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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023174613
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】バンプ構造およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/60 20060101AFI20231130BHJP
【FI】
H01L21/92 602B
H01L21/92 602D
H01L21/92 604B
【審査請求】有
【請求項の数】22
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023087261
(22)【出願日】2023-05-26
(31)【優先権主張番号】63/365,342
(32)【優先日】2022-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】518253554
【氏名又は名称】シトロニックス テクノロジー コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】クオ-ウェイ ツェン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】チップ上に設置されるバンプ構造自体の構造特性を高め、損傷しにくいバンプ構造およびその製造方法を提供する。
【解決手段】バンプ構造は、第1バンプ層322および第2バンプ層324を含み、第1バンプ層はチップ30上に設置され、第2バンプ層は第1バンプ層上に設置され、第1バンプ層の硬度は第2バンプ層の硬度と異なり、第1バンプ層および第2バンプ層の材料は同じ導電材料である。これにより、チップがバンプ構造を介して基板40に突き合わされ、作用力がバンプ構造に加えられる時、バンプ構造がチップに損傷を与えにくくなり、バンプ構造自体の構造特性も高められ、バンプ構造自体も損傷を受けにくくなる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チップ上に設置されるバンプ構造であって、
前記チップ上に設置される第1バンプ層と、
前記第1バンプ層上に設置される第2バンプ層と、を含み、
前記第1バンプ層および前記第2バンプ層の材料は同じ導電材料であり、
前記第1バンプ層の硬度は前記第2バンプ層の硬度とは異なる、バンプ構造。
【請求項2】
前記第1バンプ層と前記第2バンプ層との間に設置される少なくとも1つのバンプ緩衝層をさらに含み、
前記第1バンプ層、前記第2バンプ層および前記少なくとも1つのバンプ緩衝層の材料は同じ導電材料であり、
前記少なくとも1つのバンプ緩衝層の硬度は前記第1バンプ層および前記第2バンプ層の硬度とは異なる、請求項1に記載のバンプ構造。
【請求項3】
前記第1バンプ層の硬度は前記少なくとも1つのバンプ緩衝層の硬度よりも小さく、
前記少なくとも1つのバンプ緩衝層の硬度は前記第2バンプ層の硬度よりも小さい、請求項2に記載のバンプ構造。
【請求項4】
前記少なくとも1つのバンプ緩衝層は複数のバンプ緩衝層を含み、前記第1バンプ層の硬度は当該複数のバンプ緩衝層の硬度よりも小さく、当該複数のバンプ緩衝層の硬度は前記第2バンプ層の硬度より小さく、
当該複数のバンプ緩衝層は前記第1バンプ層に近付くにつれて硬度が漸減し、前記第1バンプ層から離れている前記バンプ緩衝層の硬度は前記第1バンプ層に近接している前記バンプ緩衝層の硬度よりも大きい、請求項3に記載のバンプ構造。
【請求項5】
前記第1バンプ層の硬度は前記第2バンプ層の硬度よりも小さい、請求項1に前記バンプ構造。
【請求項6】
前記第1バンプ層は少なくとも1つの金属層上に設置されており、前記少なくとも1つの金属層は前記チップ上に設置されている、請求項1に記載のバンプ構造。
【請求項7】
前記第1バンプ層は保護層上に設置されており、
前記保護層は接触パッド上に設置されており、
前記接触パッドは前記チップ上に設置されているとともに前記チップと接触している、請求項1に記載のバンプ構造。
【請求項8】
前記第1バンプ層は少なくとも1つの金属層上に設置されており、
前記少なくとも1つの金属層は前記保護層上に設置されている、請求項7に記載のバンプ構造。
【請求項9】
前記保護層は切込み口を有し、前記接触パッドと前記第1バンプ層とが前記切込み口において対向している、請求項7に記載のバンプ構造。
【請求項10】
前記第1バンプ層は、前記保護層の前記切込み口に対向する少なくとも1つの金属層上に設置されており、
前記少なくとも1つの金属層は、前記接触パッド上に設置されているとともに前記接触パッドと接触している、請求項9に記載のバンプ構造。
【請求項11】
チップ上にバンプ構造を設置するための、バンプ構造の製造方法であって、
前記チップ上に第1バンプ層を形成する工程と、
前記第1バンプ層上に第2バンプ層を形成する工程と、を含み、
前記第1バンプ層および前記第2バンプ層の材料は同じ導電材料であり、前記第1バンプ層の硬度は前記第2バンプ層の硬度とは異なる、バンプ構造の製造方法。
【請求項12】
前記第2バンプ層が形成される少なくとも1つのバンプ緩衝層を、前記第1バンプ層上に形成する工程をさらに含み、
前記第1バンプ層、前記第2バンプ層および前記少なくとも1つのバンプ緩衝層の材料は同じ導電材料であり、
前記少なくとも1つのバンプ緩衝層の硬度は前記第1バンプ層および前記第2バンプ層の硬度とは異なる、請求項11に記載のバンプ構造の製造方法。
【請求項13】
前記第1バンプ層の硬度は前記少なくとも1つのバンプ緩衝層の硬度よりも小さく、
前記少なくとも1つのバンプ緩衝層の硬度は前記第2バンプ層の硬度よりも小さい、請求項12に記載のバンプ構造の製造方法。
【請求項14】
前記少なくとも1つのバンプ緩衝層は複数のバンプ緩衝層を含み、前記第1バンプ層の硬度は当該複数のバンプ緩衝層の硬度よりも小さく、当該複数のバンプ緩衝層の硬度は前記第2バンプ層の硬度より小さく、
当該複数のバンプ緩衝層は前記第1バンプ層に近付くにつれて硬度が漸減し、前記第1バンプ層から離れている前記バンプ緩衝層の硬度は前記第1バンプ層に近接している前記バンプ緩衝層の硬度よりも大きい、請求項13に記載のバンプ構造の製造方法。
【請求項15】
前記第1バンプ層の形成後に、前記第1バンプ層を加熱する工程と、
前記少なくとも1つのバンプ緩衝層の形成後に、前記第1バンプ層および前記少なくとも1つのバンプ緩衝層を加熱する工程と、
前記第2バンプ層の形成後に、前記第1バンプ層、前記少なくとも1つのバンプ緩衝層および前記第2バンプ層を加熱する工程と、
をさらに含む、請求項12に記載のバンプ構造の製造方法。
【請求項16】
前記第1バンプ層の硬度は前記第2バンプ層の硬度よりも小さい、請求項11に記載のバンプ構造の製造方法。
【請求項17】
前記第1バンプ層の形成後に、前記第1バンプ層を加熱する工程と、
前記第2バンプ層の形成後に、前記第1バンプ層および前記第2バンプ層を加熱する工程と、
をさらに含む、請求項11に記載のバンプ構造の製造方法。
【請求項18】
前記第1バンプ層が設置される保護層を、前記チップ上に形成する工程をさらに含む、請求項11に記載のバンプ構造の製造方法。
【請求項19】
前記第1バンプ層が形成される少なくとも1つの金属層を、前記保護層上に形成する工程をさらに含む、請求項18に記載のバンプ構造の製造方法。
【請求項20】
前記第1バンプ層および前記第2バンプ層を形成する工程は、電気メッキプロセスにより行なわれ、
異なる電流条件を用いて電気メッキプロセスを行うことにより、前記第1バンプ層および前記第2バンプ層を形成する、請求項11に記載のバンプ構造の製造方法。
【請求項21】
前記第1バンプ層および前記第2バンプ層を形成する工程は、電気メッキプロセスにより行なわれ、
温度の異なる電気メッキ液を用いて電気メッキプロセスを行うことにより、前記第1バンプ層および前記第2バンプ層を形成する、請求項11に記載のバンプ構造の製造方法。
【請求項22】
前記第1バンプ層および前記第2バンプ層を形成する工程は、電気メッキプロセスにより行なわれ、
異なる電気メッキ液を用いて電気メッキプロセスを行うことにより、前記第1バンプ層および前記第2バンプ層を形成する、請求項11に記載のバンプ構造の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バンプ構造およびその製造方法に関し、特に、チップ上に設置されるバンプ構造およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に言えば、バンプ(Bump)構造は、少なくともチップ(Chip)を基板またはキャリアに接合するために用いられる。例えば、バンプ構造によって、太陽光電池チップ、制御チップ、駆動チップ、符号化・復号チップなどのタイプのチップは、対応の基板またはキャリアに接合され、バンプ構造によって信号を伝達する。
【0003】
チップの製造工程がますます精密になるにつれて、対応するバンプもますます精密化され、さらに、インフレーションにより金属材料の価格が上昇し続けているため、バンプの寸法縮小が業界の必然的な趨勢となっているが、寸法縮小されたバンプが力を受けた時の変形はさらに深刻になっている。基板またはキャリア上へのチップの設置の間、寸法縮小されたバンプの単位面積当たりにかかる力は、寸法縮小されていないバンプの単位面積当たりにかかる力よりも大きく、よって、寸法縮小されたバンプの変形が大きくなり、チップの部材または配線に損傷を与えることさえある。
【0004】
上記の問題に鑑み、本発明は、異なる硬度を有するバンプ層により、受ける作用力を低減することができ、その作用力がチップに伝達されることを回避し、チップの損傷を回避し、バンプ構造自体の構造特性を高め、損傷しにくいバンプ構造およびその製造方法を提供することを目的とする。
【発明の概要】
【0005】
本発明の一目的は、バンプ構造に含まれる複数のバンプ層が異なる硬度を有することにより、該バンプ構造の受ける作用力を低減して、作用力がチップに伝わることによるチップの損傷を回避し、バンプ構造自体の構造特性を高めることにより損傷を受けにくくなるバンプ構造およびその製造方法を提供することにある。
【0006】
前記目的のために、本発明は、チップ上に設置されるバンプ構造であって、前記チップ上に設置される第1バンプ層と、前記第1バンプ層上に設置される第2バンプ層と、を含み、前記第1バンプ層の硬度は前記第2バンプ層の硬度とは異なり、前記第1バンプ層および前記第2バンプ層の材料は同じ導電材料である、バンプ構造を提供する。これによって、前記バンプ構造の受ける作用力を低減して、チップに作用力が伝わることによるチップの損傷を回避し、バンプ構造自体の構造特性を高めることにより損傷を受けにくくなる。
【0007】
前記目的のために、本発明は、チップ上にバンプ構造を設置するための、バンプ構造の製造方法であって、前記チップ上に第1バンプ層を形成する工程と、前記第1バンプ層上に第2バンプ層を形成する工程と、を含み、前記第1バンプ層の硬度は前記第2バンプ層の硬度とは異なり、前記第1バンプ層および前記第2バンプ層の材料は同じ導電材料である、バンプ構造の製造方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第1実施例のバンプ構造の模式図である。
図2A】本発明の第1実施例のバンプ構造を製造する工程の模式図である。
図2B】本発明の第1実施例のバンプ構造を製造する工程の模式図である。
図2C】本発明の第1実施例のバンプ構造を製造する工程の模式図である。
図2D】本発明の第1実施例のバンプ構造を製造する工程の模式図である。
図2E】本発明の第1実施例のバンプ構造を製造する工程の模式図である。
図2F】本発明の第1実施例のバンプ構造を製造する工程の模式図である。
図2G】本発明の第1実施例のバンプ構造を製造する工程の模式図である。
図2H】本発明の第1実施例のバンプ構造を製造する工程の模式図である。
図3】本発明の第2実施例のバンプ構造の模式図である。
図4A】本発明の第2実施例のバンプ構造の製造プロセスの模式図である。
図4B】本発明の第2実施例のバンプ構造の製造プロセスの模式図である。
図4C】本発明の第2実施例のバンプ構造の製造プロセスの模式図である。
図4D】本発明の第2実施例のバンプ構造の製造プロセスの模式図である。
図4E】本発明の第2実施例のバンプ構造の製造プロセスの模式図である。
図4F】本発明の第2実施例のバンプ構造の製造プロセスの模式図である。
図4G】本発明の第2実施例のバンプ構造の製造プロセスの模式図である。
図4H】本発明の第2実施例のバンプ構造の製造プロセスの模式図である。
図4I】本発明の第2実施例のバンプ構造の製造プロセスの模式図である。
図4J】本発明の第2実施例のバンプ構造の製造プロセスの模式図である。
図5】本発明の第3実施例のバンプ構造の模式図である。
図6A】本発明の第3実施例のバンプ構造を製造する工程の模式図である。
図6B】本発明の第3実施例のバンプ構造を製造する工程の模式図である。
図6C】本発明の第3実施例のバンプ構造を製造する工程の模式図である。
図6D】本発明の第3実施例のバンプ構造を製造する工程の模式図である。
図6E】本発明の第3実施例のバンプ構造を製造する工程の模式図である。
図6F】本発明の第3実施例のバンプ構造を製造する工程の模式図である。
図6G】本発明の第3実施例のバンプ構造を製造する工程の模式図である。
図6H】本発明の第3実施例のバンプ構造を製造する工程の模式図である。
図6I】本発明の第3実施例のバンプ構造を製造する工程の模式図である。
図6J】本発明の第3実施例のバンプ構造を製造する工程の模式図である。
図6K】本発明の第3実施例のバンプ構造を製造する工程の模式図である。
図7】本発明の第4実施例のバンプ構造の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
審査官に本発明の特徴および達成できる効果についてさらに理解、認識してもらうために、以下のように、好ましい実施例を参照しながら詳細に説明する。
【0010】
明細書および請求項の中で特定の部品を指す語彙を使用している。しかし、本発明の技術分野の当業者は、同じ構成要素が異なる名詞で呼ばれる可能性があることを理解すべきであり、また、本明細書および請求項は、名称の相違によって構成要素を区別するのではなく、構成要素の全体的な技術上の相違を区分の基準としている。全体の明細書および請求項の中で言及された「包含」は、開放的な用語であり、「包含するが、限定されない」と解釈すべきである。さらに、「結合」という言葉には、如何なる直接および間接的な接続手段が含まれている。従って、文中に「第1装置が第2装置に結合する」と記述する場合、第1装置は直接に第2装置に接続され、或いは、他の装置または他の接続手段を通して間接的に第2装置に接続されるということを意味する。
【0011】
バンプを縮小しても効果的に作用力を削減することができず、チップの損傷を引き起こすという問題が知られているため、本発明は、バンプ構造およびその製造方法を提案し、硬度の異なる複合バンプ層を含むバンプ構造を提供して、従来技術の問題を解決する。
【0012】
以下、図面を参照しながら、本発明の様々な実施形態を説明することにより、本発明を詳細に説明する。しかしながら、本発明の概念は、多くの異なるパターンで具現化されることができ、本明細書で説明される例示的な実施形態に限定するものと解釈すべきではない。
【0013】
まず、図1を参照する。図1は本発明の第1実施例のバンプ構造の模式図である。図に示すように、本実施例では、チップ30上に、チップ30を基板40に接合するために用いられるバンプ構造32が設置され、本実施例のチップ30上に接触パッド302が設置され、チップ30に設置されているバンプ構造32が第1バンプ層322および第2バンプ層324を含み、第1バンプ層322は接触パッド302上に設置され、第2バンプ層324は第1バンプ層322上に設置され、バンプ構造32の第1バンプ層322の硬度は第2バンプ層324の硬度と異なる。これにより、バンプ構造32の受ける作用力を相殺できる。例えば、第2バンプ層324の硬度は第1バンプ層322の硬度よりも大きい場合、比較的に硬度の低い第1バンプ層322によって、作用力緩衝効果を達成できる。バンプ構造32が作用力を受ける時に、まず比較的に硬度の高い第2バンプ層322が作用力を受けることによってバンプ構造32が変形しすぎることを回避できる。
【0014】
詳しく言えば、本実施例では、第1バンプ層322は第1金属層304上に設置され、第1金属層304は第1バンプ層322と接触パッド302との間に設置され、即ち第1金属層304はチップ30上に設置され、第1金属層304は、バンプ下金属(UBM)層であってもよい。UBM層が信号接続機能を提供する層であるため、第1バンプ層322がUBM層上に設置されていることは、第1バンプ層322が接触パッド302上に設置されていることに相当する。さらに、チップ30に保護層303も設置され、保護層303は接触パッド302上に設置されている。本実施例の保護層303が切込み口を有するので、接触パッド302は露出されている。即ち保護層303は接触パッド303を囲んで設置され且つチップ30上に設置されている。接触パッド302、第1金属層304および第1バンプ層322が保護層303の切込み口に対応している。
【0015】
チップ30がバンプ構造32によって基板40に接合される時に、チップ30と基板40との間にさらに接続素子402および誘電体層404が含まれ、誘電体層404は第2バンプ層324と接続素子402との間に設置され且つチップ30と基板40との間に充填され、接続素子402は基板40に設置され、誘電体層404内に複数の導電粒子(図に示さない)が設置され、例えば、異方性導電ゴム膜(ACF)内に複数の導電粒子が設置されている。これにより、相対的に言えば、基板40に接続素子402、誘電体層404を設置することによって、チップ30を基板40に接合させ、さらに、誘電体層404を押し込むことによって、バンプ構造32をチップ30に結合させる。これにより、チップ30と基板40との間に信号が伝達される。
【0016】
以下、第1実施例のバンプ構造32を製造する流れについて詳細に説明する。
【0017】
図2A図2Hは、本発明の第1実施例のバンプ構造を製造する工程の模式図である。図に示すように、本発明のバンプ構造の製造方法は、チップ30の接触パッド302上に設置されるためのバンプ構造32を提供する。詳細には、図2Aに示すように、チップ30を提供し、チップ30上に接触パッド302が設置され、接触パッド302の周囲に保護層303が設置されている。接触パッド302は、例えば、アルミニウムなどの金属材料から選択される。その後、図2Bに示すように、第1金属層304は、接触パッド302および保護層303の上に形成されるとともに、接触パッド302および保護層303を覆う。ここで、第1金属層304は、単層構造であり、または、異なる材料より形成される複数の副層を含む複合構造を有し、且つ、ニッケル(Ni)層、チタン(Ti)層、チタンタングステン(TiW)層、パラジウム(Pd)層、金(Au)層、銀(Ag)層およびその組合せから選択される一つ(または複数)の層を含む。本実施例の第1金属層304は、物理気相成長(PVD)プロセス、化学気相成長(CVD)プロセスまたはスパッタ(Sputter)プロセスにより、接触パッド302および保護層303の上に形成される。次に、図2Cに示すように、正型フォトレジストと負型フォトレジストを含む通常のフォトレジスト材料からなるフォトレジスト層PRは第1金属層304の上に形成される。
【0018】
次に、図2Dに示すように、バンプ構造32の設置区域に応じて、一部のフォトレジスト層PRが除去され、第1収納空間A1が形成される。図2Eに示すように、第1金属層304によって、信号接続機能が提供され且つ半田のチップ30への汚染を回避できるため、第1バンプ層322を第1金属層304の上に形成することは、第1バンプ層322を接触パッド302の上に形成することに相当する。図2Fに示すように、第2バンプ層324を第1バンプ層322の上に形成して、さらに図2Gに示すように、フォトレジスト層PRを除去し、例えば、エッチング液でフォトレジスト層PRを除去する。次に、図2Hに示すように、バンプ構造32の被覆区域を超過する第1金属層304を除去し、例えば、第1金属層304をエッチングする。これにより、第1バンプ層324下方の被覆区域中の第1金属層304だけを保留し、保護層303を露出する。
【0019】
前記図2Eから図2Gまでのプロセス中、本実施例の第1バンプ層322および第2バンプ層324は、物理気相成長(PVD)プロセス、電気メッキ(Plating)プロセスまたは化学気相成長(CVD)プロセスによって、順次にチップ30に形成される。図2Gの工程の後に、異なる温度条件で、第1バンプ層322の加熱および第2バンプ層324の加熱を行い、第1バンプ層322の結晶粒子の大きさと第2バンプ層324の結晶粒子の大きさとが異なるようにする。例えば、500℃の加熱温度で第1バンプ層322の熱処理を行うが、200℃の加熱温度で第2バンプ層324の熱処理を行う。加熱温度が高ければ高いほど結晶粒径が大きくなるため、第1バンプ層322の硬度が第2バンプ層324の硬度よりも小さい。
【0020】
その後、または電気メッキプロセス中に、異なる電気メッキの電流条件を設定して同じ電気メッキ槽(図に示さない)の中で電気メッキを行う。これにより、第1バンプ層322の結晶粒子の大きさと第2バンプ層324の結晶粒子の大きさとが異なるようにする。例えば、第1電流で電気メッキを行って第1バンプ層322を形成するが、第1電流よりも大きい第2電流で電気メッキを行って第2バンプ層324を形成する。電気メッキの電流が小さいほど、第1バンプ層322の結晶粒径が第2バンプ層324の結晶粒径より大きくなりやすい。また、結晶粒径が小さいほど硬度が高い。そのため、第2バンプ層324の硬度が第1バンプ層322の硬度よりも大きい。また、第1金属層304の材料は、第1バンプ層322および第2バンプ層324の材料と同じ導電材料であり、例えば、金、銀、銅またはスズである。さらに、異なる電気メッキ液を利用して同じ導電材料を電気メッキすることにより、第1バンプ層322と第2バンプ層324を形成してもよい。例えば、Cyanide(シアン化物)/Non-Cyanide(非シアン化物)を用いる。Non-Cyanide(非シアン化物)を使用する場合、結晶格子が小さいほど硬度が高いが、Cyanide(シアン化物)を使用する場合、結晶格子が大きいほど硬度が低い。
【0021】
また、図2Eを参照する。第1バンプ層322を形成した後に、さらに第1バンプ層322を加熱、乾燥できる。図2Fを参照する。第2バンプ層324を形成した後に、さらに第1バンプ層322と第2バンプ層324を加熱、乾燥できる。そのため、第1バンプ層322は比較的に長い熱処理過程を経るため、第1バンプ層322の硬度が第2バンプ層324の硬度よりも小さくなりやすい。また、図2E図2Fを参照する。異なる温度の電気メッキ液を利用して第1バンプ層322および第2バンプ層324を形成してもよい。例えば、第1バンプ層322の電気メッキ液の温度は第2バンプ層324の電気メッキ液の温度よりも大きい。これにより、第1バンプ層322の硬度は第2バンプ層324の硬度よりも小さい。
【0022】
さらに、本実施例の第1バンプ層322および第2バンプ層324の材料は、例えば金属材料などの同じ導電材料から選ぶ。これにより、第1バンプ層322と第2バンプ層324との間の金属親和性がよくなる。例えば、第1バンプ層322および第2バンプ層324の材料はすべて金、銀、銅またはスズから選ぶ。これにより、第1バンプ層322と第2バンプ層324との間の金属親和性を向上する。バンプ構造32が側方向せん断応力を受ける時に、金属親和性不足のために側方向せん断応力に破壊されることを避ける。
【0023】
さらに、第2バンプ層324の硬度は第1バンプ層322の硬度よりも大きいので、第2バンプ層324は、より優れた硬度を有し、チップ30を基板40に接合する時に生じ得る変形を低減でき、第1バンプ層322は、減衰効果を提供し、基板40から来る作用力を緩衝する。
【0024】
前記実施例では、本発明のバンプ構造32は第1バンプ層322および第2バンプ層324を含み、その製造方法は第1バンプ層322および第2バンプ層324が順次に接触パッド302の上に形成する方法である。以下は、図3に示すように、さらに第1バンプ緩衝層326を含む本発明のバンプ構造32Aを説明する。
【0025】
詳しく言えば、図3を参照する。図3は本発明の第2実施例のバンプ構造の構造模式図である。ここで、図1および図3の相違点は、図3ではさらに第2金属層306および第1バンプ緩衝層326が設置されることである。第2金属層306は第1金属層304と第1バンプ層322との間に設置され、第1バンプ緩衝層326は第1バンプ層322と第2バンプ層324との間に設置される。第1バンプ層322の硬度は第1バンプ緩衝層326の硬度よりも小さく、第1バンプ緩衝層326の硬度は第2バンプ層324の硬度よりも小さい。これにより、本実施例のバンプ構造32Aはよりよい作用力緩衝効果を提供できる。即ち第1バンプ緩衝層326が残りの作用力を相殺できない場合にのみ、残りの作用力を第1バンプ層322に伝導して最後の緩衝を行う。以上のことから、本発明は、第1バンプ322が少なくとも1つの金属層に設置され、さらに使用時のニーズに応じて複数の金属層を設置して、半田汚染への遮断効果を高めることができ、さらに、第1バンプ322と第2バンプ324との間に少なくとも1つのバンプ緩衝層を設置して、作用力減衰効果を高めることができる。
【0026】
以下に第2実施例のバンプ構造32Aを製造する流れについて説明する。
【0027】
ここで、本実施例の図4A図4Bの工程の操作は第1実施例の図2Aおよび図2Bと同じであり、チップ30と第1金属層304の説明を省略する。その後、図4Cに示すように、本実施例は第1実施例と比べて、さらに第2金属層306を設置する。第2金属層306は一般的に金、銀または合金を含む。本実施例の第1金属層304と第2金属層306は物理気相成長プロセスまたは化学気相成長プロセスにより、順次に接触パッド302および保護層303の上に成長する。
【0028】
さらに、図4Dに示すように、フォトレジスト層PRを第2金属層306の上に形成する。図4Dおよび図4Eは第1実施例の図2Cおよび図2Dと同じであり、その説明を省略する。フォトレジスト層PRの間に第2収納空間A2を形成する。図4Fに示すように、その後、第1バンプ層322は、第2収納空間A2の中に形成され且つ第2金属層306の上に形成される。つまり、第1バンプ層322が接触パッド302の上に形成されることに相当する。図4Gのように、さらに第1バンプ緩衝層326が第1バンプ層322の上に形成される。その後、図4Hのように、第2バンプ層324が第1バンプ緩衝層326の上に形成される。図4Iのように、フォトレジスト層PRを除去するため、第2金属層306を露出する。その後、図4Jのように、第1バンプ層322に覆われていない第1金属層304と第2金属層306の区域を除去し、例えば、第1バンプ層322に覆われていない第1金属層304と第2金属層306の区域をエッチングし、第1バンプ層322、第2バンプ層324および第1バンプ緩衝層326に熱処理を行う。例えば、異なる温度で加熱する。
【0029】
前記から分かるように、図2Aから図2Hと比べて、図4Aから図4Jはさらに第1バンプ緩衝層326および第2金属層306を形成する。ここで、第1バンプ層322、第2バンプ層324および第1バンプ緩衝層326は同じ導電材料である。第1バンプ緩衝層326の硬度は第1バンプ層322および第2バンプ層324の硬度と異なる。例えば、硬度は上から下へ段階的に低減し、第2バンプ層324の硬度は90HVであり、第1バンプ緩衝層326の硬度は70HVであり、第1バンプ層322の硬度は55HVである。
【0030】
図4F図4Gを参照する。本発明は、最後に図4Jに示した工程で加熱するのみならず、第1バンプ層322、バンプ緩衝層326および第2バンプ層324を形成するそれぞれの工程において、熱処理を行ってもよい。図4Fを参照すると、第1バンプ層322を形成した後、第1温度で第1バンプ層322を加熱乾燥する。図4Gを参照すると、バンプ緩衝層326を形成した後、第2温度で第1バンプ層322およびバンプ緩衝層326を加熱乾燥する。図4Hを参照すると、第2バンプ層324を形成した後、第3温度で第1バンプ層322、バンプ緩衝層326および第2バンプ層324を加熱乾燥する。ここで、第1バンプ層322、バンプ緩衝層326、および第2バンプ層324を形成する工程は、物理気相成長(PVD)プロセス、電気めっきプロセス(Plating)、または化学気相成長(CVD)プロセスにより、接触パッド302の上に順次形成され、第1温度、第2温度、および第3温度でそれぞれ加熱乾燥され、第1温度、第2温度、および第3温度は同じ温度であってもよい。これにより、第1バンプ緩衝層326の硬度が第1バンプ層322および第2バンプ層324の硬度と異なるようにすることができる。
【0031】
以上は1つのバンプ緩衝層の場合を説明したが、本発明はさらに複数のバンプ緩衝層を設置できる。以下に、2つのバンプ緩衝層326、328の場合を例として説明する。
【0032】
図5を参照する。本発明の第3実施例のバンプ構造の構造模式図である。ここで、図3図5の相違点は、図5では、第1バンプ緩衝層326と第2バンプ層324との間に、さらに第2バンプ緩衝層328が設置されることである。本実施例では、硬度は上から下へ、第2バンプ層324の硬度が最高で、第1バンプ層322の硬度が最低である。これにより、本実施例のバンプ構造32Bは、さらに第2バンプ緩衝層326を介してよりよい作用力緩衝効果および減衰効果を提供できる。即ち第1バンプ緩衝層326および第2バンプ緩衝層328がさらに作用力緩衝を提供した後に、残りの作用力を第1バンプ層322に伝導して最後の緩衝を行う。前記から分かるように、本発明の第1バンプ層322と第2バンプ層324との間に少なくとも1つのバンプ緩衝層を設置し、さらに使用時のニーズに応じて、複数のバンプ緩衝層を設置し、よりよい作用力減衰効果を得ることができる。
【0033】
さらに、前記第3実施例の第1バンプ緩衝層326の硬度が第2バンプ緩衝層328の硬度よりも小さいことから分かるように、前記バンプ緩衝層は前記第1バンプ層322に近付くにつれて硬度が漸減し、前記第1バンプ層322から離れている前記バンプ緩衝層(前記第2バンプ緩衝層328など)の硬度は前記第1バンプ層に近接している前記バンプ緩衝層(前記第1バンプ緩衝層326など)の硬度よりも大きい。
【0034】
以下、上述したバンプ構造32Bの製造工程をさらに説明する。
【0035】
図6A図6Gは上記の図4A図4Gと同じであり、その説明を省略する。その後、図6Hのように、第2バンプ緩衝層328を第1バンプ緩衝層326の上に形成する。その後、図6Iのように、第2バンプ層324を第2バンプ緩衝層328の上に形成する。図6Jおよび図6K図4Iおよび図4Jと同じであり、その相違点は、図6Kでは、第1金属層304および第2金属層306を除去した後に、さらに第2バンプ緩衝層328を加熱する。その説明を省略する。
【0036】
以上の実施例では、バンプ構造32、32A、32Bが、保護層303の切込み口を有する位置に設置される場合を説明した。これにより、第1金属層304が接触パッド302に接触し、接触パッド302が、第1金属層304を介して、または、第1金属層304および第2金属層306を介してバンプ構造32、32A、32Bに結合される。しかし、本発明はさらにダミー(DUMMY)バンプに応用できる。ダミー(DUMMY)バンプは、接触パッド302の露出されていない区域を支持するために用いられる。以下に説明する。
【0037】
図7を参照する。図7は本発明の第4実施例のバンプ構造の構造模式図である。ここで、図1図7の相違点は、図7の保護層303には切込み口部がなく、接触パッド302が露出されていないことにある。この実施形態のバンプ構造は、支持のために使用されることができ、チップ30が基板40に接合する際に、作用力が均等にバンプ構造にかかることができる。
【0038】
以上をまとめると、本発明は、バンプ構造およびその製造方法を提供する。異なる硬度の第1バンプ層、第2バンプ層を提供することによって、バンプ構造に応力緩衝機能を具備させる。さらにバンプ緩衝層を提供することによって、より良い減衰効果を提供し、よりよい応力調整効果を得る。これにより、チップが本発明のバンプ構造を介して基板に突き合わされる時、バンプ構造がチップの損傷を引き起こしにくくなり、バンプ構造自体の構造特性も高められ、バンプ構造自体も損傷を受けにくくなる。
【0039】
したがって、本発明は実に新規性、進歩性を有し、産業上利用可能なものであり、特許法特許出願の要件に合致することは疑いもない。
【0040】
ただし、上記のものは、本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明の実施範囲を限定するものではない。本発明の特許出願の範囲に記載された形状、構造、特徴および精神の均等な変化および修飾は、何れも本発明の特許出願の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0041】
30 チップ
302 接触パッド
303 保護層
304 第1金属層
306 第2金属層
32 バンプ構造
322 第1バンプ層
324 第2バンプ層
326 第1バンプ緩衝層
328 第2バンプ緩衝層
40 基板
402 接続素子
404 誘電体層
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G
図2H
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図4G
図4H
図4I
図4J
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図6G
図6H
図6I
図6J
図6K
図7
【手続補正書】
【提出日】2023-10-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バンプ構造およびその製造方法に関し、特に、チップ上に設置されるバンプ構造およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に言えば、バンプ(Bump)構造は、少なくともチップ(Chip)を基板またはキャリアに接合するために用いられる。例えば、バンプ構造によって、太陽光電池チップ、制御チップ、駆動チップ、符号化・復号チップなどのタイプのチップは、対応の基板またはキャリアに接合され、バンプ構造によって信号を伝達する。
【0003】
チップの製造工程がますます精密になるにつれて、対応するバンプもますます精密化され、さらに、インフレーションにより金属材料の価格が上昇し続けているため、バンプの寸法縮小が業界の必然的な趨勢となっているが、寸法縮小されたバンプが力を受けた時の変形はさらに深刻になっている。基板またはキャリア上へのチップの設置の間、寸法縮小されたバンプの単位面積当たりにかかる力は、寸法縮小されていないバンプの単位面積当たりにかかる力よりも大きく、よって、寸法縮小されたバンプの変形が大きくなり、チップの部材または配線に損傷を与えることさえある。
【0004】
上記の問題に鑑み、本発明は、異なる硬度を有するバンプ層により、受ける作用力を低減することができ、その作用力がチップに伝達されることを回避し、チップの損傷を回避し、バンプ構造自体の構造特性を高め、損傷しにくいバンプ構造およびその製造方法を提供することを目的とする。
【発明の概要】
【0005】
本発明の一目的は、バンプ構造に含まれる複数のバンプ層が異なる硬度を有することにより、該バンプ構造の受ける作用力を低減して、作用力がチップに伝わることによるチップの損傷を回避し、バンプ構造自体の構造特性を高めることにより損傷を受けにくくなるバンプ構造およびその製造方法を提供することにある。
【0006】
前記目的のために、本発明は、チップ上に設置されるバンプ構造であって、前記チップ上に設置される第1バンプ層と、前記第1バンプ層上に設置される第2バンプ層と、を含み、前記第1バンプ層の硬度は前記第2バンプ層の硬度とは異なり、前記第1バンプ層および前記第2バンプ層の材料は同じ導電材料である、バンプ構造を提供する。これによって、前記バンプ構造の受ける作用力を低減して、チップに作用力が伝わることによるチップの損傷を回避し、バンプ構造自体の構造特性を高めることにより損傷を受けにくくなる。
【0007】
前記目的のために、本発明は、チップ上にバンプ構造を設置するための、バンプ構造の製造方法であって、前記チップ上に第1バンプ層を形成する工程と、前記第1バンプ層上に第2バンプ層を形成する工程と、を含み、前記第1バンプ層の硬度は前記第2バンプ層の硬度とは異なり、前記第1バンプ層および前記第2バンプ層の材料は同じ導電材料である、バンプ構造の製造方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第1実施例のバンプ構造の模式図である。
図2A】本発明の第1実施例のバンプ構造を製造する工程の模式図である。
図2B】本発明の第1実施例のバンプ構造を製造する工程の模式図である。
図2C】本発明の第1実施例のバンプ構造を製造する工程の模式図である。
図2D】本発明の第1実施例のバンプ構造を製造する工程の模式図である。
図2E】本発明の第1実施例のバンプ構造を製造する工程の模式図である。
図2F】本発明の第1実施例のバンプ構造を製造する工程の模式図である。
図2G】本発明の第1実施例のバンプ構造を製造する工程の模式図である。
図2H】本発明の第1実施例のバンプ構造を製造する工程の模式図である。
図3】本発明の第2実施例のバンプ構造の模式図である。
図4A】本発明の第2実施例のバンプ構造の製造プロセスの模式図である。
図4B】本発明の第2実施例のバンプ構造の製造プロセスの模式図である。
図4C】本発明の第2実施例のバンプ構造の製造プロセスの模式図である。
図4D】本発明の第2実施例のバンプ構造の製造プロセスの模式図である。
図4E】本発明の第2実施例のバンプ構造の製造プロセスの模式図である。
図4F】本発明の第2実施例のバンプ構造の製造プロセスの模式図である。
図4G】本発明の第2実施例のバンプ構造の製造プロセスの模式図である。
図4H】本発明の第2実施例のバンプ構造の製造プロセスの模式図である。
図4I】本発明の第2実施例のバンプ構造の製造プロセスの模式図である。
図4J】本発明の第2実施例のバンプ構造の製造プロセスの模式図である。
図5】本発明の第3実施例のバンプ構造の模式図である。
図6A】本発明の第3実施例のバンプ構造を製造する工程の模式図である。
図6B】本発明の第3実施例のバンプ構造を製造する工程の模式図である。
図6C】本発明の第3実施例のバンプ構造を製造する工程の模式図である。
図6D】本発明の第3実施例のバンプ構造を製造する工程の模式図である。
図6E】本発明の第3実施例のバンプ構造を製造する工程の模式図である。
図6F】本発明の第3実施例のバンプ構造を製造する工程の模式図である。
図6G】本発明の第3実施例のバンプ構造を製造する工程の模式図である。
図6H】本発明の第3実施例のバンプ構造を製造する工程の模式図である。
図6I】本発明の第3実施例のバンプ構造を製造する工程の模式図である。
図6J】本発明の第3実施例のバンプ構造を製造する工程の模式図である。
図6K】本発明の第3実施例のバンプ構造を製造する工程の模式図である。
図7】本発明の第4実施例のバンプ構造の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
審査官に本発明の特徴および達成できる効果についてさらに理解、認識してもらうために、以下のように、好ましい実施例を参照しながら詳細に説明する。
【0010】
明細書および請求項の中で特定の部品を指す語彙を使用している。しかし、本発明の技術分野の当業者は、同じ構成要素が異なる名詞で呼ばれる可能性があることを理解すべきであり、また、本明細書および請求項は、名称の相違によって構成要素を区別するのではなく、構成要素の全体的な技術上の相違を区分の基準としている。全体の明細書および請求項の中で言及された「包含」は、開放的な用語であり、「包含するが、限定されない」と解釈すべきである。さらに、「結合」という言葉には、如何なる直接および間接的な接続手段が含まれている。従って、文中に「第1装置が第2装置に結合する」と記述する場合、第1装置は直接に第2装置に接続され、或いは、他の装置または他の接続手段を通して間接的に第2装置に接続されるということを意味する。
【0011】
バンプを縮小しても効果的に作用力を削減することができず、チップの損傷を引き起こすという問題が知られているため、本発明は、バンプ構造およびその製造方法を提案し、硬度の異なる複合バンプ層を含むバンプ構造を提供して、従来技術の問題を解決する。
【0012】
以下、図面を参照しながら、本発明の様々な実施形態を説明することにより、本発明を詳細に説明する。しかしながら、本発明の概念は、多くの異なるパターンで具現化されることができ、本明細書で説明される例示的な実施形態に限定するものと解釈すべきではない。
【0013】
まず、図1を参照する。図1は本発明の第1実施例のバンプ構造の模式図である。図に示すように、本実施例では、チップ30上に、チップ30を基板40に接合するために用いられるバンプ構造32が設置され、本実施例のチップ30上に接触パッド302が設置され、チップ30に設置されているバンプ構造32が第1バンプ層322および第2バンプ層324を含み、第1バンプ層322は接触パッド302上に設置され、第2バンプ層324は第1バンプ層322上に設置され、バンプ構造32の第1バンプ層322の硬度は第2バンプ層324の硬度と異なる。これにより、バンプ構造32の受ける作用力を相殺できる。例えば、第2バンプ層324の硬度は第1バンプ層322の硬度よりも大きい場合、比較的に硬度の低い第1バンプ層322によって、作用力緩衝効果を達成できる。バンプ構造32が作用力を受ける時に、まず比較的に硬度の高い第2バンプ層324が作用力を受けることによってバンプ構造32が変形しすぎることを回避できる。
【0014】
詳しく言えば、本実施例では、第1バンプ層322は第1金属層304上に設置され、第1金属層304は第1バンプ層322と接触パッド302との間に設置され、即ち第1金属層304はチップ30上に設置され、第1金属層304は、バンプ下金属(UBM)層であってもよい。UBM層が信号接続機能を提供する層であるため、第1バンプ層322がUBM層上に設置されていることは、第1バンプ層322が接触パッド302上に設置されていることに相当する。さらに、チップ30に保護層303も設置され、保護層303は接触パッド302上に設置されている。本実施例の保護層303が切込み口を有するので、接触パッド302は露出されている。即ち保護層303は接触パッド302を囲んで設置され且つチップ30上に設置されている。接触パッド302、第1金属層304および第1バンプ層322が保護層303の切込み口に対応している。
【0015】
チップ30がバンプ構造32によって基板40に接合される時に、チップ30と基板40との間にさらに接続素子402および誘電体層404が含まれ、誘電体層404は第2バンプ層324と接続素子402との間に設置され且つチップ30と基板40との間に充填され、接続素子402は基板40に設置され、誘電体層404内に複数の導電粒子(図に示さない)が設置され、例えば、異方性導電ゴム膜(ACF)内に複数の導電粒子が設置されている。これにより、相対的に言えば、基板40に接続素子402、誘電体層404を設置することによって、チップ30を基板40に接合させ、さらに、誘電体層404を押し込むことによって、バンプ構造32をチップ30に結合させる。これにより、チップ30と基板40との間に信号が伝達される。
【0016】
以下、第1実施例のバンプ構造32を製造する流れについて詳細に説明する。
【0017】
図2A図2Hは、本発明の第1実施例のバンプ構造を製造する工程の模式図である。図に示すように、本発明のバンプ構造の製造方法は、チップ30の接触パッド302上に設置されるためのバンプ構造32を提供する。詳細には、図2Aに示すように、チップ30を提供し、チップ30上に接触パッド302が設置され、接触パッド302の周囲に保護層303が設置されている。接触パッド302は、例えば、アルミニウムなどの金属材料から選択される。その後、図2Bに示すように、第1金属層304は、接触パッド302および保護層303の上に形成されるとともに、接触パッド302および保護層303を覆う。ここで、第1金属層304は、単層構造であり、または、異なる材料より形成される複数の副層を含む複合構造を有し、且つ、ニッケル(Ni)層、チタン(Ti)層、チタンタングステン(TiW)層、パラジウム(Pd)層、金(Au)層、銀(Ag)層およびその組合せから選択される一つ(または複数)の層を含む。本実施例の第1金属層304は、物理気相成長(PVD)プロセス、化学気相成長(CVD)プロセスまたはスパッタ(Sputter)プロセスにより、接触パッド302および保護層303の上に形成される。次に、図2Cに示すように、正型フォトレジストと負型フォトレジストを含む通常のフォトレジスト材料からなるフォトレジスト層PRは第1金属層304の上に形成される。
【0018】
次に、図2Dに示すように、バンプ構造32の設置区域に応じて、一部のフォトレジスト層PRが除去され、第1収納空間A1が形成される。図2Eに示すように、第1金属層304によって、信号伝送機能が提供され且つ半田のチップ30への汚染を回避できるため、第1バンプ層322を第1金属層304の上に形成することは、第1バンプ層322を接触パッド302の上に形成することに相当する。図2Fに示すように、第2バンプ層324を第1バンプ層322の上に形成して、さらに図2Gに示すように、フォトレジスト層PRを除去し、例えば、エッチング液でフォトレジスト層PRを除去する。次に、図2Hに示すように、バンプ構造32の被覆区域を超過する第1金属層304を除去し、例えば、第1金属層304をエッチングする。これにより、第1バンプ層322下方の被覆区域中の第1金属層304だけを保留し、保護層303を露出する。
【0019】
前記図2Eから図2までのプロセス中、本実施例の第1バンプ層322および第2バンプ層324は、物理気相成長(PVD)プロセス、電気メッキ(Plating)プロセスまたは化学気相成長(CVD)プロセスによって、順次にチップ30に形成される。図2Gの工程の後に、第1バンプ層322の加熱および第2バンプ層324の加熱を行うことができるこれによって、第1バンプ層322の結晶粒子の大きさと第2バンプ層324の結晶粒子の大きさとを調整し、内部応力を解消することができる
【0020】
その後、または電気メッキプロセス中に、異なる電気メッキの電流条件を設定して同じ電気メッキ槽(図に示さない)の中で電気メッキを行う。これにより、第1バンプ層322の結晶粒子の大きさと第2バンプ層324の結晶粒子の大きさとが異なるようにする。例えば、第1電流で電気メッキを行って第1バンプ層322を形成するが、第1電流よりも大きい第2電流で電気メッキを行って第2バンプ層324を形成する。電気メッキの電流が小さいほど、第1バンプ層322の結晶粒径が第2バンプ層324の結晶粒径より大きくなりやすい。また、結晶粒径が小さいほど硬度が高い。そのため、第2バンプ層324の硬度が第1バンプ層322の硬度よりも大きい。また、第1金属層304の材料は、第1バンプ層322および第2バンプ層324の材料と同じ導電材料であり、例えば、金、銀、銅またはスズである。さらに、異なる電気メッキ液を利用して同じ導電材料を電気メッキすることにより、第1バンプ層322と第2バンプ層324を形成してもよい。例えば、Cyanide(シアン化物)/Non-Cyanide(非シアン化物)を用いる。Non-Cyanide(非シアン化物)を使用する場合、結晶格子が小さいほど硬度が高いが、Cyanide(シアン化物)を使用する場合、結晶格子が大きいほど硬度が低い。
【0021】
また、図2Eを参照する。第1バンプ層322を形成した後に、さらに第1バンプ層322を加熱、乾燥できる。図2Fを参照する。第2バンプ層324を形成した後に、さらに第1バンプ層322と第2バンプ層324を加熱、乾燥できる。そのため、第1バンプ層322は比較的に長い熱処理過程を経て、加熱、乾燥の時間が長いほど結晶粒径が大きくなるため、第1バンプ層322の硬度が第2バンプ層324の硬度よりも小さくなりやすい。また、図2E図2Fを参照する。異なる温度の電気メッキ液を利用して電気メッキプロセスを行うことで第1バンプ層322および第2バンプ層324を形成してもよい。電気メッキ液の温度が高いほど形成されたバンプ層の結晶粒径の大きさが大きくなる。例えば、第1バンプ層322の電気メッキ液の温度は第2バンプ層324の電気メッキ液の温度よりも大きい。これにより、第1バンプ層322の硬度は第2バンプ層324の硬度よりも小さい。
【0022】
さらに、本実施例の第1バンプ層322および第2バンプ層324の材料は、例えば金属材料などの同じ導電材料から選ぶ。これにより、第1バンプ層322と第2バンプ層324との間の金属親和性がよくなる。例えば、第1バンプ層322および第2バンプ層324の材料はすべて金、銀、銅スズまたはそれらの組合せから選ぶ。これにより、第1バンプ層322と第2バンプ層324との間の金属親和性を向上する。バンプ構造32が側方向せん断応力を受ける時に、金属親和性不足のために側方向せん断応力に破壊されることを避ける。
【0023】
さらに、第2バンプ層324の硬度は第1バンプ層322の硬度よりも大きいので、第2バンプ層324は、より高い硬度を有し、チップ30を基板40に接合する時に生じ得る変形を低減でき、第1バンプ層322は、減衰効果を提供し、基板40から来る作用力を緩衝する。
【0024】
前記実施例では、本発明のバンプ構造32は第1バンプ層322および第2バンプ層324を含み、その製造方法は第1バンプ層322および第2バンプ層324が順次に接触パッド302の上に形成する方法である。以下は、図3に示すように、さらに第1バンプ緩衝層326を含む本発明のバンプ構造32Aを説明する。
【0025】
詳しく言えば、図3を参照する。図3は本発明の第2実施例のバンプ構造の構造模式図である。ここで、図1および図3の相違点は、図3ではさらに第2金属層306および第1バンプ緩衝層326が設置されることである。第2金属層306は第1金属層304と第1バンプ層322との間に設置され、第1バンプ緩衝層326は第1バンプ層322と第2バンプ層324との間に設置される。第1バンプ層322の硬度は第1バンプ緩衝層326の硬度よりも小さく、第1バンプ緩衝層326の硬度は第2バンプ層324の硬度よりも小さい。これにより、本実施例のバンプ構造32Aはよりよい作用力緩衝効果を提供できる。即ち第1バンプ緩衝層326が残りの作用力を相殺できない場合にのみ、残りの作用力を第1バンプ層322に伝導して最後の緩衝を行う。以上のことから、本発明は、第1バンプ322と接触パッド302との間に、少なくとも1つの金属層に設置され、さらに使用時のニーズに応じて複数の金属層を設置することができ、さらに、第1バンプ322と第2バンプ324との間に少なくとも1つのバンプ緩衝層を設置して、緩衝効果を高めることができる。
【0026】
以下に第2実施例のバンプ構造32Aを製造する流れについて説明する。
【0027】
ここで、本実施例の図4A図4Bの工程の操作は第1実施例の図2Aおよび図2Bと同じであり、チップ30と第1金属層304の説明を省略する。その後、図4Cに示すように、本実施例は第1実施例と比べて、さらに第2金属層306を設置し、前記第2金属層306が第1金属層304上に設置される。第2金属層306は金、銀または合金を含む。本実施例の第1金属層304と第2金属層306は物理気相成長プロセスまたは化学気相成長プロセスにより、順次に接触パッド302および保護層303の上に成長する。
【0028】
さらに、図4Dに示すように、フォトレジスト層PRを第2金属層306の上に形成する。図4Dおよび図4Eは第1実施例の図2Cおよび図2Dと同じであり、その説明を省略する。フォトレジスト層PRに第2収納空間A2を形成する。図4Fに示すように、その後、第1バンプ層322は、第2収納空間A2の中に形成され且つ第2金属層306の上に形成される。つまり、第1バンプ層322が接触パッド302の上に形成されることに相当する。図4Gのように、さらに第1バンプ緩衝層326が第1バンプ層322の上に形成される。その後、図4Hのように、第2バンプ層324が第1バンプ緩衝層326の上に形成される。図4Iのように、フォトレジスト層PRを除去するため、第2金属層306を露出する。その後、図4Jのように、第1バンプ層322に覆われていない第1金属層304と第2金属層306の区域を除去し、例えば、第1バンプ層322に覆われていない第1金属層304と第2金属層306の区域をエッチングし、第1バンプ層322、第2バンプ層324および第1バンプ緩衝層326に熱処理を行い、これによって、内部応力を解消することができる
【0029】
前記から分かるように、図2Aから図2Hと比べて、図4Aから図4Jはさらに第1バンプ緩衝層326および第2金属層306を形成する。ここで、第1バンプ層322、第2バンプ層324および第1バンプ緩衝層326は同じ導電材料である。第1バンプ緩衝層326の硬度は第1バンプ層322および第2バンプ層324の硬度と異なる。例えば、硬度は上から下へ段階的に低減し、第2バンプ層324の硬度は90HVであり、第1バンプ緩衝層326の硬度は70HVであり、第1バンプ層322の硬度は55HVである。
【0030】
図4F図4を参照する。本発明は、最後に図4Jに示した工程で加熱するのみならず、第1バンプ層322、第1バンプ緩衝層326および第2バンプ層324を形成するそれぞれの工程において、熱処理を行ってもよい。図4Fを参照すると、第1バンプ層322を形成した後、第1温度で第1バンプ層322を加熱乾燥する。図4Gを参照すると、第1バンプ緩衝層326を形成した後、第2温度で第1バンプ層322および第1バンプ緩衝層326を加熱乾燥する。図4Hを参照すると、第2バンプ層324を形成した後、第3温度で第1バンプ層322、第1バンプ緩衝層326および第2バンプ層324を加熱乾燥する。ここで、第1バンプ層322、第1バンプ緩衝層326、および第2バンプ層324を形成する工程は、物理気相成長(PVD)プロセス、電気めっきプロセス(Plating)、または化学気相成長(CVD)プロセスにより、接触パッド302の上に順次形成され、第1温度、第2温度、および第3温度でそれぞれ加熱乾燥され、第1温度、第2温度、および第3温度は同じ温度であってもよく、異なる温度であってもよい。これにより、第1バンプ緩衝層326の硬度が第1バンプ層322および第2バンプ層324の硬度と異なるようにすることができる。
【0031】
以上は1つのバンプ緩衝層の場合を説明したが、本発明はさらに複数のバンプ緩衝層を設置できる。以下に、2つのバンプ緩衝層326、328の場合を例として説明する。
【0032】
図5を参照する。本発明の第3実施例のバンプ構造の構造模式図である。ここで、図3図5の相違点は、図5では、第1バンプ緩衝層326と第2バンプ層324との間に、さらに第2バンプ緩衝層328が設置されることである。本実施例では、硬度は上から下へ、第2バンプ層324の硬度が最高で、第1バンプ層322の硬度が最低である。これにより、本実施例のバンプ構造32Bは、さらに第2バンプ緩衝層328を介してよりよい作用力緩衝効果および減衰効果を提供できる。即ち第1バンプ緩衝層326および第2バンプ緩衝層328を利用してさらに作用力緩衝を提供することによって作用力を削減する。残りの作用力がある場合、残りの作用力を第1バンプ層322に伝導して最後の緩衝および削減を行う。前記から分かるように、本発明の第1バンプ層322と第2バンプ層324との間に少なくとも1つのバンプ緩衝層を設置し、さらに使用時のニーズに応じて、複数のバンプ緩衝層を設置し、よりよい緩衝効果を得ることができる。
【0033】
さらに、前記第3実施例の第1バンプ緩衝層326の硬度が第2バンプ緩衝層328の硬度よりも小さいことから分かるように、前記バンプ緩衝層は前記第1バンプ層322に近付くにつれて硬度が漸減し、前記第1バンプ層322から離れている前記バンプ緩衝層(前記第2バンプ緩衝層328など)の硬度は前記第1バンプ層322に近接している前記バンプ緩衝層(前記第1バンプ緩衝層326など)の硬度よりも大きい。
【0034】
以下、上述したバンプ構造32Bの製造工程をさらに説明する。
【0035】
図6A図6Gは上記の図4A図4Gと同じであり、その説明を省略する。その後、図6Hのように、第2バンプ緩衝層328を第1バンプ緩衝層326の上に形成する。その後、図6Iのように、第2バンプ層324を第2バンプ緩衝層328の上に形成する。図6Jおよび図6K図4Iおよび図4Jと同じであり、その相違点は、図6Kでは、第1金属層304および第2金属層306を除去した後に、さらに、第1バンプ層322、第1バンプ緩衝層326、および第2バンプ層324を加熱する時、第2バンプ緩衝層328加熱する。その説明を省略する。
【0036】
以上の実施例では、バンプ構造32、32A、32Bが、保護層303の切込み口を有する位置に設置される場合を説明した。これにより、第1金属層304が接触パッド302に接触し、接触パッド302が、第1金属層304を介して、または、第1金属層304および第2金属層306を介してバンプ構造32、32A、32Bに結合される。しかし、本発明はさらにダミー(DUMMY)バンプに応用できる。ダミー(DUMMY)バンプは、接触パッド302の露出されていない区域を支持するために用いられる。チップ30が基板40に接合する過程に形成された作用力を分散させることについて、以下に説明する。
【0037】
図7を参照する。図7は本発明の第4実施例のバンプ構造の構造模式図である。ここで、図1図7の相違点は、図7の保護層303には切込み口部がなく、接触パッド302が露出されていないことにある。この実施形態のバンプ構造は、支持のために使用されることができ、チップ30が基板40に接合する際に形成された作用力を分散させることができ、その作用力が前述した信号伝送に使用されるバンプ構造に加えるほか、本実施形態のバンプ構造にも加えることができるので、作用力が均等にバンプ構造に分散され、バンプ構造およびチップの損傷を防ぐことができる。
【0038】
以上をまとめると、本発明は、バンプ構造およびその製造方法を提供する。異なる硬度の第1バンプ層、第2バンプ層を提供することによって、バンプ構造に作用力緩衝機能を具備させる。さらにバンプ緩衝層を提供することによって、より良い緩衝効果を提供し、よりよい作用力相殺(作用力削減)効果を得る。これにより、チップが本発明のバンプ構造を介して基板に突き合わされる時、バンプ構造がチップの損傷を引き起こしにくくなり、バンプ構造自体の構造特性も高められ、バンプ構造自体も損傷を受けにくくなる。
【0039】
したがって、本発明は実に新規性、進歩性を有し、産業上利用可能なものであり、特許法特許出願の要件に合致することは疑いもない。
【0040】
ただし、上記のものは、本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明の実施範囲を限定するものではない。本発明の特許出願の範囲に記載された形状、構造、特徴および精神の均等な変化および修飾は、何れも本発明の特許出願の範囲内に含まれる。
【記号の説明】
【0041】
30 チップ
302 接触パッド
303 保護層
304 第1金属層
306 第2金属層
32 バンプ構造
322 第1バンプ層
324 第2バンプ層
326 第1バンプ緩衝層
328 第2バンプ緩衝層
40 基板
402 接続素子
404 誘電体層
【外国語明細書】