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特開2023-168330運転レポート出力方法、運転レポート出力装置及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023168330
(43)【公開日】2023-11-24
(54)【発明の名称】運転レポート出力方法、運転レポート出力装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20231116BHJP
   G08G 1/00 20060101ALI20231116BHJP
   G16Y 40/20 20200101ALI20231116BHJP
   G16Y 20/20 20200101ALI20231116BHJP
   G16Y 10/40 20200101ALI20231116BHJP
【FI】
G06Q50/10
G08G1/00 D
G16Y40/20
G16Y20/20
G16Y10/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023133383
(22)【出願日】2023-08-18
(62)【分割の表示】P 2022078561の分割
【原出願日】2022-05-12
(71)【出願人】
【識別番号】514235341
【氏名又は名称】株式会社スマートドライブ
(72)【発明者】
【氏名】中村 圭佐
(72)【発明者】
【氏名】大野 良
【テーマコード(参考)】
5H181
5L049
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB13
5H181CC04
5H181CC11
5H181FF04
5H181FF10
5H181FF13
5H181FF27
5H181FF33
5H181MB02
5H181MC19
5L049CC12
(57)【要約】
【課題】移動体における運転関連情報を適切な開示制限を実現しつつ、運転者による運転の品質を向上する。
【解決手段】運転レポート出力方法は、ユーザにより運転される移動体の運転関連情報を取得することと、前記ユーザについての運転レポート情報の出力要求を取得することと、前記出力要求が前記ユーザによるものであるかどうかを判断することと、前記出力要求が前記ユーザによるものでなかった場合は、前記運転レポートに含まれるコンテンツのうち、所定のコンテンツの閲覧を制限する設定を行うことと、前記運転関連情報に基づいて、前記設定を適用した前記運転レポートを作成することと、前記作成されたレポートを出力することと、を含む。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザにより運転される移動体の運転関連情報を取得することと、
前記ユーザについての運転レポート情報の出力要求を取得することと、
前記出力要求が前記ユーザによるものであるかどうかを判断することと、
前記出力要求が前記ユーザによるものでなかった場合は、前記運転レポートに含まれるコンテンツのうち、所定のコンテンツの閲覧を制限する設定を行うことと、
前記運転関連情報に基づいて、前記設定を適用した前記運転レポートを作成することと、
前記作成されたレポートを出力することと、
を含む、運転レポート出力方法。
【請求項2】
前記所定のコンテンツに含まれる第1のコンテンツにおいて、当該第1のコンテンツに対応する運転関連情報が所定の条件を満たしているかどうかを判断することと、
前記所定の条件を満たしている場合、前記第1のコンテンツの閲覧制限を緩和する設定を行うことと、
を更に含む、請求項1の方法。
【請求項3】
前記運転レポートは、前記運転関連情報に基づいて作成された、前記ユーザによる運転の品質を評価する運転評価情報、及び、前記ユーザによる運転に対する提言に関する提言情報の少なくとも1つを含む、
請求項1又は2の方法。
【請求項4】
前記出力要求が前記ユーザによるものでなかった場合であって、前記出力要求が前記ユーザと所定の関係にある人物によるものであった場合は、前記出力要求が前記ユーザと前記所定の関係にない人物によるものであった場合と比べて、前記閲覧制限の内容が異なる、
請求項1又は2の方法。
【請求項5】
前記所定コンテンツは、前記移動体に備えられた撮像部により取得された車内の画像情報及び車外の画像情報を含み、
前記出力要求が前記ユーザによるものでなかった場合は、前記車内の画像情報に対して、前記車外の画像情報に対する閲覧制限よりも厳しい閲覧制限を適用する、
請求項1の方法。
【請求項6】
前記第1のコンテンツは、前記移動体に備えられた撮像部により取得された車内の画像情報及び車外の画像情報を含み、
前記所定の条件を満たしている場合は、前記車内の画像情報に対して、前記車外の画像情報に対する閲覧制限よりも厳しい閲覧制限を適用する、
請求項2の方法。
【請求項7】
複数のユーザそれぞれによって運転される移動体の運転関連情報を取得することと、
前記複数のユーザについての運転レポートの出力要求を取得することと、
前記出力要求を行った第1のユーザを特定することと、
前記運転レポートに含まれるコンテンツのうち、前記第1のユーザを除いた前記複数のユーザに関する所定のコンテンツの閲覧を制限する設定を行うことと、
前記運転関連情報に基づいて、前記設定を適用した前記運転レポートを作成することと、
前記作成されたレポートを出力することと、
を含む、運転レポート出力方法。
【請求項8】
前記所定のコンテンツに含まれるコンテンツであって、前記第1のユーザとは異なる第2のユーザに関するコンテンツである第2のコンテンツに対応する運転関連情報が所定の条件を満たしているかどうかを判断することと、
前記所定の条件を満たしている場合、前記第2のコンテンツの閲覧制限を緩和する設定を行うことと、
を更に含む、請求項7の方法。
【請求項9】
ユーザにより運転される移動体の運転関連情報を取得する運転関連情報取得部と、
前記ユーザについての運転レポート情報の出力要求を取得する出力要求取得部と、
前記出力要求が前記ユーザによるものであるかどうかを判断する判断部と、
前記出力要求が前記ユーザによるものでなかった場合は、前記運転レポートに含まれるコンテンツのうち、所定のコンテンツの閲覧を制限する設定を行う設定部と、
前記運転関連情報に基づいて、前記設定を適用した前記運転レポートを作成する作成部と、
前記作成されたレポートを出力する出力部と、
を備える、運転レポート出力装置。
【請求項10】
複数のユーザそれぞれにより運転される移動体の運転関連情報を取得する運転関連情報取得部と、
前記複数のユーザについての運転レポートの出力要求を取得する出力要求取得部と、
前記出力要求を行った第1のユーザを特定する特定部と、
前記運転レポートに含まれるコンテンツのうち、前記第1のユーザを除いた前記複数のユーザに関する所定のコンテンツの閲覧を制限する設定を行う設定部と、
前記運転関連情報に基づいて、前記設定を適用した前記運転レポートを作成する作成部と、
前記作成されたレポートを出力する出力部と、
を備える、運転レポート出力装置。
【請求項11】
コンピュータに、
ユーザにより運転される移動体の運転関連情報を取得することと、
前記ユーザについての運転レポート情報の出力要求を受理することと、
前記出力要求が前記ユーザによるものであるかどうかを判断することと、
前記出力要求が前記ユーザによるものでなかった場合は、前記運転レポートに含まれるコンテンツのうち、所定のコンテンツの閲覧を制限する設定を行うことと、
前記運転関連情報に基づいて、前記設定を適用した前記運転レポートを作成することと、
前記作成されたレポートを出力することと、
を実行させる、プログラム。
【請求項12】
コンピュータに、
複数のユーザそれぞれにより運転される移動体の運転関連情報を取得することと、
前記複数のユーザについての運転レポートの出力要求を取得することと、
前記出力要求を行った第1のユーザを特定することと、
前記運転レポートに含まれるコンテンツのうち、前記第1のユーザを除いた前記複数のユーザに関する所定のコンテンツの閲覧を制限する設定を行うことと、
前記運転関連情報に基づいて、前記設定を適用した前記運転レポートを作成することと、
前記作成されたレポートを出力することと、
を実行させる、プログラム。




【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体における運転レポート情報を管理する情報処理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の移動体を管理するフリートマネジメント等、移動体や移動体の運転者の管理を行うにあたり、その管理を効率化したい、更には、管理を通じて運転者による運転品質を向上したいという社会的需要がある。例えば、特許文献1には、車両の運行状況を管理するための運行管理装置が開示されている。さらに、例えば、特許文献2には、運転者点呼をサービスロボットを介して行うことで、被点呼者の不快感や抵抗感を軽減することができる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-38672号公報
【特許文献2】特開2019-91394号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
移動体に備えられたドライブレコーダー等の機器を通じて得られる車内外の映像情報及び音声情報や、移動体をどのように運転したかを示す走行情報等を収集する場合、収集されたこれら情報がシステムの管理者や他の利用者等に必要以上に閲覧され、移動体の利用者が過度に監視されているかのような違和感を覚えるという問題があった。
【0005】
更に、どのように運転をすれば運転品質が向上できるかを運転者に伝えるにあたって、人(例えば、運転者の管理者)が運転関連情報を閲覧し、提言等を行った場合は、運転者にとって嫌悪感や抵抗感が生じるといった問題があった。
【0006】
本発明の目的は、上記の問題を解決するために、運転者の感情について考慮しつつ、状況に応じた開示制限を適用した運転レポート情報を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、運転レポート出力方法は、ユーザにより運転される移動体の運転関連情報を取得することと、前記ユーザについての運転レポート情報の出力要求を取得することと、前記出力要求が前記ユーザによるものであるかどうかを判断することと、前記出力要求が前記ユーザによるものでなかった場合は、前記運転レポートに含まれるコンテンツのうち、所定のコンテンツの閲覧を制限する設定を行うことと、前記運転関連情報に基づいて、前記設定を適用した前記運転レポートを作成することと、前記作成されたレポートを出力することと、を含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係るシステム等によれば、運転者に関する運転レポート情報が、その必要度合いに応じて閲覧を制限した態様で出力されるため、運転者の感情に配慮した業務環境を提供しつつ、運転品質を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態の一態様に係る、移動体における運転レポート情報の開示を制御するシステムのシステム構成図である。
図2図1の移動体1に備えられた情報処理装置10の機能構成を示すブロック図である。
図3図1のサーバ20の機能構成を示すブロック図である。
図4図1の管理者端末30の機能構成を示すブロック図である。
図5】本実施形態における閲覧要求判定関連処理のフローチャートである。
図6】ユーザ端末40の表示部440に表示される運転レポート情報の一例である。
図7】非ユーザによって出力要求がなされた場合に出力される運転レポート情報の一例である。
図8】グループ内のユーザによって出力要求がなされた場合に出力される当該グループの運転レポート情報の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態の例について図面を参照して説明する。
なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付して、重複する説明を省略する場合がある。
また、これらの実施形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、本発明の範囲をそれらに限定する趣旨のものではない。
【0011】
[実施形態]
以下、本発明の情報処理技術を実現するための一例である実施形態について説明する。
なお、本実施形態に記載の内容は、他の各実施形態や各実施例、他の各変形例のいずれにも適用可能である。
【0012】
図1は、本実施形態の一態様に係る、移動体における運転レポート情報の開示を制御するシステムのシステム構成図である。本システムにおいては、移動体1において設けられた情報処理装置10によって移動体1における運転関連情報が収集され、サーバ20に送信され蓄積され、サーバ20に蓄積された運転関連情報に基づいて運転レポート情報が生成され、管理者端末30又はユーザ端末40によって、適切な開示制御がなされた下にて、運転レポート情報の閲覧がなされるものである。
【0013】
ここで、運転関連情報とは、例えば、移動体1の位置情報、速度情報、加速度情報、稼働情報、積載量情報、残燃料情報(移動体1が電気自動車の場合においては残電料情報)、移動体1に備えられた例えばドライブレコーダー等の装置によって取得される画像情報や音声情報等、移動体1の走行に関する任意の情報を含んでもよい。また、走行情報は、情報処理装置10によりお互いに紐づけられた態様とされてからサーバ20に送信されてもよいし、それぞれが時間情報と紐づけられて別個にサーバ20に送信されてもよい。
【0014】
また、運転レポート情報とは、運転者の運転に関する情報をまとめた情報であって、例えば、運転関連情報の一部や、運転関連情報を加工して生成した情報を含むものが挙げられるが、対象となる運転者の運転態様が把握できるものであれば特に限定されない。後述する図6図7、及び図8が運転レポート情報の例である。
【0015】
移動体1は、本実施形態では、ビジネス上利用される車両とするが、特にそのような車両に限定されない。なお、移動体1には情報処理装置10が備えられており、その詳細については後述する。
【0016】
図2は、図1の移動体1に備えられた情報処理装置10の機能構成を示すブロック図である。本実施形態における情報処理装置10は、例えば、ドライブレコーダー、カーナビゲーション装置、デジタコ等であり、移動体1の外部及び内部の映像及び音声等の運転関連情報を収集するものである。情報処理装置10は、例えば、制御部110、記憶部120、通信部130、位置情報取得部140、速度情報取得部150、加速度情報取得部160、音声入力部170、及び撮像部180を備えて構成される。
情報処理装置10は、何らかのイベント(例えば、急加速、急減速等の探知)をトリガーに走行情報の記憶を行うものであってもよいし、特にイベントの有無にかかわらず運転関連情報の記憶を行うものでもよく、運転関連情報の記憶方法は特に限定されない。運転関連情報は、位置情報取得部140、速度情報取得部150、加速度情報取得部160、音声入力部170、及び撮像部180の少なくとも一つによって取得され、通信部130を通じて接続されたネットワークNWを介してサーバ20に記憶される。
【0017】
制御部110は、例えばCPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro-Processing Unit)を含む処理演算装置によって構成される。制御部110は各データに対する各種処理を行うとともに、記憶部120に格納されたプログラムを読み出して実行することで、通信部130、位置情報取得部140、速度情報取得部150、加速度情報取得部160、音声入力部170、及び撮像部180の各機能部を制御する。
【0018】
記憶部120は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、ROM(Read-Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を含み、制御部110が処理する制御プログラムや、各種データ、例えば、各機能部によって取得した情報等を記憶する。なお、記憶部120は、情報処理装置10に内蔵されるものに限らず、USB(Universal Serial Bus)等のデジタル入出力ポート等によって接続された外付け型の記憶装置でもよい。
【0019】
通信部130は、例えば、LTE(Long Term Evolution)や3G、4G、5G等の移動体通信、DSRC(Dedicated Short Range Communication)等の狭帯域通信を用いて、インターネット等の公共のネットワークに接続し、同ネットワークに接続されたサーバー20等の各機器とのデータ通信が可能なモジュールである。または、DSRCを利用して双方向通信を行うETC2.0に対応した通信により、情報のやり取りを行うこととしてもよい。
例えば、通信部130を通じて情報処理装置10はサーバー20と運転関連情報等のデータのやり取りを行う。
【0020】
位置情報取得部140は、例えば、GNSS衛星(例えばGPS衛星)から到来する電波に基づいて、情報処理装置10の位置情報(例えば、緯度経度情報)を所定間隔で取得する。すなわち、情報処理装置10を備える移動体1の位置情報を取得することができる。転じて、情報処理装置10を備える移動体1を利用することで、実質的に移動体1の位置情報を取得することができる。取得された位置情報は、当該位置情報を取得した時刻(現在時刻)と紐付けられて、記憶部120に格納される。
ここで、位置情報取得部140は、位置情報を取得すると共に、その位置情報の精度を示す精度値(例えば、DOP値)を取得することとしてもよい。この場合、取得された位置情報及び精度値が現在時刻と紐付けられて、記憶部120に格納される。
【0021】
なお、位置情報取得部140による位置情報の取得方式は、上記のものに限られず、任意の位置情報取得方式を適用してよい。例えば、道路脇に設置された路側機により発せられる当該路側機に固有の位置情報を含んだ電波を、情報処理装置10が備えられた移動体1が近接した際に位置情報取得部140が受信することで、情報処理装置10の位置情報を取得することとしてもよい。
【0022】
速度情報取得部150は、移動体1の走行速度を定期的に取得し、当該走行速度を制御部110に供給する。速度取得部150は任意の構成であってよいが、例えば、位置情報取得部140によって取得された位置情報に基づいて速度情報を算出することとしてもよい。または、移動体1に搭載される不図示の車速パルス取得部によって取得される車速パルス情報を取得し、その車速パルス情報に基づいて移動体1の速度を算出することとしてもよい。
【0023】
加速度情報取得部160は、車両の加速度を取得するものであり、例えば、圧電型加速度センサによって加速度を取得するように構成される。なお、位置情報取得部140によって取得される位置情報や、速度情報取得部150によって取得される速度情報に基づいて、車両の加速度を算出することとしてもよく、かかる場合には、加速度情報取得部160は備えなくともよい。
【0024】
音声入力部170は、例えば、ユーザが発話した音声を集音するマイクロフォンであって、情報処理装置10の周囲の音声を音声情報として取得し出力する。音声情報の出力に際しては、撮像部180により出力される画像情報と合わせて、画像と音声の両方を含む画像音声情報として出力されることとしてもよい。
【0025】
撮像部180は、例えばカメラなど静止画像または動画を撮影するための機能部であり、カメラが向けられた方向を撮影し、画像情報として出力する。出力された画像情報は記憶部120に格納される。撮像部170は、情報処理装置10に付属されているカメラでもよいし、USB等により接続された外部カメラでもよく、その態様は特に限定されない。
【0026】
図3は、図1のサーバ20の機能構成を示すブロック図である。本実施形態におけるサーバ20は、制御部210、記憶部220、通信部230を備えて構成される。
サーバ20は、例えば、インターネット等のネットワークを通じて情報処理装置10等と接続され、情報処理装置10等から位置情報等の様々な運転関連情報を受信し、記憶部220に記憶する。また、記憶された情報、例えば、情報処理装置10において取得された運転関連情報に基づき運転レポート情報の生成を行う。
【0027】
制御部210は、情報処理装置10の制御部110と同様に、例えばCPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro-Processing Unit)を含む処理演算装置によって構成される。制御部210は各データに対する各種処理を行うとともに、記憶部220に格納されたプログラムを読み出して実行する。また、
【0028】
記憶部220は、情報処理装置10の記憶部120と同様に、例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、ROM(Read-Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を含み、制御部210が処理する制御プログラムや、各種データ、例えば、機器の識別情報が登録された搭載機器テーブルなどを記憶する。なお、記憶部220は、サーバー20に内蔵されるものに限らず、USB(Universal Serial Bus)等のデジタル入出力ポート等によって接続された外付け型の記憶装置でもよい。
【0029】
通信部230は、有線通信インターフェースを用いて、または、情報処理装置10の通信部130と同様に、例えば、LTE(Long Term Evolution)や3G等の移動体通信、DSRC(Dedicated Short Range Communication)等の狭帯域通信を用いて、インターネット等のネットワークに接続し、同ネットワークに接続された情報処理装置10等の各機器とのデータ通信が可能なモジュールである。
【0030】
図4は、図1の管理者端末30の機能構成を示すブロック図である。本実施形態における管理者端末30は、限定ではなく例として、タブレットやラップトップPCなどの電子機器であればよく、例えば、制御部310、記憶部320、通信部330、表示部340、音声出力部350、及び入力部360を備えて構成される。
これら各機能部のうち、制御部310、記憶部320及び通信部330の構成は、情報処理装置10の制御部110、記憶部120及び通信部130とほぼ同様であってよいため、これらの詳細な説明は省略する。
【0031】
表示部340は、例えば、液晶ディスプレイ、又は有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等によって構成される、様々な情報を表示するためのディスプレイ手段である。
表示部340は、通信部330を通じて取得した各種情報や制御部310による処理結果等を表示し、例えば、情報処理装置10における撮像部180によって撮像された画像情報をリクエストに応じて表示する。
【0032】
音声出力部350は、例えば音声出力端子からなり、接続されたイヤホンやスピーカなどから音声を出力させるために音声信号を送信する。または、音声信号にかかる音声を出力するスピーカであってもよい。
音声出力部350は、例えば、情報処理装置10における音声入力部170によって取得した音声情報を出力したり、所望する運転レポート情報におけるコンテンツにアクセスが許可されなかった場合などにおいて、対応するユーザに通知すべく、ビープ音などの音声を出力する。
【0033】
入力部360は、管理者端末30に対して各種入力を行うための入力手段である。例えば、ボタン、タッチパネル、スイッチなどにより構成されている。また、入力部360は、表示部340と一体に構成されたタッチスクリーンとして構成してもよい。
入力部360に対してユーザによる入力操作がなされると、その入力に対応した制御信号が生成されて制御部310に出力される。そして、制御部310によりその制御信号に対応した演算処理や制御が行われる。
【0034】
また、管理者端末30は、管理者と紐づけられている。紐づけられているとは、例えば、その管理者が管理者端末30を使用していると想定可能な態様であることであり、例えば、管理者端末40に対し管理者のユーザアカウントにおいてログインしていること、または、単に管理者に割り当てられた管理者端末30である(その管理者がその管理者端末30を会社から貸与されている等)ことなどが挙げられるが、その形態は特に限定されない。
【0035】
ユーザ端末40の構成は、管理者端末30の構成と同様に、限定ではなく例として、タブレットやラップトップPCなどの電子機器であればよく、例えば、制御部410、記憶部420、通信部430、表示部440、音声出力部450、及び入力部460を備えて構成される。
これら各機能部の内容は、管理者端末30の各機能部(制御部310、記憶部320、通信部330、表示部340、音声出力部350、及び入力部360)と同様であってよいため、その詳細な説明は省略する。
【0036】
また、ユーザ端末40は、移動体1の運転手であるユーザと紐づけられている。紐づけられているとは、例えば、そのユーザがユーザ端末40を使用していると想定可能な態様であることであり、例えば、ユーザ端末40においてユーザアカウントにおいてログインしていること、または、単に各ユーザに割り当てられたユーザ端末40である(そのユーザがそのユーザ端末40を会社から貸与されている等)ことなどが挙げられるが、その形態は特に限定されない。
すなわち、例えば、管理者端末30と同様の構成を有する任意の装置は、管理者がログインしていれば管理者端末30に、ユーザがログインしていればユーザ端末40になりうる。
【0037】
[閲覧要求判定関連処理]
以下、管理者端末30又はユーザ端末40から行われる、サーバ20の記憶部220に記憶された運転レポート情報を閲覧する要求に対する結果を出力し反映する処理である、閲覧要求判定関連処理について説明する。
図5は、本実施形態における閲覧要求判定関連処理のフローチャートである。なお、本処理の前提として、サーバ20の記憶部220には、様々な移動体から情報処理装置10を通じて収集された運転関連情報が蓄積されているものとする。
【0038】
図5に示すように、まず、サーバ20は、ネットワークNW経由で、運転レポート情報の出力要求を受理する(S1001)。運転レポートとは、指定された期間におけるユーザによる運転に関する情報をまとめたレポートであり、運転関連情報に基づいて作成される。
ユーザ端末40の表示部440に表示される運転レポート情報の一例を図6に示す。図6に示すように、運転レポート情報は、例えば、以下に説明する領域を含んで構成されている。なお、このユーザ端末40に紐づけられているユーザは、運転レポート情報が作成される対象のユーザであるとする。
【0039】
領域U11は、運転レポート情報が作成される対象のユーザ(以下、「対象ユーザ」と呼ぶ)に関する情報(例えば、氏名及び所属)、並びに、運転レポート情報の作成対象期間(以下、「対象期間」と呼ぶ)を含んで構成されている。なお、領域U11におけるこれらの情報は対象ユーザ、管理者その他の外部から入力可能であり、入力された内容に応じて、領域U12から領域U17において表示される内容が決定されることとしてもよい。
領域U12は、対象ユーザによる対象期間における運転関連情報に基づいて算出された各運転関連スコア(例えば、運転スコア、加速スコア、減速スコア、ハンドルスコア)、及び、算出された運転スコアに基づいて算出されたランキング(ユーザが所属する支店におけるランキング、及び、全社におけるランキング)を含んで表示されている。ここで、運転関連スコアとは、限定ではなく例として、移動体における対象ユーザによる運転の品質をスコア化したものである。加速は情報処理装置10において観測された前方向への加速度の品質の評価値、減速は情報処理装置10において観測された後方向への加速度の品質の評価値、ハンドルは情報処理装置10において観測された左右方向への加速度の品質の評価値であり、運転スコアは加速、減速、及びハンドルの全ての加速度の品質の評価値である。本実施形態においては、スカラ値が大きい加速度が取得されると運転スコアが低下する傾向を持つロジックを前提として説明するが、そのロジック内容は特に限定されない。
【0040】
領域U13は、対象ユーザによる運転スコアの所定期間における推移を示すグラフを含んで構成される。例えば、過去6ヶ月間の運転スコアの推移を示すグラフであってよい。
領域U14は、対象期間において観測された危険運転に関する映像情報のリストを含んで構成される。危険運転とは、例えば、情報処理装置10において所定閾値以上のスカラ値を有する加速度が観測された際の時刻近辺においてキャプチャされた映像情報や、情報処理装置10において所定閾値以上のスカラ値を有する加速度が観測された際の時刻近辺においてキャプチャされた映像情報である。各情報は、例えば、観測された時刻情報(「202201090945」等、年月日時分によって構成される。当該時刻情報は、2022年1月9日9時45分に取得された情報であることを意味する。)と、観測された危険運転の性質情報(例えば、「急減速」、「急加速」、「急右ハンドル」、「急左ハンドル」等)によって構成されており、本実施形態においては、時刻情報部分には対応する映像情報にアクセス可能なリンクが付されている。例えば、リンクを選択する操作を行うことで、対応する映像情報が再生されるようになっている。また、時刻情報が「202201181023」である映像情報には星印が付されており、これは、後述する領域U16に表示された移動情報において、この危険運転が観測された位置が同様に星印で表示されていることを示す。無論、星印を表示するものでなくてもよく、任意の態様であってよい。
【0041】
領域U15は、対象ユーザによる対象期間における運転関連情報に基づいて生成された加速度マップである。加速度マップとは、例えば、情報処理装置10から取得した運転関連情報に含まれる加速度情報をマップ化したものであり、本実施形態においては、取得した加速度情報について、所定の区分ごとにその発生頻度をカウントし、そのカウント値に基づいた表示を各区分の領域について行ったものである。なお、加速度マップにおける各区分における表示は、発生頻度に基づくものに限られず、例えば、発生確率に基づくものであってもよい。
【0042】
領域U16は、対象ユーザによる、対象期間中の所定期間(例えば、対象ユーザによって指定された一日間)における運転関連情報に含まれる位置情報に基づいて、対象ユーザが運転する移動体1の動きを地図上にマッピングした情報(以下、「移動地図情報」という)ものを含んで構成される。ここで、上述したように、領域U14における、時刻情報が「202201181023」である映像情報に付された星印に対応して、地図上の一点に星印が付されている。この一点が星印にて示された映像情報が取得された位置である。
【0043】
なお、領域U16において表示される情報は、領域上部において指定可能な日時に応じて変化する。例えば、図6における領域U16の上部においては「2022/1/18」、すなわち、2022年1月18日と指定されており、領域U16の下部においては同日における移動地図情報が表示されている。この日付は対象期間の範囲において変更可能であり、別の日付を指定することでその日付における移動地図情報を表示することが可能である。なおこの場合、日付の変更に対応して、領域U14における危険運転映像の星印の表示が変更される。つまり、危険運転映像のリスト中、領域U16において指定された日付において危険運転が観測されていれば、対応する危険運転の映像情報に星印が付され、指定された日付において危険運転が観測されていなければ、星印は付されない表示となる。
【0044】
領域U17は、対象ユーザの対象期間中における運転内容に対する運転評価情報、及び提言情報を含んで構成される。運転評価情報、及び提言情報は共に、対象ユーザによる対象期間中の運転関連情報に基づいて作成される。運転評価情報及び提言情報の作成方法は特に限定されないが、例えば、所定値を越える所定方向の加速度を所定回数以上観測したら、その所定方向の運転について注意する旨のメッセージを作成する、運転スコアの高低に応じて良好であるかそうでないかを示すメッセージを作成する、または、幾つかの観測される加速度値とメッセージとの組み合わせのパターンについて機械学習を行い、構築された算出器による出力に基づいて作成する、といった方法が挙げられる。
【0045】
ステップS1001に引き続き、サーバ20は、運転レポート情報の出力要求が、どの人物に紐づけられた端末によるものであるかを判別する(S1003)。当該出力要求がユーザによるもの、すなわち、ユーザ自身の運転関連情報に基づく運転レポート情報の出力を要求するものである場合(S1003;ユーザ)は、サーバ20は、運転レポート情報における全コンテンツを閲覧可能と設定する(S1004)。
ここで、例えば、ユーザ端末40から出力要求があった場合には、出力要求がユーザによるものであると判別される。また、管理者端末30から出力要求があった場合には、出力要求が非ユーザによるものであると判別される。
【0046】
当該出力要求が対象ユーザでない人物によるもの、すなわち、対象ユーザ自身の運転関連情報に基づく運転レポート情報の出力を要求するものでない場合(S1003;非ユーザ)は、全コンテンツに含まれる所定コンテンツについて、閲覧制限を適用する(S1005)。ここで、所定コンテンツとは、任意のコンテンツを設定してもよいが、例えば、対象ユーザが管理者等の自分自身以外に閲覧されても嫌悪感や抵抗感が生じうるとされるコンテンツであり、例えば、ドラレコにより車外について撮影された運転内容、ドラレコにより車内について撮影された運転時の運転者の様子、移動情報などが挙げられる。所定コンテンツは、事前にユーザの管理者またはユーザ自身等により決定され、設定される。
【0047】
そして、サーバ20は、所定コンテンツに含まれる一部コンテンツについて、対応する運転関連情報は所定の条件を満たしているかどうかを判別する(S1007)。ここで、所定の条件とは、例えば、運転関連情報に含まれる加速度が所定閾値以上のスカラ値を有する場合などが挙げられる。すなわち、対象ユーザが管理者等の自分自身以外に閲覧されると嫌悪感や抵抗感が生じうるコンテンツであるが、危険運転であった等、実態内容に鑑みて、管理者等に内容を共有すべきと思われるコンテンツについては、管理者等に対して閲覧可能とするものである。
【0048】
対応する運転関連情報が所定の条件を満たしている場合(S1007;Y)、サーバ20は当該コンテンツについて閲覧制限を緩和する(S1008)。そして、各コンテンツについての閲覧制限に関する設定を反映した運転レポート情報を出力する(S1009)。
【0049】
管理者端末30の表示部340に表示される運転レポート情報、すなわち、非ユーザによって出力要求がなされた場合に出力される運転レポート情報の一例を図7に示す。図7に示すように、運転レポート情報は、図6に示す内容と同様のものを一部含んでいる一方で、異なる部分を含んでいる。具体的には、領域U11は領域U21と、領域U12は領域U22と、領域U13は領域U23と、領域U15は領域U25と、及び、領域U17は領域U27と同様の内容であるが、領域U14と領域U24、及び、領域U16と領域U26は内容が異なっている。
以下、図6に示す内容とは異なる部分の例である領域U24と領域U26について説明する。
【0050】
領域U24は、領域U14と同様に、対象期間において観測された危険運転に関する映像情報のリストを含んで構成される。ただし、各映像情報における時刻情報のうち、一部の時刻情報のみにおいてリンクが設定されている。これらのリンクは、対応する運転関連情報が所定の条件を満たした場合のみに設定されるものである。
【0051】
所定の条件とは、特に限定されないが、例えば、観測された加速度が所定値以上のスカラ値を有する場合や、予め管理者が設定した時刻における運転内容である場合といったものが挙げられる。図6の領域U14においても、観測された加速度が所定閾値以上のスカラ値を有する運転内容の映像が危険運転映像のリストに含まれることとしているが、領域U24における所定閾値は、領域U14における所定閾値よりも大きいこととなる。すなわち、領域U14においてはユーザレベルで注意すべき小さな規模のものも含めて危険運転内容がリスト化されるが、領域U24においては管理者が注目すべきレベルで注意すべきものに限定して危険運転内容がリスト化される。
このようにすることで、対象ユーザが他者に閲覧されると生じる嫌悪感や抵抗感に配慮した態様での閲覧制限とする一方で、運転管理上確認することが必要な運転内容を管理者等が閲覧できる環境を維持することができ、また、自動生成された提言等を対象ユーザに提示することにより、嫌悪感や抵抗感を生じずに運転品質の向上を図ることができる。
【0052】
領域U26は、領域U16と同様に、対象ユーザによる、対象期間中の所定期間における運転関連情報に含まれる位置情報に基づいて、対象ユーザが運転する移動体1の動きを地図上にマッピングしたものを含んで構成される。しかしながら、その表示は暈されており、具体的に対象ユーザがどのような運転経路で運転をしたかについて認識が困難な態様となっている。ここで、表示の方法は、マッピングしたものを暈すのではなく、例えば、黒塗りにする、全く表示を行わない等としてもよく、対象ユーザがどのような運転経路で運転をしたかについて認識が困難な態様であれば特に限定されない。
このようにすることで、図6に示す例では対象ユーザ自身は自身の運転経路を確認できる一方で、図7に示す例では対象ユーザ以外の人物は対象ユーザによる運転経路を確認できないこととなり、管理者等の自分自身以外に閲覧されると嫌悪感や抵抗感が生じうるコンテンツについて適宜に閲覧制限を適用することができる。
【0053】
[変形例]
上述の実施形態においては、一ユーザの運転に関する運転レポート情報において、閲覧者によってそのアクセス許可態様を変化させることとしているが、一ユーザの運転に関する運転レポート情報に限られず、複数ユーザに関する情報においてアクセス許可態様を変化させることとしてよい。
例えば、複数ユーザを含むグループにおける運転に関する運転レポート情報において、閲覧者によってそのアクセス許可態様を変化させることとしてもよい。図8に、グループ内のユーザによって出力要求がなされた場合に出力される当該グループの運転レポート情報の一例を示す。
【0054】
図8に示すように、グループの運転レポート情報は、例えば、以下に説明する領域を含んで構成されている。
領域U31は、運転レポート情報が作成される対象のグループ(以下、「対象グループ」という)に関する情報、及び、運転レポート情報の対象期間を含んで構成されている。
領域U32は、対象グループに含まれる全ユーザによる対象期間における運転関連情報に基づいて算出された各運転関連スコアの平均値、及び、算出された運転スコアに基づいて算出されたランキング(対象グループの全社におけるランキング)を含んで表示されている。
【0055】
領域U33は、対象グループによる平均運転スコアの所定期間における推移を示すグラフを含んで構成される。例えば、過去6ヶ月間の運転スコアの推移を示すグラフであってよい。
領域U34は、対象期間において観測された対象グループに含まれるユーザによる危険運転に関する映像情報のリストを含んで構成される。各情報は、例えば、観測された時刻情報(「202201090945」等、危険運転を行なったユーザ名、年月日時分によって構成される。本変形例においては、対象グループの各ユーザによる運転内容のうち、例えば、図7の領域U24においてリンクが設定されているものと同様の条件を満たす運転内容の映像情報がそのリンクと共にリスト表示される。すなわち、管理者が注目すべきレベルで注意すべきものに限定した映像情報がリスト化し表示される。
【0056】
領域U35は、対象グループに含まれる複数のユーザのうち、指定されたユーザによる対象期間における運転関連情報に基づいて生成された加速度マップである。本変形例においては、指定されたユーザはグループの運転レポートの出力を要求したユーザ(山田太郎)とは異なるユーザ(須磨二郎)であり、表示対象となる加速度マップは暈した態様で表示されている。
領域U36は、対象期間中の所定期間における指定されたユーザにより運転された移動体1の動きを地図上にマッピングした移動地図情報を含んで構成される。本変形例においては、指定されたユーザはグループの運転レポートの出力を要求したユーザと同一であるため、移動地図情報はそのまま閲覧できるよう表示される。
【0057】
領域U37は、対象グループに含まれる複数のユーザの対象期間中における運転内容に対するそれぞれの提言情報を含んで構成される。領域U37においては、グループの運転レポート出力を要求したユーザ(山田太郎)に対する提言情報が表示される一方で、他ユーザに対する提言情報は表示されない態様となっている。すなわち、グループの運転レポート出力を要求したユーザ自身に関する提言情報のみが表示される。
【0058】
このようにすることで、各ユーザが自分自身以外に閲覧されると嫌悪感や抵抗感が生じうるコンテンツについて適宜に閲覧制限を適用した態様でグループに関する運転レポート情報を提供することができる。
【0059】
なお、グループに関する運転レポート情報を管理者が出力要求する場合は、ユーザが出力要求する場合とは異なる条件を設定して、かかる条件に基づいて各コンテンツについて閲覧を許可するかどうかを判断することとしてもよい。例えば、加速度マップに関しては、管理者は全ユーザの加速度マップを閲覧可能とし、グループのメンバー同士や、一ユーザの過去と現在との加速度マップの差分や足し合わせたものを生成して比較、評価を行えるようにしてもよい。すなわち、出力要求する人物と、コンテンツの運転関連情報にかかるユーザとの関連性に応じて、適用される閲覧制限の内容を変更することとしてもよい。
【0060】
また、上述の実施形態においては、各ユーザが自分自身以外に閲覧されると嫌悪感や抵抗感が生じうるコンテンツについてはリンクを設けず、アクセスできない態様で運転レポート情報を作成することとしているが、アクセスできない態様とすることに限られない。例えば、かかるコンテンツについてはリンクを設けつつも、アクセスしようとすると拒否される(閲覧不可)態様としてもよい。
【0061】
また、上述の実施形態においては、自身に関連するコンテンツ以外は、所定コンテンツを除いて閲覧不可としているが、このような態様に限られない。例えば、所定コンテンツ以外のコンテンツにおいても、ユーザ自身が他のユーザにも閲覧を許可する設定を行うことで、他ユーザが閲覧可能とすることとしてもよい。例えば、グループの運転レポート情報において、加速度マップについては他ユーザも閲覧可能と設定することで、他ユーザがかかるユーザの加速度マップを指定した場合に、暈すことなく表示を行うこととしてもよい。
【0062】
また、あるユーザに関する運転関連情報が所定の条件を満たさない場合、例えば、運転品質が所定の品質を満たさない場合は、自分自身以外に閲覧されると嫌悪感や抵抗感が生じうるコンテンツとして適用されている閲覧制限の一部または全部を解除することとしてもよい。このようにすることで、管理者等が運転品質が悪いユーザの運転状況を詳細に確認することができ、より良いフィードバックを行うことができるとともに、かかるユーザにおいても、自身のコンテンツの閲覧制限が解除されている状況を元に戻すべく、運転品質を向上するような運転に努めることが期待できる、という効果を奏する。
【0063】
また、それぞれのコンテンツの性質に基づいて、閲覧制限を適用するかどうかを区別したり、また閲覧制限の程度を変化させる(例えば、管理者や同じグループのユーザであればOK、それ以外のユーザであればNGなどとする、閲覧者により閲覧制限を区別したり、コンテンツ中の一部は閲覧制限を適用しなかったり、等)こととしてもよい。例えば、移動体1の車内を撮影した映像情報は、加速度マップに比べてより厳しい閲覧制限を適用することとしてもよい。例えば、移動体1の車内を撮影した映像情報はユーザ自身以外には閲覧不可とし、他方で、加速度マップはユーザ自身及び管理者に対して閲覧可能と設定してもよい。
更に、このような閲覧制限の設定を、ユーザ自身に行わせることとしてもよい。例えば、ユーザ端末40経由でサーバ20に対して閲覧制限の設定を登録しておき、運転レポート情報の出力に際してかかる閲覧制限設定を適用することとしてもよい。
【0064】
また、上述の実施形態においては、閲覧要求をするユーザが誰であるかに基づいて、所定のコンテンツについて閲覧をさせない制限を設定することを述べているが、閲覧制限はこのような態様に限られない。例えば、コンテンツの一部について閲覧不可としつつ、他の部分については閲覧可能としてもよいし、閲覧不可とするのではなく、モザイク等による暈しを適用して細部の閲覧を困難とする態様としてもよく、閲覧が何らかの形で制限される態様であれば特に限定されない。
【0065】
また、上述の実施形態においては、閲覧要求しているユーザと、コンテンツに関するユーザとが一致しない場合でありながら、運転関連情報が所定の条件を満たしている場合(S1007;Y)に、そのコンテンツについて閲覧可能と設定する(S1008)こととしているが、この態様に限られない。かかる場合においては、ステップS1003における閲覧制限の内容よりも緩和された閲覧制限を適用するものであれば、その態様は特に限られない。例えば、ステップS1003における閲覧制限として、閲覧不可とするものであった場合は、閲覧制限を緩和して、コンテンツ中の一部を閲覧可能としてもよいし、または、モザイク等による暈しを適用して細部の閲覧を困難とする態様としてもよい。
【0066】
また、いわゆるドライブレコーダーが情報処理装置10である場合において、車内と車外の映像を取得するものであった場合、車内の映像、すなわち、ドライバーの姿が撮像された映像情報は、車外の映像に比べて、そのドライバー自身にとって、他者に閲覧されると嫌悪感や抵抗感が生じうるコンテンツである可能性が高い。かかる背景から、車内の映像に対しては、車外の映像に比べて、同等であるかまたはより厳しい閲覧制限を適用することが好ましい。
【0067】
例えば、ドライバーとは異なる人物により運転レポート情報の出力要求がなされた場合においては、車外の映像はモザイク等による暈しを適用した映像を閲覧可能としつつ、車内の映像は閲覧不可とすることが挙げられる。また、ドライバーとは異なる人物により運転レポート情報の出力要求がなされた場合であって、対応する運転関連情報が所定の条件を満たした場合においては、車外及び車内の両方の映像を閲覧可能としてもよいし、車外の映像を閲覧可能としつつ、車内の映像はモザイク等の暈しを適用した映像を閲覧可能とする態様であってもよい。
【0068】
また例えば、車内外の状況を一つの映像として取得している場合においては、車内の範囲の映像と車外の範囲の映像について異なる閲覧制限を適用する態様としてもよい。
また例えば、人物の範囲を画像解析等によって抽出し、抽出された人物の範囲については他の範囲とは異なる閲覧制限を適用する態様としてもよい。異なる閲覧制限として例えば、人物の範囲に対してモザイク等による暈しを適用し、その人物による動作の認識が困難とする一方で、他の範囲においては通常の閲覧が可能となるようにしてもよい。
【0069】
以上、本発明の実施形態および変形例について詳細に説明したが、本発明の範囲は上記の実施形態および変形例に限定されない。また、上記の実施形態および変形例は、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更が可能である。また、上記の実施形態および変形例は、組み合わせ可能である。
【符号の説明】
【0070】
1 移動体
10 情報処理装置
20 サーバ
30 管理者端末
40 ユーザ端末


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8