(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023167105
(43)【公開日】2023-11-24
(54)【発明の名称】折り畳み式の水ボトルスタンドおよび水ボトルスタンド付きウォーターサーバー
(51)【国際特許分類】
B67D 3/00 20060101AFI20231116BHJP
【FI】
B67D3/00 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022078015
(22)【出願日】2022-05-11
(71)【出願人】
【識別番号】316003276
【氏名又は名称】株式会社コスモライフ
(74)【代理人】
【識別番号】100130513
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
(74)【代理人】
【識別番号】100127340
【弁理士】
【氏名又は名称】飛永 充啓
(74)【代理人】
【識別番号】100130177
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 弥一郎
(72)【発明者】
【氏名】荒川 眞吾
【テーマコード(参考)】
3E082
【Fターム(参考)】
3E082AA01
3E082BB04
3E082CC01
3E082FF09
(57)【要約】
【課題】ウォーターサーバー用の水ボトルを受け支えることが可能であり、コンパクトに収納可能な折り畳み式の水ボトルスタンドを提供する。
【解決手段】第1の鉛直板2と、第2の鉛直板3と、第1の鉛直板2と第2の鉛直板3とを鉛直方向の軸線まわりに回動可能に連結する回動連結部4とを有し、第1の鉛直板2の上縁と第2の鉛直板3の上縁には、水ボトル30の首部31を斜め下向きにした状態で水ボトル30の胴部32と肩部33とを受け支えるボトル嵌合凹部6,8が形成されている折り畳み式の水ボトルスタンド。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平面に鉛直に立てて載置される第1の鉛直板(2)と、
水平面に鉛直に立てて載置される第2の鉛直板(3)と、
前記第1の鉛直板(2)と前記第2の鉛直板(3)が互いに重なり合う折り畳み位置と、前記第1の鉛直板(2)と前記第2の鉛直板(3)が所定の交差角度をもって広がった展開位置との間で前記第1の鉛直板(2)と前記第2の鉛直板(3)とを鉛直方向の軸線まわりに回動可能に連結する回動連結部(4)とを有し、
前記第1の鉛直板(2)の上縁と前記第2の鉛直板(3)の上縁には、前記第1の鉛直板(2)と前記第2の鉛直板(3)が前記展開位置にあるときに、胴部(32)とその胴部(32)の一端に肩部(33)を介して設けられた首部(31)とその首部(31)の先端に取り付けられたキャップ(34)とを有するウォーターサーバー用の水ボトル(30)の前記首部(31)を斜め下向きにした状態で前記水ボトル(30)の前記胴部(32)と前記肩部(33)とを受け支えるボトル嵌合凹部(6,8)が形成されている、
折り畳み式の水ボトルスタンド。
【請求項2】
前記第1の鉛直板(2)と前記第2の鉛直板(3)が前記展開位置にあるときに、前記第1の鉛直板(2)と前記第2の鉛直板(3)の前記展開位置から前記折り畳み位置に向かう相対回動を阻止するロック状態と、前記第1の鉛直板(2)と前記第2の鉛直板(3)の前記展開位置から前記折り畳み位置に向かう相対回動を許容するロック解除状態とを切り替え可能な展開位置ロック機構を更に有する、
請求項1に記載の折り畳み式の水ボトルスタンド。
【請求項3】
前記第1の鉛直板(2)と前記第2の鉛直板(3)が前記折り畳み位置にあるときに、前記第1の鉛直板(2)と前記第2の鉛直板(3)の前記折り畳み位置から前記展開位置に向かう相対回動を阻止するロック状態と、前記第1の鉛直板(2)と前記第2の鉛直板(3)の前記折り畳み位置から前記展開位置に向かう相対回動を許容するロック解除状態とを切り替え可能な折り畳み位置ロック機構を更に有する、
請求項1または2に記載の折り畳み式の水ボトルスタンド。
【請求項4】
前記展開位置ロック機構は、前記第1の鉛直板(2)と前記第2の鉛直板(3)のうちの一方の鉛直板と一体に回動するように前記回動連結部(4)に設けられた軸方向凸部(23)と、前記第1の鉛直板(2)と前記第2の鉛直板(3)のうちの他方の鉛直板と一体に回動するように前記回動連結部(4)に設けられ、前記第1の鉛直板(2)と前記第2の鉛直板(3)が前記展開位置にある状態で前記軸方向凸部(23)が嵌まり込む軸方向凹部(24)とで構成されている、
請求項2に記載の折り畳み式の水ボトルスタンド。
【請求項5】
前記折り畳み位置ロック機構は、前記第1の鉛直板(2)と前記第2の鉛直板(3)のうちの一方の鉛直板と一体に回動するように前記回動連結部(4)に設けられた軸方向凸部(23)と、前記第1の鉛直板(2)と前記第2の鉛直板(3)のうちの他方の鉛直板と一体に回動するように前記回動連結部(4)に設けられ、前記第1の鉛直板(2)と前記第2の鉛直板(3)が前記折り畳み位置にある状態で前記軸方向凸部(23)が嵌まり込む軸方向凹部(24)とで構成されている、
請求項3に記載の折り畳み式の水ボトルスタンド。
【請求項6】
前記第1の鉛直板(2)と前記第2の鉛直板(3)が樹脂で形成され、
前記第1の鉛直板(2)と前記第2の鉛直板(3)のうちの少なくとも一方に、水ボトルスタンドを金属面に吸着保持するためのマグネット(27)が取り付けられている請求項1または2に記載の折り畳み式の水ボトルスタンド。
【請求項7】
ウォーターサーバーの筐体(40)と、
前記筐体(40)の内部に形成され、交換式の水ボトル(30)を収容するボトル収容空間(50)と、
前記ボトル収容空間(50)から前記水ボトル(30)を出し入れすることができるように前記筐体(40)の前面を開閉する前面扉(53)と、
前記ボトル収容空間(50)の天井を構成する金属製の内天井板(60)と、
請求項6に記載の折り畳み式の水ボトルスタンド(1)と、を有し、
前記水ボトルスタンド(1)を前記内天井板(60)の下面に前記マグネット(27)の磁力で吸着保持した、
水ボトルスタンド付きウォーターサーバー。
【請求項8】
前記筐体(40)の内部に配置される冷水タンク(41)と、
前記冷水タンク(41)内の飲料水を冷却する冷却装置(55)と、を更に有し、
前記冷却装置(55)は、冷媒を圧縮するコンプレッサ(56)と、そのコンプレッサ(56)から吐出された高温の冷媒と外気との間で熱交換を行なう熱交換器(57)と、その熱交換器(57)を通過した冷媒を減圧して温度を低下させる膨張弁(58)と、その膨張弁(58)を通過した低温の冷媒と前記冷水タンク(41)との間で熱交換を行なう冷却管(59)とを有し、
前記内天井板(60)は、前記コンプレッサ(56)が固定される板である、
請求項7に記載の水ボトルスタンド付きウォーターサーバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、折り畳み式の水ボトルスタンド、およびその水ボトルスタンドを有する水ボトルスタンド付きウォーターサーバーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、主にオフィスや病院などでウォーターサーバーが利用されてきたが、近年、水の安全や健康への関心の高まりから、一般家庭にもウォーターサーバーが普及しつつある。ウォーターサーバーは、一般に、交換式の水ボトルと、その水ボトルから水を導入して収容する冷水タンクと、冷水タンク内の水を冷却する冷却装置と、冷水タンク内の冷水を注出するための冷水コックとを有し、この冷水コックを開くことでいつでもすぐに美味しい冷水を利用することができ、優れた利便性をもつ(例えば、特許文献1、2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-218116号公報
【特許文献2】特開2018-115003号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、大地震などの災害が発生した非常時に対応することができるように、平常時から飲料水や非常食などを備蓄するなど、災害に対する備えを行なうニーズが高まっている。
【0005】
この点に関し、特許文献1、2のようなウォーターサーバーのユーザーは、ウォーターサーバーにセットして使用中の水ボトルとは別に、満水状態の予備の水ボトルを常時ストックしておくことで、大地震などの災害時に水道水の供給が停止した場合であっても、予備の水ボトルの水を利用し、飲料水を確保することが可能である。
【0006】
この予備の水ボトルの水を利用する際、ウォーターサーバーに水ボトルをセットするのではなく、水ボトルから直接水を注出することができると便利であるが、ウォーターサーバー用の水ボトルは、通常8kg~18kg程度の重量があるため、ユーザーが手で水ボトルを持ってコップ等の容器に水を注出するのは困難である。
【0007】
そこで、本願の出願人は、ウォーターサーバーを使用せずに、ウォーターサーバー用の水ボトルから直接水を注出することができるようにするため、既に、
図14に示す水ボトルスタンド70を製作し、ユーザーに提供している。
【0008】
図15に示すように、ウォーターサーバー用の水ボトル30は、胴部32とその胴部32の一端に肩部33を介して設けられた首部31とその首部31の先端に取り付けられたキャップ34とを有する。水ボトル30は、未使用の満水状態で8~18リットルの範囲で予め設定された所定量の飲料水が充填されている。
【0009】
水ボトルスタンド70は、水ボトル30の首部31を斜め下向きにした状態で水ボトル30の胴部32と肩部33とを受け支え、首部31の先端のキャップ34に専用の蛇口35を取り付けて使用する。この水ボトルスタンド70は、左右一対の前脚71と、左右一対の後ろ脚72と、前脚71と後ろ脚72を水平方向の軸線まわりに回動可能に連結する左右一対の回動連結部73と、前脚71と後ろ脚72の間の展開角度を規制するストッパ74とを有する。
【0010】
左右一対の前脚71と左右一対の後ろ脚72は、それぞれ金属パイプで形成されている。左右一対の前脚71を構成する金属パイプは、回動連結部73から後方斜め上に延長する部分75で水ボトル30の胴部32を受け支えることが可能となっている。また、左右一対の後ろ脚72を構成する金属パイプは、回動連結部73から前方斜め上に延長する部分76で水ボトル30の肩部33を受け支えることが可能となっている。
【0011】
この水ボトルスタンド70を使用すると、災害時だけでなく、キャンプやバーベキューなどのアウトドアにおいても、ウォーターサーバー用の水ボトル30の水を注出して利用することが可能である。
【0012】
しかしながら、この水ボトルスタンド70は、水ボトル30の重量に対する剛性を確保するために金属パイプで形成されており、
図16に示すように、折り畳んだときにコンパクトさに欠け、かさばるという問題があった。
【0013】
この発明が解決しようとする課題は、ウォーターサーバー用の水ボトルを受け支えることが可能であり、コンパクトに収納可能な折り畳み式の水ボトルスタンドを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するため、この発明では、以下の構成の折り畳み式の水ボトルスタンドを提供する。
[構成1]
水平面に鉛直に立てて載置される第1の鉛直板と、
水平面に鉛直に立てて載置される第2の鉛直板と、
前記第1の鉛直板と前記第2の鉛直板が互いに重なり合う折り畳み位置と、前記第1の鉛直板と前記第2の鉛直板が所定の交差角度をもって広がった展開位置との間で前記第1の鉛直板と前記第2の鉛直板とを鉛直方向の軸線まわりに回動可能に連結する回動連結部とを有し、
前記第1の鉛直板の上縁と前記第2の鉛直板の上縁には、前記第1の鉛直板と前記第2の鉛直板が前記展開位置にあるときに、胴部とその胴部の一端に肩部を介して設けられた首部とその首部の先端に取り付けられたキャップとを有するウォーターサーバー用の水ボトルの前記首部を斜め下向きにした状態で前記水ボトルの前記胴部と前記肩部とを受け支えるボトル嵌合凹部が形成されている、
折り畳み式の水ボトルスタンド。
【0015】
このようにすると、第1の鉛直板と第2の鉛直板を所定の交差角度をもって広がった展開位置に回動させ、その第1の鉛直板の上縁と第2の鉛直板の上縁に形成されたボトル嵌合凹部で水ボトルを受け支えることが可能である。このとき、水ボトルの重量は、水平面に立った状態の第1の鉛直板および第2の鉛直板で支持されるので、構造上、水ボトルの重量に対する剛性を確保しやすい。そのため、小型化するのが容易であり、第1の鉛直板と第2の鉛直板を互いに重なり合う折り畳み位置に回動させることで、コンパクトに収納することが可能である。
【0016】
[構成2]
前記第1の鉛直板と前記第2の鉛直板が前記展開位置にあるときに、前記第1の鉛直板と前記第2の鉛直板の前記展開位置から前記折り畳み位置に向かう相対回動を阻止するロック状態と、前記第1の鉛直板と前記第2の鉛直板の前記展開位置から前記折り畳み位置に向かう相対回動を許容するロック解除状態とを切り替え可能な展開位置ロック機構を更に有する、
構成1に記載の折り畳み式の水ボトルスタンド。
【0017】
このようにすると、残水量の減少に伴って収縮するように柔軟性をもたせて形成された水ボトルを、安定して支持することが可能となる。すなわち、第1の鉛直板と第2の鉛直板を所定の交差角度をもって広がった展開位置に回動させ、その第1の鉛直板の上縁と第2の鉛直板の上縁とで水ボトルを支持すると、水ボトルの残水量が減少して水ボトルが収縮変形したときに、水ボトルの収縮変形に伴って第1の鉛直板と第2の鉛直板とが相対回動し、第1の鉛直板と第2の鉛直板の交差角度が変化するおそれがある。そして、第1の鉛直板と第2の鉛直板の交差角度が変化すると、第1の鉛直板と第2の鉛直板による水ボトルの支持が不安定になり、最悪の場合、水ボトルが第1の鉛直板および第2の鉛直板の上縁から落下するおそれがある。この問題に対し、第1の鉛直板と第2の鉛直板の展開位置から折り畳み位置に向かう相対回動を阻止することが可能な展開位置ロック機構を設けると、水ボトルの残水量が減少して水ボトルが収縮変形したときにも、水ボトルの収縮変形に伴って第1の鉛直板と第2の鉛直板とが相対回動するのを防止することができ、第1の鉛直板と第2の鉛直板の交差角度が保持される。そのため、安定して水ボトルを支持することが可能である。
【0018】
[構成3]
前記第1の鉛直板と前記第2の鉛直板が前記折り畳み位置にあるときに、前記第1の鉛直板と前記第2の鉛直板の前記折り畳み位置から前記展開位置に向かう相対回動を阻止するロック状態と、前記第1の鉛直板と前記第2の鉛直板の前記折り畳み位置から前記展開位置に向かう相対回動を許容するロック解除状態とを切り替え可能な折り畳み位置ロック機構を更に有する、
構成1または2に記載の折り畳み式の水ボトルスタンド。
【0019】
このようにすると、折り畳み位置ロック機構で、第1の鉛直板と第2の鉛直板の折り畳み位置から展開位置に向かう相対回動を阻止することができるので、水ボトルスタンドを折り畳んで収納するときに、第1の鉛直板と第2の鉛直板が自重で展開するのを防止することができ、収納の作業性を向上させることができる。
【0020】
[構成4]
前記展開位置ロック機構は、前記第1の鉛直板と前記第2の鉛直板のうちの一方の鉛直板と一体に回動するように前記回動連結部に設けられた軸方向凸部と、前記第1の鉛直板と前記第2の鉛直板のうちの他方の鉛直板と一体に回動するように前記回動連結部に設けられ、前記第1の鉛直板と前記第2の鉛直板が前記展開位置にある状態で前記軸方向凸部が嵌まり込む軸方向凹部とで構成されている、
構成2に記載の折り畳み式の水ボトルスタンド。
【0021】
このようにすると、第1の鉛直板と第2の鉛直板の展開位置から折り畳み位置に向かう相対回動を、簡単な構成で確実に阻止することが可能となる。
【0022】
[構成5]
前記折り畳み位置ロック機構は、前記第1の鉛直板と前記第2の鉛直板のうちの一方の鉛直板と一体に回動するように前記回動連結部に設けられた軸方向凸部と、前記第1の鉛直板と前記第2の鉛直板のうちの他方の鉛直板と一体に回動するように前記回動連結部に設けられ、前記第1の鉛直板と前記第2の鉛直板が前記折り畳み位置にある状態で前記軸方向凸部が嵌まり込む軸方向凹部とで構成されている、
構成3に記載の折り畳み式の水ボトルスタンド。
【0023】
このようにすると、第1の鉛直板と第2の鉛直板の折り畳み位置から展開位置に向かう相対回動を、簡単な構成で確実に阻止することが可能となる。
【0024】
[構成6]
前記第1の鉛直板と前記第2の鉛直板が樹脂で形成され、
前記第1の鉛直板と前記第2の鉛直板のうちの少なくとも一方に、水ボトルスタンドを金属面に吸着保持するためのマグネットが取り付けられている構成1から5のいずれかに記載の折り畳み式の水ボトルスタンド。
【0025】
このようにすると、水ボトルスタンドの不使用時に、水ボトルスタンドをウォーターサーバーの金属面に貼り付けることができるので、保管が便利である。
【0026】
また、この発明では、上記構成の折り畳み式の水ボトルスタンドを有する水ボトルスタンド付きウォーターサーバーとして、以下の構成のものを併せて提供する。
[構成7]
ウォーターサーバーの筐体と、
前記筐体の内部に形成され、交換式の水ボトルを収容するボトル収容空間と、
前記ボトル収容空間から前記水ボトルを出し入れすることができるように前記筐体の前面を開閉する前面扉と、
前記ボトル収容空間の天井を構成する金属製の内天井板と、
構成6に記載の折り畳み式の水ボトルスタンドと、を有し、
前記水ボトルスタンドを前記内天井板の下面に前記マグネットの磁力で吸着保持した、
水ボトルスタンド付きウォーターサーバー。
【0027】
このようにすると、水ボトルスタンドの不使用時に、水ボトルスタンドをウォーターサーバーの筐体の内部のボトル収容空間の内天井板の下面に貼り付けて保管することができる。ここで、ボトル収容空間の内天井板の下面に沿った空間はデッドスペースであり、そのデッドスペースを利用して水ボトルスタンドを収容するので、省スペースである。
【0028】
[構成8]
前記筐体の内部に配置される冷水タンクと、
前記冷水タンク内の飲料水を冷却する冷却装置と、を更に有し、
前記冷却装置は、冷媒を圧縮するコンプレッサと、そのコンプレッサから吐出された高温の冷媒と外気との間で熱交換を行なう熱交換器と、その熱交換器を通過した冷媒を減圧して温度を低下させる膨張弁と、その膨張弁を通過した低温の冷媒と前記冷水タンクとの間で熱交換を行なう冷却管とを有し、
前記内天井板は、前記コンプレッサが固定される板である、
構成7に記載の水ボトルスタンド付きウォーターサーバー。
【0029】
このようにすると、コンプレッサを固定するための金属製の内天井板を、マグネットの吸着用として利用するので、マグネットが吸着するための専用の金属板を設ける必要がなく、効率的である。
【発明の効果】
【0030】
この発明の折り畳み式の水ボトルスタンドは、第1の鉛直板と第2の鉛直板を所定の交差角度をもって広がった展開位置に回動させ、その第1の鉛直板の上縁と第2の鉛直板の上縁に形成されたボトル嵌合凹部で水ボトルを受け支えることが可能である。このとき、水ボトルの重量は、水平面に立った状態の第1の鉛直板および第2の鉛直板で支持されるので、構造上、水ボトルの重量に対する剛性を確保しやすい。そのため、小型化するのが容易であり、第1の鉛直板と第2の鉛直板を互いに重なり合う折り畳み位置に回動させることで、コンパクトに収納することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】この発明の実施形態の折り畳み式の水ボトルスタンドの正面図
【
図4】
図3の第1の第1回動支点部と第2回動支点部を軸方向に離反する方向に相対移動させ、軸方向凸部を軸方向凹部から抜き出した状態を示す図
【
図8】
図7の第1の鉛直板と第2の鉛直板を折り畳み位置から展開位置に移動させた状態を示す図
【
図11】
図9に示す水ボトルスタンドに水ボトルを載せた状態を示す図
【
図12】
図1に示す水ボトルスタンドを有する水ボトルスタンド付きウォーターサーバーの正面図
【
図15】
図14に示す水ボトルスタンドに水ボトルを載せた状態を示す図
【
図16】
図14に示す水ボトルスタンドを折り畳んだ状態を示す図
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1、
図2に、この発明の実施形態の折り畳み式の水ボトルスタンド1(以下、単に「水ボトルスタンド1」という)を示す。この水ボトルスタンド1は、第1の鉛直板2と、第2の鉛直板3と、第1の鉛直板2と第2の鉛直板3とを回動可能に連結する回動連結部4とを有する。
【0033】
第1の鉛直板2は、回動連結部4を中心とする周方向を板厚方向とした状態で水平面(床面、机上面など)に鉛直に立てて載置される板状の部材である。第1の鉛直板2の下端には、水平面に接地する接地部5(
図1参照)が設けられている。接地部5は、図では、回動連結部4を中心とする径方向に帯状に延びる下向きの平面である。第1の鉛直板2の下端に、回動連結部4を中心とする径方向に間隔をおいて複数の下向きの突起を設け、それらの突起を接地部5としてもよい。第1の鉛直板2の上縁には、下方に凹んだ凹形状のボトル嵌合凹部6が設けられている。第1の鉛直板2は、樹脂で一体に形成されている。
【0034】
第2の鉛直板3も、第1の鉛直板2と同様に、回動連結部4を中心とする周方向を板厚方向とした状態で水平面に鉛直に立てて載置される板状の部材である。第2の鉛直板3の下端には、水平面に接地する接地部7(
図1参照)が設けられている。接地部7は、図では、回動連結部4を中心として径方向に帯状に延びる下向きの平面である。第2の鉛直板3の下端に、回動連結部4を中心とする径方向に間隔をおいて複数の下向きの突起を設け、それらの突起を接地部7としてもよい。第2の鉛直板3の上縁には、下方に凹んだ凹形状のボトル嵌合凹部8が設けられている。第2の鉛直板3は、樹脂で一体に形成されている。
【0035】
回動連結部4は、第1の鉛直板2の長さ方向(第1の鉛直板2の板厚方向に直交する水平方向)の中央部と、第2の鉛直板3の長さ方向(第2の鉛直板3の板厚方向に直交する水平方向)の中央部とを鉛直方向の軸線まわりに回動可能に連結している。そして、第1の鉛直板2と第2の鉛直板3は、この回動連結部4を中心とする回動により、第1の鉛直板2と第2の鉛直板3が互いに重なり合う折り畳み位置(
図2、
図7に示す位置)と、第1の鉛直板2と第2の鉛直板3が所定の交差角度(図では90°)をもって広がった展開位置(
図8、
図9に示す位置)との間で移動可能となっている。
【0036】
図1、
図2に示すように、第1の鉛直板2の上縁のボトル嵌合凹部6は、第1の鉛直板2の上縁の長さ方向の一端から回動連結部4に向かって次第に低くなり、回動連結部4から第1の鉛直板2の上縁の長さ方向の他端に向かって次第に高くなるV字形状とされている。第2の鉛直板3の上縁のボトル嵌合凹部8も、第2の鉛直板3の上縁の長さ方向の一端から回動連結部4に向かって次第に低くなり、回動連結部4から第2の鉛直板3の上縁の長さ方向の他端に向かって次第に高くなるV字形状とされている。
【0037】
図2に示すように、第1の鉛直板2は、回動連結部4の一部を構成する第1回動支点部9と、第1回動支点部9から第1の鉛直板2の長さ方向の一方側(図では右側)に連続する第1右翼部10と、第1回動支点部9から第1の鉛直板2の長さ方向の他方側(図では左側)に連続する第1左翼部11とを有する。第2の鉛直板3も、回動連結部4の一部を構成する第2回動支点部12と、第2回動支点部12から第2の鉛直板3の長さ方向の一方側に連続する第2右翼部13と、第2回動支点部12から第2の鉛直板3の長さ方向の他方側に連続する第2左翼部14とを有する。
【0038】
図2、
図5に示すように、第1右翼部10と第1左翼部11は、第1右翼部10と第1左翼部11が一直線上に揃う位置から、板厚方向に互いに逆向きに板厚の半分に相当する距離だけオフセットして配置されている。また、第2右翼部13と第2左翼部14も、第2右翼部13と第2左翼部14が一直線上に揃う位置から、板厚方向に互いに逆向きに板厚の半分に相当する距離だけオフセットして配置されている。第1右翼部10と第1左翼部11のオフセット方向と、第2右翼部13と第2左翼部14のオフセット方向は、反対方向である。これにより、
図2に示すように、第1の鉛直板2と第2の鉛直板3が互いに重なり合う折り畳み位置にあるときに、第1右翼部10と第2右翼部13がぴったり重なり合うとともに第1左翼部11と第2左翼部14もぴったり重なり合い、全体として1枚の扁平な板状を呈するようになっている。
【0039】
図2に示すように、第1の鉛直板2は、第1右翼部10と第1左翼部11の間を通って第1回動支点部9の下側を板厚方向に貫通する第1貫通溝15を有する。
図5に示すように、第1貫通溝15には、第2回動支点部12が回動可能に収容されている。第2の鉛直板3は、第2右翼部13と第2左翼部14の間を通って第2回動支点部12の上側を板厚方向に貫通する第2貫通溝16を有する。
図2に示すように、第2貫通溝16には、第1回動支点部9が回動可能に収容されている。第1回動支点部9と第2回動支点部12は、上下に対向している。
【0040】
図3、
図4に示すように、第1回動支点部9は、第1回動支点部9の下面(第2回動支点部12との対向面)から下方に突出する回動軸17を有する。第2回動支点部12は、第2回動支点部12の上面(第1回動支点部9との対向面)に開口する軸穴18と、軸穴18の下方に連なる大径穴19とを有する。大径穴19は、第2回動支点部12の下面に開口し、上端に底面をもつ有底穴である。大径穴19は、軸穴18の内径よりも大きい内径を有する。大径穴19の底面の中央には、軸穴18の下端が開口している。
【0041】
回動軸17は、円筒状に形成され、軸穴18に回動可能かつ上下に移動可能に挿入されている。回動軸17の下端には、軸穴18の内径よりも大きい外径をもつシート部材20が固定され、そのシート部材20と大径穴19の底面との間に弾性部材21が組み込まれている。弾性部材21は、上下方向に圧縮した状態で組み込まれ、シート部材20を介して回動軸17を下方に付勢している。この弾性部材21の付勢力によって、第1回動支点部9の下面は、第2回動支点部12の上面に押し付けられている。弾性部材21は、例えば、圧縮コイルばねである。弾性部材21と大径穴19の底面との間には、金属製のワッシャ22が挟み込まれている。
【0042】
図3~
図5、
図10に示すように、第1回動支点部9の下面には、回動軸17のまわりに周方向に間隔(図では90°の間隔)をおいて複数(図では4つ)の軸方向凸部23が設けられている。軸方向凸部23は、第1の鉛直板2を第2の鉛直板3に対して相対回動させたときに、第1の鉛直板2と一体に回動するように第1回動支点部9に一体に形成されている。
【0043】
第2回動支点部12の上面には、軸穴18のまわりに、軸方向凸部23の周方向間隔と同じ周方向間隔(図では90°の間隔)で複数(図では4つ)の軸方向凹部24が設けられている。軸方向凹部24は、第2の鉛直板3を第1の鉛直板2に対して相対回動させたときに、第2の鉛直板3と一体に回動するように第2回動支点部12に一体に形成されている。
【0044】
また、
図3、
図4に示すように、第1回動支点部9と第2回動支点部12は、弾性部材21を伸縮させることで軸方向に相対移動することが可能となっている。そして、第1回動支点部9と第2回動支点部12を軸方向に相対移動させることで、軸方向凸部23が軸方向凹部24に嵌まり込んで第1回動支点部9と第2回動支点部12の相対回動を阻止する状態(
図3に示す状態)と、軸方向凸部23が軸方向凹部24から抜け出て第1回動支点部9と第2回動支点部12の相対回動を許容する状態(
図4に示す状態)とを切り替えることが可能となっている。
【0045】
ここで、軸方向凸部23と軸方向凹部24は、
図2、
図7に示すように、第1の鉛直板2と第2の鉛直板3が互いに重なり合う折り畳み位置にあるときに、軸方向凸部23が軸方向凹部24に嵌まり込んで、第1の鉛直板2と第2の鉛直板3の折り畳み位置から展開位置に向かう相対回動を阻止するロック状態と、軸方向凸部23が軸方向凹部24から抜け出て、第1の鉛直板2と第2の鉛直板3の折り畳み位置から展開位置に向かう相対回動を許容するロック解除状態とを切り替え可能な折り畳み位置ロック機構を構成している。このとき、
図3に示す弾性部材21は、軸方向凸部23を軸方向凹部24に挿入する側の軸方向に第1の鉛直板2と第2の鉛直板3を付勢しており、この弾性部材21の付勢力に抗して第1の鉛直板2と第2の鉛直板3を軸方向に相対移動させることで、ロック状態からロック解除状態に切り替えることが可能となっている。
【0046】
また、軸方向凸部23と軸方向凹部24は、
図8、
図9に示すように、第1の鉛直板2と第2の鉛直板3が所定の交差角度をもって広がった展開位置にあるときに、軸方向凸部23が軸方向凹部24に嵌まり込んで、第1の鉛直板2と第2の鉛直板3の展開位置から折り畳み位置に向かう相対回動を阻止するロック状態と、軸方向凸部23が軸方向凹部24から抜け出て、第1の鉛直板2と第2の鉛直板3の展開位置から折り畳み位置に向かう相対回動を許容するロック解除状態とを切り替え可能な展開位置ロック機構を構成している。このときも、
図3に示す弾性部材21は、軸方向凸部23を軸方向凹部24に挿入する側の軸方向に第1の鉛直板2と第2の鉛直板3を付勢しており、この弾性部材21の付勢力に抗して第1の鉛直板2と第2の鉛直板3を軸方向に相対移動させることで、ロック状態からロック解除状態に切り替えることが可能となっている。
【0047】
図2、
図9に示すように、第1の鉛直板2には、第1右翼部10の周縁で囲まれた内側領域と、第1左翼部11の周縁で囲まれた内側領域とを板厚方向に凹ませた肉盗み凹部25が形成されている。同様に、第2の鉛直板3には、第2右翼部13の周縁で囲まれた内側領域と、第2左翼部14の周縁で囲まれた内側領域とを板厚方向に凹ませた肉盗み凹部26が形成されている。これらの肉盗み凹部25,26を設けることで、水ボトルスタンド1の軽量化が図られている。
【0048】
図6に示すように、第1の鉛直板2には、第2の鉛直板3との合わせ面とは反対側の面を金属面(例えば
図13に示す金属製の内天井板60の下面)に吸着保持することができるようにマグネット27が組み込まれている。同様に、第2の鉛直板3にも、第1の鉛直板2との合わせ面とは反対側の面を金属面に吸着保持することができるようにマグネット27が組み込まれている。マグネット27は、例えば、ネオジム磁石である。これらのマグネット27により、水ボトルスタンド1は、第1の鉛直板2と第2の鉛直板3とが互いに重なり合う折り畳み位置にある状態で金属面に吸着保持することが可能となっている。
【0049】
図9に示すように、第1の鉛直板2と第2の鉛直板3が展開位置にあるとき、第1の鉛直板2の上縁のボトル嵌合凹部6と第2の鉛直板3の上縁のボトル嵌合凹部8は、
図11に示すように、水ボトル30の首部31を斜め下向きにした状態で水ボトル30の胴部32と肩部33とを受け支えることが可能となっている。
【0050】
図11において、水ボトル30は、胴部32とその胴部32の一端に肩部33を介して設けられた首部31とその首部31の先端に取り付けられたキャップ34とを有する。水ボトル30の胴部32は、残水量の減少に伴って収縮するように柔軟性をもたせて形成されている。水ボトル30は、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂やポリエチレン(PE)樹脂のブロー成形によって形成することができる。水ボトル30は、未使用の満水状態で8~18リットルの範囲で予め設定された所定量の飲料水が充填されている。
【0051】
水ボトル30のキャップ34には、手動で開閉可能な専用の蛇口35が着脱可能に取り付けられている。水ボトル30の胴部32は、第1の鉛直板2の第1右翼部10の上縁と、第2の鉛直板3の第2右翼部13の上縁とで支持され、水ボトル30の肩部33は、第1の鉛直板2の第1左翼部11の上縁と、第2の鉛直板3の第2左翼部14の上縁とで支持されている。水ボトル30の首部31は、第1の鉛直板2の第1左翼部11と、第2の鉛直板3の第2左翼部14とで挟まれる角度領域を斜め下向きに延びるように配置されている。
【0052】
図12、
図13に、この水ボトルスタンド1を収納した水ボトルスタンド付きウォーターサーバーを示す。このウォーターサーバーは、筐体40と、筐体40の内部に配置される冷水タンク41(
図13参照)と、冷水タンク41内の低温の飲料水を筐体40の外部に注出する冷水注出口42(
図12参照)と、筐体40の内部に配置される温水タンク43(
図13参照)と、温水タンク43内の高温の飲料水を筐体40の外部に注出する温水注出口44とを有する。
【0053】
図13に示すように、筐体40は、左右に対向する一対の側板45と、一対の側板45の上端に固定された天板46と、一対の側板45の下端に固定された底板47と、一対の側板45の前端同士を連結する前面パネル48と、一対の側板45の後端同士を連結する背面板49とを有する。
【0054】
筐体40の内部には、交換式の水ボトル30を収容するボトル収容空間50が形成されている。また、筐体40の内部には、水ボトル30を載置するボトル受け51が設けられている。ボトル受け51は、底板47に設けたスライダ52で前後方向(図では左右方向)に移動可能に支持されている。筐体40の前面下部には、水ボトル30をボトル収容空間50から出し入れすることができるように筐体40の前面を開閉する前面扉53が設けられている。
【0055】
筐体40の内部には、ボトル受け51に載置した水ボトル30から冷水タンク41および温水タンク43に水を汲み上げるポンプ54が組み込まれている。水ボトル30と冷水タンク41の間は、ポンプ54を介して原水汲み上げ管(図示せず)で接続されている。
【0056】
冷水タンク41には、冷水タンク41内の飲料水を冷却する冷却装置55が取り付けられている。冷水タンク41内の飲料水は、冷却装置55によって所定の低温(例えば10℃以下)に保たれる。冷却装置55は、コンプレッサ56と熱交換器57と膨張弁58と冷却管59とを有する。コンプレッサ56と熱交換器57と膨張弁58と冷却管59は、順に冷媒が通過して循環するように冷媒用の配管で接続されている。
【0057】
コンプレッサ56は、内天井板60の上面に固定されている。内天井板60は、ボトル収容空間50の天井を構成する板である。内天井板60は、強磁性の金属(鉄)で形成され、筐体40の内部に水平に固定されている。内天井板60の下面には、水ボトルスタンド1がマグネット27の磁力で吸着保持されている。
【0058】
コンプレッサ56は、冷却管59から冷媒を吸引し、その冷媒を圧縮して冷媒の温度を上昇させ、高温高圧となった冷媒を熱交換器57の側に吐出する。熱交換器57は、コンプレッサ56から吐出された冷媒が流れる管路を筐体40の背面に沿って蛇行して配置した網板状の部材であり、コンプレッサ56から吐出された高温の冷媒と外気との間で熱交換を行なうことで冷媒を冷却し、凝縮させる。膨張弁58は、熱交換器57を通過した冷媒を受け入れ、その冷媒を減圧して温度を低下させる。冷却管59は、膨張弁58で低温低圧になった冷媒を受け入れ、その冷媒と冷水タンク41の間で熱交換を行なう。冷却管59は、冷水タンク41の外周に螺旋状に巻き付けられている。冷却管59は、冷水タンク41の内部を通るように冷水タンク41の壁面を貫通して設けてもよい。
【0059】
温水タンク43には、温水タンク43内の飲料水を加熱する加熱装置61が取り付けられている。温水タンク43内の飲料水は、加熱装置61によって所定の高温(例えば80℃以上)に保たれる。
【0060】
冷水注出口42(
図12参照)と冷水タンク41は、冷水注出管(図示せず)を介して接続されており、冷水注出口42を開放することで、冷水タンク41内の低温の飲料水が、冷水注出管を通って冷水注出口42から注出されるようになっている。温水注出口44と温水タンク43は、温水注出管62を介して接続されており、温水注出口44を開放することで、温水タンク43内の高温の飲料水が、温水注出管62を通って温水注出口44から注出されるようになっている。
【0061】
このウォーターサーバーのユーザーは、ウォーターサーバーにセットして使用中の水ボトル30とは別に、満水状態の予備の水ボトル30を常時ストックしておくことで、大地震などの災害時に水道水の供給が停止した場合であっても、予備の水ボトル30の水を利用し、飲料水を確保することが可能である。
【0062】
すなわち、大地震などの災害時に水道水の供給が停止した場合、ウォーターサーバーのユーザーは、
図13に示す前面扉53を開き、内天井板60の下面にマグネット27で吸着保持された水ボトルスタンド1を筐体40の内部から取り出し、その水ボトルスタンド1の第1の鉛直板2と第2の鉛直板3を、
図2に示す折り畳み位置から
図9に示す展開位置に回動させ、水平面(床面、机上面など)に載置する。そして、
図11に示すように、水ボトル30の首部31を斜め下向きにした状態で、第1の鉛直板2と第2の鉛直板3の上縁のボトル嵌合凹部6,8に水ボトル30の胴部32と肩部33とを載せる。そして、首部31の先端のキャップ34に蛇口35を取り付け、その蛇口35を開くことで、水ボトル30からコップ等の容器に水を注出することが可能である。
【0063】
また、この水ボトルスタンド1を使用すると、災害時だけでなく、キャンプやバーベキューなどのアウトドアにおいても、ウォーターサーバー用の水ボトル30の水を注出して利用することが可能である。
【0064】
この水ボトルスタンド1は、
図9に示すように、第1の鉛直板2と第2の鉛直板3を所定の交差角度をもって広がった展開位置に回動させ、
図11に示すように、第1の鉛直板2の上縁と第2の鉛直板3の上縁に形成されたボトル嵌合凹部6,8で水ボトル30を受け支えることが可能である。このとき、水ボトル30の重量は、水平面に立った状態の第1の鉛直板2および第2の鉛直板3で支持されるので、構造上、水ボトル30の重量に対する剛性を確保しやすい。そのため、この水ボトルスタンド1は、小型化するのが容易であり、第1の鉛直板2と第2の鉛直板3を互いに重なり合う折り畳み位置に回動させることで、コンパクトに収納することが可能である。
【0065】
また、この水ボトルスタンド1は、
図10に示す軸方向凸部23と軸方向凹部24の嵌合により、第1の鉛直板2と第2の鉛直板3の展開位置(
図9に示す位置)から折り畳み位置(
図2に示す位置)に向かう相対回動を阻止することができるので、残水量の減少に伴って収縮するように柔軟性をもたせて形成された水ボトル30を、安定して支持することが可能である。
【0066】
すなわち、
図9に示すように、第1の鉛直板2と第2の鉛直板3を所定の交差角度をもって広がった展開位置に回動させ、
図11に示すように、その第1の鉛直板2の上縁と第2の鉛直板3の上縁とで水ボトル30を支持すると、水ボトル30の残水量が減少して水ボトル30が収縮変形したときに、水ボトル30の収縮変形に伴って第1の鉛直板2と第2の鉛直板3とが相対回動し、第1の鉛直板2と第2の鉛直板3の交差角度が変化するおそれがある。そして、第1の鉛直板2と第2の鉛直板3の交差角度が変化すると、第1の鉛直板2と第2の鉛直板3による水ボトル30の支持が不安定になり、最悪の場合、水ボトル30が第1の鉛直板2および第2の鉛直板3の上縁から落下するおそれがある。この問題に対し、上記実施形態では、第1の鉛直板2と第2の鉛直板3の展開位置から折り畳み位置に向かう相対回動を阻止することが可能な展開位置ロック機構(
図10に示す軸方向凸部23および軸方向凹部24)を設けているので、
図11に示す水ボトル30の残水量が減少して水ボトル30が収縮変形したときにも、水ボトル30の収縮変形に伴って第1の鉛直板2と第2の鉛直板3とが相対回動するのを防止することができ、第1の鉛直板2と第2の鉛直板3の交差角度が保持される。そのため、安定して水ボトル30を支持することが可能である。
【0067】
また、この水ボトルスタンド1は、
図10に示す軸方向凸部23と軸方向凹部24の嵌合により、第1の鉛直板2と第2の鉛直板3の折り畳み位置(
図2に示す位置)から展開位置(
図9に示す位置)に向かう相対回動を阻止することができるので、
図2に示すように水ボトルスタンド1を折り畳んで収納するときに、第1の鉛直板2と第2の鉛直板3が自重で展開するのを防止することができ、収納の作業性に優れる。
【0068】
また、この水ボトルスタンド1は、
図1、
図2に示す第1の鉛直板2と第2の鉛直板3が樹脂で形成され、第1の鉛直板2と第2の鉛直板3にそれぞれマグネット27が取り付けられているので、水ボトルスタンド1の不使用時に、ウォーターサーバーの金属面に水ボトルスタンド1を貼り付けることができ、保管が便利である。
【0069】
また、
図12、
図13に示すウォーターサーバーは、ボトルスタンドの不使用時に、水ボトルスタンド1をウォーターサーバーの筐体40の内部のボトル収容空間50の内天井板60の下面に貼り付けて保管することができる。ここで、ボトル収容空間50の内天井板60の下面に沿った空間はデッドスペースであり、そのデッドスペースを利用して水ボトルスタンド1を収容するので、省スペースである。しかも、コンプレッサ56を固定するための金属製の内天井板60を、マグネット27の吸着用として利用しているので、マグネット27が吸着するための専用の金属板を設ける必要がなく、効率的である。
【符号の説明】
【0070】
1 水ボトルスタンド
2 第1の鉛直板
3 第2の鉛直板
4 回動連結部
6,8 ボトル嵌合凹部
23 軸方向凸部
24 軸方向凹部
27 マグネット
30 水ボトル
31 首部
32 胴部
33 肩部
34 キャップ
40 筐体
41 冷水タンク
50 ボトル収容空間
53 前面扉
55 冷却装置
56 コンプレッサ
57 熱交換器
58 膨張弁
59 冷却管
60 内天井板