(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023167742
(43)【公開日】2023-11-24
(54)【発明の名称】コミュニティ支援装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/00 20120101AFI20231116BHJP
【FI】
G06Q50/00 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022079158
(22)【出願日】2022-05-13
(71)【出願人】
【識別番号】519327375
【氏名又は名称】株式会社テイラーワークス
(74)【代理人】
【識別番号】100185270
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 貴史
(74)【代理人】
【識別番号】100225347
【弁理士】
【氏名又は名称】鬼澤 正徳
(72)【発明者】
【氏名】山本 浩之
(72)【発明者】
【氏名】難波 弘匡
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC00
(57)【要約】
【課題】地域コミュニティ等のコミュニティの構成員が所属コミュニティの課題の解決と他のコミュニティの課題解決とに寄与することを支援可能な手段を提供すること。
【解決手段】本発明のコミュニティ支援装置1は、複数のコミュニティそれぞれの構成員に構成員が所属する所属コミュニティの課題を提示可能な課題提示部113と、課題の解決に関する構成員からの提案を所属コミュニティの他の構成員に提供可能な提案提供部114と、複数のコミュニティについて、課題と提案との対応を機械学習可能な第1機械学習部115と、を備え、提案提供部114は、対応の機械学習に基づく機械生成提案を提供可能である。本発明のコミュニティ支援装置1は、複数のコミュニティのいずれかに所属する相談者との対話を介して所属コミュニティの課題を提示可能なチャットボット部112をさらに備えることが好ましい。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のコミュニティそれぞれの構成員に前記構成員が所属する所属コミュニティの課題を提示可能な課題提示部と、
前記課題の解決に関する前記構成員からの提案を前記所属コミュニティの他の構成員に提供可能な提案提供部と、
前記複数のコミュニティについて、前記課題と前記提案との対応を機械学習可能な第1機械学習部と、
を備え、
前記提案提供部は、前記対応の機械学習に基づく機械生成提案を提供可能である、
コミュニティ支援装置。
【請求項2】
前記複数のコミュニティは、地域に基づいて参加した構成員を有する地域コミュニティを含む、請求項1に記載のコミュニティ支援装置。
【請求項3】
前記複数のコミュニティは、関心の対象に基づいて参加した構成員を有するテーマ別コミュニティを含む、請求項1又は2に記載のコミュニティ支援装置。
【請求項4】
前記複数のコミュニティは、他の構成員の紹介によって参加した構成員を有する紹介制コミュニティを含む、請求項1から3のいずれか1項に記載のコミュニティ支援装置。
【請求項5】
前記複数のコミュニティのいずれかに所属する相談者との対話を介して前記課題を提示可能なチャットボット部をさらに備える、請求項1から4のいずれか1項に記載のコミュニティ支援装置。
【請求項6】
前記複数のコミュニティの利用状況を機械学習可能な第2機械学習部と、
前記利用状況の機械学習に基づいて前記コミュニティを管理可能なコミュニティ管理部と、
をさらに備える、請求項1から5のいずれか1項に記載のコミュニティ支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コミュニティ支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
地域の産業課題等によって例示される地域社会の各種課題について、その解決を支援する要望がある。
【0003】
地域社会の各種課題として、例えば、人口の減少及び高齢化が挙げられる。また、上述の課題に関連する地域社会の各種課題として、労働力の低下、地域企業の活動停滞、及び魅力的な働き場所の減少等の企業活動の停滞に関する課題、若者の流出、少子高齢化の加速、及び若者に対しての教育機会の提供者の不足等の人材の流出に関する課題、リカレント教育の不足、キャリアアップ・スキルアップ機会の不足、及び多様な働き方を求める人材が活躍できる場所の減少等の働き方の多様性低下に関する課題、並びに、移住者が定着しないこと、後継者の不足、及び地域経済の持続可能性のさらなる減少等の経済の持続可能性の低下に関する課題、等が挙げられる。また、地域社会の各種課題は、企業等がSDGsに対応することに関する課題を含み得る。
【0004】
これら各種課題の解決を支援することにより、地域社会の課題解決を通じて地域経済の持続可能性を高め得る。
【0005】
地域社会の課題の解決を支援することに関し、特許文献1は、相談者から寄せられた、地域の各種問題に関する相談によって例示される相談内容を記憶する相談内容データベースと、相談内容データベースに記憶された相談内容の閲覧要求を送信してきた相談内容閲覧端末に相談内容を送信する相談内容送信部と、相談内容閲覧端末から、相談内容に対する解決案及び解決案の提示者を示す情報を受信する解決案受信部と、受信した解決案を、解決案の提示者を示す情報と対応付けて相談内容毎に記憶する解決案データベースと、解決案の提示者が有する相談内容閲覧端末に、解決案の提示者に与えられる報酬の内容を示す情報を送信する報酬内容送信部と、解決案データベースに記憶された解決案の閲覧要求を送信してきた解決案閲覧端末に解決案を送信する、解決案送信部と、相談内容閲覧端末に送信される報酬の内容を示す情報を、解決案閲覧端末から受信する、報酬内容受信部と、を備えることを特徴とする情報処理装置を開示している。
【0006】
特許文献1に記載の技術によると、寄せられた相談内容を元に、効果的に課題解決のためのアイデアの創出を支援し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、地域社会の課題は、当該地域の事情に基づく地域固有の課題だけでなく、地域固有でない課題をも含み得る。これらの課題のうち、地域固有でない課題への対処においては、地域コミュニティの構成員が有する知見と地域コミュニティの構成員以外の者が有する知見とを共に用いることにより、課題をよりいっそう確実及び/又は効果的に解決し得る。
【0009】
しかしながら、地域コミュニティの構成員にとって当該地域の事情が自然なものであることから、地域コミュニティの構成員が地域の事情と当該地域に限定されない事情とを区別することは、容易ではない。したがって、地域コミュニティの構成員は、地域コミュニティ固有の課題と地域コミュニティ固有でない課題とを区別することに困難を覚え得る。
【0010】
一方、地域コミュニティ固有の課題と地域コミュニティ固有でない課題とが十分に区別されずに提示された場合、地域コミュニティの構成員等は、当該構成員が解決に寄与しづらい他の地域コミュニティ固有の課題もが提示されてしまうことによって、当該構成員が解決に寄与可能な課題を発見するために多大な労力を費やし得る。
【0011】
特許文献1に記載の技術は、寄せられた相談内容を元に、効果的に課題解決のためのアイデアの創出を支援し得るにとどまり、複数の地域コミュニティそれぞれの構成員が所属する地域コミュニティ固有の課題と地域コミュニティ固有でない課題とを区別することなく、他の地域コミュニティの課題解決に寄与することを支援する点において、さらなる改良の余地がある。
【0012】
本発明は、上述のような従来技術の問題点を解決すべくなされたものであり、地域コミュニティ等のコミュニティの構成員が所属コミュニティの課題の解決と他のコミュニティの課題解決とに寄与することを支援可能な手段の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、地域コミュニティ等のコミュニティの課題を当該コミュニティの構成員に提示し、当該構成員からの解決に関する提案を提供し、複数のコミュニティについて課題と提案との対応を解析し、この解析に基づく機械生成提案を提供することによって上述の課題を解決可能であることを見出し、本発明を完成させるに至った。具体的に、本発明は以下のものを提供する。
【0014】
第1の特徴に係る発明は、複数のコミュニティそれぞれの構成員に前記構成員が所属する所属コミュニティの課題を提示可能な課題提示部と、前記課題の解決に関する前記構成員からの提案を前記所属コミュニティの他の構成員に提供可能な提案提供部と、前記複数のコミュニティについて、前記課題と前記提案との対応を機械学習可能な第1機械学習部と、を備え、前記提案提供部は、前記対応の機械学習に基づく機械生成提案を提供可能である、コミュニティ支援装置を提供する。
【0015】
複数のコミュニティがある場合、コミュニティの構成員は、構成員が所属する所属コミュニティの課題の解決に関する提案及び/又はコミュニティ固有でない他のコミュニティの課題解決に関する提案を行い得る一方、他のコミュニティ固有の課題の解決に関する提案を行うことに困難を覚え得る。また、課題の数が増えるにつれて場合、構成員は、それらの課題から解決に関する提案が可能な課題を見つけ出すことにより多くの労力を費やし得る。
【0016】
したがって、複数のコミュニティがある場合において、所属コミュニティの課題等と他のコミュニティ固有の課題とが区別されず提示された場合、構成員は、これらの課題から解決に関する提案が可能な課題を見つけ出すことにより多くの労力を費やし得る。
【0017】
第1の特徴に係る発明によれば、所属コミュニティの課題と他のコミュニティ固有の課題とが区別されず提示されることを防ぎ得る。よって、第1の特徴に係る発明によれば、複数のコミュニティそれぞれの構成員は、解決に関する提案が可能な課題を見つけ出すことにより多くの労力を費やすことなく、所属コミュニティの課題の解決に関する提案を行い得る。
【0018】
また、第1の特徴に係る発明によれば、複数のコミュニティについて課題と提案との対応を機械学習し、この機械学習に基づく機械生成提案を提供できる。すなわち、第1の特徴に係る発明によれば、複数のコミュニティそれぞれの課題について、他のコミュニティにおける同様の課題と提案との対応を含めた機械学習に基づく機械生成提案を提供し得る。
【0019】
よって、第1の特徴に係る発明によれば、コミュニティの構成員は、他のコミュニティの課題を解決することに関する提案を行う労力を費やすことなく、他のコミュニティにおける課題の解決に関する知見を提供し得る。
【0020】
したがって、第1の特徴に係る発明によれば、地域コミュニティ等のコミュニティの構成員が所属コミュニティの課題の解決と他のコミュニティの課題解決とに寄与することを支援可能な手段を提供できる。
【0021】
第2の特徴に係る発明は、第1の特徴に係る発明であって、前記複数のコミュニティは、地域に基づいて参加した構成員を有する地域コミュニティを含む、コミュニティ支援装置を提供する。
【0022】
地域に基づいて地域コミュニティに参加した構成員は、地域コミュニティの課題に関する知見を、他の地域の者より豊富に有し得る。これにより、地域コミュニティに参加した構成員は、地域コミュニティの課題の解決に関するよりいっそう優れた提案を行い得る。
【0023】
よって、第2の特徴に係る発明によれば、地域コミュニティの課題の解決に関する、地域に基づいて地域コミュニティに参加した構成員からのよりいっそう優れた提案を当該地域コミュニティの他の構成員に提供し得る。
【0024】
したがって、第2の特徴に係る発明によれば、地域コミュニティ等のコミュニティの構成員が所属コミュニティの課題の解決と他のコミュニティの課題解決とに寄与することを支援可能な手段を提供できる。
【0025】
第3の特徴に係る発明は、第1又は第2の特徴に係る発明であって、前記複数のコミュニティは、関心の対象に基づいて参加した構成員を有するテーマ別コミュニティを含む、コミュニティ支援装置を提供する。
【0026】
関心の対象に基づいてテーマ別コミュニティに参加した構成員は、当該対象に関する知見を、他の地域の者より豊富に有し得る。これにより、テーマ別コミュニティに参加した構成員は、テーマ別コミュニティの課題の解決に関するよりいっそう優れた提案を行い得る。
【0027】
よって、第3の特徴に係る発明によれば、テーマ別コミュニティの課題の解決に関する、関心の対象に基づいてテーマ別コミュニティに参加した構成員からのよりいっそう優れた提案を当該テーマ別コミュニティの他の構成員に提供し得る。
【0028】
したがって、第3の特徴に係る発明によれば、地域コミュニティ等のコミュニティの構成員が所属コミュニティの課題の解決と他のコミュニティの課題解決とに寄与することを支援可能な手段を提供できる。
【0029】
第4の特徴に係る発明は、第1の特徴から第3の特徴のいずれかに係る発明であって、前記複数のコミュニティは、他の構成員の紹介によって参加した構成員を有する紹介制コミュニティを含む、コミュニティ支援装置を提供する。
【0030】
コミュニティの課題を解決することに関し、当該コミュニティに所属する構成員が紹介した構成員は、紹介を受けずに参加した構成員より、当該コミュニティに対するよりいっそう強い関心及び/又は知見を有し得る。これにより、他の構成員の紹介を受けて参加した構成員は、所属コミュニティの課題の解決に関するよりいっそう優れた提案を行い得る。
【0031】
よって、第4の特徴に係る発明によれば、他の構成員の紹介によって参加した構成員からのよりいっそう優れた提案を紹介制コミュニティの他の構成員に提供し得る。
【0032】
したがって、第4の特徴に係る発明によれば、地域コミュニティ等のコミュニティの構成員が所属コミュニティの課題の解決と他のコミュニティの課題解決とに寄与することを支援可能な手段を提供できる。
【0033】
第5の特徴に係る発明は、第1の特徴から第4の特徴のいずれかに係る発明であって、前記複数のコミュニティのいずれかに所属する相談者との対話を介して前記課題を提示可能なチャットボット部をさらに備える、コミュニティ支援装置を提供する。
【0034】
地域コミュニティ等によって例示されるコミュニティの課題は、顕在化している課題に加え、顕在化していない課題をも含む。顕在化していない課題は、課題を発見した者が当該課題を言語化することに困難があったために言語によって伝えられず、顕在化していない課題を含み得る。
【0035】
第5の特徴に係る発明によれば、相談者が当該課題を言語化することに困難がある場合であっても、チャットボット部を用いた対話を介して当該課題を提示できる。これにより、第5の特徴に係る発明によれば、相談者が当該課題を言語化することに困難があったために顕在化していない課題の解決を支援し得る。
【0036】
したがって、第5の特徴に係る発明によれば、地域コミュニティ等のコミュニティの構成員が所属コミュニティの課題の解決と他のコミュニティの課題解決とに寄与することを支援可能な手段を提供できる。
【0037】
第6の特徴に係る発明は、第1の特徴から第5の特徴のいずれかに係る発明であって、前記複数のコミュニティの利用状況を機械学習可能な第2機械学習部と、前記利用状況の機械学習に基づいて前記コミュニティを管理可能なコミュニティ管理部と、をさらに備える、コミュニティ支援装置を提供する。
【0038】
コミュニティの課題をよりいっそう解決するために、コミュニティの課題及び/又は課題の解決に関する提案が活発に行われるようコミュニティを管理する要望がある。しかしながら、コミュニティの管理者において、コミュニティの利用状況を逐一把握し、コミュニティの課題及び/又は課題の解決に関する提案が活発に行われるようコミュニティを管理することは、多大な労力を必要とし得る。
【0039】
第6の特徴に係る発明によれば、複数コミュニティの利用状況の機械学習に基づいてコミュニティを管理できる。よって、第6の特徴に係る発明によれば、コミュニティの利用状況を把握し、コミュニティの課題及び/又は課題の解決に関する提案が活発に行われるようコミュニティを管理することに関するコミュニティ管理者の労力を低減し得る。
【0040】
したがって、第6の特徴に係る発明によれば、地域コミュニティ等のコミュニティの構成員が所属コミュニティの課題の解決と他のコミュニティの課題解決とに寄与することを支援可能な手段を提供できる。
【発明の効果】
【0041】
本発明によれば、地域コミュニティ等のコミュニティの構成員が所属コミュニティの課題の解決と他のコミュニティの課題解決とに寄与することを支援可能な手段を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【
図1】
図1は、実施形態のコミュニティ支援システムSのハードウェア構成及びソフトウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、コミュニティリスト122の一例である。
【
図5】
図5は、コミュニティ支援装置1で実行されるコミュニティ支援処理の好ましい流れの一例を示すメインフローチャートである。
【
図6】
図6は、
図5のステップS1で実行されるコミュニティ管理処理の好ましい流れの一例を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、端末2におけるチャットボットの表示例である。
【
図8】
図8は、端末2における課題、提案、及び機械生成提案の表示例である。
【
図9】
図9は、端末2におけるコミュニティ利用状況の表示例である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
<コミュニティ支援システムS>
図1は、実施形態のコミュニティ支援システムSのハードウェア構成及びソフトウェア構成を示すブロック図である。以下、
図1を用いて、本実施形態のコミュニティ支援システムSの好適なハードウェア構成及びソフトウェア構成の一例を説明する。
【0044】
コミュニティ支援システムSは、コミュニティ支援装置1と、コミュニティ支援装置1とネットワークNを介して通信可能な1以上の端末2とを含んで構成される。
【0045】
〔コミュニティ支援装置1〕
コミュニティ支援装置1は、制御部11と、記憶部12と、通信部13と、を備える。コミュニティ支援装置1は、特に限定されず、例えば、各種のサーバ装置、互いに通信可能な複数のコンピュータを用いて構成されたクラウドサーバ等でよい。
【0046】
[制御部11]
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、及びROM(Read Only Memory)等を備える。
【0047】
制御部11は、必要に応じて記憶部12及び/又は通信部13等と協働し、コミュニティ支援装置1のソフトウェア構成要素である、コミュニティ管理部111、チャットボット部112、課題提示部113、提案提供部114、第1機械学習部115、第2機械学習部116、等を実現可能である。
【0048】
[記憶部12]
記憶部12は、データ及び/又はファイルが記憶される装置であって、ハードディスク、半導体メモリ、記録媒体、及びメモリカード等によるデータのストレージ部を有する。
【0049】
記憶部12は、ネットワークNを介してNAS(Network Attached Storage)、SAN(Storage Area Network)、クラウドストレージ、ファイルサーバ及び/又は分散ファイルシステム等の記憶装置又は記憶システムとの接続を可能にする仕組みを有してもよい。
【0050】
記憶部12には、マイクロコンピューターで実行される制御プログラム、構成員リスト121、コミュニティリスト122、対応リスト123、チャットボットシナリオ、第1機械学習部115に関する第1機械学習、第2機械学習部116に関する第2機械学習、等が記憶されている。
【0051】
(構成員リスト121)
構成員リスト121は、複数のコミュニティそれぞれの構成員(「参加者」とも称する。)に関する情報(「構成員情報」とも称する。)を格納する。構成員情報は、特に限定されず、例えば、構成員の名前、構成員が所属する地域、構成員が所属する組織、構成員の関心の対象、構成員の信用情報、構成員の認証情報、構成員が所属するコミュニティ、構成員が提供した課題、構成員が提供した提案、等によって例示される構成員に関する各種情報の1以上を含む。
【0052】
構成員情報は、構成員の名前を含むことが好ましい。これにより、コミュニティ支援装置1は、構成員の名前を提供できる。したがって、他の構成員及び/又は管理者は、名前を用いて構成員を識別できる。
【0053】
構成員情報は、構成員が所属する地域を含むことが好ましい。これにより、コミュニティ支援装置1は、構成員が所属する地域に基づいてコミュニティに参加可能か否かを判別できる。また、コミュニティ支援装置1は、他の構成員に構成員が所属する地域を示すことができる。
【0054】
構成員情報は、構成員の関心の対象を含むことが好ましい。これにより、コミュニティ支援装置1は、構成員の関心の対象に基づいてコミュニティに参加可能か否かを判別できる。また、コミュニティ支援装置1は、他の構成員に構成員の関心の対象を示すことができる。
【0055】
構成員情報は、構成員の信用情報を含むことが好ましい。これにより、コミュニティ支援装置1は、構成員の信用情報に基づいてコミュニティに参加可能か否かを判別できる。また、コミュニティ支援装置1は、他の構成員に構成員の信用情報を示すことができる。
【0056】
信用情報は、特に限定されず、例えば、構成員の紹介者、構成員に関する信用調査の結果、構成員がコミュニティ支援装置1を運営する運営者と交わしている契約の情報、構成員がコミュニティ支援装置1を介して行った各種活動の履歴、等によって例示される構成員に関する各種信用情報の1以上を含む。
【0057】
信用情報は、構成員の紹介者を含むことが好ましい。信用情報が構成員の紹介者を含むことにより、コミュニティ支援装置1は、紹介者に基づいてコミュニティに参加可能か否かを判別できる。紹介によって参加した構成員は、その紹介者と類似する関心の対象及び/又は知見を持ち得る。したがって、構成員の紹介者を用いて紹介者と同じコミュニティに参加可能か否かを判別した場合、コミュニティ支援装置1は、コミュニティの関心の対象及び/又は必要とされる知見をよりいっそう有する構成員を参加させることを見込み得る。
【0058】
信用情報は、構成員が運営者と交わしている契約の情報(例えば、有料で利用する契約を交わしていない無料アカウントであるとの情報、有料で利用する契約を交わしたビジネスアカウントであるとの情報、有料で法人利用を行う契約を交わしたコーポレートアカウントであるとの情報、等。)を含むことが好ましい。信用情報が契約を含むことにより、コミュニティ支援装置1は、契約の情報に基づいてコミュニティに参加可能か否かを判別できる。運営者と契約を締結する構成員は、課題及び/又は提案の提供によって例示されるコミュニティ活動をよりいっそう活発に行うことが期待される。したがって、契約の情報を用いてコミュニティに参加可能か否かを判別した場合、コミュニティ支援装置1は、コミュニティ活動をより活発に行う構成員を参加させることを見込み得る。特に、運営者と有料の契約を締結する構成員(「有料会員」とも称する。)について、この効果がよりいっそう見込まれ得る。
【0059】
信用情報は、構成員がコミュニティ支援装置1を介して行った各種活動の履歴を含むことが好ましい。これにより、コミュニティ支援装置1は、コミュニティに参加可能か判別する対象となる構成員が、紹介者に基づく信用情報、契約に基づく信用情報、等を有しない構成員であっても、各種活動の履歴に基づいて参加可能か判別できる。また、コミュニティ支援装置1が他の構成員にこのような信用情報を提供することにより、他の構成員は、各種活動の履歴を含む信用情報に基づいて当該構成員と課題の解決に関する交流等を行うか判断し得る。
【0060】
信用情報は、ブロックチェーンによって制御可能であることが好ましい。これにより、信用情報の改ざん等が防がれ得る。したがって、コミュニティ支援装置1は、コミュニティに参加可能かの判別を、改ざん等によって影響されることなく行い得る。また、コミュニティ支援装置1から信用情報を提供された他の構成員は、当該信用情報が改ざん等されていないことをブロックチェーンによって判別し得る。これにより、他の構成員は、信用情報が改ざん等されているリスクを懸念することなく、信用情報に基づいて当該構成員と課題の解決に関する交流等を行うか判断し得る。
【0061】
したがって、信用情報がブロックチェーンによって制御可能であることにより、構成員間の交流が促進され得る。これにより、コミュニティ支援装置1は、構成員間の人間関係(「ソーシャルキャピタル」「人的資本」等とも称する。)をデジタル化し、その醸成を支援し得る。
【0062】
構成員情報は、構成員が所属するコミュニティを含むことが好ましい。これにより、コミュニティ支援装置1は、構成員が所属するコミュニティに応じて、課題及び/又は提案を提供できる。また、コミュニティ支援装置1は、他の構成員に構成員が所属するコミュニティを示すことができる。
【0063】
構成員が所属可能なコミュニティの数は、特に限定されない。構成員は、複数のコミュニティに所属可能であることが好ましい。これにより、構成員は、地域、関心の対象等に基づいて複数のコミュニティに所属し、複数のコミュニティそれぞれにおいて課題を提示し得る。また、構成員は、複数のコミュニティそれぞれにおいて、課題の解決に関する提案を提供され得る。
【0064】
構成員情報は、構成員が提供した課題を含むことが好ましい。これにより、コミュニティ支援装置1及び/又は管理者は、構成員が提供した課題を用いて構成員を評価し、コミュニティの管理等に利用できる。
【0065】
構成員情報は、構成員が提供した提案を含むことが好ましい。これにより、コミュニティ支援装置1及び/又は管理者は、構成員が提供した課題を用いて構成員を評価し、コミュニティの管理等に利用できる。
【0066】
構成員情報は、構成員を識別可能な構成員IDと関連付けられて格納されることが好ましい。これにより、コミュニティ支援装置1は、構成員IDを用いて構成員情報等を格納及び取得できる。
【0067】
図2は、構成員リスト121の一例である。
図2に示す構成員リスト121は、構成員ID「M0001」と関連付けられた以下の情報を含む構成員情報を有する:
構成員の「名前」が「田中花子」であること、
構成員が所属する「地域」が「伊東市」であること、
構成員の「関心の対象」が「地域創生」を含むこと、
構成員が運営者と有償会員に相当する「ビジネスアカウント」契約を締結していること、
構成員がコミュニティ「伊東市創業」「ダイバー連絡会議」に所属していること、
構成員が「水中ゴミ拾い」に関する課題を提供したこと、
構成員が「新たな土産物」に関する提案を提供したこと。
【0068】
図2に示す構成員リスト121が構成員ID「M0001」と関連付けられた上述の構成員情報を有することにより、コミュニティ支援装置1は、上述の情報を他の構成員及び/又はコミュニティの管理者等に提供し得る。また、コミュニティ支援装置1は、上述の情報を用いてコミュニティを管理し得る。さらに、コミュニティ支援装置1は、上述の情報を用いてコミュニティの管理等を機械学習し得る。
【0069】
(コミュニティリスト122)
コミュニティリスト122は、複数のコミュニティ(コミュニティそれぞれを「グループ」とも称する。)それぞれに関する情報(「コミュニティ情報」とも称する。)を格納する。コミュニティ情報は、特に限定されず、例えば、コミュニティの名前、コミュニティに関する地域、コミュニティに関する関心の対象、コミュニティの参加条件、コミュニティに所属する構成員、並びに、コミュニティに関する課題及び提案、等によって例示されるコミュニティに関する各種情報の1以上を含む。
【0070】
コミュニティ情報は、コミュニティの管理者を含むことが好ましい。これにより、コミュニティ支援装置1は、コミュニティの管理者を介してコミュニティを管理し得る。
【0071】
コミュニティ情報は、コミュニティに関する地域を含むことが好ましい。これにより、コミュニティ支援装置1は、コミュニティに関する地域をコミュニティ支援装置1の利用者に提供できる。したがって、利用者は、地域に基づいてコミュニティに参加できる。
【0072】
コミュニティ情報は、コミュニティに関する関心の対象を含むことが好ましい。これにより、コミュニティ支援装置1は、コミュニティに関する関心の対象をコミュニティ支援装置1の利用者に提供できる。したがって、利用者は、関心の対象に基づいてコミュニティに参加できる。
【0073】
コミュニティ情報は、コミュニティに関する参加条件を含むことが好ましい。これにより、コミュニティ支援装置1は、参加条件に基づいてコミュニティに参加可能か否かを判別できる。これにより、コミュニティ支援装置1は、参加条件によって選別された構成員を有するよう、コミュニティを管理し得る。
【0074】
参加条件は、特に限定されない。参加条件は、参加希望者であることのみを条件とするオープン参加条件、コミュニティの管理者に許可された参加希望者であることを条件とする承認制参加条件、コミュニティの構成員に招待された参加希望者であることを条件とする招待制参加条件、等を含む。
【0075】
参加条件がオープン参加条件を含むことにより、管理者は、参加希望者を承認する等の労力を費やすことなく、コミュニティの構成員を増やし得るオープン参加条件でコミュニティを管理できる。
【0076】
参加条件が承認制参加条件を含むことにより、管理者は、コミュニティに関する地域、関心の対象、その他の運営ポリシーに基づいて承認された構成員を含むよう、コミュニティを管理し得る。
【0077】
コミュニティの課題を解決することに関し、当該コミュニティに所属する構成員が紹介した構成員は、紹介を受けずに参加した構成員より、当該コミュニティに対するよりいっそう強い関心及び/又は知見を有することが期待される。これにより、他の構成員の紹介を受けて参加した構成員は、所属コミュニティの課題の解決に関するよりいっそう優れた提案を行い得る。
【0078】
参加条件が招待制参加条件を含むことにより、管理者は、他の構成員の紹介を受けて参加した構成員を含むよう、コミュニティを管理し得る。これにより、管理者は、他の構成員の紹介によって参加した構成員からのよりいっそう優れた提案を紹介制コミュニティの他の構成員に提供するようコミュニティを管理し得る。
【0079】
コミュニティ情報は、コミュニティの構成員を含むことが好ましい。これにより、コミュニティ支援装置1は、コミュニティの構成員を用いてコミュニティを管理し得る。
【0080】
コミュニティ情報は、コミュニティに関する課題及び提案を含むことが好ましい。これにより、コミュニティ支援装置1は、コミュニティに関する課題及び提案をコミュニティの構成員に提供できる。また、コミュニティ支援装置1は、コミュニティに関する課題及び提案を用いてコミュニティを管理し得る。
【0081】
コミュニティ情報は、コミュニティを識別可能なコミュニティIDと関連付けられて格納されることが好ましい。これにより、コミュニティ支援装置1は、コミュニティIDを用いてコミュニティ情報等を格納及び取得できる。
【0082】
図3は、コミュニティリスト122の一例である。
図3に示すコミュニティリスト122は、コミュニティID「G0001」と関連付けられた以下の情報を含むコミュニティ情報を有する:
コミュニティの「名前」が「伊東市創業」であること、
コミュニティに関する「地域」が「伊東市」であること、
コミュニティに関する「関心の対象」が「創業」であること、
コミュニティに関する「参加条件」が「承認制」参加条件であること、
コミュニティの「参加者」が「田中花子」等を含むこと、
コミュニティに関し、「新たな土産物について・・・」に関する課題等が提供されていること、
コミュニティに関し、「新たな土産物は・・・」に関する提案等が提供されていること。
【0083】
図3に示すコミュニティリスト122がコミュニティID「G0001」と関連付けられた上述のコミュニティ情報を有することにより、コミュニティ支援装置1は、上述の情報を他の構成員及び/又はコミュニティの管理者等に提供し得る。また、コミュニティ支援装置1は、上述の情報を用いてコミュニティを管理し得る。さらに、コミュニティ支援装置1は、上述の情報を用いてコミュニティの管理等を機械学習し得る。
【0084】
(対応リスト123)
対応リスト123は、コミュニティの課題と当該課題の解決に関する提案とを対応付けた「対応」(「スレッド」とも称する。)を格納する。課題は、コミュニティに関する課題であれば、特に限定されない。提案は、対応する課題の解決に関する提案であれば、特に限定されない。課題それぞれに対応する提案の数は、特に限定されない。
【0085】
コミュニティが地域に基づいて参加した構成員を有する地域コミュニティに属する場合、課題は、当該地域の地域社会に関する課題を含むことが好ましい。これにより、コミュニティ支援装置1は、地域社会に関する課題をコミュニティの構成員に提供し、当該課題の解決に関する提案を募り得る。
【0086】
コミュニティが関心の対象に基づいて参加した構成員を有するテーマ別コミュニティに属する場合、課題は、当該関心の対象に関する課題を含むことが好ましい。これにより、コミュニティ支援装置1は、関心の対象に関する課題をコミュニティの構成員に提供し、当該課題の解決に関する提案を募り得る。
【0087】
課題は、課題を提供した構成員の情報を含むことが好ましい。これにより、コミュニティの構成員は、課題に加えて、課題を提供した構成員の情報をも含めて、課題の解決に関する提案を検討し得る。
【0088】
提案は、提案を提供した構成員の情報を含むことが好ましい。これにより、コミュニティの構成員は、課題に加えて、提案を提供した構成員の情報をも含めて、提供された提案を検討し得る。
【0089】
提案は、当該提案に関する別の課題を含んでもよい。これにより、コミュニティ支援装置1は、課題の解決に関する提案だけでなく、当該提案に付随する別の課題の解決に関する提案をも募り得る。
【0090】
対応は、対応を識別可能な対応IDと関連付けられて格納されることが好ましい。これにより、コミュニティ支援装置1は、対応IDを用いて対応等を格納及び取得できる。
【0091】
図4は、対応リスト123の一例である。
図4に示す対応リスト123は、対応ID「T0001」と関連付けられた以下の情報を含むコミュニティ情報を有する:
コミュニティに関し、「水中ゴミ拾い」に関する「課題」があること、
上記課題の解決に関する「提案」として、「容器の工夫」「クラウドファンディングによる資金集め」等が提供されていること。
【0092】
図4に示す対応リスト123が対応ID「T0001」と関連付けられた上述の対応を有することにより、コミュニティ支援装置1は、上述の課題及び提案を他の構成員及び/又はコミュニティの管理者等に提供し得る。また、コミュニティ支援装置1は、上述の課題及び提案を用いてコミュニティを管理し得る。さらに、コミュニティ支援装置1は、上述の対応を機械学習し得る。
【0093】
(第1機械学習)
第1機械学習は、第1機械学習部115における機械学習に基づいた機械生成提案を生成可能な情報である。第1機械学習は、特に限定されず、決定木、相関ルール、各種のニューラルネットワーク、ベイジアンネットワーク、等の1以上を含む情報でよい。
【0094】
第1機械学習は、課題と提案との対応に関する教師あり学習を予め行った情報であることが好ましい。これにより、コミュニティ支援装置1は、第1機械学習を用いてより適切な機械生成提案を生成できる。
【0095】
(第2機械学習)
第2機械学習は、第2機械学習部116における機械学習に基づいてコミュニティの管理に関する情報を生成可能な情報である。第2機械学習は、特に限定されず、決定木、相関ルール、各種のニューラルネットワーク、ベイジアンネットワーク、等の1以上を含む情報でよい。
【0096】
第2機械学習は、コミュニティの管理に関する教師あり学習を予め行った情報であることが好ましい。これにより、コミュニティ支援装置1は、第2機械学習を用いてより適切にコミュニティを管理できる。
【0097】
[通信部13]
通信部13は、コミュニティ支援装置1をネットワークNに接続して端末2等と通信可能にするものであれば特に限定されず、例えば、携帯電話ネットワークに対応した無線装置、IEEE802.11に準拠したWi-Fi(Wireless Fidelity)対応デバイス、Bluetooth(登録商標)規格等に対応した近距離無線装置、及びイーサネット規格に対応したネットワークカード等が挙げられる。
【0098】
〔端末2〕
端末2は、コミュニティの構成員及び/又はコミュニティの管理者が利用するものであり、ネットワークNを介してコミュニティ支援装置1と通信可能に構成されている。端末2は、特に限定されず、例えば、スマートフォン及びタブレット端末等の携帯端末、パーソナルコンピュータ等の据置型端末等によって例示される各種端末でよい。
【0099】
端末2は、コミュニティ支援装置1にコミュニティの課題及び/又は課題の解決に関する提案をコミュニティ支援装置1に送信可能に構成されている。また、端末2は、コミュニティ支援装置1から受信した、コミュニティの課題の解決に関する提案及び/又は課題の解決に関する機械生成提案を表示可能に構成されている。
【0100】
管理者が利用する端末2は、コミュニティの管理に関する指示をコミュニティ支援装置1に送信可能に構成されている。また、管理者が利用する端末2は、コミュニティ支援装置1から受信したコミュニティの利用状況及び/又はコミュニティの管理に関する情報を表示可能に構成されている。
【0101】
端末2の利用者は、銀行員、地方インフラ企業の経営者・役員・従業員、その他の民間企業の経営者・役員・従業員、地方自治体関係者、コーディネーター、学校等の教育機関関係者、等のコミュニティ構成員の1種類以上を含むことが好ましく、2種類以上を含むことがより好ましく、3種類以上を含むことがさらに好ましい。端末2の利用者がよりいっそう多くの種類のコミュニティ構成員を含むことにより、課題の解決に関するよりいっそう幅広い知見を含む提案が得られ得る。
【0102】
端末2の利用者は、課題の解決に関する提案が可能なコミュニティ及び/又は構成員を紹介可能なコーディネーターを含むことが好ましい。これにより、課題の解決に関する提案がよりいっそう行われ得る。
【0103】
端末2の利用者は、銀行員を含むことが好ましい。これにより、資金に関する課題の解決に関する提案がよりいっそう行われ得る。
【0104】
端末2の利用者は、地方インフラ企業の経営者・役員・従業員を含むことが好ましい。これにより、インフラに関する課題の解決に関する提案がよりいっそう行われ得る。
【0105】
端末2の利用者は、学校等の教育機関関係者を含むことが好ましい。これにより、課題の解決に関し、教育機関関係者が有する幅広い及び/又は専門的な知見を反映した提案がよりいっそう行われ得る。
【0106】
端末2の利用者は、地方自治体関係者を含むことが好ましい。これにより、官民連携に関する課題の解決に関する提案がよりいっそう行われ得る。
【0107】
〔ネットワークN〕
ネットワークNの種類は、コミュニティ支援装置1と端末2とを通信可能にするものであれば特に限定されず、例えば、パーソナルエリアネットワーク、ローカルエリアネットワーク、イントラネット、エクストラネット、インターネット、Wi-Fiネットワーク、携帯電話ネットワーク、あるいはこれらのネットワークを複数組み合わせたネットワーク等が挙げられる。
【0108】
〔コミュニティ支援処理のメインフローチャート〕
図5は、コミュニティ支援装置1で実行されるコミュニティ支援処理の好ましい流れの一例を示すメインフローチャートである。以下、
図5を用いて、コミュニティ支援装置1で実行されるコミュニティ支援処理の好ましい流れの一例を説明する。
【0109】
コミュニティの課題をよりいっそう解決するために、コミュニティの課題及び/又は課題の解決に関する提案が活発に行われるようコミュニティを管理する要望がある。しかしながら、コミュニティの管理者において、コミュニティの利用状況を逐一把握し、コミュニティの課題及び/又は課題の解決に関する提案が活発に行われるようコミュニティを管理することは、多大な労力を必要とし得る。
【0110】
コミュニティ支援装置1は、複数コミュニティの利用状況の機械学習に基づいてコミュニティを管理するコミュニティ管理ステップ(ステップS1)を実行可能であることが好ましい。これにより、コミュニティ支援装置1は、コミュニティの利用状況を把握し、コミュニティの課題及び/又は課題の解決に関する提案が活発に行われるようコミュニティを管理することに関するコミュニティ管理者の労力を低減し得る。
【0111】
[ステップS1:コミュニティ管理処理]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働してコミュニティ管理部111を実行し、複数コミュニティの利用状況の機械学習に基づいてコミュニティを管理するコミュニティ管理処理を行う(ステップS1、コミュニティ管理ステップ)。制御部11は、処理をステップS2に移す。
【0112】
必須の態様ではないが、コミュニティ支援装置1は、複数のコミュニティのいずれかに所属する相談者との対話を介して課題を提示可能なチャットボットステップ(ステップS2からステップS3)を実行可能であることが好ましい。
【0113】
地域コミュニティ等によって例示されるコミュニティの課題は、顕在化している課題に加え、顕在化していない課題をも含む。顕在化していない課題は、課題を発見した者が当該課題を言語化することに困難があったために言語によって伝えられず、顕在化していない課題を含み得る。
【0114】
コミュニティ支援装置1がチャットボットステップを実行可能であることにより、相談者が当該課題を言語化することに困難がある場合であっても、チャットボットを用いた対話を介して当該課題を提示できる。これにより、コミュニティ支援装置1は、相談者が当該課題を言語化することに困難があったために顕在化していない課題の解決を支援し得る。
【0115】
[ステップS2:チャットボットとの対話が求められたか判別]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働してチャットボット部112を実行し、チャットボットとの対話が求められたか判別する処理を行う(ステップS2)。対話が求められたと判別したならば、制御部11は、処理をステップS3に移す。対話が求められたと判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS4に移す。
【0116】
チャットボットとの対話が求められたか判別する処理は、特に限定されない。当該処理は、例えば、相談者が利用する端末2のいずれかからチャットボットとの対話要求を受信した場合にチャットボットとの対話が求められたと判別する処理でよい。
【0117】
チャットボットとの対話が求められたか判別する処理は、相談者がコミュニティ支援装置1の管理対象であるコミュニティのいずれかに所属する構成員であると判別された場合にチャットボットとの対話が求められたと判別する処理を含むことが好ましい。これにより、コミュニティ支援装置1は、チャットボットの利用者を、構成員に限定できる。
【0118】
[ステップS3:チャットボットを介して課題を提示]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働してチャットボット部112を実行し、ステップS2でチャットボットとの対話を求めた相談者とのチャットボットにおける対話を介して課題を提示する処理を行う(ステップS3)。制御部11は、処理をステップS4に移す。
【0119】
チャットボットにおける対話を介して課題を提示する処理は、特に限定されない。当該処理は、例えば、対話内容に応じた課題の提示を含むチャットボットシナリオに基づく対話を介して課題を提示する処理、対話の内容に基づいて対応リスト123を参照し、対話の内容に類似する課題を取得して提示する処理、対話の内容と課題との関連の機械学習に基づいて課題を提示する処理、第1機械学習に基づいて課題を提示する処理、等のいずれか1以上を含む処理でよい。
【0120】
チャットボットにおける対話を介して課題を提示する処理は、課題の提示を含むチャットボットシナリオに基づく対話を介して課題を提示する処理を含むことが好ましい。これにより、運営者は、想定される課題を提示するチャットボットシナリオを構築し、当該チャットボットシナリオを介してコミュニティ支援装置1に課題を提示させることができる。とりわけ、地域固有でない課題等の提供頻度がより高い課題を提示するようチャットボットシナリオが構築されることにより、構築に関するコストに対する課題の提示による効果をより高められる。
【0121】
コミュニティ支援装置1は、複数のコミュニティそれぞれの構成員に構成員が所属する所属コミュニティの課題を提示可能な課題提示ステップ(ステップS4からステップS5)を実行する。
【0122】
複数のコミュニティがある場合、コミュニティの構成員は、構成員が所属する所属コミュニティの課題の解決に関する提案及び/又はコミュニティ固有でない他のコミュニティの課題解決に関する提案を行い得る一方、他のコミュニティ固有の課題の解決に関する提案を行うことに困難を覚え得る。また、課題の数が増えるにつれて、構成員は、それらの課題から解決に関する提案が可能な課題を見つけ出すことにより多くの労力を費やし得る。
【0123】
したがって、複数のコミュニティがある場合において、所属コミュニティの課題等と他のコミュニティ固有の課題とが区別されず提示された場合、構成員は、これらの課題から解決に関する提案が可能な課題を見つけ出すことにより多くの労力を費やし得る。
【0124】
コミュニティ支援装置1が課題提示ステップを実行することにより、コミュニティ支援装置1は、所属コミュニティの課題と他のコミュニティ固有の課題とが区別されず提示されることを防ぎ得る。よって、コミュニティ支援装置1が課題提示ステップを実行することにより、複数のコミュニティそれぞれの構成員は、解決に関する提案が可能な課題を見つけ出すことにより多くの労力を費やすことを避け得る。
【0125】
[ステップS4:構成員から課題を提供されたか判別]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働して課題提示部113を実行し、構成員から課題を提供されたか判別する処理を行う(ステップS5)。課題を提供されたと判別したならば、制御部11は、処理をステップS5に移す。課題を提供されたと判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS6に移す。
【0126】
構成員から課題を提供されたか判別する処理は、特に限定されない。当該処理は、例えば、構成員が利用する端末2のいずれかから課題を受信した場合に構成員から課題を提供されたと判別する処理でよい。
【0127】
構成員から課題を提供されたか判別する処理は、課題が提供された場合に、当該課題を対応リスト123及びコミュニティリスト122に格納する処理を含む。
【0128】
[ステップS5:所属コミュニティの構成員に課題を提示]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働して課題提示部113を実行し、ステップS4で課題を提供した構成員が所属する所属コミュニティの構成員に、ステップS4で提供された課題を提示する処理を行う(ステップS5)。制御部11は、処理をステップS6に移す。
【0129】
所属コミュニティの構成員に課題を提示する処理は、特に限定されず、例えば、当該構成員が端末2を介して当該課題を閲覧可能であるよう当該課題の配信状況を変更する処理、当該構成員が利用する端末2に当該課題を送信する処理、等の1以上を含む処理でよい。
【0130】
所属コミュニティの構成員に課題を提示する処理は、記憶部12に格納された第1機械学習に基づく機械生成提案を所属コミュニティの構成員及び/又は所属コミュニティの管理者に提供可能な処理を含む。
【0131】
機械生成提案を所属コミュニティの構成員に提供することにより、コミュニティ支援装置1は、複数のコミュニティに関する課題と提案との対応の第1機械学習に基づく機械生成提案を提供できる。すなわち、コミュニティ支援装置1は、複数のコミュニティそれぞれの課題について、他のコミュニティにおける同様の課題と提案との対応を含めた第1機械学習に基づく機械生成提案を提供し得る。
【0132】
機械生成提案を所属コミュニティの管理者に提供することにより、管理者は、複数のコミュニティに関する課題と提案との対応の第1機械学習に基づく機械生成提案に基づいてコミュニティを管理できる。すなわち、管理者は、所属コミュニティの課題について、他のコミュニティの課題及び/又は提案を確認するコストを費やすことなく、他のコミュニティにおける同様の課題と提案との対応を含めた第1機械学習に基づく機械生成提案に基づいてコミュニティを管理し得る。
【0133】
課題の解決に関する提案を得るべく課題を提供した課題提供者によって、課題を解決する提案の好ましい内容が変化し得る。課題を解決する提案の好ましい内容は、提案を行う提案者と課題提供者との関係によっても変化し得る。
【0134】
所属コミュニティの構成員に課題を提示する処理は、ステップS4において課題を提供した課題提供者を識別可能な情報を提示する処理を含むことが好ましい。これにより、構成員は、課題提供者を識別可能な情報を用いて、課題の解決に関する提案の提供を検討できる。
【0135】
課題が提供されたタイミングによって、課題を解決する提案の好ましい内容が変化し得る。例えば、漁期がある漁に関する課題等の季節に関する課題であれば、当該課題が提供されたタイミングから当該季節までの期間によって、提案を実行可能な期間が変化することにより、課題を解決する提案の好ましい内容が変化し得る。
【0136】
所属コミュニティの構成員に課題を提示する処理は、ステップS4において課題が提供されたタイミングを提示する処理を含むことが好ましい。これにより、構成員は、課題が提供されたタイミングを用いて、課題の解決に関する提案の提供を検討できる。
【0137】
続いて、コミュニティ支援装置1は、課題の解決に関する構成員からの提案を所属コミュニティの他の構成員に提供可能な提案提供ステップ(ステップS6からステップS7)を実行する。
【0138】
コミュニティ支援装置1が提案提供ステップを実行することにより、複数のコミュニティそれぞれの構成員は、所属コミュニティの課題の解決に関する提案を行い得る。
【0139】
[ステップS6:構成員から提案を提供されたか判別]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働して提案提供部114を実行し、ステップS5で提示された課題の解決に関する提案を構成員から提供されたか判別する処理を行う(ステップS6)。提案を提供されたと判別したならば、制御部11は、処理をステップS7に移す。提案を提供されたと判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS9に移す。
【0140】
構成員から提案を提供されたか判別する処理は、特に限定されない。当該処理は、例えば、構成員が利用する端末2のいずれかから提案を受信した場合に構成員から提案を提供されたと判別する処理でよい。
【0141】
構成員から提案を提供されたか判別する処理は、ステップS5で提示された課題の解決に関する提案が提供された場合に、当該課題と当該提案との対応が対応リスト123に格納されるよう対応リスト123を更新する処理を含む。
【0142】
構成員から提案を提供されたか判別する処理は、ステップS5で提示された課題の解決に関する提案が提供された場合に、当該提案をコミュニティリスト122に格納する処理を含む。
【0143】
[ステップS7:所属コミュニティの構成員に提案を提供]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働して提案提供部114を実行し、ステップS6で提案を提供した構成員が所属する所属コミュニティの構成員に当該提案を提供する処理を行う(ステップS6)。制御部11は、処理をステップS8に移す。
【0144】
所属コミュニティの構成員に提案を提供する処理は、特に限定されず、例えば、当該構成員が端末2を介して当該提案を閲覧可能であるよう当該提案の配信状況を変更する処理、当該構成員が利用する端末2に当該提案を送信する処理、等の1以上を含む処理でよい。
【0145】
提案を提供した提案提供者によって、提案に対する対応等が変化し得る。提案に対する対応等は、提案を行う提案者と提案を提供された構成員との関係によっても変化し得る。
【0146】
所属コミュニティの構成員に提案を提供する処理は、ステップS6において提案を提供した提案提供者を識別可能な情報を提示する処理を含むことが好ましい。これにより、構成員は、提案提供者を識別可能な情報を用いて、提案に対する対応等を検討できる。
【0147】
提案が提供されたタイミングによって、提案に対する対応等が変化し得る。所属コミュニティの構成員に提案を提供する処理は、ステップS6において提案が提供されたタイミングを提示する処理を含むことが好ましい。これにより、構成員は、提案が提供されたタイミングを用いて、提案に対する対応等を検討できる。
【0148】
[ステップS8:課題と提案の対応を機械学習]
制御部11は、記憶部12と協働して第1機械学習部115を実行し、ステップS6において対応リスト123に格納された課題と提案の対応を機械学習する処理を行う(ステップS8、第1機械学習ステップ)。制御部11は、処理をステップS9に移す。
【0149】
課題と提案の対応を機械学習する処理は、記憶部12に格納された第1機械学習を課題と提案の対応の機械学習に基づいて更新する処理を含む。
【0150】
コミュニティ支援装置1が機械学習ステップを実行することにより、コミュニティ支援装置1は、複数のコミュニティについて課題と提案との対応を機械学習し、この機械学習に基づく機械生成提案を提供できる。すなわち、コミュニティ支援装置1は、複数のコミュニティそれぞれの課題について、他のコミュニティにおける同様の課題と提案との対応を含めた第1機械学習に基づく機械生成提案を提供し得る。
【0151】
課題と提案の対応を機械学習する処理は、特に限定されず、例えば、決定木学習、相関ルール学習、誤差逆伝播法等を用いたニューラルネットワークの学習、ベイジアンネットワークに学習を行わせる処理、等の1以上を含む。
【0152】
課題と提案の対応を機械学習する処理は、チャットボットシナリオを機械学習する処理を含むことが好ましい。これにより、チャットボット部112は、課題と提案の対応の機械学習に基づいて課題を提示できる。
【0153】
コミュニティ支援装置1がステップS1のコミュニティ管理処理を実行可能である場合、コミュニティ支援装置1は、第2機械学習ステップ(ステップS9)を実行可能であることが好ましい。
【0154】
コミュニティの課題をよりいっそう解決するために、コミュニティの課題及び/又は課題の解決に関する提案が活発に行われるようコミュニティを管理する要望がある。しかしながら、コミュニティの管理者において、コミュニティの利用状況を逐一把握し、コミュニティの課題及び/又は課題の解決に関する提案が活発に行われるようコミュニティを管理することは、多大な労力を必要とし得る。
【0155】
コミュニティ支援装置1が第2機械学習ステップを実行することにより、複数コミュニティの利用状況の機械学習に基づいてコミュニティを管理できる。よって、コミュニティ支援装置1は、コミュニティの利用状況を把握し、コミュニティの課題及び/又は課題の解決に関する提案が活発に行われるようコミュニティを管理することに関するコミュニティ管理者の労力を低減し得る。
【0156】
[ステップS9:利用状況を機械学習]
制御部11は、記憶部12と協働して第2機械学習部116を実行し、コミュニティリスト122に格納されたコミュニティの利用状況を機械学習する処理を行う(ステップS9、第2機械学習ステップ)。制御部11は、処理をステップS1に移し、ステップS1からステップS9の処理を繰り返す。
【0157】
利用状況を機械学習する処理は、記憶部12に格納された第2機械学習を利用状況の機械学習に基づいて更新する処理を含む。
【0158】
利用状況を機械学習する処理は、特に限定されず、例えば、決定木学習、相関ルール学習、誤差逆伝播法等を用いたニューラルネットワークの学習、ベイジアンネットワークに学習を行わせる処理、等の1以上を含む。
【0159】
[コミュニティ支援処理の効果まとめ]
複数のコミュニティがある場合、コミュニティの構成員は、構成員が所属する所属コミュニティの課題の解決に関する提案及び/又はコミュニティ固有でない他のコミュニティの課題解決に関する提案を行い得る一方、他のコミュニティ固有の課題の解決に関する提案を行うことに困難を覚え得る。また、課題の数が増えるにつれて場合、構成員は、それらの課題から解決に関する提案が可能な課題を見つけ出すことにより多くの労力を費やし得る。
【0160】
したがって、複数のコミュニティがある場合において、所属コミュニティの課題等と他のコミュニティ固有の課題とが区別されず提示された場合、構成員は、これらの課題から解決に関する提案が可能な課題を見つけ出すことにより多くの労力を費やし得る。
【0161】
コミュニティ支援装置1がステップS1からステップS9のコミュニティ支援処理を実行することにより、所属コミュニティの課題と他のコミュニティ固有の課題とが区別されず提示されることを防ぎ得る。よって、複数のコミュニティそれぞれの構成員は、解決に関する提案が可能な課題を見つけ出すことにより多くの労力を費やすことなく、所属コミュニティの課題の解決に関する提案を行い得る。
【0162】
また、コミュニティ支援装置1がステップS1からステップS9のコミュニティ支援処理を実行することにより、複数のコミュニティそれぞれの構成員は、課題の提示及び/又は解決に関する提案を通して、現実世界での面識がない他の構成員とつながりを持ち得る。これにより、現実世界でのコミュニティでは解決が困難であるような課題を解決し得る。また、現実世界での面識がない他の構成員から、地域や業種を越えた情報を獲得し得る。
【0163】
コミュニティ支援装置1がステップS1からステップS9のコミュニティ支援処理を実行することにより、コミュニティが特定分野に関する知見及び/又は知識を有する構成員を含む場合に、構成員は、知見及び/又は知識を有する構成員から解決に関する提案を得うる。構成員は、このような提案に基づいて、所属コミュニティの課題の解決と他のコミュニティの課題解決とに寄与し得る。
【0164】
また、コミュニティ支援装置1がステップS1からステップS9のコミュニティ支援処理を実行することにより、コミュニティ支援装置1は、複数のコミュニティについて課題と提案との対応を機械学習し、この機械学習に基づく機械生成提案を提供できる。すなわち、コミュニティ支援処理を実行するコミュニティ支援装置1は、複数のコミュニティそれぞれの課題について、他のコミュニティにおける同様の課題と提案との対応を含めた機械学習に基づく機械生成提案を提供し得る。
【0165】
よって、コミュニティ支援装置1がステップS1からステップS9のコミュニティ支援処理を実行することにより、コミュニティの構成員は、他のコミュニティの課題を解決することに関する提案を行う労力を費やすことなく、他のコミュニティにおける課題の解決に関する知見を提供し得る。
【0166】
したがって、コミュニティ支援処理を実行するコミュニティ支援装置1は、地域コミュニティ等のコミュニティの構成員が所属コミュニティの課題の解決と他のコミュニティの課題解決とに寄与することを支援可能な手段を提供できる。
【0167】
〔コミュニティ管理処理のフローチャート〕
図6は、
図5のステップS1で実行されるコミュニティ管理処理の好ましい流れの一例を示すフローチャートである。以下、
図6を用いて、
図5のステップS1で実行されるコミュニティ管理処理の好ましい流れの一例を説明する。
【0168】
[コミュニティ登録処理]
コミュニティ支援装置1は、コミュニティリスト122にコミュニティを登録するコミュニティ登録処理(図示せず)を実行可能であることが好ましい。これにより、コミュニティの管理者は、コミュニティ支援装置1の運営者の手を逐一わずらわせることなく、新たなコミュニティをコミュニティリスト122に登録できる。
【0169】
[ステップS11:コミュニティへの参加希望者がいるか判別]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働してコミュニティ管理部111を実行し、コミュニティリスト122に格納されたコミュニティへの参加希望者がいるか判別する処理を行う(ステップS11)。参加希望者がいると判別したならば、制御部11は、処理をステップS12に移す。参加希望者がいると判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS14に移す。
【0170】
コミュニティへの参加希望者がいるか判別する処理は、特に限定されない。コミュニティへの参加希望者がいるか判別する処理は、例えば、参加希望者が利用する端末2からコミュニティへの参加希望を受信した場合にコミュニティへの参加希望者がいると判別することを含む処理等でよい。
【0171】
[ステップS12:参加希望者が参加条件を満たすか判別]
制御部11は、記憶部12と協働してコミュニティ管理部111を実行し、ステップS11の参加希望者がステップS11で参加を希望した希望コミュニティの参加条件を満たすか判別する処理を行う(ステップS12)。参加条件を満たすと判別したならば、制御部11は、処理をステップS13に移す。参加条件を満たすと判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS14に移す。
【0172】
参加希望者が参加条件を満たすか判別する処理は、参加希望者が構成員リスト121に格納された構成員である場合に参加希望者が参加条件を満たすと判別する手順を含むことが好ましい。これにより、コミュニティ支援装置1は、構成員リスト121に含まれるコミュニティ支援装置1の利用者であるかに基づいて、参加希望者をコミュニティに参加させることができる。
【0173】
希望コミュニティの参加条件が承認制参加条件を含む場合、参加希望者が参加条件を満たすか判別する処理は、希望コミュニティの管理者が参加希望者の参加を承認した場合に参加希望者が参加条件を満たすと判別する手順を含むことが好ましい。これにより、管理者は、コミュニティに関する地域、関心の対象、その他の運営ポリシーに基づいて承認された構成員を含むよう、コミュニティを管理し得る。
【0174】
希望コミュニティの参加条件が招待制参加条件を含む場合、参加希望者が参加条件を満たすか判別する処理は、参加希望者が希望コミュニティの構成員に招待された参加希望者である場合に参加希望者が参加条件を満たすと判別する手順を含むことが好ましい。これにより、管理者は、他の構成員の紹介を受けて参加した構成員を含むよう、コミュニティを管理し得る。
【0175】
参加希望者が参加条件を満たすか判別する処理は、参加希望者の信用情報に基づいて参加希望者が参加条件を満たすか判別する手順を含むことが好ましい。このような信用情報として、参加希望者がコミュニティ支援装置1を介して行った各種活動の履歴等が挙げられる。これにより、コミュニティ支援装置1は、招待の有無を判別することなく、また、コミュニティの管理者に参加を承認するか判断する労力を費やさせることなく、参加希望者の信用情報に基づいて参加希望者が参加条件を満たすか判別できる。
【0176】
信用情報がブロックチェーンによって制御されている場合、参加希望者の信用情報に基づいて参加希望者が参加条件を満たすか判別する処理は、ブロックチェーンに基づいて信用情報が改ざん等されていないか判別する手順を含むことが好ましい。これにより、コミュニティ支援装置1は、信用情報が改ざん等されている場合に、参加希望者が参加条件を満たさないと判別し得る。
【0177】
[ステップS13:参加希望者をコミュニティに登録]
制御部11は、記憶部12と協働してコミュニティ管理部111を実行し、ステップS11の参加希望者をステップS11で参加を希望した希望コミュニティに登録する処理を行う(ステップS13)。制御部11は、処理をステップS14に移す。
【0178】
参加希望者をコミュニティに登録する処理は、構成員リスト121に格納された参加希望者に対応する構成員が所属するコミュニティが希望コミュニティを含むよう構成員リスト121を更新する処理を含む。
【0179】
参加希望者をコミュニティに登録する処理は、コミュニティリスト122に格納された希望コミュニティの構成員が参加希望者を含むようコミュニティリスト122を更新する処理を含むことが好ましい。これにより、コミュニティリスト122と構成員リスト121とにおいて、構成員が所属するコミュニティの情報が一致しなくなることを防ぎ得る。
【0180】
[ステップS14:利用状況の提示を求められたか判別]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働してコミュニティ管理部111を実行し、コミュニティリスト122に格納されたコミュニティのいずれかである提示対象コミュニティについて、提示対象コミュニティの利用状況の提示を求められたか判別する処理を行う(ステップS14)。利用状況の提示を求められたと判別したならば、制御部11は、処理をステップS15に移す。利用状況の提示を求められたと判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS16に移す。
【0181】
利用状況の提示を求められたか判別する処理は、特に限定されない。利用状況の提示を求められたか判別する処理は、例えば、提示対象コミュニティを管理する管理者が利用する端末2から利用状況の提示要求を受信した場合に利用状況の提示を求められたと判別することを含む処理等でよい。
【0182】
[ステップS15:利用状況を提示]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働してコミュニティ管理部111を実行し、ステップS14で提示を求められた提示対象コミュニティの利用状況を提示する処理を行う(ステップS15)。制御部11は、処理をステップS16に移す。
【0183】
利用状況を提示する処理は、特に限定されない。利用状況を提示する処理は、例えば、コミュニティリスト122に格納された提示対象コミュニティの情報に基づく利用状況をステップS14で提示を求めた管理者に送信する処理を含む。管理者に利用状況が提示されることにより、管理者は、提示された利用状況を用いてコミュニティを管理できる。
【0184】
利用状況は、コミュニティリスト122に格納された提示対象コミュニティの情報に基づく統計情報を含むことが好ましい。これにより、管理者は、当該統計情報を逐一計算することなく利用してコミュニティを管理できる。
【0185】
利用状況が含む統計情報は、特に限定されない。利用状況が含む統計情報は、例えば、コミュニティの構成員数、所定期間におけるコミュニティの構成員数の変化、コミュニティに関する課題及び/又は提案の提供先となった構成員の数、構成員数に対する提供先となった構成員の数の比率、コミュニティに関する課題及び/又は提案の提供回数、コミュニティに関する課題及び/又は提案の提供元となった構成員の数、構成員数に対する提供元となった構成員の数、並びに、コミュニティに関する課題及び/又は提案が提供された数、等によって例示される各種統計情報の1以上を含む。
【0186】
利用状況は、コミュニティにおいて開催されたイベントに関する統計情報を含むことが好ましい。これにより、管理者は、当該統計情報を、開催済のイベント及び/又は開催予定のイベントの管理に利用できる。
【0187】
利用状況は、各種統計情報の時系列変化を示すグラフ及び/又は表を含むことが好ましい。これにより、管理者は、各種統計情報の時系列変化を直観的に把握できる。したがって、管理者は、各種統計情報を用いた管理をよりいっそう容易に行える。
【0188】
[ステップS16:管理への支援を求められたか判別]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働してコミュニティ管理部111を実行し、コミュニティリスト122に格納されたコミュニティのいずれかである支援対象コミュニティについて、支援対象コミュニティの管理への支援を求められたか判別する処理を行う(ステップS16)。管理への支援を求められたと判別したならば、制御部11は、処理をステップS17に移す。管理への支援を求められたと判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS2(
図5)に移す。
【0189】
管理への支援を求められたか判別する処理は、特に限定されない。利用状況の提示を求められたか判別する処理は、例えば、対象コミュニティを管理する管理者が利用する端末2から管理への支援要求を受信した場合に管理への支援を求められたと判別することを含む処理等でよい。
【0190】
[ステップS17:管理を支援]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働してコミュニティ管理部111を実行し、ステップS14で支援を求められた支援対象コミュニティの管理を、記憶部12に格納された第2機械学習に基づいて支援する処理を行う(ステップS17)。制御部11は、処理をステップS2に移す。
【0191】
管理を支援する処理は、第2機械学習に基づく処理を含むものであれば、特に限定されない。管理を支援する処理は、例えば、利用状況に基づく統計情報が管理者にとって好ましい方向に変化するよう第2機械学習に基づいて管理者に助言すること、管理者が他の構成員に提供されないようコミュニティ支援装置1に提示したコミュニティの課題を解決可能な機械生成提案を第2機械学習に基づいて管理者に提供すること、等の1以上を含む。
【0192】
[メッセージ中継処理]
コミュニティ管理処理は、コミュニティの構成員と、コミュニティの構成員及び/又は管理者と、の間でメッセージを中継可能なメッセージ中継処理(図示せず)を含むことが好ましい。これにより、構成員は、他の構成員への開示が好ましくない情報を含むコミュニティの課題を提示し得る。そして、当該構成員からのメッセージを得た構成員及び/又は管理者は、当該課題の解決に関する提案を行い得る。これにより、コミュニティの課題及び/又は課題の解決に関する提案がよりいっそう活発に行われ得る。
【0193】
[コミュニティ管理処理の効果まとめ]
コミュニティの課題をよりいっそう解決するために、コミュニティの課題及び/又は課題の解決に関する提案が活発に行われるようコミュニティを管理する要望がある。しかしながら、コミュニティの管理者において、コミュニティの利用状況を逐一把握し、コミュニティの課題及び/又は課題の解決に関する提案が活発に行われるようコミュニティを管理することは、多大な労力を必要とし得る。
【0194】
コミュニティ支援装置1がステップS11からステップS17のコミュニティ管理処理を実行可能であることにより、管理者は、複数コミュニティの利用状況の機械学習に基づいてコミュニティを管理できる。よって、コミュニティ支援装置1は、コミュニティの利用状況を把握し、コミュニティの課題及び/又は課題の解決に関する提案が活発に行われるようコミュニティを管理することに関するコミュニティ管理者の労力を低減し得る。
【0195】
そして、コミュニティの課題及び/又は課題の解決に関する提案が活発に行われるようになることにより、コミュニティそれぞれの構成員が有する課題の言語化が進むことを見込み得る。したがって、コミュニティ支援装置1は、コミュニティの構成員が、課題の言語化を進めることを通じてコミュニティの課題を顕在化させ、所属コミュニティの課題の解決と他のコミュニティの課題解決とに寄与することを支援し得る。
【0196】
<使用例>
続いて、本実施形態におけるコミュニティ支援システムSの使用例を説明する。
【0197】
〔コミュニティの登録〕
コミュニティの管理者は、端末2を介してコミュニティリスト122に所望の参加条件にてコミュニティを登録する。
【0198】
〔コミュニティへの参加〕
コミュニティへの参加希望者は、端末2を介してコミュニティへの参加希望をコミュニティ支援装置1に送信する。コミュニティ支援装置1は、参加希望者が参加条件を満たすか判別し、参加条件を満たす場合に参加希望者をコミュニティに参加させる。
【0199】
〔チャットボットと対話〕
コミュニティの構成員は、端末2を介してチャットボットとの対話をコミュニティ支援装置1に要求する。コミュニティ支援装置1は、構成員にチャットボットとの対話を提供する。チャットボットは、構成員との対話を介して構成員が潜在的に有する課題を顕在化し、課題として提示する。
【0200】
図7は、端末2におけるチャットボットの表示例である。
図7に示すチャットボットの表示例において、「コ」の字から出るフキダシを介して構成員との対話を行うチャットボットは、「地域が盛り上がらなくて困っています」という漠然とした問題意識を示す構成員との対話をチャット表示領域Cにて行っている。そして、チャットボットは、当該構成員との対話を介して「〇〇町の商店街を活性化する課題」を提示し、さらに、当該課題の解決に適したコミュニティを提示している。
【0201】
これにより、コミュニティの潜在的な課題が「〇〇町の商店街を活性化する課題」として顕在化し、当該課題の解決に関する提案が行われ得る。
【0202】
〔課題の提供〕
コミュニティの構成員は、端末2を介して所属コミュニティに関する課題をコミュニティ支援装置1に提供する。コミュニティ支援装置1は、当該課題を他の構成員が利用する端末2から取得可能であるようにする。また、コミュニティ支援装置1は、当該課題に関する機械生成提案を生成可能であれば、生成した機械生成提案を他の構成員が利用する端末2から取得可能であるようにする。
【0203】
〔課題の取得〕
コミュニティの構成員は、端末2を介して所属コミュニティに関する課題及び/又は機械生成提案をコミュニティ支援装置1から取得する。
【0204】
〔提案の提供〕
コミュニティの構成員は、端末2を介して取得した課題の解決に関する提案をコミュニティ支援装置1に提供する。コミュニティ支援装置1は、当該提案を他の構成員が利用する端末2から取得可能であるようにする。また、コミュニティ支援装置1は、課題と解決との対応を機械学習する。
【0205】
〔提案の取得〕
コミュニティの構成員は、端末2を介して所属コミュニティに関する課題の解決に関する提案をコミュニティ支援装置1から取得する。
【0206】
図8は、端末2における課題、提案、及び機械生成提案の表示例である。
図8に示す表示例では、構成員「田中花子」が提示した「水中ゴミ拾い」に関する課題Iと、当該課題の解決に関する機械生成提案Mと、2つの提案Pと、が表示されている。
【0207】
図8に示す表示例では、構成員「田中花子」が提示した「水中ゴミ拾い」の「容器の手配」に関する課題Iについて、「定期的発注によるコストダウン」「市販のペットボトルの利用」「クラウドファンディングの利用」等の提案が提供されている。したがって、構成員「田中花子」が所属するコミュニティが有する「水中ゴミ拾い」の「容器の手配」に関する課題Iについて、当該課題Iの解決に関する機械生成提案M及び各種の提案Pが行われ、課題Iが解決され得る。
【0208】
〔利用状況の取得〕
コミュニティの管理者は、端末2を介して管理者が管理するコミュニティの利用状況の提示要求をコミュニティ支援装置1に送信する。コミュニティ支援装置1は、利用状況を管理者が利用する端末2に送信する。
【0209】
〔利用状況の表示〕
コミュニティの管理者は、端末2を介して管理者が管理するコミュニティの利用状況の取得要求をコミュニティ支援装置1に送信する。コミュニティ支援装置1は、利用状況を管理者が利用する端末2に送信する。端末2は、受信した利用状況を表示する。
【0210】
図9は、端末2におけるコミュニティ利用状況の表示例である。
図9に示す表示例では、コミュニティの構成員数、先月の構成員増加数、先月の閲覧者数、先月の閲覧数、先月の利用者率、先月の課題・提案提供者数、先月の課題・提案提供率、先月の課題・提案提供数等の利用状況が端末2の利用状況表示領域Uに表示されている。
【0211】
これにより、コミュニティの管理者は、これらの利用状況を用いてコミュニティを管理し得る。例えば、先月の構成員増加数、先月の利用者率等の利用状況に関する統計情報に基づいて、これらの統計情報のいずれか1以上を増加させるよう、コミュニティを管理し得る。
【0212】
〔管理への支援〕
コミュニティの管理者は、端末2を介して管理者が管理するコミュニティの管理への支援要求をコミュニティ支援装置1に送信する。コミュニティ支援装置1は、管理に関する助言及び/又は管理に関する機械生成提案を管理者が利用する端末2に送信する。端末2は、受信した機械生成提案を表示する。
【0213】
なお、本発明の思想の範疇において、当業者であれば各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。例えば、前述の実施の形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除若しくは設計変更を行ったもの、又は、工程の追加、省略若しくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0214】
S コミュニティ支援システム
1 コミュニティ支援装置
11 制御部
111 コミュニティ管理部
112 チャットボット部
113 課題提示部
114 提案提供部
115 第1機械学習部
116 第2機械学習部
12 記憶部
121 構成員リスト
122 コミュニティリスト
123 対応リスト
13 通信部
2 端末
C チャット表示領域
I 課題
M 機械生成提案
N ネットワーク
P 提案
U 利用状況表示領域