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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023028010
(43)【公開日】2023-03-03
(54)【発明の名称】改装建具
(51)【国際特許分類】
   E06B 1/56 20060101AFI20230224BHJP
【FI】
E06B1/56 A
E06B1/56 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021133442
(22)【出願日】2021-08-18
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】近藤 雅徳
【テーマコード(参考)】
2E011
【Fターム(参考)】
2E011JA02
2E011KA06
2E011KC01
2E011KC09
2E011KD26
2E011KD28
2E011KE04
2E011KE07
2E011KE10
2E011KG06
2E011KH01
(57)【要約】
【課題】新設枠の上下方向の位置を容易に調整できる改装建具を提供すること。
【解決手段】改装建具1は、アタッチメント枠3の上下方向の位置を調整可能な上下方向位置調整機構8と、を備え、上下方向位置調整機構8は、上下方向に所定長さ延びる長穴322と、下端側が開放して上下方向に延びるスリット323と、スリット323に沿って上下方向に移動可能に構成され下端部813aが既設下枠62に当接する調整部材81と、長穴322に貫通されると共に調整部材81とアタッチメント下枠32とを固定可能な第1ネジ82と、調整部材81とアタッチメント下枠32とを固定する第2ネジ83と、を備え、調整部材81は、見付方向延在板321の背面側に配置される第1板部811と、見付方向延在板321の表面側に配置される第2板部815と、スリット323を通して配置され第1板部811と第2板部815とを接続する接続部816と、を有する。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の開口部に設けられた既設枠に取り付けられる改装建具であって、
四周を組んで構成された新設枠と、新設枠の外周に四周を組んで取り付けられた状態で前記既設枠の内周側に取り付けられるアタッチメント枠と、前記アタッチメント枠の上下方向の位置を調整可能な上下方向位置調整機構と、を備え、
前記既設枠は、既設下枠を有し、
前記アタッチメント枠は、アタッチメント下枠を有し、
前記アタッチメント下枠は、見付方向に延びる見付方向延在板を有し、
前記上下方向位置調整機構は、
前記見付方向延在板に形成され上下方向に所定長さ延びる長穴と、
前記見付方向延在板に前記長穴と平行に形成され下端側が開放して上下方向に延びるスリットと、
前記スリットに沿って上下方向に移動可能に構成され下端部が前記既設下枠に当接する調整部材と、
前記長穴に貫通されると共に前記調整部材に接続され前記調整部材の上下方向の位置を調整した状態で前記調整部材と前記アタッチメント下枠とを固定可能な第1ネジと、
前記調整部材の上下方向の位置を調整した状態で前記調整部材と前記アタッチメント下枠とを固定する第2ネジと、を備え、
前記調整部材は、前記見付方向延在板の背面側に配置される第1板部と、前記見付方向延在板の表面側に配置される第2板部と、前記スリットを通して配置され前記第1板部と前記第2板部とを接続する接続部と、を有する、改装建具。
【請求項2】
前記第1ネジは、前記長穴に貫通されて前記長穴に沿って上下方向に移動可能に構成され前記第1板部と前記見付方向延在板における前記長穴の縁部とを固定可能であり、
前記第2ネジは、前記見付方向延在板及び前記第2板部を貫通して配置され前記見付方向延在板と前記第2板部とを固定するドリルネジである、請求項1に記載の改装建具。
【請求項3】
前記上下方向位置調整機構は、前記アタッチメント下枠の長手方向に沿って複数設けられる、請求項1又は2に記載の改装建具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、改装建具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建物の開口部をリフォーム等で改装する方法として開口部に新たな建具を設置するカバー工法が採用されている。このカバー工法によって改装された改装建具では、建物の開口部に取り付けられた既設枠に対して、その内周側に新設枠が取り付けられる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載の改装建具には、新設下枠の下部の位置を調整可能な調整金具が設けられている。特許文献1に記載の改装建具では、調整金具を取り付けたり取り外すことで、調整金具の向きを変更して、新設下枠の上下方向の位置の調整範囲を大きくできるように構成されている。また、改装建具において、新設枠と既設枠との間にアタッチメント枠を配置して、アタッチメント枠を介して、新設枠を既設枠に取り付けることがある。アタッチメント枠の上下方向の位置を調整することで、新設枠の上下方向の位置も調整できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-172315号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の技術は、新設下枠の上下方向の位置を調整する場合に、調整金具を取り付けたり取り外すため、新設下枠の上下方向の位置を調整する作業が煩雑となる。そのため、新設枠の上下方向の位置の調整を容易に行うことが求められている。
【0006】
本開示は、新設枠の上下方向の位置を容易に調整できる改装建具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、建物の開口部に設けられた既設枠に取り付けられる改装建具であって、四周を組んで構成された新設枠と、新設枠の外周に四周を組んで取り付けられた状態で前記既設枠の内周側に取り付けられるアタッチメント枠と、前記アタッチメント枠の上下方向の位置を調整可能な上下方向位置調整機構と、を備え、前記既設枠は、既設下枠を有し、前記アタッチメント枠は、アタッチメント下枠を有し、前記アタッチメント下枠は、見付方向に延びる見付方向延在板を有し、前記上下方向位置調整機構は、前記見付方向延在板に形成され上下方向に所定長さ延びる長穴と、前記見付方向延在板に前記長穴と平行に形成され下端側が開放して上下方向に延びるスリットと、前記スリットに沿って上下方向に移動可能に構成され下端部が前記既設下枠に当接する調整部材と、前記長穴に貫通されると共に前記調整部材に接続され前記調整部材の上下方向の位置を調整した状態で前記調整部材と前記アタッチメント下枠とを固定可能な第1ネジと、前記調整部材の上下方向の位置を調整した状態で前記調整部材と前記アタッチメント下枠とを固定する第2ネジと、を備え、前記調整部材は、前記見付方向延在板の背面側に配置される第1板部と、前記見付方向延在板の表面側に配置される第2板部と、前記スリットを通して配置され前記第1板部と前記第2板部とを接続する接続部と、を有する、改装建具に関する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係る改装建具を室外側から見た正面図である。
図2図1に示す改装建具の縦断面図である。
図3図1に示す改装建具の横断面図である。
図4】アタッチメント枠を取り付けた新設枠を既設枠に取り付けた状態を室外側から見た斜視図である。
図5】室外側化粧カバーを取り付ける状態を示す斜視図である。
図6】アタッチメント枠を取り付けた新設枠を既設枠に取り付ける状態を示す斜視図である。
図7】上下方向位置調整機構を示す斜視図である。
図8図7の上下方向位置調整機構においてドリルネジで固定する前の状態を示す斜視図である。
図9図7のA-A線断面図である。
図10図7のB-B線断面図である。
図11図7のC-C線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。本実施形態に係る改装建具1は、建物100に固定されている既設枠6を建物100に取り付けたままの状態で、新たな部材を新設して形成するリフォーム用の改装建具1である。
【0010】
本明細書において、「見付方向」とは、建物100の壁に形成された開口部に納められた改装建具1における障子10の面材の面方向を意味し、「見込方向」とは、上記面材の厚さ方向(即ち、奥行き方向)を意味する。「見込方向」は室内外方向でもある。図面において、改装建具1の室外側を室外側X1とし、改装建具1の室内側を室内側X2とする。改装建具1の横方向を「左右方向」という。
【0011】
図1図6に示すように、本実施形態に係る改装建具1は、建物100の開口部に納められた引違い窓タイプの改装サッシである。改装建具1は、建物100の開口部に設けられた既設枠6に取り付けられる。
【0012】
改装建具1は、図1図6に示すように、新設枠2と、新設枠2の外周に取り付けられた状態で既設枠6の内側に取り付けられるアタッチメント枠3と、室内側化粧部材41,42,43と、室外側化粧カバー51,52,53と、新設枠2内にスライド可能に納められる障子10、10と、複数の上下方向位置調整機構8と、を備える。既設枠6は、建物100の開口部に設けられている。新設枠2は、アタッチメント枠3が外周に取り付けられた状態で、既設枠6の内側に取り付けられる。アタッチメント枠3は、既設枠6と新設枠2との間に配置される。
【0013】
まず、既設枠6の構成について説明する。既設枠6は、図2及び図3に示すように、建物100の開口部の内側に設けられ、矩形に組まれた枠状に形成される。既設枠6は、既設上枠61と、既設下枠62と、左右の既設縦枠63と、を備える。
【0014】
既設上枠61は、図2に示すように、建物100の開口部の上部側に取り付けられており、下方に向けて立設される既設障子用のガイドレール611、612を有する。既設上枠61の室内側X2の部分は、建物100(躯体)に固定されている。
【0015】
既設下枠62は、建物100の開口部の下部側に取り付けられており、上方に向けて立設される既設障子用のガイドレール621、622を有する。既設下枠62の室内側X2の部分は、建物100(躯体)に固定されている。
【0016】
既設縦枠63は、図3に示すように、建物100の開口部の室外側X1の左右縦部側にそれぞれ取り付けられている。既設縦枠63の室内側X2の部分は、建物100(躯体)に固定されている。
【0017】
新設枠2は、図6に示すように、アタッチメント枠3が外周に取り付けられた状態で、既設枠6に取り付けられる。新設枠2は、四周を組んで構成され、既設枠6の内周側にアタッチメント枠3を介して取り付けられる。
【0018】
新設枠2は、新設上枠21と、新設下枠22と、左右の新設縦枠23と、を備える。新設枠2は、四周を組んだ状態において、新設上枠21、新設下枠22及び左右の新設縦枠23が組み合う部分において、ネジ固定されている。アタッチメント枠3は、アタッチメント上枠31と、アタッチメント下枠32と、左右のアタッチメント縦枠33と、を備える。
【0019】
新設上枠21は、アタッチメント枠3が外周に取り付けられた新設枠2が既設枠6に取り付けられた状態において、図2に示すように、アタッチメント上枠31を間に挟んで、既設上枠61の内周側に取り付けられる。新設上枠21は、下方に向けて立設される障子10,10の上部側のガイドレール211、212を有する。
【0020】
新設下枠22は、アタッチメント枠3が外周に取り付けられた新設枠2が既設枠6に取り付けられた状態において、図2に示すように、アタッチメント下枠32を間に挟んで、既設下枠62の内周側に取り付けられる。新設下枠22は、上方に向けて立設される障子10,10の下部側のガイドレール221,222を有する。
【0021】
新設縦枠23は、アタッチメント枠3が外周に取り付けられた新設枠2が既設枠6に取り付けられた状態において、図3に示すように、アタッチメント縦枠33を間に挟んで、既設縦枠63の内周側に取り付けられる。
【0022】
新設上枠21、新設下枠22及び新設縦枠23は、例えば、金属材料や樹脂材料により形成される。図2及び図3に示すように、新設上枠21、新設下枠22及び新設縦枠23の室内側X2には、それぞれ、樹脂アングル部材213,223,233が設けられる。樹脂アングル部材213,223,233は、それぞれ額縁部材101との間に間隔を有して配置される。
【0023】
以上の新設枠2(新設上枠21、新設下枠22及び左右の新設縦枠23)は、図6に示すように、アタッチメント枠3(アタッチメント上枠31、アタッチメント下枠32及び左右のアタッチメント縦枠33)が外周において四周を組んで設けられた状態で、既設枠6(既設上枠61、既設下枠62及び左右の既設縦枠63)の内周側に取り付けられる。
【0024】
アタッチメント枠3は、新設枠2の外周に四周を組んで取り付けられる。アタッチメント枠3は、新設枠2の外周に四周を組んで取り付けられた状態で、既設枠6の内周側に取り付けられる。
【0025】
アタッチメント枠3は、図6に示すように、アタッチメント上枠31、アタッチメント下枠32及び一対のアタッチメント縦枠33が四周に配置されて矩形に組んで構成される。アタッチメント下枠32は、図7に示すように、室外側X1側の端部側において、見付方向に延びる見付方向延在板321が形成される。見付方向延在板321は、室内外方向に厚みを有する板状に形成され、上下方向に幅を有して左右方向に延びる。アタッチメント上枠31、アタッチメント下枠32及び左右のアタッチメント縦枠33は、それぞれ、例えば、アルミニウム材料で形成される。
【0026】
アタッチメント上枠31、アタッチメント下枠32及び左右のアタッチメント縦枠33は、図2及び図3に示すように、それぞれ、ネジ36により、建物100の(躯体)に固定される。アタッチメント上枠31、アタッチメント下枠32及び左右のアタッチメント縦枠33それぞれと、額縁部材101との間に隙間が形成される場合には、アタッチメント上枠31、アタッチメント下枠32及び左右のアタッチメント縦枠33それぞれと、額縁部材101との間に、スペーサ部材37が配置される。スペーサ部材37の一例としては、樹脂材料などで形成された薄板状の部材を挙げることができる。
【0027】
また、改装建具1は、図2及び図3に示すように、気密構造70を有する。気密構造70は、既設枠6側と新設枠2側とを気密テープ(既設枠側気密テープ71、連結気密テープ72)により、既設枠6と新設枠2に取り付けられたアタッチメント枠3とを繋ぐように構成される。気密構造70は、既設枠6と新設枠2との間の気密性能を向上させるために、既設枠6と新設枠2に取り付けられたアタッチメント枠3とを繋ぐように配置される。
【0028】
室内側化粧部材41,42,43は、図2及び図3に示すように、新設枠2の樹脂アングル部材213,223,233の室内側X2の表面に、それぞれ、取り付けられている。室内側化粧部材41,42,43と額縁部材101の内周面との境目は、建物100(躯体)に固定される断面がL字の見切り材45によって遮蔽されている。
【0029】
室外側化粧カバー51,52,53は、図4及び図5に示すように、アタッチメント上枠31、アタッチメント下枠32及びアタッチメント縦枠33の室外側X1の表面に、それぞれ、取り付けられている。これにより、室外側化粧カバー51,52,53が、それぞれ、アタッチメント上枠31、アタッチメント下枠32及びアタッチメント縦枠33それぞれの室外側X1の凹凸を覆うことで、室外側化粧カバー51,52,53の室外側X1の平面状の面が室外側X1に露出されるため、意匠性を向上できる。
【0030】
複数の上下方向位置調整機構8は、図5に示すように、左右方向に間隔をあけて、アタッチメント下枠32の長手方向に沿って複数設けられる。上下方向位置調整機構8は、アタッチメント枠3の上下方向の位置を調整可能である。
【0031】
上下方向位置調整機構8は、図7図11に示すように、上下方向に所定長さ延びる長穴322と、上下方向に延びるスリット323と、上下方向に移動可能な調整部材81と、第1ネジ82と、第2ネジ83と、を備える。
【0032】
長穴322は、図7及び図8に示すように、アタッチメント下枠32の見付方向延在板321に形成される。長穴322は、アタッチメント下枠32の見付方向延在板321を室内外方向に貫通する。長穴322は、上下方向に所定長さ延びると共に、上端及び下端が閉じた長穴状に形成される。長穴322には、第1ネジ82の軸部が上下方向に移動可能に貫通して配置される。
【0033】
スリット323は、アタッチメント下枠32の見付方向延在板321に形成される。スリット323は、長穴322から左右方向の一方側に所定距離離れた位置に形成され、長穴322と平行に形成される。スリット323は、アタッチメント下枠32の見付方向延在板321を室内外方向に貫通すると共に、下端側が開放して上下方向に延びる溝状に形成される。スリット323には、調整部材81の段差接続部816(後述)が上下方向に移動可能に配置されている。アタッチメント下枠32の見付方向延在板321にスリット323を設けることで、スリット323の下端側から調整部材81を挿入して取り付けることができるため、調整部材81の取り付けが容易である。
【0034】
調整部材81は、スリット323に沿って上下方向に移動可能である。調整部材81は、図7図11に示すように、背面側板部811(第1板部)と、表面側板部815(第2板部)と、段差接続部816(接続部)と、を有する。
【0035】
背面側板部811は、アタッチメント下枠32の見付方向延在板321の背面側(室内側X2)に配置される。背面側板部811は、縦断面形状がクランク形状に形成される。背面側板部811は、上部側に配置される上部背面側板部812と、下部側に配置される下部背面側板部813と、上部背面側板部812及び下部背面側板部813とを接続する段差板部814と、を有する。
【0036】
上部背面側板部812及び下部背面側板部813は、いずれも、上下方向及び左右方向に延びる方形状の板状に形成される。上部背面側板部812及び下部背面側板部813は、段差板部814を介して接続され、室外側X1から見た場合に、上下方向に並んで配置されると共に、室内外方向にずれた位置に配置される。上部背面側板部812は、室外側X1に配置され、下部背面側板部813は、室内側X2に配置されている。
【0037】
段差板部814は、室内外方向に幅を有して左右方向に延びる水平板状に形成され、上部背面側板部812と下部背面側板部813とを段差を有した状態で接続する。
【0038】
上部背面側板部812には、見付方向延在板321に形成された長穴322を通された第1ネジ82の軸部が貫通して固定される。下部背面側板部813の下端部813aは、図9に示すように、調整部材81の上下方向の位置が調整された状態で、既設下枠62の水平板部625の上面に当接する。
【0039】
表面側板部815は、図7及び図8に示すように、段差接続部816を介して背面側板部811の左右方向の一方側に接続され、アタッチメント下枠32の見付方向延在板321の表面側(室外側X1)に配置される。表面側板部815は、上下方向及び左右方向に延びる方形状の板状に形成される。表面側板部815には、貫通穴815aが形成される。貫通穴815aには、第2ネジ83が貫通して配置される。
【0040】
段差接続部816は、横断面形状がL字状に形成され、背面側板部811と表面側板部815とを接続する。段差接続部816は、スリット323を通して配置される。段差接続部816は、上下方向に延びるスリット323に沿って上下方向に移動可能である。段差接続部816は、横断面形状において、上下方向に見た場合に、背面側板部811の左右方向の表面側板部815側の端部からスリット323を通って表面側板部815側に所定長さ延び、表面側板部815側の端部から室外側X1に屈曲して室外側X1に所定長さ延び、室外側X1の端部において、表面側板部815に接続される。
【0041】
第1ネジ82は、図9及び図11に示すように、軸部が室内外方向に延びるように配置される。第1ネジ82は、長穴322に貫通されると共に、調整部材81に接続される。詳細には、第1ネジ82は、長穴322に貫通された状態で、頭部が、アタッチメント下枠32の見付方向延在板321の室外側X1に配置されると共に、軸部が、長穴322を貫通して配置され、長穴322に貫通して配置された部分よりも室内側X2において、調整部材81に接続される。
【0042】
第1ネジ82は、長穴322に貫通されて長穴322に沿って上下方向に移動可能に構成される。第1ネジ82を長穴322に貫通させた状態で調整部材81の上下方向の位置を調整できるため、調整部材81の上下方向の位置の調整中において、調整部材81の脱落を防止できる。また、第1ネジ82は、調整部材81の上下方向の位置を調整した状態で、調整部材81とアタッチメント下枠32とを固定可能である。第1ネジ82は、頭部が、長穴322の上下方向の任意の範囲において、背面側板部811と見付方向延在板321における長穴322の縁部とを固定可能である。
【0043】
第2ネジ83は、調整部材81の上下方向の位置を調整した状態で調整部材81とアタッチメント下枠32とを固定する。第2ネジ83は、図10及び図11に示すように、軸部が室内外方向に延びるように配置される。第2ネジ83は、調整部材81の上下方向の位置を調整して、第1ネジ82により背面側板部811と見付方向延在板321における長穴322の縁部とを固定した後に、図8に示すように、調整部材81が上下方向に移動しないように、アタッチメント下枠32の見付方向延在板321及び調整部材81の表面側板部815を固定するネジである。
【0044】
第2ネジ83は、アタッチメント下枠32の見付方向延在板321と、調整部材81の表面側板部815と、を固定するドリルネジである。第2ネジ83は、図10及び図11に示すように、調整部材81の表面側板部815の貫通穴815aを貫通すると共に、アタッチメント下枠32の見付方向延在板321をドリルネジのドリルにより貫通して配置される。
【0045】
上下方向位置調整機構8によりアタッチメント枠3の上下方向の位置を調整する場合には、図8に示すように、長穴322に貫通させた第1ネジ82を調整部材81に接続すると共に長穴322の縁部に固定しない状態で、図9に示すように、調整部材81の上下方向の位置を調整する。ここでは、図8に示すように、第2ネジ83は、調整部材81の表面側板部815の貫通穴815aに挿入されておらず、調整部材81とアタッチメント下枠32とを固定していない。この状態においては、調整部材81をスリット323に沿って上下方向に移動させることが可能である。
【0046】
具体的には、長穴322に貫通させた第1ネジ82を調整部材81に接続した状態で、調整部材81の段差接続部816をスリット323に沿って上下方向に移動させると共に、第1ネジ82をアタッチメント下枠32の見付方向延在板321に形成された長穴322に沿って上下方向に沿って移動させる。
【0047】
ここで、調整部材81の下部背面側板部813の下端部813aは、図9に示すように、既設下枠62の水平板部625の上面に当接する。そのため、調整部材81の上下方向の位置を調整することで、アタッチメント下枠32と既設下枠62との上下方向の距離を調整できるため、アタッチメント下枠32と既設下枠62との上下方向の位置関係を調整できる。
【0048】
そして、図9に示すように、調整部材81の上下方向の位置を調整して上下方向の位置を決定した状態で、第1ネジ82をアタッチメント下枠32の見付方向延在板321における長穴322の縁部に固定する。更に、図8に示すように、調整部材81の上下方向の位置が決定した状態で、第2ネジ83を、調整部材81の表面側板部815の貫通穴815aに挿入して、図10に示すように、ドリルネジによるドリルによりアタッチメント下枠32の見付方向延在板321にネジ込んで貫通させて、調整部材81とアタッチメント下枠32とを固定する。
【0049】
以上のように構成される上下方向位置調整機構8は、アタッチメント下枠32の長手方向に並んで複数設けられている。そのため、アタッチメント下枠32の長手方向の所定位置それぞれにおいて、アタッチメント下枠32の上下方向の位置を調整できる。これにより、アタッチメント下枠32の長手方向の所定位置それぞれにおいて、複数の上下方向位置調整機構8それぞれを用いて、アタッチメント下枠32の上下方向の位置をそれぞれ調整できるため、例えばリフォーム前の既設枠6が歪んでいる場合においても、新設枠2を左右方向に水平になるように調整できる。
【0050】
本実施形態によれば、以下の効果が奏される。本実施形態の改装建具1は、新設枠2と、アタッチメント枠3と、アタッチメント枠3の上下方向の位置を調整可能な上下方向位置調整機構8と、を備え、上下方向位置調整機構8は、上下方向に所定長さ延びる長穴322と、下端が開放して上下方向に延びるスリット323と、スリット323に沿って上下方向に移動可能に構成され下端部813aが既設下枠62に当接する調整部材81と、長穴322に貫通されると共に調整部材81とアタッチメント下枠32とを固定可能な第1ネジ82と、調整部材81とアタッチメント下枠32とを固定する第2ネジ83と、を備え、調整部材81は、見付方向延在板321の背面側に配置される背面側板部811と、見付方向延在板321の表面側に配置される表面側板部815と、スリット323を通して配置され背面側板部811と表面側板部815とを接続する接続部816と、を有する。
【0051】
そのため、長穴322に貫通させた第1ネジ82を調整部材81に接続した状態で、調整部材81をスリット323に沿って上下方向に移動させることで、アタッチメント枠3の上下方向の位置を調整できる。これにより、新設枠2の外周に取り付けられたアタッチメント枠3の上下方向の位置を調整することで、新設枠2の上下方向の位置を容易に調整できる。また、上下方向に所定長さ延びる長穴322に沿って第1ネジ82が移動できるため、調整部材81の上下方向の移動範囲を長穴322の上下方向の範囲に規制しつつ、下端側が開放して上下方向に延びるスリット323に沿って調整部材81を上下方向に移動させることができる。よって、調整部材81の上下方向の位置を広い範囲で調整できる。
【0052】
また、アタッチメント下枠32の見付方向延在板321に、下端が開放して上下方向に延びるスリット323を設けることで、下端側からスリット323に調整部材81を挿入できるため、調整部材81の取り付けが容易である。加えて、アタッチメント下枠32の見付方向延在板321に、長穴322を設けることで、長穴322に第1ネジ82を貫通させた状態で調整部材81の上下方向の位置を調整できるため、調整部材81の上下方向の位置の調整中において、調整部材81の脱落を防止できる。
【0053】
また、本実施形態においては、第1ネジ82は、背面側板部811と見付方向延在板321における長穴322の縁部とを固定可能であり、第2ネジ83は、見付方向延在板321及び表面側板部815を貫通して固定するドリルネジである。これにより、第1ネジ82により、見付方向延在板321における長穴322の縁部に調整部材81を固定しつつ、ドリルネジである第2ネジ83により、調整部材81が上下方向に移動しないように見付方向延在板321に強固に固定できる。よって、新設枠2及びアタッチメント枠3が上下方向に移動しないように、調整部材81を第1ネジ82により容易に固定しつつ、調整部材81を第2ネジ83により強固に固定できる。
【0054】
また、本実施形態においては、上下方向位置調整機構8は、アタッチメント下枠32の左右方向(長手方向)に沿って複数設けられる。これにより、例えばリフォーム前の既設枠6が歪んでいる場合においても、アタッチメント下枠32の左右方向のそれぞれの位置において、複数の上下方向位置調整機構8それぞれにより、アタッチメント枠3の上下方向の位置をそれぞれ調整することで、新設枠2の上下方向の位置も調整できる。よって、例えばリフォーム前の既設枠6が歪んでいる場合においても、新設枠2が左右方向において水平になるように調整できる。
【0055】
以上、本開示の好ましい一実施形態について説明したが、本開示は、上述した実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
【符号の説明】
【0056】
1 改装建具、2 新設枠、3 アタッチメント枠、6 既設枠、8 上下方向位置調整機構、32 アタッチメント下枠、62 既設下枠、81 調整部材、82 第1ネジ、83 第2ネジ、321 見付方向延在板、322 長穴、323 スリット、811 背面側板部(第1板部)、813a 下端部、815 表面側板部(第2板部)、816 段差接続部(接続部)、100 建物
図1
図2
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図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11