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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023039575
(43)【公開日】2023-03-22
(54)【発明の名称】車載機器の取付構造
(51)【国際特許分類】
   B60R 11/04 20060101AFI20230314BHJP
【FI】
B60R11/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021146755
(22)【出願日】2021-09-09
(71)【出願人】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(74)【代理人】
【識別番号】100117662
【弁理士】
【氏名又は名称】竹下 明男
(74)【代理人】
【識別番号】100103229
【弁理士】
【氏名又は名称】福市 朋弘
(72)【発明者】
【氏名】大野 真実
(72)【発明者】
【氏名】曽根 康介
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 辰海
(72)【発明者】
【氏名】志田 友香
【テーマコード(参考)】
3D020
【Fターム(参考)】
3D020BA04
3D020BA20
3D020BB01
3D020BC04
3D020BD01
3D020BD02
3D020BD11
(57)【要約】
【課題】車両への機器の後付けを容易にする技術を提供することを目的とする。
【解決手段】車載機器の取付構造20は、車両10に設けられた後付機器取付部30と、前記後付機器取付部30に取付けられた中間ベース板40と、前記中間ベース板40に取付けられた後付機器50と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に設けられた後付機器取付部と、
前記後付機器取付部に取付けられた中間ベース板と、
前記中間ベース板に取付けられた後付機器と、
を備える、車載機器の取付構造。
【請求項2】
請求項1に記載の車載機器の取付構造であって、
前記後付機器取付部は、前記中間ベース板の一方側方を支持する第1レールと、前記中間ベース板の他方側方を支持する第2レールとを含む、車載機器の取付構造。
【請求項3】
請求項2に記載の車載機器の取付構造であって、
前記第1レールが前記第2レールよりも長い、車載機器の取付構造。
【請求項4】
請求項2又は請求項3に記載の車載機器の取付構造であって、
前記後付機器取付部は、前記第1レール及び前記第2レールの長手方向に沿って間隔をあけた複数箇所に設けられた複数のベース板取付部を含み、
前記中間ベース板は、前記複数のベース板取付部のうち任意のベース板取付部に取付けられている、車載機器の取付構造。
【請求項5】
請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の車載機器の取付構造であって、
前記第1レール及び前記第2レールの並ぶ方向において、前記中間ベース板は、前記第1レール及び前記第2レールの間隔よりも長い、車載機器の取付構造。
【請求項6】
請求項2から請求項5のいずれか1項に記載の車載機器の取付構造であって、
前記第1レール及び前記第2レールは、前記車両の幅方向に並び、前記車両の前後方向に延びる、車載機器の取付構造。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の車載機器の取付構造であって、
水平方向から着脱操作を受け付ける姿勢で前記中間ベース板を前記後付機器取付部に取付けている取付部材を備える、車載機器の取付構造。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の車載機器の取付構造であって、
前記中間ベース板は、ベース板本体と、前記ベース板本体に設けられた複数の機器取付部とを含み、
前記後付機器は、前記複数の機器取付部のうち任意の機器取付部に取付けられる、車載機器の取付構造。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の車載機器の取付構造であって、
前記後付機器取付部は、前記車両のルーフに設けられている、車載機器の取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車載機器の取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、車両の天井とルーフライナとの間に配置されるワイヤハーネス組付体を開示している。特許文献1に記載のワイヤハーネス組付体において、天井に配置される機器用のワイヤハーネスが、防音材と保護材との間に配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-90229号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車両において、機器が容易に後付けできることが望まれている。
【0005】
そこで、車両への機器の後付けを容易にする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の車載機器の取付構造は、車両に設けられた後付機器取付部と、前記後付機器取付部に取付けられた中間ベース板と、前記中間ベース板に取付けられた後付機器と、を備える、車載機器の取付構造である。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、車両への機器の後付けが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は車載機器の取付構造が組込まれる車両の一例を示す概略斜視図である。
図2図2は車両において車載機器の取付構造が組込まれる位置を示す図である。
図3図3は実施形態1にかかる車載機器の取付構造を示す概略斜視図である。
図4図4は実施形態1にかかる車載機器の取付構造を示す概略底面図である。
図5図5は実施形態1にかかる車載機器の取付構造を示す概略正面図である。
図6図6は車載機器の取付構造の分解斜視図である。
図7図7は中間ベース板及び後付機器の分解底面図である。
図8図8は後付機器の後付け方法を示す図である。
図9図9は実施形態2にかかる車載機器の取付構造を示す概略正面図である。
図10図10は実施形態3にかかる車載機器の取付構造を示す概略正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
【0010】
本開示の車載機器の取付構造は、次の通りである。
【0011】
(1)車両に設けられた後付機器取付部と、前記後付機器取付部に取付けられた中間ベース板と、前記中間ベース板に取付けられた後付機器と、を備える、車載機器の取付構造である。このように構成された車載機器の取付構造によると、後付機器は、中間ベース板を介して車両に取付けられる。中間ベース板と後付機器取付部との取付構造は共通化されて、中間ベース板に後付機器にあわせた取付構造が採用されることによって、車両に各種後付機器に応じた取付構造を設けておく必要が無く、各種機器を容易に後付けできる。
【0012】
(2)(1)の車載機器の取付構造において、前記後付機器取付部は、前記中間ベース板の一方側方を支持する第1レールと、前記中間ベース板の他方側方を支持する第2レールとを含んでもよい。これにより、中間ベース板が取付位置まで第1レール及び第2レールに沿ってスライド移動できる。
【0013】
(3)(2)の車載機器の取付構造において、前記第1レールが前記第2レールよりも長くてもよい。これにより、中間ベース板が第1レール及び第2レールに支持される際、中間ベース板の一方側方が第1レールのうち第2レールよりもはみ出た箇所に支持された状態で、中間ベース板がスライド移動されて、中間ベース板の他方側方も第2レールに支持されることができる。これにより、第1レール及び第2レールへ中間ベース板を支持させる作業が容易となる。
【0014】
(4)(2)又は(3)の車載機器の取付構造において、前記後付機器取付部は、前記第1レール及び前記第2レールの長手方向に沿って間隔をあけた複数箇所に設けられた複数のベース板取付部を含み、前記中間ベース板は、前記複数のベース板取付部のうち任意のベース板取付部に取付けられていてもよい。これにより、第1レール及び第2レールの長手方向における中間ベース板の取付位置の自由度が高くなる。
【0015】
(5)(2)から(4)のいずれか1つの車載機器の取付構造において、前記第1レール及び前記第2レールの並ぶ方向において、前記中間ベース板は、前記第1レール及び前記第2レールの間隔よりも長くてもよい。これにより、第1レール及び第2レールの並ぶ方向において、後付機器の取付位置の自由度が高くなる。
【0016】
(6)(2)から(5)のいずれか1つの車載機器の取付構造において、前記第1レール及び前記第2レールは、前記車両の幅方向に並び、前記車両の前後方向に延びてもよい。これにより、中間ベース板の主面が水平方向に広がるように、中間ベース板が第1レール及び第2レールに支持されることができる。
【0017】
(7)(1)から(6)のいずれか1つの車載機器の取付構造において、水平方向から着脱操作を受け付ける姿勢で前記中間ベース板を前記後付機器取付部に取付けている取付部材を備えてもよい。これにより、取付部材の着脱操作を水平方向から行うことができる。
【0018】
(8)(1)から(7)のいずれか1つの車載機器の取付構造において、前記中間ベース板は、ベース板本体と、前記ベース板本体に設けられた複数の機器取付部とを含み、前記後付機器は、前記複数の機器取付部のうち任意の機器取付部に取付けられてもよい。これにより、中間ベース板に対する後付機器の取付位置の自由度が高まる。
【0019】
(9)(1)から(8)のいずれか1つの車載機器の取付構造において、前記後付機器取付部は、前記車両のルーフに設けられていてもよい。これにより、ルーフへの機器の後付けが容易となる。
【0020】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の車載機器の取付構造の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0021】
[実施形態1]
以下、実施形態1にかかる車載機器の取付構造について説明する。
【0022】
<車載機器の取付構造が組込まれる車両について>
図1は車載機器の取付構造が組込まれる車両10の一例を示す概略斜視図である。車両10は、ボディ12を備える。ボディ12は、車両10の外形をなす部分である。ボディ12は、モノコックボディであってもよいし、ラダーフレーム上に搭載されるボディであってもよい。ここでは、ボディ12は、車室を囲む側方パネル、ルーフパネル13、さらには、乗員が乗り降りするための乗降用ドアパネル、荷物を出し入れするためのリアドアパネル等を含む。ボディ12のうち車室の上方を覆う板状の部分がルーフパネル13である。つまり、ルーフパネル13は、車両10の屋根部分11を形成する。ルーフパネル13は、ボディ12の外観形状を形作るべく一部又は全体的に湾曲していてもよい。ルーフパネル13は、金属で形成されてもよいし、樹脂で形成されてもよい。ルーフパネル13は、金属と樹脂との組合せによって構成されていてもよい。
【0023】
図2は車両10において車載機器の取付構造20が組込まれる位置を示す図である。図2は車両10の側方から観察された概略図である。図2には、互いに直交するX方向、Y方向及びZ方向が示されている。本開示において、X方向が車両10の幅方向とされ、Y方向が車両10の前後方向とされ、Z方向が鉛直方向とされるものとする。
【0024】
車載機器の取付構造20は、車両10において外観をなすボディ12と内観をなす内装部材16との間の配置空間に配置される。内装部材16は、樹脂等で形成された板状部材である。内装部材16は、車室内に露出する部分である。内装部材16は、一部又は全体的に湾曲していてもよい。
【0025】
車載機器の取付構造20における後付機器50が、自身の機能を果たすために車室に露出する必要がある場合、内装部材16には、後付機器50に対応する位置に後付機器50を通すための挿通孔が形成されるとよい。車載機器の取付構造20において、車室内に露出する必要がある機器以外の部分は、内装部材16によって、車室内から隠されている。
【0026】
本実施形態では、車載機器の取付構造20が、ルーフパネル13を含む屋根部分11に組込まれる例が説明される。屋根部分11における内装部材16は、ルーフパネル13に対して下側に取付けられる。屋根部分11における内装部材16は、車室内の天井形状を形作る部分である。屋根部分11における内装部材16は、ルーフライナ(roof liner)16と呼ばれることもある。
【0027】
<車載機器の取付構造>
図3は実施形態1にかかる車載機器の取付構造20を示す概略斜視図である。図4は実施形態1にかかる車載機器の取付構造20を示す概略底面図である。図5は実施形態1にかかる車載機器の取付構造20を示す概略正面図である。図6は車載機器の取付構造20の分解斜視図である。図7は中間ベース板40及び後付機器50の分解底面図である。
【0028】
車載機器の取付構造20は、後付機器取付部30と中間ベース板40と後付機器50とを備える。後付機器取付部30は、車両10に設けられている。中間ベース板40は、後付機器取付部30に取付けられている。後付機器50は、中間ベース板40に取付けられている。後付機器50は、中間ベース板40を介して後付機器取付部30に取付けられている。車載機器の取付構造20は、取付部材70をさらに備える。取付部材70は、中間ベース板40を後付機器取付部30に取付けている。ここでは取付部材70は、ねじ70である。取付部材70は、クランプ(クリップ)などであってもよい。
【0029】
車載機器の取付構造20が、ルーフパネル13を含む屋根部分11に組込まれる場合、後付機器取付部30は、ルーフパネル13と、ルーフライナ16との間のルーフ内空間に配置される。後付機器取付部30は、ルーフパネル13に設けられる。後付機器取付部30は、ルーフ内空間において、ルーフパネル13以外の箇所に設けられてもよい。
【0030】
後付機器取付部30は、中間ベース板40をスライド移動可能に支持する。後付機器取付部30は、少なくとも1本のレール31を含む。レール31は支持部32と連結部33とを有する。支持部32は、中間ベース板40を支持する。支持部32は、ルーフパネル13と間隔をあけて設けられる。連結部33は、支持部32からルーフパネル13に向けて延びる。連結部33の先端部がルーフパネル13に固定される。例えば、レール31の一端部及び他端部において、連結部33の先端部にボディ固定部34が設けられる。ボディ固定部34は、ルーフパネル13に沿って平面状に広がる。ボディ固定部34がルーフパネル13の内面に溶接されて、レール31がルーフパネル13に固定される。
【0031】
車両10において、ルーフパネル13の内面(下向き面)には、ルーフパネル13を横断するように補強材14(ルーフリンホース又はルーフ用ステイ等などとも呼ばれる)が設けられることがある。レール31は、補強材14と交差してもよいし、交差していなくてもよい。いずれの場合でも、ボディ固定部34は、補強材14を避けた位置においてルーフパネル13に固定されているとよい。レール31が補強材14と交差する場合、支持部32が補強材14よりも下方に位置してもよい。例えば、連結部33のうちボディ固定部34の間の部分に補強材14を通す孔があいていてもよい。
【0032】
中間ベース板40は、レール31に対してレール31の側方から支持されることが可能である。中間ベース板40は、レール31の側方から支持部32とルーフパネル13との間に差し込まれて、支持部32に支持される。中間ベース板40は、レール31に支持された後に、レール31の延在方向に沿ってスライド移動可能である。
【0033】
後付機器取付部30は、2本のレール31を含む。2本のレール31の一方が第1レール31Aとされ、他方が第2レール31Bとされる。第1レール31Aは、中間ベース板40の一方側方を支持する。第2レール31Bは、中間ベース板40の他方側方を支持する。第1レール31A及び第2レール31Bは、自身の支持部32を相手のレール31側に向けた姿勢で、ルーフパネル13に固定されている。
【0034】
第1レール31A及び第2レール31Bは、車両10の幅方向に並ぶ。第1レール31A及び第2レール31Bは、車両10の前後方向に延びる。第1レール31Aと第2レール31Bとの間隔寸法、第1レール31Aの長さ寸法及び第2レール31Bの長さ寸法等は、第1レール31A及び第2レール31Bが車両10に配置可能な寸法の範囲内で適宜設定可能である。車両10の幅方向に沿った第1レール31A及び第2レール31Bの間隔は、例えば、車両10の幅方向に沿ったルーフパネル13の幅寸法以下である。車両10の前後方向に沿った第1レール31A及び第2レール31Bの長さ寸法は、例えば、車両10の前後方向に沿ったルーフパネル13の長さ寸法以下である。
【0035】
車両10において座席17が前後方向に複数列、設けられる場合、1組の第1レール31A及び第2レール31Bが、いずれか1つの列の座席17に対応する位置のみに設けられてもよい。複数列の座席17それぞれに別個に第1レール31A及び第2レール31Bが設けられるように、複数組の第1レール31A及び第2レール31Bが設けられてもよい。1組の第1レール31A及び第2レール31Bが、複数列の座席17に及ぶ範囲に設けられてもよい。
【0036】
第1レール31Aは第2レール31Bよりも長い。このため第1レール31Aは、第2レール31Bよりも長手方向に突出する突出部分35を有する。突出部分35の長さ寸法は、例えば、突出部分35に中間ベース板40を仮支持状態とすることができる長さ寸法である。ここで、仮支持状態とは、中間ベース板40の一部が突出部分35に支持された状態で、作業者が、中間ベース板40の他の一部を支持しつつ、第1レール31Aに沿って中間ベース板40をスライド移動可能な状態である。中間ベース板40が仮支持状態からスライド移動されて、中間ベース板40の他の一部が第2レール31Bに支持される。例えば、突出部分35の長さ寸法は、第1レール31Aの長手方向に沿った中間ベース板40の長さ寸法の4分の1以上の長さであってもよく、半分以上の長さであってもよい。また例えば、突出部分35の長さ寸法は、第1レール31Aの長手方向に沿った中間ベース板40の長さ寸法と同じそれよりも長くてもよい。
【0037】
後付機器取付部30は、ベース板取付部36を含む。本例では、ベース板取付部36として、ベース板取付孔36が設けられている。ベース板取付孔36は、第1レール31A及び第2レール31Bのそれぞれに形成されている。本例では、ベース板取付孔36は、支持部32に形成されている。ベース板取付孔36は、レール31を鉛直方向に貫通する。
【0038】
ベース板取付孔36は、第1レール31Aに複数形成されている。ベース板取付孔36は、第2レール31Bにも複数形成されている。複数のベース板取付孔36は、第1レール31A及び第2レール31Bそれぞれの長手方向に沿って間隔をあけて設けられている。中間ベース板40は、複数のベース板取付孔36のうち任意のベース板取付孔36に取付けられている。
【0039】
中間ベース板40は、ベース板本体41を含む。ベース板本体41は金属又は樹脂製である。ベース板本体41は、後付機器50を吊り下げ支持可能な剛性部材である。ベース板本体41は長方形平板状である。本例のベース板本体41は車両10の前後方向よりも車両10の幅方向に長い。ベース板本体41は車両10の幅方向よりも車両10の前後方向に長くてもよい。ベース板本体41は車両10の幅方向及び前後方向に同じ長さの正方形平板状であってもよい。
【0040】
ベース板本体41の下向き面に後付機器50が取付けられている。ベース板本体41の上向き面に後付機器50が取付けられてもよい。ベース板本体41の下向き面及び上向き面は平坦面である。ベース板本体41の下向き面及び上向き面の少なくとも一方には、ベース板本体41の剛性を高めるための補強リブが形成されていてもよい。例えば、機器取付面(ここでは下向き面)のうち機器取付孔42の開口を除く部分が平坦面とされ、機器取付面とは反対側の面(ここでは上向き面)に補強リブが形成されていてもよい。補強リブは、複数形成されていてもよい。複数の補強リブとして、例えば、X方向に延びる補強リブとY方向に延びる補強リブとが格子状に配置されていてもよい。補強リブに囲まれる部分に、機器取付孔42が形成されていてもよい。
【0041】
中間ベース板40には、取付部材70の取付部として、ねじ孔43が形成されている。ねじ70がベース板取付孔36及びねじ孔43に締められることによって中間ベース板40がレール31に固定される。ねじ孔43は、例えば、ベース板本体41の四隅に形成される。車両10の幅方向に並ぶ2つのねじ孔43の間隔は、第1レール31Aのベース板取付孔36と、第2レール31Bのベース板取付孔36との間隔と同じである。車両10の前後方向に並ぶ2つのねじ孔43の間隔は、各レール31において隣り合うベース板取付孔36の間隔の整数倍である。
【0042】
中間ベース板40は、機器取付部42を含む。本例では、機器取付部42として、機器取付孔42が設けられている。機器取付孔42は、ベース板本体41に形成されている。機器取付孔42は、ベース板本体41を鉛直方向に貫通する。機器取付孔42はベース板本体41に複数形成されている。複数の機器取付孔42は、ベース板本体41に対して格子点状に分布する。後付機器50は、複数の機器取付孔42のうち任意の機器取付孔42に取付けられる。
【0043】
後付機器50は、特に限定されるものではなく、適宜設定可能である。例えば、後付機器50は、生体認証機器であってもよい。また、例えば、後付機器50は、車室内を写すカメラであってもよい。この場合、内装部材16にはカメラを貫通させる孔が形成される。生体認証機器が顔認証システムを採用する場合、当該カメラが、乗員の顔を写してもよい。また例えば、後付機器50は、スピーカ、モニタなどであってもよい。また例えば、後付機器50は、車両10よりも後発の機器であってもよい。
【0044】
後付機器50A、50Bの筐体51には、複数のねじ孔52が形成されている。複数のねじ孔52は、機器取付孔42に対応する間隔に形成されている。ねじ孔52及び機器取付孔42にねじが締められることによって、後付機器50が中間ベース板40に固定される。
【0045】
後付機器50が複数の機器取付孔42のうち任意の機器取付孔42に取付けられ、中間ベース板が複数のベース板取付孔36のうち任意のベース板取付孔36に取付けられる。これにより、車両10の幅方向及び前後方向において、後付機器50の取付位置として選択可能な位置が多くなる。このため、後付機器50が、車両10において適切な取付位置に取付けられることが容易となる。
【0046】
後付機器50Cは、ブラケット53を介してベース板本体41に取付けられている。ブラケット53には、後付機器50Cに対応するねじ孔54と、機器取付孔42に対応するねじ孔55とが形成されている。後付機器50Cの筐体51に備わるねじ孔52と、ブラケット53のねじ孔54とにねじが締められることによって、後付機器50Cがブラケット53に固定される。また、機器取付孔42とブラケット53のねじ孔55とにねじが締められることによって、ブラケット53が中間ベース板40に固定される。これにより、後付機器50Cの筐体51に備わるねじ孔52が機器取付孔42に対応しない場合でも、後付機器50Cがブラケット53を介して中間ベース板40に取付けられることができる。
【0047】
後付機器50には伝送部材60が接続される。伝送部材60は、電気又は光等を伝送する部材であり、少なくとも一端部が後付機器50に接続される配線経路に沿って設けられる部材である。例えば、伝送部材60は、芯線と芯線の周囲の被覆とを有する一般電線であってもよいし、裸導線、シールド線、電気ケーブル、エナメル線、ニクロム線、同軸線、光ファイバ等であってもよい。つまり、伝送部材60は、電気を伝送する線状の部材であってもよい。電気を伝送する線状の部材としては、各種信号線、各種電力線であってもよい。また、電気を伝送する線状の伝送部材60は、単一の線状物であってもよいし、複数の線状物の複合物(ツイスト線、複数の線状物を集合させてこれをシースで覆ったケーブル等)であってもよい。伝送部材60は、シート状部材に対する導電性塗料の塗布、銅箔に対するエッチング等によって形成されてもよい。ここで、伝送部材60が一般電線であることを想定した説明がなされる。
【0048】
伝送部材60の一端部と後付機器50との接続は、コネクタを介して行われてもよい。伝送部材60が後付機器50内に直接導入され、後付機器50内の電気要素に直接に接続されていてもよい。伝送部材60の他端部は、後付機器50とは別の機器(例えば、電子制御ユニット又は電源等)に向けて延びる。伝送部材60のうち後付機器50から延び出た部分が中間ベース板40に保持される。伝送部材60のうち中間ベース板40に保持される部分よりも他端部側の部分は、ピラー15等に引出され、車両10において屋根部分11よりも下方の機器に接続されてもよい。図2に示す例では、ピラー15に沿って延びる伝送部材60が1本であるが、複数本であってもよい。
【0049】
後付機器50が追加される場合、伝送部材60も追加されてもよい。ルーフ内空間に電力の供給及び信号の中継を行う機器が配置され、当該機器に後付機器50の伝送部材60が接続されてもよい。後付機器50の伝送部材60がルーフ内空間よりも外側に延び出てもよい。
【0050】
中間ベース板40は、伝送部材保持部44を含む。伝送部材保持部44は、伝送部材60を保持する。伝送部材保持部44は、例えば、底部及び側壁部を有する樋状に形成される。伝送部材保持部44の開口部がベース板本体41に塞がれて、伝送部材保持部44及びベース板本体41の間に、伝送部材60が通る通路が形成される。側壁部には、伝送部材60を通す開口部が形成されていてもよい。伝送部材保持部44は、ベース板本体41の両側縁部に設けられる。伝送部材保持部44は、ベース板本体41の一方の側縁部にのみ設けられてもよい。
【0051】
伝送部材保持部44は、ベース板本体41に対して着脱可能に取付けられる。例えば、ベース板本体41が係止部を有し、伝送部材保持部44が相手側係止部を有する。係止部及び相手側係止部が、着脱可能に係止する。
【0052】
伝送部材60のうち中間ベース板40からピラー15に向けて延びる部分は、内装部材16に支持されてもよいし、ルーフパネル13に支持されてもよい。
【0053】
本例では、1組のレール31に複数の中間ベース板40が支持されている。1組のレール31に支持される中間ベース板40は、1つのみであってもよい。ピラー15に沿って延びる伝送部材60が第1の中間ベース板40の後付機器50に接続される。第2の中間ベース板40の後付機器50が、別の伝送部材60を介して第1の中間ベース板40の後付機器50に接続される。
【0054】
<後付機器50の後付け方法>
後付機器50の後付け方法について、図1から図7に加えて、図8をさらに参照しつつ説明する。図8は後付機器50の後付け方法を示す図である。
【0055】
後付機器50の後付け方法は、車両10の完成後に、後付機器50を後付けする方法である。レール31は予め車両10に設けられる。レール31には、後付機器50よりも先に取付けられた中間ベース板40及び機器が設けられていてもよいし、設けられていなくてもよい。
【0056】
車両10が通常使用される状態で、レール31は、ボディ12と内装部材16との間に隠される。車両10の完成後に、後付機器50を後付けする場合、まず、内装部材16の一部又は全部を外してレール31を露出させる必要がある。例えば、ルーフにおいて後付機器50を後付けする場合、図8に示すように、ルーフライナ16を下げて座席17のシートバックの上に支持させる。この状態で、ルーフライナ16とルーフパネル13との間の隙間を通じて、レール31に対する後付機器50の後付け作業を行う。
【0057】
レール31に対する後付け作業は、新規に取付ける後付機器50が取付けられた中間ベース板40(以下、後付機器付きベース板と称する)を、レール31に支持させて取付ける作業を含む。具体的には、作業者は、まず、ルーフライナ16とルーフパネル13との間の隙間を通じて、後付機器付きベース板を一方側方から車室内に入れる。次に、作業者は、後付機器付きベース板の他方側方を支持しつつ、一方側方を第1レール31Aの突出部分35に支持させる。このとき、レール31に対して側方から中間ベース板40の支持作業が可能であると、車室内に入れるために後付機器付きベース板を移動させる方向と、レール31に対して後付機器付きベース板を支持させるために後付機器付きベース板を移動させる方向とが一致し、後付け作業が容易となる。次に、作業者は、第1レール31Aに沿って後付機器付きベース板をスライド移動させて、第2レール31Bにも後付機器付きベース板を支持させつつ、後付機器付きベース板を取付位置までスライド移動させる。次に、作業者は、ねじ70をベース板取付孔36及びねじ孔43に締めて、後付機器付きベース板をレール31に固定する。
【0058】
内装部材16を外した直後の状態で、後付機器付きベース板の取付位置が空位であることもあり得るし、空位でないこともあり得る。後付機器付きベース板の取付位置が空位である場合、内装部材16が外された後、そのまま後付機器付きベース板が所定の取付位置に取付けられる。後付機器付きベース板の取付位置が空位でない場合、後付機器付きベース板の取付位置を空位としたうえで、後付機器付きベース板が所定の取付位置に取付けられる。後付機器付きベース板が車室外にある状態と、所定の取付位置に固定された状態との間の任意の段階で、伝送部材60が後付機器付きベース板の後付機器50に接続されてもよい。
【0059】
後付機器付きベース板の取付位置が空位である場合としては、内装部材16を外すことによって現れるレール31に中間ベース板40(以下、先付機器付きベース板と称する)が取付けられていない場合が考えられる。このほか、内装部材16を外すことによって現れるレール31に既に先付機器付きベース板が取付けられている場合でも、後付機器付きベース板の取付位置が、先付機器付きベース板の取付位置と重ならない場合も、後付機器付きベース板の取付位置が空位であるとみなされる。この場合、後付機器付きベース板は、レール31の長手方向に沿って先付機器付きベース板と並ぶようにレール31に取付けられる。
【0060】
後付機器付きベース板の取付位置が空位でない場合としては、後付機器付きベース板の取付位置が、先付機器付きベース板の取付位置と重なる場合が考えられる。この場合、後付け作業は、先付機器付きベース板を外す作業をさらに含む。
【0061】
先付機器付きベース板が外される場合、作業者は、まず、ねじ70を外して、先付機器付きベース板とレール31との固定状態を解消する。次に、作業者は、先付機器付きベース板を取付位置から第1レール31A及び第2レール31Bに沿ってスライド移動させて、先付機器付きベース板が第1レール31Aの突出部分35のみに支持された状態とする。次に、作業者は、先付機器付きベース板を第1レール31Aから外して、ルーフライナ16とルーフパネル13との間の隙間を通じて、先付機器付きベース板を車室外に出す。このとき、レール31に対して側方から中間ベース板40の取り外しが可能であると、レール31から後付機器付きベース板を外すために後付機器付きベース板を移動させる方向と、車室外に出すために後付機器付きベース板を移動させる方向とが一致し、取り外し作業が容易となる。
【0062】
先付機器付きベース板が外される場合、外された先付機器付きベース板に新規の後付機器50が取付けられて後付機器付きベース板とされて、当該後付機器付きベース板が、再び、車両10に取付けられてもよい。先付機器付きベース板とは別に後付機器付きベース板が予め用意され、先付機器付きベース板に代えて後付機器付きベース板が車両10に取付けられてもよい。
【0063】
<効果等>
以上のように構成された車載機器の取付構造20によると、後付機器50は、中間ベース板40を介して車両10に取付けられる。中間ベース板40と後付機器取付部30との取付構造は共通化されて、中間ベース板40に後付機器50にあわせた取付構造が採用されることによって、車両10に各種後付機器50に応じた取付構造を設けておく必要が無く、各種機器を車両10に容易に後付けできる。
【0064】
また、車両10の完成後の後発機器には、従来の車両10の規格などに合わない新たな取付構造が採用されうる。この場合でも、中間ベース板40が後発機器の新たな取付構造に対応し、中間ベース板40と後付機器取付部30との取付構造は、従来の車両10のものが使用できることによって、新たな取付構造を有する後発機器も従来の車両10に後付け容易となる。
【0065】
また、ルーフに機器が取付けられる場合、従来、例えば、ルーフに各機器専用の取付ブラケットが配置される。このため、機器の位置変更及び機器の種類変更が不可であった。これに対して本開示では、後付機器取付部30が車両10のルーフに設けられている。これにより、ルーフへの機器の後付けが容易となる。
【0066】
また、後付機器取付部30は、中間ベース板40の一方側方を支持する第1レール31Aと、中間ベース板40の他方側方を支持する第2レール31Bとを含む。これにより、中間ベース板40が取付位置まで第1レール31A及び第2レール31Bに沿ってスライド移動できる。
【0067】
また、第1レール31Aが第2レール31Bよりも長い。これにより、中間ベース板40が第1レール31A及び第2レール31Bに支持される際、中間ベース板40の一方側方が第1レール31Aのうち第2レール31Bよりもはみ出た突出部分35に支持された状態で、中間ベース板40がスライド移動されて、中間ベース板40の他方側方も第2レール31Bに支持されることができる。これにより、第1レール31A及び第2レール31Bへ中間ベース板40を支持させる作業が容易となる。
【0068】
また、後付機器取付部30は、第1レール31A及び第2レール31Bの長手方向に沿って間隔をあけた複数箇所に設けられた複数のベース板取付部36を含み、中間ベース板40は、複数のベース板取付部36のうち任意のベース板取付部36に取付けられている。これにより、第1レール31A及び第2レール31Bの長手方向における中間ベース板40の取付位置の自由度が高くなる。これにより、車両10における後付機器50の取付位置の自由度が高くなる。
【0069】
第1レール31A及び第2レール31Bは、車両10の幅方向に並び、車両10の前後方向に延びる。これにより、中間ベース板40の主面が水平方向に広がるように、中間ベース板40が第1レール31A及び第2レール31Bに支持されることができる。
【0070】
また、中間ベース板40は、ベース板本体41と、ベース板本体41に設けられた複数の機器取付部42とを含み、後付機器50は、複数の機器取付部42のうち任意の機器取付部42に取付けられる。これにより、中間ベース板40に対する後付機器50の取付位置の自由度が高まる。
【0071】
[実施形態2]
実施形態2にかかる車載機器の取付構造について説明する。図9は実施形態2にかかる車載機器の取付構造120を示す概略正面図である。図9において一部が断面図とされている。なお、以下の説明において、これまで説明したものと同様構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。
【0072】
車載機器の取付構造120では、取付部材70の姿勢が車載機器の取付構造20における取付部材70の姿勢とは異なっている。車載機器の取付構造120において、取付部材70は、水平方向から着脱操作を受け付ける姿勢で中間ベース板140を後付機器取付部130に取付けている。これにより、取付部材70の着脱操作を水平方向から行うことができる。
【0073】
後付機器取付部130がルーフに設けられる場合、レール31に対してベース板取付孔36が鉛直方向に貫通していると、取付部材70は鉛直方向から着脱操作を受け付ける。この場合、取付部材70の着脱操作に、見上げ作業が必要となり得る。通常、見上げ作業は面倒な作業であり、特に、図8に示すように、ルーフパネル13とルーフパネル13から取り外されて座席17のシートバックの上に置かれた内装部材16との間の狭い空間で取付部材70の着脱作業を行う場合、見上げ作業がより面倒な作業となり得る。これに対して、取付部材70が水平方向から着脱操作を受け付ける姿勢で中間ベース板140を後付機器取付部130に取付けていると、取付部材70の着脱操作を水平方向から行うことができるため、取付部材70の着脱操作を行う際、見上げ作業をせずに済む。
【0074】
取付部材70は、水平方向のうち車両10の幅方向から着脱操作を受け付ける姿勢で中間ベース板140を後付機器取付部130に取付けているとよい。これにより、車両10において乗員用の側方のドア18が開いた姿勢で、作業者が当該ドア18の開口部を通じて中間ベース板140を後付機器取付部130に対して着脱する際、取付部材70の受付部にアクセスしやすくなる。ここではY方向に延びるレール131に対して、ベース板取付孔36がX方向に貫通している。ベース板取付孔36がレール131のうち連結部33を貫通している。これにより、取付部材70は、水平方向のうち車両10の幅方向から着脱操作を受け付ける姿勢で中間ベース板140を後付機器取付部130に取付けている。
【0075】
レール131は、ルーフパネル13の側縁部よりも内側に設けられてもよい。ルーフパネル13の側縁部とレール131との間隔は、例えば、取付部材70の長さ寸法以上であってもよい。これにより、取付部材70を車両10の幅方向から着脱操作するためのスペースが確保されやすい。
【0076】
中間ベース板140のねじ孔43は、レール131のベース板取付孔36に対応するように、中間ベース板140をX方向に貫通している。中間ベース板140は、ベース板本体41の両側に設けられたリブ45を含む。リブ45は、ベース板本体41の端縁部から鉛直方向に延びる。リブ45にねじ孔43が形成されている。Y方向におけるリブ45の長さ寸法は、ベース板本体41の長さ寸法と同じであってもよい。Y方向におけるリブ45の長さ寸法は、ベース板本体41の長さ寸法よりも短くてもよい。Y方向にベース板本体41よりも短尺なリブ45がY方向に間隔をあけて複数設けられていてもよい。Y方向に並ぶリブ45の間が開口していてもよい。ベース板本体41及びリブ45は、一枚の金属板が曲げ加工されて、形成されていてもよい。ベース板本体41及びリブ45は、互いに別に成形された後、ねじ止め、溶接などによって固定されていてもよい。
【0077】
[実施形態3]
実施形態3にかかる車載機器の取付構造について説明する。図10は実施形態3にかかる車載機器の取付構造220を示す概略正面図である。
【0078】
実施形態1の車載機器の取付構造20では、中間ベース板40は第1レール31A及び第2レール31Bの間に収まっていたが、このことは必須の構成ではない。本例の車載機器の取付構造220のように、第1レール131A及び第2レール131Bの並ぶ方向において、中間ベース板240の長さ寸法(ベース板本体241の長さ寸法)が第1レール131A及び第2レール131Bの間隔よりも長くてもよい。これにより、第1レール131A及び第2レール131Bの並ぶ方向において、後付機器50の取付位置の自由度が高くなる。例えば、レール131の下方に後付機器50が配置されたり、車両の幅方向に沿ってレール131よりも外側に後付機器50が配置されたりすることが可能となる。
【0079】
中間ベース板240は複数のブラケット46を含む。ブラケット46はベース板本体241から延びる。ブラケット46の一端部がベース板本体241に連結される。ブラケット46の他端部がレール131に支持される。ベース板本体241及びブラケット46は、一枚の金属板が曲げ加工されて、形成されていてもよい。ベース板本体241及びブラケット46は、互いに別に成形された後、ねじ止め、溶接などによって固定されていてもよい。複数のブラケット46のうち第1ブラケット46Aが第1レール131Aに移動可能に支持され、第2ブラケット46Bが第2レール131Bに移動可能に支持される。
【0080】
中間ベース板240は、第1レール131A側にはみ出す長さ及び第2レール131B側にはみ出す長さが調整可能であってもよい。例えば、ベース板本体241において、ブラケット46の取付位置が可変であってもよい。ベース板本体241においてブラケット46用のねじ孔が複数形成され、複数のブラケット46用のねじ孔のうち任意のねじ孔にブラケット46が固定されていてもよい。
【0081】
本例でも、実施形態2の車載機器の取付構造120と同様に、取付部材70は、水平方向から着脱操作を受け付ける姿勢で中間ベース板240を後付機器取付部130に取付けている。中間ベース板240において、ねじ孔43がブラケット46をX方向に貫通するように形成されている。
【0082】
[付記]
これまで、後付機器取付部30は、中間ベース板40の一方側方を支持する第1レール31Aと、中間ベース板40の他方側方を支持する第2レール31Bとを含むものとして説明されたが、このことは必須の構成ではない。例えば、後付機器取付部30は、レール31の代わりに中間ベース板40を支持するための複数のブラケットを含んでいてもよい。また例えば、後付機器取付部30は、補強材14などに設けられていてもよい。
【0083】
またこれまで、第1レール31Aが第2レール31Bよりも長いものとして説明されたが、このことは必須の構成ではない。第1レール31Aと第2レール31Bとが同じ長さであってもよい。
【0084】
またこれまで、後付機器取付部30は、第1レール31A及び第2レール31Bの長手方向に沿って間隔をあけた複数箇所に設けられた複数のベース板取付部36を含み、中間ベース板40は、複数のベース板取付部36のうち任意のベース板取付部36に取付けられているものとして説明されたが、このことは必須の構成ではない。ベース板取付部36は、第1レール31A及び第2レール31Bのそれぞれに1箇所のみに設けられていてもよい。
【0085】
またこれまで、第1レール31A及び第2レール31Bは、車両10の幅方向に並び、車両10の前後方向に延びるものとして説明されたが、このことは必須の構成ではない。例えば、第1レール31A及び第2レール31Bは、車両10の前後方向に並び、車両10の幅方向に延びてもよい。この場合でも、中間ベース板40が水平方向に広がる。
【0086】
またこれまで、車載機器の取付構造20が、水平方向から着脱操作を受け付ける姿勢で中間ベース板40を後付機器取付部30に取付けている取付部材70を備えるものとして説明されたが、このことは必須の構成ではない。例えば、取付部材70は、鉛直方向から着脱操作を受け付ける姿勢で中間ベース板40を後付機器取付部30に取付けていてもよい。
【0087】
またこれまで、中間ベース板40は、ベース板本体41と、ベース板本体41に設けられた複数の機器取付部42とを含み、後付機器50は、複数の機器取付部42のうち任意の機器取付部42に取付けられているものとして説明されたが、このことは必須の構成ではない。例えば、中間ベース板40は、1つの機器取付部42のみを含んでいてもよい。中間ベース板40において、使用されていない機器取付部42がなくてもよい。中間ベース板40は後付機器50に応じて専用設計されていてもよい。
【0088】
またこれまで、後付機器取付部30がルーフに設けられるものとして説明されたが、このことは必須の構成ではない。後付機器取付部30がルーフ以外の箇所に設けられてもよい。例えば、後付機器取付部30はドア18に設けられてもよい。これにより、ドア18に設けられた後付機器取付部30及び中間ベース板40を介して、後付機器50がドア18に容易に後付け可能となる。後付機器取付部30はドアパネルに設けられてもよい。後付機器取付部30はドアパネルとドアトリムとの間の空間に配置されてもよい。第1レール31A及び第2レール31Bは、車両10の高さ方向に並び、車両10の前後方向に延びてもよい。この場合、中間ベース板40が鉛直方向に広がり、後付機器取付部30が車両10のドア18などに設けられる場合に好適である。
【0089】
なお、上記各実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0090】
10 車両
11 屋根部分
12 ボディ
13 ルーフパネル
14 補強材
15 ピラー
16 ルーフライナ(内装部材)
17 座席
18 ドア
20、120、220 車載機器の取付構造
30、130 後付機器取付部
31、131 レール
31A、131A 第1レール
31B、131B 第2レール
32 支持部
33 連結部
34 ボディ固定部
35 突出部分
36 ベース板取付孔(ベース板取付部)
40、140、240 中間ベース板
41、241 ベース板本体
42 機器取付孔(機器取付部)
43 ねじ孔(取付部材取付部)
44 伝送部材保持部
45 リブ
46 ブラケット
50 後付機器
51 筐体
52 ねじ孔
53 ブラケット
54、55 ねじ孔
60 伝送部材
70 ねじ(取付部材)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10