(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023027287
(43)【公開日】2023-03-01
(54)【発明の名称】モータ車両
(51)【国際特許分類】
B62K 5/10 20130101AFI20230221BHJP
【FI】
B62K5/10
【審査請求】有
【請求項の数】28
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022200108
(22)【出願日】2022-12-15
(62)【分割の表示】P 2018527755の分割
【原出願日】2016-12-27
(31)【優先権主張番号】102015000088085
(32)【優先日】2015-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(71)【出願人】
【識別番号】515217546
【氏名又は名称】ピアッジオ エ チ.ソシエタ ペル アチオニ
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ラッファエッリ,アンドレア
(57)【要約】 (修正有)
【課題】前2輪タイプの3輪モータ車両の安定性とハンドリングを向上させる。
【解決手段】モータ車両は、前方キャリッジフレームと、多関節四辺形によって前方キャリッジフレームに運動学的に接続される一対の前輪と、ハンドルバーに機械的に関連付けられる操舵バーと、第一及び第二ロールヒンジ及び第一及び第二操舵ヒンジを介した各車輪の車輪支持要素を備え、車輪が直線で前方方向と平行なとき、第一及び第二操舵ヒンジは縦方向で多関節四辺形の交差部材からオフセット配置され、地面と平行な射影面に対して、車輪の操舵軸(S´-S´、S´´-S´´)と第一及び第二操舵ヒンジを接合する直線は地面上の後輪の支持点において交差する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
-前方キャリッジフレーム(16)と、
-多関節四辺形(20)を介して前記前方キャリッジフレーム(16)に運動学的に接続される一対の前輪(10´、10´´)を備え、
-前記多関節四辺形(20)は、中央ヒンジ(28)に応じて前記前方キャリッジフレーム(16)にヒンジ接続される一対の交差部材(24´、24´´)を備え、
-前記交差部材(24´、24´´)は、側方ヒンジ(52)で横方向端部(40、44)において旋回させる支柱(48、48´、48´´)を介して、反対側の前記横方向端部(40、44)において共に接続され、各支柱(48´、48´´)は上端(60)から下端(64)まで延在し、前記上端(60)は前記上側交差部材(24´)と対向し、前記下端(64)は前記下側交差部材(24´´)と対向し、
前記交差部材(24´、24´´)と前記支柱(48)は前記多関節四辺形(20)を画定し、
-前方キャリッジ(8)は、ハンドルバーに機械的に関連付けられる操舵バー(70)を備え、前記操舵バー(70)は反対側の側方端部(71、72)の間に延在し、そこで前記支柱(48´、48´´)に接合される各車輪(10´、10´´)の車輪支持要素(73、74)に機械的に接続され、各操舵軸(S´-S´、S´´-S´´)の周りで前記前輪(10´、10´´)の回転を制御する、
モータ車両(8)であって、
前記側方端部(71、72)において、前記操舵バー(70)は、第一及び第二ロールヒンジ(75、76)を介して、及び前記第一及び第二ロールヒンジ(75、76)とそれぞれ直交する第一及び第二操舵ヒンジ(77、78)を介して、各車輪支持要素(73、74)に機械的に接続され、
前記ロールヒンジ(75、76)は前記中央ヒンジ(28)と平行であり、各交差部材(24´、24´´)の側方ヒンジ(52)の間の距離と等しい距離において互いに配置され、前記支柱(48´、48´´)に沿って後者と整列させ、
前記車輪が直線であり前進方向と平行である条件において、前記第一及び第二操舵ヒンジ(77、78)は、縦方向(X-X)内で前記交差部材(24´、24´´)からオフセット配置され、地面と平行な射影面(Q)に対して、前記第一及び第二操舵ヒンジ(77、78)と前記操舵軸(S´-S´、S´´-S´´)を接合する直線(F、G)は、地面上の後輪の支持点(V)において交差し、前記車両の中心線面(M-M)を通過する、
ことを特徴とするモータ車両(8)。
【請求項2】
前記第一及び第二ロールヒンジ(75、76)は、前記操舵軸(S´-S´、S´´-S´´)とそれぞれ直交する、請求項1に記載のモータ車両(8)。
【請求項3】
前記操舵ヒンジ(77、78)は、各ロールヒンジ(75、76)と、前記車両の中心線面(M-M)との間に配置される、請求項1又は2に記載のモータ車両(8)。
【請求項4】
前記ロールヒンジ(75、76)と前記操舵ヒンジ(77、78)は互いに直交する円筒ヒンジである、前記請求項1から3のいずれかに記載のモータ車両(8)。
【請求項5】
前記横方向端部(71、72)において、前記操舵バー(70)は、互いに直交して入射するロールヒンジ(75、76)と操舵ヒンジ(77、78)を画定するスパイダ(79)に適合させたカルダン接合部を備える、前記請求項1から4のいずれかに記載のモータ車両(8)。
【請求項6】
前記操舵バー(70)は、前記車両の移動の縦方向(X-X)内の前進方向に対して前
記交差部材(24´、24´´)から後方に設置される、前記請求項1から5のいずれかに記載のモータ車両(8)。
【請求項7】
前記操舵バー(70)は、移動の縦方向(X-X)内の前進方向に対して、前記交差部材(24´、24´´)の前方に設置される、請求項1から5のいずれかに記載のモータ車両(8)。
【請求項8】
前記ロールヒンジ(75、76)は、各支柱(48´、48´´)と平行な垂直軸(C´-C´、C´´-C´´)に沿って互いに整列させ、各垂直軸(C´-C´、C´´-C´´)は、前記車両の中心線面(M-M)と直交する射影面に関して、対応する操舵軸(S´-S´、S´´-S´´)に対して横方向の距離(80)内でオフセットさせ、
前記操舵ヒンジ(77、78)は互いに所定の距離に配置され、地面と平行な射影面(Q)に対して、前記第一及び第二操舵ヒンジ(77、78)と前記操舵軸(S´-S´、S´´-S´´)を接合する直線(F、G)は、地面上の前記後輪の支持点(V)において交差し、前記車両の中心線面(M-M)を通過する、前記請求項1から7のいずれかに記載のモータ車両(8)。
【請求項9】
前記ロールヒンジ(75、76)と前記操舵ヒンジ(77、78)は互いに交差する、請求項8に記載のモータ車両(8)。
【請求項10】
前記ロールヒンジ(75、76)と前記操舵ヒンジ(77、78)は球状ヒンジ(81)を共に貫通し、横揺れ機能と操舵機能の両方を実行する、請求項9に記載のモータ車両(8)。
【請求項11】
前記操舵バー(70)は、中央操舵軸(T-T)を画定する前記前方キャリッジフレーム(16)の中央点(82)において、前記前方キャリッジフレーム(16)に対して旋回させる一体部品である、前記請求項1から10のいずれかに記載のモータ車両(8)。
【請求項12】
前記操舵バー(70)は二本のロッド(83、84)を備え、それぞれ前記車輪支持要素(73、74)の一つと、前記前方キャリッジフレーム(16)の同じ中央点(82)にヒンジ接続され、中央操舵軸(T-T)を画定する、請求項1から10のいずれかに記載のモータ車両(8)。
【請求項13】
前記中央点(82)に交差接合部(85)を設け、互いに直交して入射する中央ロールヒンジ(86)と中央操舵ヒンジ(87)を画定する、請求項11又は12に記載のモータ車両(8)。
【請求項14】
各前輪(10´、10´´)において、前記車輪支持要素(73、74)は、前輪(10´、10´´)の回転ピン(68)に機械的に接続される各前輪(10´、10´´)の車軸ジャーナル(56)用の傾斜支持構造(88)を備え、その回転軸(R´-R´、R´´-R´´)の周りで前記前輪(10´、10´´)を回転可能なまま支持し、
-前記傾斜支持構造(88)は各支柱(48´、48´´)の上端(60)と下端(64)に配置された操舵ピン(90)を介して、多関節四辺形(20)にヒンジ接続され、前記操舵ピン(90)は互いに平行な前記車輪(10´、10´´)の各操舵軸(S´-S´、S´´-S´´)を画定する、前記請求項1から13のいずれかに記載のモータ車両(8)。
【請求項15】
前記操舵軸(S´-S´、S´´-S´´)は前記支柱(48´、48´´)の対称軸とそれぞれ一致する、請求項14に記載のモータ車両(8)。
【請求項16】
各車輪(10´、10´´)は回転軸(R´-R´、R´´-R´´)の中心線面を備え、回転軸(R´-R´、R´´-R´´)の各中心線面は各前輪(10´、10´´)の操舵軸(S´-S´、S´´-S´´)をそれぞれ通過する、請求項14又は15に記載のモータ車両(8)。
【請求項17】
前記傾斜支持構造(88)は、
-専用車輪取付け部において前輪(10´、10´´)の前記回転ピン(68)に接続されるガイド輪(94)と、
-前記操舵ピン(90)を介して多関節四辺形(20)にヒンジ接続される支持ブラケット(95)を備え、
-前記ガイド輪(94)は、少なくとも三つの傾斜ヒンジ(100、105、106、110)を介して、反対側の上側及び下側軸方向端部(96、98)に応じて、前記支持ブラケット(95)に更にヒンジ接続され、各傾斜軸(B-B)を画定し、前記ガイド輪(94)と前記支持ブラケット(95)の間に回転並進接続を形成する、請求項14から16に記載のモータ車両(8)。
【請求項18】
前記ガイド輪(94)、前記支持ブラケット(95)及び傾斜ヒンジ(100、105、106、110)は周辺を閉じた傾斜支持構造(88)を画定する、請求項17に記載のモータ車両(8)。
【請求項19】
各車輪(10´、10´´)の回転ピン(68)は、前記周辺を閉じた傾斜支持構造(88)及び/又は前記側方ヒンジ(52)の内側に配置され、前記各支柱(48´、48´´)は前記周辺を閉じた傾斜支持構造(88)の内側に配置される、請求項18に記載のモータ車両(8)。
【請求項20】
前記傾斜支持構造(88)は、第一及び第二傾斜ヒンジ(105、106)において前記支持ブラケット(95)と前記ガイド輪(94)に二重にヒンジ接続される接続ロッド(111)を備える、請求項17、18又は19に記載のモータ車両(8)。
【請求項21】
前記傾斜支持構造(88)は、第三傾斜ヒンジ(110)において前記支持ブラケット(95)と前記ガイド輪(94)にヒンジ接続されるプレート(108)を備える、請求項17、18、19又は20に記載のモータ車両(8)。
【請求項22】
傾斜ヒンジ(100、105、106、110)は、各車輪(10´、10´´)の中心線面(R´-R´、R´´-R´´)に直交し、前記操舵ピン(90)によって画定される操舵軸(S´-S´、S´´-S´´)に直交する傾斜軸(B-B)において、前記支持ブラケット(95)と前記ガイド輪(94)にヒンジ接続される、請求項17から21のいずれかに記載のモータ車両(8)。
【請求項23】
前記上側及び下側交差部材(24´、24´´)の横方向端部(40、44)は、前記支柱(48´、48´´)の内側に作製した横方向台座(102)内に少なくとも部分的に収容される、前記請求項1から22のいずれかに記載のモータ車両(8)。
【請求項24】
前記中央及び側方ヒンジ(28、52)は互いに平行であり、前記中央ヒンジ(28)を通過する射影面(P)に対して、前記操舵軸(S´-S´、S´´-S´´)が中央ヒンジ軸(W-W)及び側方ヒンジ軸(Z-Z)と共に角度(α)となるように方向付けされ、前記角度(α)は80度~120度の間であり、好ましくは前記角度(α)は90度~110度の間である、前記請求項1から23のいずれかに記載のモータ車両(8)。
【請求項25】
前記ヒンジ(28、52)は互いに平行であり、前記操舵軸(S´-S´、S´´-S
´´)と直交し、前記中央ヒンジ(28)を通過する射影面(P)に対して、前記操舵軸(S´-S´、S´´-S´´)は前記中央ヒンジ軸(W-W)及び側方ヒンジ軸(Z-Z)と共に90度の角度(α)となる、前記請求項1から24のいずれかに記載のモータ車両(8)。
【請求項26】
前記操舵軸(S´-S´、S´´-S´´)は、前記中央ヒンジ(28)を通過する射影面(P)に対して、地面と直交する垂直方向(N-N)と比較して、4度~20度、好ましくは8度~16度の操舵角(β)だけ傾斜させる、前記請求項1から25のいずれかに記載のモータ車両(8)。
【請求項27】
前記中央及び側方ヒンジ(28、52)は、地面と平行な、つまり、地面と直交する垂直方向(N-N)と直交する中央ヒンジ軸(W-W)と側方ヒンジ軸(Z-Z)に従って傾斜させる、前記請求項1から26のいずれかに記載のモータ車両(8)。
【請求項28】
前記中央及び側方ヒンジ(52)は、互いに平行な中央ヒンジ軸(W-W)と側方ヒンジ軸(Z-Z)に従って方向付けされる、前記請求項1から27のいずれかに記載のモータ車両(8)。
【請求項29】
後方車軸(12)に二つの後方駆動輪(14)を備える、前記請求項1から28のいずれかに記載のモータ車両(4)。
【請求項30】
前記後方車軸(12)における前記後方駆動輪(14)は共に接続され、請求項1から28のいずれかに記載の多関節四辺形(20)を介して後方車軸フレームに接続される、請求項29に記載のモータ車両(4)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、角度調節可能なモータ車両の前方キャリッジとそのモータ車両に関する。
【背景技術】
【0002】
既知のように、駆動後輪と二つの操舵及び傾斜輪を備え、つまり、前方で横揺れ又は傾斜を行う三輪モータ車両が従来から存在している。
【0003】
従って、後輪はトルクを提供し、牽引できることを目的とするが、対の前輪は車両の方向性を提供することを目的とする。
【0004】
二つの後輪の代わりに二つの前輪を用いることで、トルク伝達に差異が加わることを回避する。この方法では、後方車軸におけるコストと重量の低減を実現できる。
【0005】
前方キャリッジにおける対の車輪は操舵に加えて傾斜及び横揺れを可能にし、この方法では、後方車軸に二つの車輪を備える三輪車と比較して、前方キャリッジに二つの車輪を備える車両は、モータバイクと同様に車両がコーナリング時に傾斜できるので、実際のモータバイクと等価である。
【0006】
しかし、二つの車輪だけを備えるモータ車両と比較して、前方キャリッジに対の二つの車輪を備えるこのような車両は、自動車によって提供されるものと同様に、前輪の地面上への二重配置によって保証されるより大きな安定性を有する。
【0007】
前輪は運動学的機構を介して互いに運動学的に接続され、例えば、多関節四辺形の挿置によって、それを同期的に及び鏡面形態で横揺れ及び/又は操舵可能にする。
【0008】
特に、二つの前輪を備える車両を運転するために、ハンドルバーの回転は車輪の回転に接続されなければならず、従って、操舵運動においても相互接続される。
【0009】
原理上、車輪は単一又は二つの操舵バーによって接続可能であり、後者の場合、二つの同一のロッドを使用でき、車両の中央面に対して対称に配置でき、又は単一の車輪に操舵を接続するように第一ロッドを設け、代わりに二つの車輪を互いに接続する第二ロッドを設けてもよい。
【0010】
別個の各車輪によって形成される実際の操舵角は、ハンドルバーを回転することによって表現される運転者の希望だけでなく、車輪の操舵上の横揺れ又はスプリングサスペンション(揺動とも呼ばれる)の運動によっても依存する。この相互作用は操舵補正と呼ばれ、車両の挙動を変化させるために意識的に利用されることもある。例えば、補正は、サスペンションによって決定される車輪の運動を補償するために用いられ、それは多くの場合は簡略化され、操舵ギア比が運転者によって認識されるものをフィルタ処理するのに役立つという事実を利用する。
【0011】
従って、操舵システムの幾何学的定義は、車両の良好な動的挙動にとって必須であり、特に後者が横揺れの場合、車輪は非常に広範囲の運動を有し、不完全な操舵方式に由来する不要な運動を増幅するので、通常の操舵補正はできるだけ制限される。
【0012】
従来技術では、横揺れする前方キャリッジの車輪の操舵を接続する最も普及した方法は、車輪上に操舵ヒンジを配置し、四辺形の横方向側に等しいホイールベースを有し、横揺
れを可能にし、前記操舵ヒンジは前記四辺形をトレースするシステムに接続され、四辺形が邪魔されない場合は単一ロッドを備え、四辺形が邪魔される場合は二重ロッドを備える。実際、これは、四辺形の既存のものに同一の辺を追加することから構成する。
【0013】
従って、一般的に、車輪との接続は球状ヒンジ又は互いに入射する一対の円筒ヒンジを介し、横揺れ及び操舵を可能にし、前記円筒ヒンジは車両の中央面と平行な面に配置され、このようなヒンジは任意の相対的な角度を有するが、最も簡便な選択はそれらを互いに直交させ、横揺れ及び操舵軸と平行にし、前記運動に選択的に作用させることである。
【0014】
その結果、横揺れ又はスプリングサスペンションの運動から分離される操舵輪を実現することが既知の構成方式となる(例えば、同じ出願者によるMP3と呼ばれる車両内で用いられる)が、ただし、それは同じ角度によって車輪を操舵するという特性を有し、従って、この接続方式は運動学的に不正確になるが、それは、二つの別個の瞬間的な回転中心があるという理由で地面上に車輪の引きずりを強いるためである。この効果はタイヤの摩耗を増大させ、理論的な運動学的操舵条件から離れるほど操舵を困難にし、その場合、前輪と後方車軸(一つ又は二つの車輪を備える)は瞬間的な湾曲の共通の中心を有し、車線及び操舵角並びにタイヤと地面の間の地面上の摩擦力が大きくなるほど、この効果は増大する。
【0015】
代わりに自動車では、平行な車輪操舵を備える車両の前方キャリッジの例であっても、例えば、前方における保持の増大を利用して、後方におけるアンバランスな重量の分布を補償したいとき、運動学的操舵は一般的である。特に、19世紀以来、運動学的操舵と同様の運動学的機構が知られており、前輪の車軸の後方に配置される場合はJantaud、前記車軸の前方に配置される場合はAckermannとして知られ、その端部におけるヒンジが、後方車軸の中心(三輪車の場合は、単一の後輪の中心)と各前輪を接合する直線上にある限り、これは前方車軸と平行な任意の距離に操舵バーを配置することを含む。
【0016】
Jantaud及びAckermannの運動学的操舵に従って、前方に二つ、後方に一つの三輪車構成の一例が
図1cに図式化されている。
【0017】
自動車は巨視的な横揺れを有しないので、その図は通常は平面図で表現され、横揺れする車両ではない場合、その図は非常に限られた角度で横揺れする場合を表現し続け、一方、横揺れ角が増大すると、その図はより複雑になるが、それは、車輪が地面上に位置する三角形が変形され、横揺れする四辺形によって課される角度に従って、車輪が垂直に運動するためであり(その結果、車両フレームに対して内輪は「上昇」、外輪は「下降」する)、横揺れがないことを示す代わりに、瞬間的な回転中心の一意性が損なわれる。
【0018】
球状ヒンジ又は対の円筒ヒンジ(球状ヒンジと等価)の中心が運動学的操舵によって提示される車輪側に配置される場合、操舵バーの長さは、四辺形の幅の異なる値(操舵車軸から後方のJantaud設定では低く/操舵車軸から前方に設定されるAckermannでは高い)を仮定し、操舵と横揺れの間の結合が高くなるほど、このような差は大きくなる。
【0019】
例えば、四辺形を備え、前面図に適合させた車両を横揺れさせることを想像すると、四辺形の最も短いバーは車輪の開きを前方に強いる。
【0020】
その結果、自動車業界では、Jantaud又はAckermannの解決策は有効であるが、それは、車両の低い横揺れ角が、タイヤの摩耗及び抵抗、つまり、操舵の動作の困難さについて車両の動的挙動を棄損する等、操舵と横揺れの間の結合を含まないためで
ある。それどころか、明らかに、このようなパラメータは傾斜車両では重要であり、その場合、横揺れ角、従って、操舵と横揺れの間の対応する結合は、より大きくなり、無視できるとはとても言えない。その上、自動車ではユーザにうまく隠される摩耗及び操舵の堅さの増大は、モータサイクルでは代わりに許容できないものになるであろう。実際、自動車ではタイヤはモータサイクルと比較して約四倍の使用期間を有し、操舵については、自動車は現在一般に、パワーステアリングシステムを利用し、事実上労力の増大を補償する(モータサイクルでは提供されないもの)。
【0021】
従って、自動車業界では既知の運動学的操舵の解決策が、三輪傾斜モータサイクルの分野の場合には適用できないことは明らかである。
【0022】
とりわけ、当然のことながら、傾斜三輪モータサイクルは二輪モータサイクルのハンドリングをユーザに提供し、同時に、四輪車の安定性と安全性を提供するように設計される。
【0023】
より大きな安定性は二輪モータ車両と比較して追加の要素の存在(第三の車輪及びその相対運動機構等)を要求し、車両の構造を必然的に押し下げるため、前記二つの所定の目標は正反対となる。
【0024】
その上、三つの車輪「だけ」が存在することは、四輪車の安定性と道路保持性を力毎には保証できない。
【0025】
従って、これらの正反対の目的を調整し、同時に、安定性及びハンドリング、並びに信頼性と低コストを保証できる三輪車を開発することが必須である。
【0026】
このような目的を実現するために、フレームの前方部分又は前方キャリッジ、並びに傾斜及び操舵前輪の操舵機構の特定の幾何形状を開発し、それらの操舵及び傾斜運動中に前輪を支持し、同時に、安全性、安定性、信頼性、更に操作の機敏さ、使用する労力の制限、及びユーザの良好なハンドリングを保証しなければならない。
【発明の概要】
【0027】
上記の問題を解決するために、車輪の二つが前方キャリッジにある三輪車で、現在までに多くの解決策が従来採用されていた。
【0028】
従来技術のこのような解決策は、上記の安定性及びハンドリングの必要性を最適化し損なっている。
【発明が解決しようとする課題】
【0029】
従って、従来技術を参照しながら述べた欠点及び制限を解決する必要性が感じられる。
【課題を解決するための手段】
【0030】
このような目的は、請求項1に記載のモータ車両によって実現される。
【0031】
本発明の更なる特徴と利点は、その好ましく非限定的な実施形態について以下に与えられる説明からより明確に理解可能になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1a】いくつかの要素を除去した本発明の一実施形態によるモータ車両の斜視図である。
【
図1b】本発明の一実施形態によるモータ車両の前方キャリッジを示す正面図である。
【
図1c】二つの前方操舵輪と後輪の三輪を備えるモータサイクルを示す概略平面図であり、操舵バーはAckermannの運動学的操舵に従って配置される場合、移動方向の前方に設置され、Jantaudの運動学的操舵に従って配置される場合、移動方向に対して後方に設置される。
【
図2】本発明の一実施形態によるモータ車両の前方キャリッジを示す斜視図である。
【
図3】
図2の矢印IIIの側から
図2の前方キャリッジを示す斜視図である。
【
図4】
図2の前方キャリッジの詳細を示す斜視図である。
【
図5】
図4の矢印Vの側から
図4の前方キャリッジの詳細を示す斜視図である。
【
図6】本発明の別の実施形態によるモータ車両の前方キャリッジを示す斜視図である。
【
図7】
図6の矢印VIIの側から
図6の前方キャリッジを示す図である。
【
図8】
図6の矢印VIIIの側から
図6の前方キャリッジを示す図である。
【
図9】本発明の別の実施形態によるモータ車両の前方キャリッジを示す斜視図である。
【
図12】本発明の別の実施形態によるモータ車両の前方キャリッジを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以降で説明される実施形態に共通の要素及び要素の部品は、同じ参照番号を用いて示されるであろう。
【0034】
上記の図を参照すると、参照番号4は大域的に、本発明のよるモータ車両の概略全体図を示す。
【0035】
本発明の目的で指摘されるように、用語のモータ車両は広い意味で少なくとも三つの車輪、つまり、以降でより良く説明されるように二つの整列させた車輪と少なくとも一つの後輪を有するモータサイクルを包含すると考えられる。従って、このような定義は、前方キャリッジに二つの車輪、後方車軸に二つの車輪を有するいわゆる四輪バイクを含む。
【0036】
モータ車両4は、少なくとも二つの前輪10、10´、10´´を支持する前方キャリッジ8から、一つ以上の後輪12を支持する後方車軸まで延在するフレーム6を備える。
【0037】
左前輪10´と右前輪10´´を区別することもでき、左及び右10´、10´´の定義は単に形式的なものであり、車両の運転者に対して意味する。前記車輪は、それを運転中の運転者の観察点と比較して、モータ車両の中心線面M-Mの左と右に配置される。
【0038】
以降の説明、並びに図面において、引用符の´及び´´を用いて前記中心線面に対して前方キャリッジの対称な又は鏡面的な要素を参照し、それを運転中の運転者の観察点と比較して、前方キャリッジの左と右に対して部品をそれぞれ指示できる。
【0039】
本発明の目的では、モータ車両のフレーム6は任意の形状、サイズであってもよく、例えば、格子形、箱形、揺り籠状、単一又は二重等であってもよい。
【0040】
モータ車両のフレーム6は単一部品であっても複数の部品であってもよく、例えば、モータ車両のフレーム6は後方車軸フレームと相互接続し、後方車軸フレームは一つ以上の後方駆動輪を支持する振動リアフォーク(図示せず)を備えていてもよい。
【0041】
前記振動リアフォークは、直接ヒンジ接続によって、又はレバー機構及び/又は中間フレームの挿置によってフレーム6に接続できる。
【0042】
モータ車両前方キャリッジ8は、前方キャリッジフレーム16と、多関節四辺形20を介して前方キャリッジフレーム16に運動学的に接続される一対の前輪10、10´、10´´を備える。
【0043】
多関節四辺形20は、中央ヒンジ28に応じて前方キャリッジフレーム16にヒンジ接続される一対の交差部材24、24´、24´´を備える。
【0044】
中央ヒンジ28は、互いに平行な中央ヒンジ軸W-Wを識別する。
【0045】
例えば、前記中央ヒンジは、モータ車両の縦方向X-X又は移動方向を通過する中心線面M-Mをまたぐように配置されるフロントビーム32上に適合させる。
【0046】
例えば、モータ車両4のハンドルバー(図示せず)に接続される操舵機構は、既知の形態で、モータ車両4のフレーム6の操舵チューブ内で回転するように挿入される操舵カラム上で旋回させる。
【0047】
交差部材24は、反対側の横方向端部40、44の間の主横方向Y-Y内に延在する。
【0048】
特に、前記交差部材24は、側方ヒンジ52に応じて前記横方向端部40、44に対して旋回させる支柱48、48´、48´´を介して、前記反対側の横方向端部40、44に応じて共に接続される。
【0049】
一実施形態において、交差部材24、24´、24´´は、フロントビーム32に対して片持ち梁で取り付けられる。
【0050】
交差部材24と支柱48は、前記多関節四辺形20を画定する。特に、四辺形20は二つの交差部材24、つまり、上部交差部材24´と底部交差部材24´´を備え、上部交差部材24´は関連のハンドルバーの側に対向し、底部交差部材24´´はモータ車両4を支持する地面に向かって対向している。
【0051】
交差部材24´、24´´は、形状、材料及びサイズに関して互いに必ずしも同じではなく、各交差部材24は、単一部品で作製しても、例えば、溶接、ボルト、リベット等によって機械的に取り付けた二つ以上の部品で作製してもよい。
【0052】
二つの支柱、特に、左支柱48´と右支柱48´´がある。
【0053】
左及び右支柱48´、48´´の定義は単に形式的であり、車両の運転者に対して意味する。前記左及び右支柱48´、48´´は、それを運転中の運転者の観察点と比較して、モータ車両の中心線面M-Mの左と右に配置される。
【0054】
側方ヒンジ52は互いに平行であり、各側方ヒンジ軸Z-Zを画定する。
【0055】
好ましくは、前記中央ヒンジ28と側方ヒンジ52は、互いに平行な中間ヒンジ軸W-Wと側方ヒンジ軸Z-Zに従って方向付けされる。
【0056】
左及び右支柱48´、48´´は、各操舵軸S´-S´、S´´-S´´の周りで左及び右前輪10´、10´´をそれぞれ回転可能なまま支持する。前記操舵軸S´-S´、S´´-S´´は互いに平行である。
【0057】
各支柱48は上端60から下端64まで延在する。
【0058】
上端60は上部交差部材24´に向かって対向し、下端64は底部交差部材24´´に対向している。各前輪は前輪10の車軸ジャーナル56を備える。
【0059】
一実施形態によると、各車軸ジャーナル56は、前輪10の回転ピン68に機械的に接続され、関連の回転軸R-Rの周りで前輪10を回転可能なまま支持する。
【0060】
前輪10の各回転ピン68は、多関節四辺形20の対応する支柱48の上端60と下端64の間に備えられる。
【0061】
実施可能な実施形態によると、中央ヒンジ28と側方ヒンジ52は互いに平行であり、前記操舵軸S´-S´、S´´-S´´に対して直交する。言い換えると、一実施形態によると、前記中央ヒンジ28を通過する射影面Pと比較して、操舵軸S´-S´、S´´-S´´は、中央ヒンジ軸W-Wと側方ヒンジ軸を90度の角度αで識別する。
【0062】
実施可能な実施形態によると、前記角度αは80度~120度の間であり、好ましくは前記角度αは90~110度の間であり、より好ましくは前記角度αは100度に等しい。
【0063】
前記射影面Pに対して操舵軸S´-S´、S´´-S´´は、地面と直交する垂直方向N-Nに対して4度~20度、より好ましくは8度~16度の間の操舵角βだけ傾斜させてもよい。
【0064】
別の実施形態によると、ヒンジ28と52は地面と平行に、つまり、前記射影面Pに対して前記垂直方向N-Nと直交させた中央ヒンジ軸W-W及び側方ヒンジ軸Z-Zに従って傾斜させることもでき、この構成において、前記角度βは0度に等しい。
【0065】
その上、明らかに、ヒンジ28と52は操舵軸S´-S´、S´´-S´´に対して垂直ではないようにすることもでき、実際、上記のように、操舵軸S´-S´、S´´-S´´と、前記中央ヒンジ28を通過する射影面Pに対する中央ヒンジ軸W-W及び側方ヒンジ軸Z-Zとの間に画定される前記角度αは80度~120度の間に含まれる。
【0066】
中央ヒンジ軸W-Wと側方ヒンジ軸Z-Zの地面に対する平行性は、横揺れ運動中、カーブに対する内輪がほぼ垂直に上向きに上昇することを意味し、水平制動力(地面から送られる)から車輪の横揺れ運動を分離し、モータ車両の底部に向かう空間を少なくする二重の利点を備える。
【0067】
当然のことながら、操舵軸S´-S´、S´´-S´´に対して中央軸W-Wと側方軸Z-Zを傾斜させることによって、動かない静止条件において、前記中央ヒンジ軸W-W
と側方ヒンジ軸Z-Zは地面と平行になり、制動条件、従って、前輪10´、10´´のサスペンションの圧縮時には、前記中央ヒンジ軸W-Wと側方ヒンジ軸Z-Zを傾斜させ、地面に対して実質的に平行な状態に移動させる。例えば、静止状態では、中央ヒンジ軸W-Wと側方ヒンジ軸Z-Zは、ゼロとは異なる角度βを水平方向と識別し(垂直方向と形成される角度に一致し、水平方向と直交する)、制動及び最大圧縮条件において、この角度はゼロになる傾向がある。
【0068】
制動中、中央ヒンジ軸W-Wと側方ヒンジ軸Z-Zが地面と実質的に平行にそれ自体を配置するとき、水平、従って地面と平行な制動力は、移動運動に沿った部品を有していないため、トリガリング、単に、車輪の激振を妨げ、地面に対して実質的に直交する、つまり、垂直であることが分かる。
【0069】
加えて、当然のことながら、支柱48´、48´´の上端60と下端64は、各前輪10´、10´´の回転ピン68の上下に配置され、従来技術の解決策で生じるように完全にその上ではない。
【0070】
言い換えると、前輪10´、10´´の各回転ピン68は、多関節四辺形20の対応する支柱48、48´、48´´の上端60と下端64の間に備えられる。
【0071】
これは、各車輪10´、10´´と、サスペンションを備える多関節四辺形との間の接続の剛性が、従来技術の上記の解決策で発生するより著しく大きいことを暗示し、前輪10´、10´´の繰返し共振が、制動力又は非対称の衝撃によって引き継がれる可能性をより離すことに役立つ。その結果、本発明は全般的に、軽量であるが安全で正確でもあり、ハンドルバーにおける振動又は激振をユーザに伝達しないという点で、前方キャリッジにおける安全の感覚を運転者に伝える車両を提供するのに役立つ。
【0072】
その上、車輪の垂直方向における多関節四辺形の上側及び下側交差部材24´、24´´の配置は、前方キャリッジ、従って車両の共通重心を下向きに移動させ、車両の動的挙動を改善できる。
【0073】
前方キャリッジ8は、ハンドルバー(図示せず)と運動学的に関連付けられる(結合させられる)操舵バー70を備え、操舵バー70は反対側の側方端部71、72の間に延在し、そこで支柱48´、48´´に接合された各車輪10´、10´´の車輪支持要素73、74に運動学的に接続され、各操舵軸S´-S´、S´´-S´´の周りで前記前輪10´、10´´の操舵回転を制御する。
【0074】
前記側方端部71、72において、操舵バー70は、第一及び第二ロールヒンジ75、76を介して、及び前記第一及び第二ロールヒンジ75、76とそれぞれ直交する第一及び第二操舵ヒンジ77、78を介して、各車輪支持要素73、74に運動学的に接続される。
【0075】
直交ヒンジは、互いに直交するヒンジ軸を画定することを意味すると理解される。
【0076】
ロールヒンジ75、76は前記中央ヒンジ28と平行であり、各交差部材24´、24´´の側方ヒンジ52の間の距離と等しい距離に互いに配置され、支柱48´、48´´に沿って後者と整列させる。
【0077】
車輪が直線であり、車両の移動方向又は縦方向X-Xと平行である条件において、第一及び第二操舵ヒンジ77、78は、縦方向X-Xで交差部材24´、24´´からオフセット配置され(ずらされて配置され)、地面と平行な射影面Qに対して、第一及び第二操
舵ヒンジ77、78と操舵軸S´-S´、S´´-S´´を接合する直線F、Gは、地面上の後輪の支持点Vにおいて交差し、車両の中心線面M-Mを通過する。
【0078】
前記第一及び第二ロールヒンジ75、76は、前記操舵軸S´-S´、S´´-S´´に対してそれぞれ直交する。
【0079】
好ましくは、前記操舵ヒンジ77、78は、各ロールヒンジ75、76と、車両の中心線面M-Mとの間に配置される。
【0080】
一実施形態によると、前記ロールヒンジ75、76と前記操舵ヒンジ77、78は円筒ヒンジであり、互いに直交している。
【0081】
一実施形態によると、前記側方端部71、72において、操舵バー70はスパイダ(スパイダスポーク)79に適合させたカルダン接合部を備え、互いに直交して入射するロールヒンジ75、76と操舵ヒンジ77、78を画定する。
【0082】
一実施形態によると、操舵バー70は、車両の縦方向X-X内の前進方向に対して交差部材24´、24´´から後方に設置される。
【0083】
別の実施形態によると、操舵バー70は、車両移動の縦方向X-X内の前進方向に対して、交差部材24´、24´´から前方に設置される。
【0084】
一実施形態によると、ロールヒンジ75、76は、各支柱48´、48´´と平行な垂直軸C-Cに沿って互いに整列させ、各垂直軸C´-C´、C´´-C´´は、車両の中心線面M-Mと直交する射影面に対して、横方向の距離80(オフセット)に従って対応する操舵軸S´-S´、S´´-S´´に対してオフセットさせる(ずらされる)。
【0085】
好ましくは、操舵ヒンジ77、78は互いに所定の距離に配置され、地面と平行な射影面Qに対して、第一及び第二操舵ヒンジ77、78と操舵軸S´-S´、S´´-S´´を接合する直線F、Gは地面上の後輪の支持点Vにおいて交差し、車両の中心線面M-Mを通過する。
【0086】
実施可能な実施形態によると、前記ロールヒンジ75、76と前記操舵ヒンジ77、78は互いに交差する。
【0087】
特に、ロールヒンジ75、76と操舵ヒンジ77、78は球状ヒンジ81内で共に貫通し、横揺れ機能と操舵機能の両方を実行できる。
【0088】
一実施形態によると、操舵バー70は、中央操舵軸T-Tを画定する前方キャリッジフレーム16の中央点82において前方キャリッジフレーム16に対して旋回させる単一部品である。実施可能な実施形態によると、前記中央操舵軸T-Tは操舵軸S´-S´、S´´-S´´と平行である。
【0089】
別の実施形態によると、操舵バー70は二つのロッド83、84を備え、各ロッドは前記車輪支持要素73、74の一方と、前方キャリッジフレーム16の同じ中央点82にヒンジ接続され、中央操舵軸T-Tを画定する。実施可能な実施形態によると、前記中央操舵軸T-Tは前記操舵軸S´-S´、S´´-S´´と平行である。
【0090】
例えば、前記中央点82に交差接合部85を設け、互いに直交して入射する中央ロールヒンジ86と中央操舵ヒンジ87を画定する。
【0091】
一実施形態によると(
図14~
図17)、各前輪10´、10´´において、車輪支持要素73、74は、各前輪10´、10´´の回転ピン68に機械的に接続される各前輪10´、10´´の車軸ジャーナル56用の傾斜支持構造88を備え、その回転軸R´-R´、R´´-R´´の周りで前輪10´、10´´を回転可能なまま支持する。
【0092】
好ましくは、前記傾斜支持構造88は、各支柱48´、48´´の上端60と下端64に応じて配置される操舵ピン90を介して、多関節四辺形20にヒンジ接続され、前記操舵ヒンジは、互いに平行な車輪10´、10´´の各操舵軸S´-S´、S´´-S´´を画定する。
【0093】
好ましくは、操舵軸S´-S´、S´´-S´´は前記支柱48´、48´´の対称軸とそれぞれ一致する。
【0094】
各車輪10´、10´´は回転軸R´-R´、R´´-R´´の中心線面を備え、回転軸R´-R´、R´´-R´´の前記中心線面は各前輪10´、10´´の操舵軸S´-S´、S´´-S´´をそれぞれ通過する。
【0095】
好ましくは、前記傾斜支持構造88は、各車輪10´、10´´の縁93によって区切られる容量92内に完全に収容される。
【0096】
好ましくは、前記容量92は、前記中央ヒンジ28を通過する前方キャリッジ8の中心線面M-Mに対向させる。言い換えると、車軸ジャーナル56は、モータ車両の中心線面M-Mの側に内向し、車軸ジャーナル56に関連した相対的部品は外側の観察者には直接視認できない。
【0097】
好ましい実施形態によると、前記傾斜支持構造88は、前輪10´、10´´の前記車軸ジャーナル56に接続されるガイド輪94と、前記操舵ピン90を介して多関節四辺形20にヒンジ接続される支持ブラケット95を備える。
【0098】
ガイド輪94は回転ピン68に接続され、専用車輪取付け部96aに応じて、対応する車輪10´、10´´の前記回転ピン68を回転可能なまま支持する。
【0099】
ガイド輪94は、反対側の上側及び下側軸方向端部96、98の間に延在し、好ましくは、前記反対側の軸方向端部96、98において、ガイド輪94はフレームへの接続要素に機械的に接続される。
【0100】
このような直線状のガイド輪94は、各車輪10´、10´の揺動軸TR-TRを画定する。
【0101】
例えば、ガイド輪94は更に、少なくとも三つの傾斜ヒンジ100によって、ガイド輪94の反対側の上側及び下側軸方向端部96、98において支持ブラケット92にヒンジ接続され、各傾斜軸B-Bを画定し、ガイド輪94と支持ブラケット95の間の回転並進接続を実現する。
【0102】
好ましくは、多関節四辺形20の上側及び下側交差部材24´、24´´の横方向端部40、44は、前記支柱48´、48´´の内側に作製された横方向台座102内に少なくとも部分的に収容される。
【0103】
好ましくは、各ガイド輪94には、対応する車輪10´、10´´の制動手段104で
ある一般にディスクブレーキキャリパを取り付ける。
【0104】
ガイド輪94は更に、少なくとも三つの傾斜ヒンジ100、105、106、110を介して、反対側の上側及び下側軸方向端部96、98に応じて支持ブラケット95にヒンジ接続され、各傾斜軸B-Bを画定し、ガイド輪94と支持ブラケット95の間の回転並進接続を実現する。
【0105】
好ましくは、ガイド輪94、支持ブラケット95及び傾斜ヒンジ100、105、106、110は周辺を閉じた傾斜支持構造88を画定する。
【0106】
一実施形態によると、各車輪10´、10´´の回転ピン68は、前記周辺を閉じた傾斜支持構造88の内側に配置され、及び/又は側方ヒンジ52と各支柱48´、48´´は、前記周辺を閉じた傾斜支持構造88の内側に配置される。
【0107】
例えば、傾斜支持構造88は、第一及び第二傾斜ヒンジ105、106において、支持ブラケット95とガイド輪94に二重にヒンジ接続される接続ロッド111を備える。
【0108】
例えば、傾斜支持構造88は、第三傾斜ヒンジ110において支持ブラケット95とガイド輪94にヒンジ接続されるピン108を備える。
【0109】
ピン108は、ガイド輪94上に作製したスロット112に沿って平行移動することもできる。
【0110】
一実施形態によると、前記傾斜ヒンジ100、105、106、110は、各車輪10´、10´´の回転軸R´-R´、R´´-R´´に垂直で、前記操舵ピン90によって画定される操舵軸S´-S´、S´´-S´´と直交する傾斜軸B-Bにおいて、支持ブラケット95とガイド輪94にヒンジ接続される。
【0111】
上記のように、本発明によるモータ車両4は少なくとも一つの後方駆動輪14を備え、実施可能な実施形態によると、車両は後方車軸12に二つの後方駆動輪14を有する。
【0112】
例えば、モータ車両が四輪車であるこのような実施形態において、後方車軸12における後方駆動輪14は互いに接続され、前輪10に対して上記のように多関節四辺形20を介して後方車軸フレーム13に接続される。
【0113】
説明から明らかなように、本発明は従来技術で述べた欠点を克服可能である。
【0114】
好ましくは、本発明は、従来技術と比較して車両の動的挙動を改善する。
【0115】
実際、操舵が直線の場合、操舵補正は車両の横揺れと共にゼロになり、小さな操舵角に対してはどんな場合でも小さくなり、横揺れ車両を運転する際、ユーザは数度より大きく操舵することは希なことを考慮すると、車両自体の傾斜移動のおかげで、カーブが課されカバーされるので、本発明は既知の配置における実質的な改善を提示する。
【0116】
その結果、操舵補正が極めて制限され、車輪によって前記操舵に伝達される反応は実際には無視できるため、操舵又はハンドルバーはユーザによって容易に操作及び回転できる。従って、操舵は重くはなくユーザによる操作は厄介ではない。
【0117】
その上、操舵補正がない又は無視できることは、タイヤの摩耗を制限する。
【0118】
その上、操舵補正がない又は無視できることは、傾斜三輪車両において現在まで見出されていない操舵精度を伝達する。実際、運転者は常に著しく正確な操舵感覚を有し、つまり、車両の著しく滑らかな方向性の感覚を有し、コーナリング時でも操舵に対する異常な反応がない。
【0119】
最後に、本発明によるモータ車両は、対の二つの前輪の存在のおかげで、二つの車輪を備えるモータサイクルのものより優れた高い安定性だけでなく、二つの車輪だけを備えるモータサイクルでは一般的な素晴らしいハンドリング及び傾斜の容易さも保証できる。
【0120】
当業者は、添付の請求項によって定義される本発明の保護の範囲内に留まったまま、偶発的及び特定の要件を満たすために、上記の解決策に様々な修正及び変形を行うことができる。
【手続補正書】
【提出日】2022-12-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
-前方キャリッジフレーム(16)と、
-多関節四辺形(20)を介して前記前方キャリッジフレーム(16)に運動学的に接続される一対の前輪(10´、10´´)を備え、
-前記多関節四辺形(20)は、中央ヒンジ(28)に応じて前記前方キャリッジフレーム(16)にヒンジ接続される一対の交差部材(24´、24´´)を備え、
-前記交差部材(24´、24´´)は、側方ヒンジ(52)で横方向端部(40、44)において旋回させる支柱(48、48´、48´´)を介して、反対側の前記横方向端部(40、44)において共に接続され、各支柱(48´、48´´)は上端(60)から下端(64)まで延在し、前記上端(60)は前記上側交差部材(24´)と対向し、前記下端(64)は前記下側交差部材(24´´)と対向し、
前記交差部材(24´、24´´)と前記支柱(48´、48´´)は前記多関節四辺形(20)を画定し、
-前方キャリッジ(8)は、ハンドルバーに機械的に関連付けられる操舵バー(70)を備え、前記操舵バー(70)は反対側の側方端部(71、72)の間に延在し、そこで前記支柱(48´、48´´)に接合される各車輪(10´、10´´)の車輪支持要素(73、74)に機械的に接続され、各操舵軸(S´-S´、S´´-S´´)の周りで前記前輪(10´、10´´)の回転を制御し、
前記中央ヒンジ(28)および前記側方ヒンジ(52)が、互いに平行な中央ヒンジ軸(W-W)および側方ヒンジ軸(Z-Z)と一致するように方向付けられた、
モータ車両(4)であって、
前記側方端部(71、72)において、前記操舵バー(70)は、第一及び第二ロールヒンジ(75、76)を介して、及び第一及び第二操舵ヒンジ(77、78)を介して、各車輪支持要素(73、74)に機械的に接続され、前記操舵軸(S´-S´、S´´-S´´)は前記中央ヒンジ軸(W-W)および前記側方ヒンジ軸(Z-Z)と、80°から120°の間、又は、90°から110°の間、又は、90°、又は100°の角度αで特定されており、
ロールヒンジ軸は中央ヒンジ軸および側方ヒンジ軸と平行であり、前記操舵ヒンジ軸は前記操舵軸(S´-S´、S´´-S´´)と平行であり、
前記車輪が直線であり前進方向と平行である条件において、前記第一及び第二操舵ヒンジ(77、78)は、前記モータ車両(4)の前後方向である縦方向(X-X)内で前記交差部材(24´、24´´)からオフセット配置され、地面と平行な射影面(Q)に対して、前記第一及び第二操舵ヒンジ(77、78)と前記操舵軸(S´-S´、S´´-S´´)を接合する直線(F、G)は、地面上の後輪の支持点(V)において交差し、前記車両の中心を通る垂直面(M-M)を通過する、
ことを特徴とするモータ車両(4)。
【請求項2】
前記第一及び第二ロールヒンジ(75、76)は、前記操舵軸(S´-S´、S´´-S´´)とそれぞれ直交する、請求項1に記載のモータ車両(4)。
【請求項3】
前記操舵ヒンジ(77、78)は、各ロールヒンジ(75、76)と、前記車両の中心を通る垂直面(M-M)との間に配置される、請求項1又は2に記載のモータ車両(4)。
【請求項4】
前記ロールヒンジ(75、76)と前記操舵ヒンジ(77、78)は互いに直交する円筒ヒンジである、前記請求項1から3のいずれかに記載のモータ車両(4)。
【請求項5】
前記側方端部(71、72)において、前記操舵バー(70)は、互いに直交して入射するロールヒンジ(75、76)と操舵ヒンジ(77、78)を画定するスパイダ(79)に適合させたカルダン接合部を備える、前記請求項1から4のいずれかに記載のモータ車両(4)。
【請求項6】
前記操舵バー(70)は、車両の移動の前記縦方向(X-X)内の前進方向に対して前記交差部材(24´、24´´)から後方に設置される、前記請求項1から5のいずれかに記載のモータ車両(4)。
【請求項7】
前記操舵バー(70)は、移動の前記縦方向(X-X)内の前進方向に対して、前記交差部材(24´、24´´)の前方に設置される、請求項1から5のいずれかに記載のモータ車両(4)。
【請求項8】
前記ロールヒンジ(75、76)は、各支柱(48´、48´´)と平行な垂直軸(C´-C´、C´´-C´´)に配置されて、互いに平行であり、各垂直軸(C´-C´、C´´-C´´)は、前記車両の中心を通る垂直面(M-M)と直交する射影面に関して、対応する操舵軸(S´-S´、S´´-S´´)に対して横方向の距離(80)内でオフセットさせ、
前記操舵ヒンジ(77、78)は互いに所定の距離に配置され、地面と平行な射影面(Q)に対して、前記第一及び第二操舵ヒンジ(77、78)と前記操舵軸(S´-S´、S´´-S´´)を接合する直線(F、G)は、地面上の前記後輪の支持点(V)において交差し、前記車両の中心を通る垂直面(M-M)を通過する、前記請求項1から7のいずれかに記載のモータ車両(4)。
【請求項9】
前記ロールヒンジ(75、76)と前記操舵ヒンジ(77、78)は互いに交差する、請求項8に記載のモータ車両(4)。
【請求項10】
前記操舵バー(70)は、中央操舵軸(T-T)を画定する前記前方キャリッジフレーム(16)の中央点(82)において、前記前方キャリッジフレーム(16)に対して旋回させる一体部品である、前記請求項1から9のいずれかに記載のモータ車両(4)。
【請求項11】
前記操舵バー(70)は二本のロッド(83、84)を備え、それぞれ前記車輪支持要素(73、74)の一つと、前記前方キャリッジフレーム(16)の同じ中央点(82)にヒンジ接続され、中央操舵軸(T-T)を画定する、請求項1から9のいずれかに記載のモータ車両(4)。
【請求項12】
前記中央点(82)に交差接合部(85)を設け、互いに直交して入射する中央ロールヒンジ(86)と中央操舵ヒンジ(87)を画定する、請求項10又は11に記載のモータ車両(4)。
【請求項13】
各前輪(10´、10´´)において、前記車輪支持要素(73、74)は、前輪(10´、10´´)の回転ピン(68)に機械的に接続される各前輪(10´、10´´)の車軸ジャーナル(56)用の傾斜支持構造(88)を備え、その回転軸の周りで前記前輪(10´、10´´)を回転可能なまま支持し、
-前記傾斜支持構造(88)は各支柱(48´、48´´)の上端(60)と下端(64)に配置された操舵ピン(90)を介して、多関節四辺形(20)にヒンジ接続され、前記操舵ピン(90)は互いに平行な前記車輪(10´、10´´)の各操舵軸(S´-S´、S´´-S´´)を画定する、前記請求項1から12のいずれかに記載のモータ車両(4)。
【請求項14】
前記操舵軸(S´-S´、S´´-S´´)は前記支柱(48´、48´´)により画定される、請求項13に記載のモータ車両(4)。
【請求項15】
各車輪(10´、10´´)は、回転軸に直交し、前記車輪の中心を通る面(R´-R´、R´´-R´´)を備え、各面(R´-R´、R´´-R´´)は、各前輪(10´、10´´)の操舵軸(S´-S´、S´´-S´´)をそれぞれ通過する、請求項13又は14に記載のモータ車両(4)。
【請求項16】
前記傾斜支持構造(88)は、
-専用車輪取付け部において前輪(10´、10´´)の前記回転ピン(68)に接続される接続部材と、
-前記操舵ピン(90)を介して多関節四辺形(20)にヒンジ接続される支持ブラケット(95)を備え、
-前記接続部材は、少なくとも三つのヒンジ(100、105、106、110)を介して、反対側の上側及び下側軸方向端部(96、98)に応じて、前記支持ブラケット(95)に更にヒンジ接続され、各軸(B-B)を画定し、前記接続部材と前記支持ブラケット(95)の間に回転並進接続を形成する、請求項13から15に記載のモータ車両(4)。
【請求項17】
前記接続部材、前記支持ブラケット(95)及びヒンジ(100、105、106、110)が互いに連結された傾斜支持構造(88)を画定する、請求項16に記載のモータ車両(4)。
【請求項18】
各車輪(10´、10´´)の回転ピン(68)は、周辺を囲んだ前記傾斜支持構造(88)の内側に配置され、及び/又は前記側方ヒンジ(52)と前記各支柱(48´、48´´)は周辺を囲んだ前記傾斜支持構造(88)の内側に配置される、請求項17に記載のモータ車両(4)。
【請求項19】
前記傾斜支持構造(88)は、第一及び第二ヒンジ(105、106)において前記支持ブラケット(95)と前記接続部材に二重にヒンジ接続される接続ロッド(111)を備える、請求項16、17又は18に記載のモータ車両(4)。
【請求項20】
前記傾斜支持構造(88)は、第三ヒンジ(110)において前記支持ブラケット(95)と前記接続部材にヒンジ接続されるプレート(108)を備える、請求項16、17、18又は19に記載のモータ車両(4)。
【請求項21】
ヒンジ(100、105、106、110)は、各車輪(10´、10´´)の回転軸に直交すると共に、前記車輪の中心を通る面(R´-R´、R´´-R´´)に直交し、前記操舵ピン(90)によって画定される操舵軸(S´-S´、S´´-S´´)に直交する傾斜軸(B-B)において、前記支持ブラケット(95)と前記接続部材にヒンジ接続される、請求項16から20のいずれかに記載のモータ車両(4)。
【請求項22】
前記上側及び下側交差部材(24´、24´´)の横方向端部(40、44)は、前記支柱(48´、48´´)の内側に作製した横方向台座(102)内に少なくとも部分的に収容される、前記請求項1から21のいずれかに記載のモータ車両(4)。
【請求項23】
前記中央及び側方ヒンジ(28、52)は互いに平行であり、前記中央ヒンジ(28)を通過する射影面(P)に対して、前記操舵軸(S´-S´、S´´-S´´)が中央ヒンジ軸(W-W)及び側方ヒンジ軸(Z-Z)と共に角度(α)となるように方向付けされ、前記角度(α)は80度~120度の間である、前記請求項1から22のいずれかに記載のモータ車両(4)。
【請求項24】
前記角度(α)は90度~110度の間である、前記請求項23に記載のモータ車両(4)。
【請求項25】
前記中央及び側方ヒンジ(28、52)は互いに平行であり、前記操舵軸(S´-S´、S´´-S´´)と直交し、前記中央ヒンジ(28)を通過する射影面(P)に対して、前記操舵軸(S´-S´、S´´-S´´)は前記中央ヒンジ軸(W-W)及び側方ヒンジ軸(Z-Z)と共に90度の角度(α)となる、前記請求項1から24のいずれかに記載のモータ車両(4)。
【請求項26】
前記操舵軸(S´-S´、S´´-S´´)は、前記中央ヒンジ(28)を通過する射影面(P)に対して、地面と直交する垂直方向(N-N)と比較して、4度~20度の操舵角(β)だけ傾斜させる、前記請求項1から25のいずれかに記載のモータ車両(4)。
【請求項27】
前記操舵軸(S´-S´、S´´-S´´)は、前記中央ヒンジ(28)を通過する射影面(P)に対して、地面と直交する垂直方向(N-N)と比較して、8度~16度の操舵角(β)だけ傾斜させる、前記請求項1から26のいずれかに記載のモータ車両(4)。
【請求項28】
前記中央及び側方ヒンジ(28、52)は、地面と平行な、つまり、地面と直交する垂直方向(N-N)と直交する中央ヒンジ軸(W-W)と側方ヒンジ軸(Z-Z)を画定する、前記請求項1から27のいずれかに記載のモータ車両(4)。
【外国語明細書】