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特開2023-43829制限されたリソース環境における効率的な通信
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023043829
(43)【公開日】2023-03-29
(54)【発明の名称】制限されたリソース環境における効率的な通信
(51)【国際特許分類】
   H04W 28/06 20090101AFI20230322BHJP
   H04W 4/90 20180101ALI20230322BHJP
   H04M 1/73 20060101ALI20230322BHJP
   H04W 72/566 20230101ALI20230322BHJP
   H04M 1/72418 20210101ALI20230322BHJP
【FI】
H04W28/06
H04W4/90
H04M1/73
H04W72/10
H04M1/72418
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022104818
(22)【出願日】2022-06-29
(31)【優先権主張番号】63/245,099
(32)【優先日】2021-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/733,646
(32)【優先日】2022-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.3GPP
(71)【出願人】
【識別番号】503260918
【氏名又は名称】アップル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Apple Inc.
【住所又は居所原語表記】One Apple Park Way,Cupertino, California 95014, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クハティ, ドルヴァ
(72)【発明者】
【氏名】ナラ, シヴァ クリシュナ
(72)【発明者】
【氏名】ミネニ, クリシュナ
(72)【発明者】
【氏名】バラスブラマニアン, サンジーブ
(72)【発明者】
【氏名】マガンティ, アンジャネユル
【テーマコード(参考)】
5K067
5K127
【Fターム(参考)】
5K067AA21
5K067DD51
5K067EE02
5K067HH21
5K127AA16
5K127AA26
5K127BA03
5K127BB07
5K127CA21
5K127FA05
5K127HA08
5K127JA12
5K127JA24
5K127KA07
5K127KA11
(57)【要約】      (修正有)
【課題】リソースが制限されている環境において、無線通信を最適化又は改善するモバイルデバイスおよび方法を提供する。
【解決手段】モバイルデバイスは、応答ネットワークに1つ以上の冗長メッセージを送信するメッセージ要求を検出する。1つ以上のメッセージは、モバイルデバイスから応答ネットワークに以前に送信された情報を含む。モバイルデバイスは、以前に送信されたメッセージに対する1つ以上のメッセージの関連性に対応する、エントロピー係数を判定し、そのエントロピー係数が、ネットワークリソースに対応する閾値を下回る場合には、1つ以上のメッセージの代わりに、1つ以上の冗長ビットを送信する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モバイルデバイスであって、
第1のメッセージセグメントを有する第1のメッセージを応答ネットワークに送信するように構成されている、送信機と、
第2のメッセージセグメントを有する第2のメッセージを前記応答ネットワークに送信する要求を受信し、
前記第1のメッセージに対する前記第2のメッセージの類似性を示すエントロピー係数に基づいて、前記第2のメッセージを冗長ビットとして送信するように構成されている、
処理回路と、を備える、モバイルデバイス。
【請求項2】
前記処理回路が、前記第1のメッセージと前記第2のメッセージとの意味の類似性、前記第2のメッセージ内で使用されている前記第1のメッセージの繰り返しテキストの量、又はその双方に基づいて、前記エントロピー係数を判定するように構成されている、請求項1に記載のモバイルデバイス。
【請求項3】
前記処理回路が、前記エントロピー係数が閾値を下回ることに基づいて前記第2のメッセージを送信するように構成されており、前記閾値が、前記モバイルデバイス、前記応答ネットワーク、又はその双方の、利用可能なリソースの量に関連付けられているリソースレベル値を含む、請求項1に記載のモバイルデバイス。
【請求項4】
前記処理回路が、前記応答ネットワークに関連付けられているネットワーク輻輳レベル、前記モバイルデバイスのバッテリレベル、前記応答ネットワークと前記モバイルデバイスとのリンクバジェット、前記モバイルデバイスの熱レベル、又はこれらの任意の組み合わせに基づいて、前記リソースレベル値を判定するように構成されている、請求項3に記載のモバイルデバイス。
【請求項5】
前記処理回路が、前記第1のメッセージセグメントを、前記第1のメッセージセグメントのテキストの1つ以上のサブセットに対応する、1つ以上の情報セグメントに分割するように構成されている、請求項1に記載のモバイルデバイス。
【請求項6】
前記処理回路が、前記1つ以上の情報セグメントを、連番でタグ付けするように構成されている、請求項5に記載のモバイルデバイス。
【請求項7】
前記処理回路が、前記第1のメッセージの前記1つ以上の情報セグメントのうちの1つ以上が前記第2のメッセージに対応していることを判定し、前記第2のメッセージに対応していると判定された、前記第1のメッセージの前記1つ以上の情報セグメントを送信するように構成されている、請求項6に記載のモバイルデバイス。
【請求項8】
前記処理回路が、前記応答ネットワークに第3のメッセージを送信する要求を受信するように構成されており、前記第3のメッセージが第3のメッセージセグメントを有する、請求項1に記載のモバイルデバイス。
【請求項9】
前記処理回路が、前記第1のメッセージ及び前記第2のメッセージに対する前記第3のメッセージの類似性を示す、前記第3のメッセージに関連付けられるエントロピー係数を判定し、前記エントロピー係数に基づいて、前記第3のメッセージを冗長ビットとして送信するように構成されている、請求項8に記載のモバイルデバイス。
【請求項10】
モバイルデバイスを使用する通信方法であって、
前記モバイルデバイスの処理回路において、第1のメッセージを送信する要求を受信することと、
前記モバイルデバイスの前記処理回路を介して、前記第1のメッセージを複数の情報セグメントに分割することと、
前記モバイルデバイスの送信機を介して、前記第1のメッセージを送信することと、
前記処理回路において、第2のメッセージを送信する要求を受信することと、
前記処理回路を介して、前記第2のメッセージが、前記第1のメッセージの前記複数の情報セグメントのうちの1つ以上の情報セグメントを含むことを判定することと、
前記送信機を介して、前記第2のメッセージの前記1つ以上の情報セグメントが前記第1のメッセージ内の前記1つ以上の情報セグメントを繰り返していることを示す1つ以上の冗長ビットとして、前記第2のメッセージの前記1つ以上の情報セグメントを送信することと、を含む、方法。
【請求項11】
前記送信機を介して、前記第1のメッセージに対する前記第2のメッセージの類似性を示すエントロピー係数を判定することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記類似性が、前記第1のメッセージ及び前記第2のメッセージの意味、前記第2のメッセージ内で使用されている前記第1のメッセージの繰り返しテキストの量、又はその双方に関連付けられる、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記処理回路において、前記モバイルデバイスの場所における群葉の量を受信することと、前記モバイルデバイスの前記場所における前記群葉の量が、群葉閾値を超過していることに基づいて、前記第1のメッセージ及び前記第2のメッセージを、より小さい複数のメッセージに分割することとを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記より小さい複数のメッセージの各メッセージのサイズが、前記モバイルデバイスの前記場所において判定された前記群葉の量に基づく、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記モバイルデバイスの前記場所における前記群葉の量を判定することが、前記処理回路において、前記モバイルデバイスの画像センサによって取り込まれた画像データを受信することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
モバイルデバイスであって、
1つ以上のメッセージをネットワークに送信するように構成されている送信機と、
第1のメッセージセグメント及び第2のメッセージセグメントを有するメッセージを、応答ネットワークに送信する要求を受信し、
前記第1のメッセージセグメントが、以前に送信されたメッセージセグメントに対応していることを判定し、
前記第1のメッセージセグメントを冗長ビットとして前記応答ネットワークに送信し、前記第2のメッセージセグメントを前記応答ネットワークに送信するように構成されている、
処理回路と、を備える、モバイルデバイス。
【請求項17】
前記冗長ビットが、前記以前に送信されたメッセージセグメントに前記第1のメッセージセグメントが対応していることを示す、請求項16に記載のモバイルデバイス。
【請求項18】
前記処理回路が、前記第1のメッセージセグメントと前記以前に送信されたメッセージセグメントとの類似性を示すエントロピー係数を判定することによって、前記以前に送信されたメッセージセグメントに前記第1のメッセージセグメントが対応していることを判定するように構成されている、請求項16に記載のモバイルデバイス。
【請求項19】
前記エントロピー係数が、第1のメッセージと第2のメッセージとの意味の類似性、前記第2のメッセージ内で使用されている前記第1のメッセージの繰り返しテキストの量、又はその双方に基づく、請求項18に記載のモバイルデバイス。
【請求項20】
前記処理回路が、前記エントロピー係数が閾値エントロピー係数を下回ることに基づいて、前記第1のメッセージセグメントを前記冗長ビットとして前記応答ネットワークに送信するように構成されている、請求項19に記載のモバイルデバイス。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2021年9月16日出願の、「EFFICIENT COMMUNICATION IN LIMITED RESOUCE ENVIRONMENTS」と題された米国特許仮出願第63/245,099号に対する優先権を主張するものであり、同出願は、その全体があらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本開示は、全般的に無線通信に関し、より具体的には、デバイス及び/又はネットワークのリソースが制限されている環境において、無線通信を最適化又は改善することに関する。
【0003】
モバイル通信デバイスは、セルラネットワーク、Wi-Fiネットワーク、衛星ネットワークなどのネットワークを利用して、データを送信及び/又は受信することができる。緊急事態(例えば、傷害、地震、ハリケーン)におけるインシデント応答ネットワークへの通信などの、優先度の高い通信の間に、モバイルデバイスのユーザは、ユーザのモバイルデバイスから応答ネットワークに、1つ以上の冗長メッセージを送信する場合がある。冗長メッセージは、応答ネットワークへの重要な情報の通信に対して、遅延を生じさせる恐れがある。更には、冗長メッセージは、ネットワーク輻輳を生じさせる場合もあり、このネットワーク輻輳は、緊急事態の間に応答ネットワークによって送受信される情報を、減少又は遅延させる恐れがある。更には、モバイルデバイスの送信は、デバイスの場所、及び/又はデバイスの場所の環境条件によって影響を受ける場合がある。このことは更に、ネットワークを介して送信される通信における、不完全なデータ送信及び待ち時間をもたらす恐れがある。
【発明の概要】
【0004】
一実施形態では、モバイルデバイスは、第1のメッセージセグメントを有する第1のメッセージを応答ネットワークに送信するように構成されている、送信機と、第2のメッセージセグメントを有する第2のメッセージを応答ネットワークに送信する要求を受信するように構成されている、処理回路とを含む。更には、処理回路は、第1のメッセージに対する第2のメッセージの類似性を示すエントロピー係数に基づいて、第2のメッセージを冗長ビットとして送信するように構成されている。
【0005】
別の実施形態では、モバイルデバイスの処理回路において、第1のメッセージを送信する要求を受信することと、第1のメッセージを複数の情報セグメントに分割することとを含む、モバイルデバイスを使用する通信方法である。更には、この方法は、モバイルデバイスの送信機を介して、第1のメッセージを送信することと、処理回路において、第2のメッセージを送信する要求を受信することとを含む。更には、この方法は、処理回路を介して、第2のメッセージが、第1のメッセージの複数の情報セグメントのうちの1つ以上の情報セグメントを含むことを判定することと、送信機を介して、第2のメッセージの1つ以上の情報セグメントが第1のメッセージの1つ以上の情報セグメントを繰り返していることを示す1つ以上の冗長ビットとして、第2のメッセージの1つ以上の情報セグメントを送信することとを含む。
【0006】
更に別の実施形態では、モバイルデバイスは、1つ以上のメッセージをネットワークに送信するように構成されている、送信機と、応答ネットワークにメッセージを送信する要求を受信するように構成されている、処理回路とを含み、このメッセージは、第1のメッセージセグメント及び第2のメッセージセグメントを有する。更には、処理回路は、第1のメッセージセグメントが、以前に送信されたメッセージセグメントに対応していることを判定し、第1のメッセージセグメントを冗長ビットとして応答ネットワークに送信し、第2のメッセージセグメントを応答ネットワークに送信するように構成されている。
【0007】
本開示の様々な態様に関連して、上述の特徴の様々な改良が存在し得る。更なる特徴もまた、これらの様々な態様において、同様に組み込むことができる。これらの改良及び追加的特徴は、個別に、又は任意の組み合わせで存在し得る。例えば、例示される実施形態のうちの1つ以上に関連して以下で論じられる様々な特徴は、本開示の上述の態様のうちのいずれにも、単独で、又は任意の組み合わせで、組み込むことができる。上記で提示された概要は、特許請求される主題を限定することなく、本開示の実施形態の特定の態様及び文脈を読者に周知させることのみを意図するものである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
以下の「発明を実施するための形態」を読了し、かつ以下の図面を参照することにより、本開示の様々な態様を、より良好に理解することができる。以下の図面では、同様の番号は同様の部分を指す。
【0009】
図1】本開示の実施形態による、電子デバイスのブロック図である。
【0010】
図2】本開示の実施形態による、図1の電子デバイスの機能図である。
【0011】
図3】本開示の実施形態による、図1の電子デバイスを含む通信システムの全体図である。
【0012】
図4】本開示の実施形態による、図1の電子デバイスのインタフェース上に表示された冗長メッセージの第1のセットである。
【0013】
図5】本開示の実施形態による、図1の電子デバイスのインタフェース上に表示された冗長メッセージの第2のセットである。
【0014】
図6】本開示の実施形態による、ネットワークリソースに基づく、図5の冗長メッセージの特性の概略図である。
【0015】
図7】本開示の実施形態による、図6の冗長メッセージの特性に基づく、効率的な通信のための方法のフロー図である。
【0016】
図8】本開示の実施形態による、電子デバイス条件に基づく、効率的な通信のための方法のフロー図である。
【0017】
図9】本開示の実施形態による、環境条件に基づく、効率的な通信のための方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本開示は、ネットワーク条件及びメッセージコンテンツに基づいて、モバイルデバイスを介した無線通信を最適化又は改善することを目的とする。例として、モバイルデバイスは、緊急事象(例えば、傷害、洪水、地震、火災)の間に、優先度の高い情報を、インシデント応答プロバイダ(例えば、公共安全応答ポイント(public-safety answering point;PSAP)、コールセンタ、緊急サービスプロバイダ)に通信することができる。緊急事象の間、モバイルデバイスのユーザは、通信システム(例えば、基地局、地上局、衛星又は衛星ネットワーク(低軌道衛星、中軌道衛星、静止軌道衛星、高軌道衛星など)、セルラネットワーク、無線キャリア、Wi-Fiネットワークなどを含むもの)を利用して、応答プロバイダに複数の冗長メッセージを送信する場合がある。例えば、ユーザ機器として実装することが可能なモバイルデバイスは、1つ以上の衛星として実装することが可能な、通信システムの1つ以上の構成要素に、信号を送信することができる。モバイルデバイスによって応答プロバイダに送信される複数の冗長メッセージにより、ネットワーク輻輳が生じる恐れがある。更には、通信システムは、制限されたリンクバジェット、バッテリ容量、帯域幅、データレートなどの、制限されたリソースで動作する場合がある。通信システムの制限されたリソースにより、応答プロバイダが、緊急サービスに関する重要な情報を受信及び/又は送信する際に、遅延が生じる恐れがある。例えば、モバイルデバイスのユーザは、1つ以上の冗長メッセージの後に続けて、1つ以上の関連情報メッセージを送信する場合がある。通信システムは、最初に送信された冗長メッセージを転送又は送信することができ、それら最初の1つ以上の冗長メッセージが応答プロバイダに送信される一方で、新たな情報又は関連情報を含み得る更なるメッセージの転送又は送信を、遅延させる場合がある。このことは、緊急事態の間にモバイルデバイスユーザに応答する際に、遅延をもたらす恐れがある。
【0019】
状況によっては、環境事象(例えば、地震、ハリケーン、竜巻)の間に、或る地理的エリア内の複数のモバイルデバイスユーザが、同じ通信システムを使用して複数の冗長メッセージを送信する場合がある。このことにより、更なるネットワーク輻輳が生じる恐れがあるが、これは、複数のモバイルデバイスから送信された、同じ情報又は同様の情報を含む冗長メッセージが、応答プロバイダによって受信され得るためである。冗長メッセージの流入はまた、応答プロバイダが新たな情報メッセージ又は重要な情報メッセージを受信して、インシデント応答サービスを提供する際などにも、遅延をもたらす恐れがある。例えば、環境事象の間に、複数のユーザが、その環境事象を応答プロバイダに報告する場合があるが、リソース又は支援を要求しない場合がある。しかしながら、自身のモバイルデバイスから支援の要求を送信することを試みているユーザは、応答プロバイダが、これらの他の報告メッセージを最初に受信することにより、自身の要求が遅延される場合がある。
【0020】
更には、モバイルデバイス条件により、緊急事象の間に、送信されることが意図されているメッセージが遅延されるか、又は完全に送信を妨げられる結果が生じる場合もある。例えば、モバイルデバイスが、過熱する傾向にあり、かつ/又は、低バッテリレベルを越える寸前にある場合には、モバイルデバイスは、シャットオフするか又は非アクティブとなる恐れがあり、通信システムは、モバイルデバイスメッセージにリソースを提供することが不可能となる恐れがある。更には、群葉レベル及び天候などの環境要因が、モバイルデバイスのネットワーク接続に影響を及ぼす場合がある。これらの環境要因は、ネットワークへの不確実な接続をもたらし得るものであり、モバイルデバイスの送信は、その不確実なネットワーク接続の結果として、応答プロバイダによって受信されない恐れがある。
【0021】
本明細書の実施形態は、制限されたリソース条件において、モバイル通信デバイスが無線通信を最適化又は改善することを可能にするための、様々な装置及び技術を提供する。例えば、モバイルデバイスは、新たな情報メッセージ(例えば、冗長情報とは対照的な、新たな情報を有するメッセージ)を優先させて、モバイルデバイスによって送信される冗長メッセージの数を、最小限に抑えるか又は減少させることができる。このことにより、モバイルデバイスは、デバイス及びネットワークのリソースを節約することが可能となり得る。実際に、モバイル通信デバイスは、特定のメッセージが、以前のメッセージ又はコンテンツと同じ若しくは同様のコンテンツを含む(例えば、以前のメッセージと同じ又は同様の意味を有する)ことを判定することができる。次いで、モバイルデバイスは、冗長ビットと、送信された以前のメッセージの1つ以上のセグメントに対応する情報とを送信することができる。モバイルデバイスはまた、モバイルデバイスによって送信されるメッセージの関連性又は類似性を示す、エントロピー係数を判定し、ネットワークリソースに関連付けられるリソース係数に対して、その判定されたエントロピー係数を評価することができる。このことにより、モバイルデバイスは、ネットワーク条件に基づいて、冗長メッセージよりも、新たな情報メッセージの送信を優先させることが可能となり得る。
【0022】
更には、環境によっては(例えば、ハイキング、キャンプ、狩猟、釣りなどを行う場合)、林冠又は群葉などの障害物が、信号品質を低下させる(例えば、モバイル通信デバイスによって送信及び/又は受信される信号を減衰させる)恐れがあり、モバイル通信デバイスのリンクバジェットを、信号を遮断するほどにまで損なう場合もある。このことは、遠隔地及び/又は森林地帯で誰かが負傷した場合などの緊急事態において、特に重大であり得る。これらの環境において、モバイルデバイスは、低減されたネットワーク接続を介してメッセージを送信することを試みるために、そのメッセージを、より小さい1つ以上のセグメントに分解することができる。モバイルデバイスはまた、デバイスのシャットオフをもたらす恐れのある、低バッテリ又は熱傾向を検出した場合に、ネットワークに通知することもできる。次いで、ネットワークは、モバイルデバイスがメッセージを迅速に送信すること、及び/又は、より大容量のメッセージ若しくは増大したメッセージを送信することを可能にするように、リソースを優先させること(例えば、モバイルデバイスのアップリンクスケジューリングを優先させること、大容量のメッセージ若しくは増大したメッセージ送信のための追加的リソースを提供すること)ができ、それにより、モバイルデバイスは、デバイスがシャットオフする前にメッセージを送信することができる。
【0023】
上記を踏まえて、図1は、本開示の実施形態による、電子デバイス10又はモバイル通信デバイスのブロック図である。電子デバイス10は、とりわけ、1つ以上のプロセッサ12(本明細書では便宜上シングルプロセッサと総称され、任意の好適な形態の処理回路として実装することが可能なもの)、メモリ14、不揮発性記憶装置16、ディスプレイ18、入力構造体22、入出力(I/O)インタフェース24、ネットワークインタフェース26、及び電源29を含み得る。図1に示されている様々な機能ブロックは、(回路を含めた)ハードウェア要素、(機械実行可能命令を含めた)ソフトウェア要素、あるいは、ハードウェア要素及びソフトウェア要素の双方の組み合わせ(ロジックと称され得るもの)を含み得る。プロセッサ12、メモリ14、不揮発性記憶装置16、ディスプレイ18、入力構造体22、入出力(I/O)インタフェース24、ネットワークインタフェース26、及び/又は電源29は、それぞれが、互いの間でデータを送信及び/又は受信するために、直接的に、又は間接的に(例えば、別の構成要素、通信バス、ネットワークを介して)、互いに通信可能に結合されていてもよい。図1は、特定の実装形態の単なる一実施例に過ぎず、電子デバイス10内に存在し得る構成要素のタイプを例示することを意図するものである点に留意されたい。
【0024】
例として、電子デバイス10は、デスクトップ又はノートブックコンピュータ(例えば、Apple Inc.(Cupertino,California)より入手可能なMacBook(登録商標)、MacBook(登録商標) Pro、MacBook Air(登録商標)、iMac(登録商標)、Mac(登録商標) mini、又はMac Pro(登録商標)の形態のもの)、無線電子デバイス若しくはスマートフォン(例えば、Apple Inc.(Cupertino,California)より入手可能なiPhone(登録商標)のモデルの形態のもの)などのポータブル電子デバイス又はハンドヘルド電子デバイス、タブレット(Apple Inc.(Cupertino,California)より入手可能なiPad(登録商標)のモデルの形態のもの)、ウェアラブル電子デバイス(例えば、Apple Inc.(Cupertino,California)より入手可能なApple Watch(登録商標)の形態のもの)、及び他の同様のデバイスを含めた、任意の好適なコンピューティングデバイスを含み得る。図1のプロセッサ12及び他の関連項目は、全般的に、本明細書では「データ処理回路」と称され得る点に留意されたい。そのようなデータ処理回路は、全体として、又は部分的に、ソフトウェアとして、ハードウェアとして、又はその双方として具現化することができる。更には、図1のプロセッサ12及び他の関連項目は、単一の内蔵型処理モジュールとすることができ、あるいは、電子デバイス10内の他の要素のいずれかの中に、全体として、又は部分的に組み込むこともできる。プロセッサ12は、汎用マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor;DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array;FPGA)、プログラマブル論理デバイス(programmable logic device;PLD)、コントローラ、状態マシン、ゲートロジック、別個のハードウェア構成要素、専用のハードウェア有限状態マシン、又は、情報の計算若しくは他の操作を実行することが可能な任意の他の好適なエンティティの、任意の組み合わせで実装することができる。プロセッサ12は、本明細書で説明される様々な機能を実行することができる。
【0025】
図1の電子デバイス10では、プロセッサ12は、メモリ14及び不揮発性記憶装置16と動作可能に結合されて、様々なアルゴリズムを実行することができる。プロセッサ12によって実行される、そのようなプログラム又は命令は、1つ以上の有形のコンピュータ可読媒体を含めた、任意の好適な製造物品内に記憶させることができる。有形のコンピュータ可読媒体は、命令若しくはルーチンを記憶するための、メモリ14及び/又は不揮発性記憶装置16を、個別に、又は一括して含み得る。メモリ14及び不揮発性記憶装置16は、ランダムアクセスメモリ、読み出し専用メモリ、書き換え可能フラッシュメモリ、ハードドライブ、及び光ディスクなどの、データ及び実行可能命令を記憶するための任意の好適な製造物品を含み得る。更には、そのようなコンピュータプログラム製品上に符号化されているプログラム(例えば、オペレーティングシステム)はまた、様々な機能を電子デバイス10が提供することを可能にするためにプロセッサ12によって実行することが可能な、命令も含み得る。
【0026】
特定の実施形態では、ディスプレイ18は、電子デバイス10上で生成された画像をユーザが視認することを容易にし得る。いくつかの実施形態では、ディスプレイ18は、電子デバイス10のユーザインタフェースとのユーザ対話を容易にすることが可能な、タッチスクリーンを含み得る。更には、いくつかの実施形態では、ディスプレイ18は、1つ以上の液晶ディスプレイ(liquid crystal display;LCD)、発光ダイオード(light-emitting diode;LED)ディスプレイ、有機発光ダイオード(organic light-emitting diode;OLED)ディスプレイ、アクティブマトリクス式有機発光ダイオード(active-matrix organic light-emitting diode;AMOLED)ディスプレイ、あるいは、これらのディスプレイ技術及び/又は他のディスプレイ技術の何らかの組み合わせを含み得る点を理解されたい。
【0027】
電子デバイス10の入力構造体22は、ユーザが電子デバイス10と対話すること(例えば、ボタンを押すことにより音量レベルを増減させること)を可能にし得る。I/Oインタフェース24は、ネットワークインタフェース26と同様に、電子デバイス10が様々な他の電子デバイスとインタフェースすることを可能にし得る。いくつかの実施形態では、I/Oインタフェース24は、Apple Inc.(Cupertino,California)によって提供されているLightningコネクタ、ユニバーサルシリアルバス(universal serial bus;USB)、若しくは他の同様のコネクタ及びプロトコルなどの、標準的なコネクタ及びプロトコルを使用して、充電及び/又はコンテンツ操作するための、有線接続用のI/Oポートを含み得る。
【0028】
ネットワークインタフェース26は、例えば、衛星接続(例えば、衛星ネットワークを介したもの)用、ピアツーピア接続用、超広帯域(ultra-wideband;UWB)若しくはBLUETOOTH(登録商標)(登録商標)ネットワークなどのパーソナルエリアネットワーク(personal area network;PAN)用、IEEE802.11xプロトコルファミリのうちの1つ(例えば、WI-FI(登録商標)(登録商標))を採用するネットワークなどの、ローカルエリアネットワーク(local area network;LAN)若しくは無線ローカルエリアネットワーク(wireless local area network;WLAN)用、並びに/あるいは、例えば第3世代(3G)セルラネットワーク、ユニバーサル移動体通信システム(universal mobile telecommunication system;UMTS)、第4世代(4G)セルラネットワーク、ロングタームエボリューション(long term evolution;LTE(登録商標)(登録商標))セルラネットワーク、ロングタームエボリューションライセンス補助アクセス(long term evolution license assisted access;LTE-LAA)セルラネットワーク、第5世代(5G)セルラネットワーク、及び/又は、ニューレディオ(New Radio;NR)セルラネットワークなどを含めた、第3世代パートナーシッププロジェクト(Third Generation Partnership Project;3GPP)に関連する任意の標準規格などの、広域ネットワーク(wide area network;WAN)用の、1つ以上のインタフェースを含み得る。特に、ネットワークインタフェース26は、例えば、ミリメートル波(ミリ波)の周波数範囲(例えば、24.25~300ギガヘルツ(gigahertz;GHz))を含む5G仕様のリリース-15セルラ通信規格を使用するための、1つ以上のインタフェースを含み得る。電子デバイス10のネットワークインタフェース26は、前述のネットワーク(例えば、5G、Wi-Fi、LTE-LAAなど)を介した通信を可能にし得る。ネットワークインタフェース26はまた、例えば、広帯域固定無線アクセスネットワーク(例えば、WIMAX(登録商標)(登録商標))、モバイル広帯域無線ネットワーク(モバイルWIMAX(登録商標)(登録商標))、非同期デジタル加入者回線(例えば、ADSL、VDSL)、デジタルビデオ地上波放送(digital video broadcasting-terrestrial;DVB-T(登録商標)(登録商標))ネットワーク及びその拡張DVBハンドヘルド(DVB Handheld;DVB-H(登録商標)(登録商標))ネットワーク、UWBネットワーク、交流(AC)電力線などに関する、1つ以上のインタフェースも含み得る。ネットワークインタフェース26は、例えば、前述のネットワークのうちの1つを使用してデータを通信するための、送受信機30を含み得る。電子デバイス10の電源29は、充電式リチウムポリマー(Li-poly)バッテリ及び/又は交流(AC)電力変換器などの、任意の好適な電力源を含み得る。
【0029】
図2は、本開示の実施形態による、図1の電子デバイス10の機能図である。図示のように、プロセッサ12、メモリ14、送受信機30、送信機52、受信機54、及び/又はアンテナ55(55A~55Nとして示され、アンテナ55と総称されるもの)は、互いの間でデータを送信及び/又は受信するために、直接的に、又は間接的に(例えば、別の構成要素、通信バス、ネットワークを介して)、互いに通信可能に結合されていてもよい。
【0030】
電子デバイス10は、例えばネットワーク(例えば、基地局を含むもの)又は直接接続を介した、電子デバイス10と外部デバイスとの間のデータの送信及び受信をそれぞれ可能にする、送信機52及び/又は受信機54を含み得る。図示のように、送信機52と受信機54とを組み合わせて、送受信機30とすることもできる。電子デバイス10はまた、送受信機30に電気的に結合されている、1つ以上のアンテナ55A~55Nも有し得る。アンテナ55A~55Nは、無指向性又は指向性の構成で、シングルビーム、デュアルビーム、又はマルチビーム配置などで構成することができる。各アンテナ55を、1つ以上のビーム及び様々な構成に関連付けることができる。いくつかの実施形態では、アンテナのグループ又はモジュールの、アンテナ55A~55Nのうちの複数のアンテナを、個別の送受信機30に通信可能に結合することができ、各アンテナは、強め合うように及び/又は弱め合うに組み合わされてビームを形成し得る、無線周波数信号を発信することができる。電子デバイス10は、様々な通信規格に対して好適となるような、複数の送信機、複数の受信機、複数の送受信機、及び/又は複数のアンテナを含み得る。例えば、電子デバイス10は、第1の無線通信ネットワークを使用してメッセージを送受信するための第1の送受信機と、第2の無線通信ネットワークを使用してメッセージを送受信するための第2の送受信機と、第3の無線通信ネットワークを使用してメッセージを送受信するための第3の送受信機とを含み得るが、これらの送受信機のいずれか又は全てを、単一の送受信機に組み合わせることができる。いくつかの実施形態では、送信機52及び受信機54は、他の有線システム又は有線手段を介して情報を送受信することができる。
【0031】
電子デバイス10はまた、(例えば、入力構造体22の一部として)1つ以上のカメラ又は画像センサ若しくは光センサも含み得る。1つ以上のカメラ又は画像センサ若しくは光センサ(本明細書では「カメラ56」と総称されるもの)は、画像を取り込むこと、又は電子デバイス10の周囲の光の量を判定することができ、電子デバイス10の場所における群葉レベルを判定することができる。いくつかの実施形態では、カメラ56は、(例えば、ディスプレイ18を有する電子デバイス10の表示面上に配置されている)前面カメラ、及び/又は(例えば、電子デバイス10の表示面の反対側の、基底面又は後面上に配置されている)背面カメラを含み得る。
【0032】
電子デバイス10は、(例えば、入力構造体22の一部として)1つ以上の温度センサ58を含み得る。1つ以上の温度センサ(本明細書では「温度センサ58」と総称されるもの)は、電子デバイス10の温度、電子デバイス10の周囲の環境温度を判定すること、若しくはそれらの温度の判定を容易にすることが可能であるか、又は、電子デバイス10の温度値若しくは周囲の環境温度値を経時的に感知することが可能な、任意の好適な温度センサを含み得る。
【0033】
図示のように、電子デバイス10の様々な構成要素を、バスシステム60によって一体に結合することができる。バスシステム60は、データバスを含み得るが、例えば、データバスに加えて、電力バス、制御信号バス、及びステータス信号バスも同様に含み得る。電子デバイス10の構成要素は、何らかの他の機構を使用して、一体に結合されるか、又は互いに入力を受け入れるか若しくは提供することもできる。
【0034】
上述のように、電子デバイス10は、制限されたリソース条件(例えば、制限されたモバイルデバイスリソース及びネットワークリソース)において通信する場合がある。本明細書の実施形態は、ネットワーク条件とモバイルデバイスメッセージのメッセージコンテンツとに基づいて、通信を最適化又は改善するための、様々な装置及び技術を提供する。一実施例として、電子デバイス10は、1つ以上の冗長メッセージを送信するように要求されている場合を判定することができる。本明細書で使用される場合、用語「冗長」とは、要求されているメッセージが、以前に送信されたメッセージからのテキストのセグメントの繰り返しを含むこと、及び/又は、以前に送信されたメッセージと同じ情報を中継する、テキストのセグメントを含むことを意味し得る。電子デバイス10は、以前に送信されたメッセージに対する各メッセージの相対的複雑性又は類似性を判定する、エントロピー係数を判定することによって、1つ以上の冗長メッセージを判定することができる。次いで、電子デバイス10は、繰り返されている情報を含むメッセージのセグメントに関する情報と共に、繰り返されているメッセージセグメントの代わりに、冗長ビットをネットワークに送信することができる。このようにして、電子デバイス10は、優先度の高い状況(例えば、緊急事態、環境事象)の間、新たな(例えば、非冗長)情報の送信を優先させることができる。結果として、電子デバイス10は、優先されたデータを、より確実かつ効率的に、ネットワークに通信することができる。
【0035】
いくつかの実施形態では、電子デバイス10は、デバイスが低バッテリ状態又は高温状態に向かう傾向にあることを、ネットワークに通信することができる。次いで、ネットワークは、デバイス条件が電子デバイス10をシャットオフさせるか又は非アクティブにさせる前に、電子デバイス10がメッセージ(例えば、要求されているメッセージ又は待ち行列に入れられているメッセージ)を送信することを可能にするように、ネットワークリソースを優先させることができる。電子デバイス10はまた、ネットワーク条件に基づいて、1つ以上のメッセージをより小さいセグメントに分解又は分割することにより、それら1つ以上のメッセージを、ネットワークを介して効率的に通信することができる。更には、林冠又は群葉などの障害物が、信号品質を低下させる(例えば、モバイル通信デバイスによって送信及び/又は受信される信号を減衰させる)場合がある。このことは、遠隔地及び/又は森林地帯で誰かが負傷した場合などの緊急事態において、特に重大であり得るが、モバイル通信デバイスは、重度の群葉により、支援を要求するように通信することができない。電子デバイス10は、群葉レベルを判定し、その群葉レベルに基づいて、1つ以上のメッセージをより小さいセグメントに分解又は分割して、ネットワークを介して送信することができる。結果として、電子デバイス10は、信号品質条件が低下している間に、より効率的にメッセージを送信することができる。
【0036】
上記を踏まえて、図3は、本開示の実施形態による、1つ以上の電子デバイス10を含む通信システム80の全体図である。通信システム80は、1つ以上の電子デバイス10、第1の通信ハブ82、第2の通信ハブ84、及び応答ネットワーク86を含む。第1の通信ハブ82及び第2の通信ハブ84のそれぞれは、データを通信するための個別のネットワーク(例えば、セルラネットワーク、ローカルネットワーク、インターネット、非地上系ネットワーク、衛星ネットワーク、別の電子デバイスなど)の一部とすることができる。図示のように、1つ以上の電子デバイス10は、第1の通信ハブ82と通信する(例えば、データを送信及び/又は受信する)ように試みることができる。例えば、第1の通信ハブ82は、電子デバイス10との通信チャネルを確立して、電子デバイス10からデータの要求を受信し、その要求に基づいて電子デバイス10にデータを送信することができる。第1の通信ハブ82及び第2の通信ハブ84は、1つ以上の電子デバイス10と通信することが可能な、任意のデバイス又はシステム(例えば、基地局、ルータ、別の電子デバイス10、高高度基地局、衛星、地上局など)を含み得る。例えば、ユーザ機器として実装することが可能な電子デバイス10は、衛星として実装することが可能な通信ハブ82に、信号を送信することができる。
【0037】
特定の実施形態では、第1の通信ハブ82は、緊急事態(例えば、洪水、地震、竜巻)の間に、1つ以上の電子デバイス10から信号を受信することができる。1つ以上の電子デバイス10は、緊急事態の間に、応答ネットワーク86(例えば、緊急プロバイダ)に情報を送信するように要求することができる。1つ以上の電子デバイス10は、緊急事態の間に、同じ情報又は同様の情報を有するメッセージを、応答ネットワーク86に送信する場合がある。1つ以上のメッセージ88を、第1の通信ハブ82に送信することができ、第1の通信ハブ82は、1つ以上の電子デバイス10と確立されている1つ以上の通信チャネルを介して、1つ以上の電子デバイス10からのメッセージを受信する。次いで、第1の通信ハブ82は、1つ以上のメッセージ88を、応答ネットワーク86と通信することが可能な第2の通信ハブ84に送信することができる。任意の好適な数の通信ハブ(例えば、82、84)を使用して、電子デバイス10によって送信された1つ以上のメッセージ88を応答ネットワーク86に通信することができる点を理解されたい。メッセージを送信するために使用される通信ハブ(例えば、82、84)の数は、電子デバイス10及び/又は応答ネットワーク86の地理的位置、緊急事象によって影響を受けるネットワーク接続、及び任意の他の好適なネットワーク考慮事項に基づき得る。
【0038】
上述のように、いくつかの実施形態では、電子デバイス10によって送信される1つ以上のメッセージ88は、冗長(例えば、繰り返されているか又は関連している)情報を含み得る。1つ以上の冗長メッセージが、第1の通信ハブ82に送信される場合があり、大量のメッセージが第1の通信ハブ82によって受信されることにより、第1の通信ハブ82との間のネットワーク輻輳を引き起こす恐れがある。このことは、第1の通信ハブ82が1つ以上のメッセージ88を受信して、第2の通信ハブ84に1つ以上のメッセージ88を送信する際に、遅延をもたらし得る。このことは、同様に、ボトルネック効果を生じさせて、第2の通信ハブ84から応答ネットワーク86への、1つ以上のメッセージ88の送信を遅延させる恐れがある。例えば、1つ以上の電子デバイス10は、特定の地理的エリアにおける火災の報告に関連する情報を有する、1つ以上のメッセージ88を送信することができるが、1つ以上のメッセージ88は、その災害に関連する新たな情報又は適切な情報を含まない場合がある。このことにより、ネットワーク輻輳が生じる恐れがあり、応答ネットワーク86は、通信システム80の電子デバイス10によって送信された1つ以上の冗長メッセージを受信することによって引き起こされる遅延により、新たな情報メッセージに応答することが不可能となる場合がある。このことは、応答ネットワーク86に関連付けられている緊急プロバイダから、電子デバイス10が遅延応答を受信することをもたらし得る。
【0039】
応答ネットワーク86はまた、1つ以上のメッセージ88に個別に応答することを試みる際にも、遅延を経験し得る。遅延を低減するために、応答ネットワーク86は、同じ情報又は同様の情報を含むメッセージを、カテゴリ90にタグ付けすることができる。例えば、1つ以上の電子デバイス10は、地震の結果としての支援の要求に関連する、1つ以上のメッセージ88を、応答ネットワーク86に送信することができる。応答ネットワーク86は、1つ以上のメッセージ88が、カテゴリ90「地震、救助が必要」に関連している可能性があると認識することができる。次いで、応答ネットワーク86は、カテゴリ90の、地震、救助が必要に対応している1つ以上のメッセージ88を送信した電子デバイス10に返信するメッセージを、送信することができる。この応答メッセージは、応答命令92(例えば、開けた場所、医療救護所、避難所に移動せよ)を含み得るものであり、カテゴリ90「地震、救助が必要」にタグ付けされた電子デバイス10に送信されることにより、各電子デバイス10のメッセージに応答ネットワーク86が個別に応答することに起因する、送信の遅延及びバックログを低減することができる。
【0040】
更には、応答ネットワーク86は、受信された各メッセージの情報セグメントを分類して、受信されたメッセージの、判定された関連性又はエントロピー係数(例えば、以前に受信されたメッセージに対する、受信されたメッセージの類似性及び/又は相対的複雑性)に基づいて、関連する情報セグメントをグループ化することができる。情報セグメントは、新たな情報及び/又は関連情報を伝達する、メッセージ内のテキストの部分に対応している。情報セグメントは、以前に受信されたメッセージに対して、異なるテキスト又は短縮されたテキストを含む場合もあるが、以前に受信されたメッセージのテキストセグメントと同じ情報を中継している場合もある点を理解されたい。1つ以上の電子デバイス10もまた、第1の通信ハブ82への、冗長メッセージの個別送信を低減することができる。このことを行うために、電子デバイス10は、各メッセージに関するエントロピー係数(例えば、以前に送信されたメッセージに対する、送信するように要求されているメッセージの関連性及び/又は相対的複雑性を判定するもの)を判定することができる。次いで、電子デバイス10は、緊急事象の間に冗長メッセージを送信する結果としての、ネットワーク輻輳を低減するために、冗長メッセージの代わりに、冗長ビットと、送信された以前のメッセージの1つ以上のセグメントに対応する情報とを送信することができる。
【0041】
上記を踏まえて、図4は、本開示の実施形態による、図1の電子デバイスのインタフェース(例えば、ユーザインタフェース)上に表示された、冗長メッセージの第1のセットである。電子デバイス10は、緊急事象の間に、ネットワークを介して1つ以上の冗長メッセージを送信するように要求する場合がある。1つ以上のメッセージは、以前に送信されたメッセージに対して冗長である(例えば、以前に送信されたメッセージと同様の情報を含む)場合がある。
【0042】
ネットワーク通信は、例えば緊急事象の間、(例えば、リンクバジェット、バッテリ容量、帯域幅、及びデータレートの点で)リソースが制限される場合がある。ネットワークリソースが制限されている時間中、そのネットワークを介したメッセージの送信及び/又は受信は、遅延する恐れがある。特定の緊急事象では、優先度の高い情報がネットワークを介して応答プロバイダに送信され、応答プロバイダが適時に応答することができるように、情報を優先させることができる。優先度の高い情報は、ユーザが応答プロバイダに以前に送信していない、新たな情報に関連するデータ送信に対応し得る。緊急事象において、ユーザは、応答プロバイダに同じメッセージを複数回送信することになるか、又は、新たな情報を含まない同様のメッセージを送信する場合がある。このことは、ネットワーク輻輳と、(例えば、応答ネットワーク86を介した)応答プロバイダとの間の通信の遅延とを生じさせる恐れがある。例えば、ユーザは、森の中で負傷する場合があり、応答プロバイダに救助を要求することを試みる場合がある。ユーザは最初に、電子デバイス10を介して、テキスト「緊急事態-森の中で脚を負傷、歩けない、周囲に誰もいない」を含むメッセージ102を送信することを要求する場合がある。ユーザは、同じメッセージ102を、4回以上送信する場合がある。応答プロバイダは、メッセージ102を1回のみ受信することを必要とし得るが、これは、他の3つ以上のメッセージが、以前のメッセージ102の冗長(例えば、繰り返し)であり、応答プロバイダが利用するための新たな情報を含まないためである。次いで、ユーザは、テキスト「助けて」を含む、追加的メッセージ104を送信する場合がある。次いで、ユーザは、同じメッセージ104を、3回以上送信することを要求する場合がある。応答プロバイダは、救助の要求を1回のみ受信することを必要とし得るが、これは、他の救助要求が冗長であり、冗長メッセージ104の後にユーザが送信することを試みる可能性のある、より適切な情報を、応答プロバイダが受信する際に、遅延を生じさせる恐れがあるためである。
【0043】
電子デバイス10は、冗長メッセージを送信するように要求されていることを判定することができ、緊急事態に関連するメッセージ102、104のそれぞれのうちの1つ、及び救助要求に関連するメッセージのうちの1つのみを送信することができる。電子デバイス10は、電子デバイス10によって検出された全ての冗長メッセージ要求に関して、1つ以上の冗長ビットと、その冗長メッセージの繰り返しセグメントに対応する情報とを送信することができる。このことにより、ネットワークは、より迅速な速度でメッセージを送信することが可能となり、応答プロバイダは、電子デバイス10に応じて、より効率的に電子デバイス10のユーザに情報を提供することが可能となり得る。
【0044】
上記を踏まえて、図5は、本開示の実施形態による、図1の電子デバイスのインタフェース上に表示された、冗長メッセージの第2のセットである。ユーザは、使用されている言葉又は表現の点では異なり得るが、以前のメッセージ内で送信されたものと同じ情報又は同様の情報に関連し得る、1つ以上のメッセージを送信することを要求する場合がある。それらのメッセージは、ネットワークを介して冗長メッセージが送信されることに寄与し得るものであり、このことは、ネットワーク輻輳を引き起こして、新たな情報メッセージの送信を遅延させる恐れがある。
【0045】
例えば、ユーザは、森の中で負傷する場合があり、緊急プロバイダに救助を要求することを試みている場合がある。ユーザは最初に、電子デバイス10を介して、テキスト「緊急事態-森の中で脚を負傷、歩けない、周囲に誰もいない」を含むメッセージ108を送信することを要求する場合がある。次いで、ユーザは、以前のメッセージ110内で送信された冗長(例えば、繰り返されているか又は関連している)情報を含む、複数の冗長メッセージ110を送信することを要求する場合がある。
【0046】
追加的な冗長メッセージ110は、以前のメッセージ108の正確な繰り返しではない場合もあるが、冗長メッセージ110は、以前のメッセージ108の繰り返し情報セグメントに対応し得る。例えば、冗長メッセージ110のうちの1つは、以前のメッセージ108内で提供されたテキスト「森」を含む情報を提供し得る。電子デバイス10は、冗長メッセージ110が、同じ意味若しくは同様の意味、又は、以前のメッセージ108の繰り返し情報セグメントを含むことを判定することができ、それゆえ、それら追加的な冗長メッセージ110に関する冗長ビットを送信することができるが、これは、それら追加的な冗長メッセージが、新たな情報又は関連情報を応答プロバイダに提供しないためである。このプロセスは、ネットワーク輻輳を低減して、応答プロバイダへの関連情報の送信及び/又は受信を支援することができる。
【0047】
上記を踏まえて、図6は、本開示の実施形態による、ネットワークリソースに基づく、図5の冗長メッセージの特性の概略図である。電子デバイス10は、以前に送信された電子デバイス10からのメッセージに対する、電子デバイス10のユーザによって送信するように要求されているメッセージの相対的複雑性又は類似性に対応する、エントロピー係数120を判定して、そのエントロピー係数120に基づいて、メッセージが冗長であるか否かを判定することができる。次いで、電子デバイス10は、要求されているメッセージの、判定されたエントロピー係数120と、ネットワーク及び電子デバイスのリソースに対応する、リソース係数122とに基づいて、要求されているメッセージが、実際のメッセージ、完全なメッセージ、又はメッセージ全体として送信されるべきか、あるいは、そのメッセージの繰り返しセグメントに関連する情報(例えば、要求されているメッセージの圧縮バージョン)と共に、冗長ビットとして送信されるべきかを判定することができる。
【0048】
緊急事態(例えば、傷害、地震、火災、洪水)において、電子デバイス10のユーザは、同じ情報又は同様の情報を含む、1つ以上の冗長メッセージを送信することを要求する場合がある。このことは、ネットワークの通信システムリソースの過剰な使用を引き起こす可能性があり、ネットワーク輻輳をもたらす恐れがある。このことにより、優先度の高い(例えば、新たな又は関連する)情報が応答プロバイダ(例えば、応答ネットワーク86、911コールセンタ、緊急プロバイダ)によって受信されることに、遅延が生じる恐れがある。優先度の高い情報を送信及び/又は受信する際の遅延を緩和するために、電子デバイス10は、送信するように要求されている各メッセージに、(例えば、緊急セッションの間、応答プロバイダへのメッセージ要求の間などに)エントロピー係数120を割り当てることができる。エントロピー係数120は、連続するメッセージの関連性又は繰り返されている意味の量に対応し得る。例えば、初期メッセージ134は、100%のエントロピーに対応し得るものであり、電子デバイス10のプロセッサ12は、電子デバイス10のユーザによって送信するように要求されている連続するメッセージの(例えば、初期メッセージ134及び/又は他の以前のメッセージと比較した)エントロピーを(例えば、機械学習アルゴリズムを使用して)判定することができる。電子デバイス10は、メッセージコンテンツ全体を、ネットワークを介して応答プロバイダに送信するべきか否かを判定するために、閾値エントロピーレベルを設定することができる。エントロピー係数120が閾値レベルを下回ることを、電子デバイス10が判定した場合には、電子デバイス10は、ネットワークを介して、そのメッセージの繰り返しセグメントに関連する情報と共に、応答プロバイダに冗長ビットを送信することができる。このことは、ネットワーク輻輳の減少と、緊急事態に関する新たな関連情報を応答プロバイダが受信することとをもたらし得る。
【0049】
電子デバイス10はまた、実際のメッセージをネットワークに送信するか、又は、冗長ビットと、そのメッセージの繰り返しセグメントに関連する情報とをネットワークに送信するかを判定するために、連続する各メッセージに関して、判定されたエントロピー係数120に加えて、リソース係数122も判定することができる。各メッセージに関するリソース係数122は、ネットワークの輻輳レベル、電子デバイス10のバッテリレベル、ネットワークのリンクバジェット、ネットワークの熱レベル、又はこれらの任意の組み合わせに基づいて判定することができる。リソース係数122は、因子の重要性に基づいて、特定の因子を重み付けすることによって判定することができる。例えば、バッテリレベルが特定の閾値を下回るか否かに応じて、リソース係数122を判定する際に、バッテリレベルをより高く重み付けすることができる。すなわち、バッテリレベルが50%を下回る場合には、リソース係数122の計算において、バッテリレベルをより高く重み付けすることができる。送信される各メッセージに関するリソース係数122を判定する際に、ネットワークリソースと電子デバイスリソースとに関連するリソース因子の、任意の組み合わせを実施することができる点を理解されたい。更には、各因子は、各因子に関して判定された重要性に基づいて、リソース係数全体に寄与するパーセンテージが変化し得る。リソース係数122はまた、即時のネットワークリソース及び即時の電子デバイスリソースに起因して、メッセージごとに変動し得る。例えば、ネットワークの輻輳レベルが、或る1つのメッセージから別のメッセージまでに低下する場合には、リソース係数122は減少し得るため、電子デバイス10がリソース係数122及びエントロピー係数120に基づいてメッセージを送信するか否かを判定する際に、大きくは重み付けされ得ない。
【0050】
更には、電子デバイス10は、各メッセージに関して判定されたリソース係数122を、エントロピー係数120が満たしているか又は超過していることに基づいて、メッセージを送信するか否かを判定することができる。例えば、メッセージシーケンス126における第1のメッセージ134(例えば、緊急セッションの間に送信される第1のメッセージ)は、100%の初期エントロピー係数120に対応し得る。初期リソース係数122は、高いネットワーク輻輳レベル及び/又は高いバッテリレベル、若しくは任意の他のリソース考慮事項に起因して、100%とすることができる。判定されたリソース係数122をエントロピー係数120が満たしているか又は超過していることに基づいて、電子デバイス10は、ネットワークに無線通信を介して(over the air;OTA)送信される情報128として、実際のメッセージを送信することができる。
【0051】
更には、電子デバイス10は、緊急セッションの間に、第1のメッセージ134を、メッセージシーケンス126における第1のメッセージとして、タグ付け又は識別することができる。第1のメッセージ134はまた、情報セグメント130(例えば、新たな情報を中継する、メッセージのセグメント)に分解、分離、又は分割(divided, or split)することもでき、それらの情報セグメントは、応答プロバイダが、そのプロバイダに送信される将来のメッセージセグメントを、送信された初期メッセージのセグメントに関連付けることができるように、タグ付け又は識別されて、応答プロバイダに送信される。例えば、電子デバイス10によって送信される第1のメッセージ134は、「緊急事態-森の中で脚を負傷、歩けない、周囲に誰もいない」とすることができる。電子デバイス10は、メッセージ内の新たな情報セグメント又は関連情報セグメント124を(例えば、機械学習アルゴリズムを使用して)判定して、送信された以前のメッセージに対する、そのメッセージのエントロピー係数120を判定する、プロセッサ12を含み得る。プロセッサ12は、そのメッセージが、「緊急事態」に対応する第1の情報セグメント124と、「脚を負傷」に対応する第2の情報セグメント124と、「森」に対応する第3の情報セグメント124と、「歩けない」に対応する第4の情報セグメント124と、「孤立」に対応する第5の情報セグメント124とを有することを、判定することができる。プロセッサ12は、電子デバイス10によってアクセス可能なデータベース内に(例えば、メモリ14及び/又は記憶装置16内に)5つの情報セグメント124を記憶させることができる。プロセッサ12は、実際のメッセージと共に、5つの情報セグメント124を応答プロバイダに送信することができる。更には、プロセッサ12は、情報セグメント124を、データベース、メモリ14、及び/又は記憶装置16に保存することにより、将来のメッセージが以前のメッセージの意味に対して冗長である場合には、いくつかの実施形態では、その将来のメッセージに関して判定されたエントロピー係数120がメッセージのリソース係数122を下回ることに基づいて、情報セグメント124のタグと共に冗長ビットが送信されることを可能にし得る。
【0052】
例えば、送信するように要求されている第2のメッセージ136は、テキスト「私は脚を負傷した」を含み得るものであり、プロセッサ12は、このメッセージが第1のメッセージ134の第2の情報セグメント124を繰り返していることに起因して、このメッセージに関するエントロピー係数120が0%であると判定することができる。上述のように、プロセッサ12は、機械学習アルゴリズムを使用して、以前のメッセージの単語及び文脈を、現在のメッセージ要求と比較することに基づいて、エントロピー係数120を判定することができる。次いで、第2のメッセージ136は、シーケンスにおける第1のメッセージ134の少なくとも一部分である、第2のメッセージが繰り返しているメッセージシーケンス126を指定する情報と共に、冗長ビットとして、ネットワーク128にOTAで情報を送信することができる。例えば、電子デバイス10は、以前に送信された第1のメッセージ134から第2のメッセージ136が繰り返している、メッセージシーケンス及び情報セグメント(MS/IS)130を示すための、「MS-1、IS-2」と共に、冗長ビットをネットワークに送信することができる。特に、MS-1は、「メッセージ1」(例えば、第1のメッセージ134)を指してもよく、IS-2は、「情報セグメント2」(例えば、第1のメッセージ134の第2の情報セグメント、すなわち「脚を負傷」)を指してもよい。メッセージシーケンス126及び情報セグメント124の情報は、以前に送信されたメッセージの重要な繰り返しセグメントを分析するために、応答プロバイダによって利用することができ、図3で上述されたように、応答プロバイダが、異なるユーザからの複数のメッセージを、情報セグメントに従って分類することを可能にし得る。
【0053】
電子デバイス10は、送信される連続メッセージのエントロピー係数120及びリソース係数122を判定することを、継続することができる。例えば、ネットワークに送信される第3のメッセージ138は、テキスト「私は森の中にいる」を含み得るものであり、電子デバイス10は、そのメッセージに対応するエントロピー係数120を、0%として判定し、冗長ビットと、第1のメッセージ134に対応するメッセージシーケンスMS/IS130とを送信することができる。第3のメッセージ138の場合、繰り返されている情報セグメント124は、第1のメッセージ134の第3の情報セグメントに対応する「IS-3」、すなわち「森」となる。第2のメッセージに対応するリソース係数122は、ネットワーク輻輳の増大、リンクバジェットの減少、電子デバイス10のバッテリレベルの低下などに起因して、60まで増大し得る。
【0054】
送信するように要求されている第4のメッセージ140は、テキスト「助けて」を含み得るものであり、第4のメッセージ要求140の時点で算出されている50のリソース係数122よりも高くなり得る、80%のエントロピー係数120に対応し得る。その場合、実際のメッセージが、応答プロバイダにOTAで送信される情報128となり得る。送信するように要求されている、続行する5~9のメッセージ146は、それぞれが、第1のメッセージ134及び第4のメッセージ140の以前のセグメントに対応し得る。第5~第9のメッセージ146のそれぞれは、以前のメッセージの繰り返しセグメントに起因して、判定されたゼロのエントロピー係数120を有し得ることにより、メッセージ146は、各メッセージのMS/IS130情報と共に、それぞれ冗長ビットとして送信することができる。
【0055】
いくつかの実施形態では、メッセージ要求は、以前に送信されたメッセージとは異なり得るが、依然として新たな情報又は関連情報を追加しない場合がある。例えば、送信するように要求されている第10のメッセージ144は、テキスト「応じてください」を含み得るものであり、ユーザの状況に対する適切な応答を判定する際に応答プロバイダを支援するであろう、いずれの追加的情報も追加し得ない。プロセッサ12は(例えば、機械学習アルゴリズムを介して)、第10のメッセージ144が、いずれの新たな情報又は関連情報も追加しないことを判定することができ、低いエントロピー係数120を割り当てることができる。この低いエントロピー係数120は、判定されたリソース係数122よりも低い場合があり、そのメッセージは、冗長ビット、及び以前のメッセージの繰り返しセグメントに対応する情報として送信することができる。メッセージ144はまた、第4のメッセージ4で以前に送信された「助けて」メッセージにマッピングすることもでき、応答プロバイダに送信されるMS/IS130は、送信される冗長ビットと共に、この以前のメッセージに対応し得る。エントロピー係数の計算120は、機械学習アルゴリズムによって実施される、様々な構文及び履歴因子に依存し得る点を理解されたい。エントロピー係数120及びリソース係数122は、電子デバイス10のユーザがリソースプロバイダと通信することを試みている緊急セッションの間に送信される、連続するメッセージに適用することもできる。
【0056】
上記を踏まえて、図7は、本開示の実施形態による、図6の冗長メッセージの特性に基づく、効率的なデータ通信のための方法160のフロー図である。電子デバイス10は、緊急事象の間に、1つ以上の冗長メッセージを応答ネットワーク86に送信する場合がある。電子デバイス10は、送信するように要求されているメッセージが冗長メッセージである場合を判定することができ、冗長ビットと、以前のメッセージの繰り返しセグメントに関連する情報とを、応答ネットワーク86に送信することができる。プロセッサ12などの、電子デバイス10の構成要素を制御することが可能な任意の好適なデバイス(例えば、コントローラ)が、方法160を実行し得る。いくつかの実施形態では、方法160は、プロセッサ12を使用して、メモリ14又は記憶装置16などの、有形の非一時的コンピュータ可読媒体内に記憶されている命令を実行することによって、実施することができる。例えば、方法160は、電子デバイス10のオペレーティングシステム、電子デバイス10の1つ以上のソフトウェアアプリケーションなどの、1つ以上のソフトウェア構成要素によって、少なくとも部分的に実行することができる。方法160は、特定の順序のステップを使用して説明されているが、本開示は、説明されているステップを、示されている順序とは異なる順序で実行することが可能であり、説明されている特定のステップを、省略するか又は全く実行しないことも可能であることが想到されている点を理解されたい。
【0057】
プロセスブロック162で、プロセッサ12は、緊急セッション(例えば、電子デバイス10と応答ネットワーク86との間のメッセージセッション)の間に、送信機52に、第1のメッセージを応答ネットワーク86に送信させる。第1のメッセージは、緊急事態に関する情報(例えば、電子デバイス10の場所、救助の要求、緊急事態の詳細など)、又は、応答ネットワーク86に電子デバイス10が伝達するように構成されている、任意の他の情報を含み得る。プロセッサ12はまた、送信機52に第1のメッセージを応答ネットワーク86に送信させることに応じて、電子デバイス10のメモリ14に、第1のメッセージのテキストコンテンツを記憶することができる。
【0058】
プロセスブロック164で、プロセッサ12は、応答ネットワーク86に第2のメッセージを送信する要求を判定することができる。第2のメッセージは、電子デバイス10のユーザによって要求することができ、この要求は、第1のメッセージが送信された後の任意の時点で行うことができる。第2のメッセージコンテンツは、第1のメッセージのコンテンツと同様の場合があり、及び/又は、第1のメッセージのコンテンツに対して新たな情報を含む場合もある。第2のメッセージを送信する要求を受信することに応じて、プロセッサ12は、プロセスブロック166で、第1のメッセージに対する第2のメッセージ内の冗長情報の程度に関連する、エントロピー係数120を(例えば、機械学習アルゴリズムを使用して)判定する。エントロピー係数120は、テキストの繰り返しの量、同様の意味のテキストの繰り返しの量、第1のメッセージのテキストコンテンツに対する第2のメッセージ内に含まれている新たな情報のテキストの量、又はこれらの任意の組み合わせなどを判定することによって、判定することができる。
【0059】
第2のメッセージに関するエントロピー係数120を判定した後、プロセッサ12は、判定ブロック168で、第2のメッセージのエントロピー係数120が閾値を超過しているか否かを判定する。この閾値は、予め設定された閾値とすることもでき、あるいは、利用可能なデバイスリソース及び/又はネットワーク条件(例えば、ネットワーク輻輳、バッテリレベル、リンクバジェット、帯域幅、データレート)に基づいて設定される、動的な閾値とすることもできる。エントロピー係数120が閾値を上回ることを、プロセッサ12が判定した場合には、プロセッサ12は、プロセスブロック172で、送信機52に第2のメッセージを応答ネットワーク86に送信させる。
【0060】
第2のメッセージのエントロピー係数120が閾値を下回ることを、プロセッサ12が判定した場合には、プロセスブロック174で、プロセッサ12は、第2のメッセージコンテンツが第1の送信メッセージに対する繰り返しメッセージコンテンツ又は冗長メッセージコンテンツに対応していることに応じて、送信機52に冗長ビットを送信させる。プロセッサ12はまた、第2のメッセージテキスト内に存在する、第1のメッセージの繰り返しセグメントに対応する情報も送信することができる。この情報は、第2のメッセージコンテンツ内で繰り返された、第1のメッセージテキストのセグメントに対応する、数値タグを含み得る。このようにして、繰り返しメッセージ又は冗長メッセージを応答ネットワーク86に送信する必要なく、応答ネットワーク86は、新たな情報と、繰り返されている情報に関する関連情報とを受信する。
【0061】
一部の緊急事態では、電子デバイス10は、応答ネットワーク86と通信する能力に影響を及ぼし得る環境条件(例えば、熱、雨、低温、重度の群葉)に晒される場合がある。これらの状況では、電子デバイス10が、電子デバイス10のネットワーク接続に影響を及ぼし得る環境条件を判定して、これらの条件下で応答ネットワーク86にメッセージを確実に送信することができるように、緩和措置を実施することが有益であり得る。
【0062】
上記を踏まえて、図8は、本開示の実施形態による、電子デバイス10の条件に基づく、効率的な電子デバイス10の通信の方法180のフロー図である。特定の環境条件及び電子デバイス10の条件により、電子デバイス10に関するネットワーク接続の低下又は中断が生じる場合がある。電子デバイス10は、デバイス条件を監視することができ、そのデバイス条件に基づいて、応答ネットワーク86へのデータ送信を最適化するための措置を実施することができる。プロセッサ12などの、電子デバイス10の構成要素を制御することが可能な任意の好適なデバイス(例えば、コントローラ)が、方法180を実行し得る。いくつかの実施形態では、方法180は、プロセッサ12を使用して、メモリ14又は記憶装置16などの、有形の非一時的コンピュータ可読媒体内に記憶されている命令を実行することによって、実施することができる。例えば、方法180は、電子デバイス10のオペレーティングシステム、電子デバイス10の1つ以上のソフトウェアアプリケーションなどの、1つ以上のソフトウェア構成要素によって、少なくとも部分的に実行することができる。方法180は、特定の順序のステップを使用して説明されているが、本開示は、説明されているステップを、示されている順序とは異なる順序で実行することが可能であり、説明されている特定のステップを、省略するか又は全く実行しないことも可能であることが想到されている点を理解されたい。
【0063】
プロセスブロック182で、プロセッサ12は、電子デバイス10の熱傾向(例えば、デバイスの温度が上昇しているか、又は温度が低下しているか)を推定する。プロセッサ12は、オンデバイスの機械学習アルゴリズムを使用して、熱傾向を推定することができる。電子デバイス10の寿命にわたって、機械学習アルゴリズムは、電子デバイス10のアクティビティ、電子デバイス10上でのアプリケーションの使用、電子デバイス10のGPS位置(例えば、地理的位置における温度傾向)などに基づいて、熱傾向を発現させることができる。いくつかの実施形態では、電子デバイス10は、デバイスの温度データを経時的に収集する、温度センサ58を含み得る。次いで、機械学習アルゴリズムは、その温度データを使用して、オンデバイスの熱傾向を判定することができる。プロセッサ12は、これらの判定された熱傾向を使用して、温度トラップ(例えば、電子デバイス10のシャットオフ若しくは電子デバイス10のネットワーク接続の低下をもたらす、高熱(華氏95度を超える温度)条件又は低温条件(華氏32度を下回る温度))をもたらす恐れのある条件を、予測又は判定することができる。
【0064】
判定ブロック184で、プロセッサ12は、推定された電子デバイス10の熱傾向に基づいて、熱傾向が閾値を越えるか否かを判定する。この閾値は、応答ネットワーク86に送信されるか又は応答ネットワークから受信される、電子デバイス10のメッセージに関する、電子デバイス10の信号損失及び/又は信号品質の劣化のリスクに対応し得る。低温条件の場合、デバイスの温度が低温値(例えば、華氏32度未満の温度)を下回る傾向にある場合には、熱傾向は、低温閾値を越える可能性がある。更には、高温条件の場合、デバイスの温度が高温値(例えば、華氏95度を超える温度)を上回る傾向にある場合には、熱傾向は、高温閾値を越える可能性がある。電子デバイス10に関連する熱傾向が閾値を越えないことを、プロセッサ12が判定した場合には、方法180は、プロセスブロック182に戻り、プロセッサ12は、電子デバイス10の熱傾向を推定することを継続する。
【0065】
熱傾向が閾値を越えることを、プロセッサ12が判定した場合には、プロセスブロック186で、プロセッサ12は、電子デバイス10の熱傾向が閾値を越えることに基づいて、緩和操作を実行する要求を(例えば、電子デバイス10のディスプレイ18又は別の出力デバイスを介して)出力する。いくつかの実施形態では、緩和操作は、緩和操作を実行する要求を出力する必要なく、デバイスの熱傾向に基づいてデフォルトで実施することができる。緩和操作としては、バッテリ節約措置、省電力モードに入ること、電力集約型の構成要素若しくはプロセスを非アクティブにすること、ネットワーク運用を減少させること(例えば、緊急のネットワーク運用又は優先されたネットワーク運用のみを実行すること)、ネットワークに通知を送信すること、又は任意の他の好適な緩和措置を挙げることができる。プロセスブロック188で、プロセッサ12は、電子デバイス10の熱条件が閾値を越えることに起因する、デバイスのシャットオフ又は信号品質の低下の可能性の通知を、(例えば、緩和操作を実行する承認を受信することに応じて)ネットワークに送信する。このことにより、ネットワークは、熱条件に起因して電子デバイス10がシャットダウンするか又はデバイスの性能が低下する前に、メッセージが送信され得るように、電子デバイス10から送信されるメッセージを優先させることが可能となり得る。ネットワーク及び/又は電子デバイス10は、バッテリ節約措置を実行すること、省電力モードに入ること、電力集約型の構成要素若しくはプロセスを非アクティブにすること、ネットワーク運用を減少させること、デバイスのアップリンクスケジューリングを優先させること、電子デバイス10からの大容量のメッセージ若しくは増大したメッセージ送信のための追加的リソースを提供することなどによって、それらのメッセージを優先させることができる。
【0066】
上述のように、一部の緊急事態では、電子デバイス10は、応答ネットワーク86と通信する電子デバイス10の能力に影響を及ぼし得る環境条件(例えば、熱、雨、低温、重度の群葉)に晒される場合がある。これらの状況では、電子デバイス10が、電子デバイス10のネットワーク接続に影響を及ぼし得る環境条件を判定して、応答ネットワーク86にメッセージを確実に送信することができるように緩和措置を実施することが有益であり得る。
【0067】
上記を踏まえて、図9は、本開示の実施形態による、環境条件に基づく、効率的な通信のための方法190のフロー図である。特定の環境条件及び電子デバイス10の条件により、ネットワークに対する電子デバイス10のネットワーク接続の低下又は中断が生じる場合がある。電子デバイス10は、デバイス条件を監視し、環境条件の特定の変化を判定し、それらデバイス条件及び環境条件に基づいて、応答ネットワーク86への送信及び応答ネットワークからの受信を改善するための措置を実施することができる。プロセッサ12などの、電子デバイス10の構成要素を制御することが可能な任意の好適なデバイス(例えば、コントローラ)が、方法160を実行し得る。いくつかの実施形態では、方法190は、プロセッサ12を使用して、メモリ14又は記憶装置16などの、有形の非一時的コンピュータ可読媒体内に記憶されている命令を実行することによって、実施することができる。例えば、方法190は、電子デバイス10のオペレーティングシステム、電子デバイス10の1つ以上のソフトウェアアプリケーションなどの、1つ以上のソフトウェア構成要素によって、少なくとも部分的に実行することができる。方法190は、特定の順序のステップを使用して説明されているが、本開示は、説明されているステップを、示されている順序とは異なる順序で実行することが可能であり、説明されている特定のステップを、省略するか又は全く実行しないことも可能であることが想到されている点を理解されたい。
【0068】
プロセスブロック192で、プロセッサ12は、電子デバイス10から応答ネットワーク86に1つ以上のメッセージを送信する要求を判定する。1つ以上のメッセージは、送信される後続のメッセージに対する、冗長情報(例えば、同じ又は同様の意味、同じアルゴリズムの文脈情報)又は固有情報を含み得る。判定ブロック194で、プロセッサ12は、1つ以上のメッセージが、他の要求されているメッセージ又は以前に送信されたメッセージと同様の意図を含むか否かを判定する。プロセッサ12は、機械学習アルゴリズムを使用して、1つ以上のメッセージから同様のテキスト又は同様の意味のテキストを識別することによって、同様の意図のメッセージを判定することができる。任意の好適な方法を使用して、同様の意図を判定することができる点を理解されたい。
【0069】
1つ以上のメッセージが、他のメッセージ又は以前に送信されたメッセージと同様の意図を含むことを、プロセッサ12が判定した場合には、プロセスブロック196で、プロセッサ12は、テキストと、判定された同様の意図を有するいくつかのメッセージに対応する1つ以上の冗長ビットとを有する、単一のメッセージを送信するように要求することができる。例えば、1つ以上のメッセージのうちの第1のメッセージは、「助けて、森の中」とすることができ、送信するように要求されている1つ以上のメッセージのうちの次の2つのメッセージは、「助けて」及び「森の中」とすることができる。プロセッサ12は、要求されている3つのメッセージが、同様の意図のものであることを(例えば、機械学習アルゴリズムを介して)認識することができ、次いで、「助けて、森の中」のメッセージを送信するように、及び、判定された同様の意図の他の2つのメッセージに対応する2つの冗長ビットを送信するように要求することができる。このプロセスは、メッセージの数に関わりなく繰り返すことができる点を理解されたい。
【0070】
1つ以上のメッセージが同様の意図のものではないことを、プロセッサ12が判定した場合には、判定ブロック198で、プロセッサ12は、それら1つ以上のメッセージが、閾値サイズを上回る(例えば、35バイトよりも大きい)か否かを判定する。この閾値サイズは、電子デバイス10の利用可能な帯域幅によって、あるいは電子デバイス10のリソース及びネットワークリソースに基づいて設定することができる。1つ以上のメッセージが閾値サイズを下回ることを、プロセッサ12が判定した場合には、プロセッサ12は、プロセスブロック200で、それら1つ以上のメッセージを応答ネットワーク86に送信することができる。
【0071】
1つ以上のメッセージが閾値サイズを上回ることを、プロセッサ12が判定した場合には、プロセスブロック202で、プロセッサ12は、電子デバイス10の場所に存在する群葉の量を判定する。例えば、電子デバイス10が、より低い標高に(例えば、谷間に)配置されている場合があり、ネットワークハブが、電子デバイス10と比較した場合に、より高い標高に(例えば、崖の上に)配置されている場合があり、電子デバイス10とネットワークハブとの間に、林冠が配置されている場合があり、それゆえ、電子デバイス10とネットワークとの間の通信リンクが妨害される可能性がある。群葉によって覆われている空の量又はパーセンテージが大きいほど(例えば、妨害の程度が大きいほど)、電子デバイス10への通信信号及び電子デバイス10からの通信信号に対する、障害が大きくなる。電子デバイス10のカメラ56は、電子デバイス10の場所における群葉の、1つ以上の画像(例えば、画像データ)を取り込むことができ、プロセッサ12は、カメラ56によって取り込まれた1つ以上の画像に基づいて、群葉レベルを判定することができる。プロセッサ12はまた、モバイルデバイスの場所に基づいて、群葉カバー率のデータベースを検索することによって、電子デバイス10の群葉カバー率のレベルを判定することもできる。プロセッサ12は、存在している群葉の量を、「軽度の葉群」、「中程度の群葉」、及び「重度の群葉」として分類することができる。この群葉カテゴリは、相対的なものとすることができ、任意の好適な群葉の量又はパーセンテージに適用することができる。一実施例として、軽度の群葉とは、群葉が、画像に取り込まれた際に空の0%~33%を覆っている場合を指してもよく、中程度の群葉とは、群葉が、画像に取り込まれた際に空の34%~66%を覆っている場合を指してもよく、重度の群葉とは、群葉が、画像に取り込まれた際に空の67%~100%を覆っている場合を指してもよい。より多くの、又はより少ないカバー率カテゴリを定義することができる(例えば、「中軽度の群葉」、「中重度の群葉」など)。任意の好適な群葉カテゴリを使用することができる点を理解されたい。
【0072】
判定ブロック204で、プロセッサ12は、群葉の量が第1の閾値を上回るか否か、及びバッテリレベルが閾値(例えば、20%、30%、40%、50%)を下回るか否かを判定する。第1の閾値は、画像に取り込まれた際に空の67%以上を覆っている、重度の群葉レベル若しくは群葉パーセント、又は、重度の群葉カバー率を示す任意の他の好適な測定基準に対応し得る。群葉の量が第1の閾値を上回り、かつ電子デバイス10のバッテリレベルがバッテリ閾値を下回ることを、プロセッサ12が判定した場合には、プロセッサ12は、プロセスブロック206で、1つ以上のメッセージを、2、3データグラムのサイズを有する部分に分解、分離、又は分割して、それら1つ以上のメッセージを応答ネットワーク86に送信する。プロセッサ12は、1つ以上のメッセージのコンテンツの少なくとも一部が、応答ネットワーク86によって受信され得る可能性を高めるために、重度の群葉レベル及び/又はバッテリレベルの低下に基づく、劣化した通信信号を使用して、2、3データグラムのサイズの部分を送信機52に送信させることができる。
【0073】
群葉の量が第1の閾値を下回り、かつ/又はバッテリがバッテリ閾値を下回っていないことを、プロセッサ12が判定した場合には、判定ブロック208で、プロセッサ12は、群葉の量が、第1の閾値よりも低い第2の閾値を上回るか否か、及び、バッテリレベルが閾値(例えば、20%、30%、40%、50%)を下回るか否かを判定する。第2の閾値は、画像によって取り込まれた際に空の34%超を覆っている、中程度の群葉レベル若しくは群葉パーセント、又は、中程度の群葉カバー率を示す任意の他の好適な測定基準に対応し得る。群葉の量が第2の閾値を上回り、かつ電子デバイス10のバッテリレベルがバッテリ閾値を下回ることを、プロセッサ12が判定した場合には、プロセッサ12は、プロセスブロック210で、1つ以上のメッセージを、4~6データグラムのサイズを有する部分に分解して、それら1つ以上のメッセージを応答ネットワーク86に送信する。プロセッサ12は、1つ以上のメッセージのコンテンツの少なくとも一部が、応答ネットワーク86によって受信され得る可能性を高めるために、中程度の群葉レベル及び/又はバッテリレベルの低下に基づく、劣化した通信信号を使用して、4~6データグラムのサイズの部分を送信機52に送信させることができる。
【0074】
群葉の量が第2の閾値を下回り、かつ/又はバッテリがバッテリ閾値を下回っていないことを、プロセッサ12が判定した場合には、判定ブロック212で、プロセッサ12は、群葉の量が、第2の閾値を下回るか否か、及び、バッテリレベルが閾値(例えば、20%、30%、40%、50%)を下回るか否かを判定することができる。群葉の量が第2の閾値を下回り、かつ電子デバイス10のバッテリレベルがバッテリ閾値を下回ることを、プロセッサ12が判定した場合には、プロセッサ12は、プロセスブロック214で、プロセッサ12は、1つ以上のメッセージを、7~9データグラムのサイズを有する部分に分解して、それら1つ以上のメッセージを送信することができる。プロセッサ12は、1つ以上のメッセージコンテンツの少なくとも一部が、応答ネットワーク86によって受信され得る可能性を高めるために、軽度の群葉レベル(例えば、中程度の群葉レベルよりも低いもの)及び/又はバッテリレベルの低下に基づく、劣化した通信信号を使用して、4~6データグラムのサイズの部分を送信機52に送信させることができる。バッテリがバッテリ閾値を下回らないことを、プロセッサ12が判定した場合には、プロセスブロック200で、プロセッサ12は、送信機52に、それら1つ以上のメッセージを応答ネットワーク86に送信させる。このようにして、プロセッサ12は、群葉の量及びバッテリ強度の因子としての接続信号強度に基づいて、送信するように要求されているメッセージを、動的に分解、分離、又は分割することができる。特定の範囲のデータグラムが上記に列挙されているが、任意の好適なデータグラムの範囲を使用して、1つ以上のメッセージをデバイス条件に基づいて送信することができる点を理解されたい。
【0075】
個人特定可能な情報の使用は、ユーザのプライバシーを維持するための業界又は政府の要件を満たすか若しくは超えるものとして一般に認識されている、プライバシーポリシー及びプライバシー慣行に従うべきであることが十分に理解されよう。特に、個人特定可能な情報データは、非意図的又は無許可のアクセス若しくは使用のリスクを最小限に抑えるように、管理及び処理されるべきであり、許可された使用の性質は、ユーザに明確に示されるべきである。
【0076】
上述の特定の実施形態は、例として示されたものであり、これらの実施形態は、様々な修正形態及び代替形態の影響を受けやすいものであり得る点を理解されたい。更には、特許請求の範囲は、開示される特定の形態に限定されるものではなく、むしろ、本開示の趣旨及び範囲に含まれる全ての修正形態、等価物、及び代替形態を包含することが意図されている点を理解されたい。
【0077】
本明細書で提示され、かつ特許請求される技術は、本技術分野を実証可能に改善する、実用的な性質の有形物及び具体例に言及し、適用されるものであり、それゆえ、抽象的な、無形の、又は純粋に理論的なものではない。更には、本明細書の末尾に添付されている、いずれかの特許請求の範囲が、「~[機能]を[実行]するための手段」又は「~[機能]を[実行]するためのステップ」として指定されている1つ以上の要素を含む場合には、そのような要素は、米国特許法第112条(f)に従って解釈されるべきであることが意図されている。しかしながら、任意の他の方式で指定されている要素を含む、いずれかの特許請求の範囲に関しては、そのような要素は、米国特許法第112条(f)に従って解釈されるべきではないことが意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【外国語明細書】