(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023039643
(43)【公開日】2023-03-22
(54)【発明の名称】オプション部品の保持構造
(51)【国際特許分類】
B62J 11/00 20200101AFI20230314BHJP
B62J 33/00 20060101ALI20230314BHJP
B62J 50/22 20200101ALI20230314BHJP
【FI】
B62J11/00
B62J33/00 A
B62J50/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021146871
(22)【出願日】2021-09-09
(71)【出願人】
【識別番号】000002082
【氏名又は名称】スズキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111202
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 周彦
(74)【代理人】
【識別番号】100139365
【弁理士】
【氏名又は名称】中嶋 武雄
(74)【代理人】
【識別番号】100150304
【弁理士】
【氏名又は名称】溝口 勉
(72)【発明者】
【氏名】石井 樹
(57)【要約】
【課題】防水性及び防塵性に優れた箇所にオプション部品を設置すると共に、オプション部品の取付作業が簡略化する。
【解決手段】オプション部品の保持構造には、車両前部のヘッドパイプ(29)から前方に延びるブレース(41)と、ブレースによって下方から支持されたプレート(55)と、プレートに設けられたオプション部品用の保持具(57)と、が設けられている。車両情報を表示するメータ(21)の周囲がメータカバー(27)によって覆われており、プレートによってメータカバーから露出するようにメータが支持され、保持具によってオプション部品がメータカバーの内側に保持されている。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鞍乗型車両に追加されるオプション部品の保持構造であって、
車両前部のヘッドパイプから前方に延びるブレースと、
前記ブレースによって下方から支持されたプレートと、
前記プレートに設けられた前記オプション部品用の保持具と、を備え、
車両情報を表示するメータの周囲がメータカバーによって覆われており、
前記プレートによって前記メータカバーから露出するように前記メータが支持され、前記保持具によって前記オプション部品が前記メータカバーの内側に保持されていることを特徴とするオプション部品の保持構造。
【請求項2】
前記プレートの表面側では前記メータカバーから露出するように前記メータが支持され、前記プレートの裏面側では前記保持具によって前記オプション部品が前記メータカバーの内側に保持されることを特徴とする請求項1に記載のオプション部品の保持構造。
【請求項3】
前記メータカバーの非装着時には、前記ヘッドパイプの前方から前記保持具にアクセス可能な作業スペースが確保されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のオプション部品の保持構造。
【請求項4】
前記ブレース及び前記プレートを連結するステーを備え、
前記プレートが後方に向かって低くなるように傾けられており、前記プレートの下部に前記保持具が設けられ、前記プレートの前記保持具よりも上側に前記ステーが接続されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のオプション部品の保持構造。
【請求項5】
側面視にて前記ステーが前記プレートを後方に迫り出させるように屈曲していることを特徴とする請求項4に記載のオプション部品の保持構造。
【請求項6】
前記ステーが車幅方向に離間した一対のステーであり、
前記保持具が前記一対のステーの中間に位置していることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載のオプション部品の保持構造。
【請求項7】
前記オプション部品はグリップヒータコントローラであることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のオプション部品の保持構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オプション部品の保持構造に関する。
【背景技術】
【0002】
自動二輪車等の鞍乗型車両には、オプション部品としてグリップヒータコントローラが設置されることがある。この種の鞍乗型車両として、サイドカウルからグリップヒータコントローラを外部に露出させたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のグリップヒータコントローラは、サイドカウルに形成された開口に取り付けられる。グリップヒータからサイドカウルの内側にヒータハーネスが延びており、このヒータハーネスに対してグリップヒータコントローラから延びるコントローラハーネスが接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
オプション部品は防水性及び防塵性に優れた箇所に設置されることが求められている。また、販売店やユーザによってオプション部品が取り付けられることから、オプション部品の取付作業が簡略化されることが望ましい。特許文献1に記載のグリップヒータコントローラは防水性及び防塵性が十分ではなく、グリップヒータコントローラの取付時にはサイドカウル等の大型の部品を取り外さなければならない。
【0005】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、防水性及び防塵性に優れた箇所にオプション部品が設置されると共に、オプション部品の取付作業が簡略化されるオプション部品の保持構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様のオプション部品の保持構造は、鞍乗型車両に追加されるオプション部品の保持構造であって、車両前部のヘッドパイプから前方に延びるブレースと、前記ブレースによって下方から支持されたプレートと、前記プレートに設けられた前記オプション部品用の保持具と、を備え、車両情報を表示するメータの周囲がメータカバーによって覆われており、前記プレートによって前記メータカバーから露出するように前記メータが支持され、前記保持具によって前記オプション部品が前記メータカバーの内側に保持されていることで上記課題を解決する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様のオプション部品の保持構造によれば、メータの周囲がメータカバーに覆われており、メータを支持するプレートには保持具が設けられている。メータカバーの内側で保持具にオプション部品が保持されることで、オプション部品の防水性及び防塵性を確保することができる。メータ及びメータカバーを外すことでオプション部品を保持具に取り付けることができ、大型のカウル等を取り外す必要がなくなって取付作業が簡略化される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図4】
図3の車両前部からリヤメータカバーを取り外した斜視図である。
【
図5】本実施例のグリップヒータコントローラの保持構造の斜視図である。
【
図6】本実施例のグリップヒータコントローラの取付作業の一例を示す図である。
【
図7】本実施例のグリップヒータコントローラの取付作業の一例を示す図である。
【
図8】本実施例の車両前部からリヤメータカバーを取り外した後面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の一態様のオプション部品の保持構造は鞍乗型車両に追加される。このオプション部品の保持構造では、車両前部のヘッドパイプから前方にブレースが延び、ブレースによって下方からプレートが支持されている。車両情報を表示するメータの周囲がメータカバーによって覆われており、プレートによってメータカバーから露出するようにメータが支持されている。プレートにはオプション部品用の保持具が設けられており、保持具によってオプション部品がメータカバーの内側に保持されてオプション部品の防水性及び防塵性を確保することができる。メータ及びメータカバーを外すことでオプション部品を保持具に取り付けることができ、大型のカウル等を取り外す必要がなくなって取付作業が簡略化される。
【実施例0010】
以下、添付図面を参照して、本実施例について詳細に説明する。
図1は本実施例の鞍乗型車両の右側面図である。
図2は本実施例の車両前部の後面図である。以下の図では、矢印FRは車両前方、矢印REは車両後方、矢印Lは車両左方、矢印Rは車両右方をそれぞれ示している。
【0011】
図1に示すように、鞍乗型車両1には、アルミ合金によって成形されるツインスパー型の車体フレームが使用されている。車体フレームは、ヘッドパイプ(不図示)から左右に分岐してエンジン11を抱え込むように後方に延びる一対のメインフレーム10を有している。一対のメインフレーム10の前側には燃料タンク12が下方から支持されており、一対のメインフレーム10の後側にはスイングアーム13が揺動可能に支持されている。一対のメインフレーム10から後方に一対のシートレール14が延びており、一対のシートレール14にはシート15が下方から支持されている。
【0012】
ヘッドパイプにはステアリングシャフト(不図示)を介してフロントフォーク16が操舵可能に支持されており、フロントフォーク16の下部には前輪17が回転可能に支持されている。スイングアーム13はメインフレーム10の下部から後方に延びており、スイングアーム13の後端には後輪18が回転可能に支持されている。後輪18にはチェーンドライブ式の変速機構を介してエンジン11が連結されており、変速機構を介してエンジン11からの動力が後輪18に伝達されている。エンジン11の後方にマフラ19が設置されており、エンジン11からの排気ガスがマフラ19を通じて外部に排出される。
【0013】
図2に示すように、車両前部には、車両状態を表示するメータ21が設置されている。メータ21の前方にはヘッドランプ23(
図1参照)が設けられ、ヘッドランプ23の側方には一対のターンシグナルランプ25が設けられている。メータ21の上方にはウィンドスクリーン26が設けられている。メータ21の後方にフロントフォーク16が設けられ、フロントフォーク16の上部にはハンドルバー31が設けられている。ハンドルバー31の左側にはハンドルグリップ32及びクラッチレバー33が設けられ、ハンドルバー31の右側にはアクセルグリップ34及びブレーキレバー35が設けられている。
【0014】
ところで、このような鞍乗型車両1にはオプションとしてグリップヒータが搭載されることがある。グリップヒータはグリップヒータコントローラによって制御されており、グリップヒータ、グリップヒータコントローラ、ハーネス等をオプション部品として鞍乗型車両1に追加する必要がある。オプション部品としてグリップヒータコントローラがシート下方の収容スペースに設置されることが多いが、グリップヒータコントローラからグリップヒータまでの距離が長く、ハーネスを配設するためにカウルや燃料タンク等の多くの部品を外す必要がある。
【0015】
オプション部品は販売店の作業者やユーザによって取り付けられることが多く、取り外し部品が多くなると作業負担が大きくなる。また、ガソリンが充填された燃料タンクの下方を通って、シート下方からグリップヒータまで高電流のハーネスが配設されることは安全上好ましくない。さらに、シート下方は十分な防水性及び防塵性が確保できない。そこで、本実施例では、防水性及び防塵性の優れたメータカバーの内側にグリップヒータコントローラを設置して、グリップヒータコントローラからグリップヒータまでのハーネスの配設をシンプルにしている。
【0016】
図3から
図5を参照して、グリップヒータコントローラの保持構造について説明する。
図3は本実施例の車両前部の斜視図である。
図4は
図3の車両前部からリヤメータカバーを取り外した斜視図である。
図5は本実施例のグリップヒータコントローラの保持構造の斜視図である。
【0017】
図3に示すように、フロントフォーク16の前方のリヤメータカバー(メータカバー)27にメータ21が設置されている。リヤメータカバー27のメータ21の設置箇所が上方に膨出しており、このリヤメータカバー27の膨出部分にフロントメータカバー28が前方から被せられている。リヤメータカバー27によってメータ21の周囲が覆われており、フロントメータカバー28によってメータ21の前方が覆われている。メータ21の表示画面が後斜め上方に向けられており、メータ21の上方ではフロントメータカバー28の上縁がリヤメータカバー27から庇状に突き出している。
【0018】
図4に示すように、リヤメータカバー27の内側にはメータ21の支持構造が収容されている。フロントフォーク16の前方には、パイプ材やブラケットを溶接によって一体化したブレース41が設けられている。ブレース41の内側にはヘッドランプ23(
図1参照)のランプハウジング24が保持されており、ブレース41の左右両側の一対のカウルブラケット48にはフロントカウル36が保持されている。ブレース41の中央のT字ブラケット43を挟んで、ブレース41の左右2箇所に一対のステー51が接合されている。一対のステー51がブレース41から上方に延びて、一対のステー51の上端部に枠状のプレート55が接合されている。
【0019】
プレート55の表面側はリヤメータカバー27(
図3参照)を介してメータ21を支持する支持面になっている。プレート55の枠内には、メータ21が接続されるメータコネクタ22が設置されている。プレート55の下枠には保持具57が接合されており、保持具57にはゴムバンド62を介してグリップヒータコントローラ(オプション部品)61が保持されている。プレート55の表面側ではリヤメータカバー27から露出するようにメータ21が支持され、プレート55の裏面側では保持具57によってグリップヒータコントローラ61がリヤメータカバー27の内側に保持される。メータ21の裏側がグリップヒータコントローラ61の設置スペースとして利用されている。
【0020】
グリップヒータコントローラ61の下部にはコントローラコネクタ65が接続されている。コントローラコネクタ65から側方(本実施例では右方)にコントローラハーネス66が延出している。コントローラハーネス66は各種カウルに沿って後方に延びた後、ヘッドパイプ29の後方でメインハーネスに沿ってバッテリ(不図示)まで延びている。また、ハンドルグリップ32及びアクセルグリップ34(
図2参照)からハンドルバー31に沿ってヒータハーネス67、68が延びており、ヘッドパイプ29付近でヒータハーネス67、68がコントローラハーネス66に合流している。
【0021】
図5に示すように、車両前部のヘッドパイプ29(
図4参照)から前方にブレース41が延びている。ブレース41の後部はヘッドパイプ29に取り付けられる取付ブラケット42になっている。取付ブラケット42の上端部にはT字ブラケット43が接合されており、T字ブラケット43の前部には上面視U字状のセンタフレーム44の横棒部分が接合されている。センタフレーム44の左右両側の屈曲部付近には一対のカウルブラケット48が接合されている。一対のカウルブラケット48はセンタフレーム44から側方に張り出しており、一対のカウルブラケット48にフロントカウル36(
図4参照)が取り付けられる。
【0022】
センタフレーム44の左右両側の先端部には、後面視逆U字状のフロントフレーム45の左右両側の縦棒部分の中間部が接合されている。フロントフレーム45の左右両側の縦棒部分の下端部は横棒状のブリッジフレーム46の両端部が接合されており、フロントフレーム45及びブリッジフレーム46によってヘッドランプ23(
図1参照)の保持構造が形成されている。また、取付ブラケット42の下端部には前後に長いロアフレーム47が接合されており、ロアフレーム47の前端部にはブリッジフレーム46の中間部が接合されている。このように、ブレース41は前方を開放した骨組み構造を有している。
【0023】
センタフレーム44の横棒部分に左右方向(車幅方向)に離間した一対のステー51が接合されている。一対のステー51は下端部よりも上端部が後方に位置付けられるように屈曲し、この一対のステー51の上端部にプレート55の一対の側縁が接合されている。プレート55の上枠には補強ブラケット52を介してフロントフレーム45の横棒部分が接続されている。一対のステー51及び補強ブラケット52を介してブレース41とプレート55が接続されて、ブレース41によって下方からプレート55が支持されている。プレート55の表面が後斜め上方を向くようにプレート55が傾けられている。
【0024】
プレート55の下枠の裏面には、グリップヒータコントローラ61(
図4参照)用の保持具57が接合されている。保持具57は小型プレートをU字状に折り返して形成されている。保持具57の先端部は上方に向けられており、保持具57の先端部にグリップヒータコントローラ61のゴムバンド62(
図4参照)が装着される。プレート55の裏側、すなわちメータ21(
図3参照)の裏側のスペースを利用して、保持具57によってグリップヒータコントローラ61が保持される。この保持構造では、保持具57に対するグリップヒータコントローラ61の取付作業の作業性が向上される。
【0025】
以下、
図6から
図8を参照して、グリップヒータコントローラの取付作業について説明する。
図6及び
図7は本実施例のグリップヒータコントローラの取付作業の一例を示す図である。
図8は本実施例の車両前部からリヤメータカバーを取り外した後面図である。
【0026】
図6を示すように、リヤメータカバー27(
図7参照)の非装着時には、ヘッドパイプ29の前方から保持具57にアクセス可能、すなわち作業者が保持具57まで手を伸ばすことができる作業スペースが確保されている。ヘッドパイプ29の前方にはフロントフォーク16(
図4参照)の操舵を許容するための空きスペースが確保されており、この空きスペースが作業スペースとして利用されることで作業性が向上されている。側面視にてブレース41のT字ブラケット43が後方に向かって低くなるように湾曲しているため、ヘッドパイプ29の前方の作業スペースが下方に広げられている。
【0027】
側面視にて、プレート55が後方に向かって低くなるように傾いており、プレート55の上枠よりも下枠が後方に位置付けられている。プレート55の下枠には保持具57が接合され、プレート55の保持具57よりも上側に一対のステー51が接合されている。一対のステー51がプレート55を後方に迫り出させるように屈曲して、プレート55の下方から保持具57にアクセスし易くなって、グリップヒータコントローラ61の取付作業の作業性が向上される。保持具57の前方にステー51が位置付けられることで、ステー51によってグリップヒータコントローラ61の取付作業が邪魔され難くなる。
【0028】
そして、プレート55の下方からグリップヒータコントローラ61が保持具57に近づけられる。グリップヒータコントローラ61のゴムバンド62にはスリット63が形成されており、ゴムバンド62のスリット63に保持具57の先端部が挿し込まれる。ゴムバンド62から保持具57の先端が突き出し、保持具57の先端の突起58(
図5参照)にゴムバンド62が抜け止めされて、グリップヒータコントローラ61がゴムバンド62を介して保持具57に保持される。ヘッドパイプ29の前方に十分な作業スペースが確保されるため、保持具57に対してグリップヒータコントローラ61を容易に取り付けることができる。
【0029】
図7に示すように、保持具57にグリップヒータコントローラ61が保持されると、グリップヒータコントローラ61の下部にコントローラコネクタ65が接続される。コントローラコネクタ65にはコントローラハーネス66(
図8参照)が接続されており、上記したようにコントローラハーネス66はヘッドパイプ29付近でヒータハーネス67、68(
図8参照)に合流している。グリップヒータコントローラ61がメータ21の近くに取り付けられることで、グリップからグリップヒータコントローラ61までの配線をシンプルにできる。また、燃料タンク12(
図1参照)等の下方にハーネスを通す必要もない。
【0030】
そして、プレート55の表面側にリヤメータカバー27及びメータ21が取り付けられ、メータ21の裏側にグリップヒータコントローラ61が位置付けられる。メータ21の裏側は前後左右上方がフロントメータカバー28及びリヤメータカバー27に覆われているため、防水性及び防塵性が高くなってグリップヒータコントローラ61の設置に適している。メータ21の裏側にはメータ21用のハーネスが既に通されているため、グリップヒータコントローラ61に対する電源が取り出し易くなっている。事前にコントローラコネクタ65を配設しておけば、さらに取付作業を簡略化することができる。
【0031】
リヤメータカバー27及びメータ21の着脱によって、メータ21の裏側にグリップヒータコントローラ61が取り付けられる。燃料タンク12やカウル等の大型部品を取り外すことなく、グリップヒータコントローラ61の取付が可能になって作業者の作業負担を軽減することができる。グリップヒータコントローラ61がメータ21の裏側に設置されることで、グリップヒータコントローラ61の設置によってシート15(
図1参照)下方の収容スペースが狭まることがない。このように、鞍乗型車両1に対してグリップヒータを容易に追加することができる。
【0032】
図8に示すように、一対のステー51の中間の車体中心線C上に保持具57が位置している。一対のステー51の中間に作業スペースが確保されて、保持具57に対してグリップヒータコントローラ61が取り付け易い。また、車体中心線C上に保持具57が位置するため、グリップヒータコントローラ61のサイズ等に自由度を持たせることができる。さらに、ゴムバンド62を保持具57に挿し込むことでグリップヒータコントローラ61が取り付けられることで、保持具57が様々な種類のグリップヒータコントローラの取り付けにも対応することができる。
【0033】
以上、本実施例によれば、メータ21の周囲がリヤメータカバー27に覆われており、メータ21を支持するプレート55には保持具57が設けられている。リヤメータカバー27の内側で保持具57にグリップヒータコントローラ61が保持されることで、グリップヒータコントローラ61の防水性及び防塵性を確保することができる。メータ21及びリヤメータカバー27を外すことでグリップヒータコントローラ61を保持具57に取り付けることができ、大型のカウル等を取り外す必要がなくなって取付作業が簡略化される。
【0034】
なお、本実施例では、オプション部品としてグリップヒータコントローラを例示したが、オプション部品は鞍乗型車両の標準装備品の他に追加される部品であればよい。
【0035】
また、本実施例では、メータの裏側で保持具にオプション部品が保持される構成にしたが、オプション部品は保持具によってメータカバーの内側に保持されていればよい。
【0036】
また、本実施例では、ブレースがヘッドランプ及びフロントフェンダの保持構造を有する構成にしたが、ブレースはプレートを下方から支持可能に形成されていればよい。
【0037】
また、本実施例では、プレートが枠状に形成されているが、プレートはメータを支持すると共に保持具が設けられていれば、特に形状は限定されない。
【0038】
また、本実施例では、小型プレートをU字状に折り返して保持具が形成されたが、保持具はオプション部品を保持可能な形状であればよい。また、保持具はゴムバンドを介してオプション部品を保持したが、保持具は直にオプション部品を保持可能に形成されていてもよい。
【0039】
また、本実施例では、プレートが後方に向かって低くなるように傾けられているが、プレートの向きは特に限定されない。プレートは縦向きにされてもよいし、横向きにされてもよい。
【0040】
また、本実施例では、一対のステーによってプレートとブレースが接続されたが、単一のステーによってプレートとブレースが接続されてもよい。
【0041】
また、オプション部品の保持構造は、図示の鞍乗型車両に限らず、他のタイプの鞍乗型車両に採用されてもよい。鞍乗型車両とは、ライダーがシートに跨った姿勢で乗車する車両全般に限定されず、ライダーがシートに跨らずに乗車する小型のスクータタイプの車両も含んでいる。
【0042】
以上の通り、本実施例のオプション部品(グリップヒータコントローラ61)の保持構造は、鞍乗型車両(1)に追加されるオプション部品の保持構造であって、車両前部のヘッドパイプ(29)から前方に延びるブレース(41)と、ブレースによって下方から支持されたプレート(55)と、プレートに設けられたオプション部品用の保持具(57)と、を備え、車両情報を表示するメータ(21)の周囲がメータカバー(リヤメータカバー27)によって覆われており、プレートによってメータカバーから露出するようにメータが支持され、保持具によってオプション部品がメータカバーの内側に保持されている。この構成によれば、メータの周囲がメータカバーに覆われており、メータを支持するプレートには保持具が設けられている。メータカバーの内側で保持具にオプション部品が保持されることで、オプション部品の防水性及び防塵性を確保することができる。メータ及びメータカバーを外すことでオプション部品を保持具に取り付けることができ、大型のカウル等を取り外す必要がなくなって取付作業が簡略化される。
【0043】
本実施例のオプション部品の保持構造において、プレートの表面側ではメータカバーから露出するようにメータが支持され、プレートの裏面側では保持具によってオプション部品がメータカバーの内側に保持される。この構成によれば、メータの裏側をオプション部品の設置スペースとして利用することができる。
【0044】
本実施例のオプション部品の保持構造において、メータカバーの非装着時には、ヘッドパイプの前方から保持具にアクセス可能な作業スペースが確保される。この構成によれば、ヘッドパイプの前方から保持具にオプション部品が取り付けられる。ヘッドパイプの前方の空きスペースを利用して、オプション部品の取付作業の作業性を向上することができる。
【0045】
本実施例のオプション部品の保持構造において、ブレース及びプレートを連結するステー(51)を備え、プレートが後方に向かって低くなるように傾けられており、プレートの下部に保持具が設けられ、プレートの保持具よりも上側にステーが接続されている。この構成によれば、保持具へのオプション部品の取付作業がステーに邪魔され難くなる。
【0046】
本実施例のオプション部品の保持構造において、側面視にてステーがプレートを後方に迫り出させるように屈曲している。この構成によれば、プレートの下方から保持具にアクセスし易くなって、オプション部品の取付作業の作業性を向上することができる。
【0047】
本実施例のオプション部品の保持構造において、ステーが車幅方向に離間した一対のステーであり、保持具が一対のステーの中間に位置している。この構成によれば、一対のステーの中間に作業スペースが確保されて、保持具に対してグリップヒータコントローラが取り付け易くなる。
【0048】
本実施例のオプション部品の保持構造において、オプション部品はグリップヒータコントローラである。この構成によれば、グリップヒータコントローラがメータの近くに取り付けられることで、グリップからグリップヒータコントローラまでの配線をシンプルにできる。
【0049】
なお、本実施例を説明したが、他の実施例として、上記実施例及び変形例を全体的又は部分的に組み合わせたものでもよい。
【0050】
また、本発明の技術は上記の実施例に限定されるものではなく、技術的思想の趣旨を逸脱しない範囲において様々に変更、置換、変形されてもよい。さらには、技術の進歩又は派生する別技術によって、技術的思想を別の仕方で実現することができれば、その方法を用いて実施されてもよい。したがって、特許請求の範囲は、技術的思想の範囲内に含まれ得る全ての実施態様をカバーしている。