(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023039019
(43)【公開日】2023-03-20
(54)【発明の名称】情報提供装置
(51)【国際特許分類】
G01C 21/26 20060101AFI20230313BHJP
【FI】
G01C21/26 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021145949
(22)【出願日】2021-09-08
(71)【出願人】
【識別番号】000002082
【氏名又は名称】スズキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001520
【氏名又は名称】弁理士法人日誠国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】塩野 文哉
【テーマコード(参考)】
2F129
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129DD40
2F129DD46
2F129DD47
2F129DD49
2F129EE02
2F129EE52
2F129EE82
2F129EE92
2F129FF02
2F129FF60
2F129HH12
(57)【要約】
【課題】本発明は、充電スポットの利用状況や充電スポットに到着後の待ち時間の情報を精度よく提供することができる情報提供装置を提供すること。
【解決手段】充電スポット110を検出する充電スポット検出部41と、充電スポット110へ到達するまでの所要時間を算出する時間検出部42と、充電スポット110が利用されているか否かを判定する充電スポット利用判定部43と、充電スポット110を利用している他車両120の充電完了予測時間を算出する充電完了時間予測部44と、他車両120の乗員の不在時間を測定する乗員不在時間測定部45と、車両1の乗員により選択された充電スポット110が利用中の場合は、充電完了予測時間から所要時間を減算した時間を待ち時間とし、他車両120の乗員の不在時間が充電完了予測時間の所定の第1割合を超えていれば、待ち時間に所定時間を加算して待ち時間とする制御部4と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
他の電動車両の状態情報及び充電スポットの利用情報を通信により取得し、乗員に所定の情報を提供する情報提供装置であって、
少なくとも一つの前記充電スポットを検出する充電スポット検出部と、
前記充電スポットへ到達するまでの所要時間を算出する時間検出部と、
前記充電スポットが他車両に利用されているか否かを判定する充電スポット利用判定部と、
前記充電スポットを利用している他車両の充電完了時間を予測して充電完了予測時間を算出する充電完了時間予測部と、
前記充電スポットを利用している他車両の乗員の不在時間を測定する乗員不在時間測定部と、
自車両の乗員により選択された前記充電スポットが他車両に利用されていて、該他車両の前記充電完了予測時間が、自車両が該充電スポットに到達するまでの所要時間より長いときは、前記充電完了予測時間から前記所要時間を減算した時間を充電スポット到着後の待ち時間として表示させ、前記不在時間が前記充電完了予測時間の所定の第1割合を超えていれば、前記待ち時間に所定時間を加算して充電スポット到着後の待ち時間として表示させる制御部と、を備える情報提供装置。
【請求項2】
前記制御部は、自車両の乗員に選択された前記充電スポットへ向かって走行中に、該充電スポットが他車両に利用され、該他車両の前記充電完了予測時間が、前記所要時間より長いときは、前記充電完了予測時間が前記所要時間より短い前記充電スポットを表示させる請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記充電完了予測時間が前記所要時間より短い前記充電スポットが無い場合は、前記待ち時間の最も短い前記充電スポットを表示させる請求項2に記載の情報提供装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記充電スポットを利用している前記他車両の乗員の前記不在時間が前記充電完了予測時間に近い程、前記待ち時間に加算する時間を増加させる請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の情報提供装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記充電スポットを利用している前記他車両の乗員と該充電スポットとの距離が長い程、前記待ち時間に加算する時間を増加させる請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の情報提供装置。
【請求項6】
前記制御部は、自車両の乗員に選択された前記充電スポットの前記待ち時間が、前記充電完了予測時間に対し、所定の第1時間または所定の第2割合を超えた場合、該充電スポットの次に前記待ち時間が短い前記充電スポットを表示させる請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の情報提供装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記充電スポットの前記待ち時間と、該充電スポットの次に前記待ち時間が短い前記充電スポットの前記待ち時間との差が、所定の第2時間を超える場合は、情報の提供を行なわない請求項6に記載の情報提供装置。
【請求項8】
前記充電スポット利用判定部は、前記充電スポットの外部充電器が他車両に接続されている場合には、前記充電スポットが他車両に利用されていると判定し、前記充電スポットの前記外部充電器が他車両に接続されていない場合には、前記充電スポットが他車両に利用されていないと判定する請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の情報提供装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電動車両の充電を行なう充電スポットに関する情報提供装置において、自車両が目的とする充電スポットに先着される可能性のある他車両を、自車両が到着するのに必要な所要時間から選定することで、自車両に対し僅かな時間差で目的とする充電スポットに先着される可能性のある他車両の情報を提供することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような情報提供装置にあっては、充電スポットを中心とした所要時間を半径とする円の所定範囲に存在する自車両以外の電動車両を特定しているため、実際は充電スポットに立ち寄らない電動車両も特定してしまい、目的の充電スポットが他車両の居ない充電スポットであるにもかかわらず、目的とする充電スポットが変更されるおそれがあった。また、充電スポットで既に充電中の他車両を考慮していないため、充電スポット到着後に待ち時間が発生するおそれがあった。
【0005】
そこで、本発明は、充電スポットの利用状況や充電スポットに到着後の待ち時間の情報を精度よく提供することができる情報提供装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため本発明は、他の電動車両の状態情報及び充電スポットの利用情報を通信により取得し、乗員に所定の情報を提供する情報提供装置であって、少なくとも一つの前記充電スポットを検出する充電スポット検出部と、前記充電スポットへ到達するまでの所要時間を算出する時間検出部と、前記充電スポットが他車両に利用されているか否かを判定する充電スポット利用判定部と、前記充電スポットを利用している他車両の充電完了時間を予測して充電完了予測時間を算出する充電完了時間予測部と、前記充電スポットを利用している他車両の乗員の不在時間を測定する乗員不在時間測定部と、自車両の乗員により選択された前記充電スポットが他車両に利用されていて、該他車両の前記充電完了予測時間が、自車両が該充電スポットに到達するまでの所要時間より長いときは、前記充電完了予測時間から前記所要時間を減算した時間を充電スポット到着後の待ち時間として表示させ、前記不在時間が前記充電完了予測時間の所定の第1割合を超えていれば、前記待ち時間に所定時間を加算して充電スポット到着後の待ち時間として表示させる制御部と、を備えるものである。
【発明の効果】
【0007】
このように、本発明によれば、充電スポットの利用状況や充電スポットに到着後の待ち時間の情報を精度よく提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本発明の一実施例に係る情報提供装置のブロック図である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施例に係る情報提供装置の待ち時間表示処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の一実施の形態に係る情報提供装置は、他の電動車両の状態情報及び充電スポットの利用情報を通信により取得し、乗員に所定の情報を提供する情報提供装置であって、少なくとも一つの充電スポットを検出する充電スポット検出部と、充電スポットへ到達するまでの所要時間を算出する時間検出部と、充電スポットが他車両に利用されているか否かを判定する充電スポット利用判定部と、充電スポットを利用している他車両の充電完了時間を予測して充電完了予測時間を算出する充電完了時間予測部と、充電スポットを利用している他車両の乗員の不在時間を測定する乗員不在時間測定部と、自車両の乗員により選択された充電スポットが他車両に利用されていて、他車両の充電完了予測時間が、自車両が充電スポットに到達するまでの所要時間より長いときは、充電完了予測時間から所要時間を減算した時間を充電スポット到着後の待ち時間として表示させ、不在時間が充電完了予測時間の所定の第1割合を超えていれば、待ち時間に所定時間を加算して充電スポット到着後の待ち時間として表示させる制御部と、を備えるよう構成されている。
【0010】
これにより、本発明の一実施の形態に係る情報提供装置は、充電スポットの利用状況や充電スポットに到着後の待ち時間の情報を精度よく提供することができる。
【実施例0011】
以下、図面を参照して、本発明の実施例に係る情報提供装置について詳細に説明する。
図1において、本発明の一実施例に係る情報提供装置を搭載した車両1は、情報表示部2と、通信部3と、制御部4と、を含んで構成される。
【0012】
情報表示部2は、例えば、モニタ装置、ランプ、などで構成され、各種情報を運転者に提供する。
【0013】
通信部3は、車両外部のサーバ装置100や道路近辺に設置された路側通信装置などと通信して、情報を送受信する。
【0014】
制御部4は、CPU(Central Processing Unit)と、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)と、フラッシュメモリと、入力ポートと、出力ポートとを備えたコンピュータユニットによって構成されている。
【0015】
このコンピュータユニットのROMには、各種制御定数や各種マップ等とともに、当該コンピュータユニットを制御部4として機能させるためのプログラムが記憶されている。すなわち、CPUがROMに記憶されたプログラムを実行することにより、当該コンピュータユニットは、制御部4として機能する。
【0016】
制御部4の入力ポートには、上述した、通信部3等の各種センサ類が接続されている。
【0017】
一方、制御部4の出力ポートには、上述した、情報表示部2、通信部3等の各種制御対象類が接続されている。
【0018】
制御部4は、車両外部のサーバ装置100からの情報に基づいて、情報表示部2により各種情報を運転者に提供する。
【0019】
サーバ装置100は、図示しないCPUと、RAMと、ROMと、ハードディスク等の記憶装置と、入出力ポートとを備えたコンピュータユニットによって構成されている。
【0020】
サーバ装置100のハードディスク装置には、当該コンピュータユニットをサーバ装置100として機能させるためのプログラムが記憶されている。すなわち、CPUがハードディスク装置に記憶されたプログラムを実行することにより、当該コンピュータユニットは、サーバ装置100として機能する。
【0021】
サーバ装置100は、充電スポット110から受信した情報をハードディスク装置に記憶しておき、記憶した情報を情報提供装置の制御部4からの要求に応じて制御部4に送信する。
【0022】
充電スポット110は、電動車両の充電を行なう充電拠点である。充電スポット110は、通信部111と、制御部112と、を含んで構成される。
【0023】
通信部111は、有線通信、無線通信、近距離無線通信などの通信媒体を介して、サーバ装置100、他車両120、位置情報取得装置130などと通信して情報の送受信を行なう。
【0024】
通信部111は、充電中の他車両120と充電ケーブルを介して通信して、他車両120のバッテリの充電状態などの情報を取得する。
【0025】
他車両120は、乗員不在判定部121を備えており、乗員不在判定部121は、他車両120内に乗員が居るか否かを判定し、その情報を制御部112に送信する。乗員不在判定部121は、例えば、他車両120の座席に設けられた着座センサにより他車両120内に乗員が居るか否かを判定する。
【0026】
乗員が所持する位置情報取得装置130は、現在位置を取得し、その情報を制御部112に送信する。位置情報取得装置130は、例えば、他車両120の車両キーに内蔵されていたり、スマートフォンのアプリにより構成されたりする。
【0027】
制御部112は、通信部111を介して他車両120、位置情報取得装置130などから受信した状態情報を、通信部111を介してサーバ装置100に送信する。制御部112は、充電スポット110の外部充電器が他車両120に接続されているか否かの情報を、通信部111を介してサーバ装置100に送信する。
【0028】
サーバ装置100は、充電スポット110の制御部112から受信した、他車両120の充電状態や、他車両120内に乗員が居るか否かの情報や、他車両120の乗員の位置情報などの状態情報、充電スポット110の外部充電器が他車両120に接続されているか否かの利用情報をハードディスク装置に記憶しておき、記憶した情報を情報提供装置の制御部4からの要求に応じて制御部4に送信する。
【0029】
本実施例において、制御部4は、サーバ装置100から状態情報や利用情報などの情報を取得し、充電スポット110の空き状況や、充電スポット110へ到着してから充電が開始できるまでの推定の待ち時間などの情報を運転者に提供する。
【0030】
このため、制御部4は、充電スポット検出部41と、時間検出部42と、充電スポット利用判定部43と、充電完了時間予測部44と、乗員不在時間測定部45と、距離測定部46と、を備えている。
【0031】
充電スポット検出部41は、例えば、車両1の周辺の所定距離以内にある少なくとも一つの充電スポット110を検出する。充電スポット検出部41は、例えば、車両1に搭載されたナビゲーションシステムの情報から充電スポット110を検出する。充電スポット検出部41は、車両1の乗員により任意に設定された距離以内にある充電スポット110を検出するようにしてもよい。また、充電スポット検出部41は、車両1のバッテリの充電状態から車両1の走行可能距離を算出し、車両1の走行可能距離以内であり、かつ車両1の乗員により任意に設定された距離以内にある充電スポット110を検出するようにしてもよい。
【0032】
時間検出部42は、例えば、充電スポット検出部41で検出された充電スポット110へ車両1が到達するまでの所要時間を算出する。時間検出部42は、例えば、車両1に搭載されたナビゲーションシステムの情報から充電スポット110へ車両1が到達するまでの所要時間を算出する。
【0033】
充電スポット利用判定部43は、例えば、充電スポット検出部41で検出された充電スポット110が他車両120に利用されているか否かを判定する。充電スポット利用判定部43は、例えば、サーバ装置100から取得した情報により充電スポット110が他車両120に利用されているか否かを判定する。充電スポット利用判定部43は、例えば、充電スポット110の外部充電器が他車両120に接続されている場合には、充電スポット110が他車両120に利用されていると判定し、充電スポット110の外部充電器が他車両120に接続されていない場合には、充電スポット110が他車両120に利用されていないと判定する。
【0034】
充電完了時間予測部44は、例えば、充電スポット検出部41で検出された充電スポット110で、他車両120に利用されている充電スポット110での、他車両120の充電が完了するまでの時間を予測した充電完了予測時間を算出する。充電完了時間予測部44は、例えば、サーバ装置100から取得した、充電中の他車両120のバッテリの充電状態等から充電完了予測時間を算出する。また、充電スポット110の制御部112において充電完了予測時間を算出し、その情報をサーバ装置100に送信するようにしてもよい。
【0035】
乗員不在時間測定部45は、例えば、充電スポット検出部41で検出された充電スポット110で、他車両120に利用されている充電スポット110での、充電中の他車両120の乗員の不在時間を測定する。乗員不在時間測定部45は、例えば、サーバ装置100から取得した、充電中の他車両120の乗員不在判定部121の情報により充電中の他車両120の乗員の不在時間を測定する。また、充電スポット110の制御部112において充電中の他車両120の乗員の不在時間を測定し、その情報をサーバ装置100に送信するようにしてもよい。
【0036】
距離測定部46は、例えば、充電スポット検出部41で検出された充電スポット110で、他車両120に利用されている充電スポット110での、充電中の他車両120と、その乗員との距離を測定する。距離測定部46は、例えば、サーバ装置100から取得した、充電中の他車両120の乗員の所持する位置情報取得装置130の位置情報により充電中の他車両120と、その乗員との距離を測定する。また、充電スポット110の制御部112において充電中の他車両120と、その乗員との距離を測定し、その情報をサーバ装置100に送信するようにしてもよい。
【0037】
制御部4は、例えば、車両1の乗員の要求により車両1の周辺の所定距離以内にある充電スポット110を検出し、情報表示部2に表示させる。
【0038】
制御部4は、車両1の乗員の操作により選択された一つの充電スポット110への走行ルートを情報表示部2に表示させる。また、制御部4は、車両1の乗員の操作により充電スポット110の選択が変更された場合、新たな充電スポット110への走行ルートを情報表示部2に表示させる。
【0039】
制御部4は、車両1の乗員の操作により選択された一つの充電スポット110が他車両120に利用されているか否かを情報表示部2に表示させる。
【0040】
制御部4は、車両1の乗員の操作により選択された一つの充電スポット110が他車両120に利用されている場合に、他車両120の充電完了予測時間が、車両1が充電スポット110に到達するまでの所要時間より長いときは、充電完了予測時間から所要時間を減算した時間を充電スポット到着後の待ち時間として情報表示部2に表示させる。
【0041】
制御部4は、車両1の乗員の操作により選択された一つの充電スポット110が他車両120に利用されている場合に、充電中の他車両120の乗員が他車両120に乗っていないときは、乗員の不在時間が充電完了予測時間の所定の第1割合を超えていれば、充電完了予測時間から所要時間を減算した待ち時間に所定時間を加算して充電スポット到着後の待ち時間として情報表示部2に表示させる。
【0042】
制御部4は、車両1の乗員の操作により選択された一つの充電スポット110が他車両120に利用されている場合に、充電中の他車両120の乗員が他車両120に乗っていないときは、乗員の不在時間が充電完了予測時間に近い程、充電完了予測時間から所要時間を減算した待ち時間に加算する時間を増加させる。
【0043】
制御部4は、車両1の乗員の操作により選択された一つの充電スポット110が他車両120に利用されている場合に、充電中の他車両120の乗員が他車両120に乗っていないときは、乗員と充電スポット110との距離が長い程、充電完了予測時間から所要時間を減算した待ち時間に加算する時間を増加させる。
【0044】
制御部4は、車両1の乗員の操作により選択された一つの充電スポット110へ向かって走行中に、その充電スポット110が他車両120に利用され、車両1が充電スポット110に到達するまでの所要時間より他車両120の充電完了予測時間が長く、待ち時間が発生するときは、車両1が充電スポット110に到達するまでの所要時間より他車両120の充電完了予測時間が短い、待ち時間の発生しない充電スポット110を情報表示部2に表示させて乗員に報知する。
【0045】
このとき、制御部4は、待ち時間の発生しない充電スポット110が無い場合は、待ち時間の最も短い充電スポット110を情報表示部2に表示させて乗員に報知する。
【0046】
制御部4は、車両1の乗員の操作により選択された一つの充電スポット110へ向かって走行中に、その充電スポット110の待ち時間が、充電完了予測時間に対し、所定の第1時間または所定の第2割合を超えた場合、その充電スポット110の次に待ち時間が短い充電スポット110を情報表示部2に表示させて乗員に報知する。
【0047】
このとき、制御部4は、車両1の乗員の操作により選択された一つの充電スポット110の待ち時間と、その充電スポット110の次に待ち時間が短い充電スポット110の待ち時間との差が、所定の第2時間を超える場合は、乗員への報知を行なわない。
【0048】
制御部4は、車両1の乗員の操作により、報知された充電スポット110が選択された場合には、選択された充電スポット110への走行ルートを情報表示部2に表示させる。
【0049】
以上のように構成された本実施例に係る情報提供装置による待ち時間表示処理について、
図2を参照して説明する。なお、以下に説明する待ち時間表示処理は、車両1の乗員による充電スポット110の検出が要求されると実行される。
【0050】
ステップS1において、制御部4は、車両1の乗員により任意に設定された距離以内にある充電スポット110を検出する。ステップS1の処理を実行した後、制御部4は、ステップS2の処理を実行する。
【0051】
ステップS2において、制御部4は、検出された充電スポット110を情報表示部2に表示させ、一つの充電スポット110を選択させる。ステップS2の処理を実行した後、制御部4は、ステップS3の処理を実行する。
【0052】
ステップS3において、制御部4は、選択された充電スポット110への走行ルートを情報表示部2に表示させるとともに、選択された充電スポット110へ到着するまでの所要時間を算出する。ステップS3の処理を実行した後、制御部4は、ステップS4の処理を実行する。
【0053】
ステップS4において、制御部4は、選択された充電スポット110が他車両120により利用中であるか否かを判定する。
【0054】
選択された充電スポット110が利用中であると判定した場合には、制御部4は、ステップS5の処理を実行する。選択された充電スポット110が利用中でないと判定した場合には、制御部4は、待ち時間表示処理を終了する。
【0055】
ステップS5において、制御部4は、選択された充電スポット110で他車両120の充電完了時間を予測する。ステップS5の処理を実行した後、制御部4は、ステップS6の処理を実行する。
【0056】
ステップS6において、制御部4は、予測された充電完了時間が、車両1が選択された充電スポット110へ到着するまでの所要時間より長いか否かを判定する。
【0057】
予測された充電完了時間が所要時間より長いと判定した場合には、制御部4は、ステップS7の処理を実行する。予測された充電完了時間が所要時間より長くないと判定した場合には、制御部4は、待ち時間表示処理を終了する。
【0058】
ステップS7において、制御部4は、選択された充電スポット110で充電中の他車両120に乗員が乗っているか否かを判定する。
【0059】
選択された充電スポット110で充電中の他車両120に乗員が乗っていると判定した場合には、制御部4は、ステップS8の処理を実行する。選択された充電スポット110で充電中の他車両120に乗員が乗っていないと判定した場合には、制御部4は、ステップS9の処理を実行する。
【0060】
ステップS8において、制御部4は、予測された充電完了時間から所要時間を減算した時間を待ち時間として情報表示部2に表示させる。ステップS8の処理を実行した後、制御部4は、待ち時間表示処理を終了する。
【0061】
ステップS9において、制御部4は、選択された充電スポット110で充電中の他車両120の乗員の不在時間が、予測された充電完了時間の所定の割合を超えているか否かを判定する。
【0062】
乗員の不在時間が予測された充電完了時間の所定の割合を超えていると判定した場合には、制御部4は、ステップS10の処理を実行する。乗員の不在時間が予測された充電完了時間の所定の割合を超えていないと判定した場合には、制御部4は、ステップS8の処理を実行する。
【0063】
ステップS10において、制御部4は、予測された充電完了時間から所要時間を減算した時間に所定時間を加算した時間を待ち時間として情報表示部2に表示させる。ステップS10の処理を実行した後、制御部4は、待ち時間表示処理を終了する。
【0064】
このように、本実施例では、制御部4は、車両1の乗員の操作により選択された一つの充電スポット110が他車両120に利用されているか否かを判定し、充電スポット110が他車両120に利用されている場合に、他車両120の充電完了予測時間が、車両1が充電スポット110に到達するまでの所要時間より長いときは、充電完了予測時間から所要時間を減算した時間を充電スポット到着後の待ち時間として情報表示部2に表示させ、充電中の他車両120の乗員が他車両120に乗っていないときは、乗員の不在時間が充電完了予測時間の所定の第1割合を超えていれば、充電完了予測時間から所要時間を減算した待ち時間に所定時間を加算して充電スポット到着後の待ち時間として情報表示部2に表示させる。
【0065】
これにより、充電スポット110からの情報により、実際に充電している他車両120の有無を判定しているため、他車両120が充電スポット110にいるかどうかを確実に判定することができる。
【0066】
また、他車両120の充電完了予測時間が車両1の到着までの所要時間より長い場合は、待ち時間を表示することで、車両1の乗員が必要に応じて向かう充電スポット110を変更することが可能となり、充電スポット110に到着後の待ち時間が発生することを抑制させることができる。
【0067】
さらに、充電完了予測時間が短く、充電中の他車両120に乗員が乗っていない時間が充電完了予測時間の所定の第1割合を超えている場合、例えば充電完了予測時間が10分に対し不在時間が8分のような場合、他車両120の乗員がトイレ等で長時間車両を離れていることが予想されるため、待ち時間に所定時間を加算して表示する。
【0068】
また、待ち時間の加算条件を充電完了予測時間に対する割合にすることで、充電完了予測時間が長い場合には、長時間車両を離れていても充電完了前に乗員が戻ってくる可能性が高いため、必要以上に待ち時間を加算してしまうことを抑制することができ、より正確な待ち時間を提供することができる。
【0069】
また、制御部4は、車両1の乗員の操作により選択された一つの充電スポット110へ向かって走行中に、その充電スポット110の待ち時間が、充電完了予測時間に対し、所定の第1時間または所定の第2割合を超えた場合、その充電スポット110の次に待ち時間が短い充電スポット110を情報表示部2に表示させて乗員に報知する。
【0070】
これにより、まだ利用されていない充電スポット110に向かう際、向かっている途中に充電スポット110が他車両120に利用され、待ち時間が発生する場合には、待ち時間が発生しない充電スポット110を乗員に提供することができ、充電スポット110到着後の待ち時間が発生することを抑制することができる。
【0071】
また、制御部4は、待ち時間の発生しない充電スポット110が無い場合は、待ち時間の最も短い充電スポット110を情報表示部2に表示させて乗員に報知する。
【0072】
これにより、待ち時間の発生しない充電スポット110が無い場合は、最も待ち時間が短い充電スポット110を乗員に提供することで、充電スポット110到着後の待ち時間が発生することを抑制することができる。
【0073】
また、制御部4は、車両1の乗員の操作により選択された一つの充電スポット110が他車両120に利用されている場合に、充電中の他車両120の乗員が他車両120に乗っていないときは、乗員の不在時間が充電完了予測時間に近い程、充電完了予測時間から所要時間を減算した待ち時間に加算する時間を増加させる。
【0074】
充電中の他車両120の乗員の不在時間が充電完了予測時間に近い程、乗員の不在時間が充電完了予測時間を超過する可能性が高い。そのため、その場合は待ち時間を長めに加算する。
【0075】
また、乗員の不在時間が充電完了予測時間を超過した場合、超過した時間が長くなるほど、待ち時間に加算される時間が短くなる。これにより、待ち時間に時間が加算されて延長された後に乗員が戻り、充電スポット110が空いた場合、待ち時間が突然大幅に減少することで、車両1の乗員が違和感を覚えることを抑制しつつ、表示された待ち時間と実際の待ち時間との乖離が大きくなることを抑制することができる。
【0076】
また、制御部4は、車両1の乗員の操作により選択された一つの充電スポット110が他車両120に利用されている場合に、充電中の他車両120の乗員が他車両120に乗っていないときは、乗員と充電スポット110との距離が長い程、充電完了予測時間から所要時間を減算した待ち時間に加算する時間を増加させる。
【0077】
充電中の他車両120の乗員が、他車両120より遠い位置に居るほど車両に戻るまでの時間が長くなる。このため、車両に戻る時間も加味して待ち時間を設定できるようになり、精度よく待ち時間を設定できる。
【0078】
また、制御部4は、車両1の乗員の操作により選択された一つの充電スポット110へ向かって走行中に、その充電スポット110の待ち時間が、充電完了予測時間に対し、所定の第1時間または所定の第2割合を超えた場合、その充電スポット110の次に待ち時間が短い充電スポット110を情報表示部2に表示させて乗員に報知する。
【0079】
待ち時間が充電完了予測時間に対し大幅に長くなる場合は、乗員が直ぐに戻ってくる可能性が低いため、仮に充電スポット110に到着しても更なる待ち時間が発生し、その充電スポット110の次に待ち時間が短い充電スポット110よりも長い待ち時間が発生するおそれがある。そのため、そのような場合は、その充電スポット110の次に待ち時間が短い充電スポット110を提供することで、更なる待ち時間が発生することを抑制することができる。
【0080】
また、制御部4は、車両1の乗員の操作により選択された一つの充電スポット110へ向かって走行中に、その充電スポット110の待ち時間が、充電完了予測時間に対し、所定の第1時間または所定の第2割合を超えた場合、その充電スポット110の待ち時間と、その充電スポット110の次に待ち時間が短い充電スポット110の待ち時間との差が、所定の第2時間を超える場合は、乗員への報知を行なわない。
【0081】
その充電スポット110での待ち時間が想定より長くなる場合であっても、次に待ち時間の短い充電スポット110での待ち時間が長くなりすぎる場合は、その充電スポット110で待つほうが待ち時間が短くなる可能性が高いため、その充電スポット110へのルート案内を維持する。
【0082】
また、充電スポット利用判定部43は、充電スポット110の外部充電器が他車両120に接続されている場合には、充電スポット110が他車両120に利用されていると判定し、充電スポット110の外部充電器が他車両120に接続されていない場合には、充電スポット110が他車両120に利用されていないと判定する。
【0083】
充電スポット110の外部充電器との接続の有無により他車両120が充電スポット110を利用しているかを判定しているため、他車両120が充電スポット110を利用しているか否かを確実に判定することができる。
【0084】
本実施例では、サーバ装置100から取得した情報に基づき制御部4が各種の判定や算出を行なう例について説明したが、これに限らず、サーバ装置100や充電スポット110の情報に基づき車外装置によって各種の判定や算出が行なわれ、その判定結果や算出結果を通信部3で受信して、その受信した判定結果や算出結果を用いて各種制御を行なってもよい。
【0085】
本発明の実施例を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正及び等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。