(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023028348
(43)【公開日】2023-03-03
(54)【発明の名称】漏れ診断装置
(51)【国際特許分類】
F02M 25/08 20060101AFI20230224BHJP
【FI】
F02M25/08 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021133996
(22)【出願日】2021-08-19
(71)【出願人】
【識別番号】000116574
【氏名又は名称】愛三工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】弁理士法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】橋本 直亮
【テーマコード(参考)】
3G144
【Fターム(参考)】
3G144BA22
3G144DA03
3G144EA08
3G144EA33
3G144FA04
3G144FA10
3G144GA23
3G144HA03
3G144HA19
3G144HA27
(57)【要約】
【課題】蒸発燃料の漏れ診断の精度をより向上させられる漏れ診断装置を提供すること。
【解決手段】漏れ診断装置は、燃料タンク内で発生する蒸発燃料をキャニスタ内に吸着して捕捉する蒸発燃料処理システムの少なくとも燃料タンクを含む診断対象領域の蒸発燃料の漏れの有無を判定する。漏れ診断装置は、燃料タンク内の燃料の気化を促進する気化促進手段を備え、気化促進手段は燃料ポンプから圧送される燃料で駆動されるアスピレータ4で構成され、アスピレータ4は、燃料タンクの外部に開口する第1の吸引口43と、燃料タンクの気相部に開口する第2の吸引口44とを有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料タンク内で発生する蒸発燃料をキャニスタ内に吸着して捕捉する蒸発燃料処理システムの少なくとも前記燃料タンクを含む診断対象領域の蒸発燃料の漏れの有無を判定する漏れ診断装置であって、
前記燃料タンク内の燃料の気化を促進する気化促進手段を備え、該気化促進手段は燃料ポンプから圧送される燃料で駆動されるアスピレータで構成され、該アスピレータは、前記燃料タンクの外部に開口する第1の吸引口と、前記燃料タンクの気相部に開口する第2の吸引口とを有し、
制御装置を備え、該制御装置は、
前記燃料タンクの気相部における燃料蒸気が飽和状態に達したか否かを判定し、
飽和状態に達していないと判定した場合は、前記気化促進手段を駆動させ、
飽和状態に達していると判定した場合は、燃料の飽和蒸気圧特性に基づいて燃料蒸気圧の変化を推測し、
推測した燃料蒸気圧の変化に基づいて封鎖された前記診断対象領域の内圧の変化を補正し、
補正した内圧の変化に基づいて前記診断対象領域における漏れの有無を判定するように構成されている、漏れ診断装置。
【請求項2】
燃料タンク内で発生する蒸発燃料をキャニスタ内に吸着して捕捉する蒸発燃料処理システムの少なくとも前記燃料タンクを含む診断対象領域の漏れの有無を判定する漏れ診断装置であって、
前記燃料タンク内の燃料の気化を促進する気化促進手段を備え、該気化促進手段は燃料ポンプから圧送される燃料で駆動されるアスピレータ及びベンチュリ管で構成され、前記アスピレータは前記燃料タンクの外部に開口する第1の吸引口を有し、前記ベンチュリ管は前記燃料タンクの気相部に開口する第2の吸引口を有し、
制御装置を備え、該制御装置は、
前記燃料タンクの気相部における燃料蒸気が飽和状態に達したか否かを判定し、
飽和状態に達していないと判定した場合は、前記気化促進手段を駆動させ、
飽和状態に達していると判定した場合は、燃料の飽和蒸気圧特性に基づいて燃料蒸気圧の変化を推測し、推測した燃料蒸気圧の変化に基づいて封鎖された前記診断対象領域の内圧の変化を補正し、補正した内圧の変化に基づいて前記診断対象領域における漏れの有無を判定するように構成されている、漏れ診断装置。
【請求項3】
請求項2に記載の漏れ診断装置であって、
前記アスピレータと前記ベンチュリ管とが互いに直列に接続される、漏れ診断装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の漏れ診断装置であって、
前記気化促進手段の吐出口は、前記燃料タンクの液相部内に開口している、漏れ診断装置。
【請求項5】
請求項1、請求項3及び請求項4のいずれかに記載の漏れ診断装置であって、
前記第1の吸引口は、前記燃料タンクから圧送される燃料の流れ方向に見て前記第2の吸引口よりも上流側に配置される、漏れ診断装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれかに記載の漏れ診断装置であって、
前記第1の吸引口の開口径は、前記第2の吸引口の開口径よりも広く形成される、漏れ診断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、漏れ診断装置に関する。詳しくは、燃料タンク内で発生する蒸発燃料をキャニスタ内に吸着して捕捉する蒸発燃料処理システムにおいて、蒸発燃料の漏れの有無を判定する漏れ診断装置である。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ガソリンエンジン車の蒸発燃料処理システムにおける内圧の変化に基づいて蒸発燃料の漏れの有無を診断する漏れ診断装置が開示されている。具体的には、この装置は密閉状態の蒸発燃料処理システムに負圧を印加し、その後の内圧が所定の基準圧力を下回るか否かによって漏れの有無を診断する。特許文献1では、更に、負圧印加中における温度変化による蒸気圧の変化に起因する内圧変化を考慮するため、蒸発燃料処理システムの温度に応じて基準圧力の補正を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、蒸気圧は温度だけでなく燃料蒸気の濃度に影響を受けて変化する余地がある。このため、上記文献の装置では、診断を精度よく行えなかったり、濃度が安定化するまで診断の実施を待つ必要が生じたりする懸念がある。そこで、蒸発燃料の漏れ診断の精度または頻度をより向上させられる漏れ診断装置を提供することが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一つの態様としての漏れ診断装置は、燃料タンク内で発生する蒸発燃料をキャニスタ内に吸着して捕捉する蒸発燃料処理システムの少なくとも燃料タンクを含む診断対象領域の蒸発燃料の漏れの有無を判定する漏れ診断装置である。漏れ診断装置は、燃料タンク内の燃料の気化を促進する気化促進手段を備え、気化促進手段は燃料ポンプから圧送される燃料で駆動されるアスピレータで構成され、アスピレータは、燃料タンクの外部に開口する第1の吸引口と、燃料タンクの気相部に開口する第2の吸引口とを有する。漏れ診断装置は、更に、制御装置を備え、制御装置は、燃料タンクの気相部における燃料蒸気が飽和状態に達したか否かを判定し、飽和状態に達していないと判定した場合は、アスピレータを駆動させ、飽和状態に達していると判定した場合は、燃料の飽和蒸気圧特性に基づいて燃料蒸気圧の変化を推測し、推測した燃料蒸気圧の変化に基づいて封鎖された診断対象領域の内圧の変化を補正し、補正した内圧の変化に基づいて診断対象領域における漏れの有無を判定するように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】第1実施形態に係る漏れ診断装置を備えた蒸発燃料処理システムの構成図である。
【
図4】アスピレータの駆動燃料の流量と減圧室の圧力の関係を示す図である。
【
図6】正圧を導入して漏れ診断を行う場合の補正前の基準圧力の経時変化を示すグラフである。
【
図7】飽和判定法を説明するタイムチャートであり、燃料タンクの気層温度が一定の場合を示す。
【
図8】
図7と同様のタイムチャートであり、燃料タンクの気層温度が漸次上昇する場合を示す。
【
図10】燃料蒸気圧の経時変化の予測に基づいて補正された基準圧力の経時変化を示すグラフである。
【
図11】第2実施形態に係るアスピレータを示す
図2に対応する図である。
【
図12】第3実施形態に係る漏れ診断装置を備えた蒸発燃料処理システムの構成図である。
【
図15】第4実施形態に係る漏れ診断装置を備えた蒸発燃料処理システムの構成図である。
【
図16】第5実施形態に係る漏れ診断装置を備えた蒸発燃料処理システムの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
<第1実施形態>
以下、本開示の実施形態を、
図1-16を用いて説明する。始めに、第1実施形態に係る漏れ診断装置について説明する。本実施形態の漏れ診断装置は、
図1に示すように、自動車に搭載される蒸発燃料処理システム1において、蒸発燃料の漏れの有無を診断する装置である。以下では、本実施形態の漏れ診断装置が適用される蒸発燃料処理システム1について説明する。
【0008】
<蒸発燃料処理システム1>
蒸発燃料処理システム1は、
図1に示すように、燃料を貯留するタンクユニット2内に生じる蒸発燃料(ベーパ)をキャニスタ11に吸着させて捕捉し、捕捉された蒸発燃料を外部に排出しないようエンジン51に吸入させるように構成される。このため、蒸発燃料処理システム1は、蒸発燃料を捕捉するキャニスタ11と、このキャニスタ11のタンク側とエンジン側にそれぞれ配置されるベーパ通路12、13とを有する。
【0009】
キャニスタ11は、
図1に示すように、各ベーパ通路12、13を介してタンクユニット2の気相部及びエンジン51にそれぞれ連通されている。また、キャニスタ11は、大気通路14を介して大気と連通されている。各ベーパ通路12、13及び大気通路14には、各通路を遮断する遮断弁12a、13a、14aがそれぞれ設けられている。キャニスタ11の内部には、活性炭等の吸着剤を含んだ少なくとも一つの吸着層(不図示)が設けられている。吸着層は、燃料蒸気を吸着しつつ、空気を通過させるように構成されている。
【0010】
上記構成により、例えば、各遮断弁12a、14aが開放状態でタンクユニット2の内圧が大気圧より高くなると、タンクユニット2の気相部の混合気体がベーパ通路12を通ってキャニスタ11に流入する。流入した混合気体のうち、燃料蒸気は吸着層に吸着し捕捉され、空気は吸着層に吸着されず大気に放出される。このように、キャニスタ11は、燃料蒸気を外部に排出しないようにタンクユニット2を圧抜きすることができる。捕捉された燃料蒸気は、エンジン51の駆動でキャニスタ11に掛けられる負圧によりベーパ通路13を通ってエンジン51に吸入される。
【0011】
また、蒸発燃料処理システム1は、
図1に示すように、ベーパ通路12の遮断弁12aよりも上流側から分岐する吸引通路15を有する。吸引通路15は、タンクユニット2の内部まで延びている。吸引通路15には、吸引通路15を遮断する遮断弁15aと、吸引通路15の圧力を測定する圧力センサ16とが設けられている。圧力センサ16は、遮断弁15aよりも下流側に配置される。また、吸引通路15の先端は、タンクユニット2の気相部内に配置されるアスピレータ4の第1の吸引口43に接続される(
図2参照)。
【0012】
上記タンクユニット2は、
図1に示すように、燃料を貯留する燃料タンク21と、燃料タンク21の上部の開口を塞ぐセットプレート22と、セットプレート22に一体的に組み付けられるサブタンク23とを有する。サブタンク23を燃料タンク21の内部に入れてからセットプレート22で燃料タンク21の開口を塞ぐことで、サブタンク23が燃料タンク21の内部の所定位置に配置される。サブタンク23は、その底面を成す扁平な袋状又は中空状のフィルタ24を有する。
【0013】
また、タンクユニット2には、気相部の内圧を測定する圧力センサ25と、気相部の温度を測定する温度センサ26とが設けられている。圧力センサ25と温度センサ26とは、セットプレート22に一体的に組み付けられる。
【0014】
<燃料供給システム3>
タンクユニット2内には、
図1に示すように、貯留された燃料を汲み上げてエンジン51に供給する燃料供給システム3が設けられている。燃料供給システム3は、サブタンク23内に配置される燃料ポンプ31と、燃料をエンジン51に向けて噴射するインジェクタ32と、燃料ポンプ31からインジェクタ32に向けて延びる供給通路33とを有する。
【0015】
燃料ポンプ31は、サブタンク23のフィルタ24の内部と連通されており、フィルタ24を介して燃料タンク21及びサブタンク23に貯留された燃料を吸引する。
図1では、燃料ポンプ31の吸引力によりサブタンク23の内部が燃料で満たされている。フィルタ24を通過した燃料は、埃や水分等の異物を除去されるようになっている。吸引された燃料は、供給通路33を介してインジェクタ32に圧送される。また、燃料ポンプ31は、内部に生じる気泡を外部に排出するベーパジェット34を有する。
【0016】
<アスピレータ4>
また、燃料供給システム3は、
図1に示すように、供給通路33から分岐する逃がし通路35及び駆動燃料通路37を有する。逃がし通路35には、プレッシャレギュレータ36が設けられており、燃料ポンプ31が圧送した燃料のうち余剰となった燃料をこのプレッシャレギュレータ36からサブタンク23に還流させることによりインジェクタ32に供給する燃料の圧力を調整する。駆動燃料通路37には、通路を遮断する遮断弁37aが設けられる。また、駆動燃料通路37の先端は、アスピレータ4の流入口41aに接続される(
図2参照)。
【0017】
図1に示すように、遮断弁37aが開けられると、燃料ポンプ31から圧送された燃料の一部が駆動燃料通路37を通してアスピレータ4に流入する。これにより、アスピレータ4は、その内部にベンチュリ効果による負圧を発生させる。
【0018】
アスピレータ4は、
図1に示すように、燃料タンク21の上部領域に配置されるようにセットプレート22に組み付けられる。アスピレータ4は、
図2に示すように、流入した燃料を噴射するノズル部41と、ノズル部41の噴射により負圧を発生させるベンチュリ部42とにより構成される。ノズル部41は、前出の流入口41aと、流入口41aから流入した燃料をベンチュリ部42に向けて噴射するノズル本体41bと、先端の噴射口41cを有する。ベンチュリ部42は、軸方向の途中位置で内壁が径方向の内側に張り出すことによって形成された絞り42aと、この絞り42aに向かって流路断面が狭まる減圧室42bと、絞り42aから流出口42dに向かって流路断面が拡がるディフューザ42cとを有する。また、ベンチュリ部42は、減圧室42bと前出の吸引通路15とを連通させる第1の吸引口43と、ベンチュリ部42内と燃料タンク21の気相部とを連通させるように絞り42aの位置で側方(図では上向き)に開口する第2の吸引口44とを有する。
【0019】
ノズル部41は、
図2に示すように、ベンチュリ部42と同軸状に組み付けられる。この組み付けにより、ノズル部41のノズル本体41bは、ベンチュリ部42の減圧室42b側から内部に差し込まれて、噴射口41cが絞り42aに臨むようにセットされる。このため、噴射口41cから噴射された燃料が、絞り42aとディフューザ42cとを軸方向に高速で流動し、ベンチュリ効果により減圧室42bに負圧が発生する。これにより、各吸引口43、44に負圧が掛けられる。第1の吸引口43からは吸引通路15内の気体が吸引され、第2の吸引口44からは燃料タンク21の気相部の混合気体が吸引される。
【0020】
第2の吸引口44は、開口径が第1の吸引口43の開口径よりも小さくなるように形成される。また、第2の吸引口44は、燃料の流動方向から見て第1の吸引口43よりも下流側に形成されている。これらにより、第1の吸引口43と連通する吸引通路15に掛かる負圧が第2の吸引口44の存在により低下するのを抑制できる。
【0021】
図2に示すように、アスピレータ4の流出口42dには、吐出通路45が接続されている。吐出通路45の先端(吐出口)は、
図1に示すように、サブタンク23に貯留された燃料の内部に開口している。すなわち、アスピレータ4のベンチュリ部42に噴射された燃料は、ディフューザ42c及び吐出通路45を通ってタンクユニット2の液相部に吐出される。これにより、燃料がタンクユニット2の気相部に吐出される場合と比べて、燃料の飛散音を抑制することができる。
【0022】
<ECU5>
上記蒸発燃料処理システム1及び燃料供給システム3は、ECU5(制御装置)により動作を制御される。ECU5は、不図示の中央処理装置(CPU)と、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)などのメモリを備えたコンピュータシステムである。ECU5は、
図3に示すように、前出の各圧力センサ16、25及び温度センサ26からの測定信号が入力される。ECU5は、前出の燃料ポンプ31及び各遮断弁12a、13a、14a、15a、37aに、それぞれの動作状態を制御するように制御信号を出力する。ECU5は、メモリに保存されたプログラムをCPUで実行することにより、下記の漏れの診断が行われるようになっている。
【0023】
<蒸発燃料の漏れの診断方法>
以下では、上述した各構成に基づいて、診断対象領域である燃料タンク21からの蒸発燃料の漏れを診断する方法について説明する。具体的には、先ず、燃料タンク21に正圧を導入する。例えば、
図1において、関係する遮断弁12a、14a、15aを開き燃料タンク21を大気と連通させた状態で、駆動燃料通路37の遮断弁37aを開き、燃料ポンプ31を作動させアスピレータ4を駆動させる。これにより、アスピレータ4の吸引動作で燃料タンク21内に空気を導入する。次に、大気につながる各遮断弁12a、14a、15aを閉じて燃料タンク21を外部から封鎖する。そして、封鎖後の内圧の経時変化を圧力センサ25により測定する。この内圧の経時変化が、ECU5により予め算出された診断基準となる基準圧力を下回った場合に、燃料タンク21に漏れが生じていると診断される。
【0024】
<基準圧力の算出>
上記を前提として、先ず、ECU5により上記基準圧力を算出する。例えば、基準圧力は、大気圧P
atmより高い任意の圧力P0を有して封鎖された燃料タンク21に、大気に通ずる円形の開口(例えば直径0.5mm)が生じたと仮定した際に推測される内圧の経時変化として算出することができる。
図6に算出された基準圧力を示す。
【0025】
<蒸気圧変化を考慮した基準圧力の補正>
次に、燃料タンク21の内圧は、燃料タンク21の気相部における燃料の蒸気圧の変化による影響を受ける。このため、蒸気圧の経時変化量を推測し、推測された蒸気圧の経時変化量に基づいて基準圧力の補正を行うことも可能である。具体的には、蒸気圧が高くなると予測される場合は基準圧力もその分だけ高くなるように補正され、蒸気圧が低くなると予測される場合は基準圧力もその分だけ低くなるように補正される。特に気相部の燃料蒸気が飽和状態になっている場合には、蒸気圧の経時変化量は燃料の飽和蒸気圧特性に基づいて推測することができる。
【0026】
<飽和蒸気圧特性の特定>
燃料の飽和蒸気圧特性は、気相部内の温度に対する蒸発燃料の飽和蒸気圧の関係を表す。以下では、燃料の飽和蒸気圧特性を特定する方法を示す。
図1において、吸引通路15の遮断弁15aを閉鎖した状態で、燃料ポンプ31を作動させて燃料を圧送する。これにより、圧送された燃料がアスピレータ4を通ることで、減圧室42b及び第1の吸引口43を介して吸引通路15に負圧が掛けられる。アスピレータ4の吸引動作が安定した状態では、減圧室42bに掛けられる負圧に減圧室42bで気化した燃料の蒸気圧が加わって平衡状態となり、減圧室42b内の燃料蒸気は飽和状態となる。
【0027】
このため、
図4に示すように、アスピレータ4を通る燃料の流量によって決まる減圧室42bの負圧と、圧力センサ16により測定される減圧室42bの実際の圧力との差から蒸発燃料の飽和蒸気圧Psを求めることができる。アスピレータ4を通る燃料の流量は、例えば燃料ポンプ31の回転速度から推定することができる。そして、
図5に示すように、求めた飽和蒸気圧Psと、温度センサ26により測定される燃料タンク21の気相部の温度T1と、の関係が一致する飽和蒸気圧特性を特定することができる。飽和蒸気圧特性の特定により、燃料タンク21の気相部の温度変化に基づく飽和蒸気圧の変化を推測することができる。
【0028】
<気化促進及び飽和判定>
封鎖された燃料タンク21内の圧力の経時変化に基づいて漏れの有無を判断するには、燃料タンク21内の燃料が十分に気化し、気相部の燃料蒸気が飽和状態となっていることが好ましい。また、上記特定した飽和蒸気圧特性に基づいて気相部の蒸気圧を推測する場合も、燃料蒸気が飽和状態となっている必要がある。気相部は時間の経過とともに燃料が気化することで飽和状態となるが、気相部の混合気体を攪拌させることで、燃料の気化を促進させることができる。すなわち、
図1において、ベーパ通路12の遮断弁12aを閉鎖した状態で、燃料ポンプ31を作動させてアスピレータ4を駆動させる。これにより、燃料タンク21の気相部に開口する第2の吸引口44を介して、気相部の混合気体がアスピレータ4に吸引される。吸引された混合気体は、吐出通路45を通って燃料と共に燃料タンク21内に吐出される。この吸引動作により、気相部の混合気体が効率よく攪拌されて燃料の気化が促進される。すなわち、本実施形態の気化促進手段は、アスピレータ4によって構成される。この気化促進のための吸引動作は、上述した飽和蒸気圧特性を特定するための吸引動作と並行して行っても良い。
【0029】
そして、アスピレータ4が駆動されたのち、ECU5は、圧力センサ25により測定される燃料タンク21の内圧の実際の圧力変化速度と、燃料蒸気が飽和状態と仮定した際の目標圧力変化速度と、をそれぞれ算出し比較する。目標圧力変化速度は、前出の飽和蒸気圧特性と、温度センサ26により測定される燃料タンク21の温度と、を用いて求められる。
図7は、温度が変化しない場合の目標圧力変化速度を×印で示し、網目を施した範囲は目標圧力変化速度の幅(後述の閾値αに相当)を示す。図中、○印は、燃料蒸気が不飽和で、気化が進んで圧力が徐々に高くなっている状態を示す。また、
図8は、
図7と同様の目標圧力変化速度を示し、温度が変化した場合である。この場合、温度の上昇と共に目標圧力変化速度も上昇している。
図8で、△印は、燃料タンク21に大きな孔が開いていて圧力が上昇しない状態を示す。
【0030】
ECU5は、実際の圧力変化速度と目標圧力変化速度との差(の絶対値)が閾値α以内か否か、且つ閾値α以内ならその状態が所定時間(例えば、10秒程度)以上続いたか否かを判定する(判定1)。判定1が否定的である場合、ECU5は、更に、実際の圧力変化速度がゼロか否か、且つその状態が一定時間(例えば、5秒程度)以上継続しているか否かを判定する(判定2)。
【0031】
判定2が否定的である場合、ECU5は、燃料タンク21の燃料蒸気が不飽和状態であると判定する。したがって、ECU5は、燃料の気化を促進させるためにアスピレータ4を駆動させる。そして、ECU5は判定1の処理を繰り返す。
【0032】
一方、判定2が肯定的である場合、すなわち
図8の△印で示す状態にある場合は、ECU5は、燃料タンク21に大きな孔が開いて漏れが発生していると診断し、漏れ診断を終了する。
【0033】
上記判定1が肯定的である場合、ECU5は、燃料タンク21の燃料蒸気が飽和状態になったと判定する。したがって、ECU5は、それ以上の気化促進は不要としてアスピレータ4の駆動を停止する。
【0034】
以上のように、燃料タンク21の燃料蒸気が不飽和状態であった場合はアスピレータ4を駆動させて燃料蒸気を早期に飽和状態にする。したがって、燃料タンク21の燃料蒸気の濃度が飽和状態に向かって自然に変化するのを待つ必要がないため、蒸発燃料の漏れ診断の頻度を高めることができる。飽和状態とした後は、温度変化に起因する飽和蒸気圧変化の予測に基づいて基準圧力を補正する。例えば、
図9に示すように、燃料タンク21の温度の上昇で飽和蒸気圧が時間と共に増加する場合、その増加分を基準圧力に足し合わせることで基準圧力を補正することができる(
図10参照)。
【0035】
ECU5は、補正した基準圧力と、測定された燃料タンク21の内圧とを比較することで蒸発燃料の漏れの有無を診断する。このように、本実施形態の漏れ診断装置は、燃料タンク21の燃料蒸気が不飽和な状態で基準圧力の補正がなされるのを回避することができる。このため、蒸発燃料の漏れの診断精度を高めることができる。
【0036】
本実施形態の漏れ診断装置は、上述したように、燃料タンク21内に設けられたアスピレータ4が燃料タンク21の気相部の混合気体を攪拌することで、燃料蒸気を早期に飽和させることができる。上記アスピレータ4は、キャニスタ11を介して大気に向けて開口する第1の吸引口43とは別に、燃料タンク21の気相部に向けて開口する第2の吸引口44を有する。第2の吸引口44により、アスピレータ4は、気相部の混合気体を吸引し、燃料タンク21内に吐出するように構成される。これにより、アスピレータ4は、気相部の混合気体をより効率よく攪拌させることができる。
【0037】
また、アスピレータ4の吐出通路は、サブタンク23に貯留された燃料内部に向けて開口するように構成される。すなわち、アスピレータ4を通過した燃料は、燃料タンク21の液相部に向けて吐出される。これにより、燃料が吐出される際の飛散音を抑制することができる。
【0038】
<まとめ>
以上をまとめると、第1実施形態の漏れ診断装置は、燃料タンク21内で発生する蒸発燃料をキャニスタ11内に吸着して捕捉する蒸発燃料処理システム1の少なくとも燃料タンク21を含む診断対象領域の蒸発燃料の漏れの有無を判定する漏れ診断装置である。漏れ診断装置は、燃料タンク21内の燃料の気化を促進する気化促進手段を備え、気化促進手段は燃料ポンプ31から圧送される燃料で駆動されるアスピレータ4で構成され、アスピレータ4は、燃料タンク21の外部に開口する第1の吸引口43と、燃料タンク21の気相部に開口する第2の吸引口44とを有する。漏れ診断装置は、更に、制御装置を備え、制御装置は、燃料タンク21の気相部における燃料蒸気が飽和状態に達したか否かを判定し、飽和状態に達していないと判定した場合は、アスピレータ4を駆動させ、飽和状態に達していると判定した場合は、燃料の飽和蒸気圧特性に基づいて燃料蒸気圧の変化を推測し、推測した燃料蒸気圧の変化に基づいて封鎖された診断対象領域の内圧の変化を補正し、補正した内圧の変化に基づいて診断対象領域における漏れの有無を判定するように構成されている。これにより、アスピレータ4が、第2の吸引口44から燃料タンク21の気相部の混合気体を吸引し燃料と共に吐出する。このため、燃料タンク21の気相部を攪拌しやすくなることで燃料の気化をより促進させることができる。これにより、燃料蒸気を確実に飽和状態とすることで、漏れの診断の精度をより向上させられる。
【0039】
また、アスピレータ4の吐出口は、燃料タンク21の液相部内に開口している。これにより、アスピレータ4からの吐出燃料が液中に吐出されるため、燃料の吐出時の飛散音を抑制することができる。
【0040】
また、第1の吸引口43は、第2の吸引口44よりも燃料タンク21から圧送される燃料の流動方向の上流側に配置される。これにより、第1の吸引口43に掛かる負圧が第2の吸引口44の存在により低下するのを抑制できる。このため、第1の吸引口43を介して燃料タンク21の外部から燃料タンク21の内部に外気を適切に導入することができる。
【0041】
また、第1の吸引口43の開口径は、第2の吸引口44の開口径よりも広く形成される。これにより、これにより、第1の吸引口43に掛かる負圧が第2の吸引口44の存在により低下するのを抑制できる。このため、第1の吸引口43を介して燃料タンク21の外部から燃料タンク21の内部に外気を適切に導入することができる。
【0042】
<第2実施形態>
続いて、第2実施形態に係る漏れ診断装置について説明する。本実施形態の漏れ診断装置は、第1実施形態の漏れ診断装置と比較して、アスピレータ104の構造が異なっている。なお、上記以外の特徴については、第1実施形態で示した構成と同じとすることができるため、同一の符号を付して説明を省略することとする。
【0043】
アスピレータ104は、
図11に示すように、第2の吸引口144が、減圧室42bにおいて第1の吸引口43と上下方向に対向する位置に形成されている。すなわち、第1の吸引口43と第2の吸引口144とが、圧送された燃料の流動方向に重なる位置に配置されている。このような構成であっても、第2の吸引口144の開口径は、第1の吸引口43の開口径よりも小さく形成されることで、第1の吸引口43に掛かる負圧が第2の吸引口144の存在により低下するのを抑制できる。
【0044】
<第3実施形態>
続いて、第3実施形態に係る漏れ診断装置について説明する。本実施形態の漏れ診断装置は、第1実施形態の漏れ診断装置と比較して、気化促進手段の構成が異なっている。なお、上記以外の特徴については、第1実施形態で示した構成と同じとすることができるため、同一の符号を付して説明を省略することとする。
【0045】
本実施形態の気化促進手段は、アスピレータ204及びベンチュリ管6によって構成される。アスピレータ204及びベンチュリ管6は、
図12に示すように、燃料タンク21の上部領域に配置される。アスピレータ204は、
図13に示すように、吸引通路15と連通される第1の吸引口43を有し、第1実施形態が有していたような第2の吸引口44を有しない構造となっている。ベンチュリ管6は、
図14に示すように、軸方向に沿って流入口61から流出口62までを延びる流路を有し、この流路は軸方向の中央位置で壁が径方向の内側に張り出すことによって形成された絞り63を有する。流入口61から絞り63までは流路断面が狭まる収束部64となっており、絞り63から流出口62までは流路断面が拡がる発散部65となっている。またベンチュリ管6は、絞り63の位置で燃料タンク21の気相部と連通するように図中上向きに開口する第2の吸引口66とを有する。
【0046】
ベンチュリ管6の流入口61には、アスピレータ204の流出口42dから延びる吐出通路45の先端が接続される。このため、燃料ポンプ31から圧送されてアスピレータ4を通過した燃料は、ベンチュリ管6の流入口61からベンチュリ管6内部に流入する。流入した燃料は、絞り63を軸方向に高速で流動する。この流動により、ベンチュリ管6は、第2の吸引口44に掛けられる負圧によって気相部の混合気体を吸引することができる。また、上記構成により、ベンチュリ管6の第2の吸引口66が、アスピレータ204の第1の吸引口43に対して燃料の流動方向の下流側に配置されるようになっている。
【0047】
ベンチュリ管6の流出口62には、吐出通路67が接続されている。吐出通路67の先端(吐出口)は、
図12に示すように、サブタンク23に貯留された燃料の内部に開口している。すなわち、ベンチュリ管6を通過した燃料は、吐出通路67を通ってタンクユニット2の液相部に吐出される。
【0048】
以上をまとめると、第3実施形態の漏れ診断装置は、燃料タンク21内で発生する蒸発燃料をキャニスタ11内に吸着して捕捉する蒸発燃料処理システム1の少なくとも燃料タンク21を含む診断対象領域の漏れの有無を判定する漏れ診断装置である。燃料タンク21内の燃料の気化を促進する気化促進手段を備え、気化促進手段は燃料ポンプ31から圧送される燃料で駆動されるアスピレータ204及びベンチュリ管6で構成され、アスピレータ204は燃料タンク21の外部に開口する第1の吸引口43を有し、ベンチュリ管6は燃料タンク21の気相部に開口する第2の吸引口66を有する。漏れ診断装置は、更に、制御装置を備え、制御装置は、燃料タンク21の気相部における燃料蒸気が飽和状態に達したか否かを判定し、飽和状態に達していないと判定した場合は、アスピレータ204及びベンチュリ管6を駆動させ、飽和状態に達していると判定した場合は、燃料の飽和蒸気圧特性に基づいて燃料蒸気圧の変化を推測し、推測した燃料蒸気圧の変化に基づいて封鎖された診断対象領域の内圧の変化を補正し、補正した内圧の変化に基づいて診断対象領域における漏れの有無を判定するように構成されている。これにより、ベンチュリ管6が、第2の吸引口66から燃料タンク21の気相部の混合気体を吸引し燃料と共に吐出する。このため、燃料タンク21の気相部を攪拌しやすくなることで燃料の気化をより促進させ、漏れの診断の精度をより向上させられる。
【0049】
また、アスピレータ204とベンチュリ管6とが互いに直列に接続される。これにより、アスピレータ204及びベンチュリ管6を駆動させる燃料の流路を一本化して、構成を簡素化することができる。
【0050】
<第4実施形態>
続いて、第4実施形態に係る漏れ診断装置について説明する。本実施形態の漏れ診断装置は、第1実施形態の漏れ診断装置と比較して、アスピレータ4の接続形態が異なっている。なお、上記以外の構成については、第1実施形態で示した構成と同じとすることができるため、同一の符号を付して説明を省略することとする。
【0051】
図15に示すように、本実施形態の燃料供給システム303は、駆動燃料通路37を有しておらず、逃がし通路335の先端がアスピレータ4の流入口41aに接続される。すなわち、アスピレータ4は、プレッシャレギュレータ336から排出される余剰燃料により駆動される。このため、駆動燃料通路37を別途設ける必要がなく、アスピレータ4の接続形態を簡素化することができる。また、この場合、例えばエンジン51の燃料の消費量が少ないアイドリング時であっても、消費量を上回る燃料を供給するように燃料ポンプ31を作動させる。
【0052】
<第5実施形態>
続いて、第5実施形態に係る漏れ診断装置について説明する。本実施形態の漏れ診断装置は、第3実施形態の漏れ診断装置と比較して、アスピレータ4の接続形態が異なっている。なお、上記以外の構成については、第3実施形態で示した構成と同じとすることができるため、同一の符号を付して説明を省略することとする。
【0053】
図16に示すように、本実施形態の燃料供給システム403は、駆動燃料通路37を有しておらず、燃料ポンプ31のベーパジェット434の先端がアスピレータ204の流入口41aに接続される。すなわち、アスピレータ204は、燃料ポンプ31の作動によってベーパジェット434から吐出される燃料により駆動される。このため、第4実施形態と同様に、駆動燃料通路37を別途設ける必要がなく、アスピレータ4の接続形態を簡素化することができる。アスピレータ204は、ベーパジェット434に近づけられるようにサブタンク23の下部領域に配置される。
【0054】
<その他の実施形態>
別の実施形態として、漏れ診断装置は、燃料タンク21だけでなく、キャニスタ単体からなる診断対象領域や燃料タンク21とキャニスタ11とを含んだ診断対象領域からの漏れを診断するものであっても良い。
【0055】
別の実施形態として、漏れ診断装置の診断方法は、診断対象領域内に負圧を導入した際の内圧の低下速度を測定しても良いし、負圧を導入してから封鎖した後の内圧の変化を測定しても良い。また、診断対象領域を分けてもよく、例えば、キャニスタ11に負圧を導入して、燃料タンク21に正圧を導入するものであっても良い。
【0056】
別の実施形態として、気化促進手段は、第1の吸引口及び第2の吸引口を備えるアスピレータ4と、第2の吸引口を有するベンチュリ管6と、から構成されるものであってもよい。また、別の実施形態として、アスピレータとベンチュリ管とは、互いに並列に接続される構成であっても良い。
【0057】
別の実施形態として、第2の吸引口の開口径は、第1の吸引口の開口径と略同じかより広く形成しても良い。また、別の実施形態として、第2の吸引口は、第1の吸引口に対して燃料の流動方向に重なる位置や上流側に設けても良い。
【0058】
別の実施形態として、気化促進手段の吐出口は、サブタンク23の内部の液相部に開口するのではなく、サブタンク23の外部の液相部に開口するものであっても良い。その場合、吐出口は燃料タンク21の底面近傍に開口させることが望ましく、特に、ECU5が燃料の残量低下を検知する最低液面よりも下方で開口させることが望ましい。
【0059】
以上、様々な実施形態を説明したが、本開示はそれらの実施形態に限定されるものではなく、当業者であれば他にも各種の変形、置換、改良などが可能である。
【符号の説明】
【0060】
1 蒸発燃料処理システム
11 キャニスタ
12 ベーパ通路
12a 遮断弁
13 ベーパ通路
13a 遮断弁
14 大気通路
14a 遮断弁
15 吸引通路
15a 遮断弁
16 圧力センサ
2 タンクユニット
21 燃料タンク
22 セットプレート
23 サブタンク
24 フィルタ
25 圧力センサ
26 温度センサ
3 燃料供給システム
31 燃料ポンプ
32 インジェクタ
33 供給通路
34 ベーパジェット
35 逃がし通路
36 プレッシャレギュレータ
37 駆動燃料通路
37a 遮断弁
4 アスピレータ
41 ノズル部
41a 流入口
41b ノズル本体
41c 噴射口
42 ベンチュリ部
42a 絞り
42b 減圧室
42c ディフューザ
42d 流出口
43 第1の吸引口
44 第2の吸引口
45 吐出通路
5 ECU
51 エンジン
6 ベンチュリ管
61 流入口
62 流出口
63 絞り
64 収束部
65 発散部
66 第2の吸引口
67 吐出通路
104 アスピレータ
144 第2の吸引口
204 アスピレータ
303 燃料供給システム
335 逃がし通路
336 プレッシャレギュレータ
403 燃料供給システム
434 ベーパジェット