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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023035980
(43)【公開日】2023-03-13
(54)【発明の名称】車両のための芳香デバイス
(51)【国際特許分類】
   A61L 9/01 20060101AFI20230306BHJP
   B65D 85/00 20060101ALI20230306BHJP
【FI】
A61L9/01 Q
B65D85/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022135623
(22)【出願日】2022-08-29
(31)【優先権主張番号】21194257
(32)【優先日】2021-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】513206898
【氏名又は名称】ズーパイル-テル・アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(72)【発明者】
【氏名】ルドルフ・ハインリヒ・グッゲンハイム
【テーマコード(参考)】
3E068
4C180
【Fターム(参考)】
3E068CC03
3E068CE03
3E068DD08
3E068DD09
3E068DD11
3E068DD21
3E068DE01
3E068EE01
3E068EE15
3E068EE25
4C180AA13
4C180CA08
4C180JJ01
4C180LL02
4C180LL03
4C180MM07
(57)【要約】
【課題】芳香デバイス(1)が車両の内部を芳香するために使用される。
【解決手段】芳香デバイス(1)が、ハウジング(2)、および、ハウジング(2)内に配置された芳香液容器(3)を備える。加えて、芳香デバイス(1)が、芳香デバイス(1)を車両の内部の換気装置に取り付けるための保持デバイスを備える。保持デバイスが開口部(41)を備える保持要素(4)を有し、開口部(41)が貫通孔または止まり穴の形態で設計されている。突出部(44)が開口部(41)の縁部(43)または壁に配置され、ここでは、突出部(44)が、深さ(42)に沿って、多様な程度で開口部(41)の内部へ延在する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のための芳香デバイス(1)において、
- ハウジング(2)と、
- 前記ハウジング(2)内に配置された芳香液容器(3)と、
- 前記芳香デバイス(1)を前記車両の内部の換気装置に取り付けるための保持デバイスと
を備え、
前記保持デバイスが、開口部(41)を備える保持要素(4)を備え、前記開口部(41)が、貫通孔または止まり穴の形態であり、深さ(42)を有する、
芳香デバイス(1)であって、
突出部(44)が前記開口部(41)の縁部(43)または壁に配置され、前記突出部(44)が、前記深さ(42)に沿って、異なる程度で前記開口部(41)の内部へ延在し、前記深さ(42)に沿って先細である
ことを特徴とする、芳香デバイス(1)。
【請求項2】
前記貫通孔または前記止まり穴が、シェル面および高さを有する、円筒の形状、特に、真円円筒または楕円基部を有する円筒の形状を有し、前記突出部(44)が前記シェル面上に配置され、前記高さに沿って、多様な程度で前記円筒の内部へ延在する、請求項1に記載の芳香デバイス。
【請求項3】
前記突出部(44)が中空であり、止まり穴の形態であって貫通孔の形態ではない空洞(45)を備える、請求項1または2に記載の芳香デバイス。
【請求項4】
個別の前記突出部(44)が互いから離間され、特にある距離で離間されており、該距離が前記突出部(44)の幅の3分の1より大きい、請求項1から3のいずれか一項に記載の芳香デバイス。
【請求項5】
前記開口部(41)が、少なくとも5mm、好ましくは少なくとも7.5mmの深さ(42)を有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の芳香デバイス。
【請求項6】
前記突出部(44)が、前記深さの少なくとも50%、特には少なくとも75%にわたって、前記深さ(42)に沿って延在する、請求項1から5のいずれか一項に記載の芳香デバイス。
【請求項7】
前記保持デバイスが、前記保持デバイスを前記ハウジング(2)に固着するために特に適する、前記開口部(41)を囲む溝、特に真円溝を備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の芳香デバイス。
【請求項8】
摺動デバイス(26)を備え、前記摺動デバイス(26)を用いて、前記ハウジング(2)の入口開口部(7)および/または出口開口部(5)が、少なくとも部分的に、摺動移動により閉じられ得る、請求項1から7のいずれか一項に記載の芳香デバイス。
【請求項9】
前記摺動デバイス(26)が少なくとも2つのハンドル(29)を有し、前記ハンドル(29)の作動により前記摺動デバイス(26)が摺動可能であり、
前記作動が、前記ハンドル(29)を前記ハウジング(2)の中へ押し込むことによって引き起こされる、
請求項8に記載の芳香デバイス。
【請求項10】
前記摺動デバイス(26)がロックデバイスを有し、その結果、ロック位置にあるときに前記ハンドル(29)が作動され得ず、前記摺動移動が実行され得ない、請求項8または9に記載の芳香デバイス。
【請求項11】
前記芳香液容器(3)が、
- 前記保持要素(4)を囲み、および/または、
- 前記保持要素(4)が配置される開口部(31)を有し、
前記芳香デバイス(1)が、正確に1つの芳香液容器(3)を前記ハウジング(2)内で受けるようになっている、
請求項1から10のいずれか一項に記載の芳香デバイス。
【請求項12】
凹部(23、41)を備え、前記凹部(23、41)が、前記換気装置に対して前記芳香デバイス(1)が取り付けられるときに前記換気装置の制御ノブを前記凹部(23、41)内に係合させるのを可能にするために適する、請求項1から11のいずれか一項に記載の芳香デバイス。
【請求項13】
前記突出部(44)が前記換気デバイス(1)の前記凹部(23、41)の中へ突出し、それにより、前記制御ノブをクランプするように適合される、請求項12に記載の芳香デバイス。
【請求項14】
制御ノブを備える換気装置および請求項1から13のいずれか一項に記載の芳香デバイス(1)を備える自動車であって、前記芳香デバイス(1)が前記制御ノブ上に配置され、保持要素(4)、具体的には突出部(44)が、前記制御ノブをクランプする、自動車。
【請求項15】
前記芳香デバイス(1)が前記制御ノブから取り外し可能である、請求項14に記載の自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハウジングと、ハウジング内に配置された芳香液(scent)容器とを備える、車両のための芳香デバイスに関する。さらに、芳香デバイスが、芳香デバイスを車両の内部の換気装置(ventilation)に取り付けるための保持デバイスを備える。保持デバイスが、開口部を備える保持要素を備える。開口部が深さを有し、貫通孔または止まり穴の形態である。
【背景技術】
【0002】
例えば芳香液に浸漬された材料を有する、車両の内部に垂設され得る芳香デバイスが知られている。このようなデバイスは低コストで製造され得るが、それらの芳香効果が非一様となり得、通常はインテリアリヤビューミラーから垂設される芳香ボディが視界の邪魔となり得る。
【0003】
さらに、車両の内部の換気グリルに取り付けられる、芳香液を有する容器が知られている。芳香液のための容器が入口開口部を備え、その結果、換気装置からの空気が容器の中へ流れて芳香液に接触して芳香液の分子(scent molecule)を豊富に含むようになって出口開口部を通って容器から離れる。このような容器は、クランプ部品により、換気グリルに取り付けられまた換気グリルから取り外され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本目的は、車両の換気装置上に高い信頼性で設置され得る芳香デバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本目的は請求項1の特徴を有する車両のための芳香デバイスによって達成される。「車両」という用語には、乗用車およびトラックなどの陸上車およびさらには航空機が含まれる。
【0006】
本発明による芳香デバイスが、中に芳香液容器が配置されたハウジングを備える。さらに、芳香デバイスが、芳香デバイスを車両の内部の換気装置に取り付けるための保持デバイスを備える。保持デバイスが、開口部または孔を有する保持要素を備える。開口部が深さを有し、貫通孔または止まり穴の形態である。
【0007】
開口部が貫通孔の形態である場合、開口部が保持要素を通る方向において貫通しており(continuous)、すなわち、開口部の深さが保持要素の厚さに一致する。開口部が止まり穴である場合、開口部が貫通しておらず、開口部が一方側のみでアクセス可能である。
【0008】
突出部が開口部の縁部または壁に配置される。これらの突出部が縁部から開口部の内部まで延在する。しかし、この深さに沿って、突出部が開口部の内部へ多様な程度で延在し、具体的には、突出部が深さ方向において先細である。
【0009】
深さに沿って開口部の内部へ異なる距離で延在する突出部には、多様なサイズの物体が突出部の間で最適にクランプされ得るという利点がある。したがって、芳香デバイスが多様なサイズの物体に上に高い信頼性でクランプされ得る。
【0010】
保持要素が、具体的には、材料として、シリコーン、ゴム、および/またはエラストマ、また具体的には、熱可塑性エラストマを含むことができる。具体的には、保持要素が、30ショアA~90ショアAの範囲の硬さを有する材料を含むことができる。
【0011】
有利には、貫通孔または止まり穴が円筒の形態で成形され、具体的には真円(circular)円筒の形態または楕円基部を有する円筒の形態で成形される。円筒形状がシェル面および高さを有する。円筒形状の高さが開口部の深さに対応する。突出部がシェル面上に位置し、高さに沿って、円筒形開口部の内部へさまざまな程度で延在する。
【0012】
真円(circle)または楕円である基部面を有する円筒形状は、丸みを有する要素または円筒要素、また具体的にはボタンを、保持デバイスの中でクランプするのを可能にする。したがって、芳香デバイスが、換気装置に取り付けられたボタン上に配置され得る。
【0013】
具体的には、突出部が中空である。中空内部により突出部の弾性が向上する。したがって、突出部が、クランプされることになる要素の形状に対して、より容易にかつ柔軟的に、適合され得る。具体的には、中空空間が、貫通孔の形態ではなく、止まり穴の形態で成形される。
【0014】
有利には、個別の突出部が互いから離間され、すなわち、個別の突出部が互いに触れておらず、具体的には開口部の縁部において互いに触れていない。その距離は具体的には突出部の幅の3分の1より大きい。突出部の間の中間空間には、突出部がこの中間空間の中へ弾性的に変形することも可能になる、という利点がある。結果として、突出部が、クランプされることになる要素の形状に対してより良好に適合され得るようになり、芳香デバイスがより高い信頼性で付着することになる。
【0015】
有利には、開口部が、少なくとも5mm、具体的には少なくとも7.5mmの深さまたは高さを有する。このようなサイズにより、開口部内に十分に大きい面積を得ることが保証され、この開口部を用いて芳香デバイスが換気装置に付着することができる。
【0016】
具体的には、突出部が、少なくとも50%、特には少なくとも75%で、深さに沿って延在する。
【0017】
特定の実施形態では、保持デバイスが、開口部を囲む溝を備える。具体的には、溝が真円であり、保持デバイスをハウジングに固定するために特に適する。提供される溝を用いることにより、保持デバイスが単純な様式でハウジングの上にクランプされ得る。
【0018】
具体的には、芳香デバイスが摺動デバイスを備え、この摺動デバイスを用いて、ハウジングの入口開口部および/または出口開口部が、少なくとも部分的に、摺動移動することにより閉じられ得る。
【0019】
有利には、摺動デバイスが少なくとも2つのハンドルを有し、ハンドルの作動により摺動デバイスが摺動可能であり、ここでは、具体的には、この作動が、ハンドルをハウジングの中へ押し込むことによって引き起こされる。ハンドルが、少なくとも2つのハンドルのうちの1つのハンドルの作動により入口開口部および/または出口開口部が開けられ、少なくとも2つのハンドルのうちの別のハンドルの作動により入口開口部および/または出口開口部が閉じられるように、構成され得る。
【0020】
具体的には、摺動デバイスがロックデバイスを有し、その結果、ロック位置にあるときにハンドルが作動され得ず、摺動移動が実施され得ない。これは、芳香デバイスが意図されずに操作されるのを防止することを目的とする。
【0021】
特定の実施形態では、芳香液容器が保持要素を囲み、および/または、芳香液容器が、開口部、具体的には貫通する開口部を有し、開口部内に保持デバイスが配置される。具体的には、芳香デバイスが、正確に1つの芳香液容器をハウジング内で受けるように適合される。
【0022】
有利には、芳香デバイスが、換気装置に対して芳香デバイスが取り付けられるときに換気装置の制御ノブを凹部内に係合させるために適する非貫通の凹部を有する。具体的には、突出部が芳香デバイスの凹部の中へ突出し、その結果、制御ノブが突出部により凹部の内側でクランプされ得るようになる。それにより、芳香デバイスが制御ノブに付着し、換気装置の作用を受けることができる。
【0023】
本発明はさらに、制御ノブを備える換気装置および本発明による芳香デバイスを備える自動車に関連する。芳香デバイスが、具体的には、制御ノブをクランプしている特には突出部である保持要素を用いて、制御ノブ上に配置される。具体的には、芳香デバイスが制御ノブから取り外され得る。
【0024】
制御ノブ上にある芳香デバイスの配置構成には、芳香デバイスが換気装置の真正面に安定して設置され得るという利点がある。芳香デバイスが空気流に対して露出しており、空気が芳香液の分子と共に芳香デバイスから放出される。
【0025】
従属請求項、および、図に基づく以下の説明から、本発明の別の実施形態、利点、および適用が明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明による芳香デバイスを示す図である。
図2】芳香液容器が交換されるときの芳香デバイスを示す図である。
図3】芳香デバイスを示す分解図である。
図4図4aは、出口開口部が閉じられた状態の芳香デバイスを示す上面図である。図4bは、出口開口部が開けられた状態の芳香デバイスを示す上面図である。
図5】芳香デバイスの保持要素を示す図である。
図6図5の保持要素を通る非常に簡略化された断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1から4が、ハウジング2と、ハウジング2内に配置された芳香液容器3とを備える、車両のための本発明による芳香デバイス1を示す。芳香液容器3が交換可能である。芳香液容器3がハウジング2から取り外され得、新しい芳香液容器3がハウジング2の中に挿入され得る。芳香デバイス1が、保持要素4を備える保持デバイスを有する。保持デバイスを用いて、芳香デバイス1が車両の内部の換気システム上に設置され得る。
【0028】
芳香デバイス1が、出口側6に配置された出口開口部5を備える。加えて、芳香デバイス1が、入口側8に配置された入口開口部7を備える。入口側8が出口側6の反対側に配置される。
【0029】
芳香デバイス1が車両のパッセンジャーコンパートメント内の換気装置上に設置される場合、入口側8が換気装置の方を向き、出口側6が換気装置から離れる方を向く。空気が、換気装置を出て入口開口部7を通ってハウジング2に入り、ハウジング2内に配置された芳香液容器3に入るように、流れる。空気が芳香液容器3内の芳香液に接触して芳香液の分子を豊富に含むようになって出口開口部5を通って芳香デバイス1のハウジング2から離れる。空気が車両の内部に到達して内部を芳香する。
【0030】
芳香液容器
芳香液容器3が、図2に示されるように、交換可能であり、ここでは、芳香液容器3の材料が、具体的にはエラストマである少なくとも1つのポリマーの複合材料および芳香液を含むかまたはこれらから構成される。この事例では、ポリマーが芳香液を豊富に含み、そのキャリアとして機能する。芳香液スティックが、好適には、複数の通路開口部9を有し、換気スロットから出現する空気がこれらの通路開口部9を通って流れることができる。通路開口部9を提供することにより、換気スロットから出現する空気が芳香液に接触するときの表面積が増大し、それにより、芳香デバイス1を通って流れる空気が芳香液の分子をより豊富に含むことになる。通路開口部9が、好適には、換気スロットからの空気の流れ方向に位置合わせされる。別法として、芳香液が、ケージ内に収容される顆粒の形態で提供され得る。
【0031】
図2に示されるように、ハウジング2がハウジングシェル21およびハウジングカバー22を備える。芳香液容器3を交換するために、使用者が、ハウジングカバー22を開け、芳香液容器3を交換し、ハウジングカバー22を閉じることにより芳香液容器3をハウジング2の中にロックする。
【0032】
芳香デバイスの構造
図3が、芳香デバイス1の分解図を示す。言及したように、芳香デバイス1がハウジングシェル21を備える。入口開口部7がハウジングシェル21の底部に配置される。大きいハウジング開口部23が中央に設けられ、ハウジング開口部23が真円ウェブ24によって囲まれる。上で言及した保持要素4が真円ウェブ24の上にクランプされ、ここでは、保持要素4がやはり中央に開口部41を有する。保持要素4がその円周全体に沿って底部側に溝を備える。溝は図3では見ることができない。保持要素4がハウジングシェル21の真円ウェブ24の上にクランプされると、真円ウェブ24が保持要素4の溝内に係合される。
【0033】
保持要素4とケーシング21の側壁との間に空間が存在し、この空間の中に芳香液容器3が挿入され得る。芳香液容器3が中央により大きい真円開口部31を有する。芳香液容器3がハウジング2内に挿入されると、芳香液容器3の真円開口部31が保持要素4を囲む。言い換えると、保持要素4が、芳香液容器3の真円開口部31の内側に配置される。
【0034】
図3に示される他の個別の部品はハウジングカバー22の一部である。ハウジングカバー22が、カバー25、摺動デバイス26、ハンドル要素27、およびリング28を備える。カバー25およびリング28が互いに永久的に接続される。摺動デバイス26およびハンドル要素27がさらに互いに固定される。摺動移動中、摺動デバイス26およびハンドル要素27がカバー25およびリング28に対して移動する。
【0035】
出口開口部5がカバー25上に配置される。これらの出口開口部5が摺動デバイス26によって開けられたり閉じられたりすることができる。出口開口部5を開けたり閉じたりするために、使用者が、ハンドル要素27上に配置されたハンドル29のうちの1つのハンドル29をハウジングカバー22の中へ押す。それにより、摺動デバイス26に永久的に接続されたハンドル要素27がカバー25に対して摺動デバイス26を移動させる。
【0036】
図4が可能性のある摺動移動を示す。矢印11が、出口開口部5を開けるために使用者が矢印11の方向に押し込まなければならないハンドル29を指している。矢印12が、出口開口部5を閉じるために使用者が矢印12の方向に押し込まなければならないハンドル29を指している。
【0037】
閉状態では、摺動デバイス26のストラットが出口開口部5を塞ぐ。空気が芳香デバイス1を通って流れることができない。開状態では、カバー25の出口開口部5が摺動デバイス26の通路開口部261に一致する。空気が芳香デバイス1を通って流れることができ、芳香液容器3の芳香液の分子を豊富に含むことができる。
【0038】
摺動デバイス26がロックデバイスを装備する。摺動デバイス26がロックされると、出口開口部5を閉じたりまたは開けたりすることができない。摺動デバイス26が妨害を受け、移動させられ得ない。ロックすることは、ハンドル要素27をハウジング2において掛止することにより、行われる。ハンドル29のうちの1つのハンドル29を双方向矢印13の方向に移動させることにより、使用者が摺動デバイス26をロックすることができるかまたはこのロックを解除することができる。
【0039】
図5および6が、保持要素4の詳細図を示す。保持要素4が真円の形状を有し、中央に位置する開口部41を有する。保持要素4の厚さが深さ42と称される。
【0040】
中央に配置される開口部41が深さ42の全体にわたって延在し、したがって貫通しており、したがって貫通孔の形態の開口部と称される。深さ42が約8mmである。開口部41が貫通しておらず、一方の側から閉じられている場合、開口部41は貫通孔として説明されず、止まり穴として説明される。このようなデザインも可能である。
【0041】
真円開口部41により、貫通孔が真円円筒の形状を有する。真円円筒はその基部面積およびそのシェル面によって画定される。基部面積が開口部41の開口部面積に対応する。シェル面積が開口部41の壁43に対応する。壁43が開口部41を囲み、保持要素4の内側側壁に対応する。
【0042】
壁43または側方面から始まって、突出部44が開口部41の内部へ延在する。合計9つの突出部44が存在し、突出部44がシェル面に沿って互いに等距離に配置される。突出部44が中空であり、ここでは、中空空間45が貫通しておらず、止まり穴の形態である。中空空間45により、突出部が弾性的に非常に良好に変形され得る。図6では、空洞45が破線によって示される。
【0043】
さらに、隣接する突出部44の間に空間46が存在し、すなわち、隣接する突出部44が離間される。空間46により、突出部44も弾性的に良好に変形することができる。
【0044】
図6が、保持要素4の直径にわたる断面図を示す。簡略化のために、この断面領域内に存在する2つの突出部44のみが描かれている。保持要素4の縁部43またはシェル面から始まって、突出部44が開口部4の内部に突出する。突出部44は、深さ42に沿って、開口部41の内部へ多様な程度で延在するように、成形されている。例えば、図6に示される突出部44が、その上側において、縁部43から、幅47にわたって、開口部41の内部へ延在する。しかし、その下側においては、突出部44が幅48のみにわたって延在する。したがって、突出部44は、深さ42に沿って、開口部41の内部へ多様な幅にわたって延在する。
【0045】
本実施形態では、突出部44が、保持要素4の上側から開始して、下側に向かって連続的に、開口部41の内部へより短い距離で延在するように、成形されている。延在幅が連続的に減少する。言い換えると、突出部44が深さ41に沿って先細である。
【0046】
深さ41に沿って、突出部44が長さ49にわたって延在する。長さ49が、保持要素4の全体の深さ41の約85%に相当する。
【0047】
芳香デバイスの適用
全体で見て、芳香デバイス1が、芳香デバイス1を車両内の換気システム上に設置するために使用される凹部を有する。本実施形態では、この凹部が、ハウジング開口部23および保持要素4の開口部41から実質的に構成される。
【0048】
特定の換気装置が丸い形状の制御ノブを有し、使用者がこの制御ノブを用いて換気装置の強さを調節することができる。使用者が芳香デバイス1を換気装置上に設置することを望む場合、使用者が芳香デバイスをそのような制御ノブの上に置く。制御ノブが芳香デバイス1の凹部に係合され、保持要素4の突出部44により芳香デバイス1が制御ノブに対してクランプされる、
本出願では本発明の好適な実施形態が説明されるが、本発明がこれらの好適な実施形態のみに限定されず、以下の特許請求の範囲内にある他の方法でも実行され得ることに明確に留意されたい。
【符号の説明】
【0049】
1 芳香デバイス
2 ハウジング
3 芳香液容器
4 保持デバイス
5 出口開口部
6 出口側
7 入口開口部
8 入口側
9 通路開口部
11 矢印
12 矢印
13 双方向矢印
21 ハウジングシェル
22 ハウジングカバー
23 ハウジング開口部
24 真円ウェブ
25 カバー
26 摺動デバイス
27 ハンドル要素
28 リング
29 ハンドル
31 真円開口部
41 開口部
42 深さ
43 壁、縁部
44 突出部
45 中空空間
46 空間
47 幅
48 幅
49 長さ
261 通路開口部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【外国語明細書】