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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023023957
(43)【公開日】2023-02-16
(54)【発明の名称】障子
(51)【国際特許分類】
   E06B 3/26 20060101AFI20230209BHJP
   E06B 1/18 20060101ALI20230209BHJP
【FI】
E06B3/26
E06B1/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021129954
(22)【出願日】2021-08-06
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】福井 直人
(72)【発明者】
【氏名】蜂谷 拓平
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 志朗
【テーマコード(参考)】
2E014
【Fターム(参考)】
2E014AA03
2E014BA01
2E014BA08
2E014BB01
2E014BD06
(57)【要約】
【課題】断熱性能の有無に関わらず共通した部材を使用可能な障子を提供すること。
【解決手段】断熱性能が異なる複数種類の障子10、10Aの中から選択される障子10、10Aであって、障子10、10Aは、枠組みされる框3と、框3の内周に配置される面材4と、を有し、複数種類の障子10、10Aは、断熱部6を有する断熱框300を含む断熱障子10と、断熱框300を有さない非断熱障子10Aと、を含み、框の3框本体の外側の形状が互いに同一となるように形成される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
断熱性能が異なる複数種類の障子の中から選択される障子であって、
前記障子は、枠組みされる框と、前記框の内周に配置される面材と、を有し、
前記複数種類の障子は、断熱部を有する断熱框を含む断熱障子と、前記断熱框を有さない非断熱障子と、を含み、
前記框の框本体の外側の形状が互いに同一となるように形成される、障子。
【請求項2】
前記框は、前記框本体の上端及び下端に挿入して取付けられるキャップ部材を有し、
前記断熱障子の前記框本体と、前記非断熱障子の前記框本体とは、同一形状の前記キャップ部材を受け入れ可能な内側の形状を有する、請求項1に記載の障子。
【請求項3】
枠体と、前記枠体の内周に配置される請求項1又は2に記載の障子と、を備える建具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、障子に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、障子の框の一部を樹脂により構成し、断熱性能を向上させることが知られている(例えば、特許文献1参照)。障子は、建具が設置される地域の気候によって、断熱性能を有するものや、断熱性能を有さないものがある。障子は、框と、框内に配置される面材と、を備えており、断熱性能の違いによって、框や面材等の形状や納まりが異なる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-01636号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
断熱性能が異なる障子ごとに障子を構成する框体等の形状を変更すると、変更に応じて障子を納める枠体や框内に設ける部品等の種類が増え、製造コストが上昇する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、断熱性能が異なる複数種類の障子の中から選択される障子であって、前記障子は、枠組みされる框と、前記框の内周に配置される面材と、を有し、前記複数種類の障子は、断熱部を有する断熱框を含む断熱障子と、前記断熱框を含まない非断熱障子と、を含み、框の框本体の外側の形状が互いに同一となるように形成される、障子に関する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1実施形態の引き違い窓を室内側から視た正面図である。
図2】第1実施形態の断熱框を有する引き違い窓の縦断面図である。
図3】第1実施形態の断熱框を有する引き違い窓の横断面図である。
図4A】第1実施形態の引き違い窓の内召し合せ框の展開図である。
図4B】第1実施形態の上部キャップ部材を下から視た斜視図である。
図5A】第1実施形態の断熱框の上部キャップ部材及び内召し合せ框の平面図である。
図5B】第1実施形態の断熱框の下部キャップ部材及び内召し合せ框の底面図である。
図6】第1実施形態の非断熱框を有する引き違い窓の縦断面図である。
図7】第1実施形態の非断熱框を有する引き違い窓の横断面図である。
図8A】第1実施形態の非断熱框の上部キャップ部材及び内召し合せ框の平面図である。
図8B】第1実施形態の非断熱框の下部キャップ部材及び内召し合せ框の底面図である。
図9】第2実施形態の縦すべり出し窓を室内側から視た正面図である。
図10】第2実施形態の断熱框を有する縦すべり出し窓の縦断面図である。
図11】第2実施形態の断熱框を有する縦すべり出し窓の横断面図である。
図12A】第2実施形態の戸先側の縦框に設けられるキャップ部材の斜視図である。
図12B】第2実施形態の戸先側のキャップ部材及び断熱框の縦框本体の平面図である。
図13A】第2実施形態の吊元側の縦框に設けられるキャップ部材の斜視図である。
図13B】第2実施形態の吊元側のキャップ部材及び断熱框の縦框本体の平面図である。
図14】第2実施形態の非断熱框を有する縦すべり出し窓の縦断面図である。
図15】第2実施形態の非断熱框を有する縦すべり出し窓の横断面図である。
図16】第2実施形態の戸先側のキャップ部材及び非断熱框の縦框本体の平面図である。
図17】第2実施形態の吊元側のキャップ部材及び非断熱框の縦框本体の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本開示の第1実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。第1実施形態に係る建具は、引き違い窓1、1Aである。引き違い窓1は、枠体2と、図2及び図3に示す断熱部を有する障子10を有し、断熱性能を有する。引き違い窓1Aは、枠体2と、図6及び図7に示す断熱部を有さない障子10Aとを有し、特段の断熱性能をもたらす追加的な構成を有さない。引き違い窓1、1Aは、このように同一の形状の枠体2内に断熱性能の異なる複数種類の障子10、10Aを有するように構成される。
【0008】
本明細書において、「見付方向」とは、建物の壁に形成された開口部に納められた引き違い窓1における正面視の左右方向を意味し、「見込方向」とは、室外側と室内側を結ぶ奥行方向を意味する。
【0009】
引き違い窓1は、建物躯体の開口部に取り付けられる枠体2と、枠体2の内側に配置される障子10と、障子10の外側に配置される1枚の網戸130(図2参照)を有する。
【0010】
枠体2は、図1に示すように、上枠21、下枠22及び左右一対の縦枠23を矩形に枠組みすることによって構成される。上枠21、下枠、及び一対の縦枠23は、それぞれが長尺の型材で構成される。上枠21は、枠体2の上部で左右方向に延び、下枠22は、枠体2の下部で左右方向に延び、一対の縦枠23は、上枠21及び下枠22の両端部を接続するように上下方向に延びる。枠体2の室内側には、開口部に沿って内額縁9が配置されている。
【0011】
上枠21は、図2に示すように、下方に向かって突出し、上枠21の延びる方向に沿って延びるレール部211と、網戸レール213と、を有する。下枠22は、上方に向かって突出し、下枠22の延びる方向に沿って延びるレール部221と、網戸レール223とを有する。
【0012】
網戸130は、上枠21及び下枠22の網戸レール213,223に左右方向に移動可能に係合している。
【0013】
障子10は、図2に示すように、枠体2の室外側に配置される外障子110と、外障子110の室内側に配置される内障子120を有する。外障子110及び内障子120は、それぞれ枠体2の内周側に配置され、矩形に枠組みされる框3と、框3の内周に配置される面材としてのガラス4と、を有する。ガラス4は、3枚のガラス材が重ねられた複層ガラスがセッティングブロック41で担持され、框3内に嵌め込まれている。
【0014】
框3は、上框31、下框32及び縦框33と、キャップ部材5と、断熱部6と、を有し、枠体2内を移動可能に配置される。框3は、断熱框300と、非断熱框301とを有し、引き違い窓1は断熱框300を、引き違い窓1Aは非断熱框301を有する。框3は、框3が断熱部6を有することによって断熱框となり、障子10が断熱性能を有するものとなっている。断熱框300を有する障子10は、断熱障子10である。断熱框300を有さず、非断熱框301を有する障子10Aは、非断熱障子10Aである。
【0015】
上框31は、図2に示すように、金属製の框本体としての上框本体311と、樹脂製の樹脂カバーとしての上框樹脂カバー312と、ガラス保持部313と、を有する。上框本体311は、枠体2の上部で見付方向に沿って延びる長尺の部材である。上框本体311は、上枠21に係合する上框本体上部3111と、ガラス4の外周縁へ延びる上框本体下部3112と、断熱部材係止部3113と、を有する。上框本体上部3111は、断面視略四角形の形状を有し、上部に上枠21のレール部211に係合可能な開口部を有する。
上框本体上部3111の室外側の面3111aは、上框31の室外側の面の一部をなし、室内側の面3111bは、上框樹脂カバー312に覆われる。
【0016】
上框本体下部3112は、上框本体上部3111の下方で上框本体上部3111から連続して下方に延びる部分である。上框本体下部3112は、ガラス4の外周側の端部に沿う。
【0017】
断熱部材係止部3113は、上框本体上部3111と上框本体下部3112の間に配置され、上框31の見込方向に延びる。断熱部材係止部3113は、断熱部6の一部を構成する。断熱部材係止部3113は、上框本体311の室外側から室内側に延びる突起3113aと、上框本体311の室内側から室外側に延びる突起3113bが間に隙間を空けて向かい合うとともに、それぞれの突起3113a、3113bの先端が断面視略コの字状に形成されて、後述する断熱部材61を間に保持可能に形成されている。
【0018】
上框樹脂カバー312は、上框本体311の室内側の面を覆うように配置される。上框樹脂カバー312は、カバー本体3121と、係合部3122a、3122bと、を有する。カバー本体3121は、上框31の室内側で上端から下端まで延びている。カバー本体3121の下部は、上框本体311の上框本体下部3112に対向して延びている。係合部3122a、3121bは、上框本体上部3111の室内側の面3111bの上端と下端に係合するように、上框樹脂カバー312のカバー本体3121から室外側へ突出する。係合部3122aは、上框本体上部3111の室内側の面3111bの上端を乗り越えてから下方に向かって屈曲している。係合部3122bは、カバー本体3121における上下方向の略中央部よりも下側から室外側へ延びて、上框本体上部3111の室内側の面3111bの下端を乗り越えてから上方に向かって屈曲している。
【0019】
ガラス保持部313は、上框本体下部3112と、断熱部材係止部3113と、上框樹脂カバー312のカバー本体3121の下方との間に形成される。ガラス保持部313は、図2に示すように、断面視で下方が開口した略コの字状に形成されており、コの字の開口内にガラス4が挿入されて保持される。
【0020】
下框32は、図2に示すように、金属製の框本体としての下框本体321と、樹脂製の樹脂カバーとしての下框樹脂カバー322と、ガラス保持部323と、を有する。下框本体321は、枠体2の下部で見付方向に沿って延びる長尺の部材である。下框本体321は、下枠22に係合する下框本体下部3211と、ガラス4の外周縁へ延びる下框本体上部3212と、を有する。下框本体下部3211は、断面視略四角形に形成され、下部に下枠22のレール部221を配置可能な開口部を有する。下框本体下部3211の内部は中空に構成され、レール部221に沿って移動する戸車324が配置されている。戸車324は、下框本体下部3211の開口部から挿入されたレール部221に係合する。下框本体下部3211の室外側の面3211aは、下框32の室外側の面の一部をなし、室内側の面3211bは、下框樹脂カバー322に覆われる。
【0021】
下框本体上部3212は、下框本体下部3211の上方で下框本体下部3211から連続して上方に延びる部分である。下框本体上部3212は、ガラス4の外周側の端部に沿う。
【0022】
下框樹脂カバー322は、下框本体321の室内側の面を覆うように配置される。下框樹脂カバー322は、カバー本体3221と、係合部3222a、3222bと、を有する。カバー本体3221は、下框32の室内側で下端から上端まで延びている。カバー本体3221の上部は、下框本体321の下框本体上部3212に対向して延びている。係合部3222a、3222bは、下框本体下部3211の室内側の面3211bの上端と下端に係止するように、下框樹脂カバー322のカバー本体3221から室外側へ突出する。係合部3222aは、カバー本体3221における上下方向の略中央部よりも上側から室外側へ延び、下框本体下部3211の室内側の面3111bの上端を乗り越えてから下方に向かって屈曲している。係合部3222bは、下框本体下部3211の室内側の面3211bの下端を室外側へ越えてから上方に向かって屈曲している。
【0023】
ガラス保持部323は、下框本体下部3211と、下框本体321の見込方向に延びる面と、下框樹脂カバー322のカバー本体3221の上部との間に形成される。ガラス保持部323は、図2に示すように、断面視で上方が開口した略コの字状に形成されており、コの字の開口内にガラス4が挿入されて保持される。
【0024】
縦框33は、図3に示すように、外障子110における縦枠23に沿って上下方向に延びる外障子縦框331と、外障子110における内障子120と重なる部分に配置されて上下方向に延びる外召し合せ框332と、内障子120における縦枠23に沿って上下方向に延びる内障子縦框333と、外召し合せ框332の室内側に配置される内召し合せ框334と、を有する。
【0025】
外障子縦框331及び内障子縦框333は、縦枠23の内周側に固定される。外障子縦框331及び内障子縦框333は、それぞれ、金属製の框本体としての縦框本体335と、樹脂製の樹脂カバーとしての縦框樹脂カバー336と、ガラス保持部3356と、を有する。縦框本体335は、ホロー構造部3351と、室外側面3352と、断熱部材係止部3353と、を有する。
【0026】
ホロー構造部3351は、外障子縦框331及び内障子縦框333の室外側に配置され、断面視略四角形に形成される。ホロー構造部3351は、後述する縦框樹脂カバー336が係合するための係合凹部3351a、3351bを有する。係合凹部3351aは、ホロー構造部3351の室内側の面におけるガラス4側の端部に配置される。係合凹部3351bは、ホロー構造部3351の縦枠23側の側面が縦枠23側に突出するように構成されており、この突出した部分の室外側に形成されている。
【0027】
室外側面3352は、ホロー構造部3351の室外側に延びるとともに、ホロー構造部3351の室外側面から突出してガラス4側及び枠体2側へ延びている。室外側面3352のガラス4側は、ガラス4の外周側の端部に当接する。
【0028】
断熱部材係止部3353は、ホロー構造部3351の見付方向における縦枠23側とガラス4側の両側で、見込方向に延びる面に形成される。断熱部材係止部3353は、断熱部6の一部を構成する。断熱部材係止部3533は、ホロー構造部3351の室外側から室内側に延びる突起3353aと、ホロー構造部3351の室内側から室外側に延びる突起3353bが間に隙間を空けて向かい合うとともに、それぞれの突起3353a、3353bの先端が断面視略コの字状に形成されて、後述する断熱部材61を間に保持可能に形成されている。
【0029】
縦框樹脂カバー336は、縦框本体335の室内側の面を覆うように配置される。縦框樹脂カバー336は、室内側面3361と、側部カバー片3362と、係合部3363a、3363bと、を有する。室内側面3361は、ホロー構造部3351の室内側の面を覆うとともに、ガラス4の外縁側の端部に沿う。側部カバー片3362は、室内側面3361の縦枠23側の端部から屈曲してホロー構造部3351の縦枠23側で見込外方向に延びる面の室外側を覆う。係合部3363aは、室内側面3361における室外側から突出し、ホロー構造部3351の係合凹部3351aに係合する。係合部3363bは、側部カバー片3362の室外側の端部から突出して、ホロー構造部3351の係合凹部3351bに係合する。
【0030】
ガラス保持部3356は、室外側面3352と、縦框本体335におけるホロー構造部3351のガラス4側の部分と、縦框樹脂カバー336の室内側面3361と、の間に形成される。ガラス保持部3356は、断面視で框3の内周側が開口した略コの字状に形成されており、コの字の開口内にガラス4が挿入されて保持される。
【0031】
外召し合せ框332は、外障子縦框331の見付方向に対向して配置され、引き違い窓1の正面視における左右方向の略中央部に配置される。外召し合せ框332は、金属製の外召し合せ框本体3321と、樹脂製の樹脂カバーとしての外召し合せ框樹脂カバー3322と、ガラス保持部3326と、を有する。
【0032】
外召し合せ框本体3321は、ホロー構造部3323と、室外側面3324と、樹脂カバー係止部3325と、を有する。ホロー構造部3323は、断面視略四角形に形成される。室外側面3324は、ホロー構造部3323の室外側面を構成するとともに、ホロー構造部3323のガラス4側の端部を越えてガラス4側に延びる。樹脂カバー係止部3325は、ホロー構造部3323の室内側におけるガラス4側の角がホロー構造部3323の内部方向に窪んだ部分である。
【0033】
外召し合せ框樹脂カバー3322は、外召し合せ框本体3321の室内側に配置される。外召し合せ框樹脂カバー3322は、係合部3322aと、ガラス側延出部3322bと、を有する。係合部3322aは、外召し合せ框本体3321のホロー構造部3323に形成された樹脂カバー係止部3325に挿入される。ガラス側延出部3322bは係合部3322aから略直角に屈曲するように連続して形成される。
【0034】
ガラス保持部3326は、外召し合せ框本体3321の室外側面3324と、ホロー構造部3323のガラス4の面と、外召し合せ框樹脂カバー3322の係合部3322aのガラス側の部分及びガラス側延出部3322bとにより、断面視で框3の内周側が開口した略コの字状のガラス保持部3326が形成される。ガラス保持部3356のコの字の開口内に、ガラス4が挿入されて保持される。
【0035】
内召し合せ框334は、内障子縦框333の見付方向に対向するとともに、外召し合せ框332の室内側に重なるように配置される。内召し合せ框334は、金属製の框本体としての内召し合せ框本体337と、樹脂製の樹脂カバーとしての内召し合せ框樹脂カバー338と、ガラス保持部339と、を有する。
【0036】
内召し合せ框本体337は、ホロー構造部3370と、ガラス側延出部3375と、断熱部材係止部3377と、を有する。ホロー構造部3370は、見込方向が縦に長く、内側に3室に分割された中空部を有する。具体的には、ホロー構造部3370は、室内側から順に第1ホロー部3371、第2ホロー部3372、及び第3ホロー部3373を有し、それぞれの間に見付方向に延びる隔壁3374で隔てられている。図3に示すように、第1ホロー部3371及び第2ホロー部3372の見付方向の幅は同じである。第3ホロー部3373の見付方向の幅は、第1ホロー部3371及び第2ホロー部3372の幅よりも大きい。第1ホロー部3371、第2ホロー部3372、第3ホロー部3373の見込方向の寸法は、第1ホロー部3371が最も小さく、第3ホロー部3373の見込方向の寸法が最も大きい。第2ホロー部3372には、その見付方向の一方及び他方の側壁から内側に突出するキャップ部材係止凸部3372aが形成されている。
【0037】
ホロー構造部3370は、後述する内召し合せ框樹脂カバー338を係止するための突起3371aと、係合凹部3373aと、を有する。突起3371aは、第1ホロー部3371の室外側の面の見付方向におけるガラス4と反対側の端部に配置され、室外側に突出して形成される。係合凹部3373aは、第2ホロー部3372と第3ホロー部3373との見付方向の寸法が異なるために、第3ホロー部3373の方がガラス4側へはみ出た部分に、見込方向に窪むように形成された部分である。
【0038】
ガラス側延出部3375は、ホロー構造部3370の室外側で、ガラス4側の端部を越えてガラス4側に延びる。
【0039】
断熱部材係止部3377は、断熱部6の一部を構成する。断熱部材係止部3377は、第1ホロー部3371の室外側の面と、ガラス4側の見込方向の部分と、の二箇所に、互いが略直交する方向に延びるように形成される。第1ホロー部3371の室外側の面では、見付方向のガラス4側から見付方向外側に延びる突起3371aと、見付方向外側からガラス4側に延びる突起3371bとが、間に隙間を空けて向かい合うとともに、それぞれの突起3371a、3371bの先端が断面視略コの字状に形成されて、後述する断熱部材61を間に保持可能に形成されている。第1ホロー部3371のガラス4側の見込方向の部分では、室外側から室内側に延びる突起3371cと、室内側から室外側に延びる突起3371dとが、間に隙間を空けて向かい合うとともに、それぞれの突起3371c、突起3371dの先端が断面視略コの字状に形成されて、後述する断熱部材61を間に保持可能に形成されている。
【0040】
内召し合せ框樹脂カバー338は、第3ホロー部3373のガラス4側で見込方向に延びる面と、この面に対向して見込方向に延びるホロー構造部3370の面の全体と、第3ホロー部3373の室内側の面と、の三方の外周部を覆う。内召し合せ框樹脂カバー338は、係合部3381a、3381bを有する。係合部3381aは、内召し合せ框樹脂カバー338の室外側の端部がガラス4側へ屈曲し、先端部が内召し合せ框本体337の突起3371aに係合するように突出して形成される。係合部3381bは、内召し合せ框樹脂カバー338の第3ホロー部3373を覆う側部における室外側の端部が、見付方向外側に屈曲し、先端部が内召し合せ框本体337の係合凹部3373aに係止するように突出して形成される。
【0041】
ガラス保持部339は、内召し合せ框本体337におけるホロー構造部3370のガラス4側の部分と、ガラス側延出部3375と、内召し合せ框樹脂カバー338の係合部3381bの見付方向に延びる面とにより形成される。ガラス保持部339は、断面視で框3の内周側が開口した略コの字状に形成される。ガラス保持部339のコの字の開口内に、ガラス4が挿入されて保持される。
【0042】
断熱部6は、上記説明した上框本体311の断熱部材係止部3113、縦框本体335の断熱部材係止部3353、内召し合せ框本体337の断熱部材係止部3377と、断熱部材61と、により構成される。断熱部6が設けられた框3を、断熱框300と言う。
【0043】
断熱部材61は、上記の断熱部材係止部3113、断熱部材係止部3353、断熱部材係止部3377に挟持される樹脂製の部材であり、框3の長手方向に沿って延びる細長い部材である。断熱部材61は、断熱部材係止部3113の突起3113a、3113b、断熱部材係止部3353の突起3353a、3353b、及び断熱部材係止部3377の突起3371a、突起3371bの間に挿入されて配置される。断熱部材61は、これらの突起の内側に嵌まる形状を有する。
【0044】
断熱部材61は、より詳細には、断面視で略十字状に形成され、対向して突出する一対の突出部61aと、一対の突出部61aに直交する方向に突出する一対の突出部61bと、を有する(断熱部材61の構成が共通する第2実施形態の図12Bを参照)。二つの突出部61aが断熱部材係止部3113、断熱部材係止部3353、断熱部材係止部3377の内側面に嵌まると同時に、他の二つの突出部61bが、断熱部材係止部3113の突起3113a、3113bの間、断熱部材係止部3353の突起3353a、3353bの間、及び断熱部材係止部3377の突起3371a、突起3371b、突起3371c、突起3371dの間に配置される。断熱部材61が配置されることにより、框3が断熱性能を有する断熱框300となる。
【0045】
キャップ部材5は、図4Aに示すように、内召し合せ框334の上端及び下端に挿入して取り付けられる。キャップ部材5は、内召し合せ框334の端部の外形に合った形状をしている。キャップ部材5は、上部キャップ部510と、下部キャップ部520を有する。上部キャップ部510及び下部キャップ部520は、形状は同一ではないが、いずれも共通した機能を有する蓋部51と、挿入部52と、側部53と、を有する。このため、図4Bを参照して、上部キャップ部510の構成を中心に説明する。
【0046】
蓋部51は、内召し合せ框334の延びる方向に直交し、内召し合せ框334の上面又は下面を構成する平坦な面を含む部分である。蓋部51により、内召し合せ框本体337のホロー構造部3370や、内召し合せ框本体337と内召し合せ框樹脂カバー338の外側面との間の空間が塞がれる。蓋部51は、図4Bに示すように、内召し合せ框本体337の形状に合わせて段差が形成されている。具体的には、蓋部51は、第1ホロー部3371側を塞ぐ第1平面511、第2ホロー部3372側を塞ぐ第2平面512、第3ホロー部3373側を塞ぐ第3平面513を有する。第1平面511と第2平面512との間には、隙間が空いており、内召し合せ框本体337の内部に向かって凹む凹部514が形成されている。第3平面513よりも、第1平面511及び第2平面512の方が、内召し合せ框本体337の端部から離れた位置にある。すなわち、上部キャップ部510では、第3平面513よりも、第1平面511及び第2平面512の方が、高い位置にあり、下部キャップ部520では、第3平面513よりも、第1平面511及び第2平面512の方が、低い位置にある。
【0047】
挿入部52は、蓋部51の裏面から下方に突出する部分である。挿入部52は、第1ホロー部3371、第2ホロー部3372及び第3ホロー部3373に挿入可能な位置で、突出する。挿入部52は、第1平面511から突出する第1挿入部521、第2平面512から突出する第2挿入部522、及び第3平面513から突出する第3挿入部523を有する。
【0048】
第1挿入部521は、図5Aに示すように、第1ホロー部3371の内部で見込方向に延びる突出片521a、521bを有する。第1挿入部521は、第1ホロー部3371の見付方向の一方及び他方に配置されるように二つ突出している。第1挿入部521の一方の突出片521aは、第1ホロー部3371のガラス4から離れた側の見込方向の側面の内側に当接する。突出片521bは、第1ホロー部3371の突起3371c、突起3371dの第1ホロー部3371内部側の面に当接する。
【0049】
第2挿入部522は、第2ホロー部3372の内部で見込方向に延びる突出片522a、522b、522c、522dを有する。第2挿入部522は、第2ホロー部3372の見付方向に間を空けて並び、突出している。四つのうち、見付方向の両端に配置された突出片522a、522dの見込方向の長さは、見付方向の中央側に配置された突出片522b、522cの見込方向の長さよりも短い。見付方向の両端に配置された突出片522a、522dは、第2ホロー部3372のキャップ部材係止凸部3372aに当接し、見付方向の中央側に配置された突出片522b、522cは、第2ホロー部3372と第3ホロー部3373との間の隔壁3374に当接する。
【0050】
第3挿入部523は、第3ホロー部3373内の見込方向に離れた位置で突出する二つの突出片523a、523bを有する。突出片523aは、第2ホロー部3372と第3ホロー部3373との間の隔壁3374における第3ホロー部側に当接するように延び、平坦な面を有する。突出片523bは、平面視略T字状に形成され、T字の下端が、第3ホロー部3373の見込方向の室内側の面に当接する位置に配置される。
【0051】
下部キャップ部520の挿入部52は、図5Bに示すように、概ね上部キャップ部510の構成と共通している。下部キャップ部520では、第1ホロー部3371に挿入される第1挿入部521の一対の突出片521c、521dが、第2ホロー部3372側まで見込方向に連続して延びている点で上部キャップ部510と異なっている。下部キャップ部520では、第2ホロー部3372に挿入される第2挿入部522の突出片522e、522fは、見付方向の中央側にのみ配置され、第2ホロー部3372と第3ホロー部3373とを隔てる隔壁3374に当接する。第2ホロー部3372の見付方向の両端では、第1挿入部521の突出片521c、521dが第2ホロー部3372のキャップ部材係止凸部3372aに当接するように配置されている。
【0052】
側部53は、第1平面511及び第2平面512の片側から、内召し合せ框334の側部に沿って配置される平坦な部分である。側部53は、内召し合せ框樹脂カバー338よりも上方に突出する内召し合せ框本体337の側部にねじで固定される。
【0053】
次に断熱部を有さない引き違い窓1Aについて説明する。断熱部6を有する引き違い窓1の断熱框300と断熱部を有さない引き違い窓1Aの非断熱框301とでは、断熱部6の有無の他には、内召し合せ框334Aにおける内召し合せ框本体337のホロー構造部3370Aの内部構造が異なっている点を除いて、共通している。
【0054】
非断熱框301Aは、断熱框300が納められる枠体2と同じ枠体2内に納めることが可能な寸法を有する。上框31Aは、枠体2の上枠21のレール部211に係合する。下框32Aの内部には、下枠22のレール部221に係合して移動する戸車324が配置される。外障子縦框331及び内障子縦框333は、縦枠23の内周側に固定される。
【0055】
引き違い窓1Aは、図6に示すように、上框31Aに断熱部6を有していない。上框本体311Aの外側の形状は、断熱部6を有する引き違い窓1の上框本体311の外側の形状と同一である。上框樹脂カバー312Aの形状は、断熱部6を有する引き違い窓1の上框樹脂カバー312と同一である。引き違い窓1Aの非断熱框301である上框31Aにおける上框本体上部3111の室内側の面3111b及び上框樹脂カバー312Aが係合する係合部3122a、3122bの形状及び位置は、引き違い窓1の断熱框300である上框31における上框本体上部3111の室内側の面3111b及び上框樹脂カバー312が係合する係合部3122a、3122bの形状及び位置と同じである。上框樹脂カバー312Aの係合部3122a、3122bは、上框本体上部3111の室内側の面3111bの上端と下端に係止している。
【0056】
上框本体311Aの外側の形状と上框樹脂カバー312Aの形状が、断熱部6を有する引き違い窓1のそれと同一であることから、引き違い窓1Aの上框31Aにおけるガラス保持部313Aの形状も、引き違い窓1のガラス保持部313の形状と同一である。
【0057】
引き違い窓1Aの下框32Aは、引き違い窓1の下框32と同一の形状を有する。引き違い窓1Aの非断熱框301である下框32Aにおける下框本体下部3211の室内側の面3211b及び下框樹脂カバー322Aが係合する係合部3222a、3222bの形状及び位置は、引き違い窓1の断熱框300としての下框32における下框本体下部3211の室内側の面3211bと下框樹脂カバー322が係合する係合部3222a、3222bの形状及び位置と同じである。下框樹脂カバー322Aの係合部3222a、3222bは、下框本体下部3211の室内側の面3211bの上端と下端に係止している。
【0058】
下框本体321Aの外側の形状と下框樹脂カバー322Aの形状が、断熱部6を有する引き違い窓1のそれと同一であることから、引き違い窓1Aの下框32Aにおけるガラス保持部323Aの形状は、引き違い窓1の下框32におけるガラス保持部323の形状と同一である。
【0059】
引き違い窓1Aは、図7に示すように、外障子縦框331A及び内障子縦框333Aに断熱部6を有していない。引き違い窓1Aの外障子縦框331A及び内障子縦框333Aにおける縦框本体335Aの外側の形状は、断熱部6を有する引き違い窓1の縦框本体335の外側の形状と同一である。縦框樹脂カバー336Aの形状は、断熱部6を有する引き違い窓1の縦框樹脂カバー336の形状と同一である。引き違い窓1Aの非断熱框301である外障子縦框331A及び内障子縦框333Aにおける縦框本体335Aと縦框樹脂カバー336Aが係合する係合凹部3351a、係合部3363a及び係合凹部3351b、係合部3363bの形状及び位置は、引き違い窓1の断熱框300としての外障子縦框331及び内障子縦框333における縦框本体335と縦框樹脂カバー336が係合する係合凹部3351a、係合部3363a及び係合凹部3351b、係合部3363bの形状及び位置と同じである。縦框樹脂カバー336Aの係合部3363aは、縦框本体335Aのホロー構造部3351の係合凹部3351aに係合し、係合部3363bは、ホロー構造部3351の係合凹部3351bに係合する。
【0060】
縦框本体335Aの外側の形状と縦框樹脂カバー336Aの形状が、断熱部6を有する引き違い窓1のそれと同一であることから、引き違い窓1Aの外障子縦框331A及び内障子縦框333Aにおけるガラス保持部3356Aの形状は、引き違い窓1の外障子縦框331及び内障子縦框333におけるガラス保持部3356と同一である。
【0061】
引き違い窓1Aの外召し合せ框332Aに関しては、引き違い窓1及び引き違い窓Aのいずれにおいても、断熱部6を有する構成とはなっていない。このため、外召し合せ框332Aの構成は、引き違い窓1及び引き違い窓1Aの両方で完全に同一となっている。
【0062】
図7に示すように、引き違い窓1Aは、内召し合せ框334Aに断熱部6を有していない。引き違い窓1Aの内召し合せ框334Aにおける内召し合せ框本体337Aの外側の形状は、断熱部6を有する引き違い窓1の内召し合せ框本体337の外側の形状と同一である。内召し合せ框樹脂カバー338Aの形状は、断熱部6を有する引き違い窓1の内召し合せ框樹脂カバー338の形状と同一である。引き違い窓1Aの非断熱框301である内召し合せ框334Aにおける内召し合せ框本体337Aと内召し合せ框樹脂カバー338Aが係合する突起3371a、係合部3381a及び係合凹部3373a、係合部3381bの形状及び位置は、引き違い窓1の断熱框300である内召し合せ框334における内召し合せ框本体337と内召し合せ框樹脂カバー338が係合する突起3371a、係合部3381a及び係合凹部3373a、係合部3381bの形状及び位置と同じである。内召し合せ框樹脂カバー338Aの係合部3381aは、内召し合せ框本体337の突起3371aに、内召し合せ框樹脂カバー338Aの3381bは、内召し合せ框本体337の係合凹部3373aに係合する。
【0063】
内召し合せ框本体337Aの外側の形状と内召し合せ框樹脂カバー338Aの形状が、断熱部6を有する引き違い窓1のそれと同一であることから、引き違い窓1Aの内召し合せ框334Aにおけるガラス保持部339Aの形状は、引き違い窓1の内召し合せ框334におけるガラス保持部339と同一である。
【0064】
引き違い窓1Aの内召し合せ框334A及び引き違い窓の内召し合せ框334において、キャップ部材5が共通して挿入される構成について説明する。図8A及び図8Bに示すように、内召し合せ框本体337Aでは、ホロー構造部3370Aが3室ではなく2室に分割されている。また、内召し合せ框本体337Aには断熱部6が形成されていない。ホロー構造部3370Aは、第1ホロー部3371Aと、第2ホロー部3372Aと、を有する。第1ホロー部3371Aは、断熱部6を有する引き違い窓1のホロー構造部3370に形成されている第1ホロー部3371及び第2ホロー部3372の間の隔壁3374を有さずに、繋がった空間を有する。第2ホロー部3372Aは、引き違い窓1の第3ホロー部3373と同一の形状を有する。しかし、断熱框300の内召し合せ框本体337と、非断熱框301の内召し合せ框本体337Aとは、同一形状のキャップ部材5を受け入れ可能な内側の形状を有するように形成されている。
【0065】
上部キャップ部510では、図8Aに示すように、第1挿入部521における一方の突出片521aは、引き違い窓1の場合と同様に第1ホロー部3371Aのガラス4から離れた側の見込方向の側面の内側に当接する。他方の突出片521bは、第1ホロー部3371Aのガラス4側における見込方向の側面から離れた位置に配置されている。
【0066】
上部キャップ部510の第2挿入部522における突出片522a、522dは、第1ホロー部3371Aのキャップ部材係止凸部3372aに当接する。突出片522b、522cは、第2ホロー部3372と第3ホロー部3373との間の隔壁3374に当接する。
【0067】
上部キャップ部510の第3挿入部523における突出片523aは、第1ホロー部3371Aと第2ホロー部3372Aとの間の隔壁3374における第2ホロー部3372A側に当接する。突出片523bは、第2ホロー部3372Aの見込方向の室内側の面に当接する。
【0068】
下部キャップ部520では、図8Bに示すように、第1挿入部521の突出片521c、521dが見込方向に長く延びる。突出片521cは、第1ホロー部3371Aのガラス4から離れた側で見込方向に延びる側部の内側に沿って配置され、キャップ部材係止凸部3372aに当接する。突出片521dは、第1ホロー部3371Aのガラス4側で見込方向に延びる側部の内側に沿って配置され、キャップ部材係止凸部3372aに当接する。
【0069】
第2挿入部522の突出片522e、522fは、第1ホロー部3371Aと第2ホロー部3372Aとを隔てる隔壁3374に当接する。
第3挿入部523の突出片523aは、第2ホロー部3372と第3ホロー部3373との間の隔壁3374に当接する。突出片523bは、第2ホロー部3372Aの見込方向の室内側の面に当接する。
【0070】
このように、内召し合せ框本体337、337Aの形状が完全に同一でなくても、キャップ部材5は、内召し合せ框本体337、337A内のホロー構造部3370、3370A内に嵌まるような位置に挿入部52を有する。
【0071】
第1実施形態の障子10、10Aによれば、以下の効果が奏される。障子10、10Aを、断熱性能が異なる複数種類の障子10、10Aの中から選択して構成した。障子10、10Aを、枠組みされる框3と、框3の内周に配置されるガラス4と、を含んで構成した。複数種類の障子10、10Aを、断熱部6を有する断熱框300を含む断熱障子10と、断熱框300を有さない非断熱障子10Aと、を含み、框3の框本体(上框本体311、311A、下框本体321、321A、縦框本体335、335A、外召し合せ框本体3321、3321A、及び内召し合せ框本体337、337A、以下同じ)の外側の形状が互いに同一となるように形成した。框本体の外側の形状が、断熱框300と非断熱框301とで互いに同一となるように形成されているので、障子10、10Aが有する断熱性能にかかわらず、同じ枠体2を用いて引き違い窓1、1Aを構成することが可能となる。さらに、断熱性能の異なる框3の間で同じガラス4を框3の内周に収めることができる。このように、障子10、10Aが有する断熱性能にかかわらず、共通する部品を用いることが可能になり、製造コストや管理手間を低減することができる。
【0072】
第1実施形態によれば、框3を、框本体の上端及び下端に挿入して取付けられるキャップ部材5を含んで構成した。断熱障子10の框本体(上框本体311、下框本体321、縦框本体335、外召し合せ框本体3321、及び内召し合せ框本体337)と、非断熱障子10Aの框本体(上框本体311A、下框本体321A、縦框本体335A、外召し合せ框本体3321A、及び内召し合せ框本体337A)とを、同一形状のキャップ部材5を受け入れ可能な内側の形状を含んで構成した。これにより、断熱障子10の断熱框300と非断熱障子10Aの非断熱框301とで、キャップ部材5を共通して用いることができるようになるので、上記と同様の効果を奏する。
【0073】
第1実施形態によれば、引き違い窓1、1Aを、枠体2と、枠体2の内周に配置される障子10、10Aと、を含んで構成した。これにより、同一の枠体2内に断熱性能の異なる障子10、10Aを納めることが可能となり、製造コストや管理手間を低減することができる。
【0074】
本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、本開示の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本開示に含まれる。図9に示す第2実施形態に係る建具は、縦すべり出し窓1D、1Eである。縦すべり出し窓1Dは、建物躯体の開口部に取り付けられる枠体20と、図10及び図11に示す断熱部60を有する障子10Dを有し、断熱性能を有する。縦すべり出し窓1Eは、枠体20と、図14及び図15に示す断熱部60を有さない障子10Eとを有し、特段の断熱性能をもたらす追加的な構成を有さない。障子10Dは、断熱框300を有する断熱障子10Dである。障子10Eは、断熱框300を有さず、非断熱框301を有する非断熱障子10Eである。縦すべり出し窓1D、1Eは、このように同一の形状の枠体20内に断熱性能の異なる複数種類の障子10D、10Eを有するように構成される。枠体20の室内側には、開口部に沿って内額縁9が配置されている。
【0075】
枠体20は、図9に示すように、上枠201、下枠202及び左右一対の縦枠203を矩形に枠組みすることによって構成される。上枠201、下枠202、及び一対の縦枠203は、それぞれが長尺の型材で構成される。上枠201は、枠体20の上部で左右方向に延び、下枠202は、枠体20の下部で左右方向に延び、一対の縦枠203は、上枠201及び下枠202の両端部を接続するように上下方向に延びる。
【0076】
障子10Dは、枠体20の内周側で見込方向に開閉可能に配置される。障子10Dは、矩形に枠組みされる框7と、框7の内周に配置される面材としてのガラス40と、ハンドル42と、リンク機構43と、を有する。ガラス40は、2枚のガラス材が重ねられた複層ガラスがセッティングブロック410で担持され、框7内に嵌め込まれている。
【0077】
框7は、矩形に枠組みされる上框71D、下框72D及び縦框73Dと、キャップ部材8と、断熱部60と、を有する。框7が断熱部60を有することによって、障子10Dが断熱性能を有するものとなっている。
【0078】
上框71Dは、図10に示すように、金属製の框本体としての上框本体711Dと、樹脂製の上框樹脂カバー712Dと、ガラス保持部713Dと、を有する。上框本体711Dは、枠体20の上方で見付方向に沿って延びる長尺の部材である。上框本体711Dは、室外側面7111と、見込部7112と、樹脂カバー係合部7113と、断熱部材係止部7114と、を有する。
【0079】
室外側面7111は、上框71Dの室外側に延びる平坦な面である。見込部7112は、室外側面7111の上下方向の中央部から室内側へ見込方向に延びる。樹脂カバー係合部7113は、見込部7112の室内側の端部近傍に形成され、下方に向かって延びるとともに室内側へ屈曲する下垂辺7113aと、下垂辺7113aと見込部7112の端部との間に形成される凹部7113bと、を有する。
【0080】
断熱部材係止部7114は、見込部7112の見込方向の略中央部に配置される。断熱部材係止部7114は、上框本体711の室外側から室内側に延びる突起7114aと、上框本体711の室内側から室外側に延びる突起7114bとが間に隙間を空けて向かい合って形成される。断熱部材係止部7114は、それぞれの突起7114a、7114bの先端が断面視略コの字状に形成されて、断熱部材61を間に保持可能に形成されている。
【0081】
上框樹脂カバー712Dは、上框本体711の室内側の面を覆うように配置される。上框樹脂カバー712は、断面視の外形が略直方体状に形成され、室内側面7121と、係合部7122と、室外側面7123と、を有する。室内側面7121は、室内側に面する平坦な面である。室外側面7123は、室内側面7121に対向するとともに、上框本体711の室外側面7111に対向して配置される。係合部7122は、室外側面7123の上部で室外側に向かって突出する突起である。係合部7122は、上框本体711の樹脂カバー係合部7113の凹部7113bに係合する。
【0082】
ガラス保持部713Dは、上框本体711の室外側面7111の下側と、見込部7112と、上框樹脂カバー712の室外側面7123の下側との間に形成される。ガラス保持部713Dは、図10に示すように、断面視で下方が開口した略コの字状に形成されており、コの字の開口内にガラス40が挿入されて保持される。
【0083】
下框72Dは、図10に示すように、金属製の框本体としての下框本体721Dと、樹脂製の下框樹脂カバー722Dと、ガラス保持部723Dと、を有する。下框本体721Dは、枠体20の下方で見付方向に沿って延びる長尺の部材である。下框本体721Dは、室外側面7211と、見込部7212と、係合部7213と、断熱部材係止部7214と、を有する。
【0084】
室外側面7211は、下框72の室外側に延びる平坦な面である。見込部7212は、室外側面7111の上下方向の中央部から室内側へ延びる。係合部7213は、見込部7212の室内側の端部近傍に形成され、上方に向かって延びるとともに室内側へ屈曲する起立片7213aと、起立片7213aと見込部7112の端部との間に形成される凹部7213bと、を有する。
【0085】
断熱部材係止部7214は、見込部7212の見込方向の略中央部に配置される。断熱部材係止部7214は、下框本体721の室外側から室内側に延びる突起7214aと、下框本体721の室内側から室外側に延びる突起7214bとが間に隙間を空けて向かい合って形成される。断熱部材係止部7214は、それぞれの突起7214a、7214bの先端が断面視略コの字状に形成されて、断熱部材61を間に保持可能に形成されている。
【0086】
下框樹脂カバー722Dは、下框本体721Dの室内側の面を覆うように配置される。下框樹脂カバー722Dは、断面視の外形が略直方体状に形成され、室内側面7221と、係合部7222と、室外側面7223と、を有する。室内側面7221は、室内側に面する平坦な面である。室外側面7223は、室内側面7221に対向するとともに、下框本体721Dの室外側面7111に対向して配置される。係合部7222は、室外側面7223の上下方向の略中央部から室外側に向かって突出する突起である。係合部7222は、下框本体721の係合部7213の凹部7213bに係合する。
【0087】
ガラス保持部723Dは、下框本体721Dの室外側面7211の上側と、見込部7212と、下框樹脂カバー722の室外側面7223の上側との間に形成される。ガラス保持部723Dは、図11に示すように、断面視で上方が開口した略コの字状に形成されており、コの字の開口内にガラス40が挿入されて保持される。
【0088】
縦框73Dは、図11に示すように、縦枠203に沿って上下方向に延びるとともに、見付方向の一方及び他方に配置される。縦框73Dは、金属製の框本体としての縦框本体731Dと、樹脂製の縦框樹脂カバー732Dと、ガラス保持部733Dと、を有する。縦框本体731Dは、見込部7311と、室外側面7313と、断熱部材係止部7314と、を有する。
【0089】
見込部7311は、縦框本体731Dの見込方向に延びる面で、ガラス40側に面する部分である。見込部7311には、後述する縦框樹脂カバー732Dが係合するための係合凹部7311aが形成される。
【0090】
室外側面7313は、見込部7311の室外側で見付方向に延びる平坦な面である。室外側面7313は、後述するキャップ部材8を嵌め込むためのキャップ部材係止部7313a、7313b、7313c、7313d、7313eを有する。キャップ部材係止部7313a~7313cは、戸先側の縦框本体731Dにおける室外側面7313に3箇所、室内側に突出するように形成されている。キャップ部材係止部7313aは、室外側面7313の見付方向の最も外側に配置され、キャップ部材係止部7313cは、室外側面7313の見付方向の最も内側に配置され、キャップ部材係止部7313bは、キャップ部材係止部7313aとキャップ部材係止部7313cの間に配置されている。キャップ部材係止部7313d及び7313eは、吊元側の縦框本体731Dにおける室外側面7313に2箇所、室内側に突出するように形成されている。キャップ部材係止部7313dは、室外側面7313の見付方向の最も外側に配置され、キャップ部材係止部7313eは、キャップ部材係止部7313dの見付方向の内側に間を空けて配置される。
【0091】
断熱部材係止部7314は、見込部7311のガラス40側の面の見込方向略中央側に形成される。断熱部材係止部7314は、断熱部60の一部を構成する。断熱部材係止部7314は、見込部7311の室外側から室内側に延びる突起7314aと、見込部7311の室内側から室外側に延びる突起7314bが間に隙間を空けて向かい合うとともに、それぞれの突起7314a、7314bの先端が断面視略コの字状に形成されて、断熱部材61を間に保持可能に形成されている。
【0092】
一対の縦框73Dのうちの戸先側の縦框73において、上下方向の略中央部付近には、障子10Dを開閉するためのハンドル42が設けられている。戸先側の縦框73Dでは、縦框本体731の見込部7311と、縦枠203との間に、ハンドル42の動きに連動して障子10Dを開閉するためのリンク機構43が配置されている。
【0093】
縦框樹脂カバー732Dは、縦框本体731Dの室内側の面を覆うように配置される。縦框樹脂カバー732Dは、見込部7311の室内側に係合して縦框本体731Dに連結される。縦框樹脂カバー732Dは、ホロー構造部7321と、係合突起7322と、を有する。ホロー構造部7321は、断面視略四角形の形状を有し、室外側の面が縦框本体731Dの室外側面7313に対向するように配置される。係合突起7322は、ホロー構造部7321の見込方向に延びる二つの面のうち、見付方向外側に位置する面から外側に突出する。係合突起7322は、鉤状に屈曲する二つの突起7322a、7322bを有し、一方の突起7322aが縦框本体731Dの見込部7311の係合凹部7311aに係合し、他方の突起7322bは見込部7311の室内側の端部を保持する。
【0094】
ガラス保持部733Dは、縦框本体731Dの室外側面7313のガラス4側の部分と、見込部7311と、縦框樹脂カバー732Dにおけるホロー構造部7321の室外側の面とによりに形成される。ガラス保持部733Dは、断面視で框7の内周側が開口した略コの字状に形成されており、コの字の開口内にガラス40が挿入されて保持される。
【0095】
断熱部60は、上記説明した上框本体711Dの断熱部材係止部7114、下框本体721Dの断熱部材係止部7214、縦框本体731Dの断熱部材係止部7314と、断熱部材61と、により構成される。断熱部60が設けられた框7を、断熱框300と言う。
【0096】
キャップ部材8は、図11に示すように、一対の縦框73Dの戸先側及び吊元側それぞれに配置される。キャップ部材8は、樹脂により構成され、縦框73Dの上端及び下端を塞ぐ。キャップ部材8は、戸先側キャップ部材81と、吊元側キャップ部材82と、を有する。図12A及び12B、図13A及び図13Bは、それぞれ縦框73Dの下端から挿入されるキャップ部材8の構成を示しているが、対称の形状のキャップ部材が上端からも挿入される。
【0097】
戸先側キャップ部材81は、図12A及び図12Bに示すように、平面部811、第1突出部812、第2突出部813及び第3突出部814を有する。平面部811は、縦框73Dの下端部を塞いで平面状に延びる略長方形の板状の部分である。第1突出部812は、縦框本体731Dの室外側面7313から突出するキャップ部材係止部7313aと7313bの間に挿入される。第2突出部813は、キャップ部材係止部7313bと7313cとの間に挿入される。第3突出部814は、キャップ部材係止部7313cに一方側の面が当接し、縦框本体731の上下方向に深く延びる。キャップ部材係止部7313a、7313b、7313c及び第1突出部812、第2突出部813及び第3突出部814は、戸先側キャップ部材81が抜けないように互いに密着するように配置されている。
【0098】
吊元側キャップ部材82は、図13A及び図13Bに示すように、平面部821、第1突出部822及び第2突出部823を有する。平面部821は、縦框73Dの下端部を塞いで平面状に延びる略長方形の板状の部分である。第1突出部822は、縦框本体731Dの室外側面7313から突出するキャップ部材係止部7313dと7313eの間に挿入される。第2突出部823は、キャップ部材係止部7313eに一方側の面が当接し、他方側の面が見込部7311に当接している。第1突出部822は、第2突出部823よりも縦框本体731Dの上下方向に深く延びる。キャップ部材係止部7313d、7313e及び第1突出部822、第2突出部823は、吊元側キャップ部材82が抜けないように互いに密着するように配置されている。
【0099】
次に断熱部を有さない縦すべり出し窓1Eについて説明する。断熱部60を有する縦すべり出し窓1Dの断熱障子10Dにおける断熱框300と、断熱部60を有さない縦すべり出し窓1Eの非断熱障子10Eにおける非断熱框301とでは、断熱部60の有無以外の形状が共通している。
【0100】
縦すべり出し窓1Eの非断熱障子10Eは、縦すべり出し窓1Dの断熱障子10Dが納められる枠体20と同じ枠体20内に納めることが可能な寸法を有する。具体的には、上框71E、下框72E、及び一対の縦框73Eは、上框71D、下框72D及び縦框73Dと同じ長さ及び幅等を有する。
【0101】
縦すべり出し窓1Eは、図14に示すように、上框71Eに断熱部60を有していない。上框本体711Eの外側の形状は、断熱部60を有する引き違い窓1の上框本体711Dの外側の形状と同一である。上框樹脂カバー712Eの形状は、断熱部60を有する縦すべり出し窓1Dの上框樹脂カバー712Dと同一である。縦すべり出し窓1Eの非断熱框301である上框71Eにおける上框本体711Eと上框樹脂カバー712Eが係合する樹脂カバー係合部7113の凹部7113b及び係合部7122の形状及び位置は、縦すべり出し窓1Dの断熱框300である上框71Dにおける上框本体711Dと上框樹脂カバー712Dが係合する樹脂カバー係合部7113の凹部7113b及び係合部7122の形状及び位置と同じである。上框樹脂カバー712Eの係合部7122は、上框本体711の樹脂カバー係合部7113の凹部7113bに係合している。
【0102】
上框本体711Eの外側の形状と上框樹脂カバー712Eの外側の形状が、断熱部60を有する縦すべり出し窓1Dのそれと同一であることから、縦すべり出し窓1Eの上框71Eにおけるガラス保持部713Eの形状も、縦すべり出し窓1Eのガラス保持部713Eの形状と同一である。
【0103】
縦すべり出し窓1Eは、下框72Eに断熱部60を有していない。下框本体721Eの外側の形状は、断熱部60を有する縦すべり出し窓1Dの下框本体721Dの外側の形状と同一である。下框本体721Eの下框樹脂カバー722Eの形状は、断熱部60を有する縦すべり出し窓1Dの下框樹脂カバー722Dと同一である。縦すべり出し窓1Eの非断熱框301である下框72Eにおける下框本体721Eと下框樹脂カバー722Eが係合する係合部7213の凹部7213b及び係合部7222の形状及び位置は、縦すべり出し窓1Dの断熱框300としての下框72Dにおける下框本体721Dと下框樹脂カバー722Dが係合する係合部7213の凹部7213b及び係合部7222の形状及び位置と同じである。下框樹脂カバー722Eの係合部7222は、下框本体721Eの係合部7213の凹部7213bに係合している。
【0104】
下框本体721Eの外側の形状と下框樹脂カバー722Eの形状が、断熱部60を有する縦すべり出し窓1Dのそれと同一であることから、縦すべり出し窓1Eの下框72Eにおけるガラス保持部723Eの形状も、縦すべり出し窓1Dのガラス保持部723Eの形状と同一である。
【0105】
縦すべり出し窓1Eは、図15に示すように、縦框73Eに断熱部60を有していない。非断熱障子10Eにおける縦框本体731Eの外側の形状は、断熱障子10Dにおける縦框本体731Dの外側の形状と同一である。縦框樹脂カバー732Eの形状は、断熱部60を有する縦すべり出し窓1Dの縦框樹脂カバー732Dの形状と同一である。縦すべり出し窓1Eの非断熱框301である縦框73Eにおける縦框本体731Eと縦框樹脂カバー732Eが係合する縦框本体731Eの見込部7311の係合凹部7311a、見込部7311の端部、及び縦框樹脂カバー732Eの係合突起7322の突起7322a、7322bの形状及び位置は、縦すべり出し窓1Dの断熱框300である縦框73Dにおける縦框本体731Dの見込部7311の係合凹部7311a、見込部7311の端部及び縦框樹脂カバー732Dの係合突起7322の突起7322a、7322bの形状及び位置と同じである。縦框樹脂カバー732Eの係合突起7322の突起7322a、7322bは、一方が縦框本体731Eの見込部7311の係合凹部7311aに係合し、他方が見込部7311の室内側の端部を保持している。
【0106】
縦框本体731Eの外側の形状と縦框樹脂カバー732Eの形状が、断熱部60を有する縦すべり出し窓1Dのそれと同一であることから、縦すべり出し窓1Eの縦框73Eにおけるガラス保持部733Eの形状も、縦すべり出し窓1Dのガラス保持部733Dの形状と同一である。
縦框73Eには、断熱部60を有する縦すべり出し窓1Dの端部に挿入されるキャップ部材8と同一のキャップ部材8が取り付けられる。すなわち、断熱框300の縦框本体731Dと、非断熱框301の縦框本体731Eとは、同一形状のキャップ部材8を受け入れ可能な内側の形状を有する。図16図12Bとを比較すると、縦框本体731D、731Eにおける見込部7311の形状は異なっているが、室外側面7313の内側の形状、すなわち戸先側の縦框73D、73Eにおける室外側面7313のキャップ部材係止部7313a~7313cの突出形状及び間隔が同一である。図17図13Bとを比較すると、縦框本体731D、731Eにおける見込部7311の形状は異なっているが、室外側面7313の内側の形状、すなわち吊元側の縦框73D、73Eにおける室外側面7313のキャップ部材係止部7313d、7313eの突出形状、間隔が同一である。
【0107】
このように、縦框本体731D、731Eの形状が完全に同一でなくても、キャップ部材8は、縦框本体731D、731Eの室外側面7313におけるキャップ部材係止部7313a~7313eに嵌まるような位置に第1突出部812、第2突出部813、第3突出部814を有する。
【0108】
第2実施形態の障子10D、10Eによっても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0109】
上記実施形態では、引き違い窓1、1A及び縦すべり出し窓1D、1Eを例に説明したが、建具の種類は限定されない。
【0110】
断熱障子は、断熱框を含んでいれば、断熱框の他にも断熱性能を向上させる構成を含んでいてもよい。非断熱框は、断熱框を有さず、且つ断熱障子の框と框本体の外側の形状が同じであれば、他の構成は限定されない。第1実施形態では、上框31、外障子縦框331、内障子縦框333、内召し合せ框334に断熱部6を有する例を説明した。第2実施形態では、上框71、下框72、一対の縦框73の全てに断熱部60を有する例を説明した。しかし、断熱框は、框のいずれか一部に断熱部を有していればよく、断熱部の位置は限定されない。断熱部の形状や構成についても、上記説明した構成に限定されない。
【符号の説明】
【0111】
1、1A 引き違い窓(建具)、1D、1E 縦すべり出し窓(建具)、2 枠体、3、7 框、4 ガラス(面材)、6、60 断熱部、10、10D 断熱障子(障子)、10A、10E 非断熱障子(障子)、300 断熱框、301 非断熱框、 311、311A、711D、711E 上框本体(框本体)、 321、321A、721D、721E 下框本体(框本体)、335、335A、733D、733E 縦框本体(框本体)、3321、3321A 外召し合せ框本体(框本体)、337、337A 内召し合せ框本体(框本体)、5、8 キャップ部材
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12A
図12B
図13A
図13B
図14
図15
図16
図17