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特開2023-42570フィット性検出を有するウォッチバンド
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023042570
(43)【公開日】2023-03-27
(54)【発明の名称】フィット性検出を有するウォッチバンド
(51)【国際特許分類】
   G04G 21/00 20100101AFI20230317BHJP
   A44C 5/00 20060101ALI20230317BHJP
   G04B 37/16 20060101ALI20230317BHJP
【FI】
G04G21/00 304Z
A44C5/00 B
G04B37/16 Z
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022140992
(22)【出願日】2022-09-05
(31)【優先権主張番号】17/475,195
(32)【優先日】2021-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】503260918
【氏名又は名称】アップル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Apple Inc.
【住所又は居所原語表記】One Apple Park Way,Cupertino, California 95014, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】レイス, ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】ラボーブ, ダニエル ダブリュ.
(72)【発明者】
【氏名】バティア, リンプル
(72)【発明者】
【氏名】矢部 修
(72)【発明者】
【氏名】濱田 陽司
(72)【発明者】
【氏名】ルイ, ティモシー エス.
【テーマコード(参考)】
2F002
【Fターム(参考)】
2F002AA12
2F002AC01
2F002BA22
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ユーザに対するウェアラブルデバイスの構成および/または位置をより正確に判定する。
【解決手段】ウォッチ100は、検出器を含むウォッチ本体104と、ウォッチ本体104に結合されるように構成されたウォッチバンド150であって、弾性材料の基板と、基板の伸長に伴って相対的に移動するように配置された導電板と、を含む、ウォッチバンドウォッチバンド150と、を備え、ウォッチ本体104の検出器が、導電板間の静電容量を測定し、静電容量に基づいて動作を実行するように構成されている。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検出器を含むウォッチ本体と、
前記ウォッチ本体に結合されるように構成されたウォッチバンドであって、
弾性材料の基板と、
前記基板の伸長に伴って相対的に移動するように配置された導電板と、
を含む、ウォッチバンドと、
を備え、
前記ウォッチ本体の前記検出器が、
導電板間の静電容量を測定し、
前記静電容量に基づいて動作を実行する、
ように構成されている、
ウォッチ。
【請求項2】
前記検出器が、前記静電容量に基づいて、前記ウォッチバンドがユーザの手首に前記ウォッチを固定しているかどうかを検出するようにさらに構成されている、請求項1に記載のウォッチ。
【請求項3】
前記検出器が、前記静電容量に基づいて、前記ウォッチバンドが前記ユーザの前記手首に前記ウォッチを固定していないことを検出し、前記検出器が、パスコードが提供されるまで、前記ウォッチの少なくとも1つの機能へのアクセスを防止するようにさらに構成されている、請求項2に記載のウォッチ。
【請求項4】
前記検出器が、前記静電容量に基づいて、前記ウォッチバンドにわたる張力を検出するようにさらに構成されている、請求項1に記載のウォッチ。
【請求項5】
前記ウォッチバンドが、前記ウォッチバンドの有効長を変更するように構成されたテンショナをさらに含む、請求項4に記載のウォッチ。
【請求項6】
前記テンショナが、前記静電容量に基づいて、前記ウォッチバンドの前記有効長を変更するように構成されている、請求項5に記載のウォッチ。
【請求項7】
ウォッチバンドであって、
前記ウォッチバンドが第1の寸法を規定するときの第1の構成と前記ウォッチバンドが前記第1の寸法とは異なる第2の寸法を規定するときの第2の構成との間で遷移するように構成されたコアと、
前記コアが前記第1の構成にある間に第1の静電容量を提供し、前記コアが前記第2の構成にある間に前記第1の静電容量とは異なる第2の静電容量を提供する、ように構成された導電板と、
を備える、ウォッチバンド。
【請求項8】
前記導電板が、
前記コアの第1の側の接地電極と、
前記コアの第2の側の感知電極と、
前記コアの前記第2の側のシールド電極と、
を含み、
前記感知電極が、前記感知電極の前記接地電極とは反対側の電界を低減するように、前記接地電極と前記シールド電極との間にある、
請求項7に記載のウォッチバンド。
【請求項9】
前記導電板が、
第1の接地電極と、
第2の接地電極と、
前記第1の接地電極と前記第2の接地電極との間の感知電極と、
を含む、請求項7に記載のウォッチバンド。
【請求項10】
前記感知電極が、前記コアによって前記第1の接地電極から分離されており、
前記感知電極が、追加のコアによって前記第2の接地電極から分離されている、
請求項9に記載のウォッチバンド。
【請求項11】
前記第1の構成が、前記ウォッチバンドがユーザの手首にウォッチを固定しているときに達成され、
前記第2の構成が、前記ウォッチが前記ユーザの前記手首から取り外されているときに達成される、
請求項7に記載のウォッチバンド。
【請求項12】
前記第1の寸法が、弛緩した構成の前記ウォッチバンドの長さであり、
前記第2の寸法が、伸長した構成の前記ウォッチバンドの長さである、
請求項7に記載のウォッチバンド。
【請求項13】
前記第1の構成では、前記ウォッチバンドが、第1の張力下にあり、
前記第2の構成では、前記ウォッチバンドが、前記第1の張力とは異なる第2の張力下にある、
請求項7に記載のウォッチバンド。
【請求項14】
前記ウォッチバンドが、
第1の係合要素を有する第1のバンド部分と、
第2の係合要素を有する第2のバンド部分と、
をさらに備え、
前記第1の構成では、前記第1の係合要素が、前記第2の係合要素と係合し、
前記第2の構成では、前記第1の係合要素が、前記第2の係合要素と係合しない、
請求項7に記載のウォッチバンド。
【請求項15】
少なくとも1次元方向に伸長するように構成された基板と、
接地電極と、
前記基板が前記少なくとも1次元方向に伸長するときに縮小または拡大するように構成されたコアによって前記接地電極から分離された感知電極と、
前記感知電極に対して前記接地電極とは反対側にあるシールド電極と、
を備え、
前記シールド電極が、前記感知電極の前記接地電極とは反対側の電界を低減するように動作可能である、
ウォッチバンド。
【請求項16】
前記シールド電極が、前記感知電極よりも大きい、請求項15に記載のウォッチバンド。
【請求項17】
請求項15に記載のウォッチバンドと、
前記接地電極、前記感知電極、および前記シールド電極に動作可能に接続された検出器を含むウォッチ本体と、
を備える、ウォッチ。
【請求項18】
前記検出器が、前記感知電極および前記シールド電極を同じ電圧で駆動するように構成されている、請求項17に記載のウォッチ。
【請求項19】
前記コアが、前記ウォッチバンドが第1の寸法を規定するときの第1の構成と前記ウォッチバンドが前記第1の寸法とは異なる第2の寸法を規定するときの第2の構成との間で遷移するように構成されており、
前記感知電極および前記接地電極が、前記コアが前記第1の構成にある間に第1の静電容量を提供し、前記コアが前記第2の構成にある間に前記第1の静電容量とは異なる第2の静電容量を提供する、ように構成されている、
請求項15に記載のウォッチバンド。
【請求項20】
前記感知電極の一面に追加の接地電極をさらに備える、請求項15に記載のウォッチバンド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、概して、ウォッチバンドに関し、より具体的には、ユーザの手首および/またはその特性の検出を有するウォッチバンドに関する。
【背景技術】
【0002】
一部の電子デバイスは、ユーザに着脱可能に取り付けることができる。例えば、リストウォッチまたはフィットネス/健康追跡デバイスは、ウォッチバンドの自由端を一緒に接合することによって、ユーザの手首に取り付けることができる。
【0003】
近接センサは、物理的に接触することなく、標的の存在を検出することができる。それらは、一般に、電磁放射線を放出し、戻り信号を測定し、戻り信号のプロファイルに基づいて標的の位置を識別する。近接センサは、通話中に耳に対して保持されているときの偶発的なタッチスクリーンのタップを検出するために、スマートフォンなどのモバイルデバイスに一般的に使用される。リストウォッチなどのポータブルデバイスはまた、ウォッチが「手首から外れて」おり、ロック状態にされるべきであるかどうかを検出する近接センサを含むことができる。しかしながら、ユーザのウォッチをユーザの手首に対して緩く着用することを好むユーザでは、そのような近接センサは、ウォッチの意図しないロックまたは他の望ましくない結果を引き起こす可能性がある。
【0004】
したがって、ユーザに対するウェアラブルデバイスの構成および/または位置をより正確に判定するための代替の方法またはデバイスを開発することが有益であり得る。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本願の技術の特定の特徴を、添付の特許請求の範囲に示している。しかしながら、説明を目的として、本願の技術のいくつかの実施形態を、以下の図に示している。
【0006】
図1】本開示のいくつかの実施形態に係る、ウォッチの斜視図を示す。
【0007】
図2】本開示のいくつかの実施形態に係る、ユーザの手首にあるウォッチの斜視図を示す。
【0008】
図3】本開示のいくつかの実施形態に係る、ウォッチの簡略化したブロック図を示す。
【0009】
図4】本発明のいくつかの実施形態に係る、弛緩した構成のウォッチの側面図を示す。
【0010】
図5】本開示のいくつかの実施形態に係る、ユーザの手首にある固定された構成の図4のウォッチの側面図を示す。
【0011】
図6】本開示のいくつかの実施形態による、弛緩した構成の、かつ検出器を有する、ウォッチバンドの一部分の概略側面図を示す。
【0012】
図7】本開示のいくつかの実施形態に係る、伸長した構成の図6のウォッチバンドの一部分の概略側面図を示す。
【0013】
図8】本開示のいくつかの実施形態による、弛緩した構成の、かつ検出器を有する、ウォッチバンドの一部分の概略正面図を示す。
【0014】
図9】本開示のいくつかの実施形態に係る、伸長した構成の図8のウォッチバンドの一部分の概略正面図を示す。
【0015】
図10】本開示のいくつかの実施形態に係る、ウォッチバンドの検出器の側面図を示す。
【0016】
図11】本開示のいくつかの実施形態に係る、ウォッチバンドの検出器の側面図を示す。
【0017】
図12】本開示のいくつかの実施形態に係る、調整可能なフィット能力を有するウォッチの側面図を示す。
【0018】
図13】本開示のいくつかの実施形態に係る、調整可能なフィット能力を有するウォッチの側面図を示す。
【0019】
図14】本開示のいくつかの実施形態に係る、調整可能なフィット能力を有するウォッチの側面図を示す。
【0020】
図15】本開示のいくつかの実施形態に係る、ウォッチの動作のフローチャートを示す。
【0021】
図16】本開示のいくつかの実施形態に係る、ウォッチの動作のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に記載されている詳細な説明は、主題の技術の様々な構成の説明として意図されており、主題の技術が実施され得る唯一の構成を表すことは意図されていない。添付の図面は本明細書に組み込まれており、詳細な説明の一部を構成する。詳細な説明は、主題の技術の完全な理解を提供するために特定の詳細を含む。しかしながら、主題の技術は、本明細書において説明されている特定の詳細に限定されず、これらの特定の詳細なしに実施され得ることが当業者には明確であり、明らかであろう。いくつかの例では、主題の技術の概念を不明瞭にすることを避けるために、周知の構造体および構成要素がブロック図の形態で示されている。
【0023】
本明細書に記載の実施形態は、ユーザに対するウェアラブルデバイスの構成および/または位置を検出するためのシステムおよび方法に関する。本明細書に記載された様々な実施形態、並びに、それらの機能、動作、構成要素、および能力は、他の要素、実施形態、構造などと組み合わせてもよく、よって、任意の要素または特徴の任意の物理的、機能的、または動作上の説明は、他のものを除外して特定の実施形態のみに限定することを意図するものではないことを理解されたい。
【0024】
上記のように、多くのポータブル電子デバイスは、ユーザに取り外し可能に取り付けることができる。ウェアラブルデバイスは、ユーザの皮膚との接触に好適な任意の電子デバイス、例えば、電話、リストウォッチ、アームバンド若しくはリストバンド、ヘッドバンド、または相対的な表面の向きの検出が有用であり得る任意のデバイスであってもよい。ウェアラブルデバイスは、可撓性であり、かつユーザに調整可能にフィットすることができるバンドを使用して、手首、足首、頭部、胸部、脚などに着用することができる。例えば、ウォッチバンドは、可撓性材料から作製されてもよく、またはそれが調整可能な外周を有することを可能にする構造を有してもよい。いくつかの実施例では、ウェアラブルデバイスは、ウォッチ、スマートウォッチ、リストウォッチ、時間管理デバイス、または他の手首装着型デバイスである。
【0025】
いくつかの実施例では、スマートウォッチまたはフィットネスデバイスは、ウォッチをウォッチバンドを用いて着用し、かつ/または従来のウォッチバンドの自由端を一緒に接合することによって、ユーザの手首に取り付けることができる。他の実施例では、留め金または伸縮性バンドを任意選択的に使用して、ウォッチを固定することができる。別の実施例では、ポータブルオーディオプレーヤは、プレーヤをアームバンドケースに挿入することによって、ユーザの腕に固定することができる。別の実施例では、心拍数センサは、ストラップによってユーザの胸部に取り付けることができる。
【0026】
多くの実施形態は、手首装着型電子デバイスをユーザに取り付けるためのリストバンドを参照して本明細書に記載されているが、他の実施形態では、他のフォームファクタが好ましい場合があることを理解することができる。言い換えれば、手首装着型デバイスへの例示的な参照を伴う本明細書に記載される方法、システム、および技術は、非手首装着型デバイスに等しく適用することができる。例えば、他の実施形態では、デバイスは、他の手足または身体部分に取り付けるように構成することができる(例えば、ネックレス、アームバンド、ウエストバンド、イヤーフック、指輪、アンクレット、トウリング、チェストラップ、ヘッドバンドなど)。さらに、本明細書に記載の他の実施形態は、充電スタンドまたはステーションなどの非ユーザオブジェクトに対する電子デバイスの構成および/または位置を検出するために適用することができる。
【0027】
上記のように、いくつかのウォッチまたは他のウェアラブルデバイスは、ユーザまたはそれが固定される他のオブジェクトの存在を検出する能力を有する。例えば、近接センサは、物理的に接触することなく、標的の存在を検出することができる。リストウォッチなどのポータブルデバイスは、そのような検出を使用して、ウォッチが「手首から外れて」おり、ロック状態にされるべきである、または他の機能を提供するべきであるかどうかを判定することができる。しかしながら、ユーザのウォッチをユーザの手首に対して緩く着用することを好むユーザでは、そのような近接センサは、ウォッチの意図しないロックまたは他の望ましくない結果を引き起こす可能性がある。
【0028】
したがって、本明細書に記載の多くの実施形態は、ユーザまたは他のオブジェクトに対するウォッチおよび/またはウォッチバンドの構成および/または位置を検出するためのシステムおよび方法に関する。そのような検出は、ウォッチのウォッチバンドの変化に基づいて行うことができる。例えば、ウォッチバンドは、ユーザの手首から外れている(すなわち、「手首から外れて」または「手首から外れた構成に」ある)ときに対して、ユーザの手首にある(すなわち、「手首にある」または「手首にある構成に」ある)ときに、異なる長さ、張力、曲率、固定構成、または他の特性を有することができる。
【0029】
ウォッチバンドの特性は、異なる構成に配置されたときに変化することができ、これらの特性の各々は、様々な構成の各々と相関することができる。特性を測定して、ウォッチバンドが様々な構成のうちのどれにあるかを検出することができる。例えば、ウォッチバンドは、ウォッチバンドがその構成を変化させるときにその静電容量を変化させるコンデンサを含むことができる。例えば、静電容量は、ウォッチバンドの伸長、ウォッチバンドの曲げなどに基づいて変化することができる。
【0030】
ウォッチまたは別のデバイスは、ウォッチバンドの検出された特性および構成に基づいて、1つ以上の動作を実行することができる。例えば、ウォッチは、ウォッチの1つ以上の特徴へのアクセスを許可または制限することによって、検出に応答することができる。更なる実施例では、ウォッチは、検出を使用して、ユーザの手首のサイズをさらに検出することができる。更なる実施例では、ウォッチは、検出を使用して、ユーザの移動、活動、および/またはジェスチャをさらに検出することができる。更なる実施例では、ウォッチは、検出を使用して、血圧などのユーザの健康指標をさらに検出することができる。
【0031】
更なる実施例では、本明細書に記載の特定の実施形態は、バンドによってユーザに固定されたウェアラブル電子デバイスのフィット性を調整する方法の形態をとる。バンドの特徴は、アクティブなユーザ入力なしにバンドの締まりを自動的に調整する能力を提供することができる。例えば、張力要素は、バンドを着用しているユーザによって放出された熱に応じて、バンドのフィット性を変更する能力を備えることができる。
【0032】
更なる実施例では、ウォッチは、バンドのフィット性を調整し、電子デバイスに結合されたテンショナの動作モード(例えば、締め付けモード、弛緩モード、可撓性モード、剛性モードなど)を選択し、命令に基づいて張力要素を作動させる、命令を有する信号を生成することができる。
【0033】
以下では、図1図16を参照して、これらの実施形態および他の実施形態を説明する。しかしながら、当業者であれば、これらの図を参照して本明細書により与えられている詳細な説明は、例示目的のみであり、限定するものとして解釈されるべきではないことが容易に理解されよう。
【0034】
図1および図2を参照すると、ウォッチは、弛緩した手首から外れた構成(図1)で、またはウォッチをユーザの手首に取り付けることによって手首にある構成(図2)で提供することができる。
【0035】
図1は、弛緩した手首から外れた構成のウォッチの斜視図を示す。図示の実施形態では、ウォッチ100は、手首に着用可能なポータブル電子デバイスとして実装されている。他の実施形態は、ウォッチを異なるやり方で実装することができる。例えば、ウォッチは、スマートフォン、ゲームデバイス、デジタル音楽プレーヤ、スポーツアクセサリデバイス、医療デバイス、ナビゲーションアシスタント、アクセシビリティデバイス、時間および/または気象情報を提供するデバイス、健康アシスタント、並びにユーザに取り付けるのに好適な他のタイプの電子デバイスであってもよい。
【0036】
ウォッチ100のウォッチ本体104は、筐体108およびディスプレイ106を含むことができる。筐体108は、ウォッチ100の1つ以上の内部構成要素用の外面または部分的外面および保護ケースを形成することができる。図示の実施形態では、筐体108は、実質的に長方形の形状に形成されているが、この構成は必要ではなく、他の実施形態では、他の形状が可能である。
【0037】
いくつかの実施例では、ディスプレイ106は、ユーザ入力を受信するように構成された入力デバイスを組み込むことができる。ディスプレイ106は、液晶ディスプレイ(liquid crystal display、LCD)技術、発光ダイオード(light emitting diode、LED)技術、有機発光ディスプレイ(organic light-emitting display、OLED)技術、有機電界発光(organic electroluminescence、OEL)技術、または別の種類のディスプレイ技術を使用するマルチタッチ感知タッチスクリーンを含むがこれらに限定されない、任意の好適な技術により実装することができる。多くの実施形態では、ディスプレイ106は、イオン注入されたガラス、積層ガラス、またはサファイアなどの剛性かつ耐スクラッチ性材料から形成された保護カバーガラスの下に配置することができる。
【0038】
上記のように、ディスプレイ106は、入力センサを組み込む、または入力センサに近接して配置することができる。例えば、いくつかの実施形態では、ディスプレイ106はまた、ディスプレイ106の上面上の1つ以上の接触位置の位置を判定するための1つ以上の接触センサを含むことができる。いくつかの実施形態では、ディスプレイ106はまた、ディスプレイ106の上面に加えられた力の大きさを検出するための1つ以上の力感知要素(図示せず)を含むことができる。
【0039】
ウォッチ100は、筐体108内に、プロセッサ、メモリ、電源および/またはバッテリ、ネットワーク通信、センサ、ディスプレイスクリーン、音響要素、入出力ポート、触覚要素、ウォッチ100のタスクを実行および/または調整するためのデジタルおよび/またはアナログ回路などを含むことができる。いくつかの実施例では、ウォッチ100は、1つ以上の独自の、かつ/または標準化された有線および/または無線インターフェースを介して別個の電子デバイスと通信することができる。説明を簡単にするために、これらの要素のうちの多数を除外して、ウォッチ100を図1に示すが、これらの要素の各々は、部分的に、任意選択的に、または全体的に、筐体108内に含まれてもよい。
【0040】
図2は、ウォッチバンド150によってユーザ102に取り付けられることによって、手首にある構成のウォッチ100の斜視図を示す。ウォッチ100のウォッチ本体104は、ユーザの手首の周りにループするウォッチバンド150を介してユーザ102に結合することができる。ウォッチバンド150は、ユーザの手首上のウォッチの位置および向きを維持するのに十分な剛性を保持しながら、ユーザの手首に合わせて容易に輪郭を形成するように構成された、柔軟材料から形成する、または柔軟構造に形成することができる。ウォッチバンド150のために選択される材料は、実施形態ごとに異なり得る。例えば、特定の場合では、ウォッチバンド150は、金属メッシュに形成されたバンドなどの金属から形成することができる。他の実施形態では、ウォッチバンド150は、皮革などの有機材料から形成することができる。更なる実施例では、ウォッチバンド150は、ナイロンなどの無機材料から形成することができる。また更なる実施形態では、プラスチック、ゴム、または他の繊維状、有機、ポリマー、若しくは合成材料などの材料を使用することができる。
【0041】
いくつかの実施例では、ウォッチバンド150は、筐体108に取り外し可能に結合することができる。例えば、特定の実施形態では、ウォッチバンド150は、筐体108の本体から延びるラグ内に挿入するように構成されたウォッチピンの周りに少なくとも部分的にループすることができる。他の実施例では、ウォッチバンド150は、筐体108の外部側壁内の2つ以上のチャネル内で摺動し、かつそれによって保持されるように構成することができる。他の実施例では、ウォッチバンド150は、筐体108内のアパーチャを通ってループすることができる。他の場合には、ウォッチバンド150は、1つ以上の機械的締結具を介して筐体108にリベット留めする、ねじ留めする、または別様に取り付けることができる。また更なる実施形態では、ウォッチバンド150と筐体108との間の追加の取り外し可能なカップリングが可能である。
【0042】
他の実施例では、ウォッチバンド150は、筐体108に恒久的に結合することができる。例えば、場合によっては、ウォッチバンド150は、筐体108の一体部分として形成することができる。他の場合には、ウォッチバンド150は、接着剤を介して筐体108に堅固に接着することができる。また更なる実施形態では、ウォッチバンド150は、筐体108に溶接、はんだ付け、または化学的に結合することができる。他の実施形態では、ウォッチバンド150と筐体108との間の追加の恒久的カップリングが可能である。
【0043】
上記のように、ウォッチ本体104の筐体108は、剛性であってもよく、内部に収容された電子または機械的構成要素のための構造的支持および耐衝撃性を提供するように構成することができる。剛性筐体は、すべての実施形態に必ずしも必要ではなく、いくつかの実施例では、ウォッチ100は、可撓性であってもよい筐体を有することができる。さらに、ウォッチ筐体は、典型的には長方形の形状をとるように形成されているが、これは必須ではなく、他の形状も可能である。例えば、特定の筐体は、円形の形状をとることができる。
【0044】
他の実施形態では、ウォッチ100は、筐体108の底面上に配置された1つ以上のセンサ(図示せず)を含むことができる。ウォッチ100によって利用されるセンサは、実施形態ごとに異なり得る。好適なセンサとしては、温度センサ、皮膚電気センサ、血圧センサ、心拍数センサ、呼吸数センサ、酸素飽和度センサ、プレチスモグラフセンサ、活動センサ、歩数計、血糖センサ、体重センサ、体脂肪センサ、血中アルコールセンサ、食事センサなどを挙げることができる。
【0045】
多くの場合、生体センサなどのセンサは、特定の健康関連情報を非侵襲的に収集することができる。例えば、ウォッチ100は、ユーザ102の測定部位(例えば、手首)から反射された光の変化(または量)を測定するように構成されたセンサを含むことができる。一実施形態では、PPGセンサなどの生体センサは、ユーザ102の手首上または手首内に光を放出するための光源と、ユーザ102の手首から出る光を検出するための光学センサと、を含むことができる。光源からの光は、ユーザ102の様々な生理学的パラメータまたは特性の関数として、測定視野全体にわたって散乱、吸収、および/または反射することができる。例えば、ユーザ102の手首の組織は、ユーザの手首の表面および表面下の様々な生理学的特性に応じて、光源によって放出された光を異なるように散乱、吸収、または反射することができる。
【0046】
多くの場合、PPGセンサを使用して、ユーザの心拍数および血液酸素化を検出することができる。例えば、各完全な心拍中に、ユーザの皮下組織は、拡張および収縮して、測定部位の光吸収能力を交互に増加させ、減少させることができる。これらの実施形態では、PPGの光学センサは、測定部位を出る光を収集して、収集された光に対応する電気信号を生成することができる。その後、電気信号は、生データとしてウォッチ100に伝達することができ、ウォッチ100は、次いで、生データを健康データに処理することができる。生データは、光の色度および/または輝度などの、収集された光に関する情報に基づくことができる。場合によっては、健康データは、ユーザ102へのバイオメトリックフィードバックとしてディスプレイ106上に示すことができる。
【0047】
本明細書に記載の方法のいずれかによって検出されるような、ユーザ102に対するウォッチ100の構成、位置、および/または向きに応じて、ウォッチ100は、1つ以上の動作を実行または防止することができる。例えば、図1に示すように、ウォッチバンド150の検出された特性が、ウォッチ100が「手首から外れて」いる構成に対応する場合、ウォッチ100は、ロック(すなわち、デバイス上の情報にアクセスするためにパスコードが必要である)状態、または低電力状態にされてもよい。更なる実施例では、図2に示すように、ウォッチバンド150の検出された特性が、ウォッチ100が「手首にある」構成に対応する場合、ウォッチ100は、ロック解除状態(すなわち、デバイス上の情報にアクセスするためにパスコードが必要でない、または手首にある構成が維持されている間に一回のみ必要な)にされてもよい。追加的または代替的に、本明細書でさらに説明するように、検出された特性に基づいて、他の動作を実行することができる。いくつかの変形例では、本明細書でさらに説明するように、ウォッチバンドの静電容量特性を使用して、ウォッチ100が「手首にある」または「手首から外れて」いるかを検出することができる。例えば、ディスプレイ106を介して、対応するインジケーションをユーザに出力することができる。
【0048】
図3は、本明細書に記載の動作を実行するように構成されたウォッチ100の簡略化したブロック図を示す。ウォッチ100は、1つ以上の処理デバイス206と、メモリ208と、1つ以上の入出力(input/output、I/O)デバイスまたはセンサ210(例えば、生体センサ、環境センサなど)と、1つ以上のディスプレイ212と、1つ以上の電源(単数または複数)(図示せず)と、1つ以上の物理的および/または回転入力デバイス214と、1つ以上のタッチおよび/または力入力デバイス(単数または複数)216と、1つ以上の音響入力および/または出力デバイス218と、1つ以上の触覚出力デバイス(単数または複数)220と、1つ以上のネットワーク通信インターフェース(単数または複数)222と、1つ以上の検出器224と、を含むことができる。いくつかの実施形態はまた、追加の構成要素を含むことができる。これらの構成要素のうちの1つ以上は、ウォッチのウォッチ本体および/またはウォッチバンド上に提供することができる。ウォッチ100のウォッチ本体および/またはウォッチバンドの間のインターフェースによって分離されたものを含む、構成要素間に適切な通信接続を提供することができる。
【0049】
ディスプレイ212は、ウォッチ100に画像またはビデオ出力を提供することができる。ディスプレイ212はまた、タッチ感知デバイス216、力感知デバイス、温度感知デバイス、および/または指紋センサなどの1つ以上の入力デバイスのための入力面を提供することができる。ディスプレイ212は、ウォッチ100の筐体内に少なくとも部分的に含めるのに好適な任意のサイズとすることができ、ウォッチ100上の実質的にどこにでも配置することができる。いくつかの実施形態では、ディスプレイ212は、ウォッチ100の筐体と実質的に連続した外面を形成することができる耐スクラッチ性材料(例えば、サファイア、ジルコニア、ガラスなど)から形成されたカバーガラスによって保護することができる。
【0050】
処理デバイス(単数または複数)206は、ウォッチ100の動作の一部またはすべてを制御または調整することができる。処理デバイス206は、ウォッチ100の構成要素の実質的にすべてと、直接的または間接的のいずれかで通信してもよい。例えば、システムバスまたは信号線または他の通信機構は、処理デバイス206、メモリ208、センサ(単数または複数)210、電源(単数または複数)、ネットワーク通信インターフェース222、および/または触覚出力デバイス220の間の通信を提供してもよい。
【0051】
1つ以上の処理デバイス206は、データまたは命令を処理、受信、または送信することができる任意の電子デバイスとして実装されてもよい。例えば、処理デバイス(単数または複数)206はそれぞれ、マイクロプロセッサ、中央演算処理装置(central processing unit;CPU)、特定用途向け集積回路(application-specific integrated circuit;ASIC)、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor;DSP)、またはそのようなデバイスの組み合わせであってもよい。本明細書に記載のように、用語「処理デバイス」は、単一のプロセッサまたは処理ユニット、複数のプロセッサ、複数の処理ユニット、または他の適切に構成された演算素子(複数可)を含むことを意図されている。
【0052】
メモリ208は、ウォッチ100によって使用することができる電子データを記憶することができる。例えば、メモリは、例えば、オーディオおよびビデオファイル、文書およびアプリケーション、デバイス設定およびユーザプリファレンス、触覚出力デバイス220のためのタイミングおよび制御信号またはデータ、データ構造またはデータベースなどの、電気データまたはコンテンツを記憶することができる。メモリ208は、任意のタイプのメモリとして構成することができる。ほんの一例として、メモリは、ランダムアクセスメモリ、読取り専用メモリ、フラッシュメモリ、リムーバブルメモリ、若しくは他のタイプの記憶素子、またはそのようなデバイスの組合せとして実装することができる。
【0053】
センサ(単数または複数)210は、ユーザまたは別の電子デバイスとの間でデータを送信および/または受信してもよい。センサ(単数または複数)210は、1つ以上のボタンなどのタッチ感知入力面、1つ以上のマイクロフォン若しくはスピーカ、および/またはマイクロフォンポートなどの1つ以上のポートを含んでもよい。
【0054】
ウォッチ100は、ウォッチ100上の実質的にどこにでも配置された1つ以上のセンサ210も含んでもよい。センサ(単数または複数)210は、画像、圧力、光、タッチ、力、温度、位置、動きなどだがこれらに限定されない、実質的に任意の種類の特性を感知するように構成することができる。例えば、センサ(単数または複数)210は、画像センサ、温度センサ、光または光学センサ、気圧センサ、湿度センサ、磁石、ジャイロスコープ、加速度計などであってもよい。他の実施例では、ウォッチ100は、1つ以上の健康センサを含んでもよい。いくつかの実施例では、健康センサは、ウォッチ100の筐体の底面上に配置することができる。
【0055】
電源は、ウォッチ100にエネルギを提供することのできる任意のデバイスにより実装することができる。例えば、電源は、1つ以上のバッテリ若しくは充電式バッテリ、または遠隔制御デバイスを壁コンセントなどの別の電源に接続する接続ケーブルであってもよい。他の実施例では、無線電力を使用することができる。
【0056】
ネットワーク通信インターフェース222は、標準化されたまたは独自のプロトコルにわたって他の電子デバイスへのまたはそれからのデータの送信を容易にすることができる。例えば、ネットワーク通信インターフェースは、無線および/または有線ネットワーク接続を介して電子信号を送信することができる。無線および有線のネットワーク接続の例としては、セルラー、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、赤外線、およびイーサネットが挙げられるが、これらに限定されない。
【0057】
触覚出力デバイス220は、力フィードバック、振動フィードバック、触知感覚などを提供するように構成された任意の好適なデバイスとして実装することができる。例えば、一実施形態では、触覚出力デバイス220は、タップまたはノックなどの断続触覚フィードバックを提供するように構成されたリニアアクチュエータとして実装することができる。
【0058】
上述のように、ウォッチ100は、検出器250を含むことができる。いくつかの実施形態では、検出器は、ウォッチバンドの特性を判定するために、ウォッチバンドの少なくとも一部分を測定、監視、探査、または他の方法でそれと相互作用するように構成されたアナログ回路、デジタル回路、または集積回路であってもよい。検出器250は、静電容量感知デバイスとする、またはそれを含むことができ、検出された特性は、ウォッチバンドの少なくとも一部分の静電容量であってもよい。検出器250は、プロセッサ206並びに/または別の構成要素および/若しくはデバイスと通信して、検出器250によって検出された特性(例えば、静電容量)に基づいて動作を実行することができる。そのような動作は、ユーザに出力を提供すること、計算を実行すること、他のデバイスと通信すること、および/または追加の検出を実行することを含むことができる。
【0059】
特定の実施形態では、ウォッチ100は、ウォッチのバンドおよび/またはフィット性を動的にサイズ変更することができることが理解されよう。例えば、上述のように、テンショナ400は、ウォッチ100に含まれる、またはそれに結合することができる。いくつかの実施例では、テンショナ400は、筐体内に含まれてもよい。他の実施例では、テンショナ400は、バンド内に含まれてもよい。また更なる実施例では、テンショナ400の一部分は、筐体内に含まれてもよく、テンショナ400の一部分は、バンド内に含まれてもよい。いくつかの実施例では、テンショナ400は、バンドおよび筐体に結合することができる。例えば、テンショナ400は、バンドを筐体に結合するカップリングおよび/またはラグの形態をとることができる。
【0060】
用語「テンショナ」並びに関連する語句および専門用語は、本明細書では、一般に、ユーザの手首または他の部分にあるバンドのフィット性を調整するために、バンドの少なくとも1つの特徴を変更するバンドの構造的構成要素を指すために使用される。例えば、回路、装置、コントローラ、またはプロセッサによって実行されるプログラムコードは、刺激(例えば、信号、コマンド、熱、機械的エネルギなど)をテンショナ400またはウォッチバンドの他の部分に適用して、内部に変化をもたらすことができる。
【0061】
ここで図4および図5を参照すると、ウォッチは、手首にある構成および手首から外れた構成などの異なる構成間で遷移する能力を備えることができる。構成の変化は、ウォッチバンドの1つ以上の特性に対応する、かつ検出可能な影響を及ぼすことができる。
【0062】
図4は、弛緩した手首から外れた構成のウォッチの側面図を示す。図4に示すように、ウォッチバンド150は、第1のバンド部分152および第2のバンド部分154を含むことができる。第1のバンド部分152は、第1の係合要素162を含むことができ、第2のバンド部分154は、第2の係合要素164を含むことができる。
【0063】
第1のバンド部分152および第2のバンド部分154は、ウォッチバンド150が弛緩した手首から外れた構成にある間に、互いに、かつ/またはウォッチ本体104から離れて延びることができる。そのような構成は、外力がないときにウォッチバンド150が好ましい位置および/または向きまで延びることが可能であるものであってもよい。追加的または代替的に、そのような構成は、ウォッチ100が平坦な表面上に配置されたときにウォッチバンド150が想定されるものであってもよい。
【0064】
図5に示すように、ウォッチバンド150は、ユーザ102の手首に合わせて容易に輪郭を形成するように構成された、柔軟材料から形成する、または柔軟構造に形成することができる。
【0065】
ウォッチバンド150は、ユーザ102の手首の周りに閉ループを形成する重なり合う構成要素として示されている。これらの実施例では、第1のバンド部分152および第2のバンド部分154は、一緒に取り付けることができる。例えば、第1の係合要素162は、第2の係合要素164と係合して、第1のバンド部分152および第2のバンド部分154を相対的に固定することができる。第1の係合要素162および第2の係合要素164は、様々な構成のうちの1つ以上で互いに係合して、ユーザ102の手首に対して異なるフィット性または締まりのレベルを提供することができる。例えば、第1の係合要素162は、第1のバンド部分152の一部分から離れて延びるポストまたは他の突出部材を含むことができる。第2の係合要素164は、第2のバンド部分154の少なくとも一部分を通って延びる1つ以上の開口部であってもよく、またはそれを含むことができる。更なる実施例では、第1の係合要素162および第2の係合要素164は、座屈留め金を形成することができる。更なる実施例では、第1の係合要素162および第2の係合要素164は、ロック、ラッチ、スナップ、ねじ、留め金、ねじ山、磁石、ピン、締まり(例えば、摩擦)嵌合、ローレット押圧、バヨネット結合、面ファスナ、および/またはそれらの組み合わせを含むことができる。
【0066】
ウォッチバンド150は、重なり合う構成要素を有するものとして示されているが、ウォッチバンド150は、代替的に、ウォッチ本体104の両端部から延びる単一の連続した構造体を形成することができる。ウォッチバンド150は、ユーザ102の手首にウォッチ100を着用するまたはユーザ102の手首からウォッチ100を取り外すために伸長して、所望の位置および向きに留まるようにユーザ102の手首に対して十分な締まりを提供することができる。
【0067】
弛緩した手首から外れた構成と固定された手首にある構成との間で遷移するとき、ウォッチバンドは、検出可能な様式で少なくとも1つの特性(例えば、静電容量)に変化を受けることができる。そのような検出は、ウォッチバンドの長さ、係合状態、および/または曲率の変化の結果として行うことができる。
【0068】
弛緩した手首から外れた構成では、図4に示すように、ウォッチバンド150は、例えば、長手方向軸に沿って伸長されていない(例えば、ウォッチ本体104に向かって長手方向に収縮することが可能な)第1の長さを有することができる。固定された手首にある構成では、図5に示すように、ウォッチバンド150は、例えば、長手方向軸に沿って(例えば、ウォッチ本体104から長手方向に離れて)伸長されている、第1の長さとは異なる(例えば、より大きい)第2の長さを有することができる。ウォッチバンド150をその長さに沿って伸長することにより、ウォッチバンド150の静電容量センサ300によって検出可能な方法で、ウォッチバンド150の少なくとも一部分の少なくとも1つの特性(例えば、静電容量)を変化させることができる。
【0069】
ここで図6図9を参照すると、ウォッチバンドは、ウォッチバンドがその構成を変更するときに、ウォッチバンドの少なくとも一部分の少なくとも1つの特性(例えば、静電容量)への変化を容易にすることができる。ウォッチバンド150は、基板170および静電容量センサ300を含むことができる。静電容量センサ300は、例えば、基板170上に取り付けられ、かつ/または基板170内に埋め込まれることによって、基板に結合することができる。静電容量センサ300は、基板170の変化に応じて、相対的に移動可能、分離可能、または他の方法で調整可能であるように、基板170に各々独立して結合された複数のプレート302および/または電極を含むことができる。
【0070】
いくつかの実施形態では、基板170は、少なくとも部分的に、ユーザの手首に取り付けられたときにウォッチ100の支持を維持するのに十分な剛性を維持しながら、ユーザの手首に合わせて容易に輪郭を形成するのに好適な可撓性を有するように選択されたショア硬度を有するものなど、ポリマー、エラストマー、フルオロエラストマーポリマー、FKM、または他のポリマーなどの弾性材料から形成することができる。例えば、特定の実施形態のバンドは、60~80の範囲のショアA硬度および/または12MPaを超える引張強度を有することができる。本明細書に記載のいくつかの実施形態は、ウォッチバンド150が少なくとも部分的に非柔軟材料から柔軟な構造に形成される構成を含む。例えば、金属メッシュを使用して、ウォッチバンド150の少なくとも一部分を形成することができる。いくつかの実施形態では、ウォッチバンドは、少なくとも部分的に、多数の金属リンクを接合することによって形成することができる。いくつかの実施形態では、ウォッチバンドは、少なくとも部分的に、多数のガラスリンクまたは結晶リンクを接合することによって形成することができる。いくつかの実施形態では、ウォッチバンド150は、柔軟材料と非柔軟材料の組み合わせから形成することができる。
【0071】
静電容量センサ300は、基板170上および/または基板170内に堆積される金属または他の導電性材料から形成された2つ以上のプレート302、電極、または他の構造体を含むことができる。本明細書で使用されるとき、「プレート」または「電極」は、任意の所与の領域にわたって任意の形状および/またはスパンを形成することができる様々な導電性構造体のうちの1つ以上を含むことができる。プレート302は、銅、鋼、アルミニウム、および/または別の導電性金属若しくは金属合金を含むことができる。プレート302は、基板170によって分離されているように示されているが、基板170または誘電体若しくは電気絶縁性材料を形成する別のコアをプレート302の間に提供することができることが理解されよう。
【0072】
図6に示すように、第1の構成では、ウォッチバンド150は、比較的弛緩した状態、圧縮された状態、または非屈曲状態のウォッチバンド150に対応する状態の基板170を提供することができる。例えば、第1の構成は、比較的弛緩した(例えば、低張力またはゆるんだ)状態の手首から外れた構成または手首にある構成に対応することができる。第1の構成では、静電容量センサ300のプレート302は、プレート302の間の間隙距離340によって示されるように、他の構成よりも互いに比較的遠くにあってもよい。第1の構成にある間に、プレート302の間の第1の静電容量を提供して、検出することができる。したがって、プレート302の間の測定された静電容量は、ウォッチバンド150が第1の構成にあることを検出器に示すことができる。
【0073】
図7に示すように、第2の構成では、ウォッチバンド150は、比較的伸長した状態、屈曲状態のウォッチバンド150に対応する状態の基板170を提供することができる。例えば、第2の構成は、比較的伸長した(例えば、高張力または緊密な)状態の手首にある構成に対応することができる。そのような変化は、ユーザの移動、手首の膨張、ウォッチのシフト、および/またはテンショナの動作によって生成することができる。第2の構成では、静電容量センサ300のプレート302は、プレート302の間の間隙距離340によって示されるように、他の構成よりも互いに比較的近くにあってもよい。第2の構成にある間に、プレート302の間の第2の静電容量を提供して、検出することができる。したがって、プレート302の間の測定された静電容量は、ウォッチバンド150が第2の構成にあることを検出器に示すことができる。
【0074】
図6および図7に示すように、(例えば、間隙距離340に基づく)静電容量は、バンド150の張力および/または締まりに逆相関することができる。例えば、図6および図7に示される配置では、バンド150の長手方向軸に沿った伸長は、バンド150の幅の対応する狭窄を引き起こし、それによって、プレート302を互いに向かって移動させて、間隙距離340を低減させることができる。したがって、バンド150の張力は、以下のように、静電容量センサ300の静電容量と間隙距離340に関連することができる。
【数1】
式中、Tは、バンド150の張力であり、Fは、ユーザの手首にかかる力であり、Dは、間隙距離340であり、Cは、静電容量センサ300の静電容量である。
【0075】
他の配置では、静電容量は、バンド150の張力および/または締まりに直接関連することができる。図8に示すように、第1の構成では、ウォッチバンド150は、比較的弛緩した状態、圧縮された状態、または非屈曲状態のウォッチバンド150に対応する状態の基板170を提供することができる。第1の構成では、静電容量センサ300のプレート302は、プレート302の間の間隙距離340によって示されるように、他の構成よりも互いに比較的近くにあってもよい。第1の構成にある間に、プレート302の間の第1の静電容量を提供して、検出することができる。したがって、プレート302の間の測定された静電容量は、ウォッチバンド150が第1の構成にあることを検出器に示すことができる。
【0076】
図9に示すように、第2の構成では、ウォッチバンド150は、比較的伸長した状態、屈曲状態のウォッチバンド150に対応する状態の基板170を提供することができる。第2の構成では、静電容量センサ300のプレート302は、プレート302の間の間隙距離340によって示されるように、他の構成よりも互いに比較的遠くにあってもよい。第2の構成にある間に、プレート302の間の第2の静電容量を提供して、検出することができる。したがって、プレート302の間の測定された静電容量は、ウォッチバンド150が第2の構成にあることを検出器に示すことができる。
【0077】
図8および図9に示すように、(例えば、間隙距離340に基づく)静電容量は、バンド150の張力および/または締まりに直接関連することができる。例えば、図8および図9に示される配置では、バンド150の長手方向軸に沿った伸長は、プレート302を互いに離れて移動させて、間隙距離340を増加させることができる。したがって、バンド150の張力は、以下のように、静電容量センサ300の静電容量と間隙距離340に関連することができる。
【数2】
式中、Tは、バンド150の張力であり、Fは、ユーザの手首にかかる力であり、Dは、間隙距離340であり、Cは、静電容量センサ300の静電容量である。
【0078】
プレート302の間の静電容量の対応する変化に基づいて、任意の数の他の構成を提供して検出することができることがさらに理解されるであろう。例えば、構成は、第1の構成と第2の構成の間の、および/または第1の構成と第2の構成のいずれかを超える任意のものを含むことができる。
【0079】
ここで図10および図11を参照すると、静電容量センサの様々な配置を提供することができる。そのような配置は、外部の影響を遮蔽して、信号強度を改善することによって、正確な感知を容易にすることができる。
【0080】
図10に示すように、静電容量センサ300は、誘電体または電気絶縁性材料を形成するコア330によって分離された接地電極320および感知電極310を含むことができる。任意選択的に、本明細書に開示される電極は、プレートまたは他の導電性構造体を形成することができる。感知電極310および接地電極320の両方は、検出器250に動作可能に接続することができる。任意選択的に、検出器250は、ウォッチのウォッチ本体内またはバンド内に配置することができる。
【0081】
感知電極310および接地電極320に加えて、静電容量センサ300は、シールド電極350を含むことができる。シールド電極350は、感知電極310に対して接地電極320とは反対側に配置することができる。更なる実施例では、感知電極310は、接地電極320とシールド電極350との間に配置することができる。任意選択的に、シールド電極350は、感知電極310よりも著しく大きくすることができる。追加的または代替的に、シールド電極350の一部分は、感知電極310の1つ以上の側面を取り囲むことができる。例えば、感知電極310は、シールド電極350が感知電極310の複数の側面を取り囲むように、シールド電極350の凹部内に配置することができる。シールド電極350または他のシールドは、ルーティング(例えば、ケーブル、コネクタ、ワイヤなど)および他の非電極領域に遮蔽を提供することができる。
【0082】
シールド電極350は、間隙距離340の変化が感知電極310と接地電極320との間の静電容量によってより正確に表されるように、感知電極の側面上の電界を打ち消す、かつ/または低減するのに役立つことができる。例えば、シールド電極350を提供することにより、寄生容量または電界の意図しない変化を引き起こす任意の他の干渉容量などの干渉を低減することができる。検出器250は、シールド電極350が感知電極310と同じ電位で駆動されるように、アクティブ信号出力でシールド電極350を駆動することができる。これは、シールド電極350と感知電極310との間の任意の電位差を除去するのに役立つ。任意の外部干渉は、感知電極310との最小限の相互作用でシールド電極350に結合することになる。したがって、シールド電極350は、感知ゾーンを特定の領域に(例えば、接地電極320の方向に)向けて集束させ、環境干渉を低減し、寄生容量を低減し、かつ/または接地板に対する温度変動効果を排除するのに役立つことができる。
【0083】
図11に示すように、静電容量センサ300は、電極および/またはプレートの複数の層を含むことができる。例えば、静電容量センサ300は、感知電極310の両側の接地電極320の間に配置された感知電極310を含むことができる。感知電極310は、誘電体または電気絶縁性材料を形成する対応するコア330によって、接地電極320の各々から分離することができる。感知電極310および接地電極320の各々は、検出器250に動作可能に接続することができる。任意選択的に、検出器250は、ウォッチのウォッチ本体内またはバンド内に配置することができる。
【0084】
感知電極310の両側の複数の接地電極320を提供することによって、両方のコア330は、バンドの変化時にそれらの対応する間隙距離340を変更することができる。したがって、感知電極310によって感知された静電容量の変化は、1つの接地電極320のみが提供される別の配置と比較して、効果的に2倍にすることができる。さらに他の電極を提供して、変化の効果を変更(例えば、増幅)することができることが理解されよう。より増幅された静電容量を提供することによって、変化は、より容易に、かつより高い精度で検出することができる。
【0085】
図10および図11に示される配置は、図10に示されるようなシールド電極を図11の感知電極310および接地電極320とともに提供するようになど、組み合わせることができることが理解されるであろう。そのようなシールド電極は、接地電極320および/または感知電極310の側面に配置して、電界の検出を誘導することができる。
【0086】
ウォッチは、静電容量センサに基づく検出に応答して、バンドのフィット性を変更することができる。例えば、ウォッチ100は、ウォッチ100のフィット性の動的調整を提供するために、テンショナ400を含むことができる。テンショナは、多数の方法でウォッチ100のフィット性を変更することができる。例えば、テンショナは、ウォッチに結合されたバンドの1つ以上の寸法を調整することができる。別の実施例では、テンショナは、バンドとウォッチ本体との間のカップリングを調整することができる。別の実施例では、テンショナは、バンドに対するウォッチの筐体の位置を調整することができる。さらに他の実施形態では、他の調整が可能である。
【0087】
いくつかの実施形態では、図12に示すように、ウォッチ100のフィット性を調整するために、バンド150の有効長を増加または減少させることができる。このタイプの調整は、「締結力」と呼ばれることがある。これらの実施形態では、バンド150の長さが短いほど、ウォッチ100のフィット性をより緊密にすることができる。同様に、バンド150の長さが長いほど、ウォッチ100のフィット性をより緩くすることができる。バンド150に対する長さの調整は、双方向矢印で図12に示されている。図に示すように、長さは、バンド150の有効長の変化を達成するためにバンド150のすべての部分に沿って変化する必要はない。
【0088】
いくつかの実施形態では、図13に示すように、ウォッチ100のフィット性を調整するために、バンド150の形状を調整することができる。このタイプの調整は、「巻き付け力」と呼ばれることがある。例えば、バンド150の断面形状は、バンド150のユーザ係合面に沿ってなど、バンド150の内周によって画定することができる。バンド150は、バンド150の対向する内面間の距離によって規定される複数の断面寸法を規定することができる。ウォッチ本体104の筐体はまた、断面寸法を規定する端部を提供することができることが理解されよう。バンド150の形状の変化がバンド150の少なくとも1つの断面寸法を変化させる場合、ウォッチ100のフィット性は、変化した断面寸法を規定するバンド150の部分によって加えられる力を変化させることによって、変更することができる。これらの実施形態では、バンド150の断面寸法が短いほど、ウォッチ100のフィット性をより緊密にすることができる。同様に、バンド150の断面寸法が大きいほど、ウォッチ100のフィット性をより緩くすることができる。バンド150に対する形状調整は、双方向矢印で図13に示されている。図に示すように、形状は、バンド150のすべての部分に沿って変化する必要はない。
【0089】
いくつかの実施形態では、図14に示すように、ウォッチ100のフィット性を調整するために、バンド150の厚さを増加または減少させることができる。このタイプの調整は、「圧力」と呼ばれることがある。これらの実施形態では、バンド150が厚いほど、ウォッチ100のフィット性をより緊密にすることができる。同様に、バンド150が薄いほど、ウォッチ100のフィット性をより緩くすることができる。バンド150に対する厚さの調整は、双方向矢印で図14に示されている。図に示すように、厚さは、バンド150のすべての部分に沿って変化する必要はない。
【0090】
本明細書に記載の調整は、機械的エネルギ、熱、電気信号などの刺激を適用することによって行うことができる。そのような刺激は、ウォッチ本体および/またはバンドの1つ以上の部分を移動させることによって、本明細書に記載されるような締まりの調整をもたらすことができる。モータ、アクチュエータ、ポンプ、膨張可能なブラダー、電気活性材料、熱応答性材料などの対応する構造を提供して、そのような調整を達成することができる。
【0091】
任意の所与のバンドが図12図14に示される調整および/または他の調整のうちの1つ以上を提供することができることが理解されよう。図12図14に示される調整および/または他の調整は、本明細書に記載の他のバンドおよび/またはウォッチの実施形態に等しくまたは同等に適用することができることがさらに理解されるであろう。より一般的には、本明細書に提示される様々な実施例および実施形態は、多くのバンドおよび/またはウォッチに等しくまたは同等に適用することができ、単一の実施形態またはテンショナ若しくはウォッチ自体によるそれへの調整は、その単一の実施形態に限定されるものと見なされるべきではないことを理解されたい。
【0092】
ここで図15および図16を参照すると、ウォッチは、検出された特性(例えば、静電容量)および/またはその変化に関連付けられていると判定されたアクションを実行することができる。検出された特性に対応するアクションは、ウォッチのプロセッサおよび/または他の構成要素によって実行する命令を含むことができる。代替的または追加的に、アクションは、その電子デバイス以外の別のデバイスに命令を実行させることを含むことができる。アクションは、特性の検出時に自動的に実行することができる。追加的または代替的に、ウォッチは、アクションのユーザ確認を要求するプロンプトを提供することができ、アクションは、ユーザ確認が受信された後に実行することができる。追加的または代替的に、ユーザは、アクションを手動でオーバーライドまたは修正することができる。
【0093】
特性の検出に応じて、ウォッチ100によって実行されるアクションは、ウォッチ100の通常の動作以外のアクションを含む。例えば、ウォッチ100は、バンドが特定の構成にあることが検出されたときにのみ利用可能であるアクションを実行することができる。
【0094】
いくつかの実施形態では、特性の検出は、そうでなければ利用可能でないアクションの許可として機能することができる。例えば、ウォッチは、手首から外れた構成にあるときにロックすることができる。更なる実施例では、ウォッチは、手首にある構成にあるときにロック解除することができる、またはロック解除可能であってもよい。
【0095】
図15は、検出された静電容量に基づいてウォッチの動作状態を判定するための例示的なプロセス1500のフロー図を示す。説明のために、プロセス1500は、本明細書では主として図1図5のウォッチ100を参照して説明する。しかしながら、プロセス1500は、図1~5のウォッチ100に限定されず、プロセス1500の1つ以上のブロック(または動作)は、ウォッチの異なる構成要素および/または1つ以上の他のデバイスによって実行されてもよい。さらに、説明を目的として、プロセス1500のブロックは、本明細書では逐次的にまたは直線的に発生するものとして説明されている。しかし、プロセス1500の複数のブロックは、並行して発生してもよい。加えて、プロセス1500のブロックは、図示された順序で実行される必要はなく、並びに/またはプロセス1500の1つ以上のブロックは、実行されなくてもよく、かつ/若しくは他の動作によって置き換えることができる。
【0096】
プロセス1500は、ウォッチ100がバンドのなど静電容量センサの静電容量を測定するときに開始することができる(1502)。測定は、任意選択的に、バンドの状態に基づいて、ウォッチ本体の検出器によって行うことができる。測定された静電容量を評価して、ウォッチがユーザの手首にある状態にそれが対応するかどうかを判定することができる(1504)。例えば、所定の静電容量値は、手首にある構成および手首から外れた構成に関連付けることができる。いくつかの実施形態では、手首が存在することが検出される場合、ウォッチは、ロック解除することができる、かつ/またはロック解除可能であってもよい(例えば、ユーザがパスコードを提供するためのプロンプトにより)。手首が存在しないことが検出される場合、ウォッチは、ロックすることができる。他のアクションを検出可能な手首にある構成および手首から外れた構成の各々に割り当てることができることが理解されよう。
【0097】
図16は、検出された静電容量に基づいてウォッチの張力を制御するための例示的なプロセス1600のフロー図を示す。説明のために、プロセス1600は、本明細書では主として図1図5および図12図14のウォッチ100を参照して説明する。しかしながら、プロセス1600は、図1図5および図12図14のウォッチ100に限定されず、プロセス1600の1つ以上のブロック(または動作)は、ウォッチの異なる構成要素および/または1つ以上の他のデバイスによって実行されてもよい。さらに、説明を目的として、プロセス1600のブロックは、本明細書では逐次的にまたは直線的に発生するものとして説明されている。しかし、プロセス1600の複数のブロックは、並行して発生してもよい。加えて、プロセス1600のブロックは、図示された順序で実行される必要はなく、並びに/またはプロセス1600の1つ以上のブロックは、実行されなくてもよく、かつ/若しくは他の動作によって置き換えることができる。
【0098】
プロセス1600は、ウォッチ100がバンドのなど静電容量センサの静電容量を測定するときに開始することができる(1602)。測定は、任意選択的に、バンドの状態に基づいて、ウォッチ本体の検出器によって行うことができる。測定された静電容量は、ユーザの手首にあるバンドの好ましい締まりに対応する目標値と比較することができる(1604)。比較に基づいて、ウォッチは、締まりの調整が推奨されるかどうかを判定することができる。(1606)。調整が推奨される場合、本明細書に記載されるように、テンショナを動作させて、締まりを調整することができる。プロセス1600は、任意選択的に、目標が達成されるまで閉ループアプローチに従って調整が実行されるように、繰り返すことができる。そのような調整は、動的に、かつ/またはユーザ入力を必要とすることなく、行うことができる。追加的または代替的に、ウォッチは、静電容量、締まりなどに関する情報をユーザに提供して、ユーザが手動で調整を行うことを可能にすることができる。
【0099】
特性の検出に応じてウォッチによって実行される追加および/または代替のアクションは、ウォッチの通常の動作に影響を与えることを含む。例えば、ウォッチの通常の動作は、検出された特性に基づいて、追加のまたは変更された特徴で維持することができる。したがって、その通常の動作中のウォッチでのユーザの体験が向上する。
【0100】
いくつかの実施形態では、特性の検出時に、ウォッチは、バンド110の特性に対応する視覚ユーザインターフェースの特徴を提供する。
【0101】
いくつかの実施形態では、特性の検出時に、ウォッチの他の設定を修正することができる。所与の構成のバンドは、ウォッチによってサポートされる活動に関連付けることができる。例えば、ウォッチは、特定の情報を表示し、ユーザの活動を追跡し、バイオメトリック読み取りを行い、ユーザの位置を記録し、活動追跡アプリを起動し、かつ/または通知設定を修正することができる(例えば、より目立つように)。
【0102】
いくつかの実施形態では、ウォッチは、検出を実行し、必ずしもユーザによって知覚可能ではない方法でアクションを行うことができる。例えば、ウォッチは、1つ以上のバンドおよびその構成の使用を追跡することができる。追跡された使用情報は、各バンドの使用前、使用中、および/または使用後の期間に関する日付、時間、持続時間、位置、活動、ユーザのバイオメトリック、および/または環境特徴を含む。追跡された使用情報は、ウォッチのバックグラウンドプロセス中に収集することができる。追跡された使用情報は、ユーザに出力する、または分析のために外部デバイスにアップロードすることができる。追跡された使用情報は、各バンドがどのように使用されるかに関する機械学習に使用することができる。
【0103】
ウォッチは、バンド150の識別時に様々な他のアクションを実行することができる。特性の検出に、ウォッチによって実行することができる任意の関連するアクションが続くことができることが認識されるであろう。例えば、ウォッチが必要な能力を有する場合、ウォッチは、アプリを起動し、ウェブサイトを開き、タイマーを開始し、メッセージを表示し、警告を提供し、別のデバイスおよび/または他の機能と通信する。
【0104】
したがって、本明細書に記載のウォッチバンドは、ウォッチバンドの検出された特性および構成に基づいて1つ以上の動作を実行するウォッチの能力を促進することができる。ウォッチバンドの特性は、異なる構成に配置されたときに変化することができ、これらの特性の各々は、様々な構成の各々と相関することができる。特性を測定して、ウォッチバンドが様々な構成のうちのどれにあるかを検出することができる。例えば、ウォッチバンドは、ウォッチバンドがその構成を変更するときにその静電容量を変化させる調整可能なコンデンサを含むことができる。例えば、静電容量は、ウォッチバンドの伸長、ウォッチバンドの曲げ、並びに/または係合要素の固定および解放に基づいて変化することができる。ウォッチまたは別のデバイスは、ウォッチバンドの検出された特性および構成に基づいて、1つ以上の動作を実行することができる。
【0105】
本開示の態様の様々な実施例は、便宜のための項目として以下に記載される。これらは例として提供されており、主題の技術を限定しない。
【0106】
項目A:検出器を含むウォッチ本体と、ウォッチ本体に結合されるように構成されたウォッチバンドであって、弾性材料の基板と、基板の伸長に伴って相対的に移動するように配置された導電板と、を含む、ウォッチバンドと、を備え、ウォッチ本体の検出器が、導電板間の静電容量を測定し、静電容量に基づいて動作を実行する、ように構成されている、ウォッチ。
【0107】
項目B:ウォッチバンドであって、ウォッチバンドが第1の寸法を規定するときの第1の構成とウォッチバンドが第1の寸法とは異なる第2の寸法を規定するときの第2の構成との間で遷移するように構成されたコアと、コアが第1の構成にある間に第1の静電容量を提供し、コアが第2の構成にある間に第1の静電容量とは異なる第2の静電容量を提供する、ように構成された導電板と、を備える、ウォッチバンド。
【0108】
項目C:少なくとも1次元方向に伸長するように構成された基板と、接地電極と、基板が少なくとも1次元方向に伸長するときに圧縮または伸長するように構成されたコアによって接地電極から分離された感知電極と、感知電極に対して接地電極とは反対側にあるシールド電極と、を備え、シールド電極が、感知電極の、接地電極とは反対側の電界を低減するように動作可能である、ウォッチバンド。
【0109】
上記の項目のうちの1つ以上は、以下に記載される特徴のうちの1つ以上を含むことができる。以下のいずれかの項目は、互いに任意の組み合わせで組み合わされて、それぞれの独立した項目、例えば、A、B、またはCに含められてもよいことに留意されたい。
【0110】
項目1:検出器は、静電容量に基づいて、ウォッチバンドがユーザの手首にウォッチを固定しているかどうかを検出するようにさらに構成されている。
【0111】
項目2:検出器は、静電容量に基づいて、ウォッチバンドがユーザの手首にウォッチを固定していないことを検出し、検出器は、パスコードが提供されるまで、ウォッチの少なくとも1つの機能へのアクセスを防止するようにさらに構成されている。
【0112】
項目3:検出器は、静電容量に基づいて、ウォッチバンドにわたる張力を検出するようにさらに構成されている。
【0113】
項目4:ウォッチバンドは、ウォッチバンドの有効長を変更するように構成されたテンショナをさらに備える。
【0114】
項目5:テンショナは、静電容量に基づいて、ウォッチバンドの有効長を変更するように構成されている。
【0115】
項目6:導電板は、コアの第1の側の接地電極と、コアの第2の側の感知電極と、コアの第2の側のシールド電極と、を含み、感知電極は、感知電極の、接地電極とは反対側の電界を低減するように、接地電極とシールド電極との間にある。
【0116】
項目7:導電板は、第1の接地電極と、第2の接地電極と、第1の接地電極と第2の接地電極との間の感知電極と、を含む。
【0117】
項目8:感知電極は、コアによって第1の接地電極から分離されており、感知電極は、追加のコアによって第2の接地電極から分離されている。
【0118】
項目9:第1の構成は、ウォッチバンドがユーザの手首にウォッチを固定しているときに達成され、第2の構成は、ウォッチがユーザの手首から取り外されているときに達成される。
【0119】
項目10:第1の寸法は、弛緩した構成のウォッチバンドの長さであり、第2の寸法は、伸長した構成のウォッチバンドの長さである。
【0120】
項目11:第1の構成では、ウォッチバンドは、第1の張力下にあり、第2の構成では、ウォッチバンドは、第1の張力とは異なる第2の張力下にある。
【0121】
項目12:ウォッチバンドは、第1の係合要素を有する第1のバンド部分と、第2の係合要素を有する第2のバンド部分と、をさらに備え、第1の構成では、第1の係合要素は、第2の係合要素と係合し、第2の構成では、第1の係合要素は、第2の係合要素と係合しない。
【0122】
項目13:シールド電極は、感知電極よりも大きい。
【0123】
項目14:接地電極、感知電極、およびシールド電極に動作可能に接続された検出器を備えるウォッチ本体。
【0124】
項目15:検出器は、感知電極およびシールド電極を同じ電圧で駆動するように構成されている。
【0125】
項目16:コアは、ウォッチバンドが第1の寸法を規定するときの第1の構成とウォッチバンドが第1の寸法とは異なる第2の寸法を規定するときの第2の構成との間で遷移するように構成されており、感知電極および接地電極は、コアが第1の構成にある間に第1の静電容量を提供し、コアが第2の構成にある間に第1の静電容量とは異なる第2の静電容量を提供する、ように構成されている。
【0126】
項目17:感知電極の一面の追加の接地電極。
【0127】
個人特定可能な情報の使用は、ユーザのプライバシーを維持するための業界または政府の要件を満たすまたは超えるとして一般に認識されているプライバシーポリシおよびプラクティスに従うべきであることに十分に理解されたい。特に、個人特定可能な情報データは、意図されないまたは許可されていないアクセスまたは使用のリスクを最小限に抑えるように管理および取り扱いされるべきであり、許可された使用の性質はユーザに明確に示されるべきである。
【0128】
単数形のエレメントへの言及は、具体的に述べられていない限り、1つおよび唯一のものを意味するものではなく、むしろ1つ以上を意味することを意図している。例えば、「a」モジュールは、1つ以上のモジュールを指すことができる。「a」、「an」、「the」、または「said」によって続けられたエレメントは、更なる制約なしに、追加の同じエレメントの存在を排除しない。
【0129】
もしあれば、見出しおよび小見出しは、便宜上のみに使用され、発明を限定しない。例示的という単語は、例または例示として示すことを意味するために使用される。含む、有するなどの用語が使用される限りにおいて、そのような用語は、備えるが特許請求の範囲において移行語として使用されるときに解釈されるように、備えるという用語と同様の方法で包括的であることを意図する。第1および第2などの関係的な用語は、そのようなエンティティまたはアクション間の実際のそのような関係または順序を必ずしも要求または示唆することなく、あるエンティティまたはアクションを別のエンティティまたはアクションから区別するために使用され得る。
【0130】
一態様、その態様、別の態様、いくつかの態様、1つ以上の態様、一実装形態、その実装形態、別の実装形態、いくつかの実装形態、1つ以上の実装形態、一実施形態、その実施形態、別の実施形態、いくつかの実施形態、1つ以上の実施形態、一構成、その構成、別の構成、いくつかの構成、1つ以上の構成、主題の技術、開示、本開示、それらの他の変形、および同様のフレーズは、便宜上のものであり、そのようなフレーズ(単数または複数)に関する開示が主題の技術に不可欠であること、またはそのような開示が主題の技術のすべての構成に適用されること、の意味を含むものではない。そのようなフレーズ(単数または複数)に関する開示は、すべての構成、または1つ以上の構成に適用することができる。そのようなフレーズ(単数または複数)に関する開示は、1つ以上の例を提供することができる。態様またはいくつかの態様などのフレーズは、1つ以上の態様を指すことができ、その逆も同様であり、これは他の前述のフレーズと同様に適用される。
【0131】
本明細書で使用する、一連の項目に先行する「少なくとも1つ」というフレーズは、項目のいずれかを分離する「および」または「または」という用語とともに、リストの各要素ではなく、全体としてリストを修飾する。「少なくとも1つ」というフレーズは、各項目の少なくとも1つの選択を必要とはせず、むしろ、そのフレーズは、項目のうちのいずれか1つの少なくとも1つ、および/または項目の任意の組み合わせのうちの少なくとも1つ、および/または項目のそれぞれのうちの少なくとも1つ、を含む意味を可能にする。例として、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つ」または「A、B、またはCのうちの少なくとも1つ」というフレーズは、それぞれが、Aのみ、Bのみ、またはCのみ、A、B、およびCの任意の組み合わせ、並びに/または、A、B、およびCのそれぞれのうちの少なくとも1つを指す。
【0132】
開示されたステップ、操作、または工程の特定の順序または階層は、例示的なアプローチの一例であることが理解されよう。特に明記しない限り、ステップ、操作、または工程の特定の順序または階層は、異なる順序で実行されてもよいことが理解されよう。一部のステップ、操作、または工程のいくつかは、同時に実行されてもよい。もしあれば、付随する方法の請求項は、サンプル順序での様々なステップ、操作、または工程のエレメントを提示し、提示された特定の順序または階層に限定されることを意味しない。これらは、連続的に、直線的に、並行して、または異なる順序で実行されてもよい。説明された命令、操作、およびシステムは、一般に、単一のソフトウェア/ハードウェア製品に一緒に統合され得るか、または複数のソフトウェア/ハードウェア製品にパッケージ化され得ることが理解されるべきである。
【0133】
一つの態様では、結合された、などの用語は、直接的に結合されていることを指すことがある。別の態様では、結合された、などの用語は、間接的に結合されていることを指すことがある。
【0134】
頂部、底部、前部、後部、側部、水平、垂直などの用語は、通常の重力基準フレームではなく、任意の基準フレームを指す。したがって、このような用語は、重力基準フレームにおいて、上方、下方、斜め、または水平に延びることができる。
【0135】
本開示は、当業者が本明細書で説明した様々な態様を実施することを可能にするために提供される。いくつかの例では、主題の技術の概念を不明瞭にすることを避けるために、周知の構造体および構成要素がブロック図の形態で示されている。本開示は、主題技術の様々な例を提供するものであり、主題技術はこれらの例に限定されない。これらの態様に対する様々な変更は、当業者には容易に明らかであり、本明細書で説明される原理は、他の態様にも適用することができる。
【0136】
当業者に知られている、または後に知られるようになる、本開示を通じて説明される様々な態様のエレメントに対するすべての構造的および機能的な均等物は、参照により明示的に本明細書に組み込まれ、かつ、特許請求の範囲に包含されるものと意図する。さらに、本明細書で開示されたいかなるものも、そのような開示が特許請求の範囲に明白に列挙されているかどうかにかかわらず、公に供するものではない。いかなる特許請求の範囲のエレメントも、エレメントがフレーズ「手段(means for)」を使用して明示的に列挙するか、または方法の請求項の場合には、エレメントがフレーズ「ステップ(step for)」を使用して列挙しない限り、米国特許法第112条第6項の規定に基づいて解釈されるべきではない。
【0137】
発明の名称、背景、図面の簡単な説明、要約、および図面は、これによって本開示に組み込まれ、限定的な説明ではなく、本開示の用例として提供される。それらは、請求項の範囲または意味を制限するために使用されないことを理解して提出されている。加えて、詳細な説明では、説明が用例を提供し、様々な特徴が開示を合理化する目的で様々な実装形態において一緒にグループ化されていることが分かり得るであろう。開示された方法は、特許請求された主題が、それぞれの請求項において明示的に列挙されているよりも多くの特長を必要とするという意図を表すものと、解釈してはならない。むしろ、特許請求の範囲が表すように、本発明の主題は、単一の開示された構成または動作のすべての特徴よりも少ない。特許請求の範囲は、これによって詳細な説明に組み込まれ、各請求項は、別々に請求される主題として独立して存在している。
【0138】
特許請求の範囲は、本明細書に記載される態様に限定されることを意図するものではなく、特許請求の範囲の文言と一致するすべての範囲が与えられ、すべての法的等価物を包含するものとする。しかし、いずれの請求項も、適用される特許法の要件を満たさない主題を包含することを意図しておらず、またそのように解釈されるべきでもない。
図1
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【外国語明細書】