IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ リフ株式会社の特許一覧

特開2023-26159情報処理装置、プログラム及び情報処理方法
<>
  • 特開-情報処理装置、プログラム及び情報処理方法 図1
  • 特開-情報処理装置、プログラム及び情報処理方法 図2
  • 特開-情報処理装置、プログラム及び情報処理方法 図3
  • 特開-情報処理装置、プログラム及び情報処理方法 図4
  • 特開-情報処理装置、プログラム及び情報処理方法 図5
  • 特開-情報処理装置、プログラム及び情報処理方法 図6
  • 特開-情報処理装置、プログラム及び情報処理方法 図7
  • 特開-情報処理装置、プログラム及び情報処理方法 図8
  • 特開-情報処理装置、プログラム及び情報処理方法 図9
  • 特開-情報処理装置、プログラム及び情報処理方法 図10
  • 特開-情報処理装置、プログラム及び情報処理方法 図11
  • 特開-情報処理装置、プログラム及び情報処理方法 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023026159
(43)【公開日】2023-02-24
(54)【発明の名称】情報処理装置、プログラム及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/06 20230101AFI20230216BHJP
【FI】
G06Q10/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021131878
(22)【出願日】2021-08-13
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.THUNDERBOLT
(71)【出願人】
【識別番号】518293789
【氏名又は名称】リフ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 圭太
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA08
(57)【要約】
【課題】効率的に募集者等が求める業務スキルを有する応募者を把握可能とする技術を提供すること。
【解決手段】本発明の一態様によれば、情報処理装置が提供される。この情報処理装置は、制御部を備える。制御部は、受付ステップと、特定ステップと、表示制御ステップとを実行するように構成される。受付ステップでは、応募者の職務履歴情報を特定可能な応募情報を受け付ける。特定ステップでは、職務履歴情報に基づき、応募者が有する業務スキル毎の累計経験期間を特定する。表示制御ステップでは、業務スキル毎の累計経験期間を表示するように制御する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置であって、
制御部を備え、
前記制御部は、受付ステップと、特定ステップと、表示制御ステップとを実行するように構成され、
前記受付ステップでは、応募者の職務履歴情報を特定可能な応募情報を受け付け、
前記特定ステップでは、前記職務履歴情報に基づき、前記応募者が有する業務スキル毎の累計経験期間を特定し、
前記表示制御ステップでは、前記業務スキル毎の前記累計経験期間を表示するように制御する、
もの。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置において、
前記特定ステップでは、前記職務履歴情報に基づき、前記応募者が有する業務スキル毎のプロジェクト数と、前記プロジェクトの平均所属期間と、ブランク期間とのうち少なくとも一つを特定し、
前記表示制御ステップでは、前記プロジェクト数と、前記平均所属期間と、ブランク期間とのうち少なくとも一つを表示するように制御する、
もの。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の情報処理装置において、
前記特定ステップでは、前記職務履歴情報から、前記業務スキルを示す記載の始点を特定するとともに、その始点から前記累計経験期間を特定する、
もの。
【請求項4】
請求項3に記載の情報処理装置において、
前記特定ステップでは、前記職務履歴情報が表形式である場合において、前記業務スキルを示す記載の始点となる行を特定するとともに、前記行を始点として、前記累計経験期間を特定する、
もの。
【請求項5】
請求項1~請求項4の何れか1つに記載の情報処理装置において、
前記表示制御ステップでは、前記応募情報と、その応募情報から特定された前記累計経験期間とを同時に視認可能な態様で表示するように制御する、
もの。
【請求項6】
請求項1~請求項5の何れか1つに記載の情報処理装置において、
前記特定ステップでは、前記職務履歴情報と、参照データとに基づき、前記業務スキル毎の前記累計経験期間を特定し、
前記参照データは、前記業務スキルを示す業務関連用語を含むデータである、
もの。
【請求項7】
請求項6に記載の情報処理装置において、
前記制御部は、登録ステップをさらに実行するように構成され、
前記特定ステップでは、前記職務履歴情報又は前記応募情報に含まれる文字情報から、新たな業務関連用語を特定し、
前記登録ステップでは、特定された前記業務関連用語を前記参照データに登録する、
もの。
【請求項8】
請求項7に記載の情報処理装置において、
前記特定ステップでは、前記職務履歴情報又は前記応募情報に含まれる前記文字情報から、機械学習モデルを用いて、新たな業務関連用語を特定する、
もの。
【請求項9】
請求項1~請求項8の何れか1つに記載の情報処理装置において、
前記業務スキルは、ソフトウェア関連スキルである、
もの。
【請求項10】
請求項1~請求項9の何れか1つに記載の情報処理装置において、
前記業務スキルは、開発言語と、開発環境とのうち少なくとも1つを含む、
もの。
【請求項11】
請求項1~請求項10の何れか1つに記載の情報処理装置において、
前記受付ステップでは、インターネットを利用した通信サービスを用いて、前記応募情報を受け付ける、
もの。
【請求項12】
請求項11に記載の情報処理装置において、
前記受付ステップでは、前記通信サービスを用いて、前記応募者からの前記職務履歴情報を特定可能な電子メール又はチャットメッセージを受け付ける、
もの。
【請求項13】
請求項1~請求項12の何れか1つに記載の情報処理装置において、
職務経歴情報は、前記応募情報に添付された文書ファイル又は前記応募情報に含まれるダウンロードリンクに基づいて取得された文書ファイルである、
もの。
【請求項14】
請求項13に記載の情報処理装置において、
前記文書ファイルの形式は、ワープロ形式、表形式、プレゼンテーション形式、とのうち少なくとも一つである、
もの。
【請求項15】
プログラムであって、
コンピュータに、請求項1~請求項14の何れか1つに記載の情報処理装置の各ステップを実行させる、
もの。
【請求項16】
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
請求項1~請求項14の何れか1つに記載の情報処理装置における各ステップを備える、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、プログラム及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、人材を募集する場合、人材派遣業者から人材紹介を受けたり、求職者から直接応募を受け付けたりすることで、所望の人材を確保する。特許文献1には、求人案件に対して求職者の最適な組み合わせの選定を迅速・効率的に行うための求人求職仲介方法およびそのシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-373268号公報特開
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、マッチング業者や求人募集者(以下、募集者等とよぶ)は、応募者の業務スキルを記した職務経歴を確認しながら、選考を進めるのが通例である。
【0005】
しかしながら、このような職務経歴は、フォーマットが統一化されておらず、募集者等が確認する際に手間がかかるとともに、募集者等が求める経歴を求職者が有する否かを即時に判断し難いという問題がある。
【0006】
本発明では上記事情を鑑み、効率的に募集者等が求める業務スキルを有する応募者を把握可能とする技術を提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明の一態様によれば、情報処理装置が提供される。この情報処理装置は、制御部を備える。制御部は、受付ステップと、特定ステップと、表示制御ステップとを実行するように構成される。受付ステップでは、応募者の職務履歴情報を特定可能な応募情報を受け付ける。特定ステップでは、職務履歴情報に基づき、応募者が有する業務スキル毎の累計経験期間を特定する。表示制御ステップでは、業務スキル毎の累計経験期間を表示するように制御する。
【0008】
これにより、効率的に募集者等が求める業務スキルを有する応募者を把握可能とする技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態に係る情報処理システム1の構成概要を示す図である。
図2】情報処理装置3のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】情報処理装置3の機能を示す機能ブロック図である。
図4】情報処理装置3による情報処理の一例を示すアクティビティ図である。
図5】応募情報5の一例を示す図である。
図6】職務経歴情報51の一例を示す図である。
図7】職務経歴情報51の一例を示す図である。
図8】参照データ6の一例を示す図である。
図9】求人端末4の表示部に表示される画面の一例を示す図である。
図10】求人端末4の表示部に表示される画面の一例を示す図である。
図11】求人端末4の表示部に表示される画面の一例を示す図である。
図12】求人端末4の表示部に表示される画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0011】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0012】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0013】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0014】
1.ハードウェア構成
本節では、本実施形態のハードウェア構成について説明する。図1は、本実施形態に係る情報処理システム1の構成概要を示す図である。
【0015】
1.1 情報処理システム1
情報処理システム1は、複数の応募者端末2(応募者端末2-1~応募者端末2-N)と、情報処理装置3と、求人端末4とを備え、これらが電気通信回線を通じて通信可能に構成されている。情報処理装置3は、応募者端末2-1~応募者端末2-Nのそれぞれ及び求人端末4と、インターネット等のネットワークを介して相互に通信可能となっている。これらの構成要素についてさらに説明する。
【0016】
1.2 応募者端末2
応募者端末2は、求人に応募する応募者が操作するものであり、スマートフォン、タブレット端末、コンピュータ、その他電気通信回線を通じて情報処理装置3にアクセス可能なものであれば、その形態は問わない。なお、応募者端末2は、応募者を紹介する人材紹介業者が操作するものであってもよい。
【0017】
応募者端末2は、表示部と、入力部と、通信部と、記憶部と、制御部とを有し、これらの構成要素が応募者端末2の内部において通信バスを介して電気的に接続されている。
【0018】
表示部は、例えば、応募者端末2の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。表示部は、ユーザが操作可能なグラフィカルユーザインターフェース(Graphical User Interface:GUI)の画面を表示する。このような表示部は、例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイおよびプラズマディスプレイ等の表示デバイスを、応募者端末2の種類に応じて使い分けて実施されることが好ましい。ここでは、表示部は、応募者端末2の筐体に含まれるものとして説明する。
【0019】
入力部は、応募者端末2の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。例えば、入力部は、表示部と一体となってタッチパネルとして実施されてもよい。タッチパネルであれば、ユーザは、タップ操作、スワイプ操作等を入力することができる。もちろん、タッチパネルに代えて、スイッチボタン、マウス、QWERTYキーボード等を採用してもよい。すなわち、入力部が、ユーザによってなされた操作入力を受け付ける。当該入力が、命令信号として、通信バスを介して制御部に転送され、制御部が、必要に応じて、所定の制御や演算を実行し得る。
【0020】
通信部、記憶部及び制御部の具体的な説明については、次に説明する情報処理装置3における通信部31、記憶部32及び制御部33の記載を参照されたい。
【0021】
1.3 情報処理装置3
図2は、情報処理装置3のハードウェア構成を示すブロック図である。情報処理装置3は、通信部31と、記憶部32と、制御部33とを備え、これらの構成要素が情報処理装置3の内部において通信バス30を介して電気的に接続されている。各構成要素についてさらに説明する。
【0022】
(通信部31)
通信部31は、USB、IEEE1394、Thunderbolt、有線LANネットワーク通信等といった有線型の通信手段が好ましいものの、無線LANネットワーク通信、LTE/3G等のモバイル通信、Bluetooth(登録商標)通信等を必要に応じて含めてもよい。すなわち、これら複数の通信手段の集合として実施することがより好ましい。
【0023】
(記憶部32)
記憶部32は、前述の記載により定義される様々な情報を記憶する。これは、例えば、制御部33によって実行される情報処理装置3に係る種々のプログラム等を記憶するソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスとして、あるいは、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリとして実施されうる。また、これらの組合せであってもよい。
【0024】
(制御部33)
制御部33は、情報処理装置3に関連する全体動作の処理・制御を行う。制御部33は、例えば不図示の中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)である。制御部33は、記憶部32に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、情報処理装置3に係る種々の機能を実現する。すなわち、ソフトウェア(記憶部32に記憶されている)による情報処理がハードウェア(制御部33)によって具体的に実現されることで、制御部33に含まれる各機能部(図3参照)として実行されうる。これらについては、次節においてさらに詳述する。なお、制御部33は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部33を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0025】
1.4 求人端末4
求人端末4は、人材の採用を行う採用担当者が操作するものである。求人端末4は、スマートフォン、タブレット端末、コンピュータ、その他電気通信回線を通じて応募者端末2及び情報処理装置3にアクセス可能なものであれば、その形態は問わない。
【0026】
求人端末4は、表示部と、入力部と、通信部と、記憶部と、制御部とを有し、これらの構成要素が外部の求人端末4の内部において通信バスを介して電気的に接続されている。各構成要素の説明は応募者端末2及び情報処理装置3の記載を参照されたい。
【0027】
2.機能構成
本節では、本実施形態の機能構成について説明する。図3は、情報処理装置3の機能を示す機能ブロック図である。前述の通り、ソフトウェア(記憶部32に記憶されている)による情報処理がハードウェア(制御部33)によって具体的に実現されることで、制御部33に含まれる各機能部として実行されうる。
【0028】
具体的には、制御部33は、各機能部として、受付部331と、特定部332と、表示制御部333と、登録部334とを備える。
【0029】
(受付部331)
受付部331は、取得ステップを実行可能に構成される。取得ステップにおいて、受付部331は、通信部31又は記憶部32を介して情報を取得し、これを作業メモリに読出可能に構成される。特に、受付部331は、応募者端末2からネットワーク及び通信部31を介して種々の情報を取得するように構成される。本実施形態では、受付部331が取得した種々の情報は、記憶部32に記憶されるものとして説明する。
【0030】
特に、受付部331は、インターネットを利用した通信サービスを用いて、応募情報5を受け付ける。インターネットを利用した通信サービスは、例えば、電子メールサービス、コミュニケーションツールサービス、SNS(socialnetworkservice)プラットフォームを用いた通信サービス、人材マッチングプラットフォームを用いた通信サービス等である。受付部331は、これらの通信サービスを用いて、求職者からの応募を受け付ける。なお、これに限らず、通信部31又はネットワークを介して応募情報5を受付可能であれば、特に手段は問わない。
【0031】
(特定部332)
特定部332は、特定ステップを実行可能に構成される。特定ステップにおいて、特定部332は、受付部331が取得した種々の情報の中から記憶部32に予め記憶された条件を満たす情報を特定する。具体的な例については、次節でさらに詳述する。
【0032】
(表示制御部333)
表示制御部333は、表示制御ステップを実行可能に構成される。表示制御ステップにおいて、表示制御部333は、記憶部32に記憶された種々の情報又はこれらを含む画面等を、応募者端末2で視認可能な態様で表示させる。具体的には、表示制御部333は、画面、画像、アイコン、メッセージ等の視覚情報を、応募者端末2の表示部に表示させるように制御する。表示制御部333は、視覚情報を応募者端末2に表示させるためのレンダリング情報だけを生成してもよい。
【0033】
(登録部334)
登録部334は、登録ステップを実行可能に構成される。登録ステップにおいて、登録部334は、新たな業務関連用語52を参照データ6に登録する。
【0034】
3.情報処理の詳細
第3節では、アクティビティ図を参照しながら、情報処理装置3が実行する情報処理方法について説明する。下記に示す通り、情報処理方法は、情報処理システム1における各ステップを備える。
【0035】
図4は、情報処理装置3による情報処理の一例を示すアクティビティ図である。なお、以下の処理の順番は適宜入れ替えることができ、複数の処理が同時に実行されてもよいし、その全ての処理を実行しなくてもよい。
【0036】
求人に応募する応募者は、応募者端末2から通信部およびネットワークを介して応募情報5を情報処理装置3に送信する(A101)。図5は、応募情報5の一例を示す図である。図5では、人材紹介会社から応募者に関する情報が送信される例が示され、応募情報5には、職務経歴情報51として、文書ファイルが添付されている。同図に示されるように、応募情報5は、応募者の職務経歴情報51を特定可能である。応募情報5には、職務経歴情報51を含む文書ファイルのダウンロードリンクが記載されており、このダウンロードリンクから職務経歴情報51を取得することで、職務経歴情報51を特定可能であってもよい。なお、図5では、電子メールを用いて応募情報5を情報処理装置3に送信する例を示したが、応募情報5は、チャットサーバを用いたチャットメッセージを介して送信されたものであってもよい。また、応募情報5は、人材マッチングプラットフォームを用いて送受信されてもよい。
【0037】
図6及び図7は、職務経歴情報51の一例を示す図である。図6及び図7で示されるように、職務経歴情報51は、応募者の詳細な業務経歴を含む。以下、応募者がシステム開発に携わるエンジニアであり、業務スキルとしてソフトウェア関連スキルを有する場合を例に説明する。図6で示される技術経歴書には、エンジニアである応募者が携わった案件毎の業務開始時期、業務終了時期、具体的な業務内容、業務に用いた開発言語、開発環境、フレームワーク、担当ポジション、携わった業務工程等の詳細が記載されている。また、図7で示される技術経歴書では、記号を用いながら携わった作業工程が説明されている。なお、職務経歴情報51を含む文書ファイルの形式は、例えば、ワープロ形式、表形式、プレゼンテーション形式、とのうち少なくとも一つであることが好ましいが、これに限られない。
【0038】
続いて、受付部331は、通信部31およびネットワークを介して応募情報5を受け付ける。具体的には、受付部331は、応募情報5を含む電子メール又はチャットメッセージを受け付ける。前述したように、職務経歴情報51は、応募情報5に添付された文書ファイルであってもよいし、応募情報5に含まれるダウンロードリンクに基づいて取得された文書ファイルであってもよい。
【0039】
特定部332は、職務経歴情報51と、参照データ6とに基づき、応募者が有する業務スキル毎の累計経験時間7を特定する(A103)。具体的には、特定部332は、参照データ6を参照して、職務経歴情報51に含まれる単語の中で業務スキルに該当するものを特定する。
【0040】
業務スキルを特定後、特定部332は、さらに各業務スキルの累計経験時間7を特定する。具体的には、職務経歴情報51が長文の文章で構成されている場合、特定部332は、文章構成を解析することによって、各業務スキルと、その経験期間を対応付ける。
【0041】
一方、職務経歴情報51が表形式である場合、特定部332は、職務経歴情報51から、業務スキルを示す記載の始点を特定するとともに、その始点から累計経験時間7を特定する。具体的には、特定部332は、行及び列の対応関係を解析することによって、各業務の業務開始年月日及び業務終了年月日から算出された経験期間と、その業務に対応する業務スキルを対応付ける。より具体的には、特定部332は、表を構成する各セルをチェックしながら、業務スキルを示す記載の始点となる行を特定するとともに、行を始点として、累計経験時間7をさらに特定する。図6の例では、「期間」と書かれた行を始点として、各列の記載の対応関係を解析し、各業務スキルと、その業務スキルに対応する経験期間とを特定する。同一の業務スキルに対応する経験期間が複数算出された場合、各経験期間を集計することによって、累計経験時間7を特定する。また、特定部332は、さらに細かく、過去5年間などの予め設定された遡及年数に基づき、各業務スキルの累計経験時間7を特定してもよい。このとき、計算対象とする遡及期間は、募集者が任意に設定可能であることが好ましいこのようにして、特定部332は、職務経歴情報51に基づき、応募者が有する業務スキル毎の累計経験時間7を特定する。
【0042】
このとき、業務スキルと、これに対応する経験期間を特定するのと同様の方法で、特定部332は、職務経歴情報51に基づき、応募者が有する業務スキル毎のプロジェクト数を特定してもよい。特定部332は、職務経歴情報51に基づき、プロジェクトの平均所属期間を特定してもよい。これにより、例えば、募集者がプロジェクトの所属期間が長い応募者を求める場合には、募集者は、職務経歴情報51に記載されている内容を手作業で計算するなどの手間を掛けることなく、プロジェクトの平均所属期間を把握することができる。
【0043】
また、特定部332は、職務経歴情報51に基づき、過去5年間に従事したプロジェクトの平均期間と、直近のプロジェクトの所属期間とを特定してもよい。特定部332は、さらに細かく、予め設定された遡及年数及びプロジェクトの所属期間に基づき、条件に一致するプロジェクト数を特定してもよい。
具体的には、特定部332は、過去10年間で1年以上所属したプロジェクトの件数や、過去10年間で所属期間が3ヶ月以下であったプロジェクトの件数を特定可能である。このとき、計算対象とする遡及年数及びプロジェクトの所属期間は、募集者が任意に設定可能であることが好ましい。
【0044】
特定部332は、職務経歴情報51に基づき、ブランク期間を特定してもよい。ブランク期間とは、プロジェクトに携わっていなかった、いわゆる休職期間を示す。具体的には例えば、特定部332は、過去5年間における休職期間の累計期間を、ブランク期間として特定してもよい。特定部332は、直近のプロジェクト終了時点からのブランク期間を特定してもよい。また、特定部332は、所定期間以上のブランク期間の回数を特定してもよい。例えば、特定部332は、過去10年間において、3ヶ月以上のブランク期間があった場合には、その回数をさらに特定してもよい。このように、特定部332は、さらに細かく、予め設定された遡及年数及びブランク期間に基づき、条件に一致するブランク期間またはブランク発生回数を特定することができる。このとき、計算対象とする遡及年数及びブランク期間は、募集者が任意に設定可能であることが好ましい。このような態様により、本実施形態では、テンプレート等を用いることなく、応募者から提出された職務経歴情報51を動的に解析可能となる。
【0045】
ここで、業務スキルは、応募者の具体的な業務内容や業務に必要なツール、担当したポジション等を示す。応募者がソフトウェアエンジニアである場合、例えば、使用経験のある開発言語と、開発環境、フレームワーク、携わった業務工程毎の累計経験時間7が特定される。また、応募者がデザイナーである場合には、例えば、Photoshop(登録商標)などデザインに用いるプログラムの利用経験が特定される。図8は、参照データ6の一例を示す図である。参照データ6は、前述した各業務スキルを示す業務関連用語52を含むデータである。なお、図8の例では、各業務スキルは、種類や分野ごとに分類されている例を示したが、グルーピングされていなくてもよい。
【0046】
表示制御部333は、業務スキル毎の累計経験時間7を求人端末4に表示するように制御する(A104)。特に、表示制御部333は、応募情報5と、その応募情報5から特定された累計経験時間7とを同時に視認可能な態様で表示するように制御する。図9は、求人端末4の表示部に表示される画面の一例を示す図である。図9で示されるように、応募情報5を電子メールで受け付けた場合、この電子メールとともに累計経験時間7が表示可能であることが好ましい。これにより、募集者等は、応募がきたことを認識した際、即座に応募者の業務スキルを把握可能となり、効率的に選考を進めることが可能となる。また、表示制御部333は、上述したプロジェクト数と、平均所属期間と、ブランク期間とのうち少なくとも一つを表示させてもよい。このとき、表示制御部333は、条件を満たすプロジェクト数と、平均所属期間のみを表示させてもよい。例えば、表示制御部333は、過去5年間におけるブランク期間が所定期間以上である場合のみ表示させても良い。所定期間とは、具体的には例えば、3,4,5,6ヶ月であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。さらに、表示制御部333は、電子メールとともに、求職者の年齢、最寄り駅、希望報酬金額等を表示させてもよい。
【0047】
4.変形例
第4節では、前述した情報処理システム1の情報処理方法の変形例について説明する。
【0048】
4.1 変形例1
表示制御部333は、算出された累計経験時間7に基づき、一定条件以上の応募者の応募情報5のみを求人端末4に表示させてもよい。図10及び図11は、求人端末4の表示部に表示される画面の一例を示す図である。図10及び図11では、受付部331が受け付けた応募情報5の一覧が示される。例えば、募集者等が、Java(登録商標)の経験年数が3年以上であって、システムの開発工程のうち詳細設計の経験年数が2年以上ある人材を求める場合、図10で示されるように、業務スキル及びその累計経験時間7の指定を行うことができる。そして、求人端末4からこの条件を通信部又はネットワークを介して情報処理装置3に送信する。受付部331は、応募者端末2からこれを受け付け、この条件を満たす職務経歴情報51を有する応募者に係る応募情報5を特定する。条件を満たす応募者からの応募を受け付けている場合、図11で示されるように、表示制御部333は、指定された条件を満たす応募情報5のみを求人端末4に表示させる。
【0049】
またこのとき、表示制御部333は、指定された条件を満たす業務スキルの累計経験時間7を強調表示させてもよい。図12は、求人端末4の表示部に表示される画面の一例を示す図である。図12では、該当する累計経験時間7の背景色を変化させて表示しているが、図11で示されるように、応募情報5の一覧画面に、該当する業務スキルの累計経験時間7を件名とともに表示させてもよい。
【0050】
このように、表示制御部333は、予め指定された業務スキルの累計経験時間7が一定以上の応募情報5のみを、求人端末4に表示させてもよい。これにより、より効率的に応募者の選考を進めることが可能となる。
4.2 変形例2
特定部332は、職務経歴情報51又は応募情報5に含まれる文字情報から、新たな業務関連用語52を特定する。具体的には、特定部332は、職務経歴情報51を解析することにより、参照データ6に登録されていない用語が、既に登録されている業務関連用語52と同義の単語であると判断される場合、その単語を新たな業務関連用語52として特定する。その後、登録部334は、この単語を、特定された業務関連用語52として参照データ6に登録する。また、特定部332は、職務経歴情報51を解析した結果、参照データ6に登録されていない特定の単語が、予め設定されたグループ(分野)に属するものであると推定される場合、その単語をそのグループに属する新たな業務関連用語52として登録してもよい。なお、このとき、また、特定部332は、参照データ6に含まれる単語がグループ化されていない場合でも、特定の単語が、新しく生まれた業務関連用語52であると推定される場合、その単語をそのグループに属する新たな業務関連用語52として登録してもよい。特定部332は、職務経歴情報51又は応募情報5に含まれる文字情報から、機械学習モデルを用いて、新たな業務関連用語52を特定してもよい。
【0051】
これにより、誤記や単語の表記ゆれが発生した場合でも、正確に累計経験時間7を算出可能となるとともに、世間一般に新たな業務関連用語52が用いられるようになった際は、その単語も業務スキルを示すものとして登録することができる。
【0052】
5.その他
本実施形態に係る情報処理システム1に関して、以下のような態様を採用してもよい。
【0053】
(1)本実施形態の態様は、プログラムであってもよい。プログラムは、コンピュータに、情報処理装置3の各ステップを実行させる。
【0054】
本実施形態では、参照データ6がルックアップテーブル等のデータベースであるものとし、それに含まれる詳細な項目を説明したが、あくまでも一例でありこの限りではない。さらに、参照データ6は、そもそもルックアップテーブル等のデータベースに限定されず、複数の情報を数学的に関係づけた数理モデルでもよいし、さらに好ましくは、複数の情報の相関性を予め機械学習させた学習済みモデルであってもよい。
【0055】
さらに、次に記載の各態様で提供されてもよい。
【0056】
(2)前記情報処理装置において、前記特定ステップでは、前記職務履歴情報に基づき、前記応募者が有する業務スキル毎のプロジェクト数と、前記プロジェクトの平均所属期間と、ブランク期間とのうち少なくとも一つを特定し、前記表示制御ステップでは、前記プロジェクト数と、前記平均所属期間と、ブランク期間とのうち少なくとも一つを表示するように制御する、もの。
【0057】
(3)前記情報処理装置において、前記特定ステップでは、前記職務履歴情報から、前記業務スキルを示す記載の始点を特定するとともに、その始点から前記累計経験期間を特定する、もの。
【0058】
このような態様によれば、テンプレートを用意することなく、効率的に応募者の業務経験を把握可能となる(効果)
【0059】
(4)前記情報処理装置において、前記特定ステップでは、前記職務履歴情報が表形式である場合において、前記業務スキルを示す記載の始点となる行を特定するとともに、前記行を始点として、前記累計経験期間を特定する、もの。
【0060】
(5)前記情報処理装置において、前記表示制御ステップでは、前記応募情報と、その応募情報から特定された前記累計経験期間とを同時に視認可能な態様で表示するように制御する、もの。
【0061】
(6)前記情報処理装置において、前記特定ステップでは、前記職務履歴情報と、参照データとに基づき、前記業務スキル毎の前記累計経験期間を特定し、前記参照データは、前記業務スキルを示す業務関連用語を含むデータである、もの。
【0062】
(7)前記情報処理装置において、前記制御部は、登録ステップをさらに実行するように構成され、前記特定ステップでは、前記職務履歴情報又は前記応募情報に含まれる文字情報から、新たな業務関連用語を特定し、前記登録ステップでは、特定された前記業務関連用語を前記参照データに登録する、もの。
【0063】
(8)前記情報処理装置において、前記特定ステップでは、前記職務履歴情報又は前記応募情報に含まれる前記文字情報から、機械学習モデルを用いて、新たな業務関連用語を特定する、もの。
【0064】
(9)前記情報処理装置において、前記業務スキルは、ソフトウェア関連スキルである、もの。
【0065】
(10)前記情報処理装置において、前記業務スキルは、開発言語と、開発環境とのうち少なくとも1つを含む、もの。
【0066】
(11)前記情報処理装置において、前記受付ステップでは、インターネットを利用した通信サービスを用いて、前記応募情報を受け付ける、もの。
【0067】
(12)前記情報処理装置において、前記受付ステップでは、前記通信サービスを用いて、前記応募者からの前記職務履歴情報を特定可能な電子メール又はチャットメッセージを受け付ける、もの。
【0068】
(13)前記情報処理装置において、職務経歴情報は、前記応募情報に添付された文書ファイル又は前記応募情報に含まれるダウンロードリンクに基づいて取得された文書ファイルである、もの。
【0069】
(14)前記情報処理装置において、前記文書ファイルの形式は、ワープロ形式、表形式、プレゼンテーション形式、とのうち少なくとも一つである、もの。
【0070】
(15)プログラムであって、コンピュータに、前記情報処理装置の各ステップを実行させる、もの。
【0071】
(16)情報処理装置が実行する情報処理方法であって、前記情報処理装置における各ステップを備える、方法。
もちろん、この限りではない。
【0072】
最後に、本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0073】
1 :情報処理システム
2 :応募者端末
3 :情報処理装置
30 :通信バス
31 :通信部
32 :記憶部
33 :制御部
331 :受付部
332 :特定部
333 :表示制御部
334 :登録部
4 :求人端末
5 :応募情報
51 :職務経歴情報
52 :業務関連用語
6 :参照データ
7 :累計経験時間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12