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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023045157
(43)【公開日】2023-04-03
(54)【発明の名称】車両の操作力伝達構造
(51)【国際特許分類】
   F16H 61/36 20060101AFI20230327BHJP
   B62D 25/20 20060101ALI20230327BHJP
【FI】
F16H61/36
B62D25/20 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021153410
(22)【出願日】2021-09-21
(71)【出願人】
【識別番号】000002082
【氏名又は名称】スズキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090273
【弁理士】
【氏名又は名称】國分 孝悦
(72)【発明者】
【氏名】和田 真也
【テーマコード(参考)】
3D203
3J067
【Fターム(参考)】
3D203AA02
3D203BB08
3D203BB18
3D203DA11
3D203DA17
3J067AB06
3J067BB14
3J067DA04
3J067DA12
3J067DA14
3J067FB81
3J067GA01
(57)【要約】
【課題】配索部材の組み付け性を向上させると共に、配索部材を配索するときの自由度を向上させることを目的とする。
【解決手段】本発明の車両の操作力伝達構造100は、車室の内外を隔てる車体パネル30を挿通して配置されるリンク部材140と、リンク部材140に連結され、車室21内側に配索される第1のケーブル110と、リンク部材140に連結され、車体パネル30にて隔てられた車室21外側に配索される第2のケーブル120と、を有する。車両の操作力伝達構造100は、操作力を第1のケーブル110からリンク部材140を介して第2のケーブル120に伝達させることで、操作力を車室21内側から、車体パネル30を通過させて車室21外側に伝える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車室の内外を隔てる車体パネルを挿通して配置されるリンク部材と、
前記リンク部材に連結され、車室内側に配索される第1配索部材と、
前記リンク部材に連結され、前記車体パネルにて隔てられた車室外側に配索される第2配索部材と、を有する、車両の操作力伝達構造であって、
操作力を前記第1配索部材から前記リンク部材を介して前記第2配索部材に伝達させることで、操作力を前記車室内側から、前記車体パネルを通過させて前記車室外側に伝えることを特徴とする車両の操作力伝達構造。
【請求項2】
前記リンク部材は、
前記車体パネルの貫通孔の近傍に配置される揺動ピンと、
前記貫通孔を挿通して配置され、前記揺動ピンを中心にして揺動する揺動アームと、を有し、
前記揺動アームの一方側の端部に前記第1配索部材が連結され、
前記揺動アームの他方側の端部に前記第2配索部材が連結されることを特徴とする請求項1に記載の車両の操作力伝達構造。
【請求項3】
前記第1配索部材および前記第2配索部材のうち少なくとも何れか一方は、前記車体パネルのパネル面と平行に配索されることを特徴とする請求項1または2に記載の車両の操作力伝達構造。
【請求項4】
前記揺動アームは、
前記一方側の端部に前記第1配索部材が連結される第1連結部と、
前記他方側の端部に前記第2配索部材が連結される第2連結部と、を有し、
前記揺動ピンから前記第1連結部までの距離と、前記揺動ピンから前記第2連結部までの距離とが異なることで、操作力を前記第1配索部材のストローク量と異なるストローク量で前記第2配索部材に伝達させることを特徴とする請求項2に記載の車両の操作力伝達構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の操作力伝達構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両には運転者からの操作力を伝達するための操作力伝達構造が設けられている。
特許文献1には、自動変速機が連結された内燃機関がエンジンルームに搭載され、セレクトレバーが設けられたセレクタ装置が車室に配設され、自動変速機のレンジ切換レバーとセレクトレバーとがセレクトケーブルによって連結された車両の構造が開示されている。運転者がセレクトレバーを操作することで、操作力はセレクトケーブルを介して自動変速機のレンジ切換レバーに伝達される。特許文献1では、セレクトケーブルの前後方向のセレクタ動作を上下方向に変換して切換レバーに伝達するリンク機構を自動変速機に設けることで、セレクトケーブルを取り付ける際の作業空間を確保できることが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000-110936号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のセレクトケーブルは、エンジンルームと車室とに亘って配索するために、エンジンルームと車室とを仕切るパネルの貫通孔を通して配索されている。しかしながら、セレクトケーブルは長尺であるためにセレクトケーブルを組み付けるときにセレクトケーブルを貫通孔に挿入する作業に手間が掛かってしまうことから、ケーブルの組み付け性に改善の余地がある。
【0005】
また、一般的にセレクトケーブルは剛性があり急激に曲げることができないために貫通孔に対して垂直に配索すると、貫通孔からセレクトケーブルが大きく突出してしまい、他の部品と干渉する虞がある。したがって、貫通孔の位置や他の部品の配置に制約を受けることになってしまい、セレクトケーブルを配索するときの自由度が低下する原因となっていた。一方、特許文献1のセレクトケーブルのようにパネルに対して斜めに挿通させることで、貫通孔から大きく突出することは抑制できるもののセレクトケーブルを挿通させる方向が制限されることから、ケーブルの配索の自由度を改善する余地がある。
【0006】
本発明は、上述したように問題点に鑑みてなされたものであり、配索部材の組み付け性を向上させると共に、配索部材を配索するときの自由度を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、車室の内外を隔てる車体パネルを挿通して配置されるリンク部材と、前記リンク部材に連結され、車室内側に配索される第1配索部材と、前記リンク部材に連結され、前記車体パネルにて隔てられた車室外側に配索される第2配索部材と、を有する、車両の操作力伝達構造であって、操作力を前記第1配索部材から前記リンク部材を介して前記第2配索部材に伝達させることで、操作力を前記車室内側から、前記車体パネルを通過させて前記車室外側に伝えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、配索部材の組み付け性を向上させることができ、配索部材を配索するときの自由度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】操作力伝達構造を備えた車両の一部の構成を示す図である。
図2】操作力伝達構造の位置を説明するための図である。
図3】第1の実施例の操作力伝達構造の構成の一例を示す斜視図である。
図4】第1の実施例の操作力伝達構造の構成の一例を示す断面図である。
図5】揺動ピンの他の抜け止め構造の一例を示す図である。
図6】第2の実施例の操作力伝達構造の構成の一例を示す斜視図である。
図7】第2の実施例の操作力伝達構造の構成の一例を示す断面図である。
図8】第3の実施例の操作力伝達構造の構成の一例を示す斜視図である。
図9】第3の実施例の操作力伝達構造の構成の一例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に係る実施形態は、車室の内外を隔てる車体パネル30を挿通して配置されるリンク部材140と、リンク部材140に連結され、車室21内側に配索される第1のケーブル110と、リンク部材140に連結され、車体パネル30にて隔てられた車室21外側に配索される第2のケーブル120と、を有する、車両の操作力伝達構造100である。操作力伝達構造100は、操作力を第1のケーブル110からリンク部材140を介して第2のケーブル120に伝達させることで、操作力を車室21内側から、車体パネル30を通過させて車室21外側に伝える。したがって、車室内側と車室外側とでそれぞれ個別に第1のケーブル110と第2のケーブル120とを配索することができるので、第1のケーブル110および第2のケーブル120の組み付け性を向上させることができる。また、ケーブルを第1のケーブル110と第2のケーブル120とに分割したことで、ケーブルが湾曲状態あるいは屈曲状態となるような配索を抑制できることから、ケーブルを配索するときの自由度を向上させることができる。
【実施例0011】
以下、本発明に係る車両の操作力伝達構造について図面を参照して説明する。
図1は、操作力伝達構造100を備えた車両10の一部の構成を示す図である。なお、図1を含む図面や説明には、操作力伝達構造を車両に搭載した状態を基準として、車両の前進側を前側とし、前側を矢印「前」で示し、その逆を後側とする。また、左側を矢印「左」で示し、その逆を右側とする。また、上側を矢印「上」で示し、その逆を下側とする。
【0012】
車両10は、前部にエンジンルーム11(車室外)が設けられ、中央部から後部に亘って車室21が設けられる。エンジンルーム11内には、自動変速機12を一体的に結合したエンジン13が搭載される。一方、車室21には運転者がシフトポジションを変更するためのシフトレバー22が設けられる。運転者がシフトレバー22を操作することで発生した操作力は、操作力伝達構造100を介して、自動変速機12に伝達される。より具体的には、発生した操作力は、シフトレバー22に連結され、車室21の内側に配索された後述する第1のケーブル110と、後述する本体部130と、自動変速機12の図示しない切換レバーに連結され、エンジンルーム11内に配索された後述する第2のケーブル120とによって伝達される。したがって、運転者がシフトポジションを変更するようにシフトレバー22を操作することで、操作力が操作力伝達構造100を介して自動変速機12の切換レバーに伝達され、自動変速機12がシフトを変更する。
【0013】
図2は、操作力伝達構造100を配置する位置を説明するための図であり、図1に示すI-I線にて切断した鉛直断面であって矢印方向から見た断面図である。
図2に示すように、車両10は、車室21の内側と外側とが車体パネル30にて仕切られて隔てられている。ここで、車体パネル30は、車室21の前側に位置するダッシュパネル31と、車室21の下側に位置するフロアパネル32とを含んで構成される。ダッシュパネル31は、エンジンルーム11と車室21とを前後に仕切る。一方、フロアパネル32は、車室21内と車室21よりも下側の空間とを上下に仕切る。
【0014】
図1および図2に示すフロアパネル32は、車幅方向(左右方向)における中央が上側に向かって突出し、前後方向に沿って延出するフロアトンネル部33を有する。ここで、操作力伝達構造100の本体部130はフロアトンネル部33のパネル面34のうちダッシュパネル31側に近接した位置に配設される。具体的には、フロアトンネル部33のパネル面34には上下方向に沿って貫通する貫通孔35が穿設され、操作力伝達構造100の本体部130は貫通孔35に取り付けられる。なお、フロアトンネル部33は、フロアパネル32の一部を構成するので、以下ではフロアトンネル部33をフロアパネル32と称して説明する。
【0015】
ここで、図1および図2に示すように、操作力伝達構造100の本体部130が取り付けられる位置は上側にインストルメントパネル36が近接して位置し、下側には排気管37およびプロペラシャフト38が近接して位置している。本実施例の操作力伝達構造100は、このような周辺に他の部品が近接するような位置であっても他の部品と干渉することなく組み付けられる。
【0016】
(第1の実施例)
まず、第1の実施例に係る操作力伝達構造100の本体部130の構成の一例について図3および図4を参照して説明する。図3は、操作力伝達構造100の本体部130の構成の一例を示す斜視図である。図4は、後述する揺動アーム141の中心軸と揺動ピン143の中心軸を通るように切断して前側から見た断面図である。
本体部130は、リンク部材140と、ベース部材150と、グロメット部材160とを有する。
【0017】
リンク部材140は、フロアパネル32の貫通孔35を挿通して配置され、シフトレバー22の操作力を第1のケーブル110から第2のケーブル120に伝達する。具体的に、リンク部材140は、揺動アーム141と、揺動ピン143とを有する。
【0018】
揺動アーム141は、揺動ピン143を中心にして揺動可能であり、揺動ピン143の水平方向に沿って配置された中心軸線C回りに揺動可能である。揺動アーム141は、上下方向に沿って長い略棒状の部材であり、例えば金属製である。本体部130をフロアパネル32に取り付けた状態では、揺動アーム141は貫通孔35に貫通した状態で配置される。また、揺動アーム141は、上端(一方側の端部)に第1のケーブル110を連結するための第1連結部142aを有し、下端(他方側の端部)に第2のケーブル120を連結するための第2連結部142bを有する。第1連結部142aおよび第2連結部142bは、揺動アーム141の軸方向に対して直交する方向(ここでは左側)に突出しており、その中心軸が揺動ピン143の中心軸線Cと平行に配置され、先端が略球状に形成されている。ここで、第1連結部142aおよび第2連結部142bに連結する第1のケーブル110および第2のケーブル120はプッシュプルケーブルである。プッシュプルケーブルは、それぞれ長尺状のインナワイヤとアウタケーシングとを備え、インナワイヤがアウタケーシング内を摺動可能である。プッシュプルケーブルは、インナワイヤおよびアウタケーシングがそれぞれ剛性を有しており、インナワイヤがアウタケーシングに対して長手方向に沿った一方向に摺動する場合に限られず、他方向に摺動する場合でも操作力を伝達することができる。第1連結部142aには第1のケーブル110のインナワイヤが連結され、第2連結部142bには第2のケーブル120のインナワイヤが連結される。第1のケーブル110は第1配索部材の一例に対応し、第2のケーブル120は第2配索部材の一例に対応する。
【0019】
揺動ピン143は、ベース部材150に揺動可能に支持される。揺動ピン143は、左右方向に沿って長い略柱状の部材であり、例えば金属製である。揺動ピン143は、揺動アーム141の上端と下端との間に位置し、揺動アーム141に圧入したり溶接したりすることで揺動アーム141と一体に結合される。ただし、揺動アーム141と揺動ピン143は鋳造成形あるいは射出成形により、金属製あるいは合成樹脂製の一体の部品であってもよい。ここで、揺動ピン143の中心軸線Cの延びる方向から見た場合には、中心軸線Cと、第1連結部142aと、第2連結部142bとが一直線上に位置する。また、図4に示すように、揺動ピン143の中心軸線Cから第1連結部142aまでの距離をL1とし、揺動ピン143の中心軸線Cから第2連結部142bまでの距離をL2とする。本実施例のリンク部材140は、距離L1と距離L2とが略同一である。すなわち、揺動ピン143は、揺動アーム141の第1連結部142aと第2連結部142bの間の略中央に位置する。
【0020】
ベース部材150は、リンク部材140を揺動可能に支持する。また、ベース部材150は、本体部130をフロアパネル32に取り付けるときの取付部として機能する。ベース部材150は、グロメット部材160よりも剛性がある略板状の部材であり、例えば金属製である。ベース部材150は、フロアパネル32の車室外側に重ねられて図示しないボルトにてフロアパネル32に取り付けられる。本体部130をフロアパネル32に取り付けた状態では、ベース部材150はフロアパネル32のパネル面34と略平行に配置される。ベース部材150は、挿通孔151と、一対の支持孔152とを有する。挿通孔151は、本体部130の略中央に位置し、本体部130をフロアパネル32に取り付けた状態では、フロアパネル32の貫通孔35と上下方向に対向する様に貫通孔35の下方に配置され、揺動アーム141が挿通される。一対の支持孔152は挿通孔151の開口縁から下方向に延出した一対の垂下部153に形成される。一対の支持孔152は、揺動ピン143を揺動可能に軸支する。なお、一対の支持孔152が揺動ピン143を円滑に揺動させるために、支持孔152には合成樹脂製のブッシュ154が嵌め込まれる。また、揺動ピン143が支持孔152から抜け出ないように揺動ピン143の両端には抜け止めピン155が結合される。
【0021】
グロメット部材160は、フロアパネル32の貫通孔35を通して車室21の内側に埃、水、騒音等が侵入しないように、フロアパネル32と本体部130との間を密閉する。グロメット部材160は、ベース部材150よりも柔軟性がある部材であり、例えばゴム製である。本体部130をフロアパネル32に取り付けた状態では、グロメット部材160はベース部材150の上側に重なり合うように配置される。グロメット部材160は、ブーツ部161と、突起部163とを有する。ブーツ部161は、下側に向かうにしたがって先細りとなる略筒状であり、内側の空間に揺動アーム141の一部および揺動ピン143の一部を収容することができる大きさである。ブーツ部161は、グロメット部材160の中央からベース部材150の挿通孔151を通して下側に向かって突出しており、下端が揺動ピン143と第2連結部142bとの間の位置で固定される。また、ブーツ部161は、揺動ピン143を左右両側から延出させるための一対の孔162を有する。ブーツ部161は、ベース部材150の挿通孔151を通して車室21の内側に埃、水、騒音等から侵入しないように密閉する。また、ブーツ部161は揺動アーム141の揺動に合わせて撓むことが可能である。突起部163は、グロメット部材160の上面から突出しており、上側から見て揺動アーム141を取り囲むように環状に配置される。本体部130をフロアパネル32に取り付けた状態では、突起部163はフロアパネル32の下面と密着することで、フロアパネル32の貫通孔35を通して車室21の内側に埃、水、騒音等から侵入しないように密閉する。
【0022】
次に、上述したように構成される操作力伝達構造100の本体部130をフロアパネル32に取り付ける場合について説明する。
車両10の組み立て作業者は、フロアパネル32の貫通孔35に下側から揺動アーム141を挿通し、グロメット部材160の突起部163をフロアパネル32の下面と密着させる。次に、組み立て作業者は、ボルト等の締結部材でベース部材150とフロアパネル32とを締結することで、本体部130をフロアパネル32に取り付けることができる。本体部130をフロアパネル32に取り付けた状態では、揺動ピン143がフロアパネル32の貫通孔35の近傍に配置される。具体的には、図4に示すように、揺動ピン143と貫通孔35が形成されたフロアパネル32との間の距離Sが距離L1よりも小さくなる様に、揺動ピン143がフロアパネル32の貫通孔35の下方近傍に配置される。また、揺動アーム141の第1連結部142aが車室21の内側に位置し、揺動アーム141の第2連結部142bがフロアパネル32を介した車室21内側の反対側、すなわち車室21の外側に位置する。
【0023】
フロアパネル32に取り付けられた本体部130に対して第1のケーブル110および第2のケーブル120を組み付ける場合、第1のケーブル110と第2のケーブル120とを車室21の内側と車室21の外側とで個別に配索することができる。具体的には、組み立て作業者は車室21の内側で、車室21の内側に位置している揺動アーム141の第1連結部142aに第1のケーブル110のインナワイヤを連結して配索する。また、組み立て作業者は車室21の外側で、車室21の外側に位置している揺動アーム141の第2連結部142bに第2のケーブル120のインナワイヤを連結して配索する。このように、車室21の内側と車室21の外側とで個別にケーブルを配索できることで、剛性があり撓みにくい一本のケーブルを車体パネルの貫通孔に挿通して配索する場合に比べて、ケーブルの組み付け性を向上させることができる。なお、組み立て作業者は、第1のケーブル110および第2のケーブル120のそれぞれアウタケーシングを図示しないブラケットを介してフロアパネル32等に固定する。
【0024】
フロアパネル32に取り付けられた操作力伝達構造100は、図2に示すように、第1のケーブル110がフロアパネル32のパネル面34と平行に本体部130から後側に向かって配索され、上述したシフトレバー22に連結される。一方、図2に示すように、第2のケーブル120がフロアパネル32のパネル面34と平行に、フロアトンネル部33内を通って本体部130から前側に向かって配索され、エンジンルーム11内の自動変速機12の切換レバーに連結される。このように、第1のケーブル110および第2のケーブル120がフロアパネル32のパネル面34に対して平行に配索されることで、第1のケーブル110および第2のケーブル120は、インストルメントパネル36、排気管37、プロペラシャフト38等の他の部品との干渉を防止できる。
【0025】
次に、操作力伝達構造100の動作について説明する。ここでは、運転者がシフトレバー22を操作することで、第1のケーブル110のインナワイヤがアウタケーシングに対して、後側(図2に示す矢印R方向)に摺動したものとする。第1のケーブル110のインナワイヤが後側に摺動することで、第1のケーブル110のインナワイヤに連結された揺動アーム141が揺動ピン143を中心にして揺動する。具体的に、揺動アーム141は、第1連結部142aが後側に向かい、逆に第2連結部142bが前側に向かうように揺動する。したがって、第2連結部142bに連結された第2のケーブル120は、インナワイヤがアウタケーシングに対して、前側(図2に示す矢印F方向)に摺動する。第2のケーブル120のインナワイヤが前側に摺動することで、第2のケーブル120のインナワイヤに連結された自動変速機12の切換レバーが動き、自動変速機12がシフトを変更する。
【0026】
一方、第1のケーブル110のインナワイヤがアウタケーシングに対して、前側に摺動すると、揺動アーム141は第1連結部142aが前側に向かい、逆に第2連結部142bが後側に向かうように揺動し、第2連結部142bに連結された第2のケーブル120のインナワイヤがアウタケーシングに対して、後側に摺動する。このように、運転者がシフトレバー22を操作することで発生した操作力は、操作力伝達構造100を介して、自動変速機12に伝達される。
【0027】
このように本実施例の操作力伝達構造100では、車体パネル30を挿通して配置されるリンク部材140と、リンク部材140に連結され、車室21の内側に配索される第1のケーブル110と、リンク部材140に連結され、車室21の外側に配索される第2のケーブル120と、を有する。操作力伝達構造100は、操作力を第1のケーブル110からリンク部材140を介して第2のケーブル120に伝達させることで、操作力を車室21の内側から車室21の外側に伝える。
【0028】
本実施例によれば、ケーブルを第1のケーブル110と第2のケーブル120とに分割し、分割した第1のケーブル110および第2のケーブル120を、それぞれ車体パネル30を挿通させたリンク部材140に連結する。したがって、車室21の内側と、車室21の外側とでそれぞれ個別に第1のケーブル110と第2のケーブル120とを配索することができるので、ケーブルの組み付け性を向上させることができる。また、ケーブルを第1のケーブル110と第2のケーブル120とに分割したことで、ケーブルが湾曲状態あるいは屈曲状態となるような配索を抑制できることから、ケーブルを配索するときの自由度を向上させることができる。
【0029】
また、本実施例によれば、揺動アーム141が揺動するときの中心となる揺動ピン143が貫通孔35の近傍に配置されることにより、貫通孔35の近傍における揺動アーム141のストローク量を小さくすることができる。揺動アーム141のストローク量が小さいことで、揺動アーム141との干渉を避けるために貫通孔35を大きくする必要がないことから、貫通孔35をより小さくすることができる。貫通孔35を小さくすることで、貫通孔35を通して車室21の内側に埃、水、騒音等が侵入することを抑制することができる。また、貫通孔35を小さくすることで、埃、水、騒音が侵入することを抑制するためのグロメット部材160も小さくすることができる。
【0030】
また、本実施例によれば、第1のケーブル110および第2のケーブル120を車体パネル30のパネル面34と平行に配索することにより、ケーブルがパネル面34に対して垂直方向に突出しないようにできることから、他の部品との干渉を抑制することができる。したがって、ケーブルを配索するときの自由度を向上させることができると共に、貫通孔35の配置位置の自由度を向上させることができる。なお、第1のケーブル110および第2のケーブル120の何れも車体パネル30のパネル面34と平行に配索する場合に限られず、第1のケーブル110および第2のケーブル120の何れか一方を車体パネル30のパネル面34と平行に配索してもよい。
【0031】
また、本実施例によれば、揺動ピン143を車室21の外側に配置した。したがって、ブーツ部161は内側の空間に揺動ピン143の一部を収容できるように上端から下端までの長さが長くなるように設定される。このように、ブーツ部161の上端から下端までの長さを長くすることで、ブーツ部161が揺動アーム141の揺動に合わせて撓むときにブーツ部161に掛かる力を分散させることができ、ブーツ部161が破損しないようにすることができる。
【0032】
なお、第1の実施例では、揺動ピン143がベース部材150の支持孔152から抜け出ないように揺動ピン143の両端に抜け止めピン155を結合する場合について説明したが適宜、変更することができる。
図5は、揺動ピン143の他の抜け止め構造の一例を示す図である。ベース部材150は、左側の垂下部153の外側(ここでは左側)に揺動ピン143の左側の端部が当接する当て止め部156を有する。一方、揺動ピン143の右側の端部には、キャップ部材157を嵌め込むことにより、揺動ピン143がベース部材150の支持孔152から抜け出ないように構成することができる。
【0033】
(第2の実施例)
次に、第2の実施例に係る操作力伝達構造200の本体部230の構成の一例について図6および図7を参照して説明する。図6は、操作力伝達構造200の本体部230の構成の一例を示す斜視図である。図7は、揺動アーム141の中心軸と揺動ピン143の中心軸を通るように切断して前側から見た断面図である。なお、第1の実施例と同様の構成は、同一符号を付して適宜、説明を省略する。
【0034】
本体部230は、リンク部材140と、ベース部材250と、グロメット部材260と、ブーツ部材270を有する。本実施例のグロメット部材260は上述したブーツ部161が一体ではなく、本体部230がグロメット部材260とは別体のブーツ部材270を有している。
ベース部材250は、ブーツ部材270の後述する係合部271が係合される被係合部254を有する。被係合部254は、ベース部材250の外周縁に近接した位置で下面から突出しており、下側から見て揺動アーム141を取り囲むように環状に配置される。
グロメット部材260は、ベース部材250の挿通孔151と連通する挿通孔264を有する。
【0035】
ブーツ部材270は、ベース部材250の挿通孔151およびグロメット部材260の挿通孔264を通して、車室21の内側に埃、水、騒音等が侵入しないように、ベース部材250の下側を密閉する。ブーツ部材270は、ベース部材250よりも柔軟性がある部材であり、例えばゴム製である。ブーツ部材270は、下側に向かうにしたがって先細りとなる略筒状であり、内側の空間に揺動ピン143を収容することができる大きさである。ブーツ部材270の上端は、開口縁に沿って係合部271が形成され、係合部271がベース部材250の被係合部254に係合する。一方、ブーツ部材270の下端は、揺動ピン143と第2連結部142bとの間の位置で固定される。ブーツ部材270は揺動アーム141の揺動に合わせて撓むことが可能である。
【0036】
このように本実施例の操作力伝達構造200では、ブーツ部材270がグロメット部材260とは別体であり、揺動ピン143を外側から覆うようにベース部材250の下側を密閉する。したがって、ブーツ部材270は、ベース部材250の挿通孔151を通して車室21の内側に埃、水、騒音等が侵入することをより抑制することができる。
【0037】
(第3の実施例)
次に、第3の実施例に係る操作力伝達構造300の本体部330の構成の一例について図8および図9を参照して説明する。図8は、操作力伝達構造300の本体部330の構成の一例を示す斜視図である。図9は、揺動ピン341の中心を通るように上下方向に沿って切断して前側から見た断面図である。なお、第1の実施例および第2の実施例と同様の構成は、同一符号を付して適宜、説明を省略する。
本体部330は、リンク部材340と、ベース部材350と、グロメット部材360とを有する。
【0038】
リンク部材340は、フロアパネル32の貫通孔35を挿通して配置され、シフトレバー22の操作力を第1のケーブル110から第2のケーブル120に伝達する。具体的に、リンク部材340は、揺動ピン341と、第1揺動アーム342aと、第2揺動アーム342bとを有する。
【0039】
揺動ピン341は、ベース部材350の後述する支持部351を中心にして、上下方向に沿った中心軸線C回りに回動可能である。揺動ピン341は、上下方向に沿って長い略軸状の部材であり、例えば金属製である。本体部330をフロアパネル32に取り付けた状態では、揺動ピン341は貫通孔35内に貫通した状態で配置される。
【0040】
第1揺動アーム342aおよび第2揺動アーム342bは、揺動ピン341と一体となって揺動ピン341の中心軸線C回りに揺動する。第1揺動アーム342aおよび第2揺動アーム342bは、水平方向に沿って長い略板状の部材であり、例えば金属製である。本体部330をフロアパネル32に取り付けた状態では、第1揺動アーム342aが車室21の内側に位置し、第2揺動アーム342bが車室21の外側に位置する。
【0041】
第1揺動アーム342aは、基端が揺動ピン341の上端に結合される。具体的には、第1揺動アーム342aの基端に揺動ピン341の上部に形成されたスプライン部343が挿入されることで、第1揺動アーム342aが揺動ピン341に一体化される。なお、揺動ピン341の先端に嵌め込まれたサークリップ344が、第1揺動アーム342aが抜け出るのを防止する。また、第1揺動アーム342aは、基端から左右方向の一方側(ここでは右側)に向かって延出しており、先端に第1のケーブル110を連結するための第1連結部142aを有する。第1連結部142aは、揺動ピン341の軸方向と平行に上側に突出している。
【0042】
第2揺動アーム342bは、基端が揺動ピン341の下端に結合される。具体的には、第2揺動アーム342bの基端が揺動ピン341の下端に形成された頭部345に溶接されることで第2揺動アーム342bが揺動ピン341に一体化される。また、第2揺動アーム342bは、基端から左右方向の他方側(ここでは左側)に向かって延出しており、先端に第2のケーブル120を連結するための第2連結部142bを有する。第2連結部142bは、揺動ピン341の軸方向と平行に下側に突出している。
ここで、揺動ピン341の中心軸線Cが延びる方向から見た場合には、中心軸線Cと、第1連結部142aと、第2連結部142bとが一直線上に位置する。また、図9に示すように、揺動ピン341の中心軸線Cから第1連結部142aまでの距離をL1とし、揺動ピン341の中心軸線Cから第2連結部142bまでの距離をL2とすると、本実施例のリンク部材340は、距離L1と距離L2とが略同一である。
【0043】
ベース部材350は、リンク部材340を揺動可能に支持する。また、ベース部材350は、本体部330をフロアパネル32に取り付けるときの取付部として機能する。ベース部材350は、グロメット部材360よりも剛性がある略板状の部材であり、例えば金属製である。本体部330をフロアパネル32に取り付けた状態では、ベース部材350はフロアパネル32のパネル面34と略平行に配置される。ベース部材350は、略中央に上下方向に沿った筒状の支持部351を有する。支持部351は、筒内で揺動ピン341を中心軸線C回りに回動可能に支持する。また、支持部351は、グロメット部材360の後述する挿通孔264およびフロアパネル32の貫通孔35を貫通した状態で配置される。なお、支持部351が揺動ピン341を円滑に回動させるために、支持部351の上端と下端とにワッシャー352が配置され、支持部351と揺動ピン341との間には合成樹脂製のブッシュ353が嵌め込まれる。
【0044】
グロメット部材360は、フロアパネル32の貫通孔35を通して車室21の内側に埃、水、騒音等が侵入しないように、フロアパネル32と本体部330との間を密閉する。本体部330をフロアパネル32に取り付けた状態では、グロメット部材360はベース部材350の上側に重なり合うように配置される。グロメット部材360は、突起部163と、挿通孔264を有する。本体部330をフロアパネル32に取り付けた状態では、突起部163はフロアパネル32の下面と密着することで、フロアパネル32の貫通孔35を通して車室21の内側に埃、水、騒音等から侵入しないように密閉する。
【0045】
上述したように構成される操作力伝達構造300の本体部330をフロアパネル32に取り付けたり、フロアパネル32に取り付けられた本体部330に対して第1のケーブル110および第2のケーブル120を組み付けたりするには、第1の実施例と同様に行うことができる。
ここで、運転者がシフトレバー22を操作することで、第1のケーブル110のインナワイヤがアウタケーシングに対して、後側に摺動したものとする。第1のケーブル110のインナワイヤが後側に摺動することで、第1のケーブル110のインナワイヤに連結された第1揺動アーム342aが揺動ピン341を中心にして揺動する。具体的に、第1揺動アーム342aの第1連結部142aが後側に向かい、逆に第2揺動アーム342bの第2連結部142bが前側に向かうように揺動する。したがって、第2連結部142bに連結された第2のケーブル120は、インナワイヤがアウタケーシングに対して、前側に摺動する。第2のケーブル120のインナワイヤが前側に摺動することで、第2のケーブル120のインナワイヤに連結された自動変速機12の切換レバーが動き、自動変速機12がシフトを変更する。
【0046】
このように本実施例の操作力伝達構造300では、フロアパネル32の貫通孔35を挿通して配置される揺動ピン341自身が中心軸線C回りに回動して第1揺動アーム342aと第2揺動アーム342bが揺動する。したがって、揺動ピン341が貫通孔35内を移動することがないことから、干渉を避けるために貫通孔35を大きくする必要がないために、貫通孔35をより小さくすることができる。貫通孔35を小さくすることで、貫通孔35を通して車室21の内側に埃、水、騒音等が侵入することを抑制することができる。
【0047】
なお、第3の実施例では、揺動ピン341の中心軸線Cが延びる方向から見た場合には、中心軸線Cと、第1連結部142aと、第2連結部142bとが一直線上に位置する場合について説明したが適宜、変更することができる。
例えば、図8の二点鎖線で示す第2揺動アーム342b1のように基端から前後方向の一方側(ここでは前側)に向かって延出させてもよい。この場合には、揺動ピン341の中心軸線Cが延びる方向から見た場合には、第1揺動アーム342aが基端から延出する方向と、第2揺動アーム342b1が基端から延出する方向との成す角度が略90度である。
【0048】
更に、図8の二点鎖線で示す第2揺動アーム342b2のように左右方向の一方側(ここでは右側)に向かって延出させてもよい。この場合には、揺動ピン341の中心軸線Cに沿って見た場合には、第1揺動アーム342aと第2揺動アーム342b2とが重なり合って位置し、第1揺動アーム342aが基端から延出する方向と、第2揺動アーム342b2が基端から延出する方向との成す角度が略0度である。この場合には、第1揺動アーム342aと第2揺動アーム342b2との揺動方向が常に同じになることから、運転者がシフトレバー22を操作して第1のケーブル110のインナワイヤが後側に摺動させると第2のケーブル120のインナワイヤも後側に摺動する。したがって、このような第1揺動アーム342aと第2揺動アーム342b2とが重なり合う構造であれば、一本のケーブルで操作力を伝達させている既存の車両にそのまま適用することができる。
【0049】
(変形例)
上述した第1の実施例~第3の実施例では、揺動ピン143、341の中心軸線Cから第1連結部142aまでの距離L1と、揺動ピン143、341の中心軸線Cから第2連結部142bまでの距離L2とが略同一である場合について説明したが、距離L1と距離L2とが異なるように構成することができる。このように距離L1と距離L2とが異なることで、第1のケーブル110のストローク量と異なるストローク量で第2のケーブル120に伝達される。例えば、距離L1が距離L2よりも長い場合には、距離L1と距離L2とが略同一である場合に比べて、第2のケーブル120に必要なストローク量あるいは必要な力に対して、運転者は第1のケーブル110を摺動させるときの操作力を軽減することができる。一方、距離L2が距離L1よりも長い場合には、距離L1と距離L2とが略同一である場合に比べて、第2のケーブル120に必要なストローク量あるいは必要な力に対して、運転者は第1のケーブル110を摺動させるときのストローク量を短くすることができる。したがって、第2のケーブル120に必要なストローク量あるいは必要な力に対して、運転者が操作するときの第1のケーブル110のストローク量あるいは操作力を調整することができる。
【0050】
以上、本発明に係る実施例および変形例について説明したが、本発明は上述した実施例および変形例にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲内で変更等が可能であり、各実施例の構成および変形例の構成を適宜、組み合わせたり置換したりすることができる。
【0051】
上述した実施例の操作力伝達構造100~300は、シフトレバー22の操作力を自動変速機12に伝達させる場合に用いる場合について説明したが、この場合に限られず、各種操作レバーの操作力を車室21の外側に伝達する場合に用いることができる。操作力伝達構造100~300は、例えば、エンジンルーム、モータルーム、トランクルーム、給油口、充電口等にアクセスするための扉体のロックを解除するときの構造に用いてもよい。具体的には、車室21の内側に設けられた操作レバーの操作力を操作力伝達構造100~300を介して扉体のロック機構に伝達する場合に用いることができる。
【0052】
上述した実施例では、配索部材としてプッシュプルケーブルを用いる場合について説明したが、この場合に限られない。配索部材は、例えば、ケーブルの長手方向のうち一方向のみ操作力を伝達できるケーブルであってもよい。また、配索部材は、ケーブルに限られず、例えば、剛性があるロッド部材であってもよい。
上述した実施例では、操作力伝達構造100~300をフロアトンネル部33に配置する場合について説明したが、この場合に限られず、フロアトンネル部33以外のフロアパネル32やダッシュパネル31等のその他の車体パネル30に配置してもよい。
【0053】
上述した実施例において、第1のケーブル110あるいは第2のケーブル120のアウタケーシングを固定するためのブラケットをベース部材150、250、350と一体成形してもよく、別体のブラケットをベース部材150、250、350と一体になるように結合して設けてもよい。
上述した実施例において、ベース部材150、250、350を車体パネル30と一体成形してもよい。
【符号の説明】
【0054】
10:車両 11:エンジンルーム 21:車室 30:車体パネル 35:貫通孔 100、200、300:車両の操作力伝達構造 110:第1のケーブル 120:第2のケーブル 130、230、330:本体部 140、340:リンク部材 141:揺動アーム 142a:第1連結部 142b:第2連結部 143:揺動ピン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9