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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023165794
(43)【公開日】2023-11-17
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20231110BHJP
【FI】
A63F7/02 304D
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023151795
(22)【出願日】2023-09-20
(62)【分割の表示】P 2019054338の分割
【原出願日】2019-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】000144522
【氏名又は名称】株式会社三洋物産
(74)【代理人】
【識別番号】100111095
【弁理士】
【氏名又は名称】川口 光男
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 一斗
(57)【要約】
【課題】回転体を用いた演出を好適に行うことのできる遊技機を提供する。
【解決手段】パチンコ機の可変表示装置ユニット35には演出役物ユニット761が配設されている。演出役物ユニット761は、回転可能に設けられた回転体と、該回転体を回転させるためのモータと、所定の光を出射可能な発光体とを備えている。前記回転体には、前記発光体から出射される光を透過可能な透光部を有した10個の装飾エリアが、該回転体の周方向に所定間隔をあけて等間隔に配置されている。そして、所定条件が成立した場合には、実際に装飾エリアが1区画分移動するエリア移動周期よりも、発光体の点滅周期が長くなる発光体点滅制御が実行される。
【選択図】 図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の契機に基づき抽選処理を行う抽選手段と、
前記抽選処理により当選結果が得られた場合に、所定の遊技価値を付与可能な遊技価値付与手段とを備えた遊技機において、
回転可能に設けられた回転体と、
前記回転体を回転させるモータと、
前記モータを駆動制御するモータ制御手段と、
所定の光を出射可能な発光体と、
前記発光体を制御可能な発光制御手段と、
遊技者が操作可能な所定の操作手段とを備え、
前記回転体には、前記発光体から出射される光を透過可能なM個(Mは1以上の整数)の透光部が、該回転体の周方向に所定間隔をあけて等間隔に配置され、
前記発光制御手段は、前記操作手段の操作に基づき所定条件が成立した場合に、前記透光部が前記所定間隔を移動する透光部移動周期よりも、前記発光体の点滅周期が長くなる発光体点滅制御を実行可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機等の遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
遊技機の一種としてパチンコ機がある。パチンコ機では、例えば遊技球を発射装置によって遊技領域に発射し、遊技領域に設けられた所定の入球手段に遊技球が入球すると当たり状態を発生させるか否か抽選を行い、これに伴い所定の表示装置において識別情報が変動表示され、前記抽選の結果に基づいた特定態様で識別情報が停止表示されると、遊技者に有利な当たり状態が発生し、遊技者は遊技価値を獲得することが可能となる。
【0003】
パチンコ機等の遊技機の中には、遊技者の興趣を向上させるべく、可動役物等の機械的動作を伴う演出を行うものも見受けられる。例えば可動役物として回転体を備え、所定のタイミングで回転体を回転させる演出を行うものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-109029号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、回転体を用いた演出には未だ改良の余地がある。
【0006】
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、その目的は、回転体を用いた演出を好適に行うことのできる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、請求項1に係る遊技機は、
所定の契機に基づき抽選処理を行う抽選手段と、
前記抽選処理により当選結果が得られた場合に、所定の遊技価値を付与可能な遊技価値付与手段とを備えた遊技機において、
回転可能に設けられた回転体と、
前記回転体を回転させるモータと、
前記モータを駆動制御するモータ制御手段と、
所定の光を出射可能な発光体と、
前記発光体を制御可能な発光制御手段と、
遊技者が操作可能な所定の操作手段とを備え、
前記回転体には、前記発光体から出射される光を透過可能なM個(Mは1以上の整数)の透光部が、該回転体の周方向に所定間隔をあけて等間隔に配置され、
前記発光制御手段は、前記操作手段の操作に基づき所定条件が成立した場合に、前記透光部が前記所定間隔を移動する透光部移動周期よりも、前記発光体の点滅周期が長くなる発光体点滅制御を実行可能に構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の遊技機によれば、回転体を用いた演出を好適に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態におけるパチンコ機を示す正面図である。
図2】パチンコ機を示す斜視図である。
図3】内枠及び前面枠セットを開放した状態を示す斜視図である。
図4】内枠及び遊技盤等の構成を示す正面図である。
図5】パチンコ機の構成を示す背面図である。
図6】内枠及び裏パックユニット等を開放した状態を示す斜視図である。
図7】可変表示装置ユニットの正面図である。
図8】可変表示装置ユニットの斜視図である。
図9】演出役物ユニットの正面図である。
図10】演出役物ユニットの斜視図である。
図11】演出役物ユニットの正面側からの分解斜視図である。
図12】演出役物ユニットの背面側からの分解斜視図である。
図13】回転体の正面図である。
図14】演出役物ユニットが下降した状態の可変表示装置ユニットの正面図である。
図15】パチンコ機の主な電気的構成を示すブロック図である。
図16】遊技制御に用いる各種カウンタの概要を示す説明図である。
図17】主制御装置によるメイン処理を示すフローチャートである。
図18】主制御装置による通常処理を示すフローチャートである。
図19】タイマ割込み処理を示すフローチャートである。
図20】始動入賞処理を示すフローチャートである。
図21】大当たり判定処理を示すフローチャートである。
図22】リーチ判定処理を示すフローチャートである。
図23】スルーゲート通過処理を示すフローチャートである。
図24】遊技状態チェック処理を示すフローチャートである。
図25】抽選モードフラグ、サポートモードフラグ、遊技状態特定カウンタ及び遊技状態判定値の対応関係を示す説明図である。
図26】第1表示制御処理を示すフローチャートである。
図27】変動終了時設定処理を示すフローチャートである。
図28】変動表示設定処理を示すフローチャートである。
図29】可変入賞装置制御処理を示すフローチャートである。
図30】第2表示制御処理を示すフローチャートである。
図31】開閉役物制御処理を示すフローチャートである。
図32】受信割込み処理を示すフローチャートである。
図33】払出制御装置のメイン処理を示すフローチャートである。
図34】タイマ割込み処理を示すフローチャートである。
図35】コマンド判定処理を示すフローチャートである。
図36】サブ制御装置の通常処理を示すフローチャートである。
図37】装飾図柄の決定に用いる各種カウンタの概要を示す説明図である。
図38】カウンタの更新処理を示すフローチャートである。
図39】サブ制御装置のコマンド判定処理を示すフローチャートである。
図40】変動表示設定処理を示すフローチャートである。
図41】保留表示設定処理を示すフローチャートである。
図42】大当たり種別を説明するための図である。
図43】第1大当たり種別判定テーブルの構成を示す図である。
図44】第2大当たり種別判定テーブルの構成を示す図である。
図45】(a)は、確変大当たり時・変動パターンテーブルの格納構成を示す図であり、(b)は、完全外れ時・変動パターンテーブルの格納構成を示す図である。
図46】通常状態の確変大当たり時・変動パターンテーブルの構成を示す図である。
図47】開閉パターン制御テーブルの構成を示す図である。
図48】通常状態における装飾図柄表示装置の表示態様の一例を示す模式図である。
図49】大当たり発生時における装飾図柄表示装置の表示態様の一例を示す模式図である。
図50】チャンスモード中における装飾図柄表示装置の表示態様の一例を示す模式図である。
図51】ゴールドモード中における装飾図柄表示装置の表示態様の一例を示す模式図である。
図52】ルーレット演出中における装飾図柄表示装置の表示態様の一例を示す模式図である。
図53】保留表示変更処理が行われた場合における装飾図柄表示装置の表示態様の一例を示す模式図である。
図54】駆動モータの動作原理を説明するための模式図である。
図55】駆動モータの駆動系を示すブロック図である。
図56】駆動モータの駆動特性を示すグラフ図である。
図57】励磁制御データと励磁順ポインタとの関係を示すテーブル図である。
図58】加速処理時の励磁時間テーブルの内容と加速カウンタの関係を示すテーブル図である。
図59】モータ制御処理を示すフローチャートである。
図60】役物演出設定処理の一部を示すフローチャートである。
図61】役物演出設定処理の一部であって、図60の続きを示すフローチャートである。
図62】(a)は、「終了」時・役物演出パターン決定テーブルの構成を示す図であり、(b)は、「次回まで」時・役物演出パターン決定テーブルの構成を示す図である。
図63】発光体の点滅周期と回転体(装飾エリア)の移動周期との関係を示すタイミングチャート図である。
図64】(a)~(c)は、発光体の点滅周期と回転体(装飾エリア)の移動周期との関係を説明するための図である。
図65】別の実施形態に係るスロットマシンを示す斜視図である。
図66】別の実施形態に係るリールユニットを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。ここで、図1はパチンコ機10の正面図であり、図2は斜視図であり、図3は内枠12及び前面枠セット14を開放した状態を示す斜視図である。図4は内枠12及び遊技盤30等の構成を示す正面図である。図5はパチンコ機10の背面図であり、図6は内枠12及び裏パックユニット203等を開放した状態を示す斜視図である。但し、図3では便宜上、遊技盤30面上に配設される釘や役物、前面枠セット14に取付けられるガラスユニット137等を省略して示している。
【0011】
図3等に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外郭を構成する外枠11を備えており、この外枠11の一側部に内枠12が開閉可能に支持されている。
【0012】
外枠11は、図6等に示すように、上辺枠構成部11a及び下辺枠構成部11bが木製の板材により構成され、左辺枠構成部11c及び右辺枠構成部11dがアルミニウム合金製の押出成形材により構成され、これら各枠構成部11a~11dがネジ等の離脱可能な締結具により全体として矩形枠状に組み付けられている。
【0013】
左辺枠構成部11cの上下端部には、それぞれ上ヒンジ81及び下ヒンジ82が取着されている(図1参照)。当該上ヒンジ81及び下ヒンジ82にて、内枠12の上下部が回動可能に支持されており、これにより内枠12が開閉可能となる。そして、外枠11の内側に形成される空間部に内枠12等が収容される。
【0014】
また、右辺枠構成部11dには、その幅方向後端部近傍から外枠11内側へ向け突出した延出壁部83が形成されている。延出壁部83は、内枠12の右側部背面側に設けられる施錠装置600(図6参照)に対応する上下区間全域を内枠12の背面側から覆っている(図5参照)。加えて、図3に示すように、延出壁部83の前面側には、施錠装置600の係止部材が係止される上下一対の受部84,85が設けられている。また、下側の受部85には、後述する内枠開放検知スイッチ92に当接する押圧部86が、外枠11内側に向けて突設されている。
【0015】
さらに、下辺枠構成部11bには樹脂製の幕板飾り87が取着されている。幕板飾り87の上面奥部には、上方に突出するリブ88が一体形成されている。これにより内枠12との間に隙間が形成されにくくなっている。
【0016】
図3に示すように、内枠12の開閉軸線は、パチンコ機10の正面からみて左側において上下に沿って設定されており、この開閉軸線を軸心として内枠12が前方側に開放できるようになっている。内枠12は、外形が矩形状をなす樹脂ベース38を主体に構成されており、当該樹脂ベース38の中央部には略楕円形状の窓孔39が形成されている。
【0017】
また、内枠12の前面側には前面枠セット14が開閉可能に取付けられている。前面枠セット14は、内枠12と同様に、パチンコ機10の正面から見て左側において上下に沿って設定された開閉軸線を軸心として前方側に開放できるようになっている。
【0018】
前面枠セット14は、内枠12と同様に外形が矩形状をなし、閉鎖状態においては内枠12の前面側ほぼ全域を覆う。前面枠セット14の中央部には略楕円形状の窓部101が形成されている。これにより、前面枠セット14の窓部101及び内枠12の窓孔39を介して、内枠12の後面に装着される遊技盤30(遊技領域)を外部から視認可能となる。遊技盤30の詳細な構成については後述する。
【0019】
図1に示すように、前面枠セット14の前面側には、その下部中央において球受皿としての下皿15が設けられており、排出口16より排出された遊技球が下皿15内に貯留可能になっている。また、下皿15の手前側には、下皿15内から遊技球を排出するための球抜きレバー25が設けられている。
【0020】
加えて、下皿15の左部には、遊技者が操作可能な操作手段としての演出ボタン125が設けられている。演出ボタン125は、遊技者が押圧操作(下方に向かって押す操作)可能に構成されている。また、下皿15の内部には、演出ボタン125の押圧操作を検出するための操作検出手段としての操作検出スイッチ(図示略)が設けられている。そして、演出ボタン125が押圧操作された場合には、前記操作検出スイッチから後述するサブ制御装置262へ操作検出信号が出力される。これにより、遊技者が演出ボタン125を押圧操作することで、後述する装飾図柄表示装置42等において対応する演出が行われたり、演出内容が変更されたりする。
【0021】
下皿15の右方には、手前側に突出した遊技球発射ハンドル(以下、単にハンドルという)18が設けられている。尚、ハンドル18には、図示しないタッチセンサや、ハンドル18の操作部の操作量を検出するための図示しない操作量検出手段が設けられている。
【0022】
下皿15の上方には上皿19が設けられている。上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する発射手段としての遊技球発射装置(以下、単に発射装置という)60の方へ案内する球受皿である。尚、上皿19が遊技球で満杯になった状態では、払出される遊技球は、後述する下皿連通路71及び排出口16を介して、下皿15へと案内される。
【0023】
上皿19には球貸しボタン121と返却ボタン122とが設けられている。これにより、遊技ホール等において、パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で球貸しボタン121が操作されると、その操作に応じて貸出球が上皿19に供給される。一方、返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。但し、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では球貸しボタン121及び返却ボタン122は不要である。
【0024】
さらに、上皿19には、球抜きボタン123が設けられている。球抜きボタン123が押圧操作されることで、上皿19の球案内路の下流側に設けられ、下皿15に連通する連通孔(図示略)が開口し、上皿19に貯留されていた遊技球が下皿15へと案内される(落下する)。つまり、遊技者は、球抜きボタン123を操作することで、上皿19にある遊技球をいつでも下皿15に移すことができる。
【0025】
また、前面枠セット14の前面にはその周囲に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅といった発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した枠ランプ102が設けられている。また、該枠ランプ102の両側部には、所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ104が設けられている。尚、枠ランプ102のうち各エラー表示ランプ104の上方部位には、前面枠セット14の背面に設けられるスピーカSP(図3参照)に対応して細かな透孔が多数形成されている。
【0026】
前面枠セット14の背面側にはガラスユニット137が取付けられている。ガラスユニット137は、従来の前後一対の矩形状の板ガラスが前後対をなして別々に取着されるものではなく、全体として丸形をなし、アッセンブリ化された上で取付けられている。
【0027】
次に、内枠12(樹脂ベース38)について図4を参照して説明する。上述した通り、内枠12(樹脂ベース38)には、窓孔39の後側において遊技盤30が装着されている。遊技盤30は、その周縁部が内枠12(樹脂ベース38)の裏側に当接した状態で取着されている。従って、遊技盤30の前面部の略中央部分が樹脂ベース38の窓孔39を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。
【0028】
また、内枠12(樹脂ベース38)の前面下部、すなわち窓孔39(遊技盤30)の下方位置には、発射装置60及び当該発射装置60より発射された直後の遊技球を案内する発射レール61が取付けられている。本実施形態では、発射装置60としてソレノイド式発射装置を採用している。また、発射装置60の上方には、上皿19から案内される遊技球を、内蔵された駆動手段(例えばソレノイド)の駆動により、1球ずつ発射装置60の発射位置へと案内する球送り装置63が設けられている。
【0029】
次に、遊技盤30の構成について図4を参照して説明する。遊技盤30には、一般入賞口31、可変入賞装置(大入賞口)32、上始動入賞口33A、下始動入賞口33B、スルーゲート34、可変表示装置ユニット35、第1特別表示装置43L及び第2特別表示装置43R等がルータ加工によって形成された貫通孔に配設され、遊技盤30前面側から木ネジ等により取付けられている。周知の通り一般入賞口31、可変入賞装置32、上始動入賞口33A、下始動入賞口33Bなどの各種入賞口に遊技球が入賞(入球)すると、各種検出スイッチにより検出され、上皿19(又は下皿15)へ所定数の賞球が払い出される。例えば、上始動入賞口33Aへの入賞があった場合には3個、下始動入賞口33Bへの入賞があった場合には1個、一般入賞口31への入賞があった場合には10個、可変入賞装置32への入賞があった場合には15個の遊技球が上皿19(下皿15)に払出される。その他に、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、一般入賞口31等の各種入賞口に入賞しなかった遊技球は、このアウト口36を通って遊技領域外へと排出される。
【0030】
ここで、上始動入賞口33Aが第1始動入球手段を構成し、下始動入賞口33Bが第2始動入球手段を構成し、可変入賞装置32が特定入球手段を構成する。
【0031】
また、遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。これにより、上述した始動入賞口33A,33B等への入賞が適度な確率で発生するように調整されている。
【0032】
可変入賞装置32は、遊技球が入賞可能な大入賞口32aと、当該大入賞口32aを開閉する開閉部材としての矩形平板状の開閉板32bと、当該開閉板32bを開閉駆動する大入賞口用ソレノイド(図示略)とを備えている。
【0033】
可変入賞装置32は、通常、遊技球が大入賞口32aへ入賞不能な閉状態となっている一方、後述する大当たりや小当たりが発生した場合など、所定条件が成立した場合には、大入賞口用ソレノイドを励磁することにより、開閉板32bがその下辺を回動軸として前方へ傾倒し、遊技球が大入賞口32aへ入賞可能な開状態となる。
【0034】
上始動入賞口33Aは、遊技球が常時入賞可能となっている。これに対し、下始動入賞口33Bには、開閉式の入賞補助装置として開閉役物37が設けられている。
【0035】
開閉役物37は、下端側を軸として左右方向に回動変位する開閉部材としての左右一対の可動羽根37aと、可動羽根37aを開閉駆動する始動入賞口用ソレノイド(図示略)とを備え、当該可動羽根37aが所定条件の成立に応じて開閉動作することにより、遊技領域を流下する遊技球が下始動入賞口33Bへ入賞可能な開状態と、遊技球が下始動入賞口33Bへ入賞不能な閉状態との間で状態変化可能に構成されている。
【0036】
尚、詳しくは後述するが、上始動入賞口33A,下始動入賞口33Bには、それぞれ入賞した遊技球を検知する第1始動入賞スイッチ224A,第2始動入賞スイッチ224Bが設けられている。当該始動入賞スイッチ224A,224Bにて遊技球が検知された場合に、大当たり状態等を発生させるか否かの当否抽選が行われるとともに、特別表示装置43L、43R(及び後述する装飾図柄表示装置42)にて変動表示が行われる構成となっている。そして、当否抽選にて当選した場合には、大当たり状態等が付与される。
【0037】
ここで、本実施形態における大当たり種別について詳しく説明する。図42に示すように、本実施形態では、大当たり種別として、「16R確変大当たりA」、「16R確変大当たりB」、「4R確変大当たりA」、「4R確変大当たりB」、「16R通常大当たりA」、「16R通常大当たりB」、「4R通常大当たりA」、「4R通常大当たりB」及び「JUB(Jump Up Bonus)大当たり」がある。
【0038】
「16R確変大当たりA」の大当たり状態においては、「長開放」を1回の特賞状態として、これが16回(16ラウンド)繰り返し行われる。
【0039】
本実施形態において、「長開放」とは、可変入賞装置32の開閉板32bが閉状態から開状態へ切換えられた後、規定時間の30秒が経過すること又は可変入賞装置32に規定個数の10個の遊技球が入賞することを条件に閉状態となるまでの一開閉動作をいう。
【0040】
「16R確変大当たりB」の大当たり状態においては、「長開放」を1回の特賞状態として、これが4回(4ラウンド)繰り返し行われた後、さらに「短開放」を1回の特賞状態として、これが12回(12ラウンド)繰り返し行われる。
【0041】
本実施形態において、「短開放」とは、可変入賞装置32の開閉板32bが閉状態から開状態へ切換えられた後、規定時間の0.4秒が経過すること又は可変入賞装置32に規定個数の3個の遊技球が入賞することを条件に閉状態となるまでの一開閉動作をいう。
【0042】
尚、本実施形態では、遊技者のハンドル18の操作に基づき、発射装置60から「0.6秒」に1個の割合で遊技球が遊技領域に向けて発射される構成となっている。これに対して、上記「短開放」では、開閉板32bの開放規定時間が0.4秒となっている。つまり、「短開放」の場合には、遊技球の発射周期よりも1回の開閉板32bの開放時間が短くなっている。従って、1回の「短開放」だけでは、1個の遊技球すら入賞しない場合もある。このため、「短開放」に対応した上記2つの閉鎖条件のうち入賞個数に係る条件(入賞個数3個)に基づいて開閉板32bが閉鎖されることはほとんどなく、一旦開放された開閉板32bは、通常、規定時間(0.4秒)の経過に基づいて閉鎖されることとなる。これにより、「短開放」の実行期間においては、その都度、実行期間が変化することが回避されている。
【0043】
「4R確変大当たりA」及び「4R確変大当たりB」の大当たり状態においては、「長開放」を1回の特賞状態として、これが4回(4ラウンド)繰り返し行われる。
【0044】
「16R通常大当たりA」の大当たり状態においては、「長開放」を1回の特賞状態として、これが8回(8ラウンド)繰り返し行われた後、さらに「短開放」を1回の特賞状態として、これが8回(8ラウンド)繰り返し行われる。
【0045】
「16R通常大当たりB」の大当たり状態においては、「長開放」を1回の特賞状態として、これが4回(4ラウンド)繰り返し行われた後、さらに「短開放」を1回の特賞状態として、これが12回(12ラウンド)繰り返し行われる。
【0046】
「4R通常大当たりA」及び「4R通常大当たりB」の大当たり状態においては、「長開放」を1回の特賞状態として、これが4回(4ラウンド)繰り返し行われる。
【0047】
「JUB大当たり」の大当たり状態においては、「短開放」を1回の特賞状態として、これが5回繰り返し行われた後、さらに「長開放」を1回の特賞状態として、これが15回繰り返し行われる。換言すれば、1ラウンド目に5回の「短開放」が行われ、2ラウンド目~16ラウンド目にそれぞれ「長開放」が行われることとなる。
【0048】
また、上記各種「確変大当たり」及び「JUB大当たり」が発生した場合には、その大当たり状態の終了後の抽選モードとして「高確率モード(高確率状態)」が付与される。一方、各種「通常大当たり」が発生した場合には、その大当たり状態の終了後に「低確率モード(低確率状態)」が付与される。
【0049】
「高確率モード」とは、通常時に設定される「低確率モード」に比べ、大当たり確率がアップした状態をいう。大当たり終了後に設定された「高確率モード」は、次回の大当たり状態が発生するまで継続する。
【0050】
また、上記各種大当たりの終了後には、特別表示装置43L、43Rにて所定回数の変動表示が行なわれる間、又は、次回の大当たり状態が発生するまでの間、開閉役物37に係る入賞サポートモードとして「高サポートモード(高入球状態)」が付与される。
【0051】
「高サポートモード」とは、通常時に設定される「低サポートモード(低入球状態)」に比べ、下始動入賞口33Bの開閉役物37における単位時間あたりの閉状態に対する開状態の割合が多くなった状態をいう。
【0052】
例えば「高サポートモード」としては、(1)後述の普通図柄表示装置41における変動表示時間が「低サポートモード」時よりも短い状態、(2)開閉役物37の可動羽根37aの一回の開放時間(規定時間)が「低サポートモード」時に比べて長い状態、(3)可動羽根37aの一回の開放につき入賞可能となる遊技球の規定個数が「低サポートモード」時に比べて多い状態、(4)スルーゲート34を遊技球が通過することに起因した開閉役物37の開放抽選により当選結果が得られた場合一回につき行う可動羽根37aの開閉処理の実行回数が「低サポートモード」時に比べて多い状態、(5)開閉役物37の開放抽選における当選確率が「低サポートモード」時の当選確率よりも高い状態とすることなどが挙げられる。本実施形態における高サポートモードでは、上記(1)、(2)、(5)の構成を採用している。勿論、これに限らず、「高サポートモード」として、構成(1)~(5)のいずれか1つ、又は、これら構成(1)~(5)の任意の組合せを採用してもよい。これにより、下始動入賞口33Bに対し遊技球が頻繁に入賞しやすくなり、大当たり抽選の実行される回数が増えると共に、球持ちのよい状態となる。
【0053】
また、本実施形態では、「高サポートモード」が付与された状態では、後述するように変動パターンテーブルを「高サポートモード」用のテーブルに変更することで、第1及び第2特別表示装置43L、43R(装飾図柄表示装置42)における変動表示時間が「低サポートモード」時よりも短い状態となるように構成されている。
【0054】
本実施形態では、「16R確変大当たりA」及び「4R確変大当たりA」の終了後には、次回の大当たり状態が発生するまでの間、「高サポートモード」が付与される。当該「高サポートモード」を以下、「次回まで・高サポートモード」という。
【0055】
「16R確変大当たりB」及び「4R確変大当たりB」の終了後には、特別表示装置43L、43Rにて「20回」、「30回」、「40回」又は「50回」の変動表示が行なわれる間、「高サポートモード」が付与される。当該「高サポートモード」を以下、それぞれ「20回・高サポートモード」、「30回・高サポートモード」、「40回・高サポートモード」又は「50回・高サポートモード」という。
【0056】
「16R通常大当たりA」及び「4R通常大当たりA」の終了後には、特別表示装置43L、43Rにて「30回」の変動表示が行なわれる間、「高サポートモード」が付与される。当該「高サポートモード」を以下、「30回・高サポートモードS」という。
【0057】
「16R通常大当たりB」及び「4R通常大当たりB」の終了後には、「20回・高サポートモード」、「30回・高サポートモード」、「40回・高サポートモード」又は「50回・高サポートモード」が付与される。
【0058】
「JUB大当たり」の終了後には、「次回まで・高サポートモード」が付与される。
【0059】
本実施形態では、上記各種モードが組み合わさることで、様々な遊技状態が発生することとなる。
【0060】
例えば「高確率モード」と「高サポートモード」が付与された状態となれば、いわゆる「確変状態(確率変動状態)」となる。
【0061】
「低確率モード」と「低サポートモード」とが付与された状態となれば、いわゆる「通常状態」となる。
【0062】
「低確率モード」と「高サポートモード」が付与された状態となれば、いわゆる「時短状態(時間短縮状態)」となる。
【0063】
「高確率モード」と「低サポートモード」とが付与された状態となれば、いわゆる「潜確状態(潜伏確変状態)」となる。つまり、「潜確状態」となると、単に大当たり確率が高められるだけで、表面上は「通常状態」の場合と何ら変わりのない状態となるため、「高確率モード」が付与されている状態を遊技者が認識しにくい状態となる。
【0064】
また、本実施形態では、上記各種「大当たり」とは別に、上記当否抽選にて所定の結果が得られた場合に「小当たり」が発生する構成となっている。小当たり状態においては、「短開放」を1回の特賞状態として、これが5回(5ラウンド)繰り返し行われる。但し、小当たり状態終了後に付与される抽選モード及び入賞サポートモードは、小当たり状態発生前の元のモードである。例えば、小当たり状態発生前の抽選モードが「高確率モード」であれば、小当たり状態終了後にも「高確率モード」が維持される。
【0065】
尚、詳しくは後述するが、本実施形態では、遊技球が上始動入賞口33Aに入賞した場合と、下始動入賞口33Bに入賞した場合とで、当否抽選にて当選した場合に付与される大当たり種別の振分けが異なるようになっている。上始動入賞口33Aへの遊技球の入賞を契機とする当否抽選に当選した場合には、「16R確変大当たりA」、「16R確変大当たりB」、「4R確変大当たりA」、「4R確変大当たりB」、「16R通常大当たりA」、「16R通常大当たりB」及び「4R通常大当たりB」のいずれかに振分けられ、下始動入賞口33Bへの遊技球の入賞を契機とする当否抽選に当選した場合には、「16R確変大当たりA」、「4R確変大当たりA」、「4R通常大当たりA」及び「JUB大当たり」のいずれかに振分けられることとなる。また、「小当たり」に関しても、下始動入賞口33Bへの遊技球の入賞を契機とする当否抽選に当選した場合のみ発生する構成となっている。
【0066】
第1及び第2特別表示装置43L、43Rは、それぞれ2つのセグメント表示装置により構成され、遊技盤30の下部に設置されている。各セグメント表示装置には、それぞれ8個の表示用セグメントが設けられている。各表示用セグメントは、LEDからなる個別の光源を有しており、それら個別の光源がオンオフ制御されることで、任意の1個の表示用セグメントのみを点灯させることができるとともに、任意の組み合わせの表示用セグメントを点灯させることができる。これにより、各セグメント表示装置には、それぞれ個別に所定の記号(アルファベットや数字を含む)が表示されることとなる。
【0067】
そして、上始動入賞口33Aへの遊技球の入賞を契機として第1特別表示装置43Lにて変動表示が行われ、下始動入賞口33Bへの遊技球の入賞を契機として第2特別表示装置43Rにて変動表示が行われる構成となっている。尚、特別表示装置43L、43Rは、後述する主制御装置261によって表示内容が直接的に制御される。第1特別表示装置43Lが第1表示手段を構成し、第2特別表示装置43Rが第2表示手段を構成する。
【0068】
また、第1及び第2特別表示装置43L、43Rにて変動表示が行われた後、当該変動表示が停止したときの表示態様により、大当たり抽選に当選したか否か等が確定的に表示される。例えば、上始動入賞口33Aに遊技球が入賞すると、対応する第1特別表示装置43Lにて高速で変動表示がなされ、所定時間が経過すると、いずれかの表示態様を停止表示(例えば数秒間停止)する。そして、大当たり抽選に当選した場合には、各種大当たりに対応する数値等(図42参照)が変動停止時に表示され、大当たり状態が発生する。
【0069】
図42に示すように、例えば「16R確変大当たりA」に当選した場合には、第1又は第2特別表示装置43L、43Rにおいて「9-」が停止表示され、「50回・高サポートモード」付きの「16R確変大当たりB」に当選した場合には、第1又は第2特別表示装置43L、43Rにおいて「84」が停止表示される。また、「JUB大当たり」に当選した場合には、第1又は第2特別表示装置43L、43Rにおいて「1.-」が停止表示され、「小当たり」に当選した場合には、第1又は第2特別表示装置43L、43Rにおいて「1-」が停止表示される。ここで、「JUB大当たり」に係る停止態様「1.-」と、「小当たり」に係る停止態様「1-」のように、「JUB大当たり」の演出効果を高める上では、両者の停止態様が紛らわしい構成となっていることが好ましい。
【0070】
勿論、各種当たりに対応する特別表示装置43L、43Rの停止態様は、上記態様に限定されるものではない。例えば、1つの当たり種別を示す第1又は第2特別表示装置43L、43Rの停止態様が1つではなく複数存在してもよい。例えば「16R確変大当たりA」に当選した場合には、第1又は第2特別表示装置43L、43Rにおいて「91」,「92」,「93」,・・・のいずれかが選択されて停止表示される構成としてもよい。
【0071】
尚、1つの当たり種別を示す第1又は第2特別表示装置43L、43Rの停止態様が複数存在している場合においても、「JUB大当たり」に係る複数の停止態様と、「小当たり」に係る複数の停止態様とが紛らわしい構成となっていることが好ましい。例えば、「JUB大当たり」に係る複数の停止態様として「-1.」,「-2」,「-3.」,「-4」,・・・のいずれかが停止表示され、「小当たり」に係る複数の停止態様として「-1」,「-2.」,「-3」,「-4.」,・・・のいずれかが停止表示される構成してもよい。かかる構成では、所定の表示用セグメント(ここでは「.」)が点灯した特定記号(ここでは「1」,「2」,「3」,・・・)と、点灯していない特定記号のペアのうちの一方が「JUB大当たり」に係る複数の停止態様に含まれ、他方が「小当たり」に係る複数の停止態様に含まれると共に、それらが交互に入れ違いになった構成となっている。
【0072】
また、任意又は全ての表示用セグメントにおいて表示される色を適宜変更可能な構成としてもよい。
【0073】
また、第1又は第2特別表示装置43L、43Rの変動表示中に新たに遊技球が始動入賞口33A,33Bに入賞した場合には、その分の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施形態では、上始動入賞口33Aに入賞した遊技球、及び下始動入賞口33Bに入賞した遊技球に対応して、それぞれ4回までの変動表示(合計8回の変動表示)が保留される。また、その保留回数が第1保留ランプ46a、第2保留ランプ46bにて点灯表示されるようになっている。尚、大当たり状態中に新たに遊技球が始動入賞口33A,33Bに入賞した場合、その分の変動表示についても保留される。
【0074】
尚、基本的に、上始動入賞口33Aへの入賞を契機とする変動表示は、対応する遊技球が上始動入賞口33Aへ入賞した順に記憶されるとともに入賞した順に消化され、下始動入賞口33Bへの入賞を契機とする変動表示は、対応する遊技球が下始動入賞口33Bへ入賞した順に記憶されるとともに入賞した順に消化される。但し、上始動入賞口33Aへの入賞を契機とする変動表示、及び、下始動入賞口33Bへの入賞を契機とする変動表示の両方が保留されている場合(第1保留ランプ46a及び第2保留ランプ46bがそれぞれ1つ以上点灯している場合)には、下始動入賞口33Bへの入賞を契機とする変動表示が優先的に消化される。すなわち、下始動入賞口33Bへの入賞を契機とする変動表示が全て消化された状態でなければ、上始動入賞口33Aへの入賞を契機とする変動表示が行われない構成となっている。例えば、第1保留ランプ46aが1つ点灯している状態において、下始動入賞口33Bに遊技球が入賞し、第2保留ランプ46bが1つ点灯した場合、上始動入賞口33Aへの入賞を契機とする変動表示が後回しにされ、先に下始動入賞口33Bへの入賞を契機とする変動表示が行われることとなる。以下、説明の便宜上、上始動入賞口33Aへの入賞を契機とする変動表示を「第1変動表示」とも称し、下始動入賞口33Bへの入賞を契機とする変動表示を「第2変動表示」とも称する。
【0075】
また、スルーゲート34は、遊技領域を流下する遊技球が1球ずつ通過可能に構成されている。詳しくは後述するが、スルーゲート34は、当該スルーゲート34を通過する遊技球を検知可能なスルーゲートスイッチ225を備えており、当該スルーゲートスイッチ225にて遊技球が検知された場合に、開閉役物37(下始動入賞口33B)を開状態とするか否かの開放抽選が行われるとともに、普通図柄表示装置41にて変動表示が行われる構成となっている。そして、開放抽選にて当選した場合には、開閉役物37が規定時間だけ開状態とされる。
【0076】
可変表示装置ユニット35には、スルーゲート34の通過を契機として変動表示する普通図柄表示装置41と、第1及び第2特別表示装置43L、43Rによる変動表示に合わせて変動表示する装飾図柄表示装置42とが設けられている。普通図柄表示装置41が本実施形態における第3表示手段を構成する。
【0077】
さらに、可変表示装置ユニット35には、装飾図柄表示装置42にて行われている変動表示が上始動入賞口33A及び下始動入賞口33Bのうちどちらの入賞に対応するものであるかを示す変動特定ランプ40が設けられている。
【0078】
普通図柄表示装置41は、普通図柄として「○」又は「×」を点灯表示可能に構成されており、遊技球がスルーゲート34を通過する毎に例えば普通図柄を「○」→「×」→「○」→・・・という具合に高速で変動表示する。そして、その変動表示が「○」図柄(当選図柄)で数秒間停止した場合には、下始動入賞口33Bの開閉役物37が所定時間だけ開状態となる。この普通図柄表示装置41は、後述する主制御装置261によって直接的に表示内容が制御される。
【0079】
また、普通図柄表示装置41の変動表示中に、新たに遊技球がスルーゲート34を通過した場合には、その分の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施形態では4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ44にて点灯表示されるようになっている。
【0080】
装飾図柄表示装置42は液晶表示装置により構成されており、後述するサブ制御装置262及び表示制御装置45によって表示内容が制御される。すなわち、装飾図柄表示装置42においては、第1及び第2特別表示装置43L、43Rにて表示される結果に対応させるように、主制御装置261からのコマンドに基づき、サブ制御装置262によって補助的な表示内容が決定され、後述する表示制御装置45によって表示が行われる。
【0081】
装飾図柄表示装置42には、図48に示すように、例えば上、中及び下の3つの図柄表示領域が設けられ、各図柄表示領域において複数種類の図柄(数字)が順次表示され(変動表示され)、その後、図柄表示領域毎に順番に(例えば、上図柄表示領域→下図柄表示領域→中図柄表示領域の順に)図柄が停止表示されるようになっている。例えば、主制御装置261にて上記各種「確変大当たり」又は各種「通常大当たり」が確定すると、第1又は第2特別表示装置43L、43Rにて大当たりに対応する表示がなされるとともに、装飾図柄表示装置42にて図柄が大当たりに対応する組合わせで停止表示され(例えば、上図柄表示領域、中図柄表示領域、及び下図柄表示領域にて停止表示される図柄が同一となり)、大当たり状態が開始される。なお、「JUB大当たり」又は「小当たり」の場合、後述するように装飾図柄表示装置42にて停止表示される図柄の組合わせは、大当たりに対応するものではない。
【0082】
また、図柄が大当たりに対応する組合わせで停止表示される場合には、その前段階として、例えば、上図柄表示領域及び下図柄表示領域において同一の図柄が停止表示されることとなる。このように上図柄表示領域及び下図柄表示領域にて同一図柄が停止表示されるとともに、中図柄表示領域において未だ変動表示が行われている状態がリーチ状態である。
【0083】
尚、リーチ状態が発生しても、大当たり状態が発生しない場合には、上図柄表示領域及び下図柄表示領域において停止表示された図柄とは異なる図柄が中図柄表示領域において停止表示される。また、各種「確変大当たり」又は各種「通常大当たり」となる場合には、上記のように装飾図柄表示装置42においてゾロ目の数字が停止表示されるのではあるが、本実施形態では 停止表示された図柄の種類によっては、大当たり終了後に付与される遊技状態(「高確率モード」か否か等)が判別不能となっている。
【0084】
また、「JUB大当たり」又は「小当たり」となる場合には、ゾロ目ではなく、予め定められた特定の数字の組合わせ(以下、チャンス図柄と称する)が停止表示される。例えば、本実施形態では、上・中・下図柄表示領域において、「3」・「4」・「1」が停止表示される。これにより、遊技者は、チャンス図柄が停止表示された場合に、より遊技者に有利な「JUB大当たり」と、それほど有利ではない「小当たり」との区別をつけることができず、「JUB大当たり」が発生することの期待を抱くことができるので、遊技者の趣向低下を抑制することができる。
【0085】
勿論、「JUB大当たり」となる場合と、「小当たり」となる場合とで、上・中・下図柄表示領域に停止表示される特定の数字の組合わせが異なる構成としてもよい。また、「JUB大当たり」又は「小当たり」となる場合に、予め定められた特定の数字の組合わせではなく、表面上、外れ時と同様に、ランダムな外れの組合わせで停止表示されるようにしてもよい。
【0086】
また、装飾図柄表示装置42では、上記保留ランプ46a,46bに対応して、特別表示装置43L,43Rにおける変動表示の保留数が表示される構成となっている(図48等参照)。
【0087】
尚、本実施形態では、前面枠セット14を閉鎖した際、当該前面枠セット14によって特別表示装置43L,43R及び保留ランプ46a,46bが覆われた状態となり、遊技者によって視認不能な状態となる。従って、遊技者は、専ら装飾図柄表示装置42の表示内容(図柄表示や保留表示等)によって遊技状態や抽選結果等を把握することとなる。
【0088】
勿論、特別表示装置43L,43R及び保留ランプ46L,46Rの構成は、このような構成に限定されるものではなく、他の構成を採用してもよい。例えば、特別表示装置43L,43R等が視認可能な構成となっていてもよい。但し、特別表示装置43L、43Rは、上記のように遊技領域の下隅といった遊技者の目につきにくい目立たない場所に設けられるとともに、その表示部の大きさも小さく、判別用の文字が停止表示される時間も比較的短い。従って、特別表示装置43L、43Rから目を離さず、注意深く観察していなければ、付与さえる遊技状態を把握することは実質的に不可能である。
【0089】
変動特定ランプ40は、発光色が青色のLED及び発光色が赤色のLEDを備えており、装飾図柄表示装置42において、上始動入賞口33Aへの入賞を契機とする変動表示が行われている場合には青色に発光し、下始動入賞口33Bへの入賞を契機とする変動表示が行われている場合には赤色に発光する。
【0090】
次に可変表示装置ユニット35の構成について詳しく説明する。本実施形態では、図7,8に示すように、センターフレーム47が遊技盤30の前面側に固定され、フレームカバー213が遊技盤30の裏面に固定されることによって、可変表示装置ユニット35として一体化される構成となっている。
【0091】
フレームカバー213には、その中央部に矩形状の開口部213aが形成されており、その背面側に液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42が着脱自在に取付けられている。
【0092】
可変表示装置ユニット35には、センターフレーム47とフレームカバー213との間(センターフレーム47の上辺部47a裏側)において、演出役物ユニット761が配設されている。通常時、演出役物ユニット761は、センターフレーム47の上辺部47aによって、ほぼ全体が覆われた状態となっている。
【0093】
センターフレーム47は、その中央に略円形状の開口部751が形成された枠体形状をなし、当該開口部751を介して装飾図柄表示装置42の液晶表示部42aが視認可能となる。
【0094】
尚、センターフレーム47は、単一部材から構成されているわけではなく、例えばベース部材に対し、メッキ等の施された各種装飾部材や、LED等の光を透過する透明樹脂製のレンズ部材などが組付けられてなる。
【0095】
センターフレーム47の下辺部47bの上面には、左右方向に沿ってステージ部770が設けられている。ステージ部770には、左右方向に沿って緩やかな起伏が形成されている。
【0096】
ステージ部770の後壁部772の中央部には、前方に向け開口し、遊技球が落下可能な落下孔774が形成されている。また、ステージ部770の中央部の下方(内部)には、前記落下孔774に通じる連通路775が設けられている。連通路775の他方側は、センターフレーム47の下辺部47bの前側に開口し、落下孔774へ落下した遊技球を遊技盤30面上へ排出するための排出口776となっている。なお、センターフレーム47が遊技盤30に配設された状態では、図4に示すように、排出口776は上始動入賞口33Aの上方に位置する。
【0097】
ステージ部770の中央部には、落下孔774の前方位置において、奥側へ緩やかに下り傾斜となった誘導溝778が形成されている。これにより、ステージ部770から落下孔774へ遊技球が落下可能な構成となっている。
【0098】
センターフレーム47の左辺部47cには、その内部に、遊技球を通過させる球通路(ワープ流路)764が形成されている。球通路764の入口部764aは、センターフレーム47の左辺部47cの上下方向略中央部に開口している一方、出口部764bは、センターフレーム47の下辺部47bの上面(ステージ部770)に向け開口している。この球通路764により、遊技盤30面上を流下する遊技球をセンターフレーム47内のステージ部770上へ案内することができる。
【0099】
ステージ部770上に案内された遊技球は、ステージ部770上を転動した後、前方から遊技盤30面上に転落したり、上述した落下孔774へ落下したりする。このうち、落下孔774へ落下した遊技球は、連通路775を介して遊技盤30面上へ案内される。排出口776から排出された遊技球は比較的高い確率で上始動入賞口33Aに入球する。
【0100】
次に、演出役物ユニット761について図9図14を参照して詳しく説明する。演出役物ユニット761は、センターフレーム47の上辺部47a裏側に取付固定されるユニットベース部801と、該ユニットベース部801の前面側にて上下動可能に設けられた役物本体802と、該役物本体802を上下駆動させるための上下駆動機構803とを備えている。
【0101】
上下駆動機構803は、役物本体802を左右両側から支持する左右一対の支持アーム804A,804Bと、駆動源となる上下動用モータ805と、該上下動用モータ805の動力を役物本体802等に伝達する動力伝達機構806とを備えている。
【0102】
役物本体802、並びに、両支持アーム804A,804B及び動力伝達機構806は、それぞれ各種カム機構や各種連結部材(符号略)を介して連動可能に組付けられている。そして、動力伝達機構806が上下動用モータ805の駆動に基づき動作することにより、役物本体802が上下動するように構成されている。
【0103】
ここで、役物本体802について詳しく説明する。役物本体802は、裏面側に配設されるベース部材809と、前面側に配設されるカバー部材810とを備えている。
【0104】
ベース部材809の上縁部には、両支持アーム804A,804Bとそれぞれ係合する左右一対の係合突部809a,809bが設けられている。また、ベース部材809の略円弧状の下縁部には下縁装飾部809cが設けられている。但し、図11、12においては、ベース部材809を簡素化して図示しているため、係合突部809a,809bや下縁装飾部809cをはじめ、細部の構成部分については省略されている。
【0105】
カバー部材810には、その一般部810aから前方へ突出するように収容部811が形成されている。収容部811は、円筒状の周壁部811aと、該周壁部811aの前面側を塞ぐように形成された前壁部811bとを有し、カバー部材810の裏面側に開口している。
【0106】
カバー部材810は、収容部811を含む全体が透明樹脂材料など、透光性を有する素材により一体形成されている。特に収容部811の前壁部811bは、図示しない微細なレンズの集合体からなり、全体として光を均一に透過可能なレンズ部として機能する。以下、「収容部811の前壁部811b」を「円形レンズ部812」と称する。
【0107】
円形レンズ部812の中央部には、前後方向に貫通した貫通孔812aが形成されている。円形レンズ部812の背面側には、貫通孔812aの周囲において複数のボス812bが後方に向け突出形成されている。
【0108】
収容部811の内部(円形レンズ部812の背面側)には、円盤状のLED基板813が取付固定されている。
【0109】
LED基板813の中央部には、前後方向に貫通した貫通孔813aが形成されている。貫通孔813aの内周面には、円形レンズ部812のボス812bが嵌め込まれる複数の嵌め込み部813bが形成されている。これにより、LED基板813は、収容部811に対し周方向へ変位不能に取付けられた状態となる。
【0110】
LED基板813の前面側には、光源として、所定間隔をあけて環状配列された複数のLED813cが設けられている。各LED813cは、それぞれ赤色(R)を発するLEDチップ、緑色(G)を発するLEDチップ、及び青色(B)を発するLEDチップの3種類のLEDチップ(発光素子)を1つのパッケージ内に収容した構造のマルチカラーLEDであって、RGB各色の発光量を調節することにより、任意の色(可視光)で発光可能となる。
【0111】
各LED813cは、それぞれ図示しないトランジスタ等のスイッチング素子を介して、演出役物ユニット761の発光制御部(図示略)に接続されている。そして、演出役物ユニット761の発光制御部は、サブ制御装置262からの指令等に基づき、スイッチング素子を駆動制御(オン・オフ制御)する等して、各LED813c(RGB3種類のLEDチップそれぞれ)を点灯制御している。従って、本実施形態では、サブ制御装置262が発光制御手段を構成することとなる。
【0112】
収容部811の内部(円形レンズ部812の背面側)には、軸受部814が取付固定されている。軸受部814は、前後方向に貫通した円筒状の軸受筒部814aと、該軸受筒部814aの後端側に設けられた複数の固定片814bとを備えている。
【0113】
そして、軸受部814は、軸受筒部814aが円形レンズ部812の貫通孔812a及びLED基板813の貫通孔813aに挿し込まれると共に、固定片814bがボス812bに対しネジ止め等されることにより、固定される。
【0114】
カバー部材810の前面側には、収容部811(円形レンズ部812)を覆うように回転体820が組付けられている。回転体820は、円筒状の周壁部820aと、該周壁部820aの前面側を塞ぐように形成された円形装飾部820bとを有し、全体として裏面側が開口した有底筒状に形成されている。
【0115】
回転体820は、円形装飾部820bの裏面側から後方へ突出形成された回転軸部820cを備え、該回転軸部820cを軸心として回転可能に組付けられている。そして、回転体820がカバー部材810に組付けられた状態において、回転軸部820cは、円形レンズ部812の貫通孔812aに挿し込まれた軸受部814の軸受筒部814aに挿し込まれ、その後端部が軸受部814の後端部から突出している。
【0116】
カバー部材810の背面側には、回転体820を駆動させるための回転体用駆動モータ817と、その動力を回転体820へ伝達するためのギア部材818とが設けられている。
【0117】
回転体用駆動モータ817は、ケース部材819を介してネジ止め等によりカバー部材810に対し取付固定されている。回転体用駆動モータ817には、その回転軸にギア部材817aが取付けられている。
【0118】
ギア部材818は円盤状に形成されている。ギア部材818の中央部には、前方に向けて突出形成された筒状の固定筒部818aが形成されている。ギア部材818の外周縁部には、ギア部818bが形成されている。
【0119】
ギア部材818の固定筒部818aには、軸受部814の後端部から突出した回転体820の回転軸部820cの後端部が挿し込まれ、図示しない固定手段により固定されている。尚、回転軸部820cの後端部の外周部及び固定筒部818aの内周部はそれぞれ断面D字状に形成され、これらが合致するように組付けられている。これにより、ギア部材818と回転体820は相対変位不能に組付けられた状態となる。
【0120】
ギア部材818のギア部818bは、回転体用駆動モータ817のギア部材817aと噛合している。これにより、回転体用駆動モータ817が回転すると、回転体820が回転することとなる。
【0121】
尚、本実施形態(図11図12に示した例)では、回転体用駆動モータ817のギヤ部材817aと、ギヤ部材818のギヤ部818bとのギヤ比(歯車比)が1:20に設定されている。これにより、かかるギヤ比の分だけ、回転体820の回転速度は低下するものの、回転体820を低トルクで回転させることが可能となるため、回転体用駆動モータ817の大型化を抑制し、ひいては演出役物ユニット761の大型化を抑制することができる。
【0122】
回転体用駆動モータ817は、後述するモータドライバ825を介して印加される駆動パルス信号によって回転制御されるステッピングモータであり、入力パルス数に応じて回転角度が変化する。つまり、駆動パルス信号を調整することにより、回転体820の回動変位量や回転速度を制御できる。同時に、入力される駆動パルス信号数を監視することによって基準位置からの回転体820の回動変位量を把握することができる。
【0123】
かかる構成の下、本実施形態では、例えば360パルスの励磁信号(駆動パルス信号)により回転体用駆動モータ817が1回転するよう構成されている。つまり、1パルスの励磁信号に基づく角度変化(1ステップあたりの角度変化)は1°となる。
【0124】
従って、本実施形態ではタイマ割込みが2msecに設定されているため、回転体用駆動モータ817が1回転するには、720msec(=2msec×360パルス)を要することとなる。
【0125】
つまり、上記のように、回転体用駆動モータ817のギヤ部材817aと、ギヤ部材818のギヤ部818bとのギヤ比(歯車比)が1:20に設定された構成の下、回転体用駆動モータ817が360パルスの励磁信号で1回転する場合には、回転体820は、14400msec(=2msec×360パルス×20)で1回転することとなる。
【0126】
但し、両者のギヤ比は、これに限定されるものではなく、異なるギヤ比としてもよい。例えばギヤ比を1:1としてもよい。また、ギヤ部材818を省略し、回転体用駆動モータ817の回転軸と、回転体820の回転軸とが同一軸線上に並ぶように、両者がギヤ等を介さず直列に連結される構成としてもよい。
【0127】
従って、これ以降においては、説明を分かりやすくするため、回転体用駆動モータ817のギヤ部材817aと、ギヤ部材818のギヤ部818bとのギヤ比(歯車比)が1:1に設定されているものとして、回転体820の回転制御処理や原点位置検出処理などについて説明を行うこととする。つまり、回転体820が360パルス(720msec)で1回転するものとして各種説明を行っていくこととする。
【0128】
LED基板813の背面側には、回転体820(ギア部材818)の回動位置を把握するための位置検出センサ821が取付けられている。本実施形態では、発光素子と受光素子とを離間して対向配置したフォトセンサを採用している。
【0129】
これに対応して、ギア部材818の前面には遮光片818cが突出形成されている。そして、回転体820(ギア部材818)が回動変位して位置検出センサ821により遮光片818cが検出されることにより、回転体820が基準位置にあることが把握される。
【0130】
次に回転体820の円形装飾部820bの構成について詳しく図13を参照しつつ説明する。
【0131】
円形装飾部820bは、その中央部において略ドーム状の中央透光部830を備えると共に、その周囲が10個の装飾エリアE(第1装飾エリアE1~第10装飾エリアE10)に区画されている。
【0132】
各装飾エリアE(E1~E10)は、回転体820の回転軸を中心に所定角度36°(360°/10)の等角度間隔に区分けしたものである。つまり、回転体820の周方向(回転方向)における各装飾エリアEの幅は同一で、それぞれ回転体820の所定回転角度36°に対応した長さ(等角度間隔)となっている。
【0133】
各装飾エリアEには、それぞれ第1透光部831a,第2透光部831b,第3透光部831c,第4透光部831d,第5透光部831eが形成されている。
【0134】
また、隣接する2つの装飾エリアE間の境界部には、それぞれ回転体820の径方向に沿って境界透光部832が形成されている。
【0135】
従って、回転体820の周方向に隣接する2つの装飾エリアEにおける第1透光部831a同士、第2透光部831b同士、第3透光部831c同士、第4透光部831d同士、第5透光部831e同士、並びに、回転体820の周方向に隣接する2つの境界透光部832同士は、回転体820の周方向における距離が、回転体820の所定回転角度36°に対応した長さとなっている。
【0136】
つまり、回転体820は、36°回転する毎に、同一の見た目となるよう構成されている。
【0137】
また、回転体820は、中央透光部830等の上記各透光部を除く、他の部位(図13において散点模様を付した部分)が、光の透過を遮る遮光部となっている。
【0138】
かかる構成により、LED基板813の各LED813cから出射され、円形レンズ部812を介して、円形装飾部820bの背面側に照射された光は中央透光部830等の上記各透光部を透過して、円形装飾部820bの前面側から視認可能となる。
【0139】
尚、上述したように、円形レンズ部812は、全体として光を均一に透過可能に構成されているため、LED基板813の全てのLED813cを点灯した場合、円形レンズ部812全体が面発光した状態となる。従って、以下の説明においては、LED基板813(LED813c)及び収容部811(円形レンズ部812)の組付体を、これらの現実の構成自体に拘束されず、便宜上、1つの機能構成体として「発光体850」と称する場合もある。
【0140】
さて、遊技盤30には、内レール構成部51と外レール構成部52とからなり、発射装置60から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するレール50が取付けられている。これにより、ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は発射レール61及びレール50を通じて、遊技盤30とガラスユニット137との間に形成される遊技領域内に案内される。
【0141】
内レール構成部51の先端部分(図4の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、レール50から遊技領域へと案内された遊技球が再度レール50内に戻ってしまうといった事態が防止される。
【0142】
また、本実施形態では、外レール構成部52が遊技盤30の右上部で途絶え、内レール構成部51が遊技盤30の右下部で途絶えている。このため、遊技領域は、レール50及び樹脂ベース38の窓孔39の内周面により画定される。但し、発射装置60にて打出された遊技球が、戻り球防止部材53を通過するまでは、レール50を逆流する場合があるため、内外レール構成部51,52の並行部分は遊技領域から除かれる。
【0143】
図3に示すように、前面枠セット14の背面側には、窓部101の下方において、球通路ユニット70が設けられている。球通路ユニット70は、後述する払出機構部352から下皿15の排出口16へ繋がる下皿連通路71と、払出機構部352から上皿19へ繋がる上皿連通路73と備えている。また、内枠12に設けられた発射レール61とレールユニット50(外レール構成部52)との間には所定間隔の隙間があり、球通路ユニット70には、前記隙間より落下した遊技球を下皿15へと案内するファール球通路72が形成されている。これにより、仮に、発射装置60から発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らずファール球としてレール50を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路72を介して下皿15に排出される。
【0144】
また、図3及び図4中の符号67は後述する払出機構部352により払出された遊技球を内枠12の前方に案内するための払出通路であり、上皿連通路73(上皿19)に通じる通路と、下皿連通路71(下皿15)に通じる通路とに分かれている。払出通路67の下方にはシャッタ68が設けられており、前面枠セット14を開放した状態では、バネ等の付勢力によりシャッタ68が前方に突出して払出通路67の出口をほぼ閉鎖するようになっている。また、前面枠セット14を閉じた状態では、下皿連通路71の入口側後端部によってシャッタ68が押し開けられるようになっている。尚、下皿連通路71及び上皿連通路73の入口(球流入部)が隣接するとともに、前面枠セット14の閉状態において当該各入口と払出通路67とが所定距離だけ離間しており、両者間の隙間を遊技球が通過可能となっている。このため、上皿19及び上皿連通路73が遊技球で満杯となると、払出される遊技球が下皿連通路71側に流れ(下皿連通路71の入口側に溢れ)、下皿連通路71を通って下皿15に払出されることとなる。
【0145】
加えて、球通路ユニット70には、下皿連通路71内に位置する遊技球を検知する満杯検知スイッチ(図示略)が設けられている。当該満杯検知スイッチの存在により、下皿15が遊技球で満杯になっていること(下皿15が遊技球で満杯となり、下皿連通路71において遊技球が滞留していること)を把握することができる。本実施形態では、満杯検知スイッチによって所定時間継続して遊技球が検知されることに基づき、発射装置60の打出しを禁止するといった制御が行われる。尚、下皿連通路71における遊技球の滞留が解消され、満杯検知スイッチにより遊技球が検知されなくなると(所定時間継続して検知されなくなると)発射装置60の打出しが許容される。
【0146】
次に、パチンコ機10の背面構成について図5図6等を参照して説明する。パチンコ機10の背面には、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして、一部前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給する遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。払出機構及び保護カバーは1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。
【0147】
まず、遊技盤30の背面構成について図6等を参照して説明する。上述したように、遊技盤30中央の貫通孔に対応して配設された可変表示装置ユニット35(図4参照)の背面側には、センターフレーム47を背後から覆う樹脂製のフレームカバー213が後方に突出して設けられている。また、フレームカバー213の背面側には、フレームカバー213の開口部から前方に臨む液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42、表示制御装置45及びサブ制御装置262が前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。
【0148】
装飾図柄表示装置42は、当該装飾図柄表示装置42の表示部(液晶画面)をパチンコ機10の前面側に露出させるための開口部が形成された収容ボックス(符号略)に収容されてフレームカバー213の背面側に固定されている。表示制御装置45は基板ボックス45aに収容されて装飾図柄表示装置42(収容ボックス)の背面側に固定されている。サブ制御装置262は基板ボックス262aに収容されて表示制御装置45(基板ボックス45a)の背面側に固定されている。基板ボックス45a,262aは透明樹脂材料等により構成され、内部が視認可能となっている。尚、フレームカバー213内には、センターフレーム47に内蔵されたLED等を駆動するLED制御基板等が配設されている。
【0149】
フレームカバー213の下方には裏枠セット215が、一般入賞口31、可変入賞装置32、始動入賞口33A,33B等を背後から覆うようにして遊技盤30に取付けられている。裏枠セット215は、各種入賞口に入賞した遊技球を回収するための球回収機構を備えている(図示略)。この球回収機構により回収された遊技球は、後述する排出通路部217に案内され、排出通路部217の排出シュートからパチンコ機10外部に排出される。
【0150】
また、本実施形態では、裏枠セット215が主制御装置261の取付台として機能する。より詳しくは、主制御装置261を搭載した基板ボックス263が、裏枠セット215に対し回動可能に軸支され、後方に開放可能となっている。
【0151】
主制御装置261は透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263に収容されている。基板ボックス263は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備え、これらボックスベースとボックスカバーとが封印部材によって連結されている。封印部材によって連結された基板ボックス263は、所定の痕跡を残さなければ開封できない構成となっている。これにより、基板ボックス263が不正に開封された旨を容易に発見することができる。
【0152】
また、遊技盤30には、一般入賞口31等の各種入賞口に対応して、当該各種入賞口へ入賞した遊技球を検出する入賞検出スイッチ(入球検出手段)が設けられている。具体的には、図4に示すように、一般入賞口31に対応する位置には入賞口スイッチ221が設けられ、可変入賞装置32にはカウントスイッチ223が設けられている。また、上始動入賞口33Aには第1始動入賞スイッチ224Aが設けられ、下始動入賞口33Bには第2始動入賞スイッチ224Bが設けられている。さらに、スルーゲート34に対応する位置にはスルーゲートスイッチ225が設けられている。
【0153】
また、図示は省略するが、裏枠セット215には、入賞口スイッチ221、カウントスイッチ223及びスルーゲートスイッチ225とケーブルコネクタを介して電気的に接続される第1盤面中継基板が設けられている。この第1盤面中継基板は、入賞口スイッチ221等と、主制御装置261とを中継するものであり、ケーブルコネクタを介して主制御装置261と電気的に接続されている。
【0154】
これに対し、始動入賞口33A,33Bへの入賞を検出する始動入賞スイッチ224A,224Bは中継基板を経ることなくコネクタケーブルを介して直接主制御装置261に接続されている。
【0155】
各種入賞検出スイッチにて各々検出された検出結果は、主制御装置261に取り込まれる。そして、該主制御装置261よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御装置311に送信され、該払出制御装置311からの出力信号に基づき所定数の遊技球の払出しが実施される(スルーゲートスイッチ225により検出された場合を除く。)
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。図5に示すように、裏パックユニット203は、樹脂成形された裏パック351と、遊技球の払出機構部352とを一体化したものである。また、裏パックユニット203は、内枠12の左側部(図5では右側)に対して開閉可能に支持されており、上下方向に沿って延びる開閉軸線を軸心として後方に開放できるようになっている。加えて、裏パックユニット203の左上部(図5では右上部)には外部中継端子板240が設けられている。
【0156】
外部中継端子板240は、遊技ホールのホールコンピュータなどへの各種情報送信を中継するためのものであり、複数の外部接続端子が設けられている。便宜上、符号は付さないが、例えば現在の遊技状態(大当たり状態や高確率モード等)に関する情報を出力するための端子、後述する開放検知スイッチ91,92によって検出される前面枠セット14や内枠12の開放に関する情報を出力するための端子、入賞エラー、下皿満タンエラー、タンク球無しエラー、払出しエラーなど各種エラー状態に関する情報を出力するための端子、払出制御装置311から払出される賞球数に関する情報を出力するための端子などが設けられている。
【0157】
但し、本実施形態においては、「小当たり」に関する情報を出力するための端子は設けられておらず、「小当たり」の発生情報が出力されない構成となっている。本実施形態では、「高サポートモード」中は、「小当たり」が比較的頻繁に発生しやすくなっているため、「小当たり」が発生する度に、常に、発生情報を出力していては、出力信号の著しい増加を招くおそれがある。従って、例えば「低サポートモード」中など、このような不具合が比較的起きにくい場合には、「小当たり」の発生情報を出力するような構成としてもよい。
【0158】
また、「JUB大当たり」の発生情報の出力は、例えば「JUB大当たり」に係る5回の「短開放」の終了後、すなわち「小当たり」の場合と区別ができない状況を脱した後に、例えば後述するオープニングコマンドの出力(大当たり報知演出)等を行うタイミングにおいて、「JUB大当たり」の発生が確定した状態で行うことが好ましい。未だ「小当たり」の場合と区別ができない状況において、「JUB大当たり」の発生情報だけが先に出力されてしまうと、パチンコ機10に対応してホールの島設備に設置された情報表示機器等を見て、遊技者が事前に「JUB大当たり」の発生を把握してしまい、「JUB大当たり」の演出効果が薄れるおそれがある。
【0159】
裏パック351は例えばABS樹脂により一体成形されており、パチンコ機10の後方に突出して略直方体形状をなす保護カバー部354を備えている。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉塞され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくともフレームカバー213を覆うのに十分な大きさを有する。但し、本実施形態では、保護カバー部354が基板ボックス263の上部及び右部(図5では左側の部位)も合わせて覆う構成となっている。これにより、裏パックユニット203の閉鎖状態において、基板ボックス263の右部に設けられた封印部材、及び主制御装置261の上縁部に沿って設けられた端子部(基板側コネクタ)が覆われることとなる。
【0160】
払出機構部352は、保護カバー部354を迂回するようにして配設されている。すなわち、保護カバー部354の上方には、上側に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出モータ等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払出された遊技球は上皿19等に供給される。
【0161】
また、払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込む電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFされる。
【0162】
裏パックユニット203(基板ボックス263)の下方には、内枠12の左側部(図5では右側)にて軸支され、後方に開放可能な下枠セット251が設けられている。図6に示すように、下枠セット251には、上述した球回収機構により回収された遊技球が流入する排出通路部217が形成され、排出通路部217の最下流部には、遊技球をパチンコ機10外部へ排出する排出シュート(図示略)が形成されている。つまり、一般入賞口31等の各入賞口に入賞した遊技球は、裏枠セット215の球回収機構を介して集合し、さらに排出通路部217の排出シュートを通じてパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36も同様に排出通路部217に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球も排出シュートを介してパチンコ機10外部に排出される。尚、本実施形態では、裏パックユニット203と下枠セット251とが別体として構成され、それぞれ独立して開閉可能であるが、裏パックユニット203と下枠セット251とが一体的に形成されることとしてもよい。
【0163】
また、図5に示すように、下枠セット251の背面側には、払出制御手段としての払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314が前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。
【0164】
発射制御装置312及び電源装置313は基板ボックス313aに収容されて下枠セット251の背面側に固定されている。尚、発射制御装置312及び電源装置313は、便宜上それぞれ独立した制御装置として説明するが、実際には1つの基板(プリント基板)により構成される。
【0165】
また、払出制御装置311は、基板ボックス311aに収容されて、基板ボックス313a(発射制御装置312及び電源装置313)の背面側に固定されている。尚、払出制御装置311が収容される基板ボックス311aには、上述した主制御装置261が収容される基板ボックス263と同様に封印部材が設けられ、基板ボックス311aの開封された痕跡が残るようになっている。
【0166】
加えて、カードユニット接続基板314は、基板ボックス314aに収容されて、基板ボックス313a(発射制御装置312及び電源装置313)の背面側に固定されている。
【0167】
なお、上記各基板ボックス311a,313a,314aは透明樹脂材料等により構成されており、内部が視認可能となっている。
【0168】
また、払出制御装置311には基板ボックス311aから外方に突出する状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、払出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られる。
【0169】
さらに、電源装置313には基板ボックス313aから外方に突出するRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰させることができる。従って、通常手順で(例えば遊技ホールの営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されることから、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入する。
【0170】
また、図6に示すように、内枠12の右側部背面側には施錠装置600が設けられている。施錠装置600は、前面枠セット14の前面側に露出するシリンダ錠700(図1等参照)を備えており、該シリンダ錠700の鍵穴に鍵を挿入し、一方に回動操作することで内枠12を解錠でき、他方に回動操作することで前面枠セット14を解錠できるようになっている。本実施形態では、内枠12は外枠11に対し施錠され、前面枠セット14は内枠12に対し施錠される。
【0171】
尚、上記のように、外枠11の右辺枠構成部11dには、施錠装置600に対応する上下区間全域を内枠12の背面側から覆う延出壁部83が形成されている(図5参照)。これにより、外枠11の背面側から線材等を進入させ、当該線材等により施錠装置600を操作することが困難となる。結果として、防御性能の向上を図ることができる。さらに、延出壁部83は、裏パックユニット203及び下枠セット251の右端部(図5では左側の端部)を背面側から覆う構成となっており、内枠12の閉状態においては、裏パックユニット203及び下枠セット251を開放できない構成となっている。
【0172】
また、図4に示すように、内枠12の前面側右下部(発射装置60の右側)には、前面枠セット14の開放を検知するための前面枠開放検知スイッチ91が設けられ、図5に示すように、内枠12の背面側右下部(図5では左下)には、内枠12の開放を検知するための内枠開放検知スイッチ92が設けられている。前面枠開放検知スイッチ91及び内枠開放検知スイッチ92は、それぞれスイッチ本体部に対して出没可能な検知部を備えており、前面枠開放検知スイッチ91は検知部が前方に向くように設けられ、内枠開放検知スイッチ92は検知部が後方へ向くように設けられる。そして、検知部がスイッチ本体部から突出した状態にある場合にはオン信号を主制御装置261に出力し、検知部がスイッチ本体部側に押圧され、スイッチ本体部に没入した状態ではオフ信号を主制御装置261に出力する構成となっている。つまり、前面枠開放検知スイッチ91は前面枠セット14の閉鎖時において検知部が前面枠セット14の背面で押圧されてオフ状態となり、前面枠セット14の開放時には、検知部が突出状態に戻ってオン状態となる。同様に、内枠開放検知スイッチ92は内枠12の閉鎖時において検知部が外枠11の受部85に一体形成された押圧部86によって押圧されてオフ状態となり、内枠12の開放時には検知部が突出状態に戻ってオン状態となる。
【0173】
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。図15は、本パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。主制御装置261(主基板)には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等が内蔵されている。但し、CPU、ROM及びRAMが1チップ化されておらず、それぞれの機能毎にチップ化されている構成であってもよい。
【0174】
RAM503は、CPU501の内部レジスタの内容やCPU501により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア503aとを備えている。
【0175】
また、RAM503は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア503aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。
【0176】
バックアップエリア503aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。バックアップエリア503aへの書き込みは、メイン処理によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時(停電解消による電源入を含む。以下同様)のメイン処理において実行される。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路542から出力される停電信号SK1が入力されるように構成されており、停電の発生により、停電処理(NMI割込み処理)が即座に実行される。
【0177】
なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
【0178】
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスバス及びデータバス等で構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、サブ制御装置262、第1及び第2特別表示装置43L、43R、普通図柄表示装置41等が接続されている。この構成により、上述した特別表示装置43L、43R及び普通図柄表示装置41は、主制御装置261により直接的に制御される。一方、装飾図柄表示装置42は、サブ制御装置262を介して制御される。
【0179】
その他、便宜上、各種中継基板等の図示は省略するが、入出力ポート505には、入賞口スイッチ221、カウントスイッチ223、始動入賞ユニットスイッチ224A,224B、スルーゲートスイッチ225などの各種検出スイッチや、各種基板などの各種電気部品が接続されている。つまり、主制御装置261には、各種ケーブルコネクタのコネクタを接続するための複数の端子部(基板側コネクタ)が設けられているが、これら端子部等により、入出力ポート505が構成される。
【0180】
サブ制御装置262(サブ制御基板)は、演算装置であるCPU551、該CPU551により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM552、該ROM552内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM553、入出力ポート554、バスライン555を備えるとともに、その他にも図示しない割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等を備えている。RAM553は、CPU551による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
【0181】
入出力ポート554には、バスライン555を介してCPU551、ROM552、RAM553が接続されるとともに、表示制御装置45が接続されている。さらに、入出力ポート554には、スピーカSP、演出ボタン125、演出役物ユニット761、各種電飾部及びランプ102~104が接続されている。
【0182】
サブ制御装置262のCPU551は、例えば主制御装置261から送信されるコマンド(例えば変動パターンコマンド)に基づいて表示制御装置45に表示制御を実行させ、装飾図柄表示装置42に表示させる。なお、上記のように、本実施形態では、主制御装置261が制御する第1及び第2特別表示装置43L、43Rにて大当たりか否か等を表示するようになっており、サブ制御装置262が制御する装飾図柄表示装置42では、前記特別表示装置43L、43Rの表示に合わせた表示が行われる。また、サブ制御装置262は、演出役物ユニット761の駆動制御を行う。
【0183】
また、払出制御装置311は、払出装置358により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
【0184】
払出制御装置311のRAM513は、主制御装置261のRAM503と同様に、CPU511の内部レジスタの内容やCPU511により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア513aとを備えている。
【0185】
RAM513は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア513aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
【0186】
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。このバックアップエリア513aへの書き込みは、メイン処理によって電源切断時に実行され、バックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は電源入時のメイン処理において実行される。なお、主制御装置261のCPU501と同様、CPU511のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路542から停電信号SK1が入力されるように構成されており、その停電信号SK1がCPU511へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込み処理が即座に実行される。
【0187】
作業エリアには、払出制御装置311による賞球の払出許可が設定される払出許可フラグと、主制御装置261から送信されたコマンドを受信した場合に設定されるコマンド受信フラグと、主制御装置261から送信されたコマンドが記憶されるコマンドバッファとが設けられている。
【0188】
払出許可フラグは、賞球の払出許可を設定するフラグであり、主制御装置261から賞球の払出を許可する特定のコマンドが送信され、その特定のコマンドを受信した場合にオンされ、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされる。本実施形態では、特定のコマンドは、払出制御装置311のRAM513の初期処理の指示をする払出初期化コマンドと、賞球の払出を指示する賞球コマンドと、主制御装置261が復電された場合に送信される払出復帰コマンドの3つである。
【0189】
コマンド受信フラグは、払出制御装置311がコマンドを受信したか否かを確認するフラグであり、いずれかのコマンドを受信した場合にオンされ、払出許可フラグと同様に、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされるとともに、コマンド判定処理により受信されたコマンドの判定が行われた場合にオフされる。
【0190】
コマンドバッファは、主制御装置261から送信されるコマンドを一時的に記憶するリングバッファで構成されている。
【0191】
かかるROM512及びRAM513を内蔵したCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、RAM消去スイッチ回路543、主制御装置261、発射制御装置312、払出装置358等がそれぞれ接続されている。
【0192】
カードユニット接続基板314は、パチンコ機10前面の貸球操作部(球貸しボタン121及び返却ボタン122)と、遊技ホール等にてパチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)とにそれぞれ電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれをカードユニットに出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314を省略することも可能である。
【0193】
発射制御装置312は、発射装置60による遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射装置60は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、払出制御装置311から発射許可信号が出力されていること、遊技者がハンドル18をタッチしていることをセンサ信号により検出していること、発射を停止させる発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、発射装置60が駆動され、ハンドル18の操作量に応じた強度で遊技球が発射される。
【0194】
表示制御装置45は、サブ制御装置262からの指示に従い、装飾図柄表示装置42における装飾図柄の変動表示を実行するものである。この表示制御装置45は、CPU521と、プログラムROM522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)526と、入力ポート527と、出力ポート529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527にはサブ制御装置262の入出力ポート554が接続されている。また、入力ポート527には、バスライン530を介して、CPU521、プログラムROM522、ワークRAM523、VDP526が接続されている。また、VDP526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529には液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42が接続されている。
【0195】
表示制御装置45のCPU521は、サブ制御装置262から送信される表示コマンドを、入力ポート527を介して受信するとともに、受信コマンドを解析し又は受信コマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP526の制御(具体的にはVDP526に対する内部コマンドの生成)を実施する。これにより、装飾図柄表示装置42における表示制御を行う。
【0196】
プログラムROM522は、そのCPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
【0197】
ビデオRAM524は、装飾図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するメモリであり、このビデオRAM524の内容を書き替えることにより、装飾図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、装飾図柄表示装置42に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するメモリである。
【0198】
VDP526は、装飾図柄表示装置42に組み込まれたLCDドライバ(液晶駆動回路)を直接操作する一種の描画回路である。VDP526はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP526は、CPU521、ビデオRAM524等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM524に記憶される表示データを所定のタイミングで読み出して装飾図柄表示装置42に表示させる。
【0199】
また、電源装置313は、パチンコ機10の各部に電力を供給する電源部541と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。
【0200】
電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動する+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給される。同様に、各種スイッチやモータ等には、これらが接続される制御装置を介して動作電源が供給されることとなる。
【0201】
停電監視回路542は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置261のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号SK1を出力する回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号SK1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。この停電信号SK1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、停電時処理(NMI割込み処理)を実行する。
【0202】
なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
【0203】
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置261のRAM503及び払出制御装置311のRAM513のバックアップデータをクリアする回路である。RAM消去スイッチ323が押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去信号SK2を主制御装置261及び払出制御装置311に出力する。RAM消去スイッチ323が押下された状態でパチンコ機10の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御装置261及び払出制御装置311においてそれぞれのRAM503,513のデータがクリアされる。
【0204】
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
【0205】
本実施形態では、主制御装置261に設けられたCPU501は、遊技に際し各種カウンタ情報を用いて抽選を行うこととしている。具体的には、図16に示すように、大当たり状態を発生させるか否かの大当たり抽選(当否抽選)に使用する大当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別の決定に使用する大当たり種別決定カウンタC2と、装飾図柄表示装置42を外れ変動させる際にリーチ状態を発生させるか否かの決定や、発生させるリーチの種別の決定等に使用するリーチ選択カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する初期値乱数カウンタCINIと、第1及び第2特別表示装置43L、43R(装飾図柄表示装置42)の変動表示時間の決定や、装飾図柄表示装置42における変動パターン(演出パターン)の決定等に使用する変動種別カウンタCS1,CS2と、普通図柄表示装置41の抽選(下始動入賞口33Bの開閉役物37を開状態とするか否かの開放抽選)に使用する普通図柄乱数カウンタC4とを用いることとしている。
【0206】
カウンタC1,C2,C3,CINI,CS1,CS2,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、上限値に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは定期的に更新され、その更新値がRAM503の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される(乱数初期値カウンタCINIを除く)。
【0207】
RAM503には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別決定カウンタC2、及びリーチ選択カウンタC3の各値が記憶される特別変動保留エリアと、普通図柄乱数カウンタC4の値が記憶される普通変動保留エリアとが設けられている。普通変動保留エリアは、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1~保留第4エリア)とを備えている。
【0208】
また、特別変動保留エリアは、それぞれ4つの保留エリア(保留第1~保留第4エリア)を備える第1特別変動保留エリア及び第2特別変動保留エリアと、1つの実行エリアとを備えている。
【0209】
第1特別変動保留エリアの各保留エリアには、上始動入賞口33Aへの遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別決定カウンタC2、及びリーチ選択カウンタC3の各値が時系列的に格納される。第1特別変動保留エリアが第1保留手段を構成する。
【0210】
第2特別変動保留エリアの各保留エリアには、下始動入賞口33Bへの遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別決定カウンタC2、及びリーチ選択カウンタC3の各値が時系列的に格納される。第2特別変動保留エリアが第2保留手段を構成する。
【0211】
普通変動保留エリアの各保留エリアには、スルーゲート34への遊技球の通過履歴に合わせて、普通図柄乱数カウンタC4の値が時系列的に格納される。
【0212】
かかる構成を採用することで、上記のように特別表示装置43L、43R及び普通図柄表示装置41における変動表示をそれぞれ4回まで保留可能としている。
【0213】
各カウンタについて詳しく説明すると、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0~599の範囲内で順に1ずつ加算され、終値としての上限値(つまり599)に達した後、始値としての下限値である0に戻る構成となっている。通常、大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の初期値乱数カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の次の初期値として読み込まれる。なお、初期値乱数カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタであり(値=0~599)、タイマ割込み毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で繰り返し更新される。一方、大当たり乱数カウンタC1は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、大当たり乱数カウンタC1の値が大当たり乱数カウンタバッファに格納される。そして、遊技球が上始動入賞口33A又は下始動入賞口33Bに入賞したタイミングで、大当たり乱数カウンタバッファに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が、第1特別変動保留エリア又は第2特別変動保留エリアに格納される。従って、かかる処理が第1当否抽選及び第2当否抽選の一部を構成することとなる。
【0214】
大当たりとなる乱数の値は、「低確率モード」と「高確率モード」とで2種類設定されており、本実施形態では、「低確率モード」であれば大当たりとなる乱数の値の数は2つで、その値は「7、307」であり、「高確率モード」であれば大当たりとなる乱数の値の数は20で、その値は「7~16、307~316」である。すなわち、「低確率モード」においては1/300の確率で当否抽選に当選し(大当たり状態が発生し)、「高確率モード」においては1/30の確率で当否抽選に当選することとなる。これら当選確率が本実施形態における第1の当選確率に相当する。
【0215】
本実施形態では、ROM502に対し、大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりに対応するか否かの判定を行う際に参照される当否判定テーブルが設けられている。尚、本実施形態では、当否判定テーブルが2つ存在し、「7、307」を記憶した第1当否判定テーブルと、「7~16、307~316」を記憶した第2当否判定テーブルとがある。
【0216】
また、本実施形態では、大当たり乱数カウンタC1の値は、「小当たり」を判定する場合にも使用される。「小当たり」となる乱数の値の数は50で、その値は「101~125、401~425」である。すなわち、1/12の確率で当否抽選に当選(小当たり状態が発生)することとなる。かかる当選確率が本実施形態における第2の当選確率に相当する。
【0217】
大当たり種別決定カウンタC2は、例えば0~19の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり19)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。本実施形態では、大当たり種別決定カウンタC2によって、大当たり種別、すなわち「16R確変大当たりA」、「16R確変大当たりB」、「4R確変大当たりA」、「4R確変大当たりB」、「16R通常大当たりA」、「16R通常大当たりB」、「4R通常大当たりA」、「4R通常大当たりB」又は「JUB大当たり」のいずれを付与するかが決定されるようになっている。
【0218】
尚、ROM502には、大当たり種別決定カウンタC2の値がいずれの大当たりに対応するかの判定を行う際に参照される大当たり種別判定テーブルが設けられている。また、上記のように、本実施形態では、遊技球が上始動入賞口33Aへ入賞した場合と、下始動入賞口33Bへ入賞した場合とで、大当たり種別の振り分けが異なっている。すなわち、本実施形態では、大当たり種別判定テーブルが2つ存在し、遊技球が上始動入賞口33Aへ入賞した場合に参酌される第1大当たり種別判定テーブルと、遊技球が下始動入賞口33Bへ入賞した場合に参酌される第2大当たり種別判定テーブルとがある。
【0219】
具体的には、遊技球が上始動入賞口33Aへ入賞した場合、第1大当たり種別判定テーブル(図43参照)を参酌して、大当たり種別決定カウンタC2の値が「0,1」であれば「16R確変大当たりA」の付与が決定される。
【0220】
また、大当たり種別決定カウンタC2の値が「2」であれば、「20回・高サポートモード」付き「16R確変大当たりB」の付与が決定され、「3」であれば「30回・高サポートモード」付き「16R確変大当たりB」の付与が決定され、「4」であれば「40回・高サポートモード」付き「16R確変大当たりB」の付与が決定され、「5」であれば「50回・高サポートモード」付き「16R確変大当たりB」の付与が決定される。
【0221】
大当たり種別決定カウンタC2の値が「6」であれば「4R確変大当たりA」の付与が決定される。
【0222】
大当たり種別決定カウンタC2の値が「7」であれば、「20回・高サポートモード」付き「4R確変大当たりB」の付与が決定され、「8」であれば「30回・高サポートモード」付き「4R確変大当たりB」の付与が決定され、「9」であれば「40回・高サポートモード」付き「4R確変大当たりB」の付与が決定され、「10」であれば「50回・高サポートモード」付き「4R確変大当たりB」の付与が決定される。
【0223】
大当たり種別決定カウンタC2の値が「11」であれば「16R通常大当たりA」の付与が決定される。
【0224】
大当たり種別決定カウンタC2の値が「12」であれば、「20回・高サポートモード」付き「16R通常大当たりB」の付与が決定され、「13」であれば「30回・高サポートモード」付き「16R通常大当たりB」の付与が決定され、「14」であれば「40回・高サポートモード」付き「16R通常大当たりB」の付与が決定され、「15」であれば「50回・高サポートモード」付き「16R通常大当たりB」の付与が決定される。
【0225】
大当たり種別決定カウンタC2の値が「16」であれば、「20回・高サポートモード」付き「4R通常大当たりB」の付与が決定され、「17」であれば「30回・高サポートモード」付き「4R通常大当たりB」の付与が決定され、「18」であれば「40回・高サポートモード」付き「4R通常大当たりB」の付与が決定され、「19」であれば「50回・高サポートモード」付き「4R通常大当たりB」の付与が決定される。
【0226】
すなわち、上始動入賞口33Aへの入賞を契機とする当否抽選に当選した場合には、10%の確率で「16R確変大当たりA」となり、20%の確率で「16R確変大当たりB」となり、5%の確率で「4R確変大当たりA」となり、20%の確率で「4R確変大当たりB」となり、5%の確率で「16R通常大当たりA」となり、20%の確率で「16R通常大当たりB」となり、20%の確率で「4R通常大当たりB」となる。
【0227】
一方、遊技球が下始動入賞口33Bへ入賞した場合には、第2大当たり種別判定テーブル(図44参照)を参酌して、大当たり種別決定カウンタC2の値が「0~9」であれば「16R確変大当たりA」の付与が決定され、「10,11」であれば「4R確変大当たりA」の付与が決定され、「12,13」であれば「4R通常大当たりA」の付与が決定され、「14」であれば、「20回・高サポートモード」付き「4R通常大当たりB」の付与が決定され、「15」であれば「30回・高サポートモード」付き「4R通常大当たりB」の付与が決定され、「16」であれば「40回・高サポートモード」付き「4R通常大当たりB」の付与が決定され、「17」であれば「50回・高サポートモード」付き「4R通常大当たりB」の付与が決定され、「18,19」であれば「JUB大当たり」の付与が決定される。
【0228】
すなわち、下始動入賞口33Bへの入賞を契機とする当否抽選に当選した場合には、50%の確率で「16R確変大当たりA」となり、10%の確率で「4R確変大当たりA」となり、10%の確率で「4R通常大当たりA」となり、20%の確率で「4R通常大当たりB」となり、10%の確率で「JUB大当たり」となる。
【0229】
尚、大当たり種別決定カウンタC2は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、大当たり種別決定カウンタC2の値が大当たり種別決定カウンタバッファに格納される。そして、遊技球が上始動入賞口33A又は下始動入賞口33Bに入賞したタイミングで、大当たり種別決定カウンタバッファに格納されている大当たり種別決定カウンタC2の値がRAM503の特別変動保留エリア(第1特別変動保留エリア又は第2特別変動保留エリア)に格納される。
【0230】
また、リーチ選択カウンタC3は、例えば0~238の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり238)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。本実施形態では、リーチ選択カウンタC3によって、装飾図柄に関してリーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチが発生しない「完全外れ」とを抽選することとしている。本実施形態では、ROM502に対し、リーチ選択カウンタC3の値がリーチ状態の発生に対応する値であるか否か及びいずれのリーチに対応するかの判定を行う際に参照されるリーチ判定テーブルが設けられている。リーチ判定テーブルには「0~238」の値が記憶され、C3=0,1が前後外れリーチに該当し、C3=2~21が前後外れ以外リーチに該当し、C3=22~238が完全外れに該当する構成となっている。
【0231】
リーチ選択カウンタC3は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、リーチ選択カウンタバッファにリーチ選択カウンタC3の値が格納される。そして、遊技球が上始動入賞口33A又は下始動入賞口33Bに入賞したタイミングで、リーチ選択カウンタバッファに格納されているリーチ選択カウンタC3の値がRAM503の特別変動保留エリア(第1特別変動保留エリア又は第2特別変動保留エリア)に格納される。
【0232】
また、2つの変動種別カウンタCS1,CS2のうち、一方の変動種別カウンタCS1は、例えば0~198の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり198)に達した後、下限値である0に戻る構成となっており、他方の変動種別カウンタCS2は、例えば0~240の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり240)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。以下の説明では、CS1を「第1変動種別カウンタ」、CS2を「第2変動種別カウンタ」ともいう。図16中でもこのように表記した。
【0233】
例えば通常状態に係る確変大当たり時・変動パターンテーブル(図46参照)においては、第1変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等、装飾図柄のリーチ種別やその他大まかな変動態様が決定され、第2変動種別カウンタCS2によって、変動時間など、より細かな変動態様が決定される。従って、これらの変動種別カウンタCS1,CS2を組合わせることで、変動パターンの多様化を容易に実現することができる。勿論、第1変動種別カウンタCS1だけで変動態様を決定したり等することも可能である。
【0234】
尚、ノーマルリーチは、装飾図柄の変動以外には特段の演出表示がなされないリーチパターンである。スーパーリーチは、装飾図柄の変動表示中(リーチ状態成立後)において、装飾図柄以外にも、装飾図柄表示装置42にキャラクタ等が表示され、これにより遊技者に対し期待感を抱かせるリーチパターンである。プレミアムリーチは、大当たり状態が発生する際にのみ導出され得る演出態様であり、装飾図柄の変動表示中(リーチ状態成立後)において、装飾図柄以外に、スーパーリーチとは異なるパターンのキャラクタ等が表示される態様で行われ、これにより遊技者に対し期待感を抱かせるリーチパターンである。
【0235】
また、変動種別カウンタCS1,CS2は、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動開始時における変動パターン決定に際してCS1,CS2のバッファ値が取得される。
【0236】
なお、各カウンタの大きさや範囲は一例にすぎず任意に変更できる。但し、大当たり乱数カウンタC1、リーチ選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1,CS2の大きさは何れも異なる素数とし、いかなる場合にも同期しない数値としておくのが望ましい。
【0237】
また、普通図柄乱数カウンタC4は、例えば0~9の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり9に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとして構成されている。普通図柄乱数カウンタC4は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球がスルーゲート34を通過した時に普通図柄乱数カウンタC4の値が取得される。
【0238】
そして、当選となる普通図柄乱数カウンタC4の値が取得された場合、普通図柄表示装置41において変動表示が所定時間行われた後、当選に対応する図柄(本例では「○」)が停止表示され、下始動入賞口33Bの開閉役物37が所定時間の間、開状態となる。
【0239】
本実施形態では、「低サポートモード」において、当選となる乱数の値は「0,1」の2個である。一方、「高サポートモード」において、当選となる乱数の値は、「0~7」の8個である。つまり、「低サポートモード」時には1/5の確率で開閉役物37が開状態となり、「高サポートモード」時には4/5の確率で開閉役物37が開状態となる。これら当選確率が本実施形態における第3の当選確率に相当する。
【0240】
次いで、主制御装置261内のCPU501により実行される各制御処理を、フローチャートを参照しながら説明する。かかるCPU501の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停止信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上ここでは、先ずタイマ割込み処理とNMI割込み処理とを説明し、その後でメイン処理を説明する。
【0241】
NMI割込み処理は、主制御装置261のCPU501により停電の発生等によるパチンコ機10の電源断時に実行される。このNMI割込みにより、電源断時の主制御装置261の状態がRAM503のバックアップエリア503aに記憶される。
【0242】
すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SK1が停電監視回路542から主制御装置261内のCPU501のNMI端子に出力される。すると、CPU501は実行中の制御を中断してNMI割込み処理を開始し、電源断の発生情報の設定として電源断の発生情報をRAM503のバックアップエリア503aに記憶してNMI割込み処理を終了する。
【0243】
尚、上記のNMI割込み処理は払出制御装置311でも同様に実行され、かかるNMI割込みにより、電源断の発生情報がRAM513のバックアップエリア513aに記憶される。すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SK1が停電監視回路542から払出制御装置311内のCPU511のNMI端子に出力され、CPU511は実行中の制御を中断してNMI割込み処理を開始する。その内容は上記説明の通りである。
【0244】
図19は、タイマ割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は主制御装置261のCPU501により例えば2msec毎に実行される。
【0245】
図19において、先ずステップS301では、各種入賞検出スイッチの読み込み処理を実行する。ここでは主制御装置261に接続されている各種入賞検出スイッチ(入賞口スイッチ221、カウントスイッチ223、始動入賞スイッチ224A,224B、スルーゲートスイッチ225)の状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検知情報を保存する。
【0246】
ステップS302では乱数初期値更新処理を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が上限値(本例では599)に達した際0にクリアする。
【0247】
また、ステップS303では乱数更新処理を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別決定カウンタC2、リーチ選択カウンタC3及び普通図柄乱数カウンタC4をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が上限値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1,C2,C3,C4の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
【0248】
その後、ステップS304では、始動入賞口33A,33Bへの入賞に伴う始動入賞処理を実行し、ステップS305では、スルーゲート34への遊技球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する。その後、タイマ割込み処理を一旦終了する。
【0249】
ここで、ステップS304の始動入賞処理について図20のフローチャートを参照して説明する。尚、特別変動保留エリアの実行エリア及び各保留エリアには、大当たり乱数カウンタC1の値を記憶する大当たり乱数記憶エリア、大当たり種別決定カウンタC2の値を記憶する大当たり種別乱数記憶エリア、リーチ選択カウンタC3の値を記憶するリーチ乱数記憶エリアが設けられている。
【0250】
先ず、ステップS501では、遊技球が下始動入賞口33Bに入賞したか否かを第2始動入賞スイッチ224Bの検知情報に基づき判定する。当該ステップS501で肯定判定された場合、ステップS502において、下始動入賞口33Bへの入賞を契機とする変動表示の保留数をカウントする下保留カウンタNbの値が上限値(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判定する。当該ステップS502で否定判定された場合には、ステップS509へ移行する。一方、ステップS502で肯定判定された場合には、ステップS503に進み、下保留カウンタNbを1インクメントする。
【0251】
続くステップS504では、上記ステップS303の乱数更新処理で更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別決定カウンタC2、及びリーチ選択カウンタC3の各値を、第2特別変動保留エリアの空いている保留エリアのうち最初のエリアに格納する。ステップS504の後、ステップS505に移行する。
【0252】
ステップS505では、新たに第2特別変動保留エリアに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値であるか否かを判定する大当たり判定処理を行う。尚、大当たり判定処理の詳細については後述する。
【0253】
続くステップS506では、ステップS505で大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値であると判定された場合に、新たに第2特別変動保留エリアに記憶された大当たり種別決定カウンタC2の値に基づいて、大当たりの種別を判定する第2大当たり種別判定処理を行う。
【0254】
ここでは、先ず直前に行われた大当たり判定処理にて、大当たり当選フラグが設定されたか否かを判定し、否定判定された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、肯定判定された場合には、上記第2大当たり種別判定テーブルを参酌し、新たに第2特別変動保留エリアに記憶された大当たり種別決定カウンタC2の値が、「16R確変大当たりA」に対応する値「0~9」のいずれかであった場合には、「16R確変大当たりAフラグ」をオンにし、「4R確変大当たりA」に対応する値「10,11」のいずれかであった場合には、「4R確変大当たりAフラグ」をオンにし、「4R通常大当たりA」に対応する値「12,13」のいずれかであった場合には、「4R通常大当たりAフラグ」をオンにし、「4R通常大当たりB」に対応する値「14~17」のいずれかであった場合には「4R通常大当たりBフラグ」をオンにし、「JUB大当たり」に対応する値「18,19」のいずれかであった場合には、「JUB大当たりフラグ」をオンにする。
【0255】
尚、ここで「16R確変大当たりA」、「4R確変大当たりA」又は「JUB大当たり」に当選した場合、すなわち大当たり終了後に「次回まで・高サポートモード」が付与される場合には、大当たり終了後の所定期間(本実施形態では変動表示20回分)、付与された「高サポートモード」が「次回まで・高サポートモード」であることを報知しない非報知演出を行なうか否かの演出抽選が例えば1/100程度の抽選確率で行なわれる。そして、抽選結果として、非報知演出が行なわれることが決定された場合には、非報知演出実行フラグがオンにされる。
【0256】
続くステップS507では、ステップS505で大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値ではないと判定された場合に、新たに第2特別変動保留エリアに記憶されたリーチ選択カウンタC3の値に基づいて、リーチの種別を判定するリーチ判定処理を行う。尚、リーチ判定処理の詳細については後述する。
【0257】
さらに続くステップS508では、保留制御コマンドの設定処理を行う。保留制御コマンドとは、第2特別変動保留エリアに保留記憶された各種保留情報(変動表示の内容を決定するために使用される情報)を事前にサブ制御装置262に対して知らせるためのコマンドである。本処理にて設定された保留制御コマンドは、次回の外部出力処理(ステップS201参照)にてサブ制御装置262に出力される。保留制御コマンドには、例えば保留情報として、上記大当たり判定処理や大当たり種別判定処理の結果を示す情報、始動入賞口33A,33Bどちらの入賞を契機とする変動表示であるかを示す情報などが含まれる。
【0258】
ここで、ステップS505の大当たり判定処理の詳細について、図21を参照して説明する。
【0259】
先ず、ステップS5101では、新たに第2特別変動保留エリアに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値が、第1当否判定テーブルに記憶された大当たりに対応する値「7」、「307」のどちらかと一致するか否かを判定する。尚、図21では便宜上、当該ステップS5101の処理を簡略化して記載しているが、実際には、大当たり乱数カウンタC1の値が「7」であるか否かを判定するとともに、当該判定で否定判定された場合には、大当たり乱数カウンタC1の値が「307」であるか否かを判定し、これらどちらかの判定で肯定判定された場合に、当該ステップS5101で肯定判定され、どちらの判定においても否定判定された場合に、当該ステップS5101で否定判定されることとなる。
【0260】
ステップS5101で肯定判定された場合、すなわち大当たり状態が発生すると判定された場合には、ステップS5102において大当たり当選フラグをオンにした後、ステップS5105へ移行する。ステップS5102において第1特別遊技状態に相当する大当たり状態を発生させる主制御装置261の機能により本実施形態における第1特別遊技状態発生手段が構成される。
【0261】
一方、ステップS5101で否定判定された場合には、ステップS5103において、後述する抽選モードフラグの値を基に、「高確率モード」中であるか否かを判定する。
【0262】
ステップS5103で肯定判定された場合、すなわち「高確率モード」中である場合には、ステップS5104において、新たに第2特別変動保留エリアに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値が、第2当否判定テーブルに記憶された大当たりに対応する値のうち、上記「7」、「307」を除く、「8~16、308~316」のいずれかであるか否かを判定する。尚、当該判定処理に際しても、実際には、上記のように大当たり乱数カウンタC1の値と大当たりに対応する各値とが一致するか否かを1つずつ判定する。
【0263】
当該ステップS5104で肯定判定された場合、すなわち「高確率モード」中においては大当たり状態が発生すると判定された場合には、ステップS5102において大当たり当選フラグをオンにした後、そのまま本処理を終了する。
【0264】
ステップS5101やステップS5104の判定処理が本実施形態における第1当否抽選を構成し、これを実行する主制御装置261の機能により第1抽選手段が構成される。
【0265】
ステップS5103又はステップS5104で否定判定された場合、すなわち「大当たり」でない場合には、ステップS5105へ移行する。
【0266】
また、ステップS5105では、新たに第2特別変動保留エリアに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値が、小当たりに対応する値「101~125、401~425」と一致するか否かを判定する。
【0267】
ステップS5105で肯定判定された場合、すなわち小当たり状態が発生すると判定された場合には、ステップS5106において小当たり当選フラグをオンにした後、本処理を終了する。一方、ステップS5105で否定判定された場合には、そのまま本処理を終了する。
【0268】
ステップS5105の判定処理が本実施形態における第2当否抽選を構成し、これを実行する主制御装置261の機能により第2抽選手段が構成される。また、ステップS5106において第2特別遊技状態に相当する小当たり状態を発生させる主制御装置261の機能により本実施形態における第2特別遊技状態発生手段が構成される。
【0269】
次に、ステップS507のリーチ判定処理について図22を参照して説明する。
【0270】
先ず、ステップS5301では、直前に行われた大当たり判定処理にて、当選フラグ(大当たり当選フラグ又は小当たり当選フラグ)が設定されたか否かを判定する。ステップS5301で肯定判定された場合、すなわち大当たり状態又は小当たり状態が発生する場合には、そのまま本処理を終了する。
【0271】
一方、ステップS5301で肯定判定された場合、すなわち当たり状態が発生しない場合には、ステップS5302において、リーチ判定テーブルを参酌し、新たに第2特別変動保留エリアに記憶されたリーチ選択カウンタC3の値が、「前後外れリーチ」に対応する値「0、1」のどちらかと一致するか否かを判定する。ステップS5302で肯定判定された場合には、ステップS5303において、前後外れリーチの発生を示す前後外れフラグをオンにした後、本処理を終了する。
【0272】
一方、ステップS5302で否定判定された場合には、ステップS5304において、リーチ判定テーブルを参酌し、新たに第2特別変動保留エリアに記憶されたリーチ選択カウンタC3の値が、「前後外れ以外リーチ」に対応する値「2~21」のいずれかと一致するか否かを判定する。当該ステップS5304で肯定判定された場合には、ステップS5305において前後外れ以外フラグをオンにした後、本処理を終了する。
【0273】
また、ステップS5304で否定判定された場合、すなわち「完全外れ」となる場合には、そのまま本処理を終了する。
【0274】
図20の説明に戻り、ステップS508の処理の後、又は、ステップS501で否定判定された場合には、ステップS509において、遊技球が上始動入賞口33Aに入賞したか否かを第1始動入賞スイッチ224Aの検知情報に基づき判定する。当該ステップS509で否定判定された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、肯定判定された場合には、ステップS510において、上始動入賞口33Aへの入賞を契機とする変動表示の保留数をカウントする上保留カウンタNaの値が上限値(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判定する。当該ステップS510で否定判定された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS510で肯定判定された場合には、ステップS511に進み、上保留カウンタNaを1インクメントする。
【0275】
続くステップS512では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別決定カウンタC2、及びリーチ選択カウンタC3の各値を、第1特別変動保留エリアの空いている保留エリアのうち最初のエリアに格納する。ステップS512の後、ステップS513に移行する。
【0276】
ステップS513では、新たに第1特別変動保留エリアに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値であるか否かを判定する大当たり判定処理を行う。尚、ステップS513の大当たり判定処理は、小当たり判定を除き、上記ステップS505の大当たり判定処理と同様であり、処理の対象となる変動表示に関する情報が、上始動入賞口33Aへの入賞に基づくものであるといった点が異なるだけであるため、便宜上、詳細な説明は省略する。
【0277】
続くステップS514では、ステップS513で大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値であると判定された場合に、新たに第1特別変動保留エリアに記憶された大当たり種別決定カウンタC2の値に基づいて、大当たりの種別を判定する第1大当たり種別判定処理を行う。
【0278】
ここでは、先ず直前に行われた大当たり判定処理にて、大当たり当選フラグが設定されたか否かを判定し、否定判定された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、肯定判定された場合には、上記第1大当たり種別判定テーブルを参酌し、新たに第1特別変動保留エリアに記憶された大当たり種別決定カウンタC2の値が、「16R確変大当たりA」に対応する値「0,1」のいずれかであった場合には「16R確変大当たりAフラグ」をオンにし、「16R確変大当たりB」に対応する値「2~5」のいずれかであった場合には「16R確変大当たりBフラグ」をオンにし、「4R確変大当たりA」に対応する値「6」であった場合には「4R確変大当たりAフラグ」をオンにし、「4R確変大当たりB」に対応する値「7~10」のいずれかであった場合には「4R確変大当たりBフラグ」をオンにし、「16R通常大当たりA」に対応する値「11」であった場合には「16R通常大当たりAフラグ」をオンにし、「16R通常大当たりB」に対応する値「12~15」のいずれかであった場合には「16R通常大当たりBフラグ」をオンにし、「4R通常大当たりB」に対応する値「16~19」のいずれかであった場合には「4R通常大当たりBフラグ」をオンにする。
【0279】
尚、ここで「16R確変大当たりA」又は「4R確変大当たりA」に当選した場合、すなわち大当たり終了後に「次回まで・高サポートモード」が付与される場合には、ステップS506と同様、上記非報知演出を行なうか否かの演出抽選が行なわれる。そして、抽選結果として、非報知演出が行なわれることが決定された場合には、非報知演出実行フラグがオンにされる。
【0280】
続くステップS515では、ステップS513で大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値ではないと判定された場合に、新たに第1特別変動保留エリアに記憶されたリーチ選択カウンタC3の値に基づいて、リーチの種別を判定するリーチ判定処理を行う。尚、ステップS515のリーチ判定処理は、上記ステップS507のリーチ判定処理と同様であり、処理の対象となる変動表示に関する情報が、上始動入賞口33Aへの球に基づくものであるといった点が異なるだけであるため、便宜上、詳細な説明は省略する。
【0281】
さらに続くステップS516では、保留制御コマンドの設定処理を行う。その後、本処理を終了する。尚、ステップS516の保留制御コマンドの設定処理は、上記ステップS508の保留制御コマンドの設定処理と同様であり、処理の対象となる変動表示に関する情報が、上始動入賞口33Aへの球に基づくものであるといった点が異なるだけであるため、便宜上、詳細な説明は省略する。
【0282】
次に、ステップS305のスルーゲート通過処理について図23のフローチャートを参照して説明する。
【0283】
ステップS601では、遊技球がスルーゲート34を通過したか否かをスルーゲートスイッチ225の検出情報により判定する。
【0284】
ステップS601で否定判定された場合、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS601にて肯定判定された場合、すなわち、遊技球がスルーゲート34を通過したと判定されると、ステップS602において、普通図柄表示装置41にて行われる変動表示の保留数をカウントする普通保留カウンタNcの値が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。ここで否定判定された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS602で肯定判定された場合、すなわち、スルーゲート34への遊技球の通過が確認され、且つ、普通保留カウンタNcの値<4であることを条件にステップS603に進み、普通保留カウンタNcを1インクリメントする。
【0285】
また、続くステップS604では、当否に関わる乱数を取得する。具体的には、上記ステップS303の乱数更新処理で更新した普通図柄乱数カウンタC4の値を、RAM503の普通変動保留エリアの空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する。その後、スルーゲート通過処理を終了する。従って、ステップS604の処理が第3当否抽選の一部を構成することとなる。
【0286】
次に、主制御装置261内のCPU501により実行されるメイン処理の流れを図17のフローチャートを参照しながら説明する。このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
【0287】
先ず、ステップS101では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(サブ制御装置262,払出制御装置311等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば1秒程度、ウエイト処理を実行する。続くステップS102では、RAMアクセスを許可する。
【0288】
その後、CPU501内のRAM503に関してデータバックアップの処理を実行する。つまり、ステップS103では、電源装置313に設けたRAM消去スイッチ323が押下(ON)されているか否かを判定し、押下されていれば、バックアップデータをクリア(消去)するべく、ステップS112へ移行する。一方、RAM消去スイッチ323が押下されていなければ、続くステップS104で、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判定する。ここで、設定されていなければ、バックアップデータは記憶されていないので、この場合もステップS112へ移行する。バックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていれば、ステップS105でRAM判定値を算出し、続くステップS106では、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判定する。ここで算出したRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、この場合もステップS112へ移行する。
【0289】
ステップS112の処理では、サブ側の制御装置となるサブ制御装置262及び払出制御装置311等を初期化するために、初期化コマンドを送信する。なお、初期化コマンドを受信したサブ制御装置262は、後述するように自身の初期化処理を実行し、初期設定である「通常状態」に対応する遊技状態判定値Xjの値「0」を遊技状態格納エリアに記憶する。
【0290】
その後、RAMの初期化処理(ステップS113等)に移行する。なお、RAM判定値は、例えばRAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM503の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
【0291】
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時に初期状態に戻したい場合にはRAM消去スイッチ323を押しながら電源が投入される。従って、RAM消去スイッチ323がONされていれば、RAMの初期化処理(ステップS113等)に移行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様にRAM503の初期化処理(ステップS113等)に移行する。つまり、ステップS113ではRAM503の使用領域を0にクリアし、続くステップS114ではRAM503の初期値を設定する。その後、ステップS115で割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
【0292】
一方、RAM消去スイッチ323が押されていない場合(ステップS103:NO)には、電源断の発生情報が設定されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS107では、電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS108では、電源断の発生情報をクリアする。
【0293】
ステップS109では、RAM503に記憶された電源断時の遊技状態を把握するための遊技状態チェック処理を実行する。
【0294】
続くステップS110では、サブ側の制御装置となるサブ制御装置262及び払出制御装置311等を電源断時の遊技状態に復帰させる復帰コマンドを送信する。尚、サブ制御装置262に送信する復帰コマンドには、上記遊技状態チェック処理にて特定した電源断時の遊技状態に係る情報(後述する遊技状態判定値Xj)が含まれる。
【0295】
ステップS111では、使用レジスタをRAM503のバックアップエリア503aから復帰させる。その後、ステップS115で割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
【0296】
ここで、ステップS109の遊技状態チェック処理について図24,25を参照して説明する。図24は、遊技状態チェック処理を示すフローチャートであり、図25は、後述する抽選モードフラグ、サポートモードフラグ、遊技状態特定カウンタKj及び遊技状態判定値Xjの対応関係を示す説明図である。尚、遊技状態チェック処理は、後述する変動表示設定処理(ステップS807)や、当たり終了設定処理(ステップS1216)においても実行される。
【0297】
図24に示すように、ステップS1901では、RAM503にバックアップ記憶された電源断時の遊技状態に係る各種情報の読込み処理を実行する。具体的には、抽選モードフラグの値、サポートモードフラグの値、及び、遊技状態特定カウンタKjの値をそれぞれRAM503から読み込む。
【0298】
抽選モードフラグとは、抽選モードが「低確率モード」又は「高確率モード」のどちらであるかを判定するための状態判定情報であり、そのフラグ値として、抽選モードが「低確率モード」の場合には「50(H)」が設定され、「高確率モード」の場合には「53(H)」が設定される。尚、抽選モードフラグにおける上位4ビットの値「5」は、ノイズ対策用に一律に付加されたものあって、特に遊技状態を判別するためのものではない。
【0299】
サポートモードフラグとは、入賞サポートモードがどのような状態にあるかを判定するための状態判定情報であり、そのフラグ値として、入賞サポートモードが「低サポートモード」である場合には「A0(H)」が設定される。尚、サポートモードフラグにおける上位4ビットの値「A」は、ノイズ対策用に一律に付加されたものあって、特に遊技状態を判別するためのものではない。
【0300】
また、入賞サポートモードが「20回・高サポートモード」、「30回・高サポートモード」、「40回・高サポートモード」又は「50回・高サポートモード」である場合には、フラグ値として「A1(H)」が設定される。
【0301】
また、入賞サポートモードが「30回・高サポートモードS」の場合には、フラグ値として「A2(H)」が設定され、「次回まで・高サポートモード」である場合には、フラグ値として「A3(H)」が設定される。
【0302】
遊技状態特定カウンタKjとは、大当たり終了後の変動表示の実行回数を計数し、遊技状態の切替えタイミングを特定するための状態判定情報であり、大当たり終了時に所定の初期値が設定され、変動表示が1回行われる毎に1ずつ減算される。例えば、後述するように遊技状態特定カウンタKjの初期値として「50」が設定され、その後、当該カウンタKjの値が「31」となっていれば、その時点の変動表示は、大当たり終了後、20回目の変動表示であると特定することができる。
【0303】
本実施形態では、「16R確変大当たりB」、「4R確変大当たりB」、「16R通常大当たりB」又は「4R通常大当たりB」に当選した場合、すなわち大当たり終了後に「20回・高サポートモード」、「30回・高サポートモード」、「40回・高サポートモード」又は「50回・高サポートモード」が付与される場合には、初期値として「50」が設定される。
【0304】
また、「16R通常大当たりA」又は「4R通常大当たりA」に当選した場合、すなわち大当たり終了後に「30回・高サポートモードS」が付与される場合には、初期値として「30」が設定される。
【0305】
また、「16R確変大当たりA」、「4R確変大当たりA」又は「JUB大当たり」に当選した場合、すなわち大当たり終了後に「次回まで・高サポートモード」が付与される場合には、初期値として「0」が設定される。但し、上記非報知演出実行フラグがオンとされ、非報知演出が実行される場合には、初期値として「30」が設定される。非報知演出実行フラグは、初期値設定後、オフとされる。
【0306】
図24の説明に戻り、ステップS1902では、ステップS1901にて読み込んだ抽選モードフラグの値と、サポートモードフラグの値とを加算する。
【0307】
続くステップS1903では、ステップS1902にて算出した加算値と、所定のマスク値(本実施形態では「07(H)」)との論理積をとって、下位3ビットのデータを取出し、所定の作業エリアに遊技状態判定値Xjとしてセットする。
【0308】
ステップS1904では、遊技状態判定値Xjの値が「1」か否かを判定する。すなわち抽選モードが「低確率モード」で、かつ、入賞サポートモードが「20回・高サポートモード」、「30回・高サポートモード」、「40回・高サポートモード」又は「50回・高サポートモード」の状態であるか否かを判定する。
【0309】
ここで否定判定された場合には、ステップS1905へ移行し、遊技状態判定値Xjの値が「4」か否かを判定する。すなわち抽選モードが「高確率モード」で、かつ、入賞サポートモードが「20回・高サポートモード」、「30回・高サポートモード」、「40回・高サポートモード」又は「50回・高サポートモード」の状態であるか否かを判定する。
【0310】
ステップS1904、又は、ステップS1905で肯定判定された場合には、ステップS1909へ移行する。一方、ステップS1905で否定判定された場合には、ステップS1906へ移行する。
【0311】
ステップS1906では、遊技状態判定値Xjの値が「2」か否かを判定する。すなわち抽選モードが「低確率モード」で、かつ、入賞サポートモードが「30回・高サポートモードS」の状態であるか否かを判定する。
【0312】
ここで否定判定された場合には、ステップS1907へ移行し、遊技状態判定値Xjの値が「5」か否かを判定する。すなわち抽選モードが「高確率モード」で、かつ、入賞サポートモードが「30回・高サポートモードS」の状態であるか否かを判定する。
【0313】
ステップS1906、又は、ステップS1907で肯定判定された場合には、ステップS1912へ移行する。一方、ステップS1907で否定判定された場合には、ステップS1908へ移行する。
【0314】
ステップS1908では、遊技状態判定値Xjの値が「6」か否かを判定する。すなわち抽選モードが「高確率モード」で、かつ、入賞サポートモードが「次回まで・高サポートモード」の状態であるか否かを判定する。
【0315】
ここで肯定判定された場合には、ステップS1914へ移行する。一方、否定判定された場合には、ステップS1916へ移行し、この遊技状態判定値Xjの値「6」をRAM503の所定エリアに記憶して、本処理を終了する。
【0316】
さて上記ステップS1904、又は、ステップS1905で肯定判定され、移行したステップS1909では、遊技状態特定カウンタKjの値が「31」であるか否かを判定する。すなわち大当たり終了後の変動表示が20回目であるか否かを判定する。ここで肯定判定された場合にはステップS1913へ移行し、否定判定された場合にはステップS1910へ移行する。
【0317】
ステップS1910では、遊技状態特定カウンタKjの値が「21」であるか否かを判定する。すなわち大当たり終了後の変動表示が30回目であるか否かを判定する。ここで肯定判定された場合にはステップS1913へ移行し、否定判定された場合には、ステップS1911へ移行する。
【0318】
ステップS1911では、遊技状態特定カウンタKjの値が「11」であるか否かを判定する。すなわち大当たり終了後の変動表示が40回目であるか否かを判定する。ここで肯定判定された場合にはステップS1913へ移行し、否定判定された場合にはステップS1912へ移行する。
【0319】
ステップS1912では、遊技状態特定カウンタKjの値が「1」であるか否かを判定する。すなわち「50回目(初期値「50」の場合)」又は「30回目(初期値「30」の場合)」であるか否かを判定する。
【0320】
ここで否定判定された場合にはステップS1916へ移行し、遊技状態判定値Xjの値(「1」、「4」、「2」又は「5」)をRAM503の所定エリアに記憶して、本処理を終了する。
【0321】
一方、ステップS1912にて肯定判定された場合、すなわち遊技状態特定カウンタKjの値が「1」である場合には、ステップS1913へ移行し、遊技状態判定値Xjの値を「7」に変更する。その後、ステップS1916へ移行し、この遊技状態判定値Xjの値「7」をRAM503の所定エリアに記憶して、本処理を終了する。
【0322】
さて上記ステップS1908で肯定判定され、移行したステップS1914では、遊技状態特定カウンタKjの値が「0」であるか否かを判定する。すなわち入賞サポートモードが、上記非報知演出の行われない「次回まで・高サポートモード」であるか否かを判定する。ここで肯定判定された場合には、遊技状態判定値Xjの値「6」をRAM503の所定エリアに記憶して、本処理を終了する。
【0323】
一方、ステップS1914にて否定判定された場合、すなわち非報知演出が行われる「次回まで・高サポートモード」である場合には、ステップS1915へ移行し、遊技状態判定値Xjの値を「5」に変更する。その後、ステップS1916へ移行し、この遊技状態判定値Xjの値「5」をRAM503の所定エリアに記憶して、本処理を終了する。これにより、「次回まで・高サポートモード」の状態であっても所定回数(本実施形態では20回)の間は、抽選モードが「高確率モード」で、かつ、入賞サポートモードが「30回・高サポートモードS」の状態と同様の演出が行われることとなる。
【0324】
次に、通常処理の流れを図18のフローチャートを参照しながら説明する。この通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS201~S210の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS211,ステップS212のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
【0325】
先ずステップS201では、前回の処理で更新された特別表示装置43L、43Rや開閉役物37等の制御内容に基づいた制御信号を各装置に送信したり、コマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信したりする外部出力処理を実行する。以下により詳しい具体例をいくつか挙げる。
【0326】
例えば、上記各種検出スイッチの検知情報を基に、一般入賞口31など各種入賞口への遊技球の入賞の有無を判定し、入賞有りの場合には当該入賞に対応した個数に対応する賞球払出コマンドを払出制御装置311に対して送信する。
【0327】
また、エラー表示ランプ104を点滅させるためのコマンドなどが設定されている場合には、サブ制御装置262に対し当該コマンドを出力する。
【0328】
また、外部出力処理では、上記抽選モードフラグや後述する大当たり中フラグなど各種情報を参酌して、遊技状態を把握させるための情報が遊技ホールのホールコンピュータへ外部出力される。さらには、ホールコンピュータへのエラー情報などの出力もこの出力処理において実行される。
【0329】
例えば、入賞エラーが検出された場合には、外部中継端子板240の所定の端子を介して、遊技ホールのホールコンピュータへオン信号(パルス信号)が出力され、入賞エラーがない場合には、オフ信号が出力される。
【0330】
また、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動表示に際して、変動パターンコマンド、図柄コマンド等をサブ制御装置262に送信する。これに対し、変動パターンコマンド、図柄コマンド等を入力したサブ制御装置262は、かかる各種コマンドに基づいて、装飾図柄表示装置42の変動態様を決定し、該変動態様を装飾図柄表示装置42において表示(変動表示)するように表示制御装置45に対し指示を出す。
【0331】
ステップS202では、変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する。より具体的には、他のカウンタと同様に、変動種別カウンタCS1,CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が上限値(本実施形態では198,240)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
【0332】
続くステップS203では、払出制御装置311より受信した賞球計数信号を読み込む。次に、ステップS204では、払出制御装置311より受信した払出異常信号を読み込む。
【0333】
その後、ステップS205では、第1表示制御処理を実行する。この処理では、第1及び第2特別表示装置43L、43Rにおいてどのような制御を行うか当該特別表示装置43L、43Rの制御内容の設定が行われると共に、大当たり判定や装飾図柄表示装置42における装飾図柄の変動パターンの設定などが行われる。この第1表示制御処理の詳細は後述する。
【0334】
ステップS206では、可変入賞装置制御処理を実行する。この処理では、可変入賞装置32においてどのような制御を行うか当該可変入賞装置32の制御内容の設定が行われる。これにより、大当たり状態や小当たり状態となった場合には、可変入賞装置32の開閉板32bの開閉処理が所定回数繰り返し実行される。可変入賞装置制御処理の詳細は後述する。
【0335】
ステップS207では、第2表示制御処理を実行する。この処理では、普通図柄表示装置41おいてどのような制御を行うか当該普通図柄表示装置41の制御内容の設定などが行われる。この第2表示制御処理の詳細は後述する。
【0336】
ステップS208では、開閉役物制御処理を実行する。この処理では、開閉役物37においてどのような制御を行うか当該開閉役物37の制御内容の設定が行われる。この開閉役物制御処理の詳細は後述する。
【0337】
その後は、ステップS209において、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判定する。ここでバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていなければ、ステップS210で、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、既に所定時間が経過していれば、ステップS201へ移行し、上記ステップS201以降の処理を繰り返し実行する。
【0338】
一方、前回の通常処理の開始から未だに所定時間が経過していなければ、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCS1,CS2の更新を繰り返し実行する(ステップS211,ステップS212)。
【0339】
つまり、ステップS211では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が上限値(本例では599)に達した際0にクリアする。
【0340】
また、ステップS212では、変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する(前記ステップS202と同様)。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が上限値(本例では198,240)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2の変更値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
【0341】
ここで、ステップS201~S209の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定ではなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1,CS2についてもランダムに更新することができる。
【0342】
さて、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていれば(ステップS209:YES)、電源が遮断されたことになるので、電源断時の停電処理としてステップS213以降の処理が行われる。停電処理は、まずステップS213において各割込み処理の発生を禁止し、ステップS214において、CPU501が使用している各レジスタの内容をスタックエリアに退避し、ステップS215において、スタックポインタの値をバックアップエリア503aに記憶する。その後、ステップS216において、電源が遮断されたことを示す電源断通知コマンドを他の制御装置(払出制御装置311等)に対して送信する。そして、ステップS217でRAM判定値を算出し、バックアップエリア503aに保存する。RAM判定値は、例えば、RAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。その後、ステップS218でRAMアクセスを禁止して、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
【0343】
なお、ステップS209の処理は、ステップS201~S208で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるステップS211,S212の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置261の通常処理において、各処理の終了時に電源断の発生情報を確認しているので、各処理が途中の場合と比較してRAM503のバックアップエリア503aに記憶するデータ量が少なくなり、容易に記憶することができる。また、電源遮断前の状態に復帰する場合には、バックアップエリア503aに記憶されているデータ量が少ないので、容易に復帰させることができ、主制御装置261の処理の負担を軽減することができる。さらに、データの記憶前に割込み処理の発生を禁止(ステップS213)するので、電源が遮断されたときのデータが変更されることを防止でき、電源遮断前の状態を確実に記憶することができる。
【0344】
次に、前記ステップS205の第1表示制御処理について図26のフローチャートを参照して説明する。
【0345】
図26において、ステップS801では、詳しくは後述する各種当たり中フラグ(大当たり中フラグ及び小当たり中フラグ)を参照し、今現在、当たり中(大当たり状態中又は小当たり状態中)であるか否かを判定する。尚、当たり状態(大当たり状態及び小当たり状態)中には、当たり状態の最中と当たり状態終了後の所定時間とが含まれる。ここで言う当たり状態終了後の所定時間とは、当たり状態終了後、通常遊技(特別表示装置43L、43Rにおける変動表示)が開始されるまでの時間であり、一般にこの時間帯は、装飾図柄表示装置42にて当たり状態の終了や当たり後に付与される各種遊技状態や各種モードを示す表示などが行われる。また、特別表示装置43L、43R、及び装飾図柄表示装置42にて変動表示が当たりに対応する態様にて停止表示されてから可変入賞装置32が開放されるまでの間の期間(一般にこの時間帯は装飾図柄表示装置42にて当たり状態の開始を示す表示が行われる)についても当たり中に含まれる。
【0346】
ステップS801で肯定判定された場合、すなわち当たり状態中である場合には、そのまま本処理を終了する、一方、ステップS801で否定判定された場合には、ステップS802において、詳しくは後述する第1表示中フラグの設定状況を見て、第1又は第2特別表示装置43L、43R(装飾図柄表示装置42)にて変動表示中であるか否かを判定する。詳しくは、第1表示中フラグが設定されている場合(オン状態の場合)には変動表示中とみなされ、第1表示中フラグが解除されている場合(オフ状態の場合)には、変動表示が停止した状態にあたる停止表示中であるとみなされる。尚、詳しくは後述するが、第1表示中フラグは、第1及び第2特別表示装置43L、43Rの変動表示を開始する際(ステップS920参照、ステップS807参照)にオンにされ、第1及び第2特別表示装置43L、43Rの変動表示が停止表示される際(ステップS814参照)にオフにされる。
【0347】
そして、ステップS802で否定判定された場合、すなわち、当たり状態中でなくさらに変動表示中でもない場合には、ステップS803に進み、下始動入賞口33Bへの入賞を契機とする変動表示(第2変動表示)の保留数をカウントする下保留カウンタNbの値が0よりも大きいか否かを判定する。
【0348】
ステップS803で肯定判定された場合、すなわち、第2変動表示が1つでも保留記憶されている場合には、ステップS804において、下保留カウンタNbから1を減算する。尚、本実施形態では、ステップS803の判定処理により、第2変動表示が保留記憶されている場合には、第1変動表示を実行することなく第2変動表示を実行することとなる。つまり、第2変動表示よりも第1変動表示の方が早くに保留記憶された場合であっても、第2変動表示を優先して消化する(第1変動表示を後回しにする)構成となっている。
【0349】
続くステップS805では、第2特別変動保留エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第2特別変動保留エリアの保留第1~第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。ステップS805の後、ステップS806において、第2保留ランプ46bを点灯・消灯させる処理や、変動特定ランプ40を赤色に発光させる処理を行ってから、ステップS807に移行する。
【0350】
また、ステップS803で否定判定された場合、すなわち、第2変動表示が1つも保留記憶されていない場合には、ステップS808において、上始動入賞口33Aへの入賞を契機とする変動表示(第1変動表示)の保留数をカウントする上保留カウンタNaが0よりも大きいか否かを判定する。当該ステップS808で否定判定された場合には、そのまま本処理を終了する。
【0351】
一方、ステップS808で肯定判定された場合には、ステップS809において、上保留カウンタNaから1を減算する。続くステップS810では、第1特別変動保留エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1特別変動保留エリアの保留第1~第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。ステップS810の後、ステップS811において、第1保留ランプ46aを点灯・消灯させる処理や、変動特定ランプ40を青色に発光させる処理を行ってから、ステップS807に移行する。尚、本実施形態では、特別変動保留エリアの実行エリアは1つであり、第1特別変動保留エリア及び第2特別変動保留エリアに格納されているデータは、当該データに基づく変動表示を行う際に、共通の実行エリアにシフトされることとなる。
【0352】
ステップS807では変動表示設定処理が行われる。ここで、変動表示設定処理の詳細について、図28を参照して説明する。
【0353】
先ずステップS900において遊技状態チェック処理を実行する。尚、当該遊技状態チェック処理は、上記ステップS109の遊技状態チェック処理(図24参照)と同様の処理であるため、詳細な説明は省略する。
【0354】
続いて、ステップS901では、上記小当たり当選フラグがオンであるか否かを判定することで、変動表示が小当たりに対応するものであるか否かを判定する。
【0355】
ここで小当たりに対応するものであると判断された場合にはステップS910へ移行する。一方、小当たりでないと判断された場合には、ステップS902へ移行する。
【0356】
ステップS902では、上記大当たり当選フラグがオンであるか否かを判定することで、変動表示が大当たりに対応するものであるか否かを判定する。
【0357】
ここで大当たりに対応するものであると判断された場合にはステップS903へ移行する。一方、大当たりでも小当たりでもないと判断された場合、すなわち外れである場合には、ステップS912へ移行する。
【0358】
ステップS903では、上記各種確変大当たりフラグ(「16R確変大当たりAフラグ」、「16R確変大当たりBフラグ」、「4R確変大当たりAフラグ」、「4R確変大当たりBフラグ」)のいずれかがオンであるか否かを判定することで、変動表示が「確変大当たり」に対応したものであるか否かを判定する。
【0359】
ステップS903で肯定判定された場合、すなわち「確変大当たり」である場合には、ステップS904にて「確変大当たり」に対応する変動パターンテーブルを参酌して変動パターンを決定し、変動パターンコマンドに設定する。続けて、ステップS905にて「確変大当たり」に対応する図柄テーブルを参酌して大当たり図柄(本実施形態では奇数図柄か偶数図柄であるか)を決定し、これに対応する図柄コマンド(本実施形態では、後述する「B1」又は「B2」)を設定する。その後、ステップS920へ移行する。
【0360】
ステップS903で否定判定された場合には、ステップS906に移行し、上記各種通常大当たりフラグ(「16R通常大当たりAフラグ」、「16R通常大当たりBフラグ」、「4R通常大当たりAフラグ」、「4R通常大当たりBフラグ」)のいずれかがオンであるか否かを判定することで、変動表示が「通常大当たり」に対応したものであるか否かを判定する。当該ステップS906で肯定判定された場合、すなわち「通常大当たり」である場合には、ステップS907にて「通常大当たり」に対応する変動パターンテーブルを参酌して変動パターンを決定し、変動パターンコマンドに設定する。続けて、ステップS908にて「通常大当たり」に対応する図柄テーブルを参酌して大当たり図柄(本実施形態では奇数図柄か偶数図柄であるか)を決定し、これに対応する図柄コマンド(本実施形態では、後述する「B1」又は「B2」)を設定する。その後、ステップS920へ移行する。
【0361】
但し、本実施形態では、上述したように装飾図柄表示装置42において停止表示された図柄の種類によっては、大当たり終了後に付与される抽選モード等の遊技状態が判別不能となっている。つまり、「確変大当たり」であれば「奇数図柄」が停止表示され、「通常大当たり」であれば「偶数図柄」が停止表示されるといったように、変動パターンや停止図柄と、大当たり種別との関係が明確に対応付けられているわけではなく、本実施形態では、あくまでも上記各種テーブルにより、例えば「確変大当たり」であれば「奇数図柄」で停止表示されやすいなど、各種大当たりの種別によって所定の変動パターンや図柄の出現率が異なるようにテーブル分けされているだけである。従って、例えば大当たり時には「確変大当たり」や「通常大当たり」などの大当たり種別に関係なく、1つの大当たりテーブルを基に変動パターンや停止図柄を選出する構成としてもよい。
【0362】
また、ステップS906で否定判定された場合には、ステップS909に移行し、JUB大当たりフラグがオンであるか否かを判定することで、変動表示が「JUB大当たり」に対応したものであるか否かを判定する。当該ステップS909で肯定判定された場合、すなわち「JUB大当たり」である場合には、ステップS910へ移行する。
【0363】
ステップS910においては、「JUB大当たり」及び「小当たり」に対応する変動パターンテーブルを参酌して変動パターンを決定し、変動パターンコマンドに設定する。その後、ステップS911にてチャンス図柄に対応する図柄コマンド(本実施形態では、後述する「B6」)を設定して、ステップS920へ移行する。
【0364】
また、ステップS902で否定判定された場合、すなわち「外れ」である場合には、ステップS912において、前後外れフラグがオンであるか否かを判定する。
【0365】
ステップS912で肯定判定された場合、すなわち、「前後外れリーチ」である場合には、ステップS913にて「前後外れリーチ」に対応する変動パターンテーブルを参酌して変動パターンを決定し、変動パターンコマンドに設定するとともに前後外れフラグをオフする。続けてステップS914にて前後外れ図柄に対応する図柄コマンド(本実施形態では、後述する「B3」)に設定する。その後、ステップS920へ移行する。
【0366】
一方、ステップ912で否定判定された場合、ステップS915において、前後外れ以外フラグがオンであるか否かを判定する。当該ステップS915で肯定判定された場合、すなわち、「前後外れ以外リーチ」である場合には、ステップS916にて「前後外れ以外リーチ」に対応する変動パターンテーブルを参酌して変動パターンを決定し、変動パターンコマンドに設定するとともに前後外れ以外フラグをオフする。続けて、ステップS917にて前後外れ以外図柄に対応する図柄コマンド(本実施形態では、後述する「B4」)に設定する。その後、ステップS920へ移行する。
【0367】
また、ステップS915で否定判定された場合、すなわち「完全外れ」である場合には、ステップS918にて「完全外れ」に対応する変動パターンテーブルを参酌して外れ変動パターンを決定し、変動パターンコマンドに設定する。続けて、ステップS919にて完全外れ図柄に対応する図柄コマンド(本実施形態では、後述する「B5」)に設定する。その後、ステップS920へ移行する。
【0368】
ここで、便宜上、変動パターンテーブル及び変動パターンコマンドについて説明する。本実施形態では、上述した「確変大当たり」に対応する変動パターンテーブル(以下、確変大当たり時・変動パターンテーブルという)、「通常大当たり」に対応する変動パターンテーブル、「JUB大当たり」及び「小当たり」に対応する変動パターンテーブル、「前後外れリーチ」に対応する変動パターンテーブル、「前後外れ以外リーチ」に対応する変動パターンテーブル、並びに、「完全外れ」に対応する変動パターンテーブル(以下、完全外れ時・変動パターンテーブルという)がそれぞれ遊技状態(遊技状態判定値Xjの値「0」~「7」)に応じて複数設けられている。
【0369】
例えば、確変大当たり時・変動パターンテーブルに関しては、図45(a)に示すように、基準アドレスとなる「100番地」において、遊技状態判定値Xjの値が「0」の「通常状態」に対応する確変大当たり時・変動パターンテーブルが記憶されている。
【0370】
同様に「101番地」において、遊技状態判定値Xjの値が「1」に対応する確変大当たり時・変動パターンテーブルが記憶され、「102番地」において、遊技状態判定値Xjの値が「2」に対応する確変大当たり時・変動パターンテーブルが記憶され、「103番地」において、遊技状態判定値Xjの値が「3」に対応する確変大当たり時・変動パターンテーブルが記憶され、「104番地」において、遊技状態判定値Xjの値が「4」に対応する確変大当たり時・変動パターンテーブルが記憶され、「105番地」において、遊技状態判定値Xjの値が「5」に対応する確変大当たり時・変動パターンテーブルが記憶され、「106番地」において、遊技状態判定値Xjの値が「6」に対応する確変大当たり時・変動パターンテーブルが記憶され、「107番地」において、遊技状態判定値Xjの値が「7」に対応する確変大当たり時・変動パターンテーブルが記憶されている。
【0371】
また、完全外れ時・変動パターンテーブルに関しては、図45(b)に示すように、基準アドレスとなる「700番地」において、遊技状態判定値Xjの値が「0」の「通常状態」に対応する完全外れ時・変動パターンテーブルが記憶されている。
【0372】
同様に「701番地」において、遊技状態判定値Xjの値が「1」に対応する完全外れ時・変動パターンテーブルが記憶され、「702番地」において、遊技状態判定値Xjの値が「2」に対応する完全外れ時・変動パターンテーブルが記憶され、「703番地」において、遊技状態判定値Xjの値が「3」に対応する完全外れ時・変動パターンテーブルが記憶され、「704番地」において、遊技状態判定値Xjの値が「4」に対応する完全外れ時・変動パターンテーブルが記憶され、「705番地」において、遊技状態判定値Xjの値が「5」に対応する完全外れ時・変動パターンテーブルが記憶され、「706番地」において、遊技状態判定値Xjの値が「6」に対応する完全外れ時・変動パターンテーブルが記憶され、「707番地」において、遊技状態判定値Xjの値が「7」に対応する完全外れ時・変動パターンテーブルが記憶されている。
【0373】
図示は省略するが、その他の上記「通常大当たり」に対応する変動パターンテーブル、「JUB大当たり」及び「小当たり」に対応する変動パターンテーブル、「前後外れリーチ」に対応する変動パターンテーブル、並びに、「前後外れ以外リーチ」に対応する変動パターンテーブルに関しても、上記確変大当たり時・変動パターンテーブル、及び、完全外れ時・変動パターンテーブルの場合と同様に、遊技状態判定値Xjの値「0」~「7」対応する複数のテーブル群が所定の基準アドレスから連番で格納されている。
【0374】
従って、上記ステップS904、ステップS907、ステップS910、ステップS913、ステップS916、ステップS918において変動パターンを決定する際には、まず上記遊技状態チェック処理(ステップS900)において特定した遊技状態判定値Xjを基に、複数のテーブル群の中から所定の遊技状態(遊技状態判定値Xjの値「0」~「7」)に対応するテーブルを選出する処理を行う。この際、基準アドレス(例えば確変大当たり時・変動パターンテーブルの場合には「100番地」)に対し、遊技状態判定値Xjの値を加算することで、選出すべきテーブルの格納されたアドレスを特定することができる。つまり、遊技状態判定値Xjの値がそのままオフセット値の役割を果たす。
【0375】
そして、選択された変動パターンテーブル(例えば、「100番地」に格納された「通常状態(Xj=0)」に対応する確変大当たり時・変動パターンテーブル:図46参照)を基に変動パターンを決定し、これに対応する変動パターンコマンドを設定する。
【0376】
本実施形態における変動パターンコマンドは、2バイト構成からなり、上位バイトにおける上位4ビットが、遊技状態を特定する情報によって構成されている。本実施形態では、上記遊技状態判定値Xjの値がそのまま設定される。また、上位バイトの下位4ビットが、大当たり種別などを特定する情報によって構成されて、下位バイトの8ビットが、変動パターン(変動時間やリーチ種別等)を特定する情報によって構成されている。
【0377】
例えば、通常状態(Xj=0)に係る確変大当たり時・変動パターンテーブル〔図45(a)参照〕を参照して判るとおり、通常状態に係る確変大当たり時・変動パターンコマンドでは、上位バイトにおける上位4ビットに遊技状態判定値Xjの値である「0」が設定され、続く下位4ビットに「確変大当たり」を示す「F」が設定されている。そして、残りの下位バイトの8ビットに対し、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値に対応した変動パターンを特定する値が設定される。尚、サブ制御装置262には、これらの変動パターンコマンドと装飾図柄の変動態様(演出パターン)との関係がテーブルで記憶されており、変動パターンコマンドを受信すると、当該変動パターンコマンドに対応する変動パターン(演出パターン)が実行可能となる。
【0378】
次に、図柄コマンドについて詳しく説明する。図柄コマンドは、サブ制御装置262に停止図柄を決定させるためのコマンドである。本実施形態では、奇数大当たり図柄の組合わせ、偶数大当たり図柄の組合わせ、前後外れ図柄の組合わせ、前後外れ以外図柄の組合わせ、完全外れ図柄の組合わせ、チャンス図柄の組合わせという6つの区分を指定するものである。これらの区分は、例えば、「B1」,「B2」,「B3」,「B4」,「B5」,「B6」で示され、この内のいずれかが図柄コマンドとして設定される。一方、サブ制御装置262には、これらのコマンドと停止図柄との関係がテーブルで記憶されている。そして、サブ制御装置262は、図柄コマンドに対応する停止図柄を表示する。
【0379】
奇数大当たり図柄の組合わせは、1,3,5,7,9の数字のゾロ目からなる図柄の組合わせであり、奇数大当たり図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「B1」が設定される。そして、サブ制御装置262は、図柄コマンドに奇数大当たり図柄を示す「B1」が設定されている場合、1,3,5,7,9の数字のゾロ目からなる図柄の組合わせのうちの一つを停止図柄として決定する。
【0380】
偶数大当たり図柄の組合わせは、0,2,4,6,8の数字のゾロ目からなる図柄の組合わせであり、偶数大当たり図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「B2」が設定される。そして、サブ制御装置262は、図柄コマンドに偶数大当たり図柄を示す「B2」が設定されている場合、0,2,4,6,8の数字のゾロ目からなる図柄の組合わせのうちの一つを停止図柄として決定する。
【0381】
前後外れ図柄の組合わせは、リーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」に対応するものであり、前後外れ図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「B3」が設定される。
【0382】
前後外れ以外図柄の組合わせは、リーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」に対応するものであり、前後外れ以外図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「B4」が設定される。
【0383】
完全外れ図柄の組合わせは、リーチ発生しない「完全外れ」に対応するものであり、完全外れ図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「B5」が設定される。
【0384】
また、チャンス図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「B6」が設定される。ちなみに、チャンス図柄は1種類であり、本例では、上述したように各図柄表示領域にて停止表示される装飾図柄が上から「3」・「4」・「1」となっている。
【0385】
なお、詳しくは後述するが、図柄コマンドに「B3」~「B5」が設定されている場合、サブ制御装置262は、対応するRAM553のカウンタ用バッファに格納されている図柄の組合わせを停止図柄として決定する。具体的には、前後外れ図柄の組合わせを示す「B3」が図柄コマンドに設定されると、当該図柄コマンドを受信したサブ制御装置262は、RAM553の前後外れリーチ図柄バッファに格納されている前後外れリーチに対応する図柄の組合わせを停止図柄として決定する。前後外れ以外図柄の組合わせを示す「B4」が図柄コマンドに設定されると、RAM553の前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納されている前後外れ以外リーチに対応する図柄の組合わせを、サブ制御装置262が停止図柄として決定する。完全外れ図柄の組合わせを示す「B5」が図柄コマンドに設定されると、RAM553の完全外れ図柄バッファに格納されている完全外れに対応する図柄の組合わせを、サブ制御装置262が停止図柄として決定する。
【0386】
また、図柄コマンドに「A6」が設定されている場合、サブ制御装置262は、装飾図柄の組合わせとしてチャンス図柄を選択する。
【0387】
尚、上述したように設定された変動パターンコマンド及び図柄コマンドは、後述する外部出力処理(ステップS201)において出力される。そして、これらのコマンドを入力したサブ制御装置262は、かかるコマンドに基づいて、装飾図柄表示装置42の変動態様を決定し、該変動態様を装飾図柄表示装置42において表示(変動表示)するように表示制御装置45に対し指示を出す。
【0388】
さて、ステップS920では、特別表示装置43L、43Rにおいて変動表示を行う条件が成立したことを示す開始設定処理を行う。この開始設定処理では、特別表示装置43L、43Rにて変動表示中であるか否かを示す第1表示中フラグがオンにされるとともに、第1表示タイマの設定処理が行われる。
【0389】
第1表示タイマとは、特別表示装置43L、43Rにおける変動時間(変動表示の残余時間)を計測する手段であり、変動表示開始から所定時間が経過したか否かを判定する際に参酌される。
【0390】
本実施形態における特別表示装置43L、43Rの変動表示時間は、上記変動種別カウンタCS1,CS2により選出される装飾図柄の変動パターンに対応した値が設定される。このような第1表示タイマの設定に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、特別表示装置43L、43Rに対し変動表示を開始する旨の制御信号が出力された場合には、特別表示装置43L、43Rにおいて変動表示が開始される。そして、ステップS920の終了後、変動表示設定処理を終了する。
【0391】
図26の説明に戻り、ステップS802で肯定判定された場合、すなわち変動表示中である場合には、ステップS812に進み、第1表示タイマ減算処理を行う。この処理が1回行われる毎に第1表示タイマの値が4msecずつ減算されていく。例えば変動時間が10秒(10000msec)の場合には、第1表示タイマに対して「2500」が設定され、4msec毎に1減算される。
【0392】
続いてステップS813に進み、上記減算後の第1表示タイマの値を参酌して所定の変動時間が経過したか否かを判定する。このとき、所定の変動時間が経過した時すなわち第1表示タイマの値が「0」となった時にステップS813が肯定判定される。
【0393】
ステップS813で否定判定された場合には、ステップS817において、特別表示装置43L、43Rの変動表示を継続して行うための切替表示設定を行い、本処理を終了する。尚、切替表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、特別表示装置43L、43Rに対し切替表示を行う旨の制御信号が出力される。これによって、第1表示制御処理のタイミング、すなわち4ms毎に特別表示装置43L、43Rの切替表示(変動表示)が実現される。
【0394】
一方、ステップS813で肯定判定された場合には、ステップS814において第1表示中フラグを解除(オフ)し、ステップS815において特別表示装置43L、43Rにて停止表示を行うための停止表示設定を行う。
【0395】
尚、上記停止表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、特別表示装置43L、42Rに対し停止表示を行う旨の制御信号が出力される。例えば、「16R確変大当たりA」である場合には「9-」を停止表示(例えば数秒間だけ点灯)させる。
【0396】
続いて、ステップS816において変動終了時設定処理を行った後、本処理を終了する。ここで、変動終了時設定処理について、図27を参照して説明する。
【0397】
先ず、ステップS1001において、上記大当たり当選フラグ及び小当たり当選フラグを参酌し、停止表示が大当たり又は小当たりに対応するか否かを判定する。ここで、大当たり又は小当たりに対応する場合には、ステップS1002へ移行し、当たり設定を行う。具体的には、大当たり中フラグ、小当たり中フラグ、第1可変フラグ、第1可変タイマ、開放数カウンタ及び入賞カウンタVx等の設定処理を行う。そして、ステップS1002の終了後、変動終了時設定処理を終了する。
【0398】
大当たり中フラグとは、大当たり状態中か否かを判定するための状態判定情報であり、ここでは大当たり状態の発生を示す「1」がフラグ値として設定される(オンされる)。
【0399】
小当たり中フラグとは、小当たり状態中か否かを判定するための状態判定情報であり、ここでは大当たり中フラグと同様、小当たり状態の発生を示す「1」がフラグ値として設定される(オンされる)。
【0400】
第1可変フラグとは、可変入賞装置32が開状態中であるか否かを判定するための状態判定情報である。
【0401】
第1可変タイマとは、可変入賞装置32の開放時間(特賞状態の発生時間)や各特賞状態間のインターバル等を計測するための計測手段であり、開閉板32bの開放開始又は開放終了から規定時間が経過したか否かを判定する際等に参酌される。ステップS1002の当たり設定処理では、開閉パターン制御テーブル(図47参照)を参酌して、各種当たりに対応した所定値が設定される。例えば、「16R確変大当たりA」のように初回が上記「長開放」の場合には、第1可変タイマに「7500」が設定され、「JUB大当たり」のように初回が上記「短開放」の場合には、第1可変タイマに「100」が設定される。これにより、開閉板32bの1開閉動作あたりの最大開放時間(規定時間)が「30秒」又は「0.4秒」に設定されることとなる。
【0402】
尚、開閉パターン制御テーブルには、図47に示すように、各種当たり状態における特賞状態の発生回数(ラウンド数)、各特賞状態(各ラウンド)における開閉板32bの開放時間、各特賞状態間のインターバル時間などが予め設定されている。
【0403】
開放数カウンタとは、大当たり状態中又は小当たり状態中に実行される特賞状態の発生回数、つまり可変入賞装置32の開閉処理(「長開放」又は「短開放」)の実行回数を判定するための状態判定情報である。ステップS1002の当たり設定処理では、開閉パターン制御テーブルを参酌して、各種当たりに対応した初期値が設定される。例えば、「16R確変大当たりA」の場合には、16回を示す「16」が設定され、「JUB大当たり」の場合には、5回の「短開放」と15回の「長開放」の合計である20回を示す「20」が初期値として設定される。
【0404】
入賞カウンタVxとは、可変入賞装置32へ入賞した遊技球の数を計数する入賞計数手段である。本実施形態では、タイマ割込み処理のスイッチ読み込み処理(図19参照)に際して、可変入賞装置32への入賞があったか否かをカウントスイッチ223の検知情報に基づき判定し、可変入賞装置32への入賞があったと判定されると、入賞カウンタVxの値が1加算される。
【0405】
また、ステップS1002の当たり設定処理では、開閉パターン制御テーブルを参酌して、開閉板32bの1開閉動作(一回の特賞状態)あたりの可変入賞装置32への最大入賞予定数である規定個数K1の設定を行う。規定個数K1は、上述したとおり、「長開放」又は「短開放」といった開放種別(一回の開閉動作に係る開閉部材の動作態様)ごとに予め定められている。例えば「長開放」であれば規定個数K1として「10」、「短開放」であれば規定個数K1として「3」が設定される。
【0406】
ステップS1002の当たり設定処理では、大当たり又は小当たりの開始を告げるオープニングコマンドの設定なども行われる。但し、「JUB大当たり」の場合には、5回の「短開放」の終了後(後述するステップS1217の特賞状態開始処理等)にオープニングコマンドの設定が行われる。これにより、「JUB大当たり」の場合には、5回の「短開放」の終了後に大当たり報知演出等が行われることとなり、ここまでは、小当たりの場合と区別ができないようになっている。
【0407】
さて、ステップS1001において、大当たり又は小当たりに対応しない、すなわち上記大当たり当選フラグ及び小当たり当選フラグがオフであると判定された場合には、ステップS1003へ移行する。
【0408】
ステップS1003では、サポート回数カウンタのカウンタ値が「0」か否かを判定する。サポート回数カウンタとは、「高サポートモード」の継続期間(変動表示何回分か)を計測するための手段であり、後述するように大当たり終了後に、各種大当たりに対応する値がカウンタ値として設定される。
【0409】
ここで、サポート回数カウンタのカウンタ値が「0」の場合には、そのまま本処理を終了する。一方、サポート回数カウンタが設定されている場合(カウンタ値が「0」以外の場合)には、高サポートモードの設定中とみなし、ステップS1004において、サポート回数カウンタの値を1減算する処理を行う。ステップS1004では、上記遊技状態特定カウンタKjの値を1減算する処理も併せて行う。その後、ステップS1005へ移行する。
【0410】
ステップS1005では、サポート回数カウンタのカウンタ値が「0」か否かを判定する。つまり、今回の変動表示が、大当たり終了後(高サポートモードの付与後)、所定回数目の変動表示であったか否かを判定する。ここで、サポート回数カウンタの値が「0」であれば、ステップS1006においてサポートモードフラグの値を「低サポートモード」を示す「A0(H)」に切替える処理を行い、本処理を終了する。
【0411】
一方、ステップS1005で、サポート回数カウンタのカウンタ値が「0」でないと判定された場合には、そのまま本処理を終了する。
【0412】
次に、上記ステップS206の可変入賞装置制御処理について図29のフローチャートを参照して説明する。ステップS206の可変入賞装置制御処理を実行する主制御装置261の機能により本実施形態における特定開閉制御手段が構成される。
【0413】
まずステップS1201において大当たり中フラグ又は小当たり中フラグがオンであるか否かを判定する。ここで否定判定された場合には、本処理をそのまま終了する。
【0414】
ステップS1202で肯定判定された場合には、続くステップS1202において、上記第1可変タイマのカウント値を1減算する。
【0415】
続くステップS1203では、第1可変フラグがオンであるか否かを判定する。ここで肯定判定された場合、すなわち可変入賞装置32が開状態である場合には、ステップS1204に進み、第1可変タイマのカウント値が「0」であるか否か、すなわち開閉板32bの1開閉動作(「長開放」又は「短開放」)あたりの開放時間(規定時間「30秒」又は「0.4秒」)が残されているか否かを判定する。
【0416】
ステップS1204にて否定判定された場合には、ステップS1205に進み、入賞カウンタVxの値が規定個数K1以上であるか否か、すなわち1回の特賞状態で可変入賞装置32へ入賞した遊技球の球数が最大入賞予定数(規定個数「10個」又は「3個」)に達したか否かを判定する。ステップS1205にて否定判定された場合、すなわち可変入賞装置32を閉状態とするタイミング(特賞状態終了のタイミング)が未だ到来していない場合には、そのまま本処理を終了する。
【0417】
一方、ステップS1204又はステップS1205にて肯定判定された場合には、ステップS1206に進み、第1可変タイマの設定処理を行う。
【0418】
ここで、第1可変タイマには、特賞状態の終了から所定時間が経過したか否か(例えば大当たりや小当たりの終了から所定時間が経過したか否か、所定の特賞状態の終了から次の特賞状態が開始されるまでのインターバルが経過したか否か等)を判定するため、上記開閉パターン制御テーブルを参酌して、所定値(例えば「3秒」に相当する値「750」、又は、「1秒」に相当する「250」)がセットされる。
【0419】
その後、ステップS1207に進み、開放数カウンタのカウンタ値が「0」であるか否か、すなわち特賞状態(「長開放」や「短開放」)の実行回数が規定回数に達したか否かを判定する。
【0420】
ステップS1207で肯定判定された場合には、ステップS1210において開放終了設定処理を行い、本処理を終了する。ステップS1210の終了設定処理では、第1可変フラグをオフするとともに、当たり終了フラグをオンする。
【0421】
ステップS1207で否定判定された場合、すなわち特賞状態(「長開放」や「短開放」)の実行回数が規定回数に達していない場合には、ステップS1211において、特賞送り処理を行い、本処理を終了する。
【0422】
ステップS1211の特賞送り処理では、開放数カウンタの値を1減算すると共に、第1可変フラグをオフにする。これにより、特賞状態の実行回数が上記規定回数に達するまで上記開閉処理が繰り返し行われることとなる。
【0423】
さて、上記ステップS1203にて否定判定された場合、すなわち特賞状態終了後の所定時間内(当たり終了後の所定時間内、又は、特賞状態間のインターバル中)である場合には、ステップS1212に進み、第1可変タイマの値が「0」であるか否かを判定する。
【0424】
ステップS1212にて肯定判定された場合、すなわち特賞状態の終了から所定時間が経過し、次の過程(次の特賞状態の開始、又は、通常遊技の開始)へ移行するタイミングに至った場合には、ステップS1215へ移行する。一方、ステップS1212にて否定判定された場合には、そのまま本処理を終了する。
【0425】
ステップS1215では、上記当たり終了フラグを参酌して、大当たり状態又は小当たり状態を終了するか否かを判定する。
【0426】
ステップS1215で肯定判定された場合には、ステップS1216において当たり終了設定処理を行った後、本処理を終了する。
【0427】
一方、ステップS1215で否定判定された場合には、ステップS1217において特賞状態開始処理を行った後、本処理を終了する。
【0428】
ステップS1216の当たり終了設定処理では、大当たり中フラグ又は小当たり中フラグをオフするとともに、抽選モードフラグの切替処理、サポートモードフラグの切替処理、サポート回数カウンタの設定処理、遊技状態通知コマンドの設定処理、大当たり又は小当たりの終了を告げるエンディングコマンドの設定処理などが行われる。
【0429】
抽選モードフラグの切替処理では、上述した各種大当たりフラグに基づいて、抽選モードフラグの切替設定が行われる。これにより、大当たり終了後に「高確率モード」が設定される場合(各種「確変大当たりフラグ」又は「JUB大当たりフラグ」がオン)には、「高確率モード」の発生を示す「53(H)」がフラグ値として設定される。一方、「低確率モード」が設定される場合(各種「通常大当たりフラグ」がオン)には、「低確率モード」の発生を示す「50(H)」がフラグ値として設定される。抽選モードフラグの切替処理を行う機能により本実施形態における確率状態切換手段が構成される。
【0430】
但し、小当たり当選フラグがオンの場合には、抽選モードフラグの切替処理は行われず、元のモードに係るフラグ値がそのまま設定される。例えば小当たり状態の発生前に「高確率モード」が設定されている場合(抽選モードフラグのフラグ値「53(H)」)には、小当たり終了後も、そのまま「高確率モード(抽選モードフラグのフラグ値「53(H)」)が設定される。
【0431】
サポートモードフラグの切替処理では、上述した各種大当たりフラグに基づいて、サポートモードフラグの切替設定が行なわれる。これにより、大当たり終了後に「20回・高サポートモード」、「30回・高サポートモード」、「40回・高サポートモード」又は「50回・高サポートモード」が付与される場合にはフラグ値として「A1(H)」が設定され、「30回・高サポートモードS」の場合にはフラグ値として「A2(H)」が設定され、「次回まで・高サポートモード」である場合にはフラグ値として「A3(H)」が設定される。サポートモードフラグの切替処理を行う機能により本実施形態における入球状態切換手段が構成される。
【0432】
サポート回数カウンタの設定処理では、上述した各種大当たりフラグに基づいて、サポート回数カウンタの切換設定が行われる。これにより、大当たり終了後に「20回・高サポートモード」、「30回・高サポートモード」、「40回・高サポートモード」又は「50回・高サポートモード」が付与される場合には、サポート回数カウンタの値としてそれぞれ変動表示20回分に相当する「20」、変動表示30回分に相当する「30」、変動表示40回分に相当する「40」又は変動表示50回分に相当する「50」が設定される。また、「30回・高サポートモードS」が付与される場合には、サポート回数カウンタの値として変動表示30回分に相当する「30」が設定される。「次回まで・高サポートモード」が付与される場合には、サポート回数カウンタの値に、事実上到達し得ない値(例えば、変動表示99999回分に相当する「99999」)が設定される。
【0433】
遊技状態通知コマンドとは、サブ制御装置262に対し、大当たり終了後に設定される遊技状態を通知するためのコマンドである。当該コマンドを設定するにあたり、まず遊技状態チェック処理を行う。当該遊技状態チェック処理は上記ステップS109の遊技状態チェック処理(図24参照)と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0434】
そして、遊技状態通知コマンドには、上記遊技状態チェック処理により把握された新たな遊技状態に係る遊技状態判定値Xjが含まれる。後述するように、これを受信したサブ制御装置262は、自身の把握している遊技状態(遊技状態判定値Xj)を新たな遊技状態(遊技状態判定値Xj)に切換える。尚、遊技状態通知コマンドを省略し、これに代えて、例えば大当たり状態の終了を告げるエンディングコマンド等に遊技状態判定値Xjが含まれる構成としてもよい。
【0435】
尚、大当たり当選フラグ、小当たり当選フラグ、各種「大当たりフラグ」に関しては、上記抽選モードフラグの切替処理など各種処理の終了後、オフされる。また、図27の変動終了時設定処理において当たり設定(ステップS1002)が行われた場合に、抽選モードフラグを一度リセットし(「50(H)」を設定する)、大当たり中又は小当たり中は「高確率モード」が中断する構成としてもよい。
【0436】
ステップS1217の特賞状態開始処理では、第1可変フラグをオンにするとともに、上記開閉パターン制御テーブルを参酌して、次の特賞状態に係る開放時間(「7500」又は「100」)を第1可変タイマに設定すると共に、次の特賞状態に係る規定個数K1の設定を行なう。さらに入賞カウンタVxの値を「0」にリセットする。
【0437】
尚、第1可変フラグのオンオフ状況に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、可変入賞装置32に対し各種制御信号が出力される。第1可変フラグがオンの場合には可変入賞装置32に対し大入賞口32aを開放する旨の制御信号が出力され、大入賞口32aが開状態となる。一方、第1可変フラグがオフの場合には可変入賞装置32に対し大入賞口32aを閉鎖する旨の制御信号が出力され、大入賞口32aが閉状態となる。
【0438】
次に、前記ステップS207の第2表示制御処理について図30のフローチャートを参照して説明する。
【0439】
図30において、ステップS2101では、普通図柄表示装置41にて変動表示中であるか否かを示す第2表示中フラグの設定状況を見て普通図柄表示装置41による変動表示中であるか否かを判定する。詳しくは、第2表示中フラグがオンである場合には普通図柄表示装置41において変動表示中であるとみなされ、第2表示中フラグがオフである場合には、普通図柄表示装置41において変動表示が停止した状態にあたる停止表示中であるとみなされる。
【0440】
ステップS2101で否定判定された場合には、ステップS2102に進み、普通保留カウンタNcの値が0よりも大きいか否かを判定する。このとき、普通保留カウンタNcの値が0である場合には、そのまま本処理を終了する。
【0441】
また、変動表示中でなく且つ普通保留カウンタNcの値>0であれば、ステップS2103に進む。ステップS2103では、普通保留カウンタNcから1を減算する。ステップS2104では、普通変動保留エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、普通変動保留エリアの保留第1~第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
【0442】
その後、ステップS2105では、開始設定処理を実行する。この処理では、普通図柄表示装置41において変動表示を行う条件が成立したことを示す処理を行う。詳しくは、第2表示中フラグをオンにするとともに、第2表示タイマの設定処理が行われる。第2表示タイマとは、普通図柄表示装置41にて行われる変動表示の変動時間(残余時間)を計測する手段であり、変動表示開始から所定時間が経過したか否かを判定する際に参酌される。
【0443】
本実施形態では、「低サポートモード」中において、普通図柄表示装置41にて行われる変動表示の変動時間が2秒と設定されているため、第2表示タイマには「500」が設定される。また、「高サポートモード」中においては、普通図柄表示装置41にて行われる変動表示の変動時間が0.4秒と設定されているため、第2表示タイマに「100」が設定される。
【0444】
当該開始設定処理における設定に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、普通図柄表示装置41に対し変動表示を開始する旨の制御信号が出力された場合には、普通図柄表示装置41において変動表示が開始される。上述したように普通図柄表示装置41は、普通図柄として「○」又は「×」を点灯表示するように構成されており、表示されているのが「○」であれば「×」、「×」であれば「○」へ切換え表示する。そして、ステップS2105の終了後、第2表示制御処理を終了する。
【0445】
さて、ステップS2101で肯定判定された場合、すなわち普通図柄表示装置41にて変動表示中である場合には、ステップS2106に進み、第2表示タイマ減算処理を行う。この処理が1回行われる毎に第2表示タイマのカウント値が1減算される。
【0446】
続いてステップS2107に進み、第2表示タイマのカウント値が「0」であるか否か、すなわち、変動時間が経過したか否かを判定する。ステップS2107で肯定判定された場合には、ステップS2108において第2表示中フラグをオフし、ステップS2109において普通図柄表示装置41にて停止表示を行うための普通図柄停止表示設定を行う。そして、この普通図柄停止表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、普通図柄表示装置41に対し停止表示を行う旨の制御信号が出力される。すなわち、当選である場合には「○」図柄(当選図柄)を停止表示(例えば数秒間だけ点灯)させ、外れである場合には「×」図柄を停止表示させる。
【0447】
なお、上述したように、普通変動保留エリアの実行エリアに格納されている普通図柄乱数カウンタC4の値に基づいて当選か否かが判定される。かかる処理が本実施形態における第3当否抽選を構成し、かかる処理を行う主制御装置261の機能が第3抽選手段を構成する。
【0448】
具体的には、普通図柄乱数カウンタC4の数値0~9のうち、当選値は「低サポートモード」において「0,1」の2個であり、「高サポートモード」において「0~7」の8個である。
【0449】
続いてステップS2110に進み、変動終了時設定処理を行い、本処理を終了する。この処理において、停止表示が当選に対応する場合には、開閉役物37の開閉処理を行うための設定処理を行う。具体的には、第2可変フラグをオンにして、第2可変タイマに開放時間を設定する。
【0450】
第2可変フラグとは、開閉役物37が開状態中であるか否かを判定するための状態判定情報である。
【0451】
第2可変タイマとは、開閉役物37の開放時間(残余時間)を計測する手段であり、開放開始から規定時間が経過したか否かを判定する際に参酌される。尚、本実施形態では、「高サポートモード」と「低サポートモード」とで開閉役物37の開放時間が異なり、「高サポートモード」においては、第2可変タイマに対して「1000」が設定され、「低サポートモード」においては、第2可変タイマに対して「100」が設定される。
【0452】
一方、ステップS2107で否定判定された場合には、ステップS2111において、普通図柄表示装置41の変動表示を継続して行うための切替表示設定を行い、本処理を終了する。そして、この切替表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、普通図柄表示装置41に対し切替表示を行う旨の制御信号が出力される。具体的には、現在の点灯が「○」であれば「×」、「×」であれば「○」へ切換え表示する。これによって、第2表示制御処理のタイミング、すなわち4ms毎に普通図柄表示装置41の変動表示が実現される。
【0453】
次に上記ステップS208の開閉役物制御処理について図31のフローチャートを参照して説明する。
【0454】
まず、ステップS2201において開閉役物37が開状態であるか否かを示す第2可変フラグがオンであるか否かを判定する。ここで、第2可変フラグがオンではない(開閉役物37が閉状態である)と判定された場合、そのまま本処理を終了する。
【0455】
一方、上記ステップS2201において肯定判定された場合、すなわち第2可変フラグがオンである場合は開閉役物37が開状態であるとみなし、ステップS2202において第2可変タイマ減算処理を行う。この処理が1回行われる毎に第2可変タイマの値が1ずつ減算されていく。
【0456】
続いてステップS2203に進み、上記減算後の第2可変タイマの値を参酌して、規定された開放時間が経過したか否かを判定する。ここでは、規定された開放時間を経過した時、すなわち第2可変タイマの値が「0」となった時にステップS2203が肯定判定される。ここで否定判定された場合には、そのまま本処理を終了する。
【0457】
一方、ステップS2203で肯定判定された場合にはステップS2204へ移行し、ステップS2204にて終了設定処理を行ってから、本処理を終了する。ステップS2204の終了設定処理では、第2可変フラグをオフする処理が行われる。
【0458】
尚、第2可変フラグのオンオフ状況に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、開閉役物37に対し各種制御信号が出力される。第2可変フラグがオンの場合には開閉役物37に対し可動羽根37aを開放する旨の制御信号が出力され、開閉役物37が開状態となる。一方、第2可変フラグがオフの場合には開閉役物37に対し可動羽根37aを閉鎖する旨の制御信号が出力され、開閉役物37が閉状態となる。これにより、下始動入賞口33Bへの遊技球の入賞が不可能となる。
【0459】
次に、払出制御装置311内のCPU511により実行される払出制御について説明する。説明の便宜上、まず図32を参照して受信割込み処理を説明し、その後、図33を参照してメイン処理を説明する。
【0460】
図32は、払出制御装置311により実行される受信割込み処理を示すフローチャートである。受信割込み処理は、主制御装置261から送信されるコマンドを払出制御装置311が受信した場合に割り込んで実行される処理である。主制御装置261から送信されたコマンドが受信されたことを払出制御装置311が確認すると、払出制御装置311内のCPU511により実行される他の処理を一端待機させ、受信割込み処理が実行される。受信割込み処理が実行されると、まずステップS3001において主制御装置261から送信されたコマンドをRAM513のコマンドバッファに記憶し、ステップS3002において主制御装置261からコマンドが送信されたことを記憶するためにコマンド受信フラグをオンして、本受信割込み処理を終了する。上述したように、コマンドがコマンドバッファに記憶される場合には、記憶ポインタが参照されて所定の記憶領域に記憶されると共に、次に受信したコマンドを次の記憶領域に記憶させるために記憶ポインタが更新される。
【0461】
なお、本実施形態では、主制御装置261から送信されるコマンドの受信処理は、そのコマンドが受信されたときに実行される割込処理で行われるものとしたが、例えば、図34に示したタイマ割込処理において、コマンド判定処理(ステップS3201)が行われる前に、コマンドが受信されたか否かを確認し、コマンドが受信されている場合にはそのコマンドをRAM513のコマンドバッファへ記憶してコマンド受信フラグをオンするとともに、コマンドが受信されていない場合にはコマンド判定処理へ移行するものとしてもよい。かかる場合には、所定間隔毎に入出力ポートのコマンド入力に対応するポートを確認することで、コマンドが受信されたか否かを確認する。
【0462】
次に、払出制御装置311のメイン処理について図33を参照して説明する。図33は、払出制御装置311のメイン処理を示すフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
【0463】
先ず始めに、ステップS3101では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、割込みモードを設定する。そして、ステップS3103でRAMアクセスを許可すると共に、ステップS3104で外部割込みベクタの設定を行う。
【0464】
その後、ステップS3106では、RAM513のバックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判定する。そして、バックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されていれば、ステップS3107でRAM判定値を算出し、続くステップS3108で、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判定する。RAM判定値は、例えばRAM513の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM513の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
【0465】
ステップS3106で電源断の発生情報が設定されていない場合や、ステップS3108でRAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合には、ステップS3115以降のRAM513の初期化処理へ移行する。
【0466】
ステップS3115ではRAM513の全領域を0にクリアし、ステップS3116ではRAM513の初期値を設定する。その後、ステップS3117ではCPU周辺デバイスの初期設定を行い、ステップS3114へ移行して割込みを許可する。
【0467】
一方、ステップS3106で電源断の発生情報が設定されていること、及びステップS3108でRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS3109で電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS3110で電源断の発生情報をクリアし、ステップS3111で賞球の払出を許可する払出許可フラグをクリアする。また、ステップS3112では、CPU周辺デバイスの初期設定を行い、ステップS3113では、使用レジスタをRAM513のバックアップエリア513aから復帰させる。さらに、ステップS3114では、割込みを許可する。
【0468】
ステップS3114で割込みが許可された後は、ステップS3122の処理において、バックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判定する。ここで、電源断の発生情報が設定されていれば、電源が遮断されたことになるので、電源断時の停電処理としてステップS3123以降の処理が行われる。停電処理は、まずステップS3123において各割込み処理の発生を禁止し、次のステップS3124において後述するコマンド判定処理を実行する。その後、ステップS3125でCPU511が使用している各レジスタの内容をスタックエリアに退避し、ステップS3126でスタックポインタの値をバックアップエリア513aに記憶し、ステップS3127でRAM判定値を算出してバックアップエリア513aに保存し、ステップS3128でRAMアクセスを禁止して、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM513のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
【0469】
なお、ステップS3122の処理は、電源投入時に行われる処理の終了後に電源断の発生情報を確認しているので、各処理が途中の場合と比較してRAM513のバックアップエリア513aに記憶するデータ量が少なくなり、容易に記憶することができる。また、電源遮断前の状態に復帰する場合には、バックアップエリア513aに記憶されているデータ量が少ないので、容易に復帰させることができ、払出制御装置311の処理の負担を軽減することができる。
【0470】
次に、図34のフローチャートを参照して、払出制御装置311のタイマ割込み処理を説明する。このタイマ割込み処理は、定期的に(本実施形態では2msec周期で)起動される。
【0471】
タイマ割込み処理では、まず、主制御装置261からのコマンドを取得し、そのコマンドの判定処理を行う(ステップS3201)。このコマンド判定処理について図35を参照して以下に説明する。
【0472】
図35は、払出制御装置311により行われるコマンド判定処理を示すフローチャートである。コマンド判定処理(ステップS3124,S3201)では、まず、ステップS3301においてコマンド受信フラグがオンされているか否かを判定する。コマンド受信フラグは、上述した受信割込み処理(図32参照)において主制御装置261から送信されたコマンドを受信したときにオンされる。
【0473】
ステップS3301においてコマンド受信フラグがオフと判定されれば、新たなコマンドを主制御装置261から受信していないので、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS3301でコマンド受信フラグがオンと判定されれば、ステップS3302において、その受信したコマンドをRAM513から読み出し、ステップS3303においてコマンド受信フラグをオフする。ステップS3303においてコマンド受信フラグをオフすることにより、新たにコマンドが受信されるまで、ステップS3302~ステップS3311の処理をスキップできるので、払出制御装置311の制御を軽減することもできる。
【0474】
ステップS3304~ステップS3306の処理でRAM513から読み出されたコマンドの種類が判定される。ステップS3304では主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドであるか否かが判定され、ステップS3305では払出復帰コマンドであるか否かが判定され、ステップS3306では賞球コマンドであるか否かが判定される。
【0475】
主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドであれば、ステップS3307で既に払出許可フラグがオンされているか否かが判定され、払出許可フラグがオフされていれば、電源投入時に主制御装置261からRAM513の初期化が指示されていることになるので、ステップS3308でRAM513のスタックエリア以外となる作業領域(エリア)を0にクリアし、ステップS3309でRAM513の初期値を設定する。その後、ステップS3311で払出許可フラグをオンして、賞球の払出許可が設定される。
【0476】
上述したように、主制御装置261は、払出初期化コマンドを送信した後に、RAM503の初期化処理を行っており、払出制御装置311は、払出初期化コマンドを受信した後に、RAM513の初期化処理を行っているので、RAM503が初期化されるタイミングと、RAM513が初期化されるタイミングとが略同時期となる。よって、初期化のタイミングがずれることにより、主制御装置261から送信されるコマンドを払出制御装置311が受信したとしても、RAM513が初期化されてしまい、受信したコマンドに対応する制御が行えない等の弊害の発生を防止することができる。また、RAM513が初期化された後に、払出許可フラグをオンするので、賞球の払出許可を確実に設定することができる。
【0477】
一方、ステップS3307で既に払出許可フラグがオンされていれば、RAM513の作業領域のクリアと、RAM513の初期化処理とを行わずに、本コマンド判定処理を終了する。すなわちステップS3307の処理は、払出許可フラグが設定された状態でRAM513が初期化されることを禁止している。なお、払出初期化コマンドは、電源投入時にRAM消去スイッチ323がオンされている場合のみ送信されるコマンドであるので、払出許可フラグがオンされた状態で受信することはなく、かかる場合には、ノイズなどの影響によって払出制御装置311が払出初期化コマンドとして認識してしまったことが考えられる。よって、払出許可フラグがオンされている状態で、RAM513の作業領域のクリア(ステップS3308)と、RAM513の初期値設定(ステップS3309)を実行すると、賞球が残っている場合に払出されないなどの弊害が生じて遊技者に損失を与えてしまうが、払出許可フラグがオンされている状態で、RAM513が初期化されることを防止しているので、遊技者に損失を与えることを防止できる。
【0478】
また、主制御装置261から送信されたコマンドが払出復帰コマンドであれば(ステップS3304:NO、ステップS3305:YES)、主制御装置261及び払出制御装置311が電源遮断前の状態に復帰するので、賞球の払出を許可するためにステップS3311で払出許可フラグをオンする。すなわち、電源断の発生情報があり、主制御装置261と払出制御装置311が電源遮断前の状態に復帰した場合には、賞球の払出が許可される。ステップS3311の処理において払出許可フラグがオンされると、コマンドバッファの所定の記憶領域に記憶されたコマンドに基づく処理が終わったことになるので、読出ポインタが次の記憶領域に対応した読出ポインタに更新される。
【0479】
さらに、主制御装置261から送信されたコマンドが賞球コマンドであれば(ステップS3305:NO、ステップS3306:YES)、ステップS3310において、受信した賞球個数を総賞球個数に加算して記憶し、賞球の払出を許可するためにステップS3311で払出許可フラグをオンする。この際、払出制御装置311は、コマンドバッファ(リングバッファ)に記憶された賞球コマンドを順次読み出し、当該コマンドに対応する賞球個数を、所定のバッファ領域に記憶される総賞球個数に加算して記憶する。主制御装置261から送信される賞球コマンドに基づいて賞球個数に対応した賞球の払出しが行われるので、賞球コマンドは、賞球コマンドは賞球の払出しを指示する払出指示コマンドである。また、賞球コマンドが受信された場合には、即座に払出許可が設定されるので、入賞に対して早期に賞球の払出しを行うことができる。ステップS3311の処理において払出許可フラグがオンされると、コマンドバッファの所定の記憶領域に記憶されたコマンドに基づく処理が終わったことになるので、読出ポインタが次の記憶領域に対応した読出ポインタに更新される。
【0480】
なお、主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドでもなく(ステップS3304:NO)、払出復帰コマンドでもなく(ステップS3305:NO)、賞球コマンドでもなければ(ステップS3306:NO)、払出許可フラグをオンすることなく、コマンド判定処理を終了する。
【0481】
ここで、図34のフローチャートに戻って説明する。コマンド判定処理が終わると、ステップS3202において、コマンド判定処理で払出許可フラグがオンされたか否かが判定される。ここで、払出許可フラグがオンされていなければ、そのまま本処理を終了する。つまり、主制御装置261からコマンドが送信される前に賞球の払出しが行われることを防止することができる。
【0482】
一方、ステップS3202で肯定判定されれば、ステップS3203で発射制御装置312に対して発射許可の設定を行い、ステップS3204で状態復帰スイッチ321をチェックして、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する。この処理により、例えば払出モータの球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られる。
【0483】
その後、ステップS3205では、下皿15の状態の変化に応じて下皿満タン状態又は下皿満タン解除状態の設定を実行する。すなわち、下皿満タンスイッチの検出信号により下皿15の満タン状態を判定し、下皿満タンになった時、下皿満タン状態の設定を実行し、下皿満タンでなくなった時、下皿満タン解除状態の設定を実行する。また、ステップS3206では、タンク球の状態の変化に応じてタンク球無し状態(球切れ状態)又はタンク球無し解除状態(球有り状態)の設定を実行する。すなわち、タンク球無しスイッチの検出信号によりタンク球無し状態を判定し、タンク球無しになった特、タンク球無し状態の設定を実行し、タンク球無しでなくなった特、タンク球無し解除状態の設定を実行する。
【0484】
その後、ステップS3207では、例えばエラー状態のように報知すべき状態の有無を判定し、報知すべき状態が有る場合には報知する。
【0485】
続いて賞球及び貸球の払出制御処理を実行する。詳しくは、ステップS3208で払出個数設定処理を行い、ステップS3209においてモータ制御状態取得処理を行い、ステップS3210においてモータ駆動処理を行う。
【0486】
ステップS3211では、状態復帰スイッチ321をチェックして球抜き不可状態でないこと、及び球抜き動作開始でないことを条件に、払出モータ358aを駆動させ球抜き処理を実行する。続くステップS3212では、球詰まり状態であることを条件にバイブレータ360の制御(バイブモータ制御)を実行する。その後、本タイマ割込み処理の先頭に戻る。
【0487】
次に、サブ制御装置262の通常処理について図36を参照しつつ説明する。尚、この通常処理は、定期的に(本実施形態では2msec周期で)起動されるタイマ割込み処理である。
【0488】
この通常処理では、先ずステップS3901において、入出力ポート554のコマンド入力に対応するポートを確認し、主制御装置261から送信されたコマンドが受信されているか否かを判定する。
【0489】
コマンドが受信されている場合には、ステップS3902においてそのコマンドをRAM553のコマンドバッファへ記憶する。RAM553のコマンドバッファは、主制御装置261から送信されるコマンドを一時的に記憶するリングバッファで構成されている。
【0490】
尚、リングバッファは所定の記憶領域を有しており、その記憶領域の始端から終端に至るまで規則性をもってコマンドが記憶され、全ての記憶領域にコマンドが記憶された場合には、記憶領域の始端に戻りコマンドが更新されるよう構成されている。よって、コマンドが記憶された場合及びコマンドが読み出された場合に、コマンドバッファにおける記憶ポインタ及び読出ポインタが更新され、その各ポインタに基づきコマンドの記憶と読み出しとが行われる。
【0491】
続くステップS3903では、コマンド判定処理を行う。ここで、コマンド判定処理について図39を参照して説明する。
【0492】
まずステップS4101において、その受信したコマンドをRAM553のコマンドバッファから読み出す。続くステップS4102では当該コマンドが初期化コマンドであるか否かが判定され、ステップS4103では復帰コマンドであるか否かが判定され、ステップS4104では保留制御コマンドであるか否かが判定され、ステップS4110では遊技状態通知コマンドであるか否かが判定され、ステップS4111では変動パターンコマンドであるか否かが判定され、ステップS4112では図柄コマンドであるか否かが判定される。
【0493】
主制御装置261から送信されたコマンドが初期化コマンドであれば、電源投入時に主制御装置261からRAM553の初期化が指示されていることになるので、ステップS4105でRAM553をクリアし、ステップS4106でRAM553の初期値を設定する。これにより、RAM553の遊技状態情報格納エリアには、初期設定である「通常状態」に対応する遊技状態判定値Xjの値「0」が記憶される。その後、本処理を終了する。
【0494】
また、主制御装置261から送信されたコマンドが復帰コマンドであれば(ステップS4102:NO、ステップS4103:YES)、主制御装置261が電源遮断前の状態に復帰するので、バックアップ機能を持たないサブ制御装置262は、ステップS4107にて、当該復帰コマンドに含まれる遊技状態判定値Xjの値(「0」~「7」のいずれか)を読み出し、RAM553の遊技状態情報格納エリアに記憶する。その後、本処理を終了する。
【0495】
さらに、主制御装置261から送信されたコマンドが保留制御コマンドであれば(ステップS4103:NO、ステップS4104:YES)、ステップS4108において、当該保留制御コマンドに含まれる各種情報(大当たり判定情報や大当たり種別情報、始動入賞口33A,33Bどちらの入賞を契機とする変動表示であるかを示す情報など)をサブ変動保留エリアに格納する格納処理を行い、本処理を終了する。
【0496】
サブ変動保留エリアは、主制御装置261の特別変動保留エリアに対応して設けられている。つまり、サブ変動保留エリアは、上始動入賞口33Aに対応する第1サブ変動保留エリア及び下始動入賞口33Bに対応する第2サブ変動保留エリアと、1つのサブ実行エリアとを備え、当該2つのサブ変動保留エリアは、それぞれ4つの保留エリア(保留第1~保留第4エリア)を備えている。
【0497】
各保留エリアには、保留制御コマンドの受信履歴(受信順序)や、当該保留制御コマンドに含まれる遊技球の入賞履歴(始動入賞口33A,33Bどちらへの入賞に基づくものなのか等)に従って、装飾図柄表示装置42にて実行される変動表示に関連する情報(大当たり判定情報や大当たり種別情報など)が時系列的に格納される。これにより、サブ制御装置262は、変動表示の保留数やその内容を把握することができる。
【0498】
主制御装置261から送信されたコマンドが遊技状態通知コマンドであれば(ステップS4104:NO、ステップS4110:YES)、ステップS4107にて、当該遊技状態通知コマンドに含まれる遊技状態判定値Xjの値(「0」~「7」のいずれか)を読み出し、RAM553の遊技状態情報格納エリアに記憶する。その後、本処理を終了する。
【0499】
主制御装置261から送信されたコマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS4110:NO、ステップS4111:YES)、装飾図柄表示装置42にて変動表示を開始するタイミングであるので、ステップS4113にて開始設定処理を行い、ステップS4114へ移行する。
【0500】
ステップS4113の開始設定処理では、装飾図柄表示装置42にて行う変動表示に係る各種設定を行う。
【0501】
この開始設定処理では、まず主制御装置261の特別変動保留エリアの場合と同様、サブ変動保留エリアに格納されたデータをサブ実行エリア側へ順にシフトさせる処理を実行する。続いて、上記受信した変動パターンコマンドに対応する変動時間を変動表示タイマに設定する。変動表示タイマは、装飾図柄表示装置42における変動時間(変動表示の残余時間)を計測する手段であり、変動表示開始から所定時間が経過したか否かを判定する際に参酌される。
【0502】
また、開始設定処理では、装飾図柄表示装置42にて変動表示中であるか否かを判定する際に参酌される変動表示中フラグがオンされる。
【0503】
本実施形態では、変動パターンコマンドに記憶された変動パターン情報に基づき、装飾図柄の変動表示に係る演出パターンを選出し、当たり種別情報(「外れ」を含む)に基づき、変動時間経過後に停止表示する停止図柄(停止図柄の組合わせ)を決定する。ここで決定された演出パターンや停止図柄に関する情報は、サブ変動保留エリアのサブ実行エリアに追記される。尚、変動時間情報と演出パターンとの対応関係や、大当たり種別情報と停止図柄との対応関係は、サブ制御装置262のROM552にテーブルで記憶されている。
【0504】
尚、サブ制御装置262においても、主制御装置261と同様、「確変大当たり」に対応する変動パターン、「通常大当たり」に対応する変動パターン、「JUB大当たり」及び「小当たり」に対応する変動パターン、「前後外れリーチ」に対応する変動パターン、「前後外れ以外リーチ」に対応する変動パターン、並びに、「完全外れ」に対応する変動パターンに関して、それぞれ遊技状態判定値Xjの値「0」~「7」対応する複数のテーブル群が所定の基準アドレスから連番で格納されている。
【0505】
つまり、サブ制御装置262は、装飾図柄表示装置42における表示態様の決定に際し、変動パターンコマンドに含まれる遊技状態判定値Xjを基に、複数のテーブル群の中から所定の遊技状態(遊技状態判定値Xjの値「0」~「7」)に対応するテーブルを選出することとなる。この際、基準アドレスに対し、遊技状態判定値Xjの値を加算することで、選出すべきテーブルの格納されたアドレスを特定することに関しては、上記変動パターンテーブルを選出する際と同様である。
【0506】
主制御装置261から送信されたコマンドが図柄コマンドであれば(ステップS4111:NO、ステップS4112:YES)、ステップS4116において図柄設定処理を行い、本処理を終了する。
【0507】
ステップS4116の図柄設定処理では、サブ変動保留エリアの保留エリアに記憶された当たり種別情報に基づいて、後述するRAM553のカウンタ用バッファ(図37参照)に格納された図柄を、装飾図柄表示装置42に停止表示させる停止図柄として、上記サブ実行エリアに設定する。
【0508】
より詳しくは、図柄コマンドに「B1」が設定されている場合、1,3,5,7,9のゾロ目のいずれかの図柄の組合わせを停止図柄として決定する。一方、図柄コマンドに「B2」が設定されている場合、0,2,4,6,8のゾロ目のいずれかの図柄の組合わせを停止図柄として決定する。また、図柄コマンドに「B3」が設定されている場合、前後外れリーチ図柄バッファに格納されている図柄の組合わせを停止図柄として決定する。図柄コマンドに「B4」が設定されている場合、前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納されている図柄の組合わせを停止図柄として決定する。図柄コマンドに「B5」が設定されている場合、完全外れ図柄バッファに格納されている図柄の組合わせを停止図柄として決定する。図柄コマンドに「B6」が設定されている場合、装飾図柄表示装置42の上・中・下図柄表示領域に対応して「3」・「4」・「1」の図柄の組合わせを停止図柄として決定する。
【0509】
さて、ステップS4114では、変動パターンコマンドに含まれる遊技状態判定値Xjの値と、RAM553の遊技状態情報格納エリアに格納された遊技状態判定値Xjの値とが一致するか否かを判定する。ここで、両者の値が一致していれば、そのまま処理を終了する。
【0510】
一方、両者の値が異なっていれば、ステップS4115にて状態エラーフラグをオンすると共に、ステップS4117にて、新たに受信した変動パターンコマンドに含まれる遊技状態判定値Xjの値を適正値とみなし、当該遊技状態判定値Xjの値を遊技状態情報格納エリアに記憶する。その後、本処理を終了する。状態エラーフラグがオンされることにより、両者の値が異なっている場合には、その旨がエラー表示ランプ104などにより報知されることとなる。勿論、エラー報知手段は、エラー表示ランプ104に限られるものではなく、装飾図柄表示装置42やスピーカSP等によりエラー報知を行う構成としてもよい。
【0511】
尚、近年の遊技機は主制御装置等がバックアップ機能を備えていることから、停電等により電源が遮断された場合においても、その時の遊技モード(遊技状態)等をはじめとする各種データが記憶保持できるため、仮に高確率モード中に電源が遮断されてしまったとしても、電源復旧時には、遊技者は高確率モードのまま遊技を再開することができる。
【0512】
しかしながら、上記バックアップ機能を利用すると、遊技ホールにおいて、営業開始時から遊技機を高確率モードに設定しておく行為、俗に言う「モーニング」が可能となる。このような行為は、遊技ホールとって営業開始時の集客力を高めるために行われるのであるが、遊技者の射幸心を悪戯に仰ぐおそれがある。上記行為の設定方法としては種々の方法が考えられるが、一例としては、前日の営業終了時点で遊技モードが高確率モードであった遊技機を初期化リセットしない方法が挙げられる。また、本実施形態のように、パチンコ機の電源投入時等において、サブ制御装置に対し主制御装置から遊技モードに関する情報(遊技状態判定値Xj)が復帰コマンド等により送信される構成においては、電源投入時等において、主制御装置とサブ制御装置とを繋ぐケーブルコネクタを取外しておけば、サブ制御装置は、主制御装置により設定される実際の遊技モードを把握できず、初期設定の遊技モードすなわち「通常モード」に係る制御を行うこととなる。
【0513】
一般的な遊技機では、液晶表示装置等の表示演出手段において演出を行うにあたり、その表示態様(例えば背景色など)を通常モード中と高確率モード中とで異ならせることにより、遊技者等が現状の遊技モードを把握することを容易にしている。
【0514】
また、一般的に、液晶表示装置等を制御するサブ制御装置はバックアップ機能を備えていないため、電源が切れると、初期設定の遊技モード(「通常モード」)に係る制御を行うこととなる。
【0515】
従って、これを利用すれば、主制御装置により設定される実際の遊技モードが高確率モードにも拘らず、液晶表示装置の表示態様等を通常モード中のものとすることが可能となる。そうなると、現在の遊技モードを、液晶表示装置等を一目見ただけでは容易に判断できなくなるため、所定の調査等による本行為の確認も実質的に困難となる。
【0516】
特に、本実施形態の「潜伏確変状態」のように、「通常モード」と表面上、区別し難い高確率モードが設定される遊技機では、当該高確率モードが上記行為により遊技ホールの営業開始時から設定されてしまうと、液晶表示装置の表示態様等からは実際の遊技モードが判別不能となってしまう。
【0517】
これに対し、本実施形態では、上述したように、変動パターンコマンドに含まれる遊技状態判定値Xjの値と、RAM553の遊技状態情報格納エリアに格納された遊技状態判定値Xjの値とが異なっていれば、その旨をエラー報知すると共に、新たに受信した変動パターンコマンドに含まれる遊技状態判定値Xjの値を遊技状態情報格納エリアに記憶する。つまり、サブ制御装置262は、その時点の適切な遊技モードを把握することができることができる。これにより、仮に上記「モーニング」等の行為が行われ、主制御装置261により設定される実際の遊技モードが高確率モードにも拘らず、サブ制御装置262における演出態様が通常モード中の態様となっていたとしても、変動パターンコマンドを受信した場合には、遊技モードが違っていることが報知され、当該変動パターンコマンドに含まれる遊技状態判定値Xjに対応する演出態様となる。結果として、遊技ホールによる上記「モーニング」等の行為を抑制することができる。
【0518】
図36の説明に戻り、ステップS3903の後又はステップS3901で否定判定された場合には、ステップS3904へと移行し、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本例では1msec)が経過したか否かを判定する。そして、既に所定時間が経過していればステップS3905へ移行し、一方、前回の通常処理の開始から未だに所定時間が経過していなければ、ステップS3912へと移行する。
【0519】
ステップS3905では、各種カウンタの更新処理を実行する。サブ制御装置262のCPU551は、装飾図柄の表示に際し各種カウンタ情報を用いる。具体的には、図37に示すように、大当たり時装飾図柄カウンタC5と、役物演出カウンタC8と、上図柄表示領域、中図柄表示領域、及び下図柄表示領域の各外れ図柄の設定に使用する上・中・下の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRとを用いることとしている。
【0520】
外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、CPU551内のRレジスタ(リフレッシュレジスタ)を用いてレジスタ値が加算され、結果的に数値がランダムに変化する構成となっている。これらカウンタの値は適宜、RAM553のカウンタ用バッファに格納される。
【0521】
大当たり時装飾図柄カウンタC5は、大当たり(「確変大当たり」又は「通常大当たり」)の際、装飾図柄表示装置42に停止表示される図柄(大当たり図柄)を決定するためのものである。本実施形態では、大当たり図柄として、5通りの奇数図柄と、5通りの偶数図柄が設定されている。従って、大当たり時装飾図柄カウンタC5としては、5個(0~4)のカウンタ値が用意されている。すなわち、大当たり時装飾図柄カウンタC5は、0~4の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり4)に達した後0に戻る構成となっている。そして、主制御装置261から送信された図柄コマンドが奇数大当たり図柄の組合わせを示す「B1」である場合、図示しないテーブル(カウンタ値と装飾図柄とを対応付けるテーブル)に基づいて、例えば、カウンタ値が0であれば「1」(のゾロ目)、1であれば「3」(のゾロ目)、2であれば「5」(のゾロ目)、3であれば「7」(のゾロ目)、4であれば「9」(のゾロ目)という具合に、奇数大当たり図柄の組合わせを決定する。
【0522】
また、図柄コマンドが偶数大当たり図柄の組合わせを示す「B2」である場合、図示しないテーブル(カウンタ値と装飾図柄とを対応付けるテーブル)に基づいて、例えば、カウンタ値が0であれば「0」(のゾロ目)、1であれば「2」(のゾロ目)、2であれば「4」(のゾロ目)、3であれば「6」(のゾロ目)、4であれば「8」(のゾロ目)という具合に偶数大当たり図柄の組合わせを決定する。
【0523】
大当たり時装飾図柄カウンタC5は、ステップS3905のカウンタ更新処理にて定期的に更新され、上述したようにサブ制御装置262が図柄コマンドを受信するタイミングでRAM553のカウンタ用バッファから読み出す。なお、本実施形態では大当たり時装飾図柄カウンタC5はRAM553の大当たり時装飾図柄カウンタバッファに格納されるものとしたが、バッファに格納せず、図柄コマンドを受信したタイミングなどでカウンタ値を参照するようにしてもよい。
【0524】
役物演出カウンタC8は、後述する役物演出(付加演出)の実行の有無及びその種別を決定するためのものである。役物演出カウンタC8としては、300個(0~299)のカウンタ値が用意されている。すなわち、役物演出カウンタC8は、0~299の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり299)に達した後0に戻る構成となっている。
【0525】
役物演出カウンタC8は、ステップS3905のカウンタ更新処理にて定期的に更新され、RAM553の役物演出カウンタバッファに格納される。そして、後述するステップS3910の役物演出設定処理において参酌される。
【0526】
上・中・下の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、大当たり抽選が「外れ」となった場合に上・中・下の図柄表示領域の各停止図柄(外れ図柄の組合わせ)を決定するものであり、各列では10個の装飾図柄の何れかが表示されることから、各々に10個(0~9)のカウンタ値が用意されている。上・外れ図柄カウンタCLにより上図柄表示領域の停止図柄が決定され、中・外れ図柄カウンタCMにより中図柄表示領域の停止図柄が決定され、下・外れ図柄カウンタCRにより下図柄表示領域の停止図柄が決定される。
【0527】
本実施形態では、CPU551に内蔵のRレジスタの数値を用いることにより各カウンタCL,CM,CRの値をランダムに更新する構成としている。すなわち、各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新時には、前回値にRレジスタの下位3ビットの値が加算され、その加算結果が上限値を超えた場合に10減算されて今回値が決定される。各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは更新時期が重ならないようにして更新され、それら外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせが、RAM553の前後外れリーチ図柄バッファ、前後外れ以外リーチ図柄バッファ及び完全外れ図柄バッファの何れかに格納される。
【0528】
ここで、各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新処理を詳しく説明する。図38に示すように、ステップS4001では、上・外れ図柄カウンタCLの更新時期か否かを判定し、ステップS4002では、中・外れ図柄カウンタCMの更新時期か否かを判定する。なお、上・中・下の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRが1回の更新処理で1つずつ順に更新されるように構成する。したがって、前回の更新処理において下・外れ図柄カウンタCRが更新されている場合、ステップS4001で肯定判断されることになる。また、前回の更新処理において上・外れ図柄カウンタCLが更新されている場合、ステップS4002で肯定判断されることになる。そして、上・外れ図柄カウンタCLの更新時期(ステップS4001がYES)であればステップS4003に進み、上・外れ図柄カウンタCLを更新する。また、中・外れ図柄カウンタCMの更新時期(ステップS4002がYES)であればステップS4004に進み、中・外れ図柄カウンタCMを更新する。さらに、下・外れ図柄カウンタCRの更新時期(ステップS4001、S4002が共にNO)であればステップS4005に進み、下・外れ図柄カウンタCRを更新する。ステップS4003~S4005の外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新では、前回のカウンタ値にRレジスタの下位3ビットの値を加算すると共にその加算結果が上限値を超えた場合に10を減算して、その演算結果を、外れ図柄カウンタCL,CM,CRの今回値とする。
【0529】
上記CL,CM,CRの更新処理によれば、上・中・下の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRが1回の更新処理で1つずつ順に更新され、各カウンタ値の更新時期が重なることはない。これにより、更新処理を3回実行する毎に外れ図柄カウンタCL,CM,CRの1セット分が更新されるようになっている。
【0530】
その後、ステップS4006では、上記更新した外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせがリーチ図柄の組合わせ(上図柄表示領域の図柄と下図柄表示領域の図柄とが同じで、上下の図柄表示領域の図柄と中図柄表示領域の図柄とが異なっている)になっているか否かを判定し、リーチ図柄の組合わせである場合(S4006がYES)、さらにステップS4007では、それが前後外れリーチであるか否かを判定する。外れ図柄カウンタCL,CM,CRが前後外れリーチ(前後外れ図柄)の組合わせである場合(S4007がYES)、ステップS4008に進み、そのときの外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせをRAM553の前後外れリーチ図柄バッファに格納する。外れ図柄カウンタCL,CM,CRが前後外れ以外リーチ(前後外れ以外図柄)の組合わせである場合(S4007がNO)には、ステップS4009に進み、そのときの外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせをRAM553の前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納する。
【0531】
また、リーチ図柄以外の組合わせである場合(S4006がNO)、ステップS4010に進み、外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせが外れ図柄の組合わせになっているか否かを判定し、外れ図柄(完全外れ図柄)の組合わせになっていれば(S4010がYES)、ステップS4011に進み、そのときの外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせをRAM553の完全外れ図柄バッファに格納する。なお、ステップS4006、S4010が共にNOの場合は、上・中・下で図柄が揃っている、すなわち大当たり図柄の組合わせに相当するが、かかる場合、外れ図柄カウンタCL,CM,CRをバッファに格納することなくそのまま本処理を終了する。
【0532】
尚、本実施形態において、「JUB大当たり」の場合に停止表示されるチャンス図柄は、装飾図柄の組合わせが1パターン(「3」・「4」・「1」)であるため、装飾図柄の表示に際しカウンタ情報を用いる必要はない。
【0533】
図36の説明に戻り、ステップS3907では装飾図柄表示装置42にて各種表示を行うための表示設定処理を行う。当該表示設定処理では、主として装飾図柄表示装置42にて装飾図柄の変動表示等を行うための変動表示設定処理や、保留表示を行うための保留表示設定処理などが行われる。
【0534】
まず変動表示設定処理について図40を参照して説明する。図40に示すように、ステップS4301では、上記変動表示中フラグの設定状況を見て、装飾図柄表示装置42にて変動表示中であるか否かを判定する。詳しくは、変動表示中フラグが設定されている場合(オン状態の場合)には変動表示中とみなされ、変動表示中フラグが解除されている場合(オフ状態の場合)には、変動表示が停止した状態にあたる停止表示中であるとみなされる。尚、変動表示中フラグは、上述したとおり装飾図柄表示装置42の変動表示を開始する際(ステップS4113の開始設定処理)にオンにされ、装飾図柄表示装置42の変動表示が停止表示される際(ステップS4305参照)にオフにされる。
【0535】
ここで肯定判定された場合、すなわち変動開始時又は変動中である場合には、ステップS4302に進み、否定判定された場合には、そのまま本処理を終了する。
【0536】
ステップS4302では、変動表示タイマ減算処理を行う。この処理が1回行われる毎に表示タイマの値が4msecずつ減算されていく。例えば変動時間が10秒(10000msec)の場合には、変動表示タイマに対して「2500」が設定され、4msec毎に1減算される。
【0537】
続いてステップS4303に進み、上記減算後の変動表示タイマの値を参酌して所定の変動時間が経過したか否かを判定する。このとき、所定の変動時間が経過した時すなわち変動表示タイマの値が「0」となった時にステップS4303が肯定判定される。
【0538】
ステップS4303で否定判定された場合には、ステップS4304において、装飾図柄表示装置42の変動表示を実行するための変動実行処理を行い、本処理を終了する。
【0539】
この変動実行処理では、例えばRAM553のサブ変動保留エリアの実行エリアに格納された各種情報に基づき、表示制御装置45へ出力する表示コマンドを生成する等の各種の演算処理及びコマンドの出力設定を行う。
【0540】
これによって、表示制御装置45は、サブ制御装置262からの指令に応じて描画処理を行い、装飾図柄表示装置42での図柄の変動表示を開始する。そして、主制御装置261から変動パターンコマンドが一旦受信されると、当該変動パターンコマンドに対応する変動表示の変動時間が経過するまで(ステップS4113の開始設定処理で設定された変動表示タイマの値が「0」になるまで)の間、サブ制御装置262と表示制御装置45との協働のもとに図柄の変動表示が継続される。
【0541】
一方、ステップS4303で肯定判定された場合、すなわち変動表示タイマの値が「0」であると判定された場合には、ステップS4305において装飾図柄表示装置42にて停止表示を行うための停止表示設定を行い、本処理を終了する。当該停止表示設定では、変動表示中フラグを解除(オフ)すると共に、表示制御装置45に対し装飾図柄表示装置42における変動表示の停止を指示する停止コマンドの設定等が行われる。
【0542】
尚、ステップS4304の変動実行処理では、装飾図柄表示装置42における表示態様を遊技状態の種別に応じた態様(演出モード)で行うための演出モード切換設定処理も合わせて行なわれる。
【0543】
本実施形態における演出モードは、遊技状態(遊技状態判定値Xjの値)に応じて、「高サポートモード」が付与されていない「通常モード」、「高サポートモード」が付与された状態であって、かつ、その継続期間が不明な「チャンスモード」、「次回まで・高サポートモード」が付与された状態であって、かつ、それを遊技者に対し明示的に報知する「ゴールドモード」の間で切替設定される。
【0544】
より詳しくは、RAM553の遊技状態情報格納エリアに格納された遊技状態判定値Xjの値が「0」の場合、すなわち「低確率モード」と「低サポートモード」とが付与されている状態では、装飾図柄表示装置42における演出モードが「通常モード」に設定される(図48参照)。
【0545】
また、遊技状態判定値Xjの値が「3」の場合、すなわち所定期間の「高サポートモード」の終了後、「高確率モード」と「低サポートモード」とが付与された状態には、いわゆる「潜確状態」となるため、かかる場合にも、表面上は「通常状態」の場合と何ら変わりのない状態とするため、装飾図柄表示装置42における演出モードが「通常モード」に設定される。
【0546】
RAM553の遊技状態情報格納エリアに格納された遊技状態判定値Xjの値が「1」、「2」、「4」、「5」又は「7」の場合、すなわち「20回・高サポートモード」、「30回・高サポートモード」、「40回・高サポートモード」、「50回・高サポートモード」、「30回・高サポートモードS」、「次回まで・高サポートモード」の非報知演出、又は、後述する「サポート継続演出」の期間中には、装飾図柄表示装置42における演出モードが「チャンスモード」に設定される(図50参照)。
【0547】
RAM553の遊技状態情報格納エリアに格納された遊技状態判定値Xjの値が「6」の場合、すなわち「次回まで・高サポートモード」が付与されている状態(非報知演出期間を除く)には、装飾図柄表示装置42における演出モードが「ゴールドモード」に設定される(図51参照)。
【0548】
次に、保留表示設定処理について図41を参照して詳しく説明する。まずステップS4501において、サブ変動保留エリアのうち、下始動入賞口33Bに対応する第2サブ変動保留エリアの保留第1~第4エリアに格納された当たり種別情報が小当たりに対応する情報(小当たり情報)であるか否かを判定する。
【0549】
ここで否定判別された場合、すなわち小当たり情報が含まれていない場合には、ステップS4502において、通常保留表示更新処理を行う。図48に示すように、通常の保留表示では、第1保留表示領域W3a及び第2保留表示領域W3bにおいて、それぞれ4つの保留エリア(保留第1~保留第4エリア)に対応する保留画像TA1~TA4,TB1~TB4が表示される。通常は、各保留画像TA1~TA4,TB1~TB4として、円形状の保留ランプを模した「保留ランプ画像」が表示される構成となっている。
【0550】
そして、ステップS4502の通常保留表示更新処理では、サブ変動保留エリアにおける保留数の増減に応じて、点灯態様又は消灯態様で表示される保留画像TA1~TA4,TB1~TB4の数を増減させる表示更新処理を行うこととなる。
【0551】
一方、ステップS4501において肯定判別された場合、すなわち第2サブ変動保留エリアの保留第1~第4エリアのいずれかに小当たり情報が含まれている場合には、ステップS4502において、保留表示変更処理を行い、その後、本処理を終了する。
【0552】
ステップS4502の保留表示変更処理が行われることにより、第2保留表示領域W3bに表示される4つの保留画像TB1~TB4のうち、上記小当たり情報を含む保留エリアに対応する保留画像TB1~TB4のいずれかが、通常保留表示時の「保留ランプ画像」から「星型画像」に差し替えられる。例えば図53に示した例では、第3保留画像TB3が「星型画像」に変更されている。
【0553】
図36の説明に戻り、ステップS3908のランプ設定処理では、装飾図柄表示装置42で行われる表示演出に同期させるべく、ランプ・電飾類の点灯パターンを設定する。
【0554】
ステップS3909の音声設定処理では、装飾図柄表示装置42で行われる表示演出に同期させるべく、スピーカSPの出力パターンを設定する。また、エラー発生の報知等、音声に関するコマンドが主制御装置261から送信されてきた場合には、これらの制御を行うための設定もステップS3909で行われる。
【0555】
ステップS3910では、役物演出設定処理を実行する。役物演出設定処理では、演出役物ユニット761を用いた役物演出に関する各種設定を行う。尚、役物演出設定処理は、後述するサポート継続演出(ルーレット演出)が行なわれる際に、付加演出として行われる処理であり、サポート継続演出(ルーレット演出)が実行される場合においてのみ実行される処理である。ステップS3910の役物演出設定処理の詳細については後述する。
【0556】
ステップS3911では、客待ち演出(例えば装飾図柄表示装置42の変動表示が行われていない状態で所定時間が経過すると表示されるように設定されているデモ画面表示)の制御設定等その他の処理を行う。
【0557】
ステップ3912では、上記ステップS3905~3911の設定内容に基づいた制御信号を各装置に送信する外部出力処理を実行する。例えば、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動表示に際して表示コマンドを表示制御装置45に送信する。また、役物演出を実行する際には、演出役物ユニット761等に対しモータ制御信号など各種制御信号を出力する。
【0558】
1msec毎に行われるステップS3905~S3912の処理が実行された後、又は、上記ステップS3904で否定判定された場合には、ステップS3913に移行し、RAM553に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判定する。尚、電源断の発生情報は、主制御装置261から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。
【0559】
電源断の発生情報が記憶されていない場合には、ステップS3914に進み、RAM553が破壊されているか否かが判定される。ここでRAM553が破壊されていなければ、ステップS3901の処理へ戻り、繰り返し通常処理が実行される。一方、RAM553が破壊されていれば、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。
【0560】
一方、ステップS3913で電源断の発生情報が記憶されると判定された場合、ステップS3915において電源断処理を実行する。電源断処理では、割り込み処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。電源断処理の実行後は、処理を無限ループする。
【0561】
次に装飾図柄表示装置42の表示部42aにおける表示態様等について、遊技者による遊技の流れと共に説明する。
【0562】
装飾図柄表示装置42の表示部42aには、通常状態(遊技状態判定値Xjの値が「0」の場合)において、上、中及び下の3つの図柄表示領域からなる変動表示領域W1が設定されている(図48参照)。また、変動表示領域W1の下側には、遊技者に対し遊技球の発射態様を指示(推奨)する指示表示領域W2が設定されると共に、さらにその下側には変動表示の保留数を示す保留表示領域W3が設定されている。
【0563】
保留表示領域W3は、サブ変動保留エリアに対応して設定されている。つまり、保留表示領域W3は、第1サブ変動保留エリア及び第2サブ変動保留エリアに対応して、第1保留表示領域W3a及び第2保留表示領域W3bとに区分けされている。そして、各保留表示領域W3a,W3bには、それぞれ4つの保留エリア(保留第1~保留第4エリア)に対応する保留画像TA1~TA4,TB1~TB4が表示される(図48参照)。
【0564】
保留画像TA1~TA4,TB1~TB4は、通常時(非保留時)には、消灯態様で表示されており(網掛け部分参照)、所定の保留エリアに変動表示が保留された場合に、当該保留エリアに対応する保留画像TA1~TA4,TB1~TB4が点灯態様に切替表示される構成となっている(白抜き部分参照)。
【0565】
図48に示す例では、第1保留表示領域W3aの第1保留画像TA1及び第2保留画像TA2が点灯態様で表示され、残りの保留画像TA3,TA4,TB1~TB4が消灯態様で表示された状態が示されている。すなわち、第1サブ変動保留エリアの保留第1エリアと保留第2エリアに変動表示が保留され、現在の変動表示の保留数が上始動入賞口33Aに係る「2」個の状態であることが示されている。
【0566】
通常状態においては、遊技者が可変表示装置ユニット35の左側方領域に向けて遊技球を発射する行為(かかる行為を以下、「左打ち」という)を推奨するように指示表示領域W2に「←左打ち」と表示される。これに従い、遊技者は「左打ち」して遊技を行う。可変表示装置ユニット35の左側方領域が本実施形態における第1の領域を構成する。
【0567】
「左打ち」した場合、遊技球の多くは、上記釘等によって、可変表示装置ユニット35の下側に位置する上始動入賞口33Aの方へと誘導される。そのうち、いくつの遊技球が上始動入賞口33Aへ入賞することとなる。
【0568】
尚、本実施形態では、下始動入賞口33B(開閉役物37)の開放契機となるスルーゲート34が、可変表示装置ユニット35の右側方領域、すなわち可変表示装置ユニット35の左側方領域を流下した遊技球が到達不能な位置に配置されているため、遊技者が「左打ち」を続けた場合、開閉役物37が開放されることはなく、遊技球が下始動入賞口33Bへ入賞することはない。可変表示装置ユニット35の右側方領域が本実施形態における第2の領域を構成する。
【0569】
つまり、通常状態においては、「左打ち」して遊技を行った方が、遊技をより有利に進めることができるよう設定されている。
【0570】
遊技球が上始動入賞口33Aへ入賞すると、装飾図柄表示装置42の変動表示領域W1においては、上記各図柄表示領域毎に複数種類の装飾図柄が変動表示される。本実施形態では、「1」~「9」の数字の付された装飾図柄Zが表示される。各種装飾図柄Zは、数字の昇順又は降順に周期性をもって右から左へとスクロール変動表示される、これにより一連の図柄列が構成されている。
【0571】
かかる場合、上図柄表示領域においては、各種装飾図柄Zが降順(付された数字が減る順)に表示され、中図柄表示領域及び下図柄表示領域においては、同じく各種装飾図柄Zが昇順(付された数字が増える順)に表示される。そして、所定時間が経過すると、上図柄表示領域→下図柄表示領域→中図柄表示領域の順に変動表示が停止し、各図柄表示領域に装飾図柄Zが停止表示される。
【0572】
上始動入賞口33Aへの遊技球の入賞に基づき、大当たり抽選に当選した場合には、リーチ状態を経て、所定の大当たりライン上に、大当たりの組合わせの装飾図柄Zが停止表示される。尚、本実施形態の通常状態では、上記大当たりラインは、左・中・右の縦ライン及び斜めの2本のラインによって構成されている(5ラインと称される)。従って、上・中・下図柄表示領域において、大当たりの組合わせの装飾図柄Zが前記5つのラインのいずれかのライン上に3つ並んで停止表示されると、大当たり状態の発生が確定する。
【0573】
大当たり状態が発生した場合には、可変入賞装置32の開閉板32bが開放し、大入賞口32aへ遊技球が入賞可能な状態となると共に、装飾図柄表示装置42の表示部42aにおいて所定の大当たり演出が開始される。ここで、大当たりラウンド数が表示されるようにしてもよい。
【0574】
但し、本実施形態では、可変入賞装置32が、可変表示装置ユニット35の右側方領域(可変表示装置ユニット35の左側方領域を流下した遊技球が到達不能な位置)に配置されているため、遊技者が「左打ち」を続けた場合、可変入賞装置32へ遊技球を入賞させることができない。そのため、図49に示すように、大当たり演出が開始されると、指示表示領域W2には、遊技者が可変表示装置ユニット35の右側方領域に向けて遊技球を発射する行為(かかる行為を以下、「右打ち」という)を推奨するように、「右打ち→」と表示される。これに従い、遊技者は、遊技球が可変表示装置ユニット35の上方を通過し、可変表示装置ユニット35の右側方領域へ向かうよう、「左打ち」から「右打ち」に切替えて大当たり遊技を行う。
【0575】
ここで「右打ち」した場合、遊技球の多くは、上記釘等によって、可変入賞装置32の方へと誘導され、可変入賞装置32へ入賞することとなる。これにより、遊技者はより多くの遊技球を獲得することができる。
【0576】
一方、可変入賞装置32へ入賞せず、当該可変入賞装置32を素通りした遊技球は、上記釘等によって、上始動入賞口33Aや下始動入賞口33Bへ向けて流下することとなる。
【0577】
また、可変表示装置ユニット35の右側方領域には、可変入賞装置32までの流下途中において、下始動入賞口33B(開閉役物37)の開放契機となるスルーゲート34が設けられており、いくつの遊技球がスルーゲート34を通過することとなる。
【0578】
ここで、遊技球がスルーゲート34を通過することに起因して行われる開放抽選に当選した場合には、開閉役物37が開状態となり、下始動入賞口33Bへ遊技球が入賞することが可能となる。
【0579】
大当たり終了後は、特別表示装置43L、43R(装飾図柄表示装置42)にて所定回数の変動表示が行なわれる間、又は、次回の大当たり状態が発生するまでの間、開閉役物37に係る入賞サポートモードとして「高サポートモード」が付与される。
【0580】
これに伴い、装飾図柄表示装置42の表示部42aでは、「高サポートモード」に係る所定のサポート演出(「チャンスモード」演出、又は「ゴールドモード」演出)が行われると共に、変動表示領域W1が縮小表示される。なお、縮小された変動表示領域W1では、上記上・中・下の図柄表示領域が、左・中・右の図柄表示領域に切替り、大当たりラインが1ラインとなる。
【0581】
また、かかるサポート演出中、装飾図柄表示装置42の表示部42aにおいては、サポート回数表示領域W4が設定される(図50,51参照)。サポート回数表示領域W4には、見かけ上、付与することが確定しているサポート回数が表示される。従って、例えば内部抽選では「50回」のサポート回数の付与が確定している場合であっても、演出上、当初は「20回」と表示される。
【0582】
より具体的には、「16R通常大当たりB」又は「4R通常大当たりB」に当選し、「20回・高サポートモード」、「30回・高サポートモード」、「40回・高サポートモード」又は「50回・高サポートモード」が付与される場合、すなわち遊技状態判定値Xjの値が「1」の場合には、サポート回数表示領域W4には当初、「20回」と表示される。そして、変動表示が1回行われる毎に、その値が1ずつ減算表示されていく。
【0583】
同様に、「16R確変大当たりB」又は「4R確変大当たりB」に当選し、「20回・高サポートモード」、「30回・高サポートモード」、「40回・高サポートモード」又は「50回・高サポートモード」が付与される場合、すなわち遊技状態判定値Xjの値が「4」の場合にも、サポート回数表示領域W4には当初、「20回」と表示される。そして、変動表示が1回行われる毎に、その値が1ずつ減算表示されていく。
【0584】
一方、「16R通常大当たりA」又は「4R通常大当たりA」に当選し、「30回・高サポートモードS」が付与される場合、すなわち遊技状態判定値Xjの値が「2」又は「5」の場合(非報知演出の場合のXj=「5」を除く)には、サポート回数表示領域W4には当初、「30回」と表示される。そして、変動表示が1回行われる毎に、その値が1ずつ減算表示されていく。
【0585】
また、「16R確変大当たりA」、「4R確変大当たりA」又は「JUB大当たり」に当選し、「次回まで・高サポートモード」が付与される場合には、すなわち遊技状態判定値Xjの値が「6」の場合には、サポート回数表示領域W4には当初から「次回まで」と表示される。但し、上記非報知演出が行われる場合には、サポート回数表示領域W4には当初、「30回」と表示される。そして、変動表示が1回行われる毎に、その値が1ずつ減算表示されていく。
【0586】
上述したとおり、「高サポートモード」が付与されている間は、遊技球が下始動入賞口33Bへ入賞しやすい状態となるため、大当たり遊技が終了した場合であっても、遊技者は開閉役物37の開放契機を得るべく、「右打ち」を継続して行うことが好ましい。つまり、「高サポートモード」中は、「右打ち」して遊技を行った方が、遊技をより有利に進めることができるよう設定されている。従って、「高サポートモード」中の装飾図柄表示装置42の指示表示領域W2には、遊技者に対し「右打ち」を推奨すべく、「右打ち→」と表示される。
【0587】
尚、本実施形態では、「高サポートモード」の一般回変動時(サポート回数表示領域W4における回数表示が終了値の「1回」となっていない変動時)、すなわち遊技状態判定値Xjの値が「1」、「2」、「4」、「5」の場合における変動時間が、各遊技状態判定値Xjに基づき選択される変動パターンテーブルによって「1秒」と設定されている(大当たり時を除く)。そして、サポート演出中の装飾図柄表示装置42の表示部42aでは、これに合せた表示演出がサブ制御装置262により決定され、実行される。
【0588】
また、「高サポートモード」の特定回変動時(サポート回数表示領域W4における回数表示が終了値の「1回」となっている変動時、つまり大当たり終了後から「20回目」、「30回目」、「40回目」又は「50回目」にあたる変動時)、すなわち遊技状態判定値Xjの値が「7」の場合における変動時間が、当該遊技状態判定値Xjの値「7」に基づき選択される変動パターンテーブルによって「25秒」と設定されている(大当たり時を除く)。そして、サポート演出中の装飾図柄表示装置42の表示部42aでは、これに合せた表示演出がサブ制御装置262により決定され、実行される。
【0589】
上記特定回変動時(25秒変動)の装飾図柄表示装置42の表示部42aでは、「高サポートモード」が継続するか否かを抽選で決定するような、遊技者の興趣を盛り上げるサポート継続演出が行なわれる。
【0590】
例えば本実施形態では、上記特定回変動時の表示演出(サポート継続演出)として、ルーレット演出が行われる。当該ルーレット演出では、図52に示すように、ルーレット図柄TRが表示される。ルーレット図柄TRには、サポート回数がここで終了することを示す「終了」、サポート回数がさらに10回が加算されることを示す「+10回」、サポート回数が次回大当たりまで続くことを示す「次回まで」といった項目が記載されている。
【0591】
ルーレット演出では、ルーレット図柄TRが回転し、矢印TYの示す位置に停止した項目により、その後の遊技状態が決定されるといった演出がなされる。
【0592】
ここで、いずれの項目に停止するかは、大当たり抽選時に決定された「高サポートモード」の付与数(「20回」、「30回」、「40回」、「50回」又は「次回まで」)と、その時点のサポート付与回数(サポート回数カウンタの値)によって決定される。そして、決定された項目がサポート回数表示領域W4に表示される。
【0593】
例えば、「50回・高サポートモード」付きの「16R通常大当たりB」に当選し、サポート回数表示領域W4に当初「20回」と表示された後、当該ルーレット演出に至った場合には、上限が「次回まで」ではなく、サポート付与回数は残り「30回」あるので、「+10回」の項目が選択される。
【0594】
また、例えば「30回・高サポートモード」付きの「4R通常大当たりA」に当選し、サポート回数表示領域W4に当初「30回」と表示された後、当該ルーレット演出に至った場合には、上限が「次回まで」ではなく、サポート付与回数の残りがないため、「終了」の項目が選択される。
【0595】
また、例えば「次回まで・高サポートモード」付きの「16R確変大当たりA」に当選し、非報知演出が行われ(遊技状態判定値Xjの値が「5」となり)、サポート回数表示領域W4に当初「30回」と表示された後、当該ルーレット演出に至った場合には、上限が「次回まで」であるので、「次回まで」の項目が選択される。
【0596】
さて「高サポートモード」が終了し、「低サポートモード」に戻ると、装飾図柄表示装置42の表示部42aにおける表示態様は、通常状態と同様の状態に戻る(図48参照)。従って、表示部42aの指示表示領域W2には「←左打ち」と表示される。
【0597】
但し、本実施形態では、「高サポートモード」中に小当たり当選し、下始動入賞口33Bに係る第2サブ変動保留エリアのいずれかの保留エリアに小当たり情報が格納されている場合には、第2保留表示領域W3bに表示されている保留画像TB1~TB4のうち、小当たり情報を格納した保留エリアに対応する保留画像TB1~TB4の表示態様が、通常態様とは異なる態様の画像に変更される(図53参照)。図53に示した例では、第3保留画像TB3が「星型画像」に変更されている。本実施形態では、これと共に、指示表示領域W2において「右打ち→」と表示される。
【0598】
このため、「高サポートモード」が終了し、「低サポートモード」に戻った場合でも、保留エリアに小当たり情報が格納されていれば、上記表示が行われ、遊技者に対して小当たりが発生することが示唆されることとなる。
【0599】
上述したとおり、小当たり状態における可変入賞装置32の開放時間は極めて短いため、「左打ち」している状態から、小当たり発生後に「右打ち」へ切換えていたのでは間に合わず、可変入賞装置32へ遊技球を入賞させるためには、予め「右打ち」しておく必要がある。この点、本実施形態では、上記小当たり示唆により、遊技者は、小当たりが発生することを把握できるため、予め準備ができ、小当たりの取りこぼしが少なくなる。
【0600】
尚、上述したように、上記サポート継続演出(ルーレット演出)が行われる場合には、付加演出として演出役物ユニット761を用いた役物演出が行われる場合もある。
【0601】
以下、演出役物ユニット761を用いた役物演出について詳しく説明する。まず、演出役物ユニット761の回転体820を駆動させる回転体用駆動モータ817の構造及びその制御について詳しく説明する。図54は回転体用駆動モータ817の動作原理を説明するための模式図である。
【0602】
本実施形態では、回転体用駆動モータ817として1-2相励磁方式を採用したハイブリッド(HB)型の2相ステッピングモータを使用している。なお、ステッピングモータはハイブリッド型や2相に限らず、4相あるいは5相のステッピングモータなど、種々のステッピングモータを使用することができる。
【0603】
ハイブリッド型の回転体用駆動モータ817は、中央に配置されたロータ(回転子)900と、ロータ900の周囲に配された第1~第4ポール901~904とにより構成されている。
【0604】
ロータ900は、N極に着磁された手前側ロータ900aと、S極に着磁された奥側ロータ900bとで構成され、手前側ロータ900aの周囲に設けられた歯と歯の間に、奥側ロータ900bの周囲に設けられた歯が位置するように1/2ピッチだけ相対的にずらされた状態で回転軸に取り付けられている。そして、手前側ロータ900aと奥側ロータ900bとの間には図示しない筒状磁石が取着されている。
【0605】
第1ポール901と第3ポール903には、図55に示すように励磁コイルL1と励磁コイルL3がバイファイラ巻きされ、励磁コイルL1の巻き終わり端と励磁コイルL3の巻き始め端とが結線され、ここに直流電流+12Vが印加される。
【0606】
同じく、第2ポール902と第4ポール904にも励磁コイルL2と励磁コイルL4がバイファイラ巻きされ、励磁コイルL2の巻き終わり端と励磁コイルL4の巻き始め端とが結線され、ここに上述した直流電流+12Vが印加される。
【0607】
ここで、第1ポール901の励磁コイルL1に励磁信号を印加し、第1ポール901をS極に励磁すると共に第3ポール903をN極に励磁する相をA相とし、これとは逆に第3ポール903の励磁コイルL3に励磁信号を印加し、第1ポール901をN極に励磁すると共に第3ポール903をS極に励磁する相を逆A相と称する。
【0608】
同様に、第2ポール902の励磁コイルL2に励磁信号を印加し、第2ポール902をS極に励磁すると共に第4ポール904をN極に励磁する相をB相とし、これとは逆に第4ポール904の励磁コイルL4に励磁信号を印加し、第2ポール902をN極に励磁すると共に第4ポール904をS極に励磁する相を逆B相と称する。
【0609】
かかる構成の下、仮に回転体用駆動モータ817を1相励磁駆動方式とした場合には、A相、B相、逆A相および逆B相に対して順次励磁信号を印加することにより、ロータ900を時計方向又は反時計方向に回転駆動させることができる。
【0610】
例えば、まずA相に通電すると、S極になった第1ポール901の突起と手前側ロータ900aの歯、N極になった第3ポール903の突起と奥側ロータ900bの歯とがそれぞれ吸引力により向き合い、次にB相に通電すると、S極になった第2ポール902の突起と手前側ロータ900aの歯、N極になった第4ポール904の突起と奥側ロータ900bの歯とがそれぞれ吸引力により向き合い、次に逆A相に通電すると、N極になった第1ポール901の突起と奥側ロータ900bの歯、S極になった第3ポール903の突起と手前側ロータ900aの歯とがそれぞれ吸引力により向き合い、次に逆B相に通電すると、N極になった第2ポール902の突起と奥側ロータ900bの歯、S極になった第4ポール904の突起と手前側ロータ900aの歯とがそれぞれ吸引力により向き合う。この順序で励磁することにより、ロータ900は図54において時計回り方向に回転する。
【0611】
これに対して、本実施形態では、1相励磁と2相励磁とを交互に行う1-2相励磁駆動が採用されている。1-2相励磁駆動では以下の(1)~(8)の励磁シーケンス(励磁順序)に従って励磁が行われる。
【0612】
すなわち、1組のみの励磁が1相励磁であり、2相を同時に励磁するのが2相励磁であるから、図57に示すように1-2相励磁駆動は、(1)A相に通電し(1相励磁)、(2)A相とB相の両方に通電し(2相励磁)、以下同様、(3)B相に通電し、(4)B相と逆A相の両方に通電し、(5)逆A相に通電し、(6)逆A相と逆B相の両方に通電し、(7)逆B相に通電し、(8)逆B相とA相の両方に通電し、その後(1)に戻るような駆動方式である。
【0613】
かかる構成の下、本実施形態では、上述したように360パルスの励磁信号(駆動パルス信号)で回転体用駆動モータ817(回転体820)が1回転するよう構成されている。つまり、1パルスの励磁信号に基づく角度変化(1ステップあたりの角度変化)が1°となっている。また、本実施形態ではタイマ割込みが2msecに設定されているため、回転体用駆動モータ817(回転体820)は720msec(=2msec×360パルス)で1回転することとなる。
【0614】
回転体用駆動モータ817に対する励磁信号の印加は、演出役物ユニット761に設けられたモータドライバ825を介して行われる。モータドライバ825には、サブ制御装置262から図57に示すような励磁信号制御用データ(以下、単に「励磁制御データ」という。)が出力される。この励磁制御データは、所定の励磁順序に則ってテーブル化され、励磁テーブルとしてサブ制御装置262のROM552に記憶されている。従って、本実施形態では、サブ制御装置262がモータ制御手段を構成することとなる。
【0615】
そして、サブ制御装置262において定期的に起動されるタイマ割込み処理である通常処理(ステップS3911のその他の処理)において入出力ポート554に対し適切な励磁制御データが出力される。この励磁制御データによって回転体用駆動モータ817に対する励磁相が定まり、その励磁相に対して励磁信号が印加される。
【0616】
本実施形態における回転体用駆動モータ817の動作状態は、図56に示すように、回転開始から一定の定速回転に至るまでの加速状態(加速期間)Taと、回転速度を一定に維持し続ける定速回転状態(定速回転期間)Tbと、定速回転状態から回転停止に至るまでの減速状態(減速期間)Tcとに分けられる。
【0617】
ここで、回転体用駆動モータ817は、加速状態からできるだけ早く定速回転状態に移行させることが望ましい。そのためには、回転体用駆動モータ817に対する励磁相への割込み(励磁相である1相励磁から2相励磁への切替え、及び、2相励磁から1相励磁への切替え)を早めればよい。
【0618】
しかしながら、回転開始時つまり初期励磁時に上述の励磁順が狂ったり、励磁間隔が短かったり、励磁間隔が極端に不揃いであったりすると、場合によっては脱調したり、回転が不安定になったりするおそれがある。ここで、励磁間隔とは、入出力ポート554における出力バッファへのデータの書き込み間隔であって、これは入出力ポート554における出力バッファからの励磁制御データの出力間隔を意味する。
【0619】
従って、かかる懸念を伴わない範囲で最適な割込み処理を行う必要がある。つまり、割込み処理によって励磁信号を励磁コイルに印加する本実施形態においては、励磁相への適切な割込みタイミングを設定する必要がある。このため、まずモータ加速時におけるロータ900の回転揺れが抑えられるまでの間は、同一励磁相により励磁状態を固定する。
【0620】
基本的には、初期励磁(初速ゼロのときの励磁)の状態をある程度維持しないと脱調や回転の不安定性が解消しにくいことを考慮する。これは、初期励磁の際にロータ900の歯がポール901~904の突起に吸引されるときに発生するロータ900の回転揺れ(往復動を伴った微小振動)の収束程度に係ってくる。
【0621】
回転揺れをなくしながら加速処理を行うには、同一励磁相で固定する時間として少なくとも初期励磁をしてから200~250msec程度の時間が必要となる。従って、初期励磁相を固定する初期励磁保持期間としてこの時間を超えた時間を設定すればよい。
【0622】
本実施形態ではタイマ割込みが2msecに設定されているため、初期励磁保持期間を260msec(=2msec×130割込み)に設定した。初期励磁保持期間は、図57に示す励磁制御データ(例えば励磁順2に示す励磁制御データ09H)が入出力ポート554から連続してモータドライバ825に出力される。
【0623】
例えば図58に示すように、加速期間Taのうちで、初期励磁を行う加速期間を第1の加速期間とし、その後の定速回転に至るまでの加速期間を第2の加速期間とすれば、第2の加速期間では定速回転に至るべく励磁信号の励磁相への割込み処理が頻繁に行われる。
【0624】
ここで、初期励磁の励磁相を1相励磁とするか、2相励磁とするかが問題となる。初期励磁は高トルクでロータ900を回転させる必要があり、初期励磁の励磁相は1相励磁よりもさらに高トルクが得られる2相励磁が好ましい。これは以下に示すような理由による。
【0625】
まずステッピングモータとして1-2相励磁方式を採用したハイブリッド(HB)型の2相ステッピングモータでは、加速時の初期励磁相としては、1相励磁の他に2相励磁が考えられる。
【0626】
1相励磁は特定の励磁相のみを駆動するもので、この1相励磁によって初速時の回転トルクを得る。これに対して2相励磁は特定の2つの励磁相を同時に駆動するもので、2相励磁によって初速時の回転トルクを得る。回転体820の大きさなどによっても相違するが、通常の遊技機であれば1相励磁でも回転体820を初速ゼロから加速させることが可能である。
【0627】
しかしながら、1相励磁の場合には2相励磁と比較して発生する回転トルクが小さいため、十分な初速が得られない可能性がある。十分な初速が得られなければ脱調する可能性が高くなるため、初期励磁は2相励磁が好ましい。
【0628】
また、回転体820を停止させる際、回転体820にブレーキ(制動)をかけてから実際に停止するまでには、所定のステップ角分だけ滑って停止する。滑って停止した際には、この角度のずれ分を吸収しつつ次回の加速処理を行う必要があり、できる限り初期励磁での電磁的吸引力は大きい方が好ましい。
【0629】
2相励磁の場合には1相励磁よりも電磁的吸引力が大きいので、この角度のずれに伴う回転揺れを素早く吸収することができる。以上のことを総合的に勘案すると、初期励磁は1相励磁より2相励磁の方が好ましいことになる。
【0630】
初期励磁を2相励磁に設定した場合で、しかも第2の加速期間内で所定の回転速度まで短期間に到達させるための割込みタイミングとしては、図58に示すようなタイミング例が好適である。
【0631】
また、初期励磁としての2相励磁は、図57に示した励磁順のうち最も早い励磁順2を選択することができる。勿論、回転停止時の励磁相によっては、異なる励磁順(励磁順4、励磁順6または励磁順8)となる場合もある。2msecごとの割込みタイミングに同期して励磁信号を印加してからは130割込み(260msec)の間、この励磁状態を保持する。
【0632】
一方、図58に示すように第2の加速期間では、1-2相励磁を交互に繰り返すが、各励磁相の保持期間(励磁相への割込みタイミング)は、1相励磁の励磁保持期間と2相励磁の励磁保持期間とが細かく切り替わるよう制御される。
【0633】
図58に示す例では、第2の加速期間に入ると、2相励磁に続く1相励磁が8割込み分行われ、その次の2相励磁は7割込み分だけ行われるといったように、割込みが漸次短くなるように設定し励磁時間を漸次短縮すると共に、最後には最小の割込み間隔で励磁相が順次切り替わる通常の1-2相励磁となるように設定されている。
【0634】
したがって図58に示すように、第2の加速期間における最後の励磁相が2相励磁であってこれが1割込みであるときには、次の定速回転期間における最初の励磁相は1相励磁であって割込み間隔は1割込みとなる。このように第2の加速期間での割込みタイミングを、定速回転に近づくにつれ順次短くすることで、高速な加速処理を短時間で実現することができると共に、定速回転へのスムーズな移行が可能になる。
【0635】
尚、図58に示す第2の加速期間は全体の加速期間Taが426msecに設定された場合の例であり、全体の加速期間Taがこれとは異なる時間に設定されている場合には、その時間に応じて第2の加速期間が選定されると共に図58とは異なる割込み処理が行われることは言うまでもない。
【0636】
さて、回転体用駆動モータ817の駆動特性に関する説明に戻ると、回転体820を停止するブレーキ処理を行う際には、2相励磁を行った直後に4相励磁を行う。2相励磁のみにてブレーキ処理を行った場合、強い制動力によって回転速度が急激に低下して回転が乱調する可能性がある。
【0637】
これに対し、2相励磁直後に4相励磁を行うことにより、回転を乱調させることなく滑らかに回転体820を停止させることができる。また、1相励磁よりも2相励磁のときの方が回転位置を特定し易いため、2相励磁の直後に4相励磁を行うことで停止位置精度を高めることもできる。
【0638】
上述したように、回転体用駆動モータ817に対する励磁信号の印加は、ROM552に記憶された励磁テーブルの励磁順にしたがってモータドライバ825に対し励磁制御データが順次出力されることにより行われる(図57参照)。
【0639】
より詳しくは、ROM552の励磁テーブルに記憶された励磁制御データが、タイマ割込みが生じる度に励磁テーブルから順次読み出され、入出力ポート554の出力バッファに書き込まれる。そして、この入出力ポート554の出力バッファに書き込まれた励磁制御データが即座にモータドライバ825に出力され、モータドライバ825において、これに対応する励磁コイルL1~L4への通電処理が実行される。
【0640】
ここで、回転体用駆動モータ817に係るモータ制御処理について図59のフローチャートを参照して説明する。かかるモータ制御処理は、上記通常処理内のその他の処理(ステップS3911)にて行われるものである。
【0641】
尚、かかるモータ制御処理を実行する際には、少なくともウエイトタイマ、加速カウンタ及び励磁順ポインタがRAM553に設定される。
【0642】
ウエイトタイマには、同一励磁モードでのタイマ割込み数(励磁時間)が設定される。図58には、その一例が示されている。第1の加速期間では2相励磁モード(加速順序1)が130単位(130割込み)連続して実行される。したがって、ウエイトタイマには「130」と設定される。同様に、例えば第2の加速期間にあって、加速順序2では1相励磁モードが8単位(8割込み)だけ連続して実行されるため、ウエイトタイマには「8」と設定される。
【0643】
加速カウンタは、図58に示すように加速順序を指定するためのものである。本実施形態における加速処理は、25ステップの励磁パターン(加速順序1~25)で構成されている。図58に示した各データはテーブル化されてROM552に保存されている。
【0644】
励磁順ポインタは、図57に示すように、回転体用駆動モータ817に対する励磁相を決めるときに使用されるポインタである。1-2相励磁の回転体用駆動モータ817を使用した場合、1相励磁と2相励磁とを交互に行うが、そのときの相励磁パターンは図57のように8パターンとなる。どの相励磁パターンのときに、どの励磁制御データを出力励磁制御データとして取得し、これをRAM553に一時的に保存するかが、この励磁順ポインタの値(0~7)によって指定される。
【0645】
詳細は後述するが、回転開始時の励磁順ポインタの値は、直前に回転体用駆動モータ817を停止させたときに使用した励磁相がどのパターンに属する励磁相を使用したかによって相違する。回転中は順次励磁順ポインタの値を更新しながら使用する。
【0646】
ここで、まず回転体820の回転開始前から回転開始に至るまでのモータ制御処理の流れについて説明する。
【0647】
図59に示すように、モータ制御処理では、まずステップS5101においてウエイトタイマの値が「0」か否かを判別する。ここで、回転体820の回転開始前におけるウエイトタイマの値は「0」であるため、回転体820の回転開始前においては、ステップS5101の判別処理で肯定判別され、ステップS5111に進むこととなる。
【0648】
ステップS5111においては、加速カウンタの値が「0」でないか否かを判別する。ここで、回転体820の回転開始前における加速カウンタの値は「0」であるため、回転体820の回転開始前においては、ステップS5111の判別処理で否定判別され、ステップS5112に進むこととなる。
【0649】
ステップS5112においては、出力励磁制御データを「0」と設定し、そのまま本処理を終了する。これにより、後述するような演出ボタン125の操作等に起因した所定の回転開始条件が成立するまでの間は、回転体用駆動モータ817が停止状態を維持することとなる。
【0650】
尚、演出ボタン125の操作の有無など、回転開始条件が成立したか否かの判定は、ステップS3910の役物演出設定処理にて行われる。ここで、所定の回転開始条件が成立したと判定されると、後述するステップS6016の役物駆動設定処理において加速カウンタの値が「25」と設定される。
【0651】
回転開始条件が成立した当初、ウエイトタイマの値は未だ「0」のため、この場合にもステップS5101を経てステップS5111に進み、加速カウンタの値を判別することとなる。但し、この段階において加速カウンタの値は「25」とセットされているため、この場合にはステップS5121に進む。そして、ステップS5121において加速カウンタの値を1減算する処理を行う。
【0652】
続くステップS5122では、再度、加速カウンタの値が「0」でないか否かを判別する。このときの加速カウンタの値は「24」であるからステップS5131に進む。
【0653】
ステップS5131においては、図58に示すテーブルから加速カウンタの値「24」における励磁時間の内容を参照し、かかる励磁時間をウエイトタイマに設定する。ここでは、励磁時間として「130」が設定される。
【0654】
ウエイトタイマへの設定処理が終了すると、ステップS5132において励磁順ポインタを1加算する更新処理を実行する。そして、ステップS5133では、更新された励磁順ポインタの値(例えば「5」)に対応した励磁制御データ(例えば「06H」)を図57に示すテーブルより取得し、その励磁制御データを出力励磁制御データとしてRAM553に保存する。保存された励磁制御データは、所定のタイミング(ステップS3912の外部出力処理)で入出力ポート554に出力される。
【0655】
ここで、入出力ポート554への出力は、入出力ポート554の出力バッファへのデータ書き込み処理であるから、モータドライバ825に対しては、励磁制御データの入出力ポート554への書き込みと同時に励磁制御データが出力されたことになる。その結果、モータドライバ825は即座に励磁制御データによって指定された励磁相への通電処理を行い、回転体用駆動モータ817のロータ900に対する励磁処理がなされることとなる。
【0656】
つまり、所定の回転開始条件が成立し、加速カウンタにカウンタ値「25」がセットされることで、モータドライバ825への励磁制御データの出力が開始され、回転体用駆動モータ817のロータ900が始動する。そして、次回のタイマ割込み処理(通常処理)において、再びモータ制御処理が実行されることとなる。
【0657】
ここで、回転体820の回転開始後のモータ制御処理の流れについて説明する。この場合にはウエイトタイマの値は「130」であるからステップS5102に進み、ウエイトタイマの値を1減算する減算処理を実行し、本処理を終了する。この結果、加速カウンタや励磁順ポインタの値は前回のタイマ割込み時と同じ値を保持する。つまり、同じ励磁相(本例では2相励磁)によるモータ加速処理が継続される。この同じ励磁相を使用したモータ加速処理は合計130割込み分連続して行われ、ウエイトタイマはタイマ割込みの都度、減算処理される。この結果、130割込みが終了したときにウエイトタイマの値は「0」となる。
【0658】
一方、加速カウンタの値は、この第1の加速期間中全く変化しない。130割込みが終了してウエイトタイマの値が「0」となることで、ステップS5111を介してステップS5121に進み、加速カウンタを減算処理する。
【0659】
その後、ステップS5122及びS5131において、1減算された加速カウンタの値「23」に対応した励磁時間(8割込み)を図58のテーブルより取得し、この励磁時間の値「8」をウエイトタイマに設定する。
【0660】
ステップS5132,S5133では、励磁順ポインタの値を1加算して「6」とし、この励磁順ポインタの値「6」に対応した励磁制御データ「02H」(1相励磁)を出力励磁制御データとしてRAM553に記憶する。
【0661】
その後、出力励磁制御データの取得処理が終了した段階で、この出力励磁制御データを入出力ポート554に出力し、第2の加速期間に関する処理を開始する。したがって、第2の加速期間の最初は1相励磁が8割込み分だけ連続して行われる。
【0662】
第2の加速期間の最初は加速順序2に相当する処理である(図58参照)。この加速順序2における加速処理でタイマ割込みが8割込み分終了し、ステップS5101にて肯定判別されると、ステップS5121において加速カウンタの値を更に1減算する。
【0663】
これにより、励磁順ポインタの値が「7」となり、これに対応する励磁制御データ「03H」が図57のテ-ブルより読み出され、今度は7割込み分の連続加速処理が2相励磁によって行われることとなる。
【0664】
このように加速カウンタを順次減算処理しながら第2の加速期間中における加速処理を実行するため、やがて加速カウンタの値は「0」となる。ステップS5121にて減算処理したことにより加速カウンタの値が「0」となった場合には、ステップS5122において否定判別され、ステップS5123に進むこととなる。ステップS5123では、加速カウンタの値に「1」を設定する。
【0665】
その後、ステップS5131に進み、ステップS5121で減算したときの加速カウンタの値「0」に対応した励磁時間に相当する値をウエイトタイマに設定する。その後、ステップS5132,S5133では、励磁順ポインタを更新して、このポインタに対応する励磁制御データ(この例では「0」のポインタに該当する励磁制御データ「01H」)を図57のテーブルより読み出し、これを出力励磁制御データとしてセットする。したがって、ステップS5121で加速カウンタの値が「0」になると、1回のタイマ割込み分だけ励磁を行うこととなる。
【0666】
ステップS5121で加速カウンタの値が「0」となっても、ステップS5123の処理で加速カウンタの値は「1」となる。そのため、次回のタイマ割込み処理において、励磁順である加速順序25(図58参照)の次の処理ステップでは、ステップS5111を経由してステップS5121に進み、再度、加速カウンタの減算処理を行うこととなる。
【0667】
これによって加速カウンタの値は再び「0」となるから、ステップS5131では図58の加速順序25に相当する励磁時間を再度ウエイトタイマに設定することになる。また、励磁順ポインタはステップS5132の処理で「1」に更新される結果、励磁相は2相励磁に切り替わる。
【0668】
つまり、加速順序25の次回のタイマ割込み処理からは、ステップS5121,S5123によって加速カウンタの値が「0」又は「1」に交互に切り替わると共に、ステップS5131によって常に加速カウンタの値「0」に対応する励磁時間がウエイトタイマに設定されることとなる。
【0669】
また、ステップS5132、S5133によって励磁制御データが毎回更新されるため、回転体用駆動モータ817は1相励磁と2相励磁とを交互に繰り返す回転状態となる。これは定速処理に他ならず、換言すれば、加速順序25まで励磁処理が進むと、それ以降は定速回転状態に移行することとなる。
【0670】
以後、後述する動作プロセスデータの終了時期など、所定の回転停止条件が成立するまでの間は、回転体820の回転位置(回転角度位置)を把握しながら、回転体用駆動モータ817が定速回転状態に維持されることとなる。
【0671】
ここで、回転体820の回転位置を把握する処理の流れについて詳しく説明する。ステップS5133において励磁制御データを取得すると、ステップS5134にて、後述する装飾エリアオフセットの値を更新すると共に、ステップS5135にて回転体820の原点位置検出処理を行う。
【0672】
但し、この原点位置検出処理は、回転体820が定速回転状態となった後に行われる。つまり、ステップS5135においては、まず回転体820が定速回転状態となっているか否かを判別し、ここで回転体820が定速回転状態となっている場合に、該回転体820の原点位置(遮光片818c)が所定検出位置(位置検出センサ821)を通過したか否かを確認する。
【0673】
そして、ステップS5135において回転体820が定速回転状態となりかつ回転体820の原点位置の通過を確認した場合には、ステップS5136に進み、装飾エリアオフセット及び装飾エリア番号の更新処理を実行する。
【0674】
具体的には、回転体820の原点位置が所定検出位置を通過するタイミングで、装飾エリアオフセット及び装飾エリア番号の値をそれぞれ、回転体820の原点位置に対応した値「0」にリセットする。
【0675】
「装飾エリア番号」は、回転体820の円形装飾部820bを区画した10個の装飾エリアE(E1~E10)に対応して付された連番の番号である。本実施形態では、10個の装飾エリアE(E1~E10)が設けられているので、装飾エリア番号は「0」~「9」の値をとる。例えば装飾エリア番号「0」が第1装飾エリアE1に対応し、装飾エリア番号「9」が第10装飾エリアE10に対応している。
【0676】
「装飾エリアオフセット」は、1つの装飾エリアEを回転体820の回転方向に36等分した値であり、[0]~「35」の値をとる。尚、この「36」という数は、1つの装飾エリアEが1区画分移動するために必要なパルス数である。
【0677】
そして、ステップS5141において装飾エリアオフセットの値が随時チェックされ、この値が「36」になると、ステップS5142に進み、装飾エリア番号を更新すると共に、装飾エリアオフセットの値を「0」にリセットする。
【0678】
このように加速処理や定速回転処理が正常に行われている間は、その後のステップS5143~S5145の異常処理や、ステップS5151~S5154の回転停止処理(ブレーキ処理)はスキップされ、本処理は終了する。尚、これらの処理の詳細については、以下、順次説明する。
【0679】
まず、回転体820の回転停止に伴うモータ制御処理(回転停止処理)の流れについて説明する。
【0680】
上述したように、回転体820を停止させる際、回転体820にブレーキ(制動)をかけとしても、ロータ900には滑りがあるため、3~4ステップ分滑って停止する。また、モータ始動時の励磁相としては2相励磁であることが好ましいため、ブレーキが2相励磁直後、つまり1相励磁のタイミングで開始されるように、モータ停止時期を把握しておく必要がある。
【0681】
そこで、本実施形態では、ステップS5142において装飾エリア番号の更新処理や装飾エリアオフセットのリセット処理を実行した後の処理として、ステップS5151のような回転体820の停止時期を判別するための処理ステップを置いている。
【0682】
このステップS5151では、現在出力中の励磁相が2相励磁であり、装飾エリアオフセット値が所定オフセット値を超えない範囲となっているか否かをそれぞれ判別する。ここで、現在の励磁相が2相励磁であるかどうかは、励磁順ポインタの値を参照すればよく、所定オフセット値を超えたかどうかは装飾エリアオフセット値を参照すればよい。
【0683】
装飾エリアオフセット値を考慮するのは、装飾エリアオフセット値が大きくなればなるほど、装飾エリアEの停止位置の相対的ずれが大きくなるからである。そのため、本実施形態では、装飾エリアEのずれがはっきり認識できない、装飾エリアオフセット値が4以下のときに回転停止処理を実行するように構成されている。
【0684】
したがって、このオフセット条件を満足しないときには、ステップS5151において否定判別され、そのまま本処理を終了する。一方、上記所定の回転停止条件が成立しかつ前記オフセット条件を満足した場合には、ステップS5152へ移行する。
【0685】
ステップS5152においては、現在の装飾エリア番号と、予め定められた所定の装飾エリアE(例えば第1装飾エリアE1)の装飾エリア番号との比較を行う。
【0686】
ここで、両者の装飾エリア番号が一致していないときには、そのまま本処理を終了する。一方、両者の装飾エリア番号が一致したときには、ステップS5153に進み、ブレーキ設定処理を行う。
【0687】
このブレーキ設定処理では、まず加速カウンタを「0」にリセットすると共に、ブレーキ用励磁制御データの設定処理を行う。本実施形態では4相が同時励磁されるように設定を行う。
【0688】
さらに、ウエイトタイマにブレーキ時間を設定する。本実施形態では120割込み分(=240msec)がブレーキ時間として設定されており、ウエイトタイマには「120」がセットされる。
【0689】
ウエイトタイマを「120」にセットすると、ステップS5101,S5102の処理が120割込み分行われるため、その間はブレーキ用励磁制御データが連続して出力される。これにより、ロータ900が完全に停止する。
【0690】
ブレーキ設定処理が終了すると、ステップS5154にて、次回の回転開始時に使用する励磁順ポインタに対する調整処理が行われる。
【0691】
励磁順ポインタの調整処理は、ロータ900のすべりを考慮する。上述したように、ブレーキ処理がなされる際にロータ900は3~4ステップ分程度滑ってから停止するのが殆どであるため、例えば図57に示す励磁順ポインタ「0」でブレーキをかけると、励磁順ポインタ「4」の位置でロータ900が停止しているものと推定される。そこで、励磁相の調整分として「4つの励磁用」分だけ進める。この結果ステップS5132における更新後の励磁順ポインタ値は「5」となる。
【0692】
最後に、回転体820の回転に異常が発生した際のモータ制御処理について説明する。
【0693】
すでに説明したように、加速期間では加速カウンタの加減算に応じて装飾エリアオフセットの値を更新し、定速回転期間ではタイマ割込みを行うたびに装飾エリアオフセットの値を更新する。そして、装飾エリアオフセットの値が「36」になると、装飾エリア番号を更新すると共に装飾エリアオフセットの値をリセットする。また、回転体820の原点位置を検出すると、原点位置の通過タイミングに合わせた装飾エリア番号及び装飾エリアオフセットの値のリセット処理を行う。
【0694】
回転体用駆動モータ817が正常に加速して定速回転に至る正常回転の場合には上述したような状況が再現される。しかし、正常に加速しなかった場合には、以下のような異常回転処理となる。
【0695】
まず、上述したように回転体820は360パルスの励磁信号によって1回転する。したがって、正常回転を行っていれば、回転体820の原点位置(遮光片818c)が位置検出センサ821を通過してから360パルスの励磁信号を出力すると回転体820の原点位置の通過を再度検出する。
【0696】
しかし、加速が正常に行われずに回転体820が回転を開始しなかった場合等には、360パルスの励磁信号を出力しても回転体820の原点位置の通過を検出しない。この結果、ステップS5136における装飾エリア番号のリセット処理が行われないため、ステップS5142において装飾エリア番号は最大値「9」を超えて「10」に更新される。装飾エリア番号の値が「10」となっても、次回の処理ではカウンタ加減算処理が行われるため、装飾エリアオフセットの値は今まで通り更新処理される。
【0697】
この場合にはステップS5141を経て、ステップS5143において装飾エリア番号の値がチェックされる。装飾エリア番号は「0」から「9」までであるので、その値が「10」となったときには異常回転状態とみなすことができる。
【0698】
しかしながら、異常回転状態の原因が回転体用駆動モータ817の動作上のばらつきによる可能性もあり得るため、ステップS5144にて4オフセット以上、装飾エリアオフセットの値を更新したかを判別し、更新している場合に始めて異常回転状態と判断してステップS5145の異常処理を行う。
【0699】
異常処理では加速カウンタに、その初期値である「25」をセットし、次のタイマ割込みから再び加速処理を行う。ちなみに、回転体用駆動モータ817には動作上のばらつきがあり、理想的には1回転=360パルスとなるが、場合によっては359パルスあるいは361パルスで1回転することも考えられる。そこでステップS5144では余裕をもって4オフセット分を異常検出値として設定している。
【0700】
尚、このステップS5145における異常処理の回数が規定回数(例えば3回)を超えたときには、この異常状態を報知する処理(ホール内に設けられた異常ランプに対する点滅処理、ホール管理者へのブザー報知処理など)を実行してもよい。
【0701】
次に、ステップS3910の役物演出設定処理について図60,61のフローチャートを参照して説明する。
【0702】
まずステップS6001において、上記遊技状態判定値Xjの値を参酌して、今回の変動回がルーレット演出(サポート継続演出)の実行回であるか否かを判別する。
【0703】
ここで、否定判別された場合、すなわちルーレット演出の実行回でない場合には、ステップS6002において、後述する演出状態フラグJFの値を「0」にリセットして、そのまま本処理を終了する。
【0704】
演出状態フラグJFは、付加演出(主に演出役物ユニット761を用いた役物演出)の演出状態を判別するための判別情報である。
【0705】
一方、ステップS6001において肯定判別された場合、すなわち今回の変動回がルーレット演出の実行回である場合には、ステップS6003へ移行する。
【0706】
ステップS6003では、演出状態フラグJFの値を参酌して、現在、付加演出の開始前段階(JF=0)であるか否かを判別する。ここで、否定判別された場合、すなわち付加演出の開始後(JF≧1)である場合には、ステップS6006へ移行する。
【0707】
一方、ステップS6003において肯定判別された場合、すなわち付加演出の開始前段階である場合には、ステップS6004へ移行する。
【0708】
ステップS6004では、RAM553の役物演出カウンタバッファに格納された上記役物演出カウンタC8の値を基に、役物演出の実行の有無及びその種別を決定する演出決定処理を行う。
【0709】
役物演出カウンタC8の値と、役物演出の実行の有無及びその種別との対応関係は、役物演出パターン決定テーブルとして、サブ制御装置262のROM552に記憶されている。
【0710】
本実施形態では、装飾図柄表示装置42のルーレット演出において、最終的に矢印TYの示す位置に停止するルーレット図柄TRの確定表示項目に対応して、複数の役物演出パターン決定テーブルが設定されている。
【0711】
具体的には、サポート回数がここで終了することを示す「終了」、サポート回数がさらに10回が加算されることを示す「+10回」、サポート回数が次回大当たりまで続くことを示す「次回まで」といった3つの確定表示項目に対応して、「終了」時・役物演出パターン決定テーブル、「+10回」時・役物演出パターン決定テーブル、「次回まで」時・役物演出パターン決定テーブルの3つのテーブルが用意されている。
【0712】
尚、各テーブルにおいて、各種演出パターン等が選択される割合は、「終了」時に対応するものか、「+10回」時に対応するものか、「次回まで」時に対応するものかによって異なる。そして、サポート回数が継続される場合、さらには「次回まで」時に対応したものである場合には、「終了」時の場合よりも、役物演出の実行の有無、さらには後述する発展演出パターンが行われる割合が高まるように、各種テーブルは構成されている。
【0713】
例えばルーレット演出における確定表示項目が「終了」となる場合には、図62(a)に示すような『「終了」時・役物演出パターン決定テーブル』が参照される。この場合、役物演出カウンタC8の値がC8=0~199の場合には「役物演出なし」が選択され、付加演出として役物演出は行われない。
【0714】
一方、役物演出カウンタC8の値がC8=200~299の場合には、「役物演出あり」が選択され、付加演出として役物演出が実行される。このうち、C8=200~249の場合には「発展なしパターン」の役物演出が実行され、C8=250~279の場合には「第1発展パターン」の役物演出が実行され、C8=280~289の場合には「第2発展パターン」の役物演出が実行され、C8=290~299の場合には「第3発展パターン」の役物演出が実行される。尚、これら第1~第3発展パターンの役物演出の詳細については後述する。
【0715】
また、ルーレット演出における確定表示項目が「次回まで」となる場合には、図62(b)に示すような『「次回まで」時・役物演出パターン決定テーブル』が参照される。この場合、役物演出カウンタC8の値がC8=0~9の場合には「役物演出なし」が選択され、付加演出として役物演出は行われない。
【0716】
一方、役物演出カウンタC8の値がC8=10~299の場合には、「役物演出あり」が選択され、付加演出として役物演出が実行される。このうち、C8=10~99の場合には「発展なしパターン」の役物演出が実行され、C8=100~199の場合には「第1発展パターン」の役物演出が実行され、C8=200~249の場合には「第2発展パターン」の役物演出が実行され、C8=250~299の場合には「第3発展パターン」の役物演出が実行される。
【0717】
尚、ルーレット演出における確定表示項目が「+10回」となる場合に参照される『「+10回」時・役物演出パターン決定テーブル』の具体的な内容については、図示を省略するが、上述した『「終了」時・役物演出パターン決定テーブル』や『「次回まで」時・役物演出パターン決定テーブル』とは内容の異なるテーブルが設定されている。
【0718】
ここで、上記「役物演出なし」が選択された場合には、役物演出パターンフラグPFの値に「0」を設定する。役物演出パターンフラグPFは、役物演出パターンを判別するための判別情報である。
【0719】
同様に、「発展なしパターン」の役物演出が選択された場合には、役物演出パターンフラグPFの値に「1」を設定する。「第1発展パターン」の役物演出が選択された場合には、役物演出パターンフラグPFの値に「2」を設定する。「第2発展パターン」の役物演出が選択された場合には、役物演出パターンフラグPFの値に「3」を設定する。「第3発展パターン」の役物演出が選択された場合には、役物演出パターンフラグPFの値に「4」を設定する。
【0720】
従って、サブ制御装置262は、ステップS6004の演出決定処理を行う際には、まず上記ルーレット演出における確定表示項目に係る情報を基に、上記複数の役物演出パターン決定テーブル群の中から所定の確定表示項目に対応する役物演出パターン決定テーブルを選出し、該選出したテーブルを基に役物演出パターンを決定することとなる。この際、決定された結果は、RAM553内の所定の記憶エリアに記憶される。
【0721】
そして、続くステップS6005において開始要求設定処理を行った後、本処理を終了する。
【0722】
ステップS6005の開始要求設定処理においては、演出状態フラグJFの値として、役物演出の開始要求期間中であることを示す「1」を設定すると共に、操作有効タイマSTの値に所定値(本実施形態では5秒)を設定する。
【0723】
尚、操作有効タイマSTは、上記演出ボタン125の操作有効期間を計測するためのタイマである。
【0724】
さらに、この開始要求設定処理においては、装飾図柄表示装置42の表示部42aにおいて開始要求表示演出を行うための表示設定処理を行う。
【0725】
かかる表示設定処理が行われることで、装飾図柄表示装置42の表示部42aにおいては、ルーレット演出に加えて、例えば「ボタンを押してください」等の文字が表示されるなど、遊技者に演出ボタン125の操作を促す表示演出が実行される。
【0726】
さて、上記ステップS6003にて否定判定されて移行するステップS6006においては、演出状態フラグJFの値を参酌して、現在、役物演出の開始要求期間中(JF=1)であるか否かを判別する。ここで、否定判別された場合、すなわち役物演出の開始要求期間中でない場合(JF≧2)には、ステップS6012へ移行する。
【0727】
一方、ステップS6006において肯定判別された場合、すなわち現在、役物演出の開始要求期間中である場合には、ステップS6007において、上記操作有効タイマSTの値が「0」であるか否かを判別する。
【0728】
ここで、肯定判別された場合、すなわち操作有効タイマSTの値が「0」である場合には、役物演出の開始要求期間中に遊技者が演出ボタン125を押圧操作せず、操作有効期間が経過したとして、ステップS6008に移行する。
【0729】
ステップS6008においては、演出状態フラグJFの値として、役物演出がこれ以上進展しないことを意味する「9」を設定して、本処理を終了する。
【0730】
一方、ステップS6007において否定判別された場合、すなわち操作有効タイマSTの値が「0」でない場合には、ステップS6009に移行する。
【0731】
ステップS6009においては、ボタン操作フラグBFの値を参酌して、役物演出の開始要求期間中(操作有効期間中)に遊技者が演出ボタン125を押圧操作した(BF=1)か否かを判別する。
【0732】
ボタン操作フラグBFは、操作有効期間中に演出ボタン125が押圧操作されたか否かを判別するための判別情報であり、操作有効期間中に押圧操作された場合には、その値が「1」に設定され、押圧操作されていない間は、その値が「0」に維持される。
【0733】
ステップS6009において否定判別された場合、すなわち演出ボタン125が押圧操作されていない場合には、そのまま本処理を終了する。一方、肯定判別された場合、すなわち演出ボタン125が押圧操作された場合には、ステップS6010において演出パターン設定処理を行う。
【0734】
ステップS6010の演出パターン設定処理においては、演出状態フラグJFの値として、上記ステップS6004の演出決定処理において選出された演出パターンに対応する値を設定する。
【0735】
具体的には、役物演出パターンフラグPFの値を参酌して、「役物演出なし」が選択された場合には、演出状態フラグJFの値に「2」を設定する。一方、「役物演出あり(発展なしパターン、第1発展パターン、第2発展パターン又は第3発展パターン)」が選択された場合には、演出状態フラグJFの値に「3」を設定する。
【0736】
その後、ステップS6011において、ボタン操作フラグBFの値を「0」にリセットし、本処理を終了する。
【0737】
さて、上記ステップS6006にて否定判別され移行するステップS6012においては、演出状態フラグJFの値を参酌して、付加演出の演出パターンが「役物演出なし(JF=2)」であるか否かを判別する。
【0738】
ここで、肯定判別された場合、すなわち演出パターンが「役物演出なし」である場合には、ステップS6013において報知設定処理を行う。
【0739】
かかる報知設定処理が行われることで、装飾図柄表示装置42の表示部42aにおいては、例えば「動かず残念」等の文字が表示されるなど、役物演出が行われない旨を報知する報知演出が実行される。
【0740】
その後、ステップS6014において、演出状態フラグJFの値として、役物演出がこれ以上進展しないことを意味する「9」を設定して、本処理を終了する。
【0741】
一方、ステップS6012において否定判別された場合には、ステップS6015へ移行し、演出状態フラグJFの値が「3」であるか否かを判別する。
【0742】
ここで肯定判別された場合には、演出パターンが「役物演出あり(JF=3)」であるが、現在は役物駆動演出の開始前段階であるとみなし、ステップS6016において役物駆動設定処理を行い、本処理を終了する。
【0743】
ステップS6016の役物駆動設定処理において、サブ制御装置262は、まずROM552から、役物演出の進行(動作プロセス)を規定した役物演出制御データを読出し、これをRAM553の所定エリアに格納する。
【0744】
その後、本処理が行われる毎に、サブ制御装置262は、役物演出制御データに含まれる複数の動作プロセスデータをタイムテーブルに則して順次読出すと共に、該動作プロセスデータに含まれるプロセスタイマ値を基に動作時間を管理しつつ、該動作プロセスデータに対応する処理を実行していく。
【0745】
複数の動作プロセスデータには、例えば演出役物ユニット761の上下駆動機構803(上下動用モータ805)を駆動制御して、役物本体802を降下させたり、上昇させたり、停止させたりする等の動作プロセスを規定したデータや、回転体用駆動モータ817を駆動制御して、回転体820を回転させたり停止させたりする等の動作プロセスを規定したデータ、LED813cを駆動制御して、発光体850を点灯させたり、消灯させたり、点滅させたりする等の動作プロセスを規定したデータなどが含まれている。
【0746】
これにより、本実施形態においては、演出パターンが「役物演出あり」の場合、遊技者が演出ボタン125を押圧操作することで、まず役物本体802が待機位置(センターフレーム47の上辺部47a裏側)から下方の演出位置へ降下する動作を行う(図14参照)。
【0747】
そして、役物本体802が演出位置へ降下し、装飾図柄表示装置42の表示部42aの一部を覆うように停止した後、回転体820が回転を開始すると共に、その背後の発光体850が常時点灯状態となる。
【0748】
尚、回転体820が回転を開始する際には、回転体用駆動モータ817に係る上記加速カウンタの値に「25」を設定する処理が行われると共に、所定の回転プロセスタイマKTの値に所定値(本実施形態では15秒)を設定する。
【0749】
一旦、回転体820が回転を開始すると、回転プロセスタイマKTの値が「0」になるまでの間、回転が継続される。尚、回転プロセスタイマKTの減算処理は、上記通常処理内のその他の処理(ステップS3911)にて別途行われる。
【0750】
そして、回転体820が定速回転状態となってから所定時間経過後(一連の回転開始動作プロセスの終了後)、サブ制御装置262は、演出状態フラグJFの値として、役物演出の実行開始後であることを示す「4」を設定すると共に、操作有効タイマSTの値に所定値(本実施形態では5秒)を設定する。
【0751】
同時に、装飾図柄表示装置42の表示部42aにおいて発展要求表示演出を行うための表示設定処理を行う。
【0752】
かかる表示設定処理が行われることで、装飾図柄表示装置42の表示部42aにおいては、ルーレット演出に加えて、例えば「ボタンを押してください」等の文字が表示されるなど、遊技者に演出ボタン125の操作を促す表示演出が実行される。
【0753】
さて、上記ステップS6015にて否定判別され移行したステップS6017においては、演出状態フラグJFの値を参酌して、現在、役物演出の実行開始後かつ演出発展前段階の演出初期状態(JF=4)であるか否かを判別する。
【0754】
尚、本実施形態では、役物演出の実行開始後かつ演出発展前段階の演出初期状態における演出態様は、「第1発展パターン」、「第2発展パターン」又は「第3発展パターン」のいずれが設定された場合においても同一となっている。
【0755】
ここで、否定判別された場合、すなわち役物演出の演出初期状態でない場合(JF≧5)には、ステップS6030へ移行する。
【0756】
一方、ステップS6017において肯定判別された場合、すなわち役物演出の初期状態(回転体820の定速回転状態かつ発光体850の常時点灯状態)である場合には、ステップS6018において、上記操作有効タイマSTの値が「0」であるか否かを判別する。
【0757】
ここで、肯定判別された場合、すなわち操作有効タイマSTの値が「0」である場合には、役物演出の初期状態中に遊技者が演出ボタン125を押圧操作せず、操作有効期間が経過したとして、ステップS6019に移行する。
【0758】
ステップS6019においては、演出状態フラグJFの値として、役物演出がこれ以上進展しないことを意味する「9」を設定して、本処理を終了する。
【0759】
一方、ステップS6018において否定判別された場合、すなわち操作有効タイマSTの値が「0」でない場合には、ステップS6020に移行する。
【0760】
ステップS6020においては、ボタン操作フラグBFの値を参酌して、役物演出の初期状態中(操作有効期間中)に遊技者が演出ボタン125を押圧操作した(BF=1)か否かを判別する。
【0761】
ステップS6020において否定判別された場合、すなわち演出ボタン125が押圧操作されていない場合には、そのまま本処理を終了する。一方、肯定判別された場合、すなわち演出ボタン125が押圧操作された場合には、ステップS6021において、役物演出パターンフラグPFの値が「発展なしパターン」に対応する「1」であるか否かを判別する。
【0762】
ここで肯定判別された場合、すなわち発展演出パターンが「発展なしパターン」である場合には、ステップS6022において報知設定処理を行う。
【0763】
かかる報知設定処理が行われることで、装飾図柄表示装置42の表示部42aにおいては、例えば「発展せず残念」等の文字が表示されるなど、発展演出が行われない旨を報知する報知演出が実行される。
【0764】
その後、ステップS6023において、演出状態フラグJFの値として、役物演出がこれ以上進展しないことを意味する「9」を設定して、本処理を終了する。
【0765】
さて、ステップS6021において否定判別された場合には、ステップS6024へ移行し、役物演出パターンフラグPFの値が「第1発展パターン」に対応する「2」であるか否かを判別する。
【0766】
ここで肯定判別された場合、すなわち発展演出パターンが「第1発展パターン」である場合には、ステップS6025において第1発展演出設定処理を行い、本処理を終了する。
【0767】
第1発展演出設定処理において、サブ制御装置262は、まず点滅プロセスタイマの値に所定値(例えば所定時間5秒)を設定すると共に、演出状態フラグJFの値として、役物演出の発展後を意味する「5」を設定する。
【0768】
続いて、サブ制御装置262は、ROM552から、第1発展パターンに対応した発光体850の点滅パターン(第1点滅パターン)を規定した第1点滅パターンデータを読出し、これをRAM553の所定エリアに格納する。
【0769】
その後、サブ制御装置262は、第1点滅パターンデータに基づき、回転体820の回転位置情報(駆動パルス信号数に基づく回転変位量)及び点滅プロセスタイマの値を参酌しつつ、発光体850の点灯状態と消灯状態とを周期的に切換える第1発光体点滅制御を実行していく。
【0770】
具体的には、演出役物ユニット761の発光制御部に対し順次制御信号を出力するための設定を行う。この制御信号の出力設定処理に基づき、次回の外部出力処理(ステップ3912)において、演出役物ユニット761の発光制御部に対し順次、制御信号が出力されることにより、発光体850(LED813c)がオン・オフ制御される。
【0771】
尚、後述する他の発光体点滅制御に関しても同様であるが、第1発光体点滅制御においては、デューティ比(1点滅周期中における点灯状態が占める割合)が比較的小さくなることが好ましい。そのため、本実施形態では、デューティ比が10%以下となるように設定されている。また、本実施形態において、発光体850の点滅周期を変更する場合には、点灯期間を変更することなく、消灯期間を増減することで、点滅周期を変更する構成となっている。勿論、発光体850の点滅周期の変更方法は、これに限定されるものではなく、他の方法を採用してもよい。
【0772】
第1発光体点滅制御においては、下記の関係式(J1)を満たす発光体点滅制御を実行する。つまり、実際に装飾エリアEが1区画分移動するエリア移動周期T(本実施形態では、T=72msec)よりも、発光体850の点滅周期Tが長くなる発光体点滅制御を実行する。
【0773】
<T<{(3/2)×T} ・・・・・・(J1)
ここで、T:発光体850の点滅周期、T:エリア移動周期。
【0774】
但し、本実施形態では、発光体850の点滅周期Tが、T<T<{(3/2)×T}の間の任意の周期TS1に固定されている(図63参照)。尚、図63においては、エリア移動周期Tの開始タイミングをパルス波形で示している。
【0775】
第1発光体点滅制御が行われることにより、例えば図64(a)に示すように、回転体820の原点Gが直上に位置する所定のタイミング〔図64(a)の左図参照〕で発光体850が点灯してから、装飾エリアEが1区画分(36°分)移動したエリア移動周期T経過後〔図64(a)の右図参照〕には、まだ発光体850の次なる点灯が行われておらず、点滅周期T経過後に発光体850が点灯する。この際、回転体820の原点Gは、36°分(装飾エリアEの1区画分)よりも進んだ位置G´に位置することとなる。
【0776】
これが周期的に繰り返されることにより、見かけ上、装飾エリアE(各透光部831a~831e、832)が回転体820の実際の回転方向と同じ正方向へ回転しているように見える現象(ワゴンホイール効果)を生じさせることができる。
【0777】
尚、後述する他の発光体点滅制御に関しても同様であるが、上記点滅プロセスタイマの減算処理は、上記通常処理内のその他の処理(ステップS3911)にて別途行われる。そして、発光体850が点滅を開始すると、点滅プロセスタイマの値が「0」になるまでの間、点滅制御が継続される。
【0778】
ここで、ワゴンホイール効果の原理について説明する。回転体820が1回転する回転周期をT(秒)とし、回転体820の角速度ω(rad/秒)とした場合、ω=2π/Tの関係式が成り立つ。
【0779】
本実施形態では、回転体820が1周するのに、720msec(=2msec×360パルス)を要するため、回転周期Tは、T=720/1000となり、角速度ω(rad/秒)は、ω=2π/T=(2π×1000)/720となる。
【0780】
さらに、発光体850の点滅周期をT(秒)とし、発光体850の1点滅周期あたりの回転体820の回転角度量〔所定のタイミングで発光体850が点灯してから、次に発光体850が点灯するまでのT(秒)の間に回転体820が回転変位する角度量(装飾エリアEが進む角度量)〕をθとすると、θ=ω×Tの関係式が成り立つ。
【0781】
従って、回転体820の回転方向に対し10個の装飾エリアEが等間隔に配置されている場合、0<θ≦{360°/10}の範囲での回転体820の見かけ上の視認態様は、以下のようになる。
【0782】
回転角度量θが下記(H1)の関係式を満たす場合、見かけ上、回転体820(装飾エリアE)が実際の回転方向と同じ正方向へ回転しているように視認される。
【0783】
0<θ<{360°/(2×10)}
0<θ<18° ・・・(H1)
回転角度量θが下記(H2)の関係式を満たす場合、見かけ上、装飾エリアEの数が2倍に増えた状態で、回転体820(装飾エリアE)が静止しているように視認される。但し、本実施形態のような構成の装飾エリアEは、その一部が重なり混ざり合った状態で視認される。
【0784】
θ=360°/(2×10)
θ=18° ・・・(H2)
回転角度量θが下記(H3)の関係式を満たす場合、見かけ上、回転体820(装飾エリアE)が実際の回転方向とは逆方向へ回転しているように視認される。
【0785】
{360°/(2×10)}<θ<{360°/10}
18°<θ<36° ・・・(H3)
回転角度量θが下記(H4)の関係式を満たす場合、見かけ上、回転体820(装飾エリアE)が静止しているように視認される。
【0786】
θ={360°/10}
θ=36° ・・・(H4)
つまり、周期T(秒)毎に点灯する発光体850に対して、周期T(=720msec)で回転する回転体820の装飾エリアE(周期T/10で1区画分移動する装飾エリアE)が常に同じ位置にあれば、装飾エリアEが静止しているように視認されることとなる。
【0787】
一方、これよりも装飾エリアEの移動量の方が大きければ、装飾エリアEが正回転しているように視認され、装飾エリアEの移動量の方が小さければ、装飾エリアEが逆回転しているように視認されることとなる。
【0788】
但し、回転角度量θが、装飾エリアEの半区画分(本実施形態では18°分)となる周期を境に見かけ上の回転方向が切替わることとなる。
【0789】
ここで、装飾エリアEが1区画分移動するエリア移動周期をTとした場合に、T=T/10の関係式が成り立つ。従って、本実施形態では、T=72msecとなる。
【0790】
つまり、下記(H5)の関係式を満たすように、発光体850の点滅周期Tを、エリア移動周期Tの整数倍よりも長くすることにより、見かけ上、回転体820(装飾エリアE)が実際の回転方向と同じ正方向へ回転しているように視認させることができる。
【0791】
{T×n}<T ・・・・・・(H5)
n:0以上の整数、T:発光体850の点滅周期、
:エリア移動周期。
【0792】
但し、{(2n+1)/2}×Tが上限値となる。ここで、{T×n}<T<{(2n+1)/2}×Tの間で、発光体850の点滅周期Tを可変させることにより、見かけ上の回転体820の回転速度(装飾エリアEの移動速度)を可変させることができる。
【0793】
一方、下記(H6)の関係式を満たすように、発光体850の点滅周期Tを、エリア移動周期Tの整数倍よりも短くすることにより、見かけ上、回転体820(装飾エリアE)が実際の回転方向とは逆方向へ回転しているように視認させることができる。
【0794】
<{T×(n+1)} ・・・・・・(H6)
n:0以上の整数、T:発光体850の点滅周期、
:エリア移動周期。
【0795】
但し、{(2n+1)/2}×Tが下限値となる。ここで、{(2n+1)/2}×T<T<{T×(n+1)}の間で、発光体850の点滅周期Tを可変させることにより、見かけ上の回転体820の回転速度(装飾エリアEの移動速度)を可変させることができる。
【0796】
また、下記(H7)の関係式を満たすように、発光体850の点滅周期Tを、エリア移動周期Tの整数倍とすることにより、見かけ上、回転体820(装飾エリアE)が静止しているように視認させることができる。
【0797】
={T×(n+1)} ・・・・・・(H7)
n:0以上の整数、T:発光体850の点滅周期、
:エリア移動周期。
【0798】
さて、ステップS6024において否定判別された場合には、ステップS6026へ移行し、役物演出パターンフラグPFの値が「第2発展パターン」に対応する「3」であるか否かを判別する。
【0799】
ここで肯定判別された場合、すなわち発展演出パターンが「第2発展パターン」である場合には、ステップS6027において第2発展演出設定処理を行い、本処理を終了する。
【0800】
第2発展演出設定処理において、サブ制御装置262は、まず点滅プロセスタイマの値に所定値(例えば所定時間5秒)を設定すると共に、演出状態フラグJFの値として、役物演出の発展後を意味する「5」を設定する。
【0801】
続いて、サブ制御装置262は、ROM552から、第2発展パターンに対応した発光体850の点滅パターン(第2点滅パターン)を規定した第2点滅パターンデータを読出し、これをRAM553の所定エリアに格納する。
【0802】
その後、サブ制御装置262は、第2点滅パターンデータに基づき、回転体820の回転位置情報(駆動パルス信号数に基づく回転変位量)及び点滅プロセスタイマの値を参酌しつつ、発光体850の点灯状態と消灯状態とを周期的に切換える第2発光体点滅制御を実行していく。
【0803】
具体的には、演出役物ユニット761の発光制御部に対し順次制御信号を出力するための設定を行う。この制御信号の出力設定処理に基づき、次回の外部出力処理(ステップ3912)において、演出役物ユニット761の発光制御部に対し順次、制御信号が出力されることにより、発光体850(LED813c)がオン・オフ制御される。
【0804】
第2発光体点滅制御においては、下記の関係式(J2)を満たす発光体点滅制御を実行する。つまり、発光体850の点滅周期Tが、エリア移動周期T(本実施形態では、T=72msec)となる発光体点滅制御を実行する。
【0805】
=T ・・・・・・(J2)
ここで、T:発光体850の点滅周期、T:エリア移動周期。
【0806】
尚、図63においては、第2点滅パターンに係る発光体850の点滅周期Tをエリア移動周期Tと同一の周期TS2と表記している。
【0807】
第2発光体点滅制御が行われることにより、例えば図64(b)に示すように、回転体820の原点Gが直上に位置する所定のタイミング〔図64(b)の左図参照〕で発光体850が点灯してから、装飾エリアEが1区画分(36°分)移動したエリア移動周期T経過後〔図64(b)の右図参照〕に発光体850が再び点灯する。つまり、回転体820の原点Gは、36°分(装飾エリアEの1区画分)だけ進んだ位置G´に位置することとなる。
【0808】
これが周期的に繰り返されることにより、見かけ上、装飾エリアE(各透光部831a~831e、832)が静止しているように見える現象(ワゴンホイール効果)を生じさせることができる。
【0809】
さて、ステップS6026において否定判別された場合には、ステップS6028へ移行し、役物演出パターンフラグPFの値が「第3発展パターン」に対応する「4」であるか否かを判別する。
【0810】
ここで肯定判別された場合、すなわち発展演出パターンが「第3発展パターン」である場合には、ステップS6029において第3発展演出設定処理を行い、本処理を終了する。
【0811】
第3発展演出設定処理において、サブ制御装置262は、まず点滅プロセスタイマの値に所定値(例えば所定時間5秒)を設定すると共に、演出状態フラグJFの値として、役物演出の発展後を意味する「5」を設定する。
【0812】
続いて、サブ制御装置262は、ROM552から、第3発展パターンに対応した発光体850の点滅パターン(第3点滅パターン)を規定した第3点滅パターンデータを読出し、これをRAM553の所定エリアに格納する。
【0813】
その後、サブ制御装置262は、第3点滅パターンデータに基づき、回転体820の回転位置情報(駆動パルス信号数に基づく回転変位量)及び点滅プロセスタイマの値を参酌しつつ、発光体850の点灯状態と消灯状態とを周期的に切換える第3発光体点滅制御を実行していく。
【0814】
具体的には、演出役物ユニット761の発光制御部に対し順次制御信号を出力するための設定を行う。この制御信号の出力設定処理に基づき、次回の外部出力処理(ステップ3912)において、演出役物ユニット761の発光制御部に対し順次、制御信号が出力されることにより、発光体850(LED813c)がオン・オフ制御される。
【0815】
第3発光体点滅制御においては、下記の関係式(J3)を満たす発光体点滅制御を実行する。つまり、実際に装飾エリアEが1区画分移動するエリア移動周期T(本実施形態では、T=72msec)よりも、発光体850の点滅周期Tが短くなる発光体点滅制御を実行する。
【0816】
{(1/2)×T}<T<T ・・・・・・(J3)
ここで、T:発光体850の点滅周期、T:エリア移動周期。
【0817】
但し、本実施形態では、発光体850の点滅周期Tが、{(1/2)×T}<T<Tの間の任意の周期TS3に固定されている(図63参照)。
【0818】
第3発光体点滅制御が行われることにより、例えば図64(c)に示すように、回転体820の原点Gが直上に位置する所定のタイミング〔図64(c)の左図参照〕で発光体850が点灯してから、再び発光体850が点灯する点滅周期T経過後には、未だ装飾エリアEが1区画分(36°分)移動していない。
【0819】
従って、再び発光体850が点灯した上記タイミングにおいて、回転体820の原点Gは、エリア移動周期T経過後に位置する36°分(装飾エリアEの1区画分)進んだ位置)よりも手前側位置G´で視認されることとなる〔図64(c)の右図参照〕。
【0820】
これが周期的に繰り返されることにより、見かけ上、装飾エリアE(各透光部831a~831e、832)が回転体820の実際の回転方向とは逆方向へ回転しているように見える現象(ワゴンホイール効果)を生じさせることができる。
【0821】
さて、上記ステップS6017にて否定判別され移行したステップS6030においては、演出状態フラグJFの値を参酌して、現在、役物演出の発展状態中(JF=5)であるか否かを判別する。ここで否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
【0822】
一方、ステップS6030において肯定判別された場合、すなわち役物演出の発展状態中(回転体820の定速回転状態かつ発光体850の点滅状態)である場合には、ステップS6031へ移行する。
【0823】
ステップS6031においては、上記回転プロセスタイマKTの値が「0」であるか否かを判別する。ここで否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
【0824】
一方、ステップS6031において肯定判別された場合、すなわち役物演出の終了タイミング(回転体820の停止タイミング)である場合には、ステップS6032において終了設定処理を行い、本処理を終了する。
【0825】
ステップS6032の終了設定処理において、サブ制御装置262は、まず演出状態フラグJFの値として、役物演出がこれ以上進展しないことを意味する「9」を設定する。
【0826】
続いて、サブ制御装置262は、ROM552から、役物演出の終了動作プロセスを規定した役物演出制御データを読出し、これをRAM553の所定エリアに格納する。
【0827】
これに基づき、発光体850の消灯設定処理、回転体用駆動モータ817の停止設定処理、役物本体802を待機位置へ上昇させる動作設定処理などが順次行われ、役物演出が終了する。
【0828】
以上詳述したように、本実施形態によれば、回転体820を用いた役物演出において、ワゴンホイール効果を利用することにより、回転体820の回転方向や回転速度など、回転体820の回転動作態様を変えることなく、発光体850の点滅周期を変えるだけで、回転体820の見かけ上の回転動作態様を変化させることができる。
【0829】
換言すれば、回転体用駆動モータ817の制御パターンを多数用意することなく、常に一定の制御パターンで回転体用駆動モータ817を駆動制御すればよいため、モータ制御の複雑化を抑制することができる。例えば本実施形態では、一方向(正方向)だけに回転体用駆動モータ817を定速回転させる回転駆動制御を行う構成(逆方向への回転駆動制御を行わない構成)となっている。
【0830】
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。ここで、以下の各構成を個別に上記実施形態に対して適用してもよく、一部又は全部を任意に組み合わせて上記実施形態に対して適用してもよい。また、上記実施形態に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。
【0831】
(a)上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機として実施してもよい。例えば上記実施形態では、大当たり種別に関係なく、大当たり終了後に「高サポートモード」が必ず付与される構成となっているが、これに限らず、大当たり種別によって「高サポートモード」が付与されない構成としてもよい。
【0832】
例えば抽選モード(「高確率モード」又は「低確率モード」)の切替えが行われず、入賞サポートモード(「高サポートモード」又は「低サポートモード」)の切替えのみが行われるパチンコ機として実施してもよい。また、賞球の払出しに、代えて又は加えて、遊技者が獲得した賞球に相当するポイントを磁気カード等の記憶媒体に付与する構成のパチンコ機として実施してもよい。
【0833】
(b)パチンコ機以外にも、アレンジボール機、それに類する雀球等の各種遊技機などとして実施してもよい。さらに、パチンコ機以外の遊技機として、回胴式遊技機としてのスロットマシンや、パチンコ機とスロットマシンとが融合した形式の遊技機(特に遊技球を遊技媒体として使用するスロットマシン仕様の球使用式遊技機)としても、もちろん実施可能である。
【0834】
ここで、図65,66を参照して、スロットマシンの一実施形態について、より詳しく説明する。
【0835】
スロットマシン2010は、その外殻を形成する筺体2011を備えている。筺体2011は、前面が開放した箱状に形成されている。筺体2011の前面側には、前面扉2012が開閉可能に設けられている。
【0836】
前面扉2012には遊技パネル2030が設けられている。遊技パネル2030には、3つの表示窓2031L,2031M,2031Rが形成されている。各表示窓2031L,M,Rを通じてスロットマシン2010の内部が視認可能となる。
【0837】
筺体2011の内部には、主可変表示手段を構成するリールユニット2040が設けられている(図66参照)。図66に示すように、リールユニット2040は、略箱状の金属フレーム2041内に、回転体として円筒状(円環状)に形成された左リール2042L,中リール2042M,右リール2042Rを備えている。
【0838】
各リール2042L,M,Rは回転可能に支持されている。より詳しくは、各リール2042L,M,Rは、その回転軸線が略水平方向に延びる同一軸線上に並ぶように配設され、それぞれのリール2042L,M,Rが各表示窓2031L,M,Rと1対1で対応している。従って、各リール2042L,M,Rの表面の一部は、それぞれ対応する表示窓2031L,M,Rを通じて視認可能な状態となっている。
【0839】
各リール2042L,M,Rは、それぞれ個別に駆動手段としてのステッピングモータ2061(図66参照)に連結されている。これにより、各リール2042L,M,Rは個別に回転可能にとなっている。
【0840】
また、リールユニット2040には、各リール2042L,M,Rに個別に対応して、各リール2042L,M,Rの回転位置を検出するための回転位置検出センサ(図示略)が設けられている。そして、これらの回転位置検出センサの検出結果に基づき、各リール2042L,M,Rの回転制御が行われる。
【0841】
例えば本実施形態では、ステッピングモータ2061は504パルスの駆動信号(励磁信号)を与えることにより1回転されるように設定されている。つまり、7パルスの駆動信号で各リール2042L,M,Rが5°角度変化するというように、駆動信号の数に応じた回転量で各リール2042L,M,Rを回転させるように構成されている。さらに、この駆動信号によってステッピングモータ2061の回転位置、すなわち各リール2042L,M,Rの回転位置を制御することができる。
【0842】
各リール2042L,M,Rの外周面には帯状のベルト(符号略)が巻かれている。このベルトの外周面には、それぞれ識別情報としての図柄ZSが周回方向に等間隔で多数印刷されている。そして、リール2042L,M,Rが正回転すると、各表示窓2031L,M,Rを通じてリール2042L,M,Rの表面(図柄ZS)が、上から下へ向かって移動しているかのように視認される。
【0843】
具体的に、本実施形態では、各リール2042L,M,Rのベルト上に21個の図柄ZSが描かれている。従って、所定の位置において、所定の図柄ZSから次の図柄ZSへ切り替えるには24パルス(=504パルス÷21図柄)を要する。
【0844】
そして、各リール2042L,M,Rの回転位置が検出された時点からのパルス数により、どの図柄ZSが各表示窓2031L,M,Rから視認可能な状態となっているかを認識したり、任意の図柄ZSを各表示窓2031L,M,Rから視認可能な状態としたりする制御を行うことができる。
【0845】
各リール2042L,M,Rに付された図柄ZSのうち、表示窓2031L,M,Rを介して全体を視認可能な図柄数は、主として表示窓2031L,M,Rの上下方向の長さによって決定される所定数に限られている。本実施形態では各リール3個ずつとされている。このため、各リール2042L,M,Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄ZSが遊技者に視認可能な状態となる。
【0846】
一方、各リール2042L,M,Rの内側には、表示窓2031L,M,Rを介して視認可能な図柄ZSを後方より照明する発光体としてのバックライト2062が配置されている。
【0847】
さらに、本実施形態における各リール2042L,M,Rのベルトには、周方向に隣接する2つの図柄ZS間に、それぞれ透光部ZLが形成されている。つまり、各リール2042L,M,Rのベルトには、透光部ZLが周回方向に等間隔で多数形成されている。各透光部ZLは、ベルトの幅方向に沿って細長く延びるスリット状に形成されている。
【0848】
また、各リール2042L,M,Rのベルトは、透光性のある樹脂フィルム等により構成されており、図柄ZS等が付された一般部には、光の透過率を下げる、いわゆる白塗り加工が施されている。これに対し、各透光部ZLは、ほぼ透明な状態となっており、前記一般部よりも光の透過率が高くなるように構成されている。
【0849】
尚、図66においては、簡素化のため、詳細な図示を省略しているが、リール2042L,M,Rに付される図柄ZSとしては、例えばビッグボーナスゲームに移行するためのビッグボーナス図柄としての「7」図柄、リプレイゲームに移行するための「リプレイ図柄」、小役の払出が行われる小役図柄としての「スイカ」図柄、「ベル」図柄、「チェリー」図柄などがある。但し、各リール2042L,M,Rにおいて、図柄ZSの配列パターンは異なる。
【0850】
遊技パネル2030には、各表示窓2031L,M,Rを結ぶようにして、横方向へ平行に3本、斜め方向へたすき掛けに2本、計5本の組合せラインが付されている。これら各組合せラインに対応して、表示窓2031L,M,R群の正面から見て左側には有効ライン表示部2032,2033,2034が設けられている。
【0851】
第1有効ライン表示部2032は組合せラインのうち中央の横ライン(中央ライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知される。第2有効ライン表示部2033は組合せラインのうち上下の横ライン(上ライン及び下ライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知される。第3有効ライン表示部2034は組合せラインのうち一対の斜めライン(右下がりライン及び右上がりライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知される。そして、有効化された組合せライン、すなわち有効ライン上に図柄ZSが所定の組合せで停止した場合に入賞となり、予め定められたメダル払出処理や特定遊技への移行処理などが実行される。
【0852】
さて、遊技パネル2030の下方には操作エリア2051が設けられている。操作エリア2051は、平面パネル部2051aと、縦壁部2051bとを有している。
【0853】
縦壁部2051bの左側にはスタートレバー2071が設けられている。スタートレバー2071は、リール2042L,M,Rを回転開始、すなわち可変表示を開始させるべく操作される始動操作手段を構成するものである。
【0854】
スタートレバー2071の右側には、左ストップスイッチ2072L,中ストップスイッチ2072M,右ストップスイッチ2072Rが設けられている。各ストップスイッチ2072L,M,Rは、回転している各リール2042L,M,Rを個別に停止させるべく操作される停止操作手段を構成するものである。
【0855】
各ストップスイッチ2072L,M,Rは、停止対象となるリール2042L,M,Rに対応する表示窓2031L,M,Rの略直下にそれぞれ配置されている。
【0856】
平面パネル部2051aの右側には、メダルを投入するためのメダル投入口2075が設けられている。メダル投入口2075から投入されたメダルは、筺体2011の内部に設けられたホッパ装置(図示略)へと導かれる。
【0857】
このホッパ装置には、メダルを貯留するための貯留タンク(図示略)や、メダルを遊技者に払出す払出手段としての払出装置(図示略)などが設けられている。この払出装置から払い出されたメダルは受け皿2018へ排出される。
【0858】
遊技の開始時にメダル投入口2075からメダルが投入されるとベット状態となる。すなわち、1枚目のメダルがメダル投入口2075に投入されると、第1有効ライン表示部2032が点灯し、これに対応する中央ラインが有効ラインとなり、2枚目のメダルがメダル投入口2075に投入されると、更に第2有効ライン表示部2033が点灯すると共に、これに対応する上ライン及び下ラインを含む合計3本の組合せラインがそれぞれ有効ラインとなり、3枚目のメダルがメダル投入口2075に投入されると、更に第3有効ライン表示部2034が点灯し、そしてこれに対応する一対の斜めラインを含む合計5本の組合せライン全てが有効ラインとなる。
【0859】
スタートレバー2071の左方には切換スイッチ2080が設けられている。切換スイッチ2080は、所定の最大値(例えばメダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の獲得メダルがクレジットメダルとして貯留記憶されるように設定された「クレジットモード」と、余剰の投入メダルや入賞時の獲得メダルを現実のメダルとして払い出すように設定された「ダイレクトモード」とを切換えるためのものである。
【0860】
平面パネル部2051aの左側には、第1クレジット投入スイッチ2077が設けられている。第1クレジット投入スイッチ2077は、クレジットされた仮想メダルを一度に3枚投入するためのものである。また、第1クレジット投入スイッチ2077の左方には、第2クレジット投入スイッチ2078が設けられている。第2クレジット投入スイッチ2078は、クレジットされた仮想メダルを一度に1枚投入するためのものである。
【0861】
前面扉2012の上部には、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりする上部ランプ2013と、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を報知するスピーカ2014と、遊技者に各種情報を与える補助表示部2015とが設けられている。
【0862】
また、図示は省略するが、筺体2011の内部には、遊技に関する各種の制御を統括的に管理する主制御装置をはじめ、該主制御装置からの指令に基づき上部ランプ2013やスピーカ2014、補助表示部2015などを駆動制御するサブ制御装置などが設けられている。
【0863】
上記構成の下、遊技者が遊技を開始する際には、まず第1クレジット投入スイッチ2077を操作する等してベッドを行う。そして、少なくとも1ラインが有効化されている状態で、遊技者がスタートレバー2071を操作すると、主制御装置は、全てのリール2042L,M,Rを一斉に回転させる。
【0864】
また、通常遊技中、主制御装置は、スタートレバー2071の操作に基づく検出信号が入力されたタイミングで、小役抽選、リプレイゲーム抽選、ビッグボーナス抽選などの各抽選を行う。
【0865】
小役抽選の結果、小役フラグが成立した場合には、適宜の小役図柄を有効ライン上に停止させ得る権利がそのゲームにおいてのみ与えられる。また、リプレイゲーム抽選の結果、リプレイフラグが成立した場合には、リプレイゲームへ移行する権利がそのゲームにおいてのみ与えられる。また、ビッグボーナス抽選の結果、ビッグボーナスフラグが成立した場合には、ビッグボーナスゲームへ移行する権利が与えられ、そのフラグはビッグボーナスゲームへ移行するまで保持される。
【0866】
以上の各抽選が終了した後、遊技者がストップスイッチ2072L,M,Rを操作すると、主制御装置は、操作された各ストップスイッチ2072L,M,Rに対応した各リール2042L,M,Rを個別に停止させる制御を行う。
【0867】
これら各リール2042L,M,Rの停止位置は、上記各抽選結果である各成立フラグに基づき、各種テーブルを参照して決定される。このとき、有効ラインから各リール2042L,M,Rの回転方向手前の4図柄分までに成立フラグに対応した図柄ZSが存在すれば、原則として、その図柄ZSが積極的に有効ライン上に引き込まれるような制御が行われることとなり、リール停止タイミングが4図柄分手前までの誤差であれば、その誤差を吸収することができる。
【0868】
各リール2042L,M,Rの停止時において、有効ライン上の停止図柄ZSの組合せが、予め定められた所定の図柄の組合せである場合、即ち小役図柄の組合せ、リプレイ図柄の組合せ、ビッグボーナス図柄の組合せである場合、主制御装置は、各停止図柄の組合せに応じた数のメダルを払出すための払出制御を行う。但し、リプレイ図柄の組合せである場合には、メダルの払出しは行われない。
【0869】
ここで、有効ライン上に揃った図柄ZSが小役図柄或いは何ら払出しのない図柄の組合せである場合には、通常遊技が続行される。一方、有効ライン上に揃った図柄ZSの組合せがリプレイ図柄の組合せである場合にはリプレイゲーム制御によって次回のゲームを無償で行うことができるリプレイゲームが実行される。また、有効ライン上に揃った図柄ZSの組合せがビッグボーナス図柄の組合せである場合にはビッグボーナス制御によってビッグボーナスゲームが実行される。
【0870】
上述したように、上記スロットマシン2010の各リール2042L,M,Rの内側には、発光体としてのバックライト2062が配置されている。さらに、各リール2042L,M,Rのベルトには、透光部ZLが周回方向に等間隔で多数形成されている。
【0871】
かかる構成の下、リール2042L,M,Rの回転中に、バックライト2062が点灯状態と消灯状態とを周期的に繰り返す発光体点滅制御を実行することにより、ストロボ現象を生じさせることができる。結果として、上記実施形態と同様、スタートレバー2071やストップスイッチ2072L,M,Rの操作などを契機として、又は、所定の演出プログラムに則して多様な演出を行うことが可能となり、興趣の向上を図ることができる。
【0872】
(c)回転体に係る構成(形状や数、配置構成など)は、上記実施形態に限定されるものではない。
【0873】
例えば上記(b)に記載のスロットマシン2010のリールユニット2040(リール2042L,M,R)のような、回転体からなる変動表示装置をパチンコ機10に備えた構成としてもよい。逆に、演出役物ユニット761の回転体820のような回転体を演出役物として上記スロットマシン2010に備えた構成としてもよい。
【0874】
また、モータに連結された駆動ローラと、自由回転可能に軸支された従動ローラとの間に掛け渡され、モータの駆動に伴い周回動作する無端ベルト状の回転体を備えた構成としてもよい。
【0875】
勿論、これらの回転体において、ストロボ現象(ワゴンホイール効果)を利用した演出が行われる構成としてもよい。
【0876】
(d)透光部に係る構成(形状や数、配置構成など)は、上記実施形態に限定されるものではない。
【0877】
例えば上記実施形態の回転体820の前面部には、回転体820の回転軸を中心に36°の等角度間隔で10個の装飾エリアEが形成され、各装飾エリアEには第1透光部831a~第5透光部831eが形成され、隣接する2つの装飾エリアE間の境界部には境界透光部832が形成された構成となっている。
【0878】
これに限らず、例えば回転体820の前面部において、回転体820の回転軸を中心に所定角度18°の等角度間隔で20個の円形状の透光部が形成された構成としてもよい。
【0879】
また、装飾エリアE(第1透光部831a~第5透光部831e)など他の透光部を際立たせるために、中央透光部830を遮光部に変更した構成としてもよい。
【0880】
また、上記(b)に記載のスロットマシン2010のリール2042L,M,Rのように、複数の図柄(識別情報)が周囲に付された回転体を備え、所定の有効ライン上に図柄が所定の組合せで並んで停止した場合に所定の遊技価値が付与され得る構成の遊技機においては、所定の図柄(例えばボーナス図柄としての「7」図柄や、小役図柄としての「スイカ」図柄など)を透光部として機能させ、ナビゲーション演出や、当たり(ボーナス)確定演出、小役確定演出などとして、前記所定の図柄がストロボ現象(ワゴンホイール効果)により、見かけ上、正回転、逆回転又は静止しているように視認される演出を行う構成としてもよい。
【0881】
(e)モータに係る構成は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、回転体820を駆動させる回転体用駆動モータ817としてステッピングモータが使用されているが、異なるタイプのモータであってもよい。
【0882】
但し、駆動パルス信号によって回転制御されるステッピングモータを使用した方が、ストロボ現象(ワゴンホイール効果)を利用した回転体演出を精度良く行いやすい。
【0883】
(f)発光体に係る構成(形状や数、配置構成など)は、上記実施形態に限定されるものではない。
【0884】
例えば上記実施形態に係る発光体850は、光源(発光手段)としてのLED813cと、レンズカバーとしての円形レンズ部812とにより構成され、全体が均一に面発光する構成となっている。
【0885】
これに限らず、例えば有機EL(エレクトロルミネッセンス)や蛍光灯などを光源として採用してもよい。但し、応答性等の観点から見れば、LED813cなど、電気的に光の制御が可能な光源を採用することが好ましい。
【0886】
尚、上記実施形態では、LED813cの点灯方式(点灯状態における駆動制御方式)について特に言及していないが、LED813cの点灯方式としては、LED813cを一定周波数で高速に点滅させる「ダイナミック点灯」と、LED813cに常時電流をかけ続けて点灯したままにする「スタティック点灯」の二つの点灯方式が一例に挙げられる。
【0887】
ここで「ダイナミック点灯」は、高周波数で点滅間隔を短くし、人の目には残像現象によって常時点灯しているように見える点灯方式である。
【0888】
一般に50Hz以下の周波数(1秒間に50回以下の点滅)になると、人の目にはフリッカー(ちらつき)が認識できるようになり、40Hz程度になると点滅しているのがハッキリと認識できるようになる。
【0889】
従って、ストロボ現象(ワゴンホイール効果)を利用した回転体演出を行う際には、少なくとも40Hz以下の周波数で発光体点滅制御が行われることが好ましい。
【0890】
(g)操作手段に係る構成(形状や機能、配置構成など)は、上記実施形態に限定されるものではない。
【0891】
例えば上記実施形態では、操作手段として、遊技者が押圧操作可能な演出ボタン125が設けられている。これに限らず、ジョグダイヤルやスライドレバー等の可動式操作手段を備えた構成としてもよい。
【0892】
(h)上記実施形態では、ストロボ現象(ワゴンホイール効果)を利用した回転体演出を行う際、回転体820の回転位置情報として、駆動パルス信号数に基づく回転変位量を参酌しつつ、発光体850の点滅制御を実行する構成となっている。
【0893】
これに限らず、実際の回転体820の回転周期(回転速度)を計測して、その計測結果に基づき、発光体850の点滅制御を実行する構成としてもよい。
【0894】
また、回転体820の回転周期(回転速度)を計測して、その計測結果に応じて発光体850の点滅周期を変更可能な構成としてもよい。
【0895】
例えば製造時の組付誤差や経年劣化等により回転体820の回転周期(装飾エリアEが1区画分移動するエリア移動周期)と発光体850の点滅周期とに誤差が生じるおそれがある。かかる場合、ストロボ現象(ワゴンホイール効果)を利用した回転体演出が適切に行われない可能性がある。これに対し、上記構成のように、回転周期の実測値に基づき、発光体850の点滅周期を変更(調整)可能な構成とすれば、このような不具合の発生を抑制することができる。
【0896】
(i)回転体の動作態様(回転周期や回転方向など)は、上記実施形態に限定されるものではない。
【0897】
例えば上記実施形態では、一方向(正方向)だけに回転体820(回転体用駆動モータ817)を定速回転させる回転駆動制御を行う構成となっているが、これに限らず、正逆両方向へ回転させる駆動制御を行う構成としてもよい。
【0898】
また、回転体820(回転体用駆動モータ817)が複数の異なる定速回転状態に切り換わる構成としてもよい。例えば低速回転の定速回転状態と、高速回転の定速回転状態とに切換え可能な構成としてもよい。
【0899】
また、所定の演出プログラムに則して又は演出ボタン125が操作されたことを契機として、回転体820の回転方向が切り換わる構成としてもよい。勿論、回転体820の回転方向が複数回切り換わる構成としてもよい。
【0900】
尚、回転体820の回転方向や回転周期が切り換わる構成において、ストロボ現象(ワゴンホイール効果)を利用した回転体演出を行う場合には、回転体820の回転方向や回転周期の変化に合わせて適宜、発光体850の点灯周期を変更可能な構成としてもよい。
【0901】
(j)発光体の動作態様(点滅周期や発光色、輝度など)は、上記実施形態に限定されるものではない。
【0902】
例えば上記実施形態の第1発展演出設定処理(ステップS6025)に係る第1発光体点滅制御では、発光体850の点滅周期Tが、T<T<{(3/2)×T}の間の任意の周期TS1に固定されているが、これに限らず、発光体850の点滅周期Tが、T<T<{(3/2)×T}の間で変更可能な構成としてもよい。つまり、回転体820(装飾エリアE)の見かけ上の回転速度が変化する構成としてもよい。この際、遊技者により演出ボタン125が操作されたことを契機として発光体850の点滅周期Tが変更される構成としてもよい。
【0903】
尚、第1発展演出設定処理(ステップS6025)において、装飾エリアEのエリア移動周期Tよりも、発光体850の点滅周期Tが長くなる第1発光体点滅制御は、上記実施形態に限らず、{T×n}<T<{(2n+1)/2}×Tを満たす範囲で実行されればよい(ここで、nは0以上の整数とする)。
【0904】
また、第2発展演出設定処理(ステップS6027)において、発光体850の点滅周期Tが装飾エリアEのエリア移動周期Tと同一となる第2発光体点滅制御は、上記実施形態に限らず、T={T×(n+1)}を満たす範囲で実行されればよい(ここで、nは0以上の整数とする)。
【0905】
また、第3発展演出設定処理(ステップS6029)に係る第3発光体点滅制御では、発光体850の点滅周期Tが、{(1/2)×T}<T<Tの間の任意の周期TS3に固定されているが、これに限らず、発光体850の点滅周期Tが、{(1/2)×T}<T<Tの間で変更可能な構成としてもよい。つまり、回転体820(装飾エリアE)の見かけ上の回転速度が変化する構成としてもよい。この際、遊技者により演出ボタン125が操作されたことを契機として発光体850の点滅周期Tが変更される構成としてもよい。
【0906】
尚、第3発展演出設定処理(ステップS6029)において、装飾エリアEのエリア移動周期Tよりも、発光体850の点滅周期Tが短くなる第3発光体点滅制御は、上記実施形態に限らず、{(2n+1)/2}×T<T<{T×(n+1)}を満たす範囲で実行されればよい(ここで、nは0以上の整数とする)。
【0907】
また、上記第1発光体点滅制御、上記第2発光体点滅制御及び上記第3発光体点滅制御のうち少なくとも2つを組み合わせた発光体点滅制御が実行される構成としてもよい。例えば見かけ上、回転体820(装飾エリアE)が正方向に回転した後、静止し、その後、逆方向に回転するといったように、回転体820の見かけ上の動作態様が連続して変化する演出が、{T×n}<T≦{T×(n+1)}を満たす範囲で実行される構成としてもよい(ここで、nは0以上の整数とする)。
【0908】
また、上記実施形態では、特に言及していないが、ストロボ現象(ワゴンホイール効果)を利用した回転体演出を行うのに合わせて、発光体850の発光色や輝度などを変更可能な構成としてもよい。
【0909】
(k)遊技者が操作した操作手段の操作態様に応じて、回転体の回転周期や発光体の点滅周期が変更される構成としてもよい。
【0910】
例えば遊技者が操作した演出ボタン125の操作回数に応じて、発光体850の点滅周期が変更される構成としてもよい。例えば遊技者が演出ボタン125を連打することにより、徐々に装飾エリアEのエリア移動周期Tと発光体850の点滅周期Tとの差が大きくなり、回転体820(装飾エリアE)の見かけ上の回転速度が徐々に速くなっていく演出を行う構成としてもよい。
【0911】
(l)上記実施形態では、上記第1発光体点滅制御、上記第2発光体点滅制御及び上記第3発光体点滅制御が、遊技者により演出ボタン125が操作されたことを契機として開始される構成となっている。これに限らず、操作手段が操作されたことを契機とすることなく、所定の演出プログラムに則して発光体点滅制御が開始される構成としてもよい。
【0912】
(m)上記実施形態では、サポート継続演出(ルーレット演出)が行われる場合の付加演出として演出役物ユニット761を用いた役物演出が行われる構成となっているが、これに限らず、例えばリーチ演出の付加演出など、異なる場面で演出役物ユニット761を用いた役物演出が行われる構成としてもよい。
【0913】
(n)上記実施形態では、高サポートモードの付与が継続される期待度(遊技価値が付与され得る期待度)に応じて、役物演出、さらには発展演出(ワゴンホイール効果を利用した演出)が行われる割合が変化するように構成されている。
【0914】
これに限らず、例えば所定の抽選処理により当選結果が得られた場合(大当たりや小当たり、高確率モード、高サポートモードなどの遊技価値が付与される旨の結果)が得られた場合には、当選結果が得られない場合よりも、役物演出、さらには発展演出(ワゴンホイール効果を利用した演出)が行われる割合が多くなる構成としてもよい。
【0915】
また、高サポートモードの付与が継続される場合(遊技価値が付与される場合)のみ、又は、所定の抽選処理により当選結果が得られた場合(大当たりや小当たり、高確率モード、高サポートモードなどの遊技価値が付与される旨の結果)が得られた場合にのみ、役物演出又はその発展演出(ワゴンホイール効果を利用した演出)が確定演出として行われる構成としてもよい。
【0916】
例えば遊技者が演出ボタン125を操作すると同時に、回転体820(装飾エリアE)が見かけ上、逆回転を開始したり、静止状態となった場合には、大当たり状態の付与が確定したことが遊技者に報知される構成としてもよい。
【0917】
(o)大当たりや小当たり、高確率モード、高サポートモードなどの遊技価値が付与され得る期待度に応じて、装飾エリアEのエリア移動周期Tと発光体850の点滅周期Tとの差が大きくなる制御が行われる構成としてもよい。すなわち所定の遊技価値が付与され得る期待度に応じて、回転体820(装飾エリアE)の見かけ上の回転速度が変化する演出が行われる構成としてもよい。
【0918】
例えば回転体820(装飾エリアE)の見かけ上の回転速度が速いほど、遊技価値が付与され得る期待度が高く、見かけ上の回転速度が遅いほど、遊技価値が付与され得る期待度が低くなるような演出が行われる構成としてもよい。
【0919】
(p)上記実施形態では、回転体820(回転体用駆動モータ817)が一定速度で回転する定速回転状態において、役物演出の発展演出(ワゴンホイール効果を利用した演出)が実行される構成となっている。
【0920】
これに限らず、回転体820(回転体用駆動モータ817)の加速期間中や減速期間中においても、発光体点滅制御(ワゴンホイール効果を利用した演出)が実行される構成としてもよい。
【0921】
但し、回転体用駆動モータ817の加速期間中や減速期間中においては、装飾エリアEのエリア移動周期Tが変化するため、これに合わせて、発光体850の点滅周期Tを可変制御可能な構成としてもよい。
【0922】
以下、上記実施形態から把握できる技術的思想について、その効果とともに記載する。
【0923】
手段A1.所定の契機に基づき抽選処理を行う抽選手段と、
前記抽選処理により当選結果が得られた場合に、所定の遊技価値を付与可能な遊技価値付与手段とを備えた遊技機において、
回転可能に設けられた回転体と、
前記回転体を回転させるモータと、
前記モータを駆動制御するモータ制御手段と、
所定の光を出射可能な発光体と、
前記発光体を制御可能な発光制御手段とを備え、
前記回転体には、前記発光体から出射される光を透過可能なM個(Mは1以上の整数)の透光部が、該回転体の周方向に所定間隔をあけて等間隔(例えば回転軸を中心に所定角度360°/Mの等角度間隔)に配置され、
前記発光制御手段は、所定条件が成立した場合に、前記透光部が前記所定間隔を移動する透光部移動周期(回転体が360°/Mだけ回転する時間)よりも、前記発光体の点滅周期が長くなる発光体点滅制御を実行可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
【0924】
なお、以下の手段でも同様であるが、上記「所定の契機」としては、例えば「遊技領域内に設けられた所定の入球手段への遊技球の入球を所定の検知手段により検知した契機」や、「所定の表示手段において変動表示を開始させるための始動用操作手段が操作されたことを所定の検知手段により検知した契機」等が態様例として挙げられる。
【0925】
「遊技価値」を付与することには、例えば賞球等の遊技媒体の払出しを行うこと、遊技者に有利な特別遊技状態を付与することなどが含まれる。
【0926】
「発光体点滅制御」とは、発光体が点灯状態と消灯状態とを周期的に繰り返す制御である。ここでは、デューティ比(1点滅周期中における点灯状態が占める割合)が比較的小さくなること(例えば10%以下となること)が好ましい。
【0927】
「回転体」には、例えば「遊技機前後方向を軸心として回転可能に設けられた回転体」や「遊技機左右方向を軸心として回転可能に設けられた回転体」、「無端ベルト状の回転体」などが含まれる。
【0928】
ここで、「遊技機前後方向を軸心として回転可能に設けられた回転体」においては、例えば正面視(遊技機前後方向視)略円形状の回転体本体部において、M個の透光部が、発光体から出射される光を回転軸方向(遊技機前後方向)に沿って透過可能に設けられることとなる。また、「遊技機左右方向を軸心として回転可能に設けられた回転体」においては、例えば回転軸を囲むように設けられた筒状の回転体本体部(筒部)の周面において、M個の透光部が、発光体から出射される光を回転体の径方向に沿って透過可能に設けられることとなる。
【0929】
さて、上記「発明が解決しようとする課題」で述べたように、回転体を用いた演出には未だ改良の余地がある。
【0930】
1つの問題点として、モータ等を用いた回転体の回転駆動制御には機械的な限界があることが挙げられる。これにより、動作態様等によっては、その動作が緩慢に見えてしまい、遊技者の興趣を低下させるおそれがある。
【0931】
例えば回転体(モータ)の回転速度には限界がある。モータの構造や性能にもよるが、モータが自身の性能の限界に近い速度で高速回転していたとしても、遊技者には、速く回転しているように見えないおそれがある。
【0932】
また、演出として、回転体が定速回転している状態から、さらに速度が上がったように見せたい場面もあるが、モータが高速回転している状態において、このような駆動制御を行うことは物理的に難しい。仮に回転速度が僅かながらに速くなったとしても、遊技者には、速度が上がったようには全く感じられないおそれもある。
【0933】
この点、上記手段A1によれば、M個の透光部が周方向に所定間隔をあけて等間隔に配置された回転体を回転させると共に、所定条件の成立時には、透光部が前記所定間隔分の距離を移動する透光部移動周期(透光部が1形成ピッチ間隔分だけ移動する周期)よりも、発光体の点滅周期が長くなる発光体点滅制御を実行する構成となっている。
【0934】
これにより、所定のタイミングで発光体が点灯して遊技者が視認した透光部は、次に発光体が点灯するタイミングにおいては、1形成ピッチ間隔分の距離よりも進んだ位置において視認されることとなる。
【0935】
かかる構成により、本手段によれば、見かけ上、回転体(透光部)が実際の回転方向と同じ正方向へ回転しているように見えるストロボ現象(ワゴンホイール効果)を生じさせ、回転体が実際の速度以上の速さで回転しているかのように遊技者に錯覚させる視覚的効果や、回転体が加速したかのように遊技者に錯覚させる視覚的効果などを生じさせることができる。
【0936】
結果として、ストロボ現象(ワゴンホイール効果)を利用した回転体演出によって興趣の向上を図ることができる。
【0937】
ここで、ワゴンホイール効果の原理について説明する。回転体が1回転する回転周期をT(秒)とし、回転体の角速度ω(rad/秒)とした場合、ω=2π/Tの関係式が成り立つ。
【0938】
さらに、発光体の点滅周期をT(秒)とし、発光体の1点滅周期あたりの回転体の回転角度量〔所定のタイミングで発光体が点灯してから、次に発光体が点灯するまでのT(秒)の間に回転体が回転変位する角度量(透光部が進む角度量)〕をθとすると、θ=ω×Tの関係式が成り立つ。
【0939】
従って、回転体の回転方向に対しM個(Mは1以上の整数)の透光部が等間隔に配置されている場合、0<θ≦{360°/M}の範囲での回転体の見かけ上の視認態様は、以下のようになる。
【0940】
回転角度量θが下記(1)の関係式を満たす場合、見かけ上、回転体(透光部)が実際の回転方向と同じ正方向へ回転しているように視認される。
【0941】
0<θ<{360°/2M} ・・・(1)
回転角度量θが下記(2)の関係式を満たす場合、見かけ上、透光部の数が2倍に増えた状態で、回転体(透光部)が静止しているように視認される。但し、透光部の大きさや形態によっては、その一部が重なった状態で見えることもある。
【0942】
θ=360°/2M ・・・(2)
回転角度量θが下記(3)の関係式を満たす場合、見かけ上、回転体(透光部)が実際の回転方向とは逆方向へ回転しているように視認される。
【0943】
{360°/2M}<θ<{360°/M} ・・・(3)
回転角度量θが下記(4)の関係式を満たす場合、見かけ上、回転体(透光部)が静止しているように視認される。
【0944】
θ={360°/M} ・・・(4)
つまり、周期T(秒)毎に点灯する発光体に対して、周期Tで回転する回転体の透光部(周期T/Mで移動する透光部)が常に同じ位置にあれば、透光部が静止しているように視認されることとなる。
【0945】
一方、これよりも透光部の移動量の方が大きければ、透光部が正回転しているように視認され、透光部の移動量の方が小さければ、透光部が逆回転しているように視認されることとなる。
【0946】
そして、発光体の点滅周期T(秒)と、透光部の移動周期T/Mとの差が大きくなるほど、見かけ上の回転体の回転速度(透光部の移動速度)が速くなる。但し、透光部の移動量が、透光部の形成間隔(上記所定間隔)の1/2である場合(360°/2M)を境に見かけ上の回転方向が切替わることとなる。
【0947】
尚、上述した発光体の点滅周期T(秒)と、透光部の移動周期T/Mとの関係は、回転体の速度が上がるごとに周期的に成立することとなるため、上記(1)~(4)の関係式は、それぞれ下記(1)´~(4)´の関係式に一般化することができる。ここで、nは0以上の整数である。
【0948】
{2πn/M}<θ<{π(2n+1)/M} ・・・(1)´
θ={π(2n+1)/M} ・・・(2)´
{π(2n+1)/M}<θ<{2π(n+1)/M} ・・・・・(3)´
θ={2π(n+1)/M} ・・・・・(4)´
ここで、回転体の回転周期Tが一定の下、透光部が1ピッチ分移動する透光部移動周期をTとした場合に、T=T/Mの関係式が成り立つため、下記(5)の関係式を満たすように、発光体を点滅制御することにより、見かけ上、回転体(透光部)が実際の回転方向と同じ正方向へ回転しているように視認させることができる。
【0949】
{T×n}<T ・・・・・・(5)
n:0以上の整数、T:発光体の点滅周期、T:透光部移動周期。
【0950】
つまり、発光体の点滅周期Tを、透光部移動周期Tの整数倍よりも長くすることにより、見かけ上、回転体(透光部)が実際の回転方向と同じ正方向へ回転しているように視認させることができる。
【0951】
但し、{(2n+1)/2}×Tが上限値となる。ここで、{T×n}<T<{(2n+1)/2}×Tの間で、発光体の点滅周期Tを可変させることにより、見かけ上の回転体の回転速度(透光部の移動速度)を可変させることができる。
【0952】
一方、下記(6)の関係式を満たすように、発光体を点滅制御することにより、見かけ上、回転体(透光部)が実際の回転方向とは逆方向へ回転しているように視認させることができる。
【0953】
<{T×(n+1)} ・・・・・・(6)
n:0以上の整数、T:発光体の点滅周期、T:透光部移動周期。
【0954】
つまり、発光体の点滅周期Tを、透光部移動周期Tの整数倍よりも短くすることにより、見かけ上、回転体(透光部)が実際の回転方向とは逆方向へ回転しているように視認させることができる。
【0955】
但し、{(2n+1)/2}×Tが下限値となる。ここで、{(2n+1)/2}×T<T<{T×(n+1)}の間で、発光体の点滅周期Tを可変させることにより、見かけ上の回転体の回転速度(透光部の移動速度)を可変させることができる。
【0956】
また、下記(7)の関係式を満たすように、発光体を点滅制御することにより、見かけ上、回転体(透光部)が静止しているように視認させることができる。
【0957】
={T×(n+1)} ・・・・・・(7)
n:0以上の整数、T:発光体の点滅周期、T:透光部移動周期。
【0958】
つまり、発光体の点滅周期Tを、透光部移動周期Tの整数倍とすることにより、見かけ上、回転体(透光部)が静止しているように視認させることができる。
【0959】
ここで、1つの具体例を挙げる。例えば透光部の数が1つ(M=1)の回転体を仮定して、該回転体が回転周波数f=10Hz(10回/秒)=1/Tで回転するのに対し、発光体を点灯周波数f=10Hz(10回/秒)=1/Tで点滅させると、見かけ上、回転体(透光部)は停止しているように視認されることとなる。
【0960】
これに対し、発光体をf=9Hz(9回/秒)=1/Tで点滅させると、見かけ上、回転体(透光部)は、実際の回転方向と同じ正方向へ回転周波数1Hzで回転しているように視認されることとなる。
【0961】
一方、発光体をf=11Hz(11回/秒)=1/Tで点滅させると、見かけ上、回転体(透光部)は、実際の回転方向とは逆方向へ回転周波数1Hzで回転しているように視認されることとなる。
【0962】
このように、ワゴンホイール効果を利用することにより、回転体の回転方向や回転速度など、回転体の回転動作態様を変えることなく、発光体の点滅周期を変えるだけで、回転体の見かけ上の回転動作態様を変化させることができる。
【0963】
換言すれば、モータの制御パターンを多数用意することなく、常に一定の制御パターンでモータを駆動制御すればよいため、モータ制御の複雑化を抑制することができる。例えば一方向(正方向)だけにモータを定速回転させる回転駆動制御を行う構成(逆方向への回転駆動制御を行わない構成)とすることができる。
【0964】
手段A2.所定の契機に基づき抽選処理を行う抽選手段と、
前記抽選処理により当選結果が得られた場合に、所定の遊技価値を付与可能な遊技価値付与手段とを備えた遊技機において、
回転可能に設けられた回転体と、
前記回転体を回転させるモータと、
前記モータを駆動制御するモータ制御手段と、
所定の光を出射可能な発光体と、
前記発光体を制御可能な発光制御手段とを備え、
前記回転体には、前記発光体から照射される光を透過可能なM個(Mは1以上の整数)の透光部が、該回転体の周方向に所定間隔をあけて等間隔(例えば回転軸を中心に所定角度360°/Mの等角度間隔)に配置され、
前記発光制御手段は、所定条件が成立した場合に、下記の関係式(α)を満たす発光体点滅制御を実行可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
【0965】
{T×n}<T<{(2n+1)/2}×T ・・・・・・(α)
但し、n:0以上の整数、T:前記発光体の点滅周期、
:前記透光部が前記所定間隔を移動する透光部移動周期。
【0966】
上記手段A2によれば、発光体の点滅周期Tを、透光部移動周期Tの整数倍よりも長くする発光体点滅制御を実行することにより、見かけ上、回転体(透光部)が実際の回転方向と同じ正方向へ回転しているように視認させることができる。結果として、上記手段A1と同様の作用効果が奏される。
【0967】
手段A3.前記発光制御手段は、遊技者により所定の操作手段が操作されたことを契機として、前記発光体点滅制御を開始可能としたことを特徴とする手段A1又はA2に記載の遊技機。
【0968】
上記手段A3によれば、遊技者が操作手段を操作したことを契機として、上記視覚的効果が生じる演出が実行されることとなる。これにより、遊技者は自身が遊技に能動的に参加しているという意識を強め、興趣の向上を図ることができる。
【0969】
尚、仮に上述したような発光体点滅制御を行うことなく、回転体の回転動作態様を機械的に変化させるだけの構成の下、操作手段が操作されたことを契機として、回転体の速度を変化させる演出を行おうとした場合、遊技者が操作手段を操作してから、回転体の速度が変化したと遊技者が認識できるまでにタイムラグが生じてしまい、遊技者に違和感を抱かせてしまうおそれがある。
【0970】
この点、本手段によれば、上述したような発光体点滅制御を行うことにより、操作応答性を高めることができ、上記不具合を低減することができる。つまり、遊技者が操作手段を操作したタイミングで、回転体の速度が変化したように、遊技者に視認させることができる。結果として、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。
【0971】
手段A4.前記発光制御手段は、前記発光体の点滅周期を変更可能に構成されていることを特徴とする手段A1乃至A3のいずれかに記載の遊技機。
【0972】
上記手段A4によれば、発光体の点滅周期を変更することにより、回転体(透光部)の見かけ上の回転速度を変化させることができる。これにより、ストロボ現象(ワゴンホイール効果)を利用した回転体演出の多様化を図ることができる。結果として、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。
【0973】
手段A5.前記発光制御手段は、遊技者により所定の操作手段が操作されたことを契機として、前記発光体の点滅周期を変更可能としたことを特徴とする手段A4に記載の遊技機。
【0974】
上記手段A5によれば、遊技者は自身が遊技に能動的に参加しているという意識を強め、さらなる興趣の向上を図ることができる。
【0975】
手段A6.前記発光制御手段は、遊技者が操作した所定の操作手段の操作態様に応じて、前記発光体の点滅周期を変更可能としたことを特徴とする手段A4又はA5に記載の遊技機。
【0976】
ここで、「操作手段の操作態様」には、操作回数や操作変位量などが含まれる。例えばボタン式操作手段を押下操作した操作回数や、ジョグダイヤルやスライドレバー等の可動式操作手段の操作変位量などが含まれる。
【0977】
上記手段A6によれば、遊技者は自身が遊技に能動的に参加しているという意識を強め、さらなる興趣の向上を図ることができる。
【0978】
手段A7.前記発光制御手段は、少なくとも前記発光体の点滅周期と前記透光部移動周期との差が所定周期となる第1の発光体点滅制御と、該第1の発光体点滅制御よりも前記発光体の点滅周期と前記透光部移動周期との差が大きい第2の発光体点滅制御とを実行可能に構成され、
前記抽選処理により当選結果が得られた場合には、前記第1の発光体点滅制御よりも前記第2の発光体点滅制御が実行される割合が多くなるよう構成されていることを特徴とする手段A4乃至A6のいずれかに記載の遊技機。
【0979】
上記手段A7によれば、抽選処理により当選結果が得られた場合には、見かけ上の回転体(透光部)の回転速度が遅い演出よりも、見かけ上の回転体の回転速度が速い演出が行われる割合が多くなる。
【0980】
換言すれば、回転体の見かけ上の回転速度が速いほど、遊技価値が付与され得る期待度が高く、見かけ上の回転速度が遅いほど、遊技価値が付与され得る期待度が低くなる。
【0981】
つまり、遊技価値が付与され得る期待度に応じて、前記発光体の点滅周期を変更し、見かけ上の回転体の回転速度を変化させる演出が行われることとなる。結果として、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。
【0982】
手段A8.前記発光制御手段は、前記モータが一定速度で回転する定速回転状態において、前記発光体点滅制御を実行可能に構成されていることを特徴とする手段A1乃至A7のいずれかに記載の遊技機。
【0983】
上記手段A8によれば、回転体が定速回転している安定した状況下において発光体点滅制御を実行することにより、発光体の点滅周期と透光部移動周期のズレが生じにくく、ストロボ現象(ワゴンホイール効果)を適切に生じさせることができる。結果として、上記作用効果がより奏功することとなる。
【0984】
また、演出面としては、定速回転している回転体が突然加速したかのように遊技者に錯覚させる視覚的効果などを生じさせることができる。
【0985】
手段A9.前記発光制御手段は、前記モータの加速期間中において、前記発光体点滅制御を実行可能に構成されていることを特徴とする手段A1乃至A8のいずれかに記載の遊技機。
【0986】
上記手段A9によれば、演出面として、回転体が急加速したかのように遊技者に錯覚させる視覚的効果などを生じさせることができる。
【0987】
実際にモータを急加速した場合(加速期間を短くした場合)には、回転体やモータ等に係る負荷が大きくなるおそれがある。これに対し、本手段によれば、加速期間を長く設定しつつも、遊技者には、あたかも急加速したかのように視認させることができるため、回転体やモータ等に係る負荷を低減することができる。結果として、回転体やモータ等の耐久性の向上を図ることができる。
【0988】
但し、モータの加速期間中においては、透光部移動周期が徐々に短くなっていくため、これに合わせて、発光体の点滅周期を可変制御しなければならない場合もある。
【0989】
手段A10.前記発光制御手段は、前記モータの減速期間中において、前記発光体点滅制御を実行可能に構成されていることを特徴とする手段A1乃至A9のいずれかに記載の遊技機。
【0990】
上記手段A10によれば、演出面として、回転体の減速期間中において、それまで通り回転体が回転しているかのように遊技者に錯覚させる視覚的効果などを生じさせることができる。ひいては、実際の回転体の停止に合わせて発光体点滅制御を停止することにより、回転体が急停止したかのように遊技者に視認させることができる。
【0991】
実際にモータを急減速した場合(減速期間を短くした場合)には、慣性等の影響により、回転体やモータ等に係る負荷が大きくなるおそれがある。これに対し、本手段によれば、減速期間を長く設定しつつも、遊技者には、あたかも急停止したかのように視認させることができるため、回転体やモータ等に係る負荷を低減することができる。結果として、回転体やモータ等の耐久性の向上を図ることができる。
【0992】
但し、モータの減速期間中においては、透光部移動周期が徐々に長くなっていくため、これに合わせて、発光体の点滅周期を可変制御しなければならない場合もある。
【0993】
手段A11.前記抽選処理により当選結果が得られた場合には、当選結果が得られない場合よりも、前記所定条件が成立する割合が多くなるよう構成されていることを特徴とする手段A1乃至A10のいずれかに記載の遊技機。
【0994】
上記手段A11によれば、抽選処理により当選結果が得られた場合には、当選結果が得られない場合よりも、上記発光体点滅制御が行われる割合が多くなる。
【0995】
つまり、見かけ上、回転体(透光部)が実際の回転方向と同じ正方向へ回転しているように見えるストロボ現象(ワゴンホイール効果)を生じさせる演出が行われた場合には、遊技価値が付与され得る期待度が高いと遊技者に期待感を抱かせることができる。
【0996】
これにより、例えば遊技者が操作手段を操作するなど、遊技者が積極的に遊技演出に参加するようになり、さらなる興趣の向上を図ることができる。
【0997】
手段A12.前記発光体は、前記回転体のうち少なくとも遊技者が視認可能な回転方向所定区間に対応して面発光するように設けられていることを特徴とする手段A1乃至A11のいずれかに記載の遊技機。
【0998】
仮に回転体の回転方向所定区間において、複数の発光体が断続的に設けられている場合には、光の斑ができ、ストロボ現象(ワゴンホイール効果)を適切に生じさせることが困難となるおそれがある。
【0999】
これに対し、上記手段A12によれば、回転体の回転方向所定区間に対し光を均一に照射することができるため、ストロボ現象(ワゴンホイール効果)を適切に生じさせることができる。
【1000】
手段A13.前記発光体が、前記回転体と離間した状態で固定されていることを特徴とする手段A1乃至A12のいずれかに記載の遊技機。
【1001】
尚、回転体を備えた演出装置として、回転体に複数の発光体を備え、該回転体を回転させながら、発光体を所定のパターンで点滅させることにより、残像として文字や図形などを表示させるバーサライタ等の装置が知られている。
【1002】
しかしながら、回転体に複数の発光体を配設する構成では、回転体が大型化・重量化してしまい、回転体の動作性が低下するおそれがある。
【1003】
また、通常、回転駆動される回転体上に複数の発光体を設置する場合には、回転体上に設置された発光体と、回転体の外部に設置された制御機器との間を接続する信号線や動力線をスリップリング等を介して接続しなければならず、配線や制御が複雑化するおそれがある。
【1004】
これに対し、上記手段A13によれば、発光体が、回転駆動される回転体とは離間して設けられているため、信号線等の配線が複雑化せず、配線の容易化及び簡素化を図ることができる。加えて、回転体を軽量化できるため、動作性の低下抑制を図ることができる。
【1005】
手段B1.所定の契機に基づき抽選処理を行う抽選手段と、
前記抽選処理により当選結果が得られた場合に、所定の遊技価値を付与可能な遊技価値付与手段とを備えた遊技機において、
回転可能に設けられた回転体と、
前記回転体を回転させるモータと、
前記モータを駆動制御するモータ制御手段と、
所定の光を出射可能な発光体と、
前記発光体を制御可能な発光制御手段とを備え、
前記回転体には、前記発光体から出射される光を透過可能なM個(Mは1以上の整数)の透光部が、該回転体の周方向に所定間隔をあけて等間隔(例えば回転軸を中心に所定角度360°/Mの等角度間隔)に配置され、
前記発光制御手段は、所定条件が成立した場合に、前記透光部が前記所定間隔を移動する透光部移動周期(回転体が360°/Mだけ回転する時間)よりも、前記発光体の点滅周期が短くなる発光体点滅制御を実行可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
【1006】
さて、上記「発明が解決しようとする課題」で述べたように、回転体を用いた演出には未だ改良の余地がある。
【1007】
1つの問題点として、モータ等を用いた回転体の回転駆動制御には機械的な限界があることが挙げられる。これにより、動作態様等によっては、その動作が緩慢に見えてしまい、遊技者の興趣を低下させるおそれがある。
【1008】
例えば正方向へ回転している回転体(モータ)の回転方向を、減速期間を設けることなく逆方向へ急反転させる駆動制御を行うことは、慣性等の影響より極めて難しい。加えて、回転体(モータ)の回転方向を急反転させた場合には、回転体やモータ等に係る負荷が著しく大きくなるおそれがある。ひいては、回転体とモータの組付け状態にガタツキが生じるなど、耐久性が低下するおそれがある。
【1009】
この点、上記手段B1によれば、M個の透光部が周方向に所定間隔をあけて等間隔に配置された回転体を回転させると共に、所定条件の成立時には、透光部が前記所定間隔分の距離を移動する透光部移動周期(透光部が1形成ピッチ間隔分だけ移動する周期)よりも、発光体の点滅周期が短くなる発光体点滅制御を実行する構成となっている。
【1010】
これにより、所定のタイミングで発光体が点灯して遊技者が視認した透光部は、次に発光体が点灯するタイミングにおいては、未だ1形成ピッチ間隔分の距離に到達していない手前側位置で視認されることとなる。
【1011】
かかる構成により、本手段によれば、見かけ上、回転体(透光部)が実際の回転方向とは逆方向へ回転しているように見えるストロボ現象(ワゴンホイール効果)を生じさせることができる。これにより、例えば正方向へ回転している回転体が突然、急反転したかのように遊技者に錯覚させる視覚的効果などを生じさせることができる。
【1012】
結果として、ストロボ現象(ワゴンホイール効果)を利用した回転体演出によって興趣の向上を図ることができる。
【1013】
手段B2.所定の契機に基づき抽選処理を行う抽選手段と、
前記抽選処理により当選結果が得られた場合に、所定の遊技価値を付与可能な遊技価値付与手段とを備えた遊技機において、
回転可能に設けられた回転体と、
前記回転体を回転させるモータと、
前記モータを駆動制御するモータ制御手段と、
所定の光を出射可能な発光体と、
前記発光体を制御可能な発光制御手段とを備え、
前記回転体には、前記発光体から照射される光を透過可能なM個(Mは1以上の整数)の透光部が、該回転体の周方向に所定間隔をあけて等間隔(例えば回転軸を中心に所定角度360°/Mの等角度間隔)に配置され、
前記発光制御手段は、所定条件が成立した場合に、下記の関係式(β)を満たす発光体点滅制御を実行可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
【1014】
{(2n+1)/2}×T<T<{T×(n+1)} ・・・・・・(β)
但し、n:0以上の整数、T:前記発光体の点滅周期、
:前記透光部が前記所定間隔を移動する透光部移動周期。
【1015】
上記手段B2によれば、発光体の点滅周期Tを、透光部移動周期Tの整数倍よりも短くする発光体点滅制御を実行することにより、見かけ上、回転体(透光部)が実際の回転方向とは逆方向へ回転しているように視認させることができる。結果として、上記手段B1と同様の作用効果が奏される。
【1016】
手段B3.前記発光制御手段は、遊技者により所定の操作手段が操作されたことを契機として、前記発光体点滅制御を開始可能としたことを特徴とする手段B1又はB2に記載の遊技機。
【1017】
上記手段B3によれば、遊技者が操作手段を操作したことを契機として、上記視覚的効果が生じる演出が実行されることとなる。これにより、遊技者は自身が遊技に能動的に参加しているという意識を強め、興趣の向上を図ることができる。
【1018】
尚、仮に上述したような発光体点滅制御を行うことなく、回転体の回転動作態様を機械的に変化させるだけの構成の下、操作手段が操作されたことを契機として、回転体の回転方向を反転させる演出を行おうとした場合、遊技者が操作手段を操作してから、実際に回転体の回転方向が反転するまでにタイムラグが生じてしまい、遊技者に違和感を抱かせてしまうおそれがある。
【1019】
この点、本手段によれば、上述したような発光体点滅制御を行うことにより、操作応答性を高めることができ、上記不具合を低減することができる。つまり、遊技者が操作手段を操作したタイミングで、回転体の回転方向が変化したように、遊技者に視認させることができる。結果として、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。
【1020】
手段B4.前記発光制御手段は、前記発光体の点滅周期を変更可能に構成されていることを特徴とする手段B1乃至B3のいずれかに記載の遊技機。
【1021】
上記手段B4によれば、上記手段A4と同様の作用効果が奏される。
【1022】
手段B5.前記発光制御手段は、遊技者により所定の操作手段が操作されたことを契機として、前記発光体の点滅周期を変更可能としたことを特徴とする手段B4に記載の遊技機。
【1023】
上記手段B5によれば、上記手段A5と同様の作用効果が奏される。
【1024】
手段B6.前記発光制御手段は、遊技者が操作した所定の操作手段の操作態様に応じて、前記発光体の点滅周期を変更可能としたことを特徴とする手段B4又はB5に記載の遊技機。
【1025】
上記手段B6によれば、上記手段A6と同様の作用効果が奏される。
【1026】
手段B7.前記発光制御手段は、少なくとも前記発光体の点滅周期と前記透光部移動周期との差が所定周期となる第1の発光体点滅制御と、該第1の発光体点滅制御よりも前記発光体の点滅周期と前記透光部移動周期との差が大きい第2の発光体点滅制御とを実行可能に構成され、
前記抽選処理により当選結果が得られた場合には、前記第1の発光体点滅制御よりも前記第2の発光体点滅制御が実行される割合が多くなるよう構成されていることを特徴とする手段B4乃至B6のいずれかに記載の遊技機。
【1027】
上記手段B7によれば、上記手段A7と同様の作用効果が奏される。
【1028】
手段B8.前記発光制御手段は、前記モータが一定速度で回転する定速回転状態において、前記発光体点滅制御を実行可能に構成されていることを特徴とする手段B1乃至B7のいずれかに記載の遊技機。
【1029】
上記手段B8によれば、上記手段A8と同様の作用効果が奏される。また、演出面としては、正方向へ定速回転している回転体が突然、急反転したかのように遊技者に錯覚させる視覚的効果などを生じさせることができる。
【1030】
手段B9.前記発光制御手段は、前記モータの加速期間中において、前記発光体点滅制御を実行可能に構成されていることを特徴とする手段B1乃至B8のいずれかに記載の遊技機。
【1031】
上記手段B9によれば、回転体の加速期間中において、見かけ上、回転体(透光部)が実際の回転方向とは逆方向へ回転しているように視認させることができる。
【1032】
これにより、回転体の始動開始と同時にタイムラグを生じさせることなく、回転体(透光部)が実際の回転方向とは逆方向へ回転しているような視覚的効果を生じさせることができる。
【1033】
実際にモータを停止状態から逆方向へ急加速した場合(加速期間を短くした場合)には、回転体やモータ等に係る負荷が大きくなるおそれがある。これに対し、本手段によれば、正方向への加速期間を長く設定しつつも、遊技者には、あたかも逆方向へ急加速したかのように視認させることができるため、回転体やモータ等に係る負荷を低減することができる。結果として、回転体やモータ等の耐久性の向上を図ることができる。
【1034】
但し、モータの加速期間中においては、透光部移動周期が徐々に短くなっていくため、これに合わせて、発光体の点滅周期を可変制御しなければならない場合もある。
【1035】
手段B10.前記発光制御手段は、前記モータの減速期間中において、前記発光体点滅制御を実行可能に構成されていることを特徴とする手段B1乃至B9のいずれかに記載の遊技機。
【1036】
上記手段B10によれば、回転体の減速期間中において、見かけ上、回転体(透光部)が実際の回転方向とは逆方向へ回転しているように視認させることができる。
【1037】
これにより、実際に回転体の回転方向を逆方向に反転する場合においても、実際の回転体の回転方向の切替えタイミングよりも前段階(正方向回転の減速期間)に、回転体が実際の回転方向とは逆方向へ回転しているような視覚的効果を生じさせることができる。ひいては、実際の回転体の回転方向の切替えタイミングを遊技者に把握しにくくすることができる。結果として、遊技者にとっての興趣の低下抑制を図ることができる。
【1038】
回転体の回転方向を急反転するために、実際にモータを急減速した場合(減速期間を短くした場合)には、慣性等の影響により、回転体やモータ等に係る負荷が大きくなるおそれがある。これに対し、本手段によれば、減速期間を長く設定しつつも、遊技者には、あたかも急反転したかのように視認させることができるため、回転体やモータ等に係る負荷を低減することができる。結果として、回転体やモータ等の耐久性の向上を図ることができる。
【1039】
但し、モータの減速期間中においては、透光部移動周期が徐々に長くなっていくため、これに合わせて、発光体の点滅周期を可変制御しなければならない場合もある。
【1040】
手段B11.前記抽選処理により当選結果が得られた場合には、当選結果が得られない場合よりも、前記所定条件が成立する割合が多くなるよう構成されていることを特徴とする手段B1乃至B10のいずれかに記載の遊技機。
【1041】
上記手段B11によれば、上記手段A11と同様の作用効果が奏される。つまり、見かけ上、回転体(透光部)が実際の回転方向と逆方向へ回転しているように見えるストロボ現象(ワゴンホイール効果)を生じさせる演出が行われた場合には、遊技価値が付与され得る期待度が高いと遊技者に期待感を抱かせることができる。
【1042】
これにより、例えば遊技者が操作手段を操作するなど、遊技者が積極的に遊技演出に参加するようになり、さらなる興趣の向上を図ることができる。
【1043】
手段B12.前記発光体は、前記回転体のうち少なくとも遊技者が視認可能な回転方向所定区間に対応して面発光するように設けられていることを特徴とする手段B1乃至B11のいずれかに記載の遊技機。
【1044】
上記手段B12によれば、上記手段A12と同様の作用効果が奏される。
【1045】
手段B13.前記発光体が、前記回転体と離間した状態で固定されていることを特徴とする手段B1乃至B12のいずれかに記載の遊技機。
【1046】
上記手段B13によれば、上記手段A13と同様の作用効果が奏される。
【1047】
手段C1.所定の契機に基づき抽選処理を行う抽選手段と、
前記抽選処理により当選結果が得られた場合に、所定の遊技価値を付与可能な遊技価値付与手段とを備えた遊技機において、
回転可能に設けられた回転体と、
前記回転体を回転させるモータと、
前記モータを駆動制御するモータ制御手段と、
所定の光を出射可能な発光体と、
前記発光体を制御可能な発光制御手段とを備え、
前記回転体には、前記発光体から出射される光を透過可能なM個(Mは1以上の整数)の透光部が、該回転体の周方向に所定間隔をあけて等間隔(例えば回転軸を中心に所定角度360°/Mの等角度間隔)に配置され、
前記発光制御手段は、所定条件が成立した場合に、前記透光部が前記所定間隔を移動する透光部移動周期(回転体が360°/Mだけ回転する時間)と、前記発光体の点滅周期とが同一となる発光体点滅制御を実行可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
【1048】
さて、上記「発明が解決しようとする課題」で述べたように、回転体を用いた演出には未だ改良の余地がある。
【1049】
1つの問題点として、モータ等を用いた回転体の回転駆動制御には機械的な限界があることが挙げられる。これにより、動作態様等によっては、その動作が緩慢に見えてしまい、遊技者の興趣を低下させるおそれがある。
【1050】
例えば回転している回転体(モータ)を、減速期間を設けることなく急停止させる駆動制御を行うことは、慣性等の影響より極めて難しい。加えて、回転体(モータ)を急停止させた場合には、回転体やモータ等に係る負荷が著しく大きくなるおそれがある。ひいては、回転体とモータの組付け状態にガタツキが生じるなど、耐久性が低下するおそれがある。
【1051】
この点、上記手段C1によれば、M個の透光部が周方向に所定間隔をあけて等間隔に配置された回転体を回転させると共に、所定条件の成立時には、透光部が前記所定間隔分の距離を移動する透光部移動周期(透光部が1形成ピッチ間隔分だけ移動する周期)と、発光体の点滅周期とが同一となる発光体点滅制御を実行する構成となっている。
【1052】
これにより、所定のタイミングで発光体が点灯して遊技者が視認した透光部は、次に発光体が点灯するタイミングにおいては、1形成ピッチ間隔分の距離だけ進んだ位置において視認されることとなる。
【1053】
かかる構成により、本手段によれば、実際には回転体が回転しているにも拘わらず、見かけ上、回転体(透光部)が静止しているように見えるストロボ現象(ワゴンホイール効果)を生じさせることができる。これにより、例えば回転している回転体が突然、急停止したかのように遊技者に錯覚させる視覚的効果などを生じさせることができる。
【1054】
結果として、ストロボ現象(ワゴンホイール効果)を利用した回転体演出によって興趣の向上を図ることができる。
【1055】
手段C2.所定の契機に基づき抽選処理を行う抽選手段と、
前記抽選処理により当選結果が得られた場合に、所定の遊技価値を付与可能な遊技価値付与手段とを備えた遊技機において、
回転可能に設けられた回転体と、
前記回転体を回転させるモータと、
前記モータを駆動制御するモータ制御手段と、
所定の光を出射可能な発光体と、
前記発光体を制御可能な発光制御手段とを備え、
前記回転体には、前記発光体から照射される光を透過可能なM個(Mは1以上の整数)の透光部が、該回転体の周方向に所定間隔をあけて等間隔(例えば回転軸を中心に所定角度360°/Mの等角度間隔)に配置され、
前記発光制御手段は、所定条件が成立した場合に、下記の関係式(γ)を満たす発光体点滅制御を実行可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
【1056】
={T×(n+1)} ・・・・・・(γ)
但し、n:0以上の整数、T:前記発光体の点滅周期、
:前記透光部が前記所定間隔を移動する透光部移動周期。
【1057】
上記手段C2によれば、発光体の点滅周期Tを、透光部移動周期Tの整数倍と同一とする発光体点滅制御を実行することにより、見かけ上、回転体(透光部)が静止しているように視認させることができる。結果として、上記手段C1と同様の作用効果が奏される。
【1058】
手段C3.前記発光制御手段は、遊技者により所定の操作手段が操作されたことを契機として、前記発光体点滅制御を開始可能としたことを特徴とする手段C1又はC2に記載の遊技機。
【1059】
上記手段C3によれば、遊技者が操作手段を操作したことを契機として、上記視覚的効果が生じる演出が実行されることとなる。これにより、遊技者は自身が遊技に能動的に参加しているという意識を強め、興趣の向上を図ることができる。
【1060】
尚、仮に上述したような発光体点滅制御を行うことなく、回転体の回転動作態様を機械的に変化させるだけの構成の下、操作手段が操作されたことを契機として、回転体を急停止させる演出を行おうとした場合、遊技者が操作手段を操作してから、実際に回転体が停止するまでにタイムラグが生じてしまい、遊技者に違和感を抱かせてしまうおそれがある。
【1061】
この点、本手段によれば、上述したような発光体点滅制御を行うことにより、操作応答性を高めることができ、上記不具合を低減することができる。つまり、遊技者が操作手段を操作したタイミングで、回転体が停止したように、遊技者に視認させることができる。結果として、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。
【1062】
手段C4.前記発光制御手段は、前記モータが一定速度で回転する定速回転状態において、前記発光体点滅制御を実行可能に構成されていることを特徴とする手段C1乃至C3のいずれかに記載の遊技機。
【1063】
上記手段C4によれば、上記手段A8と同様の作用効果が奏される。また、演出面としては、定速回転している回転体が突然、急停止したかのように遊技者に錯覚させる視覚的効果などを生じさせることができる。
【1064】
手段C5.前記発光制御手段は、前記モータの加速期間中において、前記発光体点滅制御を実行可能に構成されていることを特徴とする手段C1乃至C4のいずれかに記載の遊技機。
【1065】
上記手段C5によれば、回転体の始動開始と同時に、回転体の加速期間中において、見かけ上、それまで通り回転体が静止しているかのように遊技者に錯覚させる視覚的効果などを生じさせることができる。ひいては、実際に回転体が定速回転状態となるのに合わせて発光体点滅制御を停止することにより、回転体が急加速したかのように遊技者に視認させることができる。
【1066】
実際にモータを停止状態から急加速した場合(加速期間を短くした場合)には、回転体やモータ等に係る負荷が大きくなるおそれがある。これに対し、本手段によれば、加速期間を長く設定しつつも、遊技者には、あたかも逆方向へ急加速したかのように視認させることができるため、回転体やモータ等に係る負荷を低減することができる。結果として、回転体やモータ等の耐久性の向上を図ることができる。
【1067】
但し、モータの加速期間中においては、透光部移動周期が徐々に短くなっていくため、これに合わせて、発光制御手段が、発光体の点滅周期を可変(変更)制御する必要がある。
【1068】
手段C6.前記発光制御手段は、前記モータの減速期間中において、前記発光体点滅制御を実行可能に構成されていることを特徴とする手段C1乃至C5のいずれかに記載の遊技機。
【1069】
上記手段C6によれば、回転体の減速期間中において、見かけ上、回転体(透光部)が静止しているように視認させることができる。
【1070】
これにより、実際に回転体を停止させる場合においても、実際の回転体の停止タイミングよりも前段階(減速期間)に、回転体が静止しているような視覚的効果を生じさせることができる。ひいては、実際の回転体の停止タイミングを遊技者に把握しにくくすることができる。結果として、遊技者にとっての興趣の低下抑制を図ることができる。
【1071】
回転体を急停止するために、実際にモータを急減速した場合(減速期間を短くした場合)には、慣性等の影響により、回転体やモータ等に係る負荷が大きくなるおそれがある。これに対し、本手段によれば、減速期間を長く設定しつつも、遊技者には、あたかも急停止したかのように視認させることができるため、回転体やモータ等に係る負荷を低減することができる。結果として、回転体やモータ等の耐久性の向上を図ることができる。
【1072】
但し、モータの減速期間中においては、透光部移動周期が徐々に長くなっていくため、これに合わせて、発光制御手段が、発光体の点滅周期を可変(変更)制御する必要がある。
【1073】
手段C7.前記抽選処理により当選結果が得られた場合には、当選結果が得られない場合よりも、前記所定条件が成立する割合が多くなるよう構成されていることを特徴とする手段C1乃至C6のいずれかに記載の遊技機。
【1074】
上記手段C7によれば、上記手段A11と同様の作用効果が奏される。つまり、見かけ上、回転体(透光部)が静止しているように見えるストロボ現象(ワゴンホイール効果)を生じさせる演出が行われた場合には、遊技価値が付与され得る期待度が高いと遊技者に期待感を抱かせることができる。
【1075】
これにより、例えば遊技者が操作手段を操作するなど、遊技者が積極的に遊技演出に参加するようになり、さらなる興趣の向上を図ることができる。
【1076】
手段C8.前記発光体は、前記回転体のうち少なくとも遊技者が視認可能な回転方向所定区間に対応して面発光するように設けられていることを特徴とする手段C1乃至C7のいずれかに記載の遊技機。
【1077】
上記手段C8によれば、上記手段A12と同様の作用効果が奏される。
【1078】
手段C9.前記発光体が、前記回転体と離間した状態で固定されていることを特徴とする手段C1乃至C8のいずれかに記載の遊技機。
【1079】
上記手段C9によれば、上記手段A13と同様の作用効果が奏される。
【1080】
手段D1.所定の契機に基づき抽選処理を行う抽選手段と、
前記抽選処理により当選結果が得られた場合に、所定の遊技価値を付与可能な遊技価値付与手段とを備えた遊技機において、
回転可能に設けられた回転体と、
前記回転体を回転させるモータと、
前記モータを駆動制御するモータ制御手段と、
所定の光を出射可能な発光体と、
前記発光体を制御可能な発光制御手段とを備え、
前記回転体には、前記発光体から出射される光を透過可能なM個(Mは1以上の整数)の透光部が、該回転体の周方向に所定間隔をあけて等間隔(例えば回転軸を中心に所定角度360°/Mの等角度間隔)に配置され、
前記発光制御手段は、所定条件が成立した場合に、前記発光体が点灯状態と消灯状態とを周期的に繰り返す発光体点滅制御を実行可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
【1081】
さて、上記「発明が解決しようとする課題」で述べたように、回転体を用いた演出には未だ改良の余地がある。
【1082】
1つの問題点として、モータ等を用いた回転体の回転駆動制御には機械的な限界があることが挙げられる。これにより、動作態様等によっては、その動作が緩慢に見えてしまい、遊技者の興趣を低下させるおそれがある。
【1083】
この点、上記手段D1によれば、M個の透光部が周方向に所定間隔をあけて等間隔に配置された回転体を回転させると共に、所定条件の成立時には、発光体が点灯状態と消灯状態とを周期的に繰り返す発光体点滅制御を実行する構成となっている。
【1084】
これにより、本手段によれば、ストロボ現象(ワゴンホイール効果)を生じさせることができ、これを利用した回転体演出によって興趣の向上を図ることができる。
【1085】
このように、ストロボ現象(ワゴンホイール効果)を利用することにより、回転体の回転方向や回転速度など、回転体の実際の動作態様を変えることなく、発光体の点滅周期を変えるだけで、回転体の見かけ上の動作態様を変化させることができる。
【1086】
換言すれば、モータの制御パターンを多数用意することなく、常に一定の制御パターンでモータを駆動制御すればよいため、モータ制御の複雑化を抑制することができる。
【1087】
手段D2.所定の契機に基づき抽選処理を行う抽選手段と、
前記抽選処理により当選結果が得られた場合に、所定の遊技価値を付与可能な遊技価値付与手段とを備えた遊技機において、
回転可能に設けられた回転体と、
前記回転体を回転させるモータと、
前記モータを駆動制御するモータ制御手段と、
所定の光を出射可能な発光体と、
前記発光体を制御可能な発光制御手段とを備え、
前記回転体には、前記発光体から照射される光を透過可能なM個(Mは1以上の整数)の透光部が、該回転体の周方向に所定間隔をあけて等間隔(例えば回転軸を中心に所定角度360°/Mの等角度間隔)に配置され、
前記発光制御手段は、所定条件が成立した場合に、下記の関係式(δ)を満たす発光体点滅制御を実行可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
【1088】
{T×n}<T≦{T×(n+1)} ・・・・・・(δ)
但し、n:0以上の整数、T:前記発光体の点滅周期、
:前記透光部が前記所定間隔を移動する透光部移動周期(回転体が360°/Mだけ回転する時間)。
【1089】
上記手段D2によれば、上記手段D1と同様の作用効果が奏される。
【1090】
手段D3.前記発光制御手段は、遊技者により所定の操作手段が操作されたことを契機として、前記発光体点滅制御を開始可能としたことを特徴とする手段D1又はD2に記載の遊技機。
【1091】
上記手段D3によれば、遊技者が操作手段を操作したことを契機として、上記視覚的効果が生じる演出が実行されることとなる。これにより、遊技者は自身が遊技に能動的に参加しているという意識を強め、興趣の向上を図ることができる。
【1092】
尚、仮に上述したような発光体点滅制御を行うことなく、回転体の動作態様を機械的に変化させるだけの構成の下、操作手段が操作されたことを契機として、回転体の動作態様を変化させる演出を行おうとした場合、遊技者が操作手段を操作してから、回転体の動作態様が変化したと遊技者が認識できるまでにタイムラグが生じてしまい、遊技者に違和感を抱かせてしまうおそれがある。
【1093】
この点、本手段によれば、上述したような発光体点滅制御を行うことにより、操作応答性を高めることができ、上記不具合を低減することができる。つまり、遊技者が操作手段を操作したタイミングで、回転体の動作態様が変化したように、遊技者に視認させることができる。結果として、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。
【1094】
手段D4.前記発光制御手段は、前記発光体の点滅周期を変更可能に構成されていることを特徴とする手段D1乃至D3のいずれかに記載の遊技機。
【1095】
上記手段D4によれば、発光体の点滅周期を変更することにより、回転体(透光部)の見かけ上の動作態様を変化させることができる。これにより、ストロボ現象(ワゴンホイール効果)を利用した回転体演出の多様化を図ることができる。結果として、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。
【1096】
手段D5.前記発光制御手段は、遊技者により所定の操作手段が操作されたことを契機として、前記発光体の点滅周期を変更可能としたことを特徴とする手段D4に記載の遊技機。
【1097】
上記手段D5によれば、上記手段A5と同様の作用効果が奏される。
【1098】
手段D6.前記発光制御手段は、遊技者が操作した所定の操作手段の操作態様に応じて、前記発光体の点滅周期を変更可能としたことを特徴とする手段D4又はD5に記載の遊技機。
【1099】
上記手段D6によれば、上記手段A6と同様の作用効果が奏される。
【1100】
手段D7.前記発光制御手段は、少なくとも前記発光体の点滅周期と、前記透光部が前記所定間隔を移動する透光部移動周期(回転体が360°/Mだけ回転する時間)との差が所定周期となる第1の発光体点滅制御と、該第1の発光体点滅制御よりも前記発光体の点滅周期と前記透光部移動周期との差が大きい第2の発光体点滅制御とを実行可能に構成され、
前記抽選処理により当選結果が得られた場合には、前記第1の発光体点滅制御よりも前記第2の発光体点滅制御が実行される割合が多くなるよう構成されていることを特徴とする手段D4乃至D6のいずれかに記載の遊技機。
【1101】
上記手段D7によれば、上記手段A7と同様の作用効果が奏される。
【1102】
手段D8.前記発光制御手段は、前記モータが一定速度で回転する定速回転状態において、前記発光体点滅制御を実行可能に構成されていることを特徴とする手段D1乃至D7のいずれかに記載の遊技機。
【1103】
上記手段D8によれば、上記手段A8と同様の作用効果が奏される。
【1104】
手段D9.前記発光制御手段は、前記モータの加速期間中において、前記発光体点滅制御を実行可能に構成されていることを特徴とする手段D1乃至D8のいずれかに記載の遊技機。
【1105】
上記手段D9によれば、回転体の始動開始と同時に、ストロボ現象(ワゴンホイール効果)を利用した回転体演出を行うことができる。
【1106】
手段D10.前記発光制御手段は、前記モータの減速期間中において、前記発光体点滅制御を実行可能に構成されていることを特徴とする手段D1乃至D9のいずれかに記載の遊技機。
【1107】
上記手段D10によれば、回転体が完全に停止する直前まで、ストロボ現象(ワゴンホイール効果)を利用した回転体演出を行うことができる。
【1108】
手段D11.前記抽選処理により当選結果が得られた場合には、当選結果が得られない場合よりも、前記所定条件が成立する割合が多くなるよう構成されていることを特徴とする手段D1乃至D10のいずれかに記載の遊技機。
【1109】
上記手段D11によれば、抽選処理により当選結果が得られた場合には、当選結果が得られない場合よりも、上記発光体点滅制御が行われる割合が多くなる。つまり、ストロボ現象(ワゴンホイール効果)を生じさせる演出が行われた場合には、遊技価値が付与され得る期待度が高いと遊技者に期待感を抱かせることができる。
【1110】
これにより、例えば遊技者が操作手段を操作するなど、遊技者が積極的に遊技演出に参加するようになり、さらなる興趣の向上を図ることができる。
【1111】
手段D12.前記発光体は、前記回転体のうち少なくとも遊技者が視認可能な回転方向所定区間に対応して面発光するように設けられていることを特徴とする手段D1乃至D11のいずれかに記載の遊技機。
【1112】
上記手段D12によれば、上記手段D12と同様の作用効果が奏される。
【1113】
手段D13.前記発光体が、前記回転体と離間した状態で固定されていることを特徴とする手段D1乃至D12のいずれかに記載の遊技機。
【1114】
上記手段D13によれば、上記手段D13と同様の作用効果が奏される。
【1115】
尚、上記手段A1~手段A13のいずれかの一部又は全部の構成を有した遊技機に対し、上記手段A1~手段A13のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段B1~手段B13のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段C1~手段C9のいずれかの一部又は全部の構成、及び、上記手段D1~手段D13のいずれかの一部又は全部の構成のうちのいずれか少なくとも1つの構成を任意に組み合わせて実施してもよい。
【1116】
同様に、上記手段B1~手段B13のいずれかの一部又は全部の構成を有した遊技機に対し、上記手段A1~手段A13のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段B1~手段B13のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段C1~手段C9のいずれかの一部又は全部の構成、及び、上記手段D1~手段D13のいずれかの一部又は全部の構成のうちのいずれか少なくとも1つの構成を任意に組み合わせて実施してもよい。
【1117】
同様に、上記手段C1~手段C9のいずれかの一部又は全部の構成を有した遊技機に対し、上記手段A1~手段A13のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段B1~手段B13のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段C1~手段C9のいずれかの一部又は全部の構成、及び、上記手段D1~手段D13のいずれかの一部又は全部の構成のうちのいずれか少なくとも1つの構成を任意に組み合わせて実施してもよい。
【1118】
同様に、上記手段D1~手段D13のいずれかの一部又は全部の構成を有した遊技機に対し、上記手段A1~手段A13のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段B1~手段B13のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段C1~手段C9のいずれかの一部又は全部の構成、及び、上記手段D1~手段D13のいずれかの一部又は全部の構成のうちのいずれか少なくとも1つの構成を任意に組み合わせて実施してもよい。
【1119】
以下に、上記各手段が適用される各種遊技機の基本構成を示す。
【1120】
(イ)上記各手段における前記遊技機は弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する発射操作手段(遊技球発射ハンドル)と、当該発射操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する発射手段(発射ソレノイド等)と、当該発射された遊技球が案内される遊技領域と、前記遊技領域内に配置された入球手段(一般入賞口、可変入賞装置、始動口等)とを備えた弾球遊技機」が挙げられる。
【1121】
(ロ)上記各手段における前記遊技機、又は、前記弾球遊技機は、パチンコ機又はパチンコ機に準ずる遊技機であること。
【1122】
パチンコ機等の弾球遊技機において、複数の識別情報(図柄)からなる識別情報列(図柄列;具体的には図柄の付されたリール、ベルト等の回転体)を変動表示(具体的にはリール等の回転)した後に識別情報列を停止表示する可変表示手段(具体的にはリールユニット等の回転体ユニット)を備えた構成としてもよい。
【1123】
かかる場合においては、上記可変表示手段(リール等の回転体)において上記各手段に係る発光体点滅制御が行われる構成としてもよい。つまり、上記可変表示手段において、ストロボ現象を生じさせる演出が行われる構成としてもよい。
【1124】
勿論、パチンコ機等の弾球遊技機において、上記可変表示手段とは別に回転体役物を設け、該回転体役物において上記各手段に係る発光体点滅制御が行われる構成としてもよい。つまり、この回転体役物において、ストロボ現象(ワゴンホイール効果)を生じさせる演出が行われる構成としてもよい。
【1125】
(ハ)上記各手段における遊技機は、スロットマシン等の回胴式遊技機であること。より詳しい態様例としては、「複数の識別情報(図柄)からなる識別情報列(図柄列;具体的には図柄の付されたリール、ベルト等の回転体)を変動表示(具体的にはリール等の回転)した後に識別情報列を停止表示する主可変表示手段(具体的にはリールユニット等の回転体ユニット)を備え、始動用操作手段(具体的にはスタートレバー)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が開始され、停止用操作手段(具体的にはストップボタン)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が停止され、その停止時に有効ライン上に揃った識別情報が特定の識別情報であることを条件に遊技価値が付与されるよう構成した回胴式遊技機」が挙げられる。
【1126】
スロットマシン等の回胴式遊技機においては、上記主可変表示手段(リール等の回転体)において上記各手段に係る発光体点滅制御が行われる構成としてもよい。つまり、上記主可変表示手段において、ストロボ現象を生じさせる演出が行われる構成としてもよい。
【1127】
また、スロットマシン等の回胴式遊技機において、上記主可変表示手段に加えて、複数の識別情報(図柄)からなる識別情報列(図柄の付されたリール等の回転体)を変動表示(リール等の回転)した後に識別情報列を停止表示する副可変表示手段(リールユニット等の回転体ユニット)を備えた構成としてもよい。
【1128】
かかる場合においては、上記副可変表示手段(リール等の回転体)において上記各手段に係る発光体点滅制御が行われる構成としてもよい。つまり、上記副可変表示手段において、ストロボ現象を生じさせる演出が行われる構成としてもよい。
【1129】
勿論、スロットマシン等の回胴式遊技機において、上記主可変表示手段や上記副可変表示手段とは別に回転体役物を設け、該回転体役物において上記各手段に係る発光体点滅制御が行われる構成としてもよい。つまり、この回転体役物において、ストロボ現象(ワゴンホイール効果)を生じさせる演出が行われる構成としてもよい。
【1130】
(ニ)上記各手段における遊技機は、球使用式遊技機であること。球使用式遊技機としては、例えば「スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機(特に遊技球を遊技媒体として使用するスロットマシン仕様の球使用式遊技機)」が挙げられる。
【1131】
より詳しい態様例としては、「複数の識別情報(図柄)からなる識別情報列(図柄列;具体的には図柄の付されたリール、ベルト等の回転体)を変動表示(具体的にはリール等の回転)した後に識別情報列を停止表示する主可変表示手段(具体的にはリールユニット等の回転体ユニット)を備え、始動用操作手段(具体的にはスタートレバー)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が開始され、停止用操作手段(具体的にはストップボタン)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が停止され、その停止時に有効ライン上に揃った識別情報が特定の識別情報であることを条件に遊技価値が付与されるよう構成し、さらに球受皿(上皿等)を設けてその球受皿から遊技球を取り込む取込手段と、前記球受皿に遊技球の払出しを行う払出手段とを備え、前記取込手段により遊技球が取り込まれることにより遊技の開始条件が成立するように構成した遊技機」が挙げられる。
【1132】
スロットマシン仕様の球使用式遊技機においては、上記主可変表示手段(リール等の回転体)において上記各手段に係る発光体点滅制御が行われる構成としてもよい。つまり、上記主可変表示手段において、ストロボ現象を生じさせる演出が行われる構成としてもよい。
【1133】
また、スロットマシン仕様の球使用式遊技機において、上記主可変表示手段に加えて、複数の識別情報(図柄)からなる識別情報列(図柄の付されたリール等の回転体)を変動表示(リール等の回転)した後に識別情報列を停止表示する副可変表示手段(リールユニット等の回転体ユニット)を備えた構成としてもよい。
【1134】
かかる場合においては、上記副可変表示手段(リール等の回転体)において上記各手段に係る発光体点滅制御が行われる構成としてもよい。つまり、上記副可変表示手段において、ストロボ現象を生じさせる演出が行われる構成としてもよい。
【1135】
勿論、スロットマシン仕様の球使用式遊技機において、上記主可変表示手段や上記副可変表示手段とは別に回転体役物を設け、該回転体役物において上記各手段に係る発光体点滅制御が行われる構成としてもよい。つまり、この回転体役物において、ストロボ現象(ワゴンホイール効果)を生じさせる演出が行われる構成としてもよい。
【符号の説明】
【1136】
10…パチンコ機、35…可変表示装置ユニット、42…装飾図柄表示装置、42a…液晶表示部、125…演出ボタン、262…サブ制御装置、552…ROM、553…RAM、761…演出役物ユニット、812…円形レンズ部、813…LED基板、813c…LED、817…回転体用駆動モータ、820…回転体、820b…円形装飾部、831a…第1透光部、831b…第2透光部、831c…第3透光部、831d…第4透光部、831e…第5透光部、832…境界透光部、850…発光体、C8…役物演出カウンタ、E…装飾エリア、JF…演出状態フラグ、BF…ボタン操作フラグ、PF…役物演出パターンフラグ、T…回転体の回転周期、T…発光体の点滅周期、T…エリア移動周期。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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