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特開2023-180909情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023180909
(43)【公開日】2023-12-21
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20231214BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20231214BHJP
【FI】
G08G1/00 D
G08G1/16 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022094589
(22)【出願日】2022-06-10
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 昭仁
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB20
5H181CC04
5H181FF05
5H181FF25
5H181FF32
5H181LL01
5H181LL02
5H181LL04
5H181LL07
5H181LL08
(57)【要約】
【課題】本開示は、車両の運転中に車内に出力される情報の出力方法を運転者に適したものにすることを目的とする。
【解決手段】情報処理装置は、車両の運転中に出力部から出力された、前記車両の運転者の運転を評価した評価情報に対する前記運転者の反応を特定する特定部と、前記特定部が特定した前記運転者の反応に基づいて、前記運転者に適した前記評価情報の出力方法を推定する推定部と、前記出力部から出力される前記評価情報の出力方法を、前記推定部が推定した前記評価情報の出力方法に変更させる変更部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の運転中に出力部から出力された、前記車両の運転者の運転を評価した評価情報に対する前記運転者の反応を特定する特定部と、
前記特定部が特定した前記運転者の反応に基づいて、前記運転者に適した前記評価情報の出力方法を推定する推定部と、
前記出力部から出力される前記評価情報の出力方法を、前記推定部が推定した前記評価情報の出力方法に変更させる変更部と、
を備える、
情報処理装置。
【請求項2】
前記運転者と類似の個人特性を有する他の運転者に適した前記評価情報の出力方法を調整するための機械学習を行った学習済みモデルを、前記運転者の個人特性を示す個人特性情報及び前記特定部が特定した前記運転者の反応が蓄積された反応情報を用いて、前記運転者に適した前記評価情報の出力方法を推定するモデルに更新する更新部を備える、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記推定部は、
前記更新部が更新した前記モデルに、前記運転者の前記個人特性情報及び前記反応情報を入力することで、前記運転者に適した前記評価情報の出力方法を推定する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記特定部は、
前記出力部から前記評価情報が出力された際の前記運転者の振る舞いから、前記出力部から出力された前記評価情報に対する前記運転者の反応を特定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記特定部は、
前記評価情報に関する質問に対する前記運転者の回答から、前記出力部から出力された前記評価情報に対する前記運転者の反応を特定する、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
車両の運転中に出力部から出力された、前記車両の運転者の運転を評価した評価情報に対する前記運転者の反応を特定し、
特定した前記運転者の反応に基づいて、前記運転者に適した前記評価情報の出力方法を推定し、
前記出力部から出力される前記評価情報の出力方法を、推定した前記評価情報の出力方法に変更させる、
処理をコンピュータが実行する情報処理方法。
【請求項7】
コンピュータに、
車両の運転中に出力部から出力された、前記車両の運転者の運転を評価した評価情報に対する前記運転者の反応を特定し、
特定した前記運転者の反応に基づいて、前記運転者に適した前記評価情報の出力方法を推定し、
前記出力部から出力される前記評価情報の出力方法を、推定した前記評価情報の出力方法に変更させる、
処理を実行させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、必要以上に外部充電の時刻スケジュールに関する情報がユーザに通知されることによる煩わしさを低減することができる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-079538号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術は、ユーザのスマートフォンに送信する時刻スケジュールに関する情報の送信頻度を調整することで、ユーザに適した通知方法を実現するものである。しかし、特許文献1の技術は、車両の運転中に車内に出力される情報の出力方法を運転者に適したものにすることについては考慮されておらず、改善の余地がある。
【0005】
そこで、本開示は、車両の運転中に車内に出力される情報の出力方法を運転者に適したものにすることができる情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る情報処理装置は、車両の運転中に出力部から出力された、前記車両の運転者の運転を評価した評価情報に対する前記運転者の反応を特定する特定部と、前記特定部が特定した前記運転者の反応に基づいて、前記運転者に適した前記評価情報の出力方法を推定する推定部と、前記出力部から出力される前記評価情報の出力方法を、前記推定部が推定した前記評価情報の出力方法に変更させる変更部と、を備える。
【0007】
請求項1に係る情報処理装置では、特定部は、車両の運転中に出力部から出力された評価情報に対する運転者の反応を特定する。また、推定部は、特定部が特定した運転者の反応に基づいて、運転者に適した評価情報の出力方法を推定する。そして、変更部は、出力部から出力される評価情報の出力方法を、推定部が推定した評価情報の出力方法に変更させる。これにより、当該情報処理装置では、車両の運転中に出力部から出力された評価情報に対する運転者の反応に基づいて評価情報の出力方法を変更させることで、運転中に車内に出力される評価情報の出力方法を運転者に適したものにすることができる。
【0008】
請求項2に係る情報処理装置は、請求項1において、前記運転者と類似の個人特性を有する他の運転者に適した前記評価情報の出力方法を調整するための機械学習を行った学習済みモデルを、前記運転者の個人特性を示す個人特性情報及び前記特定部が特定した前記運転者の反応が蓄積された反応情報を用いて、前記運転者に適した前記評価情報の出力方法を推定するモデルに更新する更新部を備える。
【0009】
請求項2に係る情報処理装置では、更新部は、運転者と類似の個人特性を有する他の運転者に適した学習済みモデルを運転者の個人特性情報及び反応情報を用いて、運転者に適した評価情報の出力方法を推定するモデルに更新する。これにより、当該情報処理装置では、類似の個人特性を有する他の運転者に適した学習済みモデルをベースにすることで、当該学習済みモデルをベースにしない場合に比べて、運転者に適した評価情報の出力方法を推定するモデルを短時間で生成することができる。
【0010】
請求項3に係る情報処理装置は、請求項2において、前記推定部は、前記更新部が更新した前記モデルに、前記運転者の前記個人特性情報及び前記反応情報を入力することで、前記運転者に適した前記評価情報の出力方法を推定する。
【0011】
請求項3に係る情報処理装置では、推定部は、更新部が更新したモデルに運転者の個人特性情報及び反応情報を入力することで、運転者に適した評価情報の出力方法を推定する。これにより、当該情報処理装置では、運転者の個人特性及び車両の運転中に出力部から出力された評価情報に対する運転者の反応を踏まえて最適化した出力方法で評価情報を出力部から出力させることができる。
【0012】
請求項4に係る情報処理装置は、請求項1において、前記特定部は、前記出力部から前記評価情報が出力された際の前記運転者の振る舞いから、前記出力部から出力された前記評価情報に対する前記運転者の反応を特定する。
【0013】
請求項4に係る情報処理装置では、特定部は、出力部から評価情報が出力された際の運転者の振る舞いから、出力部から出力された評価情報に対する運転者の反応を特定する。これにより、当該情報処理装置では、出力部から出力された評価情報の出力方法に対して運転者に意見を求めることなく、運転中に車内に出力される評価情報の出力方法を運転者に適したものにすることができる。
【0014】
請求項5に係る情報処理装置は、請求項4において、前記特定部は、前記評価情報に関する質問に対する前記運転者の回答から、前記出力部から出力された前記評価情報に対する前記運転者の反応を特定する。
【0015】
請求項5に係る情報処理装置では、特定部は、評価情報に関する質問に対する運転者の回答から、出力部から出力された評価情報に対する運転者の反応を特定する。これにより、当該情報処理装置では、出力部から出力された評価情報に対する運転者の反応を間接的な方法のみで特定する場合に比べて、運転者の反応を正確に特定することができる。
【0016】
請求項6に係る情報処理方法は、車両の運転中に出力部から出力された、前記車両の運転者の運転を評価した評価情報に対する前記運転者の反応を特定し、特定した前記運転者の反応に基づいて、前記運転者に適した前記評価情報の出力方法を推定し、前記出力部から出力される前記評価情報の出力方法を、推定した前記評価情報の出力方法に変更させる、処理をコンピュータが実行する。
【0017】
請求項7に係る情報処理プログラムは、コンピュータに、車両の運転中に出力部から出力された、前記車両の運転者の運転を評価した評価情報に対する前記運転者の反応を特定し、特定した前記運転者の反応に基づいて、前記運転者に適した前記評価情報の出力方法を推定し、前記出力部から出力される前記評価情報の出力方法を、推定した前記評価情報の出力方法に変更させる、処理を実行させる。
【0018】
なお、請求項4に係る情報処理装置は、以下に記載の他の態様を採用してもよい。
他の態様として、請求項4に係る情報処理装置は、請求項1から3の何れか1項において、前記特定部は、前記出力部から前記評価情報が出力された際の前記運転者の振る舞いから、前記出力部から出力された前記評価情報に対する前記運転者の反応を特定する。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように、本開示に係る情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムでは、車両の運転中に車内に出力される情報の出力方法を運転者に適したものにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本実施形態に係る情報処理システムの概略構成を示す図である。
図2】本実施形態に係る車両のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】本実施形態に係る車載器の機能構成の例を示すブロック図である。
図4】本実施形態に係る管理サーバ及び運転者端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
図5】本実施形態に係る管理サーバの記憶部の構成を示すブロック図である。
図6】本実施形態に係る管理サーバの機能構成の例を示すブロック図である。
図7】本実施形態に係る管理サーバによる学習処理の流れを示すフローチャートである。
図8】本実施形態に係る管理サーバによる更新処理の流れを示すフローチャートである。
図9】本実施形態に係る管理サーバによる変更処理の流れを示すフローチャートである。
図10】本実施形態に係る車両の運転中にMIDに出力された評価情報の出力例を示す説明図である。
図11】本実施形態に係る車両の運転中にスピーカから出力された評価情報の出力例を示す説明図である。
図12】本実施形態に係る運転者端末の表示部に表示される表示例である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本実施形態に係る情報処理システム10について説明する。
本実施形態に係る情報処理システム10は、車両の運転中に車内に出力される情報の出力方法を運転者に適したものにするシステムである。
【0022】
(第1の実施形態)
まず、本実施形態に係る情報処理システム10の第1の実施形態について説明する。
図1は、情報処理システム10の概略構成を示す図である。
【0023】
図1に示すように、情報処理システム10は、車両60、管理サーバ20、及び運転者端末40を含む。車両60に搭載された車載器15、管理サーバ20、及び運転者端末40は、ネットワークNを介して接続され、互いに通信可能となっている。
【0024】
車両60は、エンジン車両、ハイブリッド車両、又は電気自動車の何れであってもよいが、第1の実施形態では、一例として、車両60はエンジン車両とする。
【0025】
管理サーバ20は、所定の事業者が保有するサーバコンピュータである。管理サーバ20は「情報処理装置」の一例である。
【0026】
運転者端末40は、車両60の運転者が保有する携帯端末である。運転者端末40には、一例として、携帯可能なパーソナルコンピュータ(ノートPC)、スマートフォン、又はタブレット端末等が適用される。第1の実施形態では、一例として、運転者端末40はスマートフォンとする。
【0027】
なお、図1では、車両として車両60を一台だけ図示し、運転者端末として運転者端末40を一台だけ図示しているが、車両及び運転者端末は複数台存在する。つまり、情報処理システム10においては、車両及び運転者端末は複数台存在するとともに、各車両に応じた運転者が複数人存在する。
【0028】
次に、車両60のハードウェア構成を説明する。図2は、車両60のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0029】
図2に示すように、車両60は、車載器15と、複数のECU(Electronic Control Unit)70と、操舵角センサ71と、加速度センサ72と、車速センサ73と、ウインカースイッチ74と、マイク75と、カメラ76と、入力スイッチ77と、モニタ78と、スピーカ79と、GPS装置80と、を含んで構成されている。
【0030】
車載器15は、CPU(Central Processing Unit)61、ROM(Read Only Memory)62、RAM(Random Access Memory)63、記憶部64、車内通信I/F(InterFace)65、入出力I/F66及び無線通信I/F67を含んで構成されている。CPU61、ROM62、RAM63、記憶部64、車内通信I/F65、入出力I/F66及び無線通信I/F67は、内部バス68を介して相互に通信可能に接続されている。
【0031】
CPU61は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU61は、ROM62又は記憶部64からプログラムを読み出し、RAM63を作業領域としてプログラムを実行する。CPU61は、ROM62又は記憶部64に記録されているプログラムにしたがって、上記各構成の制御及び各種の演算処理を行う。
【0032】
ROM62は、各種プログラム及び各種データを格納する。RAM63は、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。
【0033】
記憶部64は、eMMC(embedded Multi Media Card)又はUFS(Universal Flash Storage)等の記憶装置により構成され、各種プログラム及び各種データを格納する。
【0034】
車内通信I/F65は、ECU70と接続するためのインターフェースである。当該インターフェースは、CANプロトコルによる通信規格が用いられる。車内通信I/F65は、外部バス89に対して接続されている。
【0035】
ECU70は、車両60の機能毎に複数設けられており、第1の実施形態では、ECU70A、ECU70B、ECU70C、及びECU70Dが設けられている。ECU70Aは、電動パワーステアリング用ECUが例示され、ECU70Aには操舵角センサ71が接続されている。また、ECU70Bは、VSC(Vehicle Stability Control)用ECUが例示され、ECU70Bには加速度センサ72及び車速センサ73が接続されている。なお、ECU70Bには加速度センサ72及び車速センサ73に加えて、ヨーレートセンサが接続されていてもよい。
【0036】
ECU70Cは、エンジンECUが例示され、エンジンを制御するために車両60のエンジン回転数及びエンジントルクを検出する。また、ECU70Cは、図示しないセンサ類から取得した燃料流量を基に燃費を検出する。さらに、ECU70Cは、車両60のアクセル操作を検出する。ECU70Cが検出したエンジン回転数、エンジントルク、燃費、及びアクセル操作は、記憶部64に記憶されるとともに、運転者の運転操作に関する運転操作情報として管理サーバ20に送信される。また、ECU70Dは、ステアリングECUが例示され、ECU70Dにはウインカースイッチ74が接続されている。ウインカースイッチ74は、ウインカーを作動させるためのステアリングコラムに設けられている。ECU70Dは、運転者によるウインカースイッチ74の操作をウインカー操作として検出する。ECU70Dが検出したウインカー操作は、記憶部64に記憶されるとともに運転操作情報として管理サーバ20に送信される。
【0037】
操舵角センサ71は、ステアリングホイールの操舵角を検出するためのセンサである。操舵角センサ71において検出された操舵角は、記憶部64に記憶されるとともに運転操作情報として管理サーバ20に送信される。
【0038】
加速度センサ72は、車両60に作用する加速度を検出するためのセンサである。加速度センサ72は、一例として、3軸の加速度センサであり、X軸方向として車両前後方向、Y軸方向として車幅方向、Z軸方向として車両高さ方向に加わった加速度を検出する。加速度センサ72において検出された加速度は、記憶部64に記憶されるとともに運転操作情報として管理サーバ20に送信される。
【0039】
車速センサ73は、車両60の車速を検出するためのセンサである。車速センサ73は例えば、車輪に設けられたセンサである。車速センサ73において検出された車速は、記憶部64に記憶されるとともに運転操作情報として管理サーバ20に送信される。
【0040】
入出力I/F66は、車両60に搭載されるマイク75、カメラ76、入力スイッチ77、モニタ78、スピーカ79、及びGPS装置80と通信するためのインターフェースである。
【0041】
マイク75は、車両60のフロントピラー、又はダッシュボード等に設けられ、車両60の運転者が発した音声を集音する装置である。なお、マイク75は、後述するカメラ76に設けられていてもよい。
【0042】
カメラ76は、一例として、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の撮像素子を用いて撮像を行う撮像装置である。カメラ76は、一例として、車両60の前部に設けられ、車両前方を撮像する第1カメラと、車両60においてフロントウィンドウの上部、又はダッシュボードに設けられ、運転者へ向けられている第2カメラとを備えている。そして、カメラ76の第1カメラにより撮像された画像は、一例として、車両前方を走行する先行車両との車間距離、車線、及び信号機等を認識するために用いられる。また、カメラ76の第2カメラにより撮像された画像は、一例として、運転者の表情を検出するために用いられる。カメラ76が撮像した画像は、記憶部64に記憶される。カメラ76の第1カメラにより撮像された画像は、運転操作情報として管理サーバ20に送信される。また、カメラ76の第2カメラにより撮像された画像は、運転者の振る舞いを示す運転者情報として管理サーバ20に送信される。なお、カメラ76は、ドライブレコーダ、及びADAS(Advanced Driver Assistance System、先進運転支援システム)等の他の用途の撮像装置として構成されてもよい。また、カメラ76は、ECU70(例えば、カメラECU)を経由して車載器15に接続されていてもよい。
【0043】
入力スイッチ77は、インストルメントパネル、センタコンソール、ステアリングホイール等に設けられ、運転者の手指による操作を入力するスイッチである。入力スイッチ77としては、例えば、押しボタン式のテンキー、及びタッチパッド等を採用することができる。第1の実施形態では、入力スイッチ77として、ステアリングホイールにキャンセルスイッチが設けられている。キャンセルスイッチは、運転者により操作された場合に、モニタ78及びスピーカ79から出力されている、運転者の運転を評価した評価情報の出力を中止(キャンセル)するスイッチである。キャンセルスイッチの操作は、記憶部64に記憶されるとともに運転者情報として管理サーバ20に送信される。
【0044】
モニタ78は、インストルメントパネル、又はメータパネル等に設けられ、車両60の機能に係る作動の提案、及び当該機能の説明に係る画像等を表示するための液晶モニタである。モニタ78は、入力スイッチ77を兼ねたタッチパネルとして設けてもよい。
【0045】
スピーカ79は、インストルメントパネル、センタコンソール、フロントピラー、又はダッシュボード等に設けられ、車両60の機能に係る作動の提案、及び当該機能の説明に係る音声等を出力するための装置である。なお、スピーカ79は、モニタ78に設けられていてもよい。
【0046】
第1の実施形態では、車両60の運転中にモニタ78及びスピーカ79から評価情報が出力される。評価情報は、運転者の運転を評価した情報であり、例えば、運転者の運転が良かったこと及び悪かったこと等を示す。モニタ78及びスピーカ79は「出力部」の一例である。
【0047】
GPS装置80は、車両60の現在位置を測定する装置である。GPS装置80は、GPS衛星からの信号を受信する図示しないアンテナを含んでいる。なお、GPS装置80は、ECU70(例えば、マルチメディアECU)に接続されるカーナビゲーションシステムを経由して車載器15に接続されていてもよい。
【0048】
無線通信I/F67は、管理サーバ20と通信するための無線通信モジュールである。当該無線通信モジュールは、例えば、5G、LTE、Wi-Fi(登録商標)等の通信規格が用いられる。無線通信I/F67は、ネットワークNに対して接続されている。
【0049】
次に、車載器15の機能構成について説明する。
図3は、車載器15の機能構成の例を示すブロック図である。
【0050】
図3に示すように、車載器15のCPU61は、機能構成として、取得部61A、決定部61B、制御部61C、管理部61D、及び送信部61Eを有する。各機能構成は、CPU61がROM62又は記憶部64に記憶されたプログラムを読み出し、実行することにより実現される。
【0051】
取得部61Aは、運転操作情報を取得する。一例として、取得部61Aは、運転操作情報として、操舵角センサ71、加速度センサ72、車速センサ73、及びウインカースイッチ74によって検出された車両60の操舵角、加速度、車速、及びウインカー操作を取得する。また、取得部61Aは、運転操作情報として、ECU70Cによって検出された車両60のエンジン回転数、エンジントルク、燃費及びアクセル操作を取得する。さらに、取得部61Aは、運転操作情報として、カメラ76の第1カメラにより撮像された画像を取得する。なお、上記の情報は、取得部61Aが取得可能な運転操作情報の一部であり、上記の情報以外の運転者の運転操作に関する情報も、取得部61Aは運転操作情報として取得する。
【0052】
また、取得部61Aは、車両60の運転者に適した評価情報の出力方法を管理サーバ20から取得する。一例として、評価情報の出力方法は、評価情報の出力頻度、モニタ78への表示内容、及びスピーカ79からの出力内容を組み合わせて決定される。評価情報の出力頻度とは、評価情報を単位時間あたりにモニタ78へ何回表示するか、スピーカ79から何回出力するかといった指標である。モニタ78への表示内容は、例えば、文字内容、文字色、及び文字サイズ等である。スピーカ79からの出力内容は、例えば、男性の声か女性の声か又は低い声か高い声か等の音声種別、及び優しい口調か厳しい口調か等の口調種別等である。
【0053】
決定部61Bは、取得部61Aが取得した運転操作情報に基づいて、モニタ78及びスピーカ79から出力する評価情報の項目を決定する。第1の実施形態では、評価情報の項目として、一時停止Good、一時停止Bad、ブレーキGood、及びブレーキBad等の複数の項目が設けられている。評価情報の各項目は、特定の運転操作情報に紐付けられている。そして、決定部61Bは、取得部61Aが取得した運転操作情報に紐付いた項目を、モニタ78及びスピーカ79から出力する評価情報の項目に決定する。例えば、決定部61Bは、取得部61Aが運転操作情報として取得した車両60の加速度及び車速から、モニタ78及びスピーカ79から出力する評価情報の項目を「ブレーキGood」又は「ブレーキBad」に決定する。
【0054】
また、決定部61Bは、取得部61Aが取得した車両60の運転者に適した評価情報の出力方法を、当該車両60のモニタ78及びスピーカ79から出力する評価情報の出力方法に決定する。
【0055】
制御部61Cは、決定部61Bが決定した評価情報の項目を、決定部61Bが決定した出力方法で車両60の運転中にモニタ78及びスピーカ79から出力させる制御を行う。
【0056】
管理部61Dは、モニタ78及びスピーカ79から評価情報が出力された際の運転者の振る舞いを管理する。管理部61Dは、運転者の振る舞いとして、当該評価情報が出力されてから所定時間内におけるキャンセルスイッチの操作有無と、運転者の表情とを管理する。具体的には、管理部61Dは、当該評価情報が出力されてから所定時間内にキャンセルスイッチが操作された場合、当該キャンセルスイッチの操作を運転者情報として記憶部64に記憶させる。また、管理部61Dは、カメラ76の第2カメラを制御し、当該評価情報が出力されてから所定時間内における運転者の顔を撮像し、当該撮像した画像を運転者情報として記憶部64に記憶させる。
【0057】
送信部61Eは、運転操作情報及び運転者情報を管理サーバ20に送信する。送信部61Eは、定期的に、例えば1日ごとに、記憶部64に記憶されている運転操作情報及び運転者情報を管理サーバ20に送信する。
【0058】
次に、管理サーバ20及び運転者端末40のハードウェア構成を説明する。図4は、管理サーバ20及び運転者端末40のハードウェア構成を示すブロック図である。なお、管理サーバ20及び運転者端末40は、基本的には一般的なコンピュータ構成であるため、管理サーバ20を代表して説明する。
【0059】
図4に示すように、管理サーバ20は、CPU21、ROM22、RAM23、記憶部24、入力部25、表示部26、及び通信部27を備えている。各構成は、バス28を介して相互に通信可能に接続されている。
【0060】
CPU21は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU21は、ROM22又は記憶部24からプログラムを読み出し、RAM23を作業領域としてプログラムを実行する。CPU21は、ROM22又は記憶部24に記録されているプログラムにしたがって、上記各構成の制御及び各種の演算処理を行う。
【0061】
ROM22は、各種プログラム及び各種データを格納する。RAM23は、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。
【0062】
記憶部24は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)又はフラッシュメモリ等の記憶装置により構成され、各種プログラム及び各種データを格納する。
【0063】
入力部25は、マウス等のポインティングデバイス、キーボード、マイク、及びカメラ等を含み、各種の入力を行うために使用される。
【0064】
表示部26は、例えば、液晶ディスプレイであり、種々の情報を表示する。表示部26は、タッチパネル方式を採用して、入力部25として機能してもよい。
【0065】
通信部27は、他の機器と通信するためのインターフェースである。当該通信には、例えば、イーサネット(登録商標)若しくはFDDI等の有線通信の規格、又は、4G、5G、Bluetooth(登録商標)、若しくはWi-Fi(登録商標)等の無線通信の規格が用いられる。
【0066】
図5は、管理サーバ20の記憶部24の構成を示すブロック図である。
図5に示すように、記憶部24は、プログラム記憶部30、個人特性記憶部32、個人反応記憶部34、及び学習済みモデル記憶部36を備えている。
【0067】
プログラム記憶部30は、学習プログラム30A及び情報処理プログラム30Bを記憶している。学習プログラム30Aは、後述する機械学習の学習処理(図7参照)をCPU21に実行させ、当該学習処理の結果として学習済みモデルを生成させるためのプログラムである。情報処理プログラム30Bは、後述する更新処理(図8参照)及び変更処理(図9参照)をCPU21に実行させるためのプログラムである。
【0068】
個人特性記憶部32は、各車両60の運転者それぞれの個人特性を示す個人特性情報を記憶している。個人特性情報には、一例として、運転者の年齢、性別、及び性格等が含まれる。車両60の運転者の個人特性情報の生成方法については後述する。
【0069】
個人反応記憶部34は、車両60の運転中にモニタ78及びスピーカ79から出力された評価情報に対する運転者の反応が蓄積された反応情報を記憶している。反応情報には、一例として、各運転者における各出力方法で出力した評価情報の反応の良し悪しが含まれている。一例として、個人反応記憶部34には、運転者Aにおける出力方法Aで出力した評価情報の反応は良い、出力方法Bで出力した評価情報の反応は悪い、又は、運転者Bにおける出力方法Aで出力した評価情報の反応は悪い、出力方法Bで出力した評価情報の反応は良い等といった反応情報が記憶されている。
【0070】
学習済みモデル記憶部36は、学習処理の結果として生成された学習済みモデル及び当該学習済みモデルを更新した更新後モデルを運転者に紐付けて記憶している。更新後モデルは「モデル」の一例である。
【0071】
次に、管理サーバ20の機能構成について説明する。
図6は、管理サーバ20の機能構成の例を示すブロック図である。
【0072】
図6に示すように、管理サーバ20のCPU21は、機能構成として、取得部21A、生成部21B、特定部21C、更新部21D、推定部21E、及び変更部21Fを有する。各機能構成は、CPU21が記憶部24に記憶された情報処理プログラム30Bを読み出し、実行することにより実現される。
取得部21Aは、運転操作情報及び運転者情報を車両60から取得する。
【0073】
生成部21Bは、取得部21Aが取得した運転操作情報と、各車両60の運転者それぞれに対して実施した個人特性を推定するための検査の結果とに基づいて、各車両60の運転者それぞれの個人特性情報を生成する。例えば、生成部21Bは、運転者Aの運転操作情報と上記の検査の結果とに基づいて、運転者Aの個人特性情報を「年齢:35歳 性別:男性 性格:温厚」等と生成する。生成部21Bが生成した個人特性情報は、運転者に紐付けられて個人特性記憶部32に記憶される。
【0074】
また、生成部21Bは、取得部21Aが運転操作情報を取得する都度、取得した運転操作情報に紐付く運転者の個人特性情報を更新する。例えば、生成部21Bは、上記の運転者Aの個人特性情報を生成してから一定期間経過後に取得部21Aが取得した運転操作情報と上記の検査の結果とに基づいて、個人特性記憶部32に記憶された運転者Aの個人特性情報を「年齢:35歳 性別:男性 性格:短気」等に更新する。
【0075】
特定部21Cは、車両60の運転中にモニタ78及びスピーカ79から出力された評価情報に対する運転者の反応の良し悪しを特定する。第1の実施形態では、一例として、特定部21Cは、モニタ78及びスピーカ79から評価情報が出力された際の運転者の振る舞いから、当該反応の良し悪しを特定する。
【0076】
例えば、特定部21Cは、取得部21Aが取得した運転者情報に基づいて、上記の振る舞いとして運転者のキャンセルスイッチの操作を検出した場合、上記の評価情報に対する運転者の反応は「悪い」と特定する。また、特定部21Cは、取得部21Aが取得した運転者情報に基づいて、上記の振る舞いとして運転者の不快な表情を検出した場合、上記の評価情報に対する運転者の反応は「悪い」と特定する。さらに、特定部21Cは、取得部21Aが取得した運転者情報に基づいて、上記の振る舞いとして運転者の嬉しい表情を検出した場合、上記の評価情報に対する運転者の反応は「良い」と特定する。なお、特定部21Cは、取得部21Aが運転者情報として取得したカメラ76の第2カメラにより撮像された運転者の顔の画像に対して公知の画像処理を行うことにより、運転者の表情を検出する。
【0077】
そして、特定部21Cが特定した一の出力方法(例:出力方法A)で出力した評価情報に対する運転者の反応の良し悪しは、個人反応記憶部34に当該運転者の反応情報として記憶される。
【0078】
更新部21Dは、運転者と類似の個人特性を有する他の運転者に適した評価情報の出力方法を調整するための機械学習を行った学習済みモデルを、運転者の個人特性情報及び反応情報を用いて、運転者に適した評価情報の出力方法を推定する更新後モデルに更新する。
【0079】
まず、更新部21Dは、個人特性記憶部32に記憶された運転者の個人特性情報を参照して、当該運転者と類似の個人特性を有する他の運転者を特定する。第1の実施形態では、運転者の個人特性情報との一致度が予め定めた基準以上となることを「運転者と類似の個人特性を有する」こととしている。
【0080】
次に、更新部21Dは、上記で特定した他の運転者の学習済みモデルを学習済みモデル記憶部36から取得する。なお、更新部21Dは、運転者の個人特性情報との一致度が予め定めた基準以上となる他の運転者が複数存在する場合、当該一致度が最大の他の運転者の学習済みモデルを取得する。そして、更新部21Dは、取得した他の運転者の学習済みモデルに、個人特性記憶部32に記憶された運転者の個人特性情報及び個人反応記憶部34に記憶された運転者の反応情報を、運転者に適した評価情報の出力方法を調整するようにモデルの機械学習を行うための学習データとして入力する。これにより、機械学習の結果として、他の運転者の学習済みモデルが、運転者に適した評価情報の出力方法を推定する更新後モデルに更新される。
【0081】
そして、更新部21Dにより更新された運転者の更新後モデルは、当該運転者に紐付けられて学習済みモデル記憶部36に記憶される。
【0082】
推定部21Eは、特定部21Cが特定した運転者の反応の良し悪しに基づいて、運転者に適した評価情報の出力方法を推定する。具体的には、推定部21Eは、学習済みモデル記憶部36に記憶された運転者の更新後モデルに、個人特性記憶部32に記憶された運転者の個人特性情報及び個人反応記憶部34に記憶された運転者の反応情報を入力することで、運転者に適した評価情報の出力方法を推定する。
【0083】
第1の実施形態では、推定部21Eは、定期的に、例えば1日ごとに、個人特性記憶部32に記憶された運転者の個人特性情報及び個人反応記憶部34に記憶された運転者の反応情報を学習データとして、機械学習によって更新後モデルを更新しつつ、運転者に適した最新の評価情報の出力方法を推定する。
【0084】
変更部21Fは、モニタ78及びスピーカ79から出力される評価情報の出力方法を、推定部21Eが推定した評価情報の出力方法に変更させる。第1の実施形態では、変更部21Fは、推定部21Eが推定した評価情報の出力方法を車両60に送信することで、モニタ78及びスピーカ79から出力される評価情報の出力方法を車両60に変更させる。
【0085】
次に、管理サーバ20が学習済みモデルを生成する学習処理の流れを説明する。
図7は、管理サーバ20による学習処理の流れを示すフローチャートである。CPU21が記憶部24から学習プログラム30Aを読み出して、RAM23に展開して実行することにより、学習処理が行われる。
【0086】
図7に示すステップS10において、CPU21は、個人特性記憶部32及び個人反応記憶部34からモデルに学習させる学習データを取得する。具体的には、CPU21は、学習済みモデルを生成する車両60の運転者に対応する個人特性情報を個人特性記憶部32から取得し、当該運転者に対応する反応情報を個人反応記憶部34から取得する。また、第1の実施形態では、上記の学習データを学習させるモデルをニューラルネットワークとしている。そして、ステップS11に進む。
【0087】
ステップS11において、CPU21は、ステップS10で取得した学習データを上記のモデルに入力することで、運転者に適した評価情報の出力方法を推定する学習済みモデルを生成する。そして、ステップS12に進む。
【0088】
ステップS12において、CPU21は、ステップS11で生成した学習済みモデルを運転者に紐付けて学習済みモデル記憶部36に記憶させる。そして、学習処理を終了する。
【0089】
次に、管理サーバ20が、車両60の運転者と類似の個人特性を有する他の運転者の学習済みモデルを、運転者に適した評価情報の出力方法を推定する更新後モデルに更新する更新処理の流れを説明する。
【0090】
図8は、管理サーバ20による更新処理の流れを示すフローチャートである。CPU21が記憶部24から情報処理プログラム30Bを読み出して、RAM23に展開して実行することにより、更新処理が行われる。なお、以下の図8の説明では、車両60の運転者を「運転者A」、車両60の運転者と類似の個人特性を有する他の運転者を「運転者B」と記載する。
【0091】
図8に示すステップS20において、CPU21は、個人特性記憶部32に記憶された運転者Aの個人特性情報を参照して、当該運転者Aと類似の個人特性を有する運転者Bを特定する。そして、ステップS21に進む。
【0092】
ステップS21において、CPU21は、ステップS20で特定した運転者Bの学習済みモデルを学習済みモデル記憶部36から取得する。そして、ステップS22に進む。
【0093】
ステップS22において、CPU21は、ステップS21で取得した運転者Bの学習済みモデルを、運転者Aに適した評価情報の出力方法を推定する更新後モデルに更新する。具体的には、CPU21は、運転者Bの学習済みモデルに、個人特性記憶部32に記憶された運転者Aの個人特性情報及び個人反応記憶部34に記憶された運転者Aの反応情報を学習データとして入力する。これにより、機械学習の結果として、運転者Bの学習済みモデルが、運転者Aに適した評価情報の出力方法を推定する更新後モデルに更新される。そして、ステップS23に進む。
【0094】
ステップS23において、CPU21は、ステップS22で更新した更新後モデルを運転者Aに紐付けて学習済みモデル記憶部36に記憶させる。そして、更新処理を終了する。
【0095】
次に、管理サーバ20が、車両60のモニタ78及びスピーカ79から出力される評価情報の出力方法を車両60の運転者に適した評価情報の出力方法に変更させる変更処理の流れを説明する。
【0096】
図9は、管理サーバ20による変更処理の流れを示すフローチャートである。CPU21が記憶部24から情報処理プログラム30Bを読み出して、RAM23に展開して実行することにより、変更処理が行われる。
【0097】
図9に示すステップS30において、CPU21は、車両60から運転者情報を取得する。そして、ステップS31に進む。第1の実施形態では、定期的に、例えば1日ごとに車両60から管理サーバ20に運転者情報が送信される。
【0098】
ステップS31において、CPU21は、車両60の運転中にモニタ78及びスピーカ79から出力された評価情報に対する運転者の反応の良し悪しを特定する。第1の実施形態では、一例として、CPU21は、ステップS30で取得した運転者情報に基づく運転者の振る舞いから、車両60の運転中にモニタ78及びスピーカ79から評価情報が出力された際における、当該評価情報に対する運転者の反応の良し悪しを特定する。そして、ステップS32に進む。
【0099】
ステップS32において、CPU21は、ステップS31で特定した運転者の反応の良し悪しに基づいて、運転者に適した評価情報の出力方法を推定する。具体的には、CPU21は、学習済みモデル記憶部36に記憶された運転者の更新後モデルに、個人特性記憶部32に記憶された運転者の個人特性情報及び個人反応記憶部34に記憶された運転者の反応情報を入力することで、運転者に適した評価情報の出力方法を推定する。そして、ステップS33に進む。
【0100】
ステップS33において、CPU21は、モニタ78及びスピーカ79から出力される評価情報の出力方法を、ステップS32で推定した評価情報の出力方法に変更させる。第1の実施形態では、CPU21は、ステップS32で推定した評価情報の出力方法を車両60に送信することで、モニタ78及びスピーカ79から出力される評価情報の出力方法を車両60に変更させる。そして、変更処理を終了する。
【0101】
次に、図9に示す変更処理の実行前後において、車両60の運転中にモニタ78及びスピーカ79から出力された評価情報について説明する。
【0102】
図10は、車両60の運転中にモニタ78、具体的には、マルチインフォメーションディスプレイ(以下、「MID」とする)78Aに出力された評価情報の出力例を示す説明図である。具体的には、図10(A)は、変更処理の実行前においてMID78Aに出力された評価情報の出力例であり、図10(B)は、変更処理の実行後においてMID78Aに出力された評価情報の出力例である。
【0103】
図10(A)及び(B)に示すように、MID78Aには、評価情報50が出力されている。一例として、図10(A)及び(B)では、車両60の運転中に、評価情報50として「ブレーキGood」と出力されている。このとき、図10(A)及び(B)における評価情報50の文字内容は同一であるが、評価情報50の文字サイズが異なっている。具体的には、図10(B)に示す出力例における評価情報50の文字サイズが、図10(A)に示す出力例における評価情報50の文字サイズがよりも大きくなっている。このように、図10(B)に示す出力例は、CPU21により、車両60の運転中に図10(A)に示す評価情報50がMID78Aに出力された際の運転者の反応の良し悪しに基づいて、評価情報50の文字サイズを大きくすることが運転者により適すると推定されて評価情報の出力方法が変更された例である。
【0104】
図11は、車両60の運転中にスピーカ79から出力された評価情報の出力例を示す説明図である。具体的には、図11(A)は、変更処理の実行前においてスピーカ79から出力された評価情報の出力例であり、図11(B)は、変更処理の実行後においてスピーカ79から出力された評価情報の出力例である。
【0105】
図11(A)及び(B)に示すように、スピーカ79からは、評価情報50が出力されている。一例として、図11(A)では、車両60の運転中に、評価情報50として「良いブレーキだ」との音声がスピーカ79から出力されている。このとき、図11(A)でスピーカ79から出力された音声は、男性の声であり、かつ厳しい口調である。また、図11(B)では、車両60の運転中に、評価情報50として「良いブレーキです」との音声がスピーカ79から出力されている。このとき、図11(B)でスピーカ79から出力された音声は、女性の声であり、かつ優しい口調である。このように、図11(B)に示す出力例は、CPU21により、車両60の運転中に図11(A)に示す評価情報50がスピーカ79から出力された際の運転者の反応の良し悪しに基づいて、評価情報50の音声を女性の優しい口調にすることが運転者により適すると推定されて評価情報の出力方法が変更された例である。
【0106】
以上説明したように、管理サーバ20では、CPU21は、車両60の運転中にモニタ78及びスピーカ79から出力された評価情報に対する運転者の反応の良し悪しを特定する。また、CPU21は、特定した運転者の反応の良し悪しに基づいて、運転者に適した評価情報の出力方法を推定する。そして、CPU21は、モニタ78及びスピーカ79から出力される評価情報の出力方法を、推定した評価情報の出力方法に変更させる。これにより、当該管理サーバ20では、車両60の運転中にモニタ78及びスピーカ79から出力された評価情報に対する運転者の反応の良し悪しに基づいて評価情報の出力方法を変更させることで、運転中に車内に出力される評価情報の出力方法を運転者に適したものにすることができる。
【0107】
また、管理サーバ20では、CPU21は、運転者と類似の個人特性を有する他の運転者に適した評価情報の出力方法を調整するための機械学習を行った学習済みモデルを、運転者の個人特性情報及び反応情報を用いて、運転者に適した評価情報の出力方法を推定する更新後モデルに更新する。これにより、当該管理サーバ20では、類似の個人特性を有する他の運転者に適した学習済みモデルをベースにすることで、当該学習済みモデルをベースにしない場合に比べて、運転者に適した評価情報の出力方法を推定するモデルを短時間で生成することができる。
【0108】
また、管理サーバ20では、CPU21は、特定した運転者の反応の良し悪しに基づいて、運転者に適した評価情報の出力方法を推定する。これにより、当該管理サーバ20では、運転者の個人特性及び車両60の運転中にモニタ78及びスピーカ79から出力された評価情報に対する運転者の反応の良し悪しを踏まえて最適化した出力方法で評価情報をモニタ78及びスピーカ79から出力させることができる。
【0109】
また、管理サーバ20では、CPU21は、モニタ78及びスピーカ79から評価情報が出力された際の運転者の振る舞いから、モニタ78及びスピーカ79から出力された評価情報に対する運転者の反応の良し悪しを特定する。これにより、当該管理サーバ20では、モニタ78及びスピーカ79から出力された評価情報の出力方法に対して運転者に意見を求めることなく、運転中に車内に出力される評価情報の出力方法を運転者に適したものにすることができる。
【0110】
(第2の実施形態)
次に、本実施形態に係る情報処理システム10の第2の実施形態について、他の実施形態との重複部分を省略又は簡略しつつ説明する。
【0111】
第2の実施形態では、特定部21Cは、評価情報に関する質問に対する車両60の運転者の回答から、モニタ78及びスピーカ79から出力された評価情報に対する運転者の反応の良し悪しを特定する。
【0112】
まず、特定部21Cは、車両60の図示しないイグニッションスイッチがON位置からOFF位置へ切り替えられたことを取得部21Aが運転操作情報として取得したことに基づいて、評価情報に関する質問を含んだコンテンツ情報を運転者端末40に送信する。そして、特定部21Cは、当該質問に対する運転者の回答を示す回答情報を取得部21Aが運転操作情報として取得したことに基づいて、当該回答情報の内容から、モニタ78及びスピーカ79から出力された評価情報に対する運転者の反応の良し悪しを特定する。
【0113】
図12は、運転者端末40の表示部46に表示される表示例である。
図12に示す表示例には、メッセージ情報52と、良いボタン54と、普通ボタン56と、悪いボタン58と、が表示されている。
【0114】
メッセージ情報52は、運転者に対する種々のメッセージを示している。一例として、図12では、メッセージ情報52として「今日の評価情報の出力方法はどうでしたか?」と表示されている。このように、図12に示すメッセージ情報52では、モニタ78及びスピーカ79から出力された評価情報の出力方法の良し悪しを、評価情報に関する質問として運転者に提示している。
【0115】
良いボタン54は、評価情報の出力方法が良かったと運転者が感じた場合に操作するボタンである。
【0116】
普通ボタン56は、評価情報の出力方法が良くもなく悪くもなかったと運転者が感じた場合に操作するボタンである。
【0117】
悪いボタン58は、評価情報の出力方法が悪かったと運転者が感じた場合に操作するボタンである。
【0118】
そして、良いボタン54、普通ボタン56、又は悪いボタン58の何れかのボタンが操作された場合、運転者端末40は、何れのボタンが操作されたかを示す回答情報を管理サーバ20に送信する。当該回答情報を取得した管理サーバ20は、特定部21Cの機能として、当該回答情報の内容から、モニタ78及びスピーカ79から出力された評価情報に対する運転者の反応の良し悪しを特定する。具体的には、回答情報の内容が良いボタン54の操作を示す場合、特定部21Cは、車両60の運転中にモニタ78及びスピーカ79から出力された評価情報に対する運転者の反応は「良い」と特定する。また、回答情報の内容が普通ボタン56の操作を示す場合、特定部21Cは、当該評価情報に対する運転者の反応は「普通」と特定する。また、回答情報の内容が悪いボタン58の操作を示す場合、特定部21Cは、当該評価情報に対する運転者の反応は「悪い」と特定する。
【0119】
以上説明したように、管理サーバ20では、CPU21は、評価情報に関する質問に対する車両60の運転者の回答から、モニタ78及びスピーカ79から出力された評価情報に対する運転者の反応の良し悪しを特定する。これにより、当該管理サーバ20では、モニタ78及びスピーカ79から出力された評価情報に対する運転者の反応を間接的な方法のみで特定する場合に比べて、運転者の反応を正確に特定することができる。
【0120】
(その他)
上記実施形態では、管理サーバ20を情報処理装置の一例としたが、これに限らず、車両60に搭載された車載器15を情報処理装置の一例としてもよいし、管理サーバ20及び車載器15の組合せを情報処理装置の一例としてもよい。管理サーバ20及び車載器15の組合せを情報処理装置の一例とする場合、図8に示す更新処理及び図9に示す変更処理は、管理サーバ20のCPU21又は車載器15のCPU61の1つのプロセッサ、又は、管理サーバ20のCPU21及び車載器15のCPU61の複数のプロセッサの組合せにより実行される。
【0121】
上記実施形態では、車両60のモニタ78及びスピーカ79の双方を出力部の一例としたが、これに限らず、モニタ78又はスピーカ79の一方を出力部の一例としてもよい。また、車両60のモニタ78及びスピーカ79に限らず、運転者端末40の表示部46及び図示しないスピーカの少なくとも一方を出力部の一例としてもよい。
【0122】
上記実施形態では、運転者情報として、評価情報が出力されてから所定時間内における、キャンセルスイッチの操作と運転者の顔を撮像した画像とが車両60から管理サーバ20に送信された。このとき、前記の情報に代えて又は加えて、運転者情報として、評価情報が出力されてから所定時間内において車両60のマイク75が集音した運転者が発した音声を車両60から管理サーバ20に送信してもよい。この場合、運転者が発した音声を取得した管理サーバ20は、特定部21Cの機能として、モニタ78及びスピーカ79から評価情報が出力された際の運転者の振る舞いとして運転者の感情を検出することができる。一例として、特定部21Cは、運転者情報として取得した運転者が発した音声に基づいて、上記の振る舞いとして運転者の負の感情を検出した場合、上記の評価情報に対する運転者の反応は「悪い」と特定することができる。また、特定部21Cは、運転者情報として取得した運転者が発した音声に基づいて、上記の振る舞いとして運転者の正の感情を検出した場合、上記の評価情報に対する運転者の反応は「良い」と特定することができる。なお、特定部21Cは、取得部21Aが運転者情報として取得した運転者が発した音声に対して公知の音声分析処理を行うことにより、運転者の感情を検出する。
【0123】
上記実施形態では、車両60の運転者と類似の個人特性を有する他の運転者に適した学習済みモデルを、運転者の個人特性情報及び反応情報を用いて、運転者に適した評価情報の出力方法を推定する更新後モデルに更新した。しかし、これに限らず、他の運転者に適した学習済みモデルを用いることなく、車両60の運転者に適した評価情報の出力方法を推定するモデルを生成してもよい。例えば、CPU21が、当該運転者と類似の個人特性を有する他の運転者が存在しないと判断した場合には、他の運転者に適した学習済みモデルを用いることなく、当該運転者に適した評価情報の出力方法を推定するモデルを生成してもよい。また、CPU21が、当該運転者と類似の個人特性を有する他の運転者が存在すると判断した場合であっても、当該学習済みモデルを用いることを希望しないときには、当該学習済みモデルを用いることなく、当該運転者に適した評価情報の出力方法を推定するモデルを生成してもよい。
【0124】
なお、上記実施形態でCPU21がソフトウェア(プログラム)を読み込んで実行した学習処理、更新処理、及び変更処理を、CPU以外の各種のプロセッサが実行してもよい。この場合のプロセッサとしては、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なPLD(Programmable Logic Device)、及びASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が例示される。また、学習処理、更新処理、及び変更処理を、これらの各種のプロセッサのうちの1つで実行してもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGA、及びCPUとFPGAとの組み合わせ等)で実行してもよい。また、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路である。
【0125】
また、上記実施形態では、学習プログラム30A及び情報処理プログラム30Bが記憶部24に予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、これに限定されない。学習プログラム30A及び情報処理プログラム30Bは、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、学習プログラム30A及び情報処理プログラム30Bは、ネットワークNを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
【符号の説明】
【0126】
20 管理サーバ(情報処理装置)
21C 特定部
21D 更新部
21E 推定部
21F 変更部
30B 情報処理プログラム
60 車両
78 モニタ(出力部)
79 スピーカ(出力部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12