(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023169877
(43)【公開日】2023-11-30
(54)【発明の名称】金属材質のフロントカバーを備えた釣り用リール
(51)【国際特許分類】
A01K 89/015 20060101AFI20231122BHJP
【FI】
A01K89/015 B
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023077899
(22)【出願日】2023-05-10
(31)【優先権主張番号】10-2022-0060281
(32)【優先日】2022-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】500408898
【氏名又は名称】株式会社ドヨエンジニアリング
(74)【代理人】
【識別番号】110001885
【氏名又は名称】弁理士法人IPRコンサルタント
(72)【発明者】
【氏名】玄 光昊
【テーマコード(参考)】
2B108
【Fターム(参考)】
2B108EB01
(57)【要約】
【課題】レベルワインダーを保護するフロントカバーを金属材質、特にアルミニウムなどの軽量かつ高強度な金属材質で別途製作して、レベルワインダーをより安全に保護することができるとともに、フロントカバーを様々なカラーなどのデザインに容易に組み立てて外観デザインを向上させるのはもとより、ユーザが自分の好みに応じて釣り用リールを飾って使用することができる釣り用リールを提供する。
【解決手段】 本発明による釣り用リールは、金属材質のフロントカバーを備えた釣り用リールであって、スプール取付部とレベルワインダー取付部を形成する両側側壁部を有するフレームと、前記両側側壁部の前端に結合されて後方のレベルワインダーを保護し、金属材質からなり、前記フレームに向かって折り曲げられて前記側壁部に結合される結合部を有するフロントカバーと、を含むことを特徴とする。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属材質のフロントカバーを備えた釣り用リールであって、
スプール取付部とレベルワインダー取付部を形成する両側側壁部を有するフレームと、
前記両側側壁部の前端に結合されて後方のレベルワインダーを保護し、金属材質からなり、前記フレームに向かって折り曲げられて前記側壁部に結合される結合部を有するフロントカバーと、を含むことを特徴とする、釣り用リール。
【請求項2】
前記側壁部は、組立部を含み、
前記フロントカバーは、前記結合部が前記組立部に面接するように折り曲げられて設けられた前面部と、前記結合部の長さ方向に延びるように結合されて前記側壁部の支持端部に支持される脚部と、を含むことを特徴とする、請求項1に記載の釣り用リール。
【請求項3】
前記組立部は、ボルトが締結される締結孔を含み、
前記結合部は、前記ボルトが嵌め込まれる結合孔を含むことを特徴とする、請求項2に記載の釣り用リール。
【請求項4】
前記脚部は前記結合部に着脱可能に結合されることを特徴とする、請求項2又は3に記載の釣り用リール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属材質のフロントカバーを備えた釣り用リールに係り、より詳細には、フレームの前面に結合されてレベルワインダーを保護するフロントカバーを金属材質で製作することにより、耐久性を高め且つ様々なデザイン演出を可能にする釣り用リールに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、釣り用リール、特にベイトキャスティングリールは、スプールの制動方式によってブレーキダイヤルやテンションナットの作動構造などが異なるだけであり、大きくは、スプールが取り付けられるフレーム、フレームの一側面に取り付けられるギア(gear)側サイドカバー、フレームの他側面に取り付けられるパーム(palm)側サイドカバー、及びギア側サイドカバーに設けられたハンドルを含むことで、左右サイドカバーが釣り用リールの両側面の外観を形成する。
【0003】
このような釣り用リールは、フレームの前端部に、スプールに巻かれた釣り糸を釣り竿のトップ部位に案内するための案内具が備えられているが、前記案内具は、スプール全体に釣り糸が左右に均一に巻かれるようにして、キャスティングの際に釣り糸がもつれることなく容易に繰り出されて飛距離を向上させることができるようにするレベルワインダーで構成されている。
【0004】
そして、フレームの前端部で横方向に結合されて回転するウォームシャフトに前記レベルワインダーが結合されることにより、スプールの釣り糸が繰り出されたり巻き取られたりするときにスプールシャフトとウォームシャフトが一緒に連動して回転しながら、レベルワインダーがワームシャフトの双方向レール部に沿って左右に往復移動して釣り糸の繰り出し及び巻き取りを補助する。
【0005】
このような釣り用リールは、レベルワインダーの前方、すなわちフレームの前端部に、釣り用リールの前面外観を形成するフロントカバーが結合されることにより、後方のレベルワインダーを外部からの衝撃から保護する。
【0006】
従来の釣り用リール用フロントカバーは、プラスチック射出物からなるが、釣り用リールの軽薄短小化及びコンパクトな設計によりフロントカバーの厚さが薄くなるにつれて、強度の低下によりレベルワインダーの保護に弱くなり、プラスチック射出物の印刷方式及び品質の限界により釣り用リールの外観デザイン、例えばカラー等が画一化されるという欠点がある。
【0007】
ちなみに、釣り用リールのフロントカバーに関連する従来技術として、韓国公開特許第10-2014-0086829号、韓国公開特許第10-1998-032374号などがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明は、上述した問題点を解決するためのもので、その目的は、レベルワインダーを保護するフロントカバーを金属材質、特にアルミニウムなどの軽量かつ高強度の金属材質で別途製作して、レベルワインダーをより安全に保護することができるとともに、フロントカバーを様々なカラーなどのデザインに容易に組み立てて外観デザインを向上させるのはもとより、ユーザが自分の好みに合わせて釣り用リールを飾って使用することができる釣り用リールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明による釣り用リールは、金属材質のフロントカバーを備えた釣り用リールであって、スプール取付部とレベルワインダー取付部を形成する両側側壁部を有するフレームと、前記両側側壁部の前端に結合されて後方のレベルワインダーを保護し、金属材質からなり、前記フレームに向かって折り曲げられて前記側壁部に結合される結合部を有するフロントカバーと、を含むことを特徴とする。
【0010】
また、本発明による釣り用リールにおいて、前記側壁部は、組立部を含み、前記フロントカバーは、前記結合部が前記組立部に面接するように折り曲げられて設けられた前面部と、前記結合部の長さ方向に延びるように結合されて前記側壁部の支持端部に支持される脚部と、を含むことを特徴とする。
【0011】
また、本発明による釣り用リールにおいて、前記組立部は、ボルトが締結される締結孔を含み、前記結合部は、前記ボルトが嵌め込まれる結合孔を含むことを特徴とする。
【0012】
また、本発明による釣り用リールにおいて、前記脚部は、前記結合部に着脱可能に結合されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明による釣り用リールは、金属材質のフロントカバーで強度を向上させてレベルワインダーをより安全に保護するとともに、フロントカバーを高品質の金属印刷で飾って様々なデザインに釣り用リールをチューニングして使用することができ、前面部と脚部からなるフロントカバーでフレームによる支持力を高めてより安定した結合状態を維持し、着脱可能な前面部と脚部を介してフロントカバーを様々なデザインに容易に加工、生産することができ、従来のプラスチックフロントカバーを使用していたフレームに本発明のフロントカバーを互換して汎用的に使用することができ、フロントカバー部品が一つのボルトを介して相互嵌合構造で安定して組み立てられることにより耐久性を向上させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図3】本発明による分離型フロントカバーの要部を示す図である。
【
図4】本発明による分離型フロントカバーの要部を示す図である。
【
図5】本発明による一体型フロントカバーの斜視図である。
【
図7】
図7の[A]、
図7の[B]は本発明によるボールばねタイプのクリック音発生手段を説明するための要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明に係る釣り用リールを説明する上で便宜のために厳密ではないおおよその方向基準を
図1を参照して特定すると、重力が作用する方向を下側にして見える方向そのまま上下左右を定め、他の図面に関連した本発明の詳細な説明及び請求の範囲においても他に特別な言及がない限り、この基準に従って方向を特定して記述する。
【0016】
以下では、本発明に係る釣り用リールを添付図面に基づいて説明する。
【0017】
本発明は、
図1~
図6に示すように、金属材質のフロントカバーを備えた釣り用リールに関するもので、大きくは、フレーム10、前記フレーム10に軸設されて釣り糸が巻き取られるスプール(図示せず)、前記フレーム10の両側面にそれぞれ結合されるギア(gear)側第1サイドカバーSC1とパーム(palm)側第2サイドカバーSC2、及び前記フレーム10の前端部に結合されるフロントカバー20、20’を含む。
【0018】
図示していない釣り用リールの残りの基本構成は、公知のものであって、理解の便宜のために説明を省略する。
【0019】
具体的には、本発明は、
スプール取付部とレベルワインダー取付部を形成する両側側壁部10Aを有するフレーム10と、
前記両側側壁部10Aの前端に結合されて後方のレベルワインダー(図示せず)を保護するが、金属材からなり、前記フレームに向かって折り曲げられて前記側壁部に結合される結合部21を有するフロントカバー20、20’と、を含む。
【0020】
前記フレーム10は、両側側壁部10Aの外面に前記第1サイドカバーSC1と第2サイドカバーSC2とがボルトで結合され、前記レベルワインダー取付部には、ウォームシャフトが軸設されてレベルワインダーが左右往復移動可能に結合されている。
【0021】
このようなフレーム10は、前記レベルワインダー取付部の前方にフロントカバー20、20’の結合のための組立部11が備えられる。
【0022】
前記組立部11は、前記両側側壁部10Aの前端に両面を貫通して設けられた締結孔111を含むことで、フロントカバー20、20’結合用ボルトが前記締結孔111にねじ込まれて締め付けられる。
【0023】
前記組立部11の上端には、両側側壁部10Aの縁面に沿って後方に向かって上方傾斜するように連結された支持端部12が形成され、フロントカバー20、20’の脚部20Bが前記支持端部12に支持されて結合される。
【0024】
また、前記側壁部10Aは、前記組立部11の外側面に設けられた挿入溝13を含み、前記挿入溝13は、前記組立部11が形成される側壁部10Aの一部の外側面が肉抜き方式で加工された形で形成される。
【0025】
また、前記支持端部12の後端から上側垂直方向に折り曲げられた受け部14が連結され、前記受け部14に組立突起141が前方に突出して設けられている。
【0026】
前記フロントカバー20、20’は、金属材質、特にアルミニウムなどの軽量且つ高強度な金属材質で別途加工されて製作される。
【0027】
このようなフロントカバー20、20’は、大きくは前面部20Aと両側脚部20Bから構成される。具体的には、前記フロントカバー20、20’は、結合部21が前記組立部11に面接するように折り曲げられて設けられた前面部20Aと、前記結合部21の長さ方向に延びるように結合され、前記両側側壁部10Aの支持端部12に支持される脚部20Bと、を含む。
【0028】
前記結合部21は、前記前面部20Aの一側端または両側端からフレーム10に向かって突出するように折り曲げられて設けられ、このとき、結合安全性のために前面部20Aの両側端から前記結合部21が後方に折り曲げられて連結されることが好ましい。
【0029】
そして、前記結合部21は、前記締結孔111に対応する結合孔211が結合部21の両面を貫通するように設けられ、前記ボルトが前記結合孔211に嵌め込まれて前記締結孔111に螺合される。
【0030】
このようなフロントカバー20、20’は、
図1~
図4に示された第1実施形態のように、前記前面部20Aと両側脚部20Bが互いに異なる部品の3ピース(piece)構造で個別加工されることにより、前面部20Aと一対の脚部20Bとが互いに脱着可能に構成された分離型フロントカバー20で構成されてもよく、或いは、
図5に示された第2実施形態のように、前記前面部20Aと両側脚部20Bとが一つの部品に一体化されて加工された一体型フロントカバー20’で構成されてもよい。
【0031】
これは、釣り用リールに応じて、従来のプラスチックフロントカバーデザインの加工難易度が高い場合(すなわち、金属加工が難しいかコストが高くかかる場合)には、第1実施形態の分離型フロントカバー20と互換して使用し、従来のプラスチックフロントカバーデザインの加工難易度が低い場合には、第2実施形態の一体型フロントカバー20’と互換して使用することができるようにするためである。
【0032】
このような金属材質のフロントカバー20、20’は、プラスチックフロントカバーとは異なる質感を有しながら、より容易でユニークなデザイン印刷によってデザイナー的な審美感を高めることができ、強度自体がより強いため、レベルワインダーの保護という本然の機能をより確実に確保することができるようにする。
【0033】
より具体的には、前記前面部20Aは、前記結合部21の内側面に設けられた結合溝22を含み、前記脚部20Bは、前記組立部11の前端に支持されながら前記結合溝22に嵌合される固定片23を含む。
【0034】
前記結合溝22は、前記結合部21の内側面が肉抜き方式で加工された形状に形成される。
【0035】
前記固定片23は、前記脚部20Bの前端から下側垂直方向に折り曲げられて連結され、後面には、前記組立部11の前面から突出した凸部112が嵌め込まれる嵌合溝231が備えられている。
【0036】
前記凸部112は、前記締結孔111によって前記組立部11の薄肉を防止して組立部11の強度を向上させるとともに、前記固定片23を前記支持端部12に密着させて固定させる。
【0037】
また、前記脚部20Bは、前記固定片23の外面に設けられた固定溝24をさらに含む。
【0038】
前記固定溝24は、前記固定片23の外側面が肉抜き方式で加工された形状に形成される。
【0039】
このような固定溝24は、前記挿入溝13に対応して延びて連結された形状であって、前記結合部21が嵌め込まれる。
【0040】
また、前記脚部20Bは、前記組立突起141が嵌め込まれる組立溝25を含む。
【0041】
前記組立溝25は、前記組立突起141に対応して前記受け部14に密着する前記脚部20Bの後端端面に設けられる。
【0042】
このような本発明は、まず、第1実施形態の場合、前記組立突起141が前記組立溝25に嵌め込まれるように前記脚部20Bを前記支持端部12に組み付けると、前記凸部112が前記嵌合溝231に嵌合されて仮結合し、その後、前記結合部21を前記固定溝24と挿入溝13に嵌合させると、前記固定片23が前記結合溝22、すなわち組立部11の前面と前面部20Aの後面との間に挟まれて仮結合し、
この状態で、前記ボルトを前記結合孔211に嵌め込んで締結孔111に螺合すると、前記前面部20Aによって前記脚部20Bが側壁部10Aに密着しながら押圧されて分離型フロントカバー20の組立が完了する。
【0043】
そして、第2実施例の場合、前記組立突起141が前記組立溝25に嵌め込まれるように前記一体型フロントカバー20’を両側側壁部10Aに合わせると、前記凸部112が前記嵌合溝231に嵌合されて仮結合し、この状態で前記ボルトを前記結合孔211に嵌め込んで締結孔111に螺合すると、一体型フロントカバー20’の組立が完了する。
【0044】
これにより、本発明は、従来の使用中の釣り用リールのプラスチックフロントカバーに代わって、強度及びデザインが向上した金属材質のフロントカバー20、20’と互換して、ユーザの好みに応じて釣り用リールをチューニングして使用することができる。
【0045】
一方、本発明は、
図6に示すように、前記第2サイドカバーSC2の軸孔SC21に嵌め込まれてマグネットブレーキなどの制動手段を操作する操作ダイヤル30をさらに含む。
【0046】
前記操作ダイヤル30は、前記第2サイドカバーSC2の軸孔SC21に挿入されて回転操作可能であり、前記軸孔SC21の内周面に形成された鋸歯部SC22にかかる弾性ピン31を含むこれにより、操作ダイヤル30を停止させながら回転の際に所定の大きさのクリック音が発生するようにする。
【0047】
また、本発明は、前記弾性ピン31に代わるボールばねタイプのクリック音発生手段を導入することにより、操作ダイヤル30の固定力及び回転安定性を向上させた。
【0048】
図7に示すように、前記クリック音発生手段は、前記操作ダイヤル30の他側面の縁に沿って突出した突出端31に備えられるが、前記突出端31の径方向の外側面に穿設された引出孔B11、前記突出端31の内部で前記引出孔B11と直交する方向に設けられたガイド孔B12、及び前記突出端31の径方向の内側面に設けられた嵌合溝B13を有する前後進溝部B1と、
前記引出孔B11に嵌め込まれて出没し、外側前端部に前記鋸歯部SC22の溝に挿入可能なボール部材Bが連結されており、内側に押し突起B21が後方に延長連結された押圧棒B2と、
前記ガイド孔B12に嵌め込まれて前記押圧棒B2の左右にそれぞれ前後進するように結合し、前記押圧棒B2の後面部に接触する一対の第1支持ボールB3と、
前記嵌合溝B13に嵌め込まれて前後進するように結合し、前記押し突起B21に接触する第2支持ボールB4と、
前記ガイド孔B12と嵌合溝B13にそれぞれ設けられ、前記一対の第1支持ボールB3及び第2支持ボールB4をそれぞれ内側に弾性支持する圧縮ばねB5、B6と、を含む。
【0049】
前記押圧棒B2は、前記ボール部材Bが自由回転するように嵌め込まれる着座溝を前面に有しながら後面部が半球状に形成され、後面部の中央に前記押し突起B21が所定の長さに長く突出して連結されている。
【0050】
このような押圧棒B2は、前記引出孔B11に嵌め込まれ、図示していない係止突起を介して引出孔B11から離脱しないように結合される。
【0051】
そして、前記第1支持ボールB3及び第2支持ボールB4は、それぞれの圧縮ばねB5、B6によって前進するように弾性支持されている。
【0052】
したがって、前記圧縮ばねB5、B6の弾性作用によって第1支持ボールB3及び第2支持ボールB4が前進して前記押圧棒B2を前方に押して引き出させることにより、前記ボール部材Bが前記鋸歯部SC22の溝のうちの一つに挿入されて引っ掛かる。
【0053】
この状態で操作ダイヤル30が回転すると、前記ボール部材Bは、前記鋸歯部SC22が突出部によって後方に押されることにより、まず、第1支持ボールB3がそれぞれ左に押されて第1ばねB5が圧縮される。
【0054】
同時に、前記押圧棒B2は、前記押し突起B21が前記第2支持ボールB4を後方に押して第2ばねB6が圧縮される。
【0055】
この状態で前記ボール部材Bが前記鋸歯部SC22の他の溝に進入すると、前記第1、第2圧縮ばねB5、B6の弾性力が同時に作用して前記押圧棒B2を押すことにより前記ボール部材Bが鋸歯部SC22の溝に挿入される。
【0056】
このようなボールばねタイプのクリック音発生手段は、2種の圧縮ばねB5、B6で三重の弾性支持を可能にして高張力のばねの代わりに十分な圧力でボール部材Bの加圧が可能となり、一般的なボールばねに比べてボール部材Bの前後行程距離が小さくなるにつれて、高張力の長いばねを使用しなくてもコンパクトな設計によって取付空間を最小化して、ダイヤルカムとの結合を阻害しないように部品の小型化を達成することにより、十分な固定力を確保し、クリック音が大きく発生するようにすることができる。
【0057】
以上、本発明を説明するにあたり、添付図面を参照して釣り用リールを中心に説明したが、本発明は当業者によって様々な修正、変更及び置換が可能であり、それらの修正、変更及び置換も本発明の保護範囲に属すると解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0058】
10 フレーム
20 フロントカバー