(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023000222
(43)【公開日】2023-01-04
(54)【発明の名称】キュースティック用バンパー、キュースティック、キュースティック用バンパーの取り付け方法、及び、キュースティック用バンパーの取り外し方法
(51)【国際特許分類】
A63D 15/08 20060101AFI20221222BHJP
【FI】
A63D15/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021100917
(22)【出願日】2021-06-17
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り https://www.billiards-days.com/2020/06/24/bd-アダムジャパンのカーボンエクステンション3モデル登場-専用のボルトタイプバンパーも同時発売/ 令和2年6月24日 販売 (販売日、販売場所については販売先リスト参照) https://www.adam-japan.com/2021/03/03/カーボンエクステーションss&バランサーネジ%e3%80%80ア/ 令和3年3月3日
(71)【出願人】
【識別番号】508101270
【氏名又は名称】株式会社アダムジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】110002675
【氏名又は名称】弁理士法人ドライト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】関根 沙織
(72)【発明者】
【氏名】長矢 賢治
(57)【要約】
【課題】キュースティック本体の重さや重心を従来よりも簡単に調整することができ、また、圧入部への負担を軽減し得る、キュースティック用バンパー、これを備えたキュースティック、キュースティック用バンパーの取り付け方法、及び、キュースティック用バンパーの取り外し方法を提供する。
【解決手段】キュースティック用バンパー4は、キュースティック本体5の取付孔14の内部に螺着可能なウェイトネジ9と、挿通孔にウェイトネジ9の胴部が摺動可能に設けられた圧入部22と、圧入部22とは別体でなりウェイトネジ9のネジ頭部に固設されたバンパー部23と、を有する構成とした。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端部で球を突く棒状のキュースティック本体の基端部に形成された取付孔に、着脱自在に取り付けられるキュースティック用バンパーであって、
前記取付孔の内部に螺着可能なネジ体と、前記ネジ体に連設した胴部と、前記胴部に連設したネジ頭部と、を有するウェイトネジと、
挿通孔に前記胴部が摺動可能に設けられた筒状体からなり、前記取付孔の内部に圧入される圧入部と、
前記圧入部とは別体でなり、前記ネジ頭部に固設されたバンパー部と、
を有する、キュースティック用バンパー。
【請求項2】
前記圧入部は、前記胴部が前記挿通孔の内部で前記胴部の軸方向及び周方向に摺動可能に設けられている、
請求項1に記載のキュースティック用バンパー。
【請求項3】
前記取付孔に取り付けられた前記キュースティック用バンパーが前記取付孔から取り外される際には、
前記取付孔に螺着されている前記ネジ体が取り外し方向に回転されることで、前記胴部が前記挿通孔の内部で前記胴部の軸方向及び周方向に摺動しながら前記ネジ体が前記取付孔から引き抜かれてゆくとともに、前記バンパー部が前記取付孔から遠ざかってゆき、前記圧入部が前記バンパー部から離隔して前記取付孔から前記圧入部が引き抜かれる、
請求項1又は2に記載のキュースティック用バンパー。
【請求項4】
前記ウェイトネジには、
前記圧入部が前記バンパー部から離隔した際に、前記圧入部の端部が当接する張出部が設けられている、
請求項3に記載のキュースティック用バンパー。
【請求項5】
前記胴部は、
前記ネジ体に連設する柱状の連設部と、前記連設部よりも径が大きく、かつ前記圧入部が摺動可能に設けられる柱状の拡径部と、を有し、
前記張出部は、
前記連設部の所定位置に周方向に沿って、径方向外側に張り出した環状でなる、
請求項4に記載のキュースティック用バンパー。
【請求項6】
先端部で球を突く棒状のキュースティック本体と、前記キュースティック本体の基端部に形成された取付孔に、着脱自在に取り付けられるキュースティック用バンパーと、有するキュースティックであって、
前記キュースティック用バンパーが請求項1~5のいずれか1項に記載のキュースティック用バンパーである、キュースティック。
【請求項7】
キュースティック本体の基端部へのキュースティック用バンパーの取り付け方法であって、
前記キュースティック用バンパーは、
前記基端部の取付孔の内部に螺着可能なネジ体と、前記ネジ体に連設した胴部と、前記胴部に連設したネジ頭部と、を有するウェイトネジと、
挿通孔に前記胴部が摺動可能に設けられた筒状体からなり、前記取付孔の内部に圧入される圧入部と、
前記圧入部とは別体でなり、前記ネジ頭部に固設されたバンパー部と、
を有し、
前記取付孔に前記キュースティック用バンパーを取り付ける際、前記バンパー部及び前記ネジ頭部のうち少なくともいずれか一方に設けた当接部に前記圧入部の端部が当接して位置決めされ、前記ネジ体が前記取付孔に螺着させる取り付け方向に回転されると、前記胴部が前記挿通孔の内部で周方向に摺動しながら前記ネジ体が前記取付孔の内部に挿入されてゆくとともに、前記圧入部が前記当接部に押されて前記取付孔の内部に圧入されてゆく、
キュースティック用バンパーの取り付け方法。
【請求項8】
キュースティック本体の基端部に取り付けられているキュースティック用バンパーの取り外し方法であって、
前記キュースティック用バンパーは、
前記キュースティック本体の基端部における取付孔の内部に螺着可能なネジ体と、前記ネジ体に連設した胴部と、前記胴部に連設したネジ頭部と、を有するウェイトネジと、
挿通孔に前記胴部が摺動可能に設けられた筒状体からなり、前記取付孔の内部に圧入される圧入部と、
前記圧入部とは別体でなり、前記ネジ頭部に固設されたバンパー部と、
を有し、
前記取付孔に取り付けられた前記キュースティック用バンパーが前記取付孔から取り外される際、前記取付孔に螺着されている前記ネジ体が前記取付孔から取り外される方向に回転されると、前記胴部が前記挿通孔の内部で前記胴部の軸方向及び周方向に摺動しながら前記ネジ体が前記取付孔から引き抜かれてゆくとともに、前記バンパー部が前記取付孔から遠ざかってゆき、前記圧入部が前記バンパー部から離隔して前記取付孔から前記圧入部が引き抜かれる、
キュースティック用バンパーの取り外し方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キュースティック用バンパー、キュースティック、キュースティック用バンパーの取り付け方法、及び、キュースティック用バンパーの取り外し方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ビリヤードに用いられるキュースティックは、プレイヤーの好みや用途に応じて、最適な重さの錘をキュースティック本体の端部に着脱自在に設けて重さと重心を調整することが可能である。
【0003】
例えば、特許文献1には、バットの端部とシャフトの端部とを接合部材により接合してキュースティック本体とし、バットの中空孔にウェイトバランスを調節する、ネジ形状の錘を設けることが開示されている。また、特許文献2には、バットの端部に装着されたバンパーを取り外して孔に工具を挿入して錘を所望の位置まで適宜締結させてウェイトバランスを調整することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005-287560号公報
【特許文献2】特開2005-168934号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1及び特許文献2では、ネジ形状の錘を用いてキュースティック本体の重さや重心を調整できるものの、錘をバットの中空孔に設けた後に、錘とは別体のバンパーによってバットの中空孔を閉塞する必要があるため、キュースティック本体への取り付け作業が煩雑であった。また、バンパーは、中空孔に圧入され、キュースティック本体と強固に固定される。このため、例えば、錘を他のものに交換する際に、その都度、錘とは別に、中空孔に圧入された単体のバンパーを中空孔から取り外す作業も煩雑であった。そのため、キュースティック用バンパーの交換作業が煩雑となり、キュースティック本体の重さや重心を簡単に調整し難いという問題があった。
【0006】
また、バンパーは中空孔に強固に取り付けられるが、中空孔に圧入される部位となる、バンパーの圧入部に、取り付け作業時や取り外し作業時に負荷がかかり過ぎると、圧入部が損傷してしまう恐れもあるため、当該圧入部への負担を軽減し得ることが望ましい。
【0007】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、キュースティック本体の重さや重心を従来よりも簡単に調整することができ、また、圧入部への負担を軽減し得る、キュースティック用バンパー、これを備えたキュースティック、キュースティック用バンパーの取り付け方法、及び、キュースティック用バンパーの取り外し方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のキュースティック用バンパーは、先端部で球を突く棒状のキュースティック本体の基端部に形成された取付孔に、着脱自在に取り付けられるキュースティック用バンパーであって、前記取付孔の内部に螺着可能なネジ体と、前記ネジ体に連設した胴部と、前記胴部に連設したネジ頭部と、を有するウェイトネジと、挿通孔に前記胴部が摺動可能に設けられた筒状体からなり、前記取付孔の内部に圧入される圧入部と、前記圧入部とは別体でなり、前記ネジ頭部に固設されたバンパー部と、を有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、ウェイトネジに圧入部及びバンパー部を設けることで、ウェイトネジとともに圧入部及びバンパー部も一緒に取付孔に取り付け、又は、取り外すことができるので、キュースティック用バンパーの交換作業が容易となり、その分、キュースティック本体の重さや重心を従来よりも簡単に調整することができる。また、ウェイトネジの胴部から圧入部に一定以上の外力が加わると、胴部が圧入部の挿通孔内で摺動し得ることから、ウェイトネジから圧入部に過剰に外力が加わることを抑制し得、圧入部への負担を低減し得る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本実施形態に係るキュースティック用バンパーを備えたキュースティックの構成を示す分解図である。
【
図2】キュースティック用バンパーをネジ体の側から見たときの構成を示す斜視図である。
【
図3】キュースティック用バンパーをバンパー部の側から見たときの構成を示す斜視図である。
【
図4】キュースティック用バンパーの縦断面構成を示す縦断面図である。
【
図5】工具を用いてキュースティック用バンパーをキュースティック本体の基端部に取り付けるときの様子を示す斜視図である。
【
図6】キュースティック用バンパーをバットに取り付けたときの状態を示す斜視図である。
【
図7】キュースティック用バンパーがキュースティック本体の基端部に取り付けられたときの縦断面構成を示す縦断面図である。
【
図8】キュースティック用バンパーがキュースティック本体の基端部から取り外されている途中の様子を示す縦断面図である。
【
図9】キュースティック用バンパーのバリエーションを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本実施形態に係るキュースティック用バンパーを備えたキュースティックの一実施形態を説明する。本実施形態で用いる図面においては、同一の構成に同一の符号を付して示し、その説明を一部略すものとする。
【0012】
(1)キュースティックの構成
図1は、本実施形態に係るキュースティック1の構成を示す分解図である。
図1に示すように、キュースティック1は、先端部1aで球を突く棒状のキュースティック本体5と、キュースティック本体5の他方の端部である基端部3bに着脱自在に取り付けられるキュースティック用バンパー4とで構成される。キュースティック本体5は、ボールを突く先端部1aを有するシャフト2と、シャフト2の基端部1bに接続されるバット3とで構成され、バット3の基端部3b(キュースティック本体5の基端部3bとも称する)にキュースティック用バンパー4が着脱自在に取り付けられる。
【0013】
キュースティック1は、これらシャフト2、バット3及びキュースティック用バンパー4が同軸に連結され一体となって1本の棒状のキュースティック1となり得る。なお、本実施形態では、キュースティック1において、シャフト2が配置されている側を先端側とし、バット3が配置されている側を基端側として説明する。
【0014】
シャフト2は、棒状部材でなるシャフト本体15を有し、このシャフト本体15の先端側の端部にフェラール8を介してタップ7が装着された構成を有する。シャフト2は、先端部1aから基端部1bに向かって連続的に拡径するテーパを有している。シャフト本体15の基端側の端部にはパイプスクリュー16が形成されている。
【0015】
シャフト本体15は、例えばメープル等の比較的硬い木材を切削して製造される。フェラール8の材料は比較的硬い樹脂であり、例えばPVC(Polyvinyl Chloride)樹脂やABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)樹脂が用いられる。タップ7は、皮革や合成樹脂を材料とし、材料を単層または積層して構成される。タップ7の材料となる合成樹脂としては、例えば、フェノール樹脂やカーボンファイバーが用いられる。
【0016】
パイプスクリュー16は、シャフト本体15の端部に開口された不図示の中空部の内部に雌ネジ溝8aを形成して構成されている。
【0017】
バット3は、シャフト2よりも太軸の棒状部材であるバット本体10を有しており、バット本体10の先端部3aにジョイントスクリュー17が取り付けられ、バット本体10の基端部3bに取付孔14が形成されている。バット本体10は、メープル、コクタン(エボニー)、シタン等の木材を切削、或いは、貼り合わせて構成されている。ジョイントスクリュー17は、シャフト2の雌ネジ溝8aと螺合する雄ネジ溝8bが形成されたネジ部材である。ジョイントスクリュー17は、シャフト2のパイプスクリュー16に挿入され、雌ネジ溝8aと螺着してシャフト2にバット3を接続させる。
【0018】
バット本体10は、先端部3aから基端部3bに向かって連続的に拡径するテーパを有していて、当該テーパがシャフト2のテーパと連続するように形成されている。このため、シャフト2とバット3とを接続して構成されるキュースティック本体5は、先端部1aから基端部3bに向かって連続的に拡径する1つの棒状部材になる。
【0019】
なお、本実施形態においては、シャフト2とバット3とが着脱自在に連結されたキュースティック本体5を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限らず、例えば、シャフト2とバット3とが1本の棒状部材で一体的に形成され、シャフト2とバット3とが着脱不可能な1本のキュースティック本体を適用してもよい。
【0020】
取付孔14は、バット本体10の軸方向に沿って穿設されており、バット3の基端部3bの端面に開口11を有する。取付孔14の形成範囲を
図1中に範囲rとして示す。範囲rの軸方向における長さは、バット3に取り付けられるキュースティック用バンパー4のネジ体20(後述する)の長さよりも長いことが好ましい。取付孔14の内周面には、雌ネジ溝12aが形成されているネジ領域12と、雌ネジ溝12aが形成されていない平滑な非ネジ面13aでなる非ネジ領域13と、を有する。
【0021】
この場合、取付孔14は、開口11からバット3内の所定位置までが非ネジ領域13となっており、非ネジ領域13からさらにバット3の中心部側に向かって所定位置までがネジ領域12となっている。取付孔14には、ネジ領域12と非ネジ領域13とに亘ってキュースティック用バンパー4が挿入され取り付けられる。
【0022】
(2)キュースティック用バンパーの構成
次に、キュースティック用バンパー4の構成について説明する。キュースティック用バンパー4は、取付孔14の内部に螺着可能なウェイトネジ9と、このウェイトネジ9に設けられた筒状体からなる圧入部22と、同じくウェイトネジ9に設けられたバンパー部23と、を有している。
図1に示すように、キュースティック用バンパー4は、開口11から取付孔14の内部に挿入され、ウェイトネジ9に設けられた雄ネジ溝21が取付孔14内のネジ領域12の雌ネジ溝12aと螺合しながら取付孔14内に向かって挿入(図中のX方向に向かって移動)する。なお、
図1中、矢線で示すX方向は、キュースティック用バンパー4をキュースティック本体5に挿入する挿入方向を示す。矢線で示す-X方向は、キュースティック用バンパー4をキュースティック本体5から引き抜く方向を示す。
【0023】
キュースティック用バンパー4は、キュースティック本体5への取り付け時、ウェイトネジ9に設けられたネジ体20及び圧入部22が取付孔14の内部に位置し、ウェイトネジ9に設けられたバンパー部23が取付孔14の外部に位置した状態でキュースティック本体5の基端部3bに取り付けられる。キュースティック1は、所定の重さのウェイトネジ9を有するキュースティック用バンパー4が取付孔14に取り付けられることにより、キュースティック用バンパー4の重量が加わり、キュースティック1全体の重量を調整することができるとともに、キュースティック1の重心(バランス)を調整することができる。
【0024】
図2は、
図1に示すキュースティック用バンパー4をネジ体20の側から見たときの構成を示す斜視図である。
図3は、キュースティック用バンパー4をバンパー部23の側から見たときの構成を示す斜視図である。また、
図4は、キュースティック用バンパー4の縦断面構成を示す縦断面図である。
図2及び
図4中、Aはネジ体20の回転軸を示しており、以下、ネジ体20の回転軸の方向を「軸方向A」と称する。
【0025】
ウェイトネジ9は、アルミ製部材、或いは、アルミ製部材よりも重量が重いスチール製部材等の種々の金属製部材により形成されており、当該金属製部材の種類や、後述するネジ体20の長さを変えることでキュースティック用バンパー4を所定の重量に調整し得る。
図2、
図3及び
図4に示すように、ウェイトネジ9は、ネジ体20と、ネジ体20に連設された胴部40と、胴部40に連設されたネジ頭部42と、を備えている。ネジ体20は、円柱状に形成され、取付孔14の内部に螺着可能な雄ネジ溝21が外周面に形成されている。
【0026】
胴部40は、ネジ体20の基端部に連設されており、ネジ体20とネジ頭部42との間に設けられている。胴部40には、雄ネジ溝21が形成されておらず、取付孔14に圧入される圧入部22が摺動可能に設けられている。本実施形態に係る胴部40は、径の異なる複数の部位を有している。胴部40は、ネジ体20に連設する円柱状の連設部45と、当該連設部45よりも径が大きい円柱状の拡径部48とを有し、連設部45と拡径部48とがテーパ部47により連設された構成を有する。
【0027】
胴部40の連設部45は、一端にネジ体20が連設され、他端にテーパ部47を介して拡径部48が連設されている。また、連設部45には、外周面の所定位置に周方向に沿って、径方向外側に張り出した環状の張出部24が設けられている。張出部24は、連設部45と一体成形されており、金属製部材により形成されている。
【0028】
本実施形態に係る張出部24は、連設部45と連設した拡径部48よりも径方向外側に張り出している。
図4に示すように、張出部24の外径をR3とし、拡径部48の外径をR2とした場合、張出部24の外径R3が拡径部48の外径R2よりも大きいことが望ましい(R3>R2)。
【0029】
拡径部48は、外周面に凹凸がなく滑らかな面となっており、筒状体の圧入部22の内周面に当該外周面が摺動自在に設けられている。なお、拡径部48は、連設部45から次第に拡径してゆくテーパ部47を介して連設部45と一体成形されており、金属製部材により形成されている。
【0030】
ネジ頭部42は、胴部40と一体成形されており、金属製部材により形成されている。本実施形態に係るネジ頭部42は、ネジ頭本体部42aと、ネジ頭本体部42aの一端に設けられた拡径端部26と、ネジ頭本体部42aの他端に設けられた環状の当接部25と、を有し、例えば、六角レンチ等の取付工具が係合可能な係合孔36が、拡径端部26、ネジ頭本体部42a及び当接部25に亘って軸方向に形成されている。
【0031】
この場合、ネジ頭本体部42aは、円筒状に形成されており、軸方向Aに沿って一端から他端まで厚みを貫通する係合孔36が穿設されている。当接部25は、中心部に係合孔36が穿設された円環状からなり、ネジ頭本体部42aの一端に一体形成されている。当接部25は、外径がネジ頭本体部42aの外径よりも大きく選定され、外周面がネジ頭本体部42aの外周面よりも径方向外側に突出するように形成されている。また、当接部25は、外径が胴部40の拡径部48の外径よりも大きく選定されており、当該胴部40に設けられた圧入部22が、当該胴部40と連設している側の端面25aに当接し、当該圧入部22を位置決めし得る。
【0032】
ネジ頭部42の拡径端部26は、中心部に係合孔36が穿設された円環状からなり、ネジ頭本体部42aの他端に一体形成されている。拡径端部26は、外径がネジ頭本体部42aの外径よりも大きく選定され、外周面がネジ頭本体部42aの外周面よりも径方向外側に突出するように形成されている。これにより、ネジ頭部42には、当接部25及び拡径端部26よりも径が小さいネジ頭本体部42aが、当接部25及び拡径端部26の間に配置され、外周面に凹部25bが形成されている。
【0033】
胴部40に設けられる圧入部22は、例えば、ゴム等の弾性部材からなり、キュースティック本体5の取付孔14の開口11から取付孔14の内部に圧入可能に形成されている。この場合、圧入部22は、円筒状体であり、軸方向Aに沿って厚みを貫通した挿通孔22eが穿設されている。圧入部22は、ネジ体20の側に位置する一方の端部22bと、当該端部22bと対向配置され、かつネジ頭部42の側に位置する他方の端部22cとを有し、一方の端部22bの外周縁に沿って角部を削ったテーパ面22dを有する。
【0034】
また、圧入部22は、外径R4が取付孔14の内径R5(
図7)と等しいか、或いは、取付孔14の内径R5よりも僅かに大きく選定されており(R4≧R5)、圧入部22の弾性力に抗して取付孔14の内部に圧入可能に構成されている。
【0035】
これに加えて、圧入部22は、挿通孔22eの内径R1が、胴部40の外径R2に等しいか、或いは、胴部40の外径R2よりも僅かに小さく選定されており(R2≧R1)、圧入部22の弾性力に抗して挿通孔22eの内部に胴部40が圧入されている。これにより、圧入部22は、軸方向Aを回転軸とした周方向に一定以上の外力が加わると、胴部40の外周面において周方向に沿って摺動可能に構成されている。また、圧入部22は、軸方向Aに沿って挿入方向X又は引き抜き方向-Xに一定以上の外力が加わると、胴部40の外周面において軸方向Aに沿って摺動可能に構成されている。
【0036】
圧入部22は、圧入部22が胴部40の拡径部48に沿ってネジ頭部42側の方向(-X方向)に移動した場合、ネジ頭部42の側に位置する他方の端部22cが、ネジ頭部42における当接部25の端面25aに当接して位置決めされる。また、本実施形態に係る圧入部22は、挿通孔22eの内径R1が、胴部40における張出部24の外径R3よりも小さく選定されており(R3>R1)、圧入部22が胴部40の拡径部48に沿ってネジ体20側の方向(X方向)に移動した場合、径方向外側に向けて突出した張出部24に、ネジ体20の側に位置する一方の端部22bが当接可能に構成されている。
【0037】
バンパー部23は、例えば、ゴム等の弾性部材により円環状に形成されたバンパー本体部23aを有しており、ネジ頭部42を覆うようにしてバンパー本体部23aがネジ頭部42に固設されている。本実施形態に係るバンパー部23は、外周面に凹凸を有するネジ頭部42をバンパー本体部23aの内部に埋没させるように設けられ、当該バンパー本体部23aがネジ頭部42の凹凸に係ることで、強固に固設されている。
【0038】
本実施形態に係るバンパー本体部23aは、圧入部22よりも大径に形成され、バンパー本体部23aの一方に端面23bと、ネジ頭部42の当接部25の端面25aとが面一に形成されている。また、バンパー部23は、バンパー本体部23aが、ネジ頭部42の当接部25の周囲を囲むように配置されており、キュースティック用バンパー4がキュースティック本体5の基端部3bに取り付けられた際、当該基端部3bの面に沿ってバンパー本体部23aが隙間なく密着して配置され、キュースティック本体5との間の気密性を高く保つことができる。
【0039】
また、バンパー本体部23aには、一方の端面23bに対向配置された他方の端面23cにバンパー孔23dが穿設されており、
図3及び
図4に示すように、当該バンパー孔23dからウェイトネジ9の係合孔36が外部に露出している。
【0040】
(3)キュースティック用バンパーの取り付け方法
次に、キュースティック本体5の基端部3bにキュースティック用バンパー4を取り付ける、取り付け方法について説明する。この場合、
図5に示すように、キュースティック用バンパー4におけるウェイトネジ9のネジ体20を、バット3の取付孔14内に挿入する。
【0041】
次いで、キュースティック用バンパー4の係合孔36に係合可能な六角ボルト等の工具100を用意し、バンパー孔23dから係合孔36に工具100を挿入させて、当該工具100を係合孔36に係合させる。次いで、ネジ体20を取付孔14に螺着させる取り付け方向に工具100を回転させることによって、キュースティック用バンパー4のネジ体20を取付孔14内に螺着させる。このとき、キュースティック用バンパー4の圧入部22は、ネジ体20が取付孔14の内部に挿入されてゆくに従い、開口11から取付孔14の内部に次第に圧入されてゆく。
【0042】
圧入部22は、取付孔14内に圧入されてゆく際、取付孔14の内周面に押されて、ネジ頭部42の側に位置する他方の端部22cが、ネジ頭部42における当接部25の端面25aに当接して位置決めされる。また、圧入部22は、ネジ体20が取付孔14内に挿入されてゆく際に、ウェイトネジ9の胴部40及び取付孔14の内周面から一定以上の外力が与えられると、それぞれ与えられる外力に応じて、挿通孔22e内においてウェイトネジ9の胴部40を周方向に摺動させることができる。
【0043】
これにより、圧入部22は、挿通孔22eの内部で胴部40を周方向に摺動させながら、ネジ体20を取付孔14に螺着される取り付け方向に回転させることができる。圧入部22は、ネジ体20が取付孔14に挿入されてゆくに従い取付孔14に近づいてゆく当接部25に押されて、取付孔14の内部に圧入されてゆく。この際、圧入部22は、取付孔14の内部で周方向に回転することなく取付孔14の内部に次第に圧入されてゆくか、或いは、ネジ体20の回転に追従して回転しながら取付孔14の内部に次第に圧入されてゆく。
【0044】
なお、このような本実施形態に対し、例えば、圧入部22とバンパー部23とが一体的に形成され、かつ、ウェイトネジ9に圧入部22及びバンパー部23が固設されているキュースティック用バンパー(以下、比較例のキュースティック用バンパーとも称する)とした場合には、取付孔14内でウェイトネジ9を回転させると、ウェイトネジ9とともに圧入部22もウェイトネジ9と同じに回転しようとする。
そのため、静止しているウェイトネジ9を回転させ始めるためには、ウェイトネジ9のネジ体20を回転させる力に加え、取付孔14の内周面に沿って圧入部22の外周面を摺動させる力も必要となる。圧入部22で取付孔14を密閉するために圧入部22が強い力で取付孔14に圧入されている分、キュースティック用バンパーに対して強い回転力を与える必要がある。この場合、ウェイトネジ9及び圧入部22の両方を同時に回転させるために大きな力が必要となり、取り付け作業時の負担が大きいという問題がある。
また、このような比較例のキュースティック用バンパーでは、ウェイトネジ9を回転させる際に過剰な力が加わると、その分、圧入部22にも大きな負荷が加わってしまい、取付孔14の内周面に摺動する圧入部22を損傷させてしまう恐れがある。
【0045】
これに対して、本実施形態に係るキュースティック用バンパー4は、ウェイトネジ9の胴部40が圧入部22の挿通孔22eで摺動可能に構成されていることから、必ずしも、取付孔14の内周面に沿って圧入部22を摺動させる力を与えなくても、ウェイトネジ9のネジ体20を回転させることができる。例えば、本実施形態では、胴部40が挿通孔22e内で圧入される力を弱めつつ、圧入部22が強い力で取付孔14に圧入される構成とすることもできる。この場合、ウェイトネジ9及び圧入部22の両方を同時に回転させる力よりも小さい力で、静止しているウェイトネジ9を回転させ始めることができ、その分、取り付け作業時の負担を低減できる。
【0046】
また、キュースティック用バンパー4では、ウェイトネジ9を回転させる際に過剰な力がウェイトネジ9に加わっても、胴部40が圧入部22の挿通孔22e内で摺動して回転することから圧入部22に加わる力を分散させることができ、その分、圧入部22への負担を軽減し得、圧入部22の損傷を防止できる。特に、ネジ体20を螺着させてゆくことによりネジ頭部42が取付孔14に次第に近づいてゆくので、軸方向Aに肉厚な圧入部22を当該軸方向Aに沿って取付孔14の内部に押し込むような力を、ネジ頭部42から圧入部22に与えることができる。よって、胴部40からの回転力による不自然な歪を圧入部22に与えることなく、圧入部22への負担を軽減して取付孔14に圧入させてゆくことができる。
【0047】
このようにして、キュースティック用バンパー4は、
図6に示すように、取付孔14よりも大径のバンパー部23がキュースティック本体5の基端部3bに当接するまで、ネジ体20及び圧入部22が取付孔14内に挿入される。これにより、キュースティック用バンパー4をキュースティック本体5の基端部3bに取り付けることができる。
【0048】
図7は、キュースティック用バンパー4がキュースティック本体5の基端部3bに取り付けられたときの縦断面構成を示す縦断面図である。
図7に示すように、キュースティック用バンパー4は、挿入方向Xに向けて取付孔14に挿入され、取付孔14内のネジ領域12にウェイトネジ9のネジ体20が螺着され、キュースティック本体5の基端部3bに取り付けられる。このとき、キュースティック用バンパー4は、取付孔14の非ネジ領域13に、ウェイトネジ9の胴部40及び拡径部48と、圧入部22とが位置決めされる。
【0049】
キュースティック用バンパー4は、圧入部22が取付孔14の内周面に密着するとともに、取付孔14の開口11を閉塞するようにウェイトネジ9の当接部25及びバンパー部23が配置され、圧入部22、当接部25及びバンパー部23によって取付孔14を密閉する。このように、キュースティック用バンパー4は、キュースティック本体5の取付孔14にネジ体20を螺着させ、当該取付孔14の内部に圧入部22が圧入されることで、キュースティック本体5に対して遊動することなくキュースティック本体5に固定させることができる。
【0050】
(4)キュースティック用バンパーの取り外し方法
次に、キュースティック本体5の基端部3bからキュースティック用バンパー4を取り外す、取り外し方法について説明する。この場合、キュースティック本体5に取り付けられたキュースティック用バンパー4(
図6及び
図7)において、バンパー孔23dから係合孔36に工具100を挿入させ、当該工具100を係合孔36に係合させる。次いで、キュースティック用バンパー4の係合孔36に係合させた工具100を、取り付け時と反対方向(取り外し方向)に回転させることによって、取付孔14内でネジ体20を引き抜き方向-Xに向けて移動させてゆく。
【0051】
キュースティック用バンパー4では、ネジ体20が取付孔14の内部から外部に向けて抜去されてゆくに従い、圧入部22も取付孔14の開口11から次第に引き抜かれてゆく。ここで、
図8は、キュースティック用バンパー4がキュースティック本体5の基端部3bから取り外されている途中の様子を示す縦断面図である。
図8に示すように、キュースティック用バンパー4の圧入部22は、ネジ体20が取付孔14の内部から引き抜かれてゆくに従い、取付孔14の内部から次第に引き抜かれてゆく。
【0052】
キュースティック用バンパー4に係合させた工具100を取付孔14から取り外す方向に回転させると、圧入部22が取付孔14の内部に圧入されていることから、胴部40が圧入部22の挿通孔22aの内部でも周方向に摺動しながら、取付孔14に螺着されているネジ体20が取付孔14から取り外される方向に回転される。
【0053】
また、ネジ体20を取付孔14から引き抜く方向-Xに向けて移動させてゆくと、圧入部22が取付孔14の内部に圧入されていることから、圧入部22が取付孔14の内周面に引っ張られる。これにより、圧入部22の挿通孔22eの内部で胴部40が軸方向Aに摺動しながら、ネジ体20が取付孔14から外部に引き抜かれてゆく。これにより、バンパー部23もキュースティック本体5の基端部3bから次第に離隔してゆき、ウェイトネジ9の当接部25に当接していた圧入部22の端部22cが、当該バンパー部23から次第に離隔してゆく。
【0054】
さらにネジ体20が取付孔14の内部から引き抜かれてゆき、胴部40が圧入部22の挿通孔22eを摺動しながら取付孔d14から引き抜かれ、圧入部22の端部22cが当接部25から距離Lだけ軸方向Aに沿って離隔すると、圧入部22のネジ体20側の端部22bが、ウェイトネジ9の張出部24に当接し、張出部24の位置に圧入部22が位置決めされる。
【0055】
圧入部22は、ネジ体20が取付孔14から取り外す方向に回転されている際、張出部24が引き抜き方向-Xに移動してゆくことで、張出部24に押されて取付孔14から引き抜かれてゆく。この際、圧入部22は、取付孔14の内部で周方向に回転することなく張出部24に押されて取付孔14から引き抜かれてゆくか、或いは、ネジ体20の回転に追従して回転しながら張出部24に押されて取付孔14から引き抜かれてゆく。
【0056】
なお、このような本実施形態に対し、例えば、圧入部22とバンパー部23とが一体的に形成され、かつ、ウェイトネジ9に圧入部22及びバンパー部23が固設されている比較例のキュースティック用バンパーでは、キュースティック本体5から取り外す際にも、取付孔14内でウェイトネジ9を回転させると、ウェイトネジ9とともに圧入部22もウェイトネジ9と同じに回転しようとする。
そのため、取り外し時にも、静止しているウェイトネジ9を回転させ始めるためには、ウェイトネジ9のネジ体20を回転させる力に加え、取付孔14の内周面に沿って圧入部22の外周面を摺動させる力も必要となり、取り外し作業時の負担が大きいという問題がある。
また、このような比較例のキュースティック用バンパーでは、取り外し時にも、ウェイトネジ9を回転させる際に過剰な力が加わると、その分、圧入部22にも大きな力が加わってしまい、取付孔14の内周面に摺動する圧入部22を損傷させてしまう恐れがある。
【0057】
これに対して、本実施形態に係るキュースティック用バンパー4は、ウェイトネジ9の胴部40が圧入部22の挿通孔22eで摺動可能に構成されていることから、取り外し時にも、取付孔14の内周面に沿って圧入部22を摺動させる力を与えなくても、ウェイトネジ9のネジ体20を回転させることができる。よって、取り外し時でも、ウェイトネジ9及び圧入部22の両方を同時に回転させる力よりも小さい力で、静止しているウェイトネジ9を回転させ始めることができ、その分、取り外し作業時の負担を低減できる。
【0058】
また、キュースティック用バンパー4では、取り外し時も、ウェイトネジ9を回転させる際に過剰な力がウェイトネジ9に加わっても、胴部40が圧入部22の挿通孔22e内で摺動して回転することから圧入部22に加わる力を分散させることができ、その分、圧入部22への負担を軽減し得、圧入部22の損傷を防止できる。
【0059】
このようにして、キュースティック用バンパー4は、ネジ体20及び圧入部22を取付孔14内から引き抜くことができ、キュースティック用バンパー4をキュースティック本体5の基端部3bから取り外すことができる。
【0060】
(5)キュースティックの重さ及び重心の調整方法
次に、キュースティック用バンパー4を用いてキュースティック1の重さ及び重心を調整する方法について説明する。
図9は、例えば、ネジ体20a、20b、20c、20d、20eの軸方向Aの長さをそれぞれ変えて重量を変えた5つのキュースティック用バンパー4a、4b、4c、4d、4eを示している。
図9に示す例では、キュースティック用バンパー4a、4b、4c、4d、4eは、いずれもネジ体20a、20b、20c、20d、20eの長さがそれぞれ異なるだけで、ネジ体20a、20b、20c、20d、20eの材質及び外径が同じである他、その他の圧入部22及びバンパー部23の材質及び形状も同じであり、ネジ体20a、20b、20c、20d、20eの長さが長いほど重くなっている。
【0061】
例えば、キュースティック用バンパー4a、4b、4c、4d、4eのうち、キュースティック用バンパー4aは、ネジ体20aの長さが最も短く、これら5つのキュースティック用バンパー4a、4b、4c、4d、4eの中で最も軽い重量となる。一方、キュースティック用バンパー4a、4b、4c、4d、4eのうち、キュースティック用バンパー4eは、ネジ体20eの長さが最も長く、これら5つのキュースティック用バンパー4a、4b、4c、4d、4eの中で最も重い重量となる。
【0062】
キュースティック1は、プレイヤーの好みや用途に応じて、キュースティック用バンパー4a、4b、4c、4d、4eの中から、例えば、キュースティック用バンパー4a等を選択してキュースティック本体5の基端部3bに取り付けることでキュースティック1の重さや重心を調整し得る。
【0063】
なお、本実施形態においては、ネジ体20a、20b、20c、20d、20eの材質を同じとして、単に、ネジ体20a、20b、20c、20d、20eの軸方向Aの長さを変えてキュースティック用バンパー4a、4b、4c、4d、4eの重量を変えた場合について説明したが、本発明はこれに限らない。例えば、ネジ体20a、20b、20c、20d、20eの長さを変えると同時に材質も変えて、キュースティック用バンパー4a、4b、4c、4d、4eの重量を変えるようにしてもよく、また、ネジ体20の軸方向Aの長さを同じとしてウェイトネジ9の材質を変えることでキュースティック用バンパー4の重量を変えるようにしてもよい。
【0064】
(6)作用及び効果
以上の構成において、キュースティック用バンパー4は、キュースティック本体5の取付孔14の内部に螺着可能なウェイトネジ9と、挿通孔22eにウェイトネジ9の胴部40が摺動可能に設けられた圧入部22と、圧入部22とは別体でなりウェイトネジ9のネジ頭部42に固設されたバンパー部23と、を有する構成とした。
【0065】
これにより、キュースティック用バンパー4は、ウェイトネジ9に圧入部22及びバンパー部23を設けることで、ウェイトネジ9とともに圧入部22及びバンパー部23も一緒に取付孔14に取り付け、又は、取り外すことができるので、キュースティック用バンパー4の交換作業が容易となり、その分、キュースティック本体5の重さや重心を従来よりも簡単に調整することができる。
【0066】
また、キュースティック用バンパー4は、ウェイトネジ9の胴部40から圧入部22に一定以上の外力が加わると、胴部40が圧入部22の挿通孔22e内で摺動し得ることから、ウェイトネジ9から圧入部22に過剰に外力が加わることを抑制し得、圧入部22への負担を低減し得る。
【0067】
取付孔14にキュースティック用バンパー4を取り付ける際には、バンパー部23及びネジ頭部42に圧入部22の端部22cが当接して位置決めされる。そして、ネジ体20が取付孔14に螺着させる取り付け方向に回転されると、胴部40が挿通孔22eの内部で周方向に摺動しながらネジ体20が取付孔14の内部に挿入されてゆく。また、ネジ頭部42が取付孔14に近づくことで、圧入部22が当接部25に押されて取付孔14の内部に圧入されてゆく。
【0068】
これにより、取付孔14にキュースティック用バンパー4を取り付ける際、ウェイトネジ9とともに圧入部22及びバンパー部23も一緒に取付孔14に取り付けることができるので、キュースティック用バンパー4の交換作業が容易となる。また、取付孔14にキュースティック用バンパー4を取り付ける際、胴部40が圧入部22の挿通孔22e内で摺動し得ることから、ウェイトネジ9から圧入部22に過剰に外力が加わることを抑制し得、圧入部22への負担を低減し得る。
【0069】
取付孔14に取り付けられたキュースティック用バンパー4を取付孔14から取り外す際には、取付孔14に螺着されているネジ体20が取付孔14から取り外される方向に回転されると、胴部40が挿通孔22eの内部で胴部40の軸方向A及び周方向に摺動しながらネジ体20が取付孔14から引き抜かれてゆく。また、ネジ体20が取付孔14から引き抜かれてゆくのに伴い、バンパー部23が取付孔14から遠ざかってゆき、圧入部22がバンパー部23から離隔して取付孔14から圧入部22が引き抜かれる。
【0070】
これにより、取付孔14からキュースティック用バンパー4を取り外す際、ウェイトネジ9とともに圧入部22及びバンパー部23も一緒に取付孔14から取り外すことができるので、キュースティック用バンパー4の交換作業が容易となる。また、取付孔14からキュースティック用バンパー4を取り外す際、胴部40が圧入部22の挿通孔22e内で摺動し得ることから、ウェイトネジ9から圧入部22に過剰に外力が加わることを抑制し得、圧入部22への負担を低減し得る。
【0071】
(7)他の実施形態
なお、上述した実施形態においては、胴部40が圧入部22の挿通孔22eの内部で胴部40の軸方向A及び周方向に摺動可能に設けられるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば、胴部40が圧入部22の挿通孔22eの内部で胴部40の軸方向A又は周方向のいずれかに摺動可能に設けられるようにしてもよい。
【0072】
また、上述した実施形態においては、取付孔14にキュースティック用バンパー4を取り付ける際、ネジ頭部42に設けた当接部25に、圧入部22の端部22cが当接して位置決めされるようにしたが、本発明はこれに限らない。例えば、ネジ頭部42をバンパー部23に埋没させて、バンパー部23に圧入部22の端部22cが当接する当接部を設ける構成としてもよい。この場合、取付孔14にキュースティック用バンパー4を取り付ける際、バンパー部23の当接部に圧入部22の端部22cが当接して位置決めされ、圧入部22が当接部に押されて取付孔14の内部に圧入されてゆく。
【符号の説明】
【0073】
1 キュースティック
3b 基端部
4、4a、4b、4c、4d、4e キュースティック用バンパー
5 キュースティック本体
9 ウェイトネジ
14 取付孔
20、20a、20b、20c、20d、20e ネジ体
22 圧入部
22e 挿通孔
23 バンパー部
24 張出部
40 胴部
42 ネジ頭部