(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023031039
(43)【公開日】2023-03-08
(54)【発明の名称】駐車情報提供システム
(51)【国際特許分類】
G07B 15/00 20110101AFI20230301BHJP
【FI】
G07B15/00 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021136508
(22)【出願日】2021-08-24
(71)【出願人】
【識別番号】000002082
【氏名又は名称】スズキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100107319
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【氏名又は名称】有原 幸一
(72)【発明者】
【氏名】中西 徹洋
【テーマコード(参考)】
3E127
【Fターム(参考)】
3E127AA18
3E127BA06
3E127BA11
3E127CA17
3E127CA18
3E127CA25
3E127CA35
3E127CA48
3E127CA52
3E127CA59
3E127EA04
3E127EA18
3E127FA27
3E127FB06
(57)【要約】
【課題】駐車場の利用者に対し、上記駐車場の利用状況に関する情報を適切なタイミングで提供する。
【解決手段】駐車情報提供システムは、所定の区域における車両の駐車開始時刻に関する情報を受信する受信部と、前記車両の駐車料金を計算する計算部と、前記駐車料金の情報を前記車両の利用者の端末へ送信する送信部とを備え、第1のタイミングにおいて(S113)前記端末の表示部に前記駐車料金の情報が表示(S132)される。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の区域における車両の駐車開始時刻に関する情報を受信する受信部と、
前記車両の駐車料金を計算する計算部と、
前記駐車料金の情報を前記車両の利用者の端末へ送信する送信部と
を備え、
第1のタイミングにおいて前記端末の表示部に前記駐車料金の情報が表示される、
駐車情報提供システム。
【請求項2】
前記第1のタイミングが、前記利用者の端末が前記所定の区域内から前記所定の区域外へと移動したタイミングである、請求項1に記載の駐車情報提供システム。
【請求項3】
さらに第2のタイミングにおいて前記端末の表示部に前記駐車料金の情報が表示され、
前記第2のタイミングが、前記車両の駐車開始時刻以降であって前記車両がイグニッションオンとなったタイミングである、請求項1又は2に記載の駐車情報提供システム。
【請求項4】
さらに第3のタイミングにおいて前記端末の表示部に前記駐車料金の情報が表示され、
前記第3のタイミングが、前記車両の駐車開始時刻以降であって前記車両が前記駐車料金の精算所から所定の範囲内に進入したタイミングである、請求項1又は2に記載の駐車情報提供システム。
【請求項5】
前記所定の区域に前記車両が駐車しているときに、前記車両の表示装置に、前記所定の区域における駐車利用規約と広告と駐車場所との少なくともいずれかに関するメッセージが表示される、請求項1~4のいずれか一項に記載の駐車情報提供システム。
【請求項6】
前記利用者が前記所定の区域内から前記所定の区域外へと移動したのち、前記所定の区域外から前記所定の区域内へと移動したときには、前記メッセージの表示が行われない、請求項5に記載の駐車情報提供システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は駐車情報提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、駐車区間の利用料金を携帯端末において管理精算するシステムであって、駐車区間に設けられた、該駐車区間を識別するIDを、携帯端末によるID取得が可能になるように格納をするID格納手段と、上記携帯端末からの依頼を受信して、上記駐車区間の駐車開始又は/及び駐車終了の記録をする記録手段と、上記携帯端末に設けられた、上記ID取得をトリガーとして該IDに係る駐車区間に係る依頼を上記記録手段へ送信する依頼手段と、上記IDに関連付けて記憶された料金テーブルと、該料金テーブルと上記記録とを参照して利用料金を精算する、上記携帯端末に設けられた精算手段と、を含むシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
駐車場の利用者にとって、上記駐車場の利用状況に関する情報を適切なタイミングで確認できるようにすることが求められている。
【0005】
本発明は、駐車場の利用者に対し、上記駐車場の利用状況に関する情報を適切なタイミングで提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る駐車情報提供システムは、所定の区域における車両の駐車開始時刻に関する情報を受信する受信部と、前記車両の駐車料金を計算する計算部と、前記駐車料金の情報を前記車両の利用者の端末へ送信する送信部とを備える。第1のタイミングにおいて前記端末の表示部に前記駐車料金の情報が表示される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、駐車場の利用者に対し、上記駐車場の利用状況に関する情報を適切なタイミングで提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】路肩通信装置の構成を示すブロック図である。
【
図5】管理機能サーバーの構成を示すブロック図である。
【
図7】駐車情報提供システムにおいて行われる第1の処理の流れを示すフローチャートである。
【
図8】駐車情報提供システムにおいて行われる第2の処理の流れを示すフローチャートである。
【
図9】駐車情報提供システムにおいて行われる第3の処理の流れを示すフローチャートである。
【
図10】駐車情報提供システムにおいて行われる第4の処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。ただし、本発明は、以下に説明する実施の形態によって限定されるものではない。
【0010】
図1に駐車情報提供システムSを示す。駐車情報提供システムSは、ある施設(ショッピングモールなど)の駐車場に設置された路肩通信装置1と、上記駐車場を利用する車両2と、車両2の乗員の携帯端末3とを備えている。駐車情報提供システムSはさらに、上記施設の管理機能サーバー4と、上記施設にある店舗のPOS端末5とを備えている。
【0011】
路肩通信装置1と管理機能サーバー4とは、互いに通信できるように通信ネットワークにより接続される。また、管理機能サーバー4とPOS端末5とは、互いに通信できるように通信ネットワークにより接続される。車両2に設置された車載器は路肩通信装置1と通信できるように構成されている。携帯端末3は、その携帯端末3の現在位置に応じて路肩通信装置1と車両2内の車載器とPOS端末5との少なくともいずれかと通信できるように構成されている。
【0012】
管理機能サーバー4が外部クラウド等にある場合、路肩通信装置1にセルラー用のSIMカードを入れて管理機能サーバー4と直接に通信してもよいし、または路肩通信装置1が店舗のLAN等に有線又は無線で接続し、店舗のインターネット回線を通じて管理機能サーバー4と通信してもよい。
管理機能サーバー4が店舗内のネットワークにある場合、路肩通信装置1は、店側のLAN等に有線又は無線で接続することにより、管理機能サーバー4と通信することができる。
【0013】
管理機能サーバー4が外部クラウド等にある場合、POS端末5にセルラー用のSIMカードを入れて管理機能サーバー4と直接に通信してもよいし、またはPOS端末5が店舗のLAN等に有線又は無線で接続し、店舗のインターネット回線を通じて管理機能サーバー4と通信してもよい。
管理機能サーバー4が店舗内のネットワークにある場合、POS端末5は、店側のLAN等に有線又は無線で接続することにより、管理機能サーバー4と通信することができる。
【0014】
車両2に設置された車載器は、標準装備される無線規格を通じて路肩通信装置1と通信することができる。この無線規格の例として、802.11pなどの車車間通信、路車間通信に用いられる無線wifi規格が考えられる。屋外利用可能であれば他のwifiでもbluetoothでもよい。
【0015】
携帯端末3は、車載器を介さずに路肩通信装置1と直接、通信する場合は、携帯端末3に標準装備される通信規格を通じて路肩通信装置1と通信することができる。あるいは、wifi、bluetoothによる接続でもよい。
【0016】
車載器と携帯端末3とは、携帯端末に標準装備される通信規格を通じて通信することができる。あるいは、wifi、bluetooth(登録商標)による接続でもよい。
【0017】
携帯端末3とPOS端末5とは、携帯端末3の画面上に表示されたQRコード(登録商標)等をPOS端末5に読み込ませることにより、通信することができる。
【0018】
図2に示すように、路肩通信装置1は、車両2内の車載器、携帯端末3及び管理機能サーバー4との通信を行う通信部11と、上記駐車場に車両が接近したことを検知する車両接近検知部12と、カメラ13と、制御部14とを備えている。なお、路肩通信装置はRSU(roadside unit)とも呼ばれる。
【0019】
図3に示すように、車両2内の車載器2aは、制御部21と、乗員向けの情報を表示するとともに乗員による入力を受け付けるタッチパネル22と、路肩通信装置1及び携帯端末3との通信を行う通信部23とを備えている。
【0020】
図4に示すように、携帯端末3は、制御部31と、携帯端末3の利用者向けの情報を表示するとともに利用者による入力を受け付けるタッチパネル32と、路肩通信装置1、車載器2a及びPOS端末5との通信を行う通信部33とを備えている。
【0021】
図5に示すように、管理機能サーバー4は、機能部41と通信部42とを備えている。機能部41は、ユーザープローブ情報を検知する機能と、車両情報を管理する機能と、ユーザーを管理する機能と、ポイントを付与する機能と、上記駐車場を管理する機能と、駐車料金を算定する機能とを有する。通信部42は、路肩通信装置1及びPOS端末5との通信を行う。
【0022】
図6に示すように、POS端末5は、機能部51と通信部52とタッチパネル53とを有する。機能部51は、駐車券の情報を読み取る機能と、ユーザーインタフェース(UI)を表示するとともにユーザーの操作を受け付ける機能と、決済機能とを有する。通信部52は、管理機能サーバー4及び携帯端末3との通信を行う。タッチパネル53には、ユーザインタフェースが表示される。
【0023】
路肩通信装置1と車載器2aと携帯端末3と管理機能サーバー4とPOS端末5とはいずれも、コンピュータハードウェアとして、演算処理装置と記憶装置と外部通信用のインターフェースとを備えている。
【0024】
図7に、駐車情報提供システムSにおいて行われる第1の処理のフローを示す。
ステップS111において、路肩通信装置1の車両接近検知部12は、所定の区域内に車両2が進入したことを検知する。続いてステップS121が行われる。
上記所定の区域は、管理機能サーバー4において事前に設定されており、管理機能サーバー4から路肩通信装置1へ予め通知されている。そして、路肩通信装置1内の通信部11は、上記所定の区域に関する情報を常に発信している。車載器2a内の通信部23が上記所定の区域に関する情報を受信し、車両2の位置が上記所定の区域内であると車載器2a内の制御部21が判定したときに、車載器2a内の通信部23はその判定結果を路肩通信装置1に返す。このようにしてステップS111が行われる。
あるいは、路肩通信装置1内の制御部14が上記所定の区域を捉えたカメラ13の映像を解析することを通じて、ステップS111が行われるようにしてもよい。
ステップS121において、路肩通信装置1は、車載器2aに対して駐車意思の確認メッセージを送る。車載器2aは、当該確認メッセージを車載器2aとリンクされた携帯端末3に仲介するが、この確認メッセージは携帯端末3ではなく車載器2aのタッチパネル22に表示される。車載器2aのタッチパネル22は携帯端末3のタッチパネル32に比べて大きく、かつドライバーにとって車載器2aのタッチパネル22への視線変更は、携帯端末3のタッチパネル32への視線変更よりも少ないため、安全性に配慮することができる。
同ステップにおいて、駐車意思があるとの入力が車載器2にされた場合にはステップS131が行われ、さもなければ再びステップS111が行われる。
ステップS131において、端末3は、車載器2aとの通信を通じて、ドライバーに駐車意思があることを認識する。続いてステップS112が行われる。
ステップS112において、端末3は、ドライバーに駐車意思があることを路肩通信装置1へ通知する。この通知には、以下の情報が含まれる。
(1)ユーザーID: ユーザー(ドライバー)の同定のため。
(2)同乗者ID: 同乗者の購入・来場ポイントをユーザーの購入・来場ポイントと組み合わせて、駐車料金などを控除するため。
(3)車両ID: ユーザーの購入・来場ポイントを加味した駐車料金計算をするため。
(4)携帯端末3のmacアドレス: 来店情報を店側で検知するための識別子として。
さらに、車両2が停車し、シフトポジションがパーキングポジションとなったタイミングで、車載器2aは路肩通信装置1に車両2が駐車状態にある旨を通知する。路肩通信装置1の制御部14は、この通知を受信した時刻を駐車開始時刻として保存する。
路肩通信装置1は、駐車している車両2の駐車料金を、上記駐車開始時刻から現在までの時間に応じて定期的に計算する。このとき、車両2のドライバー及び同乗者による上記施設での買い物などによる割引をも考慮して駐車料金を計算することができる。
【0025】
上記施設内の各店舗にはWiFiなど無線通信装置が設けられている。一般的に、無線通信装置はプローブリクエストとして端末固有のID(macアドレス)を送信している。各店舗の無線通信装置は、ステップS112にて受信されたmacアドレスをプローブリクエストとして受信した場合、来店ポイントとしてそのユーザーのアカウントに加算する。
【0026】
ユーザーが購入をしようとする場合、当該携帯端末3の決済機能、または連携可能なその他スマホ支払機能にて決済を行い、ユーザーIDと紐付けてPOS端末及び管理機能サーバーに認識させる。その他の支払方法が選択された場合、すなわちクレジットカードや現金で支払いが行われる場合、携帯端末3の表示部に駐車券を表示させ、POS端末5がその駐車券を読み取ること、あるいはPOS端末5に設けられている通信装置と連携して、ユーザーIDを携帯端末3からPOS端末5へ送信することで、購入情報とユーザーとが紐付けられる。
【0027】
ステップS112に続くステップS113において、路肩通信装置1は、現時点が第1のタイミングであるかどうかを判定する。現時点が第1のタイミングであると判定された場合にはステップS132が行われ、さもなければ再びステップS112が行われる。
ステップS132において、携帯端末3内の制御部31は、駐車情報(駐車料金)を携帯端末3のタッチパネル32に表示させる。
【0028】
ステップS113における「第1のタイミング」とは、携帯端末3が前記所定の区域内から前記所定の区域外へと移動したタイミングとすることができる。
車両2の駐車の意志がタッチパネル22を通じて車両2の乗員により制御部21に入力された場合、端末3は路肩通信装置1又は管理機能サーバー4から所定の区域に関する情報を受信する。端末3はGPS機能などの位置特定機能を有しており、端末3は自己の位置が所定の区域内であるのか所定の区域外であるのかを判定することができる。この判定により「第1のタイミング」が特定される。
【0029】
図8に、駐車情報提供システムSにおいて行われる第2の処理のフローを示す。この処理は、ステップS121にて車両2が駐車したと判定されてから、車両2が駐車場を出るまで継続して行われる。
ステップS201において、車両が所定の区域外に存在するかどうか(車両が所定の区域外に出たかどうか)を判定する。車両が所定の区域外に存在すると判定された場合には続いてステップS202が行われ、さもなければステップS203が行われる。
ステップS202においては、全ての処理が終了する。すなわち、車両が施設外に出たことから、車載器と携帯端末とのすべての制御が終了する。また、路肩通信装置も当該車両及び当該端末等への料金の演算等の制御を終了する。
ステップS203においては、車両が所定の区域内であるとして、リターン処理を行う。すなわち、
図7のいずれかのステップ(そのときに応じたステップ)へのリターン処理が行われる。あるいは、後述する
図9及び
図10のいずれかのステップへのリターン処理が行われる。
【0030】
図9に、駐車情報提供システムSにおいて行われる第3の処理のフローを示す。
図7と同じステップには同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
ステップS111が行われたのち、ステップS121及びS331が行われる。
ステップS121が行われたのち、ステップS131又はステップS111が行われる。
ステップS131が行われたのち、ステップS112が行われる。
ステップS112が行われたのち、ステップS333が行われる。
ステップS333において、端末3の位置が所定の区域外かどうかを端末3の制御部31が判定する。端末3の位置が所定の区域外であると判定された場合には続いてステップS334が行われ、さもなければ再びステップS112が行われる。
ステップS334において、端末3は、そのタッチパネル32に駐車情報を表示させる。続いてステップS335が行われる。
ステップS335において、端末3の位置が所定の区域内かどうかを端末3の制御部31が判定する。端末3の位置が所定の区域内であると判定された場合には続いてステップS346が行われ、さもなければ再びステップS334が行われる。
ステップS346において、車載器2aのタッチパネル22におけるメッセージの表示が禁止される。
【0031】
ステップS111に続くステップS331において、携帯端末3は、車両進入を検知したことの通知を路肩通信装置1から受信するとともに、同通知を車載器2aへ転送する。続いてステップS341が行われる。
ステップS341において、車載器2aのタッチパネル22にメッセージが表示される。このメッセージは、駐車意志の確認メッセージと、駐車場の規約及び料金設定に関するメッセージとを含む。
ステップS342において、車載器2aの制御部21は、車両2の駆動装置がオフ状態(イグニッションオフ)であるかどうかを判定する。車両2の駆動装置がオフ状態であると判定された場合にはステップS343が行われ、さもなければ再びステップS341が行われる。
ステップS343において、車載器2aのタッチパネル22は、メッセージの表示を停止する。
ステップS344において、車載器2aの制御部21は、車両2の駆動装置がオン状態(イグニッションオン)であるかどうかを判定する。車両2の駆動装置がオン状態であると判定された場合にはステップS345が行われ、さもなければ再びステップS343が行われる。
ステップS345において、車載器2aのタッチパネル22は、駐車情報告知メッセージの表示を行う。
【0032】
図10に、駐車情報提供システムSにおいて行われる第4の処理のフローを示す。
図7及び
図9と同じステップには同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
この第4の処理においては、ステップS343が行われたのち、第4の処理は終了する。
また、この第4の処理においては、ステップS335に続き、ステップS444が行われる。
ステップS444においては、車載器2aのタッチパネル22におけるメッセージの表示が禁止される。続いてステップS422が行われる。
ステップS422において、車載器2aの制御部21は、車両2の位置が上記駐車場の精算所付近かどうかを判定する。車両2の位置が上記駐車場の精算所付近であると判定された場合にはステップS445が行われ、さもなければ再びステップS444が行われる。
ステップS445では、車載器2aのタッチパネル22は、駐車情報告知メッセージの表示を行う。
【0033】
図7~
図10にフローチャートを示した。
図7は、駐車判定をして第1のタイミングを満足したときに駐車情報を告知する際のフロー(携帯開始条件)を示したものである。
図8は、駐車していた車両が所定の区域すなわち駐車場の外に出たときに処理を終了する際のフロー(全制御の終了条件)である。
図9は、駐車の判定をして所定の区域外にいるユーザーに駐車情報を告知し、所定の区域内に戻ってきたユーザーにメッセージ表示をやめる際のフロー(携帯開始条件及び終了条件)である。
図9はさらに、駐車後、イグニッションオフとなるまで車載器2aのタッチパネルにメッセージを表示し、再びイグニッションオンとなったときに車載器2aのタッチパネルに駐車情報を表示する際のフロー(車両表示開始条件)を示している。
図10は、駐車の判定をして所定の区域外にいるユーザーに駐車情報を告知し、所定の区域に戻ってきたユーザーにメッセージ表示をやめる際のフロー(携帯開始条件、終了条件)である。
図10はさらに、駐車後、イグニッションオフとなるまでに車載器2aのタッチパネルにメッセージを表示し、再びイグニッションオンとなったときに駐車情報を表示するフロー(車両表示開始条件)を示している。加えて
図10は、駐車場を出ようとする車両が精算所に近づいたときに駐車情報を告知する際のフロー(車両開始条件)も示している。
つまり、以下の3つのパターンがある。
・
図7のパターン
・
図9のパターン(
図7よりも詳細なフローである。再度のイグニッションオンにより駐車情報告知メッセージが表示される。)
・
図10のパターン(精算所付近にて駐車情報が告知される)
なお、
図8のフローは、車両が駐車場のある上記施設から外へ出るときを想定したすべての終了条件である。
【0034】
図7に示した実施形態によれば、適切なタイミング(第1のタイミング)で、利用料金(駐車料金および駐車場の店舗で利用・購入した料金)をドライバーに告知することができる。
アプリケーション装置が携帯である場合などには、車両の走行中などにドライバー告知するとドライバーにとっては危険となる。これを踏まえ、上記実施形態では、車両を駐車してからドライバーは逐次変わる利用料金を確認し続けることができる。
所定の区域は、路肩通信機により設定され、例えば駐車場の敷地とすることができる。
第1のタイミングは、乗員が所定の区域内から区域外へ出たときとすることができる。あるいは、第1のタイミングを、車両2のシフトポジションがパーキングとなったタイミング、イグニッションオフのタイミング、イグニッションオフから所定の時間が経過したタイミングとしてもよい。
第1のタイミングの判断は、端末側で行っても路肩通信装置側で行ってもよい。
【0035】
所定の区域(駐車場)などから乗員が出たときから、乗員は料金を確認できる。なお、乗員が車両と共に所定の区域から出た場合は除く。
ドライバーは必要な時には確認でき、駐車場内の車外に出てから不必要な時にはまず確認できないので、行きに関して駐車場内で料金確認することにより他の利用者の邪魔をするようなことがない。
【0036】
車載器のタッチパネル=カーナビ等には駐車して再度発進する再イグニッションオンのタイミングで告知することで、必要なときのみ表示できるようにして、イグニッションオフされる前に表示されるようにすると煩わしさが生じるため、それを払拭できる。
料金表示は自動、表示するボタンを押すなどのドライバーの選択によるものの両方が考えられ、エンジン始動前のIGon状態で携帯電話を確認することなくすぐに料金確認できる。
予め精算準備ができるようになる。
【0037】
精算所近くになると自動で料金表示されるため、料金および精算所付近であることが確認できる。携帯ではなく車載器のタッチパネル=カーナビに表示されるため、比較的安全に料金確認できる。
【0038】
駐車場や店舗の情報を駐車場にいる間に確認することができる。
車載器のタッチパネルに表示されるため、走行していても比較的安全に料金確認できる。
【0039】
乗員が所定の区域などから出て再度入ってきたときには利用規約、広告、駐車場所の情報は不要として表示させないようにするため、帰りに不要な情報が表示される煩わしさを拭うことができる。
所定の区間内にいればイグニッションオフからイグニッションオンしても表示できるため、イグニッションオフして再確認したい場合にもそれらの情報を確認可能である。
駐車場から車両が出てまた入る場合などはメッセージの表示が必要になる。そのため、車両が区間外に出てから再び入る場合は、表示できる。
【0040】
図7~
図10に示した実施形態によれば、以下のような効果が得られる。
・路肩通信装置1を経由した通信により、インターネット網を介した通信データ量を削減することができる。
・管理機能サーバー4が上記施設の店舗内ネットワークにある場合、セルラー回線が不要であることにより、施設及びユーザーの両者にとって通信コストを削減することができる。なお、この場合、携帯端末3及び車載器2aは、路肩通信装置1又は店舗のwifiやbluetoothなどの無線通信を通して店舗内ネットワークに接続し、管理機能サーバー4と通信することになる。
また、駐車情報(駐車料金)の通知のタイミングにより以下の効果が得られる。
・車両情報から駐停車状態を判断されるため、駐車場への進入時からではなく駐車開始時点から料金算出を開始することができる。
・駐車場内での車両移動時間を料金算定対象から除外することができる。大規模な駐車場の場合、駐車場内での車両移動に比較的時間を要することを踏まえ、正味の駐車時間に応じた駐車料金の計算が可能である。
・車両停止時や特定範囲の場所の外に出たときなど、携帯端末での処理を必要最低限にとどめることができる。これは、携帯端末における電力消費量の削減にもつながる。
【0041】
駐車料金を計算する計算部は、路肩通信装置1の制御部14であってもよいし、管理機能サーバー4の機能部41であってもよい。
【0042】
これまでに説明した実施形態に関し、以下の付記を開示する。
[付記1]
所定の区域における車両の駐車開始時刻に関する情報を受信する受信部と、
前記車両の駐車料金を計算する計算部と、
前記駐車料金の情報を前記車両の利用者の端末へ送信する送信部と
を備え、
第1のタイミングにおいて前記端末の表示部に前記駐車料金の情報が表示される(
図7のステップS113及びS132、
図9及び
図10のステップS333及びS334)、
駐車情報提供システム。
[付記2]
前記第1のタイミングが、前記利用者の端末が前記所定の区域内から前記所定の区域外へと移動したタイミングである(
図9及び
図10のステップS131、S112及びS333)、付記1に記載の駐車情報提供システム。
[付記3]
さらに第2のタイミングにおいて前記端末の表示部に前記駐車料金の情報が表示され、
前記第2のタイミングが、前記車両の駐車開始時刻以降であって前記車両がイグニッションオンとなったタイミングである(
図9及び
図10のステップS342及びS343)、付記1又は2に記載の駐車情報提供システム。
[付記4]
さらに第3のタイミングにおいて前記端末の表示部に前記駐車料金の情報が表示され、
前記第3のタイミングが、前記車両の駐車開始時刻以降であって前記車両が前記駐車料金の精算所から所定の範囲内に進入したタイミングである(
図10のステップS422及びS445)、付記1又は2に記載の駐車情報提供システム。
[付記5]
前記所定の区域に前記車両が駐車しているときに、前記車両の表示装置に、前記所定の区域における駐車利用規約と広告と駐車場所との少なくともいずれかに関するメッセージが表示される(
図9及び
図10のステップS341)、付記1~4のいずれか一項に記載の駐車情報提供システム。
[付記6]
前記利用者が前記所定の区域内から前記所定の区域外へと移動したのち、前記所定の区域外から前記所定の区域内へと移動したときには、前記メッセージの表示が行われない(
図9のステップS333、S335及びS346、
図10のステップS333、S335及びS444)、付記5に記載の駐車情報提供システム。
【0043】
以上、本発明の実施の形態につき述べたが、本発明は既述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0044】
S 駐車情報提供システム
1 路肩通信装置
11 通信部
12 車両接近検知部
13 カメラ
14 制御部
2 車両
2a 車載器
21 制御部
22 タッチパネル
23 通信部
3 携帯端末
31 制御部
32 タッチパネル
33 通信部
4 管理機能サーバー
41 機能部
42 通信部
5 POS端末
51 機能部
52 通信部
53 タッチパネル