IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 沖電気工業株式会社の特許一覧

特開2023-32056情報処理端末、情報処理方法、プログラム、および自動取引装置
<>
  • 特開-情報処理端末、情報処理方法、プログラム、および自動取引装置 図1
  • 特開-情報処理端末、情報処理方法、プログラム、および自動取引装置 図2
  • 特開-情報処理端末、情報処理方法、プログラム、および自動取引装置 図3
  • 特開-情報処理端末、情報処理方法、プログラム、および自動取引装置 図4
  • 特開-情報処理端末、情報処理方法、プログラム、および自動取引装置 図5
  • 特開-情報処理端末、情報処理方法、プログラム、および自動取引装置 図6
  • 特開-情報処理端末、情報処理方法、プログラム、および自動取引装置 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023032056
(43)【公開日】2023-03-09
(54)【発明の名称】情報処理端末、情報処理方法、プログラム、および自動取引装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/40 20120101AFI20230302BHJP
【FI】
G06Q20/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021137931
(22)【出願日】2021-08-26
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140958
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137888
【弁理士】
【氏名又は名称】大山 夏子
(74)【代理人】
【識別番号】100190942
【弁理士】
【氏名又は名称】風間 竜司
(72)【発明者】
【氏名】▲吉▼岡 博之
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055AA73
(57)【要約】
【課題】顧客所有の情報処理端末における個人情報の入力操作の負担を軽減することを可能とする。
【解決手段】二次元コードから顧客の個人情報を取得する取得部と、入力が必要な登録事項のうち、前記取得部が取得した個人情報に対応する事項について、前記個人情報に基づいて入力する制御部と、を備える、情報処理端末。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次元コードから顧客の個人情報を取得する取得部と、
入力が必要な登録事項のうち、前記取得部が取得した個人情報に対応する事項について、前記個人情報に基づいて入力する制御部と、
を備える、情報処理端末。
【請求項2】
前記顧客の個人情報は、金融機関により管理される顧客の個人情報である、請求項1に記載の情報処理端末。
【請求項3】
前記顧客の個人情報は、前記顧客の口座番号を含む、請求項2に記載の情報処理端末。
【請求項4】
前記登録事項は、前記金融機関のサービスまたは前記金融機関と提携する事業者のサービスの利用者登録において入力が必要となる入力項目である、請求項2または3に記載の情報処理端末。
【請求項5】
前記情報処理端末は、さらに表示部を備え、
前記制御部は、前記表示部に表示される登録画面に含まれる各入力項目に、前記個人情報に基づいて入力する、請求項4に記載の情報処理端末。
【請求項6】
前記登録画面は、前記金融機関または前記金融機関と提供する事業者により提供されるアプリケーションが起動した際に呈示される、請求項5に記載の情報処理端末。
【請求項7】
前記取得部は、金融取引を行う自動取引装置の表示部に表示される前記二次元コードから、前記個人情報を取得する、請求項2~6のいずれか1項に記載の情報処理端末。
【請求項8】
前記二次元コードは、前記自動取引装置において前記顧客の本人認証が行われた上で表示される、請求項7に記載の情報処理端末。
【請求項9】
前記取得部は、前記金融機関のコールセンタにおいて前記顧客の本人認証の手続きが行われた上で前記金融機関から発行される前記二次元コードから、前記個人情報を取得する、請求項2~6のいずれか1項に記載の情報処理端末。
【請求項10】
プロセッサが、
二次元コードから顧客の個人情報を取得することと、
入力が必要な登録事項のうち、前記取得した個人情報に対応する事項について、前記個人情報に基づいて入力することと、
を含む、情報処理方法。
【請求項11】
コンピュータを、
二次元コードから顧客の個人情報を取得する取得部と、
入力が必要な登録事項のうち、前記取得部が取得した個人情報に対応する事項について、前記個人情報に基づいて入力する制御部と、
として機能させるための、プログラム。
【請求項12】
金融取引を行う自動取引装置であって、
表示部と、
顧客の情報処理端末において登録事項への入力に用いられる前記顧客の個人情報を格納する二次元コードを前記表示部に表示する制御部と、
を備える、自動取引装置。
【請求項13】
前記登録事項は、金融機関または前記金融機関と提携する事業者により提供されるアプリケーションの利用者登録の際に入力が必要となる登録事項である、請求項12に記載の自動取引装置。
【請求項14】
前記制御部は、前記アプリケーションのダウンロード用URLを格納する二次元コードを前記表示部に表示する、請求項13に記載の自動取引装置。
【請求項15】
前記制御部は、
前記登録事項への入力補助を行うためのボタンを前記表示部に表示し、
前記ボタンが前記顧客により選択された際に、前記顧客の個人情報を格納する二次元コードを表示する制御を行う、請求項12~14のいずれか1項に記載の自動取引装置。
【請求項16】
前記制御部は、さらに前記顧客の本人認証処理を行った上で、前記顧客の個人情報を格納する二次元コードを表示する制御を行う、請求項12~15のいずれか1項に記載の自動取引装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理端末、情報処理方法、プログラム、および自動取引装置に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、様々なサービスがスマートフォン等の個人の情報処理端末からインターネットを介して利用することができる。一例として、サービスを利用するための専用のアプリケーションが情報処理端末用に提供されている。このようなアプリケーションをダウンロードして新規に利用する場合、利用者の個人情報の入力が必要となる。
【0003】
ここで、新たに利用者登録する際の個人情報の入力に関し、例えば下記特許文献1では、金融機関のATM(automated teller machine)に銀行カード(キャッシュカード)を挿入し、認証することで、認証を済ませた口座情報を使用してサーバ側で金融機関と連携するサービスの利用者登録を行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-74974号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1では、登録処理後にログインをするための識別コードとパスワードがATMの画面に表示、もしくはATMから印刷出力される一方、スマートフォン等の顧客が所持する端末における登録のための操作を補助する点については考慮されていない。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、顧客所有の情報処理端末における個人情報の入力操作の負担を軽減することが可能な、新規かつ改良された情報処理端末、情報処理方法、プログラム、および自動取引装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、二次元コードから顧客の個人情報を取得する取得部と、入力が必要な登録事項のうち、前記取得部が取得した個人情報に対応する事項について、前記個人情報に基づいて入力する制御部と、を備える、情報処理端末が提供される。
【0008】
前記顧客の個人情報は、金融機関により管理される顧客の個人情報であってもよい。
【0009】
前記顧客の個人情報は、前記顧客の口座番号を含んでもよい。
【0010】
前記登録事項は、前記金融機関のサービスまたは前記金融機関と提携する事業者のサービスの利用者登録において入力が必要となる入力項目であってもよい。
【0011】
前記情報処理端末は、さらに表示部を備え、前記制御部は、前記表示部に表示される登録画面に含まれる各入力項目に、前記個人情報に基づいて入力してもよい。
【0012】
前記登録画面は、前記金融機関または前記金融機関と提供する事業者により提供されるアプリケーションが起動した際に呈示されてもよい。
【0013】
前記取得部は、金融取引を行う自動取引装置の表示部に表示される前記二次元コードから、前記個人情報を取得してもよい。
【0014】
前記二次元コードは、前記自動取引装置において前記顧客の本人認証が行われた上で表示されてもよい。
【0015】
前記取得部は、前記金融機関のコールセンタにおいて前記顧客の本人認証の手続きが行われた上で前記金融機関から発行される前記二次元コードから、前記個人情報を取得してもよい。
【0016】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、プロセッサが、二次元コードから顧客の個人情報を取得することと、入力が必要な登録事項のうち、前記取得した個人情報に対応する事項について、前記個人情報に基づいて入力することと、を含む、情報処理方法が提供される。
【0017】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、コンピュータを、二次元コードから顧客の個人情報を取得する取得部と、入力が必要な登録事項のうち、前記取得部が取得した個人情報に対応する事項について、前記個人情報に基づいて入力する制御部と、として機能させるための、プログラムが提供される。
【0018】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、金融取引を行う自動取引装置であって、表示部と、顧客の情報処理端末において登録事項への入力に用いられる前記顧客の個人情報を格納する二次元コードを前記表示部に表示する制御部と、を備える、自動取引装置が提供される。
【0019】
前記登録事項は、金融機関または前記金融機関と提携する事業者により提供されるアプリケーションの利用者登録の際に入力が必要となる登録事項であってもよい。
【0020】
前記制御部は、前記アプリケーションのダウンロード用URLを格納する二次元コードを前記表示部に表示してもよい。
【0021】
前記制御部は、前記登録事項への入力補助を行うためのボタンを前記表示部に表示し、前記ボタンが前記顧客により選択された際に、前記顧客の個人情報を格納する二次元コードを表示する制御を行ってもよい。
【0022】
前記制御部は、さらに前記顧客の本人認証処理を行った上で、前記顧客の個人情報を格納する二次元コードを表示する制御を行ってもよい。
【発明の効果】
【0023】
以上説明したように本発明によれば、顧客所有の情報処理端末における個人情報の入力操作の負担を軽減することを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本実施形態に係る情報処理システムの構成の一例を示す図である。
図2】本実施形態に係る自動取引装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図3】本実施形態に係る顧客端末の機能構成例を示すブロック図である。
図4】本実施形態に係る登録処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図5】本実施形態の変形例によるシステム構成について説明する図である。
図6】本実施形態の変形例による本実施形態による登録処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図7】本実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0026】
<1.概要>
本発明の実施形態は、主に、情報処理端末を用いて新規に利用者登録する際の操作負担を軽減する仕組みについて説明する。
【0027】
従来の技術では、スマートフォン等の情報処理端末を用いて新規の利用者登録を行う際、個人情報の入力の手間がかかるため途中で止めてしまうケースが多く、新規登録者数が伸びない要因となっていた。また、口座番号等、不明な項目があると断念してしまうケースもあった。
【0028】
そこで、本発明は、上記事情に鑑み、顧客所有の情報処理端末における個人情報の入力操作の負担を軽減することを可能とするシステムを提案する。
【0029】
図1は、本発明の実施形態による情報処理システムの構成の一例を示す図である。図1に示すように、本実施形態に係る情報処理システムは、自動取引装置10と、情報処理端末の一例である顧客端末20と、勘定系サーバ30と、を含む。自動取引装置10は、現金の入金や出金等、顧客の操作に従って各種金融取引を行う装置である。自動取引装置10は、例えば銀行または証券会社等の金融機関やコンビニエンスストア、駅等に設置されている。また、自動取引装置10は、専用通信網40を介して金融機関の勘定系サーバ30と通信接続してデータの送受信を行い、各種金融取引を実行し得る。勘定系サーバ30は、顧客の氏名、口座情報、住所、電話番号等、顧客の個人情報を管理し、各種金融取引といった勘定処理を実行する。
【0030】
本実施形態では、自動取引装置10と通信接続する勘定系サーバ30で扱われる個人情報を用いて、顧客端末20における個人情報の入力項目の削減を実現する。
【0031】
具体的には、例えば顧客が自動取引装置10を操作して金融取引を行っている際に、待ち時間等を利用して自動取引装置10により所定のサービスへの新規登録を顧客に促し、さらに顧客端末20を用いた新規登録における個人情報の入力操作の負担を軽減する。自動取引装置10の顧客操作側(表側)には、図1に示すように、操作表示部110、カード挿入排出口120a、通帳挿入口122a、紙幣入出金口140a、および硬貨入出金口150aが設けられている。
カード挿入排出口120aは、顧客の磁気カードやICカードを挿入および排出するための開口部である。通帳挿入口122aは、顧客の通帳を挿入および排出するための開口部である。紙幣入出金口140aは、顧客による紙幣の入金口、および顧客への紙幣の出金口としての機能を有する。硬貨入出金口150aは、顧客による硬貨の入金口、および顧客への硬貨の出金口としての機能を有する。なお、図1に示すこれらの配置は一例であって、本実施形態はこれに限定されない。また、これらのうち少なくとも一部、例えば通帳挿入口122aおよび硬貨入出金口150aが設けられていなくてもよい。また、自動取引装置10は、さらに他の構成を有していてもよい。例えば、自動取引装置10の顧客操作側には、取引の明細情報が印字されたレシートを排出するための開口部であるレシート排出口が設けられていてもよい。
【0032】
また、本実施形態による自動取引装置10は、初期画面あるいは金融取引を実行している際に発生し得る顧客の待ち時間に、所定のサービスへの新規登録を顧客に促す広告を操作表示部110に表示してもよい。これにより、サービスの存在を顧客に知らせることが可能となる。所定のサービスとは、例えば金融機関により提供されるサービスである。一例として、顧客端末20にダウンロードおよびインストールして利用するアプリケーションが挙げられる。かかるアプリケーション(以下、アプリとも称する)は、金融機関により提供され、顧客情報の確認、変更や、店舗での支払い(決済)、送金(アプリを介した個人間送金)、口座からの入出金等を行い得る。当該アプリケーションを利用する際には、まず利用者登録を行う必要があり、顧客は、アプリケーションにより呈示された登録画面において、個人情報の入力を行う。
【0033】
ここで、本実施形態では、自動取引装置10の操作表示部110に、勘定系サーバ30に記憶されていた顧客の個人情報が格納された二次元コード50を表示し、顧客端末20で読み取り、顧客端末20において自動的に顧客情報の入力を行うことで、顧客による個人情報入力の手間を削減することが可能となる。二次元コード50は、勘定系サーバ30により顧客の本人認証を行った上で表示することで、セキュリティが確保され得る。また、二次元コード50は、符号化情報の一例である。二次元コード50は、例えばQRコード(登録商標)であってもよい。
【0034】
以上、本実施形態に係るシステムの概要について説明した。続いて、本実施形態に係るシステムに含まれる各装置の具体的な構成について順次説明する。
【0035】
<2.構成例>
(2-1.自動取引装置10の構成例)
図2は、本実施形態による自動取引装置10の機能構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、自動取引装置10は、制御部100、操作表示部110、カードリーダ部120、通帳処理部122、通信部130、紙幣処理部140、硬貨処理部150、および記憶部160を有する。
【0036】
制御部100は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等を中心に構成されており、自動取引装置10の各機能部を制御して、各種の金融取引を実行する。具体的には、制御部100は、各金融取引の依頼を、通信部130から勘定系サーバ30に送信する。また、制御部100は、各種操作画面や通知画面、勘定系サーバ30から受信した情報を、操作表示部110に表示する制御を行う。
【0037】
操作表示部110は、操作の誘導画面を表示する表示部と、利用者が操作入力を行うための入力部としての機能を包含する。表示部としての機能は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ装置、液晶ディスプレイ(LCD)装置、OLED(Organic Light Emitting Diode)装置により実現される。また、入力部としての機能は、例えばタッチパネルにより実現される。なお、図1および図2では、表示部および入力部の機能が自動取引装置10において一体的に構成される例を示しているが、表示部および入力部の機能は分離して構成されてもよい。
【0038】
カードリーダ部120は、カード挿入排出口120a(図1参照)に挿入された磁気カードやICカードから、各種カードに書き込まれた情報を読み取る。各種カードに書き込まれる情報としては、例えば、顧客の識別情報(氏名、口座番号、生体情報(指紋や掌紋)等)が挙げられる。カードリーダ部120は、取引終了後、カードをカード挿入排出口120aから排出する。なお、自動取引装置10は、さらに、指紋や掌紋等の生体情報を光学的に読み取る生体読取部や、暗証番号を入力する暗証番号入力部(テンキー)を有していてもよい。
【0039】
通帳処理部122は、通帳挿入口122a(図1参照)に挿入された通帳(紙媒体)に添付された磁気テープから口座番号等を読み取ったり、取引の結果(入出金の内容)を通帳(紙媒体)に印字したりする。通帳処理部122は、取引終了後、通帳を通帳挿入口122aから排出する。
【0040】
読取部124は、レシート等の紙状媒体に印字された情報を光学的に読み取る機能を有する。紙状媒体に印字された情報は、上述したように一次元バーコードやQRコード(登録商標)といった符号化した情報により印字出力されている場合も想定され、例えば読取部124は、バーコードリーダにより実現されてもよい。
【0041】
通信部130は、例えば専用通信網40を介して、勘定系サーバ30とデータの送受信を行い得る。専用通信網40は、ネットワークの一例である。ネットワークに用いられる通信方式および回線の種類等は特に限定されない。例えば、ネットワークは、IP-VPN(Internet Protocol-Virtual Private Network)等の専用回線網で実現されてもよい。また、ネットワークは、インターネット、電話回線網、衛星通信網などの公衆回線網や、Ethernet(登録商標)を含む各種のLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等で実現されてもよい。さらに、各ネットワークは、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等の無線通信網で実現されてもよい。例えば通信部130は、カードや通帳から読み取った顧客の識別情報、入力された暗証番号、金融取引の依頼等を、勘定系サーバ30に送信する。
【0042】
紙幣処理部140は、紙幣入出金口140aから投入された紙幣の入金処理および紙幣入出金口140aへの紙幣の出金処理を行う。硬貨処理部150は、硬貨入出金口150aから投入された硬貨の入金処理および硬貨入出金口150aへの硬貨の出金処理を行う。
【0043】
記憶部160は、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)等から実現され、自動取引装置10の動作を制御するための制御プログラムや、表示情報等を格納する。また、記憶部160は、制御部100の制御に従って、自動取引装置10で行われた各取引内容を記憶してもよい。
【0044】
以上、本実施形態による自動取引装置10の機構構成の一例について説明した。なお、本実施形態による自動取引装置10の構成は、図2に示す例に限定されない。例えば、自動取引装置10は、通帳処理部122や、硬貨処理部150を有していなくともよい。
【0045】
(2-2.顧客端末20の構成例)
図3は、本実施形態による顧客端末20の機能構成の一例を示すブロック図である。図3に示すように、顧客端末20は、通信部210、制御部220、操作入力部230、カメラ240、表示部250、および記憶部260を有する。
【0046】
通信部210は、他の装置との間で情報の送受信を行う送信部および受信部としての機能を有する。
【0047】
制御部220は、顧客端末20に内蔵される、CPU(Central Processing Unit)、およびRAM(Random Access Memory)などのハードウェアを用いて、顧客端末20の動作を全般的に制御する。特に、本実施形態による制御部220は、図3に示したように、登録処理部221の機能を有する。
【0048】
登録処理部221は、新規の利用者登録における入力補助を行う。具体的には、登録処理部221は、入力が必要な登録事項のうち、外部から取得した顧客の個人情報に対応する事項について、取得した個人情報に基づいて自動的に入力する処理を行う。これにより、新規の利用者登録の際の顧客による入力負担の軽減を実現することができる。顧客の個人情報は、例えばカメラ240により、自動取引装置10の操作表示部110に表示される二次元コード50を撮像することで取得し得る。かかる二次元コード50には、上述したように、勘定系サーバ30から取得された顧客の個人情報が格納されている。登録処理部221は、カメラ240により撮像した二次元コード50の撮像画像を解析し、二次元コード50から個人情報を読み取る。
【0049】
また、「入力が必要な登録事項」とは、表示部250に表示される新規利用者の登録画面に含まれる各入力項目である。かかる登録画面は、例えばネットワーク上から顧客端末20にダウンロードおよびインストールした金融機関提供のアプリケーションにより呈示される画面であってもよい。登録処理部221は、金融機関提供のアプリケーションを利用する際に必要な登録事項の少なくとも一部を、取得した顧客(利用者本人)の個人情報に基づいて自動入力することで、顧客による入力の負担を軽減し得る。
【0050】
特にアプリケーションを提供する金融機関の勘定系サーバ30に記憶されている利用者本人である顧客の個人情報を用いることで、口座番号や支店番号、口座種別等の情報を登録事項(入力項目)に自動入力することができ、不明な項目を減らすことができる。また、勘定系サーバ30に登録済みの住所、電話番号、メールアドレス等も自動的に入力されるため、顧客の入力の手間が省かれる。住所変更等がある場合は、顧客(利用者本人)が、顧客端末20の操作入力部230を操作し、表示部250に表示される登録画面の入力項目に自動入力された旧住所を消して新たな住所を入力することも可能である。
【0051】
このように、金融機関の勘定系サーバ30と連携して自動取引装置10により顧客の個人情報を格納した二次元コード50を呈示することで、顧客端末20における金融機関提供のアプリケーション利用時の登録事項の入力の手間を軽減することが可能となり、新規登録者数の増加が期待できる。
【0052】
操作入力部230は、顧客が情報または指示を顧客端末20に入力するための操作部としての機能を有する。操作部としての機能は、表示部250に積層されるタッチパネルにより実現されてもよい。
【0053】
カメラ240は、撮像画像を取得する機能を有する。本実施形態によるカメラ240は、二次元コードを撮像し、撮像画像を制御部220に出力する。本実施形態によるカメラ240は、顧客の個人情報が格納された二次元コードを撮像することで個人情報を取得する取得部として機能し得る。
【0054】
表示部250は、多様な表示画面を表示する機能を有する。表示部250は、操作入力部230が積層されるタッチパネルディスプレイにより実現されてもよい。
【0055】
記憶部260は、制御部220の処理に関するデータ、制御部220の動作プログラムファイルなどの各種データを一時的あるいは永続的に記憶する機能を有する。また、記憶部260は、金融機関により提供されるアプリケーションや、表示画像データ、その他各種のデータを記憶する。
【0056】
以上、本実施形態による顧客端末20の機能構成例について説明した。顧客端末20は、例えばスマートフォン、タブレット端末、ウェアラブルデバイス等、任意のモバイル端末により実現される。
【0057】
<3.動作処理>
続いて、本実施形態による登録処理の流れについて図4を参照して説明する。図4は、本実施形態による登録処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【0058】
図4に示すように、まず、自動取引装置10の制御部100は、初期画面あるいは金融取引が行われている際の待ち時間等に、アプリの広告を操作表示部110に表示する(ステップS103)。本実施形態では、顧客が金融機関の自動取引装置10にキャッシュカードを挿入して現金の引き出しや送金、入金等、何らかの金融取引を行っている場合を想定し、その取引の合間や待ち時間に、同金融機関が提供しているアプリの広告を操作表示部110に表示することで、アプリの周知を図る。なお、「お得なキャンペーン中!今登録すると1000円分差し上げます。」等の特典情報を付してアプリの登録を顧客に促してもよい。また、自動取引装置10は、アプリダウンロード用の二次元コード(例えばQRコード)を操作表示部110に表示する。具体的には、アプリダウンロード用のURLが格納されたQRコードが表示され得る。
【0059】
次に、顧客端末20は、アプリの広告に興味を持った顧客の操作により、操作表示部110に表示されるQRコードをカメラ240で撮像し、制御部220によりQRコードからURLを読み取る(ステップS106)。
【0060】
次いで、顧客端末20の制御部220は、URLに基づいてネットワーク上からアプリをダウンロードし(ステップS109)、アプリの登録処理を開始する(ステップS112)。具体的には、顧客端末20にダウンロードおよびインストールしたアプリケーションを立ち上げ、アプリの利用開始のために必要な登録事項を入力するための画面である登録画面が表示部250に表示される。
【0061】
一方、自動取引装置10は、操作表示部110に表示した「登録サポート」ボタンの選択に応じて、本人認証のための暗証番号入力欄を表示する(ステップS115)。「登録サポート」ボタンは、本実施形態による登録事項の入力補助を行うためのボタンである。顧客は、アプリの登録事項入力補助を必要とする際に「登録サポート」ボタンをタップする。なお、ボタンの名称は特に限定しない。また、アプリの登録事項入力補助を必要とする際にタップするよう、操作表示部110やアプリの画面で案内表示を行ってもよい。暗証番号の入力は、キャッシュカードに対応付けられた暗証番号である。自動取引装置10から顧客の個人情報を出力する前に、顧客の本人認証を行うことでセキュリティを確保し得る。
【0062】
次に、自動取引装置10は、顧客に入力された暗証番号に基づいて、勘定系サーバ30とデータ通信を行い、顧客の本人認証処理を行う(ステップS118)。認証処理の詳細については特に限定しない。
【0063】
次いで、認証が成功した場合、自動取引装置10は、勘定系サーバ30で記憶されている顧客の個人情報が格納されたQRコードを操作表示部110に表示する(ステップS121)。かかるQRコードは、自動取引装置10が勘定系サーバ30から受信した情報に基づいて生成してもよいし、勘定系サーバ30において生成され自動取引装置10に送信されてもよい。
【0064】
続いて、顧客端末20は、カメラ240により、自動取引装置10の操作表示部110に表示されたQRコードの読み取りを行う(ステップS124)。
【0065】
次に、顧客端末20の登録処理部221は、QRコードから読み取った個人情報のうち、アプリの登録事項に対応する情報を自動入力する(ステップS127)。例えば、登録処理部221は、アプリにより呈示される登録画面に含まれる氏名入力欄、口座番号入力欄、支店番号入力欄、住所入力欄、電話番号入力欄等に、QRコードから読み取った個人情報のうちそれぞれ対応する情報を入力する。これにより、入力操作の手間が削減され、登録時における途中脱落者を削減し、アプリの利用者の増加が期待できる。また、金融機関側としては、自動取引装置の新たな用途として設置済みの自動取引装置を活用できる。
【0066】
次いで、顧客端末20は、アプリの画面において顧客により入力されたキャッシュカードの暗証暗号を勘定系サーバ30に送信し、勘定系サーバ30との間で本人認証処理を行う(ステップS130)。
【0067】
そして、本人認証が成功すると、顧客端末20においてアプリの登録処理が完了する(ステップS133)。
【0068】
以上、本実施形態による登録処理の流れの一例について説明した。なお、図4に示す処理は一例であって、本実施形態はこれに限定されない。また、上記ステップS127で自動入力された情報の修正(住所変更等)があった場合、修正後の情報が上記ステップS130で勘定系サーバ30に送信され、勘定系サーバ30で記憶する顧客の個人情報に反映されてもよい。
【0069】
なお、自動取引装置10は、金融機関の支店の他、コンビニエンスストアや駅等に設置される場合もある。このような自動取引装置10は、提携する複数の金融機関における金融取引を扱うことが可能である。この場合、自動取引装置10は、挿入されたキャッシュカードに基づいて、対応する金融機関提供のアプリの宣伝や、当該アプリのダウンロード用QRコードを表示することが可能である。
【0070】
<4.変形例>
次に、本実施形態の変形例について説明する。上述した実施形態では、自動取引装置10を用いて入力操作の負担軽減を行う場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、例えばコールセンタを利用して入力操作の負担軽減を行うことも可能である。コールセンタを利用することで、機械に不慣れで電話を好む高齢者等に対しても有用である。また、コールセンタのサービス拡大により、自動取引装置10を利用しない顧客層のアプリ利用者増加が期待できる。以下、図5および図6を参照して具体的に説明する。
【0071】
(4-1.システム構成)
図5は、本実施形態の変形例によるシステム構成について説明する図である。図5に示すように、まず、顧客が金融機関のコールセンタに電話をし、オペレータに「アプリを使いたい」旨を伝える。なお、顧客が何らかの金融取引のためにコールセンタに電話している際に、オペレータからアプリの案内を受け、アプリを使いたい意思が生じた場合であってもよい。顧客は、本人認証のためにオペレータにキャッシュカードの暗証番号を伝え、オペレータは操作端末60に暗証番号を入力する。そして、操作端末60と勘定系サーバ30との間でデータの送受信が行われ、勘定系サーバ30により本人認証処理が行われる。なお、ここではオペレータによる電話対応を例に挙げたが、本変形例はこれに限定されず、上述した電話対応が自動音声により行われてもよい。この場合、顧客は、案内に従って顧客端末20のテンキー画面から暗証番号を入力し得る。
【0072】
次いで、本人認証が成功すると、顧客の自宅に、アプリ登録用の二次元コードが郵送される。すなわち、アプリ登録用の二次元コードが金融機関から発行される。具体的には、二次元コードが印字された紙媒体が郵送される。オペレータは、後日郵送される案内に従ってアプリ登録を行うよう電話にて顧客に伝え、案内を終了する。なお、かかる二次元コードは、コールセンタの操作端末60から出力され、郵送準備の担当者に受け渡されてもよいし、操作端末60において「二次元コードの郵送要」の登録を行い、所定の担当者により郵送準備(二次元コードの印刷、郵送手配)が行われてもよい。このように金融機関から発行される二次元コードは、例えば、図5に示すように、アプリダウンロード用のURLが格納されるQRコード51aと、顧客の個人情報が格納されたQRコード51bが含まれる。
【0073】
そして、顧客は、顧客端末20によりQRコード51aを読み取り、表示されたURLを選択してアプリをダウンロードする。顧客端末20にダウンロードおよびインストールされたアプリは、起動した際に、登録画面を表示する。次いで、顧客は、顧客端末20によりQRコード51bを読み取り、読み取った個人情報のうち、登録事項に対応する情報を自動入力する処理を行う。これにより、顧客端末20における登録時の入力操作の手間を削減することが可能となる。そして、顧客端末20は、アプリの画面において顧客により入力されたキャッシュカードの暗証暗号を勘定系サーバ30に送信し、勘定系サーバ30との間で本人認証処理を行う。本人認証が成功すると、顧客端末20においてアプリの登録処理が完了する。
【0074】
(4-2.動作処理)
図6は、本実施形態の変形例による本実施形態による登録処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【0075】
図6に示すように、まず、コールセンタの操作端末60において、顧客の電話対応を行っているオペレータにより、顧客から聴取した暗証番号の入力が行われる(ステップS203)。
【0076】
次に、操作端末60は、勘定系サーバ30に暗証番号を送信し、勘定系サーバ30において顧客の本人認証が行われる(ステップS206)。顧客の個人情報を格納するQRコードの出力を行う前に、顧客の本人認証を行うことでセキュリティを確保し得る。
【0077】
次いで、操作端末60は、本人認証が成功して確認が取れた後、顧客に郵送するダウンロード用QRコードと個人情報を格納したQRコードを出力する(ステップS209)。かかる個人情報は、勘定系サーバ30で記憶されている顧客の個人情報である。個人情報を格納したQRコードは、勘定系サーバ30から受信した情報に基づいて操作端末60において生成されてもよい。または、勘定系サーバ30で生成されたQRコードが操作端末60に送信されてもよい。なお、これらのQRコードの出力は、操作端末60から、郵送作業担当者の操作端末に送信されてもよいし、操作端末60から管理サーバ(不図示)に送信されてもよい。また、操作端末60から「二次元コードの郵送要」の指示を管理サーバに対して行い、管理サーバにおいて、勘定系サーバ30から受信した情報に基づいて顧客の個人情報が格納されたQRコードを生成してもよい。特に方法は限定しないが、操作端末60と勘定系サーバ30との間のデータ通信により本人認証が取れた後、適宜生成されたQRコードを顧客の自宅に郵送する処理が行われ得る。
【0078】
一方、顧客は、郵送されたQRコード(紙媒体に印字されたQRコード)を顧客端末20により読み取り、アプリの登録処理を行う。具体的には、まず、顧客端末20は、QRコード51aをカメラ240で撮像し、制御部220によりQRコード51aからアプリダウンロード用のURLを読み取る(ステップS212)。
【0079】
次いで、顧客端末20の制御部220は、URLに基づいてネットワーク上からアプリをダウンロードし(ステップS215)、アプリの登録処理を開始する(ステップS218)。
【0080】
続いて、顧客端末20は、カメラ240により、事前に本人認証された顧客の個人情報が格納されたQRコード51bの読み取りを行う(ステップS221)。
【0081】
次に、顧客端末20の登録処理部221は、QRコード51bから読み取った個人情報のうち、アプリの登録事項に対応する情報を自動入力する(ステップS224)。例えば、登録処理部221は、アプリにより呈示される登録画面に含まれる氏名入力欄、口座番号入力欄、支店番号入力欄、住所入力欄、電話番号入力欄等に、QRコードから読み取った個人情報のうちそれぞれ対応する情報を入力する。これにより、入力操作の手間が削減される。また、さらには登録時における途中脱落者を削減し、アプリの利用者の増加が期待できる。
【0082】
次いで、顧客端末20は、アプリの画面において顧客により入力されたキャッシュカードの暗証暗号を勘定系サーバ30に送信し、勘定系サーバ30との間で本人認証処理を行う(ステップS227)。
【0083】
そして、本人認証が成功すると、顧客端末20においてアプリの登録処理が完了する(ステップS230)。
【0084】
以上、本実施形態による登録処理の流れの一例について説明した。なお、図6に示す処理は一例であって、本実施形態はこれに限定されない。また、上記ステップS224で自動入力された情報の修正(住所変更等)があった場合、修正後の情報が上記ステップS227で勘定系サーバ30に送信され、勘定系サーバ30で記憶する顧客の個人情報に反映されてもよい。
【0085】
なお、上述した応用例では、アプリダウンロード用のURLが格納されたQRコード51aと、本人認証された顧客の個人情報が格納されたQRコード51bとを用いる旨を説明したが、本応用例はこれに限定されない。例えば、1つのQRコードに、アプリダウンロード用のURLと、顧客の個人情報が格納されていてもよい。顧客端末20は、QRコードから読み取った情報のうち、まずはURLを表示してアプリのダウンロードを顧客(操作者)に促し、アプリの登録処理の段階で、同QRコードから読み取った顧客の個人情報の自動入力を行ってもよい。
【0086】
また、郵送されるQRコードが、アプリダウンロード用のURLを格納したQRコードのみであってもよい。顧客端末20は、QRコードから読み取ったURLによりアプリをダウンロードした後、アプリの登録処理の段階で、キャッシュカードの暗証番号の入力を顧客に促す。そして、顧客端末20は、入力された暗証番号を勘定系サーバ30に送信し、本人認証が取れた際に、勘定系サーバ30から顧客の個人情報を受信し、受信した個人情報をアプリの登録事項に自動入力してもよい。
【0087】
(4-3.応用)
さらに変形例の応用として、上記ステップS206の後に、郵送に代えてSMS(ショートメッセージサービス)を利用して勘定系サーバ30から顧客端末20にアプリダウンロード用のURLを送信してもよい。
【0088】
顧客端末20は、勘定系サーバ30から受信したショートメッセージに含まれるURLが顧客に選択されると、URLで接続した先からアプリをダウンロードする。次いで、顧客端末20は、ダウンロードしたアプリの登録処理の段階で、キャッシュカードの暗証番号の入力を顧客に促す。そして、顧客端末20は、入力された暗証番号を勘定系サーバ30に送信し、本人認証が取れた際に、勘定系サーバ30から顧客の個人情報を受信し、受信した個人情報をアプリの登録事項に自動入力してもよい。これにより、入力操作の手間が削減される。
【0089】
<5.ハードウェア構成例>
続いて、本実施形態に係る自動取引装置10および顧客端末20のハードウェア構成について説明する。上記の動作は、ソフトウェアと、以下に説明するハードウェアとの協働により実現される。
【0090】
図7は、本実施形態に係る情報処理装置900のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。情報処理装置900は、本実施形態による自動取引装置10または顧客端末20に適用されるハードウェア構成の一例である。
【0091】
情報処理装置900は、CPU(Central Processing Unit)901と、ROM(Read Only Memory)902と、RAM(Random Access Memory)903と、ホストバス904と、ブリッジ905と、外部バス906と、インタフェース907と、入力機器908と、出力機器909と、ストレージ機器910と、ドライブ911と、通信機器913と、を備える。
【0092】
CPU901は、演算処理装置および制御装置として機能し、各種プログラムに従って情報処理装置900内の動作全般を制御する。また、CPU901は、マイクロプロセッサであってもよい。ROM902は、CPU901が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する。RAM903は、CPU901の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を一時記憶する。これらはCPUバス等から構成されるホストバス904により相互に接続されている。CPU901、ROM902およびRAM903の協働により、自動取引装置10の制御部100や、顧客端末20の制御部220が実現される。
【0093】
ホストバス904は、ブリッジ905を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バス等の外部バス906に接続されている。なお、必ずしもホストバス904、ブリッジ905および外部バス906を分離構成する必要はなく、1つのバスにこれらの機能を実装してもよい。
【0094】
入力機器908は、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、スイッチまたはマイクロフォン等、操作者が情報を入力するための入力手段と、操作者による入力に基づいて入力信号を生成し、CPU901に出力する入力制御回路等から構成されている。情報処理装置900を操作する操作者は、この入力機器908を操作することにより、情報処理装置900に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりすることができる。入力機器908により、顧客端末20の操作入力部230が実現される。
【0095】
出力機器909は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ装置、液晶ディスプレイ(LCD)装置、OLED(Organic Light Emitting Diode)装置、ランプ等の表示装置およびスピーカ等の音声出力装置を含む。出力機器909により、顧客端末20の表示部250が実現される。
【0096】
ストレージ機器910は、データ格納用の機器である。ストレージ機器910は、記憶媒体、記憶媒体にデータを記録する記録装置、記憶媒体からデータを読み出す読出し装置および記憶媒体に記録されたデータを削除する削除装置等を含んでもよい。ストレージ機器910により、自動取引装置10の記憶部160や、顧客端末20の記憶部260が実現される。
【0097】
ドライブ911は、記憶媒体用リーダライタであり、情報処理装置900に外付けされる。ドライブ911は、装着される磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリ等のリムーバブル記憶媒体912に記録されている情報を読み出して、RAM903に出力する。また、ドライブ911は、リムーバブル記憶媒体912に情報を書き込むこともできる。
【0098】
通信機器913は、通信を行うための通信デバイス等で構成された通信インタフェースである。当該通信機器913により、自動取引装置10の通信部130や、顧客端末20の通信部210が実現される。
【0099】
なお、情報処理装置900のハードウェア構成は、図7に示す構成に限られない。例えば、情報処理装置900は、接続されている外部の通信デバイスを介して通信を行う場合には、通信機器913を備えていなくてもよい。また、情報処理装置900は、例えば、入力機器908または出力機器909等を備えなくてもよい。また、例えば、図7に示す構成の一部または全部は、1または2以上のIC(Integrated Circuit)で実現されてもよい。
【0100】
<6.補足>
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0101】
例えば、顧客端末20にダウンロードされるアプリケーション開発のためのSDK(Software Development Kit)を金融機関から提供することで、幅広い普及を目指してもよい。かかるSDKには、上述した登録処理部221の機能が含まれていてもよい。
【0102】
また、上述した実施形態および変形例では、本人認証に用いる情報として、キャッシュカードの暗証番号を挙げたが、これは一例であって、本発明はこれに限定されない。例えば、生体情報、他の暗証番号、所定の暗号鍵により暗号化された情報、一時的に顧客端末20に付与されるワンタイムパスコード等であってもよい。
【0103】
アプリケーションは、金融機関以外の事業者により提供されるソフトウェアであってもよい。事業者が金融機関と提携することで、事業者が提供するアプリケーションにおいても、金融機関で管理している顧客の個人情報を用いて登録時の入力補助を実現し得る。
【0104】
サービスの利用者登録時の入力補助は、アプリ上での新規登録時の入力に限られない。例えば、顧客端末20で閲覧しているWebサイトでの何らかのサービスの新規利用者登録時に、金融機関で管理している顧客の個人情報を用いて自動入力し、入力補助を実現してもよい。顧客端末20は、例えば自動取引装置10の操作表示部110に表示されるQRコードから読み取ったURLにより所定のWebサイトにアクセスし、登録処理を開始し得る。
【0105】
また、自動取引装置10や顧客端末20に内蔵されるCPU、ROM、およびRAM等のハードウェアに、自動取引装置10や顧客端末20の機能を発揮させるための1以上のコンピュータプログラムも作成可能である。また、当該1以上のコンピュータプログラムが記憶されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体も提供される。
【符号の説明】
【0106】
10 自動取引装置
100 制御部
110 操作表示部
120 カードリーダ部
122 通帳処理部
130 通信部
140 紙幣処理部
150 硬貨処理部
160 記憶部
20 顧客端末
210 通信部
220 制御部
230 操作入力
240 カメラ
250 表示部
260 記憶部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7