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特開2023-33316Rho関連コイルドコイル含有プロテインキナーゼの阻害剤
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023033316
(43)【公開日】2023-03-10
(54)【発明の名称】Rho関連コイルドコイル含有プロテインキナーゼの阻害剤
(51)【国際特許分類】
   C07D 231/56 20060101AFI20230303BHJP
   A61K 31/416 20060101ALI20230303BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20230303BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230303BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20230303BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20230303BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20230303BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20230303BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20230303BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20230303BHJP
   A61P 7/00 20060101ALI20230303BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20230303BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20230303BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20230303BHJP
   A61P 25/14 20060101ALI20230303BHJP
   A61P 25/16 20060101ALI20230303BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20230303BHJP
   A61P 21/02 20060101ALI20230303BHJP
   A61P 21/04 20060101ALI20230303BHJP
   A61P 27/06 20060101ALI20230303BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20230303BHJP
   C07D 401/12 20060101ALI20230303BHJP
   A61K 31/4709 20060101ALI20230303BHJP
   C07D 403/12 20060101ALI20230303BHJP
   A61K 31/454 20060101ALI20230303BHJP
   A61K 31/4439 20060101ALI20230303BHJP
【FI】
C07D231/56 Z CSP
A61K31/416
A61K9/20
A61P43/00 105
A61P11/00
A61P1/16
A61P9/00
A61P9/10 101
A61P9/10
A61P19/02
A61P1/04
A61P7/00
A61P17/00
A61P13/12
A61P25/00
A61P25/14
A61P25/16
A61P25/28
A61P21/02
A61P21/04
A61P27/06
A61P29/00
C07D401/12
A61K31/4709
C07D403/12
A61K31/454
A61K31/4439
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022204690
(22)【出願日】2022-12-21
(62)【分割の表示】P 2020502698の分割
【原出願日】2018-07-23
(31)【優先権主張番号】62/535,603
(32)【優先日】2017-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】513190449
【氏名又は名称】カドモン コーポレイション,リミティド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100150810
【弁理士】
【氏名又は名称】武居 良太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100166165
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 英直
(72)【発明者】
【氏名】エデュアーダス スキューカス
(72)【発明者】
【氏名】ケビン ジー.リウ
(72)【発明者】
【氏名】チ-イン キム
(72)【発明者】
【氏名】マシャ ブイ.ポユロフスキー
(72)【発明者】
【氏名】リゲン モ
(72)【発明者】
【氏名】チンヤー チャン
(57)【要約】
【課題】本発明は、ROCK1及び/またはROCK2の阻害剤の提供を課題とする。
【解決手段】疾患を処置するために有用な、ROCK1及び/またはROCK2を阻害する方法も提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iを有する化合物:
【化1】
[式中、
1は、低級アルキル、置換低級アルキル、C3~C6シクロアルキル、置換C3~C6シクロアルキル、R1011N(CR1213c-、R10O(CR1213c-、W(CR1213d-及びR1011N-C(=O)-(CR1213c-からなる群から選択され;
各R10は、H、低級アルキル、及びC3~C6シクロアルキルから独立に選択され;
各R11は、H、低級アルキル、及びC3~C6シクロアルキルから独立に選択され;
各R12は、H及び低級アルキルから独立に選択され;
各R13は、H及び低級アルキルから独立に選択され;
加えて、または別法では、同じ炭素原子に結合しているR12及びR13は一緒になって、C3~C6シクロアルキル基を形成していてもよく;
Wは、1~3個の環ヘテロ原子を有する3~7員の複素環式環であり;
cは、2~4であり;
dは、1~4であり;
2は、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、及びヘテロシクリルからなる群から選択され、これらはそれぞれ、非置換であっても、または任意選択で、ハロ、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、ニトロ、シアノ、C1~C3ペルフルオロアルキル、C1~C3ペルフルオロアルコキシ、カルボキシル、RR’N-、RR’NCO-、RCONH-、RCONR’-、RO2C-、アリール-O-及びヘテロアリール-O-からなる群から独立に選択される1~3個の置換基で置換されていてもよく;
別法では、R1及びR2は一緒になって、単環式基または二環式基を形成しており、その際、前記単環式基は、最高2個の環ヘテロ原子を含む4~7個の環原子を有し、前記二環式基は、最高3個の環ヘテロ原子を含む8~10個の環原子を有し、前記単環式基及び二環式基は、非置換であるか、または任意選択で、ハロ、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、C1~C3ペルフルオロアルキル、C1~C3ペルフルオロアルコキシ、カルボキシル、アリール及びヘテロアリールからなる群から独立に選択される1~3個の置換基で置換されており;
3は、H、低級アルキル、置換低級アルキル、及びRR’N-(C2~4アルキル)-から選択され;
4は、H、ハロ、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、ニトロ、シアノ、C1~C3ペルフルオロアルキル、C1~C3ペルフルオロアルコキシ、カルボキシル、RR’N-、RR’NCO-、RCONH-、RCONR’-、RR’N-(C2~4アルキル)-、及びRR’N-(C2~4アルキル)-O-からなる群から選択され;
5は、H、低級アルキル及びC3~C6シクロアルキルから選択され;
aは、0または1であり;
bは、0~2であり;
かつ
各R及びR’は、H、低級アルキル、及びC3~C6シクロアルキルから独立に選択されるか、または別法では、R及びR’は一緒になって、5~6員の複素環式環を形成している]。
【請求項2】
式IIを有する、請求項1に記載の化合物:
【化2】
[式中、
1は、低級アルキル、置換低級アルキル、C3~C6シクロアルキル、置換C3~C6シクロアルキル、R1011N(CR1213c-、R10O(CR1213c-、W(CR1213d-及びR1011N-C(=O)-(CR1213c-からなる群から選択され;
各R10は、H、低級アルキル、及びC3~C6シクロアルキルから独立に選択され;
各R11は、H、低級アルキル、及びC3~C6シクロアルキルから独立に選択され;
各R12は、H及び低級アルキルから独立に選択され;
各R13は、H及び低級アルキルから独立に選択され;
加えて、または別法では、同じ炭素原子に結合しているR12及びR13は一緒になって、C3~C6シクロアルキル基を形成していてもよく;
Wは、1~3個の環ヘテロ原子を有する3~7員の複素環式環であり;
cは、2~4であり;
dは、1~4であり;
2は、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、及びヘテロシクリルからなる群から選択され、これらはそれぞれ、非置換であっても、または任意選択で、ハロ、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、ニトロ、シアノ、C1~C3ペルフルオロアルキル、C1~C3ペルフルオロアルコキシ、カルボキシル、RR’N-、RR’NCO-、RCONH-、RCONR’-、RO2C-、アリール-O-及びヘテロアリール-O-からなる群から独立に選択される1~3個の置換基で置換されていてもよく;
別法では、R1及びR2は一緒になって、単環式基または二環式基を形成しており、その際、前記単環式基は、最高2個の環ヘテロ原子を含む4~7個の環原子を有し、前記二環式基は、最高3個の環ヘテロ原子を含む8~10個の環原子を有し、前記単環式基及び二環式基は、非置換であるか、または任意選択で、ハロ、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、C1~C3ペルフルオロアルキル、C1~C3ペルフルオロアルコキシ、カルボキシル、アリール及びヘテロアリールからなる群から独立に選択される1~3個の置換基で置換されており;
3は、H、低級アルキル、置換低級アルキル、及びRR’N-(C2~4アルキル)-から選択され;
4は、H、ハロ、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、ニトロ、シアノ、C1~C3ペルフルオロアルキル、C1~C3ペルフルオロアルコキシ、カルボキシル、RR’N-、RR’NCO-、RCONH-、RCONR’-、RR’N-(C2~4アルキル)-、及びRR’N-(C2~4アルキル)-O-からなる群から選択され;
bは、0~2であり;かつ
各R及びR’は、H、低級アルキル、及びC3~C6シクロアルキルから独立に選択されるか、または別法では、R及びR’は一緒になって、5~6員の複素環式環を形成している]。
【請求項3】
式IIIを有する、請求項1に記載の化合物:
【化3】
[式中、
1は、低級アルキル、置換低級アルキル、C3~C6シクロアルキル、置換C3~C6シクロアルキル、R1011N(CR1213c-、R10O(CR1213c-、W(CR1213d-及びR1011N-C(=O)-(CR1213c-からなる群から選択され;
各R10は、H、低級アルキル、及びC3~C6シクロアルキルから独立に選択され;
各R11は、H、低級アルキル、及びC3~C6シクロアルキルから独立に選択され;
各R12は、H及び低級アルキルから独立に選択され;
各R13は、H及び低級アルキルから独立に選択され;
加えて、または別法では、同じ炭素原子に結合しているR12及びR13は一緒になって、C3~C6シクロアルキル基を形成していてもよく;
Wは、1~3個の環ヘテロ原子を有する3~7員の複素環式環であり;
cは、2~4であり;
dは、1~4であり;
2は、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、及びヘテロシクリルからなる群から選択され、これらはそれぞれ、非置換であっても、または任意選択で、ハロ、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、ニトロ、シアノ、C1~C3ペルフルオロアルキル、C1~C3ペルフルオロアルコキシ、カルボキシル、RR’N-、RR’NCO-、RCONH-、RCONR’-、RO2C-、アリール-O-及びヘテロアリール-O-からなる群から独立に選択される1~3個の置換基で置換されていてもよく;
別法では、R1及びR2は一緒になって、単環式基または二環式基を形成しており、その際、前記単環式基は、最高2個の環ヘテロ原子を含む4~7個の環原子を有し、かつ前記二環式基は、最高3個の環ヘテロ原子を含む8~10個の環原子を有し、前記単環式基及び二環式基は、非置換であるか、または任意選択で、ハロ、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、C1~C3ペルフルオロアルキル、C1~C3ペルフルオロアルコキシ、カルボキシル、アリール及びヘテロアリールからなる群から独立に選択される1~3個の置換基で置換されており;
3は、H、低級アルキル、置換低級アルキル、及びRR’N-(C2~4アルキル)-から選択され;かつ
各R及びR’は、H、低級アルキル、及びC3~C6シクロアルキルから独立に選択されるか、または別法では、R及びR’は一緒になって、5~6員の複素環式環を形成している]。
【請求項4】
式IVを有する、請求項1に記載の化合物:
【化4】
[式中、
環Aは、任意選択で最高3個の環ヘテロ原子を含有する5員または6員の芳香環であり;
3は、H、低級アルキル、置換低級アルキル、及びRR’N-(C2~4アルキル)-から選択され;
4は、H、ハロ、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、ニトロ、シアノ、C1~C3ペルフルオロアルキル、C1~C3ペルフルオロアルコキシ、カルボキシル、RR’N-、RR’NCO-、RCONH-、RCONR’-、RR’N-(C2~4アルキル)-、及びRR’N-(C2~4アルキル)-O-からなる群から選択され;
bは、0~2であり;
6は、H、ハロ、低級アルキル、置換低級アルキル、低級アルコキシ、アミノ、ヒドロキシル、及びカルボキシルからなる群から選択され;
7は、H、ハロ、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、ニトロ、シアノ、C1~C3ペルフルオロアルキル、C1~C3ペルフルオロアルコキシ、カルボキシル、RR’N-、RR’NCO-、RCONH-、及びRCONR’-からなる群から選択され;
各R及びR’は、H、低級アルキル、及びC3~C6シクロアルキルから独立に選択されるか、または別法では、R及びR’は一緒になって、5~6員の複素環式環を形成しており;かつ
mは、1~3である]。
【請求項5】
式Vを有する、請求項1に記載の化合物:
【化5】
[式中、
環Bは、任意選択で最高3個の環ヘテロ原子を含有する5-または6員の芳香環であり;
3は、H、低級アルキル、置換低級アルキル、及びRR’N-(C2~4アルキル)-から選択され;
4は、H、ハロ、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、ニトロ、シアノ、C1~C3ペルフルオロアルキル、C1~C3ペルフルオロアルコキシ、カルボキシル、RR’N-、RR’NCO-、RCONH-、RCONR’-、RR’N-(C2~4アルキル)-、及びRR’N-(C2~4アルキル)-O-からなる群から選択され;
bは、0~2であり;
8は、H、ハロ、低級アルキル、置換低級アルキル、低級アルコキシ、アミノ、ヒドロキシル及びカルボキシルからなる群から選択され;
9は、H、ハロ、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、ニトロ、シアノ、C1~C3ペルフルオロアルキル、C1~C3ペルフルオロアルコキシ及びカルボキシル、RR’N-、RR’NCO-、RCONH-、及びRCONR’-からなる群から選択され;
各R及びR’は、H、低級アルキル、及びC3~C6シクロアルキルから独立に選択されるか、または別法では、R及びR’は一緒になって、5~6員の複素環式環を形成しており;かつ
mは、1~3である]。
【請求項6】
式VIを有する、請求項1に記載の化合物:
【化6】
[式中、
1は、低級アルキル、置換低級アルキル、C3~C6シクロアルキル、置換C3~C6シクロアルキル、R1011N(CR1213c-、R10O(CR1213c-、W(CR1213d-及びR1011N-C(=O)-(CR1213c-からなる群から選択され;
各R10は、H、低級アルキル、及びC3~C6シクロアルキルから独立に選択され;
各R11は、H、低級アルキル、及びC3~C6シクロアルキルから独立に選択され;
各R12は、H及び低級アルキルから独立に選択され;
各R13は、H及び低級アルキルから独立に選択され;
加えて、または別法では、同じ炭素原子に結合しているR12及びR13は一緒になって、C3~C6シクロアルキル基を形成していてもよく;
Wは、1~3個の環ヘテロ原子を有する3~7員の複素環式環であり;
cは、2~4であり;
dは、1~4であり;
3は、H、低級アルキル、置換低級アルキル、及びRR’N-(C2~4アルキル)-から選択され;
4は、H、ハロ、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、ニトロ、シアノ、C1~C3ペルフルオロアルキル、C1~C3ペルフルオロアルコキシ、カルボキシル、RR’N-、RR’NCO-、RCONH-、RCONR’-、RR’N-(C2~4アルキル)-、及びRR’N-(C2~4アルキル)-O-からなる群から選択され;
bは、0~2であり;
各R21は、H、ハロ、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、ニトロ、シアノ、C1~C3ペルフルオロアルキル、C1~C3ペルフルオロアルコキシ、カルボキシル、RR’N-、RR’NCO-、RCONH-、RCONR’-、RO2C-、アリール-O-及びヘテロアリール-O-からなる群から独立に選択され;かつ
nは、0~3である]。
【請求項7】
式VIIを有する、請求項1に記載の化合物:
【化7】
[式中、
1は、低級アルキル、置換低級アルキル、C3~C6シクロアルキル、置換C3~C6シクロアルキル、R1011N(CR1213c-、R10O(CR1213c-、W(CR1213d-及びR1011N-C(=O)-(CR1213c-からなる群から選択され;
各R10は、H、低級アルキル、及びC3~C6シクロアルキルから独立に選択され;
各R11は、H、低級アルキル、及びC3~C6シクロアルキルから独立に選択され;
各R12は、H及び低級アルキルから独立に選択され;
各R13は、H及び低級アルキルから独立に選択され;
加えて、または別法では、同じ炭素原子に結合しているR12及びR13は一緒になって、C3~C6シクロアルキル基を形成していてもよく;
Wは、1~3個の環ヘテロ原子を有する3~7員の複素環式環であり;
cは、2~4であり;
dは、1~4であり;
4は、H、ハロ、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、ニトロ、シアノ、C1~C3ペルフルオロアルキル、C1~C3ペルフルオロアルコキシ、カルボキシル、RR’N-、RR’NCO-、RCONH-、RCONR’-、RR’N-(C2~4アルキル)-、及びRR’N-(C2~4アルキル)-O-からなる群から選択され;
bは、0~2であり;
各R21は、H、ハロ、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、ニトロ、シアノ、C1~C3ペルフルオロアルキル、C1~C3ペルフルオロアルコキシ、カルボキシル、RR’N-、RR’NCO-、RCONH-、RCONR’-、RO2C-、アリール-O-及びヘテロアリール-O-からなる群から独立に選択され;かつ
nは、0~3である]。
【請求項8】
式VIIIを有する、請求項1に記載の化合物:
【化8】
[式中、
1は、低級アルキル、置換低級アルキル、C3~C6シクロアルキル、置換C3~C6シクロアルキル、R1011N(CR1213c-、R10O(CR1213c-、W(CR1213d-及びR1011N-C(=O)-(CR1213c-からなる群から選択され;
各R10は、H、低級アルキル、及びC3~C6シクロアルキルから独立に選択され;
各R11は、H、低級アルキル、及びC3~C6シクロアルキルから独立に選択され;
各R12は、H及び低級アルキルから独立に選択され;
各R13は、H及び低級アルキルから独立に選択され;
加えて、または別法では、同じ炭素原子に結合しているR12及びR13は一緒になって、C3~C6~シクロアルキル基を形成していてもよく;
Wは、1~3個の環ヘテロ原子を有する3~7員の複素環式環であり;
cは、2~4であり;
dは、1~4であり;
各R21は、H、ハロ、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、ニトロ、シアノ、C1~C3ペルフルオロアルキル、C1~C3ペルフルオロアルコキシ、カルボキシル、RR’N-、RR’NCO-、RCONH-、RCONR’-、RO2C-、アリール-O-及びヘテロアリール-O-からなる群から独立に選択され;かつ
nは、0~3である]。
【請求項9】
式IXを有する、請求項1に記載の化合物:
【化9】
[式中、
1は、低級アルキル、置換低級アルキル、C3~C6シクロアルキル、置換C3~C6シクロアルキル、R1011N(CR1213c-、R10O(CR1213c-、W(CR1213d-及びR1011N-C(=O)-(CR1213c-からなる群から選択され;
各R10は、H、低級アルキル、及びC3~C6シクロアルキルから独立に選択され;
各R11は、H、低級アルキル、及びC3~C6シクロアルキルから独立に選択され;
各R12は、H及び低級アルキルから独立に選択され;
各R13は、H及び低級アルキルから独立に選択され;
加えて、または別法では、同じ炭素原子に結合しているR12及びR13は一緒になって、C3~C6シクロアルキル基を形成していてもよく;
Wは、1~3個の環ヘテロ原子を有する3~7員の複素環式環であり;
cは、2~4であり;
dは、1~4であり;
各R22は、H、ハロ、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、アミノ、C1~C3ペルフルオロアルキル、及びC1~C3ペルフルオロアルコキシからなる群から独立に選択され;かつ
nは、0~3である]。
【請求項10】
対象において線維化障害を処置する方法であって、前記対象に、治療有効量の請求項1~9のいずれか1項に記載の化合物を投与することを含む前記方法。
【請求項11】
前記線維化障害が、嚢胞性及び特発性肺線維症を含む肺線維症、放射線誘導肺損傷、硬変を含む肝臓線維症、動脈線維症を含む心臓線維症、心内膜心筋線維症、陳旧性心筋梗塞、動脈スティフネス、アテローム硬化症、再狭窄、関節線維化、クローン病、骨髄線維症、ペーロニー病、腎性全身性線維症、進行性塊状線維症、後腹膜線維症、強皮症/全身性硬化症、縦隔線維症、ケロイド及び肥厚性瘢痕、グリア性瘢痕、または腎線維症からなる群から選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
対象において中枢神経系障害を処置する方法であって、前記対象に、治療有効量の請求項1~9のいずれか1項に記載の化合物を投与することを含む前記方法。
【請求項13】
前記中枢神経系障害が、ハンチントン病、パーキンソン病、アルツハイマー、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、バッテン病、認知症、脊髄性筋萎縮症、運動ニューロン疾患、脊髄小脳失調、急性もしくは慢性疼痛、認知症、神経変性、脊髄損傷、脳血管痙攣または多発性硬化症からなる群から選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
対象において緑内障を処置する方法であって、前記対象に、治療有効量の請求項1~9のいずれか1項に記載の化合物を投与することを含む前記方法。
【請求項15】
対象において炎症を処置する方法であって、前記対象に、治療有効量の請求項1~9のいずれか1項に記載の化合物を投与することを含む前記方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ROCK1及び/またはROCK2の阻害剤に関する。疾患を処置するために有用な、ROCK1及び/またはROCK2を阻害する方法も提供する。
【背景技術】
【0002】
Rho関連コイルドコイル含有プロテインキナーゼ(ROCK)は、セリン/トレオニンキナーゼファミリーのメンバーである。2種のアイソフォーム、ROCK1及びROCK2が同定されている。アイソフォームは両方とも、Rho GTPアーゼのGTP結合型によって活性化され、活性化されると、様々な下流基質をリン酸化する。ROCKは、平滑筋細胞収縮、細胞増殖、接着及び遊走を含む多数の細胞プロセスにおいて重要な役割を果たす。したがって、ROCK阻害剤は、例えば、喘息、がん、勃起機能不全、緑内障、インスリン抵抗性、腎不全、肺高血圧、神経変性、及び骨粗鬆症を含む広範囲の様々な病的状態において潜在的な治療適用可能性を有する。
【0003】
ROCKは、細胞骨格動態及び細胞運動性の重要な細胞内調節因子である。ROCKはリン酸化を介して、例えば、ミオシン軽鎖、ミオシン軽鎖ホスファターゼ結合サブユニット及びLIMキナーゼ2を含む、RhoAのいくつかの下流標的を調節する。これらの基質は、アクチンフィラメントの組織化及び収縮性を調節する。平滑筋細胞では、ROCKは、カルシウム増感及び平滑筋収縮を媒介する。Rhoキナーゼの阻害によって、5-HT及びフェニレフリンアゴニスト誘導性筋肉収縮が遮断される。非平滑筋細胞に導入されると、ROCKはストレスファイバーの形成を誘導し、RhoAによって媒介される細胞形質転換に必要とされる。ROCKは、限定されないが、細胞接着、細胞運動性及び遊走、成長制御、細胞収縮、及び細胞質分裂を含む様々な細胞プロセスに関係している。ROCKは、Na/H交換輸送系活性化、ストレスファイバー形成、アデュシン活性化、及び生理的プロセス、例えば、血管狭窄、気管支平滑筋収縮、血管平滑筋及び内皮細胞増殖、血小板凝集などにも関与している。
【0004】
動物モデルにおけるROCK活性の阻害は、ヒト疾患を処置するためにROCKを阻害することのいくつかの利点を示している。これらには、心臓血管疾患、例えば、高血圧、アテローム硬化症、再狭窄、心臓肥大、高眼圧、脳虚血、脳血管痙攣、陰茎勃起機能不全、中枢神経系障害、例えば、神経変性及び脊髄損傷、ならびに新形成のモデルが含まれる。ROCK活性の阻害は、腫瘍細胞の増殖及び転移、血管新生、動脈血栓性障害、例えば、血小板凝集及び白血球凝集、喘息、眼内圧の調節、及び骨吸収を阻害することが示されている。患者においてROCK活性を阻害することは、クモ膜下出血後の脳血管痙攣及び虚血の制御、眼内圧の低下、小柱網組織の弛緩による眼房水流出の増大、視神経への血流の改善、ならびに健康なガングリオン細胞の保護について利点を有する。
【0005】
CNSにおけるROCKの活性に焦点を当てている、かなりの量のインビボデータが作成されている。ROCK経路の異常な活性化が中枢神経系の多くの障害において記録されている。例えば、軸索成長及びシナプス可塑性は、アクチン細胞骨格の構造調節に左右される。Rho-ROCKカスケードは、シナプス可塑性において、樹状突起の形態形成及び安定性の両方において、さらには成長円錐の運動性及び崩壊において中心的な役割を有する。加えて、複数の軸索成長阻害分子がニューロンのRhoA/ROCKに集中するので、これは、CNS障害に介入するための魅力的な経路となっている。
【0006】
Nogo受容体(NgR)(LINGO-1を含む他の複合体メンバーも)及びそれらのリガンドはおそらく、最も良好に特徴づけられていて、かつ効力のある神経突起伸長の阻害剤である。ミエリン関連阻害剤による受容体活性化の下流における最初期の事象のいくつかは、RhoA及びROCKの上方制御である。これらの事象は、収縮性の上昇をもたらし、成熟ニューロンにおける軸索成長に対して強い阻害作用を有する。したがって、このシグナルカスケードを阻害することができることで、脊髄及び視神経の損傷において非常に有望な治療戦略が得られる。ハンチントン病及びアルツハイマー(AD)病などの神経変性状態も、NgRシグナル伝達の阻害に応答するとして調査されている。NgRファミリーメンバーがAPPプロセシングと関連するだけではなく、NgR及びNogoの細胞内局在もAD脳では変化する。
【0007】
高齢者の認知症の最も一般的な原因であるアルツハイマー病(AD)は進行性神経変性障害であり、これは、記憶障害を含む多くの認知機能の漸進的低下と関与する(Selkoe,2001)。AD病態では、シナプスの喪失が一般的に観察され、ADにおけるシナプス機能不全の顕著な特徴である(Tanzi and Bertram,2005)。オリゴマー化β-アミロイドペプチドが、シナプス可塑性の喪失及び神経回路網機能不全に関係しているとされている。シナプス可塑性は、樹状突起スパインにおけるアクチン細胞骨格の構造調節に左右される。Rho-ROCKカスケードは、シナプス可塑性において、樹状突起の形態形成及び安定性の両方において、さらには成長円錐の運動性及び崩壊において中心的な役割を有する(Govek et al.,2005;Linseman and Loucks,2008)。いくつかの研究が、ROCKキナーゼが毒性β-アミロイドペプチドの生成を誘導し得ること、さらに、ROCKの阻害で毒性ペプチドプロセシングを阻害することができることを実証している。フィードフォワード機構において、βアミロイドはRho GTPアーゼ活性を上昇させ、これが、ROCK活性化を介して、神経突起伸長及びシナプス形成を阻害する(Petratos et al.,2008)。したがって、ROCK阻害剤は、ADにおいてシナプス及びニューロンの変性を予防する、さらには再生プロセスを促進する可能性を持ち得る。Herskowitz et al.による最近の研究は、ROCKのノックダウンがaβレベルを低下させることを示した。これらの効果は、アルツハイマー病(AD)の有効な処置を提供するためには高ROCK選択的阻害剤が必要であることを実証している。BACE-1分布及びリソソームへのアミロイド前駆体タンパク質(APP)輸送の変化によって、ADのためのROCK阻害の使用を実証しようと、モデル化合物SR3677がADのげっ歯類モデルにおいて試験された。SR3677は、その不十分な経口PK特性(5%F及び1時間未満の半減期)及び脳透過の欠如の理由で海馬への直接的な軟膜内(i.p.)注射の後に、sAPPβを減少させる有望な効果を有した。
【0008】
ハンチントン病(HD)は、精神医学的障害、運動障害、及び認知症によって特徴づけられる破壊的で、処置不可能で、主に遺伝性の神経変性疾患である。ハンチンチン遺伝子の産物であるHttタンパク質のミスフォールディング及び凝集が、HD病理をもたらす(Shao and Diamond,2007)。HDを処置するために、非常に小数の機構ベースの治療リード物質が開発されている。科学的調査はまだ進行中であるが、いく筋もの証拠が、ROCK阻害がHDのための有効な処置となり得ることを示唆している。HDのマウスモデルでは、ROCK阻害は、可溶性Httレベルを有意に低下させ、凝集物形成、神経突起退縮を逆転させ、かつ神経細胞死に対して防御的であった(Deyts et al.,2009;Li et al.,2009)。Drosophilaにおける研究において、同様の結果が得られ、そこでは、ROCKの阻害によって、Htt凝集が制御された(Shao et al.,2008a;Shao et al.,2008b)。ROCKシグナル伝達経路は、HDのための有望な治療標的である。
【0009】
ROCKシグナル伝達は、パーキンソン病及び筋萎縮性側索硬化症(ALD)にも関係づけられている。例えば、Tonges,L.et al.(2012).“Inhibition of rho kinase enhances survival of dopaminergic neurons and attenuates axonal loss in a mouse model of Parkinson’s disease.” Brain. 135(11):3355-70を参照されたい。
【0010】
ROCKは、ミオシン軽鎖(MLC、トレオニン18及びセリン19で)及びミオシン軽鎖ホスファターゼ(MYPT1、トレオニン853で)を含む複数の下流基質をリン酸化して、球状G-アクチンから線維状F-アクチンへの重合を駆動し、かつアクトミオシン収縮機構をアセンブルする。この経路がいくつかのCNS障害、例えば、脊髄損傷、卒中、及びADの病因に寄与し得ることが認められている。成人CNSでは、損傷を受けた軸索は、ミエリン関連軸索成長阻害因子の存在によって、不十分にしか再生しない。ミエリン関連阻害因子、例えば、ミエリン関連糖タンパク質(MAG)、Nogo、オリゴデンドロサイト-ミエリン糖タンパク質(OMgp)及び反発性ガイダンス分子(RGM)が、損傷を受けた脳及び脊髄における軸索再生を制限する。様々なミエリン関連阻害因子に共通する機構は、それらがすべて、Rho及びその下流エフェクターキナーゼROCKを活性化して、神経突起伸長を阻害することである。
【0011】
小分子によるRho/ROCK経路の遮断は、中枢神経系(CNS)障害における望ましい戦略である。しかしながら、血液脳関門(BBB)が、脳ホメオスターシスにおいて重大な役割を果たしつつも、多くの小分子阻害剤の透過を著しく妨げる。CNS疾患を処置するための選択的かつ強力な阻害剤の開発に対する関心は高まりつつあるので、ROCK1及び/またはROCK2の阻害剤、特に血液脳関門を通過するものが緊急に必要とされている。
【発明の概要】
【0012】
一態様では、本発明は、式Iの化合物:
【化1】
を提供する
[式中、
1は、低級アルキル、置換低級アルキル、C3~C6シクロアルキル、置換C3~C6シクロアルキル、R1011N(CR1213c-、R10O(CR1213c-、W(CR1213d-及びR1011N-C(=O)-(CR1213c-からなる群から選択され;
各R10は、H、低級アルキル、及びC3~C6シクロアルキルから独立に選択され;
各R11は、H、低級アルキル、及びC3~C6シクロアルキルから独立に選択され;
各R12は、H及び低級アルキルから独立に選択され;
各R13は、H及び低級アルキルから独立に選択され;
加えて、または別法では、同じ炭素原子に結合しているR12及びR13は一緒になって、C3~C6シクロアルキル基を形成していてもよく;
Wは、1~3個の環ヘテロ原子を有する3~7員の複素環式環であり;
cは、2~4であり;
dは、1~4であり;
2は、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、及びヘテロシクリルからなる群から選択され、これらはそれぞれ、非置換であっても、または任意選択で、ハロ、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、ニトロ、シアノ、C1~C3ペルフルオロアルキル、C1~C3ペルフルオロアルコキシ、カルボキシル、RR’N-、RR’NCO-、RCONH-、RCONR’-、RO2C-、アリール-O-及びヘテロアリール-O-からなる群から独立に選択される1~3個の置換基で置換されていてもよく;
別法では、R1及びR2は一緒になって、単環式基または二環式基を形成しており、その際、前記単環式基は、最高2個の環ヘテロ原子を含む4~7個の環原子を有し、前記二環式基は、最高3個の環ヘテロ原子を含む8~10個の環原子を有し、前記単環式基及び二環式基は、非置換であるか、または任意選択で、ハロ、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、C1~C3ペルフルオロアルキル、C1~C3ペルフルオロアルコキシ、カルボキシル、アリール及びヘテロアリールからなる群から独立に選択される1~3個の置換基で置換されており;
3は、H、低級アルキル、置換低級アルキル、及びRR’N-(C2~4アルキル)-から選択され;
4は、H、ハロ、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、ニトロ、シアノ、C1~C3ペルフルオロアルキル、C1~C3ペルフルオロアルコキシ、カルボキシル、RR’N-、RR’NCO-、RCONH-、RCONR’-、RR’N-(C2~4アルキル)-、及びRR’N-(C2~4アルキル)-O-からなる群から選択され;
5は、H、低級アルキル及びC3~C6シクロアルキルから選択され;
aは、0または1であり;
bは、0~2であり;
かつ
各R及びR’は、H、低級アルキル、及びC3~C6シクロアルキルから独立に選択されるか、または別法では、R及びR’は一緒になって、5~6員の複素環式環を形成している]。
【0013】
本発明は、本発明の化合物と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物を含む。
【0014】
本発明は、実質的に純粋な本発明の化合物及びその薬学的に許容される塩、立体異性体、または水和物と、薬学的に許容される担体とを含む組成物を含む。
【0015】
一態様では、本発明は、有効量の1種または複数の式Iの化合物を投与することを含む、哺乳類においてROCKを阻害する方法を提供する。本発明は、疾患に罹患している患者を処置する方法であって、そのような処置を必要とする患者に、治療有効量の式Iの化合物を投与することを含む方法を提供する。ある特定のこのような実施形態では、式Iの化合物は、ROCK1及び/またはROCK2を阻害する。ある特定のこのような実施形態では、式Iの化合物は、ROCK1及び/またはROCK2を選択的に阻害する。本発明に従って処置される非限定的疾患及び状態には、中枢神経系障害、例えば、神経変性及び脊髄損傷、心臓血管疾患、例えば、高血圧、アテローム硬化症、再狭窄、心臓肥大、高眼圧、脳虚血、脳血管痙攣、陰茎勃起機能不全、動脈血栓性障害、例えば、血小板凝集及び白血球凝集、喘息、眼内圧の調節、ならびに骨吸収が含まれる。新形成では、Rhoキナーゼの阻害は、腫瘍細胞の増殖及び転移、ならびに血管新生を阻害する。
【0016】
本発明は、対象において中枢神経系障害を処置する方法であって、対象に、治療有効量の式Iの化合物を投与することを含む方法を提供する。中枢神経系障害には、限定ではないが、神経変性または脊髄損傷、さらにはハンチントン病、パーキンソン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、または多発性硬化症が含まれる。
【0017】
本発明は、対象において自己免疫障害を処置する方法であって、対象に、治療有効量の式Iの化合物を投与することを含む方法を提供する。自己免疫障害には、限定ではないが、関節リウマチ、(多発性硬化症)、全身性エリテマトーデス(SLE;狼瘡)、乾癬、クローン病、アトピー性皮膚炎、湿疹、または移植片対宿主疾患(GVHD)が含まれる。
【0018】
本発明は、対象において心臓血管障害を処置する方法であって、対象に、治療有効量の式Iの化合物を投与することを含む方法を提供する。心臓血管障害には、限定ではないが、高血圧、アテローム硬化症、狭心症、動脈閉塞、末梢動脈疾患、末梢循環障害、脳海綿状血管腫、再狭窄、心臓肥大、高眼圧、脳虚血、脳血管痙攣、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)または勃起機能不全が含まれる。
【0019】
本発明は、対象において炎症を処置する方法であって、対象に、治療有効量の式Iの化合物を投与することを含む方法を提供する。炎症には、限定ではないが、喘息、心臓血管炎症、腎臓炎症または動脈硬化症が含まれる。
【0020】
本発明は、対象において動脈血栓性障害を処置する方法であって、対象に、治療有効量の式Iの化合物を投与することを含む方法を提供する。動脈血栓性障害の非限定的例は、血小板凝集、または白血球凝集である。
【0021】
本発明は、対象において線維化障害を処置する方法であって、対象に、治療有効量の式Iの化合物を投与することを含む方法を提供する。線維化障害の非限定的例は、嚢胞性及び特発性肺線維症を含む肺線維症、放射線誘導性肺損傷、硬変を含む肝臓線維症、動脈線維症を含む心臓線維症、心内膜心筋線維症、陳旧性心筋梗塞、動脈スティフネス、アテローム硬化症、再狭窄、関節線維化、クローン病、骨髄線維症、ペーロニー病、腎性全身性線維症、進行性塊状線維症、後腹膜線維症(retroperitoneal cavity fibrosis)、強皮症/全身性硬化症、縦隔線維症、ケロイド及び肥厚性瘢痕、グリア性瘢痕、または腎線維症である。
【0022】
本発明は、上皮性安定性を維持する方法であって、対象に、治療有効量の式Iの化合物を投与することを含む方法を提供する。
【0023】
本発明は、対象において緑内障を処置する、または対象において眼内圧を調節する方法であって、対象に、治療有効量の式Iの化合物を投与することを含む方法を提供する。緑内障の非限定的例には、原発性開放隅角緑内障、急性閉塞隅角緑内障、色素性緑内障、血管新生緑内障、先天性緑内障、正常眼圧緑内障、または続発性緑内障が含まれる。
【0024】
本発明は、対象において新生物疾患を処置する方法であって、対象に、治療有効量の式Iの化合物を投与することを含む方法を提供する。新生物疾患には、限定ではないが、リンパ腫、癌腫、白血病、肉腫、または芽細胞腫、例えば、扁平上皮細胞癌、小細胞肺癌、下垂体癌、食道癌、神経膠星状細胞腫、軟部組織肉腫、非小細胞肺癌、肺腺癌、肺扁平上皮癌、腹膜癌、肝細胞癌、胃腸癌、膵臓癌、神経膠芽細胞腫、子宮頸癌、卵巣癌、肝臓癌、膀胱癌、肝細胞癌、乳癌、結腸癌、結腸直腸癌、子宮内膜または子宮癌、唾液腺癌、腎臓癌、肝臓癌、前立腺癌、外陰癌、甲状腺癌、肝癌、脳癌、子宮内膜癌、精巣癌、胆管癌、胆嚢癌、胃癌、黒色腫、または頭頚部癌が含まれる。
【0025】
本発明はまた、対象において代謝症候群、インスリン抵抗性、インスリン過剰血症、2型糖尿病、またはグルコース不耐性を処置する方法であって、対象に、治療有効量の式Iの化合物を投与することを含む方法を提供する。
【0026】
さらに、本発明は、対象において骨粗鬆症を処置する、または骨形成を促進する方法であって、対象に、治療有効量の式Iの化合物を投与することを含む方法を提供する。
【0027】
本発明は、血管由来成分を有する眼障害を処置する方法であって、対象に、治療有効量の式Iの化合物及び血管新生阻害剤を投与することを含む方法を提供する。そのような眼障害の非限定的例には、加齢性黄斑変性(AMD)、脈絡膜血管新生(CNV)、糖尿病性黄斑浮腫(DME)、虹彩血管新生、ブドウ膜炎、血管新生緑内障、または未熟児網膜炎(ROP)が含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】代表的なZ’-Lyteアッセイの結果である。本発明のROCK阻害剤は、ROCKの両方のアイソフォームに対して、1桁という低いナノモル値の効力を示す。
図2】本発明の化合物は、細胞において両方のROCKアイソフォームを阻害する。ROCK1またはROCK2のいずれかがノックアウトされているHCT116細胞(それぞれROCK1KO及びROCK2KO)を阻害剤で90分間にわたって処理し、pMypt(T853)レベルをウエスタンブロット法によって可視化した。ROCK阻害剤は、110nMでROCK標的MYPT1リン酸化を効率的に遮断した。
図3】ヒト乏突起神経膠芽細胞/ニューロン前駆細胞をインビトロで、ROCK阻害剤(実施例2化合物)を伴って、または伴わずに、2日間及び14日間にわたって培養した。ネスチン及びMAP2タンパク質を市販の抗体で染色することによって可視化して、異なる段階の神経細胞分化を特定した。ROCK阻害剤の存在下で分化した細胞におけるMAP2シグナルの著しい増加によって証明されたとおり、ROCK阻害剤は、神経突起伸展を改善しながら、成熟神経細胞マーカーであるMAP2発現を有意に促進した。
図4】ラット乏突起神経膠芽細胞とラット背根神経節(DRG)外植片との共培養条件下で、ROCK阻害剤(実施例2化合物)での処理は細胞骨格系を変化させて、多くの短く配列されたミエリンセグメントを生成させ、それらを神経フィラメント染色によって特定した。同時に、ROCK阻害剤は、乏突起神経膠芽細胞の軸索支持(axonal support)も促進し、これは、軸索(神経フィラメントを染色)伸長の方向と共に、乏突起神経膠芽細胞(MBPを染色)の整列によって実証された。
【発明を実施するための形態】
【0029】
ROCK阻害剤
本発明による化合物には、式Iを有する化合物:
【化2】
が含まれる
[式中、
1は、低級アルキル、置換低級アルキル、C3~C6シクロアルキル、置換C3~C6シクロアルキル、R1011N(CR1213c-、R10O(CR1213c-、W(CR1213d-及びR1011N-C(=O)-(CR1213c-からなる群から選択され;
各R10は、H、低級アルキル、及びC3~C6シクロアルキルから独立に選択され;
各R11は、H、低級アルキル、及びC3~C6シクロアルキルから独立に選択され;
各R12は、H及び低級アルキルから独立に選択され;
各R13は、H及び低級アルキルから独立に選択され;
加えて、または別法では、同じ炭素原子に結合しているR12及びR13は一緒になって、C3~C6シクロアルキル基を形成していてもよく;
Wは、1~3個の環ヘテロ原子を有する3~7員の複素環式環であり;
cは、2~4であり;
dは、1~4であり;
2は、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、及びヘテロシクリルからなる群から選択され、これらはそれぞれ、非置換であっても、または任意選択で、ハロ、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、ニトロ、シアノ、C1~C3ペルフルオロアルキル、C1~C3ペルフルオロアルコキシ、カルボキシル、RR’N-、RR’NCO-、RCONH-、RCONR’-、RO2C-、アリール-O-及びヘテロアリール-O-からなる群から独立に選択される1~3個の置換基で置換されていてもよく;
別法では、R1及びR2は一緒になって、単環式基または二環式基を形成しており、その際、前記単環式基は、最高2個の環ヘテロ原子を含む4~7個の環原子を有し、前記二環式基は、最高3個の環ヘテロ原子を含む8~10個の環原子を有し、前記単環式基及び二環式基は、非置換であるか、または任意選択で、ハロ、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、C1~C3ペルフルオロアルキル、C1~C3ペルフルオロアルコキシ、カルボキシル、アリール及びヘテロアリールからなる群から独立に選択される1~3個の置換基で置換されており;
3は、H、低級アルキル、置換低級アルキル、及びRR’N-(C2~4アルキル)-から選択され;
4は、H、ハロ、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、ニトロ、シアノ、C1~C3ペルフルオロアルキル、C1~C3ペルフルオロアルコキシ、カルボキシル、RR’N-、RR’NCO-、RCONH-、RCONR’-、RR’N-(C2~4アルキル)-、及びRR’N-(C2~4アルキル)-O-からなる群から選択され;
5は、H、低級アルキル及びC3~C6シクロアルキルから選択され;
aは、0または1であり;
bは、0~2であり;
かつ
各R及びR’は、H、低級アルキル、及びC3~C6シクロアルキルから独立に選択されるか、または別法では、R及びR’は一緒になって、5~6員の複素環式環を形成している]。
【0030】
本発明による化合物には、式IIを有する化合物:
【化3】
が含まれる
[式中、
1は、低級アルキル、置換低級アルキル、C3~C6シクロアルキル、置換C3~C6シクロアルキル、R1011N(CR1213c-、R10O(CR1213c-、W(CR1213d-及びR1011N-C(=O)-(CR1213c-からなる群から選択され;
各R10は、H、低級アルキル、及びC3~C6シクロアルキルから独立に選択され;
各R11は、H、低級アルキル、及びC3~C6シクロアルキルから独立に選択され;
各R12は、H及び低級アルキルから独立に選択され;
各R13は、H及び低級アルキルから独立に選択され;
加えて、または別法では、同じ炭素原子に結合しているR12及びR13は一緒になって、C3~C6シクロアルキル基を形成していてもよく;
Wは、1~3個の環ヘテロ原子を有する3~7員の複素環式環であり;
cは、2~4であり;
dは、1~4であり;
2は、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、及びヘテロシクリルからなる群から選択され、これらはそれぞれ、非置換であっても、または任意選択で、ハロ、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、ニトロ、シアノ、C1~C3ペルフルオロアルキル、C1~C3ペルフルオロアルコキシ、カルボキシル、RR’N-、RR’NCO-、RCONH-、RCONR’-、RO2C-、アリール-O-及びヘテロアリール-O-からなる群から独立に選択される1~3個の置換基で置換されていてもよく;
別法では、R1及びR2は一緒になって、単環式基または二環式基を形成しており、その際、前記単環式基は、最高2個の環ヘテロ原子を含む4~7個の環原子を有し、前記二環式基は、最高3個の環ヘテロ原子を含む8~10個の環原子を有し、前記単環式基及び二環式基は、非置換であるか、または任意選択で、ハロ、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、C1~C3ペルフルオロアルキル、C1~C3ペルフルオロアルコキシ、カルボキシル、アリール及びヘテロアリールからなる群から独立に選択される1~3個の置換基で置換されており;
3は、H、低級アルキル、置換低級アルキル、及びRR’N-(C2~4アルキル)-から選択され;
4は、H、ハロ、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、ニトロ、シアノ、C1~C3ペルフルオロアルキル、C1~C3ペルフルオロアルコキシ、カルボキシル、RR’N-、RR’NCO-、RCONH-、RCONR’-、RR’N-(C2~4アルキル)-、及びRR’N-(C2~4アルキル)-O-からなる群から選択され;
bは、0~2であり;かつ
各R及びR’は、H、低級アルキル、及びC3~C6シクロアルキルから独立に選択されるか、または別法では、R及びR’は一緒になって、5~6員の複素環式環を形成している]。
【0031】
本発明のある特定の実施形態では、式IIIの化合物:
【化4】
を提供する
[式中、
1は、低級アルキル、置換低級アルキル、C3~C6シクロアルキル、置換C3~C6シクロアルキル、R1011N(CR1213c-、R10O(CR1213c-、W(CR1213d-及びR1011N-C(=O)-(CR1213c-からなる群から選択され;
各R10は、H、低級アルキル、及びC3~C6シクロアルキルから独立に選択され;
各R11は、H、低級アルキル、及びC3~C6シクロアルキルから独立に選択され;
各R12は、H及び低級アルキルから独立に選択され;
各R13は、H及び低級アルキルから独立に選択され;
加えて、または別法では、同じ炭素原子に結合しているR12及びR13は一緒になって、C3~C6シクロアルキル基を形成していてもよく;
Wは、1~3個の環ヘテロ原子を有する3~7員の複素環式環であり;
cは、2~4であり;
dは、1~4であり;
2は、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、及びヘテロシクリルからなる群から選択され、これらはそれぞれ、非置換であっても、または任意選択で、ハロ、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、ニトロ、シアノ、C1~C3ペルフルオロアルキル、C1~C3ペルフルオロアルコキシ、カルボキシル、RR’N-、RR’NCO-、RCONH-、RCONR’-、RO2C-、アリール-O-及びヘテロアリール-O-からなる群から独立に選択される1~3個の置換基で置換されていてもよく;
別法では、R1及びR2は一緒になって、単環式基または二環式基を形成しており、その際、前記単環式基は、最高2個の環ヘテロ原子を含む4~7個の環原子を有し、かつ前記二環式基は、最高3個の環ヘテロ原子を含む8~10個の環原子を有し、前記単環式基及び二環式基は、非置換であるか、または任意選択で、ハロ、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、C1~C3ペルフルオロアルキル、C1~C3ペルフルオロアルコキシ、カルボキシル、アリール及びヘテロアリールからなる群から独立に選択される1~3個の置換基で置換されており;
3は、H、低級アルキル、置換低級アルキル、及びRR’N-(C2~4アルキル)-から選択され;かつ
各R及びR’は、H、低級アルキル、及びC3~C6シクロアルキルから独立に選択されるか、または別法では、R及びR’は一緒になって、5~6員の複素環式環を形成している]。
【0032】
本発明のある特定の実施形態では、式IVの化合物:
【化5】
を提供する
[式中、
環Aは、任意選択で最高3個の環ヘテロ原子を含有する5員または6員の芳香環であり;
3は、H、低級アルキル、置換低級アルキル、及びRR’N-(C2~4アルキル)-から選択され;
4は、H、ハロ、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、ニトロ、シアノ、C1~C3ペルフルオロアルキル、C1~C3ペルフルオロアルコキシ、カルボキシル、RR’N-、RR’NCO-、RCONH-、RCONR’-、RR’N-(C2~4アルキル)-、及びRR’N-(C2~4アルキル)-O-からなる群から選択され;
bは、0~2であり;
6は、H、ハロ、低級アルキル、置換低級アルキル、低級アルコキシ、アミノ、ヒドロキシル、及びカルボキシルからなる群から選択され;
7は、H、ハロ、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、ニトロ、シアノ、C1~C3ペルフルオロアルキル、C1~C3ペルフルオロアルコキシ、カルボキシル、RR’N-、RR’NCO-、RCONH-、及びRCONR’-からなる群から選択され;
各R及びR’は、H、低級アルキル、及びC3~C6シクロアルキルから独立に選択されるか、または別法では、R及びR’は一緒になって、5~6員の複素環式環を形成しており;かつ
mは、1~3である]。
【0033】
本発明のある特定の実施形態では、式Vの化合物:
【化6】
を提供する
[式中、
環Bは、任意選択で最高3個の環ヘテロ原子を含有する5員または6員の芳香環であり;
3は、H、低級アルキル、置換低級アルキル、及びRR’N-(C2~4アルキル)-から選択され;
4は、H、ハロ、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、ニトロ、シアノ、C1~C3ペルフルオロアルキル、C1~C3ペルフルオロアルコキシ、カルボキシル、RR’N-、RR’NCO-、RCONH-、RCONR’-、RR’N-(C2~4アルキル)-、及びRR’N-(C2~4アルキル)-O-からなる群から選択され;
bは、0~2であり;
8は、H、ハロ、低級アルキル、置換低級アルキル、低級アルコキシ、アミノ、ヒドロキシル及びカルボキシルからなる群から選択され;
9は、H、ハロ、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、ニトロ、シアノ、C1~C3ペルフルオロアルキル、C1~C3ペルフルオロアルコキシ及びカルボキシル、RR’N-、RR’NCO-、RCONH-、及びRCONR’-からなる群から選択され;
各R及びR’は、H、低級アルキル、及びC3~C6シクロアルキルから独立に選択されるか、または別法では、R及びR’は一緒になって、5~6員の複素環式環を形成しており;かつ
mは、1~3である]。
【0034】
本発明のある特定の実施形態では、式VIの化合物:
【化7】
を提供する
[式中、
1は、低級アルキル、置換低級アルキル、C3~C6シクロアルキル、置換C3~C6シクロアルキル、R1011N(CR1213c-、R10O(CR1213c-、W(CR1213d-及びR1011N-C(=O)-(CR1213c-からなる群から選択され;
各R10は、H、低級アルキル、及びC3~C6シクロアルキルから独立に選択され;
各R11は、H、低級アルキル、及びC3~C6シクロアルキルから独立に選択され;
各R12は、H及び低級アルキルから独立に選択され;
各R13は、H及び低級アルキルから独立に選択され;
加えて、または別法では、同じ炭素原子に結合しているR12及びR13は一緒になって、C3~C6シクロアルキル基を形成していてもよく;
Wは、1~3個の環ヘテロ原子を有する3~7員の複素環式環であり;
cは、2~4であり;
dは、1~4であり;
3は、H、低級アルキル、置換低級アルキル、及びRR’N-(C2~4アルキル)-から選択され;
4は、H、ハロ、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、ニトロ、シアノ、C1~C3ペルフルオロアルキル、C1~C3ペルフルオロアルコキシ、カルボキシル、RR’N-、RR’NCO-、RCONH-、RCONR’-、RR’N-(C2~4アルキル)-、及びRR’N-(C2~4アルキル)-O-からなる群から選択され;
bは、0~2であり;
各R21は、H、ハロ、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、ニトロ、シアノ、C1~C3ペルフルオロアルキル、C1~C3ペルフルオロアルコキシ、カルボキシル、RR’N-、RR’NCO-、RCONH-、RCONR’-、RO2C-、アリール-O-及びヘテロアリール-O-からなる群から独立に選択され;かつ
nは、0~3である]。
【0035】
本発明のある特定の実施形態では、式VIIの化合物:
【化8】
を提供する
[式中、
1は、低級アルキル、置換低級アルキル、C3~C6シクロアルキル、置換C3~C6シクロアルキル、R1011N(CR1213c-、R10O(CR1213c-、W(CR1213d-及びR1011N-C(=O)-(CR1213c-からなる群から選択され;
各R10は、H、低級アルキル、及びC3~C6シクロアルキルから独立に選択され;
各R11は、H、低級アルキル、及びC3~C6シクロアルキルから独立に選択され;
各R12は、H及び低級アルキルから独立に選択され;
各R13は、H及び低級アルキルから独立に選択され;
加えて、または別法では、同じ炭素原子に結合しているR12及びR13は一緒になって、C3~C6シクロアルキル基を形成していてもよく;
Wは、1~3個の環ヘテロ原子を有する3~7員の複素環式環であり;
cは、2~4であり;
dは、1~4であり;
4は、H、ハロ、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、ニトロ、シアノ、C1~C3ペルフルオロアルキル、C1~C3ペルフルオロアルコキシ、カルボキシル、RR’N-、RR’NCO-、RCONH-、RCONR’-、RR’N-(C2~4アルキル)-、及びRR’N-(C2~4アルキル)-O-からなる群から選択され;
bは、0~2であり;
各R21は、H、ハロ、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、ニトロ、シアノ、C1~C3ペルフルオロアルキル、C1~C3ペルフルオロアルコキシ、カルボキシル、RR’N-、RR’NCO-、RCONH-、RCONR’-、RO2C-、アリール-O-及びヘテロアリール-O-からなる群から独立に選択され;かつ
nは、0~3である]。
【0036】
本発明のある特定の実施形態では、式VIIIの化合物:
【化9】
を提供する
[式中、
1は、低級アルキル、置換低級アルキル、C3~C6シクロアルキル、置換C3~C6シクロアルキル、R1011N(CR1213c-、R10O(CR1213c-、W(CR1213d-及びR1011N-C(=O)-(CR1213c-からなる群から選択され;
各R10は、H、低級アルキル、及びC3~C6シクロアルキルから独立に選択され;
各R11は、H、低級アルキル、及びC3~C6シクロアルキルから独立に選択され;
各R12は、H及び低級アルキルから独立に選択され;
各R13は、H及び低級アルキルから独立に選択され;
加えて、または別法では、同じ炭素原子に結合しているR12及びR13は一緒になって、C3~C6~シクロアルキル基を形成していてもよく;
Wは、1~3個の環ヘテロ原子を有する3~7員の複素環式環であり;
cは、2~4であり;
dは、1~4であり;
各R21は、H、ハロ、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、ニトロ、シアノ、C1~C3ペルフルオロアルキル、C1~C3ペルフルオロアルコキシ、カルボキシル、RR’N-、RR’NCO-、RCONH-、RCONR’-、RO2C-、アリール-O-及びヘテロアリール-O-からなる群から独立に選択され;かつ
nは、0~3である]。
【0037】
本発明のある特定の実施形態では、式IXの化合物:
【化10】
を提供する
[式中、
1は、低級アルキル、置換低級アルキル、C3~C6シクロアルキル、置換C3~C6シクロアルキル、R1011N(CR1213c-、R10O(CR1213c-、W(CR1213d-及びR1011N-C(=O)-(CR1213c-からなる群から選択され;
各R10は、H、低級アルキル、及びC3~C6シクロアルキルから独立に選択され;
各R11は、H、低級アルキル、及びC3~C6シクロアルキルから独立に選択され;
各R12は、H及び低級アルキルから独立に選択され;
各R13は、H及び低級アルキルから独立に選択され;
加えて、または別法では、同じ炭素原子に結合しているR12及びR13は一緒になって、C3~C6シクロアルキル基を形成していてもよく;
Wは、1~3個の環ヘテロ原子を有する3~7員の複素環式環であり;
cは、2~4であり;
dは、1~4であり;
各R22は、H、ハロ、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、アミノ、C1~C3ペルフルオロアルキル、及びC1~C3ペルフルオロアルコキシからなる群から独立に選択され;かつ
nは、0~3である]。
【0038】
式I~IXについての好ましい実施形態では、R1は、低級アルキルであるように選択される。より好ましくは、R1は、C1~C3アルキルであり、よりいっそう好ましくは、R1は、メチルまたはエチルである。
【0039】
「アルキル」という用語は、直鎖アルキル基、分枝鎖アルキル基、シクロアルキル(脂環式)基、アルキル置換シクロアルキル基、及びシクロアルキル置換アルキル基を含む飽和脂肪族基のラジカルを指す。好ましい実施形態では、直鎖または分枝鎖アルキルは、その主鎖中に8個以下の炭素原子を(例えば、直鎖ではC1~C8、分枝鎖ではC3~C8分枝鎖)、より好ましくは6個以下を有する。同様に、好ましいシクロアルキルは、それらの環構造中に3~8個の炭素原子を有し、より好ましくは、環構造中に3~6個の炭素を有する。
【0040】
炭素の数が別段に指定されていない限り、本明細書で使用する場合の「低級アルキル」は、上記で定義したとおりであるが、1~4個の炭素、より好ましくは1~3個の炭素原子を有するアルキル基を意味する。好ましい実施形態では、アルキルとして本明細書に示されている置換基は、低級アルキルである。低級アルキル基には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソ-ブチル、及びtert-ブチルが含まれる。
【0041】
「シクロアルキル」という用語は、環中に3~6個の炭素を有する飽和炭素環式基を指す。シクロアルキル基には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルが含まれる。
【0042】
「置換アルキル」という用語は、上記で定義したとおりで、かつ1~3個の置換基を有するアルキル基を指す。置換基は、ハロ、ヒドロキシ、低級アルコキシ、アミノ、低級アルキルアミノ、ニトロ、シアノ、ペルフルオロ低級アルキル、ペルフルオロ低級アルコキシ及びカルボキシルからなる群から選択される。
【0043】
「置換低級アルキル」は、上記で定義したとおりで、かつ1~3個の置換基を有する低級アルキル基を指す。置換基は、ハロ、ヒドロキシ、低級アルコキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、ペルフルオロ低級アルキル、ペルフルオロ低級アルコキシ及びカルボキシルからなる群から選択される。
【0044】
「置換C3~C6シクロアルキル」などの「置換シクロアルキル」は、上記で定義したとおりで、かつ1~3個の置換基を有するシクロアルキル基を指す。置換基は、ハロ、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、ペルフルオロ低級アルキル、ペルフルオロ低級アルコキシ及びカルボキシルからなる群から選択される。
【0045】
本明細書で使用する場合、「ハロゲン」または「ハロ」という用語は、-F、-Cl、-Brまたは-I、好ましくはF、ClまたはBrを示している。
【0046】
本明細書で使用する場合の「アルコキシル」または「アルコキシ」という用語は、酸素原子を介して結合している上記で定義したとおりのアルキル基を指す。代表的なアルコキシル基には、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、tert-ブトキシなどが含まれる。「低級アルコキシ」という用語は、低級アルキルが酸素原子を介して結合しているアルコキシ置換基を指し、その際、「低級アルキル」部分は、上記で定義したとおりである。
【0047】
「アミン」及び「アミノ」という用語は、非置換及び置換アミンの両方、例えば、一般式:
【化11】
によって表され得る部分を指す
[式中、R及びR’は、H及び低級アルキルからそれぞれ独立に選択される]。
【0048】
本明細書で使用する場合の「アリール」という用語には、0~4個のヘテロ原子を含んでもよい5員及び6員の単環式芳香族基、例えば、ベンゼン、ピレン、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、トリアゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン及びピリミジンなどが含まれる。環構造中にヘテロ原子を有するそれらのアリール基は、「アリール複素環」または「ヘテロアリール」基と称されることもある。芳香環は、上記のとおりのような置換基で、1つまたは複数の環位置で置換されていてもよい。「アリール」という用語にはまた、2個以上の炭素が2つの隣接する環で共有されている2つ以上の環式環(この環は「縮合環」である)を有し、環の少なくとも1つが芳香族である多環式環系が含まれる。
【0049】
本明細書で使用する場合の「アラルキル」という用語は、アリール基で置換されているアルキル基を指す。好ましくは、アルキル基は、上記のとおりの低級アルキルである。
【0050】
「複素環」または「ヘテロシクリル」という用語は、4~7個の環原子を有し、かつ1~3個の環ヘテロ原子を含む非芳香族複素環を指す。
【0051】
本明細書で使用する場合の「ヘテロ原子」という用語は、炭素または水素以外の任意の元素の原子を意味する。好ましいヘテロ原子は、窒素、酸素、及び硫黄である。最も好ましいのは、窒素及び酸素である。
【0052】
本明細書で使用する場合、いずれかの構造において1回よりも多く存在する場合の各表現、例えば、アルキル、m、n、R1、R2などの定義は、同じ構造中の他の箇所でのその定義から独立していることが意図されている。
【0053】
「置換」または「で置換されている」は、そのような置換が、置換される原子及び置換基の許容される原子価に従っていること、及びその置換が安定な化合物、例えば、再配列、環化、除去などによって、自発的な変換を受けることのない安定な化合物をもたらすことという暗黙の条件を含むことは理解されるであろう。
【0054】
本明細書で使用する場合、「置換(置換されている)」という用語は、有機化合物のすべての許容可能な置換基を含むことが企図されている。幅広い態様で、許容可能な置換基には、有機化合物の非環式及び環式、分枝及び非分枝、炭素環式及び複素環式、芳香族及び非芳香族置換基が含まれる。置換基の実例には、例えば、本明細書に上記のものが含まれる。許容可能な置換基は、適切な有機化合物について、1個または複数、及び同じでも、または異なってもよい。本発明の目的では、窒素などのヘテロ原子は、ヘテロ原子の原子価を満たす、水素置換基及び/または本明細書に記載の有機化合物の任意の許容可能な置換基を有してもよい。本発明が、有機化合物の許容可能な置換基によって限定されることは何ら意図されていない。
【0055】
本明細書で使用する場合の「保護基」という表現は、潜在的に反応性な官能基を望ましくない化学的変換から防御する一時的な置換基を意味する。そのような保護基の例には、カルボン酸のエステル、アルコールのシリルエーテル、ならびにそれぞれアルデヒド及びケトンのアセタール及びケタールが含まれる。保護基化学の分野は調査されてきた(Greene,T.W.;Wuts,P.G.M.Protective Groups in Organic Synthesis,2nd ed.;Wiley:New York,1991)。
【0056】
ある特定の本発明の化合物は、特に幾何学的または立体異性体型で存在することがある。本発明は、本発明の範囲内に該当するようなcis及びtrans異性体、R及びS鏡像異性体、ジアステレオマー、(D)異性体、(L)異性体、そのラセミ混合物、及び他のその混合物を含む、そのような化合物すべてを企図する。追加の非対称炭素原子が、アルキル基などの置換基中に存在してもよい。そのような異性体のすべて、さらにはその混合物が本発明に含まれる。本発明はまた、化合物では原子の同位体、例えば、水素ではジュウテリウムなどの置換を企図する。
【0057】
一態様では、本発明は、ROCKの阻害剤である式I~IXの化合物を提供する。ROCKは、2つの型で、すなわち、ROCK1(ROCKβ;p160-ROCK)及びROCK2(ROCKα)で存在する。一部の実施形態では、式I~IXの化合物は、ROCK1を選択的に阻害する。一部の実施形態では、式I~IXの化合物は、ROCK2を選択的に阻害する。一部の実施形態では、式I~IXの化合物は、ROCK1及びROCK2の阻害に関して非選択的である。本発明の文脈では、選択的とは、その阻害剤が他のキナーゼでのIC50と比較した場合に、ある1種のキナーゼについて少なくとも2倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、または少なくとも25倍低いIC50を示すことを意味する。
【0058】
キナーゼ阻害を決定する方法は、当技術分野で公知である。例えば、試験化合物の酵素のキナーゼ活性及び阻害能力は、基質の酵素特異定リン酸化を測定することによって決定され得る。市販のアッセイ及びキットが利用可能であり、使用することができる。例えば、キナーゼ阻害は、IMAP(登録商標)アッセイ(Molecular Devices)を使用して決定され得る。このアッセイ方法は、蛍光標識されたペプチド基質の使用を伴う。目的のキナーゼによる標識ペプチドのリン酸化は、ホスホ基と三価金属との間の特異的高親和性相互作用を介して、三価金属ベースのナノ粒子へのペプチドの結合を促進する。ナノ粒子への近接は、蛍光偏光の増加をもたらす。キナーゼ阻害剤によるキナーゼの阻害は基質のリン酸化を阻止し、それによって、ナノ粒子への蛍光標識基質の結合を制限する。そのようなアッセイは、マイクロウェルアッセイフォーマットと適合し得て、多数の化合物のIC50を同時に決定することを可能にする。
【0059】
疾患を処置する方法
本発明の一態様では、疾患に罹患している患者を処置する方法であって、そのような処置を必要とする患者に、治療有効量の本発明の化合物を投与することを含む方法を提供する。本明細書で使用する場合の「治療有効量」という語句は、動物の細胞の少なくとも部分集団において多少の所望の治療効果を、何らかの医学的処置に適用可能な合理的なベネフィット/リスク比、例えば、何らかの医学的処置に適用可能な合理的な副作用で生じさせるために有効である本発明の化合物、物質、または化合物を含む組成物の量を意味する。
【0060】
CNS障害
式I~IXの化合物は、有効な血液脳関門(BBB)透過、及び中枢神経系の組織への分布を示す。したがって、本発明の化合物は、中枢神経系障害、さらには、BBBを通過する能力から利益を受けるある種の眼障害などの障害の処置に有用である。そのような障害は、限定ではないが、ハンチントン病、パーキンソン病、アルツハイマー、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、バッテン病、認知症、脊髄性筋萎縮症、運動ニューロン疾患、脊髄小脳失調、急性または慢性疼痛、認知症、神経変性、脊髄損傷、脳血管痙攣または多発性硬化症を含む、神経変性または神経組織の物理的損傷に関与し得る。
【0061】
心臓血管及び他の疾患
ROCK及び/またはROCK媒介性リン酸化を阻害する本発明の化合物は、Rhoキナーゼ機能が関与する心臓血管及び非心臓血管疾患、例えば、高血圧、肺高血圧、アテローム硬化症、再狭窄、虚血性心疾患、心臓肥大、高眼圧、網膜障害、虚血性疾患、脳虚血、脳血管痙攣、陰茎勃起機能不全、末梢循環障害、末梢動脈閉塞疾患、緑内障(例えば、眼内圧の調節)、肺線維症、肝線維症、腎線維症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、成人呼吸窮迫症候群、中枢神経系障害、例えば、神経変性及び脊髄損傷に罹患している患者を処置するために有用である。さらに、本発明のROCK阻害剤は、血小板凝集及び白血球凝集などの動脈血栓性障害、ならびに骨吸収を処置するために使用することができる。
【0062】
本発明の一実施形態では、化合物を、脳海綿状血管腫(CCM)を処置するために使用する。CCMは、漏出性拡張毛細血管の密集からなる血管病変であり、発作及び卒中を含む中枢神経系(CNS)障害と関連している。血管完全性の喪失は、RhoAの活性化及びROCKの活性化に関与して、細胞骨格安定性の変化及び血管透過性の上昇をもたらすと考えられる。本発明の化合物は、ROCK活性化を阻害し、かつ血管内皮機能を再生する。
【0063】
緑内障
本発明の一実施形態では、式I~IXの化合物を、緑内障を処置するために使用する。2種の最も一般的な原発性開放隅角緑内障及び急性閉塞隅角緑内障は、高い眼圧によって特徴づけられる。色素性緑内障及び先天性緑内障も、流体流出の減少及び高い眼内圧(IOP)によって特徴づけられる。正常眼圧緑内障は、別の機構、特に視神経への不十分な血流によると考えられている。続発性緑内障は、損傷、感染、炎症、腫瘍または白内障から生じ得、またステロイドの長期使用、全身性高血圧、糖尿病性網膜症、及び網膜中心静脈閉塞症とも関連する。血管新生成分を有する緑内障は、ROCK阻害剤に加えて、血管新生阻害剤の投与から利益を受け得る。
【0064】
炎症
本発明は、対象において炎症を処置する方法であって、対象に、治療有効量の式I~IXの化合物を投与することを含む方法を提供する。炎症には、限定ではないが、喘息、心臓血管炎症、腎臓炎症、アテローム硬化症及び動脈硬化症、ならびに敗血症が含まれる。本発明の方法によって処置され得る他の炎症性状態には、線維化状態(例えば、特発性肺線維症、NASH、強皮症、全身性硬化症、及び硬変を含む)が含まれる。
【0065】
自己免疫障害
本発明は、対象において自己免疫障害を処置する方法であって、対象に治療有効量の式I~IXの化合物を投与することを含む方法を提供する。自己免疫障害には、限定ではないが、関節リウマチ、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス(SLE;狼瘡)、乾癬、クローン病、アトピー性皮膚炎、湿疹、または移植片対宿主疾患(GVHD)、急性播種性脳脊髄炎(ADEM)、急性壊死性出血性白質脳炎、アジソン病、無ガンマグロブリン血症、円形脱毛症、アミロイドーシス、強直性脊椎炎、抗GBM/抗TBM腎炎、抗リン脂質症候群(APS)、自己免疫性血管性浮腫、自己免疫性再生不良性貧血、自己免疫性自律神経障害、自己免疫性肝炎、自己免疫性高脂血症、自己免疫性免疫不全、自己免疫性内耳疾患(AIED)、自己免疫性心筋炎、自己免疫性卵巣炎、自己免疫性膵炎、自己免疫性網膜障害、自己免疫性血小板減少性紫斑病(ATP)、自己免疫性甲状腺疾患、自己免疫性蕁麻疹、軸索及び神経ニューロパチー、バロー病、ベーチェット病、水疱性類天疱瘡、心筋症、キャッスルマン病、セリアック病、シャガス病、慢性疲労症候群、慢性炎症性脱髄性多発性神経障害(CIDP)、慢性再発性多巣性骨髄炎(Chronic recurrent multifocal ostomyelitis)(CRMO)、チャーグ-ストラウス症候群、瘢痕性類天疱瘡/良性粘膜類天疱瘡、クローン病、コーガン症候群、寒冷凝集素症、先天性心ブロック、コクサッキー心筋炎、CREST病、本態性混合型クリオグロブリン血症、脱髄性神経障害、疱疹状皮膚炎、皮膚筋炎、ドヴィック病(視神経脊髄炎)、円板状紅斑性狼瘡、ドレスラー症候群、子宮内膜症、好酸球性食道炎、好酸球性筋膜炎、結節性紅斑、実験的アレルギー性脳脊髄炎、エヴァンス症候群、線維筋痛症、線維化性肺胞隔炎、巨細胞性動脈炎(側頭動脈炎)、巨細胞性心筋炎、糸球体腎炎、グッドパスチャー症候群、多発血管炎性肉芽腫症(GPA)(以前はヴェグナー肉芽腫症と呼ばれていた)、グレーブス病、ギラン-バレー症候群、橋本脳症、橋本甲状腺炎、溶血性貧血、ヘノッホ-シェーンライン紫斑病、妊娠性疱疹、低ガンマグロブリン血症、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、IgA腎障害、IgG4関連硬化性疾患、免疫調節性リポタンパク質、封入体筋炎、間質性膀胱炎、若年性関節炎、若年性糖尿病(1型糖尿病)、若年性筋炎、川崎症候群、ランバート-イートン症候群、白血球破砕性血管炎、扁平苔癬、硬化性苔癬、木質性結膜炎、線状IgA病(LAD)、ループス(SLE)、ライム病、慢性メニエール病、顕微鏡的多発性血管炎、混合結合組織病(MCTD)、モーレン潰瘍、ムッハ-ハーベルマン病、多発性硬化症、重症筋無力症、筋炎、ナルコレプシー、視神経脊髄炎(ドヴィック病)、好中球減少症、眼瘢痕性類天疱瘡、視神経炎、回帰性リウマチ、PANDAS(小児自己免疫性溶連菌関連性精神神経障害)、腫瘍随伴性小脳変性症、発作性夜間血色素尿症(PNH)、パリーロンバーグ症候群、パーソネージ-ターナー症候群(Parsonnage-Turner syndrome)、扁平部炎(周辺性ブドウ膜炎)、天疱瘡、末梢神経障害、静脈周囲脳脊髄炎、悪性貧血、POEMS症候群、結節性多発性動脈炎、I型、II型、及びIII型多腺性自己免疫症候群、リウマチ性多発筋痛症、多発性筋炎、心筋梗塞後症候群、心膜切開後症候群、プロゲステロン皮膚炎、原発性胆汁性肝硬変、原発性硬化性胆管炎、乾癬、乾癬性関節炎、特発性肺線維症、壊疽性膿皮症、赤芽球癆、レイノー現象、反応性関節炎、反射性交感神経性ジストロフィー、ライター症候群、再発性多発性軟骨炎、レストレスレッグ症候群、後腹膜線維症、リウマチ熱、関節リウマチ、サルコイドーシス、シュミット症候群、強膜炎、強皮症、シェーグレン症候群、精子及び精巣の自己免疫、全身硬直症候群、亜急性細菌性心内膜炎(SBE)、スザック症候群、交感性眼炎、高安動脈炎、側頭動脈炎/巨細胞性動脈炎、血小板減少性紫斑病(TTP)、トローザ-ハント症候群、横断性脊髄炎、1型糖尿病、潰瘍性大腸炎、未分化結合組織疾患(UCTD)、ブドウ膜炎、脈管炎、小水疱水疱性皮膚疾患、ならびに白斑が含まれる。
【0066】
本発明によれば、ROCK阻害によるTh17(IL-17分泌)細胞の標的化は、ヒトにおいて、限定されないが、自己免疫障害、例えば、RA、MS、SLE、乾癬、及びクローン病、及びGVHDを含むTh17細胞媒介性疾患をするための方法を提供する。本発明の一実施形態では、ROCK阻害剤は、式Iの化合物である。
【0067】
Tregの発生及び機能は、特異的シグナルトランスダクション経路の活性化に依存する。TGF-β及びIL-2は、両方ともTreg抑制機能の制御において必須の役割を果たすFoxp3及びSTAT5転写因子の発現を活性化させる。他方で、炎症誘発性サイトカインは、STAT3リン酸化の上方制御によってFoxp3発現を阻害する。本発明によれば、ROCK2の薬理学的阻害は、Treg機能を調節し得る。
【0068】
新生物疾患
本発明のROCK阻害剤は、腫瘍細胞の増殖及び転移、ならびに血管新生を阻害し、新生物疾患を処置するために有用である。新生物疾患には、異常または無制御の細胞分裂に起因する任意の悪性増殖または腫瘍が含まれ、それらは、リンパ系または血流を介して身体の他の部分に展開し得る。新生物疾患には、限定ではないが、リンパ腫(通常は悪性であるリンパ組織の新生物)、癌腫(上皮性組織に由来する何らかの悪性腫瘍)、白血病(白血球の異常な増殖によって特徴づけられる造血組織の悪性新生物)、肉腫(結合組織(骨または筋肉など)から生じる通常悪性の腫瘍)、及び芽細胞腫(前駆体細胞における悪性病変)が含まれる。非限定的例には、扁平上皮細胞癌、小細胞肺癌、下垂体癌、食道癌、神経膠星状細胞腫、軟部組織肉腫、非小細胞肺癌、肺腺癌、肺扁平上皮癌、腹膜癌、肝細胞癌、胃腸癌、膵臓癌、神経膠芽細胞腫、子宮頸癌、卵巣癌、肝臓癌、膀胱癌、肝細胞癌、乳癌、結腸癌、結腸直腸癌、子宮内膜または子宮癌、唾液腺癌、腎臓癌、肝臓癌、前立腺癌、外陰癌、甲状腺癌、肝癌、脳癌、子宮内膜癌、精巣癌、胆管癌、胆嚢癌、胃癌、黒色腫、及び様々な種類の頭頚部癌が含まれる。
【0069】
体重増加/減少
本発明によれば、ROCK阻害剤を、体重減少をもたらす、及び/または体重増加を制限するために使用する。ROCK阻害剤は、正常な対象において体重減少を促進する、及び肥満しやすい対象において体重増加を制限する。
【0070】
インスリン抵抗性
本発明の一実施形態では、ROCK阻害剤を、インスリン抵抗性を減少させる、もしくは予防する、またはインスリン感受性を回復させるために使用する。したがって、一実施形態では、本発明の化合物を、インスリン依存型グルコース取り込みを促進する、または回復させるために使用する。本発明の別の実施形態では、本発明のROCK阻害剤を、耐糖能を促進する、または回復させるために使用する。本発明の別の実施形態では、本発明のROCK阻害剤を、代謝症候群を処置するために使用する。別の実施形態では、本発明のROCK阻害剤を、インスリン過剰血症を減少させる、または予防するために使用する。本発明の一実施形態では、ROCK阻害剤を、糖尿病(特に2型糖尿病)を処置するために使用する。本発明のROCK阻害剤を、血管平滑筋細胞(VSMC)のインスリン媒介性弛緩を促進する、または回復させるために使用することもできる。
【0071】
血管新生
本発明は、血管由来成分を伴う疾患及び障害を処置するための方法及び化合物を提供する。本発明によれば、ある特定の実施形態では、そのような疾患及び障害を、対象に有効量のROCK阻害剤を投与することによって処置する。本発明によれば、そのような疾患及び障害は、有効量のrhoキナーゼ阻害剤及び有効量の血管新生阻害剤を投与することによって処置することもできる。本発明によれば、血管由来成分を有する眼疾患及び障害をこの手法で処置する。一実施形態では、本発明は、「乾燥」及び「滲出」型で生じる加齢性黄斑変性(AMD)を処置する方法を提供する。AMDの「滲出」型は、異常な血管成長(血管新生)による視力喪失をもたらす。これらの網膜血管からの出血、漏出、及び瘢痕化は最終的に、光受容体に対する不可逆的損傷をもたらす。乾燥型は網膜色素上皮層の萎縮から生じており、これは、目の中心部分にある光受容体(杆状体及び錐状体)の喪失によって視力喪失をもたらす。別の実施形態では、本発明は、脈絡膜血管新生(CNV)を処置する方法を提供する。脈絡膜血管新生は、新たな血管が脈絡膜でブルッフ膜を介して成長し、網膜下腔に侵入するプロセスであり、他の原因の中でも、加齢黄斑変性、近視及び眼外傷の症状である。別の実施形態では、本発明は、糖尿病性黄斑浮腫(DME)を処置する方法を提供する。別の実施形態では、本発明は、網膜分枝静脈閉塞症(BRVO)または網膜中心静脈閉塞症(CRVO)に続発する黄斑浮腫を処置する方法を提供する。他の実施形態では、処置を受ける疾患には、限定ではないが、感染性及び非感染性の網膜血管新生、感染性及び非感染性の角膜血管新生、虹彩血管新生、ブドウ膜炎、血管新生緑内障、及び未熟児網膜炎(ROP)が含まれる。処置方法は、角膜移植後の角膜血管新生を回避するため、または柵状織切除手術における創傷治癒プロセスを調節するためなど、予防的であってよい。これらの疾患及び障害は、血管由来成分を有すると特徴づけられ得る。本発明によれば、そのような障害を、ROCK阻害剤、及び血管新生阻害剤を投与することによって処置する。
【0072】
したがって、このような一実施形態では、疾患または障害はAMDであり、AMDの処置を必要とする対象に、AMDを処置するために有効な量のROCK阻害剤を投与する。別の実施形態では、対象に、ROCK阻害剤及び血管新生阻害剤を、AMDを処置するために有効な量で投与する。一部の実施形態では、血管新生阻害剤は、VEGFR2アンタゴニストである。ある特定のこのような実施形態では、VEGFR2アンタゴニストは、VEGFに結合する。他のそのような実施形態では、VEGFR2アンタゴニストは、VEGFR2に結合する。そのようなVEGFR2結合阻害剤には、限定されないが、抗体及びそのVEGFR2結合断片を含む、VEGFR2の細胞外ドメインに結合する作用物質、ならびにVEGFR2の細胞内ドメインと相互作用し、かつVEGFR2依存性シグナル伝達の活性化を遮断する作用物質が含まれる。VEGFR2アンタゴニストにはさらに、他の細胞構成要素と相互作用してVEGFR2依存性シグナル伝達を遮断する作用物質が含まれる。本発明の他の実施形態では、上記で示されているような血管由来成分を有する他の眼疾患及び障害を同様に処置する。
【0073】
本発明によれば、ROCK阻害剤及び血管新生阻害剤を、対象に、過剰な血管新生によって特徴づけられる病的状態を処置または予防するために有効な量で投与する。例えば、血管新生及び/または炎症を伴うそのような状態には、アテローム硬化症、関節リウマチ(RA)、血管腫、血管線維腫、及び乾癬が含まれる。血管由来疾患の他の非限定的例は、未熟児網膜症(水晶体後方線維増殖)、角膜移植片拒絶、屈折手術の合併症に関連する角膜血管新生、コンタクトレンズ合併症に関連する角膜血管新生、翼状片及び再発性翼状片に関連する角膜血管新生、角膜潰瘍疾患、及び非特異的眼表面疾患、インスリン依存型糖尿病、多発性硬化症、重症筋無力症、クローン病、自己免疫性腎炎、原発性胆汁性肝硬変、急性膵臓炎、同種異色片拒絶、アレルギー性炎症、接触皮膚炎及び遅延型超過敏反応、炎症性腸疾患、敗血症性ショック、骨粗鬆症、変形性関節症、ニューロン炎症によって誘導される認知障害、オスラー-ウェーバー症候群、再狭窄、ならびにサイトメガロウイルス感染症を含む真菌、寄生虫及びウイルス感染症である。
【0074】
本発明は、汎ROCK阻害剤(すなわち、ROCK1及びROCK2を阻害する化合物)を提供する。ある研究によって、ROCK2が非腫瘍肝臓と比較して肝細胞癌で過剰発現されることが多い一方で、ROCK1発現は変わらないことが観察された。ROCK2選択的阻害剤での処置から利益を受け得る他のがんには、限定されないが、結腸及び膀胱癌が含まれる。対照的に、ROCK1発現レベルは、乳腫瘍においてより高いことが観察されている。任意のがんを、ROCK1及び/またはROCK2の過剰発現が存在するかどうかを決定するために試験し、それに応じて処置することができる。ある特定の状況では、ROCK1及びROCK2アイソフォームは、ある特定の下流標的の調節において類似性を示し、どちらのアイソフォームも優勢ではないと考えられる。そのような場合、汎ROCK阻害剤が好ましいことがある。
【0075】
他の作用物質との組み合わせ
本発明の化合物を有利に、第2の作用物質と共に、それを必要とする患者に投与することができる。ROCK阻害剤を第2の作用物質と共に投与する場合、ROCK阻害剤及び第2の作用物質を順次に、または付随的に投与することができる。順次に、とは、一方の作用物質をある期間にわたって投与し、続いて、他の作用物質を投与するが、それは、第1の作用物質の投与の後であってよいことを意味する。作用物質を順次に投与する場合、一方の作用物質のレベルは、第2の作用物質が投与されるときに治療上有効なレベルで維持されていなくてもよく、逆も同様である。付随的に、とは、第1及び第2の作用物質を、作用物質が同時には投与されないが、両方の作用物質が実質的に治療上有効なレベルで維持されるスケジュールに従って投与することを意味する。各作用物質を単回または複数回投与で投与することができ、用量を、限定ではないが、1日2回、毎日、毎週、2週ごと、及び毎月を含む任意のスケジュールで投与することができる。
【0076】
本発明はまた、補助投与(adjunctive administration)を含む。補助投与は、疾患または疾患症状を処置するために既に投与されている第1の作用物質に加えて、第2の作用物質が患者に投与されることを意味する。一部の実施形態では、補助投与は、第2の作用物質を、第1の作用物質の投与が疾患または疾患症状を十分に処置しなかった患者に投与することを伴う。他の実施形態では、補助投与は、第2の作用物質を、その疾患が第1の作用物質の投与によって効果的に処置されているが、補助処置がその処置結果を改善することが予測される患者に投与することを伴う。一部の実施形態では、第1及び第2の作用物質の投与の効果は相乗的である。一部の実施形態では、第1及び第2の作用物質の投与は、単独でのいずれかの作用物質の投与と比較して、再発を予防する、または再発までの時間を長期化する。一部の実施形態では、第1及び第2の作用物質の投与は、第1及び第2の作用物質の投薬量及び/または投与頻度の減少を可能にする。
【0077】
本発明の化合物と組み合わせて投与することができる抗炎症薬及び免疫抑制薬には、ステロイド薬、例えば、グルココルチコイド(例えば、デキサメタゾン)、FK506(タクロリムス)、シクロスポリン、フィンゴリモド、インターフェロン、例えば、IFNβまたはIFNγ、腫瘍壊死因子アルファ(TNF-α)結合タンパク質、例えば、インフリキシマブ(Remicade)、エタネルセプト(Enbrel)、またはアダリムマブ(Humira)、ミコフェノール酸、MMF、メトトレキサート、NSAID、スタチン、シロリムス/テムシロリムス/エベロリムス、アバタセプト(Orencia)、アナキンラ(Kineret)、セルトリズマブ(Cimzia)、ゴリムマブ(Simponi)、イキセキズマブ(Taltz)、ナタリズマブ(Tysabri)、リツキシマブ(Rituxan)、セクキヌマブ(Cosentyx)、トシリズマブ(アクテムラ)、ウステキヌマブ(Stelara)、ベドリズマブ(Entyvio)、バシリキシマブ(Simulect)、ダクリズマブ(Zinbryta)、ムロモナブ(Orthoclone OKT3)、Jakafi(ルクソリチニブ)、Xeljanz(Tofacitnib)、及びOtezla(アプレミラスト)が含まれる。
【0078】
本発明の一実施形態では、本発明のrhoキナーゼ阻害剤及び抗腫瘍薬を、それを必要とする対象に投与する。別の実施形態では、本発明のrhoキナーゼ阻害剤及び血管新生阻害剤を、それを必要とする対象に投与する。別の実施形態では、本発明のrhoキナーゼ阻害剤及び抗炎症薬を、それを必要とする対象に投与する。また別の実施形態では、本発明のROCK阻害剤及び免疫抑制薬を投与する。第2の作用物質は、限定ではないが、小分子、抗体もしくはその抗原結合断片、または放射線であってよい。
【0079】
抗新生物作用物質には、限定ではないが、細胞傷害性化学療法薬、標的化小分子及び生物学的分子、及び放射線が含まれる。本発明のrhoキナーゼ阻害剤に加えて、腫瘍を処置するために投与することができる化合物及び作用物質には、次が含まれる:イリノテカン、エトポシド、カンプトテシン、5-フルオロウラシル、ヒドロキシ尿素、タモキシフェン、パクリタキセル、カプシタビン、カルボプラチン、シスプラチン、ブレオマイシン、ダクトマイシン(dactomycin)、ゲムシタビン、ドキソルビシン、ダノルビシン(danorubicin)、シクロフォスファミド、及び体外(例えば、体外照射療法(EBRT))または体内(例えば、小線源療法(BT))であってよい放射線療法。
【0080】
標的化小分子及び生物学的分子には、限定ではないが、シグナル伝達経路の成分の阻害剤、例えば、チロシンキナーゼのモジュレーター及び受容体チロシンキナーゼの阻害剤、ならびに腫瘍特異的抗原に結合する作用物質が含まれる。例には、ゲフィチニブ、エルロチニブ、及びセツキシマブを含む上皮成長因子受容体(EGFR)の阻害剤、HER2の阻害剤(例えば、トラスツズマブ、トラスツズマブエムタンシン(トラスツズマブ-DM1;T-DM1)及びペルツズマブ)、抗VEGF抗体及び断片(例えば、ベバシズマブ)、CD20を阻害する抗体(例えば、リツキシマブ、イブリツモマブ)、抗VEGFR抗体(例えば、ラムシルマブ(IMC-1121B)、IMC-1C11、及びCDP791)、抗PDGFR抗体、及びイマチニブが含まれる。小分子キナーゼ阻害剤は、1種の特定のチロシンキナーゼに特異的であってもよいし、または2種以上のキナーゼの阻害剤であってもよい。例えば、化合物N-(3,4-ジクロロ-2-フルオロフェニル)-7-({[(3aR,6aS)-2-メチルオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロル-5-イル]メチル}オキシ)-6-(メチルオキシ)キナゾリン-4-アミン(XL647、EXEL-7647及びKD-019としても公知)は、EGFR、EphB4、KDR(VEGFR)、Flt4(VEGFR3)及びErbB2を含む複数の受容体チロシンキナーゼ(RTK)のインビトロ阻害剤であり、また、ある特定のTKIに対する腫瘍の非応答性をもたらす経路に関与するSRCキナーゼの阻害剤である。本発明の一実施形態では、必要とする対象の処置は、式I~IXのROCK阻害剤の投与及びKD-019の投与を含む。
【0081】
ダサチニブ(BMS-354825;Bristol-Myers Squibb、New York)は、別の経口で生物学的に利用可能なATP部位競合的Src阻害剤である。ダサタニブ(Dasatanib)は、Bcr-Abl(慢性骨髄性白血病(CML)またはフィラデルフィア染色体陽性(Ph+)急性リンパ芽急性白血病(ALL)を有する患者において使用するためにFDAによって認可済み)、さらにはc-Kit、PDGFR、c-FMS、EphA2、及びSrcファミリーキナーゼをも標的とする。Src及びBcr-Ablの経口チロシンキナーゼ阻害剤の他の2種は、ボスチニブ(SKI-606)及びサラカチニブ(AZD0530)である。
【0082】
本発明によれば、血管新生阻害剤を本発明の化合物と併せて、対象に投与することができる。血管新生阻害剤には、新たな血管の成長を阻害する任意の物質が含まれる。例えば、血管新生阻害剤には、本明細書に開示の抗体を含む、VEGF、PlGF、及びVEGF受容体のアンタゴニストが含まれる。VEGFアンタゴニストは、細胞におけるVEGFと関連する機能を減少させる、または遮断する。VEGFアンタゴニストは、VEGFに結合して、その受容体への結合を遮断することによってVEGFに対して作用し得る、及び/またはVEGF媒介性シグナル伝達に関係する別の細胞成分に対して作用し得る。同様に、VEGFR2アンタゴニストは、VEGFR2への結合及びリガンド結合の遮断またはVEGFR2基質との相互作用によってVEGFR2媒介性シグナル伝達を減少させる、もしくは遮断する、または別の細胞成分に作用してVEGFR2媒介性シグナル伝達を減少させる、または遮断する作用物質である。したがって、血管新生阻害剤には、抗VEGFR2抗体、ならびに限定ではないが、VEGF、VEGFR1、VEGFR2、PDGF、PDGFR-β、ニューロピリン-1(NRP1)、及び補体のアンタゴニストが含まれる。
【0083】
血管新生阻害剤には、例えば、VEGF、PDGF、VEGFもしくはPDGF受容体のリガンド、または補体によって媒介されるシグナル伝達を遮断する細胞内作用物質が含まれる。血管新生阻害剤を阻害する細胞内作用物質には、限定ではないが、次が含まれる。スニチニブ(Sutent;SU11248)は、VEGFR1-VEGFR3、PDGFRα及びPDGFRβ、幹細胞因子受容体(cKIT)、Flt-3、及びコロニー刺激因子-1受容体(CSF-1R)の汎特異的小分子阻害剤である。アキシチニブ(AG013736;Inlyta)は、VEGFR-1-VEGFR-3、PDGFR、及びcKITを阻害する別の小分子チロシンキナーゼ阻害剤である。セジラニブ(AZD2171)は、VEGFR-1-VEGFR-3、PDGFRβ、及びcKITの阻害剤である。ソラフェニブ(Nexavar)は、VEGFR、PDGFR、及びRafキナーゼを含む数種のチロシンプロテインキナーゼの別の小分子阻害剤である。パゾパニブ(Votrient;(GW786034)は、VEGFR-1、-2及び-3、cKIT及びPDGFRを阻害する。ホレチニブ(GSK1363089;XL880)は、VEGFR2及びMETを阻害する。CP-547632は、VEGFR-2及び塩基性線維芽細胞成長因子(FGF)キナーゼの強力な阻害剤である。E-3810((6-(7-((1-アミノシクロプロピル)メトキシ)-6-メトキシキノリン-4-イルオキシ)-N-メチル-1-ナフタミド)は、ナノモル範囲でVEGFR-1、-2、及び-3ならびにFGFR-1及び-2キナーゼを阻害する。ブリバニブ(BMS-582664)は、FGF受容体シグナル伝達も阻害するVEGFR-2阻害剤である。CT-322(アドネクチン)は、ヒトフィブロネクチンドメインに基づく小タンパク質であり、VEGFR2に結合して、その活性化を阻害する。バンデタニブ(Caprelas;Zactima;ZD6474)は、VEGFR2、EGFR、及びRETチロシンキナーゼの阻害剤である。X-82(Xcovery)は、成長因子受容体VEGFR及びPDGFRを介するシグナル伝達の小分子インドリノン阻害剤である。
【0084】
医薬組成物
一態様では、本発明は、1種または複数の医薬品添加剤と一緒に製剤化された治療有効量の式I~IXの化合物のうちの1種または複数を含む薬学的に許容される組成物を提供する。下記のとおり、本発明の医薬組成物は、(1)経口投与(例えば、飲薬(水性または非水性液剤または懸濁剤)、錠剤、例えば、頬側、舌下、及び全身吸収を目的としたもの、ボーラス剤、散剤、顆粒剤、舌に適用するためのペースト剤)、(2)例えば、皮下、筋肉内、静脈内または硬膜外注射による非経口投与(例えば、滅菌液剤もしくは懸濁剤、または持続放出製剤として)、(3)局所塗布(例えば、皮膚に施与されるクリーム剤、軟膏剤、または制御放出貼付剤もしくは噴霧剤として)、(4)膣内または直腸内(例えば、膣坐剤、クリーム剤またはフォーム剤として)、(5)舌下、(6)眼内、(7)経皮、または(8)経鼻のために適合されたものを含めて、固体または液体で投与するために特別に製剤化することができる。
【0085】
「薬学的に許容される」という表現は本明細書では、適正な医学的判断の範囲内で、合理的なベネフィット/リスク比に見合った毒性、刺激、アレルギー応答、または他の問題もしくは合併症で、ヒト及び動物の組織と接触させて使用するために適している化合物、物質、組成物、及び/または剤形を指すために使用される。
【0086】
本明細書で使用する場合の「薬学的に許容される担体」という表現は、本化合物をある器官、または身体の一部から別の器官、または別の体の一部に運搬または輸送することに関わる、薬学的に許容される物質、組成物またはビヒクル、例えば、液体または固体増量剤、希釈剤、添加剤、製造助剤(例えば、滑沢剤、タルクマグネシウム、ステアリン酸カルシウムまたは亜鉛、またはステアリン酸(steric acid))、または溶媒封入剤(solvent encapsulating material)を意味する。各担体は、製剤の他の成分と適合性があるという意味で「許容され」なければならず、患者に有害であってはならない。薬学的に許容される担体として役立ち得る物質の一部の例には、(1)ラクトース、グルコース及びスクロースなどの糖、(2)トウモロコシデンプン及びバレイショデンプンなどのデンプン、(3)セルロース、ならびにカルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース及び酢酸セルロースなどのセルロースの誘導体、(4)トラガント末、(5)麦芽、(6)ゼラチン、(7)タルク、(8)カカオバター及び坐剤ろうなどの添加剤、(9)ラッカセイ油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリブ油、トウモロコシ油及びダイズ油などの油、(10)プロピレングリコールなどのグリコール、(11)グリセリン、ソルビトール、マンニトール及びポリエチレングリコールなどのポリオール、(12)オレイン酸エチル及びラウリン酸エチルなどのエステル、(13)寒天、(14)水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウムなどの緩衝剤、(15)アルギン酸、(16)発熱物質不含水、(17)等張性生理食塩水、(18)リンゲル液、(19)エチルアルコール、(20)pH緩衝溶液、(21)ポリエステル、ポリカーボネート及び/またはポリ無水物、ならびに(22)医薬製剤で用いられる、他の非毒性で適合性の物質が含まれる。
【0087】
上に提示したとおり、本化合物のある特定の実施形態は、アミノまたはアルキルアミノなどの塩基性官能基を含んでもよく、したがって、薬学的に許容される酸で薬学的に許容される塩を形成することができる。これに関する「薬学的に許容される塩」という用語は、本発明の化合物の相対的に非毒性、無機及び有機酸付加塩を指す。これらの塩は、投与ビヒクル中もしくは剤形製造プロセスにおいて、または本発明の精製化合物を遊離塩基形態で、適切な有機または無機酸と別に反応させ、そうして形成した塩をその後の精製中に単離することによって、その場で調製することができる。代表的な塩には、臭化水素酸塩、塩酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、リン酸塩、硝酸塩、酢酸塩、吉草酸塩、オレイン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、ラウリン酸塩、安息香酸塩、乳酸塩、リン酸塩、トシル酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、ナフチル酸塩、メシル酸塩、グルコヘプト酸塩、ラクトビオン酸塩、及びラウリルスルホン酸塩などが含まれる(例えば、Berge et al.(1977)”Pharmaceutical Salts,J.Pharm.Sci.66:1-19”を参照されたい)。
【0088】
本化合物の薬学的に許容される塩には、例えば非毒性有機もしくは無機酸からの化合物の従来の非毒性塩または第四級アンモニウム塩が含まれる。例えば、そのような従来の非毒性塩には、塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸などの無機酸から誘導される塩;及び酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パルミチン酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2-アセトキシ安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、シュウ酸、イソチオン酸などの有機酸から調製される塩が含まれる。
【0089】
他の場合では、本発明の化合物は1個または複数の酸性官能基を含有してよく、したがって、薬学的に許容される塩基と共に薬学的に許容される塩を形成することができる。これらの例において、「薬学的に許容される塩」という用語は、本発明の化合物の相対的に非毒性の無機及び有機塩基付加塩を指す。これらの塩も同様に、投与ビヒクル中もしくは剤形製造プロセスにおいて、または精製化合物を遊離塩基形態で、薬学的に許容される金属カチオンの水酸化物、炭酸塩もしくは重炭酸塩などの適切な塩基と、アンモニアと、または薬学的に許容される有機第一級、第二級もしくは第三級アミンと別に反応させることによって、その場で調製することができる。代表的なアルカリ金属またはアルカリ土類金属塩には、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、及びアルミニウム塩などが含まれる。塩基付加塩を形成するために有用な代表的な有機アミンには、エチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペラジンなどが含まれる(例えば、Berge et al.、前出を参照されたい)。
【0090】
ラウリル硫酸ナトリウム及びステアリン酸マグネシウムなどの湿潤剤、乳化剤及び滑沢剤、さらには着色剤、剥離剤、コーティング剤、甘味・香味及び芳香剤、防腐剤ならびに抗酸化剤も、組成物中に存在してよい。
【0091】
薬学的に許容される抗酸化剤の例には、(1)アスコルビン酸、塩酸システイン、硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムなどの水溶性抗酸化剤、(2)パルミチン酸アスコルビル、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、没食子酸プロピル、アルファ-トコフェロールなどの油溶性抗酸化剤、及び(3)クエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸、リン酸などの金属キレート化剤が含まれる。
【0092】
本発明の製剤には、経口、経鼻、局所(頬側及び舌下を含む)、直腸、膣内、及び/または非経口的投与に好適な製剤が含まれる。これらの製剤を、単位剤形で好都合に提示することができ、また薬学の分野で周知の任意の方法によって調製することができる。単一剤形を作製するために担体物質と組み合わせることができる活性成分の量は、処置を受ける宿主、特定の投与様式に応じて変化する。単一剤形を作製するために担体物質と組み合わせることができる活性成分の量は一般的に、治療効果をもたらす化合物の量である。一般的に、100%のうち、この量は活性成分約0.1%~約99%、好ましくは約5%~約70%、最も好ましくは約10%~約30%の範囲である。
【0093】
ある特定の実施形態では、本発明の製剤は、シクロデキストリン、セルロース、リポソーム、ミセル形成剤、例えば胆汁酸、ならびにポリマー担体、例えば、ポリエステル及びポリ無水物からなる群から選択される添加剤;ならびに本発明の化合物を含む。ある特定の実施形態では、上述の製剤は、本発明の化合物を経口で生物学的に利用可能にする。
【0094】
これらの製剤または組成物の調製方法は、本発明の化合物を担体、及び任意選択で1種または複数の副成分と混合するステップを含む。一般に、製剤は、本発明の化合物を液状担体もしくは微粉固体担体、またはその両方と均一かつ密接に混合し、次いで必要な場合には、生成物を成形することによって調製される。
【0095】
経口投与に適した本発明の製剤は、カプセル剤、カシェ剤、丸剤、錠剤、ロゼンジ剤、散剤、顆粒剤、または水性液体もしくは非水液体中の液剤もしくは懸濁剤の形態で、または水中油型もしくは油中水型液体乳剤として、またはエリキシル剤もしくはシロップ剤として、またはトローチ剤(ゼラチン及びグリセリン、もしくはスクロース及びアラビアゴムなどの不活性基剤を使用)として、及び/または口内洗剤としてであってよく、それぞれ所定量の本発明の化合物を活性成分として含有する。本発明の化合物はまた、ボーラス剤、舐剤またはペースト剤として投与されてもよい。
【0096】
経口投与用の本発明の固体剤形(カプセル剤、錠剤、丸剤、糖剤、散剤、顆粒剤、トローチ剤など)では、活性成分を、クエン酸ナトリウムもしくはリン酸ニカルシウムなど、及び/または以下のいずれかなどの薬学的に許容される担体を含む1種または複数の薬学的に許容される添加剤と混合する:(1)デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、及び/またはケイ酸などの充填剤及び増量剤、(2)例えばカルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース及び/またはアラビアゴムなどの結合剤、(3)グリセロールなどの保湿剤、(4)寒天、炭酸カルシウム、バレイショまたはタピオカデンプン、アルギン酸、ある特定のケイ酸塩、及び炭酸ナトリウムなどの崩壊剤、(5)パラフィンなどの溶解遅延剤、(6)第四級アンモニウム化合物などの吸収促進剤ならびにポロキサマー及びラウリル硫酸ナトリウムなどの界面活性剤、(7)例えばセチルアルコール、グリセロールモノステアラート、及び非イオン界面活性剤などの湿潤剤、(8)カオリン及びベントナイト粘土などの吸収剤、(9)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸、及びこれらの混合物などの滑沢剤、(10)着色剤、ならびに(11)クロスポビドンまたはエチルセルロースなどの放出制御剤。カプセル剤、錠剤及び丸剤の場合、医薬組成物はさらに緩衝剤を含んでもよい。そのような添加剤をラクトースまたは乳糖、さらには高分子量ポリエチレングリコールなどとして使用して、同様の種類の固体組成物をソフト及びハードゼラチンカプセル内の充填剤として用いてもよい。
【0097】
錠剤を、任意選択で1種または複数の副成分と共に圧縮または成形することによって作製してもよい。圧縮錠剤は結合剤(例えば、ゼラチンもしくはヒドロキシプロピルメチルセルロース)、滑沢剤、不活性希釈剤、防腐剤、崩壊剤(例えば、デンプングリコール酸ナトリウムまたは架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム)、界面活性または分散剤を使用して調製してもよい。好適な機械で、不活性液体希釈剤で湿らせた粉末化合物の混合物を成形することによって、湿製錠剤を作製してもよい。
【0098】
本発明の医薬組成物の錠剤、ならびに糖衣錠、カプセル剤、丸剤及び顆粒剤などの他の固体剤形は任意選択で割線を入れても、または腸溶コーティング及び医薬分野で周知の、他のコーティングなどのコーティング及びシェルと共に調製してもよい。これらの剤形はまた例えば、所望の放出プロファイルを得るために様々な割合のヒドロキシプロピルメチルセルロースを使用して、また他のポリマーマトリックス、リポソーム及び/または微粒子を使用して、剤形中の活性成分の徐放または制御放出を得るために製剤化してもよい。急速放出、例えば凍結乾燥のために、これらを製剤化してもよい。これらを、例えば細菌保留フィルターによる濾過によって、または使用直前に滅菌水、もしくは他のいくつかの滅菌注射用媒体中に溶解可能な、滅菌固体組成物の形態で滅菌剤を組み込むことによって滅菌してもよい。これらの組成物は任意選択で、不透明化剤を含有してもよく、かつ活性成分(複数可)を消化管のある特定の部分だけで、またはそこで優先的に、任意選択で遅れて放出する組成物であってもよい。使用することができる埋め込み組成物の例には、高分子物質及びろうが含まれる。活性成分は、適切ならば、上記の添加剤の1種または複数を含むマイクロカプセル形態であってもよい。
【0099】
本発明の化合物を経口投与するための液体剤形には、薬学的に許容される乳剤、マイクロエマルジョン剤、液剤、懸濁剤、シロップ剤及びエリキシル剤が含まれる。活性成分に加えて、液体剤形は、例えば水または他の溶媒などの当技術分野で一般的に使用される不活性希釈剤、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、油(特に綿実油、ラッカセイ油、トウモロコシ油、オリブ油、ヒマシ油及びゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ソルビタンポリエチレングリコール及びソルビタン脂肪酸エステル、ならびにこれらの混合物などの可溶化剤ならびに乳化剤を含んでもよい。
【0100】
希釈剤の他に、経口組成物はまた、湿潤剤、乳化剤及び懸濁化剤、甘味、香味、着色、芳香及び防腐剤などの追加の添加剤を含んでもよい。
【0101】
懸濁剤は、活性化合物に加えて、例えば、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトール及びソルビタンエステル、微結晶性セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天及びトラガント、ならびにこれらの混合物などの懸濁化剤を含有してもよい。
【0102】
直腸または膣内投与用の本発明の医薬組成物の製剤は坐剤として提示されてもよく、その製剤は、本発明の1種または複数の化合物を、例えば、室温では固体であるが体温では液体であり、したがって直腸または膣腔内で溶解して活性化合物を放出するカカオバター、ポリエチレングリコール、坐剤ワックスまたはサリチル酸塩を含む1種または複数の適切な非刺激性添加剤または担体と混合することによって調製してもよい。
【0103】
膣内投与に適切な本発明の製剤には、適切であることが当技術分野で既知である、そのような担体を含有するペッサリー剤、タンポン剤、クリーム剤、ゲル剤、ペースト剤、フォーム剤またはスプレー製剤も含まれる。
【0104】
本発明の化合物の局所または経皮投与用の剤形には、散剤、噴霧剤、軟膏剤、ペースト剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、液剤、貼付剤及び吸入剤が含まれる。活性化合物を、滅菌状態下で、薬学的に許容される担体と、及び必要とされ得る任意の防腐剤、緩衝剤、または噴射剤と混合してもよい。
【0105】
軟膏剤、ペースト剤、クリーム剤及びゲル剤は、本発明の活性化合物に加えて、動物性及び植物性脂肪、油、ろう、パラフィン、デンプン、トラガント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルクならびに酸化亜鉛、またはこれらの混合物などの添加剤を含有してもよい。
【0106】
散剤及び噴霧剤は、本発明の化合物に加えて、ラクトース、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム及びポリアミド粉末、またはこれらの物質の混合物などの添加剤を含有することができる。噴霧剤は加えて、クロロフルオロ炭化水素、ならびにブタン及びプロパンなどの揮発性非置換炭化水素などの従来の噴射剤を含有することができる。
【0107】
経皮貼付剤は、本発明の化合物の身体への制御送達が得られるという追加の利点を有する。そのような剤形は、化合物を適切な媒体中に溶解または分散させることによって作製することができる。皮膚を通過しての化合物の流量を増大させるために、吸収促進剤を使用することもできる。そのような流れの速度は、速度制御膜を用意するか、またはポリマーマトリックスもしくはゲル中で化合物を分散させるか、いずれかによって制御することができる。
【0108】
眼科製剤、眼軟膏剤、散剤、液剤などもまた、本発明の範囲であることが企図される。
【0109】
非経口投与に適切な本発明の医薬組成物は、使用直前に滅菌注射用液剤または分散剤に再構成され得る、1種または複数の薬学的に許容される滅菌等張水溶液もしくは非水溶液、分散液、懸濁液もしくはエマルジョン、または滅菌粉末と組み合わせた1種または複数の本発明の化合物を含み、これらは糖、アルコール、抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤、製剤を意図されたレシピエントの血液と等張性にする溶質、懸濁化剤または増粘剤を含有し得る。
【0110】
本発明の医薬組成物中で使用され得る適切な水性及び非水性担体の例には、水、エタノール、ポリオール(グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)、及びこれらの適切な混合物、オリブ油などの植物油、ならびにオレイン酸エチルなどの注射可能な有機エステルが含まれる。例えばレシチンなどのコーティング材料の使用によって、分散剤の場合には必要な粒径の維持によって、及び界面活性剤の使用によって、適正な流動性を維持することができる。
【0111】
これらの組成物はまた、防腐剤、湿潤剤、乳化剤及び分散剤などの追加の添加剤を含有してもよい。様々な抗菌剤及び抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸などを含有することによって、本化合物での微生物の活動の阻止を確実にすることができる。組成物中に糖、塩化ナトリウムなどの等張化剤が含まれることが望ましいこともある。加えて、注射可能な医薬形態の吸収を長引かせることは、モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンなど、吸収を遅延させる薬剤を含有することによってもたらされる。
【0112】
場合によっては、薬物の効果を長引かせるために、皮下または筋肉注射からの薬物の吸収を遅らせることが望ましい。このことは、水に難溶性の結晶性または非晶質物質の液体懸濁液の使用によって達成され得る。次いで、薬物の吸収速度はその溶解速度に依存し、さらにこれは、結晶サイズ及び結晶形に依存し得る。別法では、非経口投与される薬物の形態の吸収遅延は、薬物を油性ビヒクル中に溶解または懸濁させることによって達成される。
【0113】
注射可能なデポー剤形態は、本化合物のマイクロカプセル基質を、ポリラクチド-ポリグリコリドなどの生分解性ポリマー中で形成することによって作製される。ポリマーに対する薬物の割合、及び使用する特定のポリマーの性質に応じて、薬物放出速度を制御することができる。他の生分解性ポリマーの例には、ポリ(オルトエステル)及びポリ(無水物)が含まれる。デポー注射製剤は、薬物を体内組織と適合性のリポソームまたはマイクロエマルジョン中に封入することによっても調製される。
【0114】
本発明の化合物を医薬品としてヒト及び動物に投与する場合、そのままで、または薬学的に許容される担体と組み合わせて、例えば0.1~99%(より好ましくは、10~30%)の活性成分を含有する医薬組成物として投与することができる。
【0115】
投与経路及び用量
本発明の製剤は経口、非経口、局所、または直腸投与することができる。これらはもちろん、各投与経路に適切な形態で投与される。例えば、これらを錠剤またはカプセル剤形態で、注射で、吸入で、目薬で、軟膏剤で、坐剤などによって投与する;注射、注入または吸入によって投与する;ローションまたは軟膏剤によって局所投与する;及び坐剤によって直腸投与する。経口投与が好ましい。
【0116】
本発明で使用する場合の「非経口的投与」及び「非経口で投与される」という表現は、腸内及び局所投与以外の、通常は注射による投与様式を意味し、それには、限定ではないが、静脈内、筋肉内、動脈内、髄腔内、嚢内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、経皮気管内、皮下、表皮下、関節内、被膜下、クモ膜下、髄腔内及び胸骨内注射及び注入が含まれる。
【0117】
本発明で使用する場合の「全身投与」、「全身に投与される」「末梢投与」及び「末梢に投与される」という表現は、患者の系に入り、したがって代謝及び他の同様のプロセスを受けるような、中枢神経系に直接入る以外の化合物、薬物または他の物質の投与(例えば皮下投与)を意味する。
【0118】
これらの化合物を治療のために、経口、経鼻(例えば噴霧剤によって)、直腸、膣内、非経口、槽内、ならびに散剤、軟膏剤または滴剤による(頬側及び舌下投与を含む)局所投与を含む任意の適切な投与経路でヒト及び他の動物に投与してもよい。
【0119】
選択された投与経路に関わらず、適切な水和形態で使用され得る本発明の化合物、及び/または本発明の医薬組成物は、当業者に既知の従来の方法によって、薬学的に許容される剤形に製剤化される。
【0120】
本発明の医薬組成物中の活性成分の実際の投薬量レベルは、特定の患者、組成、及び投与様式で、患者に有毒でなく、所望の治療反応を達成するために有効な活性成分の量を得るために変化し得る。
【0121】
選択される投薬量レベルは、使用される本発明の特定の化合物、またはそのエステル、塩もしくはアミドの活性、投与経路、投与時間、使用される特定の化合物の排泄または代謝速度、吸収速度及び程度、処置の持続期間、使用される特定の化合物と組み合わせて使用される他の薬物、化合物及び/または物質、治療を受ける患者の年齢、性別、体重、状態、全身健康ならびに以前の病歴、ならびに医療当業者に周知の同様の因子などを含む様々な因子に依存するであろう。
【0122】
当技術分野で通常の技能を有する医師または獣医師は、必要な医薬組成物の有効量を容易に決定し、処方することができる。例えば、医師または獣医師は、医薬組成物中で用いられる本発明の化合物の用量を、所望の治療効果を得るために必要な量よりも低いレベルで開始し、所望の効果が得られるまで投薬量を徐々に増加させることができる。
【0123】
一般に、本発明の化合物の適切な1日用量は、治療効果をもたらすために有効な最低用量である化合物の量である。そのような有効用量は一般的に、上記の要因に依存する。一般的に、表示された鎮痛効果のために使用される場合、患者への本発明の化合物の経口、静脈内、脳室内及び皮下用量は1日あたり、体重1kgあたり約0.0001~約100mgの範囲で変動する。
【0124】
ある特定の実施形態では、用量の化合物または組成物を対象に毎日、1日おき、2日おき、3日おき、週1回、週2回、週3回、または2週ごとに1回投与する。所望の場合には、活性化合物の有効な1日用量を、1日を通じて適切な間隔で2回、3回、4回、5回、6回またはそれ以上に分けて投与する下位投与として、また任意選択で、単位剤形で投与してもよい。一部の実施形態では、用量(複数回)の化合物または組成物を2日、3日、5日、7日、14日、または21日間にわたって投与する。ある特定の実施形態では、用量の化合物または組成物を1ヶ月、1.5ヶ月、2ヶ月、2.5ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月間またはそれ以上にわたって投与する。
【0125】
上記の投与スケジュールは、例示説明を目的として提供するにすぎず、限定的とみなされるべきではない。当業者は、あらゆる用量が本発明の範囲内にあることを容易に理解するであろう。
【0126】
この処置を受ける患者は、霊長類、特にヒト、ならびにウマ、ウシ、ブタ及びヒツジなどの他の哺乳類;ならびに一般的な家禽及びペットを含む、必要な任意の動物である。
【0127】
本発明の方法で使用するための化合物は、そのままで、または薬学的に許容される担体と混合して投与することができ、かつペニシリン、セファロスポリン、アミノグリコシド及びグリコペプチドなどの抗微生物剤と併せて投与することもできる。したがって併用療法には、最初に投与した製剤の治療効果が、後続の製剤が投与されるときに完全に消失していない方法で、活性化合物を順次に、同時に、及び別々に投与することが含まれる。
【0128】
本発明の活性化合物を動物飼料に添加することは、有効量で活性化合物を含む適切な飼料プレミックスを調製し、そのプレミックスを完成飼料に組み込むことによって好ましくは達成される。
【0129】
別法では、活性成分を含有する中間体濃縮物または飼料サプリメントを、飼料にブレンドすることができる。そのような飼料プレミックス及び完成飼料を調製して投与する方法は参照図書に記載されている(“Applied Animal Nutrition”,W.H.Freedman and CO.,San Francisco,U.S.A.,1969年、または“Livestock Feeds and Feeding”O and B books,Corvallis,Ore.,U.S.A.,1977年など)。
【0130】
親油性(水不溶性)医薬品の生物学的利用能を向上させるために、マイクロ乳化技術を使用してもよい。例には、Trimetrine(Dordunoo,S.K.,et al.,Drug Development and Industrial Pharmacy,17(12),1685-1713,1991)及びREV 5901(Sheen,P.C.,et al.,J Pharm Sci 80(7),712-714,1991)が含まれる。とりわけマイクロ乳化は、循環系の代わりにリンパ系への吸収を優先的に誘導し、それによって肝臓をバイパスし、肝胆循環における化合物の破壊を防止するすることによって、生物学的利用能の増強をもたらす。
【0131】
制御放出
本発明の製剤の放出特性は、封入材料、封入された薬物の濃度、及び放出調整剤の存在に依存する。例えば、胃においてなどの低pHでのみ、または腸においてなどの高いpHでのみ放出するpH感受性コーティングを使用して、放出をpH依存的に操作することができる。胃を通過し終えるまで放出が生じることを防ぐため、腸溶コーティングを使用することができる。胃で最初の放出を得て、続いて腸で後の放出を得るために、異なった材料の中に封入されたシアナミドの多層コーティングまたは混合物を使用することができる。塩または細孔形成剤を含ませることによって放出を操作することもでき、これらは水の取り込みまたはカプセル剤からの拡散によって薬物の放出を増加させることができる。薬物の溶解度を変更する添加剤も、放出速度を制御するために使用することができる。マトリックスの分解またはマトリックスからの放出を高める作用物質もまた、組み込むことができる。これらを、化合物に応じて、薬物に添加することも、分離相として(すなわち、微粒子として)添加することも、またはポリマー相と共溶解させることもできる。分解促進剤の種類には、硫酸アンモニウム及び塩化アンモニウムなどの無機塩、クエン酸、安息香酸、及びアスコルビン酸などの有機酸、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、及び水酸化亜鉛などの無機塩基、ならびに硫酸プロタミン、スペルミン、コリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、及びトリエタノールアミンなどの有機塩基、ならびにTween(登録商標)及びPluronic(登録商標)などの界面活性剤が含まれる。マトリックスに微細構造を加える細孔形成剤(すなわち、無機塩及び糖などの水溶性化合物)を微粒子として添加する。範囲は1~30%(w/wポリマー)の間でなければならない。
【0132】
消化管内での粒子の滞留時間を変更することで、取り込みも操作することができる。これは、例えば粘膜接着性ポリマーで粒子をコーティングする、またはそのポリマーを封入材料として選択することによって達成することができる。例には、キトサン、セルロース、特にポリアクリラートなどの遊離カルボキシル基を有する大部分のポリマーが含まれる(本発明で使用する場合、ポリアクリラートは、アクリラート基、ならびにシアノアクリラート及びメタクリラートなどの変性アクリレート基を含むポリマーを指す)。
【0133】
当業者であれば本明細書に開示の発明の原則内で変形形態を作成することができ、そのような変更形態も本発明の範囲内に含まれるべきことが意図されていることは理解及び予期されるべきである。次の実施例で本発明をさらに例示説明するが、それらは、本発明の範囲を何かしら制限するものとは解釈されるべきではない。本明細書に引用されている参照文献はすべて、それらの全体が参照によって本明細書に援用される。
【実施例0134】
実施例1
すべての溶媒及び試薬を商業的に入手し、入手したまま使用した。1H NMRスペクトルは、Bruker装置(300MHzまたは400MHz)で、特記されている重水素化溶媒中で記録した。化学シフトはppmで示され、結合定数はヘルツである。最終化合物はすべて、220~400メッシュシリカゲルを使用するフラッシュクロマトグラフィー、または逆相HPLCによって溶媒としてCH3CN/水を用いて精製した。薄層クロマトグラフィーをシリカゲル60F-254(0.25nm厚)プレート上で行った。可視化をUV光及び/またはエタノール中10%リンモリブデン酸で達成した。基準(低解像度)質量スペクトルをWaters LCTまたはApplied Biosystems API 3000質量分析計のいずれかで得た。高分解能質量スペクトル(HRMS)はWaters LCTまたはAgilent TOF質量分析計のいずれかで得た。他のLC-MS実験はすべて、Agilentシングル四重極質量分析計に連結したAgilent 1100HPLCで行った。化合物純度をLC-MSによって230nM及び254nM波長で決定した。本明細書に報告する最終化合物はすべて、95%以上の純度を有する。
【0135】
一般手順A
【化12】
EDCIカップリング:一般構造式1の化合物(1当量)、EDCI(1当量)、HOBt(0.2当量)及びDIEA(2当量)をDMFに溶解させ、25℃で5分間にわたって撹拌した。次いで、混合物に、アミン(1当量)を添加した。混合物を25℃で16時間にわたって撹拌した。混合物を水に注ぎ入れ、EtOAcで抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣をカラムクロマトグラフィーによって精製して、一般構造式2の化合物を得た。
【0136】
HATUカップリング:一般構造式1の化合物(1当量)、HATU(1.25当量)及びDIPEA(1.5当量)をDMFに溶解させ、23℃で15分間にわたって撹拌した。1H-インダゾール-5-アミン(1当量)を反応混合物に導入し、溶液を23℃でさらに16時間にわたって撹拌し続けた。反応混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して粗製の物質を得、これをシリカゲル上で精製して、所望の一般構造式2の化合物を得た。
【0137】
Boc脱保護:一般構造式2の化合物をDCMに溶解させ、ジオキサン中4NのHClをその溶液に導入した。反応混合物を23℃で1時間にわたって撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して、粗製の反応混合物を得、これを逆相分取HPLCによって精製して、所望の一般構造式3の化合物を得た。
【0138】
ベンジル基除去:一般構造式2の化合物(1当量)及び濃HCl(1.2当量)をMeOHに溶解させ、10%脱水Pd/Cを添加した。反応混合物をH2(1気圧)の雰囲気下で、50℃で5時間にわたって撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、粗生成物を得、これを逆相分取HPLCによって精製して、所望の一般構造式3の化合物を得た。
【0139】
一般手順B
【化13】
アミンHCl塩(2当量)をメタノールに溶解させ、トリエチルアミン(2当量)を添加した。反応溶液を15分間にわたって撹拌し、その後、一般構造式4のケトンまたはアルデヒド(1当量)をHOAc(4当量)と共に添加した。撹拌をさらに15分間にわたって継続し、NaBH3CNを添加した。反応温度を60℃に上昇させ、撹拌を16時間にわたって継続した。反応混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、粗製の物質を得、これをシリカゲル上で精製して、所望の一般構造式5の化合物を得た。
【0140】
2CO3(2当量)、LiI(0.05当量)及び臭化ベンジルをMeCN中の一般構造式5の化合物(1当量)の溶液に室温で添加した。反応温度を60℃に上昇させ、撹拌を16時間にわたって継続した。反応混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、粗製の物質を得、これをシリカゲル上で精製して、所望の一般構造式6の化合物を得た。
【0141】
THF中の一般構造式6の化合物(1当量)、Pd(PPh34(0.15当量))、K3PO4(3当量)の溶液を5分間にわたって室温にて窒素でパージした。反応温度を120℃に上昇させ、撹拌を48時間にわたって継続した。溶媒を減圧下で除去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、所望の一般構造式7の化合物を得た。
【0142】
一般構造式7の化合物(1当量)をメタノール/水混合物に溶解させ、NaOH(2当量)を添加した。反応物を30℃で16時間にわたって撹拌し続けた。反応溶液をpH=5に酸性化した。粗製の残渣の精製を逆相分取HPLCによって行って、所望の一般構造式8の化合物を得た。
【0143】
一般構造式8の化合物(1当量)、HATU(1.25当量)及びDIPEA(1.5当量)をDMFに溶解させ、23℃で15分間にわたって撹拌した。1H-インダゾール-5-アミン(1当量)を反応混合物に導入し、溶液を23℃でさらに16時間にわたって撹拌し続けた。反応混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、粗製の物質を得、これをシリカゲル上で精製して、所望の一般構造式9の化合物を得た。
【0144】
一般構造式9の化合物(1当量)及び濃HCl(1.2当量)をMeOHに溶解させ、10%無水Pd/Cを添加した。反応混合物をH2雰囲気(1atm)下で50℃で5時間にわたって撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、粗生成物を得、これを逆相分取HPLCによって精製して、所望の一般構造式10の化合物を得た。
【0145】
一般手順C
【化14】
一般構造式11の化合物(1当量)を酢酸に溶解させ、PtO2(0.1当量)を添加した。反応溶液を水素雰囲気(1atm)下で室温にて16時間にわたって撹拌した。得られた溶液を濾別し、減圧下で濃縮した。残渣を2NのNaOHでpH=9まで塩基性にし、混合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、粗製の物質を得、これをシリカゲル上で精製して、所望の一般構造式12の化合物を得た。
【0146】
一般構造式12の化合物(1当量)をDCMに溶解させ、Boc2O(1.5当量)、DIPEA(2当量)を添加した。反応物を室温で16時間にわたって撹拌し続けた。反応混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、粗製の物質を得、これをシリカゲル上で精製して、所望の一般構造式13の化合物を得た。
【0147】
一般構造式13の化合物(1当量)をメタノール/水混合物に溶解させ、NaOH(2当量)を添加した。反応物を30℃で16時間にわたって撹拌し続けた。反応溶液をpH=5まで酸性化した。粗製の残渣の精製を逆相分取HPLCによって行って、所望の一般構造式14の化合物を得た。
【0148】
一般構造式14の化合物(1当量)、HATU(1.25当量)及びDIPEA(1.5当量)をDMFに溶解させ、23℃で15分間にわたって撹拌した。1H-インダゾール-5-アミン(1当量)を反応混合物に導入し、溶液を23℃でさらに16時間にわたって撹拌し続けた。反応混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、粗製の物質を得、これをシリカゲル上で精製して、所望の一般構造式15の化合物を得た。
【0149】
一般構造式15の化合物をDCMに溶解させ、ジオキサン中4NのHClを溶液に導入した。反応混合物を23℃で1時間にわたって撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して、粗製の反応混合物を得、これを逆相分取HPLCによって精製して、所望の一般構造式16の化合物を得た。
【0150】
一般手順D
【化15】
MeOH(3.00mL)中の一般構造式17の化合物(1当量)及びアルデヒドまたはケトン(1当量)の溶液を23℃で16時間にわたって撹拌した。16時間後に、NaBH3CN(1.2当量)を添加し、混合物をさらに3時間にわたって撹拌した。反応混合物を水の添加によってクエンチし、得られた混合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機層をNa2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製の物質を分取HPLCによって精製して、一般構造式18の化合物を得た。
【0151】
一般手順E
【化16】
一般構造式19の化合物(1当量)をCCl4に溶解させ、AIBN(0.1当量)、続いて、NBS(1.2当量)を室温で添加した。反応温度を60℃に上昇させ、撹拌を16時間にわたって継続した。反応混合物を濾別し、溶媒を減圧下で除去した。粗製の物質20をさらに精製せずに、次のステップで使用した。
【0152】
THF中の一般構造式20の化合物(1当量)及びアルキルアミン(2当量)を70℃で16時間にわたって撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、物質をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、一般構造式21の化合物を得た。
【0153】
NaOH(2当量)を、MeOH/H2O混合物中に溶解した一般構造式21の化合物(1当量)を含有する反応容器に導入した。反応物を20℃で16時間にわたって撹拌した。溶媒を減圧下で除去した。粗製の残渣を水(10mL)に溶解させ、pH=8になるまで6NのHClで慎重に中和した。懸濁液を濾過し、固体を収集し、乾燥させて、一般構造式22の化合物を得た。
【0154】
一般構造式22の化合物(1当量)、HATU(1.25当量)及びDIPEA(2当量)をDMFに溶解させ、20℃で15分間にわたって撹拌した。1H-インダゾール-5-アミン(1当量)を反応混合物に導入し、20℃で15.8時間にわたって撹拌した。反応物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機層をブライン(15mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製の反応混合物を逆相分取HPLCによって精製して、一般構造式23の化合物を得た。
【0155】
一般手順F
【化17】
ベンジルアミン(1当量)をジクロロメタンに溶解させた。対応するアリールボロン酸24(1当量)を反応溶液に添加し、続いて、グリオキシル酸(1当量)を窒素雰囲気下で添加した。反応混合物を40℃に加温し、温度を16時間にわたって維持した。反応混合物を減圧下で濃縮した。粗製の反応混合物を逆相分取HPLCによって精製して、一般構造式25の化合物を得た。
【0156】
一般構造式25の化合物(1当量)、HATU(1.25当量)及びDIPEA(2当量)をDMFに溶解させ、20℃で15分間にわたって撹拌した。1H-インダゾール-5-アミン(1当量)を反応混合物に導入し、20℃で16時間にわたって撹拌した。反応物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製の反応混合物を順相シリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、一般構造式26の化合物を得た。
【0157】
一般構造式26の化合物(1当量)及び濃HCl(1.2当量)をMeOHに溶解させ、10%無水Pd/Cを添加した。反応混合物をH2の雰囲気(1atm)下で60℃にて3時間にわたって撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、粗生成物を得、これを逆相分取HPLCによって精製して、所望の一般構造式27の化合物を得た。
【0158】
実施例2
N-(1H-インダゾール-5-イル)-2-(メチルアミノ)-2-フェニルアセトアミド
【化18】
反応を一般プロトコルAに従って行った。最終残渣を逆相分取HPLCによって精製して、N-(1H-インダゾール-5-イル)-2-(メチルアミノ)-2-フェニルアセトアミドをオフホワイト色の固体(80%)として得た。
1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 8.34 (s, 1H), 8.27 (s, 1H), 7.68-7.65 (m, 2H), 7.60-7.53 (m, 5H), 5.1 (s, 1H), 2.69 (s, 3H). MS (ES+) m/e 281.1 (M+H).
【0159】
実施例3
N-(1H-インダゾール-5-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-3-カルボキサミド
【化19】
反応を一般プロトコルAに従って行った。最終残渣を逆相分取HPLCによって精製して、N-(1H-インダゾール-5-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-3-カルボキサミドを黄色の固体(23%)として得た。
1H NMR (400 MHz, MeOD-d3) δ 13.75 (s, 1H), 10.84 (s, 1H), 8.94 (s, 1H), 8.80 (s, 1H), 8.26 (m, 2H), 7.71 (m, 2H), 7.28 (m, 2H), 6.63 (s, 1H), 4.21 (m, 1H), 3.97 (m, 1H), 3.65 (m, 3H). MS (ES+) m/e 293.1 (M+H)+
【0160】
実施例4
N-(1H-インダゾール-5-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-3-カルボキサミド
【化20】
反応を一般プロトコルAに従って行った。最終残渣を逆相分取HPLCによって精製して、N-(1H-インダゾール-5-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-3-カルボキサミドを黄色の固体(51%)として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.99 (brs, 1H), 9.96 (s, 1H), 8.21 (s, 1H), 8.18 (s, 1H), 8.03 (s, 1H), 7.53-7.48 (m, 2H), 7.20-7.12 (m, 3H), 7.10-7.08 (m, 1H), 4.10-3.93 (m, 3H), 3.75-3.64 (m, 1H), 3.07-3.02 (m, 1H), 2.93-2.91 (m, 1H). MS (ES+) m/e 293.0 (M+H)+
【0161】
実施例5
N-(1H-インダゾール-5-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-1-カルボキサミド
【化21】
反応を一般プロトコルAに従って行った。最終残渣を逆相分取HPLCによって精製して、N-(1H-インダゾール-5-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-1-カルボキサミドを白色の固体(18%)として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.97 (s, 1H), 10.16 (s, 1H), 8.21(s, 1H), 8.15 (s, 1H), 8.01 (s, 1H), 7.52-7.46 (m, 2H), 7.37-7.35 (m, 1H), 7.18-7.13 (m, 3H), 4.64 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 3.25-3.22 (m, 1H), 2.97-2.81 (m, 2H), 2.75-2.65 (m, 1H). MS (ES+) m/e 293.1 (M+H)+
【0162】
実施例6
N-(1H-インダゾール-5-イル)イソインドリン-1-カルボキサミド
【化22】
反応を一般プロトコルBに従って行った。最終残渣を逆相分取HPLCによって精製して、N-(1H-インダゾール-5-イル)イソインドリン-1-カルボキサミドを白色の固体(10%)として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.99 (brs, 1H), 10.09 (s, 1H), 8.18 (s, 1H), 8.01 (s, 1H), 7.56-7.44 (m, 3H), 7.34-7.20 (m, 3H), 4.96 (brs, 1H), 4.40-4.26 (m, 2H), 3.79 (brs, 1H). MS (ES+) m/e 279.1 (M+H)+
【0163】
実施例7
N-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-N-(1H-インダゾール-5-イル)-2-(3-メトキシフェニル)-2-(メチルアミノ)アセトアミド
【化23】
反応を一般プロトコルAに従って行った。最終残渣を逆相分取HPLCによって精製して、N-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-N-(1H-インダゾール-5-イル)-2-(3-メトキシフェニル)-2-(メチルアミノ)アセトアミドを白色の固体(50%)として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 13.28 (brs, 1H), 8.07 (brs, 1H), 7.78-6.91 (m, 5H), 6.54 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 6.48 (s, 1H), 4.01-3.67 (m, 3H), 3.61 (s, 3H), 2.32-2.11 (m, 3H), 2.11-2.10 (m, 9H). MS (ES+) m/e 382.1 (M+H)+
【0164】
実施例8
N-(1H-インダゾール-5-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-4-カルボキサミド
【化24】
反応を一般プロトコルCに従って行った。最終残渣を逆相分取HPLCによって精製して、N-(1H-インダゾール-5-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-4-カルボキサミドを薄茶色の固体(46%)として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 13.01 (brs, 1H), 10.59 (s, 1H), 8.23 (s, 1H), 8.11 (s, 1H), 8.01 (s, 1H), 7.50-7.48 (m, 1H), 7.44-7.42 (m, 1H), 7.29-7.22 (m, 1H), 7.20-7.13 (m, 3H), 4.05-4.00 (m, 1H), 3.95-3.85 (m, 1H), 3.79-3.75 (m, 1H), 3.37-3.33 (m, 1H), 3.22-3.19 (m, 1H). MS (ES+) m/e 293.0 (M+H)+
【0165】
実施例9
N-(1H-インダゾール-5-イル)-3-メチルイソインドリン-1-カルボキサミド
【化25】
反応を一般プロトコルBに従って行った。最終残渣を逆相分取HPLCによって精製して、N-(1H-インダゾール-5-イル)-3-メチルイソインドリン-1-カルボキサミドを白色の固体(29%)として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.99 (brs, 1H), 10.04 (s, 1H), 8.15 (s, 1H), 8.02 (s, 1H), 7.53-7.42 (m, 3H), 7.35-7.21 (m, 3H), 4.89 (s, 1H), 4.58-4.57 (m, 1H), 4.01 (s, 1H), 1.47 (d, J = 6.4 Hz, 3H). MS (ES+) m/e 293.0 (M+H)+
【0166】
実施例10
N-(1H-インダゾール-5-イル)ピロリジン-2-カルボキサミド
【化26】
反応を一般プロトコルAに従って行った。最終残渣を逆相分取HPLCによって精製して、N-(1H-インダゾール-5-イル)ピロリジン-2-カルボキサミドを白色の固体(33%)として得た。MS (ES+) m/e 231.1 (M+H)+
【0167】
実施例11
N-(1H-インダゾール-5-イル)ピロリジン-3-カルボキサミド
【化27】
反応を一般プロトコルAに従って行った。最終残渣を逆相分取HPLCによって精製して、N-(1H-インダゾール-5-イル)ピロリジン-3-カルボキサミドを白色の固体(41%)として得た。MS (ES+) m/e 231.1 (M+H)+
【0168】
実施例12
(2S,5R)-N-(1H-インダゾール-5-イル)-5-フェニルピロリジン-2-カルボキサミド
【化28】
反応を一般プロトコルAに従って行った。最終残渣を逆相分取HPLCによって精製して、(2S,5R)-N-(1H-インダゾール-5-イル)-5-フェニルピロリジン-2-カルボキサミドカルボキサミドを白色の固体(26%)として得た。MS (ES+) m/e 307.0 (M+H)+
【0169】
実施例13
N-(1H-インダゾール-5-イル)ピペリジン-2-カルボキサミド
【化29】
反応を一般プロトコルAに従って行った。最終残渣を逆相分取HPLCによって精製して、N-(1H-インダゾール-5-イル)ピペリジン-2-カルボキサミドを白色の固体(39%)として得た。MS (ES+) m/e 245.0 (M+H)+
【0170】
実施例14
N-(1H-インダゾール-5-イル)-2-(4-(4-メトキシフェノキシ)フェニル)-2-(メチルアミノ)アセトアミド
【化30】
反応を一般プロトコルAに従って行った。最終残渣を逆相分取HPLCによって精製して、N-(1H-インダゾール-5-イル)-2-(4-(4-メトキシフェノキシ)フェニル)-2-(メチルアミノ)アセトアミドを白色の固体(7%)として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.97 (s, 1H), 10.05 (s, 1H), 8.13 (s, 1H), 8.01 (s, 1H), 7.47 (s, 2H), 7.45 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.00-6.93 (m, 4H), 6.89 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 4.20 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 3.75 (s, 3H), 2.60 (m, 1H), 2.30 (d, J = 4.8 Hz, 3H). MS (ES+) m/e 403.1 (M+H)+
【0171】
実施例15
N-(1H-インダゾール-5-イル)-2-(4-(3-メトキシフェノキシ)フェニル)-2-(メチルアミノ)アセトアミド
【化31】
反応を一般プロトコルAに従って行った。最終残渣を逆相分取HPLCによって精製して、N-(1H-インダゾール-5-イル)-2-(4-(3-メトキシフェノキシ)フェニル)-2-(メチルアミノ)アセトアミドを白色の固体(8%)として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.98 (s, 1H), 10.08 (s, 1H), 8.15 (s, 1H), 8.01 (s, 1H), 7.51-7.48 (m, 4H), 7.27 (t, J = 8.4 Hz, 1H), 7.00 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 6.72 (dd, J = 8.4, 2.0 Hz, 1H), 6.58 (t, J = 2.4 Hz, 1H), 6.53 (dd, J = 8.0, 2.4 Hz, 1H), 4.23 (s, 1H), 3.73 (s, 3H), 2.31 (s, 3H). MS (ES+) m/e 403.1 (M+H)+
【0172】
実施例16
2-(4-クロロフェニル)-N-(1H-インダゾール-5-イル)-2-(メチルアミノ)アセトアミド
【化32】
反応を一般プロトコルDに従って行った。最終残渣を逆相分取HPLCによって精製して、2-(4-クロロフェニル)-N-(1H-インダゾール-5-イル)-2-(メチルアミノ)アセトアミドを白色の固体(7%)として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.98 (s, 1H), 10.10 (s, 1H), 8.11 (s, 1H), 8.00 (s, 1H), 7.52-7.40 (m, 6H), 4.24 (s, 1H), 2.72 (m, 1H), 2.28 (s, 3H). MS (ES+) m/e 315.0 (M+H)+
【0173】
実施例17
2-(4-クロロフェニル)-2-(エチルアミノ)-N-(1H-インダゾール-5-イル)アセトアミド
【化33】
反応を一般プロトコルDに従って行った。最終残渣を逆相分取HPLCによって精製して、2-(4-クロロフェニル)-N-(1H-インダゾール-5-イル)-2-(メチルアミノ)アセトアミドを白色の固体(12%)として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.97 (s, 1H), 10.13 (s, 1H), 8.28 (s, 1H), 8.11 (s, 1H), 8.01 (s, 1H), 7.52 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.49-7.39 (m, 4H), 4.39 (s, 1H), 2.51-2.50 (m, 2H), 1.08 (t, J = 6.4 Hz, 3H). MS (ES+) m/e 329.1 (M+H)+
【0174】
実施例18
2-(4-クロロフェニル)-N-(1H-インダゾール-5-イル)-2-(イソプロピルアミノ)アセトアミド
【化34】
反応を一般プロトコルDに従って行った。最終残渣を逆相分取HPLCによって精製して、2-(4-クロロフェニル)-N-(1H-インダゾール-5-イル)-2-(イソプロピルアミノ)アセトアミドを白色の固体(49%)として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.99 (s, 1H), 10.18 (s, 1H), 8.21 (s, 1H), 8.09 (d, J = 1.2 Hz, 1H), 8.00 (d, J = 0.8 Hz, 1H), 7.52-7.45 (m, 3H), 7.44-7.39 (m, 3H), 4.51 (s, 1H), 2.70-2.66 (m, 1H), 1.03 (t, J = 6.4 Hz, 1H). MS (ES+) m/e 343.1 (M+H)+
【0175】
実施例19
2-(4-フルオロフェニル)-N-(1H-インダゾール-5-イル)-2-(メチルアミノ)アセトアミド
【化35】
反応を一般プロトコルDに従って行った。最終残渣を逆相分取HPLCによって精製して、2-(4-フルオロフェニル)-N-(1H-インダゾール-5-イル)-2-(メチルアミノ)アセトアミドを白色の固体(11%)として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 13.08 (s, 1H), 10.64 (s, 1H), 9.59-9.31 (m, 2H), 8.07 (d, J = 9.2 Hz, 2H), 7.67-7.64 (m, 2H), 7.52 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.41-7.34 (m, 3H), 5.04 (s, 1H), 2.52 (s, 3H). MS (ES+) m/e 299.0 (M+H)+
【0176】
実施例20
2-(4-フルオロフェニル)-N-(1H-インダゾール-5-イル)-2-(イソプロピルアミノ)アセトアミド
【化36】
反応を一般プロトコルDに従って行った。最終残渣を逆相分取HPLCによって精製して、2-(4-フルオロフェニル)-N-(1H-インダゾール-5-イル)-2-(イソプロピルアミノ)アセトアミドを白色の固体(54%)として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.99 (s, 1H), 10.17 (s, 1H), 8.20 (s, 1H), 8.10 (d, J = 1.2 Hz, 1H), 8.00 (d, J = 0.8 Hz, 1H), 7.52 (dd, J = 8.4, 5.6 Hz, 2H), 7.49-7.39 (m, 2H), 7.17 (t, J = 8.8 Hz, 2H), 4.51 (s, 1H), 2.72-2.66 (m, 1H), 1.04 (t, J = 6.8 Hz, 6H). MS (ES+) m/e 327.1 (M+H)+
【0177】
実施例21
2-(エチルアミノ)-N-(1H-インダゾール-5-イル)-2-フェニルアセトアミド
【化37】
反応を一般プロトコルDに従って行った。最終残渣を逆相分取HPLCによって精製して、2-(エチルアミノ)-N-(1H-インダゾール-5-イル)-2-フェニルアセトアミドを白色の固体(39%)として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 13.00 (s, 1H), 10.17 (s, 1H), 8.23 (s, 1H), 8.11 (s, 1H), 8.00 (s, 1H), 7.52-7.45 (m, 4H), 7.35 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 7.30-7.28 (m, 1H), 4.43 (s, 1H), 2.63-2.52 (m, 2H), 1.09 (t, J = 7.2 Hz, 3H). MS (ES+) m/e 295.0 (M+H)+
【0178】
実施例22
N-(1H-インダゾール-5-イル)-2-(イソプロピルアミノ)-2-フェニルアセトアミド
【化38】
反応を一般プロトコルDに従って行った。最終残渣を逆相分取HPLCによって精製して、N-(1H-インダゾール-5-イル)-2-(イソプロピルアミノ)-2-フェニルアセトアミドを白色の固体(63%)として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.99 (s, 1H), 10.17 (s, 1H), 8.20 (s, 1H), 8.11 (d, J = 1.2 Hz, 1H), 8.00 (d, J = 0.8 Hz, 1H), 7.52-7.41 (m, 4H), 7.34 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 7.30-7.27 (m, 1H), 4.51 (s, 1H), 2.72-2.69 (m, 1H), 1.04 (dd, J = 7.6, 6.4 Hz, 6H). MS (ES+) m/e 309.1 (M+H)+
【0179】
実施例23
2-(エチルアミノ)-2-(4-フルオロフェニル)-N-(1H-インダゾール-5-イル)アセトアミド
【化39】
反応を一般プロトコルDに従って行った。最終残渣を逆相分取HPLCによって精製して、2-(エチルアミノ)-2-(4-フルオロフェニル)-N-(1H-インダゾール-5-イル)アセトアミドを白色の固体(8%)として得た。
1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 8.45 (s, 1H), 8.09 (d, J = 1.2 Hz, 1H), 8.00 (s, 1H), 7.67-7.61 (m, 2H), 7.50 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.42 (dd, J = 8.8, 1.6 Hz, 1H), 7.26-7.19 (m, 2H), 4.82 (s, 1H), 2.96-2.88 (m, 2H), 1.29 (t, J = 7.2 Hz, 3H). MS (ES+) m/e 313.1 (M+H)+
【0180】
実施例24
N-(1H-インダゾール-5-イル)-2-(4-メトキシフェニル)-2-(メチルアミノ)アセトアミド
【化40】
反応を一般プロトコルDに従って行った。最終残渣を逆相分取HPLCによって精製して、N-(1H-インダゾール-5-イル)-2-(4-メトキシフェニル)-2-(メチルアミノ)アセトアミドを白色の固体(4%)として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.96 (s, 1H), 10.01 (s, 1H), 8.12 (s, 1H), 7.99 (s, 1H), 7.46 (s, 2H), 7.39 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 6.90 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 4.15 (s, 1H), 3.72 (s, 3H), 2.28 (s, 3H). MS (ES+) m/e 311.1 (M+H)+
【0181】
実施例25
N-(1H-インダゾール-5-イル)-2-(イソプロピルアミノ)-2-(4-メトキシフェニル)アセトアミド
【化41】
反応を一般プロトコルDに従って行った。最終残渣を逆相分取HPLCによって精製して、N-(1H-インダゾール-5-イル)-2-(4-メトキシフェニル)-2-(メチルアミノ)アセトアミドを白色の固体(52%)として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.98 (s, 1H), 10.11 (s, 1H), 8.19 (s, 1H), 8.10 (s, 1H), 8.00 (s, 1H), 7.48-7.39 (m, 4H), 6.90 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 4.45 (s, 1H), 3.72 (s, 3H), 2.72-2.68 (m, 1H), 1.05 (d, J = 6.4 Hz, 3H), 1.02 (d, J = 6.4 Hz, 3H). MS (ES+) m/e 339.1(M+H)+
【0182】
実施例26
2-(エチルアミノ)-N-(1H-インダゾール-5-イル)-2-(4-メトキシフェニル)アセトアミド
【化42】
反応を一般プロトコルDに従って行った。最終残渣を逆相分取HPLCによって精製して、2-(エチルアミノ)-N-(1H-インダゾール-5-イル)-2-(4-メトキシフェニル)アセトアミドを白色の固体(5%)として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.97 (s, 1H), 10.10 (s, 1H), 8.20 (s, 1H), 8.10 (s, 1H), 8.00 (s, 1H), 7.50-7.41 (m, 4H), 6.91 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 4.37 (s, 1H), 3.73 (s, 1H), 2.60-2.53 (m, 2H), 2.27 (s, 3H), 1.08 (t, J = 7.2 Hz, 3H). MS (ES+) m/e 325.1 (M+H)+
【0183】
実施例27
2-(シクロプロピルアミノ)-N-(1H-インダゾール-5-イル)-2-(4-メトキシフェニル)アセトアミド
【化43】
反応を一般プロトコルDに従って行った。最終残渣を逆相分取HPLCによって精製して、2-(シクロプロピルアミノ)-N-(1H-インダゾール-5-イル)-2-(4-メトキシフェニル)アセトアミドを白色の固体(10%)として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.95 (s, 1H), 10.07 (s, 1H), 8.26 (s, 1H), 8.12 (s, 1H), 7.99 (d, J = 0.8 Hz, 1H), 7.49-7.41 (m, 2H), 7.39 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 6.89 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 4.39 (s, 1H), 3.72 (s, 3H), 2.05-2.00 (m, 1H), 0.42-0.33 (m, 4H). MS (ES+) m/e 337.0 (M+H)+
【0184】
実施例28
N-(1H-インダゾール-5-イル)-2-(メチルアミノ)-2-(p-トリル)アセトアミド
【化44】
反応を一般プロトコルDに従って行った。最終残渣を逆相分取HPLCによって精製して、N-(1H-インダゾール-5-イル)-2-(メチルアミノ)-2-(p-トリル)アセトアミドを白色の固体(7%)として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.97 (s, 1H), 10.04 (s, 1H), 8.11 (s, 1H), 7.99 (s, 1H), 7.46 (s, 2H), 7.36 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.14 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 4.19 (s, 1H), 2.28 (d, J = 7.2 Hz, 6H). MS (ES+) m/e 295.1 (M+H)+
【0185】
実施例29
N-(1H-インダゾール-5-イル)-2-(イソプロピルアミノ)-2-(p-トリル)アセトアミド
【化45】
反応を一般プロトコルDに従って行った。最終残渣を逆相分取HPLCによって精製して、N-(1H-インダゾール-5-イル)-2-(イソプロピルアミノ)-2-(p-トリル)アセトアミドを白色の固体(44%)として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.98 (s, 1H), 10.17 (s, 1H), 8.17 (s, 1H), 8.10 (s, 1H), 8.00 (s, 1H), 7.48-7.37 (m, 4H), 7.16 (d, J = 7.6 Hz, 2H), 4.51 (s, 1H), 2.76-2.70 (m, 1H), 2.27 (s, 3H), 1.05 (dd, J = 8.4, 6.4 Hz, 6H). MS (ES+) m/e 323.1 (M+H)+
【0186】
実施例30
2-(エチルアミノ)-N-(1H-インダゾール-5-イル)-2-(p-トリル)アセトアミド
【化46】
反応を一般プロトコルDに従って行った。最終残渣を逆相分取HPLCによって精製して、2-(エチルアミノ)-N-(1H-インダゾール-5-イル)-2-(p-トリル)アセトアミドを白色の固体(13%)として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.97 (s, 1H), 10.08 (s, 1H), 8.24 (s, 1H), 8.10 (s, 1H), 7.99 (s, 1H), 7.48-7.44 (m, 2H), 7.37 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.15 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 4.34 (s, 1H), 2.59-2.51 (m, 2H), 2.27 (s, 3H), 1.07 (t, J = 7.2 Hz, 3H). MS (ES+) m/e 309.1 (M+H)+
【0187】
実施例31
2-(シクロプロピルアミノ)-N-(1H-インダゾール-5-イル)-2-(p-トリル)アセトアミド
【化47】
反応を一般プロトコルDに従って行った。最終残渣を逆相分取HPLCによって精製して、2-(シクロプロピルアミノ)-N-(1H-インダゾール-5-イル)-2-(p-トリル)アセトアミドを白色の固体(23%)として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.96 (s, 1H), 10.07 (s, 1H), 8.22 (s, 1H), 8.11 (s, 1H), 7.99 (s, 1H), 7.48-7.42 (m, 2H), 7.35 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.13 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 4.40 (s, 1H), 2.26 (s, 3H), 2.07-1.99 (m, 1H), 0.42-0.29 (m, 4H). MS (ES+) m/e 321.1 (M+H)+
【0188】
実施例32
N-(1H-インダゾール-5-イル)-2-(2’-メトキシ-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)-2-(メチルアミノ)アセトアミド
【化48】
反応を一般プロトコルDに従って行った。最終残渣を逆相分取HPLCによって精製して、N-(1H-インダゾール-5-イル)-2-(2’-メトキシ-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)-2-(メチルアミノ)アセトアミドを黄色の固体(16%)として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 13.00 (brs, 1H), 10.13 (s, 2H), 8.28 (s, 1H), 8.16 (s, 1H), 8.02 (s, 1H), 7.53-7.43 (m, 6H), 7.33-7.30 (m, 1H), 7.27 (dd, J = 7.6, 2.0 Hz, 1H), 7.09 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.01 (t, J = 6.4 Hz, 1H), 4.27 (s, 1H), 2.34 (s, 3H). MS (ES+) m/e 387.1 (M+H)+
【0189】
実施例33
2-(2’-フルオロ-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)-N-(1H-インダゾール-5-イル)-2-(メチルアミノ)アセトアミド
【化49】
反応を一般プロトコルDに従って行った。最終残渣を逆相分取HPLCによって精製して、2-(2’-フルオロ-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)-N-(1H-インダゾール-5-イル)-2-(メチルアミノ)アセトアミドを白色の固体(10%)として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.98 (s, 1H), 10.14 (s, 1H), 8.31 (s, 2H), 8.14 (s, 1H), 8.00 (s, 1H), 7.60 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.54-7.48 (m, 5H), 7.42-7.38 (m, 1H), 7.33-7.26 (m, 2H), 4.30 (s, 1H), 2.33 (s, 3H). MS (ES+) m/e 375.1 (M+H)+
【0190】
実施例34
2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)アミノ)-N-(1H-インダゾール-5-イル)-2-(3-メトキシフェニル)アセトアミド
【化50】
反応を一般プロトコルDに従って行った。最終残渣を逆相分取HPLCによって精製して、2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)アミノ)-N-(1H-インダゾール-5-イル)-2-(3-メトキシフェニル)アセトアミドを白色の固体(27%)として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 13.01 (brs, 1H), 10.19 (s, 1H), 8.26 (s, 1H), 8.12 (s, 1H), 8.01 (s, 1H), 7.49-7.43 (m, 2H), 7.27 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.07-7.04 (m, 2H), 6.86 (dd, J = 8.0, 2.0 Hz, 1H), 4.36 (s, 1H), 3.75 (s, 3H), 2.65-2.57 (m, 2H), 2.55-2.53 (m, 2H), 2.25 (s, 6H). MS (ES+) m/e 368.1 (M+H)+
【0191】
実施例35
N-(1H-インダゾール-5-イル)-2-(2-メトキシフェニル)-2-(メチルアミノ)アセトアミド
【化51】
反応を一般プロトコルDに従って行った。最終残渣を逆相分取HPLCによって精製して、N-(1H-インダゾール-5-イル)-2-(2-メトキシフェニル)-2-(メチルアミノ)アセトアミドをピンク色の固体(10%)として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 13.03 (brs, 1H), 9.99 (brs, 1H), 8.20 (s, 2H), 8.13 (s, 1H), 8.01 (s, 1H), 7.52-7.46 (m, 2H), 7.40 (dd, J = 7.6, 1.6 Hz, 1H), 7.32-7.27 (m, 1H), 7.03 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 6.96 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 4.59 (s, 1H), 3.83 (s, 3H), 2.34 (s, 3H). MS (ES+) m/e 311.0 (M+H)+
【0192】
実施例36
2-(tert-ブチルアミノ)-N-(1H-インダゾール-5-イル)-2-(4-メトキシフェニル)アセトアミド
【化52】
反応を一般プロトコルEに従って行った。最終残渣を逆相分取HPLCによって精製して、2-(tert-ブチルアミノ)-N-(1H-インダゾール-5-イル)-2-(4-メトキシフェニル)アセトアミドを薄茶色の固体(35%)として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.69 (s, 1H), 9.14 (m, 2H), 8.06 (s, 2H), 7.60 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.53 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.34 (dd, J = 8.8, 2.0 Hz, 1H), 7.07 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 5.20-5.18 (m, 1H), 3.78 (s, 3H), 1.32 (s, 9H). MS (ES+) m/e 353.1 (M+H)+
【0193】
実施例37
2-(tert-ブチルアミノ)-N-(1H-インダゾール-5-イル)-2-フェニルアセトアミド
【化53】
反応を一般プロトコルEに従って行った。最終残渣を逆相分取HPLCによって精製して、2-(tert-ブチルアミノ)-N-(1H-インダゾール-5-イル)-2-フェニルアセトアミドを紫色の固体(4%)として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.99 (s, 1H), 10.26 (s, 1H), 8.35 (s, 1H), 8.10 (s, 1H), 8.00 (s, 1H), 7.49-7.46 (m, 4H), 7.32 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 7.26-7.22 (m, 1H), 4.50 (s, 1H), 1.10 (s, 9H). MS (ES+) m/e 323.1 (M+H)+
【0194】
実施例38
2-(tert-ブチルアミノ)-N-(1H-インダゾール-5-イル)-2-(p-トリル)アセトアミド
【化54】
反応を一般プロトコルEに従って行った。最終残渣を逆相分取HPLCによって精製して、2-(tert-ブチルアミノ)-N-(1H-インダゾール-5-イル)-2-(p-トリル)アセトアミドを白色の固体(12%)として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.98 (s, 1H), 10.20 (s, 1H), 8.09 (s, 1H), 8.00 (s, 1H), 7.49-7.43 (m, 2H), 7.34 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.12 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 4.44 (s, 1H), 2.26 (s, 3H), 1.09 (s, 9H). MS (ES+) m/e 337.1 (M+H)+
【0195】
実施例39
N-(1H-インダゾール-5-イル)-2-(メチルアミノ)-2-(ピリジン-3-イル)アセトアミド
【化55】
反応を一般プロトコルEに従って行った。最終残渣を逆相分取HPLCによって精製して、N-(1H-インダゾール-5-イル)-2-(メチルアミノ)-2-(ピリジン-3-イル)アセトアミドを白色の固体(9%)として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 13.02 (brs, 1H), 10.21 (s, 1H), 8.69 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 8.50 (dd, J = 4.8, 1.6 Hz, 1H), 8.24 (s, 1H), 8.12 (s, 1H), 8.01 (s, 1H), 7.90-7.88 (m, 1H), 7.50-7.45 (m, 2H), 7.41-7.39 (m, 1H), 4.34 (s, 1H), 2.32 (s, 3H). MS (ES+) m/e 282.0 (M+H)+
【0196】
実施例40
N-(1H-インダゾール-5-イル)-2-(メチルアミノ)-2-(ピリジン-2-イル)アセトアミド
【化56】
反応を一般プロトコルEに従って行った。最終残渣を逆相分取HPLCによって精製して、N-(1H-インダゾール-5-イル)-2-(メチルアミノ)-2-(ピリジン-2-イル)アセトアミドをオフホワイト色の固体(15%)として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.98 (brs, 1H), 10.19 (s, 1H), 8.54 (dd, J = 4.8, 0.8 Hz, 1H), 8.21 (s, 1H), 8.14 (d, J = 1.2 Hz, 1H), 8.00 (s, 1H), 7.84-7.79 (m, 1H), 7.60 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.48 (s, 2H), 7.34-7.30 (m, 1H), 4.44 (s, 1H), 2.36 (s, 3H). MS (ES+) m/e 282.0 (M+H)+
【0197】
実施例41
N-(1H-インダゾール-5-イル)-2-(3-メトキシフェニル)-2-(メチルアミノ)アセトアミド
【化57】
反応を一般プロトコルEに従って行った。最終残渣を逆相分取HPLCによって精製して、N-(1H-インダゾール-5-イル)-2-(3-メトキシフェニル)-2-(メチルアミノ)アセトアミドをオフホワイト色の固体(42%)として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.99 (s, 1H), 10.11 (s, 1H), 8.23 (s, 1H), 8.12 (s, 1H), 8.01 (s, 1H), 7.48-7.44 (m, 2H), 7.27 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 7.11-7.04 (m, 2H), 6.88-6.83 (m, 1H), 4.26 (s, 1H), 3.76 (s, 3H), 2.31 (s, 3H). MS (ES+) m/e 311.0 (M+H)+
【0198】
実施例42
2-(3-クロロフェニル)-N-(1H-インダゾール-5-イル)-2-(メチルアミノ)アセトアミド
【化58】
反応を一般プロトコルEに従って行った。最終残渣を逆相分取HPLCによって精製して、2-(3-クロロフェニル)-N-(1H-インダゾール-5-イル)-2-(メチルアミノ)アセトアミドをオフホワイト色の固体(63%)として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 13.00 (brs, 1H), 10.16 (brs, 1H), 8.19 (s, 1H), 8.12 (s, 1H), 8.01 (s, 1H), 7.59 (s, 1H), 7.51-7.43 (m, 3H), 7.42-7.31 (m, 2H), 4.31 (s, 1H), 2.30 (s, 3H). MS (ES+) m/e 315.0 (M+H)+
【0199】
実施例43
2-(4-エトキシフェニル)-N-(1H-インダゾール-5-イル)-2-(メチルアミノ)アセトアミド
【化59】
反応を一般プロトコルEに従って行った。最終残渣を逆相分取HPLCによって精製して、2-(4-エトキシフェニル)-N-(1H-インダゾール-5-イル)-2-(メチルアミノ)アセトアミドをオフホワイト色の固体(59%)として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 13.02 (brs, 1H), 10.11 (brs, 1H), 8.23 (s, 1H), 8.12 (s, 1H), 8.01 (s, 1H), 7.49-7.43 (m, 2H), 7.40 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 6.90 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 4.26 (s, 1H), 4.00 (q, J = 6.8 Hz, 2H), 2.31 (s, 3H), 1.31 (t, J = 6.8 Hz, 3H). MS (ES+) m/e 324.1 (M+H)+
【0200】
実施例44
N-(1H-インダゾール-5-イル)-2-(4-イソプロポキシフェニル)-2-(メチルアミノ)アセトアミド
【化60】
反応を一般プロトコルEに従って行った。最終残渣を逆相分取HPLCによって精製して、N-(1H-インダゾール-5-イル)-2-(4-イソプロポキシフェニル)-2-(メチルアミノ)アセトアミドをオフホワイト色の固体(67%)として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.99 (brs, 1H), 10.10 (s, 1H), 8.23 (s, 1H), 8.14-8.13 (m, 1H), 8.01 (s, 1H), 7.47 (s, 2H), 7.38 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 6.89 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 4.61-4.54 (m, 1H), 4.23 (s, 1H), 2.31 (s, 3H), 1.24 (d, J = 6.0 Hz, 6H). MS (ES+) m/e 339.1 (M+H)+
【0201】
実施例45
N-(1H-インダゾール-5-イル)-2-(4’-メトキシ-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)-2-(メチルアミノ)アセトアミド
【化61】
反応を一般プロトコルEに従って行った。最終残渣を逆相分取HPLCによって精製して、N-(1H-インダゾール-5-イル)-2-(4’-メトキシ-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)-2-(メチルアミノ)アセトアミドを白色の固体(34%)として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.99 (brs, 1H), 10.14 (s, 1H), 8.21 (s, 1H), 8.14 (t, J = 1.6 Hz, 1H), 8.01 (s, 1H), 7.62-7.54 (m, 6H), 7.48-7.46 (m, 2H), 7.03-7.00 (m, 2H), 4.31 (s, 1H), 3.79 (s, 3H), 2.34 (s, 3H). MS (ES+) m/e 387.0 (M+H)+
【0202】
実施例46
N-(1H-インダゾール-5-イル)-2-((2-メトキシエチル)アミノ)-2-(3-メトキシフェニル)アセトアミド
【化62】
反応を一般プロトコルEに従って行った。最終残渣を逆相分取HPLCによって精製して、N-(1H-インダゾール-5-イル)-2-((2-メトキシエチル)アミノ)-2-(3-メトキシフェニル)アセトアミドをオフホワイト色の固体(16%)として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 13.07 (s, 1H), 10.61 (s, 1H), 9.55 (s, 2H), 8.07 (d, J = 7.6 Hz, 2H), 7.52 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.45-7.36 (m, 2H), 7.25-7.21 (m, 2H), 7.07-7.04 (m, 1H), 5.07 (s, 1H), 3.80 (s, 3H), 3.78-3.59 (m, 2H), 3.31 (s, 3H), 3.11 (m, 1H), 2.99 (m, 1H). MS (ES+) m/e 355.0 (M+H)+
【0203】
実施例47
2-(2-クロロフェニル)-N-(1H-インダゾール-5-イル)-2-(メチルアミノ)アセトアミド
【化63】
反応を一般プロトコルEに従って行った。最終残渣を逆相分取HPLCによって精製して、2-(2-クロロフェニル)-N-(1H-インダゾール-5-イル)-2-(メチルアミノ)アセトアミドをオフホワイト色の固体(32%)として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 13.03 (brs, 1H), 10.14 (s, 1H), 8.17-8.14 (m, 2H), 8.02 (s, 1H), 7.61-7.58 (m, 1H), 7.50-7.46 (m, 3H), 7.37-7.30 (m, 2H), 4.67 (s, 1H), 2.35 (s, 3H). MS (ES+) m/e 315.0 (M+H)+
【0204】
実施例48
2-(4-フルオロ-3-メトキシフェニル)-N-(1H-インダゾール-5-イル)-2-(メチルアミノ)アセトアミド
【化64】
反応を一般手順Fに従って行った。最終残渣を逆相分取HPLCによって精製して、2-(4-フルオロ-3-メトキシフェニル)-N-(1H-インダゾール-5-イル)-2-(メチルアミノ)アセトアミドを白色の固体(49%)として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 13.00 (s, 1H), 10.15 (s, 1H), 8.19 (s, 1H), 8.12 (s, 1H), 8.01 (s, 1H), 7.50-7.44 (m, 2H), 7.34 (dd, J = 8.4, 2.0 Hz, 1H), 7.21-7.16 (m, 1H), 7.07-7.03 (m, 1H), 4.31 (s, 1H), 3.86 (s, 3H), 2.32 (s, 3H). MS (ES+) m/e 329.1 (M+H)+
【0205】
実施例49
2-(エチルアミノ)-N-(1H-インダゾール-5-イル)-2-(m-トリル)アセトアミド
【化65】
反応を一般手順Fに従って行った。最終残渣を逆相分取HPLCによって精製して、2-(エチルアミノ)-N-(1H-インダゾール-5-イル)-2-(m-トリル)アセトアミドを黄色の固体(30%)として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 13.08 (s, 1H), 10.66 (s, 1H), 9.44-9.37 (m, 2H), 8.10-8.06 (m, 2H), 7.52 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.47-7.36 (m, 4H), 7.31 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 5.04 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 2.98 -2.84 (m, 2H), 2.36 (s, 3H), 1.23 (t, J = 7.2 Hz, 3H). MS (ES+) m/e 309.1 (M+H)+
【0206】
実施例50
N-(1H-インダゾール-5-イル)-2-(メチルアミノ)-2-(3-(トリフルオロメトキシ)-フェニル)アセトアミド
【化66】
反応を一般手順Fに従って行った。最終残渣を逆相分取HPLCによって精製して、N-(1H-インダゾール-5-イル)-2-(メチルアミノ)-2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミドを白色の固体(27%)として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 13.00 (brs, 1H), 10.18 (s, 1H), 8.18 (s, 1H), 8.12 (s, 1H), 8.01 (s, 1H), 7.54-7.44 (m, 5H), 7.30-7.28 (m, 1H), 4.34 (s, 1H), 2.30 (s, 3H). MS (ES+) m/e 365.0 (M+H)+
【0207】
実施例51
2-(エチルアミノ)-2-(3-フルオロフェニル)-N-(1H-インダゾール-5-イル)アセトアミド
【化67】
反応を一般手順Fに従って行った。最終残渣を逆相分取HPLCによって精製して、2-(エチルアミノ)-2-(3-フルオロフェニル)-N-(1H-インダゾール-5-イル)アセトアミドを白色の固体(21%)として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.99 (s, 1H), 10.16 (s, 1H), 8.18 (s, 1H), 8.11 (d, J = 0.8 Hz, 1H), 8.01 (d, J = 0.8 Hz, 1H), 7.50-7.33 (m, 5H), 7.14-7.09 (m, 1H), 4.43 (s, 1H), 2.60-2.53 (m, 2H), 1.09 (t, J = 7.2 Hz, 3H).MS (ES+) m/e 313.1 (M+H)+
【0208】
実施例52
N-(1H-インダゾール-5-イル)-2-(メチルアミノ)-2-(m-トリル)アセトアミド
【化68】
反応を一般手順Fに従って行った。最終残渣を逆相分取HPLCによって精製して、N-(1H-インダゾール-5-イル)-2-(メチルアミノ)-2-(m-トリル)アセトアミドを白色の固体(11%)として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.99 (s, 1H), 10.11 (s, 1H), 8.20 (s, 2H), 8.13 (s, 1H), 8.01 (s, 1H), 7.49-7.45 (m, 2H), 7.32-7.23 (m, 3H), 7.11 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 4.25 (s, 1H), 2.31 (s, 6H). MS (ES+) m/e 295.1 (M+H)+
【0209】
実施例53
2-(3-フルオロフェニル)-N-(1H-インダゾール-5-イル)-2-(メチルアミノ)アセトアミド
【化69】
反応を一般手順Fに従って行った。最終残渣を逆相分取HPLCによって精製して、2-(3-フルオロフェニル)-N-(1H-インダゾール-5-イル)-2-(メチルアミノ)アセトアミドを白色の固体(11%)として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.99 (s, 1H), 10.14 (s, 1H), 8.21 (s, 1H), 8.12 (s, 1H), 8.01 (s, 1H), 7.50-7.32 (m, 5H), 7.14-7.10 (m, 1H), 4.30 (s, 1H), 2.30 (s, 3H). MS (ES+) m/e 299.1 (M+H)+
【0210】
実施例54
(R)-N-(1H-インダゾール-5-イル)-2-(3-メトキシフェニル)-2-(メチルアミノ)アセトアミド
【化70】
反応を一般手順Fに従って行った。最終残渣を逆相分取HPLCによって精製して、(R)-N-(1H-インダゾール-5-イル)-2-(3-メトキシフェニル)-2-(メチルアミノ)アセトアミドを白色の固体(17%)として得た。鏡像異性体をSFC(DAICEL CHIRALPAK ADカラム)(移動相:CO2中の0.1%NH4OH含有55%EtOH、流速70g/分)によって分離して、所望の化合物をエナンチオマ純度99%で得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.97 (s, 1H), 10.05 (s, 1H), 8.12 (s, 1H), 8.00 (s, 1H), 7.47 (s, 2H), 7.26 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 7.09-7.05 (m, 2H), 6.85 (dd, J = 8.0, 2.0 Hz, 1H), 4.21 (s, 1H), 3.76 (s, 3H), 2.30 (s, 3H).MS (ES+) m/e 311.1 (M+H)+. [α]25°C D= +98.86 (c=MeOH中で0.2).
【0211】
実施例55
(S)-N-(1H-インダゾール-5-イル)-2-(3-メトキシフェニル)-2-(メチルアミノ)アセトアミド
【化71】
反応を一般手順Fに従って行った。最終残渣を逆相分取HPLCによって精製して、(S)-N-(1H-インダゾール-5-イル)-2-(3-メトキシフェニル)-2-(メチルアミノ)アセトアミドを白色の固体(12%)として得た。鏡像異性体をSFC(DAICEL CHIRALPAK ADカラム)(移動相:CO2中の0.1%NH4OH含有55%EtOH、流速70g/分)によって分離して、所望の化合物をエナンチオマ純度99%で得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.97 (s, 1H), 10.05 (s, 1H), 8.12 (s, 1H), 8.00 (s, 1H), 7.47 (s, 2H), 7.26 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 7.09-7.05 (m, 2H), 6.85 (dd, J = 8.0, 2.4 Hz, 1H), 4.20 (s, 1H), 3.75 (s, 3H), 2.30 (s, 3H). MS (ES+) m/e 311.1 (M+H)+. [α]25°C D= -96.44 (MeOH中でc=0.2).
【0212】
実施例56
N-(1H-インダゾール-5-イル)-2-(メチルアミノ)-2-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド
【化72】
反応を一般手順Fに従って行った。最終残渣を逆相分取HPLCによって精製して、N-(1H-インダゾール-5-イル)-2-(メチルアミノ)-2-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミドを茶色の固体(19%)として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ12.99 (s, 1H), 10.15 (s, 1H), 8.25 (s, 1H), 8.13 (s, 1H), 8.01 (s, 1H), 7.62 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.50-7.45 (m, 2H), 7.36 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 4.30 (s, 1H), 2.30 (s, 3H). MS (ES+) m/e 365.1 (M+H)+
【0213】
実施例57
2-(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)-N-(1H-インダゾール-5-イル)-2-(メチルアミノ)アセトアミド
【化73】
反応を一般手順Fに従って行った。最終残渣を逆相分取HPLCによって精製して、2-(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)-N-(1H-インダゾール-5-イル)-2-(メチルアミノ)アセトアミドを白色の固体(29%)として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.99 (s, 1H), 10.07 (s, 1H), 8.18 (s, 1H), 8.11 (s, 1H), 8.01 (s, 1H), 7.49-7.44 (m, 2H), 7.35 (dd, J = 12.8, 1.2 Hz, 1H), 7.25 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.16-7.12 (m, 1H), 4.21 (s, 1H), 3.82 (s, 3H), 2.28 (s, 3H). MS (ES+) m/e 329.0 (M+H)+
【0214】
実施例58
2-(3-クロロフェニル)-2-(エチルアミノ)-N-(1H-インダゾール-5-イル)アセトアミド
【化74】
反応を一般手順Fに従って行った。最終残渣を逆相分取HPLCによって精製して、2-(3-クロロフェニル)-2-(エチルアミノ)-N-(1H-インダゾール-5-イル)アセトアミドを茶色の固体(19%)として得た。
1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 8.53 (s, 1H), 8.08 (d, J = 1.2 Hz, 1H), 8.02 (s, 1H), 7.62 (s, 1H), 7.53-7.39 (m, 5H), 4.55 (s, 1H), 2.83-2.68 (m, 2H), 1.24 (t, J = 7.2 Hz, 3H). MS (ES+) m/e 329.1 (M+H)+
【0215】
比較例1
【化75】
【0216】
比較例2
【化76】
【0217】
比較例3
【化77】
【0218】
比較例4
【化78】
【0219】
比較例5
【化79】
【0220】
比較例6
【化80】
【0221】
比較例7
【化81】
【0222】
実施例59
インビトロでの化合物のROCK阻害活性の決定(Z’lyteアッセイ):組換えROCK1(アミノ酸1~535)及びROCK2(アミノ酸1~552)タンパク質をThermoFisher Scientificから購入した。化合物の活性をZ’-lyteキナーゼキット(ThermoFisher Scientific)によって測定し、IC50を計算した。
【0223】
A7R5細胞での化合物のROCK阻害活性の決定:ラット大動脈平滑筋細胞株A7R5細胞を、ウシ胎児血清10%を含むDMEM培地中で維持し、処理した。細胞を5,000細胞/ウェルの密度で96ウェルプレートに24時間にわたって播種し、その後、試験化合物で90分処理した。次いで、細胞を固定し、In-Cell ELISA Colorimetric Detection Kitマニュアル(Thermo Scientific)に従って処理した。In-Cell ELISAキットを使用して、DMSO対照または試験化合物の処理後に、細胞ホスホ-ミオシン軽鎖(ppMlc、Thr18/Ser19)レベルを決定した。1μM(または10μM)化合物処理で得られたデータを式:[1-(化合物/DMSO)]×100%に当てはめることによって、阻害パーセント率を計算した。化合物の9点の2倍系列希釈物で得られたppMlcデータを、GraphPad Prismソフトウェアの非線形回帰曲線フィット関数に当てはめて、インセルIC50値を計算した。
【0224】
NIH3T3細胞Acta2-プロモーター駆動ルシフェラーゼアッセイ:ヒトACTA2遺伝子プロモーター(-1000-1bp)によって駆動されるルシフェラーゼレポーターを安定発現するNIH3T3細胞株を確立した(NIH3T3-Acta2-ルシフェラーゼ)。細胞をコンフルエンスまでプレーティングし、試験化合物及びTGFβ1で24時間にわたって処理した。次いで、細胞を溶解させ、ルシフェラーゼ活性を、Active Motif製のLightSwitchルシフェラーゼキットを用いて測定した。
【0225】
ROCK阻害剤は、インビトロ及び細胞においてROCKキナーゼ活性を強力に阻害した。図1に示されているとおり、本発明のROCK阻害剤は、20ナノモル濃度未満で、Z’-Lyteキットによってインビトロで測定されたROCKキナーゼ活性の両方のアイソフォームを強力に阻害した。
【0226】
A7R5インセルElisaアッセイによって測定されたとおり、本発明の化合物は細胞中のROCKを阻害した。A7R5細胞を化合物の9ポイントの2倍系列希釈物で処理し、ppMlc(T18/S19)レベルを決定して、化合物の細胞IC50値を計算した。結果を下の表1に示す。
【表1】
【0227】
本発明のROCK阻害剤は、ROCKの両方のアイソフォームを阻害する。CRISPR/CAS9システムを使用して、ROCK1またはROCK2のいずれかがノックアウトされているHCT116細胞を作製した。ROCK1KO及びROCK2KO細胞を実施例2化合物で90分間にわたって処理し、pMypt(T853)レベルをウエスタンブロット法によって可視化した。ROCK阻害剤は、110nMでROCK標的MYPT1リン酸化を有効に遮断した。図2を参照されたい。
【0228】
下の表2は、本発明の化合物によるROCKのインビトロ及び細胞内阻害を示している。化合物の活性をZ’-lyteキナーゼキット(ThermoFisher Scientific)によって測定した。1μM化合物処理で得られたキナーゼ活性値をDMSO対照値に対して正規化することによって、阻害パーセント率を計算した。GraphPad Prismソフトウェアを、化合物処理の9ポイントの系列希釈物から収集されたキナーゼ活性データと共に用いて、IC50を計算した。A7R5細胞及びNIH3T3(Acta2-Luc)細胞におけるROCK阻害を上記のとおり行った。
【0229】
pMLC/A7R5 IC50のために、2ステップの測定を採用した。阻害パーセント率を単回用量(1μMまたは10μM)の化合物処理で計算して活性化合物をスクリーニングし、次いで、阻害率50%超の化合物でのみ、細胞IC50を測定した。
【表2-1】
【表2-2】
【表2-3】
【0230】
比較例は、本発明の化合物では存在する、2-アミノ基の上のアルキル置換基を有さない(すなわち、比較化合物では、2-アミノ基は、NH2である)。2-アルキルアミノの付加(すなわち、R1がアルキルなどである)は、特に2位の低級アルキルアミン(すなわち、R1が低級アルキルである)では、細胞ROCK活性の増強と関連している。例えば、比較例2(第一級2-アミノを含む)を、第二級2-アルキルアミノを有し、特に、そのアルキル基が小さい場合の実施例16、17、及び18と比較されたい。4種の化合物はすべて、ROCK1及びROCK2の高いインビトロ阻害を示すが、実施例16、17、及び18は、A7R5細胞においてROCK標的pMLCのリン酸化によって測定されるように、細胞ROCK阻害を増強している。例えば、実施例2は、比較例1よりも17倍を超える低いIC50で、細胞ROCK阻害を示す(それぞれ252対4410のIC50)。同様に、実施例24、25、26、27、及び36での細胞IC50は、第一級2-アミノ基を有する比較例4よりも低い。
【0231】
実施例59
ROCK阻害剤は、培養中のヒト乏突起神経膠芽細胞/ニューロン前駆細胞において乏突起神経膠芽細胞プロセスを改善した。ヒト乏突起神経膠芽細胞/ニューロン前駆細胞をインビトロで、ROCK阻害剤を伴って、または伴わずに2日間及び14日間にわたって培養した。ネスチン及びMAP2タンパク質を市販の抗体で染色することによって可視化して、異なる段階の神経細胞分化を特定した。ROCK阻害剤(実施例2の化合物)の存在下で分化した細胞におけるMAP2シグナルの著しい増加によって証明されたとおり、本発明のROCK阻害剤は、神経突起伸展を改善しながら、成熟神経細胞マーカーであるMAP2発現を有意に促進した。図3を参照されたい。
【0232】
実施例60
ROCK阻害剤は、ラット背根神経節(DRG)外植片との共培養系で、乏突起神経膠芽細胞において神経突起伸長及び軸索鞘形成(axon ensheathment)を改善した。図4に示されているとおり、ラット乏突起神経膠芽細胞とラット背根神経節(DRG)外植片との共培養条件下で、ROCK阻害剤での処理は細胞骨格系を変化させて、多くの短く配列されたミエリンセグメントを生成させ、それらを神経フィラメント染色によって特定した。同時に、ROCK阻害剤は、乏突起神経膠芽細胞の軸索支持も組織的に促進し、これを、成熟乏突起神経膠芽細胞マーカーのMBPを染色することによって可視化した。
【0233】
実施例61
ROCK阻害剤は血液脳関門を通過した。
マウス薬物動態試験において、投与の2時間後に、動物組織を採取して、化合物分布を決定した。表3に示されているとおり、実施例2化合物は、優れたBBB透過特性を有した。
【表3】
【0234】
選択されたROCK阻害剤の脳及び血漿中濃度をまた、マウスにおいて、HPLC/MS/MSによって、2.5mg/kgの静脈内薬物投与後15分目及び2時間目に評価した。結果を下の表4に示す。
【表4】
【0235】
文献一覧:
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Govek,E.E.,Newey,S.E.,and Van Aelst,L.(2005).The role of the Rho GTPases in neuronal development.Genes Dev 19,1-49.
Li,M.,Huang,Y.,Ma,A.A.,Lin,E.,and Diamond,M.I.(2009).Y-27632 improves rotarod performance and reduces huntingtin levels in R6/2 mice.Neurobiol Dis 36,413-420.
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図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2023-01-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iを有する化合物:
【化1】
[式中、
1は、低級アルキル、 3~C6シクロアルキル、 1011N(CR1213c-、及び10O(CR1213cらなる群から選択され;
各R10は、級アルキル、及びC3~C6シクロアルキルから独立に選択され;
各R11は、級アルキル、及びC3~C6シクロアルキルから独立に選択され;
各R12は、H及び低級アルキルから独立に選択され;
各R13は、H及び低級アルキルから独立に選択され;
加えて、または別法では、同じ炭素原子に結合しているR12及びR13は一緒になって、C3~C6シクロアルキル基を形成していてもよく;
cは、2~4であり;
2は、ロ、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、ニトロ、シアノ、C1~C3ペルフルオロアルキル、C1~C3ペルフルオロアルコキシ、カルボキシル、RR’N-、RR’NCO-、RCONH-、RCONR’-、RO2C-、アリール-O-及びヘテロアリール-O-からなる群から独立に選択される1~3個の置換基で場合により置換されるフェニル又はピリジニルであり、ただし、R 1 がR 10 11 N(CR 12 13 c -である場合に、R 2 は少なくとも1のメトキシで置換されたフェニルである;
3は、H、低級アルキル、置換低級アルキル、及びRR’N-(C2~4アルキル)-から選択され;
4は、H、ハロ、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、ニトロ、シアノ、C1~C3ペルフルオロアルキル、C1~C3ペルフルオロアルコキシ、カルボキシル、RR’N-、RR’NCO-、RCONH-、RCONR’-、RR’N-(C2~4アルキル)-、及びRR’N-(C2~4アルキル)-O-からなる群から選択され;
5は、H、低級アルキル及びC3~C6シクロアルキルから選択され;
bは、0~2であり;
かつ
各R及びR’は、H、低級アルキル、及びC3~C6シクロアルキルから独立に選択されるか、または別法では、R及びR’は一緒になって、5~6員の複素環式環を形成している]、又は医薬として許容されるその塩。
【請求項2】
式IIIを有する、請求項1に記載の化合物:
【化2】
[式中、
1は、低級アルキル又はシクロプロピルであり;
2は、ロ、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、ニトロ、シアノ、C1~C3ペルフルオロアルキル、C1~C3ペルフルオロアルコキシ、カルボキシル、RR’N-、RR’NCO-、RCONH-、RCONR’-、RO2C-、アリール-O-及びヘテロアリール-O-からなる群から独立に選択される1~3個の置換基で場合により置換されたフェニルである]、又は医薬として許容されるその塩
【請求項3】
式VIを有する、合物:
【化3】
[式中、
1は、低級アルキル、 3~C6シクロアルキル、及び10O(C 2 cらなる群から選択され;
各R10は、級アルキル、及びC3~C6シクロアルキルから独立に選択され;
cは、2~4であり;
3は、H、低級アルキル、置換低級アルキル、及びRR’N-(C2~4アルキル)-から選択され;
4は、H、ハロ、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、ニトロ、シアノ、C1~C3ペルフルオロアルキル、C1~C3ペルフルオロアルコキシ、カルボキシル、RR’N-、RR’NCO-、RCONH-、RCONR’-、RR’N-(C2~4アルキル)-、及びRR’N-(C2~4アルキル)-O-からなる群から選択され;
bは、0~2であり;
各R21は、H、ハロ、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、ニトロ、シアノ、C1~C3ペルフルオロアルキル、C1~C3ペルフルオロアルコキシ、カルボキシル、RR’N-、RR’NCO-、RCONH-、RCONR’-、RO2C-、アリール-O-及びヘテロアリール-O-からなる群から独立に選択され;
各R及びR’は、H、低級アルキル、及びC3-C6シクロアルキルから独立して選択され;かつ
nは、0~3である]、又は医薬として許容されるその塩
【請求項4】
式VIIを有する、請求項に記載の化合物:
【化4】
[式中、置換基は請求項3に定義される通りである]、又は医薬として許容されるその塩
【請求項5】
式VIIIを有する、請求項3に記載の化合物:
【化5】
[式中、
1は、低級アルキルであり;
21 は、請求項3に定義される通りである]、又は医薬として許容されるその塩。
【請求項6】
式IXを有する、請求項1に記載の化合物:
【化6】
[式中、
1は、低級アルキル又はシクロプロピルであり;
各R22は、H、ハロ、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、アミノ、C1~C3ペルフルオロアルキル、及びC1~C3ペルフルオロアルコキシからなる群から独立に選択され;かつ
nは、0~3である]、又は医薬として許容されるその塩
【請求項7】
以下の式を有する化合物:
【化7】
[式中、
1 が低級アルキル、C 3 -C 6 シクロアルキル、またはR 10 O(CH 2 c -であるか、あるいは、R 2 が場合によりメトキシで置換される場合に、R 1 がR 10 11 N(CH 2 c -であってもよく;
10 とR 11 は低級アルキルであり;
2 は、ハロ、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、ニトロ、シアノ、C 1 -C 3 パーフルオロアルキル、C 1 -C 3 パーフルオロアルコキシ、カルボキシ、RR’N-、RR’NCO-、RCONH-、RCONR’-、RO 2 C-、アリール、およびアリール-O-から独立に選択される1~3個の置換基で場合により置換されたフェニルまたはピリジルであり、ここで、該アリールおよび-O-アリール置換基は、低級アルコキシで場合により置換され;
3 はH、低級アルキル、またはRR’N-(C 2-4 アルキル)-から選択され;
各RおよびR’は、H、低級アルキルおよびC 3 -C 6 シクロアルキルから独立して選択され;および
cは2~4である]、又はその医薬として許容される塩。
【請求項8】
以下の式を有する請求項7に記載の化合物:
【化8】
[式中、
1 は低級アルキルまたはシクロプロピルであり;
各R 22 はハロ、低級アルキル、及び低級アルコキシから選択され;
nは0~2である]、またはその医薬として許容される塩。
【請求項9】
1 が低級アルキルであり、nが1又は2である、請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
1または複数の薬学的に許容可能な担体と剤形される、請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物、またはその医薬として許容される塩を含む医薬組成物。
【請求項11】
経口投与用の固体投与形態として剤形される、請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項12】
対象における線維性障害の治療のための、請求項10または11に記載の医薬組成物。
【請求項13】
線維性障害が、肺線維症、嚢胞性線維症、特発性肺線維症、放射線誘発肺線維症、肝線維症、肝硬変、心臓線維症、動脈線維症、心内膜心筋線維症、陳旧性心筋梗塞、動脈硬化、アテローム硬化、再狭窄、関節線維症、クローン病、骨髄線維症、ペイロニー病、腎原性全身性線維症、進行性塊状線維症、後腹膜腔線維症、硬皮症または全身性硬化症、縦隔線維症、ケロイド、肥厚性瘢痕、グリア性瘢痕、および腎線維症からなる群より選択される、請求項12に記載の医薬組成物。
【請求項14】
対象の中枢神経障害の治療のための、請求項10または11に記載の医薬組成物。
【請求項15】
中枢神経障害が、ハンチントン病、パーキンソン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、バッテン病、認知症、脊髄性筋萎縮症、運動ニューロン疾患、脊髄小脳失調症、急性または慢性疼痛、ニューロン変性、脊髄損傷、脳血管攣縮および多発性硬化症からなる群より選択される、請求項14に記載の医薬組成物。
【請求項16】
対象の緑内障治療のための、請求項10または11に記載の医薬組成物。
【請求項17】
対象における炎症の治療のための、請求項10または11に記載の医薬組成物。
【外国語明細書】