(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023037168
(43)【公開日】2023-03-15
(54)【発明の名称】ロッカー装置、ロッカーシステム、ロッカー装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
G07F 17/12 20060101AFI20230308BHJP
【FI】
G07F17/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021143743
(22)【出願日】2021-09-03
(71)【出願人】
【識別番号】000001432
【氏名又は名称】グローリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100131842
【弁理士】
【氏名又は名称】加島 広基
(72)【発明者】
【氏名】桑田 正雄
(72)【発明者】
【氏名】堀 暁嗣
(72)【発明者】
【氏名】島野 裕之
【テーマコード(参考)】
3E048
【Fターム(参考)】
3E048CA04
3E048CA17
3E048CA21
3E048DA03
(57)【要約】
【課題】ユーザにとっての利便性を向上させることができるロッカー装置、ロッカーシステムおよびロッカー装置の制御方法を提供する。
【解決手段】ロッカー装置1は、扉12の施錠を行うための施錠部25を各々が有する複数のロッカーユニット(ロッカー10)と、ユーザにより行われる操作によって、各ロッカーユニットの扉12の施錠および解錠を行うよう各施錠部25の制御を行う中央制御ユニット30とを備え、各ロッカーユニットは、ユーザが所持する媒体から情報を読み取る情報読取部28を有しており、情報読取部28により媒体から情報が読み取られると、読み取られた情報に基づいてロッカーユニットの照合が行われ、照合結果が一致すれば施錠部25による扉12の施錠が解除される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
扉の施錠を行うための施錠部を各々が有する複数のロッカーユニットと、
ユーザにより行われる操作によって、各前記ロッカーユニットの前記扉の施錠および解錠を行うよう各前記施錠部の制御を行う中央制御ユニットと、
を備え、
各前記ロッカーユニットは、ユーザが所持する媒体から情報を読み取る情報読取部を有しており、
前記情報読取部により前記媒体から情報が読み取られると、読み取られた情報に基づいて前記ロッカーユニットの照合が行われ、照合結果が一致すれば前記施錠部による前記扉の施錠が解除される、ロッカー装置。
【請求項2】
前記中央制御ユニットにおけるユーザの操作に基づく第1解錠制御および前記ロッカーユニットにおける前記情報読取部による前記媒体からの情報の読み取りに基づく第2解錠制御のうち何れかの制御により前記ロッカーユニットにおいて前記施錠部による前記扉の施錠が解除される、請求項1記載のロッカー装置。
【請求項3】
前記中央制御ユニットにおいて、いずれかの前記ロッカーユニットの前記扉の施錠または解錠の操作がユーザにより行われている間は、当該ロッカーユニットについての前記第2解錠制御が制限される、請求項2記載のロッカー装置。
【請求項4】
前記情報読取部により前記媒体から情報を読み取らせることにより前記施錠部による前記扉の施錠を解除する際に、前記扉の施錠に関して追加の料金が発生していないことを条件として前記施錠部による前記扉の施錠が解除される、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のロッカー装置。
【請求項5】
各前記ロッカーユニットは表示部を有しており、
前記情報読取部により前記媒体から情報が読み取られると、前記表示部において、読み取られた情報に基づいて特定される内容の表示が行われる、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のロッカー装置。
【請求項6】
前記情報読取部により前記媒体から情報が読み取られたときに、照合結果が一致しなかった場合は、前記表示部において、読み取られた情報に基づいて特定される前記ロッカーユニットの情報の表示が行われる、請求項5記載のロッカー装置。
【請求項7】
各前記ロッカーユニットは、前記媒体に関する情報を入力する入力部を更に有しており、
前記入力部により前記媒体に関する情報が入力されると、入力された情報に基づいて前記ロッカーの照合が行われ、照合結果が一致すれば前記施錠部による前記扉の施錠が解除される、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のロッカー装置。
【請求項8】
前記情報読取部は、前記媒体としてのIC媒体から情報を読み取るICリーダを含み、
前記ロッカーの前記扉の施錠を行う際に前記中央制御ユニットによりIC媒体から読み取られた情報と、前記ICリーダによりIC媒体から読み取られた情報とに基づいて前記ロッカーの照合が行われる、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のロッカー装置。
【請求項9】
前記中央制御ユニットにおいて前記ロッカーの前記扉の施錠の操作がユーザにより行われると前記扉の解錠に必要な情報を示すコードが印字されたレシートが前記媒体として発行され、
前記情報読取部は、レシートに印字されたコードを読み取って前記扉の解錠に必要な情報を取得するコードリーダを含み、
前記ロッカーユニットの前記扉の施錠を行う際にレシートに印字されたコードにおける前記扉の解錠に必要な情報と、前記コードリーダによりコードが読み取られることにより取得された情報とに基づいて前記ロッカーの照合が行われる、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のロッカー装置。
【請求項10】
前記情報読取部は、前記媒体としての携帯通信端末に搭載されたIC部品から前記携帯通信端末の情報を読み取るICリーダを含み、
前記ロッカーの前記扉の施錠を行う際に前記中央制御ユニットにより前記IC部品から読み取られた情報と、前記ICリーダにより前記IC部品から読み取られた情報とに基づいて前記ロッカーユニットの照合が行われる、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のロッカー装置。
【請求項11】
前記中央制御ユニットにおいて前記ロッカーの前記扉の施錠の操作がユーザにより行われると前記扉の解錠に必要な情報を示すコードが前記媒体としてのユーザの携帯通信端末に保存され、
前記情報読取部は、ユーザの前記携帯通信端末に表示されるコードを読み取って前記扉の解錠に必要な情報を取得するコードリーダを含み、
前記ロッカーユニットの前記扉の施錠を行う際にユーザの前記携帯通信端末に保存されたコードにおける前記扉の解錠に必要な情報と、前記コードリーダによりコードが読み取られることにより取得された情報とに基づいて前記ロッカーユニットの照合が行われる、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のロッカー装置。
【請求項12】
扉の施錠を行うための施錠部を各々が有する複数のロッカーユニットと、ユーザにより各前記ロッカーユニットの操作が行われる中央操作装置とを有するロッカー装置と、
前記ロッカー装置に通信可能に接続され、各前記ロッカーの前記扉の施錠および解錠を行うよう各前記施錠部の制御を行う制御装置と、
を備え、
各前記ロッカーユニットは、ユーザが所持する媒体から情報を読み取る情報読取部を有しており、
前記制御装置は、前記情報読取部により前記媒体から情報が読み取られると、読み取られた情報に基づいて前記ロッカーユニットの照合を行い、照合結果が一致すれば前記扉の施錠を解除するよう前記施錠部を制御する、ロッカーシステム。
【請求項13】
扉の施錠を行うための施錠部を各々が有する複数のロッカーユニットと、ユーザにより各前記ロッカーの施錠操作が行われる中央操作ユニットとを有し、各前記ロッカーユニットが、ユーザが所持する媒体から情報を読み取る情報読取部を有しているロッカー装置の制御方法であって、
前記中央操作ユニットがユーザによる操作を受け付けることにより、対象となる前記ロッカーユニットの前記扉の施錠を前記施錠部により行う工程と、
前記媒体から前記情報読取部により情報を読み取る工程と、
前記情報読取部により前記媒体から情報が読み取られると、読み取られた情報に基づいて前記ロッカーユニットの照合を行い、照合結果が一致すれば施錠されている前記扉の解錠を前記施錠部により行う工程と、
を備えた、ロッカー装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロッカー装置、ロッカーシステム、ロッカー装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、預け入れる物品を収納するロッカーを複数備えたロッカー装置として、様々なタイプのものが知られている。例えば、特許文献1に開示されるようなロッカー装置には、預け入れる物品を収納するロッカーが複数設けられており、それぞれのロッカーの前面に、ロッカー毎に独立して開閉可能な扉が設けられている。各ロッカーには、扉の施錠および解錠を行う施錠部が設けられている。また、特許文献1に開示されるようなロッカー装置には、例えばその中央に、各ロッカーの扉の開閉処理や精算処理等を集中して管理する中央制御ユニットが設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されるロッカー装置では、ユーザがロッカーに預け入れた物品を取り出す際に、中央に設置されている中央制御ユニットで、物品が預け入れられている対象ロッカーの扉を開くための操作を行う。このような操作により対象ロッカーの扉が中央制御ユニットによって開けられる。この際に、中央制御ユニットは一人のユーザしか操作できないため、複数のユーザが同じタイミングでロッカーから荷物を取り出したときには順番待ちが発生してしまい、急いでロッカーから荷物を取り出したいユーザにとって不都合であるという問題がある。
【0005】
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、ユーザにとっての利便性を向上させることができるロッカー装置、ロッカーシステムおよびロッカー装置の制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のロッカー装置は、扉の施錠を行うための施錠部を各々が有する複数のロッカーユニットと、ユーザにより行われる操作によって、各前記ロッカーユニットの前記扉の施錠および解錠を行うよう各前記施錠部の制御を行う中央制御ユニットと、を備え、各前記ロッカーユニットは、ユーザが所持する媒体から情報を読み取る情報読取部を有しており、前記情報読取部により前記媒体から情報が読み取られると、読み取られた情報に基づいて前記ロッカーユニットの照合が行われ、照合結果が一致すれば前記施錠部による前記扉の施錠が解除されることを特徴とする。
【0007】
本発明のロッカー装置においては、前記中央制御ユニットにおけるユーザの操作に基づく第1解錠制御および前記ロッカーユニットにおける前記情報読取部による前記媒体からの情報の読み取りに基づく第2解錠制御のうち何れかの制御により前記ロッカーユニットにおいて前記施錠部による前記扉の施錠が解除されてもよい。
【0008】
この場合、前記中央制御ユニットにおいて、いずれかの前記ロッカーユニットの前記扉の施錠または解錠の操作がユーザにより行われている間は、当該ロッカーユニットについての前記第2解錠制御が制限されてもよい。
【0009】
また、前記情報読取部により前記媒体から情報を読み取らせることにより前記施錠部による前記扉の施錠を解除する際に、前記扉の施錠に関して追加の料金が発生していないことを条件として前記施錠部による前記扉の施錠が解除されてもよい。
【0010】
また、各前記ロッカーユニットは表示部を有しており、前記情報読取部により前記媒体から情報が読み取られると、前記表示部において、読み取られた情報に基づいて特定される内容の表示が行われてもよい。
【0011】
この場合、前記情報読取部により前記媒体から情報が読み取られたときに、照合結果が一致しなかった場合は、前記表示部において、読み取られた情報に基づいて特定される前記ロッカーユニットの情報の表示が行われてもよい。
【0012】
また、各前記ロッカーユニットは、前記媒体に関する情報を入力する入力部を更に有しており、前記入力部により前記媒体に関する情報が入力されると、入力された情報に基づいて前記ロッカーユニットの照合が行われ、照合結果が一致すれば前記施錠部による前記扉の施錠が解除されてもよい。
【0013】
また、前記情報読取部は、前記媒体としてのIC媒体から情報を読み取るICリーダを含み、前記ロッカーユニットの前記扉の施錠を行う際に前記中央制御ユニットによりIC媒体から読み取られた情報と、前記ICリーダによりIC媒体から読み取られた情報とに基づいて前記ロッカーユニットの照合が行われてもよい。
【0014】
また、前記中央制御ユニットにおいて前記ロッカーユニットの前記扉の施錠の操作がユーザにより行われると前記扉の解錠に必要な情報を示すコードが印字されたレシートが前記媒体として発行され、前記情報読取部は、レシートに印字されたコードを読み取って前記扉の解錠に必要な情報を取得するコードリーダを含み、前記ロッカーユニットの前記扉の施錠を行う際にレシートに印字されたコードにおける前記扉の解錠に必要な情報と、前記コードリーダによりコードが読み取られることにより取得された情報とに基づいて前記ロッカーユニットの照合が行われてもよい。
【0015】
また、前記情報読取部は、前記媒体としての携帯通信端末に搭載されたIC部品から前記携帯通信端末の情報を読み取るICリーダを含み、前記ロッカーユニットの前記扉の施錠を行う際に前記中央制御ユニットにより前記IC部品から読み取られた情報と、前記ICリーダにより前記IC部品から読み取られた情報とに基づいて前記ロッカーユニットの照合が行われてもよい。
【0016】
また、前記中央制御ユニットにおいて前記ロッカーユニットの前記扉の施錠の操作がユーザにより行われると前記扉の解錠に必要な情報を示すコードが前記媒体としてのユーザの携帯通信端末に保存され、前記情報読取部は、ユーザの前記携帯通信端末に表示されるコードを読み取って前記扉の解錠に必要な情報を取得するコードリーダを含み、前記ロッカーユニットの前記扉の施錠を行う際にユーザの前記携帯通信端末に保存されたコードにおける前記扉の解錠に必要な情報と、前記コードリーダによりコードが読み取られることにより取得された情報とに基づいて前記ロッカーユニットの照合が行われてもよい。
【0017】
本発明のロッカーシステムは、扉の施錠を行うための施錠部を各々が有する複数のロッカーユニットと、ユーザにより各前記ロッカーユニットの操作が行われる中央操作装置とを有するロッカー装置と、前記ロッカー装置に通信可能に接続され、各前記ロッカーユニットの前記扉の施錠および解錠を行うよう各前記施錠部の制御を行う制御装置と、を備え、各前記ロッカーユニットは、ユーザが所持する媒体から情報を読み取る情報読取部を有しており、前記制御装置は、前記情報読取部により前記媒体から情報が読み取られると、読み取られた情報に基づいて前記ロッカーユニットの照合を行い、照合結果が一致すれば前記扉の施錠を解除するよう前記施錠部を制御することを特徴とする。
【0018】
本発明のロッカー装置の制御方法は、扉の施錠を行うための施錠部を各々が有する複数のロッカーユニットと、ユーザにより各前記ロッカーユニットの施錠操作が行われる中央操作装置とを有し、各前記ロッカーユニットが、ユーザが所持する媒体から情報を読み取る情報読取部を有しているロッカー装置の制御方法であって、前記中央操作装置がユーザによる操作を受け付けることにより、対象となる前記ロッカーユニットの前記扉の施錠を前記施錠部により行う工程と、前記媒体から前記情報読取部により情報を読み取る工程と、前記情報読取部により前記媒体から情報が読み取られると、読み取られた情報に基づいて前記ロッカーユニットの照合を行い、照合結果が一致すれば施錠されている前記扉の解錠を前記施錠部により行う工程と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明のロッカー装置、ロッカーシステム、ロッカー装置の制御方法によれば、ユーザにとっての利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の実施の形態によるロッカー装置の正面図である。
【
図2】
図1に示すロッカー装置における一列分のロッカーの構成を示す斜視図である。
【
図3】
図1に示すロッカー装置における中央制御ユニットの正面図である。
【
図4】
図3に示す中央制御ユニットの機能ブロック図である。
【
図5】
図1等に示すロッカー装置において中央制御ユニットを用いてロッカーへの荷物の預け入れ動作を行うときの流れを示すフローチャートである。
【
図6】
図1等に示すロッカー装置において各ロッカーのロッカー操作部を用いてロッカーへの荷物の預け入れ動作を行うときの流れを示すフローチャートである。
【
図7】
図1等に示すロッカー装置において中央制御ユニットを用いてロッカーからの荷物の取り出し動作を行うときの流れを示すフローチャートである。
【
図8】
図1等に示すロッカー装置において各ロッカーのロッカー操作部を用いてロッカーからの荷物の取り出し動作を行うときの流れを示すフローチャートである。
【
図9】
図3に示す中央制御ユニットの操作表示部に表示される待機画面を示す図である。
【
図10】
図3に示す中央制御ユニットのICカードリーダにより読み取られるICカードを概略的に示す図である。
【
図11】
図3に示す中央制御ユニットのプリンタにより印字されるロッカーご利用証明書を示す図である。
【
図12】
図3に示す中央制御ユニットの操作表示部に表示される操作画面を示す図である。
【
図13】
図3に示す中央制御ユニットの記憶部に記憶されるロッカー毎の状態を示すテーブルである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1乃至
図3は、本実施の形態に係るロッカー装置等の構成を示す正面図や斜視図である。また、
図4は、
図1等に示すロッカー装置の中央制御ユニットの機能ブロック図である。また、
図5乃至
図8は、
図1等に示すロッカー装置におけるロッカーへの荷物の預け入れ動作およびロッカーからの荷物の取り出し動作をそれぞれ示すフローチャートである。また、
図9および
図12は、それぞれ、
図3に示す中央制御ユニットの操作表示部に表示される待機画面および操作画面を示す図である。また、
図10は、
図3に示す中央制御ユニットのICカードリーダにより読み取られるICカードを概略的に示す図であり、
図11は、
図3に示す中央制御ユニットのプリンタにより印字されるロッカーご利用証明書を示す図である。また、
図13は、
図3に示す中央制御ユニットの記憶部に記憶されるロッカー毎の状態を示すテーブルである。
【0022】
図1に示すように、本実施の形態によるロッカー装置1は、預け入れる荷物を収納するロッカー10(ロッカーユニット)を複数有するものである。具体的には、ロッカー装置1において例えば5段×10列の計50個のロッカー10からなるロッカー組合せ体が2組、中央制御ユニット30の両側に左右一対となるよう配置されている。なお、
図1ではロッカー組合せ体の一部の図示が省略されている。
【0023】
図1および
図2に示すように、各ロッカー10の前面には、ロッカー10毎に独立して開閉可能な扉12が設けられている。また、各ロッカー10における扉12の右側にはロッカー操作部20が設けられている。ロッカー操作部20の構成の詳細については後述する。また、ロッカー装置1において、左右一対の2組のロッカー組合せ体の間には中央制御ユニット30が設けられており、この中央制御ユニット30により、各ロッカー10における荷物の預け入れ動作や、荷物の取り出し動作、精算処理等が集中して管理されるようになっている。
図3に示すように、中央制御ユニット30には、例えばタッチパネル等からなる操作表示部32や、ロッカー利用証明書等の各種レシートの印字を行うプリンタ38等が設けられている。このような中央制御ユニット30の構成の詳細については後述する。また、中央制御ユニット30の上方および下方にもそれぞれロッカー10が設けられているが、中央制御ユニット30の上方に配置されるロッカー10は、管理者用のメンテナンス工具や備品等を収納するための多目的ボックスとして使用されるようになっていてもよい。
【0024】
各ロッカー10には、扉12の施錠を行う施錠部25(
図4参照)が設けられている。また、各ロッカー10に対応して設けられているロッカー操作部20は、その前面が長方形形状となっているケーシング21を有しており、このケーシング21の上下方向における中央部分には略長方形形状の開口22が形成されている。開口22の近傍におけるケーシング21の内部には、ユーザがロッカー10の扉12の仮施錠を行うための施錠レバー24が設けられている。施錠レバー24は開口22を貫通してケーシング21の内部から外側に突出するとともに、開口22に沿って上下方向に移動可能となっている。ロッカー操作部20では、施錠レバー24が上部位置にあるときを解錠位置とし、施錠レバー24が下部位置にあるときを施錠位置としている。また、ロッカー操作部20には、このロッカー操作部20に対応するロッカー10の使用状態を示すLEDランプ26が設けられている。
【0025】
また、
図2に示すように、各ロッカー10のロッカー操作部20には液晶パネル等の表示部27およびICカードリーダ等の情報読取部28がそれぞれ設けられている。表示部27にはロッカー操作部20を操作する操作者に対する様々なメッセージが表示されるようになっている。表示部27に表示されるメッセージの詳細については後述する。また、ICカードリーダ等の情報読取部28は、電子マネー媒体等として用いられるICカード80(
図10参照)のICタグ82に対して情報の読み書きを行うようになっている。すなわち、情報読取部28は、ICカード80のICタグ82に記憶されている情報を読み取ったり、ICタグ82に情報を書き込んだりするようになっている。
【0026】
図3に示すように、中央制御ユニット30の前面上部には操作表示部32、スピーカ34、コードリーダ36が設けられている。また、中央制御ユニット30の前面において操作表示部32の下方には左右一対のプリンタ38が設けられており、これらのプリンタ38の右側にはICカードリーダ40が設けられている。また、中央制御ユニット30の前面における中央部分には硬貨投入口42および紙幣出入口44が設けられており、ユーザはこれらの硬貨投入口42や紙幣出入口44に硬貨や紙幣を投入することができるようになっている。また、中央制御ユニット30の前面下部には硬貨返却口46が設けられており、釣銭としての硬貨がこの硬貨返却口46によりユーザに払い戻されるようになっている。また、中央制御ユニット30の前面下部にはメンテナンス錠48が設けられており、ロッカー装置1の管理者がメンテナンス鍵をこのメンテナンス錠48に差し込んで回すと、この管理者は中央制御ユニット30で管理モードを実行することができるようになる。
【0027】
図4に示すように、中央制御ユニット30の筐体内にはCPU等の制御部60が設けられており、操作表示部32、スピーカ34、コードリーダ36、プリンタ38、ICカードリーダ40等はそれぞれ制御部60に接続されている。制御部60は、中央制御ユニット30の各構成要素、および各ロッカー10に対応して設けられている施錠部25の制御を行うようになっている。コードリーダ36は、プリンタ38により印字されるロッカーご利用証明書90(
図11参照)のコード92を撮像するカメラを有しており、カメラによってコード92をスキャニングすることによりコードリーダ36はこのコード92に含まれる情報を読み取るようになっている。ICカードリーダ40は、電子マネー媒体等として用いられるICカード80のICタグ82に対して情報の読み書きを行うリーダライタ部を有している。ICカードリーダ40は、電子マネーによる支払いが行われる場合に、ICカード80のICタグ82に記憶されている情報を読み取ったり、ICタグ82に情報を書き込んだりする。また、ICカード80には、目視確認用コード84として当該ICカード80の識別番号そのものや識別番号を複数桁の数字に変換したものが記載されている。
【0028】
また、中央制御ユニット30の筐体内には、硬貨の処理を行う硬貨処理部50および紙幣の処理を行う紙幣処理部52がそれぞれ設けられている。硬貨投入口42に投入された硬貨は、硬貨処理部50において金種や真偽、正損等の識別が行われた後、この硬貨処理部50の硬貨収納領域に収納されるようになっている。また、この硬貨処理部50の硬貨収納領域から釣銭としての硬貨が硬貨返却口46に払い出されるようになっている。また、紙幣出入口44に投入された紙幣は、紙幣処理部52において金種や真偽、正損等の識別が行われた後、この紙幣処理部52の紙幣収納領域に収納されるようになっている。また、ユーザが紙幣出入口44に紙幣を投入した後、この紙幣の払い戻しを行う際には、この紙幣出入口44によりユーザに紙幣が払い戻されるようになる。また、紙幣処理部52の紙幣収納領域から釣銭としての紙幣が紙幣出入口44に払い出されるようになっている。
図4に示すように、これらの硬貨処理部50や紙幣処理部52は制御部60に接続されており、硬貨処理部50や紙幣処理部52の動作は制御部60により制御されるようになっている。
【0029】
また、
図4に示すように、制御部60には通信部62が接続されており、この通信部62により制御部60は外部装置としての制御装置64との間で様々な情報の送受信が可能となっている。ここで、制御装置64として、例えば管理事務所に設けられた管理コンピュータ等が用いられる。また、制御部60には記憶部66が接続されている。記憶部66には、各ロッカー10における荷物の収納状況(荷物を収納している状態にあるか否か)、荷物の預け入れ処理や精算処理の履歴等が記憶されるようになっている。具体的には、記憶部66には、荷物の預け入れ処理の内容として
図13に示すようなテーブルを記憶するようになっている。すなわち、ロッカー装置1の設置場所、各ロッカー10の番号毎のステータス、決済方法、ICデータ(ICカード80の識別番号)、超過料金、鍵番号等が記憶部66に記憶されるようになっている。記憶部66に記憶される情報の詳細については後述する。
【0030】
また、
図4に示すように、制御部60には各ロッカー10のロッカー操作部20のLEDランプ26、表示部27および情報読取部28にそれぞれ通信可能に接続されている。そして、情報読取部28によりICカード80のICタグ82から読み取られた情報が制御部60に送られるようになっている。また、制御部60はLEDランプ26や表示部27に指令信号を送ることによりLEDランプ26を点灯させたり表示部27に様々なメッセージを表示させたりするようになっている。また、制御部60は情報読取部28に指令信号を送ることによりICカード80のICタグ82に様々な情報を書き込ませるようになっている。
【0031】
次に、本実施の形態によるロッカー装置1において、ユーザがロッカー10への荷物の預け入れを行う際の動作について
図5および
図6に示すフローチャートを用いて説明する。
【0032】
まず、中央制御ユニット30を用いてユーザがロッカー10への荷物の預け入れを行う際の動作について
図5に示すフローチャートを用いて述べる。中央制御ユニット30が待機状態にあるときには、操作表示部32には
図9に示される待機画面が表示されている。具体的には、荷物の預け入れ/取り出し動作の選択画面が操作表示部32に表示される(STEP101)。ユーザがロッカー装置1のロッカー10への荷物の預け入れを行う際に、このユーザはまず複数のロッカー10のうち施錠されていないある一つのロッカー10に預け入れたい荷物を収納し、ロッカー操作部20の施錠レバー24によりこのロッカー10の扉12の仮施錠を行う。具体的には、ユーザは、ロッカー装置1における複数のロッカー10のうちロッカー操作部20のLEDランプ26が点灯しているロッカー10の扉12を開け、預け入れたい荷物を収納する。預け入れたい荷物をロッカー10に収納した後、ユーザは施錠レバー24を下方に押し下げて施錠位置に移動させる。このことにより、このロッカー10の扉12は施錠部25により仮施錠状態となる。また、ロッカー10の扉12の仮施錠が行われると、ロッカー操作部20のLEDランプ26が点滅するようになる。
【0033】
ロッカー10の扉12の仮施錠が行われた後、ユーザは中央制御ユニット30に移動する。そして、
図9に示すような操作表示部32に表示されている待機画面において、ユーザが「入れる」ボタンを押すことにより荷物の預け入れ動作を選択すると(STEP102の「YES」)、中央制御ユニット30の操作表示部32には複数のロッカー10を示す画面が表示されるとともに、「仮施錠した扉を選択してください」というメッセージが表示される。また、操作表示部32の表示画面において、仮施錠が行われたロッカー10は他のロッカー10と区別して表示される(STEP103)。中央制御ユニット30の操作表示部32に仮施錠が行われたロッカー10の選択画面が表示されているときに、ユーザにより、この選択画面における仮施錠が行われたロッカー10の箇所が押下されると、(STEP104の「YES」)、操作表示部32には、預入利用料金の支払い方法の選択を求める旨の選択画面が表示される。具体的には、「ICカード」および「現金」の2つのボタンが操作表示部32に表示される(STEP105)。
【0034】
中央制御ユニット30の操作表示部32に支払い方法の選択画面が表示されているときに、ユーザが操作表示部32において「ICカード」のボタンを押下することにより預入利用料金をICカード80で支払うことを選択した場合には、操作表示部32には、中央制御ユニット30のICカードリーダ40によるICカード80の読み取りを求める旨のメッセージが表示される(STEP106)。また、ICカードリーダ40が読み取り可能状態になる。そして、ユーザがICカード80をICカードリーダ40に近づけることにより、ICカードリーダ40によりICカード80の読み取りが行われると(STEP107の「YES」)、仮施錠状態にあるロッカー10の扉12が施錠部25により施錠状態(本施錠状態)となる(STEP108)。また、中央制御ユニット30の制御部60において今回の取引(具体的には、ロッカー10の利用)に関する鍵番号が発行され、ICカードリーダ40により読み取られたICカード80の識別番号と鍵番号との紐付けが行われる。また、制御部60において、利用されるロッカー10の番号と鍵番号との紐付けが行われる。互いに紐づけられたロッカー10の番号、鍵番号およびICカード80の識別番号は記憶部66に記憶される。その後、ロッカーご利用証明書90が中央制御ユニット30のプリンタ38により印字される(STEP109)。ここで、中央制御ユニット30で発行されるロッカーご利用証明書90には、利用開始日時、鍵となるICカード80の種類、施錠されたロッカー10の番号、預入利用料金の金額、ICカード80で支払った金額、ICカード80の残額、ICカード80の識別番号等が印字される。なお、預入利用料金をICカード80で支払うことが選択された場合には、ロッカーご利用証明書90には二次元コード等のコード92は印字されない。
【0035】
また、中央制御ユニット30の操作表示部32に支払い方法の選択画面が表示されているときに、ユーザが操作表示部32において「現金」のボタンを押下することにより預入利用料金を現金で支払うことを選択した場合には、操作表示部32には、仮施錠が行われたロッカー10の番号および預入利用料金(初期料金)の金額が表示されるとともに、預入利用料金の支払いを求める旨のメッセージが表示される(STEP110)。そして、ユーザが中央制御ユニット30の硬貨投入口42や紙幣出入口44に硬貨や紙幣を投入することによって現金による預入利用料金の支払いを行うと(STEP111の「YES」)、仮施錠状態にあるロッカー10の扉12が施錠部25により施錠状態(本施錠状態)となる(STEP112)。また、中央制御ユニット30の制御部60において今回の取引(具体的には、ロッカー10の利用)に関する鍵番号が発行され、利用されるロッカー10の番号と鍵番号との紐付けが行われる。互いに紐づけられたロッカー10の番号および鍵番号は記憶部66に記憶される。
【0036】
その後、ロッカーご利用証明書90が中央制御ユニット30のプリンタ38により印字される(STEP113)。預入利用料金を現金で支払うことが選択された場合には、中央制御ユニット30で発行されるロッカーご利用証明書90には、施錠されたロッカー10の番号および預入利用料金の金額が印字されるとともに、鍵番号に関する情報を機械読み取り可能に保持する例えば二次元コード等のコード92が印字される。このようなコード92に保持された鍵番号に関する情報は、中央制御ユニット30のコードリーダ36により読み取り可能となっており、このことにより制御部60は当該ロッカーご利用証明書90に係る鍵番号を取得することができるようになっている。また、ロッカーご利用証明書90に印字される二次元コード等のコード92には、ロッカー10の番号に関する情報およびロッカー装置1の設置場所に関する情報も保持されるようになる。また、ロッカーご利用証明書90には、目視確認用コード94として鍵番号そのものまたは鍵番号を複数桁(例えば、10桁)の数字に変換したものが印字される。
【0037】
また、
図9に示すような操作表示部32の待機画面において、ユーザが「ICカード残高照会」ボタンを押下すると、操作表示部32には、中央制御ユニット30のICカードリーダ40によるICカード80の読み取りを求める旨のメッセージが表示される。また、ICカードリーダ40が読み取り可能状態になる。そして、ユーザがICカード80をICカードリーダ40に近づけることにより、ICカードリーダ40によりICカード80の読み取りが行われると、ICタグ82に記憶されている残高の金額が操作表示部32に表示される。
【0038】
また、荷物が預け入れられたロッカー10の施錠が行われると、記憶部66に記憶されている荷物の預け入れ処理の内容を示すテーブル(
図13参照)の情報が更新される。具体的には、施錠されたロッカー10の番号のステータスが使用中になる。また、決済方法、ICカード80の識別番号(ICデータ)、超過料金、鍵番号等がロッカー10の番号に紐付けられて記憶部66に記憶される。
【0039】
また、本実施の形態のロッカー装置1では、ユーザは中央制御ユニット30を用いずに各ロッカー10のロッカー操作部20を操作するだけで各ロッカー10に荷物の預け入れ動作を行うことができるようになっている。このような動作について
図6に示すフローチャートを用いて述べる。
【0040】
ロッカー操作部20を操作することによりユーザがロッカー装置1のロッカー10への荷物の預け入れを行う際に、このユーザはまず複数のロッカー10のうち施錠されていないある一つのロッカー10に預け入れたい荷物を収納し、ロッカー操作部20の施錠レバー24によりこのロッカー10の扉12の仮施錠を行う(STEP121)。具体的には、ユーザは、ロッカー装置1における複数のロッカー10のうちロッカー操作部20のLEDランプ26が点灯しているロッカー10の扉12を開け、預け入れたい荷物を収納する。預け入れたい荷物をロッカー10に収納した後、ユーザは施錠レバー24を下方に押し下げて施錠位置に移動させる。このことにより、このロッカー10の扉12は施錠部25により仮施錠状態となる。ロッカー10の扉12の仮施錠が行われた後、ユーザはICカード80をこのロッカー10のロッカー操作部20の情報読取部28に近づける。このことにより、情報読取部28のICカードリーダによりICカード80の読み取りが行われる(STEP122の「YES」)。情報読取部28のICカードリーダによりICカード80の読み取りが行われると、仮施錠状態にあるロッカー10の扉12が施錠部25により施錠状態(本施錠状態)となる(STEP123)。
【0041】
また、中央制御ユニット30の制御部60において今回の取引(具体的には、ロッカー10の利用)に関する鍵番号が発行され、ICカードリーダ40により読み取られたICカード80の識別番号と鍵番号との紐付けが行われる。また、制御部60において、施錠されたロッカー10の番号と鍵番号との紐付けが行われる。互いに紐づけられたロッカー10の番号、鍵番号およびICカード80の識別番号は記憶部66に記憶される。なお、この場合はロッカーご利用証明書90が発行されない。このように、情報読取部28によりICカード80の読み取りを行わせることによってユーザがロッカー装置1のロッカー10への荷物の預け入れを行った場合でも、後述するようにロッカー10からの荷物の取り出し時にこのICカード80を中央制御ユニット30のICカードリーダ40またはロッカー10のロッカー操作部20の情報読取部28により再び読み取らせることによりロッカー10の扉12の解錠を行うことができるようになっている。
【0042】
次に、本実施の形態によるロッカー装置1において、ユーザがロッカー10から荷物の取り出しを行う際の動作について
図7および
図8に示すフローチャートを用いて説明する。
【0043】
まず、中央制御ユニット30を用いてユーザがロッカー10からの荷物の取り出しを行う際の動作について
図7に示すフローチャートを用いて述べる。
【0044】
上述したように、中央制御ユニット30が待機状態にあるときには、操作表示部32には待機画面として荷物の預け入れ/取り出し動作の選択画面(
図9参照)が表示される(STEP201)。ユーザがロッカー装置1のロッカー10から荷物の取り出しを行う際に、「取り出す」ボタンを押すことにより荷物の取り出し動作を選択すると(STEP202の「YES」)、コードリーダ36およびICカードリーダ40がそれぞれ読み取り可能状態になる(STEP203)。また、
図12に示すように、操作表示部32には、ロッカーご利用証明書90に印字されたコード92またはICカード80をコードリーダ36またはICカードリーダ40に読み取らせることを求める旨のメッセージが表示される(STEP204)。このことにより、ユーザは次の動作としてロッカーご利用証明書90のコード92をコードリーダ36により読み取らせるか、ICカード80のICタグ82をICカードリーダ40により読み取らせることを認識することができるようになる。
【0045】
ユーザが荷物の預け入れ時に預入利用料金をICカード80で支払っていた場合は、ユーザはこのICカード80をICカードリーダ40により読み取らせる(STEP205の「YES」)。このことにより、制御部60において、ICカード80のICタグ82に記憶されていた、識別番号に紐付けられた鍵番号が取得される。また、ICカード80がICカードリーダ40により読み取られると、コードリーダ36およびICカードリーダ40がそれぞれ読み取り不能状態となる(STEP207)。
【0046】
また、ユーザが荷物の預け入れ時に預入利用料金を現金で支払っていた場合は、ユーザはロッカーご利用証明書90に印字されたコード92をコードリーダ36に近づけることにより、コードリーダ36によるコード92の読み取りを行わせる(STEP206の「YES」)。このことにより、このコード92に含まれる鍵番号が制御部60により取得される。また、ロッカーご利用証明書90に印字されたコード92がコードリーダ36により読み取られると、コードリーダ36およびICカードリーダ40がそれぞれ読み取り不能状態となる(STEP207)。
【0047】
その後、制御部60は、中央制御ユニット30の記憶部66に記憶されている情報に基づいて、取得された鍵番号に対応する、ユーザが荷物を預け入れたロッカー10の番号を特定する(STEP208)。ここで、所定の利用日数を超えてロッカー10に荷物が収納されることにより超過料金が発生している場合には(STEP209の「YES」)、中央制御ユニット30の操作表示部32に、超過料金が発生している旨のメッセージおよび超過料金の支払いを求める旨のメッセージがそれぞれ表示される(STEP210)。
【0048】
より詳細には、ユーザが荷物の預け入れ時に預入利用料金をICカード80で支払っていた場合は、ICカードリーダ40が読み取り可能状態になる。一方、コードリーダ36は読み取り不能状態が維持される。このことにより、ユーザはICカード80をICカードリーダ40により読み取らせることによって超過料金の支払いを行うことができるようになる。この場合、制御部60による売上管理において、荷物の預け入れ時にICカード80により支払われた預入利用料金と、荷物の取り出し時にICカード80により支払われた超過料金との合計が売上金となる。
【0049】
また、ユーザが荷物の預け入れ時に預入利用料金を現金で支払っていた場合は、ICカードリーダ40およびコードリーダ36は読み取り不能状態が維持される。この場合は、ユーザが中央制御ユニット30の硬貨投入口42や紙幣出入口44に硬貨や紙幣を投入することによって超過料金の支払いを行うことができるようになる。このときに、制御部60による売上管理において、荷物の預け入れ時に現金により支払われた預入利用料金と、荷物の取り出し時に現金により支払われた超過料金との合計が売上金となる。なお、変形例に係る中央制御ユニットにおいて、ユーザが荷物の預け入れ時に預入利用料金を現金で支払っていた場合でも、ICカードリーダ40が読み取り可能状態になり、ユーザはICカード80をICカードリーダ40により読み取らせることによって超過料金の支払いを行うことができるようになっていてもよい。この場合、制御部60による売上管理において、荷物の預け入れ時に現金により支払われた預入利用料金と、荷物の取り出し時にICカード80により支払われた超過料金との合計が売上金となる。
【0050】
このようにして、超過料金が支払われると(STEP211の「YES」)、荷物が収納されたロッカー10の扉12の解錠が行われ、荷物が取り出し可能となる(STEP212)。また、超過料金が発生していない場合は(STEP209の「NO」)、そのまま荷物が収納されたロッカー10の扉12の解錠が行われ、荷物が取り出し可能となる(STEP212)。また、中央制御ユニット30の操作表示部32には、ロッカー10から荷物が取り出し可能となった旨のメッセージが表示される。その後、ユーザは中央制御ユニット30からロッカー10に移動し、このロッカー10の扉12を開くことにより、ロッカー10から荷物を取り出す。このようにして、本実施の形態によるロッカー装置1において、ユーザがロッカー10から荷物の取り出しを行う際の一連の動作が完了する。荷物が取り出されると、テーブル(
図13参照)の情報が更新される。
【0051】
また、本実施の形態のロッカー装置1では、ユーザは中央制御ユニット30を用いずに各ロッカー10のロッカー操作部20を操作するだけで各ロッカー10からの荷物の取り出し動作を行うことができるようになっている。なお、各ロッカー10のロッカー操作部20を操作するだけで各ロッカー10からの荷物の取り出し動作を行うことができるのは、ロッカー10への荷物の預け入れ時にICカード80を用いて預入利用料金の支払いを行った場合に限られる。このような動作について
図8に示すフローチャートを用いて述べる。
【0052】
荷物を預け入れているロッカー10の前にいるユーザがこのロッカー10から荷物の取り出しを行う際に、まずロッカー10への荷物の預け入れ時に使用したICカード80をロッカー操作部20の情報読取部28のICカードリーダに近づけることによりこのICカード80のICタグ82から情報を読み取らせる(STEP221の「YES」)。制御部60は、
図13に示すテーブルに基づいて、情報読取部28がICカード80から情報を読み取ったロッカー10の番号に対応する決済方法がICカード80であった場合は(STEP222の「YES」)、ICカード80から読み取られた情報に基づいてロッカー10の照合を行う(STEP223)。制御部60により行われるロッカー10の照合については後述する。一方、情報読取部28がICカード80から情報を読み取ったロッカー10に対応する決済方法が現金であったり、ロッカー10のステータスが使用中ではなかったり、このロッカー10で荷物の預け入れ動作が行われている最中のときには(具体的には、仮施錠状態にあるロッカー10の扉12が施錠部25により施錠状態(本施錠状態)となるまでの間は)(STEP222の「YES」)、表示部27にエラーメッセージが表示されることによりユーザに対してエラー報知が行われる(STEP229)。例えば、情報読取部28がICカード80から情報を読み取ったロッカー10に対応する決済方法が現金である場合には、中央制御ユニット30を用いて荷物の取り出し動作を行うことをユーザに促す旨のメッセージが表示部27に表示される。
【0053】
次に、ロッカー10の照合動作について具体的に説明する。制御部60は、ロッカー10からの荷物の取り出し時に情報読取部28によりICカード80のICタグ82から読み取られたICカード80の識別番号と、記憶部66に記憶されているこのロッカー10の番号に対応するICカード80の識別番号(ICデータ)とが一致するか否かを判断する。なお、記憶部66に記憶されているICカード80の識別番号は、ロッカー10への荷物の預け入れ時にICカード80のICタグ82から読み取られたICカード80の識別番号である。そして、両者が一致する場合は、照合結果が一致すると判断する(STEP224の「YES」)。この場合、所定の利用日数を超えておらず超過料金が発生していないときには(STEP226の「NO」)、荷物が収納されたロッカー10の扉12の解錠が行われ、荷物が取り出し可能となる(STEP227)。そして、荷物が取り出されると、テーブル(
図13参照)の情報が更新される。一方、所定の利用日数を超えてロッカー10に荷物が収納されることにより超過料金が発生しているときには(STEP226の「YES」)、ICカード80によって電子マネーによる支払いが行われることにより超過料金の精算が行われた場合には(STEP228の「YES」)、荷物が収納されたロッカー10の扉12の解錠が行われ、荷物が取り出し可能となる(STEP227)。なお、超過料金が発生しているときにICカード80に決済機能がなかったりICカード80の電子マネーの残高不足により支払いを行うことができなかったりした場合は(STEP228の「NO」)、表示部27にエラーメッセージが表示されることによりユーザに対してエラー報知が行われる(STEP229)。具体的には、中央制御ユニット30を用いて荷物の取り出し動作を行うことをユーザに促す旨のメッセージが表示部27に表示される。
【0054】
また、ロッカー10の照合動作が行われたときに、情報読取部28によりICカード80のICタグ82から読み取られたICカード80の識別番号と、記憶部66に記憶されているこの情報読取部28が設けられているロッカー10の番号に対応するICカード80の識別番号(ICデータ)とが一致しない場合は(STEP224の「NO」)、ICカード80から読み取られた情報に基づいて特定されるロッカー10の情報が表示部27に表示される(STEP225)。具体的には、情報読取部28によりICカード80のICタグ82から読み取られたICカード80の識別番号と、記憶部66に記憶されているこの情報読取部28が設けられているロッカー10の番号に対応するICカード80の識別番号(ICデータ)とが一致しないが、別のロッカー10の番号に対応するICカード80の識別番号と一致する場合は、ICカード80の識別番号が一致するロッカー10の番号が表示部27に表示される。具体的には、表示部27には、「あなたが利用したロッカーの番号は◎◎番です」というメッセージが表示される。このことにより、ユーザがロッカーご利用証明書90を紛失する等により荷物を預け入れたロッカー10の番号が分からなくなっても、荷物を預け入れる際に使用したICカード80をあるロッカー10の情報読取部28により読み取らせることによって荷物を預け入れたロッカー10の番号を知ることができるようになる。また、この際に、ユーザがICカード80を情報読取部28に読み取らせたロッカー10に対する、このユーザの荷物が収納されているロッカー10の相対的な位置(例えば、ICカード80を情報読取部28に読み取らせたロッカー10に対して右に3つ目、上に2つ目のロッカー10に荷物が収納されている旨のメッセージ)が表示部27に表示されてもよい。また、荷物を預け入れる際に使用したICカード80の識別番号に対応するロッカー10のロッカー操作部20の表示部27に「解錠操作をします。よろしければICカードをかざしてください」というメッセージが表示されてもよい。このことにより、ユーザはどのロッカー10に自分の荷物が収納されているかをより確実に認識することができる。また、荷物を預け入れる際に使用したICカード80の識別番号に対応するロッカー10のロッカー操作部20のLEDランプ26が点灯と消灯を繰り返したり、荷物を預け入れる際に使用したICカード80の識別番号に対応するロッカー10の位置が中央制御ユニット30の操作表示部32に表示されたりしてもよい。
【0055】
また、情報読取部28によりICカード80のICタグ82から読み取られたICカード80の識別番号が、記憶部66に記憶されている各ロッカー10の番号に対応するICカード80の識別番号の何れにも一致しない場合には、情報読取部28により読み取らせたICカード80が誤っている旨のメッセージが表示される。具体的には、表示部27には、「このICカードでは荷物の預け入れが行われていません。別のICカードをご使用ください」というメッセージが表示される。このことにより、ユーザは別のICカードを情報読取部28により読み取らせることによってロッカー10の扉12の解錠を行うことができるようになる。
【0056】
また、表示部27にエラーメッセージが表示されることによりエラー報知が行われる回数が予め設定された所定の回数に達した場合は、制御部60は外部装置としての管理会社のコンピュータにエラー情報を送信するようになっている。このことにより、管理会社の係員によりロッカー装置1の見回りを行わせることができ、例えばエラー報知が何度も行われることによりイライラしたユーザがロッカー装置1を破壊する等のトラブルを抑制することができる。
【0057】
また、本実施の形態のロッカー装置1では、ユーザは荷物をロッカー10に預け入れる前に予め当該ユーザが所持する通信情報端末(例えば、スマートフォン等)により預け入れるロッカー10の予約を行うことができる。また、ロッカー10の予約を行う際に、ICカード80の識別番号の登録も行う。ロッカー10の予約が行われると、制御部60からユーザの通信情報端末に予約したロッカー10の番号が通知される。ロッカー10の予約が行われると、当該ロッカー10のロッカー操作部20の表示部27には「予約中」というメッセージが表示され、当該ロッカー10の扉12が制御部60により施錠されることによって他のユーザはこのロッカー10に荷物を預け入れることができなくなる。そして、予約を行ったユーザが登録したICカード80を予約したロッカー10のロッカー操作部20の情報読取部28や中央制御ユニット30のICカードリーダ40に近づけることにより当該ICカード80からこのICカード80の識別番号等の情報が読み取られると、ロッカー10の照合が行われることにより扉12が解錠され、ユーザはロッカー10に荷物を預け入れることができるようになる。
【0058】
また、中央制御ユニット30においていずれかのロッカー10の扉12の施錠または解錠の操作がユーザにより行われている間は、当該ロッカー10についてロッカー操作部20の情報読取部28によるICカード80の読み取りが行われない。このことにより、同じロッカー10について中央制御ユニット30による扉12の施錠または解錠の操作と、ロッカー操作部20の情報読取部28によるICカード80の読み取りに基づく扉12の施錠または解錠の操作とが同時に行われてしまうことを防止することができる。
【0059】
また、ユーザが中央制御ユニット30を操作することによりロッカー10から荷物の取り出しを行うときに、中央制御ユニット30のICカードリーダ40が故障している場合は、操作表示部32には、ICカードリーダ40が調整中である旨およびICカード80の番号の手入力を行うかロッカー10のロッカー操作部20の情報読取部28によりICカード80の読み取りを行うことを求める旨のメッセージが表示される。このときに、ICカード80に記載されている目視確認用コード84の番号(具体的には、ICカード80の識別番号そのものや識別番号を複数桁の数字に変換したもの)をユーザが操作表示部32に入力すると、ICカード80の識別番号に紐付けられた鍵番号が取得される。このことにより、扉12の解錠が行われ、ユーザはロッカー10から荷物の取り出しを行うことができるようになる。また、ユーザが目視確認用コード84の番号を操作表示部32に入力する代わりに、荷物を預け入れたロッカー10に移動してこのロッカー10のロッカー操作部20の情報読取部28によりICカード80の読み取りを行わせても扉12の解錠を行うことができる。
【0060】
また、ユーザが利用するICカード80に決済機能がない場合や、ロッカー操作部20の情報読取部28によりICカード80のICタグ82から情報を読み取っても決済を行うことができない場合は、ユーザがICカード80を情報読取部28に近づけることにより当該ICカード80から情報の読み取りが行われたときに、制御部60は、ロッカー10の照合において照合結果が一致するとともに超過料金が発生していないことを条件として扉12の解錠を行うようになっていてもよい。この場合は、ロッカー10の照合において照合結果が一致しても超過料金が発生している場合は、中央制御ユニット30を用いて荷物の取り出し動作を行うことをユーザに促す旨のメッセージが表示部27に表示される。
【0061】
また、本実施の形態のロッカー装置1では、所定の利用日数(例えば、3日)を超えてロッカー10に荷物が収納されていることを管理者が発見した場合に、管理者は中央制御ユニット30を操作してこのロッカー10の扉12を別途保管モードで開状態とし、ロッカー10から荷物を取り出して管理事務所に持ち帰り、この管理事務所で荷物を別途保管するようになっている。また、記憶部66には別途保管された荷物に関する預け入れ処理の内容(具体的には、ロッカー10の番号、回収日時、決済情報、ICカード80の識別番号、超過料金等)が記憶される。この場合は、管理者が別途保管モードで扉12を開状態としたロッカー10は利用可能となるが、第三者がロッカー10に荷物を預け入れて扉12の施錠を行ったときに元のユーザはICカード80やロッカーご利用証明書90を用いても扉12の解錠を行うことができない。この際に、元のユーザがICカード80をロッカー操作部20の情報読取部28により読み取らせたときに、読み取られたICカード80の識別番号が、記憶部66に記憶されている別途保管された荷物に関するICカード80の識別番号と一致する場合には、ロッカー操作部20の表示部27には荷物が管理事務室に別途保管されている旨のメッセージが表示される。
【0062】
以上のような構成からなる本実施の形態のロッカー装置1およびこのロッカー装置1の制御方法によれば、各ロッカー10は、ユーザが所持する媒体(具体的には、ICカード80)から情報を読み取る情報読取部28を有しており、情報読取部28により媒体から情報が読み取られると、読み取られた情報に基づいてロッカー10の照合が行われ、照合結果が一致すれば施錠部25による扉12の施錠が解除される。このことにより、中央制御ユニット30だけではなく各ロッカー10でもユーザが扉12の解錠を行えるようにすることによってロッカー10から荷物を迅速に取り出すことができ、よってユーザにとっての利便性を向上させることができる。具体的には、あるユーザが中央制御ユニット30による荷物の取り出し動作を行っているときに、別のユーザはこのユーザが中央制御ユニット30による操作が終わるのを待つことなくロッカー10のロッカー操作部20を操作することにより荷物の取り出し動作を行うことができるため、複数のユーザが同じタイミングでロッカー10から荷物を取り出したときにも順番待ちが発生せず、急いでロッカー10から荷物を取り出したいユーザのニーズに応えることができる。
【0063】
また、本実施の形態のロッカー装置1においては、中央制御ユニット30におけるユーザの操作に基づく第1解錠制御(
図7のフローチャート参照)およびロッカー10における情報読取部28による媒体からの情報の読み取りに基づく第2解錠制御(
図8のフローチャート参照)のうち何れかの制御によりロッカー10において施錠部25による扉12の施錠が解除される。この場合は、ユーザは中央制御ユニット30およびロッカー10の何れでも扉12の解錠を行うことができるため、荷物をロッカー10から取り出すためにロッカー装置1に戻ったユーザは中央制御ユニット30および荷物を預け入れたロッカー10のうち近い機器で扉12の解錠を行うことができる。
【0064】
また、本実施の形態のロッカー装置1においては、中央制御ユニット30において、いずれかのロッカー10の扉12の施錠または解錠の操作がユーザにより行われている間は、当該ロッカーについての第2解錠制御(
図8のフローチャート参照)が制限される。このことにより、上述したように、同じロッカー10について中央制御ユニット30による扉12の施錠または解錠の操作と、ロッカー操作部20の情報読取部28によるICカード80の読み取りに基づく扉12の施錠または解錠の操作とが同時に行われてしまうことを防止することができる。
【0065】
また、本実施の形態のロッカー装置1においては、情報読取部28により媒体から情報を読み取らせることにより施錠部25による扉12の施錠を解除する際に、扉12の施錠に関して追加の料金が発生していないことを条件として施錠部25による扉12の施錠が解除されるようになっている。このことにより、超過料金が発生している場合には情報読取部28により媒体から情報を読み取らせても施錠部25による扉12の施錠が解除されないため、ユーザに対して中央制御ユニット30により追加の料金の支払いを行わせることができるようになる。
【0066】
また、本実施の形態のロッカー装置1においては、各ロッカー10は表示部27を有しており、情報読取部28により媒体から情報が読み取られると、表示部27において、読み取られた情報に基づいて特定される内容の表示が行われる。このことにより、例えば情報読取部28によりICカード80のICタグ82から読み取られたICカード80の識別番号が、記憶部66に記憶されている各ロッカー10の番号に対応するICカード80の識別番号の何れにも一致しない場合に、情報読取部28により読み取らせたICカード80が誤っている旨のメッセージを表示部27に表示させることによってユーザは正しいICカード80を使用することができるようになる。また、情報読取部28により媒体から情報が読み取られたときに、照合結果が一致しなかった場合は、表示部27において、読み取られた情報に基づいて特定されるロッカー10の情報の表示が行われる。このことにより、ユーザがロッカーご利用証明書90を紛失する等により荷物を預け入れたロッカー10の番号が分からなくなっても、荷物を預け入れる際に使用したICカード80をあるロッカー10の情報読取部28により読み取らせることによって荷物を預け入れたロッカー10の番号を知ることができるようになる。
【0067】
なお、本実施の形態によるロッカー装置1やその制御方法は、上述したような態様に限定されることはなく、様々な変更を加えることができる。
【0068】
例えば、上述したロッカー装置1の制御は、制御部60により行われるのではなく、ロッカー装置1とは別に設けられた制御装置64により遠隔で行われるようになっていてもよい。この場合、制御装置64は、ロッカー装置1に通信可能に接続され、各ロッカー10の扉12の施錠および解錠を行うよう施錠部25の制御を行う。また、制御装置64は、情報読取部28により媒体から情報が読み取られると、読み取られた情報に基づいてロッカー10の照合を行い、照合結果が一致すれば扉12の施錠を解除するよう施錠部25を制御する。この場合、ロッカー装置1および制御装置64により、本発明に係るロッカーシステムが構成される。このようなロッカーシステムでも、中央制御ユニット30だけではなく各ロッカー10でもユーザが扉12の解錠を行えるようにすることによってロッカー10から荷物を迅速に取り出すことができ、よってユーザにとっての利便性を向上させることができる。
【0069】
また、上述したロッカー装置1では操作表示部32および制御部60が同じ中央制御ユニット30に設けられているが、操作表示部32および制御部60がそれぞれ別のユニットに設けられていてもよい。
【0070】
また、各ロッカー10における荷物の収納状況(荷物を収納している状態にあるか否か)、荷物預入処理や精算処理の履歴等がロッカー装置1に記憶部66に記憶される代わりに、これらの情報がロッカー装置1とは別に設けられた外部装置(例えば、外部のクラウド等)に記憶され、制御部60が外部装置からこれらの情報を受信することにより制御部60が様々な制御を行うようになっていてもよい。この際に、
図13に示すテーブルも外部装置に記憶されるようになっていてもよい。
【0071】
また、別の変形例に係るロッカー装置において、荷物の預け入れ動作においてユーザが預入利用料金をICカード80で支払うことを選択した場合に、このICカード80のICタグ82から読み取られたICカード80の識別番号そのものが制御部60において鍵番号として使用されてもよい。
【0072】
また、各ロッカー10に設けられる情報読取部28はICカード80の読み取りを行うICカードリーダに限定されることはない。各ロッカー10に設けられる情報読取部28が、レシート(具体的には、ロッカーご利用証明書90)に印字されたコード92を読み取って扉12の解錠に必要な情報(具体的には、例えば鍵番号)を取得するコードリーダを含んでいてもよい。この場合は、ユーザが荷物の預け入れを行う際に預入利用料金を現金で支払った場合でも、荷物の預け入れ時に発行されたロッカーご利用証明書90のコード92を情報読取部28によって読み取らせることによりロッカー10の照合が行われる。具体的には、情報読取部28のコードリーダによりロッカーご利用証明書90のコード92から読み取られた鍵番号が、記憶部66に記憶されている当該ロッカー10に対応する鍵番号と一致する場合には、ロッカー10の照合が行われ、このロッカー10の扉12が解錠される。
【0073】
また、各ロッカー10に設けられる情報読取部28が、ユーザの携帯通信端末に表示されるコードを読み取って扉12の解錠に必要な情報を取得するコードリーダを含んでいてもよい。具体的には、中央制御ユニット30においてロッカー10の扉12の施錠の操作がユーザにより行われると、扉12の解錠に必要な情報(具体的には、例えば鍵番号)を示すコードが通信部62によりユーザの携帯通信端末に送信され、この携帯通信端末に保存されるようになっている。そして、ユーザがロッカー10から荷物を取り出す際には、このユーザは携帯通信端末のモニタに扉12の解錠に必要な情報を示すコードを表示させ、このコードを情報読取部28により読み取らせる。このことにより、ロッカー10の扉12の施錠を行う際にユーザの携帯通信端末に保存されたコードにおける扉12の解錠に必要な情報と、情報読取部28のコードリーダによりコードが読み取られることにより取得された情報とに基づいてロッカー10の照合が行われる。具体的には、情報読取部28のコードリーダにより携帯通信端末のモニタに表示されるコードから読み取られた鍵番号が、記憶部66に記憶されている当該ロッカー10に対応する鍵番号と一致する場合には、ロッカー10の照合が行われ、このロッカー10の扉12が解錠される。
【0074】
また、中央制御ユニット30においてロッカー10の扉12の施錠の操作がユーザにより行われる際に、中央制御ユニット30に設けられたICリーダ(図示せず)により、ユーザの携帯通信端末に搭載されたICチップ等のIC部品から携帯通信端末の情報(例えば、携帯通信端末の電話番号や識別番号)が読み取られるようになっていてもよい。また、各ロッカー10に設けられる情報読取部28が、ユーザの携帯通信端末に搭載されたIC部品から携帯通信端末の情報を読み取るICリーダを含んでいてもよい。この場合、ユーザがロッカー10から荷物を取り出す際に、自分の携帯通信端末を情報読取部28のICリーダに近づけると、ユーザの携帯通信端末に搭載されたIC部品から携帯通信端末の情報がICリーダにより読み取られる。そして、ロッカー10の扉12の施錠を行う際に中央制御ユニット30により携帯通信端末のIC部品から読み取られた情報と、情報読取部28のICリーダによりIC部品から読み取られた情報とに基づいてロッカー10の照合が行われる。具体的には、情報読取部28のICリーダによりIC部品から読み取られた携帯通信端末の情報が、記憶部66に記憶されている当該ロッカー10に対応する携帯通信端末の情報と一致する場合には、ロッカー10の照合が行われ、このロッカー10の扉12が解錠される。
【0075】
また、上記の説明では1つのロッカー10に対し1つの情報読取部28が設けられている例について説明したが、本実施の形態はこのような態様に限定されることはない。隣り合う2つのロッカー10に対し、これらのロッカー10の間に一組の表示部27および情報読取部28が設けられていてもよい。この場合でも、ユーザが所持する媒体から情報読取部28により情報を読み取らせると、この情報読取部28の両側にある2つのロッカー10のうち照合が行われたロッカー10(すなわち、情報読取部28により読み取られたICカード80の識別番号等の情報と、記憶部66に記憶されている情報とが一致するロッカー10)の扉12の解錠が行われる。
【0076】
また、各ロッカー10のロッカー操作部20は、ICカード80等の媒体に関する情報を入力するキーボード等の入力部(図示せず)を更に有していてもよい。そして、入力部により媒体に関する情報が入力されると、入力された情報に基づいてロッカー10の照合が行われ、照合結果が一致すれば施錠部25による扉12の施錠が解除される。この場合は、ユーザがロッカー操作部20によりロッカー10の扉12を解錠して荷物を取り出す際に、ロッカー10のロッカー操作部20の情報読取部28が故障しており使用することができない場合でも、ユーザは例えばICカード80に記載された目視確認用コード84を入力部によって入力することにより、入力された情報に基づいてロッカー10の照合を行うことができる。
【0077】
また、ユーザがスマートフォン等の携帯通信端末によりロッカー10の予約を行う際に、預けたい荷物を携帯通信端末のカメラで撮影することにより当該荷物のサイズを計測しておくことにより、荷物のサイズに関する情報が通信携帯端末からロッカー装置1の制御部60に送信されるようになっていてもよい。この場合は、制御部60は、ロッカー装置1の各ロッカー10のうち、携帯通信端末から送信された荷物のサイズに基づいてこの荷物を収容することができるロッカー10を選択し、選択されたロッカー10の予約を行う。具体的には、ユーザが預けたい荷物を携帯通信端末のカメラで撮影することにより、この携帯通信端末にインストールされている予約ロッカーアプリ等によって当該荷物の縦、横、高さのサイズが計測され、計測された情報が予約ロッカーアプリによりロッカー装置1の制御部60に送信される。また、ロッカー装置1の記憶部66には、各ロッカー10の収容スペースの縦、横、高さのサイズに関する情報が記憶されている。そして、制御部60は、携帯通信端末から荷物のサイズが送信されたときに、この荷物の縦、横、高さの全てのサイズよりも収容スペースの縦、横、高さのサイズが大きいロッカー10を選択する。また、この際に、このロッカー10に対応する荷物預入料金の情報がロッカー装置1の制御部60から通信部62によりユーザの携帯通信端末に送信され、この携帯通信端末のモニタに表示されてよい。また、制御部60は、予約するロッカー10の選択を行う際に、携帯通信端末に搭載されたGPSに基づくユーザの現在地に近いロッカー10を選択したり、携帯通信端末の予約ロッカーアプリ等に入力されたユーザの目的地に近いロッカー10を選択したりしてもよい。
【0078】
また、ユーザがロッカー10への荷物の預け入れ動作を行う際に発行されるロッカーご利用証明書90のコード92に、ロッカー装置1の位置や荷物を預け入れたロッカー10の位置を示すマップのURL情報が含まれていてもよい。この場合は、ロッカー10からの荷物の取り出しを行う際に、ユーザがロッカー装置1の位置や荷物を預け入れたロッカー10の位置が分からなくなっても、スマートフォン等の携帯通信端末のカメラによりロッカーご利用証明書90のコード92を撮像することによりこの携帯通信端末のモニタにロッカー装置1の位置や荷物を預け入れたロッカー10の位置を示すマップが表示される。このことにより、ユーザは携帯通信端末に表示されるマップを頼りにロッカー装置1や荷物を預け入れたロッカー10に到達することができる。また、ユーザがロッカー10への荷物の預け入れ動作を行う際に、ロッカー装置1の位置や荷物を預け入れたロッカー10の位置を示すマップのURL情報を示す二次元コード等のコードがロッカー装置1の制御部60から通信部62によりユーザの携帯通信端末に送信されてもよい。この場合も、ロッカー10からの荷物の取り出しを行う際に、ユーザがロッカー装置1の位置や荷物を預け入れたロッカー10の位置が分からなくなっても、スマートフォン等の携帯通信端末に保存されているコードに含まれるURL情報に基づいてこの携帯通信端末のモニタにロッカー装置1の位置や荷物を預け入れたロッカー10の位置を示すマップを表示させることができる。
【符号の説明】
【0079】
1 ロッカー装置
10 ロッカー
12 扉
20 ロッカー操作部
21 ケーシング
22 開口
24 施錠レバー
26 LEDランプ
27 表示部
28 情報読取部
30 中央制御ユニット
32 操作表示部
34 スピーカ
36 コードリーダ
38 プリンタ
40 ICカードリーダ
42 硬貨投入口
44 紙幣出入口
46 硬貨返却口
48 メンテナンス錠
50 硬貨処理部
52 紙幣処理部
60 制御部
62 通信部
64 制御装置
66 記憶部
80 ICカード
82 ICタグ
84 目視確認用コード
90 利用証明書
92 コード
94 目視確認用コード