(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023024233
(43)【公開日】2023-02-16
(54)【発明の名称】マグネット掃除装置
(51)【国際特許分類】
B08B 7/00 20060101AFI20230209BHJP
B25J 15/06 20060101ALI20230209BHJP
【FI】
B08B7/00
B25J15/06 S
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021194749
(22)【出願日】2021-11-30
(31)【優先権主張番号】P 2021129881
(32)【優先日】2021-08-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】521349118
【氏名又は名称】シァオ シュアン セン
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】シァオ シュアン セン
【テーマコード(参考)】
3B116
3C707
【Fターム(参考)】
3B116AA46
3B116AB52
3B116BC08
3C707AS15
3C707FS08
3C707NS24
(57)【要約】
【課題】長さや角度が調整可能なマグネット掃除装置の提供。
【解決手段】取っ手ユニット2と、所定の軸線Lに沿って延伸する筐体31及び筐体31内に配置されて軸線Lに沿って筐体31の一端に接近する吸引位置と、該一端から離れた非吸引位置との間に往復移動可能なマグネット手段32を有する装置本体ユニット3と、取っ手ユニット2と装置本体ユニット3との間に介在する変形手段4と、を備え、変形手段4の変形により、取っ手ユニット2と装置本体ユニット3との位置的関係を変えることが出来るように構成されることを特徴とするマグネット掃除装置を提供する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
取っ手ユニットと、
所定の軸線に沿って延伸する空間を内部に囲む筐体及び前記筐体内に配置されて前記軸線に沿って前記筐体の所定の一端に接近する吸引位置と、該一端から離れた非吸引位置との間に往復移動可能なマグネット手段を有する装置本体ユニットと、
前記取っ手ユニットと前記装置本体ユニットとの間に介在する変形手段と、を備え、
前記変形手段の変形により、前記取っ手ユニットと前記装置本体ユニットとの位置的関係を変えることが出来るように構成されることを特徴とするマグネット掃除装置。
【請求項2】
前記装置本体ユニットは、
両端が前記筐体と前記マグネット手段とに接続されて前記マグネット手段に対して前記吸引位置に移動させる付勢力を与える付勢手段を更に有することを特徴とする請求項1に記載のマグネット掃除装置。
【請求項3】
前記変形手段は、前記取っ手ユニットに接続される第1の接続部と、前記装置本体ユニットに接続される第2の接続部と、を有し、前記第2の接続部は、前記装置本体ユニットの前記筐体内に挿入して前記マグネット手段に接続される挿入軸を有しており、
前記付勢手段は、前記挿入軸を内側に囲むコイルばねであることを特徴とする請求項2に記載のマグネット掃除装置。
【請求項4】
前記マグネット手段は、磁石であるマグネット本体と、プラスチック材料により構成されて前記マグネット本体を保持すると共に、前記付勢手段に接続されているマグネット保持部と、を有することを特徴とする請求項2または請求項3に記載のマグネット掃除装置。
【請求項5】
前記変形手段は、前記取っ手ユニットに直接または間接的に接続される太管部と、一端側が前記太管部内に挿入可能、且つ、該一端側の反対側にある他端側が前記装置本体ユニットに直接または間接的に接続される細管部と、を有し、前記太管部と前記細管部との相対移動によって伸縮可能に構成されることにより、前記取っ手ユニットと前記装置本体ユニットとの距離関係を変えることが出来るように構成されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のマグネット掃除装置。
【請求項6】
前記変形手段は、前記取っ手ユニットに直接または間接的に接続される第1の枢支部と、前記第1の枢支部に回転可能に枢支されていると共に、前記装置本体ユニットに直接または間接的に接続される第2の枢支部と、を有し、前記第1の枢支部と前記第2の枢支部との相対回転により、前記取っ手ユニットと前記装置本体ユニットとの角度関係を変えることが出来るように構成されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のマグネット掃除装置。
【請求項7】
前記変形手段は、前記取っ手ユニットに接続される第1の接続部と、前記装置本体ユニットに接続される第2の接続部と、両端がそれぞれ前記第1の接続部と前記第2の接続部に接続されると共に、伸縮且つ湾曲可能に構成される蛇腹部と、を有するように構成され、前記蛇腹部の伸縮または湾曲より、前記取っ手ユニットと前記装置本体ユニットとの距離関係及び/または角度関係を変えることが出来ることを特徴とする請求項1に記載のマグネット掃除装置。
【請求項8】
前記変形手段の前記細管部には、伸縮且つ湾曲可能に構成される蛇腹部が構成され、前記蛇腹部の伸縮または湾曲より、前記取っ手ユニットと前記装置本体ユニットとの距離関係及び/または角度関係を変えることが出来ることを特徴とする請求項5に記載のマグネット掃除装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はマグネット掃除装置に関し、特に、磁力で金属片や鉄くずなどを回収するマグネット掃除装置に関する。
【背景技術】
【0002】
工場などの床や通路に散乱した釘や切り粉などの鉄くずを回収する従来のマグネット掃除装置としては、例えば特許文献1や特許文献2に記載されるものが挙げられる。
図1には特許文献1に記載されるマグネット掃除装置の構成が示されており、図示のように、該従来のマグネット掃除装置は、保持管91と、保持管91の下端に固定されている本体ケース92と、保持管91を経由して先端が本体ケース92の内部空間93に挿入している制御管94と、本体ケース92の内部空間93に挿入する制御管94の先端に固定されている磁石95と、両端が磁石95とケース92とにそれぞれ当接するバネ96と、を有するように構成されている。この構成により、制御管94を操作して磁石95を本体ケース92の下端板921に当接させると、磁石95の磁力で釘900などを吸い取ることができる。
【0003】
しかし、上記従来のマグネット掃除装置は、本体ケース92と保持管91とが固定されているので、使用者の身長や癖などにあわせて保持管91の長さや本体ケース92の下端板921の角度を調整することが出来ない。
【0004】
また、
図2には特許文献2に記載されるマグネット掃除装置の構成が示されており、図示のように、該従来のマグネット掃除装置は保持管96と制御管97はいずれも伸縮可能に構成されているが、角度を調整することが出来ない問題は残されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】中国特許出願公開第109351671A号明細書
【特許文献2】中国実用新案登録第201380479Y号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記問題点に鑑みて、本発明は長さや角度が調整可能なマグネット掃除装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成すべく、本発明は、取っ手ユニットと、所定の軸線に沿って延伸する空間を内部に囲む筐体及び前記筐体内に配置されて前記軸線に沿って前記筐体の所定の一端に接近する吸引位置と、該一端から離れた非吸引位置との間に往復移動可能なマグネット手段を有する装置本体ユニットと、前記取っ手ユニットと前記装置本体ユニットとの間に介在する変形手段と、を備え、前記変形手段の変形により、前記取っ手ユニットと前記装置本体ユニットとの位置的関係を変えることが出来るように構成されることを特徴とするマグネット掃除装置を提供する。
【発明の効果】
【0008】
上記のように、本発明のマグネット掃除装置は、取っ手ユニットと装置本体ユニットとの位置的関係を変えることが出来るように構成された変形手段を備えるので、長さや角度が調整可能なマグネット掃除装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】従来のマグネット掃除装置の1つの構成例が示される断面図である。
【
図2】従来のマグネット掃除装置の他の1つの構成例が示される斜視図である。
【
図3】本発明のマグネット掃除装置の第1の実施形態が示される分解斜視図である。
【
図4】本発明のマグネット掃除装置の第1の実施形態が示される側面図である。
【
図5】本発明のマグネット掃除装置の第1の実施形態が示される側面図である。
【
図6】本発明のマグネット掃除装置の第1の実施形態が示される断面図である。
【
図7】本発明のマグネット掃除装置の第1の実施形態が示される断面図である。
【
図8】本発明のマグネット掃除装置の第2の実施形態が示される斜視図である。
【
図9】本発明のマグネット掃除装置の第3の実施形態が示される斜視図である。
【
図10】本発明のマグネット掃除装置の第4の実施形態が示される斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係るマグネット掃除装置の各実施形態について、図面を参照して説明する。
【0011】
図3~
図7に本発明のマグネット掃除装置の第1の実施形態が示されている。
【0012】
図示のように、本発明のマグネット掃除装置の第1の実施形態は、取っ手ユニット2と、装置本体ユニット3と、取っ手ユニット2と装置本体ユニット3との間に介在する変形手段4と、を備える。
【0013】
装置本体ユニット3は、所定の軸線Lに沿って延伸する空間314を内部に囲む筐体31と、空間314内に配置されているマグネット手段32を有し、マグネット手段32は軸線Lに沿って筐体31の所定の一端(
図6、
図7における下端)に接近する吸引位置(
図6参照)と、該一端から離れた非吸引位置(
図7参照)との間に往復移動可能になっている。
【0014】
また、図示のように、筐体31は一端(
図6、
図7における下端)に開口が形成されている管状部311と、該開口を覆うように取り付けられる底板312と、を有する。マグネット手段32が吸引位置に移動する際、底板312に当接するようになっている。
【0015】
この実施形態において、装置本体ユニット3は、両端が筐体31とマグネット手段32とに接続されている付勢手段33を更に有し、付勢手段33はマグネット手段32に対して前記吸引位置に移動させる付勢力を与えるように構成されるコイルばねである。
【0016】
また、マグネット手段32は、磁石であるマグネット本体321と、プラスチック材料により構成されてマグネット本体321を保持すると共に、付勢手段33に接続されているマグネット保持部322と、を有する。マグネット保持部322には、マグネット本体321を収容する収容凹部323が形成されている。
【0017】
従って、
図6に示されるように、マグネット手段32が底板312に当接するように吸引位置に移動すると、マグネット本体321の磁力でボルト1などを吸い取ることができる。そして
図7に示されるように、筐体31を操作してマグネット手段32が底板312から離れた非吸引位置に移動すると、マグネット本体321からの磁力は底板312に届かないため、吸引効果を発揮することが出来なくなり、吸い取ったボルト1などを落として片付けることができる。
【0018】
変形手段4は、取っ手ユニット2に接続される第1の接続部41と、装置本体ユニット3に接続される第2の接続部42と、を有し、第2の接続部42は、装置本体ユニット3の前記筐体31内に挿入してマグネット手段32に接続される挿入軸421を有し、そしてこの実施形態において、挿入軸421はねじ422によりマグネット手段32のマグネット保持部322に固定されている。また、付勢手段33であるコイルばねは、挿入軸421を内側に囲んである。
【0019】
また、この実施形態では、変形手段4の第1の接続部41は、取っ手ユニット2と一体的に形成されている太管部411と、一端側が前記太管部411内に挿入可能、且つ、該一端側の反対側にある他端側が第2の接続部42の挿入軸421を介して装置本体ユニット3に間接的に接続される細管部412と、を有し、太管部411と細管部412との相対移動によって伸縮可能に構成される。即ち、変形手段4は、取っ手ユニット2に直接または間接的に接続される太管部411と、一端側が太管部411内に挿入可能、且つ、該一端側の反対側にある他端側が装置本体ユニット3に直接または間接的に接続される細管部412と、を有し、太管部411と細管部412との相対移動によって伸縮可能に構成される。
【0020】
図4及び
図5に示されているように、この伸縮可能な構成により、取っ手ユニット2と装置本体ユニット3との距離関係を変えることが出来るように構成される。
【0021】
また、この実施形態において、太管部411と細管部412との間には、2つの中間管部413が介在し、これらの中間管部413により、変形手段4が伸長する最大長さを増やすことが出来るが、中間管部413の数に関しては特に制限はなく、中間管部が存在しない構成も可能である。
【0022】
更に、この実施形態では変形手段4の細管部412は第2の接続部42の挿入軸421を介して装置本体ユニット3に間接的に接続される構成になっているが、細管部412が装置本体ユニット3に直接的に接続される上、マグネット手段32の移動を制御する構造を細管部412の管内に設置する構成も可能である。
【0023】
図8は本発明のマグネット掃除装置の第2の実施形態が示される斜視図である。図示のように、この第2の実施形態において、変形手段4は、両端がそれぞれ第1の接続部41と第2の接続部42に接続されると共に、伸縮且つ湾曲可能に構成される蛇腹部43を有するように構成され、蛇腹部43の伸縮または湾曲により、取っ手ユニット2と装置本体ユニット3との距離関係及び/または角度関係を変えることが出来る。
【0024】
図9は本発明のマグネット掃除装置の第3の実施形態が示される斜視図である。図示のように、この第3の実施形態は第1の実施形態と同じく、第1の接続部41は、取っ手ユニット2と一体的に形成されている太管部411と、一端側が太管部411内に挿入可能、且つ、該一端側の反対側にある他端側が第2の接続部42に接続される細管部412と、を有する上、第2の接続部42は更に第1の接続部41の細管部412と複数の中間管部413と太管部411とを介して取っ手ユニット2に間接的に接続される第1の枢支部423と、第1の枢支部423に回転可能に枢支されていると共に、装置本体ユニット3に直接または間接的に接続される第2の枢支部424と、を有し、第1の枢支部423と第2の枢支部424との相対回転により、取っ手ユニット2と装置本体ユニット3との角度関係を変えることが出来るように構成されている。
【0025】
図10は本発明のマグネット掃除装置の第4の実施形態が示される斜視図である。図示のように、この第4の実施形態は第1の実施形態と同じく、第1の接続部41は、取っ手ユニット2と一体的に形成されている太管部411と、一端側が太管部411内に挿入可能、且つ、該一端側の反対側にある他端側が第2の接続部42に接続される細管部412と、を有する上、細管部412には、伸縮且つ湾曲可能に構成される蛇腹部43が構成され、蛇腹部43の伸縮または湾曲より、取っ手ユニット2と装置本体ユニット3との距離関係及び/または角度関係を変えることが出来る。
【0026】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、最も広い解釈の精神および範囲内に含まれる様々な構成として、全ての修飾および均等な構成を包含するものとする。
【0027】
例えば、変形手段4の第1の接続部41と第2の接続部42にそれぞれ複数種類の伸縮、変形機構を配置することで可動性を更に高める構成も採用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0028】
上記のように、本発明のマグネット掃除装置は、取っ手ユニットと装置本体ユニットとの位置的関係を変えることが出来るように構成された変形手段を備えるので、長さや角度が調整可能なマグネット掃除装置を提供することができる。
【符号の説明】
【0029】
1 ボルト
2 取っ手ユニット
3 装置本体ユニット
31 筐体
311 管状部
312 底板
314 空間
32 マグネット手段
321 マグネット本体
322 マグネット保持部
323 収容凹部
33 付勢手段
4 変形手段
41 第1の接続部
411 太管部
412 細管部
413 中間管部
42 第2の接続部
421 挿入軸
422 ねじ
423 第1の枢支部
424 第2の枢支部
43 蛇腹部
L 軸線