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特開2023-34258情報の送受信方法、および、情報の送受信システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023034258
(43)【公開日】2023-03-13
(54)【発明の名称】情報の送受信方法、および、情報の送受信システム
(51)【国際特許分類】
   G16H 10/20 20180101AFI20230306BHJP
   H04L 61/2592 20220101ALI20230306BHJP
【FI】
G16H10/20
H04L61/2592
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021140410
(22)【出願日】2021-08-30
(71)【出願人】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(74)【代理人】
【識別番号】100155608
【弁理士】
【氏名又は名称】大日方 崇
(72)【発明者】
【氏名】能登原 大介
(72)【発明者】
【氏名】武藤 実由
(72)【発明者】
【氏名】新城 葵
(72)【発明者】
【氏名】中矢 知宏
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA23
(57)【要約】
【課題】秘匿性の高い情報を送受信する際に、インターネットなどのネットワークを介して秘匿性の高い情報が漏洩することを抑制することが可能な情報の送受信方法を提供する。
【解決手段】この情報の送受信方法は、患者端末1と医療機関内サーバ2と医療機関外サーバ3との間で行われる情報の送受信方法であって、医療機関内サーバ2が、患者の個人情報20と、個人情報20以外の情報である患者ID21とを、患者端末1から取得するステップと、医療機関内サーバ2と医療機関外サーバ3との間において、秘匿通信回線30の接続を確立するステップと、秘匿通信回線30を用いて、医療機関外サーバ3から医療機関内サーバ2に対して患者が予め入力した問診情報22を送信するステップと、患者ID21に基づいて、個人情報20と問診情報22とを関連付けて医療機関内サーバ2に記憶するステップと、を備える。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者が所有する患者端末と、医療機関に設けられた医療機関内サーバと、医療機関外サーバとの間で行われる情報の送受信方法であって、
前記医療機関内サーバが、前記患者の個人情報と、前記個人情報以外の情報であり、前記医療機関外サーバにおいて前記患者を特定するための患者IDとを、前記患者端末から取得するステップと、
前記医療機関内サーバと前記医療機関外サーバとの間において、外部に対して情報を隠した状態で通信可能な通信回線である秘匿通信回線の接続を確立するステップと、
前記秘匿通信回線を用いて、前記医療機関外サーバから前記医療機関内サーバに対して前記患者が予め入力した問診情報を送信するステップと、
前記患者IDに基づいて、前記個人情報と前記問診情報とを関連付けて前記医療機関内サーバに記憶するステップと、を備える、情報の送受信方法。
【請求項2】
前記秘匿通信回線の接続を確立するステップにおいて、VPN接続、または、閉域網を介した接続によって、前記秘匿通信回線の接続を確立する、請求項1に記載の情報の送受信方法。
【請求項3】
前記問診情報は、前記患者の既往歴、前記患者が飲用している薬品の有無、前記患者の喫煙習慣の有無、前記患者の飲酒習慣の有無の少なくとも1つを含む医療基礎情報を含む、請求項1または2に記載の情報の送受信方法。
【請求項4】
前記医療機関外において前記医療機関外サーバと接続され、前記問診情報を記憶する問診情報サーバをさらに含み、
前記医療機関内サーバが前記個人情報および前記患者IDを取得するステップにおいて、前記医療機関内サーバが前記問診情報を特定するための問診IDをさらに取得し、
前記秘匿通信回線を用いて、前記医療機関内サーバから前記医療機関外サーバに対して、前記患者ID、および、前記問診IDを送信するステップと、
前記患者ID、および、前記問診IDに基づいて、前記医療機関外サーバが、前記問診情報サーバから前記問診情報を取得するステップと、をさらに備える、請求項1~3のいずれか1項に記載の情報の送受信方法。
【請求項5】
前記問診情報は、前記患者が前記医療機関を受診する前に予め入力した事前問診情報を含み、
前記問診情報を取得するステップにおいて、前記医療機関外サーバが、前記問診IDを用いて、前記事前問診情報を取得する、請求項4に記載の情報の送受信方法。
【請求項6】
前記問診情報サーバは、前記患者端末と接続されており、
前記問診情報は、前記患者が受診する受診診療科に応じた詳細問診情報を含み、
前記秘匿通信回線を用いて、前記医療機関内サーバから前記医療機関外サーバに対して、前記患者ID、および、前記問診IDを送信するステップにおいて、前記受診診療科の情報をさらに送信し、
前記問診情報サーバが、前記受診診療科の情報に基づいて前記患者が受診する診療科に応じた詳細問診を取得するステップと、
前記問診情報サーバから前記患者端末に対して前記詳細問診を送信するステップと、をさらに備える、請求項4に記載の情報の送受信方法。
【請求項7】
前記患者が前記詳細問診に回答した情報である前記詳細問診情報を前記患者端末から前記問診情報サーバに対して送信するステップと、
前記問診情報サーバから前記医療機関外サーバに対して前記詳細問診情報を送信するステップと、
前記医療機関外サーバから前記医療機関内サーバに対して前記詳細問診情報を送信するステップとを、さらに備える、請求項6に記載の情報の送受信方法。
【請求項8】
前記医療機関外サーバと前記患者端末との通信回線の接続を確立するステップと、
前記医療機関外サーバを経由して、前記医療機関内サーバから前記患者端末に対して、少なくとも前記患者が受診する受診診療科の情報を送信するステップと、をさらに備える、請求項1~7のいずれか1項に記載の情報の送受信方法。
【請求項9】
前記患者端末が備える表示部において、前記個人情報および前記患者IDを含み、バーコードまたは2次元コードからなる識別情報を表示するステップをさらに備え、
前記医療機関内サーバが前記個人情報および前記患者IDを取得するステップにおいて、前記表示部に表示された前記バーコードまたは2次元コードを読み取ることにより、ネットワークを介さずに、前記患者端末から前記個人情報および前記患者IDを取得する、請求項1~8のいずれか1項に記載の情報の送受信方法。
【請求項10】
前記個人情報は、少なくとも、前記患者の氏名を含む、請求項1~9のいずれか1項に記載の情報の送受信方法。
【請求項11】
患者が所有する患者端末と、医療機関に設けられた医療機関内サーバと、医療機関外サーバとの間で行われる情報の送受信方法であって、
前記医療機関内サーバが、前記患者の個人情報以外の情報であり、前記医療機関外サーバにおいて前記患者を特定するための患者IDを前記患者端末から取得するステップと、
前記医療機関内サーバと前記医療機関外サーバとの間において、外部に対して情報を隠した状態で通信可能な通信回線である秘匿通信回線の接続を確立するステップと、
前記医療機関外サーバと前記患者端末との通信回線の接続を確立するステップと、
前記医療機関外サーバを経由して、前記医療機関内サーバから前記患者端末に対して、前記患者の状態を確認する問い合わせ情報を送信するステップと、を備える、情報の送受信方法。
【請求項12】
患者が所有する患者端末と、
医療機関に設けられた医療機関内サーバと、
医療機関外サーバと、を備え、
前記医療機関内サーバは、
前記患者端末から、前記患者の個人情報と、前記個人情報以外の情報であり、前記医療機関外サーバにおいて前記患者を特定するための患者IDとを、取得する患者情報取得部と、
前記医療機関内サーバと前記医療機関外サーバとの間を、外部に対して情報を隠した状態で通信可能な通信回線である秘匿通信回線によって接続する第1通信部と、
前記秘匿通信回線を用いて、前記医療機関外サーバから前記医療機関内サーバに対して前記患者が予め入力した問診情報を前記第1通信部により取得する問診情報取得部と、
前記患者IDに基づいて、前記個人情報と前記問診情報とを関連付けて記憶する記憶部と、を備え、
前記医療機関外サーバは、
前記秘匿通信回線によって前記第1通信部と接続する第2通信部と、
前記医療機関内サーバに対して、前記第2通信部により前記問診情報を送信する問診情報送信部と、を備える、情報の送受信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報の送受信方法、および、情報の送受信システムに関し、特に、患者が入力した問診情報を、ネットワークを介して取得する情報の送受信方法、および、情報の送受信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、医療現場では、患者が手書きした問診などを、医師が電子カルテに入力するなど、医師が医療記録を行う時間が多くなり、医師の負担が増加している。そこで、医師の負担を軽減するための情報の送受信システムとして、患者が入力した問診情報を、ネットワークを介して取得する診療支援システムが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1に記載されている診療支援システムは、診療支援装置と、病院端末と、患者端末と、カルテ情報データベースと、問診情報データベースとを備えている。上記特許文献1に開示されている病院端末、カルテ情報データベース、および、問診情報データベースは、各々がインターネットを介して互いに接続されている。
【0004】
上記特許文献1に開示されている問診情報データベースには、患者が回答する問診項目を含む問診フォーマット情報と、患者が回答した項目とが記憶されている。また、上記特許文献1に開示されている病院端末は、インターネットを介して問診情報データベースから情報を取得する。また、上記特許文献1に開示されている問診情報には、患者が罹患している疑いのある病名が含まれる。また、上記特許文献1に記載されている構成では、病院端末と、問診情報サーバとは、互いにインターネットを介して情報の送受信を行う。したがって、医師が問診情報を入力する作業が生じることを抑制することが可能であるため、医師の負担を軽減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-101491号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1の構成では、病院端末(医療機関内サーバ)と問診情報サーバ(医療機関外サーバ)とが送受信を行う情報には、患者が罹患している疑いのある病名など、秘匿性の高い情報が含まれる。罹患している疑いのある病名などの秘匿性の高い情報を、インターネットなどのネットワークを介して取得することは、ネットワークを介して情報が漏洩する可能性があるという問題点がある。また、上記特許文献1には開示されていないが、医療機関内サーバから患者端末に対して、患者の状態を確認する問い合わせ情報を送信する場合がある。この場合においても、問い合わせ情報において、患者が使用する薬品の名称など、秘匿性の高い情報が含まれる場合がある。患者が使用する薬品の名称など、秘匿性の高い情報を含む問い合わせ情報を、インターネットを介して医療機関内サーバから患者端末に対して送信する場合に、ネットワークを介して情報が漏洩する可能性があるという問題点がある。
【0007】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、秘匿性の高い情報を送受信する際に、インターネットなどのネットワークを介して秘匿性の高い情報が漏洩することを抑制することが可能な情報の送受信方法、および、情報の送受信システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面における情報の送受信方法は、患者が所有する患者端末と、医療機関に設けられた医療機関内サーバと、医療機関外サーバとの間で行われる情報の送受信方法であって、医療機関内サーバが、患者の個人情報と、個人情報以外の情報であり、医療機関外サーバにおいて患者を特定するための患者IDとを、患者端末から取得するステップと、医療機関内サーバと医療機関外サーバとの間において、外部に対して情報を隠した状態で通信可能な通信回線である秘匿通信回線の接続を確立するステップと、秘匿通信回線を用いて、医療機関外サーバから医療機関内サーバに対して患者が予め入力した問診情報を送信するステップと、患者IDに基づいて、個人情報と問診情報とを関連付けて医療機関内サーバに記憶するステップと、を備える。
【0009】
この発明の第2の局面における情報の送受信方法は、患者が所有する患者端末と、医療機関に設けられた医療機関内サーバと、医療機関外サーバとの間で行われる情報の送受信方法であって、医療機関内サーバが、患者の個人情報以外の情報であり、医療機関外サーバにおいて患者を特定するための患者IDを患者端末から取得するステップと、医療機関内サーバと医療機関外サーバとの間において、外部に対して情報を隠した状態で通信可能な通信回線である秘匿通信回線の接続を確立するステップと、医療機関外サーバと患者端末との通信回線の接続を確立するステップと、医療機関外サーバを経由して、医療機関内サーバから患者端末に対して、患者の状態を確認する問い合わせ情報を送信するステップと、を備える。
【0010】
この発明の第3の局面における情報の送受信システムは、患者が所有する患者端末と、医療機関に設けられた医療機関内サーバと、医療機関外サーバと、を備え、医療機関内サーバは、患者端末から、患者の個人情報と、個人情報以外の情報であり、医療機関外サーバにおいて患者を特定するための患者IDとを、取得する患者情報取得部と、医療機関内サーバと医療機関外サーバとの間を、外部に対して情報を隠した状態で通信可能な通信回線である秘匿通信回線によって接続する第1通信部と、秘匿通信回線を用いて、医療機関外サーバから医療機関内サーバに対して患者が予め入力した問診情報を第1通信部により取得する問診情報取得部と、患者IDに基づいて、個人情報と問診情報とを関連付けて記憶する記憶部と、を備え、医療機関外サーバは、秘匿通信回線によって第1通信部と接続する第2通信部と、医療機関内サーバに対して、第2通信部により問診情報を送信する問診情報送信部と、を備える。
【発明の効果】
【0011】
上記第1の局面における情報の送受信方法は、上記のように、秘匿通信回線を用いて、医療機関外サーバから医療機関内サーバに対して患者が予め入力した問診情報を送信するステップを備える。これにより、秘匿通信回線を用いて、医療機関外サーバから医療機関内サーバに対して患者が予め入力した問診情報を送信するので、秘匿性の高い情報が外部に漏洩することを抑制することができる。その結果、秘匿性の高い情報を送受信する際に、インターネットなどのネットワークを介して秘匿性の高い情報が漏洩することを抑制することが可能な情報の送受信方法を提供することができる。また、上記のように、患者IDに基づいて、個人情報と問診情報とを関連付けて医療機関内サーバに記憶するステップを備える。これにより、医療機関内サーバにおいて、個人情報と問診情報とを関連付けて記憶するので、たとえば、患者が手書きした問診情報を医師が入力する構成とは異なり、医師が問診情報を入力する作業が生じることを抑制することができる。その結果、医師の負担を軽減することができる。
【0012】
また、上記第2の局面における情報の送受信方法は、上記のように、外部に対して情報を隠した状態で通信可能な通信回線である秘匿通信回線の接続を確立するステップと、医療機関外サーバと患者端末との通信回線の接続を確立するステップと、医療機関外サーバを経由して、医療機関内サーバから患者端末に対して、患者の状態を確認する問い合わせ情報を送信するステップと、を備える。これにより、秘匿通信回線を用いて医療機関内サーバと接続された医療機関外サーバを経由して、医療機関内サーバから患者端末に対して問い合わせ情報が送信されるので、問い合わせ情報が漏洩することを抑制することができる。その結果、秘匿性の高い情報を送受信する際に、インターネットなどのネットワークを介して秘匿性の高い情報が漏洩することを抑制することが可能な情報の送受信方法を提供することができる。また、医療機関内サーバから患者端末に対して、患者の状態を確認する問い合わせ情報が送信されるので、患者の利便性を向上させることができる。
【0013】
また、上記第3の局面における情報の送受信システムは、患者端末から、個人情報と患者識別情報とを直接取得するステップと、患者識別情報に基づいて問診情報サーバから問診情報を取得するステップとを備える。これにより、上記第1の局面における情報の送受信方法と同様に、秘匿性の高い情報を送受信する際に、インターネットなどのネットワークを介して秘匿性の高い情報が漏洩することを抑制することが可能な情報の送受信システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】一実施形態による情報の送受信システムの構成を示すブロック図である。
図2】一実施形態による患者端末の構成を示すブロック図である。
図3】一実施形態による医療機関内サーバの構成を示すブロック図である。
図4】一実施形態による医療機関内サーバが個人情報と問診情報とを対応付けて記憶する構成を説明するための図である。
図5】一実施形態による医療機関外サーバの構成を説明するためのブロック図である。
図6】一実施形態による問診情報サーバの構成を説明するためのブロック図である。
図7】一実施形態による問診情報サーバが問診IDと問診情報とを対応付けて記憶する構成を説明するための図である。
図8】一実施形態による情報の送受信方法における事前問診情報の流れを説明するための図である。
図9】一実施形態による事前問診情報を記憶する処理を説明するためのフローチャートである。
図10】一実施形態による情報の送受信方法における詳細問診情報の流れを説明するための図である。
図11】一実施形態による詳細問診情報を記憶する処理を説明するためのフローチャートである。
図12】第1変形例による情報の送受信システムの構成を示すブロック図である。
図13】第1変形例による医療機関内サーバの構成を示すブロック図である。
図14】第1変形例による医療機関外サーバの構成を示すブロック図である。
図15】第1変形例による情報の送受信方法における問い合わせ情報の流れを説明するための図である。
図16】第1変形例による問い合わせ情報を送信する処理を説明するためのフローチャートである。
図17】第2変形例による情報の送受信システムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
図1図7を参照して、本実施形態による情報の送受信システム100の構成について説明するとともに、図8図11を参照して、情報の送受信システム100における情報の送受信方法について説明する。
【0017】
(情報の送受信システムの全体構成)
図1に示すように、情報の送受信システム100は、患者が所有する患者端末1と、医療機関40に設けられた医療機関内サーバ2と、医療機関外サーバ3と、を備える。また、本実施形態では、情報の送受信システム100は、問診情報サーバ4、を備える。
【0018】
情報の送受信システム100は、患者が患者端末1によって問診情報サーバ4に登録した問診情報22を、医療機関内サーバ2が医療機関外サーバ3を介して問診情報サーバ4から取得するシステムである。なお、問診情報22とは、患者が問診に対して回答した情報である。
【0019】
図1に示すように、医療機関内サーバ2と、医療機関外サーバ3とは、医療機関内サーバ2および医療機関外サーバ3の外部に対して情報を隠した状態で通信可能な通信回線である秘匿通信回線30によって接続されている。すなわち、医療機関内サーバ2および医療機関外サーバ3は、外部からは接続不可なクローズドネットワークによって接続されている。本実施形態では、医療機関内サーバ2と、医療機関外サーバ3とは、VPN(Virtual Private Network)接続、または、閉域網を介した接続によって接続される。なお、VPN接続とは、インターネット回線をもいて構成される仮想的なプライベートネットワークによる接続である。閉域網とは、専用回線によって接続された通信回線網である。
【0020】
また、患者端末1と、医療機関外サーバ3と、問診情報サーバ4とは、ネットワーク31を介して接続されている。ネットワーク31は、たとえば、インターネットを含む。すなわち、ネットワーク31は、患者端末1、問診情報サーバ4、および、医療機関内サーバ2以外からも接続可能なオープンネットワークである。
【0021】
患者端末1には、患者の個人情報20と、患者ID21と、問診ID23とが記憶されている。患者ID21は、個人情報20以外の情報であり、医療機関外サーバ3において患者を特定するためのIDである。すなわち、患者ID21は、医療機関外サーバ3におけるユーザIDである。また、問診ID23は、問診情報22を特定するためのIDである。患者ID21は、医療機関外サーバ3において、患者を識別するために付与される患者ごとに固有の文字列によって構成される。問診ID23は、問診情報サーバ4において問診情報22を特定するために付与される問診ごとに固有の文字列によって構成される。なお、患者ID21と、問診ID23とは、一般的には、互いに異なる文字列である。医療機関外サーバ3において患者を識別可能であり、問診情報サーバ4において問診情報22を特定可能であれば、患者ID21と問診ID23とが、互いに等しい文字列であってもよい。本実施形態では、個人情報20は、少なくとも、患者の氏名20aを含む。なお、本実施形態では、個人情報20は、患者の生年月日20b、および、患者の住所20cをさらに含む。
【0022】
医療機関内サーバ2は、患者端末1から、個人情報20と患者ID21と問診ID23とを取得するように構成されている。また、医療機関内サーバ2は、医療機関外サーバ3に対して、問診情報22を取得するリクエストを送信し、医療機関外サーバ3を介して、問診情報サーバ4から問診情報22を取得するように構成されている。医療機関内サーバ2は、医療機関40に設けられている。また、医療機関内サーバ2は、医療機関外サーバ3および問診情報サーバ4とは別個に設けられている。本実施形態では、医療機関内サーバ2は、医療機関外サーバ3が設けられている施設、および、問診情報サーバ4が設けられている施設とは異なる施設である医療機関40に設けられている。
【0023】
医療機関外サーバ3には、患者ID21が記憶されている。また、医療機関外サーバ3は、医療機関内サーバ2からのリクエストに応じて、問診情報サーバ4から問診情報22を取得するように構成されている。また、医療機関外サーバ3は、取得した問診情報22を、秘匿通信回線30を用いて医療機関内サーバ2に対して送信するように構成されている。
【0024】
問診情報サーバ4は、医療機関40の外部において医療機関外サーバ3と接続され、問診情報22を記憶するように構成されている。問診情報サーバ4には、問診情報22と、問診ID23とが記憶されている。また、問診情報サーバ4は、医療機関外サーバ3から送信された問診ID23に基づいて、問診情報22を特定する。また、問診情報サーバ4は、特定した問診情報22を、医療機関外サーバ3に対して送信するように構成されている。
【0025】
次に、図2図7を参照して、本実施形態における情報の送受信システム100が備える患者端末1、医療機関内サーバ2、医療機関外サーバ3、および、問診情報サーバ4の詳細について説明する。
【0026】
〈患者端末〉
図2に示すように、患者端末1は、患者が問診情報22を入力可能なように構成されている。患者端末1は、たとえば、スマートフォン、タブレット端末などを含む。
【0027】
患者端末1は、患者端末制御部1aと、患者端末通信部1bと、入力受付部1cと、表示部1dと、患者端末記憶部1eとを備える。患者端末1は、患者の個人情報20を入力可能なように構成されている。また、患者端末1は、問診情報22を入力可能なように構成されている。本実施形態では、患者は、患者端末1によって問診アプリケーション(図示せず)を起動するか、または、問診回答サービス(図示せず)にアクセスし、問診に回答することにより、個人情報20および問診情報22を入力する。本実施形態では、患者が問診アプリケーションを起動することにより、個人情報20を入力する例を示す。
【0028】
患者端末制御部1aは、患者端末1を制御するように構成されている。患者端末制御部1aは、たとえば、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサと、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)などのメモリとを含む。
【0029】
患者端末通信部1bは、ネットワーク31を介して、医療機関外サーバ3、および、問診情報サーバ4と接続可能に構成されている。患者端末通信部1bは、無線通信用のインターフェースを含む。
【0030】
入力受付部1cは、患者の操作入力を受け付け可能なように構成されている。入力受付部1cは、たとえば、タッチパッドなどの入力デバイスを含む。
【0031】
表示部1dは、患者が問診情報22を入力する際の問診内容などを表示するように構成されている。また、表示部1dは、識別情報24(図8参照)を表示するように構成されている。表示部1dは、たとえば、液晶パネルを含む。なお、本実施形態では、入力受付部1cと、表示部1dとは、入力受付部1cと、表示部1dとが、一体的に構成されたタッチパネルである。
【0032】
患者端末記憶部1eは、患者の個人情報20を記憶するように構成されている。また、患者端末記憶部1eは、患者が個人情報20および問診情報22を入力する際に、医療機関外サーバ3から付与される患者ID21、および、問診情報サーバ4から付与される問診ID23を記憶するように構成されている。患者端末記憶部1eは、たとえば、フラッシュメモリを含む。
【0033】
図2に示すように、患者は、患者端末1において起動した問診アプリケーションにおいて来院前に問診情報22を入力し、入力した問診情報22を問診情報サーバ4に登録(記憶)するように構成されている。具体的には、患者端末1は、患者が入力した問診情報22を、ネットワーク31を介して問診情報サーバ4に送信する。問診情報サーバ4は、ネットワーク31を介して患者端末1から受信した問診情報22を記憶する。
【0034】
〈医療機関内サーバ〉
次に、図3を参照して、医療機関内サーバ2の構成について説明する。図3に示すように、医療機関内サーバ2は、患者情報取得部2aと、第1通信部2bと、第1プロセッサ2cと、第1記憶部2dとを備える。なお、第1記憶部2dは、特許請求の範囲の「記憶部」の一例である。
【0035】
患者情報取得部2aは、患者端末1から、患者の個人情報20と、個人情報20以外の情報であり、医療機関外サーバ3において患者を特定するための患者ID21とを、取得するように構成されている。
【0036】
本実施形態では、患者情報取得部2aは、患者端末1から個人情報20および患者ID21を取得するように構成されている。具体的には、患者情報取得部2aは、医療機関40の受付窓口に設けられた受付端末5から、個人情報20および患者ID21を取得する。なお、本実施形態では患者情報取得部2aは、個人情報20および患者ID21とともに、問診ID23を取得する。
【0037】
受付端末5は、有人の受付窓口、および、無人の受付窓口のうち、どちらの受付窓口に設けられていてもよい。受付端末5は、患者が受付窓口において受付手続きを行う際に、患者端末1の表示部1dに表示された識別情報24を読み取る読み取り部5aを含む。
【0038】
本実施形態では、読み取り部5aは、患者端末1に表示された識別情報24を読み取ることにより、個人情報20および患者ID21を、ネットワークを介さずに直接取得するように構成されている。具体的には、読み取り部5aは、バーコードまたは2次元コードを読み取ることより、患者が所有する患者端末1から、個人情報20および患者ID21を、ネットワークを介さずに直接取得するように構成されている。また、読み取り部5aは、患者端末1に表示された識別情報24を読み取ることにより、個人情報20および患者ID21とともに、問診ID23を取得する。2次元コードは、たとえば、QRコード(登録商標)を含む。読み取り部5aは、たとえば、バーコードリーダー、QRコードリーダーなどを含む。
【0039】
第1通信部2bは、医療機関内サーバ2と医療機関外サーバ3との間を、外部に対して情報を隠した状態で通信可能な通信回線である秘匿通信回線30によって接続するように構成されている。第1通信部2bは、たとえば、VPN接続機能を有したルータ、または、専用回線で構成された閉域網に接続されたルータを含む。
【0040】
第1プロセッサ2cは、第1問診情報取得部2eを含む。第1プロセッサ2cは、たとえば、CPUを含む。第1問診情報取得部2eは、第1記憶部2dに記憶された各種プログラムを実行することにより実現される機能ブロックとしてソフトウェア的に構成される。第1問診情報取得部2eは、専用のプロセッサ(処理回路)を設けてハードウェアにより構成されていてもよい。なお、第1問診情報取得部2eは、特許請求の範囲の「問診情報取得部」の一例である。
【0041】
第1問診情報取得部2eは、秘匿通信回線30を用いて、医療機関外サーバ3から医療機関内サーバ2に対して患者が予め入力した問診情報22を第1通信部2bにより取得するように構成されている。
【0042】
第1記憶部2dは、患者ID21に基づいて、個人情報20と問診情報22とを関連付けて記憶するように構成されている。また、第1記憶部2dは、第1プロセッサ2cが実行する各種プログラム(図示せず)を記憶する。第1記憶部2dは、たとえば、HDD(Hard Disk Drive)、または、SSD(Solid State Drive)を含む記憶装置である。
【0043】
(医療機関内サーバによる個人情報および問診情報の記憶)
本実施形態では、医療機関内サーバ2は、患者ID21に基づいて、個人情報20と問診情報22とを関連付けて医療機関内サーバ2に記憶するように構成されている。具体的には、図4に示すように、医療機関内サーバ2は、患者情報群50を記憶するように構成されている。患者情報群50は、患者ID21と、個人情報20と、問診情報22とを対応付けた情報である。医療機関内サーバ2は、患者ごとに患者情報群50を記憶するように構成されている。また、患者情報群50には、受付スタッフ、看護師、医師などが入力した患者の情報が含まれる。
【0044】
〈医療機関外サーバ〉
次に、図5を参照して、医療機関外サーバ3の構成について説明する。医療機関外サーバ3は、第2通信部3aと、第2プロセッサ3bと、第2記憶部3cと、を備える。
【0045】
第2通信部3aは、秘匿通信回線30によって第1通信部2bと接続するように構成されている。また、第2通信部3aは、ネットワーク31を介して、患者端末1および問診情報サーバ4と接続するように構成されている。第2通信部3aは、たとえば、VPN接続機能を有したルータ、または、専用回線で構成された閉域網に接続されたルータを含む。また、第2通信部3aは、インターネットなどのオープンネットワークに接続可能なルータを含む。
【0046】
第2プロセッサ3bは、問診情報送信部3dを備える。また、第2プロセッサ3bは、第2問診情報取得部3eと、患者情報取得部3fと、を含む。第2プロセッサ3bは、たとえば、CPUを含む。問診情報送信部3d、第2問診情報取得部3e、および、患者情報取得部3fは、第2記憶部3cに記憶された各種プログラムを実行することにより実現される機能ブロックとしてソフトウェア的に構成される。問診情報送信部3d、第2問診情報取得部3e、および、患者情報取得部3fは、専用のプロセッサ(処理回路)を設けてハードウェアにより構成されていてもよい。
【0047】
問診情報送信部3dは、医療機関内サーバ2に対して、第2通信部3aにより問診情報22を送信するように構成されている。
【0048】
第2問診情報取得部3eは、医療機関内サーバ2から送信された問診ID23に応じて、問診情報サーバ4から問診情報22を取得するように構成されている。
【0049】
患者情報取得部3fは、医療機関内サーバ2から患者ID21および問診ID23を取得するように構成されている。
【0050】
第2記憶部3cは、患者ID21と、問診情報22とを記憶するように構成されている。本実施形態では、第2記憶部3cが記憶する問診情報22は、医療基礎情報22aを含む。医療基礎情報22aは、医師が診察を行う際に参照する情報である。医療基礎情報22aは、患者の既往歴、患者が飲用している薬品の有無、患者の喫煙習慣の有無、患者の飲酒習慣の有無の少なくとも1つを含む。
【0051】
〈問診情報サーバ〉
次に、図6を参照して、問診情報サーバ4の構成について説明する。
【0052】
図6に示すように、問診情報サーバ4は、制御部4aと、第3通信部4bと、第3記憶部4cとを含む。問診情報サーバ4は、患者が患者端末1で入力し、ネットワーク31を介して問診情報サーバ4に送信した問診情報22を記憶するように構成されている。問診情報サーバ4は、医療機関内サーバ2が設けられている医療機関40とは異なる施設に設けられている。問診情報サーバ4は、たとえば、データセンターなどに設けられている。
【0053】
制御部4aは、問診情報サーバ4の制御を行うように構成されている。制御部4aは、たとえば、CPU、RAM、およびROMなどを含む。
【0054】
第3通信部4bは、ネットワーク31を介して患者端末1と接続可能に構成されている。また、第3通信部4bは、ネットワーク31を介して医療機関外サーバ3と接続可能に構成されている。第3通信部4bは、無線通信用のインターフェースを含む。
【0055】
第3記憶部4cは、問診情報22と、問診ID23とを記憶するように構成されている。本実施形態では、第3記憶部4cは、問診情報22として、少なくとも、事前問診情報22bが記憶されている。なお、図6に示す例では、第3記憶部4cが、問診情報22として、事前問診情報22bおよび詳細問診情報22cを記憶している。第3記憶部4cは、たとえば、HDD、または、SSDを含む記憶装置である。
【0056】
(問診情報の記憶)
図7に示すように、本実施形態では、問診情報サーバ4は、患者ごとに問診情報22を記憶するように構成されている。具体的には、問診情報サーバ4は、患者ごとに問診情報群60を記憶するように構成されている。問診情報群60は、患者ごとに付与された固有のIDである問診ID23と、患者が患者端末1によって入力した問診情報22とを対応付けた情報である。図7に示す例では、問診情報サーバ4は、問診ID23に対して、事前問診情報22bおよび詳細問診情報22cを対応付けた状態で記憶する。
【0057】
(情報の送受信方法)
次に、図8図11を参照して、本実施形態における情報の送受信方法について説明する。本実施形態における情報の送受信方法は、患者が所有する患者端末1と、医療機関40に設けられた医療機関内サーバ2と、医療機関外サーバ3との間で行われる情報の送受信方法である。具体的には、本実施形態における情報の送受信方法は、患者が医療機関40(図1参照)を受診する前の簡易的な問診に回答した情報である事前問診情報22b(図3参照)を医療機関内サーバ2が取得する方法を含む。また、本実施形態における情報の送受信方法は、患者が受診する受診診療科に応じた詳細な問診である詳細問診26(図10参照)に回答した情報である詳細問診情報22c(図3参照)を医療機関内サーバ2が取得する方法を含む。
【0058】
〈事前問診情報の取得および記憶〉
まず、図8および図9を参照して、医療機関内サーバ2が事前問診情報22bを取得する方法について説明する。なお、図8および図9に示す例は、患者が医療機関40を受診する前に、問診に回答たうえで、患者が医療機関40を受診する場合を前提としている。すなわち、事前問診情報22bが問診情報サーバ4に記憶されていることを前提としている。なお、患者が事前問診に回答する際には、医療機関外サーバ3において患者ID21が発行されているとともに、問診情報サーバ4において、問診ID23が発行されている。また、患者ID21および問診ID23は、患者端末1に記憶されている。
【0059】
〈事前問診情報の記憶処理における各情報の流れ〉
まず、図8を参照して、情報の送受信方法において事前問診情報22bを取得し、記憶する処理における各種情報の流れについて、時系列に沿って説明する。
【0060】
患者は、医療機関40を受診する際に、受付端末5(図2参照)において、識別情報24を読み込ませる。医療機関内サーバ2は、受付端末5が読み込んだ識別情報24に基づいて、個人情報20、患者ID21、および、問診ID23を取得する。そして、医療機関内サーバ2は、取得した患者ID21および問診ID23に基づいて、医療機関外サーバ3を介して、問診情報サーバ4から事前問診情報22bを取得する。なお、図8において、丸印で囲まれた数字は、処理の順番を示している。
【0061】
図8に示すように、事前問診情報22bを記憶する方法の1番目の処理として、医療機関内サーバ2は、患者端末1から、個人情報20と、患者ID21と、問診ID23とを取得する。具体的には、医療機関内サーバ2は、患者端末1の表示部1d(図2参照)に表示された識別情報24を読み込むことにより、患者端末1から、個人情報20と、患者ID21と、問診ID23とを取得する。
【0062】
次に、事前問診情報22bを記憶する方法の2番目の処理として、医療機関内サーバ2は、秘匿通信回線30を用いて、患者ID21および問診ID23を、医療機関外サーバ3に対して送信する。
【0063】
次に、事前問診情報22bを記憶する方法の3番目の処理として、医療機関外サーバ3は、ネットワーク31を介して、問診ID23を問診情報サーバ4に対して送信する。
【0064】
次に、事前問診情報22bを記憶する方法の4番目の処理として、問診情報サーバ4は、ネットワーク31を介して、医療機関外サーバ3に対して問診情報22(事前問診情報22b)を送信する。
【0065】
次に、事前問診情報22bを記憶する方法の5番目の処理として、医療機関外サーバ3は、秘匿通信回線30を用いて、患者ID21と、問診情報22(医療基礎情報22aおよび事前問診情報22b)と、問診ID23とを、医療機関内サーバ2に対して送信する。その後、医療機関内サーバ2において、患者ID21に基づいて、個人情報20と問診情報22(医療基礎情報22aおよび事前問診情報22b)とが対応付けて記憶される。
【0066】
〈事前問診情報の記憶処理〉
次に、図9を参照して、情報の送受信方法のうち、事前問診情報22bを取得し、記憶する方法の各処理について説明する。図9に示すように、情報の送受信方法のうち、事前問診情報22bを取得し、記憶する方法は、大きく分けて、以下のステップ101と、ステップ201と、ステップ301と、ステップ401とを備える。
(101)患者端末1が、個人情報20、患者ID21、および、問診ID23を取得し、表示部1d(図2参照)において個人情報20、患者ID21、および、問診ID23を含む識別情報24を表示するステップ
(201)医療機関内サーバ2が、受付端末5が患者端末1から読み込んだ識別情報24から、個人情報20と患者ID21と問診ID23とを取得し、医療機関外サーバ3からと問診情報22とを取得し、患者ID21に基づいて個人情報20と問診情報22とを対応付けて記憶するステップ
(301)医療機関外サーバ3が医療機関内サーバ2から送信された問診ID23を問診情報サーバ4に送信するとともに、問診情報サーバ4から送信された問診情報22を医療機関内サーバ2に対して送信するステップ
(401)問診情報サーバ4が、医療機関外サーバ3から送信された問診ID23に基づいて問診情報22を取得し、医療機関外サーバ3に対して送信するステップ
【0067】
上記ステップ101は、患者端末1が、個人情報20、患者ID21、および、問診ID23を取得するステップ101aと、患者端末1が、個人情報20、患者ID21、および、問診ID23を表示するステップ101bとを含む。
【0068】
ステップ101aにおいて、患者端末1は、個人情報20、患者ID21、および、問診ID23を取得する。具体的には、患者端末1は、患者端末記憶部1e(図2参照)に記憶されている個人情報20、患者ID21、および、問診ID23を読み込むことにより取得する。
【0069】
ステップ101bにおいて、患者端末1は、取得した個人情報20、患者ID21、および、問診ID23を、患者端末1の表示部1d(図2参照)に表示する。具体的には、ステップ101bの処理において、患者端末1は、患者端末1が備える表示部1dにおいて、個人情報20および患者ID21を含み、バーコードまたは2次元コードからなる識別情報24(図8参照)を表示する。
【0070】
上記ステップ201は、医療機関内サーバ2が、患者の個人情報20と、患者ID21とを、患者端末1から取得するステップ201aと、医療機関内サーバ2が、医療機関内サーバ2と医療機関外サーバ3との間において、秘匿通信回線30の接続を確立するステップ201bと、医療機関内サーバ2が、患者ID21と問診ID23とを医療機関外サーバ3に対して送信するステップ201cと、医療機関内サーバ2が、問診情報22と問診ID23とを医療機関外サーバ3から受信するステップ201dと、医療機関内サーバ2が、患者ID21に基づいて、個人情報20と問診情報22とを関連付けて医療機関内サーバ2に記憶するステップ201eと、を備える。
【0071】
ステップ201aにおいて、医療機関内サーバ2は、患者端末1から、個人情報20、および、患者ID21を取得する。また、本実施形態では、医療機関内サーバ2は、患者端末1から、問診ID22を取得する。具体的には、ステップ201aにおいて、医療機関内サーバ2は、受付端末5から、個人情報20、患者ID21、および、問診ID23を取得する。受付端末5は、受付端末5の読み取り部5aが、患者端末1の表示部1dに表示されたバーコードまたは2次元コードを読み取ることにより、ネットワークを介さずに、患者端末1から個人情報20、患者ID21、および、問診ID23を取得する。ステップ201aの処理は、図8における1番目の処理である。
【0072】
ステップ201bにおいて、医療機関内サーバ2は、医療機関内サーバ2と医療機関外サーバ3との間において、秘匿通信回線30の接続を確立する。本実施形態では、医療機関内サーバ2は、ステップ301aにおいて、VPN接続、または、閉域網を介した接続によって、秘匿通信回線30の接続を確立する。
【0073】
ステップ201cにおいて、医療機関内サーバ2は、医療機関外サーバ3に対して、患者ID21および問診ID23を送信する。本実施形態では、ステップ201cにおいて、医療機関内サーバ2は、秘匿通信回線30を用いて、医療機関内サーバ2から医療機関外サーバ3に対して、患者ID21、および、問診ID23を送信する。ステップ201cの処理は、図8における2番目の処理である。
【0074】
ステップ201dにおいて、医療機関内サーバ2は、医療機関外サーバ3から、問診情報22と問診ID23とを受信する。ステップ201dにおいても、医療機関内サーバ2は、秘匿通信回線30を用いて、医療機関外サーバ3から、問診情報22および問診ID23を受信する。
【0075】
ステップ201eにおいて、医療機関内サーバ2は、ステップ201aにおいて取得した個人情報20と、ステップ201dにおいて受信した問診情報22とを、患者ID21に基づいて対応付けて記憶する。
【0076】
上記ステップ301は、医療機関外サーバ3が、医療機関内サーバ2と医療機関外サーバ3との間において、秘匿通信回線30の接続を確立するステップ301aと、医療機関外サーバ3が、医療機関内サーバ2から患者ID21と問診ID23とを受信するステップ301bと、医療機関外サーバ3が、問診ID23を問診情報サーバ4に対して送信するステップ301cと、医療機関外サーバ3が、問診情報サーバ4から問診情報22を受信するステップ301dと、医療機関外サーバ3が、医療機関内サーバ2に対して問診情報22と問診ID23とを送信するステップ301eとを備える。
【0077】
ステップ301aにおいて、医療機関外サーバ3は、医療機関内サーバ2と医療機関外サーバ3との間において、秘匿通信回線30の接続を確立する。本実施形態では、医療機関外サーバ3は、ステップ301aにおいて、VPN接続、または、閉域網を介した接続によって、秘匿通信回線30の接続を確立する。
【0078】
ステップ301bにおいて、医療機関外サーバ3は、医療機関内サーバ2から送信された患者ID21および問診ID23を受信する。本実施形態では、医療機関外サーバ3は、秘匿通信回線30を用いて、医療機関内サーバ2から送信された患者ID21および問診ID23を受信する。
【0079】
ステップ301cにおいて、医療機関外サーバ3は、問診情報サーバ4に対して、問診ID23を送信する。具体的には、医療機関外サーバ3は、ネットワーク31を介して、問診情報サーバ4に対して問診ID23を送信する。ステップ301cの処理は、図8における3番目の処理である。
【0080】
ステップ301dにおいて、医療機関外サーバ3は、問診情報サーバ4から送信された問診情報22を受信する。具体的には、医療機関外サーバ3は、ネットワーク31を介して、問診情報サーバ4から送信された問診情報22を受信する。すなわち、医療機関外サーバ3は、患者ID21、および、問診ID23に基づいて、医療機関外サーバ3が、問診情報サーバ4から問診情報22を取得する。なお、本実施形態では、問診情報22を取得するステップ301dにおいて、医療機関外サーバ3が、問診ID23を用いて、事前問診情報22bを取得する。
【0081】
ステップ301eにおいて、医療機関外サーバ3は、医療機関内サーバ2に対して、受信した問診情報22(事前問診情報22b)と、問診ID23とを送信する。具体的には、医療機関外サーバ3は、秘匿通信回線30を用いて、医療機関外サーバ3から医療機関内サーバ2に対して患者が予め入力した問診情報22を送信する。また、本実施形態では、ステップ301eにおいて、医療機関外サーバ3は、患者によって入力され、医療機関外サーバ3に予め記憶されている医療基礎情報22a(図3参照)についても、秘匿通信回線30を用いて医療機関内サーバ2に対して送信する。ステップ301eの処理は、図8における5番目の処理である。
【0082】
上記ステップ401は、問診情報サーバ4が、医療機関外サーバ3から問診ID23を受信するステップ401aと、問診情報サーバ4が、問診ID23に基づき、問診情報22を取得するステップ401bと、問診情報サーバ4が、取得した問診ID23を医療機関外サーバ3に対して送信するステップ40cとを備える。
【0083】
ステップ401aにおいて、問診情報サーバ4は、医療機関外サーバ3から送信された問診ID23を受信する。本実施形態では、問診情報サーバ4は、ネットワーク31を介して、医療機関外サーバ3から送信された問診ID23を取得する。
【0084】
ステップ401bにおいて、問診情報サーバ4は、問診ID23に基づいて、問診情報22を取得する。なお、問診情報サーバ4は、問診情報22と問診ID23とを対応付けて記憶している。したがって、問診情報サーバ4は、問診ID23によって、患者に対応する問診情報22を取得することができる。
【0085】
ステップ401cにおいて、問診情報サーバ4は、医療機関外サーバ3に対して、ステップ401bで取得した問診情報22を送信する。本実施形態では、問診情報サーバ4は、ネットワーク31を介して、医療機関外サーバ3に対して問診情報22を送信する。ステップ401cの処理は、図8における4番目の処理である。
【0086】
〈詳細問診情報の取得および記憶〉
次に、図10および図11を参照して、本実施形態による情報の送受信方法のうち、医療機関内サーバ2が詳細問診情報22c(図3参照)を取得し、記憶する方法について説明する。なお、図10および図11に示す例は、医療機関内サーバ2が事前問診情報22b(図3参照)を取得し、患者が受診する受診診療科が決定されたことを前提にしている。
【0087】
〈詳細問診情報の記憶処理における各情報の流れ〉
まず、図10を参照して、情報の送受信方法において詳細問診情報22cを記憶する処理における各種情報の流れについて、時系列に沿って説明する。
【0088】
詳細問診情報22cの送受信は、受診診療科が決定された後、医療機関内サーバ2が医療機関外サーバ3に対して、受診診療科の情報25を送信することにより開始される。受診診療科の情報25を受信した医療機関外サーバ3は、受診診療科の情報25を患者端末1および問診情報サーバ4に対して送信する。受診診療科の情報25を受信した問診情報サーバ4は、詳細問診26を取得し、患者端末1に対して送信する。患者端末1は、詳細問診26に対して患者が回答した情報を、詳細問診情報22cとして、問診情報サーバ4に対して送信する。そして、問診情報サーバ4は、受信した詳細問診情報22cを、医療機関外サーバ3に対して送信する。医療機関外サーバ3は、受信した詳細問診情報22cを、医療機関内サーバ2に対して送信する。なお、図10において、丸印で囲まれた数字は、処理の順番を示している。
【0089】
図10に示すように、詳細問診情報22cを記憶する方法の1番目の処理として、医療機関内サーバ2は、秘匿通信回線30を用いて、医療機関外サーバ3に受診診療科の情報25を送信する。この際、医療機関内サーバ2は、医療機関外サーバ3に対して、患者ID21も併せて送信する。
【0090】
次に、詳細問診情報22cを記憶する方法の2番目の処理として、医療機関外サーバ3は、ネットワーク31を介して、問診情報サーバ4に対して受診診療科の情報25を送信する。
【0091】
また、医療機関外サーバ3は、ネットワーク31を介して、患者端末1に対して受診診療科の情報25を送信する。すなわち、医療機関内サーバ2は、医療機関外サーバ3を経由して、医療機関内サーバ2から患者端末1に対して、少なくとも患者が受診する受診診療科の情報25を送信する。
【0092】
次に、詳細問診情報22cを記憶する方法の3番目の処理として、問診情報サーバ4は、ネットワーク31を介して、患者端末1に対して詳細問診26を送信する。
【0093】
次に、詳細問診情報22cを記憶する方法の4番目の処理として、患者端末1は、ネットワーク31を介して、問診情報サーバ4に対して詳細問診情報22cを送信する。
【0094】
次に、詳細問診情報22cを記憶する方法の5番目の処理として、問診情報サーバ4は、ネットワーク31を介して、医療機関外サーバ3に対して詳細問診情報22cを送信する。
【0095】
次に、詳細問診情報22cを記憶する方法の6番目の処理として、医療機関外サーバ3は、秘匿通信回線30を用いて、医療機関内サーバ2に対して詳細問診情報22cを送信する。その後、医療機関内サーバ2において、患者ID21に基づいて、個人情報20と詳細問診情報22cとが対応付けて記憶される。すなわち、医療機関内サーバ2は、患者ID21に基づいて、個人情報20と、医療基礎情報22aと、事前問診情報22bと、詳細問診情報22cとを対応付けて記憶する。
【0096】
〈詳細問診情報の記憶処理〉
次に、図11を参照して、情報の送受信方法のうち、詳細問診情報22cを取得し、記憶する方法の各処理について説明する。図11に示すように、情報の送受信方法のうち、詳細問診情報22cを取得し記憶する方法は、大きく分けて、以下のステップ102と、ステップ202と、ステップ302と、ステップ402とを備える。
(102)患者端末1が、問診情報サーバ4から詳細問診26(図10参照)を取得し、問診情報サーバ4に対して詳細問診情報22cを送信するステップ
(202)医療機関内サーバ2が、受診診療科の情報25(図10参照)を医療機関外サーバ3に対して送信し、医療機関外サーバ3から詳細問診情報22cを受信し、患者ID21に基づいて個人情報20と詳細問診情報22cとを対応付けて記憶するステップ
(302)医療機関外サーバ3が、医療機関内サーバ2から受信した受診診療科の情報25に基づいて、問診情報サーバ4から詳細問診情報22cを受信し、医療機関内サーバ2に対して送信するステップ
(402)問診情報サーバ4が、医療機関外サーバ3から受診した受診診療科の情報25に基づいて詳細問診26を取得し、患者端末1に送信するとともに、患者端末1から送信された詳細問診情報22cを医療機関外サーバ3に対して送信するステップ
【0097】
上記ステップ102は、患者端末1が、問診情報サーバ4から詳細問診26を受信するステップ102aと、医療機関外サーバ3から受診診療科の情報25を受信するステップ103bと、患者端末1が、患者が詳細問診26に回答した情報である詳細問診情報22cを患者端末1から問診情報サーバ4に対して送信するステップ102cと、を備える。
【0098】
ステップ102aにおいて、患者端末1は、問診情報サーバ4から詳細問診26を受信する。本実施形態では、患者端末1は、ネットワーク31を介して、問診情報サーバ4から詳細問診26を受信する。なお、ステップ102aの処理において、患者端末1は、詳細問診26とともに、問診ID23も受信する。
【0099】
ステップ102bにおいて、患者端末1は、医療機関外サーバ3から、ネットワーク31を介して、受診診療科の情報25を受信する。
【0100】
ステップ102cにおいて、患者端末1は、詳細問診情報22cを問診情報サーバ4に対して送信する。本実施形態では、患者端末1は、ネットワーク31を介して、詳細問診情報22cを問診情報サーバ4に対して送信する。なお、ステップ102bの処理において、患者端末1は、詳細問診情報22cとともに、問診ID23も併せて送信する。ステップ102cの処理は、図10における4番目の処理である。
【0101】
上記ステップ202は、医療機関内サーバ2が、医療機関外サーバ3に対して受診診療科の情報25を送信するステップ202aと、医療機関内サーバ2が、医療機関外サーバ3から詳細問診情報22cを受信するステップ202bと、医療機関内サーバ2が、詳細問診情報22cを記憶するステップ202cとを備える。
【0102】
ステップ202aにおいて、医療機関内サーバ2は、医療機関外サーバ3に対して受診診療科の情報25を送信する。具体的には、ステップ202aにおいて、医療機関内サーバ2は、患者ID21および問診ID23とともに、受診診療科の情報25を送信する。すなわち、医療機関内サーバ2は、秘匿通信回線30を用いて、患者ID21と問診ID23と受診診療科の情報25とを送信する。ステップ202aの処理は、図10における1番目の処理である。
【0103】
ステップ202bにおいて、医療機関内サーバ2は、医療機関外サーバ3から詳細問診情報22cを受信する。本実施形態では、医療機関内サーバ2は、秘匿通信回線30を用いて、医療機関外サーバ3から詳細問診情報22cを受信する。なお、ステップ202bの処理では、医療機関内サーバ2は、詳細問診情報22cとともに、患者ID21および問診ID23を併せて受信する。
【0104】
ステップ202cにおいて、医療機関内サーバ2は、詳細問診情報22cを記憶する。具体的には、医療機関内サーバ2は、患者ID21に基づいて、個人情報20と詳細問診情報22cとを対応付けて記憶する。
【0105】
上記ステップ302は、医療機関外サーバ3が、医療機関内サーバ2から受診診療科の情報25を受信するステップ302aと、医療機関外サーバ3が、医療機関外サーバ3と患者端末1との通信回線の接続を確立するステップ302bと、医療機関外サーバ3が、医療機関外サーバ3から問診情報サーバ4に対して受診診療科の情報25を送信するステップ302cと、医療機関外サーバ3が、問診情報サーバ4から詳細問診情報22cを受信するステップ302dと、医療機関外サーバ3が、医療機関内サーバ2に対して詳細問診情報22cを送信するステップ302eとを備える。
【0106】
ステップ302aにおいて、医療機関外サーバ3は、医療機関内サーバ2から受診診療科の情報25を受信する。本実施形態では、医療機関外サーバ3は、秘匿通信回線30を用いて、医療機関内サーバ2から受診診療科の情報25を受信する。なお、ステップ302aの処理では、医療機関外サーバ3は、受診診療科の情報25とともに、患者ID21および問診ID23を併せて受信する。
【0107】
ステップ302bにおいて、医療機関外サーバ3は、患者端末1との通信回線の接続を確立する。具体的には、医療機関外サーバ3は、ネットワーク31を介して、患者端末1と無線通信回線の接続を確立する。なお、医療機関外サーバ3は、患者ID21に基づいて、患者端末1を特定する。
【0108】
ステップ302cにおいて、医療機関外サーバ3は、問診情報サーバ4に対して、受診診療科の情報25を送信する。具体的には、医療機関外サーバ3は、ネットワーク31を介して、受診診療科の情報25を問診情報サーバ4に対して送信する。なお、医療機関外サーバ3は、受診診療科の情報25とともに、問診ID23を、問診情報サーバ4に対して送信する。
【0109】
また、ステップ302cにおいて、医療機関外サーバ3は、患者端末1に対して受診診療科の情報25を送信する。本実施形態では、医療機関外サーバ3は、ネットワーク31を介して、患者端末1に対して受診診療科の情報25を送信する。ステップ302cの処理は、図10における2番目の処理である。
【0110】
ステップ302dにおいて、医療機関外サーバ3は、問診情報サーバ4から詳細問診情報22cを受信する。具体的には、医療機関外サーバ3は、ネットワーク31を介して、問診情報サーバ4から詳細問診情報22cを受信する。なお、医療機関外サーバ3は、詳細問診情報22cとともに、問診ID23を、問診情報サーバ4から受信する。
【0111】
ステップ302eにおいて、医療機関外サーバ3は、医療機関外サーバ3から医療機関内サーバ2に対して詳細問診情報22cを送信する。具体的には、医療機関外サーバ3は、秘匿通信回線30を用いて、医療機関内サーバ2に対して詳細問診情報22cを送信する。ステップ302eの処理は、図10における6番目の処理である。
【0112】
上記ステップ402は、問診情報サーバ4が、医療機関外サーバ3から受診診療科の情報25を受信するステップ402aと、問診情報サーバ4が、詳細問診26を取得するステップ402bと、問診情報サーバ4が、患者端末1に対して詳細問診26を送信するステップ402cと、問診情報サーバ4が、患者端末1から詳細問診情報22cを受信するステップ402dと、問診情報サーバ4が、医療機関外サーバ3に対して詳細問診情報22cを送信するステップ402eとを備える。
【0113】
ステップ402aにおいて、問診情報サーバ4は、医療機関外サーバ3から受診診療科の情報25を受信する。具体的には、問診情報サーバ4は、ネットワーク31を介して、医療機関外サーバ3から受診診療科の情報25を受信する。なお、問診情報サーバ4は、受診診療科の情報25とともに、問診ID23を、医療機関外サーバ3から受信する。
【0114】
ステップ402bにおいて、問診情報サーバ4は、受診診療科の情報25に基づいて患者が受診する診療科に応じた詳細問診26を取得する。なお、問診情報サーバ4には、医療機関40の診療科ごとに、詳細な問診である詳細問診26を記憶している。したがって、問診情報サーバ4は、受診診療科の情報25に基づいて、詳細問診26を取得することができる。
【0115】
ステップ402cにおいて、問診情報サーバ4は、問診情報サーバ4から患者端末1に対して詳細問診26を送信する。具体的には、問診情報サーバ4は、ネットワーク31を介して、患者端末1に対して詳細問診26を送信する。なお、問診情報サーバ4は、問診ID23に基づいて、詳細問診26を送信する患者端末1を特定する。ステップ402cの処理は、図10における3番目の処理である。
【0116】
ステップ402dにおいて、問診情報サーバ4は、患者端末1から詳細問診情報22cを受信する。具体的には、問診情報サーバ4は、ネットワーク31を介して、患者端末1から詳細問診情報22cを受信する。なお、問診情報サーバ4は、詳細問診情報22cとともに、問診ID23を、患者端末1から受信する。
【0117】
ステップ402eにおいて、問診情報サーバ4は、問診情報サーバ4から医療機関外サーバ3に対して詳細問診情報22cを送信する。具体的には、問診情報サーバ4は、ネットワーク31を介して、医療機関外サーバ3に対して詳細問診情報22cを送信する。なお、問診情報サーバ4は、詳細問診情報22cとともに、問診ID23を、医療機関外サーバ3に対して送信する。ステップ402eの処理は、図10における5番目の処理である。
【0118】
(本実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0119】
本実施形態では、上記のように、情報の送受信方法は、患者が所有する患者端末1と、医療機関40に設けられた医療機関内サーバ2と、医療機関外サーバ3との間で行われる情報の送受信方法であって、医療機関内サーバ2が、患者の個人情報20と、個人情報20以外の情報であり、医療機関外サーバ3において患者を特定するための患者ID21とを、患者端末1から取得するステップと、医療機関内サーバ2と医療機関外サーバ3との間において、外部に対して情報を隠した状態で通信可能な通信回線である秘匿通信回線30の接続を確立するステップと、秘匿通信回線30を用いて、医療機関外サーバ3から医療機関内サーバ2に対して患者が予め入力した問診情報22を送信するステップと、患者ID21に基づいて、個人情報20と問診情報22とを関連付けて医療機関内サーバ2に記憶するステップと、を備える。
【0120】
これにより、秘匿通信回線30を用いて、医療機関外サーバ3から医療機関内サーバ2に対して患者が予め入力した問診情報22を送信するので、秘匿性の高い情報が外部に漏洩することを抑制することができる。その結果、秘匿性の高い情報を送受信する際に、インターネットなどのネットワークを介して秘匿性の高い情報が漏洩することを抑制することが可能な情報の送受信方法を提供することができる。また、医療機関内サーバ2において、個人情報20と問診情報22とを関連付けて記憶するので、たとえば、患者が手書きした問診情報を医師が入力する構成とは異なり、医師が問診情報22を入力する作業が生じることを抑制することができる。その結果、医師の負担を軽減することができる。
【0121】
また、本実施形態では、上記のように、情報の送受信システム100は、患者が所有する患者端末1と、医療機関40に設けられた医療機関内サーバ2と、医療機関外サーバ3と、を備え、医療機関内サーバ2は、患者端末1から、患者の個人情報20と、個人情報20以外の情報であり、医療機関外サーバ3において患者を特定するための患者ID21とを、取得する患者情報取得部2aと、医療機関内サーバ2と医療機関外サーバ3との間を、外部に対して情報を隠した状態で通信可能な通信回線である秘匿通信回線30によって接続する第1通信部2bと、秘匿通信回線30を用いて、医療機関外サーバ3から医療機関内サーバ2に対して患者が予め入力した問診情報22を第1通信部2bにより取得する問診情報取得部(第1問診情報取得部2e)と、患者ID21に基づいて、個人情報20と問診情報22とを関連付けて記憶する記憶(第1記憶部2d)と、を備え、医療機関外サーバ3は、秘匿通信回線30によって第1通信部2bと接続する第2通信部3aと、医療機関内サーバ2に対して、第2通信部3aにより問診情報22を送信する問診情報送信部(問診情報送信部3d)と、を備える。
【0122】
これにより、上記情報の送受信方法と同様に、秘匿性の高い情報を送受信する際に、インターネットなどのネットワークを介して秘匿性の高い情報が漏洩することを抑制することが可能な情報の送受信システム100を提供することができる。
【0123】
また、上記実施形態では、以下のように構成したことによって、下記のような更なる効果が得られる。
【0124】
すなわち、本実施形態では、上記のように、秘匿通信回線30の接続を確立するステップにおいて、VPN接続、または、閉域網を介した接続によって、秘匿通信回線30の接続を確立する。これにより、VPN接続、または、閉域網を介した接続によって、秘匿通信回線30の接続を容易に確立することができる。
【0125】
また、本実施形態では、上記のように、問診情報22は、患者の既往歴、患者が飲用している薬品の有無、患者の喫煙習慣の有無、患者の飲酒習慣の有無の少なくとも1つを含む医療基礎情報22aを含む。これにより、患者の個人情報20よりも秘匿性は高くないが、ある程度秘匿性を有する情報である医療基礎情報22aを、秘匿通信回線30を介して医療機関外サーバ3から医療機関内サーバ2に対して送信することができる。その結果、医療基礎情報22aを外部に対して情報を隠した状態で医療機関内サーバ2に対して送信することができる。
【0126】
また、本実施形態では、上記のように、医療機関40外において医療機関外サーバ3と接続され、問診情報22を記憶する問診情報サーバ4をさらに含み、医療機関内サーバ2が個人情報20および患者ID21を取得するステップにおいて、医療機関内サーバ2が問診情報22を特定するための問診ID23をさらに取得し、秘匿通信回線30を用いて、医療機関内サーバ2から医療機関外サーバ3に対して、患者ID21、および、問診ID23を送信するステップと、患者ID21、および、問診ID23に基づいて、医療機関外サーバ3が、問診情報サーバ4から問診情報22を取得するステップと、をさらに備える。これにより、医療機関外サーバ3が、問診ID23を用いて問診情報サーバ4から問診情報22を取得するため、個人情報20を用いることなく問診情報22を取得することができる。その結果、インターネットなどのオープンネットワークにおいて個人情報20の送受信を行うことなく、問診情報22を取得することができる。
【0127】
また、本実施形態では、上記のように、問診情報22は、患者が医療機関40を受診する前に予め入力した事前問診情報22bを含み、問診情報22を取得するステップにおいて、医療機関外サーバ3が、問診ID23を用いて、事前問診情報22bを取得する。これにより、患者が医療機関40を受診した際に、手書きで事前問診情報22bを記載する場合と異なり、デジタルデータである事前問診情報22bを取得することができる。その結果、医師や看護師などが、患者が手書きした事前問診情報22bをコンピュータなどによって入力することなく、デジタルデータとしての事前問診情報22bを取得することが可能となるので、医師や看護師などの負担を軽減することができる。
【0128】
また、本実施形態では、上記のように、問診情報サーバ4は、患者端末1と接続されており、問診情報22は、患者が受診する受診診療科に応じた詳細問診情報22cを含み、秘匿通信回線30を用いて、医療機関内サーバ2から医療機関外サーバ3に対して、患者ID21、および、問診ID23を送信するステップにおいて、受診診療科の情報25をさらに送信し、問診情報サーバ4が、受診診療科の情報25に基づいて患者が受診する診療科に応じた詳細問診26を取得するステップと、問診情報サーバ4から患者端末1に対して詳細問診26を送信するステップと、をさらに備える。これにより、患者が医療機関40の受付などで詳細問診26を手書きで回答する場合と異なり、看護師などと対面することなく、詳細問診26に回答することができる。その結果、患者が看護師などと対面することなく、詳細問診26に回答することが可能となるので、看護師などの負担を軽減することができる。
【0129】
また、本実施形態では、上記のように、患者が詳細問診26に回答した情報である詳細問診情報22cを患者端末1から問診情報サーバ4に対して送信するステップと、問診情報サーバ4から医療機関外サーバ3に対して詳細問診情報22cを送信するステップと、医療機関外サーバ3から医療機関内サーバ2に対して詳細問診情報22cを送信するステップとを、さらに備える。これにより、患者が手書きで詳細問診26に回答する場合と異なり、デジタルデータである詳細問診情報22cを取得することができる。その結果、医師や看護師などが、患者が手書きした詳細問診情報22cをコンピュータなどによって入力することなく、デジタルデータとしての詳細問診情報22cを取得することが可能となるので、医師や看護師などの負担をより軽減することができる。
【0130】
また、本実施形態では、上記のように、医療機関外サーバ3と患者端末1との通信回線の接続を確立するステップと、医療機関外サーバ3を経由して、医療機関内サーバ2から患者端末1に対して、少なくとも患者が受診する受診診療科の情報25を送信するステップと、をさらに備える。これにより、患者端末1と医療機関内サーバ2とを直接接続することなく、医療機関外サーバ3を経由して、医療機関内サーバ2から患者端末1に対して、受診診療科の情報25を送信することができる。その結果、セキュリティを確保しつつ、医療機関内サーバ2から患者端末1に対して受診診療科の情報25を送信することができる。また、医療機関内サーバ2から患者端末1に対して受診診療科の情報25が送信されるので、患者の利便性を向上させることができる。
【0131】
また、本実施形態では、上記のように、患者端末1が備える表示部1dにおいて、個人情報20および患者ID21を含み、バーコードまたは2次元コードからなる識別情報24を表示するステップをさらに備え、医療機関内サーバ2が個人情報20および患者ID21を取得するステップにおいて、表示部1dに表示されたバーコードまたは2次元コードを読み取ることにより、ネットワークを介さずに、患者端末1から個人情報20および患者ID21を取得する。これにより、識別情報24を読み取ることにより医療機関内サーバ2が個人情報20を取得することができる。その結果、医療機関内サーバ2は、患者端末1から個人情報20を取得する際に、ネットワークを介さずに容易に個人情報20を取得することができる。
【0132】
また、本実施形態では、上記のように、個人情報20は、少なくとも、患者の氏名20aを含む。これにより、患者の氏名20aがネットワークを介して送受信されることを防止することが可能となるので、患者の氏名20aが漏洩することを防止することができる。
【0133】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0134】
たとえば、上記実施形態では、情報の送受信システム100が、医療機関内サーバ2から患者端末1に対して、受診診療科の情報25を送信する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図12に示す第1変形例における情報の送受信システム200のように、医療機関内サーバ12から患者端末1に対して、患者の状態を確認する問い合わせ情報27を送信するように構成されていてもよい。なお、問い合わせ情報27は、たとえば、患者の病状を確認する情報、患者が使用する薬品が不足していないかの情報、および、患者の次回の受診日時の情報のうち、少なくともいずれかを含む。また、問い合わせ情報27は、医師などによって予め入力され、第1記憶部2dに記憶されている。
【0135】
図12に示す情報の送受信システム200は、患者が所有する患者端末1と、医療機関40に設けられた医療機関内サーバ12と、医療機関外サーバ13と、を備える。なお、情報の送受信システム200が備える患者端末1は、上記実施形態による情報の送受信システム100が備える患者端末1と同様の構成であるため、詳細な説明は省略する。
【0136】
〈医療機関内サーバ〉
図13に示すように、第1変形例による医療機関内サーバ12は、第1プロセッサ2cの代わりに、第1プロセッサ12aを備える点で、上記実施形態による医療機関内サーバ2とは異なる。また、第1変形例による医療機関内サーバ12が備える第1記憶部2dには、患者ID21と対応付けた状態で、問い合わせ情報27が記憶されている。
【0137】
第1プロセッサ12aは、第1問診情報取得部2eの代わりに、第1問い合わせ情報取得部12bおよび第1問い合わせ情報送信部12cを備える点で、上記実施形態による第1プロセッサ2cとは異なる。
【0138】
第1問い合わせ情報取得部12bおよび第1問い合わせ情報送信部12cは、第1プロセッサ12aがプログラムを実行することにより実現される機能ブロックとしてソフトウェア的に構成される。
【0139】
第1問い合わせ情報取得部12bは、患者ID21に基づいて、第1記憶部2dに記憶されている問い合わせ情報27を取得するように構成されている。
【0140】
第1問い合わせ情報送信部12cは、第1通信部2bによって、問い合わせ情報27を医療機関外サーバ13に対して送信するように構成されている。具体的には、第1問い合わせ情報送信部12cは、秘匿通信回線30を用いて、医療機関外サーバ13に対して問い合わせ情報27を送信するように構成されている。
【0141】
〈医療機関外サーバ〉
図14に示すように、第1変形例による医療機関外サーバ13は、第2プロセッサ3bの代わりに、第2プロセッサ13aを備える点で、上記実施形態による医療機関外サーバ3とは異なる。
【0142】
第2プロセッサ13aは、問診情報送信部3d、および、第2問診情報取得部3eの代わりに、第2問い合わせ情報取得部13b、および、第2問い合わせ情報送信部13cを備える点で、上記実施形態による第2プロセッサ3bとは異なる。
【0143】
第2問い合わせ情報取得部13bおよび第2問い合わせ情報送信部13cは、第2プロセッサ13aがプログラムを実行することにより実現される機能ブロックとしてソフトウェア的に構成される。
【0144】
第2問い合わせ情報取得部13bは、医療機関内サーバ12(第1問い合わせ情報送信部12c)から送信された問い合わせ情報27を取得するように構成されている。
【0145】
第2問い合わせ情報送信部13cは、第2通信部3aによって、問い合わせ情報27を患者端末1に対して送信するように構成されている。具体的には、第2問い合わせ情報送信部13cは、ネットワーク31を介して、患者端末1に対して問い合わせ情報27を送信するように構成されている。
【0146】
〈情報の送受信方法〉
次に、図15および図16を参照して、情報の送受信システム200における情報の送受信方法について説明する。具体的には、情報の送受信システム200が、医療機関内サーバ12から医療機関外サーバ13を経由して、患者端末1に対して問い合わせ情報27を送信する方法について説明する。
【0147】
〈問い合わせ情報を送信する処理に置ける各情報の流れ〉
まず、図15を参照して、情報の送受信システム200が、医療機関内サーバ12から医療機関外サーバ13を介して、患者端末1に対して問い合わせ情報27を送信する際の各情報の流れについて、時系列に沿って説明する。
【0148】
患者は、医療機関40を受診する際に、受付端末5(図2参照)において、識別情報24を読み込ませる。医療機関内サーバ12は、受付端末5が読み込んだ識別情報24に基づいて、患者ID21を取得する。そして、医療機関内サーバ12は、取得した患者ID21に基づいて、医療機関外サーバ13を経由して、患者端末1に対して問い合わせ情報27を送信する。なお、図15において、丸印で囲まれた数字は、処理の順番を示している。
【0149】
図15に示すように、問い合わせ情報27を送信する方法の1番目の処理として、医療機関内サーバ12は、患者端末1から、患者ID21を取得する。具体的には、医療機関内サーバ12は、患者端末1の表示部1d(図2参照)に表示された識別情報24を読み込むことにより、患者端末1から、患者ID21を取得する。
【0150】
次に、問い合わせ情報27を送信する方法の2番目の処理として、医療機関内サーバ12は、秘匿通信回線30を用いて、患者ID21および問い合わせ情報27を、医療機関外サーバ13に対して送信する。
【0151】
次に、問い合わせ情報27を送信する方法の3番目の処理として、医療機関外サーバ13は、ネットワーク31を介して、患者端末1に対して問い合わせ情報27を送信する。なお、医療機関内サーバ12が、医療機関外サーバ13を経由して、患者端末1に対して問い合わせ情報27を送信するタイミングは、患者が医療機関40を受診している場合に限られない。たとえば、患者が医療機関40を受診し、数日が経過した後に、医療機関内サーバ12から患者端末1に対して問い合わせ情報27を送信してもよい。
【0152】
〈問い合わせ情報の送信処理〉
次に、図16を参照して、第1変形例による情報の送受信方法において、問い合わせ情報27を送信する処理について説明する。図16に示すように、問い合わせ情報27を送信する方法は、大きく分けて、ステップ103と、ステップ203と、ステップ303とを備える。
(103)患者端末1が、患者ID21を取得し、表示部1d(図2参照)において患者ID21を含む識別情報24を表示し、医療機関外サーバ13から問い合わせ情報27を受信するステップ
(203)医療機関内サーバ12が、受付端末5が患者端末1から読み込んだ識別情報24から、患者ID21を取得し、医療機関外サーバ13を経由して、患者端末1に対して問い合わせ情報27を送信するステップ
(303)医療機関外サーバ13が、医療機関内サーバ12から送信された問い合わせ情報27を、患者端末1に対して送信するステップ
【0153】
上記ステップ103は、患者端末1が、患者ID21を取得するステップ103aと、患者端末1が、患者ID21を表示するステップ103bと、患者端末1が、医療機関外サーバ13から問い合わせ情報27を受信するステップ103cとを備える。なお、ステップ103aの処理、および、ステップ103bの処理は、識別情報24に含まれる情報が異なる点を除いて、上記実施形態におけるステップ101aの処理、および、ステップ101bの処理と同様の処理であるため、詳細な説明は省略する。
【0154】
ステップ103aおよびステップ103bにおいて、患者端末1は、患者ID21を取得し、取得した患者ID21を含む識別情報24を、表示部1dに表示する。
【0155】
ステップ103cにおいて、患者端末1は、ネットワーク31を介して、医療機関外サーバ13から問い合わせ情報27を受信する。
【0156】
上記ステップ203は、医療機関内サーバ12が、患者ID21を患者端末1から取得するステップ203aと、医療機関内サーバ12が、医療機関内サーバ12と医療機関外サーバ13との間において、秘匿通信回線30の接続を確立するステップ203bと、医療機関内サーバ12が、患者ID21と問い合わせ情報27とを医療機関外サーバ13に対して送信するステップ203cと、を備える。なお、ステップ203aの処理は、識別情報24に含まれる情報が異なる点を除いて、上記実施形態におけるステップ201aの処理と同様の処理であるため、詳細な説明は省略する。また、ステップ203bの処理は、上記実施形態におけるステップ201bの処理と同様の処理であるため、詳細な説明は省略する。
【0157】
ステップ203aにおいて、医療機関内サーバ12は、患者端末1から患者ID21を取得する。ステップ203aの処理は、図15における1番目の処理である。また、ステップ203bにおいて、医療機関内サーバ12は、医療機関外サーバ13との間において、秘匿通信回線30の接続を確立する。
【0158】
ステップ203cにおいて、医療機関内サーバ12は、患者ID21および問い合わせ情報27を、秘匿通信回線30を用いて医療機関外サーバ13に対して送信する。ステップ203cの処理は、図15における2番目の処理である。
【0159】
上記ステップ303は、医療機関外サーバ13が、医療機関外サーバ13と医療機関内サーバ12との間で秘匿通信回線30の接続を確立するステップ303aと、医療機関外サーバ13が、医療機関外サーバ13と患者端末1との間で通信回線の接続を確立するステップ303bと、医療機関外サーバ13が、医療機関内サーバ12から患者ID21および問い合わせ情報27を取得するステップ303cと、医療機関外サーバ13が、患者端末1に対して問い合わせ情報27を送信するステップ303dとを備える。なお、ステップ303aの処理、および、ステップ303bの処理は、上記実施形態におけるステップ301aの処理、および、ステップ302bの処理と同様の処理であるため、詳細な説明は省略する。
【0160】
ステップ303aにおいて、医療機関外サーバ13は、医療機関外サーバ13と医療機関内サーバ12との間で、秘匿通信回線30の接続を確立する。また、ステップ303bにおいて、医療機関外サーバ13は、医療機関外サーバ13と患者端末1との間において、通信回線の接続を確立する。
【0161】
ステップ303cにおいて、医療機関外サーバ13は、秘匿通信回線30を用いて、医療機関内サーバ12から患者ID21と問い合わせ情報27とを受信する。
【0162】
ステップ303dにおいて、医療機関外サーバ13は、ネットワーク31を介して、問い合わせ情報27を患者端末1に対して送信する。なお、医療機関外サーバ13は、患者ID21に基づいて、問い合わせ情報27を送信する患者端末1を特定する。
【0163】
第1変形例では、情報の送受信システム200は、上記ステップ203cの処理、ステップ303cの処理、ステップ303dの処理、および、ステップ103cの処理を行うことにより、医療機関内サーバ12は、医療機関外サーバ13を経由して、医療機関内サーバ12から患者端末1に対して、患者の状態を確認する問い合わせ情報27を送信する。
【0164】
第1変形例では、上記のように、上方の送受信方法は、患者が所有する患者端末1と、医療機関40に設けられた医療機関内サーバ12と、医療機関外サーバ13との間で行われる情報の送受信方法であって、医療機関内サーバ12が、患者の個人情報20以外の情報であり、医療機関外サーバ13において患者を特定するための患者ID21を患者端末1から取得するステップと、医療機関内サーバ12と医療機関外サーバ13との間において、外部に対して情報を隠した状態で通信可能な通信回線である秘匿通信回線30の接続を確立するステップと、医療機関外サーバ13と患者端末1との通信回線の接続を確立するステップと、医療機関外サーバ13を経由して、医療機関内サーバ12から患者端末1に対して、患者の状態を確認する問い合わせ情報27を送信するステップと、を備える。
【0165】
これにより、秘匿通信回線30を用いて医療機関内サーバ12と接続された医療機関外サーバ13を経由して、医療機関内サーバ12から患者端末1に対して問い合わせ情報27が送信されるので、問い合わせ情報27が漏洩することを抑制することができる。その結果、秘匿性の高い情報を送受信する際に、インターネットなどのネットワークを介して秘匿性の高い情報が漏洩することを抑制することが可能な情報の送受信方法を提供することができる。また、医療機関内サーバ12から患者端末1に対して、患者の状態を確認する問い合わせ情報27が送信されるので、患者の利便性を向上させることができる。
【0166】
また、上記実施形態では、情報の送受信システム100が、問診情報サーバ4を備える構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図17に示す変形例による情報の送受信システム300のように、問診情報サーバ4を備えていなくてもよい。この場合、医療機関外サーバ3は、患者ID21に加えて、問診情報22および問診ID23を記憶するように構成すればよい。
【0167】
また、上記実施形態と、上記第1変形例と、上記第2変形例とを、個別の構成とする例を示したが、上記実施形態と上記第1変形例とを組み合わせた構成としてもよい。また、上記第1変形例と上記第2変形例とを組み合わせた構成としてもよい。
【0168】
また、上記実施形態では、患者情報取得部2aが、識別情報24を読み取ることにより、患者端末1から個人情報20、患者ID21、および、問診ID23を取得する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、個人情報取得部は、ネットワーク31を介さずに通信することにより、患者端末1から個人情報20、患者ID21、および、問診ID23を取得するように構成されていてもよい。具体的には、個人情報取得部は、近接無線通信、近距離無線通信、および、赤外線通信のいずれかにより、患者が所有する端末から、個人情報20、患者ID21、および、問診ID23を直接取得するように構成されていてもよい。個人情報取得部が近接無線通信、近距離無線通信、および、赤外線通信のいずれかにより、患者が所有する端末から、個人情報20、患者ID21、および、問診ID23を直接取得する構成の場合、医療機関内サーバ2の患者情報取得部2aは、無線通信用のインターフェースを含むように構成すればよい。なお、近距離無線通信は、たとえば、Bluetooth(登録商標)による通信を含む。
【0169】
また、上記実施形態では、問診情報22が、医療基礎情報22aを含む構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。問診情報22は、医療基礎情報22aを含んでいなくてもよい。しかしながら、問診情報22が医療基礎情報22aを含まない場合、医師が診察を行う際に、患者から医療基礎情報22aを確認し、入力する操作が生じる。そのため、問診情報22は、医療基礎情報22aを含んでいることが好ましい。
【0170】
また、上記実施形態では、医療基礎情報22aが、少なくとも、患者の既往歴、患者が飲用している薬品の有無、患者の喫煙習慣の有無、患者の飲酒習慣の有無を含む情報である例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、医療基礎情報22aは、患者の既往歴、患者が飲用している薬品の有無、患者の喫煙習慣の有無、患者の飲酒習慣の有無の他に、患者の運動習慣の有無などを含んでいてもよい。
【0171】
また、上記実施形態では、個人情報20が、患者の氏名20a、生年月日20b、および、住所20cを含む構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、個人情報20は、少なくとも患者の氏名20aを含んでいれば、生年月日20bおよび住所20cを含んでいなくてもよい。また、個人情報20は、たとえば、患者の個人番号(マイナンバー)、患者のパスポートの番号、患者の運転免許証の番号などを含んでいてもよい。
【0172】
また、上記実施形態では、問診情報サーバ4から患者端末1に対して詳細問診26を送信する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、詳細問診26は、医療機関外サーバ3から患者端末1に対して送信されるように構成されていてもよい。
【0173】
また、上記実施形態では、情報の送受信方法が、問診情報サーバ4から患者端末1に対して詳細問診26を送信するステップを有する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、情報の送受信方法は、詳細問診26を送信するステップを有していなくてもよい。しかしながら、詳細問診26を送信するステップを有していない場合、患者が手書きした詳細問診26を、医師や看護師などが入力する作業が生じる。したがって、詳細問診26を送信するステップを有していることが好ましい。
【0174】
また、上記実施形態では、情報の送受信方法が、医療機関外サーバ3を経由して、医療機関内サーバ2から患者端末1に対して受診診療科の情報25を送信するステップを有する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、情報の送受信方法は、医療機関外サーバ3を経由して、医療機関内サーバ2から患者端末1に対して受診診療科の情報25を送信するステップを有していなくてもよい。
【0175】
[態様]
上記した例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
【0176】
(項目1)
患者が所有する患者端末と、医療機関に設けられた医療機関内サーバと、医療機関外サーバとの間で行われる情報の送受信方法であって、
前記医療機関内サーバが、前記患者の個人情報と、前記個人情報以外の情報であり、前記医療機関外サーバにおいて前記患者を特定するための患者IDとを、前記患者端末から取得するステップと、
前記医療機関内サーバと前記医療機関外サーバとの間において、外部に対して情報を隠した状態で通信可能な通信回線である秘匿通信回線の接続を確立するステップと、
前記秘匿通信回線を用いて、前記医療機関外サーバから前記医療機関内サーバに対して前記患者が予め入力した問診情報を送信するステップと、
前記患者IDに基づいて、前記個人情報と前記問診情報とを関連付けて前記医療機関内サーバに記憶するステップと、を備える、情報の送受信方法。
【0177】
(項目2)
前記秘匿通信回線の接続を確立するステップにおいて、VPN接続、または、閉域網を介した接続によって、前記秘匿通信回線の接続を確立する、項目1に記載の情報の送受信方法。
【0178】
(項目3)
前記問診情報は、前記患者の既往歴、前記患者が飲用している薬品の有無、前記患者の喫煙習慣の有無、前記患者の飲酒習慣の有無の少なくとも1つを含む医療基礎情報を含む、項目1または2に記載の情報の送受信方法。
【0179】
(項目4)
前記医療機関外において前記医療機関外サーバと接続され、前記問診情報を記憶する問診情報サーバをさらに含み、
前記医療機関内サーバが前記個人情報および前記患者IDを取得するステップにおいて、前記医療機関内サーバが前記問診情報を特定するための問診IDをさらに取得し、
前記秘匿通信回線を用いて、前記医療機関内サーバから前記医療機関外サーバに対して、前記患者ID、および、前記問診IDを送信するステップと、
前記患者ID、および、前記問診IDに基づいて、前記医療機関外サーバが、前記問診情報サーバから前記問診情報を取得するステップと、をさらに備える、項目1~3のいずれか1項に記載の情報の送受信方法。
【0180】
(項目5)
前記問診情報は、前記患者が前記医療機関を受診する前に予め入力した事前問診情報を含み、
前記問診情報を取得するステップにおいて、前記医療機関外サーバが、前記問診IDを用いて、前記事前問診情報を取得する、項目4に記載の情報の送受信方法。
【0181】
(項目6)
前記問診情報サーバは、前記患者端末と接続されており、
前記問診情報は、前記患者が受診する受診診療科に応じた詳細問診情報を含み、
前記秘匿通信回線を用いて、前記医療機関内サーバから前記医療機関外サーバに対して、前記患者ID、および、前記問診IDを送信するステップにおいて、前記受診診療科の情報をさらに送信し、
前記問診情報サーバが、前記受診診療科の情報に基づいて前記患者が受診する診療科に応じた詳細問診を取得するステップと、
前記問診情報サーバから前記患者端末に対して前記詳細問診を送信するステップと、をさらに備える、項目4に記載の情報の送受信方法。
【0182】
(項目7)
前記患者が前記詳細問診に回答した情報である前記詳細問診情報を前記患者端末から前記問診情報サーバに対して送信するステップと、
前記問診情報サーバから前記医療機関外サーバに対して前記詳細問診情報を送信するステップと、
前記医療機関外サーバから前記医療機関内サーバに対して前記詳細問診情報を送信するステップとを、さらに備える、項目6に記載の情報の送受信方法。
【0183】
(項目8)
前記医療機関外サーバと前記患者端末との通信回線の接続を確立するステップと、
前記医療機関外サーバを経由して、前記医療機関内サーバから前記患者端末に対して、少なくとも前記患者が受診する受診診療科の情報を送信するステップと、をさらに備える、項目1~7のいずれか1項に記載の情報の送受信方法。
【0184】
(項目9)
前記患者端末が備える表示部において、前記個人情報および前記患者IDを含み、バーコードまたは2次元コードからなる識別情報を表示するステップをさらに備え、
前記医療機関内サーバが前記個人情報および前記患者IDを取得するステップにおいて、前記表示部に表示された前記バーコードまたは2次元コードを読み取ることにより、ネットワークを介さずに、前記患者端末から前記個人情報および前記患者IDを取得する、項目1~8のいずれか1項に記載の情報の送受信方法。
【0185】
(項目10)
前記個人情報は、少なくとも、前記患者の氏名を含む、項目1~9のいずれか1項に記載の情報の送受信方法。
【0186】
(項目11)
患者が所有する患者端末と、医療機関に設けられた医療機関内サーバと、医療機関外サーバとの間で行われる情報の送受信方法であって、
前記医療機関内サーバが、前記患者の個人情報以外の情報であり、前記医療機関外サーバにおいて前記患者を特定するための患者IDを前記患者端末から取得するステップと、
前記医療機関内サーバと前記医療機関外サーバとの間において、外部に対して情報を隠した状態で通信可能な通信回線である秘匿通信回線の接続を確立するステップと、
前記医療機関外サーバと前記患者端末との通信回線の接続を確立するステップと、
前記医療機関外サーバを経由して、前記医療機関内サーバから前記患者端末に対して、前記患者の状態を確認する問い合わせ情報を送信するステップと、を備える、情報の送受信方法。
【0187】
(項目12)
患者が所有する患者端末と、
医療機関に設けられた医療機関内サーバと、
医療機関外サーバと、を備え、
前記医療機関内サーバは、
前記患者端末から、前記患者の個人情報と、前記個人情報以外の情報であり、前記医療機関外サーバにおいて前記患者を特定するための患者IDとを、取得する患者情報取得部と、
前記医療機関内サーバと前記医療機関外サーバとの間を、外部に対して情報を隠した状態で通信可能な通信回線である秘匿通信回線によって接続する第1通信部と、
前記秘匿通信回線を用いて、前記医療機関外サーバから前記医療機関内サーバに対して前記患者が予め入力した問診情報を前記第1通信部により取得する問診情報取得部と、
前記患者IDに基づいて、前記個人情報と前記問診情報とを関連付けて記憶する記憶部と、を備え、
前記医療機関外サーバは、
前記秘匿通信回線によって前記第1通信部と接続する第2通信部と、
前記医療機関内サーバに対して、前記第2通信部により前記問診情報を送信する問診情報送信部と、を備える、情報の送受信システム。
【符号の説明】
【0188】
1 患者端末
2、12 医療機関内サーバ
2a 患者情報取得部
2b 第1通信部
2d 第1記憶部(記憶部)
2e 第1問診情報取得部(問診情報取得部)
3、13 医療機関外サーバ
3a 第2通信部(通信部)
3d 問診情報送信部
4 医療機関情報サーバ
20 個人情報
20a 氏名
21 患者ID
22 問診情報
22a 医療基礎情報
22b 事前問診情報
22c 詳細問診情報
23 問診ID
24 識別情報
25 受診診療科の情報
26 詳細問診
27 問い合わせ情報
30 秘匿通信回線
40 医療機関
100、200、300 情報の送受信システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
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