(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023020408
(43)【公開日】2023-02-09
(54)【発明の名称】網戸および網戸付き建具
(51)【国際特許分類】
E06B 9/52 20060101AFI20230202BHJP
【FI】
E06B9/52 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021125757
(22)【出願日】2021-07-30
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(72)【発明者】
【氏名】平松 誠司
(57)【要約】
【課題】枠体へ網戸を取り付ける際に網戸の固定を容易に行うことができる網戸および網戸付き建具を提供する。
【解決手段】矩形状の網部31と、網部31の外縁部が取り付けられる溝部25が形成された縦縁部材および横縁部材21と、外縁部の屋内側に位置し、溝部25に取り付けられる硬質部材からなる帯状の仮留め部材35と、を有し、仮留め部材35は、帯状の短手方向の一方の端部351で網部31の外縁部に連結される固定部352と、他方の端部353側で溝部25に係止される自由端部354と、を有する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
矩形状の網部と、
前記網部の外縁部が取り付けられる溝部が形成された縦縁部材および横縁部材と、
前記外縁部の屋内側に位置し、前記溝部に取り付けられる硬質部材からなる帯状の仮留め部材と、を有し、
前記仮留め部材は、帯状の短手方向の一方の端部で前記網部の外縁部に連結される固定部と、他方の端部側で前記溝部に係止される自由端部と、を有する、
網戸。
【請求項2】
前記仮留め部材は、前記自由端部における前記網部と対向する位置に引掛部が設けられ、
前記引掛部は、前記自由端部から前記網部側に突出した突起形状に形成されている、
請求項1に記載の網戸。
【請求項3】
前記仮留め部材は、前記固定部と前記自由端部との境界と前記網部とが縫合された縫合部が設けられ、
前記固定部は、前記固定部の先端から前記縫合部の間で前記網部の外縁部に連結される、
請求項1または2に記載の網戸。
【請求項4】
建具の枠体の四周縁部に設けられた嵌合溝内に、請求項1から3のいずれか一項に記載の網戸が取り付けられている、網戸付き建具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、網戸および網戸付き建具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、網部の四周縁部に設けられた樹脂製のアタッチメントを枠体に嵌合させるフレームレス網戸が知られている。例えば、特許文献1に記載された網戸は、硬質なアタッチメントを建具の枠体に設けられた嵌合溝に嵌合することによって取り付けられる。
【0003】
特許文献1には、網戸が枠体に取り付けられていない際に、網部の左右に取り付けられるアタッチメントは網部の縦側のテープ部に係合して取り付けられ、網部の上下に取り付けられるアタッチメントは、網部と係合させず網部と別体である構成が開示されている。網部の上下のアタッチメントが網部と別体であるため、網戸の取付時に網部の上下のアタッチメントに影響されず、網部の左右のアタッチメントを枠体へ容易に安定して取り付けることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術では、枠体に網戸を取り付ける作業を、網部を張った状態で実施することができない場合がある。具体的には、網部の左右のアタッチメントを枠体へ取り付けた後に網部と別体となっている上下のアタッチメントを枠体に取り付ける。しかし、この場合には、特に上側に位置する網部が嵌合溝から垂れ下がり、網部を張った構成で上下のアタッチメントを取り付けることができなくなる。
【0006】
本開示は、枠体へ網戸を取り付ける際に網戸の固定を容易に行うことができる網戸および網戸付き建具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、矩形状の網部と、前記網部の外縁部が取り付けられる溝部が形成された縦縁部材および横縁部材と、前記外縁部の屋内側に位置し、前記溝部に取り付けられる硬質部材からなる帯状の仮留め部材と、を有し、前記仮留め部材は、帯状の短手方向の一方の端部で前記網部の外縁部に連結される固定部と、他方の端部側で前記溝部に係止される自由端部と、を有する、網戸である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】網戸の枠体への取付方向を示す説明図である。
【
図4】網戸アタッチメントの縦嵌合溝への取付方法を示す横断面図である。
【
図5】仮留め部を横嵌合溝内に配置した構成を示す縦断面図である。
【
図6】網戸アタッチメントの縦嵌合溝への取付状況を示す横断面図である。
【
図7】仮留め部の横嵌合溝への取付作業を示す縦断面図である。
【
図8】仮留め部の横嵌合溝への格納状況を示す縦断面図である。
【
図9】仮留め部及び後付け網戸アタッチメントの取付状態を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の網戸および網戸付き建具の実施の形態について
図1から
図9を参照して説明する。以下の図面においては、網戸および網戸付き建具の各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等を異ならせている場合がある。
【0010】
図1、
図2に示すように、網戸付き建具1は、建物の壁面に形成された図示しない開口部に取り付けられる矩形状の枠体2と、枠体2に開閉可能に取り付けられた網戸3と、を備えている。以下において、網戸付き建具1を単に建具1と称して説明する。すなわち、建具1は網戸付き建具1に対応する。建具1は、一例として、アルミ等の金属材料と塩化ビニル等の樹脂材料とからなる枠体2を有する建具として備えられる。
【0011】
建物の開口部に取り付けられた構成の建具1を屋内側から見たときに、上下となる方向を上下方向、左右となる方向を左右方向として示す。建具1において、左右方向に直交し屋内外方向に沿った方向を見込み方向として示す。
【0012】
枠体2は、枠体2の上下方向に対向して配置され左右方向に延びる一対の上枠21、下枠22と、左右方向に対向して配置され上下方向に延びる一対の縦枠23、縦枠24とを有する。縦枠23は、左側に配置される。縦枠24は、右側に配置される。上枠21、下枠22は、左右方向の両端で縦枠23、縦枠24にそれぞれ取り付けられ、枠体2は矩形状に枠組みされる。上枠21、下枠22と縦枠23、縦枠24の素材は、特に限定されず、アルミニウム材、樹脂材等を用いた押し出し材を用いる。
【0013】
上枠21、下枠22は、各見込み面21a、22a(不図示)にそれぞれ凹溝で形成された横嵌合溝25をそれぞれ有する。横嵌合溝25は、左右方向に延び、上枠21、下枠22それぞれの全長にわたって形成されている。縦枠23、24は、各見込み面23a、24a(不図示)にそれぞれ窪んで形成された縦嵌合溝26をそれぞれ有する。縦嵌合溝26は、上下方向に延び縦枠23、24それぞれの全長にわたって形成されている。横嵌合溝25および縦嵌合溝26は、見込み方向で同一位置に配置され枠体2の四周にわたって互いに連通している。
【0014】
図1に示すように、網戸3は、矩形状の網部31と、網部31の四周縁部311に取り付けられるテープ部32と、網部31の左右縁に配置され上下方向に延び網部31と一体化して係合されている一対の網戸アタッチメント33、33と、網部31の上下縁に配置され左右方向に延び網戸3の取付時に網部31に取り付ける一対の後付け網戸アタッチメント34、34と、を備えている。網戸アタッチメント33は、縦縁部材に対応する。後付け網戸アタッチメント34は、横縁部材に対応する。四周縁部311は、網部31の外縁部に対応する。
【0015】
網戸3は、縦枠23、24の縦嵌合溝26、26に網戸アタッチメント33、33がそれぞれ着脱可能に嵌合する。網戸3は、上枠21、下枠22の横嵌合溝25、25に後付け網戸アタッチメント34、34がそれぞれ着脱可能に嵌合する。網戸3は四周縁部311が枠体2に着脱可能に取り付けられ、枠体2に隙間なく納められるフレームレス網戸である。
【0016】
網戸3が枠体2に取り付けられていない状態において、後付け網戸アタッチメント34と網戸3のその他の構成は別体となっている。後付け網戸アタッチメント34が別体となっているため、網戸3を枠体2に取り付ける前および網戸3を枠体2から取り外した後の網戸3は、後付け網戸アタッチメント34、34が装着されていない。そのため、網戸アタッチメント33、33の一方を中心にして巻回することで省梱包化することができる。テープ部32に装着されていない状態の後付け網戸アタッチメント34は棒状部材として備えられる。このため、網戸3は各部の収納時および運搬時の省スペース化を図ることができる。
【0017】
図3に示すように、テープ部32は、網部31の四周縁部311の全周に渡って縫着されている。テープ部32は、係止部321と可撓性部322とを有する。テープ部32は、一例として、係止部321として屋外側に配置された務歯を有するファスナーのテープ半体から構成される。
【0018】
係止部321は、可撓性部322よりも見込み方向の厚みが大きく形成されている。網部31の左側および右側に配置される係止部321は、網部31の上下方向の全長にわたって形成されている。網部31の上側および下側に配置される係止部321は、網部31の左右方向の全長にわたっておらず、上下方向の係止部321との間に、後述するように、上下方向のテープ部32を網戸アタッチメント33内に挿し通すための所定の間隔が設けられている。
【0019】
可撓性部322は、例えば可撓性を有する布材として備えられる。可撓性部322は、網部31から上下方向の両側および左右方向の両側に張り出す。可撓性部322は、網部31の四周縁部に張り出す。可撓性部322は、網部31に縫い合わされている。可撓性部322は、網部31に接着されていてもよいし、網部31に溶着されてもよい。
【0020】
縦嵌合溝26の構成について
図4を用いて説明する。縦嵌合溝26は、網戸アタッチメント33を収納可能な凹溝として形成される。縦嵌合溝26内の屋内側に配置される内側面261aは、長手方向に沿って延び屋外側に突出する係合突部262aを有する。縦嵌合溝26内の屋外側に配置される内側面261bは、長手方向に沿って延びる屋内側に突出する係合突部262bを有する。一対の係合突部262a、262bは、それぞれ隙間をあけて向かい合うように突出形成され、縦嵌合溝26の入口263を狭めている。係合突部262a、262bの先端面264a、264bは、縦嵌合溝26の外側に向けて広がるテーパー状に形成されている。係合突部262a、262bは、縦嵌合溝26への網戸アタッチメント33の挿入方向となる縦嵌合溝26の深さ方向(
図4における左右方向)の位置が略一致して配置されている。縦嵌合溝26内の底面265は、ほぼ平坦面に形成されている。
【0021】
図4に示す縦嵌合溝26は、縦枠23側に配置される縦嵌合溝26を示している。縦枠24側に配置される縦嵌合溝26は、
図4と同様に内側面261a、261bに一対の係合突部262a、262bを有する。
【0022】
横嵌合溝25は、
図5に示すように、後付け網戸アタッチメント34および後述する仮留め部材を収納可能な凹溝として形成される。横嵌合溝25内の屋外側に配置される内側面251aは、縦嵌合溝26と同様に、長手方向に沿って延び屋内側に突出する係合突部252aを有する。横嵌合溝25内の屋内側に配置される内側面251bは、長手方向に沿って延び屋外側に突出する係合突部252bを有する。一対の係合突部252a、252bは、それぞれ隙間をあけて向かい合うように突出形成され、横嵌合溝25の入口253を狭めている。係合突部252a、252bの先端面254a、254bは、横嵌合溝25の外側に向けて広がるテーパー状に形成されている。係合突部252a、252bは、横嵌合溝25への後付け網戸アタッチメント34の挿入方向となる横嵌合溝25の深さ方向(
図5における上下方向)の位置が略一致して配置されている。横嵌合溝25内の底面255は、ほぼ平坦面に形成されている。
【0023】
図5に示す横嵌合溝25は、上枠21側に配置される横嵌合溝25を示している。下枠22側に配置される横嵌合溝25は、
図5に示す横嵌合溝25と同様に内側面251a、251bに一対の係合突部252a、252bを有する。
【0024】
横嵌合溝25における内側面251aおよび係合突部252aの見込み方向の位置と、縦嵌合溝26における内側面261bおよび係合突部262bの見込み方向の位置は同一となる。横嵌合溝25における係合突部252aの断面形状と、縦嵌合溝26における係合突部262bの断面形状は同一となる。横嵌合溝25における内側面251bおよび係合突部252bの見込み方向の位置と、縦嵌合溝26における内側面261aおよび係合突部262aの見込み方向の位置は同一となる。横嵌合溝25における係合突部252bの断面形状と、縦嵌合溝26における係合突部262aの断面形状は同一となる。
【0025】
網戸アタッチメント33の構成について
図2および
図4を用いて説明する。
図2に示すように、縦側の左右の網戸アタッチメント33、33は、それぞれ網部31の左右縁部に予め取り付けられ網部31と一体化されている。網戸アタッチメント33、33は、縦嵌合溝26、26に嵌合され枠体2に取り付けられる。網戸アタッチメント33、33は、長手方向と直交する断面形状が見込み方向に延びる軸線を中心とした線対称となる点を除いて同一構造となるため、以下では、
図4に示す縦枠23側の網戸アタッチメント33について以下に説明する。
【0026】
網戸アタッチメント33は、一対の側板部331a、331bと底板部332と円弧面333a、333bと押し込み部334と第1突板部335と第2突板部336と一対の突起部337a、337bと、第1係合部338aと、第2係合部338bとを有する。網戸アタッチメント33は、全て硬質材で形成されている。網戸アタッチメント33は、一例として、硬質のポリ塩化ビニルで形成されている。
【0027】
側板部331aは、左右方向に延び、網戸3の屋内側に配置される。側板部331bは、左右方向に延び、網戸3の屋外側に配置される。一対の側板部331a、331bは、見込み方向に空隙を介して離れ、平行に配置されている。一対の側板部331a、331bの間の空隙は、網戸アタッチメント33の長さの全体にわたる。底板部332は、見込み方向に延び、一対の側板部331a、331bの左端同士を接続する。一対の側板部331a、331bと底板部332とを有する網戸アタッチメント33は、右側に開口する側面視略U字型に形成されている。側板部331aから底板部332に至る外面は、滑らかな円弧面333aとなる。側板部331bから底板部332に至る外面は、滑らかな円弧面333bとなる。
【0028】
押し込み部334は、縦嵌合溝26に嵌合した網戸アタッチメント33の縦嵌合溝26への取付と取り外しの際に用いられる。押し込み部334は、側板部331aの右側端部から右側に突出している。押し込み部334は、網戸アタッチメント33が縦嵌合溝26に嵌合したときに、係合突部262aよりも縦嵌合溝26の外側に突出する。
【0029】
第1突板部335は、屋内側の側板部331aの内面から屋外側の側板部331bに向けて延び側板部331bとの間に長手方向に沿って第1隙間335aを形成する。第2突板部336は、底板部332の内面から第1突板部335に向けて延び第1突板部335との間に長手方向に沿って第2隙間336aを形成する。網戸アタッチメント33の内側には、屋内側の側板部331aと、底板部332と、第1突板部335と、第2突板部336とで囲まれた空間339が形成される。
【0030】
第1突板部335と第2突板部336との間の第2隙間336aの幅は、テープ部32の可撓性部322を挿入可能であり、係止部321は通過し得ない寸法となる。網戸アタッチメント33の長手方向の一方端部側から、網部31の縦側のテープ部32の係止部321を空間339内に収容する。係止部321は、第2突板部336に屋内側から係止させる。可撓性部322は、第2隙間336aおよび第1隙間335aを順次介して挿入して網戸アタッチメント33の外側に引き出す。網戸アタッチメント33は、網部31の縦側縁部に係合状態で取り付けられる。
【0031】
突起部337aは、側板部331aと円弧面333aとの交差部の外面に位置し、長手方向に沿って延びている。突起部337bは、側板部331bと円弧面333bとの交差部の外面に位置し、長手方向に沿って延びている。突起部337aと突起部337bの左右方向の位置は同一となる。突起部337aと突起部337bとの見込み方向の最大距離は、縦嵌合溝26内の係合突部262aと係合突部262bとの見込み方向の最小距離よりも長い。側板部331aの屋内側の側面と、側板部331bの屋外側の側面との距離は、縦嵌合溝26内の係合突部262aと係合突部262bとの見込み方向の最小距離以下となる。網戸アタッチメント33が縦嵌合溝26に嵌合されると、突起部337a、337bが縦嵌合溝26内の係合突部262a、262bを弾性的に乗り越え、係合突部262a、262bに縦嵌合溝26の内側から係合したときに、網戸アタッチメント33は縦嵌合溝26内に保持される。
【0032】
網戸アタッチメント33における最も左側の端部と、突起部337a、337bとの距離は、縦嵌合溝26内の底面265から係合突部262a、262bまでの距離よりも短い。網戸アタッチメント33が縦嵌合溝26に嵌合され突起部337a、337bが係合突部262a、262bに縦嵌合溝26の内側から係合したときに、網戸アタッチメント33は底面265に接触せず、網戸アタッチメント33は底面265と離れて縦嵌合溝26内に保持される。
【0033】
第1係合部338aは、側板部331aの右側端部から屋内側に突出する。第1係合部338aは、屋内側に延びる。第1係合部338aの先端の見込み方向の位置は、側板部331aの屋内側の側面よりも屋内側となる。第1係合部338aは、網戸アタッチメント33が縦嵌合溝26に嵌合したときに、屋内側の先端が係合突部262aの先端面264aよりも屋内側に位置する。第1係合部338aは、網戸アタッチメント33が縦嵌合溝26に嵌合したときに、係合突部262aの外側に当接する。
【0034】
第2係合部338bは、側板部331bの右側端部から屋外側に突出する。第2係合部338bの左右方向の位置は、第1係合部338aの左右方向の位置と同一となる。第2係合部338bは、屋外側に延びる。第2係合部338bの先端の見込み方向の位置は、側板部331bの屋外側の側面よりも屋外側となる。第2係合部338bは、網戸アタッチメント33が縦嵌合溝26に嵌合したときに、屋外側の先端が係合突部262bの先端面264bよりも屋外側に位置する。第2係合部338bは、網戸アタッチメント33が縦嵌合溝26に嵌合したときに、係合突部262bの外側に当接する。網戸アタッチメント33の全体は、硬質の材料によって形成されている。
【0035】
後付け網戸アタッチメント34の構成について
図5を用いて説明する。上下の後付け網戸アタッチメント34、34は、長手方向と直交する断面形状が見込み方向に延びる軸線を中心とした線対称となる点を除いて同一構造となるため、以下では、
図5に示す上枠21側の後付け網戸アタッチメント34について説明する。
【0036】
図4に示すように、第2突板部336に係止部321が屋内側から係止し、可撓性部322が第2隙間336aおよび第1隙間335aを順次介して外側に引き出されている。縦嵌合溝26に嵌合した網戸アタッチメント33に対して、後付け網戸アタッチメント34の左右方向の両側端面が対向する。
【0037】
図5に示すように、後付け網戸アタッチメント34は、横嵌合溝25に嵌合され枠体2に取り付けられる。後付け網戸アタッチメント34は、全て硬質材で形成されている。後付け網戸アタッチメント34は、一例として、網戸アタッチメント33と同一の硬質のポリ塩化ビニルで形成されている。後付け網戸アタッチメント34は、一対の側板部341a、341bと底板部342と円弧面343a、343bと押し込み部344と第1突板部345と第2突板部346と一対の突起部347a、347bと、第1係合部348aと、第2係合部348bとを有する。
【0038】
側板部341aは、上下方向に延び、網戸3の屋外側に配置される。側板部341bは、上下方向に延び、網戸3の屋内側に配置される。一対の側板部341a、341bは、見込み方向に空隙を介して離れ、平行に配置されている。一対の側板部341a、341bの間の空隙は、後付け網戸アタッチメント34の長さの全体にわたって設けられている。底板部342は、見込み方向に延び、一対の側板部341a、341bの上端同士を連結する。一対の側板部341a、341bと底板部342とを有する後付け網戸アタッチメント34は、下側に開口する側面視略U字型に形成されている。側板部341aから底板部342に至る外面は、滑らかな円弧面343aとなる。側板部341bから底板部342に至る外面は、滑らかな円弧面343bとなる。
【0039】
押し込み部344は、横嵌合溝25に嵌合した後付け網戸アタッチメント34の横嵌合溝25への取付と取り外しの際に用いられる。押し込み部344は、側板部341bの下側端部から下側に突出している。押し込み部344は、後付け網戸アタッチメント34が横嵌合溝25に嵌合したときに、係合突部252bよりも横嵌合溝25の外側に突出する。
【0040】
突起部347aは、側板部341aと円弧面343aとの交差部の外面に位置し、長手方向に沿って延びている。突起部347bは、側板部341bと円弧面343bとの交差部の外面に位置し、長手方向に沿って延びている。突起部347aと突起部347bの上下方向の位置は同一となる。突起部347aと突起部347bとの見込み方向の最大距離は、横嵌合溝25内の係合突部252aと係合突部252bとの見込み方向の最小距離よりも長い。側板部341aの屋内側の側面と、側板部341bの屋外側の側面との距離は、横嵌合溝25内の係合突部252aと係合突部252bとの見込み方向の最小距離以下となる。従って、後付け網戸アタッチメント34が横嵌合溝25に嵌合されたときに、突起部347a、347bが横嵌合溝25内の係合突部252a、252bを弾性的に乗り越え、係合突部252a、252bに横嵌合溝25の内側から係合したときに、後付け網戸アタッチメント34は横嵌合溝25内に保持される。
【0041】
後付け網戸アタッチメント34における最も上側の端部と、突起部347a、347bとの距離は、横嵌合溝25内の底面255から係合突部252a、252bまでの距離よりも短い。従って、後付け網戸アタッチメント34が横嵌合溝25に嵌合され突起部347a、347bが係合突部252a、252bに横嵌合溝25の内側から係合したときに、後付け網戸アタッチメント34は底面255に接触せず、後付け網戸アタッチメント34は底面255と離れて横嵌合溝25内に保持される。
【0042】
第1係合部348aは、側板部341aの下側端部から屋外側に突出する。第1係合部348aは、屋外側に延びる。第1係合部348aの先端の見込み方向の位置は、側板部341aの屋外側の側面よりも屋外側となる。第1係合部348aは、後付け網戸アタッチメント34が横嵌合溝25に嵌合したときに、屋外側の先端が係合突部252aの先端面254aよりも屋外側に位置する。従って、第1係合部348aは、後付け網戸アタッチメント34が横嵌合溝25に嵌合したときに、係合突部252aに横嵌合溝25の外側から係合する。
【0043】
第2係合部348bは、側板部341bの下側端部から屋内側に突出する。第2係合部348bの上下方向の位置は、第1係合部348aの上下方向の位置と同一となる。第2係合部348bは、屋内側に延びる。第2係合部348bの先端の見込み方向の位置は、側板部341bの屋内側の側面よりも屋内側となる。第2係合部348bは、後付け網戸アタッチメント34が横嵌合溝25に嵌合したときに、屋内側の先端が係合突部252bの先端面254bよりも屋内側に位置する。従って、第2係合部348bは、後付け網戸アタッチメント34が横嵌合溝25に嵌合したときに、係合突部252bに横嵌合溝25の外側から係合する。
【0044】
後付け網戸アタッチメント34の左右方向と直交する断面形状は、
図4に示した網戸アタッチメント33の上下方向と直交する断面形状と同寸法で同一となる。後付け網戸アタッチメント34の左右方向と直交する断面形状が網戸アタッチメント33の上下方向と直交する断面形状と同寸法で同一となるため、管理工数が減りコストダウンに寄与できる。
【0045】
図5に示すように、網部31の上縁部に縫着されている横テープ部323は、後付け網戸アタッチメント34を横嵌合溝25に嵌合する前に網部31を横嵌合溝25に仮留めする仮留め部35を有している。網部31の下縁部に縫着されている横テープ部は、横テープ部323と同様の構成となるため、以下では横テープ部323に設けられる仮留め部35について説明する。仮留め部35は仮留め部材に対応する。
【0046】
仮留め部35は、左右方向を長手方向とした帯状形状で横嵌合溝25の左右方向の長さに略一致する。仮留め部35は、テープ部32と同様にファスナーのテープ半体から構成される。仮留め部35は、短手方向の一方の端部351で横テープ部323に取り付けられた固定部352と、短手方向の他方の端部353で横嵌合溝25に係止される自由端部354と、固定部352と自由端部354との境界355において横テープ部323と仮留め部35を縫着された縫合部356と、を有する。
【0047】
固定部352は、端部351と端部351に対向する網部31を境界355までの範囲において両面テープ357で接着され形成されている。固定部352に接着されている網部31は、境界355に対向する箇所を境界として仮留め部35の変形に追従する。
【0048】
自由端部354は、網部31に対向する方向に自由端部354から網部31側に突出した突起形状の引掛部358が形成されている。引掛部358は、仮留め部35と同様にファスナーのテープ半体から構成されている。
【0049】
縫合部356は、境界355において固定部352と網部31を仮留め部35の長手方向に縫着して形成されている。固定部352の長手方向の長さは、係合突部252aの横嵌合溝25内部側の見込み方向(
図5における左右方向)の長さよりも大きく形成されている。網戸3は、自由端部354の網部31と対向する対向面354aを中心にして反時計回りとなる矢印T1方向(
図7参照)に回転するように上方に押し込むと、縫合部356から網部31が直下に垂れ下がる。
【0050】
網戸3を枠体2に取り付ける方法について、
図1から
図2および
図4から
図9を参照して説明する。網戸3を枠体2に取り付ける前の段階では、
図1に示すように、網部31に網戸アタッチメント33、33が係合して取り付けられており、後付け網戸アタッチメント34、34は網部31と別体の状態とされている。
【0051】
この状態から、先ず、網戸アタッチメント33、33を縦枠23、24の縦嵌合溝26、26に取り付ける。網戸アタッチメント33、33の縦枠23、24への取り付け方法は同様となるため、以下では縦枠23への取り付け方法について説明する。
【0052】
図2に示すように、縦枠23に嵌合する網戸アタッチメント33を枠体2に対して傾斜させ網戸3を枠体2内に格納させる。
図4および
図6に示すように、網戸アタッチメント33は、押し込み部334を有する側板部331aを屋内側に配置して、縦枠23の縦嵌合溝26に嵌合される。
図4および
図6は縦枠23側のみが図示されているが、縦枠24についても同様となる。網戸アタッチメント33は縦嵌合溝26に嵌合される際には、押し込み部334を屋外側に向けて傾かせた状態で網戸アタッチメント33を矢印T2方向に挿入し、屋外側の突起部337bを係合突部262bに縦嵌合溝26の内側から係合させる。突起部337aは、係合突部262aの先端面264aに接する。この状態で、押し込み部334を縦嵌合溝26に向けて押し込み、突起部337bと係合突部262bとの接点を中心にして時計回りとなる矢印T3方向に網戸アタッチメント33を回転させる。網戸アタッチメント33の突起部337aは、係合突部262aを弾性的に乗り越える。突起部337aと係合突部262a、突起部337bと262bは縦嵌合溝26の内側で係合し、
図6に示すように、網戸アタッチメント33の縦嵌合溝26への取り付けが完了する。
【0053】
縦枠23、24に嵌合する網戸アタッチメント33、33は、それぞれ上枠21および下枠22に嵌合する後付け網戸アタッチメント34、34に対して縦勝ちで組み合わされている。そのため、後付け網戸アタッチメント34、34を上枠21および下枠22の横嵌合溝25、25に嵌合させづらくなることを抑制できる。つまり、網戸アタッチメント33、33が予め網部31に取り付けられることで、後付け網戸アタッチメント34、34の取付位置がずれることを抑制できる。
【0054】
屋内側に配置された押し込み部334を押し込んだ際には、突起部337aが係合突部262aを弾性的に乗り越えるときの抵抗から解放された勢いで底板部332が枠体2の底面265まで達して変形等が生じる可能性がある。押し込み部334の基部に第1係合部338aが設けられ、係合突部262aに縦嵌合溝26の外側から係合したときに、底板部332が枠体2の底面265まで達することを抑制できる。
【0055】
網戸3が屋外側からの風圧等の外力を受けた際に縦枠23側の網戸アタッチメント33には、縦嵌合溝26内で押し込み部334側が屋内側に移動する方向に回転する力が加わる。この際にも、第1係合部338aが係合突部262aに縦嵌合溝26の外側から係合したときに、押し込み部334側が回転することを抑制できる。屋外側の突起部337bが、風圧等の外力によって直ちに縦嵌合溝26の屋外側の係合突部262bを乗り越えて、網戸アタッチメント33が縦嵌合溝26から意図せず外れてしまうことを抑制できる。
【0056】
この段階では、網部31は後付け網戸アタッチメント34が取り付けられていないため、網戸アタッチメント33を縦嵌合溝26へ容易に安定して取り付けることができる。網戸アタッチメント33は、縦嵌合溝26に強固に嵌合するため、網戸アタッチメント33が浮き上がって意図せず外れたり、網戸3に弛みが生じたりすることを抑制できる。
【0057】
網戸アタッチメント33、33を縦嵌合溝26、26にそれぞれ取り付けた後は、後付け網戸アタッチメント34、34を上枠21および下枠22の横嵌合溝25、25に取り付ける。後付け網戸アタッチメント34、34の上枠21および下枠22への取り付け方法は同様となるため、以下では上枠21への取り付け方法について説明する。網戸3は、網戸アタッチメント33、33が縦枠23,24に取り付けられているため、作業者の手等による支えの必要なく後付け網戸アタッチメント34の取付作業を実施する。
【0058】
縦枠23、24に嵌合する網戸アタッチメント33、33は、それぞれ上枠21および下枠22に嵌合する後付け網戸アタッチメント34、34に対して縦勝ちで組み合わされているため、後付け網戸アタッチメント34が嵌合される横嵌合溝25は、縦枠23、24と干渉せずに上下方向で建具1の内側に露出した状態で開口している。その結果、後付け網戸アタッチメント34が横嵌合溝25に嵌合される際には、縦枠23、24と干渉することなく容易に取り付け作業を実施できる。
【0059】
後付け網戸アタッチメント34が横嵌合溝25に嵌合される際には、
図5に示すように、仮留め部35は、固定部352を上向きに配置して係合突部252aに近接させて横嵌合溝25内に配置させる。
図7に示すように、仮留め部35の自由端部354の対向面354aに作業者の指Fを当接させ、縫合部356を中心にして反時計回りとなる矢印T1方向に回転するように自由端部354を上向きに押し込む。仮留め部35の固定部352の先端352aは底面255の屋外側隅部255aに近接する。網部31は、縫合部356から下向きに垂れ下がっているため、係合突部252a、252bに引っ掛かることなく仮留め部35を押し込める。自由端部354を矢印T1方向に回転するようにさらに押し込むと、自由端部354は係合突部252bに当接し、仮留め部35が固定部352の先端352aを支点に弾性変形することで、係合突部252bを弾性的に乗り越える。
図8に示すように、仮留め部35は、固定部352の先端352aと引掛部358が係合突部252a、252bに横嵌合溝25の内側から係合したときに、凸状に弾性変形した状態で横嵌合溝25内に保持される。係合突部252bと引掛部358が係合されていることで、仮留め部35は横嵌合溝25から容易に落下することなく横嵌合溝25内に保持される。
【0060】
仮留め部35を横嵌合溝25内で屋内側および屋外側両方向に押し広げる方向に押し込み、押し込む指Fを横嵌合溝25内で網戸3の左右方向に何回か滑らせる。仮留め部35を網戸3の左右方向に指Fで押し込む作業は簡易な動作によるため、仮留め部35を押し込む力が働きやすく、横嵌合溝25の入口253が作業者の指Fが入る大きさで形成されていれば仮留め部35を指Fで摘まむ等することなく容易に取り付けることができる。
【0061】
図9に示すように、仮留め部35が横嵌合溝25内に保持された状態で、後付け網戸アタッチメント34を取り付ける。後付け網戸アタッチメント34は、網戸アタッチメント33と同様に、先ず押し込み部344を屋外側に向けて傾かせた状態で横嵌合溝25に嵌合させ、屋外側の突起部347aを係合突部252aに横嵌合溝25の内側から係合させる。横嵌合溝25から下向きに垂れ下がる網部31は係合突部252aと後付け網戸アタッチメント34の間に配置させる。突起部347bは、係合突部252bの先端面254bに接する。この後、後付け網戸アタッチメント34が突起部347aと係合突部252aとの接点を中心に反時計回りの方向に回転するように押し込み部344を横嵌合溝25に向けてさらに押し込む。後付け網戸アタッチメント34の突起部347bは、係合突部252bを弾性的に乗り越えて係合突部252bに横嵌合溝25の内側から係合し、
図9に示すように、後付け網戸アタッチメント34の横嵌合溝25への取り付けが完了する。このとき、凸状に弾性変形した状態で横嵌合溝25に仮留め部35が保持されるため、網部31は下向きに垂れ下がらない。そのため、網部31の柔らかさに関係なく、後付け網戸アタッチメント34を容易に取り付けることができる。
【0062】
屋内側に配置された押し込み部344を押し込んだ際には、突起部347bが係合突部252bを弾性的に乗り越えるときの抵抗から解放された勢いで底板部342が枠体2の底面255まで達して変形等が生じる可能性がある。押し込み部344の基部に第2係合部348bが設けられ、係合突部252bに横嵌合溝25の外側から係合したときに、底板部342が枠体2の底面255まで達することを抑制できる。
【0063】
網戸3が屋外側からの風圧等の外力を受けた際に後付け網戸アタッチメント34には、横嵌合溝25内で押し込み部344側が屋内側に移動する方向に回転する力が加わる。この際にも、第2係合部348bが係合突部252bに横嵌合溝25の外側から係合したときに、押し込み部344側が回転することを抑制できる。屋外側の突起部347aが、風圧等の外力によって直ちに横嵌合溝25の屋外側の係合突部252aを乗り越えて、後付け網戸アタッチメント34が横嵌合溝25から意図せず外れてしまうことを抑制できる。
【0064】
以上説明したように、枠体2に網戸アタッチメント33、33および後付け網戸アタッチメント34、34が取り付けられ、枠体2に網戸3が取り付けられる。網戸3は、後付け網戸アタッチメント34を横嵌合溝25に嵌合する前に仮留め部35を横嵌合溝25に取り付けることによって、後付け網戸アタッチメント34の取付時における網部31の垂れ下がりによる網部31の張り具合への影響等がなく、容易に後付け網戸アタッチメント34を取り付けることができる。
【0065】
以上、図面を参照しながら本開示に係る好適な実施形態について説明した。本開示は係る例に限定されない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本開示の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき適宜変更、置換が可能となる。
【0066】
例えば、上記の実施形態では、テープ部32および仮留め部35は、ファスナーのテープ半体で形成されている構成を説明した。しかし、この構成に限定されず、テープ部32および仮留め部35は薄厚のプラスチック材等の弾性を有する板部材で形成されてもよい。
【0067】
上記の実施形態で、網戸3の向きは屋内側と屋外側で規定されている構成を説明した。しかし、この構成に限定されず、後付け網戸アタッチメント34等の網戸3の各構成に対して屋内側と屋外側を明記した目印等を設けてもよい。
【0068】
上記の実施形態では、仮留め部35を指Fで上向きに押し込み、仮留め部35を横嵌合溝25に格納する構成を説明した。しかし、この構成に限定されず、仮留め部35を棒状材料等で押し込む構成でもよい。
【0069】
上記の実施形態では、網戸3を枠体2に取り付ける前の段階では、網部31に網戸アタッチメント33が係合して取り付けられ、後付け網戸アタッチメント34が網部31と別体の状態とされる構成を例示した。しかし、この構成に限定されず、網戸3を枠体2に取り付ける前の段階では、網部31の上下縁部に取り付けられるアタッチメントが予め係合して取り付けられ、網部31の左右縁部に取り付けられるアタッチメントが網部31と別体の状態とされる構成であってもよい。この場合には、網部31の上下縁部に取り付けられるアタッチメントがそれぞれ網部31の左右縁部に取り付けられるアタッチメントに勝つ、いわゆる横通しの横勝ちで網戸3が組まれることが好ましい。
【符号の説明】
【0070】
1 網戸付き建具、2 枠体、3 網戸、25 横嵌合溝、26 縦嵌合溝、31 網部、33 網戸アタッチメント、34 後付け網戸アタッチメント、35 仮留め部、311 四周縁部、351、353 端部、352 固定部、354 自由端部、355 境界、356 縫合部、358 引掛部