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特開2023-17900一体型タッチディスプレイ装置およびその製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023017900
(43)【公開日】2023-02-07
(54)【発明の名称】一体型タッチディスプレイ装置およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20230131BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20230131BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20230131BHJP
【FI】
G06F3/041 430
G09F9/30 308Z
G09F9/30 365
G09F9/30 330
G09F9/00 366A
【審査請求】有
【請求項の数】29
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022176373
(22)【出願日】2022-11-02
(62)【分割の表示】P 2020176497の分割
【原出願日】2020-10-21
(31)【優先権主張番号】10-2019-0146437
(32)【優先日】2019-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(72)【発明者】
【氏名】イ ミレ
(72)【発明者】
【氏名】イ キョンムク
(72)【発明者】
【氏名】チェ ナクボン
(72)【発明者】
【氏名】チョン ヤンジュン
(57)【要約】
【課題】製造過程におけるパッド電極に対する不良を最小化する。
【解決手段】タッチセンサは仮基板上に形成され、ディスプレイ基板と貼り合わせられた後、仮基板が除去される。タッチセンサと電気的に接続されたパッド電極は、仮基板を除去する工程で損傷を最小化するように構成された金属電極を含むことができる。金属電極は、仮基板上にタッチセンサが配置される過程で与えられるプラズマなどの影響からパッド電極を保護するようにして、製造過程におけるパッド電極に対する不良を最小化することができる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の上に設けられた発光層と、
前記発光層の上に設けられた接着層と、
前記ディスプレイ装置のアクティブ領域内および前記接着層の上に設けられた第1タッチ電極と、
前記ディスプレイ装置のタッチパッド領域内および前記接着層の上に設けられた第1パッド電極と、
前記第1タッチ電極および前記第1パッド電極の上に設けられた保護層であって、前記第1パッド電極が前記保護層における開口を介して露出される、保護層と
を含み、
前記第1パッド電極は前記保護層における前記開口よりも広い幅を有する、ディスプレイ装置。
【請求項2】
前記第1パッド電極の一部は、前記保護層における前記開口で前記保護層の側面に接触する、請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項3】
前記保護層の下に設けられ、前記第1パッド電極に接続された第2パッド電極をさらに含む、請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項4】
前記第1パッド電極および前記第2パッド電極の間に介在するバリア層をさらに含む、請求項3に記載のディスプレイ装置。
【請求項5】
前記第2パッド電極は、前記第1タッチ電極から延在する、請求項3に記載のディスプレイ装置。
【請求項6】
前記保護層の下に設けられ、前記第2パッド電極に接続された第3パッド電極をさらに含む、請求項3に記載のディスプレイ装置。
【請求項7】
前記ディスプレイ装置の前記アクティブ領域内の前記接着層および前記保護層の間に設けられた第2タッチ電極をさらに含み、
前記第2パッド電極は前記第1および第2タッチ電極の内の一方から延在し、前記第3パッド電極は前記第1および第2タッチ電極の内の他方から延在する、請求項6に記載のディスプレイ装置。
【請求項8】
前記第2パッド電極は前記第1パッド電極に接し、前記第3パッド電極は前記第2パッド電極に接する、請求項6に記載のディスプレイ装置。
【請求項9】
前記第1パッド電極、前記第2パッド電極、および前記第3パッド電極は平面視で互いに重畳する、請求項6に記載のディスプレイ装置。
【請求項10】
前記第2パッド電極は、前記第1タッチ電極および前記第2タッチ電極の内の一方と同じ層に配置され、および、前記第3パッド電極は、前記第1タッチ電極および前記第2タッチ電極の内の他方と同じ層に配置される、請求項6に記載のディスプレイ装置。
【請求項11】
前記第2パッド電極、および前記第3パッド電極のそれぞれは、アルミニウム(Al)、アルミニウム-ネオジム(AlNd)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、モリブデン-チタン(MoTi)、銅(Cu)、クロム(Cr)、インジウム-スズ酸化物(ITO)、インジウム-酸化亜鉛(IZO)、ガリウムドープ酸化亜鉛(GZO)のうちの少なくとも1つを含む、請求項6に記載のディスプレイ装置。
【請求項12】
前記第2パッド電極、および前記第3パッド電極の内の1つまたは両方は、2つのチタン(Ti)層の間にアルミニウム(Al)層を含む多層構造を有する、請求項11に記載のディスプレイ装置。
【請求項13】
前記ディスプレイ装置の前記アクティブ領域内の前記保護層および前記接着層の間に設けられた第2タッチ電極と、
前記アクティブ領域内の前記第2タッチ電極および前記第1タッチ電極の間に介在する絶縁層と
をさらに含む、請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項14】
前記絶縁層は、前記タッチパッド領域において前記保護層の下に配置される、請求項13に記載のディスプレイ装置。
【請求項15】
前記発光層および前記接着層の間に設けられた封止層と、
前記発光層を含む有機発光ダイオードと
をさらに含み、
前記封止層が前記有機発光ダイオードを覆う、請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項16】
前記保護層はフォトアクリル材質を含む、請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項17】
前記保護層における前記開口がテーパ形状を有する、請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項18】
前記アクティブ領域に設けられたカラーフィルタ層をさらに含む、請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項19】
前記有機発光ダイオードが前記カラーフィルタ層を含む、請求項15に記載のディスプレイ装置。
【請求項20】
前記基板がポリイミドを含む、請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項21】
ディスプレイ装置は、フレキシブル、またはフォルダブルである、請求項20に記載のディスプレイ装置。
【請求項22】
前記基板が多層構造を有する、請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項23】
前記基板上に設けられた平坦化層をさらに含む、請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項24】
前記平坦化層が複数の層を含み、
前記発光層が前記平坦化層の前記複数の層の間に、または上に配置される、請求項23に記載のディスプレイ装置。
【請求項25】
前記アクティブ領域内の前記接着層および前記基板の間に介在する薄膜トランジスタと、
前記ディスプレイ装置のデータパッド領域内に設けられ、前記薄膜トランジスタに電気的に接続されたデータパッドと
をさらに含み、
前記データパッドが前記接着層によって覆われていない、請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項26】
前記タッチパッド領域が前記アクティブ領域および前記データパッド領域の間に配置される、請求項25に記載のディスプレイ装置。
【請求項27】
前記第1タッチ電極がメッシュ形状を有する、請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項28】
前記第1パッド電極および前記第1タッチ電極の間に接続されたルーティング配線をさらに含む、請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項29】
前記第1パッド電極および前記接着層の間に介在するパッシベーション層をさらに含む、請求項1に記載のディスプレイ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一体型タッチディスプレイ装置およびその製造方法に関するものであって、さらに詳細には、製造過程における不良を最小化することができる一体型タッチディスプレイ装置およびその製造方法を提供するものである。
【背景技術】
【0002】
タッチセンサは、液晶ディスプレイ装置(Liquid Crystal Display、LDC)や、電界放出ディスプレイ装置(Field Emission Display、FED)、プラズマディスプレイパネル(Plasma Display Panel、PDP)、電界発光ディスプレイ装置(Electroluminescent Display)、電気泳動ディスプレイ装置などといったフラットディスプレイ装置に設けられ、ユーザーがディスプレイ装置を見ながらタッチパネルを押圧し(押したり、タッチしたりして)、予め定められた情報を入力する入力装置の一つである。
【0003】
かかるディスプレイ装置に用いられるタッチセンサは、その採用方式により、上部基板取付型(add‐on type)タッチスクリーンパネル、上部基板一体型(on‐cell type)タッチスクリーンパネル、そして内臓型(integrated、またはin‐cell type)タッチセンサに分類され得る。上部基板取付型タッチスクリーンパネルは、ディスプレイ基板とタッチスクリーンパネルを別々に製造した後、ディスプレイ基板の上面にタッチセンサを取り付ける方式である。上部基板一体型タッチスクリーンパネルは、タッチセンサを構成する素子を上部基板の表面に直接形成する方式であり、内蔵型タッチセンサは、ディスプレイ基板の内部にタッチセンサを組み込む方式である。
【0004】
現在、一体型タッチディスプレイ装置において、フレキシブル、またはフォルダブルなディスプレイ装置に関する開発が盛んに行われており、フレキシブル、またはフォルダブルなディスプレイ装置として、有機発光ディスプレイ装置(Organic Light Emitting Display、OLED)が多く用いられている。
【0005】
フレキシブル、またはフォルダブルな一体型タッチディスプレイ装置には、上部基板取付型、上部基板一体型、または内蔵型タッチセンサを用いることができるが、上部そのうち、基板取付型は、タッチセンサとディスプレイ装置をそれぞれ具現化して貼り合わせる方式であって、その厚さが相対的に厚くなることから、フレキシブル、またはフォルダブルなディスプレイ装置を実現することが困難であった。
【0006】
内蔵型タッチセンサを用いる場合、フレキシブル、またはフォルダブルなディスプレイ装置として、最も有利であることから、有機発光ディスプレイ装置が多く使用される。しかしながら、有機発光ディスプレイ装置は、水分および酸素の浸透を最小化するための有機材料、または無機材料を用いた封止層が必須となる。さらに、タッチセンサが組み込まれた有機発光ディスプレイ装置は、その製造方法が単純ではなく、フレキシブルな環境で生じ得る曲げによるストレスに弱いという欠点がある。
【0007】
一方、上部基板一体型のタッチディスプレイ装置は、有機発光ディスプレイ装置に設けられた封止層の上部にタッチセンサを配置、または接合する方式で具現化することができ、有機発光ディスプレイ装置以外のディスプレイ装置にも適用することができるという利点がある。
【0008】
一体型タッチディスプレイ装置を実現する方法のうち、接合の工程において、タッチセンサは、データを送信受信するためのパッド部と電気的に接続される。パッド部は、タッチセンサとディスプレイ基板とが接合される内側ではなく、外側に配置されるが、これを実現する製造方法において、かかる構造に起因した不良が発生し得るという問題があった。
【0009】
具体的に、接合して製造する方式のタッチセンサを製造するためには、仮基板を用いてタッチセンサを構成した後、ディスプレイ基板と貼り合わせるステップに進むことになる。
【0010】
仮基板上に配置されたタッチセンサは、仮基板とディスプレイ基板とを貼り合わせた後、仮基板を除去することで、ディスプレイ基板に取り付けられることになる。しかしながら、一体型タッチディスプレイ装置を製造する方法において、該タッチセンサのデータを送信受信するためのパッド部は、該仮基板を除去する過程で、該仮基板との分離がスムーズに行われないことがあり、それによる不良が発生し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2020-67766号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上部基板一体型(on-cell type)タッチセンサを含む一体型タッチディスプレイ装置を具現化するに当たり、前述したようにパッド電極が損傷するという問題があった。そこで、本発明の発明者らは、上部基板一体型タッチセンサを含む一体型タッチディスプレイ装置を製造する過程で発生し得る不良を最小化することができる一体型タッチディスプレイ装置およびその製造方法を見出した。
【0013】
本発明の一実施例に係る解決課題は、一体型タッチディスプレイ装置に含まれた、タッチに関するデータを送信受信するためのパッド部に対し、製造過程で発生する不良を最小化することができる一体型タッチディスプレイ装置を提供することである。
【0014】
また、本発明の一実施例に係る解決課題は、一体型タッチディスプレイ装置を製造する過程で、タッチ信号を送信受信するためのパッド部を含んで配置する製造方法における不良率を最小化することができる一体型タッチディスプレイ装置の製造方法を提供することである。
【0015】
本発明の一実施例に係る解決課題は、前述した課題に限定されるものではない。言及されていない他の課題は、当業者であれば、以下の記載から明確に理解できるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の一実施例に係るタッチセンサを含む一体型タッチディスプレイ装置が提供される。一体型タッチディスプレイ装置は、基板上に複数の発光素子を含み、発光素子上に接着層が配置される。接着層上には、第1タッチ電極および第2タッチ電極で構成されるタッチセンサが配置されるが、第1タッチ電極および第2タッチ電極は、パッド電極と電気的に接続され、第1タッチ電極および第2タッチ電極で構成されるタッチセンサは、保護層と絶縁層をさらに含む。保護層には、パッド電極を開口するようにコンタクトホールが配置されており、前記パッド電極は、複数の電極層を含むが、前記第1タッチ電極、または前記第2タッチ電極から延長したいずれか1つの電極を含み、第1タッチ電極および第2タッチ電極のそれぞれと電気的に接続するように構成される。かかる構成において、パッド電極は複数の電極層を含むが、タッチセンサを配置して仮基板を除去する過程で発生し得る損傷を最小化する電極層を含み、タッチセンサを含む一体型タッチディスプレイ装置の製造過程で発生し得る不良を最小化することができる。
【0017】
本発明の一実施例に係る一体型タッチディスプレイ装置の製造方法が提供される。タッチセンサを別途構成するための仮基板上に犠牲層を配置する。犠牲層上に保護層を配置し、保護層を開口するコンタクトホールをパッド領域に配置する。パッド領域に、前記コンタクトホールを覆う第1パッド電極を配置した後、保護層をプラズマ処理する。保護層上に第1パッド電極を配置し、前記仮基板をディスプレイ基板と貼り合わせた後、前記仮基板を除去して一体型タッチディスプレイ装置を構成するようにする。前述したように、開口されたコンタクトホールは、第1パッド電極によりプラズマの影響が最小化され、前記仮基板を除去する過程でパッド電極が損傷する不良を最小化することができる。
【発明の効果】
【0018】
前述したように、仮基板を用いてタッチセンサを形成し、ディスプレイ基板と貼り合わせた後、仮基板を除去して一体型タッチディスプレイ装置を具現化する方法およびその装置において、パッド電極は、製造過程で使用されるプラズマによるパッド電極と仮基板との接合力の変化を最小化することができるように多層で構成され、前述した仮基板の除去過程におけるパッド電極の損傷を最小化することができるという効果を奏する。
【0019】
本発明の効果は、前述した効果に限定されるものではない。言及されていない他の効果は、当業者であれば、以下の記載から明確に理解できるであろう。
【0020】
解決しようとする課題、課題を解決するための手段および発明の効果に記載した発明の内容が、請求項の必須の特徴を特定するものではないので、請求項の権利範囲は、発明の内容に記載された事項により限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施例に係る一体型タッチディスプレイ装置を説明するための概略的な断面図である。
図2a図1の切断線I-I’に沿った概略的な断面図である。
図2b図1の切断線II-IIに沿った概略的な断面図である。
図3図2aおよび図2bに示したタッチパッド部を説明するためのTP1に対する概略的な平面図である。
図4a図3の切断線III-III’に沿った概略的な断面図である。
図4b図3の切断線IV-IV’に沿った概略的な断面図である。
図5a】本発明の一実施例に係る一体型タッチディスプレイ装置の製造方法を説明するための概略的な断面図である。
図5b】本発明の一実施例に係る一体型タッチディスプレイ装置の製造方法を説明するための概略的な断面図である。
図5c】本発明の一実施例に係る一体型タッチディスプレイ装置の製造方法を説明するための概略的な断面図である。
図5d】本発明の一実施例に係る一体型タッチディスプレイ装置の製造方法を説明するための概略的な断面図である。
図5e】本発明の一実施例に係る一体型タッチディスプレイ装置の製造方法を説明するための概略的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の利点および特徴、そしてそれらを達成する方法は、添付する図面と共に詳述する実施例を参照すると明確になるであろう。しかしながら、本発明は、以下に開示する実施例に限定されるものではなく、相違する様々な形に具現化することができる。但し、本実施例は、本発明の開示が完全となるようにして、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に理解させるために提供されるものであって、本発明は、特許請求の範囲によって定義される。
【0023】
本発明の実施例を説明するための図面に開示した形状や大きさ、比率、角度、個数などは例示的なものであって、本発明がそれに限定されるものではない。明細書全体に亘り、同一の参照符号は、同一の構成要素を示す。また、本発明を説明するに当たり、関連する公知技術に対する具体的な説明が本発明の要旨を曖昧にすると判断された場合は、その詳細な説明を省略する。本明細書で「含む」、「有する」、「なる」などが記載された場合、「のみ/だけ」が共に記載されていない限り、他の部分を追加することができる。また、構成要素を単数形で記載した場合は、特に明示的な記載がない限り、複数形も含む。
【0024】
また、構成要素を解釈するに当たり、明示的な記載がなくても誤差範囲を含むものと解釈する。
【0025】
また、位置関係の説明において、例えば「上に」、「上部に」、「下部に」、「横に」などで2つの位置関係を説明する場合、「直」または「直接」と記載されていなければ、1つ以上の他の部分が該2つの間に位置することもできる。
【0026】
また、様々な構成要素を説明するため、「第1」や「第2」などが用いられるが、これらの構成要素はその用語に制限されるものではなく、1つの構成要素を他の構成要素と区別するために使われるだけである。そのため、以下で言及される第1構成要素は、本発明の技術的思想内で第2構成要素でもあり得る。
【0027】
なお、本発明の種々の実施例におけるそれぞれの特徴が、部分的に、または全体的に互いに結合、または組み合わされてもよく、技術的に様々な連動や駆動が可能であって、各実施例は、独立して実施されてもよく、相互関連性を持って一緒に実施されてもよい。
【0028】
以下、図面を参照し、本発明の一実施例に係るタッチセンサを製造するための仮基板を用いてディスプレイ基板と貼り合わせた後、仮基板を除去する方法を利用した一体型タッチディスプレイ装置、およびその製造方法について詳細に説明する。
【0029】
図1は、本発明の一実施例に係る一体型タッチディスプレイ装置を説明するための概略的な断面図であり、図2aおよび図2bのそれぞれは、図1の切断線I-I’、II-II’に沿った概略的な断面図である。
【0030】
図1図2aおよび図2bを参照すると、一体型タッチディスプレイ装置100は、ディスプレイ基板DSPと、タッチ基板TSPを含む。本明細書では、ディスプレイ基板として有機発光ディスプレイ基板(OLED)を例に挙げて説明するが、本発明がこれに限定されるものではない。
【0031】
ディスプレイ基板DSPは、アクティブ領域AAおよびベゼル領域BA1、BA2を有する基板PIと、基板PIの上部に位置し、アノード電極、有機発光層、およびカソード電極を含む発光素子LSと、基板PI上に位置し、駆動信号によって発光素子LSを制御する薄膜トランジスタを含むことができる。
【0032】
ディスプレイ基板DSPとタッチ基板TSPは、接着層ALを介して接合された構造であり得る。接着層ALは、エポキシ系のものを用いることができ、ディスプレイ基板DSPの封止層ENC、およびタッチ基板TSPの第2絶縁層Passiに直に接する構造であってもよい。
【0033】
発光素子LSに用いられる有機発光層は、酸素および水分に弱いので、それらの浸透を最小化するため、封止層ENCによって覆うことができる。
【0034】
封止層ENCは、吸湿剤または発光素子LSからの光の光効率を向上させるためのナノ物質をさらに含むことができる。また、封止層ENCは、有機物と無機物を交互に蒸着した複数の層で構成することができ、フレキシブルなディスプレイ装置を具現化するため、クラック防止用の様々な構成要素をさらに含むことができるが、詳細な説明は省略する。
【0035】
アノード電極、有機発光層およびカソード電極で構成される発光素子LSは、前述した薄膜トランジスタを含んで構成される回路部によって制御されるが、制御のための電気的信号や電流などは、データパッドDPに接続された回路基板を介して供給することができる。
【0036】
前述した発光素子LSは、複数の発光素子LSの発光量および様々な光の波長を調節し、希望する動画を表示できるようにするが、カラーフィルタ層をさらに含むことができる。
【0037】
ディスプレイ基板DSPの基板PIは、フレキシブルまたはフォルダブルなディスプレイ装置として活用することができるよう、ポリイミド基板を用いることができ、多層のポリイミド基板で構成することができる。
【0038】
一方、ディスプレイ基板DSPは、前述した発光素子LSなどの配置のため、平坦化層FLをさらに含むことができるが、平坦化層FLは、フォトアクリルなどの材質で構成することができ、発光素子LSおよび薄膜トランジスタに接続されたデータラインが配置されるよう、複数層にすることができる。
【0039】
前述したデータラインは、第2ベゼル領域BA2にあるデータパッドDPと電気的に接続することができる。このとき、データパッドDPは、回路基板との接続のため、タッチ基板TSPによって覆われないように構成することができる。
【0040】
一方、タッチ基板TSPは、タッチセンサからの電気的信号を回路基板に伝達するため、少なくとも1つのタッチパッド部TP1、TP2を含むことができる。タッチパッド部TP1、TP2は、タッチ基板TSPの第1ベゼル領域BA1に配置することができる。
【0041】
タッチ基板TSPは、アクティブ領域AAおよび第1ベゼル領域BA1を有し、保護層PACと第1絶縁層ILDおよび第2絶縁層Passiを含む。また、第1タッチ電極TXおよび第2タッチ電極RXを含む。
【0042】
図面において、タッチセンサを構成する第1タッチ電極TXおよび第2タッチ電極RXは、詳細に示されていないが、メタルメッシュ形状のタッチ電極であり得る。そして、第1タッチ電極TXおよび第2タッチ電極RXは、第1絶縁層ILDによって絶縁される。
【0043】
第1タッチ電極TXおよび第2タッチ電極RXのそれぞれは、ITO(Indium thin oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、またはGZO(Gallium-doped Zinc Oxide)のような透明導電性物質からなってもよく、チタニウム(Ti)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、またはモリブデン(Mo)のような金属物質からなってもよい。また、第1タッチ電極TXおよび第2タッチ電極RXのそれぞれは、単層構造であってもよく、多層構造であってもよい。
【0044】
タッチパッド部TP1、TP2は、少なくとも1つのパッド電極PEを含む。パッド電極PEは、少なくとも1つの金属、または導電性物質を含む多層電極にすることができ、回路基板との電気的な接続のため、保護層PACは開口領域を設けることができる。
【0045】
保護層PACには、フォトレジスト(PR)と絶縁膜(Passivation)の両方の役割を果たすことができる有機絶縁膜のうち、低誘電率の材料が多く用いられる。
【0046】
図2aおよび図2bを参照すると、パッド電極PEにある少なくとも1つの電極層は、第1タッチ電極TX、または第2タッチ電極RXが延長して配置された電極であり得る。そのため、第1タッチ電極TX、または第2タッチ電極RXとそれぞれ電気的に接続される構造となる。すなわち、第1タッチ電極TXと第2タッチ電極RXのうち、一方は、第1タッチパッド部TP1と第2タッチパッド部TP2のうちの一方に延長し、他方は、第1タッチパッド部TP1と第2タッチパッド部TP2のうちの他方に延長する。その結果、第1タッチパッド部TP1および第2タッチパッド部TP2のそれぞれに多層構造のパッド電極PEが形成される。
【0047】
図2aに示すように、第1タッチパッド部TP1のパッド電極PEは、第1タッチ電極TXに電気的に接続することができ、第2タッチパッド部TP2のパッド電極PEは、第2タッチ電極RXに電気的に接続することができる。逆に、図2bに示すように、第1タッチパッド部TP1のパッド電極PEは、第2タッチ電極RXに電気的に接続することができ、第2タッチパッド部TP2のパッド電極PEは、第1タッチ電極TXに電気的に接続することができる。
【0048】
図2aおよび図2bに示すように、第1タッチパッド部TP1のパッド電極PEは、第1タッチ電極TXと第2タッチ電極RXのうち、一方から延長し、第2タッチパッド部TP2のパッド電極PEは、第1タッチ電極TXと第2タッチ電極RXのうち、他方から延長することができる。または、パッド電極PEは、別途のルーティング配線を介し、第1タッチ電極TXと第2タッチ電極RXのうち、1つに接続することもできる。
【0049】
タッチ基板TSPには、複数の第1タッチ電極TXおよび第2タッチ電極RXが配置される。第1タッチ電極TXおよび第2タッチ電極RXは、第1絶縁層ILDを介し、互いに交差するため、これらの間に相互静電容量が発生する。したがって、タッチ基板TSPにタッチがあった場合、第1タッチ電極TXと第2タッチ電極RXの間における相互静電容量に変化が生じるが、該変化を測定することで、タッチが行われた座標を検出することができる。
【0050】
図3は、図2aおよび図2bに示した第1タッチパッド部TP1に対する概略的な平面図であり、図4aおよび図4bのそれぞれは、図3の切断線III-III’とIV-IV’に沿った概略的な断面図である。
【0051】
図3図4aおよび図4bを参照すると、タッチパッド部には、複数の開口領域OP(コンタクトホール)が形成される。開口領域OPは、パッド電極PEを露出するコンタクトホールであって、露出されたパッド電極PEは、導電ボールなどにより、軟性基板、または回路基板と電気的に接続される。
【0052】
単一のパッド電極PEは、複数の開口領域OPに対応することができる。開口領域OPは、矩形状、五角形状、または六角形状の多角形状にすることができる。後述するが、仮基板を用いたタッチ基板TSPの製造過程において、仮基板を除去する工程は必須であるが、該過程では、レーザーを用いるLLO(Laser Lift Off)工程を伴うことになる。
【0053】
LLO工程を伴う仮基板の除去過程でパッド電極PEに与えられたレーザーによる発熱に対し、矩形状よりは六角形状の方が、熱発散が均一となり、それによる周辺膜へのストレス(熱は、直角などの鋭い角度でより大きいストレスを引き起こす。)を減少させることができるので、六角形状の開口領域OPが好ましい。
【0054】
このように、熱発散および熱伝達の均一性は、LLO過程におけるパッド電極PEと仮基板との接着力など異常発生を最小化し、パッド電極PEの剥がれなどの不良を最小化することができる。
【0055】
図4aおよび図4bを参照すると、パッド電極PEは、少なくとも1つの電極層を含む多層電極にすることができる。
【0056】
前述したように、パッド電極PEは、第1タッチ電極TX、または第2タッチ電極RXが延長して配置された電極層を含み、前記第1タッチ電極TX、または前記第2タッチ電極RXと電気的に接続されてもよく、別途の配線電極、例えばルーティング配線が延長して配置された構造であってもよい。
【0057】
パッド電極PEは、最上層として第1パッド電極BEを含む。第1パッド電極BEは、保護層PACの開口領域OPに対応して配置することができるが、第1パッド電極BEおよび保護層PACの配置順番によって、第1パッド電極BEは、保護層PACにある開口領域OPの内側面を満たすように配置することができる。すなわち、図4aに示すように、第1パッド電極BEの中央は、保護層PACの開口領域OPに対応して露出され、第1パッド電極BEの縁部は、開口領域OPにおいて保護層PACの側面と接触することができる。または、図4bに示すように、第1パッド電極BEの中央は、保護層PACの開口領域OPに対応して露出され、第1パッド電極BEの縁部は、保護層PACによって覆われることができる。
【0058】
パッド電極PEは、前述したように、多層で構成された電極層であり得る。例えば、パッド電極PEは、第1パッド電極BEと、第1タッチ電極TXと同一層に同一物質から形成される第2パッド電極TEと、第2タッチ電極RXから延長した第3パッド電極REとを含む三層構造であってもよく、第1パッド電極BEと第2パッド電極TEとの二層構造、または第1パッド電極BEと第3パッド電極REとの二層構造であってもよい。パッド電極PEは、導電ボールなどを用いる後段の回路基板との電気的な接続において一定の厚さを保つ必要がある。そのため、第1タッチ電極TXおよび第2タッチ電極RXを配置する工程で、同一材質の金属を用いて共に配置し、必要とされる厚さを確保することができる。また、パッド電極PEとダッチセンサとの間の電気的な接続のための配線電極を同時に配置することができる。
【0059】
第1タッチ電極TXおよび第2タッチ電極RXのタッチ信号の均一性を改善するため、保護層PAC上にバリア層BRを配置する。バリア層BRを配置するとき、基板の外側で膜の浮き上がりが発生するが、それを制御するためには、バリア層BRにプラズマ処理を施す必要がある。
【0060】
保護層PACにある開口領域OPの内側面の保護層PACは、接着層AL、またはディスプレイ基板DSの基板PIに対し、逆テーパ状の開口領域OPであり得るが、これについては後述する。
【0061】
第1パッド電極BEは、保護層PACの接着力を向上させるためのプラズマ処理過程で共にプラズマ処理され、第1パッド電極BEのいずれか1つの層は、プラズマ処理された電極層であり得るが、詳細な説明は後述する。
【0062】
図5aないし図5eは、本発明の一実施例に係る一体型タッチディスプレイ装置の製造方法を説明するための概略的な断面図である。
【0063】
以下、タッチセンサを含む一体型タッチディスプレイ装置の製造方法を説明するが、本明細書では、製造過程における不良が最小化されたパッド電極を構成する方法について詳細に説明する。
【0064】
タッチセンサを含むタッチ基板TSPは、仮基板SUBを用いて構成する。レーザーなどを用いる後段のLLO工程に有利であることから、仮基板SUBには、ガラスなどの材質の基板が主に用いられる。
【0065】
ガラス基板を仮基板SUBに用いる一体型タッチディスプレイ装置の製造方法では、ガラス基板上に犠牲層SLを配置した後、保護層PACを配置する。
【0066】
犠牲層SLには、水素化非晶質シリコン(a‐Si:H)、または不純物がドープされた水素化非晶質シリコン(a‐Si:H;n、若しくはa‐Si:H;p)を用いることができる。
【0067】
犠牲層SLの水素は仮基板SUBのシリコンと結合するが、レーザーを照射すると、犠牲層SLの水素と仮基板SUBのシリコンとの結合が切れるので、仮基板SUBの分離が容易となる。
【0068】
犠牲層SL上には保護層PACを配置する。保護層PACは、フォトアクリル系の有機絶縁膜の材質が主に用いられる。保護層PACを配置するに当たり、複数の開口領域OPを有するようにする。開口領域OPは、保護層PACの一部を除去して設けられるが、ドライ、またはウェットエッチングを利用することができる。保護層PACは、仮基板SUBに対し、テーパ状である。すなわち、仮基板SUBを基準にしたときに、開口領域OPの上部領域が、開口領域OPの下部領域より大きい幅を有する。
【0069】
保護層PAC上には第1パッド電極BEを配置する。第1パッド電極BEは、モリブデン(Mo)、ITO(Indium Thin Oxide)、Mo/AlおよびMo/Al/Moのような単一、または多重金属の複数層にすることができる。第1パッド電極BEは、保護層PACに配置された開口領域OPを覆うように配置することができる。後で説明するが、単一のパット電極は、複数の開口領域OPをそれぞれ覆う複数の第1パッド電極BEを含むことができる。すなわち、隣接した開口領域OPに形成された第1パッド電極BEは、互いに離隔される。
【0070】
その後、保護層PAC上にプラズマ処理を行い、界面における接着力を向上させる。そのとき、開口領域OPに配置された第1パッド電極BEもプラズマ処理される。プラズマ処理は、アルゴン(Ar)、酸素(O)、水素(H)および窒素(N)など、イオン化したガスを用いるが、これは、保護層PACおよび第1パッド電極BE上に配置されるバリア層BRおよび第2パッド電極PEとの接着力を向上させ、フレキシブルな環境下における不良発生の問題を最小化するためである。すなわち、保護層PACの表面および第1パッド電極BEの表面がプラズマ処理されることにより、保護層PACとバリア層BRとの接合力、および第1パッド電極BEと第2パッド電極TEとの接合力が向上する。言い換えると、タッチ基板TSPとディスプレイ基板DSPを貼り合わせた状態で、最も外側に位置する第1パッド電極BEの下面、すなわち、第1パッド電極BEとこれに隣接した第2パッド電極TEの上面との界面がプラズマ処理される。
【0071】
一方、開口領域OPによって露出された領域を覆うよう、第1パッド電極BEを配置した後、プラズマ処理を行うことで、仮基板SUB上にある犠牲層SLがプラズマに露出されることを最小化し、犠牲層SLにレーザーを照射するLLO工程に対する影響を最小化することができる。
【0072】
前述した構成において、第1パッド電極BEと保護層PACの配置順番は、入れ替わってもよい。その場合、犠牲層SL上に第1パッド電極BEを配置した後、保護層PACを配置する。保護層PACに、前記第1パッド電極BEと対向するコンタクトホールを形成して開口領域OPを設けることができ、その後、プラズマ処理を行うと、第1パッド電極BEと保護層PACの配置順番が変わっても同じ効果を得ることができる。
【0073】
第1パッド電極BEと保護層PACの配置順番は選択的に変えることができ、配置順番によって開口領域OPの内側面に第1パッド電極BEが配置され得る。先に第1パッド電極BEを配置する場合、導電ボールを用いる回路基板との接続において、さらに安定した電気的な接続特性が得られるというメリットがあり、先に保護層PACを配置する場合は、第1パッド電極BEの上部に配置されるタッチセンサから延長して配置される他の電極との電気的な接続性をさらに向上することができるというメリットがある。
【0074】
第1タッチ電極TXおよび第2タッチ電極RXのタッチ信号の均一性を改善するため、保護層PAC上にバリア層BRを配置する。バリア層BRのあるタッチ基板TSPの外側において、前記バリア層BRと犠牲層SLとが直接当たる部分で膜の浮き上がりが発生し得る。それを制御するため、保護層PACを配置した後、プラズマ処理を行う。
【0075】
例えば、バリア層BRは、保護層PACの上面および側面に対応して形成される。その結果、開口領域OPにおいて、第1パッド電極BEの両端はバリア層BRによって覆われ、第1パッド電極BEの中央は露出される。バリア層BRは省略してもよい。
【0076】
続いて、第1タッチ電極TX、第2パッド電極TE、第2タッチ電極RX、および第3パッド電極REを配置する。第1タッチ電極TXおよび第2タッチ電極RXは、第1絶縁層ILDによって絶縁され、第2パッド電極TEと第3パッド電極REは、互いに接触し、パッド電極PEを構成する。
【0077】
すなわち、バリア層BRを形成した後、第1タッチ電極TXと第2パッド電極TEを形成する。第1タッチ電極TXと第2パッド電極TEは、同一物質からなり、互いに離隔される。第2パッド電極TEは、開口領域OPにおいて第1パッド電極BEと接触する。
【0078】
次に、第1タッチ電極TXを覆いながら、第2パッド電極TEを露出する第1絶縁層IDLを形成する。第2パッド電極TEの縁部は、第1絶縁層ILDによって覆われることができる。
【0079】
続いて、第1タッチ電極TXに対応する第2タッチ電極RXを第1絶縁層ILD上に形成し、第2タッチ電極RXから延長した第3パッド電極REを第2パッド電極TE上に形成する。パッド電極PEは、開口領域OPにおいて、第1ないし第3パッド電極BE、TE、REが積層された三層構造を有し、開口領域OP間の保護層PAC上において、第2パッド電極TEと第3パッド電極REが積層された二層構造を有する。
【0080】
第1タッチ電極TX、第2パッド電極TE、第2タッチ電極RX、および第3パッド電極REのそれぞれは、Al、AlNd、Mo、MoTi、Cu、またはCrのような金属層と、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、またはGZO(Gallium‐doped Zinc Oxide)のような透明導電層との二層に形成してもよく、金属層または透明導電層の単層に形成してもよい。単層に形成する場合、メッシュ形状の金属物質で形成することもできる。
【0081】
その後、第2絶縁層Passiを配置して電極層を保護すると同時に、平坦化させる。
【0082】
次に、図5dおよび図5eを参照し、仮基板SUBを除去する過程を説明する。
【0083】
接着層ALを介し、タッチ基板TSPとディスプレイ基板DSPを貼り合わせる。接着層ALには、エポキシ系接着剤を用いることができる。すなわち、タッチ基板TSPの第2絶縁層Passiがディスプレイ基板DSPに向けるよう、タッチ基板TSPとディスプレイ基板DSPが接合される。
【0084】
両基板TSP、DSPを貼り合わせた後、仮基板SUBの裏面にレーザーを照射する。それにより、犠牲層SLの非晶質シリコンで脱水素化が起こると、犠牲層SLの表面の接着力が減少することになる。その結果、犠牲層SLが保護層PACから分離される。その後、酸溶液などを用いたウェットエッチングで保護層PACの表面に残留した犠牲層SLを除去することができる。
【0085】
そのとき、レーザーは、DPSS(Diode Pumped Solid State)レーザー、またはエキシマレーザーなどを用いることができる。
【0086】
以上、図面を参照し、本発明の実施例をさらに詳細に説明したが、本発明が必ずかかる実施例に限定されるものではない。本発明の技術思想を逸脱しない範囲内で様々に変形・実施することができる。よって、本明細書に開示された実施例は、本発明の技術思想を限定するためのものではなく、説明するためのものであって、かかる実施例により、本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。そのため、以上で記述した実施例は、あらゆる面で例示的なものであって、限定的なものとして理解してはならない。また、本発明の保護範囲は、特許請求の範囲によって解釈されるべきであり、それと同等の範囲内にある全ての技術思想は、本発明の権利範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0087】
100…一体型タッチディスプレイ装置
TSP…タッチ基板
DSP…ディスプレイ基板
TP1、TP2…タッチパッド部
DP…データパッド部
PE…パッド電極
BE…第1パッド電極
TE…第2パッド電極
RE…第3パッド電極
TX…第1タッチ電極
RX…第2タッチ電極
図1
図2a
図2b
図3
図4a
図4b
図5a
図5b
図5c
図5d
図5e