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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023018485
(43)【公開日】2023-02-08
(54)【発明の名称】自動販売機の商品見本展示装置
(51)【国際特許分類】
   G07F 9/02 20060101AFI20230201BHJP
【FI】
G07F9/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021122647
(22)【出願日】2021-07-27
(71)【出願人】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】葛山 悟
(72)【発明者】
【氏名】臼杵 博昭
(72)【発明者】
【氏名】武 紀之
【テーマコード(参考)】
3E044
【Fターム(参考)】
3E044AA01
3E044EA12
3E044EB01
(57)【要約】
【課題】製造コストの低減化を図ること。
【解決手段】商品見本を保持対象とするディスプレイ台7を備えた自動販売機の商品見本展示装置であって、ディスプレイ台7は、上面より上方に向けて延在する態様で左右一対に立設され、かつ商品の少なくとも一部が表示されたシート状商品見本10の両側部を自身に形成された側方支持溝221,222に進入させることにより、シート状商品見本10を支持する側方支持ガイド22を備えている。またディスプレイ台7は、左右一対の側方支持ガイド22の相互間において上面より上方に向けて突出する態様で立設され、かつシート状商品見本10の下端部を自身に形成された下方支持溝23aに進入させることにより、シート状商品見本10を支持する下方支持ガイド23を備えたことが好ましい。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品見本を保持対象とするディスプレイ台を備えた自動販売機の商品見本展示装置であって、
前記ディスプレイ台は、上面より上方に向けて延在する態様で左右一対に立設され、かつ商品の少なくとも一部が表示されたシート状商品見本の両側部を自身に形成された側方支持溝に進入させることにより、該シート状商品見本を支持する側方支持ガイドを備えたことを特徴とする自動販売機の商品見本展示装置。
【請求項2】
前記ディスプレイ台は、左右一対の側方支持ガイドの相互間において前記上面より上方に向けて突出する態様で立設され、かつ前記シート状商品見本の下端部を自身に形成された下方支持溝に進入させることにより、該シート状商品見本を支持する下方支持ガイドを備えたことを特徴とする請求項1に記載の自動販売機の商品見本展示装置。
【請求項3】
前記下方支持溝が前方に凸となる態様で湾曲して形成され、
前記側方支持ガイド及び前記下方支持ガイドは、前記シート状商品見本を前方に凸となる態様で湾曲した状態を支持することを特徴とする請求項2に記載の自動販売機の商品見本展示装置。
【請求項4】
前記側方支持ガイドは、前記上面から上方への延在長さが、該側方支持ガイドの上端部が前記シート状商品見本の上下寸法の中間位置よりも上方に配置される大きさを有することを特徴とする請求項3に記載の自動販売機の商品見本展示装置。
【請求項5】
前記下方支持溝は、前記上面より上方に突出する前側支持片部と、前記前側支持片部の後方側にて前面が該前側支持片部の後面に対向する態様で前記上面より上方に突出する後側支持片部との相互間に形成されており、
前記前側支持片部の前記後面より後方に突出する態様で形成された左右一対の前側支持突起と、前記後側支持片部の前面より前記前側支持突起の相互間に向けて前方に突出する態様で形成された後側支持突起とで、前記シート状商品見本の下端部を支持することを特徴とする請求項2~4のいずれか1つに記載の自動販売機の商品見本展示装置。
【請求項6】
前記ディスプレイ台は、左右一対の側方支持ガイドの相互間であって前記下方支持ガイドの後方側に形成されたガイド孔を備えたことを特徴とする請求項2~5のいずれか1つに記載の自動販売機の商品見本展示装置。
【請求項7】
前記ディスプレイ台は、透光性を有した樹脂材によって成形されたことを特徴とする請求項1~6のいずれか1つに記載の自動販売機の商品見本展示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動販売機に商品見本を展示するための装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
瓶、缶、ペットボトル等の容器に入った商品を販売する自動販売機では、機器筐体の前面にディスプレイ室が設けられている。ディスプレイ室は、商品見本を展示することによって商品の販売促進を図るものである。商品見本としては、販売商品と同等の外形形状を有した樹脂製のもので、特に、前後に2分割した場合の前半部分のみから成り、後面が開口したものが多く適用されている。商品見本の下端面には、装着部が設けられている。装着部は、商品見本の下端部よりも一段外径が小さく、かつ下端の開口が底板部によって覆われた略半円筒状に構成されている。
【0003】
一方、商品見本を展示するディスプレイ室には、ディスプレイ台が設けられている。ディスプレイ台は、装着部を介して商品見本を保持するもので、装着孔及び係止片を有している。装着孔は、商品見本の装着部が装着される部分であり、装着部の外径よりもわずかに大きな内径を有するように構成されている。係止片は、装着孔の後方側に位置する周縁部から前方に向けて突出した幅の小さい板状部分であり、前端部が漸次上方となるように傾斜している。
【0004】
このディスプレイ台に対しては、商品見本の底板部が係止片よりも下方に位置した状態で装着部を装着孔に挿入すれば、ディスプレイ台の上面に商品見本が立った姿勢で保持されることになる。通常、ディスプレイ台には、複数の装着孔が横一列に設けられており、ディスプレイ室に複数の商品見本を整列した状態で展示することが可能である。
【0005】
ところで、近年はそのような商品見本に代わり、平板状の可撓性を有するシートに商品が表示されたシート状商品見本の利用が求められている。
【0006】
上述した自動販売機では、ディスプレイ台にシート状商品見本を保持させる場合、専用のアタッチメント部材を設置し、該アタッチメント部材によりシート状商品見本の下端部を支持させていた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第5780031号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、上述した自動販売機では、ディスプレイ台におけるシート状商品見本の保持には専用のアタッチメント部材を必要としていたので、今後シート状商品見本が主流になることを考慮すると、部品点数の増加に伴う製造コストの増大化が問題となっていた。
【0009】
本発明は、上記実情に鑑みて、製造コストの低減化を図ることができる自動販売機の商品見本展示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するため、本発明に係る自動販売機の商品見本展示装置は、商品見本を保持対象とするディスプレイ台を備えた自動販売機の商品見本展示装置であって、前記ディスプレイ台は、上面より上方に向けて延在する態様で左右一対に立設され、かつ商品の少なくとも一部が表示されたシート状商品見本の両側部を自身に形成された側方支持溝に進入させることにより、該シート状商品見本を支持する側方支持ガイドを備えたことを特徴とする。
【0011】
また本発明は、上記自動販売機の商品見本展示装置において、前記ディスプレイ台は、左右一対の側方支持ガイドの相互間において前記上面より上方に向けて突出する態様で立設され、かつ前記シート状商品見本の下端部を自身に形成された下方支持溝に進入させることにより、該シート状商品見本を支持する下方支持ガイドを備えたことを特徴とする。
【0012】
また本発明は、上記自動販売機の商品見本展示装置において、前記下方支持溝が前方に凸となる態様で湾曲して形成され、前記側方支持ガイド及び前記下方支持ガイドは、前記シート状商品見本を前方に凸となる態様で湾曲した状態を支持することを特徴とする。
【0013】
また本発明は、上記自動販売機の商品見本展示装置において、前記側方支持ガイドは、前記上面から上方への延在長さが、該側方支持ガイドの上端部が前記シート状商品見本の上下寸法の中間位置よりも上方に配置される大きさを有することを特徴とする。
【0014】
また本発明は、上記自動販売機の商品見本展示装置において、前記下方支持溝は、前記上面より上方に突出する前側支持片部と、前記前側支持片部の後方側にて前面が該前側支持片部の後面に対向する態様で前記上面より上方に突出する後側支持片部との相互間に形成されており、前記前側支持片部の前記後面より後方に突出する態様で形成された左右一対の前側支持突起と、前記後側支持片部の前面より前記前側支持突起の相互間に向けて前方に突出する態様で形成された後側支持突起とで、前記シート状商品見本の下端部を支持することを特徴とする。
【0015】
また本発明は、上記自動販売機の商品見本展示装置において、前記ディスプレイ台は、左右一対の側方支持ガイドの相互間であって前記下方支持ガイドの後方側に形成されたガイド孔を備えたことを特徴とする。
【0016】
また本発明は、上記自動販売機の商品見本展示装置において、前記ディスプレイ台は、透光性を有した樹脂材によって成形されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、商品の少なくとも一部が表示されたシート状商品見本の両側部を自身に形成された側方支持溝に進入させることにより、該シート状商品見本を支持する側方支持ガイドが、ディスプレイ台の上面より上方に向けて延在する態様で左右一対に立設されているので、シート状商品見本を保持するための専用のアタッチメント部材を不要とし、部品点数の削減におり製造コストの低減化を図ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、本発明の実施の形態である商品見本展示装置が適用された自動販売機の外観構成を示す斜視図である。
図2図2は、図1に示したディスプレイ室の内部構造を示す斜視図である。
図3図3は、図2に示した1つのディスプレイ台を示す斜視図である。
図4図4は、図2に示した1つのディスプレイ台を示す斜視図である。
図5図5は、図2に示した1つのディスプレイ台を示す平面図である。
図6図6は、図2に示した1つのディスプレイ台を示す縦断面図である。
図7図7は、図3図6に示したディスプレイ台を背面板に係止する状態を説明するための説明図である。
図8図8は、ディスプレイ台に保持されたシート状商品見本を示す拡大正面図である。
図9図9は、ディスプレイ台におけるシート状商品見本の他の保持例を示す拡大正面図である。
図10図10は、本実施の形態である商品見本展示装置の変形例を示す分解斜視図である。
図11図11は、本実施の形態である商品見本展示装置の変形例を示す斜視図である。
図12図12は、本実施の形態である商品見本展示装置の変形例を示す分解斜視図である。
図13図13は、本実施の形態である商品見本展示装置の変形例を示す分解斜視図である。
図14図14は、本実施の形態である商品見本展示装置の変形例を示す斜視図である。
図15図15は、本実施の形態である商品見本展示装置の変形例を示す分解斜視図である。
図16図16は、本実施の形態である商品見本展示装置の変形例を示す斜視図である。
図17図17は、本実施の形態である商品見本展示装置の変形例を示す分解斜視図である。
図18図18は、本実施の形態である商品見本展示装置の変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る自動販売機の商品見本展示装置の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0020】
図1は、本発明の実施の形態である商品見本展示装置が適用された自動販売機の外観構成を示す斜視図である。ここで例示する自動販売機は、瓶、缶、ペットボトル等の容器に入れられた飲料を商品として販売するもので、商品を収納する機器筐体1の前面に前面扉2を備えている。
【0021】
前面扉2は、一方の側縁部を介して機器筐体1に支持されたもので、機器筐体1の前面開口(図示せず)を開閉することが可能である。この前面扉2には、ディスプレイ室3が設けられている。
【0022】
ディスプレイ室3は、その内部に複数の商品見本を展示するためのもので、前面が開口した矩形状に構成されている。ディスプレイ室3の前面開口は、透明の樹脂パネル4によって覆われており、外部からの異物の侵入が阻止される一方、樹脂パネル4を介して内部が視認可能である。また樹脂パネル4には、商品見本のそれぞれに対応して押ボタンスイッチ5が設けられている。
【0023】
この自動販売機では、商品見本によって購入商品を選択することができ、対応する押ボタンスイッチ5を押下操作することによって選択商品の購入が可能となる。
【0024】
ディスプレイ室3には、図2に示すように、背面板6の前面にディスプレイ台7が設けられている。ディスプレイ台7は、複数のシート状商品見本10を上記商品見本として左右方向に整列した状態で保持するものである。
【0025】
図示の例では、2つのディスプレイ台7が左右に並ぶようにして各段が構成されており、背面板6の前面に上下3段となるように設けられている。ディスプレイ台7は、6枚のシート状商品見本10を保持するもので、各段に12枚のシート状商品見本10を保持することができるように設けられている。尚、ディスプレイ室3に設けられるディスプレイ台7の数や、ディスプレイ台7に保持されるシート状商品見本10の数は、必ずしも上述のものに限られない。
【0026】
ディスプレイ台7が保持対象とするシート状商品見本10は、平板状の可撓性を有するシートに商品の外形形状が表示されたものであり、該シートは透光性の樹脂材料により形成されている。
【0027】
図3図6は、それぞれ図2に示した1つのディスプレイ台7を示すもので、図3及び図4は斜視図、図5は平面図、図6は縦断面図である。これら図3図6に示すように、ディスプレイ台7は、保持部20及び取付壁部30を有したもので、これら保持部20及び取付壁部30が例えばポリカーボネート等の透光性を有する樹脂材によって一体に成形して構成されている。
【0028】
保持部20は、シート状商品見本10を保持することのできる前後幅を有した平板状部分である。この保持部20には、シート状商品見本10の保持数に対応したガイド孔21が設けられている。これらガイド孔21は、略円形状を成すもので、左右方向に沿って略等間隔に形成されている。
【0029】
また保持部20には、側方支持ガイド22及び下方支持ガイド23が設けられている。側方支持ガイド22は、シート状商品見本10の保持数よりも1つ多い数(図示の例では7つ)だけ設けられており、保持部20の上面より上方に向けて延在する態様で立設されている。これら側方支持ガイド22は、左右方向に沿って略等間隔に形成されており、隣接する他の側方支持ガイド22との間にガイド孔21が介在するように保持部20に立設されている。つまり、側方支持ガイド22は、ガイド孔21を挟んで左右一対となる態様で保持部20に立設されている。
【0030】
これら側方支持ガイド22においては、最も左方の側方支持ガイド22と最も右方の側方支持ガイド22とには、1つの側方支持溝が形成され、それ以外の側方支持ガイド22には、2つの側方支持溝が形成されている。
【0031】
より詳細に説明すると、最も左方の側方支持ガイド22では、前方に向かうに連れて漸次右方に向けて延在する前側右延在支持片221aと、この前側右延在支持片221aの下端部分に対向する態様で前方に向かうに連れて漸次右方に向けて延在する後側右延在支持片221bとにより右側方支持溝221が形成されている。最も右方の側方支持ガイド22では、前方に向かうに連れて漸次左方に向けて延在する前側左延在支持片222aと、この前側左延在支持片222aの下端部分に対向する態様で前方に向かうに連れて漸次左方に向けて延在する後側左延在支持片222bとにより左側方支持溝222が形成されている。
【0032】
それ以外の側方支持ガイド22では、右側方支持溝221と左側方支持溝222とが形成されている。すなわち、前方に向かうに連れて漸次右方に向けて延在する前側右延在支持片221aと、この前側右延在支持片221aの下端部分に対向する態様で前方に向かうに連れて漸次右方に向けて延在する後側右延在支持片221bとにより右側方支持溝221が形成されるとともに、前方に向かうに連れて漸次左方に向けて延在する前側左延在支持片222aと、この前側左延在支持片222aの下端部分に対向する態様で前方に向かうに連れて漸次左方に向けて延在する後側左延在支持片222bとにより左側方支持溝222が形成されている。
【0033】
下方支持ガイド23は、シート状商品見本10の保持数に対応した数だけ設けられており、ガイド孔21の前方域にて保持部20の上面より上方に突出する態様で立設されている。これら下方支持ガイド23は、前側支持片部231と後側支持片部232との相互間に形成される下方支持溝23aを有している。
【0034】
前側支持片部231は、左右一対となる側方支持ガイド22の相互間におけるガイド孔21の前方域にて、保持部20の上面より上方に突出する態様で立設されている。そのような前側支持片部231は、左方の側方支持ガイド22の右側方支持溝221を構成する前側右延在支持片221aと、右方の側方支持ガイド22の左側方支持溝222を構成する前側左延在支持片222aとを連結する態様で前方に凸となるように円弧状に延在している。この前側支持片部231における左右方向の中央部分の後面には、後方に向けて突出する左右一対の前側支持突起231aが形成されている。
【0035】
後側支持片部232は、前側支持片部231における左右方向の中央部分の後方側において、保持部20の上面より上方に突出する態様で立設されている。この後側支持片部232の前面は、前側支持片部231における左右方向の中央部分の後面に対向しており、前側支持突起231aの相互間に向けて前方に突出する後側支持突起232aが形成されている。
【0036】
取付壁部30は、保持部20の後端部分より下方に向けて延在する平板状部分であり、保持部20の左右方向の全域に亘って形成されている。この取付壁部30は、係止爪31及び前倒防止片32が設けられている。
【0037】
係止爪31は、図7に示すように、背面板6に設けた係止孔6aに挿通することによってディスプレイ台7を背面板6に係止させるためのもので、取付壁部30の後面の左右両端部に設けられている。これら係止爪31は、取付壁部30の後面に後方に向けて下方に突出する態様で形成されている。より詳細には、係止爪31は、取付壁部30の後面より後方に向けて突出しつつ下方に向けて突出し、下方に向かうに連れて該後面より漸次離隔する態様で傾斜して形成されている。
【0038】
前倒防止片32は、取付壁部30の左右両端部分の後面や、取付壁部30の2つの係止爪31の間の後面に複数(図示の例では4つ)設けられている。これら前倒防止片32は、後面より後方に向けて突出する態様で設けてあり、下方に向かうに連れて取付壁部30の後面より漸次離隔する態様で上下方向に沿って延在するものである。つまり、前倒防止片32の後端面部分は、下方に向かうに連れて漸次後方に延在する態様で傾斜しており、その傾斜角度α、すなわち取付壁部30の後面に対する前倒防止片32の後端面部分の傾斜角度αは、図6に示したように、係止爪31の傾斜角度に略一致している。
【0039】
そのようなディスプレイ台7においては、シート状商品見本10を前方に凸となる態様で撓ませ、該シート状商品見本10の下端部を下方支持溝23aに進入させて前側支持突起231aと後側支持突起232aとにより支持し、該シート状商品見本10の両側部を左右一対の側方支持ガイド22の側方支持溝221,222に進入させて該側方支持ガイド22で支持することにより、図8に示すように、該シート状商品見本10を前方に凸となるよう湾曲させて保持することができる。ここで側方支持ガイド22は、保持部20の上面から上方への延在長さが、該側方支持ガイド22の上端部がシート状商品見本10の上下寸法の中間位置よりも上方に配置される大きさを有している。
【0040】
そして、かかるディスプレイ台7を背面板6に取り付けるには、図7に示したように、係止爪31を背面板6の係止孔6aに挿通させれば良い。この場合において、前倒防止片32が背面板6の前面に当接することになる。前倒防止片32は、下方に向かうに連れて取付壁部30の後面より漸次離隔する態様で傾斜して上下方向に沿って延在しているので、背面板6の前面に後端面部分が当接することにより、ディスプレイ台7が前方に向かうに連れて下方に垂れ下がってしまう、いわゆる前倒れを防止することができる。
【0041】
以上説明したように、本発明の実施の形態である商品見本展示装置によれば、シート状商品見本10の両側部を自身に形成された側方支持溝221,222に進入させることにより、該シート状商品見本10を支持する側方支持ガイド22が、ディスプレイ台7の保持部20の上面より上方に向けて延在する態様で左右一対に立設されているので、シート状商品見本10を保持するための専用のアタッチメント部材を不要とし、部品点数の削減におり製造コストの低減化を図ることができる。
【0042】
また上記商品見本展示装置によれば、シート状商品見本10の下端部を自身に形成された下方支持溝23aに進入させることにより、該シート状商品見本10を支持する下方支持ガイド23が、ディスプレイ台7の左右一対の側方支持ガイド22の相互間において保持部20の上面より上方に向けて突出する態様で立設されているので、シート状商品見本10の両側部だけでなく下端部も支持することができ、これによりシート状商品見本10を良好に保持することができる。
【0043】
また上記商品見本展示装置によれば、下方支持溝23aが前方に凸となる態様で湾曲して形成され、側方支持ガイド22及び下方支持ガイド23がシート状商品見本10を前方に凸となる態様で湾曲した状態を支持するので、シート状商品見本10に表示された商品の外形形状を立体的に表すことができ、商品のイメージを良好に演出することができる。
【0044】
特に側方支持ガイド22は、保持部20の上面から上方への延在長さが、該側方支持ガイド22の上端部がシート状商品見本10の上下寸法の中間位置よりも上方に配置される大きさを有しているので、シート状商品見本10の上端部についても下端部と同様に湾曲した状態に保持することができる。
【0045】
また上記商品見本展示装置によれば、下方支持溝23aが前側支持片部231と後側支持片部232との相互間で形成され、前側支持片部231には後面より後方に向けて突出する左右一対の前側支持突起231aが形成されるとともに、後側支持片部232には前面より前側支持突起231aの相互間に向けて前方に突出する後側支持突起232aが形成されているので、シート状商品見本10の下端部を前側支持突起231aと後側支持突起232aとで支持することができ、シート状商品見本10の保持力の向上を図ることができる。
【0046】
また上記商品見本展示装置によれば、ディスプレイ台7における左右一対の側方支持ガイド22の相互間であって下方支持ガイド23の後方側にガイド孔21が形成されているので、該ガイド孔21を通じて例えばLED等の光源(図示せず)よりシート状商品見本10に対して光を照射することが可能になり、前方に凸となる態様で湾曲するシート状商品見本10に表示された商品形状に奥行感を持たせることができ、商品のアピール力の向上を図ることができる。
【0047】
特にディスプレイ台7が透光性を有した樹脂材によって成形されているので、上記光源からの光をディスプレイ台7も透過させることで、平板状を成す保持部20についてガラステーブルのイメージを持たせることができ、見栄えの向上を図ることができる。
【0048】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。以下に適宜図面を利用しながら変形例について説明する。尚、以下において、上述した本実施の形態である商品見本展示装置と同一の構成要素については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0049】
上述した実施の形態では、側方支持ガイド22及び下方支持ガイド23にてシート状商品見本10を支持していたが、本発明においては、図9に示すように、シート状商品見本10とともに、例えば「つめたーい」や「あたたかーい」等の文字や絵が表示されたシート体11を支持するようにしてもよい。これによれば、シート状商品見本10に表示された商品だけでなく、シート体11に表示された文字等によっても商品アピールを行うことができる。
【0050】
図10及び図11は、本実施の形態である商品見本展示装置の変形例を示すもので、図10は分解斜視図、図11は斜視図である。これら図10及び図11に示すように、下方支持ガイド23を構成する前側支持片部231の前面には、保持部20の上面から離隔する態様で前方に向けて突出する前方規制片231bが形成されるとともに、保持部20の前端部分より上方に突出する上方規制片24が形成されている。そして、下方支持ガイド23の前方域となる保持部20の上面に、冷温表示や販促用表示がなされたプレート12が前方規制片231b及び上方規制片24に規制された状態で載置されている。これによれば、シート状商品見本10に表示された商品だけでなく、プレート12の表示によっても商品アピールを行うことができる。
【0051】
図12図14は、本実施の形態である商品見本展示装置の変形例を示すもので、図12及び図13は分解斜視図、図14は斜視図である。これら図12図14に示すように、下方支持ガイド23を構成する後側支持片部233は、左方の側方支持ガイド22の右側方支持溝221を構成する後側右延在支持片221bと、右方の側方支持ガイド22の左側方支持溝222を構成する後側左延在支持片222bとを連結する態様で前方に凸となるように円弧状に延在している。これにより、下方支持溝23bは、側方支持溝221,222に連続して構成されており、そのような構成においてもシート状商品見本10を良好に支持することができる。
【0052】
そして、ディスプレイ台7の保持部20の下面においては、ガイド孔21の前方側開口縁部に下方に向けて突出する左右一対の取付片25が形成されるとともに、ガイド孔21の左右開口縁部及び後方開口縁部には、保持部20の下面に対向する載置面を有した載置片26が形成されている。また、保持部20の前端部分より下方に突出する下方規制片27が形成されている。
【0053】
かかるディスプレイ台7に対して、冷温表示や販促表表示がなされるとともに左右一対の取付孔13aが形成された矩形状プレート13が、載置片26に載置されつつ取付孔13aに取付片25が挿入され、かつ下方規制片27により前方への移動が規制された状態でガイド孔21を閉塞するようにして設置されている。
【0054】
これによれば、ディスプレイ台7が透光性を有した樹脂材によって成形されていることにより、シート状商品見本10に表示された商品だけでなく、矩形状プレート13の表示によっても商品アピールを行うことができる。特にガイド孔21を矩形状プレート13で閉塞しているので、光源からの光が矩形状プレート13に照射されることで商品アピールを行うことができる。
【0055】
図15及び図16は、本実施の形態である商品見本展示装置の変形例を示すもので、図15は分解斜視図、図16は斜視図である。これら図15及び図16に示すように、上述した下方支持ガイド23の代わりに保持部20のガイド孔21の前方域には、上方に突出するガイド突片28が形成されている。このガイド突片28は、側方支持ガイド22により両側部が支持されたシート状商品見本10の下端部の前面に当接し、側方支持ガイド22とともにシート状商品見本10を前方に凸となる態様で湾曲した状態で支持している。これによれば、シート状商品見本10の下端部を支持する構成を簡易なものとすることができる。
【0056】
図17及び図18は、本実施の形態である商品見本展示装置の変形例を示すもので、図17は分解斜視図、図18は斜視図である。これら図17及び図18に示すように、上述した下方支持ガイド23の代わりに保持部20のガイド孔21の前方域には、上方に突出する上方延在片29が形成されている。この上方延在片29は、側方支持ガイド22により両側部が支持されたシート状商品見本10の下端部の後面に当接し、側方支持ガイド22とともにシート状商品見本10を前方に凸となる態様で湾曲した状態で支持している。これによれば、シート状商品見本10の下端部を支持する構成を簡易なものとすることができる。
【0057】
上述した実施の形態及び変形例では、シート状商品見本10を前方に凸となる態様で湾曲した状態で支持していたが、本発明においては、シート状商品見本の両側部を左右一対の側方支持ガイド22の側方支持溝221,222に沿って折り曲げて平板状の状態で支持するようにしても良い。
【符号の説明】
【0058】
7…ディスプレイ台、10…シート状商品見本、20…保持部、21…ガイド孔、22…側方支持ガイド、221…右側方支持溝、221a…前側右延在支持片、221b…後側右延在支持片、222…左側方支持溝、222a…前側左延在支持片、222b…後側左延在支持片、23…下方支持ガイド、23a…下方支持溝、231…前側支持片部、231a…前側支持突起、232a…後側支持突起、232…後側支持片部、30…取付壁部、31…係止爪、32…前倒防止片。
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