(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023183028
(43)【公開日】2023-12-27
(54)【発明の名称】コイルの保持装置
(51)【国際特許分類】
B21C 47/28 20060101AFI20231220BHJP
B21C 51/00 20060101ALI20231220BHJP
【FI】
B21C47/28 A
B21C51/00 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022096390
(22)【出願日】2022-06-15
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】徳山 晶大
(72)【発明者】
【氏名】足立 博成
(72)【発明者】
【氏名】張 帥
(72)【発明者】
【氏名】河合 真誌
(72)【発明者】
【氏名】磯部 正人
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 友大
【テーマコード(参考)】
4E026
【Fターム(参考)】
4E026AA01
4E026FA20
(57)【要約】
【課題】コイルを傾けることなく載置することができるコイルの保持装置を提供する。
【解決手段】コイル10の保持装置1は、多層に積層された集中巻きカセットコイル10を載置させるコイル10の保持装置1であって、集中巻きカセットコイル10を着座させる複数の着座部30を備え、複数の着座部30は、鉛直方向の高さが第1高さの着座部31、及び、第1高さと異なる第2高さの着座部32を含む。集中巻きカセットコイル10は、上面11及び下面12を有し、各着座部30は、下面12に接触して、集中巻きカセットコイル10を着座させる座面40を有し、着座部31の座面40は、集中巻きカセットコイル10の鉛直方向の厚さを測定するプローブ21が接触する上面11の接触点に対して鉛直方向の下方に位置する。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多層に積層された集中巻きカセットコイルを載置させるコイルの保持装置であって、
前記集中巻きカセットコイルを着座させる複数の着座部を備え、
前記複数の着座部は、鉛直方向の高さが第1高さの第1着座部、及び、前記第1高さと異なる第2高さの第2着座部を含む、
コイルの保持装置。
【請求項2】
前記集中巻きカセットコイルは、上面及び下面を有し、
各着座部は、前記下面に接触して、前記集中巻きカセットコイルを着座させる座面を有し、
前記第1着座部の第1座面は、前記集中巻きカセットコイルの前記鉛直方向の厚さを測定するプローブが接触する前記上面の接触点に対して前記鉛直方向の下方に位置する、
請求項1に記載のコイルの保持装置。
【請求項3】
前記着座部を鉛直方向に移動させ、前記鉛直方向の高さを調整する調整機構をさらに備えた、
請求項1または2に記載のコイルの保持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コイルの保持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、集中巻きカセットコイルの製造過程において、コイルを支持する治具が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-017266号公報
【特許文献2】特開2002-280247号公報
【特許文献3】特開2020-089108号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
集中巻きカセットコイルは、らせん状に形成されているため、積層方向において傾斜が生じている。例えば、コイルの積層方向の厚さを検査しようとする際など、傾斜が生じているため、厚さを正確に測定することは困難である。集中巻きカセットコイルにおいて、傾斜することなくコイルを載置することが求められる。
【0005】
本開示の目的は、このような課題を解決するためになされたものであり、コイルを傾けることなく載置することができるコイルの保持装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係るコイルの保持装置は、多層に積層された集中巻きカセットコイルを載置させるコイルの保持装置であって、前記集中巻きカセットコイルを着座させる複数の着座部を備え、前記複数の着座部は、鉛直方向の高さが第1高さの第1着座部、及び、前記第1高さと異なる第2高さの第2着座部を含む。
【0007】
上記コイルの保持装置において、前記集中巻きカセットコイルは、上面及び下面を有し、各着座部は、前記下面に接触して、前記集中巻きカセットコイルを着座させる座面を有し、前記第1着座部の第1座面は、前記集中巻きカセットコイルの前記鉛直方向の厚さを測定するプローブが接触する前記上面の接触点に対して前記鉛直方向の下方に位置してもよい。
【0008】
上記コイルの保持装置において、前記着座部を鉛直方向に移動させ、前記鉛直方向の高さを調整する調整機構をさらに備えてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、コイルを傾けることなく載置することができるコイルの保持装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】比較例に係るコイルを例示した上面図である。
【
図2A】比較例に係るコイルの保持装置を例示した断面図であり、
図1のII-II線の断面を示す。
【
図2B】比較例に係るコイルの保持装置を例示した断面図であり、
図1のII-II線の断面を示す。
【
図3A】比較例に係るコイルの厚さの測定において、コイルの各層が浮いた状態を例示した断面図である。
【
図3B】比較例に係るコイルの厚さの測定において、コイルが傾いた状態を例示した断面図である。
【
図4A】比較例に係るコイルの幅の測定において、コイルの各層がずれた状態を例示した断面図である。
【
図4B】比較例に係るコイルの幅の測定において、コイルが傾いた状態を例示した断面図である。
【
図5】実施形態1に係るコイルを例示した上面図である。
【
図6A】実施形態1に係るコイルの保持装置を例示した断面図であり、
図5のVIA-VIA線の断面を示す。
【
図6B】実施形態1に係るコイルの保持装置を例示した断面図であり、
図5のVIB-VIB線の断面を示す。
【
図7A】実施形態1に係るコイルの保持装置を例示した断面図であり、
図5のVII-VII線の断面を示す。
【
図7B】実施形態1に係るコイルの保持装置を例示した断面図であり、
図5のVII-VII線の断面を示す。
【
図8】実施形態1の別の例に係るコイルの保持装置を例示した断面図である。
【
図9】実施形態2に係るコイルの保持装置を例示した上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本実施形態の具体的構成について図面を参照して説明する。以下の説明は、本開示の好適な実施形態を示すものであって、本開示の範囲が以下の実施形態に限定されるものではない。また、本実施形態で説明する構成の全てが課題を解決するための手段として必須であるとは限らない。説明の明確化のため、以下の記載及び図面は、適宜、省略、及び簡略化がなされている。各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。
【0012】
実施形態に係るコイルの保持装置を説明する前に、比較例に係るコイルの保持装置を説明する。そして、比較例に係るコイルの保持装置の課題を説明した後で、比較例と対比させながら、本実施形態のコイルの保持装置を説明する。これにより、本実施形態のコイルの保持装置をより明確にする。なお、比較例のコイルの保持装置及びその課題も、実施形態の技術思想に含まれる。
【0013】
(比較例)
図1は、比較例に係るコイルを例示した上面図である。
図2A及び
図2Bは、比較例に係るコイルの保持装置を例示した断面図であり、
図1のII-II線の断面を示す。
図1、
図2A及び
図2Bに示すように、比較例に係るコイル10の保持装置101は、例えば、ステージ100を備えている。ステージ100は、コイル10を載置させる。よって、コイル10は、ステージ100上に載置される。コイル10は、例えば、モータに用いられるものである。なお、コイル10の用途は、モータに限定されない。
【0014】
ステージ100は、水平な面を有している。ここで、コイル10の保持装置101の説明の便宜のために、XYZ直交座標軸系を導入する。例えば、鉛直方向をZ軸方向とし、水平面をXY平面とする。
【0015】
コイル10は、例えば、集中巻きカセットコイルである。コイル10は、平角線をらせん状に多層に積層されている。なお、コイル10は、平角線に限らず、他の形状の導線をらせん状に多層に積層されたものでもよい。コイル10は、Z軸方向に積層されている。コイル10は、中心軸の周りで平角線をらせん状に巻いたものでもよい。その場合には、コイル10は、中心軸をZ軸方向に沿うように載置されている。コイル10は、上面11及び下面12を有している。コイル10の上面11は、+Z軸方向側を向き、コイル10の下面12は、-Z軸方向側を向いている。
【0016】
コイル10の積層方向の長さを厚さA1と呼ぶ。
図2A及び
図2Bに示すように、積層方向をZ軸方向にした場合には、厚さA1は、Z軸方向の長さである。よって、厚さA1は、鉛直方向の長さである。厚さA1は、Z軸方向におけるコイル10の上面11とコイルの下面12との間の長さである。
【0017】
コイル10の積層方向に直交する方向の平角線の間隔を幅A2及び幅A3と呼ぶ。例えば、幅A2は、コイル10の中心軸を挟んでX軸方向に対向する平角線の間隔である。よって、幅A2は、X軸方向に対向する側面13間の長さである。幅A3は、コイル10の中心軸を挟んでY軸方向に対向する平角線の間隔である。よって、幅A3は、Y軸方向に対向する側面13間の長さである。
【0018】
コイル10の厚さA1は、例えば、プローブ21の接触測定により実施される。具体的には、
図2Aに示すように、まず、プローブ21を、コイル10が載置されるステージ100に接触させる。これにより、プローブ21は、コイル10の下面12の位置を測定する。次に、プローブ21を、コイル10の上面11に接触させる。これにより、プローブ21は、コイル10の上面11の位置を測定する。そして、プローブ21は、上面11の位置から下面12の位置を減算することにより、コイル10の厚さA1を測定する。
【0019】
コイル10の幅A2は、例えば、投影による画像測定により実施される。具体的には、
図2Bに示すように、コイル10の下方に配置させた光源22は、コイル10に対して下方から光を照射する。コイル10の側面13間を通った光は、コイル10の上方に配置されたレンズ23を介して画像として取得される。取得された画像におけるコイル10の側面13間の距離を測定することにより、コイル10の幅A2及び幅A3を測定する。
【0020】
しかしながら、コイル10のクランプ等による拘束が不適切な場合には、正確な厚さA1を測定することができない。
図3Aは、比較例に係るコイル10の厚さA1の測定において、コイル10の各層が浮いた状態を例示した断面図である。
図3Aに示すように、コイル10の各層が浮いた状態では、正確なコイル10の厚さA1を測定することができない。
図3Bは、比較例に係るコイル10の厚さA1の測定において、コイル10が傾いた状態を例示した断面図である。
図3Bに示すように、コイル10が傾いた状態では、正確なコイル10の厚さA1を測定することができない。
【0021】
また、コイル10のクランプ等による拘束が不適切な場合には、正確なコイル10の側面13間の幅A2及び幅A3を測定することができない。
図4Aは、比較例に係るコイル10の幅A2及び幅A3の測定において、コイル10の各層がずれた状態を例示した断面図である。
図4Aに示すように、コイル10の各層がずれた状態では、正確なコイル10の幅A2及び幅A3を測定することができない。
図4Bは、比較例に係るコイル10の幅A2及び幅A3の測定において、コイル10が傾いた状態を例示した断面図である。
図4Aに示すように、コイル10が傾いた状態では、正確なコイル10の幅A2及び幅A3を測定することができない。
【0022】
このような問題が生じる原因として、以下の課題が見出された。
(I)集中巻きコイル10は、Z軸方向へ、らせん状に成形されているため、中心軸に対してフラット面がなく、平面上に載置させると傾いてしまう。
(II)平角線の断面のアスペクト比(幅/縦)が大きく、剛性が低い場合には、クランプによってコイル10が大きく変形する。具体的には、平角線は、やわらかく小さな力で変形してしまう。例えば、コイル10の各層が浮いたり、ずれたりする。したがって、集中巻きコイル10において、特に、(a)製品形状要求が高い場合、及び、(b)平角線断面のアスペクト比(幅/縦)が大きく剛性が低い場合は、高精度の厚さA1、幅A2及び幅A3の測定が困難である。
【0023】
(実施形態1)
次に、本実施形態に係るコイル10の保持装置を説明する。本実施形態のコイル10の保持装置は、前述した比較例の課題を解決する。
図5は、実施形態1に係るコイルを例示した上面図である。
図6Aは、実施形態1に係るコイルの保持装置を例示した断面図であり、
図5のVIA-VIA線の断面を示す。
図6Bは、実施形態1に係るコイルの保持装置を例示した断面図であり、
図5のVIB-VIB線の断面を示す。
図7A及び
図7Bは、実施形態1に係るコイルの保持装置を例示した断面図であり、
図5のVII-VII線の断面を示す。
【0024】
図5、
図6A及び
図6B、
図7A及び
図7Bに示すように、本実施形態のコイル10の保持装置1は、例えば、多層に積層された集中巻きカセットコイル10を載置させる。保持装置1は、ステージ100及び複数の着座部30を備えている。複数の着座部30は、集中巻きカセットコイル10を着座させる。複数の着座部30は、着座部31、着座部32、着座部33、着座部34、着座部35、及び、着座部36を含む。着座部31~36を総称する場合には、着座部30と呼び、特定の着座部30を示す場合には、その符号を付して呼ぶ。複数の着座部30の個数は、6個に限らず、2~5個でもよいし、7個以上でもよい。
【0025】
着座部31の鉛直方向の高さは、第1高さである。着座部32の高さは、第1高さと異なる第2高さである。同様に、着座部33、着座部34、着座部35及び着座部36は、それぞれ、第3高さ、第4高さ、第5高さ及び第6高さである。各着座部30は、それぞれ、異なった高さを有してもよい。また、いくつかの着座部30は、相互に同じ高さを有してもよい。各着座部30は、コイル10の傾斜に合わせた高さの差A4を有している。
【0026】
着座部30は、コイル10の下面12に接触して、コイル10を着座させる座面40を有している。座面40は、例えば、着座部30の上端の端面である。なお、座面40は、コイル10を着座させることができれば、上端の端面に限らない。
図6A及び
図6Bでは、図が煩雑にならないように、いくつかの符号を省略している。
【0027】
着座部30の高さを、座面40の鉛直方向の位置で表してもよい。その場合には、高さは、座面40のZ軸方向の位置である。例えば、ステージ100が水平面である場合には、高さは、ステージ100と座面40との間の長さである。
【0028】
コイル10の上面11に対して、Z軸方向に沿った上方から、固定クランプ24を押し付け、コイル10を固定クランプ24で固定してもよい。また、Z軸方向に沿った上方から上面11に対して固定クランプ24を押し付けることに加えて、Z軸方向に沿った下方から下面12に対して固定クランプ24を押し付け、コイル10を固定してもよい。さらに、座面40の両サイドを固定クランプ24でクランプしてもよい。複数の固定クランプ24で固定してもよい。
【0029】
図6A及び
図7Aに示すように、例えば、着座部31の座面40は、プローブ21が接触する上面11の接触点に対して鉛直方向の下方に位置してもよい。これにより、コイル10の厚さA1を高精度に測定することができる。
【0030】
図8は、実施形態1の別の例に係るコイル10の保持装置1aを例示した断面図である。
図8に示すように、コイル10の保持装置1aは、着座部30の高さを調整する調整機構50を備えてもよい。調整機構50は、着座部30を鉛直方向に移動させ、着座部30の高さを調整する。
【0031】
次に、本実施形態の効果を説明する。本実施形態のコイル10の保持装置1は、以下のポイントとなる構成を含んでいる。
(i)複数の着座部30の座面40の高さを、コイル10の下面12の傾斜に合わせる。
(ii)厚さ測定箇所の真下に座面40を設け、座面40の両サイドをクランプする。
【0032】
具体的には、本実施形態の保持装置1は、コイル10の傾斜に合わせた高さを有する複数の着座部30にコイル10を載置する。これにより、上記(i)の構成を実現する。集中巻きコイル10は、Z軸方向へ、らせん状に成形されているため、中心軸に対してフラット面がなく、平面上に載置させると傾いてしまう。しかしながら、本実施形態の保持装置1は、高さが異なる複数の着座部30でコイル10を支持する。よって、着座部30の座面40の高さをコイル10の傾斜に合わせることができるので、コイル10を傾けることなく載置することができる。
【0033】
また、着座部30の座面40は、プローブ21が接触するコイル10の上面11の接触点に対して鉛直方向の真下に位置するようにする。これにより、上記(ii)の構成を実現する。平角線の断面のアスペクト比(幅/縦)が大きく、剛性が低い場合には、クランプによってコイル10が大きく変形し、厚さA1を正確に測定できない場合がある。しかしながら、本実施形態の保持装置1は、厚さ測定箇所の真下に座面40を設け、その両サイドをクランプするので、剛性の低いコイル10でも厚さA1を高精度で測定することができる。
【0034】
このように、本実施形態によれば、(i)及び(ii)の構成により、コイル10のXYZ軸方向への傾き及びズレを抑制して固定することができ、剛性の低いコイル10でも厚さA1、幅A2及び幅A3等のコイル10の寸法を高精度で測定することができる。また、毎回の測定時に同じ姿勢に拘束することができ、測定の繰り返し精度を向上させることができる。
【0035】
(実施形態2)
次に、実施形態2に係るコイル10の保持装置を説明する。本実施形態の保持装置は、クランプの接触面を広くする。
図9は、実施形態2に係るコイルの保持装置を例示した上面図である。
図9に示すように、本実施形態のコイル10の保持装置2は、上述した保持装置1の構成に加えて、X軸方向基準25、X軸方向クランプ26、Y軸方向基準27、Y軸方向クランプ28及び複数のバネ29を備えている。
【0036】
X軸方向基準25及びX軸方向クランプ26は、コイル10における平角線等の導線をX軸方向において挟む。コイル10は、Z軸方向から見て、Y軸方向が長辺であり、X軸方向が短辺である矩形状となっている。X軸方向基準25をコイル10の内側の側面13に接触させ、X軸方向クランプ26を外側の側面13に接触させる。そして、X軸方向クランプ26に接続されたバネ29の力で平角線をクランプする。この場合に、X軸方向基準25及びX軸方向クランプ26の平角線との接触面を広くとる。具体的には、コイル10のY軸方向に延びたコイルストレート部A5において、X軸方向基準25及びX軸方向クランプ26が平角線を挟むようにする。
【0037】
Y軸方向基準27及びY軸方向クランプ28は、コイル10における平角線等の導線をY軸方向において挟む。Y軸方向基準27をコイル10の外側の側面13に接触させ、Y軸方向クランプ28を内側の側面13に接触させる。そして、Y軸方向クランプ28に接続されたバネ29の力で平角線をクランプする。
【0038】
前述したように、平角線の断面のアスペクト比(幅/縦)が大きく、剛性が低い場合には、コイル10の各層がずれやすい。そこで、層のずれがなく、コイル10の各層を整列させるために、コイル10の長辺であるコイルストレート部A5において、広い接触面で固定する。例えば、X軸方向基準25及びX軸方向クランプ26は、コイル10の長辺の80%以上をコイルストレート部A5としてクランプする。このような構成とすることにより、コイル10のXYZ軸方向への傾き及びズレを抑制して固定することができ、剛性の低いコイル10でも厚さA1、幅A2及び幅A3等のコイル10の寸法を高精度で測定することができる。これ以外の構成及び効果は、実施形態1の記載に含まれている。
【0039】
以上、本開示の実施形態を説明したが、本開示はその目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に、上記の実施形態よる限定は受けない。また、実施形態1における各構成は、適宜、組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0040】
1、1a、2 保持装置
10 コイル
11 上面
12 下面
13 側面
21 プローブ
22 光源
23 レンズ
24 固定クランプ
25 X軸方向基準
26 X軸方向クランプ
27 Y軸方向基準
28 Y軸方向クランプ
29 バネ
30、31、32、33、34、35、36 着座部
40 座面
50 調整機構
A1 厚さ
A2、A3 幅
A4 差
A5 コイルストレート部
100 ステージ
101 保持装置