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特開2023-42395オンライン対戦ダーツゲーム用ライブ映像送信方法及びオンライン対戦ダーツゲーム用カメラシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023042395
(43)【公開日】2023-03-27
(54)【発明の名称】オンライン対戦ダーツゲーム用ライブ映像送信方法及びオンライン対戦ダーツゲーム用カメラシステム
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/234 20110101AFI20230317BHJP
   A63B 65/02 20060101ALI20230317BHJP
   F41J 3/00 20060101ALI20230317BHJP
   F41J 5/00 20060101ALI20230317BHJP
   G06T 3/40 20060101ALI20230317BHJP
【FI】
H04N21/234
A63B65/02 Z
F41J3/00
F41J5/00
G06T3/40
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021149671
(22)【出願日】2021-09-14
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-12-22
(71)【出願人】
【識別番号】519195327
【氏名又は名称】株式会社ラグザ
(74)【代理人】
【識別番号】100148792
【弁理士】
【氏名又は名称】三田 大智
(72)【発明者】
【氏名】福島 孝夫
【テーマコード(参考)】
2C014
5B057
5C164
【Fターム(参考)】
2C014PP01
2C014QB02
5B057BA02
5B057CA12
5B057CB12
5B057CE09
5B057DA07
5B057DA08
5B057DB02
5C164FA22
5C164SA25S
5C164SB01P
5C164SB41S
5C164YA21
(57)【要約】
【課題】 一台のカメラで投擲プレイヤーのボード面の全体映像とスコアエリアのズーム映像を的確に切り替えながら、待機プレイヤーのディスプレイに表示させることができる、オンライン対戦ダーツゲーム用ライブ映像送信方法の提供。
【解決手段】 本発明に係るライブ映像送信方法は、投擲プレイヤーのダーツボードにおけるボード面の全体映像を一台のボードカメラで撮影し、上記全体映像内におけるズームゾーンを複数設定し、上記全体映像を待機プレイヤーの端末に送信すると共に、投擲したダーツのヒット位置と該投擲前のスコアに基づいてズーム対象のズームゾーンを選択して決定し、該決定したズームゾーンのズーム映像を上記全体映像からデジタルズームにて切り出し、上記待機プレイヤーの端末に送信している全体映像を、上記切り出したズーム映像に切り替えて、当該待機プレイヤーの端末に送信する。
【選択図】 図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のプレイヤーがそれぞれ備えるダーツボード及びディスプレイ付き端末と、これら端末と繋がるサーバーを用いて行うオンライン対戦ダーツゲームにおけるライブ映像送信方法であって、以下のA乃至Fのステップを有することを特徴とするオンライン対戦ダーツゲームにおけるライブ映像送信方法。
A:投擲プレイヤーのダーツボードにおけるボード面の全体映像を一台のボードカメラで撮影する、
B:上記全体映像内におけるズームゾーンを複数設定する、
C:上記全体映像を待機プレイヤーの端末に送信する、
D:投擲したダーツのヒット位置を把握し該ヒット位置と該投擲前のスコアに基づいて該ヒット位置のスコアエリアを視認できるズームゾーン又は次の投擲で狙うべきスコアエリアを視認できるズームゾーンを選択して決定する、
E:該決定したズームゾーンのズーム映像を上記全体映像からデジタルズームにて切り出す、
F:上記待機プレイヤーの端末に送信している全体映像を、上記切り出したズーム映像に切り替えて、当該待機プレイヤーの端末に送信する。
【請求項2】
上記ズームゾーンとして、少なくとも上記ボード面のスパイダーで区切られた扇状の20のスコアエリアと上記ボード面の中心の二重円のスコアエリアをそれぞれ把握することができるゾーンを設定することを特徴とする請求項1記載のオンライン対戦ダーツゲームにおけるライブ映像送信方法。
【請求項3】
投擲プレイヤーをプレイヤーカメラで撮影し上記ボードカメラが撮影した上記ボード面の全体映像又はズーム映像と共に待機プレイヤーの端末に送信することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のオンライン対戦ダーツゲームにおけるライブ映像送信方法。
【請求項4】
複数のプレイヤーがそれぞれ備えるダーツボード及びディスプレイ付き端末と、これら端末と繋がるサーバーを用いて行うオンライン対戦ダーツゲームにおけるカメラシステムであって、投擲プレイヤーのダーツボードにおけるボード面の全体映像を撮影可能な位置に固定されるボードカメラと、該ボードカメラが撮影した映像を待機プレイヤーの端末に送信する通信手段と、上記ボードカメラが撮影したボード面の全体映像内におけるズームゾーンを複数設定するズームゾーン設定手段と、投擲したダーツのヒット位置を把握し該ヒット位置と該投擲前のスコアに基づいて該ヒット位置のスコアエリアを視認できるズームゾーン又は次の投擲で狙うべきスコアエリアを視認できるズームゾーンを選択して決定するズームゾーン決定手段と、該決定されたズームゾーンのズーム映像を上記全体映像からデジタルズームにより切り出すズーム手段と、上記待機プレイヤーに送信する映像を上記全体映像か上記ズーム映像かに切り替える切り替え手段を備えることを特徴とするオンライン対戦ダーツゲーム用カメラシステム。
【請求項5】
上記ボードカメラは、解像度を変更して撮影可能又は撮影した映像の解像度を変更可能であることを特徴とする請求項4記載のオンライン対戦ダーツゲーム用カメラシステム。
【請求項6】
さらに投擲プレイヤーを撮影するプレイヤーカメラを備え、該プレイヤーカメラで撮影したプレイヤー映像を上記ボード面の全体映像又はズーム映像と共に待機プレイヤーの端末に送信することを特徴とする請求項4又は請求項5に記載のオンライン対戦ダーツゲーム用カメラシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オンライン対戦ダーツゲーム、すなわち各プレイヤーが離れた位置にいながら通信手段を介して行うダーツゲームにおいて、投擲プレイヤーの投擲状況をその余のプレイヤーへ伝えるためのライブ映像送信方法に関する。また、当該ライブ映像送信方法に用いるカメラシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、プレイヤー同士が離れた場所にいても通信手段を用いて楽しむことができるオンライン対戦ダーツゲームが世界的に広く行われており、特に昨年以降は感染症対策で外出が制限されている地域・国などで需要が拡大している。
【0003】
このように、オンライン対戦ダーツゲームではプレー場所の制限がなくなり、気軽にプレーできる大きな利点がある反面、プレイヤーの周りには基本的には誰もおらず、プレイヤーが同じ場所に集まって行う通常の対戦ダーツゲームに比べると、臨場感や高揚感に乏しく、盛り上がりに欠けるきらいがある。
【0004】
他方、テレビ等で放映されている、プロフェッショナルダーツプレイヤー(以下「プロプレイヤー」という。)の対戦のライブ映像では、ゲームの状況に応じて、投擲プレイヤーの映像や、スコアの他に、ボード面のライブ映像が同時に一画面で提供されており、該ボード面のライブ映像は、全体映像と次の投擲で狙うべきスコアエリア(シングル、ダブル、トリプル、シングルブル及びダブルブルの各エリア)等のズーム映像とを切り替えながら、離れた場所にいる視聴者に臨場感や高揚感を付与する演出がなされている。
【0005】
そこで、下記特許文献1に示すように、次の投擲で狙うべきスコアエリアのズーム画像、そのスコアエリアにダーツが刺さった場面のズーム画像等をCG(Computer Graphics)画像で表示して盛り上げる演出をすることができるオンライン対戦ダーツゲームシステムが開発されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2019-24717号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1のダーツゲームシステムによれば、ボード面の全体映像と次の投擲で狙うべきスコアエリアのズーム画像のCG画像、さらにはダーツヒット状況を示すズーム画像のCG画像を切り替えて表示することにより、待機プレイヤーに投擲の結果を知らせると共に、ゲームを盛り上げることができる。
【0008】
しかしながら、CG画像では当然に現実のダーツヒット状況とのズレが生ずる可能性が高く、どのスコアエリアのどの辺りにどのような姿勢でヒットしたのか、或いはヒットしなかったのかをリアルタイムで正確に再現したCG画像の生成は頗る困難である。
【0009】
また、上記特許文献1のダーツゲームシステムは、電子ダーツ(ソフトダーツ)に限ったものではあるが、仮にハードダーツに適用しようとした場合には、そもそもリアルタイムにダーツヒット位置やヒット状況がつかめず、CG画像の生成すら困難である。
【0010】
なお、上記特許文献1の発明においては、上述したCG画像の生成や表示はデータ送受信の効率化のために必要であるとし、むしろ実際のスコアエリアのライブ映像やダーツヒット状況のライブ映像を撮影して送信することについては自ら排除している(特許文献1明細書:段落〔0051〕)。
【0011】
他方、このボード面の全体映像と次の投擲で狙うべきスコアエリア等のズーム映像の切り替えを実際に行おうとすると、原則的には、少なくともボード面全体を撮影するカメラと、ズーム映像を撮影するカメラが必要であり、しかもズーム映像を撮影するカメラは逐一、撮影すべきスコアエリアにピントを合わせなければならない。いずれにしても、各プレイヤーが複数のカメラを用意し、しかもゲーム状況に合わせて自分でズーム対象のスコアエリアにピントを合わせるのは煩雑であり困難であり、何よりダーツゲームの進行を妨げてしまう。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係るオンライン対戦ダーツゲーム用ライブ映像送信方法及びオンライン対戦ダーツゲーム用カメラシステムは、上述した従来の映像送信方法やカメラシステムが抱える課題を抜本的に解決し、一台のカメラで投擲プレイヤーのボード面の全体映像とスコアエリアのズーム映像を的確に切り替えながら、投擲プレイヤー以外のプレイヤー、すなわち待機プレイヤーのディスプレイに表示させることができる。
【0013】
要述すると、本発明に係るオンライン対戦ダーツゲーム用ライブ映像送信方法は、複数のプレイヤーがそれぞれ備えるダーツボード及びディスプレイ付き端末と、これら端末と繋がるサーバーを用いて行うオンライン対戦ダーツゲームにおけるライブ映像送信方法であることを前提として、以下のA乃至Fのステップを有する。
【0014】
A:投擲プレイヤーのダーツボードにおけるボード面の全体映像を一台のボードカメラで撮影する、
B:上記全体映像内におけるズームゾーンを複数設定する、
C:上記全体映像を待機プレイヤーの端末に送信する、
D:投擲したダーツのヒット位置を把握し該ヒット位置と投擲前のスコアに基づいて該ヒット位置のスコアエリアを視認できるズームゾーン又は次の投擲で注目すべきスコアエリアを視認できるズームゾーンを選択して決定する、
E:該決定したズームゾーンのズーム映像を上記全体映像からデジタルズームにて切り出す、
F:上記待機プレイヤーの端末に送信している全体映像を、上記切り出したズーム映像に切り替えて、当該待機プレイヤーの端末に送信する。
【0015】
よって、一つのボードカメラで投擲プレイヤーのダーツボードにおけるボード面全体とスコアエリアのズーム映像を撮影することができると共に、該全体映像又はズーム映像をゲーム状況における適切な場面で切り替えながら待機プレイヤーのディスプレイに表示させることができるので、容易に待機プレイヤーに臨場感や高揚感を付与し、ひいては対戦ゲームを盛り上げることが可能となる。
【0016】
好ましくは、上記ズームゾーンとして、少なくとも上記ボード面のスパイダーで区切られた扇状の20のスコアエリアと上記ボード面の中心の二重円のスコアエリアをそれぞれ把握することができるゾーンを設定することにより、ゲーム状況に応じて適切且つ見やすいズーム映像を待機プレイヤーのディスプレイに表示させることができる。
【0017】
さらに、投擲プレイヤーをプレイヤーカメラで撮影し上記ボードカメラが撮影した上記ボード面の全体映像又はズーム映像と共に待機プレイヤーの端末に送信することによって、待機プレイヤーに対して投擲プレイヤーによる投擲の様子等を伝え、さらに具体的な臨場感を与えることができる。
【0018】
また、本発明に係るオンライン対戦ダーツゲームにおけるカメラシステムは、複数のプレイヤーがそれぞれ備えるダーツボード及びディスプレイ付き端末と、これら端末と繋がるサーバーを用いて行うオンライン対戦ダーツゲームにおけるカメラシステムを前提として、次の構成を備える。
【0019】
すなわち、投擲プレイヤーのダーツボードにおけるボード面の全体映像を撮影可能な位置に固定されるボードカメラと、該ボードカメラが撮影した映像を待機プレイヤーの端末に送信する通信手段と、上記ボードカメラが撮影したボード面の全体映像内におけるズームゾーンを複数設定するズームゾーン設定手段と、投擲したダーツのヒット位置を把握し該ヒット位置と投擲前のスコアに基づいて該ヒット位置のスコアエリアを視認できるズームゾーン又は次の投擲で狙うべきスコアエリアを視認できるズームゾーンを上記設定されたズームゾーンの中から選択して決定するズームゾーン決定手段と、該決定されたズームゾーンのズーム映像を上記全体映像からデジタルズームにより切り出すズーム手段と、上記待機プレイヤーに送信する映像を上記全体映像か上記ズーム映像かに切り替える切り替え手段を備える。これにより、一つのボードカメラで投擲プレイヤーのダーツボードにおけるボード面全体と次の投擲で注目すべきスコアエリアのズーム映像を撮影し待機プレイヤーのディスプレイに表示させることができるので、容易に臨場感や高揚感を付与し、ひいてはゲームを盛り上げることが可能となる。
【0020】
好ましくは、上記ボードカメラは、解像度を変更して撮影可能又は撮影した映像の解像度を変更可能であることにより、たとえば、上記全体映像として送信する映像の解像度を低解像度にして送信時のデータ量を抑えることができる一方、上記ズーム映像として送信する映像の解像度を高解像度にして対象スコアエリアやダーツの様子を待機プレイヤーのディスプレイに鮮明に表示させることができる。
【0021】
また、さらに投擲プレイヤーを撮影するプレイヤーカメラを備え、該プレイヤーカメラで撮影したプレイヤー映像を上記ボード面の全体映像又はズーム映像と共に待機プレイヤーの端末に送信することにより、待機プレイヤーに対して投擲プレイヤーによる投擲の様子等を伝え、さらに具体的な臨場感を与えることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係るオンライン対戦ダーツゲームにおけるライブ映像送信方法(以下、単に「ライブ映像送信方法」という。)によれば、一つのボードカメラで投擲プレイヤーのダーツボードにおけるボード面全体映像とスコアエリアのズーム映像を撮影し待機プレイヤーのディスプレイに表示させて、待機プレイヤーに容易に臨場感や高揚感を付与することができ、ひいてはゲームを盛り上げることができる。
【0023】
また、本発明に係るオンライン対戦ダーツ用カメラシステム(以下、単に「カメラシステム」という。)によれば、一つのボードカメラで投擲プレイヤーのダーツボードにおける全体映像とスコアエリアのズーム映像を撮影し送信することができ、シンプル構成ながら、恰もテレビ局による放送のようなスイッチング技術を駆使したライブ映像を待機プレイヤーに届けることができる。
【0024】
さらに、本発明に係るライブ映像送信方法及びカメラシステムは、ソフトダーツとハードダーツの何れのダーツゲームにも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】家庭用電子ダーツボード(ソフトダーツ用ボード)を用いたオンライン対戦ダーツゲームを説明するシステム構成図である。
図2】業務用電子ダーツボード(ソフトダーツ用ボード)を用いたオンライン対戦ダーツゲームを説明するシステム構成図である。
図3】ハードダーツ用ボードを用いたオンライン対戦ダーツゲームを説明するシステム構成図である。
図4】ダーツボードの近傍にボードカメラ及び端末を固定した状態を示す説明図である。
図5】本発明に係るボードカメラの斜視図である。
図6】ライブ映像(ボード面全体映像及びズーム映像)を待機プレイヤーの端末のディスプレイに表示させる流れを示すシーケンス図である。
図7】ライブ映像(ボード面全体映像及びズーム映像)を待機プレイヤーの端末のディスプレイに表示させると共に投擲プレイヤーの端末のディスプレイに表示させる流れを示すシーケンス図である。
図8】ライブ映像(ボード面全体映像、ズーム映像及びプレイヤー映像)を待機プレイヤーの端末のディスプレイに表示させる流れを示すシーケンス図である。
図9】待機プレイヤーの端末のディスプレイに表示される映像のイメージ図であり、(A)はボード面の全体映像が表示されているときのイメージ図であり、(B)はボード面のズーム映像が表示されているときのイメージ図である。
図10】本発明に係るカメラシステムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明に係るライブ映像送信方法及びカメラシステムの最適な実施例を図1乃至図10に基づき説明する。
【0027】
<オンライン対戦ダーツゲームの基本構成>
前提となるオンライン対戦ダーツゲームについて説明すると、オンライン対戦ダーツゲームは、図1乃至図3に示すように、複数のプレイヤー(投擲プレイヤーA,待機プレイヤーB)がそれぞれ備えるダーツボード1A,1B及びディスプレイ3A,3B付き端末2A,2Bと、これら端末2A,2Bと繋がるサーバーSを用いて行うものである。なお、図1乃至図3中のLAは投擲プレイヤーAのロケーションであり、LBは待機プレイヤーBのロケーションである。
【0028】
ここで、ダーツボード1A,1B等をプレイヤーが「備える」とは、「準備する」又は「用意する」ことを指し、所有権を有している必要はない。また、説明の便宜上、図中のAを投擲プレイヤー、Bを待機プレイヤーとするが、実際には各プレイヤーが順番に投擲プレイヤーになったり待機プレイヤーになったりするものであり、したがってライブ映像を送る側と受け取る側も入れ替わるものである。また、プレイヤーの数は二人に限らず、たとえばダブルスのように、合計四人となることもある。
【0029】
図1のダーツボード1A,1Bは既知の家庭用電子ダーツボードであり、図2のダーツボード1A,1Bは既知の業務用電子ダーツボードであり、いずれの電子ダーツボードもダーツがヒットした瞬間に当該ヒット位置を把握し、該ヒット位置情報をゲーム処理を行う端末等に送信又は入力できるものである。また、図3のダーツボード1A,1Bは既知のハードダーツ用ダーツボードであり、自身ではダーツヒット位置は把握できないので、スコアラーAA,BBがダーツヒット位置を視認するか、プレイヤーが自分でダーツヒット位置を視認し、該ヒット位置情報をゲーム処理を行う端末等に送信又は入力する。
【0030】
各プレイヤーA,Bが備える端末2A,2Bは、ディスプレイ3A,3Bを有しているものであれば良く、既知のPCやスマートフォン、タブレット型端末等を用いることができるが、図1図3に示すように、家庭用ダーツボードでオンライン対戦するときは、好ましくは、スマートフォン又はタブレット型端末を用いる。スマートフォン又はタブレット型端末は、省スペースで固定場所に制限が少なく、図4に示すように、プレーを妨げない位置に容易に配置できると共に、インターネット等のネットワーク手段Nを容易に用いることができるからである。また、図3に示すスコアラーAA,BBがそれぞれ備える端末2AA,2BBも上述した図1図2における端末2A,2Bと同様である。また、図2に示すように、業務用電子ダーツを用いる場合は、その筐体の中に端末2A,2Bを備え、筐体の外側にディスプレイ3A,3Bを備えている。
【0031】
図1図2に示すような電子ダーツボード1A,1Bを用いるときには、これらダーツボード1Aと端末2A、ダーツボード1Bと端末2Bは、それぞれ、既知の無線通信手段、たとえばWi-Fi(登録商標)、LTE(Long term evolution)(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)等の無線通信手段Wを介してデータを送受信することができる。また、図3に示すようなハードダーツ用ボード1A,1Bを用いるときは、スコアラーAAの端末2AAと端末2A、スコアラーBBの端末2BBと端末2Bも同様に無線通信手段Wを介してデータ送受信をすることができる。なお、本発明において、ダーツボード1Aと端末2A、ダーツボード1Bと端末2Bが有線通信手段を介してデータ送受信することを排除しない。
【0032】
また、図1乃至図3のいずれにおいても、端末2Aと端末2Bはインターネット等の既知の通信ネットワークNを介してサーバーSと繋がっている。なお、サーバーSは一台のコンピューターで構成しても良いし、通信ネットワークNを介して繋がっている複数台のコンピューターで構成しても良い。
【0033】
<本発明に係るカメラシステム>
本発明に係るカメラシステムは、上述したオンライン対戦ダーツゲームシステムに組み込まれるものであり、したがってオンライン対戦ダーツゲームシステムの構成を一部活用しながら投擲プレイヤーAのダーツボード1Aにおけるライブ映像を待機プレイヤーBの端末2Bに送信するものである。なお、以下、投擲プレイヤーA側のシステム構成について説明するが、待機プレイヤーB側のシステムも同様であり、待機プレイヤーBが投擲プレイヤーになったときにはダーツボード1Bのライブ映像をボードカメラ4Bで撮影し端末2Bから端末2Aに送信できることは勿論である。
【0034】
本発明に係るカメラシステムは、まず、図4図5に示すように、投擲プレイヤーAのダーツボード1Aにおけるボード面の全体映像を撮影可能な位置に固定されるボードカメラ4Aを備える。ボードカメラ4Aの固定位置はプレーを邪魔せず且つボード面全体を撮影することができればどこでも良いが、図4に示すように、アーム等の固定具13を介してダーツボード1Aの近傍に固定することが望ましい。なお、図4中、11はダーツボード1Aを固定するポール等の固定具であり、12は端末2Aを保持して固定する固定具である。また、ボードカメラ4Aを三脚等でダーツボード1Aから少し離れた位置に固定したり、屋内天井に取り付けたりすることも、実施に応じ任意である。
【0035】
ボードカメラ4Aは、好ましくは、図10に示すカメラモジュール部4b及び/又は制御部4cによって、解像度を変更して撮影可能又は撮影した映像の解像度を変更可能とする。よって、たとえば、全体映像として送信する映像の解像度を低解像度にして送信時のデータ量を抑えることができる一方、ズーム映像として送信する映像の解像度を高解像度にして対象スコアエリアやダーツの様子を待機プレイヤーBのディスプレイ3Bに鮮明に表示させることができる。
【0036】
また、ボードカメラ4Aは、図10に示す制御部4cによって、投擲プレイヤーAが投擲するときのみ、カメラ機能をONにするよう、制御することができる。これにより、カメラモジュール部4bへの負荷を軽減することができる。また、通信部4aによって、ダーツボード1Aと同様に端末2Aと既知の無線通信手段Wによってデータの送受信を行うことができる。
【0037】
ボードカメラ4Aの全体フォルムは特に限定はないが、図5に示すように、角丸長円形の全体フォルムとして、できるだけ小型化してプレーを妨げないように且つ見栄えの良い形状とすることが望ましい。
【0038】
また、本発明に係るカメラシステムは、ボードカメラ4Aに加えて、さらにボードカメラ4Aが撮影した映像を待機プレイヤーBの端末2Bに送信する通信手段と、全体映像内におけるズームゾーンを複数設定するズームゾーン設定手段と、投擲したダーツのヒット位置を把握し該ヒット位置と投擲前のスコアに基づいて該ヒット位置のスコアエリアを視認できるズームゾーン又は次の投擲で狙うべきスコアエリアを視認できるズームゾーンを上記設定されたズームゾーンの中から選択して決定するズームゾーン決定手段と、該決定されたズームゾーンのズーム映像を上記全体映像からデジタルズームにより切り出すズーム手段と、上記待機プレイヤーに送信する映像を上記全体映像か上記ズーム映像かに切り替える切り替え手段を備える。
【0039】
通信手段は、図10に示すように、ボードカメラ4Aの通信部4a、端末2Aの通信部2a及びサーバーSの通信部Saにより構成され、これら通信部を介してボードカメラ4Aで撮影した映像をサーバーSに送信し、該サーバーSから待機プレイヤーBの端末2Bへ送信する。好ましくは、サーバーS経由ではなく、既知のP2P(peer-to-peer)通信方式によって端末2Aから端末2Bに直接映像を送信して、サーバーSの配信負荷を軽減させると共に、スムーズな映像送信を行うことができる。なお、サーバーSは、図10に示すように、ゲーム処理を行う対戦サーバーSbと、映像配信処理を行うビデオチャットサーバーScとに分けて構成することが効率化のために望ましい。
【0040】
ズームゾーン設定手段は、ボードカメラ4Aで撮影した全体映像内におけるズームゾーンを複数設定する手段である。ここで、ズームゾーンとは、映像内の領域であり、ゲーム状況に応じてズームする必要のある映像領域をいう。好ましくは、少なくともボード面のスパイダーで区切られた扇状の20のスコアエリア(図4中のシングルスコアエリア1a、ダブルスコアエリア1c及びトリプルスコアエリア1d)と、ボード面の中心の二重円のスコアエリア(図4中のブルスコアエリア1b)をそれぞれ視認することができるゾーンをズームゾーンとして設定する。さらに好ましくは、トリプルスコアエリアやダブルスコアエリアをより拡大して見せつつスコアナンバー(ボードに記載のスコアを表す数字)が見える領域をズームゾーンとする。
【0041】
ズームゾーンを設定する手段として、図10に示すように、端末2Aが有するメインメモリにおいてアプリケーションプログラム2bがズームゾーン設定処理を行う。ズーム設定処理は、既知の画像認識手段によって自動的にズームゾーンを設定して処理しても良いし、端末2Aのディスプレイ3Aに全体映像を表示し該表示された全体映像上でタッチセンサー部3a等を介して上下左右の端部を設定することにより座標計算によってスコアエリアを把握し該把握したスコアエリアに基づいてズームゾーンを設定し処理しても良い。なお、ボードカメラ4Aがダーツボード1Aに完全に正対していなくても、座標計算によって、適切にスコアエリアを把握し、ズームゾーンを設定することができる。
【0042】
ズームゾーン決定手段は、上記のように設定されたズームゾーンの中からゲーム状況に応じて最適のズームゾーンを選択して決定する手段であり、これもアプリケーションプログラム2bが担う。最適なズームゾーンとは、投擲によってダーツがヒットした位置のスコアエリアが視認できるズームゾーン又は次の投擲の際に狙うべきスコアエリアが視認できるズームゾーンである。次の投擲で狙うべきスコアエリアは、ゲームの種類、投擲前のスコア、ダーツヒット位置によって自動的に定まるものであるが、投擲によってダーツがヒットした位置のスコアエリアは、たとえば狙うべきスコアエリアとは異なるスコアエリアにダーツがヒットしたときに、そのヒット位置にかかわるスコアエリアを対象とする。ダーツボード1Aのヒットセンサー部1fがダーツヒット位置を把握し当該ヒット位置のデータを制御部1g及び通信部1eを介して端末2Aに送信し、該アプリケーションプログラム2bが送られてきたヒット位置のデータと、ゲームの種類、現在のスコア(投擲前のスコア+ヒット位置のスコア)から次の投擲で注目すべきスコアエリアを決め、当該スコアエリアを把握できるズームゾーンを決定する。
【0043】
ズーム手段は、端末2Aからボードカメラ4Aに送られる上記決定したズームゾーンのデータ(座標、解像度、倍率等のデータ)に基づいて、当該ズームゾーンのズーム映像を全体映像からデジタルズームにより切り出す手段であり、ボードカメラ4Aのカメラモジュール部4b及び制御部4cで担う。
【0044】
本発明に係るカメラシステムにあっては、さらに投擲プレイヤーAを撮影するプレイヤーカメラ5Aを備え、該プレイヤーカメラ5Aで撮影したプレイヤー映像をボード面の全体映像又はズーム映像と共に待機プレイヤーBの端末2Bに送信することができる。よって待機プレイヤーBに対して投擲プレイヤーAによる投擲の様子等を伝え、さらに具体的な臨場感を与えることができる。プレイヤーカメラ5Aとして、端末2Aが有するカメラ機能をそのまま用いるのが構成をシンプルにするために望ましいが、別途、カメラ機器を用いることも実施に応じ任意である。
【0045】
<本発明に係るライブ映像送信方法>
上述したカメラシステムを用いた本発明に係るライブ映像送信方法について図6乃至図8のシーケンス図を用いて説明する。なお、図6乃至図8中のLAは投擲プレイヤーAのロケーションであり、LBは待機プレイヤーBのロケーションである。
【0046】
本発明に係るライブ映像送信方法は、少なくとも、以下のA乃至Fのステップを有するこものである。
≪ステップA≫
投擲プレイヤーAのダーツボード1Aにおけるボード面の全体映像を一台のボードカメラ4Aで撮影する。
≪ステップB≫
全体映像内におけるズームゾーンを複数設定する。
≪ステップC≫
全体映像を待機プレイヤーBの端末2Bに送信する。
≪ステップD≫
投擲したダーツのヒット位置を把握し該ヒット位置と該投擲前のスコアに基づいて該ヒット位置のスコアエリアを視認できるズームゾーン又は次の投擲で注目すべきスコアエリアを把握できるズームゾーンを選択して決定する。
≪ステップE≫
決定したズームゾーンのズーム映像を全体映像からデジタルズームにて切り出す。
≪ステップF≫
待機プレイヤーBの端末2Bに送信している全体映像を、切り出したズーム映像に切り替えて、当該待機プレイヤーBの端末2Bに送信する。
【0047】
≪ステップA詳細≫
投擲プレイヤーAが備えるダーツボード1Aのボード面全体を撮影するステップである。上述したボードカメラ4Aを図4に示すようにボード面全体を適切に撮影でき且つゲーム進行を妨げない位置、つまり投擲プレイヤーAの投擲に邪魔にならない位置に固定して配し、撮影を行う。また、ボードカメラ4Aを三脚等でダーツボード1Aから少し離れた位置に固定したり、屋内天井に取り付けたりして、撮影することも、実施に応じ任意である。
【0048】
≪ステップB詳細≫
全体映像の映像領域内におけるズーム対象領域をズームゾーンとして設定するステップである。既述のように、既知の画像認識手段によって自動的に設定しても良いし、端末2Aのディスプレイ3Aに全体映像を表示し該表示された全体映像上でタッチパネル等を介して設定しても良い。少なくともボード面のスパイダーで区切られた扇状の20のスコアエリア(図4中の1a、1c及び1dを併せた扇状エリア)と、ボード面の中心の二重円のスコアエリア(シングルブルエリア及びダブルブルエリア、図4中の1b)をそれぞれ把握することができるゾーンをズームゾーンとして設定する。さらに好ましくは、トリプルスコアエリアやダブルスコアエリアをより拡大して見せつつスコアナンバーが見える領域をズームゾーンとする。
【0049】
≪ステップC詳細≫
全体映像を待機プレイヤーBの端末2Bに送信するステップであるが、具体的には、図6乃至図8に示すように、全体映像がボードカメラ4Aから端末2Aへと送信され(ステップS1)、次いで端末2AからサーバーS(ビデオチャットサーバーSc)に送信され(ステップS2)、さらにサーバーSから端末2Bに送信され(ステップS3)、ディスプレイ3Bに表示される(ステップS4)。若しくは、サーバーS経由ではなく、P2P通信方式によって端末2Aから端末2Bに直接映像を送信して(ステップS2′)、サーバーSの配信負荷を軽減させると共に、スムーズな映像送信を行う。
【0050】
≪ステップD詳細≫
投擲したダーツのヒット位置と該投擲前のスコアに基づき該ヒット位置のスコアエリアを視認できるズームゾーン又は次の投擲で狙うべきスコアエリアを視認できるズームゾーンを選択して決定するステップである。具体的には、図6乃至図8に示すように、ダーツがヒットしたときに(ステップS5)、ヒットセンサーがヒット位置を判定して把握し(ステップS6)、当該ヒット位置のデータを端末2Aに送信する(ステップS7)。端末2A内でのゲーム処理(ステップS8)にてヒット位置、ゲーム種類、投擲前のスコアに応じて、今回の投擲によるダーツヒット位置のスコアエリア又は次の投擲で狙うべきスコアエリアを決め、当該スコアエリアを視認できるズームゾーンを決定する(ステップS9)。なお、投擲プレイヤーAのスコアは、ゲーム処理(ステップS8)により、投擲前のスコアとダーツヒット位置のスコアエリアに基づくスコアに基づいたスコアを算出し、当該スコアのデータを端末2AからサーバーS(対戦サーバーSb)に送信し(ステップS22)、該サーバーSから端末2Bに送信し(ステップS23)、当該スコアを端末2Bにて表示させる(ステップS24)。また、ダーツボード1Aがハードダーツ用の場合にはスコアラーAAの端末2AAからヒット位置を送信する(ステップS7)か、若しくは、具体的に図示しないが、投擲プレイヤーAが端末2Aにヒット位置を入力する。
【0051】
≪ステップE詳細≫
決定したズームゾーンのズーム映像を全体映像からデジタルズームにて切り出すステップである。具体的には、図6乃至図8に示すように、決定したズームゾーンのデータ(位置、解像度、倍率等に関するデータ)を端末2Aがボードカメラ4Aに送信し、該データに基づいてボードカメラ4Aがデジタルズームによって全体映像からズーム映像を切り出す(ステップS11)。
【0052】
≪ステップF詳細≫
待機プレイヤーBの端末2Bに送信している全体映像を、切り出したズーム映像に切り替えて、当該待機プレイヤーBの端末2Bに送信するステップである。具体的には、図6乃至図8に示すように、ボードカメラ4Aが全体映像をズーム映像に切り替え(ステップS12)、当該ズーム映像を端末2Aに送信し(ステップS13)、次いで端末2AからサーバーSに送信し(ステップS14)、さらにサーバーSから端末2Bに送信する。若しくは、サーバーS経由ではなく、既知のP2P通信方式によって端末2Aから端末2Bに直接ズーム映像を送信する(ステップ14′)。なお、本実施例においてはボードカメラ4Aにて全体映像とズーム映像の切り替えを行っているが、たとえば端末2Aにて切り替えを行うことも実施に応じ任意である。
【0053】
したがって、待機プレイヤーBの端末2Bのディスプレイ3Bにおいては、ダーツ投擲前に、図9(A)に示すように、ダーツボード全体映像WPが表示されていて、ダーツ投擲直後に、図9(B)に示すように、たとえば次に狙うべきスコアエリアのズーム映像ZPが表示されることになり、恰もテレビのライブ放送のような臨場感、高揚感を待機プレイヤーBに与えることができる。
【0054】
本発明にあっては、全体映像からズーム映像の切り替えのきっかけとなる、ダーツヒット(ステップS5)は、各ラウンドにおける1投目、2投目、3投目のダーツのいずれでも構わない。たとえば、前ラウンドの3投目のダーツヒットに基づいて決定されたズームゾーンのズーム映像がラウンドの1投目のときから表示される場合もある。また、たとえばフィニッシュチャンス、ハットトリックチャンス、Ton80チャンス等の場面では2投目のダーツヒット(ステップS5)をきっかけとして、3投目のダーツ投擲前に狙うべきスコアエリアに関するズーム映像に切り替える一方、アワード達成時やトリプルヒット時にはダーツ投擲後、つまりダーツヒット後にダーツヒット状態に関するズーム映像に切り替えることができ、ゲームの雰囲気を大いに盛り上げることができる。
【0055】
また、図7に示すように、投擲プレイヤーAの端末2Aにおけるディスプレイ3Aに、待機プレイヤーBの端末2Bにおけるディスプレイ3Bと同様の映像を表示させることができる。すなわち、図7に示すように、ボードカメラ4Aから送られてきた全体映像を表示し(ステップS17)、同じくボードカメラ4Aから送られてきたズーム映像を表示することができる(ステップS18)。よって投擲プレイヤーAが対戦ではなく一人でプレイするときに端末2Aのディスプレイ3Aにダーツボード1Aの全体映像又はズーム映像を表示させることもできる。
【0056】
さらに、図8図9に示すように、投擲プレイヤーAをプレイヤーカメラ5Aで撮影しボードカメラ4Aが撮影したボード面の全体映像又はズーム映像と共に待機プレイヤーBの端末2Bに送信することによって、待機プレイヤーBに対して投擲プレイヤーAによる投擲の様子等を伝える投擲プレイヤー映像APPを表示し、さらに具体的な臨場感を与えることができる。具体的には、プレイヤーカメラ5Aで撮影したプレイヤー映像を端末2AからサーバーSに送信し(ステップS19)、次いでサーバーSから端末2Bに送信して(ステップS20)、ディスプレイ3Bにプレイヤー映像を表示させることができる(ステップS21)。若しくはサーバーSを介さずに、P2P通信方式により、端末2Aから直接端末2Bに送信する(ステップS19′)。
【0057】
また、具体的にはシーケンス図に表していないが、待機プレイヤーBの様子を端末2Bに備えたプレイヤーカメラ5Bにより撮影し、図9に示すように、待機プレイヤーの映像BPPを当該端末2Bのディスプレイ3Bに表示させることもできるし、当然に端末2Aに送って、ディスプレイ3Aに表示させることもできる。
【0058】
以上のように、本発明に係るライブ映像送信方法によれば、1台のボードカメラ4Aによる映像をダーツボード1Aの全体映像からスコアエリアのズーム映像に適切に切り替えて送信することができる。なお、全体映像からスコアエリアのズーム映像に切り替わった後は、当該切り替わったズーム映像から全体映像に再切替えすること、及び、当該切り替わったズーム映像から別のスコアエリアのズーム映像に切り替えることも実施に応じ任意である。ズーム映像からズーム映像の切り替えは、たとえば、ダーツが狙うべきスコアエリアではないスコアエリアにヒットしたときに、狙うべきスコアエリアのズーム映像から、ヒットしたスコアエリアのズーム映像へ切り替えるときなどが考えられる。
【0059】
本発明によれば、一つのボードカメラ4Aで投擲プレイヤーAのダーツボード1Aにおけるボード面全体映像とスコアエリアのズーム映像を撮影し待機プレイヤーBのディスプレイ3Bに表示させて、容易に臨場感や高揚感を付与することができ、ひいてはゲームを盛り上げることができる。
【0060】
また、本発明は、ソフトダーツとハードダーツの何れのダーツゲームにも適用することができる。
【0061】
また、テレビ放映されているプロプレイヤーの対戦のような演出を手軽にすることができ、プレイヤーは恰も自分がプロプレイヤーになったかのような錯覚と高揚感を味わうことができる。
【符号の説明】
【0062】
A…投擲プレイヤー、B…待機プレイヤー、
1A…投擲プレイヤーのダーツボード、1B…待機プレイヤーのダーツボード、
2A…投擲プレイヤーの端末、2B…待機プレイヤーの端末、
3A…投擲プレイヤーのディスプレイ、3B…待機プレイヤーのディスプレイ、
4A…投擲プレイヤーのボードカメラ、4B…待機プレイヤーのボードカメラ、
5A…投擲プレイヤーのプレイヤーカメラ、5B…待機プレイヤーのプレイヤーカメラ、
LA…投擲プレイヤーのロケーション、LB…待機プレイヤーのロケーション、
AA…待機プレイヤー側のスコアラー、BB…待機プレイヤー側のスコアラー、

1a…シングルスコアエリア、1b…ブルスコアエリア、1c…ダブルスコアエリア、1d…トリプルスコアエリア、1e…通信部、1f…ヒットセンサー部、1g…制御部、
2a…通信部、2b…アプリケーションプログラム
3a…タッチセンサー部、
4a…通信部、4b…カメラモジュール部、4c…制御部、
11…ダーツボード固定具、12…端末固定具、13…ボードカメラ固定具、
W…無線通信手段、
N…ネットワーク、
S…サーバー、Sa…通信部、Sb…対戦サーバー、Sc…ビデオチャットサーバー、
WP…ボード面の全体映像、ZP…ボード面のズーム映像、
APP…投擲プレイヤーの映像、BPP…待機プレイヤーの映像。
図1
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図10