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特開2023-37558遊星歯車列ハイブリッド車両の伝動装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023037558
(43)【公開日】2023-03-15
(54)【発明の名称】遊星歯車列ハイブリッド車両の伝動装置
(51)【国際特許分類】
   B60K 6/40 20071001AFI20230308BHJP
   B60K 6/445 20071001ALI20230308BHJP
   B60K 6/543 20071001ALI20230308BHJP
   B60K 6/387 20071001ALI20230308BHJP
   B60K 6/365 20071001ALI20230308BHJP
   F16H 3/72 20060101ALI20230308BHJP
【FI】
B60K6/40
B60K6/445 ZHV
B60K6/543
B60K6/387
B60K6/365
F16H3/72 A
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022075055
(22)【出願日】2022-04-28
(31)【優先権主張番号】202111034101.7
(32)【優先日】2021-09-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】522173446
【氏名又は名称】哈爾浜東安汽車発動機製造有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】馬静
(72)【発明者】
【氏名】楊林
(72)【発明者】
【氏名】関▲ウェイ▼
(72)【発明者】
【氏名】姚書涛
(72)【発明者】
【氏名】李賓竜
(72)【発明者】
【氏名】蘇俊元
(72)【発明者】
【氏名】宋名
(72)【発明者】
【氏名】李超偉
(72)【発明者】
【氏名】畢崇盛
(72)【発明者】
【氏名】白▲ジン▼
(72)【発明者】
【氏名】趙洪元
(72)【発明者】
【氏名】武文生
(72)【発明者】
【氏名】周宏
(72)【発明者】
【氏名】韓学勇
(72)【発明者】
【氏名】牡玲
【テーマコード(参考)】
3D202
3J528
【Fターム(参考)】
3D202AA04
3D202EE10
3D202EE11
3D202EE16
3D202EE23
3D202FF05
3D202FF12
3D202FF13
3J528EA24
3J528EB62
3J528EB63
3J528EB66
3J528EB85
3J528FB03
3J528FC13
3J528FC24
3J528GA02
3J528HA14
(57)【要約】
【課題】 遊星歯車列ハイブリッド車両の伝動装置を提供する。
【解決手段】 遊星歯車列ハイブリッド車両の伝動装置であって、変速機の技術分野に属している。それは、遊星歯車列をベースにしたハイブリッド車両の伝動装置で、構造がシンプルでメンテナンスも簡単である。該伝動装置は、2つのモーター、2つのクラッチ、1つのシンプルな遊星歯車列、および1つの複雑な遊星歯車列で構成され、モーターの1つは主に発電するために使用され、もう1つは車両を前進させてブレーキからエネルギーを回収するために使用され、クラッチと遊星歯車列のさまざまな組み合わせ、エンジンと2つのモーターのさまざまな動作状態により、さまざまな速度比の選択、さまざまな動作モードを実現できる。
【選択図】図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊星歯車列ハイブリッド車両の伝動装置であって、入力軸(11)、出力軸(14)、フロントエンドモーター(18)、リアエンドモーター(17)、第1のクラッチ(15)、第2のクラッチ(16)を含み、前記入力軸(11)の一端はエンジン動力システムに接続され、入力軸(11)の他端は前端遊星歯車列を介してフロントエンドモーター(18)に接続され、及び出力軸(14)との間に第2のクラッチ(16)が取り付けられ、前記前端遊星歯車列と出力軸(14)との間に第1のクラッチ(15)が取り付けられ、前記リアエンドモーター(17)は、後端遊星歯車列を介して出力軸(14)に接続され、第1のクラッチ(15)と第2のクラッチ(16)のさまざまな組み合わせ、エンジン、リアエンドモーター(17)、フロントエンドモーター(18)のさまざまな動作状態により、さまざまな速度比の選択とさまざまな動作モードを実現できることを特徴とする車両の伝動装置。
【請求項2】
前記前端遊星歯車列は、第1の太陽歯車(21)、第1の遊星歯車(22)、第2の太陽歯車(31)、第2の遊星歯車(32)、第2の外輪歯車(34)、第2の遊星キャリア(33)を含み、前記後端遊星歯車列は、第3の太陽歯車(41)、第3の遊星歯車(42)、第3の外輪歯車(44)、第3の遊星キャリア(33)を含み、前端遊星歯車列では、第2の外輪歯車(34)が固定および拘束され、第1の遊星歯車(22)が第2の遊星歯車(32)に剛性接続され、第2の太陽歯車(31)は、第2の遊星キャリア(33)と速度比関係を形成し、第1の太陽歯車(21)は、第2の遊星キャリア(33)と速度比関係を形成し、第1の太陽歯車(21)は、第2の太陽歯車(31)と速度比関係を形成し、
前記入力軸(11)の他端は、第2の太陽歯車(31)及び第2のクラッチインナーハブ(12)の一端に接続され、前記第2のクラッチインナーハブ(12)の他端は、第2のクラッチ(16)に接続され、第2の遊星キャリア(33)の一端は、第1のクラッチ(15)の一端に接続され、第1のクラッチ(15)及び第2のクラッチ(16)は、クラッチキャリア(13)の一端に接続され、クラッチキャリア(13)の他端および第3の遊星キャリア(43)の一端は、出力軸(14)に接続され、
前記リアエンドモーター(17)は第3の太陽歯車(41)に接続され、第3の外輪歯車(44)はハウジング(19)に固定的に取り付けられ、
フロントエンドモーター(18)は第1の太陽歯車(21)に接続され、第2の遊星歯車(32)および第1の遊星歯車(22)は、第2の遊星キャリア(33)に取り付けられ、第2の外輪歯車(34)は、ハウジング(19)に固定的に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の遊星歯車列ハイブリッド車両の伝動装置。
【請求項3】
前記伝動装置がモード1-EV純電気の場合:前記第1のクラッチ(15)及び第2のクラッチ(16)はかみ合わず、エンジンとフロントエンドモーター(18)は作動しておらず、リアエンドモーター(17)は、伝動装置の動力源として独立して動力を出力することを特徴とする請求項2に記載の遊星歯車列ハイブリッド車両の伝動装置。
【請求項4】
前記伝動装置がモード2-直列接続の場合:前記第1のクラッチ(15)及び第2のクラッチ(16)はかみ合わず、エンジンは動力を送り出し、フロントエンドモーター(18)はエンジンから出力された動力を受け取り、受け取った動力をリアエンドモーター(17)に送るか、バッテリーに動力エネルギーを蓄え、リアエンドモーター(17)は動力を送り出し、リアエンドモーター(17)の動力はフロントエンドモーター(18)またはバッテリーからのであることを特徴とする請求項2に記載の遊星歯車列ハイブリッド車両の伝動装置。
【請求項5】
前記伝動装置がモード3-直接駆動1の場合:前記第1のクラッチ(15)はかみ合うが、第2のクラッチ(16)はかみ合わず、リアエンドモータ(17)は作動せず、バッテリー残量が十分な場合、フロントエンドモーター(18)は動力を吸収せず、バッテリー残量を補充する必要がある場合、フロントエンドモーター(18)はエンジンから出力された動力の一部を受け取り、エンジンは、伝動装置の出力である動力を送り出すことを特徴とする請求項2に記載の遊星歯車列ハイブリッド車両の伝動装置。
【請求項6】
前記伝動装置がモード4-直接駆動2の場合:前記第1のクラッチ(15)はかみ合わず、第2のクラッチ(16)はかみ合い、リアエンドモータ(17)は作動せず、バッテリー残量が十分な場合、フロントエンドモーター(18)は動力を吸収せず、バッテリー残量を補充する必要がある場合、フロントエンドモーター(18)はエンジンから出力された動力の一部を受け取り、エンジンは、伝動装置の出力である動力を送り出すことを特徴とする請求項2に記載の遊星歯車列ハイブリッド車両の伝動装置。
【請求項7】
前記伝動装置がモード5-並列接続1の場合:前記第1のクラッチ(15)はかみ合うが、第2のクラッチ(16)はかみ合わず、バッテリー残量が十分な場合、フロントエンドモーター(18)は作動せず、バッテリー残量を補充する必要がある場合、フロントエンドモーター(18)はエンジンから出力された動力の一部を受け取り、エンジンとリアエンドモーター(17)が動力を送り出し、共に伝動装置の動力出力として機能することを特徴とする請求項2に記載の遊星歯車列ハイブリッド車両の伝動装置。
【請求項8】
前記伝動装置がモード6-並列接続2の場合:第1のクラッチ(15)はかみ合わず、第2のクラッチ(16)はかみ合い、バッテリー残量が十分な場合、フロントエンドモーター(18)は作動せず、バッテリー残量を補充する必要がある場合、フロントエンドモーター(18)はエンジンから出力された動力の一部を受け取り、エンジンとリアエンドモーター(17)が動力を送り出し、共に伝動装置の動力出力として機能することを特徴とする請求項2に記載の遊星歯車列ハイブリッド車両の伝動装置。
【請求項9】
前記伝動装置がモード7-ブレーキ回収の場合:前記第1のクラッチ(15)及び第2のクラッチ(16)はかみ合わず、リアエンドモーター(17)はホイールシステムの減速ブレーキによって生成された動力を受け取ることを特徴とする請求項2に記載の遊星歯車列ハイブリッド車両の伝動装置。
【請求項10】
前記伝動装置装置がモード8-アイドル発電の場合:前記第1のクラッチ(15)及び第2のクラッチ(16)はかみ合わず、リアエンドモーター(17)が作動せず、フロントエンドモーター(18)はエンジンから出力された動力を受け取り、かつ受け取った動力エネルギーをバッテリーに蓄えることを特徴とする請求項2に記載の遊星歯車列ハイブリッド車両の伝動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、変速機の技術分野に属し、特に遊星歯車列ハイブリッド車両の伝動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車産業の急速な発展と技術革新により、伝動装置分野での新エネルギーハイブリッドデバイスの適用はますます広範になりつつあり、エンジン、発電機、モーターのさまざまな動力の組み合わせに対応できるだけでなく、エンジンとモーターのそれぞれの利点を十分に活用でき、従来の燃料車のような航続距離要件を満たすだけでなく、インフラストラクチャへの要件も低く、純電気自動車のような経済的要件も満たすことができ、今後数年間で、新エネルギー車の重要な開発方向となる。遊星歯車列は大きな速度比の変化を変換でき、クラッチの協力により、より少ない部品でさまざまなパワーコンビネーションモードを実現でき、空間構造は小型で比較的軽量であり、ハイブリッド車の伝動装置の重要な実現形態である。
【0003】
しかし、既存のハイブリッド装置は、構造が複雑で、部品が多く、部品のコストが高く、加工が難しいという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、従来技術の欠点を克服し、構造がシンプルでメンテナンスが容易な遊星歯車列をベースにしたハイブリッド車両の伝動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明はその技術的問題を解決して採用される技術的解決手段は以下のとおりである。遊星歯車列ハイブリッド車両の伝動装置であって、入力軸、出力軸、フロントエンドモーター、リアエンドモーター、第1のクラッチ及び第2のクラッチを含み、前記入力軸の一端はエンジン動力システムに接続され、入力軸の他端は前端遊星歯車列を介してフロントエンドモーターに接続され、及び出力軸との間に第2のクラッチが取り付けられ、前記前端遊星歯車列と出力軸との間に第1のクラッチが取り付けられ、前記リアエンドモーターは、後端遊星歯車列を介して出力軸に接続され、第1のクラッチと第2のクラッチのさまざまな組み合わせ、エンジン、リアエンドモーター、フロントエンドモーターのさまざまな動作状態により、さまざまな速度比の選択とさまざまな動作モードを実現できる。
【0006】
さらに、前記前端遊星歯車列は、第1の太陽歯車、第1の遊星歯車、第2の太陽歯車、第2の遊星歯車、第2の外輪歯車、第2の遊星キャリアを含み、前記後端遊星歯車列は、第3の太陽歯車、第3の遊星歯車、第3の外輪歯車、第3の遊星キャリアを含み、前端遊星歯車列では、第2の外輪歯車が固定および拘束され、第1の遊星歯車が第2の遊星歯車に剛性接続され、第2の太陽歯車は、第2の遊星キャリアと速度比関係を形成し、第1の太陽歯車は、第2の遊星キャリアと速度比関係を形成し、第1の太陽歯車は、第2の太陽歯車と速度比関係を形成する。
【0007】
前記入力軸の他端は、第2の太陽歯車及び第2のクラッチインナーハブの一端に接続され、前記第2のクラッチインナーハブの他端は、第2のクラッチに接続され、第2の遊星キャリアの一端は、第1のクラッチの一端に接続され、第1のクラッチ及び第2のクラッチは、クラッチキャリアの一端に接続され、クラッチキャリアの他端および第3の遊星キャリアの一端は、共同に出力軸に接続される。
【0008】
前記リアエンドモーターは第3の太陽歯車に接続され、第3の外輪歯車はハウジングに固定的に取り付けられる。
【0009】
フロントエンドモーターは第1の太陽歯車に接続され、第2の遊星歯車および第1の遊星歯車は、第2の遊星キャリアに取り付けられ、第2の外輪歯車は、ハウジングに固定的に取り付けられる。
【0010】
さらに、前記伝動装置がモード1-EV純電気の場合:前記第1のクラッチ及び第2のクラッチはかみ合わず、エンジンとフロントエンドモーターは作動しておらず、リアエンドモーターは、伝動装置の動力源として独立して動力を出力する。
【0011】
さらに、前記伝動装置がモード2-直列接続の場合:前記第1のクラッチ及び第2のクラッチはかみ合わず、エンジンは動力を送り出し、フロントエンドモーターはエンジンから出力された動力を受け取り、受け取った動力をリアエンドモーターに送るか、バッテリーに動力エネルギーを蓄え、リアエンドモーターは動力を送り出し、リアエンドモーターの動力はフロントエンドモーターまたはバッテリーからのである。
【0012】
さらに、前記伝動装置がモード3-直接駆動1の場合:前記第1のクラッチはかみ合うが、第2のクラッチはかみ合わず、リアエンドモータは作動せず、バッテリー残量が十分な場合、フロントエンドモーターは動力を吸収せず、バッテリー残量を補充する必要がある場合、フロントエンドモーターはエンジンから出力された動力の一部を受け取り、エンジンは、伝動装置の出力である動力を送り出す。
【0013】
さらに、前記伝動装置がモード4-直接駆動2の場合:前記第1のクラッチはかみ合わず、第2のクラッチはかみ合い、リアエンドモータは作動せず、バッテリー残量が十分な場合、フロントエンドモーターは動力を吸収せず、バッテリー残量を補充する必要がある場合、フロントエンドモーターはエンジンから出力された動力の一部を受け取り、エンジンは、伝動装置の出力である動力を送り出す。
【0014】
さらに、前記伝動装置がモード5-並列接続1の場合:前記第1のクラッチはかみ合うが、第2のクラッチはかみ合わず、バッテリー残量が十分な場合、フロントエンドモーターは作動せず、バッテリー残量を補充する必要がある場合、フロントエンドモーターはエンジンから出力された動力の一部を受け取り、エンジンとリアエンドモーターは、動力を出力して、共に伝動装置の動力出力として機能する。
【0015】
さらに、前記伝動装置がモード6-並列接続2の場合:第1のクラッチはかみ合わず、第2のクラッチはかみ合い、バッテリー残量が十分な場合、フロントエンドモーターは作動せず、バッテリー残量を補充する必要がある場合、フロントエンドモーターはエンジンから出力された動力の一部を受け取り、エンジンとリアエンドモーターは、動力を出力して、共に伝動装置の動力出力として機能する。
【0016】
さらに、前記伝動装置がモード7-ブレーキ回収の場合:前記第1のクラッチ及び第2のクラッチはかみ合わず、リアエンドモーターはホイールシステムの減速ブレーキによって生成された動力を受け取る。
【0017】
さらに、前記伝動装置装置がモード8-アイドル発電の場合:前記第1のクラッチ及び第2のクラッチはかみ合わず、リアエンドモーターが作動せず、フロントエンドモーターはエンジンから出力された動力を受け取り、受け取った動力エネルギーをバッテリーに蓄える。
【発明の効果】
【0018】
本発明の有益な効果は以下のとおりである。
1、エンジン、発電機、モーターのさまざまな動力の組み合わせに対応できるだけでなく、エンジンとモーターのそれぞれの利点を十分に活用でき、従来の燃料車のような航続距離要件を満たすだけでなく、インフラストラクチャへの要件も低く、純電気自動車のような経済的要件も満たすことができる。
2、2つのクラッチおよび複合遊星歯車列は、本発明による遊星歯車列ハイブリッド車両の伝動装置に、2つのエンジン直接ギアを備えさせることができ、2つのエンジン直接ギアの利点:車載のバッテリーを時間内に充電できない、モーターシステムの故障などについての車の所有者の不安を軽減し、エンジン直接駆動モード付き、車両の速度に関係なく、エンジンは最高の効率範囲で動作でき、車両が低速の場合、変速比が大きく、低速ギアは動力性能要件を満たし、車両が高速の場合、変速比は小さく、高速ギアは経済的な要件を満たす。
3、遊星歯車列は大きな速度比の変化を変換することができ、クラッチの協力はより少ない部品で異なるパワーコンビネーションモードを実現することができ、空間構造は小型で比較的軽量であり、そのうち前端遊星歯車列は複合遊星歯車列であり、実現する構造は非常にシンプルで、部品が非常に少なく、太陽歯車2個、遊星歯車アセンブリ1個、外輪歯車1個、遊星キャリア1個だけで、全体として実現が簡単で低コストである。
4、本発明は、便利な制御、コンパクトな構造、少ない部品、クラッチおよび遊星歯車列の簡単な組み立て、部品の低コストおよび低い処理の難しさ、合理的な構造、簡単な組み立て、実現可能な多くの動作モード、および高価格性能比の利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、モード1-EV純電気レバー図である。
図2図2は、モード1-EV純電気構造概略図である。
図3図3はモード2-直列接続レバー図である。
図4図4は、モード2-直列接続の構造概略図である。
図5図5は、モード3-ダイレクトドライブ1のレバー図である。
図6図6は、モード3-ダイレクトドライブ1の構造概略図である。
図7図7は、モード4-ダイレクトドライブ2のレバー図である。
図8図8は、モード4-ダイレクトドライブ2の構造概略図である。
図9図9はモード5-並列接続1レバー図である。
図10図10は、モード5-並列接続1の構造概略図である。
図11図11はモード6-並列接続2のレバー図である。
図12図12は、モード6-並列接続2の構造概略図である。
図13図13は、モード7-ブレーキ回収のレバー図である。
図14図14は、モード7-ブレーキ回収の構造概略図である。
図15図15は、モード8-アイドル発電レバー図である。
図16図16は、モード8-アイドル発電の構造概略図である。
【符号の説明】
【0020】
ここで:11、入力軸、12、第2のクラッチインナーハブ、13、クラッチキャリア、14、出力軸、15、第1のクラッチ、16、第2のクラッチ、17、リアエンドモーター、18、フロントエンドモーター、19、ハウジング、21、第1の太陽歯車、22、第1の遊星歯車、31、第2の太陽歯車、32、第2の遊星歯車、33、第2の遊星キャリア、34、第2の外輪歯車、41、第3の太陽歯車、42、第3の遊星歯車、43、第3の遊星キャリア、44、第3の外輪歯車。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の目的、構造および機能をよりよく理解するために、本発明を添付の図面を参照して以下でさらに詳細に説明する。
【0022】
遊星歯車列ハイブリッド車両の伝動装置であって、入力軸11、第2のクラッチインナーハブ12、クラッチキャリア13、出力軸14、第1のクラッチ15、第2のクラッチ16、リアエンドモーター17、フロントエンドモーター18、前端遊星歯車列、後端遊星歯車列を含み、ここで、前端遊星歯車列は、第1の太陽歯車21、第1の遊星歯車22、第2の太陽歯車31、第2の遊星歯車32、第2の外輪歯車34、第2の遊星キャリア33を含み、後端遊星歯車列は、第3の太陽歯車41、第3の遊星歯車42、第3の外輪歯車44、第3の遊星キャリア43を含み、前端遊星歯車列では、第2の外輪歯車34が固定および拘束され、第1の遊星歯車22が第2の遊星歯車32に剛性接続され、第2の太陽歯車31は、第2の遊星キャリア33と速度比関係を形成し、第1の太陽歯車21は、第2の遊星キャリア33と速度比関係を形成し、第1の太陽歯車21は、第2の太陽歯車31と速度比関係を形成する。
【0023】
遊星歯車列ハイブリッド車両の伝動装置には、3つの動力装置があり、エンジン動力システム、リアエンドモーター17、フロントエンドモーター18である。
【0024】
前記入力軸11の一端はエンジン動力システムに接続され、入力軸11の他端は前端遊星歯車列を介してフロントエンドモーター18に接続され、及び出力軸14との間に第2のクラッチ16が取り付けられ、前記前端遊星歯車列と出力軸14との間に第1のクラッチ15が取り付けられ、前記リアエンドモーター17は、後端遊星歯車列を介して出力軸14に接続される。
【0025】
具体的には以下のとおりである。
【0026】
入力軸11の一端はエンジン動力システムに接続され、入力軸11の他端は、第2の太陽歯車31および第2のクラッチインナーハブ12の一端に接続され、第2のクラッチインナーハブ12の他端は、第2のクラッチ16に接続され、第2の遊星キャリア33の一端は、第1のクラッチ15の一端に接続され、第1のクラッチ15および第2のクラッチ16は、クラッチキャリア13の一端に共同で接続され、クラッチキャリア13の他端および第3の遊星キャリア43の一端は、共同で出力軸14に接続される。
【0027】
リアエンドモーター17は第3の太陽歯車41に接続され、第3の遊星歯車42は、第3の太陽歯車41および第3の外輪歯車44と同時に歯車噛み合い、且つ第3の遊星歯車42は、第3の遊星キャリア43に取り付けられ、第3の外輪歯車44は、ハウジング19に固定して取り付けられる。
【0028】
フロントエンドモーター18は第1の太陽歯車21に接続され、第1の太陽歯車21は、第1の遊星歯車22と歯車噛み合い、第2の遊星歯車32は、第2の太陽歯車31および第2の外輪歯車34と同時に歯車噛み合い、かつ第2の遊星歯車32および第1の遊星歯車22は、第2の遊星キャリア33に取り付けられ、第2の外輪歯車34は、ハウジング19に固定的に取り付けられる。
【0029】
第1のクラッチ15と第2のクラッチ16のさまざまな組み合わせ、エンジン、リアエンドモーター17、フロントエンドモーター18のさまざまな動作状態により、さまざまな速度比の選択とさまざまな動作モードを実現できる。
【0030】
モード1-EV純電気:第1のクラッチ15及び第2のクラッチ16はかみ合わず、エンジン及びフロントエンドモーター18は作動しておらず、リアエンドモーター17は、伝動装置の動力源として独立して動力を出力する。動力伝達経路は以下のとおりである。リアエンドモーター17は、第3の太陽歯車41に動力を伝達し、第3の太陽歯車41は、後端遊星歯車列を介して第3の遊星キャリア43に動力を伝達し、第3の遊星キャリア43は、出力軸14に動力を伝達する。
【0031】
モード2-直列接続:第1のクラッチ15、第2のクラッチ16はかみ合わず、エンジンは動力を送り出し、フロントエンドモーター18はエンジンから出力された動力を受け取り、受け取った動力をリアエンドモーター17に送るか、バッテリーに動力エネルギーを蓄え、リアエンドモーター17は動力を送り出し、リアエンドモーター17の動力はフロントエンドモーター18またはバッテリーからのである。動力伝達経路は以下のとおりである。エンジンは、第2の太陽歯車31に動力を伝達し、第2の太陽歯車31は、前端遊星歯車列を介して第1の太陽歯車21に動力を伝達し、第1の太陽歯車21は、動力をフロントエンドモーター18に伝達し、リアエンドモーター17は、第3の太陽歯車41に動力を伝達し、第3の太陽歯車41は、後端遊星歯車列を介して第3の遊星キャリア43に動力を伝達し、第3の遊星キャリア43は、出力軸14に動力を伝達する。
【0032】
モード3-ダイレクトドライブ1:第1のクラッチ15はかみ合い、第2のクラッチ16はかみ合わず、リアエンドモータ17は作動せず、バッテリー残量が十分な場合、フロントエンドモーター18は動力を吸収せず、バッテリー残量を補充する必要がある場合、フロントエンドモーター18はエンジンから出力された動力の一部を受け取り、エンジンは、伝動装置の出力である動力を送り出す。動力伝達経路は以下のとおりである。エンジンは、第2の太陽歯車31に動力を伝達し、第2の太陽歯車31は、前端遊星歯車列を介して第2の遊星キャリア33に動力を伝達し、第2の遊星キャリア33は、第1のクラッチ15、クラッチキャリア13、および出力軸14に順番に動力を伝達し、バッテリー残量を補充する必要がある場合、第2の太陽歯車31は、前端遊星歯車列を介して第1の太陽歯車21に一部の動力を伝達し、第1の太陽歯車21は、動力をフロントエンドモーター18に伝達し、且つ受け取った動力エネルギーをバッテリーに保存する。
【0033】
モード4-ダイレクトドライブ2:第1のクラッチ15はかみ合わず、第2のクラッチ16はかみ合い、リアエンドモータ17は作動せず、バッテリー残量が十分な場合、フロントエンドモーター18は動力を吸収せず、バッテリー残量を補充する必要がある場合、フロントエンドモーター18はエンジンから出力された動力の一部を受け取り、エンジンは、伝動装置の出力である動力を送り出す。動力伝達経路は以下のとおりである。エンジンは、第2の太陽歯車31に動力を伝達し、第2の太陽歯車31は、前端遊星歯車列を介して第2の遊星キャリア33に動力を伝達し、第2の遊星キャリア33は、第2のクラッチ16、クラッチキャリア13、および出力軸14に順番に動力を伝達し、バッテリー残量を補充する必要がある場合、第2の太陽歯車31は、前端遊星歯車列を介して第1の太陽歯車21に一部の動力を伝達し、第1の太陽歯車21は、動力をフロントエンドモーター18に伝達し、且つ受け取った動力エネルギーをバッテリーに保存する。
【0034】
モード5-並列接続1:第1のクラッチ15はかみ合い、第2のクラッチ16はかみ合わず、バッテリー残量が十分な場合、フロントエンドモーター18は作動せず、バッテリー残量を補充する必要がある場合、フロントエンドモーター18はエンジンから出力された動力の一部を受け取り、エンジン、リアエンドモーター17は動力を送り出し、共同に伝動装置の動力出力とする。動力伝達経路は以下のとおりである。エンジンは、第2の太陽歯車31に動力を伝達し、第2の太陽歯車31は、前端遊星歯車列を介して第2の遊星キャリア33に動力を伝達し、第2の遊星キャリア33は、第1のクラッチ15、クラッチキャリア13、および出力軸14に順番に動力を伝達し、バッテリー残量を補充する必要がある場合、第2の太陽歯車31は、前端遊星歯車列を介して第1の太陽歯車21に一部の動力を伝達し、第1の太陽歯車21は、動力をフロントエンドモーター18に伝達し、且つ受け取った動力エネルギーをバッテリーに保存するか又はリアエンドモーター17に伝達し、リアエンドモーター17は、第3の太陽歯車41に動力を伝達し、第3の太陽歯車41は、後端遊星歯車列を介して第3の遊星キャリア43に動力を伝達し、第3の遊星キャリア43は、出力軸14に動力を伝達し、出力軸14は、クラッチキャリア13および第3の遊星キャリア43からの動力出力を同時に受け取る。
【0035】
モード6-並列接続2:第1のクラッチ15はかみ合わず、第2のクラッチ16はかみ合い、バッテリー残量が十分な場合、フロントエンドモーター18は作動せず、バッテリー残量を補充する必要がある場合、フロントエンドモーター18はエンジンから出力された動力の一部を受け取り、エンジンとリアエンドモーター17は動力を送り出し、共同に伝動装置の動力出力として機能する。動力伝達経路は以下のとおりである。エンジンは、第2の太陽歯車31に動力を伝達し、第2の太陽歯車31は、前端遊星歯車列を介して第2の遊星キャリア33に動力を伝達し、第2の遊星キャリア33は、第2のクラッチ16、クラッチキャリア13、および出力軸14に順番に動力を伝達し、バッテリー残量を補充する必要がある場合、第2の太陽歯車31は、前端遊星歯車列を介して第1の太陽歯車21に一部の動力を伝達し、第1の太陽歯車21は、動力をフロントエンドモーター18に伝達し、且つ受け取った動力エネルギーをバッテリーに保存するか又はリアエンドモーター17に伝達し、リアエンドモーター17は、第3の太陽歯車41に動力を伝達し、第3の太陽歯車41は、後端遊星歯車列を介して第3の遊星キャリア43に動力を伝達し、第3の遊星キャリア43は、出力軸14に動力を伝達し、出力軸14は、クラッチキャリア13および第3の遊星キャリア43からの動力出力を同時に受け取る。
【0036】
モード7-ブレーキ回収:第1のクラッチ15、第2のクラッチ16はかみ合わず、リアエンドモーター17はホイールシステムの減速ブレーキによって生成された動力を受け取る。動力伝達経路は以下のとおりである。出力軸14は、第3の遊星キャリア43に動力を伝達し、第3の遊星キャリア43は、後端遊星歯車列を介して第3の太陽歯車41に動力を伝達し、第3の太陽歯車41は、動力をリアエンドモーター17に伝達し、且つ受け取った動力エネルギーをバッテリーに保存する。
【0037】
モード8-アイドル発電:第1のクラッチ15、第2のクラッチ16はかみ合わず、リアエンドモータ17は作動せず、フロントエンドモーター18はエンジンから出力された動力を受け取り、かつ受け取った動力エネルギーをバッテリーに蓄え、動力伝達経路は以下のとおりである。エンジンは、第2の太陽歯車31に動力を伝達し、第2の太陽歯車31は、前端遊星歯車列を介して第1の太陽歯車21に動力を伝達し、第1の太陽歯車21は、動力をフロントエンドモーター18に伝達する。
【0038】
本発明はいくつかの実施例によって説明され、当業者は、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、これらの特徴および実施例に対して様々な変更または同等の置換を行うことができることを知っていることを理解されたい。さらに、本発明の教示において、これらの特徴および実施例は、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、具体的な状況および材料に適合させるように修正され得る。したがって、本発明は、本明細書に開示される具体的な実施例によって限定されず、本出願の特許請求の範囲に含まれるすべての実施例は、本発明の保護範囲に含まれる。
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