
4F100AG00E
4F100AK01C
4F100AK01E
4F100AK03A
4F100AK04C
4F100AK07A
4F100AK15A
4F100AK15C
4F100AK15E
4F100AK25A
4F100AK41A
4F100AK41B
4F100AK41D
4F100AK46A
4F100AK51B
4F100AK51D
4F100AK68C
4F100BA04
4F100BA05
4F100BA07
4F100CA04E
4F100DG01B
4F100DG01D
4F100DG04B
4F100DG04D
4F100DG06B
4F100DG06D
4F100DG11A
4F100DG12E
4F100DG15B
4F100DG15D
4F100DG15E
4F100DG16A
4F100EC03E
4F100GB07
4F100JA13B
4F100JB16B
4F100JB16D
4F100JH01B
4F100JH01D
4F100JH02B
4F100JH02D
4F100JK11B
4F100JK11D
4F100JK16E
4F100YY00B
4F100YY00D
(57)【要約】
【課題】優れた衝撃音低減性を有する衝撃吸収材料を提供する。
【解決手段】衝撃吸収材料100は、表面層1と、表面層1の下に設けられた緩衝材層4と、緩衝材層4の下に設けられた高分子樹脂層5と、高分子樹脂層5の下に設けられた緩衝材層6とを備える。緩衝材層4および緩衝材層6の各々は、互いに交絡した複数の有機繊維、およびウレタンのうち少なくともいずれか一方を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面層と、
前記表面層の下に設けられた上部緩衝材層と、
前記上部緩衝材層の下に設けられた下部高分子樹脂層と、
前記下部高分子樹脂層の下に設けられた下部緩衝材層とを備え、
前記上部緩衝材層および下部緩衝材層の各々は、互いに交絡した複数の有機繊維、およびウレタンのうち少なくともいずれか一方を含む、衝撃吸収材料。
【請求項2】
前記表面層の下に設けられた上部高分子樹脂層と、
前記上部高分子樹脂層の下であって前記上部緩衝材層の上に設けられた補強材層とをさらに備えた、請求項1に記載の衝撃吸収材料。
【請求項3】
前記上部緩衝材層および下部緩衝材層の各々は、
互いに交絡した複数の有機繊維と、
前記複数の有機繊維同士の間を融着する融着材とを含む、請求項1に記載の衝撃吸収材料。
【請求項4】
前記上部緩衝材層は、0.081g/cm3以上0.100g/cm3以下の密度を有し、6.5mm以上の厚さを有する、請求項3に記載の衝撃吸収材料。
【請求項5】
前記下部緩衝材層の下面に融着された樹脂よりなる滑り止め層をさらに備えた、請求項3に記載の衝撃吸収材料。
【請求項6】
平面的に見た場合に、前記滑り止め層の少なくとも一部は、前記下部緩衝材層の下面にドット状に設けられる、請求項5に記載の衝撃吸収材料。
【請求項7】
前記上部緩衝材層の厚さは、前記下部緩衝材層の厚さよりも大きい、請求項1に記載の衝撃吸収材料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衝撃吸収材料に関する。より特定的には、本発明は、繊維質材料よりなる表面層を備えた衝撃吸収材料に関する。
【背景技術】
【0002】
集合住宅の普及により、隣接する部屋へ伝わる衝撃や衝撃音を抑止しうる衝撃吸収材料へのニーズが高まっている。従来の衝撃吸収材料として、たとえば下記特許文献1には、優れた遮音性を有する繊維床タイルが開示されている。下記特許文献1の繊維床タイルは、繊維質材料により構成された繊維表面層と、高分子樹脂裏打ち層と、無機質または有機質繊維からなる織布または不織布からなる補強材裏打ち層と、融着繊維含有繊維質裏打ち層と、高分子樹脂裏打ち層とが順次積層されたものである。融着繊維含有繊維質裏打ち層は、3mm以上の厚みおよび0.05g/cm3~0.08g/cm3の密度を有する繊維質不織布であって、融着性繊維によって各繊維同士が融着補強された層である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第2976866号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の繊維床タイルには、衝撃音低減性が低いという問題があった。すなわち、特許文献1の繊維床タイルの衝撃音低減性を高める方法としては、衝撃を吸収する層である融着繊維含有繊維質裏打ち層を厚くする方法が考えられる。しかし、融着繊維含有繊維質裏打ち層が厚くなると、融着繊維含有繊維質裏打ち層の剥離強度が低下する。このため、融着繊維含有繊維質裏打ち層に荷重が加わると、融着繊維含有繊維質裏打ち層が破損やすくなっていた。
【0005】
加えて、融着繊維含有繊維質裏打ち層が厚くなると、融着繊維含有繊維質裏打ち層の弾力性が低下する。このため、融着繊維含有繊維質裏打ち層に荷重が加わると、繊維床タイルがぐらつき、繊維床タイルの安定性が損なわれていた。
【0006】
これらの理由から、融着繊維含有繊維質裏打ち層を厚くすることはできず、特許文献1の繊維床タイルの衝撃音低減性を高めることはできなかった。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためのものであり、その目的は、優れた衝撃音低減性を有する衝撃吸収材料を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一の局面に従う衝撃吸収材料は、表面層と、表面層の下に設けられた上部緩衝材層と、上部緩衝材層の下に設けられた下部高分子樹脂層と、下部高分子樹脂層の下に設けられた下部緩衝材層とを備え、上部緩衝材層および下部緩衝材層の各々は、互いに交絡した複数の有機繊維、およびウレタンのうち少なくともいずれか一方を含む。
【0009】
上記衝撃吸収材料において好ましくは、表面層の下に設けられた上部高分子樹脂層と、上部高分子樹脂層の下であって上部緩衝材層の上に設けられた補強材層とをさらに備える。
【0010】
上記衝撃吸収材料において好ましくは、上部緩衝材層および下部緩衝材層の各々は、互いに交絡した複数の有機繊維と、複数の有機繊維同士の間を融着する融着材とを含む。
【0011】
上記衝撃吸収材料において好ましくは、上部緩衝材層は、0.081g/cm3以上0.100g/cm3以下の密度を有し、6.5mm以上の厚さを有する。
【0012】
上記衝撃吸収材料において好ましくは、下部緩衝材層の下面に融着された樹脂よりなる滑り止め層をさらに備える。
【0013】
上記衝撃吸収材料において好ましくは、平面的に見た場合に、滑り止め層の少なくとも一部は、下部緩衝材層の下面にドット状に設けられる。
【0014】
上記衝撃吸収材料において好ましくは、上部緩衝材層の厚さは、下部緩衝材層の厚さよりも大きい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、優れた衝撃音低減性を有する衝撃吸収材料を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施の形態における衝撃吸収材料100の構成を示す断面図である。
図2】本発明の一実施の形態において、滑り止め層7側から見た場合の衝撃吸収材料100の構成を示す平面図である。
図3】本発明の第1の実施例における試料の具体的な材料などを示す表である。
図4】本発明の第2の実施例における試料12~35の各々の軽量床衝撃音低減性能および剥離強度を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施の形態について、図面に基づいて説明する。
【0018】
図1は、本発明の一実施の形態における衝撃吸収材料100の構成を示す断面図である。図2は、本発明の一実施の形態において、滑り止め層7側から見た場合の衝撃吸収材料100の構成を示す平面図である。
【0019】
図1を参照して、本実施の形態における衝撃吸収材料100(衝撃吸収材料の一例)は、床に配置される床タイルとして使用されるものである。衝撃吸収材料100は、支持材S(ここでは床)に配置されるものであればよい。衝撃吸収材料100は、平面的に見た場合に、たとえば一辺が20cm~80cmの矩形状を有している。衝撃吸収材料100は、表面層1が支持材Sとは反対の方向(図1中上方向)を向いた状態で使用される。衝撃吸収材料100が配置されていない支持材Sの表面と衝撃吸収材料100の表面との段差による種々の障害の発生を抑止するために、衝撃吸収材料100は0より大きく20mm以下の厚さW(図1中縦方向の長さ)を有していることが好ましい。
【0020】
衝撃吸収材料100は、表面層1(表面層の一例)と、高分子樹脂層2(上部高分子樹脂層の一例)と、補強材層3(補強材層の一例)と、緩衝材層4(上部緩衝材層の一例)と、高分子樹脂層5(下部高分子樹脂層の一例)と、緩衝材層6(下部緩衝材層の一例)と、滑り止め層7(滑り止め層の一例)とを備えている。表面層1は、支持材Sから最も離れた最上の層であり、使用者と接触する層である。高分子樹脂層2、補強材層3、緩衝材層4、高分子樹脂層5、および緩衝材層6の各々は、上から下に向かってこの順序で設けられており、表面層1の形および大きさを維持するため裏打ち層である。具体的には、高分子樹脂層2は、表面層1の下であって補強材層3の上に設けられている。補強材層3は、高分子樹脂層2の下であって緩衝材層4の上に設けられている。緩衝材層4は、補強材層3の下であって高分子樹脂層5の上に設けられている。高分子樹脂層5は、緩衝材層4の下であって緩衝材層6の上に設けられている。緩衝材層6は、高分子樹脂層5の下であって滑り止め層7の上に設けられている。滑り止め層7は、緩衝材層6の下面に融着されており、衝撃吸収材料100における支持材Sと接触する部分である。
【0021】
表面層1は、デザイン性、保温性、および吸音性などを衝撃吸収材料100に付与する。表面層1は、繊維質材料よりなっている。表面層1は、たとえばパイル層11と、基布層12とを含んでいる。表面層1は、たとえば4.0mm以上6.0mm以下の厚さを有している。
【0022】
パイル層11は、基布層12上に固定されている。パイル層11は、たとえばタフティングにより基布層12に植え込まれている。パイル層11は、たとえばナイロン、アクリル、ポリエステル、もしくはポリプロピレンなどの合成繊維、またはウールなどの天然繊維よりなるパイル糸などにより形成されている。特にパイル層11がナイロンよりなるパイル糸で形成されている場合には、優れた耐摩擦性、強度、弾力性、および接触冷感を表面層1に付与することができる。パイル層11は、先端がカットされて揃えられたカットパイルであってもよいし、先端をループ状にしたループパイルであってもよいし、カットパイルおよびループパイルが混在するものであってもよい。
【0023】
基布層12は、ポリエステルもしくはポリプロピレンなどの合成繊維よりなっている。基布層12は、織布であってもよいし不織布であってもよい。基布層12は、ポリエステルよりなるスパンボンドよりなることが好ましい。
【0024】
なお、表面層1は、繊維質材料よりなる表面層である代わりに、塩化ビニル系材料やオレフィン性プラスチックなどよりなる硬質床材の表面層であってもよい。また、表面層1は、フローリング材の表面層であってもよい。
【0025】
高分子樹脂層2および5の各々は、高分子樹脂を含む層である。高分子樹脂層2および5の各々は、たとえば高分子樹脂と、可塑剤と、所要の添加剤とを含んでいる。高分子樹脂は、たとえば塩化ビニル樹脂、エチレン樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、非晶性オレフィン重合体樹脂、アスファルト系樹脂などよりなっている。これらの高分子樹脂は適度な剛軟性を有しているので、これらの高分子樹脂を用いることで、衝撃吸収材料100が受ける荷重を高分子樹脂層2または5全体で受けることができる。また、これらの高分子樹脂は十分な接着強度を有しているので、隣接する層と接着する場合に、接着部の剥離を防止することができる。高分子樹脂は、塩化ビニル樹脂よりなっていることが好ましい。可塑剤は、常温では液体であることが好ましい。可塑剤は、たとえば天然ワックス、合成ワックス、または変性ワックスなどよりなっている。高分子樹脂層2および5の各々は、たとえば1.0mm以上3.0mm以下の厚さを有している。
【0026】
高分子樹脂層2および5の各々を構成する材料は互いに異なっていてもよいが、製造方法を簡素化するという観点で、同一であることが好ましい。高分子樹脂層2および5の各々の厚さは、同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。また、高分子樹脂層2よりも高分子樹脂層5の方が表面層1から離れてるため、高分子樹脂層2の密度よりも高分子樹脂層5の密度を高くすることで、衝撃吸収材料100の形状の経時変化(衝撃吸収材料100のカールなど)を抑止することができる。
【0027】
補強材層3は、表面層1を補強する層である。補強材層3は、任意の材料の織布または不織布よりなっている。補強材層3は、荷重に対する伸びを防ぐ役割を果たす。また補強材層3は、温度変化に対する伸びまたは縮みを防ぐ役割を果たす。補強材層3は、ガラス繊維性織布よりなっていることが好ましい。補強材層3がガラス繊維性織布よりなる場合、ガラス繊維織布の網目を通して高分子樹脂層2の内部に補強材層3を埋設することができる。
【0028】
高分子樹脂層2および補強材層3を設けることで、衝撃吸収材料100の強度が向上する。なお、高分子樹脂層2および補強材層3は省略されてもよい。
【0029】
緩衝材層4および6の各々は、衝撃を吸収し、衝撃音を低減する層である。また緩衝材層4および6の各々は、断熱する役割を果たしてもよい。緩衝材層4および6の各々は、互いに交絡した複数の有機繊維と、複数の有機繊維同士の間を融着する融着材とを含んでいる。融着材は省略されてもよい。
【0030】
緩衝材層4および6の各々は、レギュラー綿(中実の有機繊維)、中空の有機繊維、および熱融着性繊維を含む原綿と、スパンボンド不織布とを用いて作製されることが好ましい。レギュラー綿とは、芯の部分が空洞でない通常の有機繊維である。中空の短繊維とは、芯の部分が空洞である有機繊維である。緩衝材層4および6の各々を構成する材料は互いに異なっていてもよいが、製造方法を簡素化するという観点で同一であることが好ましい。
【0031】
緩衝材層4および6の各々は、次の方法で作製されることが好ましい。始めに、塊状のレギュラー綿、中空の有機繊維、および熱融着性繊維の各々をほぐし、適切な割合で配合して均一にすることで原綿を作製する(混綿および開繊)。次に、カード機を用いて、塊状の原綿をシート状に成形することで、ウェブを作製する(ウェブ成形)。次に、クロスレイヤーを用いて、ウェブを多重に積層する(ウェブ積層)。次に、積層されたウェブの上側または下側にスパンボンド不織布を沿わせる(スパンボンド投入)。次に、バーブ(返し)の付いた針である特殊針を用いて、積層されたウェブおよびスパンボンドを互いに交絡させる(ニードルパンチ)。次に、乾燥炉を用いて、交絡させたウェブおよびスパンボンドを加熱することで熱融着性繊維を溶融する。溶融した熱融着性繊維は、融着材として交絡させたウェブおよびスパンボンドを一体化させる(融着)。
【0032】
レギュラー綿は、中実の有機繊維であり、たとえば汎用のポリエステル短繊維よりなっている。中空の有機繊維は、たとえば中空のポリエステル短繊維を含むコンジュゲート繊維よりなっている。熱融着性繊維は、たとえば110℃程度の低い融点を有するポリエステル短繊維よりなっている。熱融着性繊維は、有機繊維100重量パーセントに対し20~50重量パーセントの割合で配合されることが好ましい。スパンボンド不織布は、たとえば20g/m2の密度を有するポリエステルよりなっている。
【0033】
緩衝材層4は、0.081g/cm3以上0.100g/cm3以下の密度を有し、6.5mm以上の厚さを有することが好ましい。緩衝材層4の密度を0.081g/cm3以上とすることで、緩衝材層4の強度および弾性力が向上し、破損しにくくなる。緩衝材層4の密度を0.081g/cm3以上とした場合、。緩衝材層4の密度が0.081g/cm3未満の場合よりも緩衝材層4は硬くなり、緩衝材層4の衝撃音低減性は低下する。しかし、緩衝材層4の他に緩衝材層6を設けることにより、低下した衝撃音低減性が補われる。さらに、緩衝材層4の厚さを6.5mm以上とすることで、衝撃音低減性を効果的に高めることができ、衝撃吸収材料100の軽量床衝撃音低減性能をLL37以下にすることができる。一方、緩衝材層4の密度を0.100g/cm3以下とすることで、良好な衝撃音低減性を確保することができる。
【0034】
緩衝材層4は、衝撃吸収材料100全体の厚さが20mm以下となる範囲の厚さを有していることが好ましい。特に、緩衝材層4の厚さを9.5mm以下とすることで、緩衝材層4の厚み増加に伴う剥離強度の低下を抑止することができる。
【0035】
緩衝材層6は、たとえば2mm以上4mm以下の厚さを有している。緩衝材層6は、緩衝材層4と同様に0.081g/cm3以上0.100g/cm3以下の密度を有することが好ましい。
【0036】
緩衝材層4および6の各々は、任意の厚さおよび密度を有していればよい。緩衝材層4の厚さは、緩衝材層6の厚さよりも大きいことが好ましい。緩衝材層6よりも緩衝材層4の方が表面層1に近いため、緩衝材層6よりも緩衝材層4を厚くすることで、衝撃音低減性を効果的に高めることができる。緩衝材層6の密度は、緩衝材層4の密度よりも高いことが好ましい。緩衝材層4の密度よりも緩衝材層6の密度を高くすることで、衝撃吸収材料100の形状の経時変化(衝撃吸収材料100のカールなど)を抑止することができる。緩衝材層4および6の各々の密度は、複数の有機繊維層の交絡の程度を変えることよって調整することが可能である。すなわち、複数の有機繊維層の交絡の度合いが多い程、密度が大きくなる。
【0037】
なお、緩衝材層4および6の各々は、複数の有機繊維層と融着材とを含む材料よりなる代わりに、ウレタンを含む材料よりなっていてもよい。ウレタンを含む材料よりなる場合にも、緩衝材層4および6の各々は優れた衝撃音低減性を発揮する。一方で、経時劣化しにくいという観点で、緩衝材層4および6の各々は、複数の有機繊維層と融着材とを含む材料よりなることが好ましい。
【0038】
図1および図2を参照して、滑り止め層7は、衝撃吸収材料100が支持材Sに対して滑るのを防止するための層である。滑り止め層7は、たとえばアクリル樹脂などの樹脂よりなっている。平面的に見た場合(図1中下方向から見た場合)に、滑り止め層7の少なくとも一部は、緩衝材層6の下面にドット状に設けられている。滑り止め層7は、たとえば0.3mm以上0.8mm以下の厚さを有している。
【0039】
樹脂は滑りにくいため、樹脂よりなる滑り止め層7を設けることで、衝撃吸収材料100を支持材Sに対して滑りにくくすることができる。また、樹脂は有機繊維に対して強固に融着するので、滑り止め層7を緩衝材層6に対して強固に固定することができる。このため、緩衝材層6の下面に対して滑り止め材(両面テープなど)などを別途設ける必要が無く、かつ滑り止め材を別途設けるよりも滑り止めとしての効果が大きくなる。加えて、滑り止め層7をドット状に設けることで、滑り止め層7を緩衝材層6の下面全体に設ける場合よりもコストを低減することができ、軽量化を図ることができる。
【0040】
なお、滑り止め層7は省略されてもよい。この場合、衝撃吸収材料100は、両面テープや滑り止め部材などを用いて支持材Sに対して貼り付けられてもよい。
【0041】
衝撃吸収材料100は、たとえば次の方法で作製される。滑り止め層7を予め形成した緩衝材層6を準備する。次に、上述の方法で作製した高分子樹脂層5の原料ペーストをドクターナイフで緩衝材層6上に平たく塗布する。次に、高分子樹脂層5上に緩衝材層4を貼り付ける。次に、上述の方法で作製した高分子樹脂層2の原料ペーストをドクターナイフで緩衝材層4上に平たく塗布する。次に、高分子樹脂層2上に補強材層3を貼り付ける。次に、基布層12が下になるように補強材層3上に表面層1を貼り付ける。次に、上述のように表面層1を貼り付けることで得られた積層体を乾燥炉へ投入し、高分子樹脂層2および5の各々の原料ペーストの固型化加工処理を行う。なお、滑り止め層7を予め形成した緩衝材層6を準備する代わりに、上述のように高分子樹脂層2および5の各々の原料ペーストの固型化加工処理を行った後で、衝材層6の下面に滑り止め層7を形成してもよい。
【0042】
高分子樹脂層2および5の各々の原料となる原料ペーストは、たとえば高分子樹脂層の材料となる塩化ビニル樹脂などの高分子樹脂と、炭酸カルシウムと、可塑剤と、添加剤とを適切な割合で窯に投入し、これらの混錬することで作製される。たとえば原料ペーストが塩化ビニル樹脂を含む場合、高分子樹脂層2および5の各々の原料ペーストの固型化加工処理は、たとえば次の方法で行われる。原料ペーストを乾燥炉中で加熱する。これにより、塩化ビニル樹脂粒子が膨張し、塩化ビニル樹脂粒子同士が接触して流動性を失い、ゲル化する。ゲル化の際、塩化ビニル樹脂は可塑剤および炭酸カルシウムを取り込んで一体化する。さらに原料ペーストを加熱し、原料ペーストが130度~180度の温度となると、塩化ビニル樹脂の粒子の界面が消失し、塩化ビニル樹脂が溶融する。溶融の際、塩化ビニル樹脂は可塑剤及び炭酸カルシウムをさらに取り込む。その結果、原料ペーストは、軟質塩化ビニル樹脂に変化して安定化する。その後、軟質塩化ビニル樹脂を乾燥炉から取り出す。これにより、軟質塩化ビニル樹脂は冷却により硬化し、さらに安定化する。
【0043】
[実施の形態の効果]
【0044】
本実施の形態によれば、衝撃吸収材料100が2つの緩衝材層4および6を備えているため、1つあたりの緩衝材層4または6の厚さの増加を抑えつつ、2つの緩衝材層4および6の合計の厚さを増加することができる。1つあたりの緩衝材層4または6の厚さの増加が抑えられるため、緩衝材層4および6の各々の破損が防止され、衝撃吸収材料100の安定性が確保される。2つの緩衝材層4および6の合計の厚さを増加することで、優れた衝撃音低減性を有する衝撃吸収材料100を提供することができる。
【0045】
また本願発明者らは、緩衝材層4の密度を、従来の融着繊維含有繊維質裏打ち層の密度よりも高い0.081g/cm3以上0.100g/cm3以下の密度とすることで、緩衝材層4の強度が向上することを見出した。すなわち、上述の2つの緩衝材層4および6を設けることと、緩衝材層4の密度を0.081g/cm3以上0.100g/cm3以下の密度とすることとにより、緩衝材層4の破損を効果的に防止することができる。また、緩衝材層4の密度を0.081g/cm3以上0.100g/cm3以下の密度とすることによる衝撃吸収材料100の衝撃音低減性の低下は、2つの緩衝材層4および6を設けることと、緩衝材層4の厚さを6.5mm以上とすることとにより補うことができる。
【0046】
[実施例]
【0047】
(1) 第1の実施例
【0048】
本願発明者らは、以下の試料1~3を作製した。
【0049】
図3は、本発明の第1の実施例における試料の具体的な材料などを示す表である。
【0050】
試料1(本発明例):図1の衝撃吸収材料100を作製した。表面層1、高分子樹脂層2、補強材層3、緩衝材層4、高分子樹脂層5、緩衝材層6、および滑り止め層7の各々の具体的な材料などは、図3に示す内容とした。緩衝材層4の厚さを6.0mmとし、緩衝材層6の厚さを3.0mmとした。緩衝材層4および6の各々の密度を0.081g/cm3とした。
【0051】
試料2(比較例):図1の衝撃吸収材料100において高分子樹脂層5、緩衝材層6、および滑り止め層7を省略したものを作製した。表面層1、高分子樹脂層2、補強材層3、および緩衝材層4の各々の具体的な材料などは、図3に示す内容とした。緩衝材層4の厚さを9.0mmとした。緩衝材層4および6の各々の密度を0.075g/cm3とした。
【0052】
試料3(比較例):図1の衝撃吸収材料100において高分子樹脂層5、緩衝材層6、および滑り止め層7を省略したものを作製した。表面層1、高分子樹脂層2、補強材層3、および緩衝材層4の各々の具体的な材料などは、図3に示す内容とした。緩衝材層4の厚さを3.0mmとした。緩衝材層4および6の各々の密度を0.075g/cm3とした。
【0053】
次に本願発明者らは、試料1~3の各々について、JIS(Japanese Industrial Standards) A-1440-1に従って、標準軽量衝撃源(タッピングマシン)を用いて軽量床衝撃音を計測することにより、軽量床衝撃音低減性能の旧等級であるLL等級(数値が小さいほど性能が高い)の推定値として評価した。評価の際には、スチール製のタッピングハンマーを用い、コンクリートスラブの厚みを150mmに設定した。
【0054】
その結果、試料1および2の各々では、LL35という遮音等級に相当する遮音性能が得られた。一方、試料3では、LL45という遮音等級に相当する遮音性能が得られた。これらの結果から、試料1および2では、試料3に比べて優れた衝撃音低減性が得られることが分かった。
【0055】
次に本願発明者らは、試料1および2の各々の緩衝材層4について、JIS L1021-9(B法)に従って剥離強さ試験を行い、生産方向に対して平行および直角な方向の各々での50mmを剥離する間の最大力(N)を計測し、計測した2つの最大力の中間値を剥離強度(N)として評価した。その結果、試料1では、39.5Nという剥離強度が得られた。一方、試料2では、22.5Nという剥離強度が得られた。また本願発明者らは、試料1および2の各々を床に配置し、試料1および2の各々の上を歩行した。その結果、試料1では、安定した歩行が可能であった。一方、試料2では、歩行の際にぐらつきが生じ、やや不安定さを感じた。
【0056】
これらの結果から、試料1では、試料2に比べて緩衝材層4の破損を効果的に防止でき、歩行時の安定性が得られることが分かった。
【0057】
(2) 第2の実施例
【0058】
本願発明者らは、以下の試料12~35を作製した。
【0059】
試料12~15(いずれも本発明例):図1の衝撃吸収材料100を作製した。表面層1、高分子樹脂層2、補強材層3、緩衝材層4、高分子樹脂層5、緩衝材層6、および滑り止め層7の各々の具体的な材料などは、図3に示す内容とした。緩衝材層6の厚さを3.5mmに設定し、緩衝材層6の密度を0.100g/cm3に設定した。緩衝材層4の厚さを6.5mmに固定し、緩衝材層4の密度を0.075g/cm3~0.105g/cm3の範囲の互いに異なる値に設定した。
【0060】
試料16~20(いずれも本発明例):図1の衝撃吸収材料100を作製した。表面層1、高分子樹脂層2、補強材層3、緩衝材層4、高分子樹脂層5、緩衝材層6、および滑り止め層7の各々の具体的な材料などは、図3に示す内容とした。緩衝材層6の厚さを3.5mmに設定し、緩衝材層6の密度を0.100g/cm3に設定した。緩衝材層4の厚さを8.0mmに固定し、緩衝材層4の密度を0.075g/cm3~0.105g/cm3の範囲の互いに異なる値に設定した。
【0061】
試料21~25(いずれも本発明例):図1の衝撃吸収材料100を作製した。表面層1、高分子樹脂層2、補強材層3、緩衝材層4、高分子樹脂層5、緩衝材層6、および滑り止め層7の各々の具体的な材料などは、図3に示す内容とした。緩衝材層6の厚さを3.5mmに設定し、緩衝材層6の密度を0.100g/cm3に設定した。緩衝材層4の厚さを9.5mmに固定し、緩衝材層4の密度を0.075g/cm3~0.105g/cm3の範囲の互いに異なる値に設定した。
【0062】
試料26~30(いずれも本発明例):図1の衝撃吸収材料100を作製した。表面層1、高分子樹脂層2、補強材層3、緩衝材層4、高分子樹脂層5、緩衝材層6、および滑り止め層7の各々の具体的な材料などは、図3に示す内容とした。緩衝材層6の厚さを3.5mmに設定し、緩衝材層6の密度を0.100g/cm3に設定した。緩衝材層4の密度を0.081g/cm3に固定し、緩衝材層4の厚さを5.5mm~10.5mmの範囲の互いに異なる値に設定した。
【0063】
試料31~35(いずれも本発明例):図1の衝撃吸収材料100を作製した。表面層1、高分子樹脂層2、補強材層3、緩衝材層4、高分子樹脂層5、緩衝材層6、および滑り止め層7の各々の具体的な材料などは、図3に示す内容とした。緩衝材層6の厚さを3.5mmに設定し、緩衝材層6の密度を0.100g/cm3に設定した。緩衝材層4の密度を0.100g/cm3に固定し、緩衝材層4の厚さを5.5mm~10.5mmの範囲の互いに異なる値に設定した。
【0064】
次に本願発明者らは、試料12~35の各々について、第1の実施例と同様の方法で軽量床衝撃音低減性能をLL等級で評価した。また本願発明者らは、第1の実施例と同様の方法で剥離強度(N)を評価した。
【0065】
図4は、本発明の第2の実施例における試料12~35の各々の軽量床衝撃音低減性能および剥離強度を示す表である。
【0066】
図4を参照して、試料12~試料25に着目する。緩衝材層4の密度が0.081g/cm3~0.100g/cm3の範囲である試料12~14、17~19、および22~24の各々の軽量床衝撃音低減性能は、いずれもLL37以下であった。一方、緩衝材層4の密度が上記範囲よりも大きい試料15、20、および25の各々の軽量床衝撃音低減性能は、いずれもLL38以上であった。
【0067】
また、緩衝材層4の密度が0.081g/cm3~0.100g/cm3の範囲である試料12~14、17~19、および22~24の各々の剥離強度と比較して、緩衝材層4の密度が上記範囲よりも小さい試料16および21の各々の剥離強度は低かった。これにより、緩衝材層4の密度を0.081g/cm3~0.100g/cm3の範囲とすることで、軽量床衝撃音低減性能および緩衝材層4の剥離強度を特に向上できることが分かった。
【0068】
試料26~試料35に着目する。緩衝材層4の厚さが6.5mm以上である試料27~30および32~35の各々の軽量床衝撃音低減性能は、いずれもLL37以下であった。一方、緩衝材層4の厚さが上記範囲よりも小さい試料26および31の各々の軽量床衝撃音低減性能はLL38以上であった。これにより、緩衝材層4の厚さを6.5mm以上とすることで、軽量床衝撃音低減性能を特に向上できることが分かった。
【0069】
[その他]
【0070】
衝撃吸収材料100はタイル状ではなくカーペット状であってもよい。すなわち、1つのみの衝撃吸収材料100が床一面に設けられる形態のものであってもよい。また衝撃吸収材料100は、床の代わりに壁や天井などの支持材Sに設けられるものであってもよい。
【0071】
上述の実施の形態および実施例は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0072】
1 表面層(表面層の一例)
2,5 高分子樹脂層(上部高分子樹脂層および下部高分子樹脂層の一例)
3 補強材層(補強材層の一例)
4,6 緩衝材層(上部緩衝材層および下部緩衝材層の一例)
7 滑り止め層(滑り止め層の一例)
11 パイル層
12 基布層
100 衝撃吸収材料(衝撃吸収材料の一例)
S 支持材
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2023-03-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面層と、
前記表面層の下に設けられた上部緩衝材層と、
前記上部緩衝材層の下に設けられた下部高分子樹脂層と、
前記下部高分子樹脂層の下に設けられた下部緩衝材層とを備え、
前記上部緩衝材層および下部緩衝材層の各々は、互いに交絡した複数の有機繊維、およびウレタンのうち少なくともいずれか一方を含み、
前記表面層の下に設けられた上部高分子樹脂層と、
前記上部高分子樹脂層の下であって前記上部緩衝材層の上に設けられた補強材層とをさらに備えた、衝撃吸収材料。
【請求項2】
表面層と、
前記表面層の下に設けられた上部緩衝材層と、
前記上部緩衝材層の下に設けられた下部高分子樹脂層と、
前記下部高分子樹脂層の下に設けられた下部緩衝材層とを備え、
前記上部緩衝材層および下部緩衝材層の各々は、互いに交絡した複数の有機繊維、およびウレタンのうち少なくともいずれか一方を含み、
前記上部緩衝材層および下部緩衝材層の各々は、
互いに交絡した複数の有機繊維と、
前記複数の有機繊維同士の間を融着する融着材とを含む、衝撃吸収材料。
【請求項3】
前記上部緩衝材層は、0.081g/cm3以上0.100g/cm3以下の密度を有し、6.5mm以上の厚さを有する、請求項に記載の衝撃吸収材料。
【請求項4】
前記下部緩衝材層の下面に融着された樹脂よりなる滑り止め層をさらに備えた、請求項に記載の衝撃吸収材料。
【請求項5】
平面的に見た場合に、前記滑り止め層の少なくとも一部は、前記下部緩衝材層の下面にドット状に設けられる、請求項に記載の衝撃吸収材料。
【請求項6】
表面層と、
前記表面層の下に設けられた上部緩衝材層と、
前記上部緩衝材層の下に設けられた下部高分子樹脂層と、
前記下部高分子樹脂層の下に設けられた下部緩衝材層とを備え、
前記上部緩衝材層および下部緩衝材層の各々は、互いに交絡した複数の有機繊維、およびウレタンのうち少なくともいずれか一方を含み、
前記上部緩衝材層の厚さは、前記下部緩衝材層の厚さよりも大きい、衝撃吸収材料。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
本発明の一の局面に従う衝撃吸収材料は、表面層と、表面層の下に設けられた上部緩衝材層と、上部緩衝材層の下に設けられた下部高分子樹脂層と、下部高分子樹脂層の下に設けられた下部緩衝材層とを備え、上部緩衝材層および下部緩衝材層の各々は、互いに交絡した複数の有機繊維、およびウレタンのうち少なくともいずれか一方を含み、表面層の下に設けられた上部高分子樹脂層と、上部高分子樹脂層の下であって上部緩衝材層の上に設けられた補強材層とをさらに備える。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
本発明の他の局面に従う衝撃吸収材料は、表面層と、表面層の下に設けられた上部緩衝材層と、上部緩衝材層の下に設けられた下部高分子樹脂層と、下部高分子樹脂層の下に設けられた下部緩衝材層とを備え、上部緩衝材層および下部緩衝材層の各々は、互いに交絡した複数の有機繊維、およびウレタンのうち少なくともいずれか一方を含み、上部緩衝材層および下部緩衝材層の各々は、互いに交絡した複数の有機繊維と、複数の有機繊維同士の間を融着する融着材とを含む。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
本発明のさらに他の局面に従う衝撃吸収材料は、表面層と、表面層の下に設けられた上部緩衝材層と、上部緩衝材層の下に設けられた下部高分子樹脂層と、下部高分子樹脂層の下に設けられた下部緩衝材層とを備え、上部緩衝材層および下部緩衝材層の各々は、互いに交絡した複数の有機繊維、およびウレタンのうち少なくともいずれか一方を含み、上部緩衝材層の厚さは、下部緩衝材層の厚さよりも大きい。