(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023030121
(43)【公開日】2023-03-07
(54)【発明の名称】電極およびセンサーを備えたエアロゾル発生システム
(51)【国際特許分類】
A24F 40/51 20200101AFI20230228BHJP
A24F 40/10 20200101ALI20230228BHJP
【FI】
A24F40/51
A24F40/10
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022206266
(22)【出願日】2022-12-23
(62)【分割の表示】P 2019541785の分割
【原出願日】2018-02-14
(31)【優先権主張番号】17158521.9
(32)【優先日】2017-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100167911
【弁理士】
【氏名又は名称】豊島 匠二
(72)【発明者】
【氏名】ベサント ミシェル
(72)【発明者】
【氏名】ロベール ジャック
(57)【要約】 (修正有)
【課題】電気的に作動するエアロゾル発生システムおよび電気的に作動するエアロゾル発生システム用のカートリッジを提供する。
【解決手段】エアロゾル発生システムは、液体エアロゾル形成基体202を保持するための液体貯蔵部分、液体貯蔵部分に隣接して、またはその中に配置される一対の電極、液体貯蔵部分の配向を感知するように構成されたセンサー、および制御システムを備える。制御システムは、一対の電極間の電気量を測定し、センサーから配向情報を受信し、一対の電極間で測定された電気量情報およびセンサーから受信した配向情報に基づいて、液体貯蔵部分内に保持されている液体エアロゾル形成基体の量を決定するように構成される。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生システムであって、
液体エアロゾル形成基体を保持するための液体貯蔵部分と、
前記液体貯蔵部分に隣接して、またはその中に配置される一対の電極と、
前記液体貯蔵部分の配向を感知するように構成されたセンサーと、
前記一対の電極間の電気量を測定し、
前記センサーから配向情報を受信し、
前記一対の電極間で測定された電気量情報および前記センサーから受信した前記配向情報に基づいて、前記液体貯蔵部分内に保持されている液体エアロゾル形成基体の量を決定するように構成される制御システムと、を備え、
前記液体貯蔵部分が長さを有し、前記一対の電極が実質的に前記液体貯蔵部分の前記長さに延在する、エアロゾル発生システム。
【請求項2】
前記一対の電極が前記液体貯蔵部分を実質的に囲む、請求項1に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項3】
前記一対の電極が、前記液体貯蔵部分を実質的に囲む管状スリーブを形成する、請求項1または請求項2に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項4】
前記制御システムが、前記センサーから受信した前記配向情報に基づいて、前記液体貯蔵部分内に保持されている前記液体エアロゾル形成基体の量を決定することを防止するようにさらに構成される、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項5】
前記センサーが、前記液体貯蔵部分の加速を感知するようにさらに構成される、請求項1~4のいずれか一項に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項6】
前記センサーが、前記液体貯蔵部分の線加速度を検出するように構成された一つ以上の加速度計を備える、請求項5に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項7】
前記センサーが、前記液体貯蔵部分の角速度を感知するように構成された一つ以上のジャイロスコープを備える、請求項5または6に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項8】
前記センサーが慣性測定ユニットである、請求項5、6または7のいずれか一項に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項9】
前記制御システムが、
前記センサーから加速情報を受信し、
前記液体貯蔵部分が実質的に静止または実質的に一定の速度で移動している安定した状態、前記液体貯蔵部分が加速を受けている不安定な状態、のいずれか一つにあるかどうかを、前記センサーから受信した前記加速情報に基づいて、決定するようにさらに構成される、請求項5~8のいずれか一項に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項10】
前記制御システムが、
前記センサーから受信した加速情報を、一つ以上の加速閾値と比較し、
前記受信した加速情報が前記一つ以上の加速閾値未満である場合に前記液体貯蔵部分が安定した状態にあると決定し、
前記受信した加速情報が前記一つ以上の加速閾値よりも大きい場合に前記液体貯蔵部分が不安定な状態にあると決定するように構成される、請求項9に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項11】
前記制御システムが、
前記液体貯蔵部分が安定した状態にあると決定されるときに、前記液体貯蔵部分内に保持されている前記液体エアロゾル形成基体の量を決定し、
前記液体貯蔵部分が不安定な状態にあると決定されるときに、前記液体貯蔵部分内に保持されている前記液体エアロゾル形成基体の量を決定することを防止するように構成される、請求項9または10に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項12】
前記液体貯蔵部分が、前記液体エアロゾル形成基体を保持するためのハウジングと、前記ハウジングの表面の一部の上に延在する一対の電極とを備える、請求項1~11のいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
【請求項13】
前記液体貯蔵部分の前記ハウジングが、二つの対向する端と、前記対向する端の間に延在する少なくとも一つの側壁と、を備え、
前記一対の電極が、実質的に前記液体貯蔵部分の前記ハウジングの前記一つ以上の側壁上に延在する、請求項12に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項14】
前記一対の電極が相互嵌合された電極である、請求項1~13のいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
【請求項15】
前記一対の電極が、前記液体貯蔵部分の少なくとも一部分が前記一対の電極間に配置されるように、前記液体貯蔵部分の前記ハウジング上に配置される、請求項12に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項16】
前記システムが、
前記液体貯蔵部分から液体エアロゾル形成基体を受けるように配置された、エアロゾル発生手段と、
前記エアロゾル発生手段に電力を供給するように配置された一つ以上の電力供給源と、をさらに備え、
前記制御システムが、前記液体貯蔵部分の前記決定された配向に基づいて、前記一つ以上の電力供給源から前記エアロゾル発生手段への電力供給を制御するようにさらに構成される、請求項1~15のいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気的に作動するエアロゾル発生システムおよび電気的に作動するエアロゾル発生システム用のカートリッジに関連する。
【背景技術】
【0002】
電気的に作動するエアロゾル発生システムは一般に、霧状にされてエアロゾルを形成する液体エアロゾル形成基体を含む。電気的に作動するエアロゾル発生システムは多くの場合、電源と、一回分の液体エアロゾル形成基体を保持するための液体貯蔵部分と、アトマイザーとを備える。こうしたシステムで使用される共通のタイプのアトマイザーは、液体エアロゾル形成基体に浸された細長い芯の周りに巻かれたヒーターワイヤーコイルを含む。こうしたシステムで使用される別の共通のタイプのアトマイザーは、加熱メッシュを含む。
【0003】
液体エアロゾル形成基体は、エアロゾル発生システムの使用時に消費され、多くの場合、液体貯蔵部分を再充填することによって、または液体貯蔵部分を含むカートリッジを取り替えることによってのいずれかでの取り替えを要求する。
【0004】
エアロゾル発生システムは、液体貯蔵部分内に保持されている液体エアロゾル形成基体の量の正確な決定をユーザーに提供することが望ましい。エアロゾル発生システムは、液体貯蔵部分内に保持されている液体エアロゾル形成基体の量を正確に監視することが望ましい。
【発明の概要】
【0005】
本発明の第一の態様では、液体エアロゾル形成基体を保持するための液体貯蔵部分と、液体貯蔵部分に隣接して、またはその中に配置された一対の電極と、液体貯蔵部分の配向を感知するように構成されたセンサーと、制御システムと、を備えるエアロゾル発生システムが提供されている。制御システムは、一対の電極間の電気量を測定し、センサーから配向情報を受信し、一対の電極間で測定された電気量情報およびセンサーから受信した配向情報に基づいて、液体貯蔵部分内に保持されている液体エアロゾル形成基体の量を決定するように構成される。
【0006】
液体貯蔵部分の配向を決定するための手段を備えるエアロゾル発生システムを提供することは、いくつかの理由から望ましい。特に、液体貯蔵部分内に保持されている液体エアロゾル形成基体の量の推定の精度および信頼性は、後でより詳細に説明する通り、液体貯蔵部分が特定の配向にある時に推定がなされる場合に向上しうる。一部のエアロゾル発生システムは、液体貯蔵部分が実質的に直立している、または水平である時など、液体貯蔵部分が特定の配向にある時に改善されたエアロゾルを生成しうる。これらのシステムでは、エアロゾル発生システムが、システムがエアロゾル発生のために最適な配向にある時をユーザーに示すことが有益でありうる。
【0007】
本発明に関連して本明細書で使用される場合、「量」という用語は、液体貯蔵部分内に保持されている液体エアロゾル形成基体の質量、分量または比率を記述するために使用される。液体貯蔵部分内に保持されている液体エアロゾル形成基体の決定された量は、絶対値または相対値を含みうる。液体エアロゾル形成基体の決定された量は、リットルでの値などの容積を含みうる。液体貯蔵部分内に保持されている液体エアロゾル形成基体の定められた量は、例えば、満たされた状態の液体貯蔵部分を示す1または100%、また空の状態の液体貯蔵部分を示す0または0%などの分率または割合を含みうる。
【0008】
本発明に関連して本明細書で使用される場合、「電気量」という用語は、測定によって定量化されうるいくつかの電気的性質、パラメーターまたは特性を説明するために使用される。例えば、適切な「電気量」は、電流、電圧、インピーダンス、静電容量および抵抗を含む。制御システムは、一対の電極間のインピーダンス、静電容量および抵抗のうちの少なくとも一つを測定するように構成されうる。
【0009】
液体貯蔵部分は、液体エアロゾル形成基体と空気の両方を保持するように構成されうる。液体エアロゾル形成基体は、空気に対して実質的に異なる電気的性質を有しうる。液体貯蔵部分の第一および第二の部分の電気的性質は、液体貯蔵部分内に保持されている液体エアロゾル形成基体の量、および液体貯蔵部分内に保持されている空気の量に依存しうる。液体貯蔵部分はまた、液体エアロゾル形成基体を保持するための一つ以上の担体材料、および液体エアロゾル形成基体を保持するためのハウジングを含みうる。液体エアロゾル形成基体と、空気と、担体材料と、ハウジングとは、異なる電気的性質を有してもよい。
【0010】
液体貯蔵部分の電気的性質は、液体貯蔵部分内に保持されている液体エアロゾル形成基体と液体貯蔵部分内に保持されている空気の比が変化するのに従って、使用時に変化しうる。液体貯蔵部分が液体エアロゾル形成基体で満たされている時、液体貯蔵部分は、主に液体エアロゾル形成基体を保持しうる。使用時に、液体エアロゾル形成基体は、液体貯蔵部分から消費され、空気と置き換えられうる。液体貯蔵部分が空の状態の時、液体貯蔵部分は、主に空気を保持しうる。液体貯蔵部分が担体材料を含む場合、液体貯蔵部分は、液体エアロゾル形成基体と空気と担体材料の組み合わせを保持しうる。液体貯蔵部分は、液体貯蔵部分内の空気を液体エアロゾル形成基体と置き換えて、再補充されうる。
【0011】
液体貯蔵部分は電気的な負荷を含みうる。液体貯蔵部分は、抵抗負荷および容量負荷のうち少なくとも一つを含みうる。有利には、抵抗および容量負荷の電気量は、複雑な電子装置を要求することなく測定されうる。
【0012】
制御システムは、一対の電極間で測定された電気量情報およびセンサーから受信した配向情報に基づいて、液体貯蔵部分内に保持されている液体エアロゾル形成基体の量を定めるようにさらに構成される。
【0013】
本発明に関連して本明細書で使用される場合、「配向」という用語は、液体貯蔵部分の傾き、傾斜または角度を記述するために使用される。液体貯蔵部分の決定された配向は、絶対値または相対値を含みうる。一般に、決定された配向は、度またはラジアンの値などの角度を含みうる。しかし、一部の実施形態では、決定された配向は、液体貯蔵部分が一つ以上の特定の配向または傾きにあるかどうかの表示を含みうる。決定された配向は、液体貯蔵部分が一つ以上の特定の向きまたは傾きにないかどうかの表示を含みうる。一部の実施形態では、制御システムは、液体貯蔵部分が水平な配向にあるかどうか、および液体貯蔵部分が水平な配向にないかどうかを決定するように構成されうる。一部の実施形態では、制御システムは、液体貯蔵部分が水平な配向にあるかどうか、液体貯蔵部分が垂直な配向にあるかどうか、および液体貯蔵部分が水平な配向にも垂直な配向にもないかどうかを決定するように構成されうる。
【0014】
一部の実施形態では、制御システムは、センサーからの配向情報に基づいて、液体貯蔵部分の配向を定めるように構成されうる。一部の実施形態では、制御システムは、液体貯蔵部分の決定された配向に基づいて、液体貯蔵部分内に保持されている液体エアロゾル形成基体の量を定めるように構成されうる。
【0015】
決定された配向は、液体貯蔵部分の傾き角度でありうる。液体貯蔵部分の傾き角度は、液体貯蔵部分に対する任意の適切な角度としうる。例えば、傾き角度は、重力の影響の方向によって画定される垂直線と、液体貯蔵部分の長軸方向軸との間の角度としうる。例えば、傾き角度は、水平線と液体貯蔵部分の横断軸との間の角度としうる。
【0016】
制御システムは、適切な任意の時間に、液体貯蔵部分内に保持されている液体エアロゾル形成基体の量を定めるように構成されうる。制御システムは、エアロゾル発生システムがスイッチンオンされた時に、液体貯蔵部分内に保持されている液体エアロゾル形成基体の量を定めるように構成されうる。制御システムは、所定の間隔で定期的に液体貯蔵部分内に保持されている液体エアロゾル形成基体の量を定めるように構成されうる。制御システムは、ユーザーによって誘発された時に、液体貯蔵部分内に保持されている液体エアロゾル形成基体の量を定めるように構成されうる。
【0017】
一部の実施形態では、一対の電極間で測定された電気量間の関係は、一つ以上の特定の配向または傾きに対してのみ既知でありうる。一部の実施形態では、制御システムは、制御システムが、液体貯蔵部分が一つ以上の特定の配向または傾きにあると決定する場合に、液体貯蔵部分内に保持されている液体エアロゾル形成基体の量を定めるように構成されうる。一実施例では、制御システムは、液体貯蔵部分が実質的に水平であると決定される場合に、液体貯蔵部分内に保持されている液体エアロゾル形成基体の量を定めるように構成されうる。別の実施例では、制御システムは、液体貯蔵部分が実質的に水平または実質的に垂直のいずれかであると決定される場合に、液体貯蔵部分内に保持されている液体エアロゾル形成基体の量を定めるように構成されうる。これにより、決定された量の値の精度および信頼性が向上しうる。
【0018】
一部の実施形態では、制御システムは、センサーから受信された配向情報、または制御システムによって配向情報から決定された配向を、一つ以上の基準配向値と比較するように構成される。制御システムは、配向情報または決定された配向が基準配向値に一致する場合に、液体貯蔵部分に保持された液体エアロゾル形成基体の量を定めるように構成されうる。
【0019】
一つ以上の基準配向値は、水平または垂直などの特定の配向にある液体貯蔵部分を示しうる。基準配向値それぞれは、基準電気量情報および基準量情報と関連付けられうる。基準電気量情報および基準量情報は、基準配向値ごとに異なっていてもよい。
【0020】
一部の実施形態では、制御システムは、センサーから受信した配向情報に基づいて、液体貯蔵部分内に保持されている液体エアロゾル形成基体の量の決定を実質的に防止または阻止するようにさらに構成されうる。制御システムが、センサーから受信した配向情報を一つ以上の基準配向値と比較する場合、制御システムは、配向情報が基準配向値と一致しない場合に、液体貯蔵部分内に保持されている液体エアロゾル形成基体の量の決定を防止または阻止するように構成されうる。このことは、液体貯蔵部分内に保持されている液体エアロゾル形成基体の量の決定の信頼性を向上しうる。
【0021】
一部の実施形態では、制御システムは、比較によって液体貯蔵部分内に保持されている液体エアロゾル形成基体の量を定めるように構成されうる。比較を用いて液体貯蔵部分内に保持されている液体エアロゾル形成基体の量を定めることは、制御システムが算出よりも速く比較を実施することできるので、有利でありうる。制御システムは、一対の電極間で測定された電気量情報を制御システムに記憶された基準電気量情報と比較するように構成されうる。
【0022】
制御システムは、センサーから受信した配向情報を基準配向情報と比較するように構成されうる。測定された配向情報と基準配向情報との間の一致を決定すると、制御システムは、測定された電気量情報を、一致する基準配向情報と関連付けられた基準電気量情報と比較するように構成されうる。測定された電気量情報と基準電気量情報との間の一致を決定すると、制御システムは、一致する基準電気量情報と関連付けられた基準量情報に基づいて、液体貯蔵部分内に保持されている液体エアロゾル形成基体の量を定めるように構成されうる。
【0023】
基準情報は、制御システムのメモリーに記憶されうる。基準電気量情報は、制御システムによって測定され、制御システムの記憶装置に記憶される、電気量情報であってもよい。基準量情報は、容積情報および分率充填情報のうちの一つ以上を含みうる。
【0024】
基準配向情報、基準電気量情報、および基準量情報との間の関連は、液体貯蔵部分内に保持されている液体エアロゾル形成基体の量の決定を信頼できるものにすることを可能にしうる。
【0025】
基準情報は、複数の範囲を含んでもよい。基準配向情報の各範囲は、基準電気量情報の値または範囲と関連付けられてもよい。基準電気量情報の各範囲は、基準量情報の値または範囲と関係付けられてもよい。制御システムは、受信した配向情報を記憶された基準配向情報と比較し、受信した値を記憶された範囲と一致させるように構成されうる。制御システムは、測定された電気量情報を記憶された基準電気量情報の範囲と比較し、測定された電気量情報を記憶された範囲に一致させるように構成されうる。
【0026】
基準情報は、ルックアップテーブルに記憶されうる。ルックアップテーブルは、記憶された基準配向情報、基準電気量情報、および基準量情報を含みうる。基準配向情報は、基準電気量情報と関係付けられてもよい。基準電気量情報は、基準量情報と関係付けられてもよい。
【0027】
制御システムは、一対の電極間で測定された電気量情報およびセンサーから受信した配向情報に基づいて、液体貯蔵部分内に保持されている液体エアロゾル形成基体の量を定めるようにさらに構成されうる。
【0028】
特定の配向において、一対の電極間で測定された電気量は、液体貯蔵部分内に保持されている液体エアロゾル形成基体の量によって予測可能に変化しうる。一実施例では、液体貯蔵部分内に保持されている液体エアロゾル形成基体の量は、液体貯蔵部分が実質的に水平な配向にあるときに制御システムによって測定される一対の電極間の抵抗と実質的に反比例しうる。別の実施例では、液体貯蔵部分内に保持されている液体エアロゾル形成基体の量は、液体貯蔵部分が実質的に水平な配向にあるときに制御システムによって測定される一対の電極間の静電容量と実質的に比例しうる。
【0029】
いくつかの実施形態では、制御システムは、算出によって液体貯蔵部分内に保持されている液体エアロゾル形成基体の量を定めるように構成されうる。算出は、測定した一対の電極間の電気量情報を使用しうる。算出はまた、センサーから受信した配向情報を使用してもよい。算出を用いて液体貯蔵部分内に保持されている液体エアロゾル形成基体の量を定めることは、制御システムが、決定を実施するために履歴測定データを記憶または取り出す必要がない場合があるため、有利でありうる。
【0030】
液体貯蔵部分が静止または一定の速度で移動している時、液体貯蔵部分内に保持されている液体エアロゾル形成基体は沈降して予測可能な形状を形成しうる。予測可能な形状は、液体貯蔵部分の形状、液体貯蔵部分の配向、および液体貯蔵部分内に保持されている液体エアロゾル形成基体の容積に依存しうる。液体貯蔵部分内の液体エアロゾル形成基体の形状は、液体貯蔵部分が移動、回転、または任意のその他の方法で加速されるのに従って変化しうる。液体貯蔵部分の配向および通常の加速の変化は、液体貯蔵部分内の液体エアロゾル形成基体の形状が変化するのに従って、一対の電極間で測定される電気量に影響しうる。
【0031】
センサーは液体貯蔵部分の加速を感知するようにさらに構成されうる。加速は、線加速および角速度のうちの少なくとも一つを含んでもよい。制御システムは、センサーからの加速情報を受信するようにさらに構成されうる。
【0032】
一部の実施形態では、センサーは、液体貯蔵部分の線加速を検出するように構成された一つ以上の加速度計を備える。一部の実施形態では、センサーは、液体貯蔵部分の角速度を感知するように構成された一つ以上のジャイロスコープを備える。一部の実施形態では、センターは、一つ以上の加速度計、および一つ以上のジャイロスコープを備える。
【0033】
一部の実施形態では、センサーは慣性測定ユニットである。本明細書で使用される場合、慣性測定ユニットは、線加速および角速度の両方を感知するように構成されたセンサーである。通常、慣性測定ユニットは一つ以上の加速度計、および一つ以上のジャイロスコープを備える。
【0034】
制御システムがセンサーから加速情報を受信するよう構成されている場合、制御システムは、加速情報に基づいて、液体貯蔵部分が、安定した状態および不安定な状態の一つにあるかどうかを決定するように構成される。制御システムは、液体貯蔵部分が実質的に静止または実質的に一定の速度で移動している時に、液体貯蔵部分が安定した状態にあると決定するように構成されうる。制御システムは、液体貯蔵部分が加速を受ける時に液体貯蔵部分が不安定な状態にあると決定するように構成されうる。
【0035】
一部の実施形態では、制御システムは、受信した加速情報を、一つ以上の加速閾値と比較するように構成されうる。一つ以上の加速閾値は、制御システムのメモリーに記憶されてもよい。制御システムは、受信した加速情報を、一つ以上の加速閾値と比較し、受信した加速情報が一つ以上の加速閾値以下である場合に液体貯蔵部分が安定した状態にあると決定し、受信した加速情報が一つ以上の加速閾値を上回る場合に液体貯蔵部分が不安定な状態にあると決定するように構成されうる。
【0036】
制御システムは、液体貯蔵部分が安定した状態にあると決定される場合に、液体貯蔵部分内に保持されている液体エアロゾル形成基体の量を定めるように構成されうる。制御システムはまた、液体貯蔵部分が不安定な状態にあると決定される場合に、液体貯蔵部分内に保持されている液体エアロゾル形成基体の量の決定を実質的に防止または阻止するように構成されうる。液体貯蔵部分が静止または一定の速度で移動している時にのみ液体貯蔵部分内に保持されている液体エアロゾル形成基体の量を定めることは、液体貯蔵部分内に保持されている液体エアロゾル形成基体の量の決定の信頼性を向上しうる。
【0037】
一部の実施形態では、一対の電極は、液体エアロゾル形成基体と接触する液体貯蔵部分の表面積を感知するように配置されうる。制御システムは、液体エアロゾル形成基体と接触する液体貯蔵部分の表面積に基づいて、液体貯蔵部分内に保持されている液体エアロゾル形成基体の量を定めるように構成されうる。液体エアロゾル形成基体と接触する液体貯蔵部分の表面積は、「湿らせた」表面積と呼ばれうる。液体貯蔵部分の湿らせた表面積は、液体貯蔵部分が静止または一定の速度で移動している時の、液体貯蔵部分内の液体エアロゾル形成基体の形状に依存しうる。液体貯蔵部分の湿らせた表面積は、液体貯蔵部分が安定した状態にある時は実質的に一定のままでありうる。ところが、液体貯蔵部分の湿らせた表面積は、液体貯蔵部分の加速下で変化しうる。従って、これらの実施形態では、液体貯蔵部分が静止または安定した状態にある時に、一対の電極間の電気量を測定することが特に望ましい場合がある。これらの実施形態では、制御システムは、液体貯蔵部分が安定した状態、または不安定な状態にあるかどうかを決定し、液体貯蔵部分が安定した状態にあると決定される場合に液体貯蔵部分内に保持される液体エアロゾル形成基体の量を定め、そして、液体貯蔵部分が不安定な状態にあると決定される場合に液体貯蔵部分内に保持される液体エアロゾル形成基体の量の決定を実質的に防止または阻止するように構成されうる。
【0038】
一部の実施形態では、エアロゾル発生システムは、液体貯蔵部分から液体エアロゾル形成基体を受けるように配置される、エアロゾル発生手段を備えうる。これらの実施形態では、一般的に、エアロゾル発生手段が液体エアロゾル形成基体によって一貫して湿らされるように、エアロゾル発生手段が特定のレートで液体貯蔵部分から液体エアロゾル形成基体を受けることが望ましい。不十分な液体エアロゾル形成基体がエアロゾル発生手段で受けられる場合、エアロゾル発生手段の動作は、望ましくない構成要素を備えるエアロゾルの発生、またはエアロゾル発生手段を損傷しうるエアロゾル発生手段の望ましくない温度の増大をもたらしうる。
【0039】
これらの実施形態では、制御システムは、液体貯蔵部分の配向および液体貯蔵部分内に保持されている液体エアロゾル形成基体の量の少なくとも一つに基づいて、エアロゾル発生手段の動作を制御または調整するように構成されてもよい。このことは、ユーザー体験を向上し、エアロゾル発生手段の寿命を延ばしうる。
【0040】
一部の実施形態では、システムは、液体貯蔵部分から液体エアロゾル形成基体を受けるように配置されたエアロゾル発生手段と、電力をエアロゾル発生手段に供給するように配置された一つ以上の電力供給源と、を備えうる。これらの実施形態では、制御システムは、センサーから受信した配向情報または液体貯蔵部分の決定された配向に基づいて、一つ以上の電力供給源からエアロゾル発生手段への電力供給を制御または調整するように構成されうる。これらの実施形態では、制御システムは、液体貯蔵部分内に保持されている液体エアロゾル形成基体の決定された量に基づいて、一つ以上の電力供給源からエアロゾル発生手段への電力供給を制御または調整するように構成されうる。
【0041】
制御システムは、液体貯蔵部分の配向が、直立な配向などの特定の配向から離れて移動するのに従って、エアロゾル発生手段への電力供給を減少させるように構成されうる。一部の実施形態では、制御システムは、液体貯蔵部分が一つ以上の特定の配向にあると判定される場合に、エアロゾル発生手段への電力供給を実質的に防止または阻止するように構成されうる。制御システムは、液体貯蔵部分が倒立または逆さまな配向にあると決定される場合に、エアロゾル発生手段への電力供給を実質的に防止または阻止するように構成されうる。
【0042】
制御システムは、液体貯蔵部分内に保持されている液体エアロゾル形成基体の量が減少するのに従って、エアロゾル発生手段への電力供給を減少させるように構成されうる。一部の実施形態では、制御システムは、液体貯蔵部分内に保持されている液体エアロゾル形成基体の量が閾値量未満であると決定される場合に、エアロゾル発生手段への電力供給を実質的に防止または阻止するように構成されうる。
【0043】
閾値量は予め決定されうる。閾値量は、工場において、または最初の使用前にユーザーによって設定されうる。閾値量は、適切な任意の量としうる。例えば、閾値量は、液体貯蔵部分の容積の約1%~約15%、または約3%~10%、または約5%でありうる。例えば、約2mlの液体エアロゾル形成基体を保持するように構成された液体貯蔵部分の場合、所定の閾値量値は、約0.1ml~約0.3mlでありうる。閾値量は、エアロゾル発生手段の断面積および液体貯蔵部分の容積に依存しうる。例えば、エアロゾル発生手段は、ヒーターであってもよく、また大きい断面積を有するヒーターは、所望の温度で動作するために小さな断面積を有するヒーターよりも多くの液体エアロゾル形成基体を必要としうる。従って、大きいヒーターを有するエアロゾル発生システムは、小さいヒーターを有するエアロゾル発生システムよりも大きな最小量閾値量を有しうる。閾値量は、約0.1ml~10ml、約0.5ml~約5ml、または約0.5mlでありうる。
【0044】
制御システムは、決定された液体エアロゾル形成基体の量が閾値量未満である場合に、エアロゾル発生手段を不能にするように構成されうる。制御システムは、エアロゾル発生手段を可逆的に不能にするように構成されうる。制御システムは、定めた量が所定のしきい値より大きい場合、エアロゾル発生手段を実施可能にするように構成されうる。制御システムは、エアロゾル発生手段を不可逆的に不能にするように構成されてもよい。制御システムは、エアロゾル発生手段と電源との間の壊れやすい接続を損傷し、または破壊するように構成されうる。このことは、エアロゾル発生手段を含むエアロゾル発生システムの使い捨て可能なカートリッジ、および使い捨て可能なエアロゾル発生システムに関して、有利でありうる。
【0045】
液体貯蔵部分の加速は、エアロゾル発生手段への液体エアロゾル形成基体の供給にも影響しうる。したがって、一部の実施形態では、制御システムは、センサーから受信した加速情報に基づいて、エアロゾル発生手段の動作を制御または調節するように構成されうる。制御システムは、液体貯蔵部分が安定した状態または不安定な状態にあるかの決定に基づいて、エアロゾル発生手段の動作を制御または調節するように構成されうる。このことは、ユーザー体験を向上し、エアロゾル発生手段の寿命を延ばしうる。
【0046】
制御システムは、センサーから受信した加速情報に基づいて、一つ以上の電力供給源からエアロゾル発生手段への電力供給を制御または調節するように構成されうる。
【0047】
一部の実施形態では、制御システムは、センサーから受信した加速情報が加速閾値よりも大きい場合にエアロゾル発生手段の動作を実質的に防止または阻止するように構成されうる。制御システムは、液体貯蔵部分が不安定な状態にあると決定される場合に、エアロゾル発生手段の動作を実質的に防止または阻止するように構成されうる。
【0048】
液体貯蔵部分は、任意の適切な形状およびサイズとしうる。例えば、液体貯蔵部分の断面は、例えば実質的に円形、楕円形、長方形、または三角形としうる。液体貯蔵部分は、実質的に管状または円筒形としうる。液体貯蔵部分は、長さおよび幅または直径を有してもよい。液体貯蔵部分の長さは、液体貯蔵部分の幅または直径より大きくてもよい。別の言い方をすると、液体貯蔵部分は細長くてもよい。液体貯蔵部分は、中心長軸方向軸を有してもよい。液体貯蔵部分の断面は、中心長軸方向軸に沿って実質的に均一であってもよい。別の言い方をすると、液体貯蔵部分の断面の形状およびサイズは、液体貯蔵部分の長さに沿って実質的に一定であってもよい。液体貯蔵部分は、中心長軸方向軸を中心に一度以上の回転対称角度を有してもよい。液体貯蔵部分は、環状であってもよい。液体貯蔵部分は環状であってもよく、中央通路を備えてもよい。中央通路は、中心長軸方向軸の方向に延びてもよい。
【0049】
液体貯蔵部分は、液体エアロゾル形成基体を保持するように構成されたハウジングまたは容器を備えうる。ハウジングは、二つの対向する端と、二つの対向する端の間に延びる少なくとも一つの側壁とを備えうる。ハウジングは、第一の端、第二の端、および第一の端と第二の端との間に延びる一つ以上の側壁を備えうる。第一の端、第二の端および側壁は一体的に形成されうる。第一の端、第二の端、および側壁は、相互に取り付けられているまたは固定されている明確な要素としうる。ハウジングは剛直でありうる。本明細書で使用される「剛直なハウジング」という用語は、自立型の容器を意味するように使用される。ハウジングは、一つ以上の可撓性の壁を備えうる。可撓性の壁は、液体貯蔵部分に保持された液体エアロゾル形成基体の容積に適合するように構成されうる。ハウジングは任意の適切な物質で形成されうる。ハウジングは、実質的に流体不透過性の材料から形成されうる。ハウジングは、液体貯蔵部分内に保持されている液体エアロゾル形成基体が容器の透明または半透明な部分を通してユーザーに見えうるように、透明または半透明の部分を備えうる。
【0050】
一対の電極は、液体貯蔵部分に隣接して、またはその中に配置される。本発明に関連して本明細書で使用される場合、「隣接して、またはその中に」という用語は、その隣に、その近くに、その近接に、その上に、その内部および内側に、などの用語を含むことを意味する。例えば、液体貯蔵部分が側壁を有するハウジングを備える場合、一対の電極は、それらがハウジングの側壁の隣、またはこれに近接しているとき、それらがハウジングの側壁の外表面に当接または接触しているとき、それらがハウジングの側壁の外表面に固定または塗布されているとき、それらが側壁の内部表面に固定または塗布されているとき、それらがハウジングの側壁の一体の部分を形成するとき、および、それらがハウジング内またはその内側にあるときに、「隣接して、またはその中」にあるとみなされうる。
【0051】
一対の電極は、一対の電極が液体貯蔵部分の電気的性質を感知するように、液体貯蔵部分に対して配置されてもよい。別の形で表現すると、一対の電極は、液体貯蔵部分に電気的に近接して配置されうる。一対の電極は、第一の部分内に保持されている液体エアロゾル形成基体の量が変化する結果として生じうる、液体貯蔵部分の電気的性質の変化を感知するように配置されうる。
【0052】
一部の実施形態では、一対の電極は、液体貯蔵部分の少なくとも一部分を電極の間に配置するように配置されうる。一対の電極は、液体貯蔵部分の両側に配置されうる。液体貯蔵部分が中央通路を有する環状の液体貯蔵部分である場合、電極の一方は、液体貯蔵部分の外側に配置されてもよく、電極の他方は、中央通路に隣接して、またはその中に、液体貯蔵部分の内側に配置されてもよい。
【0053】
一部の実施形態では、一対の電極が、液体貯蔵部分の一部分をその間に配置して配置される場合、一対の電極は、コンデンサーを形成し、電極間の液体エアロゾル形成基体の一部分は、コンデンサーの誘電体を形成しうる。電極間の液体貯蔵部分の一部分の誘電体属性は、液体貯蔵部分の一部分内に保持されている液体エアロゾル形成の量と共に変化しうる。
【0054】
一部の実施形態では、一対の電極は、液体貯蔵部分の一部分を電極の間に配置することなく、配置されうる。一対の電極は、液体貯蔵部分の同じ側に配置されうる。
【0055】
液体貯蔵部分が、側壁、および実質的に側壁にわたって延びる一対の電極を有するハウジングを備える場合、電極は、液体貯蔵部分内に保持されている液体エアロゾル形成基体と接触する側壁の表面積を感知するように配置されうる。液体エアロゾル形成基体と接触する液体貯蔵部分のハウジングの側壁の表面積は、液体貯蔵部分内に保持されている液体エアロゾル形成基体の量を定めるために使用されうる。
【0056】
一部の実施形態では、一対の電極は、相互嵌合された電極である。一対の相互嵌合された電極は、フリンジ電界効果を使用して電極に隣接した媒体の電気的性質を感知する一対の相互嵌合された電極などの、容量感知システムを形成しうる。一対の相互嵌合された電極は、液体貯蔵部分内に保持されている液体エアロゾル形成基体と接触する側壁の表面積を感知するように配置されうる。
【0057】
一部の実施形態では、一対の相互嵌合された電極は、液体貯蔵部分のハウジング上に配置されうる。一部の実施形態では、一対の相互嵌合された電極は、プラットフォーム上に配置されうる。一対の相互嵌合された電極は、液体貯蔵部分を実質的に囲む可撓性のプラットフォームの表面上に提供されうる。
【0058】
一対の相互嵌合された電極の各電極は、複数の電気的に接続された突起部、突出部またはフィンガーおよびフィンガー間の間隙または空間を含む。フィンガーは主要なトラックまたは背部によって電気的に接続されてもよい。相互嵌合された電極それぞれのフィンガーおよび間隙は、規則的または周期的な配置で配置されてもよい。一対の相互嵌合された電極は、平面または表面上に配置されてもよく、電極のそれぞれのフィンガーは他の電極のフィンガー間の空間内に延びてもよい。
【0059】
相互嵌合された電極それぞれのフィンガーは、長さ、幅および厚さを有しうる。相互嵌合された電極それぞれのフィンガーの長さは、フィンガーの幅および厚さよりも実質的に大きくてもよい。別の言い方をすると、相互嵌合された電極それぞれのフィンガーは実質的に細長くてもよい。相互嵌合された電極それぞれのフィンガーは、実質的に直線状であってもよい。相互嵌合された電極それぞれのフィンガーは、実質的に一方向に延びてもよい。相互嵌合された電極それぞれのフィンガーは、実質的に非線形であってもよい。例えば、相互嵌合された電極それぞれのフィンガーは、実質的に湾曲または弓形状であってもよい。
【0060】
相互嵌合された電極それぞれのフィンガーは、実質的に同一であってもよい。相互嵌合された電極それぞれのフィンガー間の間隙は、実質的に同一であってもよい。フィンガーおよび相互嵌合された電極それぞれの間隙は、連続的なフィンガーそれぞれの間に規則的な間隔または間隙を有する、規則的な配置で配置されうる。相互嵌合された電極それぞれの連続的なフィンガー間の距離は、電極の空間波長λまたはバンドギャップと呼ばれうる。
【0061】
適切な一対の相互嵌合された電極の一例は、DropSens(商標)製のDRP-G-IDEPT10センサーでありうる。
【0062】
液体貯蔵部分が側壁と実質的に側壁にわたって延びる一対の相互嵌合された電極を有するハウジングを備える場合、電極は、液体貯蔵部分内に保持されている液体エアロゾル形成基体と接触する側壁の表面積を感知するよう配置されうる。
【0063】
一対の相互嵌合された電極の一方の電極は、振動電圧を供給される駆動電極としうる。他方の電極は、駆動電極によって生成されたフリンジ電界を感知する感知電極としうる。駆動電極によって生成されるフリンジ電界は、駆動電極のフィンガーの端における散在する電界に起因するフリンジ電界を含み、これは、その上に相互嵌合された電極が配置される、平面または表面から、平面または表面に実質的に垂直な方向で延びる構成要素を含む。そのため、駆動電極によって生成されるフリンジ電界は、電極の上方または電極に隣接して配置された材料内に延びる。別の表現をすると、本発明の液体貯蔵部分の一の側に配置された一対の相互嵌合された電極は、空間的に定期的な電位をその側の液体貯蔵部分に印加しうる。
【0064】
一対の相互嵌合された電極の上方またはこれに隣接して配置された材料の電気的性質は、駆動電極によって生成されるフリンジ電界に影響を与えうる。例えば、一対の相互嵌合された電極の上方またはこれに隣接して配置された材料の誘電率は、生成されたフリンジ電界に影響を与えうる。従って、一対の相互嵌合された電極の感知電極は、一対の相互嵌合された電極の上方またはこれに隣接して配置された材料の電気的性質の変化を感知しうる。
【0065】
一対の相互嵌合された電極が、一対の相互嵌合された電極の一方の側のみに隣接する材料の電気的性質における変化に反応しうるように、電気シールドが一対の相互嵌合された電極の一方の側に提供されてもよい。電気シールドは、液体貯蔵部分に対向するかまたは液体貯蔵部分から背いて面する一対の電極の側面上に提供されうる。電気シールドは、電極の下または電極の上に延びる導電性材料のシートまたはメッシュを含みうる。導電性材料のシートまたはメッシュは接地されてもよい。シートまたはメッシュは、相互嵌合された電極に電気的に接続された電圧フォロアに電気的に接続されてもよい。この配置は、シールドによって引き起こされる任意の寄生容量を実質的に除去しうるが、これは一対の相互嵌合された電極の感度を向上しうる。
【0066】
一対の相互嵌合された電極の上またはこれに隣接して配置された材料内に駆動電極によって生成されるフリンジ電界の貫通深さは、駆動電極および感知電極の隣接するフィンガー間の距離に比例しうる。別の言い方をすると、生成されたフリンジ電界の貫通深さは、相互嵌合された電極のバンドギャップ(λ)に比例する。貫通深さは、振動駆動信号の周波数とは独立している。
【0067】
一般に、生成されたフリンジ電界の貫通深さは、相互嵌合された電極のバンドギャップλが増大するのに従って増加する。通常、貫通深さはバンドギャップλの約三分の一であることが分かっている。液体エアロゾル形成基体の有無を効果的に感知するために、液体貯蔵部分に最小貫通深さを達成することが必要でありうる。
【0068】
生成されたフリンジ電界の液体貯蔵部分内への適切な例示的貫通深さは、約1mmでありうる。電極は、液体貯蔵部分の側壁の外表面に配置されうる。側壁の厚さは約1mmとしうる。この場合、約2mmの貫通深さが必要であり、これは約6mmのバンドギャップλに対応する。その他の場合、その上に電極が取り付けられる液体貯蔵部分およびプラットフォームの側壁は、電極と液体貯蔵部分との間に配置されうる。側壁およびプラットフォームの組み合わされた厚さは約2mmとしうる。この場合、3mmの貫通深さが必要であり、これは約9mmのバンドギャップλに対応する。電極のバンドギャップλは、約0.5mm~約15mm、約1mm~約12mm、または約2mm~約10mmでありうる。
【0069】
相互嵌合された電極によって生成されるフリンジ電界の比較的小さい貫通深さは概して、液体貯蔵部分に隣接する相互嵌合された電極が、液体貯蔵部分の表面または壁における液体エアロゾル形成基体の有無のみを感知することを意味する。これは、液体貯蔵部分の一部分をそれらの間に配置して、液体貯蔵部分の両側に配置される一対の電極とは異なるが、これは、それらの間に配置された液体貯蔵部分の一部分の平均の電気的性質を感知する。その結果、液体貯蔵部分に隣接して配置された相互嵌合された電極からの測定値は、液体エアロゾル形成基体で湿らされた液体貯蔵部分の表面の割合または分率を示す傾向がある。所与の量の液体エアロゾル形成基体および所与の液体エアロゾル形成基体の配向について、液体エアロゾル形成基体で被覆された側壁の表面の割合または分率は、液体貯蔵部分の形状に依存する。これらの実施形態では、液体貯蔵部分の断面は、中心長軸方向軸に沿って均一であることが好ましい。特定の実施形態では、液体貯蔵部分は実質的に円筒形であってもよい。
【0070】
一般に、一対の相互嵌合された電極上に提供されるフィンガーの数が増大するのに従って、一対の相互嵌合された電極の感度が増大する。したがって、所与のサイズの液体貯蔵部分について、電極のバンドギャップが小さくなるほど、より多くの数のフィンガーが電極それぞれの上に提供され、一対の相互嵌合された電極の感度がより増大する。
【0071】
本発明では、液体貯蔵部分内に達するのに十分な貫通深さを有するフリンジ電界を発生するために、相互嵌合された電極は、最小バンドギャップに等しいか、またはこれより大きいバンドギャップを有する必要がありうる。そのため、本発明では、電極それぞれの上に提供されるフィンガーの数がバンドギャップのサイズよりも減少するために、液体貯蔵部分のサイズが小さくなるのに従って、一対の相互嵌合された電極の感度が減少する傾向がある。ただし、液体貯蔵部分の一部分を電極間に配置する、液体貯蔵部分の両側に配置された電極対の感度は、液体貯蔵部分のサイズが増大するのに従って増大しうる。これは、電極間の距離が減少するのに従って、電極間の材料の電気的性質の変化に対する電極の感度が増大しうるからである。したがって、本発明では、液体貯蔵部分のサイズは、最も適切な電極の配置を決定しうる。一般に、一対の相互嵌合された電極は、大きな液体貯蔵部分を有するシステムにより適切であり、液体貯蔵部分の一部分を電極間に配置する電極は、小さな液体貯蔵部分を有するシステムにより適切でありうる。
【0072】
一対の電極対それぞれの電極は、相互に間隙を介しているか、または相互に分離されている。この間隔または分離は、一対の電極の電極間の直接的な電気接点を防止しうる。電極間の間隔、分離または間隙は、電極の長さに沿って一貫していてもよい。
【0073】
例えば、一対の電極間の間隔は、約0.5mm~約3mm、または約0.5mm~約2mm、または約0.5mm~約1.5mmでありうる。一対の電極が液体貯蔵部分の両側に配置される場合、電極間の間隔は、およそ液体貯蔵部分の幅、または円筒形の液体貯蔵部分の直径であってもよい。円筒形の液体貯蔵部分の場合、一対の電極間の間隔は5mm以上としうる。一対の電極が液体貯蔵部分の両側に配置されない場合、電極は、電極間により小さな間隔を有する相互嵌合された電極でありうる。例えば、この場合、一対の相互嵌合された電極の電極間の間隔は、約125μm~約5mm、または約125μm~約2mm、または約125μm~約1mmでありうる。
【0074】
電極は、任意の適切なタイプの電極であってもよい。例えば、適切なタイプの電極には、プレート電極、およびトラック電極が挙げられる。電極それぞれは、同一のタイプの電極または異なるタイプの電極であってもよい。
【0075】
電極は任意の適切な形状であってもよい。例えば、電極は、方形状、長方形状、曲線状、弓形状、環状、渦巻形状、またはらせん状でありうる。電極は、実質的に線形、非線形、平面または非平面である、一つ以上のセクションを含んでもよい。電極は剛直でありうる。剛性は、電極がその形状および相互からの間隔を維持することを可能にしうる。電極は可撓性であってもよい。可撓性は、電極が液体貯蔵部分の形状に適合することを可能にしうる。電極は、液体貯蔵部分のハウジングの形状に適合するように構成されうる。
【0076】
電極は、長さ、幅および厚さを有しうる。電極の長さは、電極の幅より実質的に大きくてもよい。別の言い方をすると、電極は細長くてもよい。電極の厚さは、電極の長さおよび幅より実質的に小さくてもよい。別の言い方をすると、電極は薄くてもよい。薄い電極および細長い電極は、容積比の大きな表面積を有してもよく、これは電気量測定の感度を向上しうる。
【0077】
電極は、任意の適切な材料を含みうる。電極は、任意の適切な電気的な導電材料を含んでもよい。適切な電気的な導電性材料は、金属、合金、電気的な導電性セラミック、および電気的な導電性ポリマーを含む。本発明に関して本明細書で使用される場合、電気的な導電性材料は、20℃で、約1X10-5Ωm未満、一般的には約1X10-5Ωm~約1X10-9Ωmの体積抵抗率を有する材料を意味する。導電性材料は、銅、金およびプラチナのうちの少なくとも一つを特に含みうる。導電性材料は、電極が液体貯蔵部分上に印刷される場合に導電性インクを含みうる。適切な導電インクは、導電性を提供する銀を含みうる。電極は、不活性化層で被覆されうる。電極は、液体エアロゾル形成基体と反応せず、または液体エアロゾル形成基体を汚染することがないように、十分に反応しない材料を含んでもよく、またはその材料で被覆されてもよい。電極は、透明の、または半透明の材料を含んでもよい。例えば、適切な透明の材料は、インジウムスズ酸化物(ITO)でありうる。
【0078】
一対の電極は、実質的に液体貯蔵部分の長さに延びてもよい。一対の電極は、液体貯蔵部分の一の側に配置されうる。一対の電極は、液体貯蔵部分の二つ以上の側に配置されてもよい。一対の電極は、実質的に液体貯蔵部分を囲みうる。一対の電極は、液体貯蔵部分を実質的に囲みうる。一対の電極が実質的に液体貯蔵部分を囲み、かつ実質的に液体貯蔵部分の長さに延びる場合、一対の電極は、液体貯蔵部分を実質的に囲む管状スリーブを形成しうる。
【0079】
一対の電極は、液体貯蔵部分内に配置されうる。一対の電極の少なくとも一つは、液体貯蔵部分内に保持されている液体エアロゾル形成基体と直接的に接触して配置されうる。担体材料が液体貯蔵部分に提供される場合、一対の電極の少なくとも一つは、担体材料と接触して配置されうる。電極が液体貯蔵部分の内側に、または電極が液体または湿気と遭遇する可能性がある任意の位置に配置される場合、電極は、疎水性材料の被覆によるなど、液体または湿気から保護または遮蔽されうる。
【0080】
液体貯蔵部分が液体貯蔵部分を保持するためのハウジングを備える場合、一つ以上の電極は、ハウジングに、またはハウジング上に配置されうる。一つ以上の電極は、ハウジングの外表面上に提供されてもよい。一つ以上の電極は、ハウジングの内部表面上に提供されてもよい。電極は、ハウジングの一体型の部分を形成しうる。
【0081】
一対の電極は、ハウジングの一部にわたって延びてもよい。液体貯蔵部分が、二つの対向する端と、対向する端の間に延びる少なくとも一つの側壁とを含むハウジングを備える場合、一対の電極は、一つ以上の側壁の一部分にわたって延びうる。一対の電極は、実質的に一つ以上の側壁にわたって延びてもよい。一対の電極は、一つ以上の側壁全体にわたって延びてもよい。
【0082】
一対の電極のうちの少なくとも一つは、プラットフォーム上に配置されてもよい。電極それぞれは、別個のプラットフォーム上に配置されてもよい。一対の電極は、同一のプラットフォーム上に配置されてもよい。一つ以上のプラットフォームは、液体貯蔵部分の一つ以上の側面上に配置されうる。一つ以上のプラットフォームは、実質的に液体貯蔵部分を囲みうる。液体貯蔵部分がハウジングを含む場合、一つ以上のプラットフォームは、ハウジング上にまたはハウジング上に提供されうる。一つ以上のプラットフォームは、ハウジングの一つ以上の側に配置されうる。一つ以上のプラットフォームは、実質的にハウジングを囲みうる。一つ以上のプラットフォームは、ハウジングとは別個としうる。一つ以上のプラットフォームは、ハウジングに固定されうる。一つ以上のプラットフォームは、ハウジングと一体的に形成されうる。一つ以上のプラットフォームは、ハウジングと同一の材料を含みうる。一つ以上のプラットフォームは、ハウジングと異なる材料を含んでもよい。
【0083】
一つ以上のプラットフォームは剛直でありうる。一つ以上のプラットフォームは可撓性であってもよい。一つ以上の可撓性のプラットフォームは、液体貯蔵部分の二つ以上の側面の周りに曲げられうる。一つ以上のプラットフォームは、実質的に液体貯蔵部分を囲んでもよい。
【0084】
一つ以上のプラットフォームは、電気絶縁材料で形成されうる。一つ以上のプラットフォームは、任意の適切な電気的な絶縁材料を含みうる。例えば、適切な電気的な絶縁材料には、ガラス、プラスチックおよびセラミック材料が挙げられる。特に適切な材料には、ポリイミドおよびポリエステルが挙げられる。本発明に関して本明細書で使用される場合、電気的な絶縁材料は、20℃で、約1X106Ωm、一般的には約1X109Ωm~約1X1021Ωmの体積抵抗率を有する材料を意味する。
【0085】
一部の実施形態では、一つ以上のプラットフォームは疎水性材料から作製されてもよい。プラットフォームは疎水性被覆で被覆されてもよい。
【0086】
一つ以上のプラットフォームは、プリント回路基板であってもよい。一対の電極は、一つ以上のプリント回路基板の表面上に印刷された導電性トラックを含みうる。一つ以上のプリント回路基板は、可撓性のプリント回路基板であってもよい。
【0087】
電極は、液体貯蔵部分またはプラットフォームのハウジングの表面に塗布されてもよい。電極は、印刷、被覆および噴霧によってなど、適切な任意の適切な手段によって、ハウジングまたはプラットフォームの表面に塗布されてもよい。電極は、ハウジングまたはプラットフォームの表面に固定されうる。電極は、接着剤などの適切な任意の手段によって、ハウジングの表面またはプラットフォームに固定されうる。電極は、プラットフォーム、回路基板、または液体貯蔵部分のハウジング内にエッチングされてもよい。
【0088】
エアロゾル発生システムには、一対以上の電極が提供されてもよい。これらの実施形態では、制御システムは、一対の電極それぞれの間の電気量を測定し、測定された一対の電極間の電気量情報に基づいて、液体貯蔵部分の配向を定めるように構成されうる。
【0089】
センサーは、任意の適切なタイプのセンサーとしうる。センサーは液体貯蔵部分の配向を感知するように構成されうる。センサーは、一つ以上の方向における液体貯蔵部分の加速を検出するようにさらに構成されうる。センサーは、液体貯蔵部分の線加速および角速度のうちの少なくとも一つを感知するように構成されうる。
【0090】
センサーは、液体貯蔵部分の線加速を検出するように構成された一つ以上の加速度計を備えてもよい。感知された線加速は、液体貯蔵部分の配向の表示を提供しうる。センサーは、液体貯蔵部分の角速度を感知するように構成された一つ以上のジャイロスコープを備えうる。感知された角速度は、液体貯蔵部分の配向の表示を提供しうる。一つ以上のジャイロスコープはまた、液体貯蔵部分の配向を感知するように構成されうる。一つ以上のジャイロスコープは、一つ以上の加速度計と比べて向上した、液体貯蔵部分の表示を提供しうる。センサーは、一つ以上の加速度計、および一つ以上のジャイロスコープの組み合わせを含みうる。センサーは、任意の適切な数の加速度計およびジャイロスコープを含んでもよい。加速度計とジャイロスコープの組み合わせは、感知された線加速情報と感知された角速度情報の組み合わせを制御システムに提供し、加速度計またはジャイロスコープのいずれかのみを備えるセンサーと比較して、液体貯蔵部分の配向の表示の信頼性を向上しうる。
【0091】
一部の実施形態では、センサーは慣性測定ユニットである。慣性測定ユニットはMEMSセンサーであってもよい。慣性測定ユニットは、3軸加速度計および一つ以上のジャイロスコープを含んでもよい。この構成により、慣性測定ユニットが三つの直角をなす軸に沿った線加速および三軸を中心とした角回転を測定するとこを可能にする。慣性測定ユニットは、三軸磁気計などの磁気計をさらに備えて、地球の磁極に基づいてさらなる配向情報を提供しうる。
【0092】
慣性測定ユニットは、三軸ジャイロスコープ及び加速度計を有する微細加工された統合慣性モジュールであってもよい。例えば、好適な慣性測定ユニットは、SensorDynamics AGから入手可能なSD746デバイスであってもよい。
【0093】
センサーは、エアロゾル発生システム内の任意の適切な位置に配置されうる。センサーは、液体貯蔵部分に対して適切な任意の位置に配置されうる。液体貯蔵部分が長軸方向軸を有する場合、センサーは液体貯蔵部分の長軸方向軸と整列されうる。センサーは液体貯蔵部分の長軸方向軸上に配置されうる。
【0094】
制御システムは電気回路を含みうる。電気回路はマイクロプロセッサを備えてもよく、これはプログラム可能マイクロプロセッサであってもよい。電気回路はさらなる電子構成要素を備えてもよい。電気回路は、さらなる電子構成要素が実装されるプリント回路基板を備えうる。センサーはプリント回路基板上に配置されてもよい。電気回路は、センサーとマイクロプロセッサとの間のアナログ-デジタル変換器およびマイクロプロセッサを備えうる。
【0095】
制御システムは、一対の電極に印加される電圧を制御または調整するように構成されうる。制御システムは、センサーに印加される電圧を制御または調整するように構成されうる。一部の実施形態では、エアロゾル発生システムは、エアロゾル発生手段を備え、制御システムは、エアロゾル発生手段への電力供給を制御または調整するように構成されうる。
【0096】
制御システムは、システムの作動後に一対の電極のうちの少なくとも一つに電圧を印加するように構成されうる。制御システムは、毎回の吸煙ごとなど断続的に、一対の電極の少なくとも一つおよびセンサーに電圧を印加するように構成されうる。
【0097】
制御システムは、一対の電極に連続的な電圧を印加するように構成されうる。制御システムは、センサーに連続的な電圧を印加するように構成されうる。制御システムは、電流パルスの形態で一対の電極に電圧を印加するように構成されうる。制御システムは、電流パルスの形態でセンサーに電圧を印加するように構成されうる。
【0098】
制御システムは、振動する測定信号を一対の電極に供給するように構成されうる。別の言い方をすると、制御システムは、交流電圧を一対の電極に供給するように構成されうる。制御システムは、所定の周波数で、振動する測定信号を一対の電極に供給するように構成されうる。所定の周波数は、一対の電極間の電気量を測定するために、制御システムのための任意の適切な周波数でありうる。所定の周波数は、約20MHz以下であってもよく、または約10MHz以下であってもよい。所定の周波数は、約1kHz~約10MHz、または約10kHz~約1MHz、または約100kHz~約1MHzでありうる。
【0099】
液体エアロゾル形成基体は、異なる電気的性質とともに異なる組成を含みうる。制御システムは、一対の電極間で測定した電気量情報に基づいて、液体貯蔵部分内に保持されている液体エアロゾル形成基体を定めるように構成されうる。制御システムは、決定された同一性に基づいて、液体貯蔵部分内に保持されている液体エアロゾル形成基体の量の決定を調節するように構成されうる。別の言い方をすると、制御システムは、液体貯蔵部分内に保持されている液体エアロゾル形成基体の組成を補正するように構成されうる。
【0100】
制御システムは、一対の電極間の電気量を測定するための任意の適切な手段を備えうる。適切な手段は、一つ以上のRCインテグレータ、一つ以上のブリッジ回路、一つ以上の発振器、および増幅器を活用する一つ以上のスイッチングコンデンサー回路を含んでもよい。これらのスイッチングコンデンサー回路は、増幅モードまたは積分モードで構成されてもよい。
【0101】
一対の電極間で測定される電気量は、任意の適切な電気量であってもよい。例えば、測定される電気量は、電圧、電流、インピーダンス、抵抗および静電容量のうちの一つ以上としうる。特定の実施形態では、測定される電気量は静電容量としうる。
【0102】
制御システムによって測定される電気量は、静電容量でありうる。静電容量の変化は、液体エアロゾル形成基体が誘電材料を含む場合に特に明白でありうる。
【0103】
一対の電極間の静電容量は、液体貯蔵部分内に保持されている液体エアロゾル形成基体の量に依存しうる。
【0104】
例えば、一対の電極はコンデンサーを形成してもよく、液体貯蔵部分はコンデンサーの誘電体を形成してもよい。液体貯蔵部分は容量負荷を含んでもよく、液体貯蔵部分の誘電率は、液体貯蔵部分内に保持されている液体エアロゾル形成基体の量に依存しうる。液体貯蔵部分内に保持されている液体エアロゾル形成基体の量が減少するのに従って、一対の電極間の静電容量が減少しうる。液体貯蔵部分の容量負荷は、ピコファラド(pF)範囲内の静電容量を有してもよい。このことは、コンデンサーの急速な充電および放電時間を可能にし、また静電容量の急速な測定を可能にしうる。
【0105】
静電容量が測定されうる。例えば、制御システムは、一対の電極によって形成されたコンデンサーの充放電時間を測定するための手段を含みうる。制御システムは、555タイマ回路などのタイマ回路またはその振動周波数が静電容量に依存する任意の電子回路を備えてもよく、タイマ回路出力の周波数に基づいて静電容量を定めるように構成されてもよい。
【0106】
静電容量が算出されうる。例えば、静電容量は、電圧および電流の大きさ、ならびに電圧と電流との間の位相差の測定から算出されうる。静電容量は、インピーダンスの測定から算出されうる。液体貯蔵部分内に保持されている液体エアロゾル形成基体の量は、測定された、または算出された静電容量から算出されうる。
【0107】
液体貯蔵部分内に保持されている液体エアロゾル形成基体の量は、測定された、または算出された静電容量から定められうる。
【0108】
液体貯蔵部分は、液体貯蔵部分に保持されたエアロゾル形成基体を含みうる。本発明に関連して本明細書で使用される「エアロゾル形成基体」という用語は、エアロゾルを形成できる揮発性化合物を放出することができる基体を記述するために使用される。揮発性化合物はエアロゾル形成基体の加熱によって放出されうる。揮発性化合物は、エアロゾル形成基体を振動可能な要素の通路を通して移動することによって放出されうる。
【0109】
エアロゾル形成基体は液体であってもよい。エアロゾル形成基体は室温で液体であってもよい。エアロゾル形成基体は、液体成分と固体成分の両方を含みうる。液体エアロゾル形成基体はニコチンを含んでもよい。ニコチンを含有する液体エアロゾル形成基体はニコチン塩マトリクスであってもよい。液体エアロゾル形成基体は植物由来材料を含んでもよい。液体エアロゾル形成基体はたばこを含んでもよい。液体エアロゾル形成基体は、加熱に伴いエアロゾル形成基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含有するたばこ含有材料を含んでもよい。液体エアロゾル形成基体は均質化したたばこ材料を含んでもよい。液体エアロゾル形成基体は非たばこ含有材料を含んでもよい。液体エアロゾル形成基体は均質化した植物由来材料を含んでもよい。
【0110】
液体エアロゾル形成基体は、一つ以上のエアロゾル形成体を含んでもよい。エアロゾル形成体は、使用時に密度の高い安定したエアロゾルの形成を容易にする、およびシステムの操作温度で熱分解に対して実質的に抵抗性のある任意の適切な公知の化合物または化合物の混合物である。適切なエアロゾル形成体の例には、グリセリンおよびプロピレングリコールが挙げられる。適切なエアロゾル形成体は当技術分野で周知であり、多価アルコール(トリエチレングリコール、1、3-ブタンジオール、およびグリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテート、またはトリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸、またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチルおよびテトラデカン二酸ジメチルなど)を含むが、これに限定されない。液体エアロゾル形成基体は水、溶媒、エタノール、植物エキス、および天然の風味または人工の風味を含みうる。
【0111】
液体エアロゾル形成基体は、ニコチンおよび少なくとも一つのエアロゾル形成体を含んでもよい。エアロゾル形成体は、グリセリン、またはグリセリンプロピレングリコールであってもよい。エアロゾル形成体は、グリセリンとプロピレングリコールの両方を含んでもよい。液体エアロゾル形成基体は、約0.5%~約10%(例えば、約2%)のニコチン濃度をもっていてもよい。
【0112】
液体エアロゾル形成基体は、それぞれ別個の誘電率(εr)を有する誘電体材料の混合物を含んでもよい。室温(約20℃)での液体エアロゾル形成基体の主要な成分には、グリセリン(εr~42)、プロピレングリコール(εr~32)、水(εr~80)、空気(εr~1)、ニコチン、および風味剤が挙げられうる。液体エアロゾル形成基体が、誘電体材料を形成する場合、制御システムによって測定される電気量は、静電容量でありうる。
【0113】
液体貯蔵部分は、液体エアロゾル形成基体を保持するために担体材料を含んでもよい。液体貯蔵部分がハウジングを含む場合、担体材料は、ハウジング内に配置されてもよい。液体エアロゾル形成基体は、担体材料に吸着、またはその他の方法で装填される場合がある。担体材料は、任意の適切な吸収体の材料、例えば発泡性の金属またはプラスチック材料、ポリプロピレン、テリレン、ナイロン繊維またはセラミックで作成しうる。エアロゾル形成基体は、エアロゾル発生システムを使用する前に、担体材料内に保持されてもよい。エアロゾル形成基体は、使用時に担体材料内に放出されうる。例えば、液体エアロゾル形成基体はカプセル内に提供しうる。
【0114】
エアロゾル発生システムは、エアロゾル発生手段を備えうる。エアロゾル発生手段は、液体貯蔵部分からエアロゾル形成基体を受けるように配置されうる。エアロゾル発生手段はアトマイザーでもよい。エアロゾル発生手段は、熱を用いて受けたエアロゾル形成基体を霧状にするように構成されうる。エアロゾル発生手段は、受けた液体エアロゾル形成基体を霧状にするための加熱手段を備えうる。エアロゾル発生手段は、超音波振動を用いて受けたエアロゾル形成基体を霧状にするように構成されうる。エアロゾル発生手段は超音波振動子を含みうる。
【0115】
エアロゾル発生手段は一つ以上のエアロゾル発生要素を含みうる。一つ以上のエアロゾル発生要素は発熱体でありうる。一つ以上のエアロゾル発生要素は、一つ以上の振動可能な要素を含んでもよい。
【0116】
エアロゾル発生手段は、エアロゾル形成基体を加熱するように構成された加熱手段を含みうる。加熱手段は任意の適切な電気的な加熱手段であってもよい。加熱手段は一つ以上の発熱体を含みうる。一つ以上の発熱体は、主に伝導によってエアロゾル形成基体を加熱するように配置されうる。一つ以上の発熱体は、エアロゾル形成基体と実質的に直接接触して配置されてもよい。一つ以上の発熱体は、一つ以上の熱伝導性要素によってエアロゾル形成基体に熱を伝達するように配置されてもよい。一つ以上の発熱体は使用時に、エアロゾル発生システムを通して引き出された周囲空気に熱を伝達するように配置されてもよく、そうすることで対流によってエアロゾル形成基体を加熱しうる。一つ以上の発熱体は、周囲空気がエアロゾル形成基体を通して引き出される前に、周囲空気を加熱するように配置されてもよい。一つ以上の発熱体は、周囲空気がエアロゾル形成基体を通して引き出された後に、周囲空気を加熱するように配置されてもよい。
【0117】
加熱手段は電気的な加熱手段または電気ヒーターであってもよい。電気ヒーターは一つ以上の電気発熱体を含みうる。一つ以上の電気発熱体は電気抵抗性の材料を含みうる。適切な電気抵抗性の材料には例えば、ドープされたセラミックなどの半導体、「導電性」のセラミック(例えば、二ケイ化モリブデンなど)、炭素、黒鉛、金属、合金、およびセラミック材料製・金属材料製の複合材料が挙げられうる。一つ以上の電気発熱体は任意の適切な形態を取ってもよい。例えば、一つ以上の電気発熱体は一つ以上の加熱用ブレード、一つ以上の加熱用の針またはロッド、一つ以上の加熱ワイヤーまたはフィラメントの形態を取ってもよい。一つ以上の電気発熱体は、一つ以上の可撓性シートの材料を含みうる。一つ以上の発熱体は、剛直な担体材料内またはその上に配置されてもよい。
【0118】
加熱手段は誘導加熱手段を含んでもよい。誘導加熱手段は、カートリッジに関連して以下でより詳細に説明される。一つ以上の発熱体は、一つ以上のヒートシンクまたは蓄熱体を含んでもよい。加熱手段は、一時にわずかな量の液体エアロゾル形成基体を加熱するための手段を含んでもよい。
【0119】
エアロゾル発生手段は、一つ以上の振動可能な要素と、一つ以上の振動可能な要素で振動を励起するように配置された一つ以上のアクチュエータとを含んでもよい。一つ以上の振動可能な要素は、エアロゾル形成基体が通過して霧状にされる複数の通路を含んでもよい。一つ以上のアクチュエータは一つ以上の圧電変換器を含みうる。
【0120】
エアロゾル発生手段は、液体貯蔵部分に保持された液体エアロゾル形成基体をエアロゾル発生手段の一つ以上の要素へと輸送するための一つ以上の毛細管芯を含んでもよい。液体エアロゾル形成基体は、液体が毛細管作用によって一つ以上の毛細管芯を通して運ばれることを可能にする物理的特性(粘性を含む)を有しうる。
【0121】
エアロゾル発生手段は、一つ以上の毛細管芯の部分を取り囲む一つ以上の加熱ワイヤーまたはフィラメントを含みうる。加熱ワイヤーまたはフィラメントは、一つ以上の毛細管芯の取り囲まれた部分を支持しうる。一つ以上の毛細管芯の毛細管特性は、液体基体の特性と相まって、通常の使用の間、十分なエアロゾル形成基体が存在する時に、芯がエアロゾル発生手段の領域において液体エアロゾル形成基体で常に湿っていることを、確実にしうる。一つ以上の毛細管芯が乾燥している時、一つ以上の毛細管芯は、エアロゾル発生手段への液体エアロゾル形成基体の規則的な供給を送達しなくてもよい。
【0122】
エアロゾル発生システムは電源を備えうる。エアロゾル発生システムは、制御システム、一対の電極、ならびにエアロゾル発生手段のうちの少なくとも一つに電力を供給するように配置された、電源を含みうる。エアロゾル発生手段は独立した電源を含みうる。エアロゾル発生システムは、制御システムおよび一対の電極に電力を供給するように配置された第一の電源と、エアロゾル発生手段に電力を供給するように構成された第二の電源と、を備えうる。
【0123】
電源は、任意のDC電源としうる。電源は電池としうる。電池は、例えばリチウムコバルト電池、リン酸鉄リチウム電池、チタン酸リチウム電池、またはリチウムポリマー電池といったリチウム系の電池でもよい。電池はニッケル水素電池またはニッケルカドミウム電池でもよい。電源はコンデンサーなど別の形態の電荷蓄積装置であってもよい。電源は再充電を必要とする場合があり、また数多くの充放電サイクルのために構成されてもよい。電源は、一回以上のユーザー体験のための十分なエネルギーの保存を可能にする容量を有してもよい。例えば、電源は従来型の紙巻たばこ一本を喫煙するのにかかる一般的な時間に対応する約六分間、または六分の倍数の時間にわたるエアロゾルの連続的な生成を可能にするのに十分な容量を有してもよい。別の例において、電源は所定の回数の吸煙、または加熱手段およびアクチュエータの不連続的な起動を可能にするのに十分な容量を有しうる。
【0124】
エアロゾル発生システムは、エアロゾル発生手段を動作させるように構成される制御システムを含んでもよい。エアロゾル発生手段を動作させるように構成される制御システムは、液体貯蔵部分の配向を定めるように構成された制御システムであってもよい。
【0125】
エアロゾル発生システムは、制御システムと連通する温度センサーを含みうる。温度センサーは、液体貯蔵部分に隣接しうる。温度センサーは、液体貯蔵部分に熱的に近接しうる。温度センサーは、サーモカップルとしうる。エアロゾル発生手段のうちの少なくとも一つの要素は、制御システムによって使用されて、温度に関連する情報を提供しうる。少なくとも一つの要素の温度に依存する抵抗の属性は既知であり、少なくとも一つの要素の温度を当業者にとって公知の方式で決定するために使用されうる。制御システムは、温度センサーからの温度の測定を用いて、液体貯蔵部分の電気的な負荷に基づく温度の影響を計算するように構成されうる。例えば、一対の電極間に配置される液体貯蔵部分の一部分が容量負荷を含む場合、制御システムは、液体貯蔵部分内に保持されている液体貯蔵部分の誘電特性の温度変化による変化を計算するように構成されうる。
【0126】
エアロゾル発生システムは、制御システムと連通する吸煙検出器を備えうる。吸煙検出器は、ユーザーがいつマウスピースを吸ったかを検出するように構成されていてもよい。一部の実施形態では、一対の電極は、吸煙検出器として使用されうる。
【0127】
エアロゾル発生システムは、スイッチまたはボタンなどのユーザー入力を含んでもよい。ユーザー入力は、ユーザーがシステムをオンおよびオフにすることを可能にしうる。
【0128】
エアロゾル発生システムは、液体エアロゾル形成基体の決定された配向をユーザーに示すための表示手段を含んでもよい。制御システムは、液体貯蔵部分の配向が、ユーザーがエアロゾル発生システムを吸煙するのに適すると決定されるときに、表示手段を作動させるように構成されうる。制御システムは、液体貯蔵部分の配向が液体貯蔵部分内に保持されている液体エアロゾル形成基体の量の決定を行うのに適しているとき、例えば、センサーから受信した配向情報が基準配向情報に一致するときに、表示手段を作動させるように構成されうる。
【0129】
エアロゾル発生システムはまた、液体貯蔵部分内に保持されている液体エアロゾル形成基体の決定された量をユーザーに示すための表示手段を備えてもよい。制御システムは、液体貯蔵部分内に保持されている液体エアロゾル形成基体の量の決定を行った後に表示手段を作動させるように構成されうる。
【0130】
表示手段は、発光ダイオード(LED)などの光、LCDディスプレイなどのディスプレイ、およびラウドスピーカーまたはブザーなどの可聴表示手段、および振動手段のうち一つ以上を含みうる。制御システムは、一つ以上の光を照らし、配向および量のうちの少なくとも一つの表示をディスプレイ上に表示し、ラウドスピーカーまたはブザーを介して音を発し、そして振動手段を振動させるように構成されうる。
【0131】
エアロゾル発生システムはハウジングを備えうる。ハウジングは細長くてもよい。ハウジングは任意の適切な材料または材料の組み合わせを含んでもよい。適切な材料には例えば、金属、合金、プラスチック、もしくはそれらの材料のうちの一つ以上を含有する複合材料、または、例えばポリプロピレン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)およびポリエチレンなど、食品または医薬品の用途に適切な熱可塑性樹脂が挙げられる。材料は軽量であり、脆くないものでありうる。
【0132】
ハウジングは、液体貯蔵部分を受けるためのくぼみを備えうる。一部の実施形態では、ハウジングは、後でより詳細に説明する通り、液体貯蔵部分を備えるカートリッジを受けるためのくぼみを備えうる。ハウジングは電源を受けるためのくぼみを備えうる。ハウジングはマウスピースを備えてもよい。マウスピースは少なくとも一つの空気吸込み口と、少なくとも一つの空気出口とを備えうる。
【0133】
エアロゾル発生システムは携帯型であってもよい。エアロゾル発生システムは従来型の葉巻たばこまたは紙巻たばこと同等のサイズであってもよい。エアロゾル発生システムの全長は約30mm~約150mmとしうる。エアロゾル発生システムの外径は、約5mm~約30mmとしうる。
【0134】
このエアロゾル発生システムは、主要ユニットおよびカートリッジを含みうる。主要ユニットは制御システムを備えうる。カートリッジは、液体エアロゾル形成基体を保持するための液体貯蔵部分を備えうる。主要ユニットは、カートリッジを取り外し可能なように受けるように構成されうる。一部の実施形態では、エアロゾル発生システムは、液体貯蔵部分を含むカートリッジと、制御システムおよびカートリッジを受けるためのくぼみを含む主要ユニットと、を備えうる。一部の実施形態では、一対の電極は、カートリッジ内に配置されうる。一部の実施形態では、一対の電極は、主要ユニットのくぼみ内に配置されうる。
【0135】
一対の電極が主要ユニットのくぼみ内に配置される場合、一対の電極は、カートリッジがくぼみ内に受けられた時に、カートリッジの液体貯蔵部分が一対の電極に隣接して配置されるように配置されうる。
【0136】
一部の実施形態では、主要ユニットはエアロゾル発生手段を備えうる。別の実施形態では、カートリッジはエアロゾル発生手段を備えうる。カートリッジがエアロゾル発生手段を備える場合、カートリッジは「カトマイザー」と呼ばれうる。別の実施形態では、エアロゾル発生システムは、エアロゾル発生手段を備えたエアロゾル発生構成要素を備えうる。エアロゾル発生構成要素は、主要ユニットやカートリッジとは別個としうる。エアロゾル発生構成要素は、主要ユニットおよびカートリッジのうちの少なくとも一つによって取り外し可能なように受けられうる。
【0137】
主要ユニットは一つ以上の電源を備えうる。
【0138】
カートリッジが一つ以上の一対の電極を含む場合、制御システムは、カートリッジを識別または認証するように構成されうる。別の言い方をすると、制御システムは、カートリッジ上の一つ以上の電極の有無を決定するように構成されうるが、これは、主要ユニットによって受けられたカートリッジが、主要ユニットの製造元からの本物のまたは真正のカートリッジであるかどうかを確認するために使用されうる。一対の電極間の測定もまた、主要ユニットによって受けられるカートリッジを識別または認証するために使用されうる。制御システムはまた、カートリッジ上の一つ以上の電極の有無に基づいて、または、一対の電極間で測定された電気量から、カートリッジが主要ユニットによって正確に受けられているかどうかを決定するように構成されうる。
【0139】
主要ユニットおよびカートリッジは、誘導加熱手段を含みうる。主要ユニットは、インダクタコイルと、高周波振動電流をインダクタコイルに提供するように構成される電源とを備えうる。カートリッジは、エアロゾル形成基体を加熱するように位置付けられたサセプタ素子を備えうる。本明細書で使用される高周波振動電流という用語は、10kHz~20MHzの周波数を有する、振動する電流を意味する。誘導加熱手段は、システムが、カートリッジと主要ユニットの間の電気接点を必要としないことを可能にしうる。
【0140】
カートリッジは、主要ユニットに取り外し可能なように結合されうる。本明細書で使用される「取り外し可能に結合される」という用語は、主要ユニットまたはカートリッジのいずれも著しく損傷することなく、カートリッジおよび主要ユニットが互いに結合および分離できることを意味するように使用される。カートリッジは、エアロゾル形成基体が消費された時に、主要ユニットのくぼみから取り外されうる。カートリッジは、使い捨て式であってもよい。カートリッジは再使用可能でもよく、またカートリッジは液体エアロゾル形成基体で再充填可能でもよい。カートリッジは主要ユニットのくぼみ内で交換可能としうる。主要ユニットは再使用可能としうる。
【0141】
カートリッジはハウジングを有し、その中に液体エアロゾル形成基体が保持される。ハウジングは剛直でありうる。ハウジングは液体に対して不透過性の材料から形成されてもよい。カートリッジまたはハウジングは、リッドを備えてもよい。リッドは、カートリッジを主要ユニットに結合する前に剥がされるようにしうる。リッドは穿孔可能であってもよい。主要ユニットは、カートリッジが主要ユニットに結合されるときにカートリッジのリッドを穿孔するための穿孔要素を備えうる。
【0142】
主要ユニットはマウスピースを備えうる。マウスピースは少なくとも一つの空気吸込み口と、少なくとも一つの空気出口とを備えうる。マウスピースは二つ以上の空気吸込み口を備えうる。マウスピースは穿孔要素を備えうる。
【0143】
本発明の第二の態様では、本発明の第一の態様によるエアロゾル発生システム用の主要ユニットが提供されている。主要ユニットは、液体貯蔵部分を含むカートリッジを受けるためのくぼみと、制御システムとを備える。主要ユニットはセンサーをさらに備えうる。主要ユニットは、カートリッジがくぼみ内に受けられるときに電極がカートリッジの液体貯蔵部分に隣接するようにくぼみに配置された、一対の電極をさらに備えうる。
【0144】
本発明の第三の態様では、本発明の第一の態様によるエアロゾル発生システム用の制御システムが提供されている。制御システムは、エアロゾル発生システムの液体貯蔵部分に隣接して、またはその中に配置される一対の電極間の電気量を測定し、センサーから配向情報を受信し、一対の電極間で測定された電気量情報とセンサーから受信した配向情報とに基づいて液体貯蔵部分内に保持されている液体の量を定めるように構成される。
【0145】
本発明の第四の態様では、本発明の第一の態様によるエアロゾル発生システムの液体貯蔵部分内に保持されている液体エアロゾル形成基体の量を定める方法が提供されており、本方法は、
エアロゾル発生システムの液体貯蔵部分に隣接して、またはその中に配置された一対の電極間の電気量を測定し、
センサーから配向情報を受信し、
一対の電極間で測定された電気量情報とセンサーから受信した配向情報とに基づいて、液体貯蔵部分内に保持されている液体の量を定めることを含む。
【0146】
本発明の第三の態様では、本発明の第一の態様によるエアロゾル発生システムを動作する方法が提供されており、本方法は、
エアロゾル発生システムの液体貯蔵部分に隣接して、またはその中に配置された一対の電極間の電気量を測定し、
センサーから配向情報を受信し、
測定された電気量情報および受信した配向情報に基づいて、エアロゾル発生手段への電力供給を制限することを含む。
【0147】
一部の実施形態では、受信した配向情報を、一つ以上の配向閾値と比較してもよく、配向情報が一つ以上の配向閾値よりも大きい場合に、エアロゾル発生手段への電力供給が低減、防止または阻止されうる。
【0148】
一部の実施形態では、測定された電気量を、一つ以上の電気量閾値と比較してもよく、測定された電気量が一つ以上の電気量閾値よりも大きい、または電気量閾値未満の電気量である場合に、エアロゾル発生手段への電力供給が低減、防止または阻止されうる。
【0149】
一部の実施形態では、本方法は、一対の電極間で測定された電気量情報およびセンサーから受信した配向情報に基づいて、液体貯蔵部分内に保持されている液体の量を定めることをさらに含みうる。エアロゾル発生手段への電力供給を制御することは、決定された量に基づいてもよい。
【0150】
一部の実施形態では、決定された量を、一つ以上の量閾値と比較してもよく、決定された量が一つ以上の量閾値未満である場合に、エアロゾル発生手段への電力供給が低減、防止または阻止されうる。
【0151】
一部の実施形態では、方法は、センサーから加速情報を受信することをさらに含んでもよい。エアロゾル発生手段への電力供給を制御することは、加速情報に基づいてもよい。
【0152】
一部の実施形態では、受信した加速度情報を、一つ以上の加速閾値と比較してもよい。一部の実施形態では、受信した加速情報が一つ以上の加速閾値未満である場合に、液体貯蔵部分内に保持されている液体の量が定められてもよい。
【0153】
当然ながら、本発明の一つの態様に関連して説明した特徴は、本発明のその他の態様にも適用されうる。特に、エアロゾル発生システムに関連して説明した特徴は、主要ユニット、カートリッジ、制御システム、および方法に適用可能であり、その逆もまた可能である。
【図面の簡単な説明】
【0154】
本発明を、添付図面を参照しながら、例証としてのみであるがさらに説明する。
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態による例示的なエアロゾル発生システムの概略図である。
【
図2】
図2は、
図1のエアロゾル発生システムでの使用に適切な、本発明の一実施形態によるカートリッジの斜視図である。
【
図3】
図3は、中心長軸方向軸A-Aを通した
図2のカートリッジの概略断面図である。
【
図5】
図5は、
図2のカートリッジからの一対の相互嵌合された電極を示す。
【
図6】
図6は、
図2のカートリッジの折り畳まれていない一対の電極およびシールドの概略図である。
【
図7】
図7は、本発明の別の実施形態によるカートリッジからの折り畳まれていない一対の電極およびシールドの概略図である。
【
図8】
図8は、
図2のカートリッジの液体貯蔵部分内に保持される液体エアロゾル形成基体の量に対する液体貯蔵部分壁の壁の湿らされた表面の正規化されたグラフである。
【
図9】
図9aは、直立垂直な配向に液体エアロゾル形成基体を保持する
図2のカートリッジの概略図である。
図9bは、
図9aのカートリッジ内に保持されている液体エアロゾル形成基体の概略図である。
図9cは、水平な配向に液体エアロゾル形成基体を保持する
図2のカートリッジの概略図である。
図9dは、
図9cのカートリッジ内に保持されている液体エアロゾル形成基体の概略図である。
【
図10】
図10aは、非垂直かつ非水平な配向に液体エアロゾル形成基体を保持する
図2のカートリッジの概略図である。
図10bは、
図10aのカートリッジ内に保持されている液体エアロゾル形成基体の概略図である。
図10cは、別の非垂直かつ非水平な配向に液体エアロゾル形成基体を保持する
図2のカートリッジの概略図である。
図10dは、
図10aのカートリッジ内に保持されている液体エアロゾル形成基体の概略図である。
【
図11】
図11aは、別の非垂直かつ非水平な配向に液体エアロゾル形成基体を保持する
図2のカートリッジの概略図である。
図11bは、非垂直かつ非水平な配向に液体エアロゾル形成基体を保持する
図2のカートリッジの別の概略図である。
【
図12】
図12aは、
図1のエアロゾル発生システムでの使用に適切な、本発明の別の実施形態によるカートリッジの平面図である。
図12bは、
図12aのカートリッジの斜視図である。
【
図13】
図13は、
図1のエアロゾル発生システムの制御システムの構成を示すブロック図である。
【
図14】
図14は、本発明の別の実施形態によるさらなる例示的エアロゾル発生システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0155】
図1は、例示のエアロゾル発生システムの概略図である。
図1は事実上、概略的であり、図示された構成要素は、個々にもあるいは相互に相対的にも必然的に等尺度ではない。エアロゾル発生システムは、好ましくは使い捨てであるカートリッジ200と協働する、好ましくは再使用可能である主要ユニット100を備える。
図1に示すエアロゾル発生システムは、電気的に作動する喫煙システムである。
【0156】
主要ユニット100はハウジング101を備える。ハウジング101は、実質的に環状の円筒形であり、従来の葉巻たばこと比較して約100mmの長軸方向の長さおよび約20mmの外径をもつ。
【0157】
主要ユニット100は、ハウジング101内に収容された、リチウムリン酸イオン電池102の形態の電力供給源と、制御電子回路104の形態の制御システムとを備える。制御電子回路104は、マイクロフォン形態の吸煙センサー106、作動すると主要ユニットが作動したことを示すLED108、および、本発明による慣性測定ユニット110の形態のセンサーとを備え、これは以下により詳細に説明される。
【0158】
主要ユニット100のハウジング101はまた、その中にカートリッジ200を受けるくぼみ112を画定する。
【0159】
主要ユニット100は、出口124を含むマウスピース部分120もさらに含む。この例示的な実施形態では、マウスピース部分120は、ヒンジ付接続によって主要ユニット100のハウジング101に接続される。ところが、当然のことながら、スナップ式装着またはねじ式取付などの任意の種類の接続が、マウスピース部分120を主要ユニット100のハウジング101に接続するために使用されうる。一つ以上の空気吸込み口122は
図1に示す通り、マウスピース部分が閉位置内にある時にマウスピース部分120と本体101との間に提供される。
【0160】
フラットスパイラルインダクタコイル111は、マウスピース部分120の内部に提供される。コイル111は銅板からスパイラルコイルをスタンピングまたは切断することにより形成される。コイル111は入口122を通り出口124に引き出される空気がコイルを通過するように、空気吸込み口122と空気出口124の間に位置する。
【0161】
カートリッジ200(
図1および2で概略的な形式において示す)は、液体貯蔵部分201を画定する剛直なハウジング204を備える。液体貯蔵部分201は、液体エアロゾル形成基体(図示せず)を収容する。カートリッジ200のハウジング204は流体不浸透性であるが、浸透性のサセプタ素子205により覆われた開端部を有する。浸透性のサセプタ素子205はフェライト鋼を含むフェライトメッシュを含む。エアロゾル形成基体はメッシュの間隙内にメニスカスを形成できる。カートリッジ200がくぼみ112に受けられ、主要ユニットと係合する時、サセプタ素子205はフラットスパイラルコイル111に隣接して位置する。カートリッジ200は主要ユニット内に逆さまに挿入できないことを確保するためにキー付きの特徴(図示せず)を含みうる。
【0162】
使用時に、ユーザーはマウスピース部分120で吸煙して、空気をハウジング101の空気吸込み口122を通してマウスピース部分120に引き出し、出口124からユーザーの口に出す。ユーザーがマウスピース部分で吸煙すると、小さな空気の流れがハウジング101のセンサー入口121を通り、マイクロフォン106を通過し、マウスピース部分120にまで引き出される。吸煙が検出されると、制御電子回路104は高周波振動電流をコイル111に供給する。これにより、
図1に点線で示す通り、振動する磁場が生成される。振動する磁場はサセプタ素子205を通過し、サセプタ素子205内に渦電流を誘起する。サセプタ素子205は、ジュール加熱の結果として、またヒステリシス損失の結果として加熱され、そのサセプタ素子に近いエアロゾル形成基体を気化するのに十分な温度に達する。気化されたエアロゾル形成基体は空気吸込み口から空気出口への空気の流れに混入され、ユーザーの口に入る前に冷めてマウスピース部分の内部でエアロゾルを形成する。制御電子回路104は、吸煙が検出されると、振動する電流をコイルに所定の持続期間(この例では五秒間)にわたり供給し、その後、新しい吸煙が検出されるまで電流がオフになる。
【0163】
カートリッジ200は環状の円筒形状を有し、サセプタ素子205はカートリッジハウジング204の円形の開端部にかかる。当然のことながら、その他の構成も可能である。例えば、サセプタ素子は、カートリッジハウジング内の長方形の開口部にかかる鋼製メッシュ205の細片でありうる。
【0164】
図1に示す例示のエアロゾル発生システムは、誘導加熱に依存する。適切な誘導発熱体のさらなる例示および誘導加熱システムの動作の説明は、WO2015/177046A1に記載される。
【0165】
当然のことながら、本発明による他のエアロゾル発生システムは、その他のタイプのエアロゾル発生手段を含みうる。例えば、エアロゾル発生手段は、加熱によって液体エアロゾル形成基体を霧状にするように構成される、その他のエアロゾル発生手段を含んでもよい。エアロゾル発生手段は一つ以上の抵抗発熱体を含みうる。エアロゾル発生手段はまた、振動によって液体エアロゾル形成基体を霧状にするように構成される、エアロゾル発生手段を含んでもよい。エアロゾル発生手段は、一つ以上の振動可能な要素およびアクチュエータを含んでもよい。
【0166】
図2は、主要ユニット100から取り外されたカートリッジ200を示す。カートリッジ200は、液体エアロゾル形成基体を保持するための液体貯蔵部分201を画定する環状の円筒形のハウジングの形態のハウジング204を有する。ハウジング204は、第一の端と、第一の端と反対側の、サセプタ205を有する第二の端と、第一の端と第二の端との間に延びる管状の側壁とを備える。ハウジング204は、中心長手方向軸A-Aを中心とした完全な回転対称角度を有する。
【0167】
当然のことながら、本発明のその他の実施形態では、カートリッジにサセプタが提供されない場合がある。代わりに、カートリッジには、別の適切なタイプのエアロゾル発生手段が提供されうる。例えば、カートリッジには、カートリッジ上の電気接点および主要ユニットのくぼみ内の相補的な電気接点を介して主要ユニットの電源に物理的かつ電気的に接続されうる、抵抗ヒーターが提供されてもよい。カートリッジの電気接点は、カートリッジが主要ユニットのくぼみ内に受けられた時に、主要ユニットの電気接点と接触しうる。本発明のその他の実施形態では、主要ユニットはエアロゾル発生手段を備えてもよく、カートリッジはエアロゾル発生手段の任意の部品を含まなくてもよい。
【0168】
当然のことながら、本発明のその他の実施形態では、カートリッジは、長方形の直方体などのその他の任意の適切な形状を形成するハウジングを有しうる。
【0169】
相互嵌合されたセンサー300は、環状の円筒形のハウジング204を囲む。別の言い方をすると、一対の電極320を備えるセンサーは、環状の円筒形のハウジング204を囲む。相互嵌合されたセンサー300は、ハウジング204の長さに延び、実質的に管状の側壁を覆う。相互嵌合されたセンサー300は、ハウジング204の側壁を実質的に囲む環状の円筒形のスリーブを形成する。
【0170】
相互嵌合されたセンサー300は、
図3~6でより詳細に示されている。相互嵌合されたセンサー300は、可撓性のプリント回路基板310、一対の電極320およびシールド330を備える。
【0171】
可撓性のプリント回路基板310は、概して長方形であり、ハウジング204の長さとほぼ等しい幅を有し、ハウジング204の周囲とほぼ等しい長さを有する。可撓性のプリント印刷回路310は、容器204の側壁の周りに巻かれ、屈曲させられ、または曲げられて、実質的に側壁を覆う容器204の周囲の周りに精密に嵌め合わせされるスリーブを形成してもよい。
【0172】
可撓性のプリント回路基板310は、接着層(図示せず)によって容器204の側壁の外表面に固定される。可撓性のプリント回路基板310を容器204に固定することで、相互嵌合されたセンサー300とハウジング204との間の精密な嵌め合わせが一定なままとなり、さらに一対の電極320と液体貯蔵部分201との相対的な配置が一定なままとなることを確実にする。当然のことながら、クリップまたはその他のタイプの固定具などの、その他の任意の適切な固定手段が使用されてもよい。
【0173】
当然のことながら、他の実施形態では、相互嵌合されたセンサーは、別の固定手段によってハウジングに固定されうる。一部の実施形態では、相互嵌合されたセンサーおよびハウジングは、締まり嵌めまたは摩擦嵌めによって互いに固定されてもよい。その他の実施形態では、ハウジングが相互嵌合されたセンサーから取り外されうるように、相互嵌合されたセンサーはハウジングに固定されなくてもよい。これらの実施形態では、センサーは、ハウジングを収容するのに十分な内径を有する円筒形の管の周りに巻かれてもよい。円筒形の管は、ハウジングの挿入および取り外しに伴って相互嵌合されたセンサーが損傷されることを実質的に防止しうる。
【0174】
一対の電極320は、可撓性のプリント回路基板310の一方の側に印刷され、電気シールド330は、可撓性のプリント回路基板310の反対側に、電極320に直接対向して印刷される。一対の電極320は、可撓性のプリント回路基板310の実質的に一方の側にわたって延び、シールド330は、可撓性のプリント回路基板310の実質的に反対側にわたって延びる。
【0175】
図3および4に示すように、相互嵌合されたセンサー300は、ハウジング204の実質的に側壁にわたって延びる。ハウジング204は、中心長軸方向軸A-Aを有する実質的に環状の円筒形の液体貯蔵部分201を画定する。相互嵌合されたセンサー300は、電極320がハウジング204および液体貯蔵部分201に向かって面し、かつシールド330がハウジング204に背いて面するように、ハウジング204の周りに配置される。別の言い方をすると、一対の電極320は、ハウジング204の側壁に隣接して配置される。そのため、一対の電極320は、液体貯蔵部分201の電気的性質を感知するように配置される。特に、電極320は、ハウジング204の側壁と接触する液体エアロゾル形成基体を感知するように配置される。
【0176】
相互嵌合されたセンサー300は、
図5および6でより詳細に示されている。相互嵌合されたセンサー300は、駆動電極321および感知電極325を備える。
【0177】
駆動電極321は、駆動電極を主要ユニット100の制御電子回路104に接続するためのコネクタ322、コネクタ322に接続された主要なトラックまたは背部323、および、いずれも主要なトラック323から実質的に同一の方向に延びる、複数の突出部またはフィンガー324を備える。主要なトラック323およびフィンガー324は、規則的または周期的な櫛状構造を形成する。主要トラック323に沿ったフィンガー324の規則的な間隔は、連続的または隣接するフィンガー324の間のギャップ329を提供する。連続的または隣接するフィンガー324の中心線間の距離は、駆動電極321のバンドギャップλDと呼ばれる。
【0178】
感知電極325はまた、コネクタ326、コネクタ325に接続された主要なトラックまたは背部327、および主要トラック327から延びる複数の突出部またはフィンガー328を備える。主要なトラック327およびフィンガー328は、駆動電極321のものと類似した規則的または周期的な櫛状構造を形成する。感知電極325のバンドギャップλSは、駆動電極321のバンドギャップλDと等しい。
【0179】
駆動電極321および感知電極325は、主要なトラック323、327が実質的に回路基板310の長さの方向に延び、かつフィンガー324、328が基板310の幅の方向に実質的に延びるように、プリント回路基板310の一方の側に配置される。駆動電極321のフィンガー324は、感知電極325の主要なトラック327に向かって延び、感知電極325のフィンガー328は駆動電極321の主要なトラック323に向かって延びる。駆動電極321のフィンガー324は、感知電極325の隣接するフィンガー328の間のギャップ329内に延び、感知電極のフィンガー328は、駆動電極321の隣接するフィンガー324の間のギャップ329内に延びる。そのため、駆動電極321および感知電極325は相互嵌合される。駆動電極321のフィンガー324および感知電極325のフィンガー328の長さおよび幅は、実質的に一定のギャップまたは間隔が電極321、325の長さに沿って駆動電極321と感知電極325との間に提供されるように選択される。一対の相互嵌合された電極320は、プリント回路基板310の表面の実質的に一方の側を覆う。
【0180】
コネクタ322、326は、主要ユニット100の制御電子回路104に電気的に接続されてもよい。主要ユニット100の制御電子回路104は、駆動電極321と感知電極325との間の静電容量を測定するための適切な任意の手段を備えうる。この実施形態では、制御電子回路104は、スイッチングコンデンサーアンプまたは積分器を備える。静電容量を測定するための手段は当技術分野でよく理解されており、本明細書でより詳細に説明しない。
【0181】
図6に示すように、シールド330は、プリント回路基板310の反対側に提供される。シールドは、基板310の反対側にわたって、一対の電極320と直接的に対向して印刷される導電性メッシュ332を含む。導電性メッシュ332は、コネクタ333を介して接地に電気的に接続される。
【0182】
図7は、本発明の別の実施形態による相互嵌合されたセンサー400を示す。相互嵌合されたセンサー400は、プリント回路基板410と、相互嵌合されたセンサー300のプリント回路基板310および一対の相互嵌合された電極320と実質的に同一である、一対の相互嵌合された電極421、425とを備える。一対の相互嵌合された電極は、相互嵌合されたセンサー300と類似して、コネクタ422を有する駆動電極421、主要なトラック423およびフィンガー424、およびコネクタ426、主要なトラック427、およびフィンガー428を有する感知電極425を備える。ところが、相互嵌合されたセンサー400は、プリント回路基板410上に、相互嵌合されたセンサー300とは異なるシールド構成を含む。相互嵌合されたセンサー400のシールド430は、プリント回路基板410にわたって、一対の電極421、425と直接的に対向して延びる導電性メッシュ432を備える。メッシュ432は、電圧フォロア434を介して一対の電極420の感知電極425のコネクタ426に電気的に接続されたコネクタ433を備える。
【0183】
図1に示す主要ユニット100を再び参照すると、主要ユニット100の制御システム(すなわち、制御電子回路104)は、慣性測定ユニット110から配向および加速情報を受信するように構成される。制御システムはまた、振動する測定信号を液体貯蔵部分201の周りの相互嵌合されたセンサー300に適用し、電極321と電極325の間の電気量を測定するように構成される。
【0184】
上述のように、一対の相互嵌合された電極は、制限された貫通深さを有する電界を生成する。その結果、液体貯蔵部分の側壁を囲む相互嵌合された一対の電極は、液体貯蔵部分の側壁における液体エアロゾル形成基体の有無を感知する傾向がある。液体エアロゾル形成基体に被覆される側壁の表面積の割合または分率は、液体貯蔵部分の形状および寸法、液体貯蔵部分内に保持されている液体の量、および液体貯蔵部分の配向に依存する。液体エアロゾル形成基体と接触する液体貯蔵部分の表面積は、本明細書では「湿らせた」表面積と呼ばれる。
【0185】
液体貯蔵部分201が実質的に静止または実質的に一定の速度で移動している時、液体貯蔵部分内の液体エアロゾル形成基体の形状は、実質的に一定のままであり、液体貯蔵部分の湿らせた表面積は実質的に一定でありうる。ところが、液体貯蔵部分が加速されると、液体貯蔵部分内の液体エアロゾル形成基体の形状が変化し、液体貯蔵部分の湿らせた表面積が変化しうる。そのため、一対の相互嵌合された電極320の間の測定値を取る時に液体貯蔵部分201が加速されている場合、測定された電気量は、液体貯蔵部分内に保持されている液体エアロゾル形成基体の量の変更された表示を提供しうる。
【0186】
システムがオンに切り替えられると、制御システムは、慣性測定ユニット110から受信した加速情報に基づいて、液体貯蔵部分201が安定した状態および不安定な状態の一方にあるかどうかを決定するように構成される。制御システムは、慣性測定ユニット110から受信した加速情報を、マイクロプロセッサのメモリーに記憶した加速閾値と比較する。
【0187】
制御システムが、測定された加速情報が加速閾値を上回ると決定する場合、制御システムは、液体貯蔵部分201が不安定な状態にあると決定し、そして、制御システムは、振動測定信号を相互嵌合されたセンサー300に供給して液体貯蔵部分201内に保持されている液体エアロゾル形成基体の量を定めることに進まない。
【0188】
制御システムが、測定された加速情報が加速閾値未満であると判定すると、制御システムは、液体貯蔵部分201が安定した状態にあると決定し、そして、制御システムは、振動測定信号を相互嵌合されたセンサー300に供給して液体貯蔵部分201内に保持されている液体エアロゾル形成基体の量を定めることに進む。
【0189】
制御システムは、慣性測定ユニット110から受信された配向情報および液体貯蔵部分201内の決定された液体エアロゾル形成基体の量に基づいて、後で
図13に関連して詳細に説明するように、コイル111への電力供給を制御または調節するように構成される。
【0190】
制御システムはまた、各吸煙後に液体貯蔵部分201が安定した状態または不安定な状態にあるかどうかの決定を繰り返し、液体貯蔵部分201が安定した状態であると決定された時に液体貯蔵部分201内の液体エアロゾル形成基体の量を定めるように構成される。
【0191】
制御システムは、電極間で測定された電気量情報および慣性測定ユニットから受信した配向情報を使用して、液体貯蔵部分内に保持されている液体エアロゾル形成基体の量を定めるように構成される。一般に、電極間で測定される電気量は静電容量である。
【0192】
電気量測定値は、液体エアロゾル形成基体と接触する液体貯蔵部分の側壁の表面積の分率または割合に関連する。一部の実施形態では、制御システムは、電気量測定値を使用して、液体貯蔵部分の側壁の湿らされた表面積を定めうる。
【0193】
一部の実施形態では、制御システムは、比較によって液体貯蔵部分内に保持されている液体エアロゾル形成基体の量を定めるように構成されうる。別の言い方をすると、制御システムは、基準配向情報、基準配向情報に関連付けられた基準電気量情報または湿らされた表面積情報、および基準電気量情報または湿らされた表面積情報に関連付けられた基準量情報を記憶する、ルックアップテーブルを含みうる。制御システムは、センサーから受信した配向情報を、基準配向情報と比較し、測定された電気量情報または決定された湿らされた表面積情報を、基準電気量情報または基準の湿らされた表面積情報と比較しうる。
【0194】
一部の実施形態では、液体貯蔵部分の湿らされた表面積と液体貯蔵部分内の液体の量との間の関係は、液体貯蔵部分が特定の配向にあるときの液体貯蔵部分について既知である。一般に、液体貯蔵部分が垂直な配向および水平な配向にある時に関係が既知でありうる。既知の関係は、制御システムが、液体貯蔵部分が既知の配向のうち一つであると決定される時に、既知の関係を使用して、液体貯蔵部分内に保持されている液体エアロゾル形成基体の量を正確に定めうるように、制御システムのメモリーに記憶されうる。
【0195】
図8は、円筒形の液体貯蔵部分201について、液体エアロゾル形成基体と接触する液体貯蔵部分の側壁の正規化された表面積S(つまり、0は表面が液体によって被覆されていないことに対応し、1は表面すべてが液体によって被覆されることに他応する)と液体貯蔵部分内に保持されている正規化された液体エアロゾル形成基体の量(つまり、0は液体貯蔵部分の液体が空であることに対応し、1は液体貯蔵部分が液体で満たされていることに対応する)との間の二つの例示的な既知の関係を示している。
【0196】
図8に示すように、液体貯蔵部分が垂直な配向252にある時、湿らせた表面積と液体貯蔵部分内の液体の量との間の関係は実質的に直線状である。これは、液体貯蔵部分の断面が液体貯蔵部分の中心長軸方向軸に沿って均一であるためである。
【0197】
また、
図8に示すように、液体貯蔵部分が水平な波高254である時、湿らせた表面積と液体貯蔵部分内の液体の量との間の関係は直線状ではない。
【0198】
液体貯蔵部分が非垂直な配向および非水平な配向にある時、液体貯蔵部分の側壁の濡らされた表面積と液体貯蔵部分内の液体の量との間の関係は、
図8のグラフの領域256内にある。
図10a~
図10dおよび
図11a~11bは、非垂直かつ非水平に傾斜または傾いた配向の液体貯蔵部分200を示す。これらの場合について、液体貯蔵部分の側壁の湿らされた表面積と液体貯蔵部分内に保持されている液体エアロゾル形成基体の量との間の関係は、
図8のグラフの領域256内にある。これらの場合についての関係は、制御システムには未知であり、制御システムによって記憶されない場合がある。
【0199】
制御システムは、液体貯蔵部分が非垂直かつ非水平な配向にあるときに、液体貯蔵部分内に保持されている液体エアロゾル形成基体の量を概算するように構成されうる。特に、制御システムは、液体貯蔵部分に保持されている液体エアロゾル形成基体の量を過少評価するように構成されうる。例えば、非垂直かつ非水平な場合について、湿らされた表面積が最大の湿らされた表面積の半分未満であると決定される場合、制御システムは、水平な配向の場合に関連付けられた量を使用するように構成されてもよく、また、湿らされた表面積が最大の湿らされた表面積の半分よりも大きいと決定される場合、制御システムは、垂直な配向の場合に関連付けられた量を使用するように構成されてもよい。制御システムは、液体貯蔵部分が垂直な配向または水平な配向に戻る時に、過少評価された概算量値を補正するように構成されうる。
【0200】
一実施形態では、制御システムは、液体貯蔵部分内に保持されている液体エアロゾル形成基体の容積Vを算出するように構成される。
【0201】
制御システムは、一対の相互嵌合された電極間の電気量を測定し、液体貯蔵部分の側壁の湿らされた表面積Sを定める。制御システムはまた、慣性測定ユニットから配向情報を受信し、受信した配向情報からの液体貯蔵部分の傾き角度θを定める。当然のことながら、制御システムは、液体貯蔵部分に対する傾き角度として任意の適切な角度を画定しうる。しかし、これらの実施形態では、制御システムは、液体貯蔵部分の垂直軸と長軸方向軸との間の角度となる傾き角度θを画定する。
【0202】
制御システムは、液体貯蔵部分の傾き角度θ、液体貯蔵部分の側壁の湿らされた表面積S、および液体貯蔵部分の長さLおよび半径rなどの液体貯蔵部分の既知の寸法を使用して、液体貯蔵部分内に保持されている液体エアロゾル形成基体の容積Vを算出するように構成される。
【0203】
液体エアロゾル形成基体の容積Vを正確に算出できるように、制御システムが液体貯蔵部分内の液体エアロゾル形成基体の形状を定めることが必要である。上述のように、液体エアロゾル形成基体によって形成される形状は、液体貯蔵部分の傾き角度θに依存する。複数の基準配向値θriが、制御システム内に記憶される。基準配向値θriは、その範囲内における液体エアロゾル形成基体の形状が既知である、特定の傾き角度および傾き角度の範囲を画定する。制御システムは、センサーから受信した配向情報から決定された傾き角度θを、記憶した基準配向値θriと比較して、液体エアロゾル形成基体が既知の形状にあるかどうかを定めるように構成される。いくつかの例示的な既知の形状の式を以下に提供する。
【0204】
図9aおよび9bは、直立で、垂直な配向の液体貯蔵部分200を示す。この配向において、液体貯蔵部分の傾き角度θは0であり、液体エアロゾル形成基体は、半径rおよび高さhを有する円筒を形成する。制御システムは、0の第一の基準配向値θr1を記憶する。液体エアロゾル形成基体は、液体貯蔵部分を180°倒立した場合にも円筒を形成し、そのため制御システムは180°の第二の基準配向値θr2を記憶する。
【0205】
決定された傾き角度θが、第一の基準配向値θr1、または第二の基準配向値θr2に一致する場合、制御システムは、液体エアロゾル形成基体が円筒を形成すると決定する。液体エアロゾル形成基体の円筒の半径rは、液体貯蔵部分の半径であるため、既知の値である。液体エアロゾル形成基体の円筒の側壁の表面積Sも、一対の電極間の電気量の測定値から既知である。従って、液体エアロゾル形成基体の円筒の高さhは、式1を使用して算出される:
【数1】
液体エアロゾル形成基体の円筒の容積Vは、式1を使用して円筒の高さhを決定することによって、あるいは、式1を、式2に示す円筒の容積Vの式に投入することによって算出されうる。
【数2】
【0206】
液体エアロゾル形成基体の円筒の最大表面積Smaxおよび最大容積Vmaxは、シリンダーの最大表面積および最大容積が液体貯蔵部分の表面積および容積と等しいために既知の値であり、液体エアロゾル形成基体の円筒の高さhは液体貯蔵部分の長さLに等しい。液体貯蔵部分が液体エアロゾル形成基体で満たされているとき、液体エアロゾル形成基体と接触する液体貯蔵部分の側壁の表面積Sは、液体貯蔵部分の配向に関係なく最大値Smaxで一定であるべきである。したがって、制御システムは、液体エアロゾル形成基体の傾き角度および形状を定める前に、決定された表面積Sを、最大表面積Smaxと比較するように構成される。決定された表面積Sが最大表面積Smaxに等しい場合、制御システムは、液体貯蔵部分が液体エアロゾル形成基体で満たされていると決定する。
【0207】
制御システムが、液体貯蔵部分が満たされておらず、かつ垂直な配向にないと決定する場合、制御システムは決定された傾き角度θを、さらなる基準配向値と比較して、液体エアロゾル形成基体の形状を定める。
【0208】
図9cおよび9dは、水平な配向の液体貯蔵部分200を示す。この配向において、液体貯蔵部分の傾き角度θは90°または270°のいずれかである。制御システムは、90°の第三の基準配向値θr3および270°の第四の基準配向値θr4を記憶する。決定された傾き角度θが第三の基準配向値θr3または第四の基準配向値θr4と一致する場合、制御システムは、液体エアロゾル形成基体が水平な円筒形セグメントを形成すると決定する。
【0209】
制御システムが、液体エアロゾル形成基体が水平な円筒形セグメントを形成すると決定する場合、制御システムは、水平な円筒形セグメントの容積を算出することによって、液体貯蔵部分内の液体エアロゾル形成基体の容積Vを算出する。水平な円筒形セグメントの側壁の表面積Sの式を式3に示す:
【数3】
式3は、一つの未知な値、円筒形セグメントの角度αを含む。水平なセグメントの容積Vの式は、同一の未知の値、角度αを含む。水平なセグメントの容積Vを算出するために、式3を用いて角度αを算出し、水平なセグメントの容積Vの式に投入してもよく、あるいは、式3を、式4に示す容積Vの式に代入して、式から角度αを除去してもよい。
【数4】
【0210】
一部の実施形態では、制御システムは、液体貯蔵部分が垂直な配向および水平な配向にあると判定されるときにのみ、液体貯蔵部分内に保持されている液体エアロゾル形成基体の容積を定めるように構成されてもよい。
【0211】
本発明の一部の実施形態では、制御システムは、液体貯蔵部分が別の、非垂直な配向および非水平な配向にあるときに液体エアロゾル形成基体の容積を定めるように構成される。
【0212】
液体貯蔵部分が特定の傾き角度θにある時、液体エアロゾル形成基体は、
図10aおよび10bに示す通り、円筒くさび形を形成しうる。液体貯蔵部分内に保持されている液体エアロゾル形成基体の容積Vに関係なく、液体エアロゾル形成基体が液体貯蔵部分内に円筒くさび形を形成する最大傾き角度θr5がある。最大傾き角度θr5は、円筒くさび形の高さhが液体貯蔵部分の長さLに等しい角度である。
【0213】
円筒くさび形の高さhは、式5によって与えられる:
【数5】
最大角θr5は、式6に示す通り、式5を用いて定められうる。
【数6】
【0214】
式6は、弦の端まで延びる半径と、そこからくさび形の高さhが測定されるベース上の点まで延びる半径との間のくさび形のベースにおける角度φの、一つの未知の値を含む。
【0215】
式5を用いて、角度φを算出しうる。式5は、高さh、および弦の端まで延びる半径と、そこからくさび形の高さhが測定されるベース上の点まで延びる半径との間のくさび形のベースの角度φの、二つの未知の値を含む。くさび形の側壁の表面積を算出するための式は、式5と同一の未知の値、高さhおよび角度φを含む。したがって、式7に示すように、式5を、表面積Sを算出する式に導入して、未知の値hまたはφのいずれかを見つける。
【数7】
【0216】
最大角θr5を定めるために、式7を用いて角度φを算出して式6に投入する、あるいは、式7を式6に代入して式6から未知の角度φを除去してもよい。
【0217】
制御システムは、液体貯蔵部分の傾き角度θを、第五の基準配向値、角度θr5と比較して、液体エアロゾル形成基体が円筒くさび形の形態にあるかどうかを定めるように構成されうる。制御システムが、液体貯蔵部分の傾き角度θが最大角θr5以下であると判定する場合、制御システムは、液体エアロゾル形成基体が円筒くさび形を形成すると判定し、そして、液体貯蔵部分内の液体エアロゾル形成基体の容積Vを円筒くさび形の容積として算出する。
【0218】
円筒くさび形の容積Vを算出するための式は、式5と同一の二つの未知の値、高さhおよび角度φ、および円筒くさび形の容積Vの、三つの未知の値を含む。式5を、式8に示す、円筒くさび形の容積Vを算出するための式に導入しうる。
【数8】
【0219】
式8は、二つの未知の値、容積Vおよび角度φを含む。円筒くさび形の容積Vを定めるために、式7を用いて角度φを定め、φを式8に投入してもよく、あるいは、式7を式8に導入して未知の角度φを除去してもよい。
【0220】
制御システムが、液体貯蔵部分の傾き角度θが第五の基準配向値θ r5よりも大きいと決定する場合、制御システムは、液体エアロゾル形成基体が円筒くさび形を形成しないと決定し、傾き角度θを、その他の基準配向と比較して、液体エアロゾル形成基体の形状を定めうる。
【0221】
特定のその他の傾き角度θでは、
図10cおよび10dに示す通り、液体エアロゾル形成基体は液体貯蔵部分内に円筒形のセグメントを形成する。液体エアロゾル形成基体は、液体貯蔵部分内の液体エアロゾル形成基体の容積Vに関係なく、液体貯蔵部分の傾き角度θが二つの角度θr6およびθr7未満であるときに円筒形のセグメントを形成しうる。円筒形のセグメントは、一つの側における最小高さh1と、反対側における最大高さh2の、二つの高さを有する。第一の角度θr6は、セグメントの最小高さh1が0に等しい角度である。第二の角度θr7は、最大高さh2が液体貯蔵部分の長さLに等しい角度である。
【0222】
角度θr6、θr7は、式9に示すように、円筒形セグメントの最小高さh1および最大高さh2と、液体貯蔵部分の傾き角度θとの間の関係を用いて算出されうる。
【数9】
【0223】
式9は、二つの未知の値、高さh1およびh2を含む。円筒形セグメントの側壁の表面積Sを算出するための式は、式10に示すように、式9と同一の二つの未知の値、高さh1およびh2を含む。
【数10】
【0224】
式9を式10に代入して、未知の高さh2、h1のいずれかを除去しうる。第一の角度θr6を算出するために、式11に示すように、式9を式10に代入して、最大高さh2を除去しうる。
【数11】
【0225】
次に、第一の角度θr6が、式12に示すように、式11において最小高さh1を0に設定することで計算されうる。
【数12】
【0226】
第二の角度θr7は、式9を式10に代入して最小高さh1を除去し、式13に示すように、最大高さh2を液体貯蔵部分の長さLに設定することで算出されうる。
【数13】
【0227】
制御システムは、液体貯蔵部分の傾き角度を第六の基準配向値 θr6および第七の基準配向値θr7と比較して、液体エアロゾル形成基体が円筒形セグメントの形態であるかどうかを決定するように構成される。制御システムが、液体貯蔵部分の傾き角度θが第六の基準配向値θr6および第七の基準配向値θr7未満であると決定する場合、制御システムは、液体エアロゾル形成基体が円筒形セグメントを形成すると決定し、液体貯蔵部分内の液体エアロゾル形成基体の容積Vを円筒形セグメントの容積として算出する。
【0228】
円筒形セグメントの容積Vを算出するための式は、式10と同一の二つの未知な値、高さ1およびh2を含む。高さh1およびh2は、式9における円筒形セグメントの容積Vを算出するための式と同一の関係にある。したがって、式9を、円筒形セグメントの体積Vの式に代入して、式14に示すように、未知の高さ、h1およびh2を除去しうる。
【数14】
【0229】
式14は、液体エアロゾル形成基体が垂直な配向にある時の円筒の容積と同一の式(式2)を用いて算出されうる、液体エアロゾル形成基体の円筒形セグメントの容積Vを示す。
【0230】
制御システムが、液体貯蔵部分の傾き角度θが、第六の基準配向値θr6および第七の基準配向値θr7より大きいと決定する場合、制御システムは、液体エアロゾル形成基体が円筒形のセグメントを形成しないと決定し、傾き角度θを、その他の基準配向と比較して、液体エアロゾル形成基体の形状を定めうる。
【0231】
制御システムは、液体エアロゾル形成基体が円筒、円筒形のセグメントまたは円筒くさび形を形成しない、追加的な事例についての液体エアロゾル形成基体の容積を定めるように構成されうる。こうした事例の例を
図11aおよび11bに示す。ただし、一般的には、制御システムは、液体エアロゾル形成基体の形状をこれらの追加的な事例における上述の既知の形状に近似させるように構成される。制御システムが液体エアロゾル形成基体の形状を近似させるように構成されている場合、制御システムは、液体貯蔵部分内に保持されている液体エアロゾル形成基体の容積を過少評価するように構成される。
【0232】
一般に、制御システムは、オンされた後および毎回の吸煙後にオンされた直後に、液体貯蔵部分内の液体エアロゾル形成基体の容積を定めるように構成される。制御システムが、吸煙の開始または吸煙後に液体エアロゾル形成基体の形状を近似させる必要がある場合、制御システムは、次に液体貯蔵部分が安定した垂直または水平な配向にあると決定される推定を更新するように構成されうる。
【0233】
図12aおよび12bは、本発明の別の実施形態によるカートリッジ200を示す。
図12aおよび12bに示すカートリッジ200は、
図2~4に示すカートリッジ200と実質的に同一であり、一対の電極521、522を含む相互嵌合されたセンサー500を含む。一対の電極521、522は相互嵌合された電極ではなく、むしろ液体貯蔵部分の一部分が一対の電極521、522の対の間に配置されるように、ハウジング204の液体貯蔵部分201の両側に配置されるプレート電極である。
【0234】
電極521、522それぞれは、ハウジング204の長さに延びる湾曲したプレートを備え、容器204の周囲の約半分を囲む。そのため、第一の一対の電極521、522は、実質的に液体貯蔵部分201を囲み、実質的に液体貯蔵部分201の全体は、一対の電極521と522との間に配置される。実際に、一対の電極521、522はコンデンサーを形成し、液体貯蔵部分201はコンデンサーの誘電体を形成する。
【0235】
プレート電極521、522は、液体貯蔵部分の側壁の湿らされた表面積を測定せず、むしろ電極間の液体貯蔵部分201の平均的な電気的性質を測定する。そのため、液体貯蔵部分内に保持されている液体エアロゾル形成基体の形状は、プレート電極521、522を用いて定められなくてもよい。
【0236】
図13は、本発明による制御システムのための例示的な構成を示す。
図13に示す構成は、センサーから受信した配向情報および液体貯蔵部分内に保持されている液体エアロゾル形成基体の決定された量を用いて、エアロゾル発生手段に供給される電力を制御する。
【0237】
液体貯蔵部分が液体エアロゾル形成基体で満たされていないとき、および液体貯蔵部分が直立な配向にないときには、エアロゾル形成基体は、芯またはエアロゾル発生手段と完全には接触していない。これらの場合、エアロゾル発生手段は、全出力で動作して許容可能なエアロゾルを発生させるために十分な液体エアロゾル形成基体の供給を受けない場合がある。これらの条件は「乾燥」状態と呼ばれうる。液体貯蔵部分内に保持されている液体エアロゾル形成基体の量の変化および液体貯蔵部分の配向の変化に起因する、液体エアロゾル形成基体のエアロゾル発生手段への供給の変化を補正するために、制御システムは、液体貯蔵部分内に保持されている液体エアロゾル形成基体の決定された配向および量に基づいて、エアロゾル発生手段に供給される電力を制御または調整するように構成されうる。
【0238】
図13を参照すると、制御システムは、901で、センサーから配向情報を受信し、第一の工程902で、制御システムは、センサーからの配向情報を使用して、液体貯蔵部分が倒立または逆さまであるために、重力が液体貯蔵部分内の液体エアロゾル形成基体をエアロゾル発生手段から離して引き出しうるどうかを決定する。
【0239】
制御システムが、液体貯蔵部分が逆さまであると決定する場合、制御システムは、903で、電力がエアロゾル発生手段に供給されることを防止または阻止する。これにより、エアロゾル発生システムが「乾燥」状態で逆さまで動作することを防止または阻止しうる。
【0240】
制御システムが、第二の工程904で液体貯蔵部分が倒立または逆さまではないと決定される場合、制御システムは、液体貯蔵部分内に保持されている液体エアロゾル形成基体の量を定める。制御システムは、振動測定信号を一対の電極に供給して、液体エアロゾル形成基体と接触する液体貯蔵部分の側壁の表面積を定め、そして、制御システムは、配向情報および決定された表面積情報を使用して、液体貯蔵部分内に保持されている液体エアロゾル形成基体の量を定める。
【0241】
第三の工程905では、制御システムは、液体貯蔵部分内に保持されている液体エアロゾル形成基体の決定された量が液体貯蔵部分の最大容積の50%未満であるかどうかを決定する(つまり、制御システムが、半量の液体エアロゾル形成基体未満であるかどうかを決定する)。
【0242】
制御システムが、液体貯蔵部分が全量の液体貯蔵部分の少なくとも50%であると決定する場合、第四の工程906で、制御システムは、受信した配向情報を使用して、液体貯蔵部分が直立な配向の90°内であるかどうかを定決定する。
【0243】
制御システムが、液体貯蔵部分が90°未満の直立な配向にあると決定する場合、制御システムは907で、全出力をエアロゾル発生手段に供給する。別の方法として、制御システムが、液体貯蔵部分が直立な配向に対して90°、または直立な配向に対して90°以上にあると決定する場合に、制御システムは908でエアロゾル発生手段への電力供給を調整する。一般に、制御システムは、全出力未満をエアロゾル発生手段に供給する。電力の減少は、液体エアロゾル形成基体で充填された液体貯蔵部分の決定された割合に比例する。別の言い方をすると、液体貯蔵部分内に保持されている液体エアロゾル形成基体の量が少ないほど、エアロゾル発生手段に供給される電力が少なくなる。
【0244】
第三の工程905に戻り、制御システムが、第五の工程909で液体貯蔵部分が全量の液体エアロゾル形成基体の50%未満であると判定すると、制御システムは、受信した配向情報を使用して、液体貯蔵部分が直立な配向に対して135°より大きいと定める。
【0245】
制御システムが、液体貯蔵部分が直立な配向に対して135°より大きいと判定すると、制御システムは、910で、エアロゾル発生手段への電力供給を防止する。これは、エアロゾル発生手段が「乾燥」状態で動作することを防止する必要がある。別の方法として、制御システムが、液体貯蔵部分が直立な配向に対して135°以下であると決定する場合、第六の工程911で、制御システムは、受信した配向情報を使用して、液体貯蔵部分が直立な配向に対して45°よりも大きいかどうかを決定する。
【0246】
制御システムが、液体貯蔵部分が直立な配向に対して45°よりも大きいと決定する場合、制御システムは、上記工程908に記載するように、912でエアロゾル発生手段への電力供給を調整する。別の言い方をすると、制御システムは、全出力未満の電力をエアロゾル発生手段に供給し、液体貯蔵部分の定められれた分率充填に比例した量だけ電力供給を減少させる。別の方法として、制御システムが、直立な配向に対して45°、または、直立な方向に対して45°よりも大きいと決定する場合、第七の工程913で、制御システムは決定された量を使用して、一度の完全な吸煙のために十分な液体エアロゾル形成基体が液体貯蔵部分内に保持されているかどうかを決定する。
【0247】
制御システムが、一回の完全な吸煙のために液体貯蔵部分内に十分な量の液体エアロゾル形成基体が保持されていると決定すると、制御システムは914で全出力をヒーターに供給する。別の方法として、制御システムが、一回の完全な吸煙のために十分な量の液体エアロゾル形成基体が保持されていないと決定する場合、制御システムは915で、エアロゾル発生手段への電力供給を防止し、これにより、エアロゾル発生システムが乾燥状態で動作することを防止する。
【0248】
図14は、本発明による別の例示的なエアロゾル発生システムの概略図である。
図14は事実上、概略的であり、図示された構成要素は、個々にもあるいは相互に相対的にも必然的に等尺度ではない。エアロゾル発生システムは、好ましくは使い捨てであるカートリッジ1200と協働する、好ましくは再使用可能である主要ユニット1100を備える。
図14に示すエアロゾル発生システムは、電気的に作動する喫煙システムである。
【0249】
主要ユニット1100はハウジング1101を備える。ハウジング1101は、実質的に環状の円筒形であり、約70mmの長軸方向の長さおよび約20mmの外径を有する。
【0250】
主要ユニット1100は、ハウジング1101内に収容された、リチウムリン酸イオン電池1102の形態の電力供給源と、制御電子回路1104の形態の制御システムとを備える。制御電子回路1104は、マイクロフォン形態の吸煙センサー1106、作動すると主要ユニット1100が作動したことを示すLED1108、および、本発明による慣性測定ユニット1110の形態のセンサーとを備え、これについては以下により詳細に説明する。吸煙センサー1106、LED1108および慣性測定ユニット1110はすべて、主要ユニット1100のハウジング1101内に収容されるプリント回路基板に実装される。慣性測定ユニットは、主要ユニット1100の長軸方向の中心線上に、これと整列して配置される。
【0251】
主要ユニット1100のハウジング1101は、カートリッジ1200を受けるように構成された端1112を備える。
【0252】
カートリッジ1200はハウジング1203を備える。カートリッジ1200のハウジング1203は、実質的に環状の円筒形であり、約30mmの長軸方向の長さおよび約20mmの外径を有する。カートリッジ1200は、出口1224を含むマウスピース部分1220を含む。マウスピース部分1220および出口1224の反対側のカートリッジ1200の端は、主要ユニット1100の端1212によって受けられるように構成される。この実施形態では、カートリッジ1200の端は、カートリッジ1200および主要ユニット1100を取り外し可能なように固定するために、主要ユニットの端1212の溝(図示せず)にスナップ嵌めするように構成されたリップ(図示せず)を備える。一つ以上の空気吸込み口1222は、マウスピース部分1220と反対側の端との間に提供される。
【0253】
カートリッジ1200が主要ユニット1100に受けられてこれと係合するとき、主要ユニット1100およびカートリッジ1200は、約100mmの長さを有する概して環状の円筒形ユニットを形成する。
【0254】
カートリッジハウジング1203の内側において、剛直なハウジング1204は、液体貯蔵部分1201を画定する。液体貯蔵部分1201は実質的に環状の円筒形であり、カートリッジ1200の中心長軸方向軸上にあり、かつこれと整列される中心長手方向軸を有する。カートリッジ1200が主要ユニット1100に受けられ、これと係合するとき、カートリッジ1200、液体貯蔵部分1201および主要ユニット1100は、共通の長手方向軸を共有する。
【0255】
液体貯蔵部分1201は、液体エアロゾル形成基体1202を収容する。液体貯蔵部分1201のハウジング1204は流体不浸透性であるが、浸透性のサメッシュ要素1205により覆われた開端部を有する。メッシュ要素1205はカートリッジハウジング204の円形開端部にかかる。メッシュ要素1205は、ステンレス鋼で形成された金属製メッシュを含む。エアロゾル形成基体1202はメッシュの間隙内にメニスカスを形成できる。
【0256】
主要ユニットの制御電子回路1104は、主要ユニット1100の受け入れ端1112から延びる電極(図示せず)をさらに備える。カートリッジ1200が主要ユニット1100の端1112上に受けられるとき、制御電子回路1104の電極は、カートリッジ1200のメッシュ要素1205に接触する。電極は、メッシュ要素1205を主要ユニット1100の電源1102に電気的に接続し、電力をメッシュ要素1205に供給して、抵抗加熱を介してメッシュを加熱することを可能にする。電源1102からメッシュ要素1205への電力供給は、制御電子回路1104によって制御される。
【0257】
使用時に、ユーザーはカートリッジ1200のマウスピース部分1220で吸煙して、空気をカートリッジ1200のハウジング1203の空気吸込み口1222を通してマウスピース部分1220へと引き出し、出口1224からユーザーの口に出す。ユーザーがマウスピース部分で吸煙すると、小さな空気の流れもハウジング1101のセンサー入口1121を通って主要ユニット1100に引き出され、マイクロフォン1106を通過し、主要ユニット1100の端1112の入口1122を介してカートリッジ1200に、そしてカートリッジ1200のマウスピース部分1220にまで引き出される。吸煙がマイクロフォン1106によって検出されると、制御電子回路104は、電源1102からカートリッジ1200のメッシュ要素1205へ、電極(図示せず)を介して電力を供給する。メッシュ要素1205は抵抗加熱の結果として加熱され、そのメッシュ要素1205に近いエアロゾル形成基体1202を気化するのに十分な温度に達する。気化されたエアロゾル形成基体1205は空気吸込み口1222から空気出口1224への空気の流れに混入され、ユーザーの口に入る前に冷めてマウスピース部分1220の内部でエアロゾルを形成する。制御電子回路1104は、吸煙が検出されると、電力をメッシュ要素1205に所定の持続期間(この例では五秒間)にわたり供給し、その後、新しい吸煙が検出されるまで電流がオフになる。
【0258】
一部の実施形態では、主要ユニットは、視覚、触覚または可聴表示をユーザーに提供するための表示手段を備える。通常、表示手段は、主要ユニットのハウジングに取り付けられたLEDの形態である。制御システムは、様々なとき、例えば、液体貯蔵部分が水平な配向にあると決定されるとき、液体貯蔵部分が非水平な配向にあると定められるとき、および、液体エアロゾル形成基体の決定された量が閾値以下であると決定されるときに、ユーザーに表示を提供するように構成されうる。一部の実施形態では、主要ユニットは、液体エアロゾル形成基体の量が閾値以下であると決定すると、さらなるエアロゾル発生を防止しうる。
【0259】
当然のことながら、一つの実施形態において上述される特徴は、その他の実施形態に提供されてもよい。特に、カートリッジに関連して説明した特徴は、主要ユニットに提供されてもよく、主要ユニットに関連する特徴はカートリッジ内に提供されうる。当然のことながら、液体貯蔵部分は任意のその他の適切な形状を有しうる。上記の例では、液体貯蔵部分は実質的に環状の円筒形であるが、その他の実施形態では、液体貯蔵部分は長方形の立方体または卵形を形成しうる。当然のことながら、その他の実施形態では、カートリッジはカートリッジではなくてもよく、むしろカートリッジおよび主要ユニットは単一ユニット内に一体的に形成されうる。
【手続補正書】
【提出日】2023-01-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生システムであって、
液体エアロゾル形成基体を保持するための液体貯蔵部分と、
前記液体貯蔵部分に隣接して、またはその中に配置される一対の電極と、
前記液体貯蔵部分の配向および前記液体貯蔵部分の加速を感知するように構成されたセンサーと、
前記一対の電極間の電気量を測定し、
前記センサーから配向情報を受信し、
前記一対の電極間で測定された電気量情報および前記センサーから受信した前記配向情報に基づいて、前記液体貯蔵部分内に保持されている液体エアロゾル形成基体の量を決定するように構成される制御システムと、を備える、エアロゾル発生システム。
【請求項2】
前記液体貯蔵部分が長さを有し、前記一対の電極が前記液体貯蔵部分の前記長さに沿って延在する、請求項1に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項3】
前記液体貯蔵部分が長さを有し、前記一対の電極が実質的に前記液体貯蔵部分の前記長さに延在する、請求項1または請求項2に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項4】
前記一対の電極が前記液体貯蔵部分を実質的に囲む、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項5】
前記一対の電極が、前記液体貯蔵部分を実質的に囲む管状スリーブを形成する、請求項1~4のいずれか一項に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項6】
前記制御システムが、前記センサーから受信した前記配向情報に基づいて、前記液体貯蔵部分内に保持されている前記液体エアロゾル形成基体の量を決定することを防止するようにさらに構成される、請求項1~5のいずれか一項に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項7】
前記センサーが、前記液体貯蔵部分の線加速度を検出するように構成された一つ以上の加速度計を備える、請求項1~6のいずれか一項に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項8】
前記センサーが、前記液体貯蔵部分の角速度を感知するように構成された一つ以上のジャイロスコープを備える、請求項1~7のいずれか一項のエアロゾル発生システム。
【請求項9】
前記センサーが慣性測定ユニットである、請求項1~8のいずれか一項に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項10】
前記制御システムが、
前記センサーから加速情報を受信し、
前記液体貯蔵部分が実質的に静止または実質的に一定の速度で移動している安定した状態、前記液体貯蔵部分が加速を受けている不安定な状態、のいずれか一つにあるかどうかを、前記センサーから受信した前記加速情報に基づいて、決定するようにさらに構成される、請求項1~9のいずれか一項に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項11】
前記制御システムが、
前記センサーから受信した加速情報を、一つ以上の加速閾値と比較し、
前記受信した加速情報が前記一つ以上の加速閾値未満である場合に前記液体貯蔵部分が安定した状態にあると決定し、
前記受信した加速情報が前記一つ以上の加速閾値よりも大きい場合に前記液体貯蔵部分が不安定な状態にあると決定するように構成される、請求項10に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項12】
前記制御システムが、
前記液体貯蔵部分が安定した状態にあると決定されるときに、前記液体貯蔵部分内に保持されている前記液体エアロゾル形成基体の量を決定し、
前記液体貯蔵部分が不安定な状態にあると決定されるときに、前記液体貯蔵部分内に保持されている前記液体エアロゾル形成基体の量を決定することを防止するように構成される、請求項10または11に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項13】
前記液体貯蔵部分が、前記液体エアロゾル形成基体を保持するためのハウジングと、前記ハウジングの表面の一部の上に延在する一対の電極とを備える、請求項1~12のいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
【請求項14】
前記液体貯蔵部分の前記ハウジングが、二つの対向する端と、前記対向する端の間に延在する少なくとも一つの側壁と、を備え、
前記一対の電極が、実質的に前記液体貯蔵部分の前記ハウジングの前記一つ以上の側壁上に延在する、請求項13に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項15】
前記一対の電極が相互嵌合された電極である、請求項1~14のいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
【請求項16】
前記一対の電極が、前記液体貯蔵部分の少なくとも一部分が前記一対の電極間に配置されるように、前記液体貯蔵部分の前記ハウジング上に配置される、請求項13に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項17】
前記システムが、
前記液体貯蔵部分から液体エアロゾル形成基体を受けるように配置された、エアロゾル発生手段と、
前記エアロゾル発生手段に電力を供給するように配置された一つ以上の電力供給源と、をさらに備え、
前記制御システムが、前記液体貯蔵部分の前記決定された配向に基づいて、前記一つ以上の電力供給源から前記エアロゾル発生手段への電力供給を制御するようにさらに構成される、請求項1~16のいずれかに記載のエアロゾル発生システム。