(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023002983
(43)【公開日】2023-01-11
(54)【発明の名称】行動変容促進装置及び行動変容促進方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20221228BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021103875
(22)【出願日】2021-06-23
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001689
【氏名又は名称】青稜弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】上原 優衣
(72)【発明者】
【氏名】宮田 克也
(72)【発明者】
【氏名】町田 芳広
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 英美
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC12
5L049CC17
(57)【要約】
【課題】行動変容を行わせたい対象ユーザが、受動的に行動変容を実行する可能性を向上できる行動変容促進装置及び行動変容促進方法を提供する。
【解決手段】行動変容促進システムは、行動変容を実行させたいユーザである対象ユーザの対象ユーザ端末及び知人ユーザの知人ユーザ端末と互いに通信可能に構成された行動変容促進装置を含む。行動変容促進装置は、対象ユーザに行動変容を実行させたい行動の行動識別IDに対応するイベント識別IDが示す1又は複数のイベントの中から対象ユーザに参加することを勧める推奨イベントを決定する。行動変容促進装置は、知人ユーザから推奨イベントへの対象ユーザの参加を勧誘するイベント勧誘を行う通知内容を通知するイベント勧誘通知を、対象ユーザ端末に対して実行する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
行動変容を実行させたいユーザである対象ユーザの対象ユーザ端末及び知人ユーザの知人ユーザ端末と互いに通信可能に構成された情報通知装置を含む行動変容促進装置であって、
前記情報通知装置は、
行動を識別するための行動識別情報の1又は複数と、イベントを識別するためのイベント識別情報とが対応付けられたイベント対応情報を複数含むイベント参照情報が記憶された情報保持部を含み、
前記対象ユーザに行動変容を実行させたい前記行動を設定し、前記イベント参照情報に基づいて、設定した前記行動の前記行動識別情報に対応する前記イベント識別情報に対応する1又は複数の前記イベントの中から前記対象ユーザに参加することを勧める推奨イベントを決定し、前記知人ユーザから前記推奨イベントへの前記対象ユーザの参加を勧誘するイベント勧誘を行う通知内容を通知するイベント勧誘通知による受動的行動変容提案を、前記対象ユーザ端末に対して実行する、
ように構成された、
行動変容促進装置。
【請求項2】
請求項1に記載の行動変容促進装置において、
前記情報通知装置は、
前記推奨イベントへの前記対象ユーザの参加を勧誘することを提案するイベント勧誘提案を行う通知内容を通知するイベント勧誘提案通知を前記知人ユーザ端末に対して実行し、
前記イベント勧誘提案を受け入れる旨の通知を前記知人ユーザ端末から受信した場合、前記受動的行動変容提案を前記対象ユーザ端末に対して実行する、
ように構成された、
行動変容促進装置。
【請求項3】
請求項2に記載の行動変容促進装置において、
前記情報通知装置は、
前記推奨イベントへの前記対象ユーザの参加を提案する内容を通知するイベント参加提案通知による直接的行動変容提案を前記対象ユーザ端末に対して更に実行する、
ように構成された、
行動変容促進装置。
【請求項4】
請求項1に記載の行動変容促進装置において、
前記情報通知装置は、前記対象ユーザの状態に関するセンサ情報を検出するセンサ及び前記対象ユーザに関するユーザ状態情報を取得する前記対象ユーザ端末のそれぞれから前記センサ情報及び前記ユーザ状態情報を取得するように構成され、
前記情報保持部には、前記行動識別情報と、前記行動識別情報に対応する前記行動に対する目標値と、前記行動識別情報に対応する前記行動に対応する達成度とが記憶され、
前記情報通知装置は、
前記センサ情報及び前記ユーザ状態情報に基づいて、前記行動に対応する前記達成度を演算し、
前記達成度が前記目標値に達していない前記行動を、前記対象ユーザに行動変容を実行させたい前記行動に設定する、
ように構成された、
行動変容促進装置。
【請求項5】
請求項3に記載の行動変容促進装置において、
前記情報保持部には、
前記イベント識別情報に対応付けられた、前記イベントの属性を表すイベント属性情報と、
前記イベント属性情報に対応付けられた、前記イベント属性情報に対する前記対象ユーザの属性を表す対象ユーザ属性情報と、
前記行動識別情報と、前記行動識別情報に対応する前記行動に対する前記直接的行動変容提案の前記対象ユーザに対する成功実績を表す第1行動変容実績情報と、
前記行動識別情報と、前記行動識別情報に対応する前記行動に対する前記知人ユーザを介した前記受動的行動変容提案の前記対象ユーザに対する成功実績を表す第2行動変容実績情報と、
が記憶されており、
前記情報通知装置は、
前記イベント参照情報に基づいて、前記対象ユーザに行動変容を実行させたい前記行動の前記行動識別情報に対応する1又は複数の前記イベントを第1通知イベント案として特定し、
特定した前記第1通知イベント案が複数存在する場合、特定した複数の前記第1通知イベント案のそれぞれについて、それぞれの前記イベント識別情報に対応する前記イベント属性情報に対応付けられた前記対象ユーザ属性情報を特定し、
特定した前記対象ユーザ属性情報に基づいて、特定した複数の前記第1通知イベント案の中から、前記推奨イベントを決定する、
ように構成された、
行動変容促進装置。
【請求項6】
請求項5に記載の行動変容促進装置において、
前記情報通知装置は、
特定した前記対象ユーザ属性情報に加えて、更に前記第1行動変容実績情報及び前記第2行動変容実績情報に基づいて、特定した複数の前記第1通知イベント案の中から、前記推奨イベントを決定する、
ように構成された、
行動変容促進装置。
【請求項7】
請求項5に記載の行動変容促進装置において、
前記情報通知装置は、
前記第1行動変容実績情報及び前記第2行動変容実績情報に基づいて、前記イベント勧誘提案通知のみを行うのか、前記イベント勧誘提案通知及び前記直接的行動変容提案の両方を行うのか否かを決定する、
ように構成された、
行動変容促進装置。
【請求項8】
請求項5に記載の行動変容促進装置において、
前記情報通知装置は、
特定した複数の前記第1通知イベント案のそれぞれについて、特定した前記対象ユーザ属性情報及び前記第1行動変容実績情報に基づいて、その第1通知イベント案についての前記直接的行動変容提案の推奨度合いを示す前記対象ユーザの第1行動変容スコアを計算し、
特定した複数の前記第1通知イベント案のそれぞれについて、特定した前記対象ユーザ属性情報及び前記第2行動変容実績情報に基づいて、その第1通知イベント案についての前記知人ユーザを介した前記受動的行動変容提案の推奨度合いを示す第2行動変容スコアを計算し、
計算した前記第1行動変容スコア及び前記第2行動変容スコアの中で、最も大きいスコアに対応する前記第1通知イベント案を前記推奨イベントに決定し、
最も大きいスコアが、前記第2行動変容スコアであった場合、前記知人ユーザ端末に対して、前記イベント勧誘提案通知を実行し、
最も大きいスコアが、同じスコアである前記第2行動変容スコア及び前記対象ユーザの前記第1行動変容スコアであった場合、前記知人ユーザ端末に対して、前記イベント勧誘提案通知を実行すると共に、前記直接的行動変容提案を前記対象ユーザ端末に対して実行する、
ように構成された、
行動変容促進装置。
【請求項9】
請求項6に記載の行動変容促進装置において、
前記情報通知装置は、
前記対象ユーザに対して、前記対象ユーザが前記直接的行動変容提案を受け入れた場合、受け入れた前記直接的行動変容提案に対応する前記行動の前記行動識別情報に対応する前記成功実績が上がるように、前記第1行動変容実績情報を更新し、
前記対象ユーザに対して、前記対象ユーザが前記受動的行動変容提案を受け入れた場合、受け入れた前記受動的行動変容提案に対応する前記行動の前記行動識別情報に対応する前記成功実績が上がるように、前記第2行動変容実績情報を更新する、
ように構成された、
行動変容促進装置。
【請求項10】
請求項5に記載の行動変容促進装置において、
前記情報通知装置は、
前記イベント属性情報及び特定した前記対象ユーザ属性情報に基づいて、特定した複数の前記第1通知イベント案の中から、更に、1又は複数の第2通知イベント案を特定し、特定した1又は複数の前記第2通知イベント案の中から前記推奨イベントを決定する、
ように構成された、
行動変容促進装置。
【請求項11】
請求項5に記載の行動変容促進装置において、
前記情報通知装置は、
前記知人ユーザ及び前記知人ユーザ端末が複数存在する場合において、
特定した複数の前記第1通知イベント案のそれぞれについて、特定した前記対象ユーザ属性情報及び前記第1行動変容実績情報に基づいて、その通知イベント案についての前記直接的行動変容提案の推奨度合いを示す前記対象ユーザの第1行動変容スコアを計算し、
特定した複数の前記第1通知イベント案のそれぞれについて、特定した前記対象ユーザ属性情報及び前記第2行動変容実績情報に基づいて、その通知イベント案についての前記知人ユーザを介した前記受動的行動変容提案の推奨度合いを示す第2行動変容スコアを複数の前記知人ユーザのそれぞれについて計算し、
計算した前記第1行動変容スコア及び前記第2行動変容スコアの中で、最も大きいスコアに対応する前記第1通知イベント案を前記推奨イベントに決定し、
最も大きいスコアが、前記知人ユーザについての前記第2行動変容スコアであった場合、その知人ユーザの前記知人ユーザ端末に対して、前記イベント勧誘提案通知を実行し、
最も大きいスコアが、同じスコアである前記知人ユーザについての前記第2行動変容スコア及び前記対象ユーザの前記第1行動変容スコアであった場合、その知人ユーザの前記知人ユーザ端末に対して、前記イベント勧誘提案通知を実行すると共に、前記直接的行動変容提案を前記対象ユーザ端末に対して実行する、
ように構成された、
行動変容促進装置。
【請求項12】
請求項11に記載の行動変容促進装置において、
前記情報保持部には、複数の前記知人ユーザのそれぞれについて、前記対象ユーザに対する前記知人ユーザの関係性に関する情報を含む対人関係情報が記憶され、
前記情報通知装置は、
前記対人関係情報に基づいて、複数の前記知人ユーザの中から選定した1又は複数の前記知人ユーザのみ前記第2行動変容スコアを計算する、
ように構成された、
行動変容促進装置。
【請求項13】
行動変容を実行させたいユーザである対象ユーザの対象ユーザ端末と、
知人ユーザの知人ユーザ端末と、
情報通知装置を含む行動変容促進装置と、
が互いに通信可能に構成された行動変容促進システムを用いた行動変容促進方法であって、
前記情報通知装置は、
行動を識別するための行動識別情報の1又は複数と、イベントを識別するためのイベント識別情報とが対応付けられたイベント対応情報を複数含むイベント参照情報を記憶し、
前記対象ユーザに行動変容を実行させたい前記行動を設定し、前記イベント参照情報に基づいて、設定した前記行動の前記行動識別情報に対応する前記イベント識別情報に対応する1又は複数の前記イベントの中から前記対象ユーザに参加することを勧める推奨イベントを決定し、前記知人ユーザから前記推奨イベントへの前記対象ユーザの参加を勧誘するイベント勧誘を行う通知内容を通知するイベント勧誘通知による受動的行動変容提案を、前記対象ユーザ端末に対して実行する、
行動変容促進方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、行動変容促進装置及び行動変容促進方法に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯型端末やウェアラブルセンサなどの普及に伴い、これらの携帯型端末及びウェアラブブルセンサによって個人にかかわる様々な行動情報や嗜好情報が取得されることが可能になった。更に、これらの携帯型端末及びウェアラブブルセンサからこれらの行動情報や嗜好情報を含むデータが大量に収集され、収集されたデータに基づいて、ユーザが実行するべき行動を推奨するシステムが提案されている。例えば、特許文献1は、個人の状態を推測し必要に応じて生活パターンの変化に応じた行動をユーザに促す推奨情報を提供する行動管理装置を開示する。特許文献2は、個人に合わせた行動の計画の立案を支援する行動計画立案システムを開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-154036号公報
【特許文献2】特開2018-173904号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の行動管理装置及び特許文献2の行動計画立案システムでは、行動を推奨する対象ユーザのみに対して推奨行動を提示するため、自発的に変化を望まないようなユーザには効果が低いおそれがある。
【0005】
そこで、本発明は、行動変容を行わせたい対象ユーザが、受動的に行動変容を行う可能性を向上できる行動変容促進装置及び行動変容促進方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明の行動変容促進装置は、行動変容を実行させたいユーザである対象ユーザの対象ユーザ端末及び知人ユーザの知人ユーザ端末と互いに通信可能に構成された情報通知装置を含み、前記情報通知装置は、行動を識別するための行動識別情報の1又は複数と、イベントを識別するためのイベント識別情報とが対応付けられたイベント対応情報を複数含むイベント参照情報が記憶された情報保持部を含み、前記対象ユーザに行動変容を実行させたい前記行動を設定し、前記イベント参照情報に基づいて、設定した前記行動の前記行動識別情報に対応する前記イベント識別情報に対応する1又は複数の前記イベントの中から前記対象ユーザに参加することを勧める推奨イベントを決定し、前記知人ユーザから前記推奨イベントへの前記対象ユーザの参加を勧誘するイベント勧誘を行う通知内容を通知するイベント勧誘通知による受動的行動変容提案を、前記対象ユーザ端末に対して実行するように構成されている。
【0007】
本発明の行動変容促進方法は、行動変容を実行させたいユーザである対象ユーザの対象ユーザ端末と、知人ユーザの知人ユーザ端末と、情報通知装置を含む行動変容促進装置とが互いに通信可能に構成された行動変容促進システムを用いるものであり、前記情報通知装置は、行動を識別するための行動識別情報の1又は複数と、イベントを識別するためのイベント識別情報とが対応付けられたイベント対応情報を複数含むイベント参照情報が記憶された情報保持部を含み、前記対象ユーザに行動変容を実行させたい前記行動を設定し、前記イベント参照情報に基づいて、設定した前記行動の前記行動識別情報に対応する前記イベント識別情報に対応する1又は複数の前記イベントの中から前記対象ユーザに参加することを勧める推奨イベントを決定し、前記知人ユーザから前記推奨イベントへの前記対象ユーザの参加を勧誘するイベント勧誘を行う通知内容を通知するイベント勧誘通知による受動的行動変容提案を、前記対象ユーザ端末に対して実行する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、行動変容を行わせたい対象ユーザが、受動的に行動変容を行う可能性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は本発明の実施形態に係る行動変容促進システムの構成例を示す概略構成図である。
【
図2】
図2は本発明の実施形態に係る行動変容促進装置のハードウェアの構成例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は情報保持部の構成例を示す機能ブロック図である。
【
図4】
図4はユーザ情報を格納するユーザテーブルの一例を示す図である。
【
図5】
図5は行動内容に対応する行動種別番号を割り当てている行動種別テーブルの一例を示す図である。
【
図6】
図6はイベント情報を格納するイベント属性テーブルの一例を示す図である。
【
図7】
図7は趣味内容に対応する趣味識別IDを割り当てている趣味種別テーブルの一例を示す図である。
【
図8】
図8は行動達成度テーブルの一例を示す図である。
【
図9】
図9はユーザ属性テーブルの一例を示す図である。
【
図10】
図10は知人ユーザとの関係情報を格納する対人関係テーブルの一例を示す図である。
【
図11】
図11は行動変容実績テーブルの一例を示す図である。
【
図12】
図12は行動変容促進システムの全体処理フローの一例を示すシーケンス図である。
【
図15】
図15は行動変容促進システムの全体処理フローの一例を示すシーケンス図である。
【
図17】
図17は行動変容促進システムの全体処理フローの一例を示すシーケンス図である。
【
図18】
図18は状態推定部が実行する処理フローの一例を示すフローチャートである。
【
図19】
図19は推奨行動選定部が実行する処理フローの一例を示すフローチャートである。
【
図20】
図20は決定部が実行する処理フローの一例を示すフローチャートである。
【
図22】
図22は成功率算出部が実行する処理フローの一例を示すフローチャートである。
【
図24】
図24は成功率算出部が実行する処理フローの一例を示すフローチャートである。
【
図26】
図26は成功率算出部が実行する処理フローの一例を示すフローチャートである。
【
図28】
図28は成功率算出部が実行する処理フローの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<<実施形態>>
以下、本発明の実施形態に係る行動変容促進システム101Sについて図面を用いて説明する。
【0011】
<構成>
図1は本発明の実施形態に係る行動変容促進システム101Sの構成の一例を示す概略構成図である。この行動変容促進システム101Sは、個人にかかわる様々な行動情報や嗜好情報に基づいて、行動変容を促したいユーザに対してアプローチのかけ方を変化させ、人とのつながりも活用して対象者に行動変容を促すシステムとして機能する。
【0012】
図1に示すように、行動変容促進システム101Sは、行動変容促進装置101と、ユーザAが所持するユーザA端末102Aと、ユーザBが所持するユーザB端末102Bと、ユーザCが所持するユーザC端末102Cと、図示しない複数のユーザのそれぞれが所持するユーザ端末と、複数のユーザのそれぞれの情報を取得する複数のセンサ105Sを含むセンサ群105と、を含む。
【0013】
行動変容促進装置101には、ユーザA端末102Aと、ユーザB端末102Bと、ユーザC端末102Cと、図示しない複数のユーザのそれぞれが所持するユーザ端末と、ユーザA乃至ユーザC、及び、センサ群105とが、情報をやり取りするインターネットなどの通信回線113を介し接続されている。なお、ユーザA端末102A乃至ユーザC端末、及び、図示しない複数のユーザ端末は、これらを特に区別する必要がない場合、「ユーザ端末102」と称呼される。ユーザA乃至ユーザC、及び、図示しない複数のユーザは、これらを特に区別する必要がない場合、「ユーザ」と称呼される。
【0014】
ユーザ端末102は、例えば、タブレット型端末、スマートフォン、スマートウォッチ、ARグラスである。ユーザ端末102は、ユーザに関するデータ(情報)として、例えば、ユーザ端末102のユーザ個人を特定する情報、GPS(Global Positioning System)などから取得する位置情報、動画サイトやウェブブラウザなどの閲覧履歴情報、物品の購入履歴情報、SNSの利用履歴情報などを取得する。ユーザ端末102は、取得したデータを、行動変容促進装置101に送信する。
【0015】
センサ群105は、宅内や街中などに設置された複数のセンサ105Sを含む。複数のセンサ105Sのそれぞれは、例えば、建物などの窓に取り付けられた気圧センサ、建物などの窓若しくはドアなどに取り付けられた開閉センサ、建物などの窓若しくはドアなどに取り付けられた人感センサ、掃除機若しくは洗濯機などの家電に設けられた振動センサ、掃除機若しくは洗濯機などの家電に設けられた接触センサ、建物などの運動器具に取り付けられた利用履歴記憶装置、又は、建物などにおけるユーザの行動を撮影するカメラである。センサ105Sは、ユーザに関するデータ(情報)として、センサ105Sが取得したセンサ値(測定値)及び/又はセンサ値を加工した情報を、行動変容促進装置101に送信する。
【0016】
行動変容促進装置101は、機能ブロックとして、入力部106、情報保持部107、状態推定部108、推奨行動選定部109、決定部110、出力部111及び成功率算出部112を含む。
【0017】
入力部106は、ユーザ端末102及びセンサ群105から送信されたユーザに関する情報(データ)を取得する。なお、以下、入力部106で取得するユーザに関するデータ(情報)は、「ユーザ状態情報」と称呼される。更に、入力部106は、ユーザ端末102及び/又は図示しないイベント情報提供システムなどからイベント情報(例えば、イベント名、実施エリア、開催日時、予算などのイベントに関する情報)を取得する。
【0018】
情報保持部107は、入力部106で取得した情報と、後述の状態推定部108の処理結果に基づく情報と、後述の成功率算出部112の処理結果に基づく情報とを格納(記憶)してこれらの情報などを保持する。情報保持部107の保持情報の詳細は後述する。
【0019】
状態推定部108は、入力部106の取得情報(ユーザ状態情報)と情報保持部107の情報とに基づいて、ユーザが設定しているユーザの各生活行動に関する目標値に対して、どの程度達成できているかを評価する。生活行動とは、例えば、外出、食事、運動、会話などである。なお、生活行動は、単に「行動」とも称呼される場合がある。
【0020】
推奨行動選定部109は、状態推定部108の評価結果と、情報保持部107の情報とに基づいて、ユーザに推奨する通知イベント案を選定する。決定部110は、推奨行動選定部109で選定された通知イベント案と、情報保持部107の情報とに基づいて、行動変容を促したい対象者(ユーザ)である対象ユーザ(「本人」とも称呼される。)に対してのアプローチ方法と通知イベント(「推奨イベント」とも称呼される場合がある。)と、を決定する。なお、「アプローチ方法の決定」とは、対象ユーザに直接的に通知イベント案を提案して対象ユーザの行動変容を直接的に促すアプローチ方法、及び、対象ユーザ以外のユーザ(「知人ユーザ」又は「知人」とも称呼される。)から間接的に通知イベント案を対象ユーザに提案して対象ユーザの行動変容を受動的に促すアプローチ方法などの中から、アプローチ方法を決定することをいう。
【0021】
より具体的に述べると、「アプローチ方法の決定」とは、例えば、対象ユーザのみに対して通知イベントへの参加を提案するのか、知人ユーザに対して対象ユーザの通知イベントへの参加の勧誘を提案し、且つ、知人ユーザを介して間接的に対象ユーザに対して通知イベントへの参加を提案するのかを決定することである。
【0022】
成功率算出部112は、情報保持部107の情報に基づいて、ユーザ毎の行動変容提案の成功率を算出する。より具体的に述べると、成功率算出部112は、対象ユーザに対する行動変容提案の成功率と、知人ユーザの勧誘による対象ユーザに対する行動変容提案の成功率を算出する。なお、知人ユーザの勧誘による対象ユーザに対する行動変容提案の成功率は、知人ユーザ毎に算出される。この成功率算出部112の動作の詳細については、後述する。出力部111は、例えば、ユーザ端末102を用いて決定部110で決定したユーザに通知イベントに関する情報を提供する。なお、この出力部111の動作の詳細については、後述する。
【0023】
図2は
図1の行動変容促進装置101を、CPU201を含むコンピュータを用いて構成したハードウェア構成例を示す概略構成図である。なお、行動変容促進装置101は、複数のコンピュータで構成されていてもよい。コンピュータは、便宜上、「情報通知装置」又は「情報処理装置」とも称呼される場合がある。
図2に示すように、行動変容促進装置101は、CPU201、メモリ202(例えば、ROM及びRAM)、データの読み出し及び書き出し可能な不揮発性の記憶装置(例えば、HDD203)、NW204及びIO205などを含む。CPU201には、メモリ202、HDD203、NW204及びIO205などがバス206を介して接続されている。
【0024】
CPU201は、ROMに格納された図示しない各種プログラムをRAMにロードし、RAMにロードされたプログラムを実行することによって、各種機能を実現する。RAMには、上述したようにCPU201が実行する各種プログラムがロードされ、CPU201が各種プログラムを実行する際に使用するデータが一時的に記憶される。ROMは、不揮発性の記憶媒体であり、各種プログラムが記憶されている。NW204は、行動変容促進装置101が通信回線113に接続されるためのインターフェースである。IO205は、キーボード及びディスプレイに接続されるためのインターフェースである。
【0025】
上述した機能ブロックは、行動変容促進装置101が備える「ハードウェア資源」及び/又は「ソフトウェア」の任意の組み合わせによって実現することができる。
【0026】
例えば、入力部106は、通信回線113などに接続されるNW204、各種外部デバイスが接続されるIO205で構成される。IO205にはマウス、キーボード、表示装置、光ディスクドライブなどの外部メディアを接続してもよい。
【0027】
例えば、情報保持部107は、メモリ202、HDD203で構成される。例えば、状態推定部108、推奨行動選定部109、決定部110、成功率算出部112は、メモリ202(ROM)やHDD203に格納され、CPU201で実行するプログラムで構成される。例えば、出力部111は、通信回線113などに接続されたユーザ端末102に情報を出力するため、ユーザ端末102に通信回線113を介して接続するためのインターフェースであるNW204、表示装置、外部メディアに情報を出力するため、これらに接続するためのインターフェースであるIO205で構成される。なお、
図2の構成では、メモリ202(ROM)に格納された各種プログラムをCPU201が実行して、各処理を実現しているが、行動変容促進装置101の各処理部は、各処理を行う回路として集積回路化するなどしてハードウェアで実現することもできる。
【0028】
図3を用いて、情報保持部107が備えるデータベースの例を説明する。なお、以下の説明では、「テーブル」、「リスト」などの表現にて各種情報を説明することがあるが、各種情報は、これら以外のデータ構造で表現されてもよい。更に、識別情報について説明する際、「ID」、「番号」、「識別情報」、「名」などの表現を用いるが、これらについてはお互いに置換が可能である。
【0029】
図3に示すように、情報保持部107は、ユーザテーブル301、行動種別テーブル302、イベント属性テーブル303、趣味種別テーブル304及びユーザ情報テーブル305を備える。ユーザ情報テーブル305はユーザ毎の情報であり、行動変容促進装置101が適用されるユーザの数(N人)と同じ数だけ存在する。なお、これらの各テーブルには、入力部106で取得した情報、後述の状態推定部108の処理結果及び成功率算出部112の処理結果などに基づく情報などが格納(記憶)される。
【0030】
図4を用いてユーザテーブル301を説明する。ユーザテーブル301はシステムのユーザのリストである。
図4に示すように、ユーザテーブル301は、ユーザID401とユーザ名402とを備える。ユーザID401には、ユーザの識別用のID(以下、「ユーザID」と称呼される。)が格納(記憶)され、ユーザ名402には、ユーザID401のユーザIDに対応するユーザの名称が格納(記憶)される。
【0031】
図5を用いて行動種別テーブル302を説明する。
図5に示すように、行動種別テーブル302は行動のリストであり、行動種別501及び行動内容502を備える。行動種別501には、行動の識別用(行動の種類を識別するため)のID(以下、「行動識別ID」と称呼される。)が格納(記憶)され、行動内容502は行動種別501の行動識別IDに対応する行動の名称(行動内容)が格納(記憶)される。
【0032】
図6を用いてイベント属性テーブル303を説明する。
図6に示すように、イベント属性テーブル303はイベントの属性情報であり、イベントID601、イベント名602、関連行動種別603、関連趣味種別604、実施エリア605、日時606及び予算607を少なくとも備える。これらの他、イベント属性テーブル303は、例えばイベントの規模や所要時間などをイベント属性テーブル303に含んでもよい。なお、イベント属性テーブル303は、便宜上、「イベント参照情報」とも称呼される場合がある。イベント属性テーブル303の行単位の情報は、「イベント対応情報」とも称呼される場合がある。関連行動種別603、関連趣味種別604、実施エリア605、日時606、予算607等に格納された情報のように、イベントの属性を表す情報は、便宜上、「イベント属性情報」とも称呼される場合がある。
【0033】
イベントID601には、イベントを識別するためのID(以下、「イベント識別ID」と称呼される。)が格納(記憶)される。イベント名602には、イベントID601のイベント識別IDに対応するイベントの名称が格納(記憶)される。関連行動種別603には、イベントに関連する行動を示す情報であり、且つ、対応する行動識別ID(
図5)が1つ以上格納(記憶)される。例えば、お菓子作りイベントは、
図5の行動種別テーブル302の行動内容502の「外出する」及び「会話する」の両方に関連がある。従って、「外出する」に対応する行動識別ID「1」及び「会話する」に対応する行動識別ID「5」が、関連行動種別603に格納(記憶)される。
【0034】
関連趣味種別604には、イベントに関連する趣味を示す情報であり、且つ、イベントに関連する趣味に対応する趣味種別701を示すID(以下、「趣味識別ID」と称呼される。
図7の趣味種別テーブル304を参照。)が、1つ以上格納(記憶)される。例えば、お菓子作りイベントは、趣味内容702の「お菓子作り」に関連があり、「お菓子作り」を示す趣味識別IDである「1」が関連趣味種別604に格納(記憶)される。実施エリア605には、イベントが開催される場所の情報が格納(記憶)される。なお、「イベントが開催される場所の情報」の一例として都道府県名が格納(記憶)されているが、「イベントが開催される場所の情報」は、イベント場所の住所や、エリアを示す任意の番号、緯度経度情報などであってもよい。日時606には、イベントの実施日時が格納(記憶)される。
図6の例において、日時606には、一例として年、月、日が格納(記憶)されているが、日時606には、年、月、日と共に時刻情報及び/又は日時に関連する他の関連情報が格納(記憶)されていてもよい。予算607には、イベント参加費用が格納(記憶)される。
【0035】
図7を用いて趣味種別テーブル304を説明する。
図7に示すように、趣味種別テーブル304は、趣味のリストであり、趣味種別701と趣味内容702とを備える。趣味種別701には、趣味の識別用の趣味識別IDが格納(記憶)される。趣味内容702には、趣味種別701の趣味識別IDに対応する趣味の内容が格納(記憶)される。
【0036】
ユーザ毎のユーザ情報テーブル305は、ユーザ毎の行動達成度テーブル306、ユーザ属性テーブル307、対人関係テーブル308及び行動変容実績テーブル309を含む。
【0037】
図8は、行動達成度テーブル306のテーブル構成の一例である。
図8に示すように、行動達成度テーブル306は、行動種別801、目標値802及び達成度803を含む。
【0038】
行動種別テーブル302の行動種別801に格納(記憶)された行動識別ID毎に、行動識別IDに対応する行動(行動内容)に対するユーザの目標値802及び現在の達成度803が、格納(記憶)される。目標値802はユーザ情報に基づいて所定のアルゴリズムで算出されてもよいし、ユーザ自身がユーザ端末102を介して目標値を設定してもよい。
【0039】
即ち、行動種別801には、行動識別IDが格納(記憶)される。目標値802には、目標となるパラメータ(達成度803と対応するパラメータ(例えば、目標の度合い(レベル)が高くなるほど大きくなる数値))が格納(記憶)される。例えば、目標値802には、ユーザ情報(ユーザ状態情報)に基づいて、所定のアルゴリズムで算出された目標となる値が格納(記憶)されてもよいし、ユーザ自身によって設定された目標となる値が格納(記憶)されてもよい。
【0040】
達成度803には、行動種別801の行動識別IDに対応する行動のユーザの達成度の度合い(レベル)を示すパラメータ(例えば、数値)が格納(記憶)される。例えば、達成度803には、ユーザ状態情報に基づいて演算された、その行動識別IDに対応する行動をユーザが行った頻度の程度を表すパラメータ(例えば、数値)が格納(記憶)される。なお、達成度803は、その行動識別IDに対応する行動をユーザが行った回数を表すパラメータなどであってもよい。
【0041】
図9は、ユーザ属性テーブル307のテーブル構成の一例である。
図9に示すように、ユーザ属性テーブル307は、行項目として、嗜好情報901、地理情報902及び予算情報903などを含む。更に、ユーザ属性テーブル307は、嗜好情報901に対する列項目として、趣味種別904及び嗜好度905を含む。更に、ユーザ属性テーブル307は、地理情報902に対する列項目として、住居地906及び行動範囲907を含む。ユーザ属性テーブル307は、予算情報903に対する行項目として行動種別908及び予算909を含む。これらの他に、ユーザ属性テーブル307は、例えば家族構成情報やスケジュール情報などを含んでもよい。なお、ユーザ属性テーブル307は、便宜上、「ユーザ属性情報」とも称呼される場合がある。対象ユーザのユーザ属性テーブル307は、便宜上、「対象ユーザ属性情報」とも称呼される場合がある。
【0042】
嗜好情報901に対する列項目の趣味種別904には、ユーザの趣味に対応する趣味識別IDが格納(記憶)される。嗜好情報901に対する列項目の嗜好度905には、ユーザの趣味に対する嗜好度の程度を示すパラメータ(例えば、数値)が格納(記憶)される。
【0043】
地理情報902に対する列項目の住居地906には、ユーザの住居地を示す情報(例えば、住所)が格納(記憶)される。地理情報902に対する列項目の行動範囲907には、ユーザの日常における行動範囲を示す情報が格納(記憶)される。なお、本例では、行動範囲を示す情報は、都道府県であるが、行動範囲を示す情報は、緯度経度情報であってもよい。行動範囲907には、季節や曜日ごとに分けた行動範囲を示す情報が記録されていてもよい。
【0044】
予算情報903に対する列項目の行動種別908には、行動識別IDが格納(記憶)される。予算情報903に対する列項目の予算909には、行動種別908の行動識別IDに対応する行動に対して支出可能な予算(支出を許容する予算)を示す情報(例えば、金額)が格納(記憶)される。
【0045】
図10は、ユーザ情報テーブル305に記録された対人関係テーブル308のテーブル構成の一例である。
図10に示すように、対人関係テーブル308は、知人ユーザID1001、居住地距離1002、連絡頻度1003及び対面頻度1004を含む。
【0046】
知人ユーザID1001には、ユーザテーブル301に格納(記憶)された対象ユーザに対する知人ユーザのユーザIDが格納(記憶)される。
【0047】
居住地距離1002には、本人の居住地と、知人ユーザID1001のユーザIDに対応する知人の居住地との間の距離を示す情報(本例では、上記距離が短くなるほど大きくなる数値)が格納(記憶)される。
【0048】
連絡頻度1003には、本人と、知人ユーザID1001のユーザIDに対応する知人との間の電話、メールなどによる連絡の頻度を示す情報(本例では、連絡頻度が多くなるほど大きくなる数値)が格納(記憶)される。
【0049】
対面頻度1004には、本人と知人ユーザID1001のユーザIDに対応する知人と対面でコミュニケーションを行う対面コミュニケーション頻度を示す情報(本例では、対面コミュニケーション頻度が多くなるほど大きくなる数値)が格納(記憶)される。なお、対人関係テーブル308は、便宜上、「対人関係情報」とも称呼される場合がある。
【0050】
図11は、行動変容実績テーブル309のテーブル構成の一例である。
図11に示すように、行動変容実績テーブル309は、行動種別1101と、ユーザA(本人)1102の提案回数1105、成功回数1106及び成功率1107と、ユーザB(知人)1103の提案回数1108、成功回数1109、成功率1110及び勧誘回数1111と、ユーザC(知人)1104の提案回数1112、成功回数1113、成功率1114及び勧誘回数1115を含む。
【0051】
行動変容を促す対象ユーザであるユーザAに対応する行動変容実績テーブル309のユーザA(本人)1102の提案回数1105、成功回数1106及び成功率1107のそれぞれには、行動種別1101に格納(記憶)された行動識別IDごとに以下に述べる情報が格納(記憶)される。
【0052】
・提案回数1105には、行動変容促進装置101がユーザA(本人)1102に行動種別1101の行動識別IDに対応する行動の変容の提案(換言すると、ユーザAに行動識別IDに対応する行動を変容させるための推奨イベントへの参加提案)を通知した回数が格納(記憶)される。
・成功回数1106には、ユーザAが、行動変容促進装置101から行動識別IDに対応する行動の変容の提案を受け入れ、行動変容を行った回数(成功回数)が格納(記憶)される。
・成功率1107には、提案回数1105に格納(記憶)された値と成功回数1106に格納(記憶)された値とから算出した値が格納(記憶)される。具体的に述べると、成功率1107には、例えば、成功回数1106に格納(記憶)された値を提案回数1105に格納された値により除することにより算出した値が格納(記憶)される。なお、成功率1107に格納(記憶)された値のように、行動変容促進装置101からユーザAに対して行われる直接的な行動変容提案の成功実績を表す情報は、便宜上、「第1行動変容実績情報」とも称呼される場合がある。
【0053】
知人ユーザ(知人)であるユーザBに対応する行動変容実績テーブル309のユーザB(知人)1103の提案回数1108、成功回数1109、成功率1110及び勧誘回数1111のそれぞれには、行動種別1101に格納(記憶)された行動識別IDごとに、以下に述べる情報が記録(記憶)される。
【0054】
・提案回数1108には、行動変容促進装置01が、ユーザBの勧誘によるユーザAの行動変容の提案(換言すると、ユーザAに行動識別IDに対応する行動を変容させるためにユーザBからユーザAに対して行う、推奨イベントへの参加の勧誘提案)を、ユーザB(知人)1103に通知した回数が格納(記憶)される。
・成功回数1109には、ユーザAが、ユーザBの勧誘によるユーザAの行動変容の提案を受け入れた回数が格納(記憶)される。換言すると、成功回数1109には、行動変容促進装置101からの「ユーザBからユーザAに対して行った、推奨イベントへの参加の勧誘」を受け入れた回数が格納(記憶)される。
・成功率1110には、提案回数1108に格納(記憶)された値と成功回数1109に格納(記憶)された値とから算出した値が格納(記憶)される。具体的に述べると、成功率1110には、例えば、成功回数1109に格納(記憶)された値を提案回数1108に格納(記憶)された値により除することにより算出した値が格納(記憶)される。なお、成功率1110に格納(記憶)された値のように、行動変容促進装置101からユーザAに対して知人ユーザ(ユーザB)を介して行われる受動的な行動変容提案の成功実績を表す情報は、便宜上、「第2行動変容実績情報」とも称呼される場合がある。
・勧誘回数1111には、ユーザBが「ユーザBからユーザAに対する勧誘」を行った回数(換言すると、ユーザBがユーザAに対して推奨イベントへの参加の勧誘を行った回数)が格納(記憶)される。
【0055】
なお、ユーザB以外のユーザC(知人ユーザ)のユーザC(知人)1104に対する提案回数1112、成功回数1113、成功率1114及び勧誘回数1115のそれぞれには、ユーザBをユーザCに代えたこと以外はユーザB(知人)1103と同様の情報が記録される。更に、図示しないユーザB以外のユーザ(知人ユーザ)に対する提案回数、成功回数、成功率及び勧誘回数のそれぞれにも、ユーザBをユーザに代えたこと以外はユーザB(知人)1103と同様の情報が記録される。
【0056】
<行動変容促進装置101の具体的作動>
図12は、行動変容促進装置101全体の処理フローの一例を示すシーケンス図である。
図12に示すように、行動変容促進装置101は、以下に述べるS1201乃至S1203の処理を順に行うことにより、対象ユーザに行動変容を行わせるために推奨されるイベントを、イベント属性テーブル303から選定(決定)する。行動変容促進装置101は、選定したイベントを通知するユーザを対象ユーザ及び知人ユーザの中から選定(決定)する。
【0057】
S1201:行動変容促進装置101は、入力部106で取得した対象ユーザのユーザ状態情報に基づいて、行動達成度テーブル306において、行動種別801に格納(記憶)された各行動識別IDが示す行動に対する目標値802に対するユーザの達成度を評価する。なお、このS1201の処理の詳細は、後に詳述する。
【0058】
S1202:行動変容促進装置101は、行動達成度テーブル306において、対象ユーザの目標未達の行動に対応する行動識別IDに基づいて、イベント属性テーブル303から通知イベント案を導出する(選定(決定)する。)。なお、このS1202の処理の詳細は、後に詳述する。
【0059】
S1203:行動変容促進装置101は、ユーザ情報テーブル305に基づき、通知イベント案の中から通知イベント(推奨イベント)を選定すると共に選定した通知イベント(推奨イベント)を通知するユーザを対象ユーザ及び知人ユーザの中から選定する。なお、このS1203の処理の詳細は、後に詳述する。
【0060】
その後、以下に述べるS1204乃至S1209が順に実行される。
【0061】
S1204:行動変容促進装置101は、選定した通知イベントを通知する対象ユーザ(本例において、ユーザA)及び知人ユーザ(本例において、ユーザB)を選定した場合、まず、次の処理を行う。即ち、行動変容促進装置101は、まず選定した通知イベントへの参加提案(「イベント参加提案」と称呼される。)を行うユーザAのユーザA端末102Aに対して、選定した通知イベントへの参加を提案する内容を通知する「イベント参加提案通知」を行う。本例において、行動変容促進装置101は、ユーザA端末102Aに「イベント参加提案通知」の通知内容を表示させることにより、「イベント参加提案通知」を行う。
【0062】
S1205:ユーザA端末102Aは、行動変容促進装置101から「イベント参加提案通知」を受信すると、「イベント参加提案通知」の通知内容を表示する。
図13は「イベント参加提案通知の内容」の一例を含む画面GA1(画像)である。
図13に示す画面GA1は、「イベント参加提案通知の内容」である通知内容1901を含む。通知内容1901は、通知イベント内容1902、参加ボタン1903及び不参加ボタン1904を含む。通知イベント内容は、決定部110で決定した通知イベントの内容を表す文章を含む。参加ボタン1903及び不参加ボタン1904は、文字及び画像で構成されたボタンである。
【0063】
S1206:ユーザ端末102は、ユーザAによって参加ボタン1903及び不参加ボタン1904の何れかが、操作されると、操作されたボタンに応じた、通知イベントへのユーザAの参加又は不参加を表す「参加可否情報」を、行動変容促進装置101に送信する。なお、ユーザA端末102Aは、ユーザAが所定の回答期限内に参加ボタン1903を操作しなかった場合、不参加を表す「参加可否情報」を行動変容促進装置101に送信するようにしてもよい。
【0064】
S1207:行動変容促進装置101は、ユーザA端末102Aから「参加可否情報」を受信すると、受信した「参加可否情報」に基づいて、ユーザAの行動変容実績テーブル309を更新する。なお、この更新処理の詳細は、後に詳述する。
【0065】
S1208:行動変容促進装置101は、S1201乃至S1203により選定した通知イベントへの参加をユーザAに勧誘することを提案する「イベント参加勧誘提案」を行うユーザBのユーザB端末102Bに対して、選定した通知イベントをユーザB(知人ユーザ)が対象ユーザ(ユーザA)に勧誘することを提案する内容を通知する「イベント勧誘提案通知」を行う。本例において、行動変容促進装置101は、ユーザB端末102Bに「イベント勧誘提案通知」の内容を表示させることにより、「イベント勧誘提案通知」を行う。
【0066】
S1209:ユーザB端末102Bは、行動変容促進装置101から「イベント勧誘提案通知」を受信すると、「イベント勧誘提案通知」の通知内容を表示する。
図14は、「イベント勧誘提案通知」の一例を含む画面GB1(画像)である。
図14に示す画面GB1は、通知内容2001を含む。通知内容2001は、通知イベント内容2002、参加ボタン2003、不参加ボタン2004、対象者情報2005及び勧誘ボタン2006を含む。更に、勧誘ボタン2006が操作されると表示されるメッセージ2007、送信ボタン2008及び戻るボタン2009を含む。
【0067】
その後、
図15のS1210乃至S1217が順に実行されるか、或いは、
図17のS1220乃至S1222が順に実行される。まず、
図15のS1210乃至S1217が順に実行される場合について説明する。
【0068】
S1210:ユーザB端末102Bは、ユーザBによって勧誘ボタン2006が操作された後に、送信ボタン2008が操作されると、「ユーザBからユーザAへのイベント勧誘」の提案が成功したことを表す「イベント勧誘提案成功通知」を行動変容促進装置101に送信する。
【0069】
S1211:行動変容促進装置101は、ユーザB端末102Bから「イベント勧誘提案成功通知」を受信すると、ユーザAのユーザA端末102Aに、ユーザBから、選定した通知イベントへのユーザAの参加を勧誘する旨を表す通知内容を表示させることにより、「イベント勧誘通知」を行う。
【0070】
S1212:ユーザA端末102Aは、行動変容促進装置101から「イベント勧誘通知」を受信すると、ユーザBから、選定した通知イベントへのユーザAの参加を勧誘する旨を表す通知内容を表示する。
図16は、ユーザBから「選定したイベントへのユーザAの参加を勧誘する旨を表す通知内容」の一例を含む画面GB3(画像)である。
【0071】
図16に示す画面GB3は、イベント勧誘通知内容2101を含む。イベント勧誘通知内容2101は、通知イベント情報2102、参加ボタン2105及び不参加ボタン2106を含む。
【0072】
S1213:ユーザAによって参加ボタン2105及び不参加ボタン2106の何れかが、操作されると、ユーザA端末102Aは、操作されたボタンに応じた、勧誘イベントへのユーザの参加又は不参加を表すユーザAの「勧誘イベント参加可否情報」を、行動変容促進装置101に送信する。
【0073】
S1214:行動変容促進装置101は、ユーザA端末102AからユーザAの「勧誘イベント参加可否情報」を受信すると、ユーザBのユーザB端末102Bに、「ユーザAの勧誘イベント参加可否を表す通知内容」を表示させることにより、「ユーザAの勧誘イベント参加可否通知」を行う。
【0074】
S1215:行動変容促進装置101は、ユーザA端末102Aから受信した「勧誘イベント参加可否情報」に基づいて、ユーザAの行動変容実績テーブル309を更新する。なお、この更新処理の詳細は、後に詳述する。
【0075】
S1216:ユーザBによって参加ボタン2003及び不参加ボタン2004の何れかが、操作されると、ユーザB端末102Bは、操作されたボタンに応じた、勧誘イベントへのユーザBの参加又は不参加を表すユーザB自身の「勧誘イベント参加可否情報」を、行動変容促進装置101に送信する。
【0076】
S1217:行動変容促進装置101は、ユーザB端末102Bから「勧誘イベント参加可否情報」を受信すると、ユーザBの「勧誘イベント参加可否情報」に基づいて、ユーザBの行動変容実績テーブル309を更新する。なお、この更新処理の詳細は、後に詳述する。
【0077】
次に、
図17のS1220乃至S1223が順に実行される場合について説明する。
【0078】
S1220:ユーザB端末102Bは、ユーザBによって勧誘ボタン2006が操作されない状態で、ユーザBによって参加ボタン2003及び不参加ボタン2004の何れかが、操作されると、ユーザB端末102Bは、操作されたボタンに応じた、ユーザB自身の「勧誘イベント参加可否情報」を、行動変容促進装置101に送信する。なお、行動変容促進装置101は、このようにユーザBによって勧誘ボタン2006が操作されない状態で、ユーザBによって参加ボタン2003及び不参加ボタン2004の何れかが、操作された場合、ユーザBからユーザAへの勧誘が行われなかったと判定する。
【0079】
S1221:行動変容促進装置101は、ユーザB端末102Bから「勧誘イベント参加可否情報」を受信すると、ユーザBの「勧誘イベント参加可否情報」に基づいて、ユーザAの行動変容実績テーブル309を更新する。なお、この更新処理の詳細は、後に詳述する。
【0080】
S1222:行動変容促進装置101は、ユーザBの「勧誘イベント参加可否情報」に基づいて、ユーザBの行動変容実績テーブル309を更新する。なお、この更新処理の詳細は、後に詳述する。
【0081】
<S1201、S1202及びS1203の詳細>
上述したS1201、S1202及びS1203では、以下に述べる処理フローが実行されることにより、通知イベント及びアプローチ方法が選定される。
【0082】
<S1201>
上述したS1201の詳細について説明する。状態推定部108は、
図18にフローチャートにより示した処理フローを実行する。従って、状態推定部108は、
図18のステップ1300から処理を開始し、以下に述べるステップ1301乃至ステップ1304の処理を順に実行した後、ステップ1305に進む。
【0083】
ステップ1301:状態推定部108は、入力部106からユーザ状態情報を取得する。
【0084】
ステップ1302:状態推定部108は、ユーザ状態情報に基づき、行動達成度テーブル306の行動種別801に格納(記憶)された各行動識別IDに対応する達成度を評価(達成度の値を演算)し、評価(演算)した達成度(達成度の値)によって、行動達成度テーブル306を更新する。即ち、状態推定部108は、格納(記憶)されている達成度を、今回評価(演算)した達成度(達成度の値)により、更新する(書き替える)。
【0085】
ステップ1303:状態推定部108は、更新後の行動達成度テーブル306の目標値802に格納(記憶)された値(目標値)と達成度803に格納(記憶)された値(パラメータ)を取得する。
【0086】
ステップ1304:状態推定部108は、行動達成度テーブル306の行動種別801に格納(記憶)された全ての行動識別IDについて、それぞれ行動識別IDに対応する目標値と達成度とを比較する。
【0087】
状態推定部108は、ステップ1305に進むと、達成度が目標値に達していない行動種別(行)が存在するか否かを判定する。達成度が目標値に達していない行動種別(行)が存在する場合、状態推定部108は、ステップ1305にて「Yes」と判定してステップ1306に進み、目標未達の行動種別801(行)の行動識別ID(本例において「1」)を推奨行動選定部109へ通知する。その後、状態推定部108は、ステップ1395に進んで本処理フローを一旦終了する。
【0088】
これに対して、達成度が目標値に達していない行動種別(行)が存在しない場合、状態推定部108は、ステップ1305にて「No」と判定してステップ1395に進んで本処理フローを一旦終了する。
【0089】
<S1202>
上述したS1202の詳細について説明する。推奨行動選定部109は、
図19にフローチャートにより示した処理フローを実行する。従って、推奨行動選定部109は、
図19のステップ1400から処理を開始してステップ1401に進み、状態推定部108から目標未達の行動種別801の行動識別IDの通知があるか否かを判定する。
【0090】
状態推定部108から目標未達の行動種別801の行動識別IDの通知がない場合、推奨行動選定部109は、ステップ1401にて「No」と判定してステップ1401の処理を再び行う。
【0091】
これに対して、状態推定部108から目標未達の行動種別801の行動識別IDの通知がある場合、推奨行動選定部109は、ステップ1401にて「Yes」と判定し、以下に述べるステップ1402乃至ステップ1405の処理を順に実行する。
【0092】
ステップ1402:推奨行動選定部109は、状態推定部108から通知された行動種別の行動識別ID(本例において、行動識別ID「1」)を取得する。
【0093】
ステップ1403:推奨行動選定部109は、情報保持部107からイベント属性テーブル303を取得する。
【0094】
ステップ1404:推奨行動選定部109は、イベント属性テーブル303において、関連行動種別603に状態推定部108から通知された行動種別の行動識別ID(本例において、行動識別ID「1」)を含む行を全て抽出し、その抽出した行のイベント識別IDに対応するイベント(換言すると、一つの行単位のイベント情報)を、通知イベント案として選定する。本例において、イベント識別IDが「1」、「3」、「4」及び「5」の行が抽出され、これらに対応するイベントが通知イベント案として選定される。
【0095】
なお、推奨行動選定部109は、イベント属性テーブル303に格納(記憶)された情報に基づいて、選定した通信イベント案の中から、更に、イベントを選定して(絞り込んで)、選定したイベントを通知イベント案として選定してもよい。例えば、推奨行動選定部109は、最初に選定した通知イベント案の中から、最初に選定した通知イベント案の実施エリアが、対象ユーザ(ユーザA)のユーザ属性テーブル307の行動範囲907に該当するイベント属性テーブル303の実施エリア605と一致する通知イベント案のみを更に選定し、選定した通知イベント案を最終的な通知イベント案として選定してもよい。推奨行動選定部109は、最初に選定した通知イベント案のそれぞれについて、関連行動種別603の行動識別IDを、対象ユーザ(ユーザA)の行動変容実績テーブル309に適用して、成功率及び/又は成功回数を取得して、取得した成功率及び/又は成功回数に基づいて、最初に選定した通知イベント案の中から最終的な通知イベント案を選定してもよい。これにより、推奨行動選定部109は、対象ユーザ(ユーザA)が参加提案を受け入れる可能性の低い通知イベント案を、この段階で除外できる。なお、この場合、最初に選定した通知イベント案は、便宜上、「第1通知イベント案」とも称呼される場合があり、最終的な通知イベント案は、便宜上、「第2通知イベント案」とも称呼される場合がある。
【0096】
ステップ1405:推奨行動選定部109は、ステップ1404で選定した通知イベント案を決定部110へ通知する。
【0097】
その後、推奨行動選定部109は、ステップ1495に進んで本処理フローを一旦終了する。
【0098】
<S1203>
上述したS1203の処理の詳細について説明する。決定部110は、
図20にフローチャートにより示した処理フローを実行する。従って、決定部110は、
図20のステップ1500から処理を開始してステップ1501に進み、推奨行動選定部109から通知イベント案の通知があるか否かを判定する。
【0099】
推奨行動選定部109から通知イベント案の通知がない場合、決定部110は、ステップ1501にて「No」と判定してステップ1501の処理を再び行う。
【0100】
これに対して、状態選定部から通知イベント案の通知を受信した場合、決定部110は、ステップ1501にて「Yes」と判定して以下に述べるステップ1502乃至ステップ1505の処理を順に行った後、ステップ1506に進む。
【0101】
ステップ1502:決定部110は、推奨行動選定部109から通知された通知イベント案(本例において、4つの通知イベント案)を取得する。
【0102】
ステップ1503:決定部110は、ユーザ情報テーブル305を取得する。
【0103】
ステップ1504:決定部110は、ステップ1503にて取得した情報(ユーザ情報テーブル305)に基づいて、ブロックBR1に一例を示したように、行動変容の対象者(対象ユーザ(ユーザA))と知人ユーザ(ユーザB)毎に、通知イベント案毎の行動変容スコア(例えば、score1乃至score8)を算出する。
【0104】
行動変容スコアは、例えば、行動変容スコアを算出する要素kがN個存在するとき、
図21の式(1)により算出することができる。なお、より重要な要素に関して重み付けaを付加することで、
図21の式(2)により算出してもよい。更に、行動変容スコアは、要素kを加算ではなく、乗算することにより算出してもよい。更に、計算方法はこれに限定しない。更に、行動変容スコアの算出には、ユーザ情報テーブル305に含まれるすべてのテーブル要素を用いても、そのうちの一部を用いてもよい。
【0105】
要素kは、対象ユーザに行動変容を実行させる効果をより高める観点から、例えば、対象ユーザの行動変容実績テーブル309の成功率及び知人ユーザの行動変容実績テーブル309の成功率を少なくとも含むことが好ましい。
【0106】
行動変容スコアの算出の理解を容易にするため、例えば、要素kとして、行動変容実績テーブル309の対象ユーザ(ユーザA)の成功率、知人ユーザ(ユーザB)の成功率、対象ユーザ(ユーザA)の嗜好度を用い、式(1)を用いた例について説明する。
【0107】
決定部110は、各通知イベント案のイベント識別IDをイベント属性テーブル303に適用することによって、そのイベント識別IDに一致する行の関連趣味種別の趣味識別IDを取得する。
【0108】
各通知イベント案について、決定部110は、例えば、以下に述べるように、対象ユーザ(ユーザA)の行動変容スコア、知人ユーザ(ユーザB)の行動変容スコアのそれぞれを計算する。なお、対象ユーザの行動変容スコアは、便宜上、「第1行動変容スコア」とも称呼される場合がある。知人ユーザの行動変容スコアは、便宜上、「第2行動変容スコア」とも称呼される場合がある。
【0109】
決定部110は、取得した趣味識別IDを、対象ユーザ(ユーザA)のユーザ属性テーブル307に適用することにより、要素kとして、趣味識別IDに対応する嗜好度905の値を取得する。
【0110】
決定部110は、ステップ1402にて取得された行動識別ID(目標未達の行動種類に対応する行動識別ID)を対象ユーザ(ユーザA)の行動変容実績テーブル309に適用することによって、行動識別IDが一致する行の対象ユーザ(ユーザA(本人)1102)の成功率1110の値を要素kとして取得する。そして、決定部110は、取得した要素k(嗜好度の値、成功率の値)を式(1)に適用することにより、対象ユーザ(ユーザA)の行動変容スコアを算出する。
【0111】
同様に、決定部110は、取得した趣味識別IDを、対象ユーザ(ユーザA)のユーザ属性テーブル307に適用することにより、要素kとして、趣味識別IDに対応する嗜好度905の値を取得する。
【0112】
決定部110は、ステップ1402にて取得された行動識別IDを対象ユーザ(ユーザA)の行動変容実績テーブル309に適用することによって、行動識別IDが一致する行の知人ユーザ(ユーザB(知人)1103)の成功率1100の値を要素kとして取得する。そして、決定部110は、取得した要素kを式(1)に適用することにより、知人ユーザ(ユーザB)の行動変容スコアを算出する。なお、本例において知人ユーザは、ユーザBのみであるが、他に知人ユーザが存在する場合、同様に、決定部110は、全ての知人ユーザの通知イベント案毎の行動変容スコアを算出する。
【0113】
このように算出された対象ユーザの通知イベント案毎の行動変容スコアは、通知イベント案に対する対象ユーザの嗜好度が大きくなればなるほど大きくなり、且つ、通知イベント案に対応する行動の変容提案の成功率が大きくなるほど大きくなる。知人ユーザの行動変容スコアは、通知イベント案に対する対象ユーザの嗜好度が大きくなればなるほど大きくなり、且つ、通知イベント案に対応する行動についての知人ユーザを介した対象ユーザに対するイベントへの参加提案の成功率が大きくなるほど大きくなる。従って、決定部110は、後述するように、行動変容スコアが最も大きい通知イベント案を通知イベント(推奨イベント)として選定する。そして、決定部110は、最も大きい行動変容スコアに対応するユーザが、知人ユーザである場合、通知者フラグを知人ユーザのみに設定する。
【0114】
通知者フラグが知人ユーザのみに設定されると、行動変容促進装置101は、対象ユーザ(対象ユーザ端末)に対して、選定した通知イベントへの参加を、知人ユーザを介して提案することにより、知人ユーザを介した受動的な行動変容提案(「受動的行動変容提案」とも称呼される場合がある。)を行う。決定部110は、最も大きい行動変容スコアに対応するユーザが、知人ユーザ及び対象ユーザである場合、通知者フラグを知人ユーザ及び対象ユーザの両方に設定する。通知者フラグが知人ユーザ及び対象ユーザの両方に設定されると、行動変容促進装置101は、対象ユーザ(対象ユーザ端末)に対して、上述した知人ユーザを介した受動的な行動変容提案を行うと共に、対象ユーザ(対象ユーザ端末)に対して、選定した通知イベントへの参加の提案を行う(即ち、対象ユーザに対して、直接的な行動変容提案(便宜上、「直接的行動変容提案」とも称呼される場合がある。)を行う。このように、通知イベント(推奨イベント)の決定(選定)及びアプローチ方法の決定が実行されることにより、対象ユーザを行動変容させるための通知イベント(推奨イベント)への参加の提案を対象ユーザが受け入れる可能性をより高くすることができる。
【0115】
ステップ1505:決定部110は、ステップ1504にて算出した行動変容スコアのうち、最も高い行動変容スコアに対応する通知イベント案を通知イベント(推奨イベント)に決定する。例えば、ブロックBR1に示した行動変容スコアの算出結果を例に挙げると、例えば、「score2」が最も高い行動変容スコアである場合、通知イベント案2が、通知イベントに決定される。例えば、「score2」及び「score6」が同じであり、且つ、最も高い行動変容スコアである場合も、通知イベント案2が、通知イベントに決定される。
【0116】
その後、決定部110はステップ1506に進むと、ステップ1504にて算出した行動変容スコアのうち、最も高い行動変容スコアの通知イベント案に対応するユーザが対象ユーザ(本例において、ユーザA(本人))のみであるか否かを判定する。
【0117】
最も高い行動変容スコアの通知イベント案に対応するユーザが対象ユーザ(ユーザA(本人))のみである場合、決定部110はステップ1506にて「Yes」と判定してステップ1508に進み、通知者フラグをユーザA(本人)にセットする。ブロックBR1に示した行動変容スコアの算出結果を例に挙げると、例えば、「Score2」のみが最も高い行動変容スコアである場合、通知者フラグがユーザA(対象ユーザ)にセットされる。なお、この場合、対象ユーザ(ユーザA)のみに対して、イベント提案通知が実行される(S1201)。その後、決定部110は、ステップ1595に進んで本処理フローを一旦終了する。
【0118】
これに対して、最も高い行動変容スコアの通知イベント案に対応するユーザがユーザA(本人)のみではない場合、決定部110はステップ1507にて「No」と判定してステップ1507に進み、最も高い行動変容スコアの通知イベント案に対応するユーザが知人のみであるか否かを判定する。
【0119】
最も高い行動変容スコアの通知イベント案に対応するユーザが知人ユーザのみである場合、決定部110は、ステップ1507にて「Yes」と判定してステップ1509に進み、通知者フラグを知人ユーザにセットする。ブロックBR1に示した行動変容スコアの算出結果を例に挙げると、例えば、「score6」のみが最も高い行動変容スコアである場合、通知者フラグがユーザB(知人ユーザ)にセットされる。なお、この場合、知人ユーザのみに対して、イベント勧誘提案通知(S1208)が実行される。その後、決定部110は、ステップ1511に進んで本処理フローを一旦終了する。
【0120】
これに対して、最も高い行動変容スコアの通知イベント案に対応するユーザが知人ユーザのみではない場合、決定部110はステップ1507にて「No」と判定してステップ1510に進み、通知者フラグをユーザA及び知人ユーザ(ユーザB)の両方にセットする。ブロックBR1に示した行動変容スコアの算出結果を例に挙げると、例えば、「score2」及び「score6」のみが最も高い行動変容スコアである場合、通知者フラグがユーザA及びユーザB(知人ユーザ)の両方にセットされる。なお、この場合、対象ユーザ(ユーザA)に対して、イベント提案通知が実行され(S1204)、知人ユーザ(ユーザB)に対して、イベント勧誘提案通知が実行される(S1208)。その後、決定部110は、ステップ1595に進んで本処理フローを一旦終了する。
【0121】
<行動変容実績テーブルの更新処理>
上述したS1207、S1215及びS1221では、成功率算出部112が以下に述べる処理フローを実行することにより、行動変容実績テーブル309が更新される。以下、S1207、S1215及びS1221のそれぞれにて、実行される処理フローについて順に詳述する。
【0122】
<S1207>
上述したS1207の詳細について、
図22を用いて説明する。成功率算出部112は、
図22のフローチャートにより示した処理フローを実行する。従って、成功率算出部112は、
図22のステップ2200から処理を開始してステップ2201に進み、ユーザA端末102Aから参加可否情報を取得した後ステップ2202に進み、参加可否情報に基づいてユーザAが通知イベントに参加可能であるか否かを判定する。
【0123】
ユーザAが通知イベントに参加可能である場合、成功率算出部112は、ステップ2202にて「Yes」と判定して以下に述べるステップ2203の処理を実行した後、ステップ2295に進んで本処理フローを一旦終了する。
【0124】
ステップ2203:
図23Aに示すように、成功率算出部112は、ユーザAの行動変容実績テーブル309において、目標未達の行動識別ID(本例において、行動識別ID「1」)の行のユーザA(本人)1102に対する各列項目の値を以下に述べるように更新する。
【0125】
提案回数1105:成功率算出部112は、現時点でユーザA(本人)1102の提案回数1105に格納(記憶)されている値を「1」だけ増加した値により、提案回数1105を更新する(増加した値を現時点の値に代えて提案回数1105に格納(記憶)する。
成功回数1106:成功率算出部112は、現時点でユーザA(本人)1102の成功回数1106に格納(記憶)されている値を「1」だけ増加した値により、成功回数1106を更新する(増加した値を現時点の値に代えて成功回数1106に格納(記憶)する。
成功率1107:成功率算出部112は、現時点でユーザA(本人)1102の成功回数1106に格納(記憶)されている値を「1」だけ増加した値を、現時点でユーザA(本人)1102の提案回数1105に格納(記憶)されている値を「1」だけ増加した値により除することにより算出し、算出した値により成功率を更新する(算出した値を現時点の値に代えて成功率1107に格納(記憶)する。
【0126】
これに対して、ユーザAが通知イベントに参加可能ではない場合、成功率算出部112は、ステップ2202にて「No」と判定して以下に述べるステップ2204の処理を実行した後、2295に進んで本処理フローを一旦終了する。
【0127】
ステップ2204:
図23Bに示すように、成功率算出部112は、ユーザAの行動変容実績テーブル309において、目標未達の行動識別ID(本例において、行動識別ID「1」)の行のユーザA(本人)1102に対する各列項目の値を以下に述べるように更新する。
【0128】
提案回数1105:成功率算出部112は、現時点でユーザA(本人)1102の提案回数1105に格納(記憶)されている値を「1」だけ増加した値により、提案回数1105を更新する(増加した値を現時点の値に代えて提案回数1105に格納(記憶)する。
成功回数1106:成功率算出部112は、ユーザA(本人)1102の成功回数1106を更新しない。
成功率1107:成功率算出部112は、現時点でユーザA(本人)1102の成功回数1106に格納されている値を、現時点でユーザA(本人)1102の提案回数1105に格納されている値を「1」だけ増加した値により除することにより算出し、算出した値により成功率を更新する(算出した値を現時点の値に代えて成功率1107に格納(記憶)する。
【0129】
<S1215>
上述したS1215の詳細について、
図24を用いて説明する。成功率算出部112は、
図24にフローチャートにより示した処理フローを実行する。従って、成功率算出部112は、
図24のステップ2400から処理を開始してステップ2401に進み、ユーザA端末102Aから参加可否情報を取得した後ステップ2402に進み、参加可否情報に基づいてユーザAが通知イベントに参加可能であるか否かを判定する。
【0130】
ユーザAが通知イベントに参加可能である場合、成功率算出部112は、ステップ2402にて「Yes」と判定して以下に述べるステップ2403の処理を実行した後、ステップ2495に進んで本処理フローを一旦終了する。
【0131】
ステップ2403:
図25Aに示すように、成功率算出部112は、ユーザAの行動変容実績テーブル309において、目標未達の行動識別ID(本例において、行動識別ID「1」)の行のユーザB(知人)1103に対する各列項目の値を以下に述べるように更新する。
【0132】
提案回数1108:成功率算出部112は、現時点でユーザB(知人)1103の提案回数1108に格納(記憶)されている値を「1」だけ増加した値により、提案回数1108を更新する(増加した値を現時点の値に代えて提案回数1108に格納(記憶)する。)。
成功回数1109:成功率算出部112は、現時点でユーザB(知人)1103の成功回数1109に格納されている値を「1」だけ増加した値により、成功回数1109を更新する(増加した値を現時点の値に代えて成功回数1109に格納(記憶)する。)。
成功率1110:成功率算出部112は、現時点でユーザB(知人)1103の成功回数1109に格納(記憶)されている値を「1」だけ増加した値を、現時点でユーザB(知人)1103の提案回数1108に格納(記憶)されている値を「1」だけ増加した値により除することにより算出し、算出した値により成功率1110を更新する(算出した値を現時点の値に代えて成功率1110に格納(記憶)する。)。
勧誘回数1111:成功率算出部112は、現時点でユーザB(知人)1103の勧誘回数1111に格納(記憶)されている値を「1」だけ増加した値により、勧誘回数1111を更新する(増加した値を勧誘回数1111に格納(記憶)する。)。
【0133】
これに対して、ユーザAが通知イベントに参加可能ではない場合、成功率算出部112は、ステップ2402にて「No」と判定して以下に述べるステップ2404の処理を実行した後、ステップ2495に進んで本処理フローを一旦終了する。
【0134】
ステップ2404:
図25Bに示すように、成功率算出部112は、ユーザAの行動変容実績テーブル309において、目標未達の行動識別ID(本例において、行動識別ID「1」)の行のユーザB(知人)1103に対する各列項目の値を以下に述べるように更新する。
【0135】
提案回数1108:成功率算出部112は、現時点でユーザB(知人)1103の提案回数1108に格納(記憶)されている値を「1」だけ増加した値により、提案回数1108を更新する(増加した値を現時点の値に代えて提案回数1108に格納(記憶)する。
成功回数1109:成功率算出部112は、ユーザB(知人)1103の成功回数1109を更新しない。
成功率1110:成功率算出部112は、現時点でユーザB(知人)1103の成功回数1109に格納(記憶)されている値を、現時点でユーザB(知人)1103の提案回数1108に格納(記憶)されている値を「1」だけ増加した値により除することにより算出し、算出した値により成功率1110を更新する(算出した値を現時点の値に代えて成功率1110に格納(記憶)する。
勧誘回数1111:成功率算出部112は、現時点でユーザB(知人)1103の勧誘回数1111に格納(記憶)されている値を「1」だけ増加した値により、勧誘回数1111を更新する(増加した値を勧誘回数1111に格納(記憶)する。
【0136】
<S1217>
上述したS1217の詳細について、
図26を用いて説明する。成功率算出部112が
図26にフローチャートにより示した処理フローを実行する。従って、成功率算出部112は、
図26のステップ2600から処理を開始してステップ2601に進み、ユーザB端末102Bから参加可否情報を取得した後ステップ2602に進み、参加可否情報に基づいてユーザBが通知イベントに参加可能であるか否かを判定する。
【0137】
ユーザBが通知イベントに参加可能である場合、成功率算出部112は、ステップ2602にて「No」と判定して以下に述べるステップ2603の処理を実行した後、ステップ2695に進んで本処理フローを一旦終了する。
【0138】
ステップ2603:
図27Aに示すように、成功率算出部112は、ユーザBの行動変容実績テーブル309において、目標未達の行動識別ID(本例において、行動識別ID「1」)の行のユーザB(知人)1801に対する各列項目の値を以下に述べるように更新する。
【0139】
提案回数1803:成功率算出部112は、現時点でユーザB(知人)1801の提案回数1803に格納(記憶)されている値を「1」だけ増加した値により、提案回数1803を更新する(増加した値を現時点の値に代えて提案回数1803に格納(記憶)する。
成功回数1804:成功率算出部112は、現時点でユーザB(知人)1801の成功回数1804に格納(記憶)されている値を「1」だけ増加した値により、成功回数1804を更新する(増加した値を現時点の値に代えて成功回数1804に格納(記憶)する。
成功率1805:成功率算出部112は、現時点でユーザB(知人)1801の成功回数1804に格納(記憶)されている値を「1」だけ増加した値を、現時点でユーザB(知人)1801の提案回数1803に格納(記憶)されている値を「1」だけ増加した値により除することにより算出し、算出した値により成功率を更新する(算出した値を現時点の値に代えて成功率1805に格納(記憶)する。
【0140】
ユーザB(知人)1801が通知イベントに参加可能ではない場合、成功率算出部112は、ステップ2602にて「Yes」と判定して以下に述べるステップ2604の処理を実行した後、ステップ2695に進んで本処理フローを一旦終了する。
【0141】
ステップ2604:
図27Bに示すように、成功率算出部112は、ユーザBの行動変容実績テーブル309において、通知イベントに対応する行動種別(本例において、行動識別ID「1」)の行の各列項目の値を以下に述べるように更新する。
【0142】
提案回数1803:成功率算出部112は、現時点でユーザB(知人)1801の提案回数1803に格納(記憶)されている値を「1」だけ増加した値により、提案回数1803を更新する(増加した値を現時点の値に代えて提案回数1803に格納(記憶)する。
成功回数1804:成功率算出部112は、ユーザB(知人)1801の成功回数1804を更新しない。
成功率1805:成功率算出部112は、現時点でユーザB(知人)1801の成功回数1804に格納(記憶)されている値を。現時点でユーザB(知人)1801の提案回数1803に格納(記憶)されている値を「1」だけ増加した値により除することにより算出し、算出した値により成功率を更新する(算出した値を現時点の値に代えて成功率1805に格納(記憶)する。
【0143】
<S1221>
上述したS1222の詳細について、
図28を用いて説明する。
図28は、S1221を開始するタイミングで、成功率算出部112が実行するルーチンを示すフローチャートである。成功率算出部112は、
図28のステップ2800から処理を開始してステップ2801に進み、ユーザB端末102Bから参加可否情報を取得した後ステップ2802に進み、参加可否情報に基づいてユーザBが通知イベントに参加可能であるか否かを判定する。
【0144】
ユーザBが通知イベントに参加可能である場合、成功率算出部112は、ステップ2802にて「No」と判定して以下に述べるステップ2803及びステップ2804の処理を実行した後、ステップ2895に進んで本処理フローを一旦終了する。
【0145】
ステップ2803:
図29Aに示すように、成功率算出部112は、ユーザAの行動変容実績テーブル309において、目標未達の行動識別ID(本例において、行動識別ID「1」)の行のユーザB(知人)1103に対する各列項目の値を以下に述べるように更新する。
【0146】
提案回数1108:成功率算出部112は、現時点でユーザB(知人)1103の提案回数1108に格納(記憶)されている値を「1」だけ増加した値により、提案回数1108を更新する(増加した値を現時点の値に代えて提案回数1108に格納(記憶)する。)。
成功回数1109:成功率算出部112は、ユーザB(知人)1103の成功回数1109を更新しない。
成功率1110:成功率算出部112は、現時点でユーザB(知人)1103の成功回数1109に格納(記憶)されている値を、現時点でユーザB(知人)1103の提案回数1108に格納(記憶)されている値を「1」だけ増加した値により除することにより算出し、算出した値により成功率1110を更新する(算出した値を現時点の値に代えて成功率1110に格納(記憶)する。
勧誘回数1111:成功率算出部112は、ユーザB(知人)1103の勧誘回数1111を更新しない。
【0147】
ステップ2804:
図29Bに示すように、成功率算出部112は、ユーザBの行動変容実績テーブル309において、目標未達の行動識別ID(本例において、行動識別ID「1」)の行のユーザB(知人)1801に対する各列項目の値を以下に述べるように更新する。
【0148】
提案回数1803:成功率算出部112は、現時点でユーザB(知人)1801の提案回数1803に格納(記憶)されている値を「1」だけ増加した値により、提案回数1803を更新する(増加した値を現時点の値に代えて提案回数1803に格納(記憶)する。
成功回数1804:成功率算出部112は、現時点でユーザB(知人)1801の成功回数1804に格納(記憶)されている値を「1」だけ増加した値により、成功回数1804を更新する(増加した値を現時点の値に代えて成功回数1804に格納(記憶)する。
成功率1805:成功率算出部112は、現時点でユーザB(知人)1801の成功回数1804に格納(記憶)されている値を「1」だけ増加した値を、現時点でユーザB(知人)1801の提案回数1803に格納(記憶)されている値を「1」だけ増加した値により除することにより算出し、算出した値により成功率を更新する(算出した値を現時点の値に代えて成功率1805に格納(記憶)する。
【0149】
ユーザBが通知イベントに参加可能ではない場合、成功率算出部112は、ステップ2802にて「No」と判定して以下に述べるステップ2805及びステップ2806の処理を実行した後、ステップ2895に進んで本処理フローを一旦終了する。
【0150】
ステップ2805:
図29Aに示すように、成功率算出部112は、ユーザAの行動変容実績テーブル309において、目標未達の行動識別ID(本例において、行動識別ID「1」)の行のユーザB(知人)1103に対する各列項目の値を以下に述べるように更新する。
【0151】
提案回数1108:成功率算出部112は、現時点でユーザB(知人)1103の提案回数1108に格納(記憶)されている値を「1」だけ増加した値により、提案回数1108を更新する(増加した値を現時点の値に代えて提案回数1108に格納(記憶)する。
成功回数1109:成功率算出部112は、ユーザB(知人)1103の成功回数1109を更新しない。
成功率1110:成功率算出部112は、現時点でユーザB(知人)1103の成功回数1109に格納(記憶)されている値を、現時点でユーザB(知人)1103の提案回数1108に格納(記憶)されている値を「1」だけ増加した値により除することにより算出し、算出した値により成功率1110を更新する(算出した値を現時点の値に代えて成功率1110に格納(記憶)する。
勧誘回数1111:成功率算出部112は、ユーザB(知人)1103の勧誘回数1111を更新しない。
【0152】
ステップ2806:
図29Cに示すように、成功率算出部112は、ユーザBの行動変容実績テーブル309において、目標未達の行動識別ID(本例において、行動識別ID「1」)の行のユーザB(知人)1801に対する各列項目の値を以下に述べるように更新する。
【0153】
提案回数1803:成功率算出部112は、現時点でユーザB(知人)1801の提案回数1803に格納(記憶)されている値を「1」だけ増加した値により、提案回数1803を更新する(増加した値を現時点の値に代えて提案回数1803に格納(記憶)する。
成功回数1804:成功率算出部112は、ユーザB(知人)1801の成功回数1804を更新しない。
成功率1805:成功率算出部112は、現時点でユーザB(知人)1801の成功回数1804に格納(記憶)されている値を現時点でユーザB(知人)1801の提案回数1803に格納(記憶)されている値を「1」だけ増加した値により除することにより算出し、算出した値により成功率を更新する(算出した値を現時点の値に代えて成功率1805に格納(記憶)する。
【0154】
<効果>
以上説明したように、本発明の実施形態に係る行動変容促進システム101Sは、行動変容を行わせたい対象ユーザが、受動的に行動変容を行う可能性を向上できる。
【0155】
<<変形例>>
本発明は上記実施形態に限定されることなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、上記実施形態において、各ユーザ端末102に表示される通知画面は、対象ユーザを勧誘する際にテキストメッセージの他にボイスメッセージなどが入力できるように構成されてもよい。通知画面は、対象ユーザが参加可否を送信する際にテキストメッセージの他にボイスメッセージなどが入力できるように構成されてもよい。
【0156】
ステップ1505において、決定部110は、次の処理S1504の処理負担を減らすために、通知者の候補の絞り込みを行ってもよい。より具体的に述べると、例えば、決定部110は、対人関係テーブル308において、居住地距離1002が一定以上ある知人ユーザを通知者の候補から除外する。なお、決定部110は、対人関係テーブル308の構成要素からあるスコアを算出して、それを用いて通知者の候補の絞り込みを行ってもよい。決定部110は、例えば、対人関係テーブル308から関係度のスコアを算出し、一定以上の関係度を有する知人ユーザのみを通知者の候補としてもよい。
【0157】
更に、ステップ1404にて、推奨行動選定部109が、最終的な通知イベント案を一つだけ選定するようにしてもよい。この場合、決定部110が、行動識別ID「1」に対応する行動変容実績テーブル309のユーザA(本人)1102に格納(記憶)された成功率1107の値と、ユーザB(知人)1103に格納された成功率1110の値とを比較することにより、通知フラグを設定してもよい。この場合、成功率1107の値が成功率1110の値より大きい場合、通知者フラグが対象ユーザ(ユーザA)のみに設定される。成功率1107の値が成功率1110の値より小さい場合、通知者フラグが知人ユーザ(ユーザB)のみに設定される。成功率1107の値と成功率1110の値とが同じである場合、通知者フラグが対象ユーザ(ユーザA)及び知人ユーザ(ユーザB)の両方に設定される。
【0158】
上記実施形態において、
図15のS1217及び
図17のS1222のそれぞれの後に以下に述べるS1230が追加されてもよい。
【0159】
S1230:行動変容促進装置101は、対象ユーザ(ユーザA)に対する行動変容提案が成功しなかった場合、通知イベントの選定方法や通知者の選定方法を変える(例えば、ステップ1504において行動変容スコアを算出する要素kを前回と変えるなどする)ことにより、別の通知イベント及び/又は通知者を選定して、対象ユーザ(ユーザA)に対する行動変容提案を再び行う。
【符号の説明】
【0160】
101…行動変容促進装置、101S…行動変容促進システム、102A…ユーザA端末、102B…ユーザB端末、102C…ユーザC端末、105…センサ群、106…入力部、107…情報保持部、108…状態推定部、109…推奨行動選定部、110…決定部、111…出力部、301…ユーザテーブル、302…行動種別テーブル、303…イベント属性テーブル、304…趣味種別テーブル、305…ユーザ情報テーブル