(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023041013
(43)【公開日】2023-03-23
(54)【発明の名称】ワイヤレス通信デバイス
(51)【国際特許分類】
H01Q 1/38 20060101AFI20230315BHJP
H01Q 1/24 20060101ALI20230315BHJP
H01Q 21/24 20060101ALI20230315BHJP
H04B 1/3827 20150101ALI20230315BHJP
G04R 60/10 20130101ALN20230315BHJP
【FI】
H01Q1/38
H01Q1/24 Z
H01Q21/24
H04B1/3827
G04R60/10
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022133484
(22)【出願日】2022-08-24
(31)【優先権主張番号】63/242,868
(32)【優先日】2021-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/544,262
(32)【優先日】2021-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.3GPP
(71)【出願人】
【識別番号】503260918
【氏名又は名称】アップル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Apple Inc.
【住所又は居所原語表記】One Apple Park Way,Cupertino, California 95014, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ムー, シャオファン
(72)【発明者】
【氏名】マヌジャ, アニー
(72)【発明者】
【氏名】ギシェット, クリストファー ディー.
(72)【発明者】
【氏名】デ ジョン, エリック ジー.
(72)【発明者】
【氏名】リヴェラ エスピノーサ, ホルヘ エル.
(72)【発明者】
【氏名】クロウリー, パトリック ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ローチ, スティーブン シー.
(72)【発明者】
【氏名】ラジェンドラン, ヴェンカテシュ
(72)【発明者】
【氏名】ルーケンス, ウィリアム シー.
(72)【発明者】
【氏名】ジャン, ウージン
(72)【発明者】
【氏名】チェン, ユエ
(72)【発明者】
【氏名】グ, ジウェイ
(72)【発明者】
【氏名】イワモト, デレク
(72)【発明者】
【氏名】ナンジア, シッダース
(72)【発明者】
【氏名】モリソン, スコット ディー.
(72)【発明者】
【氏名】クレンク, ケヴィン エー.
(72)【発明者】
【氏名】ロイ, ニーロイ
【テーマコード(参考)】
5J021
5J046
5J047
5K011
【Fターム(参考)】
5J021AA01
5J021AB06
5J021HA05
5J021JA05
5J046AA02
5J046AA05
5J046AB13
5J046SA06
5J047AA12
5J047AB13
5J047EF02
5J047FD01
5J047FD06
5K011AA06
5K011JA01
5K011KA13
5K011KA18
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ワイヤレス回路を有する電子デバイス、リストウォッチデバイス及びワイヤレス通信モジュールを提供する。
【解決手段】パッケージ基板126の上面に取り付けられるワイヤレス通信モジュール82は、第1の表面上のアンテナ放射素子90と、アンテナ放射素子を囲んでいる接地リング92と第2の表面上に取り付けられた無線機構成要素88と、を含み、他の構成要素(導電性要素、ハウジング構造等)も含むシステムパッケージ124に組み込まれる。封入材料158は、ワイヤレス通信モジュール及び他の構成要素を覆う。遮蔽材料160は、封入材料を覆い、かつ、接地リングに結合される。遮蔽材料の開口部は、アンテナ放射素子と位置合わせされる。必要に応じて、ワイヤレス通信システムは、ファームウェアのテスト、デバッグ、復元及び/又は他のデータを伝搬するためにワイヤレス通信モジュールに通信可能に結合された外部機器を含む。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向している第1の側面と第2の側面を有する電子デバイスであって、
前記第1の側面上にハウジング部分を有するハウジングと、
前記ハウジングに前記第2の側面上取り付けられたディスプレイと、
前記ハウジング内のシステムパッケージ基板と、
前記システムパッケージ基板上に取り付けられたワイヤレス通信モジュールと、を備え
前記ワイヤレス通信モジュールが、
前記システムパッケージ基板上に取り付けられたモジュール基板と、
前記ハウジング部分を通って10GHz超の周波数で無線周波数信号を伝搬するように構成された、前記モジュール基板上のアンテナ放射素子と、を含む、電子デバイス。
【請求項2】
前記ワイヤレス通信モジュールが、前記モジュール基板上に取り付けられており、かつ前記モジュール基板を介して前記システムパッケージ基板に結合された無線周波数集積回路を含む、請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項3】
前記無線周波数集積回路に結合されており、かつ前記システムパッケージ基板上に取り付けられた制御回路用の集積回路と、を更に備える、請求項2に記載の電子デバイス。
【請求項4】
前記システムパッケージ基板上に、かつ前記ワイヤレス通信モジュールの周りに配設された封入材料を更に備える、請求項3に記載の電子デバイス。
【請求項5】
前記封入材料の上方に配設された導電性遮蔽材料であって、前記導電性遮蔽材料が、前記アンテナ放射素子と位置合わせされた開口部を画定している、導電性遮蔽材料を更に備える、請求項4に記載の電子デバイス。
【請求項6】
前記ワイヤレス通信モジュールが、前記導電性遮蔽材料に結合された前記モジュール基板上のアンテナ接地構造を含む、請求項5に記載の電子デバイス。
【請求項7】
前記アンテナ放射素子が、前記モジュール基板の第1の表面上に配設されており、前記無線周波数集積回路が、前記モジュール基板の前記第1の表面に対向している第2の表面上に取り付けられている、請求項2に記載の電子デバイス。
【請求項8】
前記ワイヤレス通信モジュールが、前記アンテナ放射素子を取り囲む、前記第1の表面上のアンテナ接地リングと、前記モジュール基板に組み込まれたアンテナ接地層と、前記アンテナ接地リングを前記アンテナ接地層に結合する前記モジュール基板内の導電性ビアと、を含む、請求項7に記載の電子デバイス。
【請求項9】
前記ハウジングが、前記電子デバイスの周辺に沿って延在している周辺側壁を含み、前記システムパッケージ基板が、前記周辺側壁の間に延在しており、かつ前記電子デバイスの前記周辺に沿って延在している周縁を有する、請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項10】
第1の面と第2の面を有するリストウォッチデバイスであって、
前記第1の面上のディスプレイと、
前記第2の面上のハウジング壁と、
ワイヤレス通信モジュールと、を備え、
前記ワイヤレス通信モジュールが、
対向している第1の表面と第2の表面を有する基板と、
前記基板の前記第1の表面上に配設され、前記ハウジング壁に面するように構成されたアンテナ素子であって、前記アンテナ素子が、前記ハウジング壁の凹部と位置合わせされており、かつ前記凹部及び前記ハウジング壁の部分を通って無線周波数信号を伝搬するように構成されている、アンテナ素子と、
前記基板上に取り付けられており、かつ前記アンテナ素子に結合された無線機構成要素と、を含む、リストウォッチデバイス。
【請求項11】
システムパッケージ用の基板を更に備え、前記ワイヤレス通信モジュール用の前記基板の前記第2の表面が、前記システムパッケージ用の前記基板上に取り付けられている、請求項10に記載のリストウォッチデバイス。
【請求項12】
前記システムパッケージ及び前記ワイヤレス通信モジュール用の前記基板と重なっている前記システムパッケージ用の封入材料と、
前記システムパッケージ及び前記ワイヤレス通信モジュール用の前記基板と重なっている前記システムパッケージ用の遮蔽材料であって、前記遮蔽材料が、前記アンテナ素子と重なっている開口部を画定している、遮蔽材料と、を更に備える、請求項11に記載のリストウォッチデバイス。
【請求項13】
前記ワイヤレス通信モジュールが、前記アンテナ素子を取り囲む、前記表面上の接地リングを含み、前記無線機構成要素が、前記基板の前記第2の表面上に取り付けられた無線周波数集積回路を備える、請求項10に記載のリストウォッチデバイス。
【請求項14】
前記凹部の複数の側面が、前記ハウジング壁によって画定されている、請求項10に記載のリストウォッチデバイス。
【請求項15】
前記ハウジング壁が、第1の内面及び前記第1の内面の上方に第2の内面まで立ち上がっているレッジ部分を有し、前記凹部が、前記第2の内面に沿って前記レッジ部分上に形成されている、請求項10に記載のリストウォッチデバイス。
【請求項16】
前記ハウジング壁が、前記リストウォッチデバイスの周辺に沿って延在しており、かつ前記ハウジング壁の角部領域で接合されている第1の周縁と第2の周縁を有し、前記ワイヤレス通信モジュールが、前記ハウジング壁の前記角部領域と重なっている、請求項10に記載のリストウォッチデバイス。
【請求項17】
前記ハウジング壁が、セラミック材料から形成されている、請求項10に記載のリストウォッチデバイス。
【請求項18】
ワイヤレス通信モジュールであって、
第1の表面及び第2の表面、及び前記第1の表面と前記第2の表面との間に延在している周縁を有する基板と、
前記第1の表面上のアンテナ放射素子と、
前記第1の表面上のアンテナ接地構造であって、前記アンテナ放射素子を囲んでおり、かつ前記基板の前記周縁までに延在しているアンテナ接地構造と、
前記第2の表面上に取り付けられており、かつ前記アンテナ放射素子に結合された無線周波数集積回路と、
前記第2の表面上の入出力構造と、を備える、ワイヤレス通信モジュール。
【請求項19】
前記無線周波数集積回路が、前記アンテナ放射素子を制御して、10GHz超の周波数でファームウェアデータに関連付けられた無線周波数信号を伝搬するように構成されている、請求項18に記載のワイヤレス通信モジュール。
【請求項20】
前記アンテナ放射素子がパッチアンテナ素子を備え、前記無線周波数集積回路が、前記パッチアンテナ素子において第1の正のアンテナフィード端子及び第2の正のアンテナフィード端子に結合されており、かつ前記無線周波数集積回路が、前記アンテナ放射素子を制御して、外部ワイヤレス通信機器との半二重通信リンクを形成するように構成されている、請求項18に記載のワイヤレス通信モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2021年12月7日に出願された米国特許出願第17/544,262号、及び2021年9月10日に出願された米国仮特許出願第63/242,868号に対する優先権を主張するものであり、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本願は、概して、ワイヤレス回路を有する電子デバイスを含む電子デバイスに関する。
電子デバイスは、外部機器へのワイヤード接続を可能にするワイヤードコネクタが設けられている場合がある。他の課題の中でも、一部のワイヤードコネクタ構造は、かさばって電子デバイス内の過大な空間を占めることがある。したがって、ワイヤードコネクタの代わりにワイヤレス回路を提供することが望ましい場合がある。
【0003】
スモールフォームファクタ電子デバイスについての消費者の需要を満たすために、製造者は、コンパクトな構造を使用してワイヤレス回路を実装することを絶えず模索している。ワイヤレス回路内のアンテナは互いに干渉したり、ワイヤレス通信デバイス内の他の構成要素と干渉したりする可能性があるため、アンテナを電子デバイスに組み込むとき、ワイヤレス回路が満足のいく性能を示せるように配慮すべきである。したがって、電子デバイス用として改良されたワイヤレス回路を提供することが望ましい場合がある。
【発明の概要】
【0004】
電子デバイスは、ワイヤレス回路を含み得る。ワイヤレス回路は、アンテナ放射素子及びアンテナ放射素子に結合された無線周波数集積回路を含むワイヤレス通信モジュール内に実装され得る。一例として、アンテナ放射素子は、モジュール基板の表面上に形成され、その表面上の接地リングによって囲まれたパッチ素子であり得る。パッチ素子は、遠距離場(Far-Field)無線周波数信号の波形形成を可能にするように構成された距離だけ接地リングから分離され得る。別の例として、無線周波数集積回路は、モジュール基板の対向面上に取り付けられ得る。必要に応じて、複数のアンテナ信号フィード端子をパッチ素子に結合して、異なる偏波を有する無線周波数信号を伝搬し得る。
【0005】
電子デバイスは、第1の側面にディスプレイと、第1の側面に対向している第2の側面にハウジング壁とを有し得る。ハウジング壁は、電子デバイスの周縁に沿ったレッジ部分を有し得る。レッジ部分は、電子デバイスの角部領域に凹部を有し得る。ワイヤレス通信モジュールは、アンテナ放射素子を凹部に位置合わせさせ、アンテナ素子がハウジング壁を通って無線周波数信号を伝搬するのを可能にするように、電子デバイスに取り付けられ得る。パッチ素子は、無線周波数信号の波形形成を可能にするように構成された距離だけ絶縁ハウジング壁から分離され得る。
【0006】
ワイヤレス通信モジュールは、パッケージ基板上に取り付けることによってシステムインパッケージ(System-in-Package、SIP)に組み込まれ得る。制御回路を実装した集積回路等の構成要素もまた、パッケージ基板上に取り付けられ得る。ワイヤレス通信モジュール及び他の構成要素は、完全に封入されたSIPを形成するように封入材料で覆われ得る。導電性遮蔽材料は、封入材料を覆い、接地リングに短絡され得る。導電性遮蔽材料によって画定された開口部が、アンテナ素子と位置合わせされ得る。
【0007】
電子デバイスは、外部機器とワイヤレスで通信し得、この外部機器もまた、(例えば、電子デバイスのワイヤレス通信モジュールと同じタイプの)ワイヤレス通信モジュールを含み得る。必要に応じて、外部機器は、ワイヤレス通信リンクを使用して、電子デバイスのファームウェアをテスト、デバッグ、構成、復元、及び/又は、さもなければ更新するのに役立ち得る。外部機器の載置台及び位置合わせ構造は、ワイヤレス通信モジュールを互いに位置合わせするのに役立ち得る。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】いくつかの実施形態に係る、例示的なワイヤレス通信システムのブロック図である。
【0009】
【
図2】いくつかの実施形態に係る、例示的なワイヤレス回路のブロック図である。
【0010】
【
図3】いくつかの実施形態に係る、例示的なワイヤレス通信モジュールの断面図である。
【0011】
【
図4】いくつかの実施形態に係る、
図3のワイヤレス通信モジュールの上面図である。
【0012】
【
図5】いくつかの実施形態に係る、
図1のワイヤレス通信システム内の例示的な電子デバイスの斜視図である。
【0013】
【
図6】いくつかの実施形態に係る、ワイヤレス通信モジュールが組み込まれた電子デバイスの周辺部分の断面図である。
【0014】
【
図7】いくつかの実施形態に係る、
図6の電子デバイスのハウジング壁の例示的な角部領域の斜視図である。
【0015】
【
図8】いくつかの実施形態に係る、パッケージ基板上に取り付けられたワイヤレス通信モジュールの断面図である。
【0016】
【
図9】いくつかの実施形態に係る、ワイヤレス通信モジュールがシステムインパッケージに組み込まれた例示的な電子デバイスの平面図である。
【0017】
【
図10】いくつかの実施形態に係る、ワイヤレス通信モジュールを備えた
図1の例示的なワイヤレス通信システムにおける例示的な外部機器の平面図である。
【0018】
【
図11】いくつかの実施形態に係る、
図10の外部機器の例示的な電子デバイス載置台の上面図である。
【0019】
【
図12】いくつかの実施形態に係る、2つのワイヤレス通信モジュールの例示的な位置合わせの図である。
【0020】
【
図13】いくつかの実施形態に係る、介在している構造を介して互いに通信可能に結合された2つの例示的なワイヤレス通信モジュールの図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、電子デバイス10-1及び10-2並びに任意の他の電子デバイス(単数又は複数)等の1つ以上の電子デバイスを含むワイヤレス通信システム8等の例示的なシステムを示す。システム8内の電子デバイスは各々、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、組み込み型コンピュータを内蔵したコンピュータモニタ、タブレットコンピュータ等のコンピューティングデバイス、セルラ電話、メディアプレーヤ、又は他のハンドヘルド電子デバイス若しくはポータブル電子デバイス、リストウォッチデバイス、ペンダントデバイス、ヘッドホンデバイス若しくはイヤピースデバイス等のより小型のデバイス、眼鏡に組み込まれたデバイス若しくはユーザの頭部に着用される他の機器、又は他の着用可能なデバイス若しくはミニチュアデバイス、テレビ、組み込み型コンピュータを内蔵していないコンピュータディスプレイ、ゲーミングデバイス、ナビゲーションデバイス、ディスプレイを備えた電子機器がキオスク若しくは自動車に搭載されているシステム等の組み込み型システム、インターネットに接続された音声制御式のワイヤレススピーカ、ホームエンターテインメントデバイス、リモートコントロールデバイス、ゲーミングコントローラ、ユーザ入力用の周辺デバイス、ワイヤレスの基地局若しくはアクセスポイント、ワイヤレス電力デバイス、ファームウェアのテスト、デバッグ又は復元用のデバイス、これらのデバイスのうちの2つ以上の機能性を実現した機器、又は他の電子機器であり得る。
【0022】
機能ブロック図の
図1に示すように、例示的なデバイス10-1は、ハウジング12等の電子デバイスハウジング上に又はその内部に位置する構成要素を含み得る。ケースと呼ばれることもあるハウジング12は、プラスチック、ガラス、セラミック、繊維複合材、金属(例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、金属合金等)、他の好適な材料、又はこれらの材料の組み合わせから形成され得る。ハウジング12の一部又は全体は、絶縁性材料又は他の低導電性材料(例えば、ガラス、セラミック、プラスチック、サファイア等)から形成され得る。他の状況では、ハウジング12、又はハウジング12を形成する構造の少なくとも一部は、金属元素から形成され得る。
【0023】
デバイス10-1は、制御回路14を含み得る。制御回路14は、記憶回路16等の記憶装置を含み得る。記憶回路16は、ハードディスクドライブ記憶装置、不揮発性メモリ(例えば、フラッシュメモリ、又はソリッドステートドライブを形成するよう構成された他の電気的プログラマブル読取り専用メモリ)、揮発性メモリ(例えば、スタティック又はダイナミックランダムアクセスメモリ)等を含み得る。記憶回路16は、デバイス10-1内に集積された記憶装置、及び/又はリムーバブル記憶装置を含み得る。
【0024】
制御回路14は、処理回路18等の処理回路を含み得る。処理回路18は、デバイス10-1の動作を制御するために使用され得る。処理回路18は、1つ以上のプロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、ホストプロセッサ、ベースバンドプロセッサ集積回路、特定用途向け集積回路、中央処理装置(Central Processing Unit、CPU)等を含み得る。制御回路14は、ハードウェア(例えば、専用ハードウェア若しくは回路)、ファームウェア、及び/又はソフトウェアを使用して、デバイス10-1内で動作を実行するよう構成され得る。デバイス10-1内で動作を実行するためのソフトウェアコードは、記憶回路16上に記憶され得る(例えば、記憶回路16は、ソフトウェアコードを記憶する非一時的(有形)コンピュータ可読記憶媒体を含み得る)。ソフトウェアコードは、プログラム命令、ソフトウェア、ファームウェア、データ、命令、又はコードと呼ばれることもある。記憶回路16上に記憶されたソフトウェアコードは、処理回路18によって実行され得る。
【0025】
制御回路14は、衛星ナビゲーションアプリケーション、インターネットブラウジングアプリケーション、ボイスオーバーインターネットプロトコル(Voice-Over-Internet-Protocol、VOIP)通話アプリケーション、電子メールアプリケーション、メディア再生アプリケーション、オペレーティングシステム機能等のソフトウェアを、デバイス10-1上で実行するために使用され得る。外部機器との相互作用をサポートするために、制御回路14は、通信プロトコルの実行に使用され得る。制御回路14を使用して実行され得る通信プロトコルには、インターネットプロトコル、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(Wireless Local Area Network、WLAN)プロトコル(例えば、IEEE802.11プロトコル-Wi-Fi(登録商標)と呼ばれることもある)、Bluetooth(登録商標)プロトコル等の近距離ワイヤレス通信リンクのプロトコル若しくは他のワイヤレスパーソナルエリアネットワーク(Wireless Personal Area Network、WPAN)プロトコル、IEEE802.11adプロトコル(例えば、超ワイドバンドプロトコル)、(例えば、3Gプロトコル、4G(LTE)プロトコル、3GPP第5世代(Fifth Generation、5G)新無線(New Radio、NR)プロトコル等の)セルラ電話プロトコル、アンテナダイバーシティプロトコル、(例えば、全地球測位システム(Global Positioning System、GPS)プロトコル、全地球航法衛星システム(Global Navigation Satellite System、GLONASS)プロトコル等の)衛星ナビゲーションシステムプロトコル、アンテナベースの空間測距プロトコル(例えば、無線検出及び測距(Radio Detection And Ranging、RADAR)プロトコル若しくはミリメートル波及びセンチメートル波の周波数で伝搬される信号用の他の所望の距離検出プロトコル)、又は他の任意の所望の通信プロトコル、が含まれる。各通信プロトコルは、プロトコルを実行する際に使用される物理的接続方法論を指定する、対応する無線アクセス技術(Radio Access Technology、RAT)と関連付けられ得る。
【0026】
デバイス10-1は、入出力回路20を含み得る。入出力回路20は、入出力デバイス22を含み得る。入出力デバイス22を使用して、デバイス10-1にデータを供給するのを可能にし得、デバイス10-1から外部デバイスにデータを提供するのを可能にし得る。入出力デバイス22は、ユーザインタフェースデバイス、データポートデバイス、及び他の入出力構成要素を含み得る。例えば、入出力デバイス22には、タッチセンサ、ディスプレイ(例えば、タッチ感知ディスプレイ及び/又は力感知ディスプレイ)、タッチセンサ能力なしのディスプレイ等の発光構成要素、ボタン(機械的、容量性、光学的等)、スクロールホイール、タッチパッド、キーパッド、キーボード、マイクロホン、カメラ、ボタン、スピーカ、ステータスインジケータ、オーディオジャック、及び他のオーディオポート構成要素、デジタルデータポートデバイス、動きセンサ(動きを検出する加速度計、ジャイロスコープ、及び/若しくはコンパス)、静電容量センサ、近接センサ、磁気センサ、力センサ(例えば、ディスプレイに加えられた圧力を検出するためにディスプレイに結合された力センサ)、温度センサ等、が含まれ得る。いくつかの構成では、キーボード、ヘッドホン、ディスプレイ、及びトラックパッド、マウス、ジョイスティック等のポインティングデバイス、及び他の入出力デバイスは、ワイヤード接続又はワイヤレス接続を使用してデバイス10-1に結合され得る。
【0027】
入出力回路20は、ワイヤレス通信及び/又は無線ベースの空間測距動作をサポートするためのワイヤレス回路24を含み得る。ワイヤレス回路24は、1つ以上のアンテナ30を含み得る。ワイヤレス回路24はまた、1つ以上の無線機26を含み得る。各無線機26は、ベースバンド周波数の信号で動作する回路(例えば、ベースバンドプロセッサ回路)、信号生成器回路、変調/復調回路(例えば、1つ以上のモデム)、無線周波数送受信回路(例えば、無線周波数送信回路、無線周波数受信回路、無線機とベースバンド周波数との間で無線周波数信号をベースバンド周波数又は中間周波数にダウンコンバートする、及び/又はベースバンド又は中間周波数での信号を無線周波数にアップコンバートするためのミキサ回路)、増幅器回路(例えば、1つ以上の電力増幅器及び/又は1つ以上の低雑音増幅器(Low-Noise Amplifier、LNA))、アナログデジタルコンバータ(Analog-to-Digital Converter、ADC)回路、デジタルアナログコンバータ(Digital-to-Analog Converter、DAC)回路、制御経路、電力供給経路、信号経路(例えば、無線周波数送信線路、中間周波数送信線路、ベースバンド信号線路等)、スイッチング回路、フィルタ回路、及び/又はアンテナ(単数又は複数)30を使用して無線周波数を送信及び/又は受信するための他の回路を含み得る。各無線機26の構成要素は、それぞれの基板上に取り付けられるか、又は各自の集積回路、チップ、パッケージ(例えば、システムインパッケージ)、又はシステムオンチップ(System-On-Chip、SOC)に統合され得る。必要に応じて、複数の無線機26の構成要素は、単一の基板、集積回路、チップ、パッケージ、又はSOCを共用し得る。
【0028】
アンテナ30は、任意の所望のアンテナ構造を使用して形成され得る。例えば、アンテナ30は、ループアンテナ構造、パッチアンテナ構造、逆Fアンテナ構造、スロットアンテナ構造、平面逆Fアンテナ構造、螺旋アンテナ構造、モノポールアンテナ、ダイポール、これらの設計の混成等から形成された共振素子を有するアンテナを含み得る。フィルタ回路、スイッチング回路、インピーダンスマッチング回路、及び/又は他のアンテナ同調構成要素は、アンテナ30の周波数応答及びワイヤレス性能を経時的に調整するように調整され得る。ワイヤレス回路24は、任意の所望の数のアンテナ30を含み得る。
【0029】
無線機26内の送受信回路は、1つ以上のアンテナ30を使用して無線周波数信号を伝搬し得る(例えば、アンテナ(単数又は複数)30は、送受信回路のために無線周波数信号を伝搬し得る)。本明細書では、用語「無線周波数信号を伝搬する」は、(例えば、外部ワイヤレス通信機器との一方向及び/又は双方向ワイヤレス通信を実行するための)無線周波数信号の送信及び/又は受信を意味する。アンテナ(単数又は複数)30は、無線周波数信号を自由空間に(又は絶縁カバー層等の介在しているデバイス構造を通って自由空間に)放射することによって無線周波数信号を送信し得る。アンテナ(単数又は複数)30は、(例えば、絶縁カバー層等の介在しているデバイス構造を通って)自由空間から無線周波数信号を追加的に又は代替的に受信し得る。アンテナ(単数又は複数)30による無線周波数信号の送信及び受信の各々は、アンテナの動作の周波数バンド(単数又は複数)内の無線周波数信号によるアンテナ内のアンテナ放射素子上のアンテナ電流の励起又は共振を伴う。
【0030】
無線機26は、アンテナ30を使用して、無線周波数(本明細書では通信バンド又は単に「バンド」と呼ばれることもある)で、異なる周波数バンド内の無線周波数信号を送信及び/又は受信し得る。無線機26が取り扱う周波数バンドは、(例えば、2400~2480MHzの)2.4GHz WLANバンド等のワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)周波数バンド(例えば、Wi-Fi(登録商標) (IEEE 802.11)又は他のWLAN通信バンド)、(例えば、5180~5825MHzの)5GHz WLANバンド、(例えば、5925~7125MHzの)Wi-Fi(登録商標)6Eバンド、及び/又は(例えば、1875~5160MHzの)他のWi-Fi(登録商標)バンド、2.4GHz Bluetooth(登録商標)バンド等のワイヤレスパーソナルエリアネットワーク(WPAN)周波数バンド又は他のWPAN通信バンド、(例えば、約600MHz~約5GHzのバンド、3Gバンド、4G LTEバンド、10GHz以下の5G新無線周波数バンド1(FR1)、20GHzと60GHzの間の5G新無線周波数バンド2(FR2)等の)セルラ電話周波数バンド、10~300GHzの間の他のセンチメートル波又はミリメートル波の周波数バンド、(例えば、13.56MHzでの)近距離場通信(Near-Field Communication、NFC)周波数バンド、(例えば、1565~1610MHzのGPSバンド、全地球航法衛星システム(Global Navigation Satellite System、GLONASS)バンド、BeiDou航法衛星システム(BeiDou Navigation Satellite System、BDS)バンド等の)衛星航法周波数バンド、IEEE802.15.4プロトコル及び/又は他の超ワイドバンド通信プロトコルで動作する超ワイドバンド(Ultra-WideBand、UWB)周波数バンド、3GPPファミリのワイヤレス通信規格下の通信バンド、IEEE 802.XXファミリの規格下の通信バンド、及び/又は任意の他の所望の対象となる周波数バンド、を含み得る。
【0031】
各無線機26は、対応する無線機の構成要素の物理的接続方法論を判定する、各自の無線アクセス技術(RAT)に従って、無線周波数信号を送信及び/又は受信し得る。1つ以上の無線機26は、必要に応じて複数のRATを実行し得る。単なる一例として、デバイス10-1内の無線機26は、1つ以上のアンテナ30を使用してUWB信号を伝搬するためのUWB無線機、1つ以上のアンテナ30を使用してBT信号を伝搬するためのBluetooth(BT)無線機、1つ以上のアンテナ30を使用してWLAN信号を伝搬するためのWi-Fi無線機、1つ以上のアンテナ30を使用してセルラ電話信号を(例えば、4G周波数バンド、5G FR1バンド、及び/又は5G FR2バンドで)伝搬するためのセルラ無線機、及び1つ以上のアンテナ30を使用してNFC信号を伝搬するためのNFC無線機を含み得る。この実施例は例示に過ぎず、一般に、無線機26は、RATの任意の所望の組み合わせをカバーするための無線機の他の任意の所望の組み合わせを含み得る。
【0032】
ワイヤレス回路24は、ワイヤレス電力(受信)回路32及び1つ以上のコイル34等のコイル構造等のワイヤレス電力回路を含み得る。デバイス10-1は、ワイヤレス電力回路32及びコイル34を使用して、ワイヤレス電力アダプタ(例えば、ワイヤレス電力送信デバイス)からワイヤレス送信電力(例えば、ワイヤレス充電信号)を受信し得る。
【0033】
ワイヤレス電力アダプタは、ワイヤレス電力送信コイルを通ってAC電流を通過させて、デバイス10-1内のコイル34によってワイヤレス電力(ワイヤレス充電信号)として受信される時変電磁場(例えば、磁場)を生成し得る。ワイヤレス電力回路32は、ワイヤレス充電信号からデバイス10-1に給電するためのDC電圧を生成する整流回路等のコンバータ回路を含み得る。ワイヤレス電力回路32内の整流回路によって生成されたDC電圧は、バッテリ等のエネルギ蓄積デバイスへの充電に使用し得、及び/又はデバイス10-1内の他の構成要素への給電に使用し得る。
【0034】
明確にするために、
図1の実施例では、制御回路14は、ワイヤレス回路24とは別個に示されているが、ワイヤレス回路24は、処理回路18の一部を形成する処理回路(例えば、1つ以上のプロセッサ)、及び/又は制御回路14の記憶回路16の一部を形成する記憶回路を含み得る(例えば、制御回路14の一部分は、ワイヤレス回路24上に実装され得る)。
【0035】
無線機26は、アンテナ30を使用して、無線周波数信号を送信及び/又は受信して、デバイス10-1と1つ以上の他の外部ワイヤレス通信機器又はデバイスとの間でワイヤレス通信データを伝搬し得る。
図1の例示的な例では、システム8は、電子デバイス10-2(本明細書では外部機器10-2又は電子機器10-2と呼ばれることもある)を含み、このデバイスは、電子デバイス10-1に関連して上述したのと同じ要素のうちの1つ以上を有し得る。特に、
図1に示すように、電子デバイス10-2は、無線機56等の1つ以上の無線機及びアンテナ60等の1つ以上のアンテナを有するワイヤレス回路54等のワイヤレス回路を含み得る。
【0036】
デバイス10-1と10-2は、各自のワイヤレス回路を介して1つ以上の通信リンク66によって通信可能に結合され得る。ワイヤレス通信データは、デバイス10-1と10-2との間で双方向又は一方向に伝搬され得る。例として、デバイス10-1と10-2は、半二重通信リンク又は全二重通信リンクを形成し得る。
【0037】
本明細書では、デバイス10-2が、デバイス10-1のファームウェアのテスト、デバッグ、復元、及び/又はファームウェアに関連する他の機能を実行するように構成された機器等のファームウェア更新用の機器を実装した構成が、例示的な例として説明される。必要に応じて、デバイス10-2は、他の機能性を有する機器又はデバイスであってもよく、又はそれらを実装してもよい。
【0038】
デバイス10-2のこれらの構成のいくつかでは、デバイス10-1と伝搬されるワイヤレス通信データは、デバイス10-1上で実行されるソフトウェアアプリケーションと関連付けられたワイヤレスデータ、デバイス10-1のソフトウェア更新に関連付けられたワイヤレスデータ、デバイス10-1のテスト、デバッグ、及び/又は修復に関連付けられたワイヤレスデータ、デバイス10-1のデフォルト設定又は工場設定へのリセット又は復元に関連付けられたワイヤレスデータ、電話コール、メッセージ、ストリーミングメディアコンテンツ、又はインターネットブラウジングに関連付けられたワイヤレスデータ等の対応するデータパケットに暗号化されたデータを含み得る。
【0039】
デバイス10-2のこれらの構成のいくつかでは、デバイス10-2内のワイヤレス回路54は、ワイヤレス電力(送信)回路62及び1つ以上のコイル64等のコイル構造を含み得る。このように構成されると、デバイス10-2は、ワイヤレス電力回路62及びコイル64を使用して、ワイヤレス電力(信号)をデバイス10-1に送信し得る。
【0040】
デバイス10-2のこれらの例示的な構成のいくつかでは、デバイス10-2は、プラットフォーム、載置台、ドック、又はデバイス10-2のワイヤレス回路及び他の構成要素(例えば、制御回路、入出力デバイス等)が取り付けられ、デバイス10-1を受け持つように構成された他の構造等の支持構造42を含み得る。例として、支持構造42は、プラスチック、ガラス、セラミック、繊維複合材料、金属、他の好適な材料、又はこれらの材料の組み合わせで形成され得る。
【0041】
図1の実施例は、単なる例示に過ぎない。必要に応じて、システム8は、任意の好適な数の(例えば、デバイス10-1及び/又はデバイス10-2と同様の要素を有する)電子デバイス又は機器を含み得る。必要に応じて、デバイス10-1又はデバイス10-2は、互いに代わって又は互いに加えて、これらの他の電子デバイス又は機器のうちの1つ以上に通信可能に結合され得、又は時間的に独立して動作し得る。必要に応じて、デバイス10-1及び10-2は、任意の他の適切な要素を含み得るか、又は
図1に関連して説明した1つ以上の要素を省略し得る。
【0042】
図2は、
図1のワイヤレス回路24の機能ブロック図である。
図2に示すように、各無線機26は、1つ以上の無線周波数送信線70を介して1つ以上のアンテナ30に結合され得る。例示的な例として、各無線周波数送信線36は、信号導体72等の導体及び信号導体74等の導体を含み得る。対応するアンテナ30は、導体72に結合されたアンテナフィード端子78と導体74に結合されたアンテナフィード端子80とを有するアンテナフィード76等のアンテナフィードを含み得る。必要に応じて、送信線70は、追加のアンテナフィード端子に結合された追加の信号導体を含み得る。
【0043】
必要に応じて、1つ以上の無線周波数送信線70は、無線機26の間で及び/又はアンテナ30の間で共用され得る。無線周波数フロントエンド(Radio-Frequency Front End、RFFE)モジュールは、1つ以上の無線周波数送信線70の間に介設され得る。無線周波数フロントエンドモジュールは、無線機26とは別個の基板、集積回路、チップ、又はパッケージを含み得、そしてフィルタ回路、スイッチング回路、増幅器回路、インピーダンスマッチング回路、無線周波数カプラ回路、及び/又は無線周波数送信線70を介して伝搬される無線周波数信号で動作するための任意の他の所望の無線周波数回路を含み得る。
【0044】
図2は、デバイス10-1(
図1)における1つ以上の無線機26及び1つ以上のアンテナ30を示しているが、システム8内のデバイス10-2及び他のデバイス等の他の電子デバイスは、同じように構成された1つ以上の無線機及びアンテナを含み得る。
【0045】
いくつかの例示的な構成では、電子デバイスは、高データレートのワイヤードコネクタを含み得る。これらのワイヤードコネクタは、かさばって電子デバイス内の過大な空間を占めることがあり、電子デバイスのセキュリティを弱める外部入出力ポートを必要とする。したがって、高データレートのワイヤレス通信リンクを確立できるワイヤレス回路を提供することが望ましい場合がある。
【0046】
しかしながら、(例えば、10GHz超の)約60GHzの1つ以上の周波数等の比較的高い周波数で動作するワイヤレス回路を提供し、ことによって、高データレートのデータ転送を可能にするのは、大きな課題を提起することがある。例として、空間節約を提供するために、これらの周波数でのワイヤレス回路をコンパクトにするのは困難であり得、各ワイヤレスデバイス内の他の構成要素(例えば、ワイヤレス回路の他の部分、導電性要素、ハウジング構造等)は、これらのワイヤレス通信リンクを確立するためのワイヤレス回路の動作を妨害する可能性があり、通信デバイス(例えば、各自のワイヤレス回路)間の位置合わせのずれ及び各自のワイヤレス回路間に介在している構造は、ワイヤレス通信リンクを劣化させる可能性がある。このようにして、システム8(
図1)内の電子デバイスのうちの1つ以上には、これらの課題のうちの1つ以上を考慮して、改善されたワイヤレス回路を備えさせ得る。
【0047】
図3は、1つ以上のデバイス(例えば、
図1のシステム8内のデバイス)用のワイヤレス回路を実装することができるワイヤレス通信モジュール82等の例示的なワイヤレス通信モジュールの断面図である。本明細書では、ワイヤレス通信モジュール82が、10GHz~300GHzの間の1つ以上の周波数で(例えば、60GHzの周波数バンドで)動作してファームウェアテストデータ、ファームウェアデバッギングデータ、ファームウェア修復データ、ファームウェア復元データ、及び/又はデバイス構成データを伝搬する構成が、例示的な例として説明される。必要に応じて、ワイヤレス通信モジュール82は、(例えば、1つ以上の好適な周波数バンドをカバーする)任意の好適な周波数で動作し得、そして所望の機能に対して任意の適切なタイプのデータを伝搬し得る。
【0048】
図3に示すように、モジュール82は、基板84等の基板を含み得る。基板84は、複数の層86を含み得、したがって、多層基板と呼ばれ得る。層86のいくつかは、絶縁性材料等の1つ以上の非導電性材料から形成され得、層86のいくつかは、金属材料等の導電性材料であり得、そして層86のいくつかは、半導体材料等の他の材料から形成され得る。
【0049】
基板84は、対向している第1の表面と第2の表面(例えば、
図3の上面と底面)を有する。導電性(金属製)パッチ素子90等のアンテナ用のアンテナ放射素子は、基板84の第1の表面上に配設され得る。導電性接地層92(接地リング92と呼ばれることもある)等のアンテナ用のアンテナ接地構造もまた、基板84の第1の表面上に配設され得る。接地層92は、パッチ素子90を取り囲み、かつ絶縁ギャップ91によってパッチ素子90から分離され得る。接地層94等のアンテナ用の追加のアンテナ接地構造は、基板84に組み込まれ得る。基板84内の導電性ビア96等の導電性構造は、第1の表面上の接地層92を、組み込まれた接地層94に結合し得る(例えば、電気的に短絡させ得る)。1つ以上の追加の介在している導電性接地層98もまた、ビア96に結合され得る(例えば、電気的に短絡され得る)。このように構成されると、アンテナ用の導電性接地構造(例えば、接地層92、94、及び98、並びにビア96)は、取り囲んでパッチ素子90用の空洞部を画定し得る。
【0050】
モジュール82は、パッチ素子90用の無線周波数集積回路又は無線機(例えば、
図1の無線機26)を実装した集積回路等の無線機構成要素88を含み得る。無線機構成要素88を形成する集積回路は、
図1の無線機26に関連して説明した1つ以上の要素を含み得る。無線機構成要素88は、基板84の第2の側面に取り付けられ得る。無線機構成要素88は、1つ以上の信号経路104に沿ってアンテナ信号をアンテナ素子(例えば、パッチ素子90、接地構造等)に提供し得る。一例として、信号経路104は、アンテナ放射素子及びアンテナ接地に結合された送信線構造(例えば、信号導体経路、接地導体経路等)を形成し得る。
図3に示すように、アンテナは、パッチ素子90に結合された端子102-1及び102-2等の1つ以上の正のアンテナフィード端子を含み得る。無線機構成要素88は、信号経路104と端子102-1に結合された100-1から形成された第1の信号導体に沿ってアンテナ信号を提供し得る。無線機構成要素88は、信号経路104と端子102-2に結合された100-2から形成された第2の信号導体に沿ってアンテナ信号を提供し得る。無線機構成要素88は、モジュール82上のアンテナ接地構造に結合された1つ以上の接地導体を提供し得る。
【0051】
必要に応じて、モジュール82は、基板84の第2の表面上の入出力パッド、入出力ポート、入出力ピン等の入出力構造を含み得る。無線機構成要素88は、第2の表面におけるこれらの入出力構造を介して、信号経路104に(例えば、はんだによって)結合され得る。これらの入出力構造は、モジュール82(例えば、モジュール82内の無線機構成要素88)が電子デバイス内の他の構成要素とインタフェースするのを可能にし得る。一例として、デバイス内のモジュール82と当該デバイス内の制御回路は、共用パッケージ基板上に取り付けられ得る。この例では、制御回路は、ワイヤレス通信用のデータを伝搬するために、1つ以上の信号経路を介して無線機構成要素88に結合され得る。これらの信号経路は、共用パッケージ基板内の金属ルーティング層、パッケージ基板をモジュール82に接続する入出力構造の第1のセット、基板84内の金属ルーティング層、及び無線機構成要素88を基板84内の金属ルーティング層に結合する入出力構造の第2のセットを含み得る。
【0052】
図4は、
図3のワイヤレス通信モジュール82の上面図である。
図4に示すように、パッチ素子90は、矩形の輪郭(例えば、正方形の輪郭)を有し得る。よって、矩形は、2つの主(中央)垂直軸106と108を有し得る。アンテナフィード端子102-1は、軸106に沿って位置し得る。アンテナフィード端子102-2は、軸108に沿って位置し得る。こういう風に構成されると、パッチ素子90は、多偏波の無線周波数信号を伝搬するように動作可能であり得る。一例として、端子102-1を使用して伝搬される無線周波数信号は、第1の直線偏波を有し得、端子102-2を使用して伝搬される無線周波数信号は、(第1の直線偏波に直交する)第2の直線偏波を有し得る。
【0053】
パッチ素子90のこれらの構成は、単なる例示に過ぎない。必要に応じて、パッチ素子90は、任意の適切な形状又は輪郭を有し得る。必要に応じて、1つ以上のアンテナフィード端子は、1つ以上の好適な位置でパッチ素子90に結合され得る。必要に応じて、パッチ素子90は、単一の偏波の無線周波数信号を伝搬し得、又は異なる円形偏波の無線周波数信号を伝搬し得る。
【0054】
図4に示すように、接地層92は、絶縁ギャップ91(例えば、エアギャップ又は非導電性材料によって充填されたギャップ)によってパッチ素子90から分離され得る。絶縁ギャップ91は、パッチ素子90の周辺の周りを囲むように延在してもよい。言い換えれば、接地層92は、パッチ素子90の周縁の各々に沿ってパッチ素子90を取り囲み得、かつパッチ素子90の対応している周縁に平行に延在している縁部を有し得る。必要に応じて、接地層92とパッチ素子90の対向している縁部を分離する距離は、同じであり得る。特に、距離110-1と、距離110-2と、他の周縁でのパッチ素子90と接地層92との間の対応する距離とは、同じであり得る。必要に応じて、これらの距離のうちの1つ以上が互いに異なり得る。
【0055】
絶縁ギャップ91によって与えられるパッチ素子90と接地層92との間の分離(例えば、距離110-1及び110-2)は、波形形成のための十分な空間を可能にするように構成され得る。これは、パッチ素子90によって伝搬される無線周波数信号に、(例えば、平面波、互いにサポートする直交する電場と磁場を呈する)遠距離場特性を付与するのを可能にし得る。これらの距離は、パッチ素子90の動作の有効波長(例えば、経路要素90を囲んでいる材料の絶縁特性を考慮に入れることによって調整された動作波長)に基づいて、無線周波数信号が遠距離場特性を呈するのを可能にし得る。
【0056】
図4に示すように、モジュール84は、丸い角を有する矩形の輪郭を有し得る。モジュール84の丸い角は、モジュール84を狭い空間に収めるのに役立ち得る。接地層92は、ギャップ91の縁部を画定している内縁(例えば、パッチ素子90からの適切な分離)を有し得る。接地層92の内縁はまた、パッチ素子90からの適切な分離を維持するのに役立つように、丸い角を有する矩形の輪郭を有し得る。接地層92は、モジュール82の周縁において内縁から外縁までに及び得る。これは、モジュール82の製造プロセスの改善に役立ち得る。
図4の例では、モジュール82の矩形の外形は幾何学的中心を有し得、パッチ素子90の輪郭は、モジュール82の幾何学的中心からオフセットされた幾何学的中心を有し得る。必要に応じて、モジュール82の他の構成を使用し得る。
【0057】
例示的な例として本明細書で説明されるいくつかの構成では、デバイス10-1は、リストウォッチデバイス(例えば、スマートウォッチ)等のポータブルデバイスであり得る。必要に応じて、デバイス10-1に関して他の構成を使用し得る。
図5は、デバイス10-1を実装し得る例示的なポータブル電子デバイスの斜視図である。
図5の実施例では、デバイス10-1は、ディスプレイ112等のディスプレイを含む。ディスプレイ112は、ハウジング12等のハウジングに取り付けられ得る。ハウジング12は、ハウジング12の一部又は全部が単一の構造として機械加工又は成形されたユニボディ構造を用いて形成され得、又は複数の構造(例えば、内部フレーム構造、ハウジング外面を形成する1つ以上の構造等)を用いて形成され得る。ハウジング12は、側壁12W等の金属側壁、又は他の材料から形成された側壁を有し得る。側壁12Wの形成に使用し得る金属材料の例は、ステンレス鋼、アルミニウム、銀、金、金属合金、又は任意の他の所望の導電性材料を含み得る。側壁12Wは、本明細書では、ハウジング側壁12W又は導電性ハウジング側壁12Wと呼ばれることがある。
【0058】
ディスプレイ112は、デバイス10-1の前側(面)に形成され(例えば、取り付けられ)得る。ハウジング12は、デバイス10-1の前面に対向している後側ハウジング壁12R等のデバイス10の後側(面)に後側ハウジング壁を有し得る。導電性ハウジング側壁12Wは、デバイス10-1の周辺を囲み得る(例えば、導電性ハウジング側壁12Wは、デバイス10の周縁の周辺に延在してもよい)。後側ハウジング壁12Rは、導電性材料及び/又は絶縁性材料から形成され得る。後側ハウジング壁12Rの形成に使用し得る絶縁性材料の例は、プラスチック、ガラス、サファイア、ジルコニア等のセラミック、木材、ポリマー、これらの材料の組み合わせ、又は任意の他の所望の絶縁体を含み得る。
【0059】
後側ハウジング壁12R及び/又はディスプレイ112は、デバイス10-1の(例えば、x軸に平行な)長さ及び(例えば、y軸に平行な)幅の一部若しくは全体にわたって延在してもよい。導電性ハウジング側壁12Wは、デバイス10-1の高さ(例えば、z軸に平行)の一部又は全体にわたって延在してもよい。導電性ハウジング側壁12W及び/又は後側ハウジング壁12Rは、デバイス10-1の1つ以上の外面(例えば、デバイス10-1のユーザから見える面)を形成し得、及び/又はデバイス10の外面を形成しない内部構造(例えば、ガラス、セラミック、プラスチック等の絶縁性材料を含み得る薄い装飾層、保護コーティング、及び/又は他のコーティング層等の層で被覆された導電性構造、あるいはデバイス10-1の外面を形成し、及び/又はハウジング壁12R及び/又は12Wをユーザの視界から隠すように機能する他の構造等、デバイス10のユーザに見えない導電性又は絶縁性のハウジング構造等)を使用して実装され得る。
【0060】
ディスプレイ112は、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display、LCD)構成要素から形成されたディスプレイ画素のアレイ、電気泳動ディスプレイ画素のアレイ、プラズマディスプレイ画素のアレイ、有機発光ダイオード(Light-Emitting Diode、OLED)ディスプレイ画素のアレイ、エレクトロウェッティングディスプレイ画素のアレイ、又は他のディスプレイ技術に基づくディスプレイ画素を含み得る。ディスプレイ112は、ディスプレイカバー層を使用して保護され得る。ディスプレイカバー層は、ガラス、プラスチック、サファイア等の透明材料若しくは他の絶縁性結晶材料、セラミック、又は他のクリア材料から形成されてもよい。ディスプレイカバー層は大体、例えば、デバイス10-1の長さ及び幅の全体にわたって延在してもよい。
【0061】
デバイス10-1は、ボタン114等のボタンを含んでもよい。デバイス10-1には、任意の好適な数のボタンがあり得る。ボタンは、ハウジング12の開口部(例えば、導電性ハウジング側壁12W又は後側ハウジング壁12Rの開口部)に配置されてもよい。ボタンは、回転式ボタン、スライド式ボタン、可動ボタン素子を押圧することによって作動されるボタン等であり得る。ボタン114等のボタン用のボタン素子は、金属、ガラス、プラスチック、又は他の材料から形成されてもよい。
【0062】
必要に応じて、デバイス10-1は、ストラップ116等のストラップに連結されてもよい。(一例として)、ストラップ116は、ユーザの手首にデバイス10-1を保持するために使用され得る。ストラップ116は、本明細書では時に、手首ストラップ116と呼ばれることがある。
図5の実施例では、手首ストラップ116は、デバイス10-1の対向している側面に接続されている。導電性ハウジング側壁12W及び/又は後側ハウジング壁12Rは、手首ストラップ116をハウジング12に固定するためのアタッチ構造(例えば、ハウジング12を手首ストラップ116を受け持つように構成するラグ又は他のアタッチメント構造)を含み得る。デバイス10-1には、ストラップを含まない構成もまた使用し得る。
【0063】
図6は、後側ハウジング壁12Rコイルを通って無線周波数信号を伝搬するために、ワイヤレス通信モジュール内のアンテナが、デバイス10-1内にどのように取り付けられ得るかを示す電子デバイス10-1(
図5)の部分断面側面図である。
図6に示すように、ディスプレイ112はデバイス10の前面を形成し得るが、これに対して、後側ハウジング壁12Rはデバイス10-1の後面を形成する。
図6の例では、後側ハウジング壁12Rは、ガラス、サファイア、ジルコニア等のセラミック、又はプラスチック等の絶縁性材料から形成される。これは単なる例示に過ぎず、必要に応じて、後側ハウジング壁12Rはまた、導電性部分(例えば、後側ハウジング壁12Rの1つ以上の絶縁窓を囲んでいる導電性フレーム、導電性化粧層等)を含み得る。
【0064】
ディスプレイ112は、ディスプレイモジュール122の上方にディスプレイカバー層120を含み得る。ディスプレイモジュール122は、例えば、画像を表示し、及び/又はタッチセンサ入力を受信する、ディスプレイ112のアクティブ領域又は部分を形成し得る。ディスプレイモジュール122を含まないディスプレイ112の側辺部分(例えば、ディスプレイカバー層120から形成されているが、下にディスプレイモジュール122の一部分がないディスプレイ112の部分)は、本明細書では、ディスプレイ112の非アクティブ領域又は部分と呼ばれることがある。
【0065】
ディスプレイモジュール112は、デバイス10-1の前面を通って放射するアンテナの一部分(例えば、ディスプレイモジュール122及び/又は導電性ハウジング側壁12Wによって画定された放射スロット素子等の放射素子を有するアンテナ等)の形成に使用される導電性構成要素(本明細書では、導電性ディスプレイ構造と呼ばれることもある)を含み得る。ディスプレイモジュール122内の導電性ディスプレイ構造は、例えば、平面形状(例えば、平面矩形状、平面円形状等)を有し得、デバイス10-1内の前向きアンテナのアンテナ電流を通電させる金属及び/又は他の導電性材料から形成され得る。導電性ディスプレイ構造は、ディスプレイモジュール122、画素回路、タッチセンサ電極、組み込み型近距離場通信アンテナ等用のフレームを含み得る。
【0066】
ディスプレイカバー層120は、ガラス、サファイア、セラミック、又はプラスチック等の光学的に透明な絶縁体から形成され得る。ディスプレイモジュール122は、ディスプレイカバー層120を通ってユーザが視認するための画像を表示(例えば、画像光を放出)し得、及び/又はディスプレイカバー層120を通ってタッチ力センサ入力又は力センサ入力を集め得る。必要に応じて、ディスプレイカバー層120の部分は、デバイス10-1の内部をユーザの視野から覆い隠すために、不透明なマスキング層(例えば、インクマスキング層)及び/又は顔料が提供され得る。
【0067】
1つ以上の剛性プリント回路基板、1つ以上のフレキシブルプリント回路、1つ以上のパッケージ基板等の基板が、デバイス10-1の内部に配置されてもよい。
図6の例では、システムパッケージ124(例えば、システムインパッケージ(SIP))用の基板126は、デバイス10-1内に配設されてもよい。構成要素128(例えば、
図1の制御回路14又は他の回路、入出力回路20等を実装した1つ以上の集積回路)等のシステム構成要素は、基板126に取り付けられ得る。
【0068】
かさばったコネクタ構成要素を除去することによって、シームレスなデバイス外面を提供し、デバイスの防水性を改善し、使用可能なデバイス内部空間を最適化するために、電子デバイス内のワイヤードコネクタ構造を取り除くのが望ましい場合がある。一例として、電子デバイスは、電子デバイス上のファームウェア又は他の機能のための受信用のワイヤードコネクタポートを含むことができる。これらのワイヤードポート及びコネクタを除去することが望ましい場合がある。
【0069】
ワイヤードコネクタの機能性を保留するために、同じ機能性のうちの1つ以上を有するワイヤレス回路を提供することが望ましい場合がある。上記の例では、電子デバイスのファームウェアのテスト、デバッグ、及び/又は復元を伝搬するためのワイヤレス通信を提供することが望ましい場合がある。ワイヤード接続の既存のアプリケーションをワイヤレス接続で維持及び/又は改善するために、ワイヤレス接続は、双方向ワイヤレス通信リンクにおいて高いデータレートを使用してデータを伝搬し得る。ワイヤレス通信リンクは、10インチ未満、5インチ未満、4インチ未満、2インチ未満、1インチ未満等の距離にわたって、又は1インチ超、2インチ超、5インチ超等の距離にわたって、ワイヤレス回路間で確立され得る。一例として、一部のワイヤード接続(例えば、デバッグ、テスト、復元、及び/又は他のデータを伝搬するためのワイヤード接続)を十分に代替するために、ワイヤレス通信リンクは、100キロビット/秒以上、1メガビット/秒(Megabit per second、Mbps)以上、100Mbps以上、500Mbps以上、1ギガビット/秒以上等の速度の高データレートのデータ転送動作を使用してデータを伝搬し得る。
【0070】
デバッグ、テスト、及び/又はデータを伝搬するためのワイヤード接続を除去及び/又は代替する例は、単なる例示に過ぎない。必要に応じて、USBワイヤード接続又は他のプロトコルに基づくワイヤード接続等の他のワイヤード接続、又は他のタイプの信号を伝搬するワイヤード接続を除去すること、及び/又はワイヤレス接続(例えば、高データレート、双方向、及び/又は近距離場ワイヤレス接続)を用いて代替することが同様に望ましい場合がある。
【0071】
限定されたデバイス内部空間を考慮すると、追加のワイヤレス回路(例えば、アンテナ及び無線機構成要素)を組み込んでこれらのワイヤレス接続を実行することは、コンパクトで十分に統合されたアンテナ素子の実装を必要とし得る。
図6を更に参照すると、アンテナ及び無線機を有するアンテナモジュール82(
図3及び
図4)等のアンテナモジュールは、システムパッケージ124に統合され得る。
【0072】
アンテナ放射素子90は、後側ハウジング壁12Rを通って無線周波数信号134を伝搬するように、後側ハウジング壁12Rに面するアンテナモジュール82の側面上に配設され得る。後側ハウジング壁12Rを通って無線周波数信号を伝搬するときに波形形成に役立つように、開口部132等の開口部(本明細書では空洞部又は凹部と呼ばれることもある)は、アンテナ素子90と重なり得る。アンテナ素子90と後側ハウジング壁12Rとの間の分離(例えば、開口部132の高さ)を提供することにより、遠距離場領域用の(例えば、平面波、互いにサポートする直交する電場と磁場等の遠距離場特性を有する)無線周波数信号が伝搬され得るように、波形形成が起こることができる。開口部132によって提供される分離は、パッチ素子90用の動作の有効波長(例えば、経路要素90を囲んでいる材料の絶縁特性を考慮に入れることによって調整される動作波長)に基づいて、無線周波数信号が遠距離場特性を呈するのを可能にし得る。
【0073】
後側ハウジング壁12Rは、開口部132の1つ以上の側面を画定し得る。必要に応じて、構成要素130等の隣接している構成要素は、開口部132の1つ以上の側面を画定するのに役立ち得る。いくつかの例示的な例では、構成要素130は、追加のアンテナ放射素子(例えば、後側ハウジング壁12R上の後向きアンテナ放射素子)等の導電性構造を含み得る。必要に応じて、追加のアンテナ放射素子は、開口部132の周辺境界を画定するのに役立ち得る。必要に応じて、他の導電性又は非導電性の構成要素は、開口部132の境界を画定するのに役立ち得る。
【0074】
図7は、
図6の後側ハウジング壁12Rの角部領域の斜視図である。
図7に示すように、後側ハウジング壁12Rは、ハウジング壁12Rの下面138から隆起しているレッジ140等のレッジ部分を有し得る。下面138は、後側ハウジング壁12Rのデバイス内面であってもよく、そして表面138の対向面は、デバイス10-1の背面を画定している後側ハウジング壁12Rのデバイス外面であってもよい。レッジ140は、側壁12Wに結合された(例えば、アタッチされた)後側ハウジング壁12Rの一部分であり得る。
図7に示すように、レッジ140は、デバイス10-1の少なくとも2つの周辺側面に沿って延在してもよく、デバイス10-1のすべての4つの周辺側面に沿って(例えば、デバイス10-1の周辺の周りに)延在してもよい。
図7に示すように、デバイス10-1の2つの周辺側面に沿って延在しているレッジ140の2つの部分は、後側ハウジング壁12Rの角部で接合され得る。
【0075】
図7の例では、
図6のアンテナ素子90と位置合わせされた開口部132は、デバイス10-1の周辺側面のうちの1つに沿ったレッジ140の凹部から形成され得る。特に、開口部132は、レッジ140の角部領域に形成され得る。これは、デバイス10-1内の他の構成要素からの干渉を回避し、コンパクトな実装を提供するために、アンテナ素子90をデバイス10-1の角部の近くに配置するのを可能にし得る。
【0076】
開口部132は、レッジ140の表面142、144、及び146によって画定されている周辺側面(境界)を有し得る。
図7の例では、凹部132は、レッジ140の上面から表面138と同一平面上にある底面148まで延在しているように示されている。しかしながら、これは単なる例示に過ぎない。必要に応じて、凹部132の底面148は、表面138に対して依然として隆起していてもよい。一般に、凹部132の深さ(例えば、底面148の位置)及び凹部132の幅及び長さ(例えば、表面142、144、及び146の位置)は、開口部132内での波形形成が、アンテナ素子90によって伝搬される無線周波数信号が遠距離場特性を呈するのに役立つのを可能にするように構成され得る。
【0077】
図7の構成は、単なる例示に過ぎない。後側ハウジング壁12Rの異なる部分が平面状の表面を有するように示されているが、これは例示に過ぎない。必要に応じて、これらの表面(例えば、表面138、142、144、146、148等)のうちの1つ以上は、曲面であり得る。開口部132(及び結果的に、アンテナ素子90)は、後側ハウジング壁12R内のレッジ14の角部領域に形成されているように示されているが、必要に応じて、開口部132(及び結果的に、アンテナ素子90)は代わりに、他の好適な位置に配設され得る。
【0078】
図8は、ワイヤレス通信モジュール82を組み込んだシステムパッケージ124等の例示的なシステムパッケージ(例えば、システムインパッケージ(SIP))の断面図である。
図8に示すように、システムパッケージ124は、パッケージ基板126を含み得る。基板84の底面は、パッケージ基板126の上面に取り付けられ得る。特に、基板84の底面上の入出力構造は、はんだボール156等のはんだによって、基板126の上面上の入出力構造に電気的に接続され得る。こういう風にすると、基板126内の(信号)ルーティング層は、基板84内の(信号)ルーティング層に電気的に接続される、ことによって、無線機構成要素88に接続され得る。無線機構成要素88は、はんだ(例えば、はんだボール又はマイクロバンプ152)によって基板84の底面上の入出力構造に結合され得、そして基板84内のルーティング層を介して基板126内のルーティング層に接続され得る。
【0079】
封入材料又は封入剤158を使用して、パッケージ基板124に取り付けられたワイヤレス通信モジュール82及び他の構成要素を封入し得る。こういう風にすると、封入材料158は、システムパッケージ124内の基板84、はんだ152及び156、無線機構成要素88、並びに他の構成要素を取り囲む、ことによって、それらを汚染物質及び風化から保護し得る。封入材料158はまた、基板84の上面に沿って(例えば、アンテナ素子90の上方に)形成され得る。
【0080】
遮蔽層160等の導電性(電磁)遮蔽層を、封入材料158、及び基板126の1つ以上の側面及び/又は表面を被覆するように(例えば、スパッタリングによって)堆積することによって、潜在的な電磁干渉からシステムパッケージ124内の構成要素を遮蔽し得る。封入材料158の開口部は、アンテナ接地リング92(又は接地リング92に接続された接触パッド)の一部分を露出させるように、基板84の上面に沿って形成され得る。導電性遮蔽層160は、封入材料158の開口部で接地リング92に電気的に接続(短絡)され得る。導電性遮蔽層160は、(例えば、導電性遮蔽層160の一部分を取り除くことによって)、アンテナ素子90と重なるか、又はアンテナ素子90と位置合わせされた開口部を画定し得る。したがって、アンテナ素子90は、導電性遮蔽材料160によって干渉されることなく、無線周波数信号を伝搬し得る。
【0081】
図9は、ワイヤレス通信モジュールを組み込んだシステムパッケージ124を有するデバイス10-1等の例示的な電子デバイスの平面図である。
図9に示すように、システムパッケージ124は大体、デバイス10-1の矩形の輪郭にわたって延在(例えば、1つの側壁12Wから対向している側壁12Wに延在)してもよい。
図9の例では、ワイヤレス通信モジュール及びアンテナ素子90は、システムパッケージ124の角部領域(例えば、デバイス10-1の角部領域)に取り付けられ得る。
【0082】
必要に応じて、デバイス10-1内の異なる機能システム(例えば、制御回路、電力管理回路、他の無線機構成要素等)は、システムパッケージ124に組み込まれて、システムインパッケージに形成され得る。特に、封入材料(例えば、封入材料158)は、システムパッケージ124の機能表面全体にわたって(例えば、構成要素が取り付けられたパッケージ基板上の1つ以上の表面の全体にわたって)形成され得る。同様に、導電性遮蔽層160は、アンテナ素子90が形成される開口部を除いて、システムパッケージ124全体にわたって延在してもよい。遮蔽層160の開口部は、下にアンテナ素子90が配設されている封入材料158を露出させることができる。
【0083】
デバイス10-1等の電子デバイスは、1つ以上の例示的な電子デバイス(例えば、デバイス10-1の外部の機器)とワイヤレスで通信し得る。例示的な例として本明細書で説明されるいくつかの例示的な構成では、デバイス10-1は、デバイス10-2とワイヤレスで通信し得る。例示的な構成では、デバイス10-2は、デバイス10-1のファームウェア上で動作するように構成された、ファームウェアのテスト、デバッグ、及び/又は復元用の機器を実装し得、したがって、外部テスト機器と呼ばれることがある。必要に応じて、デバイス10-2は、他の機能を果たし、任意の所望のようにデバイス10-1と相互作用し得る。
【0084】
図10及び
図11は、デバイス10-2の異なる例示的な部分を示す図である。
図10は、デバイス10-1等の1つ以上のデバイスとワイヤレスで通信するように構成されたドック170等の例示的なドックの平面図である。特に、ドック170は、ワイヤレスリンクを介してデバイス10-1のファームウェアのテスト、デバッグ、及び/又は復元又は他の機能を実行するように構成され得る。
【0085】
特に、デバイス10-2は、上に制御回路、ワイヤレス回路、及び他の回路等のドック170の他の機能部分が取り付けられたプラットフォームであり得る支持構造172を含み得る。
図10に示すように、デバイス10-2は、ワイヤレス通信モジュール82-2(例えば、
図3及び
図4のワイヤレス通信モジュール82と同じ構成のワイヤレス通信モジュール)等のワイヤレス回路を含み得る。
図10の例示的な構成では、ワイヤレス通信モジュール82-2は、対応するアンテナ素子(例えば、
図3及び
図4のアンテナ素子90)が配設される上面(例えば、+z方向)を有し得る。言い換えれば、アンテナ素子は、+z方向にページから無線周波数信号を伝搬するように構成されている。アンテナ素子用の無線機構成要素(例えば、
図3の無線機構成要素88)は、ワイヤレス通信モジュール82-2の対向している底面(例えば、-z方向)に取り付けられ得る。
【0086】
他のデバイスとのより効率的な通信リンクを確立するために、ワイヤレス通信モジュール82-2を支持プレート174上に配設することができる。支持プレート174は、支持構造172の上方に配設され得、かつワイヤレス通信82-2を支持構造172上に適切な距離だけ(+z方向に)隆起させるように構成され得る。これは、ワイヤレス通信モジュール82-2と、ワイヤレス通信モジュール82-2と通信する対応するワイヤレス回路との間に適切な距離を提供するのに役立ち得る。位置合わせプレート176は、支持プレート174と重なり得、開口部180を含み得る。特に、ワイヤレス通信モジュール82-2は、位置合わせプレート176内の開口部180内に配置され得る。位置合わせプレート176は、ワイヤレス通信モジュール82-2と通信するワイヤレス回路とを適切に位置合わせするように、y-x平面におけるワイヤレス通信モジュール82の相対位置を固定し得る。ねじ等の位置合わせ及びアタッチ構造178は、位置合わせプレート176(及び支持プレート174)を支持構造172に保持し得る。
【0087】
ワイヤレス通信モジュール82-2は、(例えば、はんだによって)フレキシブルプリント回路182に結合された入出力構造を有し得る。フレキシブルプリント回路182は、ワイヤレス通信モジュール82-2をプリント回路基板184上の他の回路と接続し得る。必要に応じて、デバイス10-2の動作(例えば、デバイス10-1のファームウェア上のテスト、デバッグ、及び/又は復元の動作)を制御するための制御回路は、プリント回路基板184に取り付けられ、かつワイヤレス通信モジュール82-2に結合され得る。必要に応じて、プリント回路基板184は、プリント回路基板184上に取り付けられていない制御回路が、ワイヤレス通信モジュール82-2に接続するように結合された入出力ポートを含み得る。いくつかの例示的な構成では、コイル64及びワイヤレス電力回路62(
図1)等のコイル及びワイヤレス電力(送信)回路等の他のワイヤレス回路は、位置188等の位置で支持構造172上に設けられ、それに取り付けられ得る。位置188で構成されていると、デバイス10-2がモジュール82-2を使用してデバイス10-1とワイヤレスで通信するときに、ワイヤレス電力(送信)コイル64を対応するワイヤレス電力(受信)コイル34に位置合わせさせ得る。
【0088】
支持プレート174及び位置合わせプレート176は、支持構造172に対するワイヤレス通信モジュール82-2の位置を固定するのに役立つが、これに対し、ドック170とデバイス10-1との間の満足のいく通信リンクを適切に可能にするために、デバイス10-1もドック170に対する位置に固定され得る。よって、デバイス10-2はまた、
図11の載置台190等のデバイス載置台を含み得る。
【0089】
図11は、デバイス10-1を受け入れ、ドック170の上部に置かれるように構成されたデバイス載置台190の上面図である。ドック170の上部に置かれると、載置台190は、デバイス10-1とドック170の機能回路(例えば、ワイヤレス通信モジュール82-2、ワイヤレス電力回路等)との間の適切な位置合わせを提供し得る。特に、載置台190は、デバイス10-1を受け入れるように構成された開口部194等の開口部を有する載置台プラットフォーム192を含み得る。載置台プラットフォーム192は、載置台プラットフォーム192上で開口部194内の位置にデバイス10-1を保持する表面及び他の機構を含み得る。開口部194は、デバイス10-1が開口部194内にあり、載置台190がドック170上にあるときに、デバイス10-1内のワイヤレス通信モジュール82-1をワイヤレス通信モジュール82-1と位置合わせさせ得る(例えば、モジュール内の各自のアンテナ放射素子が互いに位置合わせされて重なる)ように構成され得る。
【0090】
ドック170上に載置台190を適切に置くために、載置台プラットフォーム192は、
図10の支持構造172上の対応する位置合わせ構造186と位置合わせするように構成された位置合わせ構造196を含み得る。一例として、支持構造172は、位置合わせピン又は位置合わせポスト186を含み得、各自の開口部196は、位置合わせ構造186を受け入れるように構成されている。こういう風にすると、載置台190、及び結果的に、載置台190内のデバイス10-1は、固定相対位置で支持構造172の上方に及び上面に取り付けられ得る。このように構成されると、ワイヤレスデバイス10-1上のワイヤレス通信モジュール82-1は、固定的に及び予測可能なようにワイヤレス通信モジュール82-2と重なり得る。したがって、ワイヤレス通信モジュール82-2は、ワイヤレス通信モジュール82-1とのロバストで信頼性のあるワイヤレスリンクを確立して、ファームウェアのテストデータ、デバッグデータ、復元データ、及び/又は他の適切なデータを伝搬し得る。
【0091】
図12及び
図13は、ワイヤレス通信モジュール82-1と82-2との間の例示的な位置合わせ構成を示す図である。本明細書では、デバイス10-1とデバイス10-2が同じタイプのワイヤレス通信モジュールを含む構成が、例示的な例として説明される。必要に応じて、デバイス10-1とデバイス10-2は、互いに通信する異なるタイプのワイヤレス通信モジュールを含み得る。
【0092】
図12の上面図に示すように、デバイス10-1がデバイス10-2と位置合わせされたとき(例えば、載置台190内のデバイス10-1がドック170に取り付けられたとき)、ワイヤレス通信モジュール82-1と82-2は、直交方向で位置合わせされ得る。特に、ワイヤレス通信モジュール82(
図4)は、(長さ)寸法に沿って細長くてもよい。デバイス10-1内の通信モジュール82-1の細長い寸法は、軸200に沿って延在してもよく、デバイス10-2内の通信モジュール82-2の細長い寸法は、軸202に沿って延在してもよい。(1つの軸がもう1つの軸の平面上に投影されるとき)、軸200は、軸202に対して垂直であってもよい。モジュール82-1は、ワイヤレス通信モジュール82-1上のアンテナ90-1がモジュール82-2上のアンテナ90-2に重なり、かつ面するように、モジュール82-2と重なるように構成され得る。
【0093】
図12の例示的な構成では、ワイヤレス通信モジュール82-1と82-2は、互いに多偏波で無線周波数信号を伝搬し得る。一例として、各アンテナ素子90(アンテナ素子90-1及び90-2)は、各々が異なる偏波で無線周波数信号を伝搬することに関連付けられた第1のポート及び第2のポートに結合され得る。更に、第1のポートは、無線周波数信号を受信するように構成され得るが、これに対して、第2のポートは、無線周波数信号を送信するように構成され得る。
【0094】
このような構成では、ワイヤレス通信モジュール82-1と82-2は、相手側のモジュールが送信したものを受信することができるように、互いに垂直に配向され得る。一例として、ワイヤレス通信モジュール82-1と82-2は両方とも、モジュールの細長い寸法(長さ)に関連付けられた第1の偏波を有する無線周波数信号を送信し、モジュールのより短い寸法(幅)に関連付けられた第2の偏波を有する無線周波数信号を受信するように構成され得る。このように、
図12に示すように、モジュール82-1の長さがモジュール82-2の幅と位置合わせされたとき、両方が同じ偏波の無線周波数信号を伝搬するように位置合わせされているため、モジュール82-2は、モジュール82-1からの無線周波数信号を受信し得る。同様に、
図12に示すように、モジュール82-2の長さがモジュール82-2の幅と位置合わせされたとき、両方が同じ偏波の無線周波数信号を伝搬するように位置合わせされているため、モジュール82-1は、モジュール82-2から無線周波数信号を受信し得る。
【0095】
図13の側面図に示すように、重なっているアンテナ素子90-1と90-2は、1つ以上の構造204にわたって無線周波数信号66を伝搬し得る。例として、構造204は、エアギャップ、ハウジング構造、支持構造、他の介在している絶縁性材料等の1つ以上の層を含み得る。
図6に関連して説明したように、1つ以上のエアギャップは、アンテナ素子90-1と90-2との間の通信チャネルに沿って(例えば、デバイス10-1のハウジング壁12R内に)設けられて、遠距離場(平面)波を適切に生成するのを可能にし得る。必要に応じて、通信チャネルの無線周波数特性を変更する(空気以外の)他の絶縁性材料(例えば、デバイス10-2でアンテナ素子90-2に取り付けられた1つ以上の絶縁性材料)を、アンテナ素子90-1と90-2との間の通信チャネルに沿って設け得る。アンテナ素子90-1と90-2が通信しているとき、15センチメートル未満、10センチメートル未満、5センチメートル未満、3センチメートル未満、1センチメートル未満、1センチメートル超、2センチメートル超、3センチメートル超等の距離だけ分離され得るが、アンテナ素子90-1と90-2によって10GHz超の周波数で伝搬される無線周波数信号は、遠距離場特性を呈し得る。
【0096】
図12及び
図13の構成は、例示に過ぎない。必要に応じて、アンテナ素子90-1と90-2は、他の好適な方法で無線周波数信号を伝搬し得る。いくつかの例示的な構成では、アンテナ素子90-1と90-2は、必ずしもそれらの幾何学的中心がz軸に沿って位置合わせされなくてもよい。言い換えれば、z方向から見たときに、x-y平面に沿ったアンテナ素子90-1の輪郭と、x-y平面に沿ったアンテナ素子90-2の輪郭との間にいくつかのオフセット(部分的な重なり)が存在し得る。これらのオフセットは、完全な位置合わせ(z軸に沿った完全な重なり)を必要としないので、製造公差及び/又は配置公差を提供するのに有用であり得る。
【0097】
(例えば、システム8内のデバイス10-1、10-2、及び他のデバイスのうちの1つ以上の)デバイス10は、個人識別可能情報を収集及び/又は使用し得る。個人特定可能な情報の使用は、ユーザのプライバシーを維持するための業界又は政府の要件を満たす又は超えると一般に認識されているプライバシーポリシー及びプラクティスに従うべきであることに十分に理解されたい。特に、個人特定可能な情報データは、意図されない又は許可されていないアクセス又は使用のリスクを最小限に抑えるように管理及び取り扱いされるべきであり、許可された使用の性質はユーザに明確に示されるべきである。
【0098】
一実施形態によれば、対向している第1の側面と第2の側面を有する電子デバイスが提供され、この電子デバイスは、第1の側面上にハウジング部分を有するハウジングと、ハウジングに第2の側面上に取り付けられたディスプレイと、ハウジング内のシステムパッケージ基板と、システムパッケージ基板上に取り付けられたワイヤレス通信モジュールと、を含み、ワイヤレス通信モジュールは、システムパッケージ基板上に取り付けられたモジュール基板と、ハウジング部分を通って10GHz超の周波数で無線周波数信号を伝搬するように構成された、モジュール基板上のアンテナ放射素子と、を含む。
【0099】
別の実施形態によれば、ワイヤレス通信モジュールは、モジュール基板上に取り付けられ、かつモジュール基板を介してシステムパッケージ基板に結合された無線周波数集積回路を含む。
【0100】
別の実施形態によれば、電子デバイスは、無線周波数集積回路に結合され、かつシステムパッケージ基板上に取り付けられた制御回路用の集積回路を含む。
【0101】
別の実施形態によれば、電子デバイスは、システムパッケージ基板上に、かつワイヤレス通信モジュールの周りに配設された封入材料を含む。
【0102】
別の実施形態によれば、電子デバイスは、封入材料の上方に配設された導電性遮蔽材料を含み、当該導電性遮蔽材料は、アンテナ放射素子と位置合わせされる開口部を画定している。
【0103】
別の実施形態によれば、ワイヤレス通信モジュールは、導電性遮蔽材料に結合された、モジュール基板上のアンテナ接地構造を含む。
【0104】
別の実施形態によれば、アンテナ放射素子は、モジュール基板の第1の表面上に配設され、無線周波数集積回路は、モジュール基板の第1の表面に対向している第2の表面上に取り付けられている。
【0105】
別の実施形態によれば、ワイヤレス通信モジュールは、アンテナ放射素子を取り囲む、第1の表面上のアンテナ接地リングと、モジュール基板に組み込まれたアンテナ接地層と、アンテナ接地リングをアンテナ接地層に結合するモジュール基板内の導電性ビアと、を含む。
【0106】
別の実施形態によれば、ハウジングは、電子デバイスの周辺に沿って延在している周辺側壁を含み、システムパッケージ基板は、周辺側壁の間に延在しており、かつ電子デバイスの周辺に沿って延在している周縁を有する。
【0107】
一実施形態によれば、第1の面と第2の面を有するリストウォッチデバイスが提供され、このリストウォッチデバイスは、第1の面上のディスプレイと、第2の面上のハウジング壁と、ワイヤレス通信モジュールと、を含み、このワイヤレス通信モジュールは、対向している第1の表面と第2の表面を有する基板と、基板の第1の表面上に配設され、ハウジング壁に面するように構成されたアンテナ素子であって、当該アンテナ素子は、ハウジング壁内の凹部と位置合わせされ、かつ当該凹部及びハウジング壁の一部分を通って無線周波数信号を伝搬するように構成されたアンテナ素子と、基板上に取り付けられ、かつアンテナ素子に結合された無線機構成要素と、を含む。
【0108】
別の実施形態によれば、リストウォッチデバイスは、システムパッケージ用の基板を含み、ワイヤレス通信モジュール用の基板の第2の表面は、システムパッケージの基板上に取り付けられている。
【0109】
別の実施形態によれば、リストウォッチデバイスは、システムパッケージ及びワイヤレス通信モジュール用の基板と重なるシステムパッケージ用の封入材料と、システムパッケージ及びワイヤレス通信モジュール用の基板と重なるシステムパッケージ用の遮蔽材料と、を含み、この遮蔽材料は、アンテナ素子と重なる開口部を画定している。
【0110】
別の実施形態によれば、ワイヤレス通信モジュールは、アンテナ素子を取り囲む、表面上の接地リングを含み、無線機構成要素は、基板の第2の表面上に取り付けられた無線周波数集積回路を含む。
【0111】
別の実施形態によれば、凹部の複数の側面は、ハウジング壁によって画定されている。
【0112】
別の実施形態によれば、ハウジング壁は、第1の内面及び第1の内面の上方に第2の内面まで立ち上がっているレッジ部分を有し、凹部は、第2の内面に沿ってレッジ部分上に形成される。
【0113】
別の実施形態によれば、ハウジング壁は、リストウォッチデバイスの周辺に沿って延在しており、かつハウジング壁の角部領域で接合されている第1の周縁と第2の周縁を有し、ワイヤレス通信モジュールは、ハウジング壁の角部領域と重なる。
【0114】
別の実施形態によれば、ハウジング壁は、セラミック材料から形成される。
【0115】
一実施形態によれば、第1の表面及び第2の表面、及び第1の表面と第2の表面との間に延在している周縁を有する基板と、第1の表面上のアンテナ放射素子と、第1の表面上のアンテナ接地構造であって、アンテナ放射素子を囲んでおり、かつ基板の周縁までに延在しているアンテナ接地構造と、第2の表面上に取り付けられ、かつアンテナ放射素子に結合された無線周波数集積回路と、第2の表面上の入出力構造と、を含むワイヤレス通信モジュールが提供される。
【0116】
別の実施形態によれば、無線周波数集積回路は、アンテナ放射素子を制御して、10GHz超の周波数でファームウェアデータに関連付けられた無線周波数信号を伝搬するように構成される。
【0117】
別の実施形態によれば、アンテナ放射素子は、パッチアンテナ素子を含み、無線周波数集積回路は、パッチアンテナ素子において第1の正のアンテナフィード端子及び第2の正のアンテナフィード端子に結合され、かつ無線周波数集積回路は、アンテナ放射素子を制御して、外部ワイヤレス通信機器との半二重通信リンクを形成するように構成される。
【0118】
前述のものは、単なる例示に過ぎず、様々な修正が、記載の実施形態になされてもよい。前述の実施形態は、個々に又は任意の組み合わせで実装されてもよい。
【外国語明細書】