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特開2023-41633複数の充電器タイプ用のアクセサリケース
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023041633
(43)【公開日】2023-03-24
(54)【発明の名称】複数の充電器タイプ用のアクセサリケース
(51)【国際特許分類】
   H02J 50/90 20160101AFI20230316BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20230316BHJP
   H02J 50/12 20160101ALI20230316BHJP
   H02J 50/70 20160101ALI20230316BHJP
【FI】
H02J50/90
H02J7/00 301D
H02J7/00 301B
H02J50/12
H02J50/70
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022137034
(22)【出願日】2022-08-30
(31)【優先権主張番号】63/243,584
(32)【優先日】2021-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/824,480
(32)【優先日】2022-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】503260918
【氏名又は名称】アップル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Apple Inc.
【住所又は居所原語表記】One Apple Park Way,Cupertino, California 95014, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チョウ, エリック エックス.
(72)【発明者】
【氏名】キアニ, ムハンマド エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】ダヤル, ローハン
(72)【発明者】
【氏名】リー, イェ
【テーマコード(参考)】
5G503
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503FA03
5G503GB08
(57)【要約】      (修正有)
【課題】1つ以上のタイプの無線充電器を使用して充電することが可能な、アクセサリケースを提供する。
【解決手段】第1のタイプの無線充電器に位置合わせするための第1の位置合わせ機構を有するアクセサリケース100であって、第1の位置合わせ機構は、アクセサリケース内の1つ以上の磁気要素120、122、124、126を含む。1つ以上の磁気要素は、アクセサリケースの基底部102及び蓋108の双方に配置される。アクセサリケースはまた、充電パック200又は第1のタイプの無線充電器の他の構造を使用して充電する。充電パックは、ケーブル202で電力を受け取り、充電パック内の制御回路が、受け取った電力を使用して、受電パックの充電コイル内に電流を生成し、これらの電流から充電コイル130内に電流を誘導することが可能な時変磁界を生成して、1つ以上のアクセサリ又はその双方に電力を供給するために使用する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電ケースであって、
基底部であって、アクセサリを格納するためのアクセサリ受け部を有し、前記アクセサリ受け部内に前記アクセサリが格納されているときに、前記充電ケースによって前記アクセサリを充電することができる、基底部と、
蓋であって、前記アクセサリ受け部内に前記アクセサリが格納されているときに、前記アクセサリを保持するために、前記アクセサリ受け部を覆う、蓋と、
前記アクセサリ受け部内に前記アクセサリが格納されているときに、前記アクセサリ受け部からの前記アクセサリの取り外しを可能にするために、前記基底部に対して前記蓋が移動することができるように、前記蓋を前記基底部に接合している、ヒンジと、
前記充電ケースを第1のタイプの充電器に位置合わせするための、第1の位置合わせ機構と、
前記充電ケースを第2のタイプの充電器に位置合わせするための、第2の位置合わせ機構と、
前記第1のタイプの充電器から、又は前記第2のタイプの充電器から、電力を無線で受け取り、前記アクセサリ受け部内に前記アクセサリが格納されているときに、前記アクセサリに、受け取った前記電力を供給するための、充電構成要素と、を備える、充電ケース。
【請求項2】
前記第1のタイプの充電器が、第1のタイプの無線充電器であり、前記第2のタイプの充電器が、第2のタイプの無線充電器である、請求項1に記載の充電ケース。
【請求項3】
適合可能なコネクタ挿入部を受け入れ、前記コネクタ挿入部を介して電力を受け取り、前記アクセサリ受け部内に前記アクセサリが格納されているときに、前記アクセサリに電力を供給するための、コネクタ受け部を更に備える、請求項2に記載の充電ケース。
【請求項4】
前記充電構成要素が、充電コイル及びシールドを含む、請求項3に記載の充電ケース。
【請求項5】
前記充電コイルが、前記第1の位置合わせ機構の中心に対してオフセットされており、前記充電コイルが、前記第2の位置合わせ機構の中心に対して、中心が合わせられている、請求項4に記載の充電ケース。
【請求項6】
前記第1の位置合わせ機構が、前記基底部内の第1の磁気要素及び第2の磁気要素と、前記蓋内の第3の磁気要素及び第4の磁気要素とを含み、前記第2の位置合わせ機構が、前記充電コイルの中心の第5の磁石を含む、請求項5に記載の充電ケース。
【請求項7】
前記第1の位置合わせ機構及び前記第2の位置合わせ機構が、永久磁石である、請求項6に記載の充電ケース。
【請求項8】
充電ケースであって、
アクセサリを格納するための基底部であって、前記基底部内に前記アクセサリが格納されているときに、前記充電ケースによって前記アクセサリを充電することができる、基底部と、
前記基底部内に前記アクセサリが格納されているときに、前記アクセサリを保持するための、蓋と、
ヒンジであって、前記基底部からの前記アクセサリの取り外しを可能にするために、前記ヒンジの周りで前記蓋が回転することができるように、前記蓋を前記基底部に接合している、ヒンジと、
前記充電ケースを第1のタイプの充電器に磁気的に位置合わせするための、第1の複数の磁気要素と、
前記充電ケースを第2のタイプの充電器に磁気的に位置合わせするための、第2の磁石要素と、
前記第1のタイプの充電器から、又は第2のタイプの充電器から、電力を受け取り、前記基底部内に前記アクセサリが格納されているときに、前記アクセサリに、受け取った前記電力を供給するための、充電構成要素と、を備える、充電ケース。
【請求項9】
前記第1のタイプの充電器が、第1のタイプの無線充電器であり、前記第2のタイプの充電器が、第2のタイプの無線充電器である、請求項8に記載の充電ケース。
【請求項10】
適合可能なコネクタ挿入部を受け入れ、前記コネクタ挿入部を介して電力を受け取り、前記基底部内に前記アクセサリが格納されているときに、前記アクセサリに電力を供給するための、コネクタ受け部を更に備える、請求項9に記載の充電ケース。
【請求項11】
前記充電構成要素が、充電コイル及びシールドを含む、請求項10に記載の充電ケース。
【請求項12】
前記充電コイルが、前記第1の複数の磁石要素の中心に対してオフセットされており、前記充電コイルが、前記第2の磁気要素の中心に対して、中心が合わせられている、請求項11に記載の充電ケース。
【請求項13】
前記第1の複数の磁気要素が、前記基底部内の第1の磁石及び第2の磁石と、前記蓋内の第3の磁石及び第4の磁石とを含み、前記第2の磁石要素が、前記充電コイルの前記中心に位置決めされている第5の磁石を含む、請求項12に記載の充電ケース。
【請求項14】
前記第1の複数の磁気要素及び前記第2の磁石要素が、永久磁石である、請求項13に記載の充電ケース。
【請求項15】
充電ケースであって、
基底部であって、アクセサリを格納するためのアクセサリ受け部を有し、前記アクセサリ受け部内に前記アクセサリが格納されているときに、前記充電ケースによって前記アクセサリを充電することができる、基底部と、
蓋であって、前記アクセサリ受け部内に前記アクセサリが格納されているときに、前記アクセサリを保持するために、前記アクセサリ受け部を覆う、蓋と、
前記アクセサリ受け部内に前記アクセサリが格納されているときに、前記アクセサリ受け部からの前記アクセサリの取り外しを可能にするために、前記基底部に対して前記蓋が移動することができるように、前記蓋を前記基底部に接合している、ヒンジと、
前記充電ケースを充電器に位置合わせするための、第1の磁気位置合わせ機構であって、前記基底部内に配置されている、第1の磁気位置合わせ機構と、
前記充電ケースを前記充電器に位置合わせするための、第2の磁気位置合わせ機構であって、前記蓋内に配置されている、第2の磁気位置合わせ機構と、
前記充電器から電力を無線で受け取り、前記アクセサリ受け部内に前記アクセサリが格納されているときに、前記アクセサリに、受け取った前記電力を供給するための、無線充電構成要素と、を備える、充電ケース。
【請求項16】
前記充電ケースを充電器に位置合わせするための、第3の磁気位置合わせ機構であって、前記基底部内に配置されている、第3の磁気位置合わせ機構と、
前記充電ケースを前記充電器に位置合わせするための、第4の磁気位置合わせ機構であって、前記蓋内に配置されている、第4の磁気位置合わせ機構と、
を更に備える、請求項15に記載の充電ケース。
【請求項17】
前記第1の磁気位置合わせ機構、前記第2の磁気位置合わせ機構、前記第3の磁気位置合わせ機構、及び前記第4の磁気位置合わせ機構が、前記無線充電構成要素の周りに配置されており、前記無線充電構成要素が、前記第1の磁気位置合わせ機構、前記第2の磁気位置合わせ機構、前記第3の磁気位置合わせ機構、及び前記第4の磁気位置合わせ機構の中心に対してオフセットされている、請求項16に記載の充電ケース。
【請求項18】
前記無線充電構成要素が、充電コイル及びシールドを含む、請求項17に記載の充電ケース。
【請求項19】
適合可能なコネクタ挿入部を受け入れ、前記コネクタ挿入部を介して電力を受け取り、前記アクセサリ受け部内に前記アクセサリが格納されているときに、前記アクセサリに電力を供給するための、コネクタ受け部を更に備える、請求項18に記載の充電ケース。
【請求項20】
第1の磁気位置合わせ機構、前記第2の磁気位置合わせ機構、前記第3の磁気位置合わせ機構、及び前記第4の磁気位置合わせ機構が、永久磁石である、請求項19に記載の充電ケース。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、参照により組み込まれる2021年9月13日出願の米国特許仮出願第63/243,584号の利益を主張する。
【0002】
市販されているポータブル電子デバイスのタイプの数は、ここ数年で飛躍的に増大しており、新たなデバイスの導入率は、衰える兆しを見せていない。ポータブルコンピューティングデバイス、タブレット、ラップトップ、スマートフォン、ウェアラブルコンピューティングデバイス、充電デバイス、記憶デバイス、オーディオデバイス、ポータブルメディアプレーヤ、ナビゲーションシステム、モニタなどの、ポータブルデバイスは、ユビキタスなものとなってきている。
【0003】
これらのポータブルデバイスのそれぞれは、ユーザが自由にポータブルデバイスを持ち運び、どこに行ってもポータブルデバイスを使用することを可能にする、内蔵バッテリを有し得る。これらのポータブルデバイスのそれぞれは、独自の充電方式を有し得る。例えば、第1のポータブル電子デバイスは、第1のタイプの無線充電器を使用して充電することができる。この第1のタイプの無線充電器は、第1のタイプのパックを含み得るものであり、第1のタイプのパックは、壁コンセントに差し込まれている電力アダプタから受け取った電力を、無線充電電力に変換する。次いで、この無線充電電力は、第1の電子デバイスによって受け取られ、第1の電子デバイス内部のバッテリを充電するために使用することができる。
【0004】
同様に、第2のポータブル電子デバイスは、第2のタイプの無線充電器を使用して充電することができる。この第2のタイプの無線充電器は、第2のタイプのパックを含み得るものであり、第2のタイプのパックは、壁コンセントに差し込まれている電力アダプタから受け取った電力を、無線充電電力に変換する。次いで、この無線充電電力は、第2の電子デバイスによって受け取られ、第2の電子デバイス内部のバッテリを充電するために使用することができる。
【0005】
結果として、第1のポータブル電子デバイス及び第2のポータブル電子デバイスの双方の充電を可能にすることを望むユーザは、第1のタイプの無線充電器及び第2のタイプの無線充電器の双方を所有し、持ち運ぶことが必要となり得る。したがって、第2のポータブル電子デバイスは、第1の無線充電器又は第2の無線充電器のいずれかを使用して充電可能であることが望ましい場合がある。このことは、第2のポータブル電子デバイスが、第1のポータブル電子デバイスに関連して使用されるアクセサリデバイスである場合に、特に当てはまり得る。
【0006】
したがって、2つ以上のタイプの無線充電器を使用して充電することが可能な、アクセサリケースが必要とされている。
【発明の概要】
【0007】
したがって、本発明の実施形態は、2つ以上のタイプの無線充電器を使用して充電することが可能な、アクセサリケースを提供することができる。
【0008】
本発明の例示的実施形態は、第1のタイプの無線充電器並びに追加的タイプの無線充電器を使用して充電することが可能な、アクセサリケースを提供することができる。第1のタイプの無線充電器は、磁気充電器とすることができる。追加的タイプの無線充電器は、非磁気充電器とすることができる。アクセサリケースは、位置合わせ機構として機能する、1つ以上の磁気要素を含み得る。この位置合わせ機構は、第1のタイプの無線充電器にアクセサリケースを位置合わせするために役立ち得る。
【0009】
本発明のこれらの実施形態及び他の実施形態は、第1のタイプの無線充電器、第2のタイプの無線充電器、及び追加的タイプの無線充電器を使用して充電することが可能な、アクセサリケースを提供することができる。第1のタイプの無線充電器は、磁気充電器とすることができる。第2のタイプの無線充電器は、別の磁気充電器とすることができる。前述のように、追加的タイプの無線充電器は、非磁気充電器とすることができる。アクセサリケースは、第1の位置合わせ機構として機能する、1つ以上の磁気要素を含み得る。この第1の位置合わせ機構は、第1のタイプの無線充電器にアクセサリケースを位置合わせするために役立ち得る。アクセサリケースは、第2の位置合わせ機構として機能する、1つ以上の磁気要素を含み得る。この第2の位置合わせ機構は、第2のタイプの無線充電器にアクセサリケースを位置合わせするために役立ち得る。
【0010】
本発明のこれらの実施形態及び他の実施形態は、基底部を有するアクセサリケースを提供することができる。基底部は、それぞれがアクセサリを格納するための、1つ、2つ、3つ、又は4つ以上のアクセサリ受け部を有し得る。各アクセサリは、アクセサリ受け部内にアクセサリが格納されているときに、充電ケースによって充電することができる。アクセサリケース内にアクセサリが格納されているときに、アクセサリを所定の位置に保持するために、アクセサリ受け部を蓋で覆うことができる。アクセサリケース内にアクセサリが格納されているときに、アクセサリ受け部からのアクセサリの取り外しを可能にするために、基底部に対して蓋が移動することができるように、ヒンジで蓋を基底部に接合することができる。
【0011】
第1の位置合わせ機構は、単一の磁気要素とすることができ、この磁気要素は、永久磁石又は他のタイプの磁石、電磁石、強磁性要素、磁極片及び磁石、あるいは他の磁気要素とすることができる。第1の位置合わせ機構は、複数の磁気要素とすることができ、各磁気要素は、永久磁石又は他のタイプの磁石、電磁石、強磁性要素、磁極片及び磁石、あるいは他の磁気要素とすることができる。例えば、第1の位置合わせ機構は、基底部内の第1の磁気要素、及び蓋内の第2の磁石要素として実装することができる。第1の位置合わせ機構は、基底部内の第3の磁気要素、及び蓋内の第4の磁気要素を更に含み得る。
【0012】
第2の位置合わせ機構は、単一の磁気要素とすることができ、この磁気要素は、永久磁石又は他のタイプの磁石、電磁石、強磁性要素、磁極片及び磁石、あるいは他の磁気要素とすることができる。第2の位置合わせ機構は、複数の磁気要素とすることができ、各磁気要素は、永久磁石又は他のタイプの磁石、電磁石、強磁性要素、磁極片及び磁石、あるいは他の磁気要素とすることができる。例えば、第2の位置合わせ機構は、基底部内の第1の磁気要素として実装することができる。
【0013】
本発明のこれらの実施形態及び他の実施形態は、電力を受け取るための充電コイルを有する、アクセサリケースを提供することができる。第1の位置合わせ機構に関する磁気要素は、中心の周りに位置決めすることができ、この中心は、各磁気要素から少なくとも同様の距離にある。磁気要素は、アクセサリケースの基底部及び蓋内に配置することができる。充電コイルは、中心を有し得る。ヒンジからのクリアランスを充電コイルが有するように、基底部内に充電コイルを配置することができる。結果として、充電コイルの中心は、第1の位置合わせ機構に関する磁気要素の中心と、位置合わせされない場合がある。アクセサリケースを、第1のタイプの無線充電器と結合させる場合、第1のタイプの無線充電器内の磁石を、アクセサリケースの第1の位置合わせ機構と位置合わせすることができる。第1のタイプの無線充電器内の充電コイルは、第1のタイプの無線充電器内の磁石と位置合わせされている可能性が高いため、第1のタイプの無線充電器内の充電コイルは、アクセサリケース内の充電コイルと位置合わせされない場合がある。したがって、アクセサリケース内の充電コイルは、第1のタイプの無線充電器内の充電コイルへの誘導結合を改善するように成形及び位置決めすることができる。アクセサリケース内のオフセットされている充電コイルと、第1のタイプの無線充電器内の対応する充電コイルとの、結合係数を増大させるために、追加的なシールドを含めることができる。
【0014】
第2の位置合わせ機構は、アクセサリケースの充電コイルの中心に配置することができる。アクセサリケースを、第2のタイプの無線充電器と結合させる場合、第2のタイプの無線充電器内の磁石を、アクセサリケースの第2の位置合わせ機構と位置合わせすることができる。第2のタイプの無線充電器内の充電コイルは、第2のタイプの無線充電器内の磁石と位置合わせされている可能性が高いため、第2のタイプの無線充電器内の充電コイルは、アクセサリケース内の充電コイルと位置合わせされることが可能である。
【0015】
本発明の実施形態は、アクセサリケースでの使用に非常に適したものではあるが、本発明のこれらの実施形態及び他の実施形態は、ポータブルコンピューティングデバイス、タブレット、ラップトップ、スマートフォン、ウェアラブルコンピューティングデバイス、充電デバイス、記憶デバイス、オーディオデバイス、腕時計、宝飾品、指輪、ポータブルメディアプレーヤ、ナビゲーションシステム、モニタなどの、他のタイプの電子デバイスで使用することもできる。
【0016】
本発明の様々な実施形態は、本明細書で説明されている、これらの特徴及び他の特徴のうちの1つ以上を組み込むことができる。以下の詳細な説明及び添付の図面を参照することによって、本発明の性質及び利点を、より良好に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態による、電子デバイスを示す。
【0018】
図2】本発明の一実施形態による、第1のタイプの無線充電器によって充電されているアクセサリケースを示す。
【0019】
図3】本発明の一実施形態による、アクセサリケースに関する充電構成要素及び制御構成要素を示す。
【0020】
図4】本発明の一実施形態による、アクセサリケースと第1のタイプの充電器との間の、位置合わせ磁石の引力を示す。
【0021】
図5】本発明の一実施形態による、アクセサリケースを示す。
【0022】
図6】本発明の一実施形態による、アクセサリケースの一部分を示す。
【0023】
図7】本発明の一実施形態による、第2のタイプの無線充電器をアクセサリケースに位置合わせする際に使用することが可能なボタンの詳細を示す。
【0024】
図8】本発明の一実施形態による、第2のタイプの無線充電器をアクセサリケースに位置合わせする際に使用することが可能な、ボタン及び関連する構造の側面図である。
【0025】
図9】複数の周波数で動作する無線充電器と共に使用することが可能な、充電回路を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、本発明の一実施形態による、電子デバイスを示す。この図は、含まれている他の図と同様に、例示を目的として示されており、本発明の可能な実施形態又は特許請求の範囲の、いずれも限定するものではない。
【0027】
この実施例では、アクセサリケース100の基底部102内のアクセサリ受け部104内に、3つのアクセサリ101を、充電するために格納することができる。アクセサリケース100は、ヒンジ109を使用して基底部102に取り付けることが可能な、蓋108を含み得る。蓋108は、アクセサリ受け部104内にアクセサリ101があるときに、アクセサリ101を所定の位置に保持するために閉じることができる。蓋108は、アクセサリ受け部104からユーザがアクセサリ101を取り外すことを可能にするために、ヒンジ109の軸に沿って基底部102に対して回転することができる。
【0028】
アクセサリ101は、アクセサリケース100の基底部102内のアクセサリ受け部104内に格納されているときに、アクセサリケース100と通信することができる。本発明のこれらの実施形態及び他の実施形態では、アクセサリ101は、アクセサリケース100内にアクセサリ101が格納されていないときに、アクセサリケース100と通信することができる。また、本発明のこれらの実施形態及び他の実施形態では、アクセサリ101は、アクセサリケース100の基底部102内のアクセサリ受け部104内に格納されているときに、アクセサリケース100を介して互いに通信することもできる。これらの実施形態及び他の実施形態では、アクセサリ101は、アクセサリケース100内に格納されていないときに、互いに通信することができる。これらの通信は、有線又は無線とすることができる。例えば、それらの通信は、Bluetooth又は他の無線通信とすることができる。アクセサリケース100はまた、1つ以上のアクセサリが、アクセサリケース100の基底部102内のアクセサリ受け部104内に格納されているときに、1つ以上のアクセサリ101に充電電力を供給することもできる。
【0029】
この実施例では、アクセサリ101とアクセサリケース100との間の充電及び通信は、アクセサリ101上の同じコンタクト(図示せず)を介して行うことができる。本発明のこれらの実施形態及び他の実施形態では、アクセサリケース100は、アクセサリケース100とアクセサリ101とのインタフェースの第1のコンタクト上に充電電圧を供給し、第2のコンタクト上に基準接地を供給することができる。第1のピン上の充電電圧を変調することによって、データを転送することができる。アクセサリケース100は、充電電圧を変調して、アクセサリ101にデータを送信することができ、アクセサリ101は、その充電電圧自体を変調して、アクセサリケース100にデータを送信することができる。
【0030】
この実施例では、3つのアクセサリ101が示されているが、他の実施形態では、アクセサリケース100は、1つ、2つ、又は4つ以上のアクセサリ101をサポートすることができる。アクセサリケース100は、直方体とすることができ、丸みを帯びた縁部を有する直方体タイプの形状とすることもでき、又は、別の適切なフォームファクタを有することも可能である。アクセサリ101は、充電式バッテリ、スピーカ、Bluetoothヘッドホン、ヘッドセット、指輪、ブレスレット、小型イヤホン、宝飾品若しくは腕時計などのウェアラブルコンピューティングデバイス又はウェアラブルメディアデバイス、あるいは他のタイプのアクセサリとすることができる。
【0031】
アクセサリケース100は、内蔵バッテリ(図示せず)、外部電源(図示せず)、又は他の適切な供給源、あるいはそれらの組み合わせによって給電することができる。アクセサリケース100は、1つ以上のアクセサリ101に電力を供給し、それらのアクセサリと通信することができる。これらの通信は、認証情報及び識別情報、ファームウェア更新及びソフトウェア更新、ユーザから提供される選好、あるいは他の情報を含み得る。
【0032】
アクセサリケース100が充電される場合、アクセサリケース100内のバッテリコントローラ(図示せず)によって、アクセサリケース100内の内蔵バッテリ(図示せず)に電力を供給することができる。状況によっては、アクセサリケース100の基底部102内のアクセサリ受け部104内に格納されている1つ以上のアクセサリ101に、電力を直接供給することもできる。他の状況では、電力はバッテリに供給することができ、次いで、そのバッテリが、1つ以上のアクセサリ101に電力を供給することができる。電力は、バッテリコントローラによって、1つ以上のアクセサリ101に、それらが許容可能な程度に充電されるまで供給することができ、次いで、内蔵バッテリに電力を供給することができ、あるいは、他のアルゴリズムを使用することもできる。
【0033】
アクセサリケース100の内蔵バッテリ及び1つ以上のアクセサリ101(簡略化のために、ここではアクセサリケース100と総称する)は、第1のタイプの無線充電器を使用して充電することができ、この無線充電器は磁性である。一実施例を以下の図に示す。
【0034】
図2は、本発明の一実施形態による、第1のタイプの無線充電器によって充電されているアクセサリケースを示す。アクセサリケース100は、蓋108及び基底部102を含み得る。蓋108は、ヒンジ109で基底部102に取り付けることができる。1つ以上のアクセサリ101(図1に示されるもの)を、基底部102内の対応するアクセサリ受け部104(図2に示されるもの)内に格納することができる。蓋108は、基底部102内のアクセサリ受け部104内の所定の位置にアクセサリ101を保持することを助けるために、閉じることができる。蓋108は、ヒンジ109の軸に沿って基底部102に対して回転することによって、開くことができる。このことにより、ユーザは、基底部102内のアクセサリ受け部104から、1つ以上のアクセサリ101を取り外すことが可能となり得る。
【0035】
この実施例では、アクセサリケース100は、充電パック200、又は第1のタイプの充電器の他の構造を使用して充電することができる。充電パック200は、ケーブル202で電力を受け取ることができる。充電パック200内の制御回路(図示せず)は、この受け取った電力を使用して、充電コイル(図示せず)内に電流を生成することができる。これらの電流は、充電コイル130内に電流を誘導することが可能な、時変磁界を生成することができる。これらの誘導電流は、アクセサリケース100内のバッテリコントローラ(図示せず)及び他の制御回路320(図3に示されるもの)によって、内蔵バッテリ(図示せず)、アクセサリ受け部104内の1つ以上のアクセサリ101、又はその双方に電力を供給するために使用することができる。
【0036】
充電パック200は、磁性とすることができる。すなわち、充電パック200は、アクセサリケース100を充電パック200に位置合わせするために、アクセサリケース100によって使用することが可能な、1つ以上の磁気要素を含み得る。この実施例では、位置合わせ磁石220のリングを、充電パック200内に含めることができる。磁気要素120などの1つ以上の磁気要素を、位置合わせ磁石220のリング内の磁石に、磁気的に引き付けることができる。この実施例では、磁気要素120及び磁気要素122を、アクセサリケース100の蓋108内に配置することができる。磁気要素124及び磁気要素126を、アクセサリケース100の基底部102内に配置することができる。磁気要素120、磁気要素122、磁気要素124、及び磁気要素126は、アクセサリケース100を充電パック200に位置合わせするために役立ち得る。この位置合わせがどのように行われるかの一実施例が、図4に示されている。
【0037】
これらの実施例及び他の実施例では、磁気要素120、及び、アクセサリケース100内の他の磁気要素は、永久磁石、希土類磁石、磁極片、強磁性要素、又は他の磁気要素とすることができる。
【0038】
この実施例では、充電コイル130は、中心開口部132を有し得る。アクセサリケース100に関するリセット及びペアリングボタン700(図7に示されるもの)を、中心開口部132内に配置することができる。アクセサリ受け部104内のアクセサリ101、及び制御回路320(図3に示されるもの)は、シールド140によって充電コイルから遮蔽することができる。アクセサリ101及び制御回路320は、磁気要素120、磁気要素122、磁気要素124、及び磁気要素126から、対応するシールド121(図4に示されるもの)によって遮蔽することができる。
【0039】
本発明のこれらの実施形態及び他の実施形態では、アクセサリケース100は、有線接続を使用して充電することができる。アクセサリケース100は、Lightning(商標)又はユニバーサルシリアルバス(Universal Serial Bus;USB)タイプCコネクタ受け部などの、コネクタ受け部を含み得る。このコネクタ受け部は、対応するコネクタ挿入部を受け入れることができ、この接続を介して、アクセサリケース100内部のバッテリ、アクセサリケース100内のアクセサリ受け部104内に格納されている1つ以上のアクセサリ101、又はその双方に、電力を供給することができる。
【0040】
この実施例で示されているように、充電コイル130は、アクセサリケース100の磁気要素120、磁気要素122、磁気要素124、及び磁気要素126の中心には存在しない場合がある。すなわち、充電コイル130は、これらの磁気要素の中心からオフセットされている場合がある。このオフセットは、ヒンジ190の位置に起因し得るものであるが、これは、充電コイル130をヒンジ190から離れて位置決めすることが必要となり得るためである。典型的には、充電パック200内の充電コイル(図示せず)は、位置合わせ磁石220のリングに対して、中心に配置することができる。したがって、アクセサリケース100内の充電コイル300は、充電パック200内の充電コイルと、中心が合わない場合がある。したがって、このオフセットを克服することを助けるために、アクセサリケース100内の充電コイル130と充電パック200内の充電コイルとの誘導結合を改善するように、充電コイル130を位置決め及び成形することができ、追加的な機構を追加することができる。充電コイル130及び関連する構造に関する更なる詳細を、以下の図に示す。
【0041】
図3は、本発明の一実施形態による、アクセサリケースに関する充電構成要素及び制御構成要素を示す。この実施例では、充電パック200(図2に示されるもの)によって生成された磁界が、充電コイル130内に電流を誘導することができる。この電流は、ワイヤ134で制御回路320に供給することができる。制御回路320は、バッテリコントローラ(図示せず)及び他の回路を含み得る。制御回路320は、充電コイル130で受け取った誘導電流を使用して、アクセサリケース100(図2に示されるもの)の内蔵バッテリ(図示せず)、アクセサリケース100の基底部102内のアクセサリ受け部104内に格納されている1つ以上のアクセサリ101(全て図1に示されるもの)、又はその双方を充電することができる。
【0042】
制御回路320は、充電コイル130と制御回路320との間に位置決めすることが可能なシールド140によって、充電コイル130から遮蔽することができる。制御回路320は、ボタンハウジング310と制御回路320との間に位置決めすることが可能なシールド142によって、充電コイル130から更に遮蔽することができる。シールド140及びシールド142は、磁気分路として機能し得るものであり、充電コイル130内の電流によって渦電流が誘導されることを防ぐために、制御回路320を遮蔽することができる。シールド140及びシールド142はまた、充電コイル130と、充電パック200(図2に示されるもの)又は他の充電器内の対応するコイルとの、結合係数も改善することができる。この結合係数の増大は、アクセサリケース100内の、磁気要素120、磁気要素122、磁気要素124、及び磁気要素126(全て図2に示されるもの)を含む、第1の位置合わせ機構に対する、充電コイル130の位置のオフセットを補償するために役立ち得る。シールド140及びシールド142は、フェライト又は他の材料などの、透磁性材料で形成することができる。例えば、シールド140及びシールド142は、ナノ結晶材料の積層で形成することができる。ナノ結晶材料は、非晶質フェライト材料又は他の材料とすることができる。
【0043】
ボタンハウジング310を、充電コイル130の中心開口部132内に位置決めすることができる。ボタンハウジング310は、ユーザによって作動させることが可能な、ボタン700(図7に示されるもの)を含み得る。ボタン700は、制御回路320に関するリセット機能を制御することができる。ボタン700はまた、1つ以上のアクセサリ101(図1に示されるもの)とアクセサリケース100との、ペアリングを開始させるために使用することもできる。
【0044】
図4は、本発明の一実施形態による、アクセサリケースと第1のタイプの充電器との間の、位置合わせ磁石の引力を示す。この実施例では、アクセサリケース100を充電パック200と位置合わせすることができる。充電パック200は、位置合わせ磁石220のリングを含み得る。位置合わせ磁石220のリングは、外側磁石222、内側磁石224、及びバックプレート226を含み得る。磁力線410は、外側磁石222のN極から発生して、シールド121に到達し得る。磁力線410は、シールド121を通って磁気要素120のS極へと継続し得る。磁力線410は、磁気要素120のN極から、内側磁石224のS極へと継続し得る。磁力線410は、バックプレート226を通って、内側磁石224のN極から外側磁石222のS極へと継続し得る。このようにして、磁力線410は、アクセサリケース100内の磁気要素120と、充電パック200内の位置合わせ磁石220のリングとの間に、磁気引力を生じさせることができる。この引力は、主として、磁気要素120と、位置合わせ磁石220のリングの内部磁石224との間に存在し得る。この引力は、磁気要素122と位置合わせ磁石220のリングとの間、磁気要素124と位置合わせ磁石220のリングとの間、及び磁気要素126と位置合わせ磁石220のリングとの間の、同様の磁気引力と組み合わされた場合に、アクセサリケース100を充電パック200と位置合わせすることができる。このことにより、充電パック200は、アクセサリケース100を充電することが可能となり得る。
【0045】
本発明のこれらの実施形態及び他の実施形態はまた、第2のタイプの無線充電器によって充電することもできる。一実施例を以下の図に示す。
【0046】
図5は、本発明の一実施形態による、アクセサリケースを示す。アクセサリケース100は、1つ以上のアクセサリ101(図1に示されるもの)を格納するための1つ以上のアクセサリ受け部104(図1に示されるもの)を有する、基底部102を含み得る。基底部102は、ヒンジ109を介して蓋108に取り付けることができる。蓋108は、アクセサリ101を、それらのアクセサリ受け部104内に保持するために役立ち得る。蓋108は、ヒンジ109の軸を介して基底部102に対して回転することができる。このことにより、アクセサリケース100は、開くことが可能となり得るため、ユーザは、1つ以上のアクセサリ101を、基底部102内のそれらのアクセサリ受け部104から取り出すことができる。
【0047】
前述のように、磁気要素120及び磁気要素122を、アクセサリケース100の蓋108内に位置決めすることができる。磁気要素124及び磁気要素126を、基底部102内に配置することができる。磁気要素120、磁気要素122、磁気要素124、及び磁気要素126は、図2に示されるように、第1のタイプの無線充電器にアクセサリケース100を位置合わせするために役立ち得る。
【0048】
ボタンハウジング310を、充電コイル130の中心開口部132内に配置することができる。ボタンハウジング310は、ボタン700を含み得る。ユーザは、制御回路320(図3に示されるもの)をリセットするために、ボタン700を作動させることができる。ユーザは、アクセサリケース100と1つ以上のアクセサリ101とのペアリングを開始させるために、ボタン700を作動させることができる。
【0049】
本発明のこれらの実施形態及び他の実施形態では、ボタン700は、磁性とすることができる。例えば、ボタン700の一部分を、磁気要素510(図7に示されるもの)で形成することができ、磁気要素510は、永久磁石、電磁石、磁極片、強磁性要素、又は他の磁気要素とすることができる。磁気要素510のN極は、アクセサリケース100の裏側(ここで図示されている側)に向き合うことができる。あるいは、磁気要素のS極が、アクセサリケース100の図示されている裏側に向き合うことができる。このようにして、磁石要素510を、充電コイル130によって側方から取り囲むことができる。充電コイル130は、シールド140によって遮蔽することができる。この構成では、磁気要素510を、第2のタイプの無線充電器内の対応する磁石と位置合わせすることができる。充電コイル130は、第2のタイプの無線充電器のパック又は他の構造内の、対応する磁石の周りで側方に位置決めされている、対応するコイルと位置合わせすることができる。充電コイル130は、第2のタイプの無線充電器から、変調された磁束を受け取ることができる。この変調された磁束から、充電コイル130内で生成された電流は、制御回路320(図3に示されるもの)によって、アクセサリケース100内部のバッテリ(図示せず)、アクセサリケース100内のアクセサリ受け部104内に格納されている1つ以上のアクセサリ101、又はその双方を充電するために使用することができる。
【0050】
本発明のこれらの実施形態及び他の実施形態では、アクセサリケース100は、有線接続を使用して充電することができる。アクセサリケース100は、Lightning(商標)又はユニバーサルシリアルバス(USB)タイプCコネクタ受け部などの、コネクタ受け部を含み得る。このコネクタ受け部は、対応するコネクタ挿入部を受け入れることができ、この接続を介して、アクセサリケース100内部のバッテリ、アクセサリケース100内のアクセサリ受け部104内に格納されている1つ以上のアクセサリ101、又はその双方に、電力を供給することができる。
【0051】
図6は、本発明の一実施形態による、アクセサリケースの一部分を示す。この実施例では、ボタンハウジング310は、接着剤層313によって、シールド140の裏側に取り付けることができる。接着剤層313は、感圧接着剤層、熱活性化フィルム層、紫外線硬化型接着剤、ポリイミドフィルム、又は他の接着剤層とすることができる。ボタンハウジング310は、充電コイル130の中心開口部132内に位置決めすることができる。充電コイル130からのワイヤ134を、シールド140内のスロット145に通して、制御回路320(図3に示されるもの)へと引き回すことができる。スロット145は、シールド140内に渦電流が形成されることを防ぐために役立ち得る。
【0052】
本発明のこれらの実施形態及び他の実施形態では、フレキシブル回路基板により、ボタンハウジング310を制御回路320(図3に示されるもの)に接続することができる。過熱保護又はサーマルシャットダウンなどの、追加的な回路を含めることができる。
【0053】
図7は、本発明の一実施形態による、第2のタイプの無線充電器をアクセサリケースに位置合わせする際に使用することが可能なボタンの詳細を示す。この実施例では、ボタン700は、磁気要素510を含み得る。磁石要素510は、第1の接着剤層712を使用して、バケット710の内側表面内に取り付けることができる。磁気要素510は、第2の接着剤層714を使用して、シールド720に取り付けることができる。第1の接着剤層712及び第2の接着剤層714は、感圧接着剤層、熱活性化フィルム層、紫外線硬化型接着剤、ポリイミドフィルム、又は他の接着剤層とすることができる。発泡体730を、シールド720とボタンハウジング310との間、及びバケット710とボタンハウジング310との間に位置決めすることができる。
【0054】
シールド720は、磁気分路として機能し得るものであり、制御回路320を磁気要素510から遮蔽することができる。シールド720はまた、磁気要素510と、第2のタイプの無線充電器内の対応する磁石との、結合係数も改善することができる。シールド720は、透磁性材料、例えばフェライト又は他の材料で形成することができる。例えば、シールド720は、ナノ結晶材料の積層で形成することができる。ナノ結晶材料は、非晶質フェライト材料又は他の材料とすることができる。
【0055】
この実施例では、バケット710は、アクセサリケース100用のエンクロージャ810(図8に示されるもの)の残部に合致するように、プラスチック又は樹脂で形成することができる。バケット710の裏面は、アクセサリケース100用のエンクロージャ810と面一にすることができる。磁気要素510は、永久磁石、及び電磁石、強磁性要素、磁極片、あるいは他の磁気要素とすることができる。
【0056】
図8は、本発明の一実施形態による、第2のタイプの無線充電器をアクセサリケースに位置合わせする際に使用することが可能な、ボタン及び関連する構造の側面図である。この実施例では、ボタン700は、第1の接着剤層712によってバケット710に取り付けることが可能な、磁気要素510を含み得る。磁気要素510はまた、第2の接着剤層714によって、シールド720に取り付けることもできる。ユーザによって作動されると、ボタン700は、アクセサリケース100のエンクロージャ810に対して、図示のように上向きに移動することができる。この移動は、ボタンハウジング310のプッシャ314を、可撓性ドーム312内に押し込むことができる。可撓性ドーム312は、導電性であり得るか、又は導電性表面を有し得る。可撓性ドーム312が十分に垂直方向に変位すると、可撓性ドーム312は、コンタクト318とコンタクト316との間に電気的接続を形成することができる。この接続は、制御回路320(図3に示されるもの)によって検出することができる。可撓性カバーレイ311を使用して、可撓性ドーム312を、所定の位置に保持して封止することができる。可撓性ドーム312は、所望の力プロファイルを与えるために、1つ、2つ、又は3つ以上の可撓性ドーム312として実装することができる。
【0057】
本発明のこれらの根底及び他の根底では、アクセサリケース100は、2つ以上のタイプの無線充電器を使用して充電することができる。これらの2つの充電器は、異なる周波数で動作し得る。それゆえ、制御回路320は、これらの異なる無線充電器から電力を受け取るために、それぞれが異なる周波数に調整されている、2つの充電回路を採用することができる。あるいは、2つの周波数間で調整することが可能な、単一の充電回路を採用することもできる。一実施例を以下の図に示す。
【0058】
図9は、複数の周波数で動作する無線充電器と共に使用することが可能な、充電回路を示す。第1の状態では、汎用入出力(general-purpose input output;GPIO)回路からの周波数選択出力FSは、高いものであり得る。トランジスタQ3のソースは、低ドロップアウト調整電圧V1に接続することができる。結果として、トランジスタQ3はオフとなり得る。トランジスタQ1は、トランジスタQ1のゲートとソースとの間に接続されている抵抗器R1によって、オフにすることができる。同様に、トランジスタQ2も、トランジスタQ2のゲインとソースとの間に接続されている抵抗器R2によって、オフにすることができる。その場合、充電コイル130は、コンデンサC4及びコンデンサC5と共に、共振回路を形成することができる。この常駐回路の周波数ピークは、無線充電器のうちの一方の周波数で動作するように調整することができる。
【0059】
第2の状態では、GPIO回路からの周波数選択出力FSは、低いものであり得る。このことにより、トランジスタQ3をオンにすることができ、それにより、ダイオードD1を介してトランジスタQ1のゲートをプルアップすることができ、ダイオードD2を介してトランジスタQ2のゲートをプルアップすることができる。トランジスタQ1は、コンデンサC4の両端間にコンデンサC3を接続することができる。トランジスタQ2は、コンデンサC5の両端間にコンデンサC6を接続することができる。その場合、充電コイル130は、コンデンサC3とコンデンサC4との並列の組み合わせ、及びコンデンサC5とコンデンサC6との並列の組み合わせと共に、共振回路を形成することができる。この新たな低周波数共振回路は、無線充電器のうちの一方の周波数で動作するように調整することができる。
【0060】
充電コイル130内に誘導された電流は、整流回路「整流器1」の入力VINP及び入力VINNにおいて電圧を生成し得る。整流回路「整流器1」は、この波形を整流して、コンデンサCOUTにおいて出力電圧VOUTを供給することができる。この出力電圧は、アクセサリケース100内部のバッテリ(図示せず)、アクセサリケース100内のアクセサリ受け部104内に格納されている1つ以上のアクセサリ101(全て図1に示されるもの)、又はその双方を充電するために使用することができる。
【0061】
本発明のこれらの根底及び他の根底では、アクセサリケース100が無線充電器にデータを送信可能であることが望ましい場合がある。例えば、このデータは、アクセサリケース100が、充電を必要としている有効なデバイスであることを、無線充電器に通知することができる。したがって、通信回路COMが、コンデンサC7及びC8を介して、充電コイル130に出力信号DP及び出力信号DNを提供することができる。この出力信号は、無線充電器内の充電コイルを介して受信することができる。
【0062】
この回路の変形形態を、本発明のこれらの実施形態及び他の実施形態で使用することができる。例えば、トランジスタQ2及びその関連回路を除去することができる。充電コイル130の下側端子を、接地させることができる。コンデンサC5、コンデンサC6の除去を補償するために、コンデンサC3及びコンデンサC4のサイズの調節を行うことができる。本発明の更に他の実施形態では、追加的なコンデンサとトランジスタとの対を、コンデンサC3、トランジスタQ1、並びにコンデンサC6及びトランジスタQ2と、並列に配置することができる。これらの追加的なトランジスタは、GPIO回路からの追加的な論理出力によって駆動することができる。これらの追加的なトランジスタ及びコンデンサを含めることにより、示されている回路に、更なる可能な状態を提供することができ、更なる無線充電器との適合性を可能にすることができる。
【0063】
本発明の実施形態は、アクセサリケースでの使用に非常に適したものではあるが、本発明のこれらの実施形態及び他の実施形態は、ポータブルコンピューティングデバイス、タブレット、ラップトップ、スマートフォン、ウェアラブルコンピューティングデバイス、充電デバイス、記憶デバイス、オーディオデバイス、腕時計、宝飾品、指輪、ポータブルメディアプレーヤ、ナビゲーションシステム、モニタなどの、他のタイプの電子デバイスで使用することもできる。
【0064】
本発明の実施形態の上記の説明は、例示及び説明を目的として提示されている。網羅的であること、又は説明されている厳密な形態に本発明を限定することを意図するものではなく、上記の教示に照らし合わせて、多くの修正形態及び変形形態が可能である。実施形態は、本発明の原理、及びその実際的な適用を最良に説明することにより、他の当業者が様々な実施形態で、かつ想到される特定の使用に好適であるような様々な修正形態と共に、本発明を最良に利用することが可能となるように、選択及び説明されたものである。それゆえ、本発明は、以下の特許請求の範囲内の全ての修正形態及び等価物を網羅することを意図するものである点が、理解されるであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【外国語明細書】