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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023029907
(43)【公開日】2023-03-07
(54)【発明の名称】燃料電池システム及び設備管理方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/04303 20160101AFI20230228BHJP
   H01M 8/04228 20160101ALI20230228BHJP
   H01M 8/04694 20160101ALI20230228BHJP
   H01M 8/04313 20160101ALI20230228BHJP
   G05B 23/02 20060101ALI20230228BHJP
   H02J 13/00 20060101ALI20230228BHJP
   H01M 8/0444 20160101ALN20230228BHJP
   H01M 8/04664 20160101ALN20230228BHJP
   H01M 8/10 20160101ALN20230228BHJP
   H01M 8/12 20160101ALN20230228BHJP
【FI】
H01M8/04303
H01M8/04228
H01M8/04694
H01M8/04313
G05B23/02 Z
H02J13/00 311A
H01M8/0444
H01M8/04664
H01M8/10 101
H01M8/12 101
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022189509
(22)【出願日】2022-11-28
(62)【分割の表示】P 2019557181の分割
【原出願日】2018-11-21
(31)【優先権主張番号】P 2017228325
(32)【優先日】2017-11-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001106
【氏名又は名称】弁理士法人キュリーズ
(72)【発明者】
【氏名】竹内 祥真
(72)【発明者】
【氏名】馬場 雅博
(72)【発明者】
【氏名】合川 真史
(57)【要約】      (修正有)
【課題】燃料電池システムに対するユーザの不適切な操作を抑制する。
【解決手段】燃料電池システム(310)は、燃料電池システム(310)に対するユーザ操作を受け付けるインタフェースと、少なくとも燃料電池システム(310)の停止動作の開始から終了までの間において、ユーザ操作の受け付け停止に関する所定処理を実行する制御部(157)とを備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池システムであって、
前記燃料電池システムに対するユーザ操作を受け付けるインタフェースと、
少なくとも前記燃料電池システムの停止動作の開始から終了までの間において、前記ユーザ操作の受け付け停止に関する所定処理を実行する制御部とを備え、
前記制御部は、前記燃料電池システムの停止動作が前記燃料電池システムを管理する管理装置の指示によって所定時間以内に取り消されなければ、前記所定処理を実行する、燃料電池システム。
【請求項2】
燃料電池システムであって、
前記燃料電池システムに対するユーザ操作を受け付けるインタフェースと、
少なくとも前記燃料電池システムの停止動作の開始から終了までの間において、前記ユーザ操作の受け付け停止に関する所定処理を実行する制御部とを備え、
前記燃料電池システムの停止動作は、前記燃料電池システムに供給されるガスの漏洩検知に伴う漏洩検知回避動作を含み、
前記制御部は、前記燃料電池システムの停止動作が前記漏洩検知回避動作である場合に、前記所定処理を実行し、
前記漏洩検知回避動作は、前記ガスが漏洩していないにもかかわらず誤ったガス漏洩検知を回避するために行われる前記燃料電池システムの停止動作である、燃料電池システム。
【請求項3】
前記所定処理は、前記ユーザ操作の受け付けを停止するマスク処理を含む、請求項1又は請求項2に記載の燃料電池システム。
【請求項4】
前記所定処理は、前記ユーザ操作の受け付けを停止している旨をユーザに通知する通知処理である、請求項3に記載の燃料電池システム。
【請求項5】
前記所定処理は、前記燃料電池システムの停止動作が行われている途中である旨をユーザに通知する通知処理である、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の燃料電池システム。
【請求項6】
前記燃料電池システムの停止動作は、前記燃料電池システムを管理する管理装置の指示によって実行される遠隔停止動作である、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の燃料電池システム。
【請求項7】
前記制御部は、前記燃料電池システムの停止動作が前記遠隔停止動作である場合に、前記所定処理を実行する、請求項6に記載の燃料電池システム。
【請求項8】
前記遠隔停止動作は、予め定められたスケジュールで行われる、請求項6又は請求項7に記載の燃料電池システム。
【請求項9】
前記管理装置の指示は、前記燃料電池システムの停止動作が前記遠隔停止動作であることを示す情報要素を含む、請求項6乃至請求項8のいずれかに記載の燃料電池システム。
【請求項10】
前記漏洩検知回避動作は、予め定められたスケジュールで行われる、請求項2に記載の燃料電池システム。
【請求項11】
前記所定処理は、前記燃料電池システムのメンテナンス業者の操作、或いは、前記燃料電池システムを管理する管理装置の指示によって解除される、請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の燃料電池システム。
【請求項12】
前記燃料電池システムの停止動作は、前記燃料電池システムの異常に伴う停止動作を含む、請求項1乃至請求項11のいずれかに記載の燃料電池システム。
【請求項13】
前記インタフェースは、ユーザによって操作されるリモートコントローラである、請求項1乃至請求項12のいずれかに記載の燃料電池システム。
【請求項14】
前記インタフェースは、前記燃料電池システムを制御する装置から送信されるコマンドを受信する受信モジュールである、請求項1乃至請求項12のいずれかに記載の燃料電池システム。
【請求項15】
燃料電池システムに対するユーザ操作を受け付けるステップAと、
少なくとも前記燃料電池システムの停止動作の開始から終了までの間において、前記ユーザ操作の受け付け停止に関する所定処理を実行するステップBとを備え、
前記ステップBは、前記燃料電池システムの停止動作が前記燃料電池システムを管理する管理装置の指示によって所定時間以内に取り消されなければ、前記所定処理を実行するステップを含む、設備管理方法。
【請求項16】
燃料電池システムに対するユーザ操作を受け付けるステップAと、
少なくとも前記燃料電池システムの停止動作の開始から終了までの間において、前記ユーザ操作の受け付け停止に関する所定処理を実行するステップBとを備え、
前記燃料電池システムの停止動作は、前記燃料電池システムに供給されるガスの漏洩検知に伴う漏洩検知回避動作を含み、
前記ステップBは、前記燃料電池システムの停止動作が前記漏洩検知回避動作である場合に、前記所定処理を実行するステップを含み、
前記漏洩検知回避動作は、前記ガスが漏洩していないにもかかわらず誤ったガス漏洩検知を回避するために行われる前記燃料電池システムの停止動作である、設備管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池システム及び設備管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の設備に関する様々な情報を管理する設備管理システムが知られている。様々な情報としては、設備に関する基本情報やメンテナンス情報が挙げられる。基本情報は、例えば、設置年月日、既定耐用年数及び定格消費電力等を含む。メンテナンス情報は、設備のメンテナンス履歴を含む(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-182399号公報
【発明の概要】
【0004】
第1の特徴に係る燃料電池システムは、前記燃料電池システムに対するユーザ操作を受け付けるインタフェースと、少なくとも前記燃料電池システムの停止動作の開始から終了までの間において、前記ユーザ操作の受け付け停止に関する所定処理を実行する制御部とを備える。
【0005】
第2の特徴に係る設備管理方法は、燃料電池システムに対するユーザ操作を受け付けるステップAと、少なくとも前記燃料電池システムの停止動作の開始から終了までの間において、前記ユーザ操作の受け付け停止に関する所定処理を実行するステップBとを備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、実施形態に係る設備管理システム100を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る燃料電池システム310を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る設備管理装置200を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る設備管理方法を示す図である。
図5図5は、変更例1に係る設備管理方法を示す図である。
図6図6は、変更例2に係るメッセージフォーマットを示す図である。
図7図7は、変更例3に係る設備管理方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
背景技術において述べた設備管理システムによって管理される設備が燃料電池システムであるケースが考えられる。燃料電池システムはユーザによって操作され得るシステムである。
【0008】
従って、設備管理システムを管理する管理装置が遠隔操作によって燃料電池システムの停止及び再起動を指示したケース等において、燃料電池システムの停止動作が行われている途中においてユーザが停止動作を妨げる操作を行ってしまう可能性がある。
【0009】
そこで、実施形態は、燃料電池システムに対するユーザの不適切な操作を抑制することを可能とする燃料電池システム及び設備管理方法を提供する。
【0010】
以下において、実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。
【0011】
但し、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なる場合があることに留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係又は比率が異なる部分が含まれている場合があることは勿論である。
【0012】
[実施形態]
(設備管理システム)
以下において、実施形態に係る設備管理システムについて説明する。図1に示すように、設備管理システム100は、設備管理装置200と、施設300と、所定端末400とを有する。図1では、施設300として、施設300A~施設300Cが例示されている。設備管理装置200及び施設300は、ネットワーク120に接続されている。ネットワーク120は、設備管理装置200と施設300(詳細には、施設300に設けられるルータ)との間の回線(広域ネットワーク)を提供する。ネットワーク120は、設備管理装置200と所定端末400との間の回線を提供してもよい。ネットワーク120は、例えば、インターネットであってもよく、移動通信網であってもよい。ネットワーク120は、VPNなどの専用回線を提供してもよい。ネットワーク120は、施設300の外部に設けられる装置と通信を行う回線を提供する意味で宅外ネットワークと考えてもよい。
【0013】
設備管理装置200は、施設300に設けられる設備を管理する。設備管理装置200の詳細については後述する(図3を参照)。
【0014】
施設300は、燃料電池システム310及びEMS320を有する。燃料電池システム310は、燃料ガスを用いて発電を行う設備を含む。燃料電池システム310の詳細については後述する(図2を参照)。EMS320は、施設300に設けられる設備を制御する設備(Energy Management System)である。ここで、燃料電池システム310とEMS320との間の回線は狭域ネットワークによって提供される。例えば、狭域ネットワークは、施設300に設けられるルータによって構成されるネットワークである。狭域ネットワークは、Bluetooth(登録商標)及びWi-SANなどの近距離通信網であってもよい。狭域ネットワークは、施設300に設けられる装置と通信を行う回線を提供する意味で宅内ネットワークと考えてもよい。但し、施設300に設けられる装置は、施設300の屋内に設けられていなくてもよく、施設300の敷地に設けられていてもよい。
【0015】
施設300は、電力を消費する負荷設備を有していてもよい。例えば、負荷設備は、空調設備、照明設備、AV(Audio Visual)設備などである。施設300は、燃料電池システム310以外の分散電源を有していてもよい。例えば、分散電源は、太陽光、風力又は地熱などの自然エネルギーを利用して発電を行う設備を含んでもよく、蓄電池設備を含んでもよい。
【0016】
所定端末400は、施設300に設けられる設備を管理する管理者が所持する端末であってもよい。所定端末400は、施設300に設けられる設備のメンテナンスを行う作業者が所持する端末であってもよい。所定端末400は、発電事業者、送配電事業者或いは小売事業者などの事業者に属する端末であってもよい。所定端末400は、燃料電池システム310を利用するユーザに属する端末であってもよい。所定端末400は、スマートフォンであってもよく、タブレット端末であってもよく、パーソナルコンピュータであってもよい。所定端末400は、燃料電池システム310と狭域ネットワーク及び広域ネットワークの少なくともいずれか1つを介して接続される管理装置の一例であると考えてもよい。
【0017】
ここで、設備管理システム100は、電力管理サーバを有していてもよい。例えば、電力管理サーバは、電力系統110から施設300に対する潮流量の制御を要求する潮流制御メッセージ、施設300から電力系統110に対する逆潮流量の制御を要求する逆潮流制御メッセージ、施設300に設けられる燃料電池システム310(分散電源)の制御を要求する電源制御メッセージなどを施設300に送信する。
【0018】
実施形態において、設備管理装置200は、燃料電池システム310と広域ネットワークを介して接続される管理装置の一例である。EMS320は、燃料電池システム310と狭域ネットワークを介して接続される管理装置の一例である。
【0019】
(燃料電池システム)
以下において、実施形態に係る燃料電池システムについて説明する。図2は、実施形態に係る燃料電池システム310を示す図である。燃料電池システム310は、少なくとも燃料電池設備150を含む。燃料電池システム310は、貯湯設備160を含んでもよい。ここでは、燃料電池システム310は、燃料電池設備150及び貯湯設備160の双方を含むコジェネレーションシステムであるものとして説明を続ける。また、燃料電池システム310は、貯湯設備160を含まないモノジェネレーションシステムであってもよい。
【0020】
燃料電池設備150は、燃料ガスを用いて発電を行う設備である。貯湯設備160は、燃料ガスを用いて湯を生成或いは水温を維持する設備である。具体的には、貯湯設備160は、貯湯槽を有しており、燃料の燃焼によって生じる熱又は燃料電池設備150の発電によって生じる排熱によって、貯湯槽から供給される水を温めて、温められた湯を貯湯槽に還流する。
【0021】
図2に示すように、燃料電池設備150は、燃料電池151と、PCS152と、ブロワ153と、脱硫器154と、着火ヒータ155と、ラジエータ156と、制御部157とを有する。
【0022】
燃料電池151は、燃料ガスを用いて発電を行う設備である。具体的には、燃料電池151は、改質器151Aと、セルスタック151Bとを有する。
【0023】
改質器151Aは、後述する脱硫器154によって付臭剤が除去された燃料から改質ガスを生成する。改質ガスは、水素及び一酸化炭素によって構成されるガスである。
【0024】
セルスタック151Bは、後述するブロワ153から供給される空気(酸素)と改質ガスとの化学反応によって発電する。具体的には、セルスタック151Bは、複数のセルがスタックされた構造を有する。各セルは、燃料極と空気極との間に電解質が挟み込まれた構造を有する。燃料極には、改質ガス(水素)が供給され、空気極には、空気(酸素)が供給される。電解質において改質ガス(水素)及び空気(酸素)の化学反応が生じて、電力(DC電力)及び熱が生成される。
【0025】
PCS152は、燃料電池151から出力されたDC電力をAC電力に変換する設備(Power Conditioning System)である。
【0026】
ブロワ153は、燃料電池151(セルスタック151B)に空気を供給する。例えば、ブロワ153は、ファンによって構成される。ブロワ153は、セルスタック151Bの温度が許容温度の上限を超えないようにセルスタック151Bを冷却する。
【0027】
脱硫器154は、外部から供給される燃料ガスに含まれる付臭剤を除去する。燃料ガスは、都市ガスであってもよく、プロパンガスであってもよい。
【0028】
着火ヒータ155は、セルスタック151Bで化学反応しなかった燃料ガス(以下、未反応ガス)に着火し、セルスタック151Bの温度を高温に維持するヒータである。すなわち、着火ヒータ155は、セルスタック151Bを構成する各セルの開口から漏れる未反応ガスに着火する。着火ヒータ155は、未反応ガスが燃焼していないケース(例えば、燃料電池設備150の起動時)において、未反応ガスに着火すればよいことに留意すべきである。そして、未反応ガスの燃焼が開始した後においては、セルスタック151Bから僅かずつ溢れ出る未反応ガスが燃焼し続けることによって、セルスタック151Bの温度が高温に維持される。
【0029】
ラジエータ156は、貯湯設備160から燃料電池設備150に流れる水(以下、還流水)の温度が許容温度の上限を超えないように還流水を冷却する。ラジエータ156は、セルスタック151Bの温度が許容温度の上限を超えないようにセルスタック151Bを冷却してもよい。
【0030】
制御部157は、燃料電池151、PCS152、ブロワ153、脱硫器154、着火ヒータ155及び制御部157を制御する回路などである。
【0031】
改質器151A、ブロワ153、脱硫器154、着火ヒータ155及び制御部157は、セルスタック151Bの動作を補助する補機の一例である。また、PCS152の一部を補機として扱ってもよい。
【0032】
燃料電池システム310の運転状態は、発電状態(発電中とも称する)、停止状態(停止中とも称する)、起動状態(起動中とも称する)、停止動作状態(停止動作中とも称する)、アイドル状態(アイドル中とも称する)などを含む。
【0033】
発電状態は、燃料電池151による発電が行われている状態である。起動状態は、停止状態から発電状態に至る状態である。停止状態は、燃料電池151の動作が停止している状態である。停止動作状態は、発電状態から停止状態に至る状態である。アイドル状態は、燃料電池システム310から電力が出力されていないが、セルスタック151Bの温度が所定温度に維持される状態である。所定温度は、発電状態におけるセルスタック151Bの発電温度(例えば、650℃~1000℃)と同程度であってもよく、発電温度よりも低い温度(例えば、450℃~600℃)であってもよい。アイドル状態において、補機の電力は、燃料電池151から出力される電力によって賄われてもよく、他の分散電源(例えば、自然エネルギーを利用して発電を行う設備又は蓄電池設備)から供給される電力によって賄われてもよく、電力系統110から供給される電力によって賄われてもよい。
【0034】
図2に示す例では、制御部157は、燃料電池設備150に設けられる。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。燃料電池システム310は、燃料電池システム310に対するユーザ操作を受け付けるインタフェースの一例であるリモートコントローラを含み、制御部157は、リモートコントローラに設けられてもよい。或いは、制御部157が有する機能は、燃料電池設備150に設けられる制御部157及びリモートコントローラの双方によって実現されてもよい。さらに、制御部157は、PCS152の一部であると考えてもよい。
【0035】
実施形態において、制御部157は、メモリ及びCPUなどによって構成されており、少なくとも燃料電池システム310の停止動作の開始から終了までの間において、ユーザ操作の受け付け停止に関する所定処理を実行する。ここで、所定処理は、ユーザ操作の受け付けを停止するマスク処理であってもよい。所定処理は、ユーザ操作の受け付けを停止している旨をユーザに通知する通知処理であってもよい。所定処理は、燃料電池システム310の停止動作が行われている途中である旨をユーザに通知する通知処理であってもよい。これらの通知処理は、ユーザ操作の受け付けに応じて行われる処理であってもよく、ユーザ操作の受け付けによらずに行われる処理であってもよい。また、所定処理は、燃料電池システム310の停止動作の開始から終了までに必要とされる時間をユーザに通知する通知処理であってもよい。また、所定処理は、燃料電池システム310の停止動作の終了までに必要とされる残り時間をユーザに通知する通知処理であってもよい。また、燃料電池システム310の停止動作が行われている途中である旨は、燃料電池システム310の停止動作の開始から終了までに必要とされる時間に対する燃料電池システム310の停止動作の開始から現在までの経過時間を含んでもよく、燃料電池システム310の停止動作の開始から終了までに必要とされる時間に対する燃料電池システム310の停止動作の終了までに必要とされる残り時間を含んでもよい。また、燃料電池システム310の停止動作が行われている途中である旨は、絶対値として通知されてもよいし、燃料電池システム310の停止動作の開始から終了までに必要とされる時間を100%とした場合における、燃料電池システム310の停止動作の開始から終了までに必要とされる時間に対する燃料電池システム310の停止動作の開始から現在までの経過時間又は/及び燃料電池システム310の停止動作の終了までに必要とされる残り時間が占める割合として通知されてもよい。また、所定処理は、マスク処理及び通知処理の少なくともいずれか1つを含んでもよい。
【0036】
このようなケースにおいて、制御部157は、燃料電池システム310の停止動作が遠隔停止動作である場合に、上述した所定処理を実行してもよい。遠隔停止動作とは、燃料電池システム310を管理する管理装置(ここでは、設備管理装置200)の指示によって実行される動作である。言い換えると、制御部157は、燃料電池システム310の停止動作がユーザ操作である場合に、上述した所定処理を実行しなくてもよい。
【0037】
(設備管理装置)
以下において、実施形態に係る設備管理装置について説明する。図3に示すように、設備管理装置200は、管理部210と、通信部220と、制御部230とを有する。
【0038】
管理部210は、不揮発性メモリ又は/及びHDDなどの記憶媒体によって構成されており、複数の施設300に関する情報を管理する。
【0039】
管理部210は、複数の施設300のそれぞれに設けられる設備の基本情報を記憶してもよい。例えば、管理部210は、施設名、施設ID、設備名、設備ID、導入年、経年及び耐用年数を対応付けて記憶する。施設名は、設備が設置される施設300の名称である。施設IDは、施設300を識別する識別子である。設備名は、設備の名称である。設備IDは、設備を識別する識別子である。導入年は、設備が導入された年である。経年は、設備が導入されてから経過した年である。耐用年数は、設備のメーカ等によって定められており、設備を導入してから設備を適切に使用可能な期間を示す情報である。
【0040】
管理部210は、複数の施設300のそれぞれについて、複数の施設300のそれぞれに設けられる設備のメンテナンス情報を記憶してもよい。例えば、管理部210は、施設名、設備名、メンテナンス日、メンテナンス概要及びメンテナンス詳細を対応付けて記憶する。管理部210は、これらの情報とともに、施設ID及び設備IDを対応付けて記憶してもよい。施設名及び設備名は、上述した通りである。メンテナンス日は、メンテナンスが行われた日付である。メンテナンス概要は、メンテナンスの概要を示す情報であり、メンテナンス詳細は、メンテナンスの詳細を示す情報である。実施形態に係るメンテナンス情報は、少なくとも、将来において設備のメンテナンスを行うメンテナンス期間(予定)を含んでいればよい。メンテナンス情報は、過去において設備のメンテナンスを行ったメンテナンス期間を含んでいてもよい。
【0041】
例えば、メンテナンスは、設備の劣化状態を調査する点検、点検時に軽微な手入れを行う保守、設備の不具合を処置する修繕、既存の設備を新しい設備に交換する取替等を含む。
【0042】
通信部220は、通信モジュールによって構成されており、ネットワーク120を介して施設300及び所定端末400と通信を行う。通信部220は、燃料電池システム310に対するメッセージを送信してもよい。
【0043】
制御部230は、メモリ及びCPUなどによって構成されており、設備管理装置200に設けられる各構成を制御する。制御部230は、燃料電池システム310の状態に基づいて、燃料電池システム310のメンテナンスを手配する制御を行ってもよい。
【0044】
(設備管理方法)
以下において、実施形態に係る設備管理方法について説明する。図4に示すフローは、所定処理の実行に関するフローであり、一定の周期で実行されるフローである。
【0045】
図4に示すように、ステップS10において、制御部157は、リモートコントローラが取得するコマンドを定期的に確認する。リモートコントローラが取得するコマンドは、ユーザ入力に伴うコマンドであってもよく、設備管理装置200の指示に伴うコマンドであってもよい。
【0046】
ステップS11において、制御部157は、ステップS10の処理において停止動作が要求されたか否かを判定する。制御部157は、判定結果がYESである場合に、ステップS12の処理を実行する。制御部157は、判定結果がNOである場合に、一連の処理を終了する。
【0047】
ここで、制御部157は、燃料電池システム310の停止動作が遠隔停止動作であるか否かを判定してもよい。このようなケースにおいては、制御部157は、燃料電池システム310の停止動作が遠隔停止動作である場合に、ステップS12の処理を実行する。制御部157は、燃料電池システム310の停止動作が遠隔停止動作でない場合に、一連の処理を終了する。
【0048】
ステップS12において、制御部157は、マスク処理及び通知処理の少なくともいずれか1つを含む所定処理を実行する。
【0049】
(作用及び効果)
実施形態では、燃料電池システム310は、燃料電池システム310の停止動作の開始から終了までの間において、ユーザ操作の受け付け停止に関する所定処理を実行する。このような構成によれば、燃料電池システム310の停止動作を妨げるユーザ操作などのように、燃料電池システム310に対するユーザの不適切な操作を抑制することができる。
【0050】
[変更例1]
以下において、実施形態の変更例1について説明する。以下においては、実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0051】
具体的には、実施形態では、燃料電池システム310が所定処理を実行するか否かを判断する条件として、燃料電池システム310の停止動作が遠隔停止動作であるか否かを例示した。これに対して、変更例1では、燃料電池システム310が所定処理を実行するか否かを判断する条件のバリエーションについて説明する。
【0052】
変更例1において、燃料電池システム310(制御部157)は、燃料電池システム310の停止動作が所定時間(例えば、10秒)以内に取り消されなければ、上述した所定処理を実行する。言い換えると、燃料電池システム310(制御部157)は、燃料電池システム310の停止動作が所定時間(例えば、10秒)以内に取り消されれば、上述した所定処理を実行しなくてもよい。このような構成によれば、誤った停止動作を取り消すことを許容しながら、ユーザの不適切な操作を抑制することができる。
【0053】
変更例1において、燃料電池システム310(制御部157)は、燃料電池システム310の停止動作が漏洩検知回避動作である場合に、上述した所定処理を実行する。このような構成によれば、ユーザの不適切な操作によってガスの漏洩検知回避動作が妨げられる事態が抑制される。
【0054】
一般に、燃料電池システム310に接続されるガスメーターは、ガスの使用時間が所定値を超えた場合に、ガスの漏洩を検知する。また、燃料電池システム310に接続されるガスメーターは、ガスの使用量が所定値を超えた場合にガスの漏洩を検知してもよい。
【0055】
このような前提下において、漏洩検知回避動作は、燃料電池システム310に対するガスの継続的な供給によってガスの漏洩が生じていないにもかかわらずにガスの漏洩が誤って検知される事態を回避するために燃料電池システム310を停止する動作である。すなわち、燃料電池システム310に接続されるガスメーターによる誤ったガス漏洩検知を回避するために、燃料電池システム310の動作は停止される。このような漏洩検知回避動作は、所定周期(例えば、1ヶ月)で行われる。
【0056】
(設備管理方法)
以下において、変更例1に係る設備管理方法について説明する。図5に示すフローは、所定処理の実行に関するフローであり、一定の周期で実行されるフローである。
【0057】
図5に示すように、ステップS20において、制御部157は、リモートコントローラが取得するコマンドを定期的に確認する。リモートコントローラが取得するコマンドは、ユーザ入力に伴うコマンドであってもよく、設備管理装置200の指示に伴うコマンドであってもよい。
【0058】
ステップS21において、制御部157は、ステップS20の処理において停止動作が要求されたか否かを判定する。制御部157は、判定結果がYESである場合に、ステップS22の処理を実行する。制御部157は、判定結果がNOである場合に、一連の処理を終了する。
【0059】
ここで、制御部157は、燃料電池システム310の停止動作が遠隔停止動作であるか否かを判定してもよい。このようなケースにおいては、制御部157は、燃料電池システム310の停止動作が遠隔停止動作である場合に、ステップS22の処理を実行する。制御部157は、燃料電池システム310の停止動作が遠隔停止動作でない場合に、一連の処理を終了する。
【0060】
ステップS22において、制御部157は、停止動作が要求されてから所定時間(例えば、10秒)が経過しているか否かを判定する。制御部157は、判定結果がYESである場合に、ステップS23の処理を実行する。制御部157は、判定結果がNOである場合に、一連の処理を終了する。
【0061】
ステップS23において、制御部157は、燃料電池システム310の停止動作が漏洩検知回避動作であるか否かを判定する。制御部157は、判定結果がYESである場合に、ステップS24の処理を実行する。制御部157は、判定結果がNOである場合に、一連の処理を終了する。
【0062】
ここで、燃料電池システム310の停止動作が漏洩検知回避動作であるか否かは、ガスの漏洩検知を開始する時刻と現在時刻との差異が所定時間以内であるか否かによって判定されてもよい。すなわち、制御部157は、上述した差異が所定時間以内である場合に、燃料電池システム310の停止動作が漏洩検知回避動作であると判定してもよい。制御部157は、上述した差異が所定時間以外である場合に、燃料電池システム310の停止動作が漏洩検知回避動作でないと判定してもよい。
【0063】
ステップS24において、制御部157は、マスク処理及び通知処理の少なくともいずれか1つを含む所定処理を実行する。
【0064】
図5に示すフローにおいて、ステップS22及びステップS23の少なくともいずれか1つは省略されてもよい。すなわち、制御部157は、停止動作が要求されてから所定時間が経過していなくても、燃料電池システム310の停止動作が漏洩検知回避動作である場合に、所定処理を実行してもよい。同様に、制御部157は、燃料電池システム310の停止動作が漏洩検知回避動作でなくても、停止動作が要求されてから所定時間が経過している場合に、所定処理を実行してもよい。
【0065】
[変更例2]
以下において、実施形態の変更例2について説明する。以下においては、実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0066】
具体的には、変更例2では、設備管理装置200から燃料電池システム310に送信されるメッセージは、燃料電池システム310の停止種別を示す情報要素を含む。燃料電池システム310(制御部157)は、このような情報要素に基づいて、燃料電池システム310の停止動作が遠隔停止動作であるか否かを判断する。
【0067】
例えば、設備管理装置200から燃料電池システム310に送信されるメッセージは、図6に示すように、ヘッダ、停止種別、マスク種別及び動作モードを含む。図6に示すケースにおいて、マスク種別は省略されてもよい。
【0068】
ヘッダは、メッセージの送信元を示す情報及びメッセージの宛先を示す情報を含む。停止種別は、指示動作が停止動作である場合に、燃料電池システム310の停止動作の種別を示す情報要素である。例えば、停止動作の種別は、遠隔停止動作であってもよく、漏洩検知回避動作であってもよい。マスク種別は、上述した所定処理を実行するか否かを示す情報要素である。指示動作は、燃料電池システム310の動作を指定する情報要素である。例えば、指定動作は、燃料電池システム310の停止動作であってもよく、燃料電池システム310の発電動作であってもよく、燃料電池システム310の出力電力の変更動作であってもよい。
【0069】
燃料電池システム310は、メッセージがマスク種別を含まない場合に、メッセージに含まれる停止種別に基づいて、所定処理を実行するか否かを判定してもよい。例えば、燃料電池システム310は、燃料電池システム310の停止動作が遠隔停止動作及び漏洩検知回避動作の少なくともいずれか1つである場合に、所定処理を実行すると判定してもよい。
【0070】
燃料電池システム310は、メッセージがマスク種別を含む場合に、マスク種別に基づいて、所定処理を実行するか否かを判定してもよい。燃料電池システム310は、マスク種別が所定処理を実行する旨の情報要素である場合であっても、燃料電池システム310の停止動作が遠隔停止動作及び漏洩検知回避動作の少なくともいずれか1つでない場合に、所定処理を実行しないと判定してもよい。逆に、燃料電池システム310は、マスク種別が所定処理を実行しない旨の情報要素である場合であっても、燃料電池システム310の停止動作が遠隔停止動作及び漏洩検知回避動作の少なくともいずれか1つである場合に、所定処理を実行すると判定してもよい。
【0071】
[変更例3]
以下において、実施形態の変更例3について説明する。以下においては、実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0072】
具体的には、変更例3では、所定処理は、燃料電池システム310のメンテナンス業者の操作、或いは、燃料電池システム310を管理する管理装置(例えば、設備管理装置200)の指示によって解除される。このような構成によれば、明示的な操作又は指示によって所定処理が解除されるため、ユーザの不適切な操作を抑制することができる。
【0073】
(設備管理方法)
以下において、変更例3に係る設備管理方法について説明する。図7に示すフローは、所定処理の解除に関するフローであり、一定の周期で実行されるフローである。
【0074】
図7に示すように、ステップS30において、制御部157は、リモートコントローラが取得するコマンドを定期的に確認する。リモートコントローラが取得するコマンドは、ユーザ入力に伴うコマンドであってもよく、設備管理装置200の指示に伴うコマンドであってもよい。
【0075】
ステップS31において、制御部157は、ステップS30の処理において所定処理の解除が要求されたか否かを判定する。制御部157は、判定結果がYESである場合に、ステップS32の処理を実行する。制御部157は、判定結果がNOである場合に、一連の処理を終了する。
【0076】
ステップS32において、制御部157は、所定処理の解除がメンテナンス業者の操作であるかを判定する。制御部157は、判定結果がYESである場合に、ステップS34の処理を実行する。制御部157は、判定結果がNOである場合に、ステップS33の処理を実行する。
【0077】
ステップS33において、制御部157は、所定処理の解除が設備管理装置200の指示であるかを判定する。制御部157は、判定結果がYESである場合に、ステップS34の処理を実行する。制御部157は、判定結果がNOである場合に、一連の処理を終了する。
【0078】
ステップS34において、制御部157は、マスク処理及び通知処理の少なくともいずれか1つを含む所定処理を解除する。
【0079】
図7に示すフローでは特に触れていないが、制御部157は、燃料電池システム310の停止動作が終了していない場合に、所定処理を解除しないように構成されていてもよい。
【0080】
変更例3では、メンテナンス業者の操作又は設備管理装置200の指示によって所定処理が解除されるが、実施形態はこれに限定されるものではない。所定処理は、燃料電池システム310の停止動作の終了によって解除されてもよい。
【0081】
[変更例4]
以下において、実施形態の変更例4について説明する。以下においては、実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0082】
具体的には、実施形態等では、燃料電池システム310の停止動作として、遠隔停止動作及び漏洩検知回避動作を例示した。これに対して、変更例4では、燃料電池システム310の停止動作が燃料電池システム310の異常に伴う停止動作(異常停止動作)を含む。燃料電池システム310(制御部157)は、燃料電池システム310の停止動作が異常停止動作である場合に、上述した所定処理を実行する。
【0083】
例えば、燃料電池システム310の停止動作は、正常停止動作及び異常停止動作を含む。正常停止動作とは、燃料電池151による発電を停止するが、ブロワ153又はラジエータ156を停止せずに、ブロワ153又はラジエータ156を用いてセルスタック151Bの温度を下げながら、燃料電池システム310の動作を停止する動作である。一方で、異常停止動作は、燃料電池151による発電だけではなく、燃料電池システム310の全体の動作を停止する動作である。正常停止動作は、例えば、相対的に軽微な異常に応じて実行される動作、若しくは、燃料電池システム310の定期メンテナンスで実行される動作である。一方、異常停止動作は、例えば、相対的に重大な異常に応じて実行される動作、若しくは、正常停止を行えない状態で実行される動作である。
【0084】
さらに、燃料電池システム310の停止動作は、手動停止動作及び自動停止動作を含む。手動停止動作とは、ユーザ操作に起因する停止動作である。自動停止動作は、燃料電池システム310が有する停止機能に起因する停止動作である。自動停止動作は、ユーザ操作を要せずに、燃料電池システム310による自動的な停止動作である。手動停止動作は、上述した正常停止動作及び異常停止動作を含む。同様に、自動停止動作は、上述した正常停止動作及び異常停止動作を含む。さらに、燃料電池システム310の停止動作は、設備管理装置200から遠隔操作によって燃料電池システム310を停止する動作(すなわち、上述した遠隔停止動作)を含んでもよい。このような動作は、手動停止としてカウントされてもよく、自動停止としてカウントされてもよい。
【0085】
異常停止動作は、例えば、燃料電池システム310内のガスの濃度が所定範囲外となる事象に応じて実行される停止動作であってもよく、燃料電池システム310内のCOの濃度が上限閾値を超える事象に応じて実行される停止動作であってもよく、燃料電池システム310に設けられる部品(セルスタック、燃料触媒など)の温度が上限閾値を超える事象(高温異常)に応じて実行される停止動作であってもよい。ガスの濃度、COの濃度及び部品の温度は燃料電池システム310に設けられるセンサによって検出されてもよい。異常停止動作は、センサの検出結果によって燃料電池システム310が自動的に停止する自動停止動作でもよく、センサの検出結果のユーザに通知することによって燃料電池システム310がユーザ操作で停止する手動停止動作でもよい。さらに、異常停止動作は、例えば、燃料電池システム310に設けられる部品(例えば、センサ、ブロワ153、ラジエータ156など)の異常に応じて実行される停止動作であってもよい。異常停止動作は、部品の異常の検出結果によって燃料電池システム310が自動的に停止する自動停止動作でもよく、部品の異常の検出結果をユーザに通知することによって燃料電池システム310がユーザ操作で停止する手動停止動作でもよい。
【0086】
正常停止動作は、異常停止動作以外の停止動作である。正常停止動作は、例えば、燃料電池システム310に設けられる部品(セルスタックなど)の温度が下限閾値を下回る事象(低温異常)に応じて実行される停止動作であってもよい。部品の温度は燃料電池システム310に設けられるセンサによって検出されてもよい。正常停止動作は、センサの検出結果によって燃料電池システム310が自動的に停止する自動停止動作でもよく、センサの検出結果のユーザに通知することによって燃料電池システム310がユーザ操作で停止する手動停止動作でもよい。さらに、正常停止動作は、通信異常に応じて実行される停止動作であってもよい。通信異常は、PCS152、制御部157及びリモートコントローラなどのように、燃料電池システム310に設けられる部品の間の通信異常であってもよく、燃料電池システム310とEMS320との間の通信異常であってもよい。通信異常は、通信できない状態が所定時間以上に亘って継続する異常であってもよい。正常停止動作は、通信異常の検出結果によって燃料電池システム310が自動的に停止する自動停止動作でもよく、通信異常の検出結果をユーザに通知することによって燃料電池システム310がユーザ操作で停止する手動停止動作でもよい。正常停止動作は、電力系統110の異常に応じて実行される停止であってもよい。電力系統110の異常は、停電であってもよく、系統電圧及び系統周波数の異常であってもよい。正常停止動作は、電力系統110の異常の検出結果によって燃料電池システム310が自動的に停止する自動停止動作でもよく、電力系統110の異常の検出結果をユーザに通知することによって燃料電池システム310がユーザ操作で停止する手動停止動作でもよい。
【0087】
[その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0088】
実施形態では、ユーザ操作を受け付けるインタフェースがリモートコントローラであるケースを例示した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。インタフェースは、燃料電池システム310を制御する装置から送信されるコマンドを受信する受信モジュールであってもよい。受信モジュールは、リモートコントローラに設けられていてもよく、制御部157に設けられていてもよく、PCS152に設けられていてもよい。燃料電池システム310を制御する装置は、設備管理装置200であってもよく、EMS320であってもよく、所定端末400であってもよい。
【0089】
実施形態で説明した遠隔停止動作は、予め定められたスケジュールで行われてもよい。スケジュールは、設備管理装置200にプログラミングされていてもよく、設備管理装置200のオペレータによって入力されてもよい。
【0090】
実施形態で説明した漏洩検知回避動作は、予め定められたスケジュールで行われてもよい。スケジュールは、燃料電池システム310にプログラミングされていてもよく、燃料電池システム310のオペレータによって入力されてもよく、設備管理装置200から燃料電池システム310に設定されてもよい。
【0091】
実施形態では、管理部210が設備管理装置200に設けられるが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、管理部210は、ネットワーク120を介して設備管理装置200と接続されるサーバに設けられてもよい。
【0092】
実施形態では、燃料電池システム310は、EMS320を介して設備管理装置200と通信を行う。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。EMS320が設けられておらず、燃料電池システム310が設備管理装置200と直接的に通信を行ってもよい。
【0093】
実施形態では特に触れていないが、施設300に設けられるEMS320は、必ずしも施設300内に設けられていなくてもよい。例えば、EMS320の機能の一部は、インターネット上に設けられるクラウドサーバによって提供されてもよい。すなわち、ローカル制御装置360がクラウドサーバを含むと考えてもよい。EMS320は上述した電力管理サーバであると考えてもよい。
【0094】
燃料電池設備150は、固体酸化物型燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell)である。但し、燃料電池設備150は、固体高分子型燃料電池(PEFC:Polymer Electrolyte Fuel Cell)であってもよく、リン酸型燃料電池(PAFC:Phosphoric Acid Fuel Cell)であってもよく、溶融炭酸塩型燃料電池(MCFC:Molten Carbonate Fuel Cell)であってもよい。
【0095】
なお、日本国特許出願第2017-228325号(2017年11月28日出願)の全内容が、参照により、本願に組み込まれている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7