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特開2023-42202管理装置、管理方法、および管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023042202
(43)【公開日】2023-03-27
(54)【発明の名称】管理装置、管理方法、および管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/20 20230101AFI20230317BHJP
   B65G 1/137 20060101ALI20230317BHJP
   G16Y 20/20 20200101ALI20230317BHJP
【FI】
G06Q10/00 300
B65G1/137 A
G16Y20/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021149387
(22)【出願日】2021-09-14
(71)【出願人】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 正博
(72)【発明者】
【氏名】五島 代介
(72)【発明者】
【氏名】丹羽 宙潤
【テーマコード(参考)】
3F522
5L049
【Fターム(参考)】
3F522BB01
3F522CC09
3F522DD03
3F522DD07
3F522DD22
3F522DD32
3F522FF02
3F522FF21
3F522GG09
3F522LL36
3F522LL61
5L049CC15
(57)【要約】
【課題】貨物自動車の納品先に対して、質の高いサービスを提供できながらも、サービスの提供に関する情報を管理する負担を軽減できるようにする。
【解決手段】管理装置(100)は、複数の貨物自動車の各々に設けられた架装体(14)を識別するための第1識別情報が入力された場合、第1識別情報を架装体(14)別に登録し、架装体に設けたセンサが出力するセンサ情報を利用したサービスの要否を示すサービス情報が入力された場合、サービス情報を第1識別情報別に登録する。管理装置(100)は、サービス情報を第1識別情報別に出力する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の架装体又は油圧機器を管理する管理装置であって、
前記複数の架装体又は油圧機器の各々は、前記架装体又は油圧機器に設けられ、前記架装体又は油圧機器の情報を収集するためのセンサを含み、
前記管理装置は、制御部を備え、
前記制御部は、
前記複数の架装体又は油圧機器の各々に設けられた前記架装体又は油圧機器を識別するための第1識別情報が入力された場合、前記第1識別情報を前記架装体別又は油圧機器別に登録し、
前記センサが出力するセンサ情報を利用したサービスの要否を示すサービス情報が入力された場合、前記サービス情報を前記第1識別情報別に登録する、管理装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記サービス情報を前記第1識別情報別に出力する、請求項1に記載の管理装置。
【請求項3】
前記架装体別又は油圧機器別に前記第1識別情報を登録し、前記第1識別情報別に前記サービス情報を登録するための記憶装置をさらに備える、請求項1または請求項2に記載の管理装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記管理装置の外部に設けられ、記憶装置を有する遠隔装置と通信し、前記架装体別又は油圧機器別に前記第1識別情報を前記遠隔装置の前記記憶装置に登録するとともに、前記第1識別情報別に前記サービス情報を前記遠隔装置の前記記憶装置に登録する、請求項1または請求項2に記載の管理装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記センサ情報を受信し、
前記センサ情報を前記第1識別情報別に収集し、
前記サービスが要に設定されている前記第1識別情報に対応して収集した、前記センサ情報、又は、前記センサ情報から生成される前記架装体又は油圧機器の稼働情報を、出力する、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の管理装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記サービスが否に設定されている前記第1識別情報に対しては、前記センサ情報または前記稼働情報を出力しない、請求項5に記載の管理装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記架装体又は油圧機器が取り付けられた貨物自動車の車両登録番号が入力された場合、前記車両登録番号を前記第1識別情報別に登録する、請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の管理装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記架装体又は油圧機器を装置に取り付けることによって完成品を組み立てる製造者を識別するための第2識別情報が入力された場合、前記第2識別情報を前記製造者に納品された前記架装体又は油圧機器に対応する前記第1識別情報別に登録する、請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の管理装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記第2識別情報、前記第2識別情報に対応する前記サービス情報、およびサービス単価に基づいて、前記第2識別情報によって識別される前記製造者に対応する前記サービスの料金を算出する、請求項8に記載の管理装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記製造者において利用可能なコンピュータから登録情報の送信要求を受信した場合、前記製造者に対応する前記第1識別情報および前記第1識別情報に対応する前記サービス情報、あるいは、前記第1識別情報および前記第1識別情報に対応するセンサ情報又は稼働情報を前記コンピュータに送信する、請求項8または請求項9に記載の管理装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記コンピュータから料金情報の送信要求を受信した場合、前記料金情報の送信要求を送信した前記製造者に対応する前記サービスの料金を前記コンピュータに送信する、請求項10に記載の管理装置。
【請求項12】
複数の架装体又は油圧機器を管理する管理方法であって、
前記複数の架装体又は油圧機器の各々は、前記架装体又は油圧機器に設けられ、前記架装体又は油圧機器の情報を収集するためのセンサを含み、
前記複数の架装体又は油圧機器の各々に設けられた前記架装体又は油圧機器を識別するための第1識別情報が入力された場合、前記第1識別情報を前記架装体別又は油圧機器別に登録するステップと、
前記センサが出力するセンサ情報を利用したサービスの要否を示すサービス情報が入力された場合、前記サービス情報を前記第1識別情報別に登録するステップとを、
備える、管理方法。
【請求項13】
複数の架装体又は油圧機器を管理するための管理プログラムであって、
前記複数の架装体又は油圧機器の各々は、前記架装体又は油圧機器に設けられ、前記架装体又は油圧機器の情報を収集するためのセンサを含み、
前記管理プログラムはコンピュータに、
前記複数の架装体又は油圧機器の各々に設けられた前記架装体又は油圧機器を識別するための第1識別情報が入力された場合、前記第1識別情報を前記架装体別又は油圧機器別に登録するステップと、
前記センサが出力するセンサ情報を利用したサービスの要否を示すサービス情報が入力された場合、前記サービス情報を前記第1識別情報別に登録するステップとを実行させる、管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、管理装置、管理方法、および管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
トラックなどの貨物自動車は、シャーシ(車体)などと称されるトラックの本体部分と、ボディあるいは架装体などと称される荷台部分とに大別することができる。荷役装置、ウィングボディなど、用途に応じた様々な架装体がシャーシに架装される。たとえば、荷役装置は、油圧機器によって荷受台を昇降させる機能を備える。ウィングボディは、箱形の格納部の両側壁を油圧機器によって羽のように開放する機能を備える。
【0003】
一般に、貨物自動車の本体部分は自動車メーカが製造する。架装体は油圧機器メーカなどが製造する。自動車メーカは、貨物自動車の本体部分を架装メーカに納品する。油圧機器メーカは、油圧機器などの架装体を架装メーカに納品する。架装メーカはトラックの本体部分に架装体を架装する。これにより、貨物自動車が製造される。架装メーカは、貨物自動車を様々な運送会社に納品する。架装メーカは、必要に応じて運送会社を訪問し、貨物自動車をメンテナンスする。
【0004】
特許文献1には、荷受台が昇降途中で停止すると、貨物自動車を動かすことができないため、荷役装置の動力部分である液圧装置の異常を早期に発見し、故障する前に補修することが重要であることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-133817号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
動力部分である油圧機器の異常を架装メーカが早期に発見することは重要である。しかし、貨物自動車の使用頻度は、運送会社によって大きく異なる。荷受台を昇降し、あるいはウイングを開閉する頻度が高い運送会社もあれば、それらの頻度が低い運送会社もある。したがって、架装メーカが運送会社に提供するサービスの質は、全ての運送会社に対して同一にする必要はない。
【0007】
そこで、架装メーカは、貨物自動車の納品先の状況を考慮しつつ、質の高いサービスを提供する貨物自動車を絞り込むことが考えられる。しかし、質の高いサービスを提供する貨物自動車と、そうでない貨物自動車とを区別して管理することは、架装メーカにとって負担となる。
【0008】
本開示の目的は、架装体又は油圧機器が取り付けられた装置の納品先に対して質の高いサービスを提供できながらも、サービスの提供に関する情報を管理する負担を軽減できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示のある局面に従う管理装置は、複数の架装体又は油圧機器を管理する。複数の架装体又は油圧機器の各々は、架装体又は油圧機器に設けられ、架装体又は油圧機器の情報を収集するためのセンサを含む。管理装置は、制御部を備え、制御部は、複数の架装体又は油圧機器の各々に設けられた架装体又は油圧機器を識別するための第1識別情報が入力された場合、第1識別情報を架装体別又は油圧機器別に登録し、センサが出力するセンサ情報を利用したサービスの要否を示すサービス情報が入力された場合、サービス情報を第1識別情報別に登録する。
【0010】
本開示のある局面に従う管理方法は、複数の架装体又は油圧機器を管理する管理方法である。複数の架装体又は油圧機器の各々は、架装体又は油圧機器に設けられ、架装体又は油圧機器の情報を収集するためのセンサを含む。管理方法は、複数の架装体又は油圧機器の各々に設けられた架装体又は油圧機器を識別するための第1識別情報が入力された場合、第1識別情報を架装体別又は油圧機器別に登録するステップと、センサが出力するセンサ情報を利用したサービスの要否を示すサービス情報が入力された場合、サービス情報を第1識別情報別に登録するステップとを備える。
【0011】
本開示のある局面に従う管理プログラムは、複数の架装体又は油圧機器を管理するための管理プログラムである。複数の架装体又は油圧機器の各々は、架装体又は油圧機器に設けられ、架装体又は油圧機器の情報を収集するためのセンサを含む。管理プログラムはコンピュータに、複数の架装体又は油圧機器の各々に設けられた架装体又は油圧機器を識別するための第1識別情報が入力された場合、第1識別情報を架装体別又は油圧機器別に登録するステップと、センサが出力するセンサ情報を利用したサービスの要否を示すサービス情報が入力された場合、サービス情報を第1識別情報別に登録するステップとを実行させる。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、架装体又は油圧機器が取り付けられた装置の納品先に対して質の高いサービスを提供できながらも、サービスの提供に関する情報を管理する負担を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】管理システムの構成を示す図である(実施の形態1)。
図2】油圧機器が架装された貨物自動車を示す図である。
図3】管理装置と、運送会社が使用する貨物自動車のセンサとの通信を示す図である。
図4】管理装置と、運送会社が使用する貨物自動車と、架装メーカが使用する端末との通信を示す図である。
図5】管理装置が管理するデータの一例を示す図である。
図6】油圧機器メーカの表示装置にデータ一覧が表示される例を示す図である。
図7】油圧機器メーカの表示装置にメンテナンスサービス要に設定されている油圧機器IDのデータ一覧が表示される例を示す図である。
図8】油圧機器メーカの表示装置に架装メーカに対するサービス料が表示される例を示す図である。
図9】架装メーカの端末にデータ一覧が表示される例を示す図である。
図10】架装メーカの表示装置にサービス料が表示される例を示す図である。
図11】油圧機器ID、架装メーカID、および車両登録番号の登録、並びにサービスフラグの設定に関する処理の流れを示すフローチャートである。
図12】センサ情報の収集および登録情報の出力に関する処理の流れを示すフローチャートである。
図13】稼働情報およびサービス料の送信に関する処理の流れを示すフローチャートである。
図14】管理システムの構成を示す図である(実施の形態2)。
図15】管理装置と遠隔装置との通信を示す図である(実施の形態2)。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0015】
実施の形態1.
<システム構成>
図1は、管理システムの構成を示す図である。管理システムは、油圧機器メーカ、車両メーカ、架装メーカ、および運送会社の業務フローに関わって機能する。図1には、これら各メーカまたは会社における業務フローを含めた処理フローがステップ番号と共に示されている。
【0016】
車両メーカは、貨物自動車10の車体を製造する。貨物自動車10の車体はシャーシとも呼ばれる。車体は、たとえば、座席を含む本体部分と、ボディとも呼ばれる荷台部分とを含む。車両メーカは、製造した車体を規模の異なる様々な架装メーカA,B,…に納品する(ステップS1)。
【0017】
油圧機器メーカは、架装体の一例となる油圧機器14を製造する。油圧機器メーカには管理装置100が配置される。油圧機器メーカは、油圧機器14に様々なセンサを取り付ける。油圧機器メーカは、製造した油圧機器14の一つひとつを管理装置100においてシリアル番号で管理する。このシリアル番号は油圧機器IDと称される。油圧機器IDによって各々の油圧機器14を識別することができる。油圧機器IDは第2識別情報の一例である。
【0018】
油圧機器メーカは、センサが取り付けられた油圧機器14を規模の異なる様々な架装メーカA,B,…に納品する(ステップS2)。
【0019】
架装メーカは、車体に油圧機器14を架装する(ステップS3)。これにより、貨物自動車10が組み立てられる。架装メーカは、組み立てた貨物自動車10を規模の異なる様々な運送会社X,Y,…に納品する(ステップS4)。
【0020】
運送会社は、国の機関に対して貨物自動車10の登録申請をする。運送会社は、登録申請により発行された車両登録番号を納品元の架装メーカに通知する(ステップS5)。たとえば、運送会社の担当者は、コンピュータを用いて、貨物自動車10を特定できる情報と共に車両登録番号を納品元の架装メーカのコンピュータに送信してもよい。
【0021】
架装メーカは、通知された車両登録番号の貨物自動車10を対象として、メンテナンスサービスを提供するか否かを決定する(ステップS6)。貨物自動車10に架装された油圧機器14にはセンサが取り付けられている(ステップS2)。油圧機器14に取り付けるセンサ次第で、センサから様々な情報を取得することができる。架装メーカは、センサから取得される情報を利用したメンテナンスサービスを提供するか否かを運送会社に納品した複数の貨物自動車10毎に決定する。
【0022】
油圧機器メーカは、架装メーカの代わりに、メンテナンスサービスのデータを管理している。架装メーカは、管理料に相当するサービス料を油圧機器メーカに支払う必要がある。サービス料は、たとえば、メンテナンスサービスを提供する貨物自動車10の台数に応じた金額とされている。運送会社に納品した全ての貨物自動車10をメンテナンスサービスの対象に設定すると、サービス料が高額になる。このため、架装メーカは、取引のある運送会社の諸事情を考慮して、メンテナンスサービスを効果的に実施できるよう、対象の貨物自動車10を選択する必要がある。
【0023】
運送会社に対してメンテナンスサービスを提供するか否かの基準は、架装メーカA,B…によって異なるであろう。たとえば、架装メーカAは、運送会社の規模に応じた基準を定めるかもしれない。架装メーカBは、運送会社に対する貨物自動車10の売上高または納品台数に応じた基準を定めるかもしれない。
【0024】
架装メーカCは、取引のある複数の運送会社の中で貨物自動車10を頻繁に使用する傾向があると思われる運送会社を抽出し、抽出した運送会社に納品した貨物自動車10をメンテナンスサービスの対象とするかもしれない。一般には、配送業務の受注量の多い運送会社ほど、その頻度が高くなることが予想される。
【0025】
架装メーカDは、取引のある複数の運送会社の中で油圧機器14を頻繁に使用する傾向があると思われる運送会社を抽出し、そこに納品した貨物自動車10をメンテナンスサービスの対象車両とするかもしれない。仮想メーカEは、運送会社からメンテナンスサービスに関する希望を聞き取り、メンテナンスサービスを希望する運送会社に納品した貨物自動車10をメンテナンスサービスの対象車両とするかもしれない。
【0026】
架装メーカA,B…は、各々の基準に従って、運送会社に納品した貨物自動車10をメンテナンスサービスを提供する対象とするか否かを決定する。もちろん、架装メーカは、運送会社毎にその決定をする必要はない。たとえば、同じ運送会社に納品した複数の貨物自動車10のうち、特定の1または2以上の貨物自動車10をメンテナンスサービスの対象車両としてもよい。
【0027】
メンテナンスサービスは、たとえば、一定期間毎に貨物自動車10を点検するサービスであってもよい。また、メンテナンスサービスは、一定期間毎に貨物自動車10の部品を取り替えるサービスであってもよい。
【0028】
メンテナンスサービスは、架装メーカが運送会社に提供するサービスの一例に過ぎない。架装メーカは、メンテナンスサービスに代えて、貨物自動車10を用いた配送業務に関する有用な情報を提供するサービスを採用してもよい。
【0029】
架装メーカは、貨物自動車10毎にメンテナンスサービスの要否を決定した後、油圧機器メーカに対して、貨物自動車10に関する各種の情報を通知する(ステップS7)。各種の情報には、油圧機器ID、架装メーカID、車両登録番号、運送会社、およびメンテナンスサービスの要否が含まれる。たとえば、架装メーカの担当者は、コンピュータを用いて、これらの各種の情報を油圧機器メーカのコンピュータに送信してもよい。
【0030】
各種の情報に含まれる架装メーカIDは、架装メーカA,B…を識別するための識別情報である。油圧機器メーカは、貨物自動車10に紐付いた架装メーカIDにより、油圧機器14の取り付けに関わった架装メーカを特定することができる。架装メーカIDは第2識別情報の一例である。
【0031】
油圧機器メーカに配置された管理装置100は、架装メーカから通知された各種の情報を登録する(ステップS8)。管理装置100は、プロセッサ101とメモリ102とを含んで構成される。たとえば、プロセッサ101は、管理者による情報の入力に応じて、各種の情報をメモリ102に登録する。プロセッサ101は、架装メーカのコンピュータからこれらの各種の情報を受信し、受信した各種の情報をメモリ102に登録してもよい。
【0032】
運送会社は、納品された貨物自動車10を用いて運送業を営む。運送会社の規模、形態、経営状況などにより、貨物自動車10の稼働率、走行距離、貨物自動車10に搭載された油圧機器14の稼働率などが異なる。油圧機器14に取り付けられたセンサは、センサの種類に応じた様々な情報を検出する。
【0033】
センサは、インターネットなどのネットワーク50を介して管理装置100と通信する機能を備えている。センサは、検出した情報をセンサ情報として管理装置100に送信する(ステップS9)。管理装置100は、センサ情報をセンサが取り付けられた油圧機器14別に収集する。
【0034】
管理装置100は、メンテナンスサービスの設定がサービス要とされている貨物自動車10のセンサを対象にして、そのセンサから送られるセンサ情報を収集する。管理装置100は、メンテナンスサービスの設定がサービス無にされている貨物自動車10のセンサから送られるセンサ情報を収集しない。センサ情報は、メンテナンスサービスに利用されるためである。
【0035】
管理装置100は、車両(貨物自動車10)の稼働情報、より詳細には、油圧機器の稼働情報を架装メーカに提供する(ステップS10)。車両の稼働情報は、管理装置100がセンサ情報を収集することによって生成される。車両の稼働情報は、たとえば、貨物自動車10に架装された油圧機器14の駆動回数であってもよい。なお、稼働情報の代わり、又は、稼働情報と共に、センサ情報自体を提供することもできる。
【0036】
管理装置100が提供する車両の稼働情報は、貨物自動車10別に生成された情報である。管理装置100は、架装メーカAに対して、架装メーカAに納品された油圧機器14に対応する貨物自動車10の稼働情報を提供する。管理装置100は、架装メーカBに対して、架装メーカBに納品された油圧機器14に対応する貨物自動車10の稼働情報を提供する。
【0037】
管理装置100は、メンテナンスサービスの設定がサービス要とされている貨物自動車10の稼働情報を架装メーカに提供する。管理装置100は、メンテナンスサービスの設定がサービス無とされている貨物自動車10の稼働情報を架装メーカに提供しない。つまり、管理装置100は、架装メーカがメンテナンスサービスの対象にした貨物自動車10のみを対象にして、車両の稼働情報を提供する。
【0038】
架装メーカは、車両の稼働情報に基づいて、運送会社に納品した貨物自動車10の稼働状況を確認する。架装メーカは、貨物自動車10の稼働情報に基づいて、メンテナンスサービスの対応を決定する。たとえば、架装メーカAは、運送会社Xに納品された貨物自動車10の稼働情報に基づいて、貨物自動車10に架装された油圧機器14の駆動回数が基準値を超えていると判断するかもしれない。この場合、架装メーカAの作業員が運送会社Xに油圧機器14の点検に出向くかもしれない。
【0039】
架装メーカは、油圧機器メーカから提供されるデータを利用することによって、付加価値のあるサービスを運送会社に提供できる。その結果、架装メーカは、貨物自動車10の売り上げを増加できるメリットがある。
【0040】
油圧機器メーカは、メンテナンスサービスのデータを管理し、そのデータを提供する見返りとして、架装メーカに対してサービス料を請求する(ステップS12)。サービス料は、たとえば、メンテナンスサービス要に設定されている貨物自動車10の数に応じて異なる。
【0041】
たとえば、架装メーカAが運送会社Xに対して納品した貨物自動車50台のうち、40台がメンテナンスサービス要に設定され、架装メーカAが運送会社Yに対して納品した貨物自動車30台のうち、15台がメンテナンスサービス要に設定されていたとする。この場合、油圧機器メーカは、55台に相当する金額のサービス料を架装メーカAに請求する。油圧機器メーカは、このようにして、架装メーカA,B…に対してサービス料を請求する。
【0042】
架装メーカは、メンテナンスサービスを提供する見返りとして、運送会社に対してサービス料を請求する(ステップS13)。サービス料は、たとえば、メンテナンスサービス要に設定されている貨物自動車10の数に応じて異なる。架装メーカA,B…は、取引のある運送会社に対して請求するサービス料の金額を、それぞれで定めてもよい。
【0043】
<管理装置100のハードウエア構造>
管理装置100のハードウエア構造について説明する。管理装置100は、プロセッサ101とメモリ102とを含む。プロセッサ101は、典型的には、CPU(Central Processing Unit)またはMPU(Multi-Processing Unit)などの演算処理部である。プロセッサ101は、メモリ102に記憶されたプログラムを読み出して実行することで、管理装置100の処理を実現する。なお、図1では、管理装置100のプロセッサ101が単数である構成を例示しているが、管理装置100に複数のプロセッサ101が設けられる構成としてもよい。
【0044】
メモリ102は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)およびフラッシュメモリなどの不揮発性メモリによって実現される。メモリ102は、ステップS7において通知された各種の情報、ステップS9のセンサ情報、プロセッサ101によって実行されるプログラム、およびプロセッサ101によって用いられるデータなどを記憶する。
【0045】
なお、メモリ102は、プロセッサ101が可読可能な形式で非一時的にプログラムを記録することができれば、CD-ROM(Compact Disc - Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disk - Read Only Memory)、USB(Universal Serial Bus)メモリ、メモリーカード、FD(Flexible Disk)、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)、磁気テープ、カセットテープ、MO(Magnetic Optical Disc)、MD(Mini Disc)、IC(Integrated Circuit)カード(メモリーカードを除く)、光カード、マスクROM、またはEPROMであってもよい。
【0046】
以上、説明したとおり、油圧機器メーカは、管理装置100によって貨物自動車10を管理している。管理装置100では、貨物自動車10がその貨物自動車10に架装された油圧機器14の油圧機器IDと関連付けられている。特に、管理装置100は、貨物自動車10を所有する運送会社、および運送会社に対して貨物自動車10を納品した架装メーカと関連付けて油圧機器IDを記憶している。
【0047】
管理装置100は、油圧機器14に取り付けたセンサを用いて、運送会社が使用する貨物自動車10からセンサの種類に応じた様々な情報を受信し、受信した情報を油圧機器ID別に記憶する。管理装置100は、架装メーカの要求に応じて、あるいは定期的に、センサ情報に基づいて生成した情報(車両の稼働情報)を提供する。管理装置100は、特に、架装メーカが予めサービス要に設定した貨物自動車10を対象にして、車両の稼働情報を架装メーカに提供する。
【0048】
<貨物自動車10の構成>
図2は、油圧機器14が架装された貨物自動車10を示す図である。貨物自動車10は、荷台11と荷役装置12とを備える。荷役装置12は、荷受台13と、油圧機器14とを備える。図2に示す油圧機器14は、たとえば、減圧装置である。油圧機器14は、荷受台13を昇降させる。減圧装置は油圧機器14の一例である。他の油圧機器14の例として、たとえば、貨物自動車10のウイングの開閉に用いる駆動装置を挙げることができる。
【0049】
<管理装置100と貨物自動車10のセンサとの通信>
図3は、管理装置100と、運送会社が使用する貨物自動車10のセンサとの通信を示す図である。管理装置100は、たとえば、油圧機器メーカによって管理される。貨物自動車10は、たとえば、運送会社によって使用される。貨物自動車10には、油圧機器14が架装されている。図3には、油圧機器14の一例として、減圧装置の構成が示されている。
【0050】
油圧機器14は、液圧シリンダ141、タンク142、ポンプ143、バルブ144、モータ145、圧力センサ146、およびモータセンサ147を含んで構成される。油圧機器14は、対応する油圧機器IDを格納するメモリ148をさらに備える。
【0051】
液圧シリンダ141は、貨物自動車10の荷受台13を荷台11の下方に出し入れする機能を備える。タンク142には、鉱物油などの液体が貯留されている。ポンプ143は、タンク142に貯留されている液体を液圧シリンダ141に向けて吐出する。バルブ144は、液体の流れを制御する。モータ145は、ポンプ143を駆動する。圧力センサ146は、タンク142から液圧シリンダ141に向けて吐出される液体の圧力を検出する。モータセンサ147は、モータ145が駆動したことを検出する。
【0052】
圧力センサ146およびモータセンサ147は、ネットワーク50を介して管理装置100と通信する。圧力センサ146は、タンク142から液圧シリンダ141に向けて吐出される液体の圧力をメモリ148に格納された油圧機器IDと共に管理装置100に送信する。モータセンサ147は、モータ145の駆動を示す情報をメモリ148に格納された油圧機器IDと共に管理装置100に送信する。
【0053】
管理装置100は、圧力センサ146およびモータセンサ147から受信した情報を油圧機器ID別に収集する。管理装置100は、これらの情報に基づいて貨物自動車10に関する様々な稼働情報を生成する。
【0054】
たとえば、管理装置100は、圧力センサ146の情報を閾値と比較して圧力値別に集計する。このようにして生成された稼働情報は、架装メーカにおいて、圧力異常の可能性を判断するための情報として有用かもしれない。あるいは、管理装置100は、モータセンサ147の情報をカウントした結果を稼働情報とする。このカウント情報は、架装メーカにおいて、油圧機器14の駆動回数を判断するための情報として有用かもしれない。
【0055】
ここでは、センサの例として、圧力センサ146およびモータセンサ147を挙げた。しかしながら、油圧機器14に他の情報を検出するセンサを設け、そのセンサが管理装置100に対してセンサ情報を送信してもよい。
【0056】
<管理装置100と貨物自動車10と端末200との通信>
図4は、管理装置100と、運送会社が使用する貨物自動車10と、架装メーカが使用する端末200との通信を示す図である。管理装置100と貨物自動車10の圧力センサ146およびモータセンサ147とは、ネットワーク50を介して通信する。管理装置100と架装メーカの端末200とは、ネットワーク50を介して通信する。
【0057】
管理装置100は、様々な情報を表示する表示装置150と接続されている。表示装置150を含んで管理装置100を構成してもよい。
【0058】
管理装置100は、取得部111と、算出部112と、送信部113と、出力部114と、格納部115とを備える。取得部111、算出部112、送信部113、および格納部115は、図1に示したプロセッサ101およびメモリ102によって実現される。出力部114は、たとえば、表示装置150に対して表示情報を出力する表示インターフェイスにより構成される。プロセッサ101は、出力部114に対して様々な情報を出力する。
【0059】
運送会社X,Y…は、架装メーカA,B…から納品された貨物自動車10を用いて物品を配送する。貨物自動車10の油圧機器14には圧力センサ146およびモータセンサ147が取り付けられている。圧力センサ146およびモータセンサ147は、油圧機器IDと共にセンサ情報を管理装置100に送信する。管理装置100は、油圧機器IDおよびセンサ情報を受信する。
【0060】
取得部111は、受信した圧力センサ146およびモータセンサ147から油圧機器IDと共にセンサ情報を取得する。ただし、取得部111は、メンテナンスサービス要に設定されている油圧機器IDのセンサ情報のみを取得する。
【0061】
取得部111は、格納部115にセンサ情報を油圧機器ID別に格納する。算出部112は、格納されたセンサ情報に基づいて、貨物自動車10の稼働情報を油圧機器ID別に算出する。これにより、架装メーカに対して提供するための様々な稼働情報が生成される。
【0062】
稼働情報は、たとえば、圧力センサ146の情報を閾値と比較して圧力値別に集計した情報である。あるいは、稼働情報は、モータセンサ147のセンサ情報をカウントした結果である。算出された稼働情報は油圧機器ID別に格納部115に格納される。
【0063】
格納部115には、架装メーカ向けのサービス料単価αと、運送会社向けのサービス料単価βとが格納されている。管理装置100の管理者が両サービス料単価を適宜設定できるよう、管理装置100を設計することが望ましい。
【0064】
架装メーカ向けのサービス料単価αは、架装メーカ別に異ならせてもよい。同様に、運送会社向けのサービス料単価βは、運送会社別に異ならせてもよい。この場合、管理装置100の管理者がサービス料単価αを架装メーカ別に設定できるよう、管理装置100を設計することが望ましい。同様に、管理装置100の管理者がサービス料単価αを架装メーカ別に設定できるよう、管理装置100を設計することが望ましい。
【0065】
算出部112は、架装メーカ向けのサービス料単価αを用いて架装メーカA,B…別にメンテナンスサービスのサービス料を算出する。算出部112は、運送会社向けのサービス料単価βを用いて運送会社X,Y…別にメンテナンスサービスのサービス料を算出する。
【0066】
架装メーカ向けのサービス料は、油圧機器メーカが架装メーカに納品した油圧機器14の数に対して、架装メーカ向けのサービス料単価αを乗じることによって算出される。ただし、サービス料の算出の対象となる油圧機器14は、油圧機器IDがメンテナンスサービス要に対応しているものに限られる。
【0067】
運送会社向けのサービス料は、架装メーカが運送会社に納品した貨物自動車10の数に対して、運送会社向けのサービス料単価βを乗じることによって算出される。ただし、サービス料の算出の対象となる貨物自動車10は、貨物自動車10に対応する油圧機器IDがメンテナンスサービス要に対応しているものに限られる。
【0068】
算出部112により算出された架装メーカ向けのサービス料および運送会社向けのサービス料は、格納部115に格納される。
【0069】
送信部113は、格納部115に格納された稼働情報およびサービス料を架装メーカに送信する。このとき、送信部113は、架装メーカ別に稼働情報およびサービス料を送信する。
【0070】
たとえば、送信部113は、油圧機器メーカが架装メーカAに納品した油圧機器14の油圧機器IDに対応する稼働情報を架装メーカAに送信する。送信部113は、油圧機器メーカが架装メーカBに納品した油圧機器14の油圧機器IDに対応する稼働情報を架装メーカBに送信する。ただし、送信部113から架装メーカへは、メンテナンスサービス要に設定されている油圧機器IDに対応する稼働情報のみが送信される。
【0071】
架装メーカAが運送会社Xと運送会社Yとに貨物自動車10を納品している場合、送信部113は、架装メーカA向けのサービス料と、運送会社X向けのサービス料と、運送会社Y向けのサービス料とを架装メーカAに送信する。ここで、運送会社X向けのサービス料は、架装メーカAが運送会社Xに対して請求すべき料金である。同様に、運送会社Y向けのサービス料は、架装メーカAが運送会社Yに対して請求すべき料金である。
【0072】
架装メーカの端末200は、送信部113から送信された情報を受信し、受信した情報を表示する。架装メーカの担当者は、端末200に表示された稼働情報に基づいて、メンテナンスサービスの対象とされた貨物自動車10の稼働状況を把握することができる。架装メーカの担当者は、端末200に表示されたサービス料を見ることにより、油圧機器メーカに対して支払うべきサービス料と、取引のある運送会社に対して請求すべきサービス料とを把握することができる。
【0073】
管理装置100に接続された表示装置150には、格納部115に格納された各種の情報が表示される。たとえば、管理装置100は、管理者の指示入力に対応する各種の情報を表示装置150に表示する。各種の情報には、稼働情報、架装メーカ向けのサービス料、および運送会社向けのサービス料などが含まれる。
【0074】
<管理装置100が管理するデータ>
図5は、管理装置100が管理するデータの一例を示す図である。特に、図5には、油圧機器IDと関連付けて管理装置100に記憶されるデータを示している。
【0075】
油圧機器IDは、架装メーカID、車両登録番号、および運送会社名と対応付けて記憶されている。油圧機器IDはユニークな番号とされている。管理装置100は、油圧機器IDにより、油圧機器14の一つひとつを識別できる。油圧機器14は、貨物自動車10に架装される。このため、管理装置100は、油圧機器IDにより貨物自動車10の一つひとつを識別できる。
【0076】
管理装置100は、架装メーカIDにより、油圧機器14の納品先を特定することができる。管理装置100は、車両登録番号により、油圧機器14が取り付けられた貨物自動車10を特定することができる。管理装置100は、運送会社名により、貨物自動車10の納品先を特定することができる。
【0077】
架装メーカIDに含まれるアルファベットによって架装メーカを識別することができる。たとえば、Aは、架装メーカAに対応し、Bは、架装メーカBに対応する。アルファベットの右の4桁の数字は、架装メーカにおいてそれぞれの油圧機器14を識別するための数字である。架装メーカを識別するという目的のみのためであれば、この数字はなくてもよい。図5に示されるデータには、架装メーカIDに対応する架装メーカ名が含まれている。A社、およびB社がそれに該当する。
【0078】
図5に示されるデータには、油圧機器IDと関連付いたサービスフラグが含まれる。サービスフラグは、メンテナンスサービスの有無を識別するためのフラグである。図5に示されるデータでは、油圧機器IDの0000001~0000005,0000007,0000008に対応するサービスフラグがONに設定されている。これは、対応する油圧機器IDによって識別される貨物自動車10が、メンテナンスサービスの対象であることを意味する。図5に示されるデータでは、油圧機器IDの0000006,0000009,00000010に対応するサービスフラグがOFFに設定されている。これは、対応する油圧機器IDによって識別される貨物自動車10が、メンテナンスサービスの対象でないことを意味する。
【0079】
管理装置100は、管理者の指示入力に従ってサービスフラグをONまたはOFFに設定する。
【0080】
図5に示されるデータには、車両の稼働情報が含まれる。管理装置100は、サービスフラグがONに設定されている油圧機器IDを対象にして稼働情報を生成する。管理装置100は、サービスフラグがOFFに設定されている油圧機器IDを対象にしては、稼働情報を生成しない。図5において、「生成せず」との記載は、管理装置100が稼働情報を生成しないことを意味する。
【0081】
なお、図5は、管理装置100が稼働情報を生成する前の状態のデータを示している。このため、稼働情報の具体的な内容は図5に示されていない。稼働情報の具体例については、すでに言及済みのため、ここではその説明を繰り返さない。
【0082】
管理装置100は、管理者の指示入力に応じて、図5に示されるデータを表示装置150に表示する。図6を用いて、その例を説明する。
【0083】
<データ一覧の表示例(管理装置100)>
図6は、油圧機器メーカの表示装置150にデータ一覧が表示される例を示す図である。管理者が管理装置100に所定の指示を入力することにより、図6に示されるように、データ一覧151が表示装置150の画面に表示される。データ一覧151には、図5を用いて説明した各種のデータが含まれる。表示装置150の画面には、さらに、詳細ボタン153とサービス料金ボタン154とが含まれる。
【0084】
詳細ボタン153をマウスなどでクリックすると、対応する油圧機器IDの稼働情報が画面に表示される。ここでは、詳細ボタン153のクリック操作が受け付けられた場合に表示される画面の説明を省略する。なお、「No Service」は、対応する油圧機器IDがメンテナンスサービスの対象外であることを示す。サービス料金ボタン154をマウスなどでクリックすると、対応する油圧機器IDに関するサービス料金が画面に表示される。この画面については、後に詳細に説明する。
【0085】
<データ一覧の表示例(メンテナンスサービス要)>
図7は、油圧機器メーカの表示装置150にメンテナンスサービス要に設定されている油圧機器IDのデータ一覧152が表示される例を示す図である。管理者が管理装置100に所定の指示を入力することにより、図7に示されるように、メンテナンスサービス要に設定されている油圧機器IDのデータ一覧152が表示装置150の画面に表示される。図7に示される画面には、図6に示される画面と同様に、詳細ボタン153とサービス料金ボタン154とが含まれる。
【0086】
<架装メーカに対するサービス料の表示>
図8は、油圧機器メーカの表示装置150に架装メーカに対するサービス料が表示される例を示す図である。たとえば、管理者は、図6に示される画面においてサービス料金ボタン154をクリックする。すると、図8に示されるように、画面の下方に架装メーカに対するサービス料155が表示される。
【0087】
サービス料155には、油圧機器メーカが取引のある架装メーカ別に料金が表示される。図8に示される画面には、A社およびB社に対するサービス料金が表示されている。データ一覧151によれば、油圧機器メーカはA社に対して7つの油圧機器14を納品している。このうち、サービスフラグがONに設定されている油圧機器14の数は6つである。また、データ一覧151によれば、油圧機器メーカはB社に対して3つの油圧機器14を納品している。このうち、サービスフラグがONに設定されている油圧機器14の数は1つである。
【0088】
したがって、サービス料155には、A社に対してサービスを提供している油圧機器IDの数が6であることが示され、B社に対してサービスを提供している油圧機器IDの数が1であることが示されている。さらに、サービス料155には、ID数に対してサービス料単価αを乗じることによって算出されるサービス料金がA社およびB社別に示されている。
【0089】
油圧機器メーカの管理者は、サービス料155の表示を見ることによって、A社に対するサービス料の請求額と、B社に請求するサービス料の請求額とを特定できる。
【0090】
<データ一覧の表示例(端末200)>
図9は、架装メーカの端末200にデータ一覧201が表示される例を示す図である。特に、図9には、架装メーカA社の端末200にデータ一覧201が表示される例が示されている。架装メーカAの端末200は、ネットワーク50を介して管理装置100と接続されている。架装メーカAの端末200は、油圧機器メーカから納品された油圧機器14に関する様々な情報を管理装置100から受信する。端末200は、管理装置100から受信した情報を図9に示されるように表示する。
【0091】
データ一覧201には、架装メーカA社が油圧機器メーカから購入した油圧機器14の油圧機器ID、および油圧機器IDに関連付いた様々な情報が含まれる。油圧機器IDに関連付いた様々な情報には、油圧機器IDに対応する架装メーカID、油圧機器IDが付された油圧機器14が架装された貨物自動車10を納品した運送会社名、貨物自動車10の車両登録番号、サービスフラグの設定、および稼働情報が含まれる。
【0092】
図9に示されるデータ一覧201においては、最も左の列に運送会社名が並んでいる。しかし、端末200は、架装メーカの担当者の操作に応じて、各列に配置するデータの位置を変更してもよい。
【0093】
架装メーカの担当者は、図9に示される画面を確認することにより、メンテナンスサービスを提供している貨物自動車10を運送会社別に特定することができる。
【0094】
表示装置150の画面には、さらに、詳細ボタン203とサービス料金ボタン204とが含まれる。
【0095】
詳細ボタン203をマウスなどでクリックすると、対応する油圧機器IDの稼働情報が画面に表示される。ここでは、詳細ボタン203のクリック操作が受け付けられた場合に表示される画面の説明を省略する。なお、「No Service」は、対応する油圧機器IDがメンテナンスサービスの対象外であることを示す。サービス料金ボタン204をマウスなどでクリックすると、対応する油圧機器IDに関するサービス料金が画面に表示される。
【0096】
<サービス料の表示(端末200)>
図10は、架装メーカの端末200にサービス料が表示される例を示す図である。たとえば、架装メーカの担当者は、図9に示される画面においてサービス料金ボタン204をクリックする。すると、図10に示されるように、画面の下方にサービス料205とサービス料206とが表示される。
【0097】
サービス料205は、架装メーカが油圧機器メーカから請求されるサービス料である。データ一覧201によれば、A社は油圧機器メーカから油圧機器14を7つ購入している。このうち、サービスフラグがONに設定されている油圧機器14の数は6つである。
【0098】
したがって、サービス料205には、A社が油圧機器メーカのサービスを受けている油圧機器IDの数が6であることが示されている。さらに、サービス料205には、ID数に対してサービス料単価αを乗じることによって算出されるサービス料金が示されている。
【0099】
サービス料206は、架装メーカが運送会社に請求することのできるサービス料である。データ一覧201によれば、架装メーカA社は運送会社X社に対して5台の貨物自動車10を納品している。データ一覧201によれば、架装メーカA社が運送会社X社に対して納品したいずれの貨物自動車10もメンテナンスサービスの対象とされていることがわかる。
【0100】
データ一覧201によれば、架装メーカA社は運送会社Y社に対して2台の貨物自動車10を納品している。データ一覧201によれば、架装メーカA社が運送会社Y社に対して納品した2台の貨物自動車10のうち、1台がメンテナンスサービスの対象とされていることがわかる。
【0101】
したがって、サービス料206には、X社に対してサービスを提供している油圧機器IDの数が5であり、Y社に対してサービスを提供している油圧機器IDの数が1であることが示されている。さらに、サービス料206には、ID数に対してサービス料単価βを乗じることによって算出されるサービス料金がX社およびY社別に示されている。
【0102】
架装メーカの担当者は、サービス料206の表示を見ることによって、X社に請求することのできるサービス料と、Y社に請求することのできるサービス料とを特定できる。
【0103】
図11は、油圧機器ID、架装メーカID、および車両登録番号の登録、並びにサービスフラグの設定に関する処理の流れを示すフローチャートである。本フローチャートに基づく処理は、管理装置100により実行される。
【0104】
はじめに、管理装置100は、油圧機器IDが入力されたか否かを判定する(ステップS21)。油圧機器IDの入力がない場合、管理装置100は、ステップS23に処理を進める。油圧機器IDが入力された場合、管理装置100は入力された新たな油圧機器IDを登録する(ステップS22)。たとえば、管理装置100は入力された油圧機器IDをメモリ102に格納することにより、油圧機器IDの登録動作を実行する。
【0105】
管理装置100は、キーボードからの油圧機器IDの入力を受け付けてもよい。管理装置100は、記録媒体に記録された複数のID、またはネットワークを介して受信した複数のIDを一括して登録してもよい。
【0106】
次に、管理装置100は、油圧機器IDに紐付ける架装メーカIDが入力されたか否かを判定する(ステップS23)。ステップS23の入力は、たとえば、油圧機器IDとそれに紐付ける架装メーカIDとのセットの入力である。架装メーカIDの入力がない場合、管理装置100は、ステップS25に処理を進める。油圧機器IDに紐付ける架装メーカIDが入力された場合、管理装置100は入力された新たな架装メーカIDを対応する油圧機器IDに紐付けてメモリ102に登録する(ステップS24)。
【0107】
次に、管理装置100は、油圧機器IDに紐付ける車両登録番号が入力されたか否かを判定する(ステップS25)。ステップS25の入力は、たとえば、油圧機器IDとそれに紐付ける車両登録番号とのセットの入力である。車両登録番号の入力がない場合、管理装置100は、ステップS27に処理を進める。油圧機器IDに紐付ける車両登録番号が入力された場合、管理装置100は入力された新たな車両登録番号を対応する油圧機器IDに紐付けてメモリ102に登録する(ステップS26)。
【0108】
次に、管理装置100は、油圧機器IDに対してサービス要の入力があったか否かを判定する(ステップS27)。より具体的には、管理装置100は、油圧機器IDを指定した上で、その油圧機器IDに対するサービスフラグのOFFをONにすることを指示する入力を受け付けたか否かを判定する。たとえば、サービスフラグの初期設定はOFFである。ステップS27では、この初期設定をONにする入力を受け付けたか否かが判定される。
【0109】
管理装置100は、このような入力がない場合、ステップS29に処理を進める。管理装置100は、このような入力があった場合、対応する油圧機器IDのサービスフラグをOFFからONに変更する(ステップS28)。
【0110】
次に、管理装置100は、サービスの要否を変更する入力を受け付けたか否かを判定する(ステップS29)。より具体的には、管理装置100は、サービスフラグの設定を変更する入力があったか否かを判定する。この入力には設定の変更対象となる油圧機器IDが含まれる。
【0111】
管理装置100は、このような入力がない場合、本フローチャートに基づく処理を終える。管理装置100は、このような入力があった場合、対応する油圧機器IDのサービスフラグを入力の指定に応じて変更し(ステップS30)、処理を終える。
【0112】
以上、説明したフローチャートに基づく処理が管理装置100によって実行されることにより、管理装置100のメモリ102には、図5に示される各種の情報が油圧機器ID別に格納される。
【0113】
図12は、センサ情報の収集および登録情報の出力に関する処理の流れを示すフローチャートである。本フローチャートに基づく処理は、管理装置100により実行される。
【0114】
はじめに、管理装置100は、貨物自動車10の油圧機器14に設けた各種のセンサから情報を受信する(ステップS41)。センサの情報には、センサが検出した情報およびセンサに対応する油圧機器IDが含まれる。センサは、たとえば、圧力センサ146およびモータセンサ147である。
【0115】
次に、管理装置100は、センサに対応する油圧機器IDのサービスフラグを確認する(ステップS42)。次に、管理装置100は、ステップS42における確認に基づいて、センサに対応する油圧機器IDはメンテナンスサービスを提供する対象であるか否かを判定する(ステップS43)。
【0116】
管理装置100は、センサに対応する油圧機器IDがメンテナンスサービスを提供する対象でない場合、処理を終える。その結果、油圧機器IDがメンテナンスサービスを提供する対象でない場合、その油圧機器IDに対応するセンサの情報は管理装置100によって収集されない。
【0117】
管理装置100は、センサに対応する油圧機器IDがメンテナンスサービスを提供する対象であるか否かにかかわらず、センサの情報を油圧機器ID別に収集してもよい。この場合、管理装置100は、メンテナンスサービスを提供する対象でない油圧機器IDの稼働情報を架装メーカの端末に提供しないように制限することが望ましい。
【0118】
管理装置100は、センサに対応する油圧機器IDがメンテナンスサービスを提供する対象である場合、取得したセンサの情報を油圧機器ID別に収集する(ステップS44)。次に、管理装置100は、収集したセンサの情報から稼働情報を油圧機器ID別に生成する(ステップS45)。これにより、たとえば、貨物自動車10に架装された油圧機器14の駆動回数などの稼働情報が生成される。圧力センサ146の情報に基づく場合、稼働情報は、液圧シリンダ141に向けて吐出される液体の圧力と閾値とを比較した結果であってもよい。
【0119】
管理装置100は、生成した稼働情報を油圧機器ID別にメモリ102に格納する(ステップS46)。次に、管理装置100は、データの一覧を出力することを指示する入力があったか否かを判定する(ステップS47)。管理装置100の管理者は、データの一覧の出力を指示するコマンドをキーボードなどから入力する。この場合、管理装置100は、ステップS47においてYESと判断する。
【0120】
管理装置100は、データの一覧を出力することを指示する入力があった場合、油圧機器IDのデータ一覧を出力する(ステップS48)。出力されたデータ一覧は、たとえば、表示装置150に対して図6に示される態様で表示される。管理装置100は、データ一覧をプリンタに出力してもよい。
【0121】
次に、管理装置100は、サービスフラグONのデータを出力することを指示する入力があったか否かを判定する(ステップS49)。管理装置100の管理者は、サービスフラグONのデータの出力を指示するコマンドをキーボードなどから入力する。この場合、管理装置100は、ステップS49においてYESと判断する。
【0122】
管理装置100は、サービスフラグONのデータを出力することを指示する入力があった場合、サービスフラグONの油圧機器IDのデータを選択し、選択したデータを出力する(ステップS50)。出力されたデータは、たとえば、表示装置150に対して図7に示される態様で表示される。管理装置100は、このようなデータをプリンタに出力してもよい。
【0123】
管理装置100は、ステップS50にてデータを出力した後、またはステップS47およびステップS49のいずれかにおいてにてNOと判断した後、本フローチャートに基づく処理を終える。
【0124】
図13は、稼働情報およびサービス料の送信に関する処理の流れを示すフローチャートである。本フローチャートに基づく処理は、管理装置100により実行される。
【0125】
はじめに、管理装置100は、架装メーカの端末200からのログインがあったか否かを判定する(ステップS61)。管理装置100は架装メーカ別にログインIDおよびパスワードを管理している。管理装置100は、ステップS61において、ネットワーク50を介して架装メーカの端末200からログインの要求があったか否かを判定する。
【0126】
管理装置100は、架装メーカの端末200からログインがない場合、本フローチャートに基づく処理を終える。管理装置100は、架装メーカの端末200からログインがあった場合、ログインに含まれるログインIDとパスワードとをチェックすることによって、パスワードが正しいか否かを判定する(ステップS62)。
【0127】
管理装置100は、パスワードが正しくない場合、本フローチャートに基づく処理を終える。管理装置100は、パスワードが正しい場合、ログインのあった架装メーカに対応してメモリ102に格納している情報を端末200に送信する(ステップS63)。これにより、端末200には、たとえば、図9に示されるデータ一覧201が表示される。データ一覧には詳細ボタン203とサービス料金ボタン204とが含まれる。
【0128】
次に、管理装置100は、詳細ボタン203の操作情報を受信したか否かを判定する(ステップS64)。端末200に表示された詳細ボタン203がクリックされた場合、詳細ボタン203の操作情報が端末200から管理装置100に送信される。
【0129】
管理装置100は、詳細ボタン203の操作情報を受信していない場合、ステップS66に処理を進める。管理装置100は、詳細ボタン203の操作情報を受信した場合、操作された詳細ボタン203に対応する油圧機器IDの稼働情報を端末200に送信する(ステップS65)。これにより、端末200には、クリックされた詳細ボタン203に対応する油圧機器IDと紐付いた稼働情報が表示される。
【0130】
架装メーカの担当者は、端末200の画面を見ることにより、選択した油圧機器IDに対応する貨物自動車10の稼働情報を確認することができる。架装メーカの担当者は、稼働情報を参考にして、対象の貨物自動車10のメンテナンスに向かうか否かを検討することができる。
【0131】
次に、管理装置100は、サービス料金ボタン204の操作情報を受信したか否かを判定する(ステップS66)。端末200に表示されたサービス料金ボタン204がクリックされた場合、サービス料金ボタン204の操作情報が端末200から管理装置100に送信される。
【0132】
管理装置100は、サービス料金ボタン204の操作情報を受信していない場合、ステップS66に処理を進める。管理装置100は、サービス料金ボタン204の操作情報を受信した場合、架装メーカが取引のある運送会社別にサービス料を算出する(ステップS67)。ここで算出されるサービス料は、架装メーカが運送会社に対して請求することのできるサービス料である。さらに、管理装置100は、架装メーカに対するサービス料を算出する(ステップS68)。ここで算出されるサービス料は、架装メーカが油圧機器メーカから請求されるサービス料である。
【0133】
次に、管理装置100は、ステップS67およびステップS68において算出したサービス料を端末200へ送信し(ステップS69)、本フローチャートに基づく処理を終える。これにより、端末200には、図10に示したサービス料205とサービス料206とが表示される。
【0134】
架装メーカの担当者は、端末200の画面を見ることにより、架装メーカが油圧機器メーカから請求されるサービス料と、架装メーカが運送会社に対して請求することのできるサービス料とを特定することができる。
【0135】
以上、説明したように、本実施の形態によれば、運送会社に納品した貨物自動車10がメンテナンスサービスの対象であるか否かを特定できる情報が架装メーカに提供される。このため、運送会社に納品した貨物自動車10がメンテナンスサービスの対象であるか否かを架装メーカが判断する負担を軽減できる。
【0136】
さらに、本実施の形態によれば、サービスフラグを油圧機器ID別に任意に設定することができる。このため、架装メーカは、運送会社に対して納品した全ての貨物自動車10をメンテナンスサービスの対象とする必要がない。このため、架装メーカは、諸事情を考慮して、メンテナンスサービスの対象となる油圧機器IDの数を抑えることができる。このため、架装メーカは、油圧機器メーカに支払うサービス料を適切な額に抑えることができる。
【0137】
また、本実施の形態によれば、架装メーカに対して、運送会社毎のサービス料金が提供されるため、架装メーカが運送会社毎にサービス料金を管理する負担を軽減できる。
【0138】
このように、本実施の形態によれば、貨物自動車10の納品先に対して、質の高いサービスを提供できながらも、サービスの提供に関する情報を管理する負担を軽減できる。
【0139】
実施の形態2.
次に、実施の形態2を説明する。図14は、実施の形態2に関わる管理システムの構成を示す図である。図15は、実施の形態2に関わる管理装置300と遠隔装置500との通信を示す図である。実施の形態2においては、実施の形態1の管理装置100に変えて、管理装置300が設けられる。管理装置300は、インターネットなどを介して遠隔装置500と通信する。
【0140】
実施の形態1においては、油圧機器IDおよび油圧機器IDと紐付いた各種の情報が管理装置100のメモリ102に格納される。一方、実施の形態2においては、油圧機器IDおよび油圧機器IDと紐付いた各種の情報が遠隔装置500に格納される。
【0141】
図15に示されるように、管理装置300は、プロセッサ301とメモリ302と通信インターフェイス303と表示インターフェイス304とを備える。管理装置300は、通信インターフェイス303によって遠隔装置500と通信する。管理装置300と遠隔装置500とは図14に示されるネットワーク50を介して通信してもよく、他のネットワークを介して通信してもよい。管理装置300は、表示インターフェイス304によって表示装置150と接続される。表示装置150を含んで管理装置300を構成してもよい。
【0142】
遠隔装置500は、データを格納するためのメモリ502を備える。
図15に示されるように、管理装置300は、遠隔装置500に対して各種の情報をメモリ502に格納することを指令する。各種の情報には、油圧機器ID、架装メーカID、車両登録番号、運送会社名、およびサービスの要否を示す情報が含まれる。サービスの要否を示す情報は、サービスフラグである。
【0143】
より具体的には、管理装置300は、図11のステップS22,ステップS24,ステップS26の登録処理に応じた情報の格納を遠隔装置500に指令する。さらに、管理装置300は、サービスフラグの設定に関わるステップS28,ステップS30の処理を遠隔装置500に指令する。これらの指令は、管理装置300の通信インターフェイス303から遠隔装置500に送信される。
【0144】
図14に示されるとおり、貨物自動車10のセンサ情報は、ネットワーク50を介して、遠隔装置500に送信される。
【0145】
遠隔装置500は、管理装置300の指令に基づいて各種の情報を油圧機器ID別にメモリ502に格納する。遠隔装置500は、貨物自動車10のセンサから受信した情報を油圧機器ID別に収集する。遠隔装置500は、管理装置300の指令に基づいて、稼働情報を生成する。
【0146】
管理装置300は、実施の形態1と同様に表示装置150に接続される。管理装置300は、管理者の指示入力に応じて、油圧機器ID別に格納された各種の情報の送信を遠隔装置500に要求する。管理装置300は、遠隔装置500から受信した各種の情報を表示装置150に表示する。これにより、管理装置300に接続された表示装置150には、図6図8に示されるとおりの情報が表示される。管理装置300は、遠隔装置500から受信した各種の情報を架装メーカの端末200に送信する。これにより、端末200には、図9および図10に示されるとおりの情報が表示される。
【0147】
このように、実施の形態2は、油圧機器IDに関連する情報を遠隔装置500に格納する点で、実施の形態1と異なる。その他の点では、実施の形態2は実施の形態1と同様である。
【0148】
実施の形態2によれば、油圧機器IDに関連する情報を格納するために必要な大容量のメモリを管理装置300に設ける必要がない。このため、管理装置300の低コスト化を図ることができる。なお、遠隔装置500を複数設けてもよい。管理装置300は、複数の遠隔装置500に対して情報を分散して格納してもよい。
【0149】
[態様]
上記した実施の形態およびその変形例は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
【0150】
(第1項)一態様に係る管理装置は、複数の架装体又は油圧機器を管理する。複数の架装体又は油圧機器の各々は、架装体又は油圧機器に設けられ、架装体又は油圧機器の情報を収集するためのセンサを含む。管理装置は、制御部を備え、制御部は、複数の架装体又は油圧機器の各々に設けられた架装体又は油圧機器を識別するための第1識別情報が入力された場合、第1識別情報を架装体別又は油圧機器別に登録し、センサが出力するセンサ情報を利用したサービスの要否を示すサービス情報が入力された場合、サービス情報を第1識別情報別に登録する。
【0151】
第1項に記載の管理装置によれば、例えば貨物自動車等の架装体又は油圧機器を使用する装置の納品先に対して、質の高いサービスを提供できながらも、サービスの提供に関する情報を管理する負担を軽減できる。
【0152】
(第2項)第1項に記載の管理装置において、制御部は、サービス情報を第1識別情報別に出力する。
【0153】
第2項に記載の管理装置によれば、制御部の出力に基づいて、サービス情報を第1識別情報別に特定できる。
【0154】
(第3項)第1項または第2項に記載の管理装置において、架装体別又は油圧機器別に第1識別情報を登録し、第1識別情報別にサービス情報を登録するための記憶装置をさらに備える。
【0155】
第3項に記載の管理装置によれば、管理装置自体で第1識別情報別のサービス情報を特定できる。
【0156】
(第4項)第1項または第2項に記載の管理装置において、制御部は、管理装置の外部に設けられ、記憶装置を有する遠隔装置と通信し、架装体別又は油圧機器別に第1識別情報を遠隔装置の記憶装置に登録するとともに、第1識別情報別にサービス情報を遠隔装置の記憶装置に登録する。
【0157】
第4項に記載の管理装置によれば、管理装置に第1識別情報別のサービス情報を記憶する必要がないため、管理装置に必要とされる記憶容量を削減できる。
【0158】
(第5項)第1項~第4項のいずれか1項に記載の管理装置において、制御部は、センサ情報を受信し、センサ情報を第1識別情報別に収集し、サービスが要に設定されている第1識別情報に対応して収集した、センサ情報、又は、センサ情報から生成される架装体又は油圧機器の稼働情報を、出力する。
【0159】
第5項に記載の管理装置によれば、サービスが要に設定されている第1識別情報に対応して収集された、センサ情報、又は、センサ情報から生成される架装体又は油圧機器の稼働情報を収集できる。
【0160】
(第6項)第5項に記載の管理装置において、制御部は、サービスが否に設定されている第1識別情報に対しては、センサ情報または稼働情報を出力しない。
【0161】
第6項に記載の管理装置によれば、サービスが否に設定されている第1識別情報に対しては、センサ情報または稼働情報が出力されないため、サービスの設定に応じてユーザ対応の差別化を図ることができる。
【0162】
(第7項)第1項~第6項のいずれか1項に記載の管理装置において、制御部は、架装体又は油圧機器が取り付けられた貨物自動車の車両登録番号が入力された場合、車両登録番号を第1識別情報別に登録する。
【0163】
第7項に記載の管理装置によれば、第1識別情報に対応する貨物自動車を車両登録番号で特定することができる。
【0164】
(第8項)第1項~第7項のいずれか1項に記載の管理装置において、制御部は、架装体又は油圧機器を装置に取り付けることによって完成品を組み立てる製造者を識別するための第2識別情報が入力された場合、第2識別情報を製造者に納品された架装体又は油圧機器に対応する第1識別情報別に登録する。
【0165】
第8項に記載の管理装置によれば、第1識別情報と第2識別情報との関係から、完成品を組み立てる製造者と、納品された架装体又は油圧機器との関係を特定できる。
【0166】
(第9項)第8項に記載の管理装置において、制御部は、第2識別情報、第2識別情報に対応するサービス情報、およびサービス単価に基づいて、第2識別情報によって識別される製造者に対応するサービスの料金を算出する。
【0167】
第9項に記載の管理装置によれば、第2識別情報によって識別される製造者に対応するサービスの料金を特定できる。
【0168】
(第10項)第8項または第9項に記載の管理装置において、制御部は、製造者において利用可能なコンピュータから登録情報の送信要求を受信した場合、製造者に対応する第1識別情報および第1識別情報に対応するサービス情報、あるいは、第1識別情報および第1識別情報に対応するセンサ情報又は稼働情報をコンピュータに送信する。
【0169】
第10項に記載の管理装置によれば、製造者において利用可能なコンピュータにおいて、第1識別情報とサービス情報との関係、あるいは第1識別情報と第1識別情報に対応するセンサ情報又は稼働情報との対応関係を特定できる。
【0170】
(第11項)第10項に記載の管理装置において、制御部は、コンピュータから料金情報の送信要求を受信した場合、料金情報の送信要求を送信した製造者に対応するサービスの料金をコンピュータに送信する。
【0171】
第11項に記載の管理装置によれば、製造者において利用可能なコンピュータにおいて、製造者に対応するサービスの料金を特定できる。
【0172】
(第12項)一の態様に係る管理方法は、複数の架装体又は油圧機器を管理する管理方法である。複数の架装体又は油圧機器の各々は、架装体又は油圧機器に設けられ、架装体又は油圧機器の情報を収集するためのセンサを含む。管理方法は、複数の架装体又は油圧機器の各々に設けられた架装体又は油圧機器を識別するための第1識別情報が入力された場合、第1識別情報を架装体別又は油圧機器別に登録するステップと、センサが出力するセンサ情報を利用したサービスの要否を示すサービス情報が入力された場合、サービス情報を第1識別情報別に登録するステップとを備える。
【0173】
第12項に記載の管理方法によれば、例えば貨物自動車等の架装体又は油圧機器を使用する装置の納品先に対して、質の高いサービスを提供できながらも、サービスの提供に関する情報を管理する負担を軽減できる。
【0174】
(第13項)一の態様に係る管理プログラムは、複数の架装体又は油圧機器を管理するための管理プログラムである。複数の架装体又は油圧機器の各々は、架装体又は油圧機器に設けられ、架装体又は油圧機器の情報を収集するためのセンサを含む。管理プログラムはコンピュータに、複数の架装体又は油圧機器の各々に設けられた架装体又は油圧機器を識別するための第1識別情報が入力された場合、第1識別情報を架装体別又は油圧機器別に登録するステップと、センサが出力するセンサ情報を利用したサービスの要否を示すサービス情報が入力された場合、サービス情報を第1識別情報別に登録するステップとを実行させる。
【0175】
第13項に記載の管理プログラムによれば、例えば貨物自動車等の架装体又は油圧機器を使用する装置の納品先に対して、質の高いサービスを提供できながらも、サービスの提供に関する情報を管理する負担を軽減できる。
【0176】
今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。本実施形態は油圧機器が取り付けられる装置として貨物自動車を例に説明したが、これに限定されず、フォークリフト等の他の装置に適用されてもよい。
【符号の説明】
【0177】
10 貨物自動車、11 荷台、12 荷役装置、13 荷受台、14 油圧機器、50 通信網、100,300 管理装置、101,301 プロセッサ、102,148,302,502 メモリ、111 取得部、112 算出部、113 送信部、114 出力部、115 格納部、141 液圧シリンダ、142 タンク、143 ポンプ、144 バルブ、145 モータ、146 圧力センサ、147 モータセンサ、150 表示装置、151,152,201 データ一覧、153,203 詳細ボタン、154,204 サービス料金ボタン、155,205,206 サービス料、200 端末、303 通信インターフェイス、304 表示インターフェイス、500 遠隔装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15