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特開2023-38043温度調整装置、衛生用マスク、マスクブラケット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023038043
(43)【公開日】2023-03-16
(54)【発明の名称】温度調整装置、衛生用マスク、マスクブラケット
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/11 20060101AFI20230309BHJP
   G05D 23/20 20060101ALI20230309BHJP
【FI】
A41D13/11 Z
G05D23/20 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021144934
(22)【出願日】2021-09-06
(71)【出願人】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】加茂 道正
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 浩太
(72)【発明者】
【氏名】米内 慶太
(72)【発明者】
【氏名】田中 英通
(72)【発明者】
【氏名】鵜山 敬悟
(72)【発明者】
【氏名】安部井 章由
(72)【発明者】
【氏名】関 茂雄
(72)【発明者】
【氏名】新田 秀幸
【テーマコード(参考)】
5H323
【Fターム(参考)】
5H323AA40
5H323BB20
5H323CA08
5H323CB12
5H323DB11
(57)【要約】
【課題】マスクの着用者の不快さを低減する。
【解決手段】温度調整装置(10)は、衛生用マスク(2)に用いられ、少なくとも1つのペルチェ素子(12)と、少なくとも1つのファン(11)と、ファン(11)からの気流をペルチェ素子(12)の外面(122)に当てるように導くガイド(15)と、を備え、ペルチェ素子(12)の外面(122)とは反対側の内面(121)が衛生用マスク(2)の着用者側となる構成である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスクに用いられる温度調整装置であって、
少なくとも1つのペルチェ素子と、
少なくとも1つのファンと、
前記ファンからの気流を前記ペルチェ素子の一面に当てるように導くガイドと、を備え、
前記ペルチェ素子の前記一面とは反対側の面が前記マスクの着用者側となる、温度調整装置。
【請求項2】
前記ペルチェ素子の前記着用者側の面に熱伝導素材を備える、請求項1に記載の温度調整装置。
【請求項3】
前記熱伝導素材は、着用時に、着用者の顔の一部に当たる位置に配置されている、請求項2に記載の温度調整装置。
【請求項4】
前記ファンは、当該ファンの吸入側が、前記着用者側となるように配され、
前記ガイドは、前記ファンの送出側からの気流を、前記ペルチェ素子の前記一面を通り、前記マスクの外部へと導くように配されている、請求項1~3のいずれか1項に記載の温度調整装置。
【請求項5】
前記ファンの送出側からの気流を前記マスクの外部に排出する部位にフィルタを備える、請求項1~4のいずれか1項に記載の温度調整装置。
【請求項6】
前記ペルチェ素子の前記着用者側の面は、冷却面であり、前記ファンからの気流は、前記ペルチェ素子の放熱面にあたる、請求項1~5のいずれか1項に記載の温度調整装置。
【請求項7】
前記ファンおよび前記ペルチェ素子に電力を供給するバッテリを備える、請求項1~6のいずれか1項に記載の温度調整装置。
【請求項8】
前記ファンと前記ペルチェ素子とは、複数備えられている、請求項1~7のいずれか1項に記載の温度調整装置。
【請求項9】
前記ペルチェ素子の、前記ファンからの気流が当たる面にフィンを備える、請求項1~8のいずれか1項に記載の温度調整装置。
【請求項10】
衛生用マスクの着用者側の面に脱着が可能な、取付け部材を更に含む、請求項1~9のいずれか1項に記載の温度調整装置。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1項に記載の温度調整装置を備えた、衛生用マスク。
【請求項12】
請求項1~9のいずれか1項に記載の温度調整装置を備えたマスクブラケット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、衛生用マスク内の温度を調整する温度調整装置、温度調整装置を取り付けた衛生用マスクおよびマスクブラケットに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、マスクの着用が求められる場所、機会が増加している。特許文献1には、電子冷暖式マスク・フィルターが記載されている。また、特許文献2には、衣服に取り付ける温度制御装置が記載されている。また、特許文献3には、顔全体を覆う冷温マスクが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3229764号
【特許文献2】国際公開WO2020/066564号
【特許文献3】国際公開WO2019/039790号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
マスクの着用者は、暑い、蒸れる、息苦しい等の不快さを感じることがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記の課題を解決するために、本開示の一態様に係る温度調整装置は、マスクに用いられる温度調整装置であって、少なくとも1つのペルチェ素子と、少なくとも1つのファンと、前記ファンからの気流を前記ペルチェ素子の一面に当てるように導くガイドと、を備え、前記ペルチェ素子の前記一面とは反対側の面が前記マスクの着用者側となる構成である。
【0006】
前記の課題を解決するために、本開示の一態様に係る衛生用マスクは、前記温度調整装置を備える構成である。
【0007】
前記の課題を解決するために、本開示の一態様に係るマスクブラケットは、前記温度調整装置を備える構成である。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一態様によれば、マスクを着用者したときの快適性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の実施形態1に係る温度調整装置を備えたマスクブラケットの外観図である。
図2】上記マスクブラケットが衛生用マスクに取り付けられる様子を示す図である。
図3】着用者が、マスクブラケットを取り付けた衛生用マスクを着用した状態を示す図である。
図4】温度調整装置における空気の流れを示す図である。
図5】温度調整装置における空気の流れを示す図である。
図6】温度調整装置における、ペルチェ素子とフィンとの関係を示す図である。
図7】温度調整装置にフィルタが備えられた状態を示す図である。
図8】マスクブラケットに両面テープが取り付けられた状態を示す図である。
図9】本開示の実施形態2に係る温度調整装置を備えたマスクブラケットの外観図である。
図10】本開示の実施形態3に係る温度調整装置を衛生用マスクに取り付けた状態を示す図である。
図11】温度調整装置の外観を示す図である。
図12】着用者が、温度調整装置を取り付けた衛生用マスクを着用した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
〔実施形態1〕
〔概要〕
以下、本開示の一実施形態について、詳細に説明する。本実施形態に係る温度調整装置10は、マスクブラケット1に取り付けられている。マスクブラケット1は、衛生用マスク2に取り付け可能なものである。温度調整装置10が取り付けられることにより、マスク内の温度調整が可能となるとともに換気が促進される。ここで、マスク内とは衛生用マスク2のマスク着用者の顔と衛生用マスク2との間の空間を言う。温度調整装置10を備えたマスクブラケット1を取り付けた衛生用マスク2を使用することにより、マスク内を快適に保つことができるので、マスク着用者が、マスク着用時に感じる不快さを軽減することができる。また、マスクブラケット1に温度調整装置10が備えられることにより、温度調整装置10を衛生用マスク2へ装着することが容易となる。
【0011】
〔マスクブラケット1〕
まず、図1を参照して、マスクブラケット1について説明する。図1は、マスクブラケット1の外観図である。より詳細には、図1の1001はマスクブラケット1の斜視図であり、図1の1002は、マスクブラケット1を着用者が着用する側から見た図である。
本実施形態では、着用者から見て、横方向をx方向、上方向をy方向、着用者から離れる方向をz方向とする。
【0012】
図1に示すように、マスクブラケット1は、環状の外方フレーム101および外方フレーム101の内方に張り渡された内方フレーム102から成る。外方フレーム101および内方フレーム102における着用者の鼻部に対向する部分は、z方向に膨出するように湾曲して形成されている。また、外方フレーム101および内方フレーム102におけるその他の部分は、着用者の顔面の形状に沿うように湾曲して形成されている。
【0013】
また、内方フレーム102は、縦方向(y方向)の梁部とx方向の梁部とが交差するように形成されている。そして、外方フレーム101および内方フレーム102は例えば、合成樹脂により形成されている。
【0014】
マスクブラケット1の形状は一例であり、これに限られるものではない。
【0015】
〔温度調整装置10〕
温度調整装置10は、マスク内の温度を調整するものであり、マスクブラケット1の外方フレーム101および内方フレーム102の一部に取り付けられている。より詳細には、温度調整装置10は、環状の外方フレーム101のうち、最もx方向の両端部、換言すれば、使用時に横方向となる方向における両端部、および当該部分に接続した内方フレーム102に、合計2か所、取り付けられている。マスクブラケット1に取り付けられる温度調整装置10の個数は一例であり、2個に限られるものではない。温度調整装置10の個数は、1個であってもよいし、3個以上であってもよい。
【0016】
また、図1に示すように、温度調整装置10は、ファン11、2つのペルチェ素子12、金属板13、フィン14、およびガイド15を含む。2つのペルチェ素子12のうち、一方のペルチェ素子12の一面にはフィン14Aが取り付けられており、他方のペルチェ素子12の一面には、フィン14Bが取り付けられている。また、2つのペルチェ素子12の他面には、1つの金属板13が取り付けられている。フィン14A、14Bを区別する必要がないときは単にフィン14と呼ぶ。
【0017】
ファン11は、マスク内の空気を外部に送出するものである。ファン11は、吸気側が着用者側、送出側が着用者とは反対側となるように配置されている。また、ファン11の送出側にはガイド15が設けられている。
【0018】
ペルチェ素子12の2つ面のうち、金属板13が取り付けられている面が、着用者が衛生用マスク2を着用したときに着用者側となる。以降、金属板13が取り付けられている面をペルチェ素子12の内面121とも呼び、フィン14が取り付けられている面をペルチェ素子12の外面122とも呼ぶ。
【0019】
また、本実施形態では、1つの温度調整装置10に2つのペルチェ素子12が含まれているが、個数は限定されない。1つの温度調整装置10に1つのペルチェ素子12が含まれていてもよいし、3つ以上のペルチェ素子12が含まれていてもよい。
【0020】
また、ファン11からの送風による気流がペルチェ素子12の外面122およびフィン14に当たり外部に排出されるようにガイド15が設けられている。すなわち、ガイド15は、ファン11からの気流をペルチェ素子12の一面に当てるように導くということが言える。
【0021】
より詳細には、ガイド15は、2つの側壁151および背壁152で三方を囲むように形成された構造である。具体的には、ファン11の送出側と対向する位置に背壁152が設けられ、背壁152とファン11との間に2つの側壁151が設けられている。背壁152および2つの側壁151は、ファン11の送出側から、フィン14に対向する位置を通り、ペルチェ素子12の端部まで続いている。そして、背壁152、2つの側壁151、および内方フレーム102で囲まれた空間が流路となり、この流路をファン11から送出された空気が流れ、ペルチェ素子12の端部に当たる位置から外部に排出される構造である。
【0022】
また、ペルチェ素子12の内面121に接続された金属板13は、ペルチェ素子12の内面121よりも面積が大きい。そして、衛生用マスク2を着用したとき、金属板13が着用者の顔の一部、例えば、頬に当たる。このように面積の大きい金属板13が着用者の顔の一部に当たることにより、効果的に着用者に対し冷感または温感を与えることができる。金属板13は必須の構成ではない。また、熱伝導率の高い素材(熱伝導素材)であれば、着用者の顔の一部に当たる部材として金属以外の部材を使用してもよい。
【0023】
ここでは電源は図示していないが、ファン11およびペルチェ素子12には外部から電力が供給される。また、温度調整装置は、少なくとも温度を測定するセンサと、ファン11とペルチェ素子12の動作を制御する制御回路を備えてもよい。前記制御回路は、センサからの情報を利用して、ファン11とペルチェ素子12のON/OFF切替等を行うことが可能である。センサとしては温度測定以外に、湿度を測定できるものであってもよい。
【0024】
例えば、マスク内を冷却する場合、温度調整装置10は、ペルチェ素子12の内面121が冷却されるようにする。すなわち、内面121が冷却面となる。これにより、着用者に対し、冷感を与えることができる。また、この場合、ペルチェ素子の外面122は、発熱することになる。すなわち、外面122が放熱面となる。ファン11から送風される空気が、ペルチェ素子12の外面122およびフィン14に当たって外部に排出されるので、ペルチェ素子12の外面122を放熱することができる。また、ペルチェ素子12の外面122には、フィン14が取り付けられているため、ファン11から送風される空気が当たる面積を大きくすることができ、放熱効果を高めることができる。
【0025】
マスク内を温める場合は、マスク内を冷却する場合にペルチェ素子12に供給した電流の方向を反転させればよい。電流の方向の制御は、前記制御回路で行ってもよい。
【0026】
以上のように、本実施形態に係る温度調整装置10は、衛生用マスク2に用いられるものである。そして、少なくとも1つのペルチェ素子12と、少なくとも1つのファン11と、ファン11からの気流をペルチェ素子12の外面122に当てるように導くガイド15と、を備える。また、ペルチェ素子12の内面121が衛生用マスク2の着用者側となるものである。
【0027】
これにより、ペルチェ素子12の一方の面が、衛生用マスク2の着用者側となるので、着用者に対し、冷感または温感を与えることができる。これにより、着用者は、暑い場合は涼しく、寒い場合は暖かく感じることができる。また、ファン11による空気の流れが作られることにより、マスク着用者の息苦しさを軽減できる。また、空気の流れにより蒸れも軽減できる。
【0028】
また、本実施形態に係る温度調整装置10は、ペルチェ素子12の内面121に金属板13のような熱伝導素材を備える。これにより、着用者に冷感または温感を効率よく与えることができる。また、金属板13のような熱伝導素材の面積がペルチェ素子12の内面121よりも大きいので、広い範囲で、着用者に冷感または温感を与えることができる。
【0029】
また、本実施形態に係る温度調整装置10では、金属板13のような熱伝導素材は、着用時に、着用者の顔の一部に当たる位置に配置されている。これにより、着用者に冷感または温感を与えることができる。
【0030】
また、本実施形態に係る温度調整装置10では、ファン11は、吸入側が、着用者側となるように配されている。さらに、ガイド15は、ファン11の送出側からの気流を、ペルチェ素子12の外面122を通り、衛生用マスク2の外部へと導くように配されている。これにより、衛生用マスク2と着用者との間の空間の空気を外部に送ることができる。よって、当該空間の蒸れを軽減することができる。
【0031】
また、本実施形態に係る温度調整装置10では、ファン11とペルチェ素子12とは、複数備えられていてもよい。ファン11が複数備えられていれば、ペルチェ素子12を効率的に放熱することができる。また、ペルチェ素子12が複数備えられていれば、着用者に対し、効率的に冷感または温感を与えることができる。
【0032】
〔マスクブラケット1の衛生用マスク2への取付け〕
図2にマスクブラケット1を衛生用マスク2に取り付けた様子を示す。また、図3に、マスクブラケット1を取り付けた衛生用マスク2を着用者が着用した様子を示す。図2に示すように、マスクブラケット1は、衛生用マスク2の着用者側に取り付けられる。マスクブラケット1が取り付けられた衛生用マスク2を、着用者が着用した場合、図3に示すように、金属板13が着用者の顔の一部、例えば頬等に当たり、冷感または温感を感じることができる。
【0033】
また、図3に示すように、マスクブラケット1を取り付けた衛生用マスク2を着用者が着用すると、マスクブラケット1は衛生用マスク2の内部に収まり、外からはほとんど見えない状態となる。
【0034】
〔空気の流れの詳細〕
次に、図4および図5を参照して、ファン11から送出される空気の流れについて説明する。図4の1401は、マスクブラケット1を示し、図4の1402は、1401の破線で囲んだ領域IVの部分の温度調整装置10を取り外した状態を模式的に示す。1402では、金属板13は破線で示している。
【0035】
図4に示すように、ファン11の吸気側から取り入れられた空気は、ファン11の送出側から送出され、ガイド15により、ペルチェ素子12の外面122の方向に導かれる。そして、ペルチェ素子12の外面122およびフィン14に当たった空気はそのまま外部へと排出される。図4の1402に示す矢印は、ファン11に取り込まれ、送出される空気の流れを示す。
【0036】
図5を参照して、頭部側から見た流れを説明する。図5は、着用者がマスクブラケット1を着用した場合における空気の流れを着用者の頭部側から見た図である。図5に示すように、マスクブラケット1と着用者との間にある空気は、ファン11により取り込まれ、ファン11の送出側からガイド15により、ペルチェ素子12の外面122およびフィン14に当たるように導かれ、外部へと排出される。図5に示す矢印は、ファン11に取り込まれ、送出される空気の流れを示す。
【0037】
これにより、マスク内の空気が強制的に換気されることになり、マスク着用時における蒸れ等を低減することができる。
【0038】
〔フィン14の例〕
次に、図6を参照して、ペルチェ素子12の外面122に取り付けられるフィン14の例について説明する。図6の1601に示すフィン14Aのように、フィンは直方体形状であってもよいし、図6の1602に示すフィン14Bのように、フィンは棒状であってもよい。本実施形態では、直方体形状のフィン14Aが取り付けられたペルチェ素子12と、棒状のフィン14Bが取り付けられたペルチェ素子12とが併用されている。
【0039】
ファン11からの気流が当たる面である外面122にフィン14を設けることにより、ファン11から送出される空気が当たる表面積を大きくすることができ、放熱効果を高めることができる。
【0040】
〔変形例1〕
ファン11による気流が外部に排出される部位にフィルタ16が設けられていてもよい。図7を参照して説明する。図7は、温度調整装置10の排出側(排気口)にフィルタ16を備えた状態を示す図である。図7に示すように、温度調整装置10の排出側にフィルタ16を備えることにより、マスク内の微粒子などの汚染物質をマスク外に排出することを低減できる。
【0041】
〔変形例2〕
また、温度調整装置10の外方フレーム101の衛生用マスク2側に、両面テープ(取付け部材)17が貼付されていてもよい。図8に両面テープ17が貼付されている例を示す。図8に示す例では、外方フレーム101の上側および下側の衛生用マスク2側の面にそれぞれ2カ所、計4か所、両面テープ17が貼付されている。両面テープ17を貼付することにより、マスクブラケット1を衛生用マスク2に容易に取り付けることができる。また、衛生用マスク2からマスクブラケット1を取外すことも容易にできる。
【0042】
マスクブラケット1の衛生用マスク2への取り付けは、両面テープ17に限られるものではない。マスクブラケット1を衛生用マスク2に取り付けられるものではあれば、どのようなものであってもよい。例えば、マジックテープ(登録商標)、脱着が可能な糊、着脱自在の両面シート等であってもよい。
【0043】
〔実施形態2〕
本開示の他の実施形態について、以下に説明する。説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0044】
図9を参照して、本実施形態に係るマスクブラケット1’について説明する。図9は、マスクブラケット1’の外観図である。より詳細には、図9の1901はマスクブラケット1’の斜視図であり、図9の1902は、マスクブラケット1’を着用者が着用する側から見た図である。
【0045】
本実施形態において、上述した実施形態1におけるマスクブラケット1と異なるのは、マスクブラケット1’にバッテリ18が備えられている点、および、フィン14の代わりに金属メッシュ20が備えられている点である。
【0046】
図9に示すように、本実施形態では、バッテリ18は、内方フレーム102の略中央に備えられている。バッテリ18を内方フレーム102の略中央に備えることにより、マスクブラケット1のバランスを保つことができ、着用中にバランスが崩れ、着用者の顔から衛生用マスク2が右または左方向に外れてしまうおそれを低減できる。
【0047】
また、バッテリ18とペルチェ素子12およびファン11とは接続するケーブル19により接続されている。ペルチェ素子12およびファン11のそれぞれが直接バッテリ18と接続されている必要はなく、何れか一方のみに接続され、他方は当該一方と接続ケーブルにより接続されていてもよい。また、バッテリ18は制御回路(図示せず)と接続され、該制御回路がペルチェ素子12およびファン11と接続されてもよい。更に、少なくとも温度を測定するセンサ(図示せず)を備え、該センサは前記制御回路と接続し、前記制御回路は、前記センサの測定情報に基づいてペルチェ素子12およびファン11の動作を制御する構成としてもよい。
【0048】
バッテリ18を備えることにより、外部から電力を得る必要が無くなるので、外部電源との接続ケーブルは不要となる。
【0049】
また、本実施形態では、金属メッシュ20が、ペルチェ素子12の外面122に取り付けられているとともに、ファン11の吸気側にも取り付けられている。
【0050】
ペルチェ素子12の外面122に金属メッシュ20が取り付けられることにより、上述した実施形態に1におけるフィン14と同様の効果を奏することができる。
【0051】
また、金属メッシュ20をファン11の吸気側にまで設けることにより、ファン11による吸入時にも金属メッシュ20から放熱することができ、ペルチェ素子12の外面122のみに金属メッシュ20を設ける場合と比較して、放熱効果を高めることができる。
【0052】
ファン11により吸気され、送出される空気の流れは、実施形態1と同様である。すなわち、ファン11から送出された空気は、ガイド15により、ペルチェ素子12の外面122および、外面122に取り付けられた金属メッシュ20に当たり、その後、外部に排出される。実施形態1と同じく、外部への排気口にはフィルタを備えていても良い。
【0053】
以上のように、本実施形態に係る温度調整装置10は、ファン11およびペルチェ素子12に電力を供給するバッテリを備える。これにより、外部から電源をとることなく、温度調整装置を駆動させることができる。
【0054】
〔実施形態3〕
本開示の他の実施形態について、以下に説明する。説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0055】
本実施形態に係る温度調整装置10’は、上述した実施形態1、2に記載した温度調整装置10とは異なり、マスクブラケット1ではなく、衛生用マスク2に直接、取り付け可能なものである。
【0056】
図10に、温度調整装置10’が衛生用マスク2に取り付けられている様子を示す。図10に示すように、温度調整装置10’は、衛生用マスク2の上部で、着用者側に取り付けられる。ここでは、衛生用マスク2の上部に、2つの温度調整装置10’が取り付けられている。
【0057】
次に、図11を参照して温度調整装置10’の詳細について説明する。図11に示すように温度調整装置10’は、ファン11、ペルチェ素子12、フィン14、ガイド15、および取付部21を備える。
【0058】
取付部21は、温度調整装置10’を衛生用マスク2に取り付けるための部材である。本実施形態では、取付部21は、上部がU字状となった形状であり、一辺がガイド15に取り付けられている。他辺は、一辺よりも延伸した形状である。U字状の部分を衛生用マスク2の上部に引っ掛ることにより、温度調整装置10’を衛生用マスク2に取り付けられるようになっている。
【0059】
温度調整装置10’は、上述した温度調整装置10と同様に、ファン11により吸気され、送出された空気が、ガイド15により、ペルチェ素子12の外面122およびフィン14にあたり、外部への排出されるものである。
【0060】
また、ファン11により吸気された空気が、最終的に外部へ排出されるため、温度調整装置10’の排出側は、衛生用マスク2の端部近傍に配置される。図11に示す矢印は、ファン11に取り込まれ、送出される空気の流れを示す。
【0061】
図12は、温度調整装置10’を取り付けた衛生用マスク2を着用者が着用している様子を示す。このように、本実施形態に温度調整装置10’は直接衛生用マスク2に取り付けることができ、着用者は、温度調整装置10’が取り付けられた衛生用マスク2を、通常のマスクと同様に着用することができる。
【0062】
実施形態1、2と同様に、ペルチェ素子12の内面121に金属板13または熱伝導率の高い素材の板を備えた構成であってもよい。
【0063】
本開示は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【符号の説明】
【0064】
1 マスクブラケット
101 外方フレーム
102 内方フレーム
10 温度調整装置
11 ファン
12 ペルチェ素子
121 内面
122 外面
13 金属板
14 フィン
15 ガイド
16 フィルタ
17 両面テープ(取付け部材)
18 バッテリ
19 ケーブル
20 金属メッシュ
2 衛生用マスク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12