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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023045748
(43)【公開日】2023-04-03
(54)【発明の名称】バッテリー冷却装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/6568 20140101AFI20230327BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20230327BHJP
   H01M 10/625 20140101ALI20230327BHJP
   H01M 10/6556 20140101ALI20230327BHJP
【FI】
H01M10/6568
H01M10/613
H01M10/625
H01M10/6556
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021154310
(22)【出願日】2021-09-22
(71)【出願人】
【識別番号】000000170
【氏名又は名称】いすゞ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】池田 勇太
【テーマコード(参考)】
5H031
【Fターム(参考)】
5H031AA09
5H031HH06
5H031KK08
(57)【要約】
【課題】バッテリー容量を変更した場合でも容易に冷却能力を拡張可能なバッテリー冷却装置を提供すること。
【解決手段】バッテリー冷却装置は、複数のヒートシンクが並列接続されたヒートシンク群と、前記ヒートシンク群に接続された主流管と、を有する単位ヒートシンクセットを備える。主流管は、他の単位ヒートシンクセットの主流管を挿抜自在に接続可能な接続部と、前記主流管から前記ヒートシンク群へと流れる冷媒の流量を調整する主流量調整弁と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷媒が流通する流路が形成されたヒートシンクを用いてバッテリーを冷却する車両のバッテリー冷却装置であって、
複数の前記ヒートシンクが並列接続されたヒートシンク群と、
前記ヒートシンク群に接続された主流管と、
を有する単位ヒートシンクセットを備え、
前記主流管は、
他の単位ヒートシンクセットの主流管を挿抜自在に接続可能な接続部と、
前記主流管から前記ヒートシンク群へと流れる冷媒の流量を調整する主流量調整弁と、
を有する、
バッテリー冷却装置。
【請求項2】
前記主流管から並列接続された複数の前記ヒートシンクへのそれぞれの分岐管には、当該分岐管の流量を調整する分岐流量調整弁が設けられている、
請求項1に記載のバッテリー冷却装置。
【請求項3】
前記主流量調整弁の開度は、自身の単位ヒートシンクセットのヒートシンク群に含まれるヒートシンクの数に基づいて調整されている、
請求項1又は2に記載のバッテリー冷却装置。
【請求項4】
前記ヒートシンクに形成される前記流路は、一端から前記バッテリーセルを冷却する前の冷媒が流入されるとともに、他端から前記バッテリーセルを冷却した後の冷媒が排出される単位流路を有し、
前記単位流路は、前記バッテリーセルのセル幅以下の幅で折り返されたU字形状を有する、
請求項1から3のいずれか一項に記載のバッテリー冷却装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両に搭載されたバッテリーを冷却するバッテリー冷却装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両のバッテリー冷却装置として、バッテリーに隣接するようにヒートシンク(冷却器)を設けたものがある(例えば特許文献1参照)。ヒートシンク内には冷媒が流通する流路が形成されており、これにより、バッテリーの熱を冷媒によって下げることができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-127087号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、車両に搭載するバッテリーの容量を変更する場合がある。例えばバッテリー容量を増加させるために、バッテリーセル数の多いバッテリーに変更する場合がある。
【0005】
バッテリー容量の変更に伴って、バッテリー冷却装置の構成も変更する必要がある。一般には、バッテリー容量を大きくするほど、バッテリー冷却装置の冷却能力(例えばヒートシンクの数)も増加させる必要がある。
【0006】
バッテリー容量の変更に伴ってバッテリー冷却装置の冷却能力を変更する第1の方法として、予め想定し得る最大のバッテリー容量を冷却可能な能力を有するバッテリー冷却装置を搭載しておき、バッテリー容量に応じて流量調整弁などを閉じることで、バッテリー冷却装置の利用範囲を限定する方法が考えられる。
【0007】
また第2の方法として、バッテリー容量の増加に伴って、バッテリー冷却装置の構成を拡張していく(例えばヒートシンクの数を拡張していく)方法が考えられる。
【0008】
しかしながら、第1の方法では、予め想定し得る最大のバッテリー容量を冷却可能な能力を有するバッテリー冷却装置を搭載しておく必要があるので、バッテリーの容量を増加させない場合には、無駄に大型のバッテリー冷却装置を搭載することとなる。
【0009】
また、第2の方法では、バッテリー冷却装置の構成を拡張していく(ヒートシンクの数を拡張していく)にあたって、ヒートシンクに供給する冷媒の流量を等しくしてバッテリー全体で均一な冷却を実現するためには、既存部位と拡張部位との間で微妙な流量調整が必要となり、流量調整に関わる構成が複雑化することが考えられる。
【0010】
特に、商用車のように車種によってバッテリー容量を変更することが多い場合には、その都度、バッテリー冷却装置の設計を変更したり、微妙な冷媒の流量調整が必要となる。
【0011】
本開示は、以上の点を考慮してなされたものであり、バッテリー容量を変更した場合でも容易に冷却能力を拡張可能なバッテリー冷却装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本開示のバッテリー冷却装置の一つの態様は、
冷媒が流通する流路が形成されたヒートシンクを用いてバッテリーを冷却する車両のバッテリー冷却装置であって、
複数の前記ヒートシンクが並列接続されたヒートシンク群と、
前記ヒートシンク群に接続された主流管と、
を有する単位ヒートシンクセットを備え、
前記主流管は、
他の単位ヒートシンクセットの主流管を挿抜自在に接続可能な接続部と、
前記主流管から前記ヒートシンク群へと流れる冷媒の流量を調整する主流量調整弁と、
を有する。
【発明の効果】
【0013】
本開示によれば、バッテリー容量を変更した場合でも容易に冷却能力を拡張可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施の形態に係るバッテリー冷却装置の主要構成の説明に供する図
図2】ヒートシンクセットの後段にさらなるヒートシンクセットを直列に接続した状態を示す図
図3】接続部の構成例を示す斜視図
図4】実施の形態のヒートシンクの構成例を示す略線的斜視図
図5】ヒートシンクを示す略線的斜視図
図6】単位流路の折り返し幅をセル幅と同等にした例を示す略線的斜視図
図7】他の実施の形態を示す図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。本実施の形態のバッテリー及びバッテリー冷却装置は、車両に搭載される。
【0016】
<バッテリー冷却装置の全体構成>
図1は、実施の形態に係るバッテリー冷却装置1の主要構成の説明に供する図である。
【0017】
バッテリー冷却装置1は、複数の単位ヒートシンクセット10、20を接続することで、バッテリー容量の増加に伴って冷却能力を増加させることができるようになっている。
【0018】
図1の場合、ヒートシンクセット10は最初から搭載されるものであり、ヒートシンクセット20はバッテリー容量の増加に伴ってヒートシンクセット10に直列に接続される。なお、実施の形態の例では、ヒートシンク10、20を構成しているヒートシンク100-1、………、100-8は、それぞれ、別々のモジュールによって実現されている。
【0019】
1つのモジュール(つまり1つ1つのヒートシンク100-1、………、100-8)は、それぞれ、別々のバッテリーパックを冷却するものであってもよい。また、1つのモジュール(つまり1つ1つのヒートシンク100-1、………、100-8)は、1つのバッテリーパックを分割した領域をそれぞれ冷却するものであってもよい。
【0020】
ヒートシンクセット10は、ヒートシンク群100-1~100-4と、主流管11と、分岐管12と、分岐流量調整弁13と、接続部14と、を有する。ヒートシンク群100-1~100-4は、互いに並列に接続されている。主流管11には、図示しない冷媒供給装置から純水やフッ素系不活性液体などの冷媒が流入される。主流管11の冷媒は、ヒートシンク群100-1~100-4に供給される。
【0021】
ヒートシンクセット20は、ヒートシンク群100-5~100-8と、主流管21と、分岐管22と、分岐流量調整弁23と、接続部24と、主流量調整弁25と、を有する。ヒートシンク群100-5~100-8は、互いに並列に接続されている。
【0022】
ヒートシンクセット10の接続部14にヒートシンクセット20の接続部24を接続することにより、ヒートシンクセット20に冷媒を供給することができる。
【0023】
また、ヒートシンクセット20に含まれるヒートシンク群100-5~100-8に供給する冷媒の流量は、主流量調整弁25の開度に基づいて一括して調整できる。例えば、主流量調整弁25の開度は、自身の単位ヒートシンクセット20のヒートシンク群100-5~100-8に含まれるヒートシンクの数(図1の例では4個)に基づいて調整される。
【0024】
このようにすることで、細かい調整無しに、全てのヒートシンク100-1~100-8に同じ流速の冷媒を供給できる。例えば、分岐流量調整弁13、23は微調整することなく全て全開の状態でも、主流量調整弁25の開度のみで全てのヒートシンク100-1~100-8に同じ流速の冷媒を供給できる。
【0025】
なお、図1中の網掛けで示した流路は、ヒートシンク100-1~100-8での冷却に使われた後の冷媒の流路を示すものである。
【0026】
図2は、さらなるバッテリー容量の増加に伴って、ヒートシンクセット20の後段にさらなるヒートシンクセット30を直列に接続した状態を示すものである。
【0027】
ヒートシンクセット20と同様に、ヒートシンクセット30は、ヒートシンク群100-9~100-12と、主流管31と、分岐管32と、分岐流量調整弁33と、接続部34と、主流量調整弁35と、を有する。ヒートシンク群100-9~100-12は、互いに並列に接続されている。
【0028】
ヒートシンクセット20の接続部24’にヒートシンクセット30の接続部34を接続することにより、ヒートシンクセット30に冷媒を供給することができる。
【0029】
また、ヒートシンクセット30に含まれるヒートシンク群100-9~100-12に供給する冷媒の流量は、主流量調整弁35の開度に基づいて一括して調整できる。例えば、主流量調整弁35の開度は、自身の単位ヒートシンクセット30のヒートシンク群100-9~100-12に含まれるヒートシンクの数(図2の例では4個)に基づいて調整される。
【0030】
勿論、ヒートシンクセット30の後段にさらなるヒートシンクセット(図示せず)を直列に接続するようにしてもよい。
【0031】
図3は、接続部14、24、24’、34の構成例を示す斜視図である。接続部14、24、24’、34は、図示したようなクイックコネクターによって構成することが好ましい。クイックコネクターを用いれば、主流管11、21、31同士を簡単に直列接続することができる。
【0032】
なお、図1及び図2では、冷媒の入口側の主流管の接続部14、24、24’、34を図示したが、実際には冷媒の出口側の主流管にも同様の接続部(図示せず)を設けるとよい。ただし、冷媒の出口側の主流管は必ずしも直列に接続されなくてもよい。
【0033】
<ヒートシンクの構成>
次に、各ヒートシンク100(100-1~100-12)の構成について、図4図6を用いて詳しく説明する。
【0034】
バッテリーは、バッテリーパック(図示せず)と、その内部に配設される複数のバッテリーセル111と、を有する。各ヒートシンク100は、図4及び図5に示したような流路101を有する。本実施の形態では、各ヒートシンク100は、バッテリーの下面にバッテリーに隣接して配置されている。
【0035】
実際上、ヒートシンク100の流路101は、例えばアルミ板に押出加工を施すことにより形成される。
【0036】
本実施の形態の場合、ヒートシンク100内には複数の単位流路101-1、101-2、101-3、101-4、………が形成されている。各単位流路101-1、101-2、101-3、101-4、………は、バッテリーセル111のセル幅以下の幅で折り返されたU字形状とされている。実際上、単位流路101-1、101-2、101-3、101-4、………は、それぞれ、往路101a、復路101b及び折返し路101cを有する。
【0037】
各単位流路101-1、101-2、101-3、101-4、………は、バッテリーセル111のセル幅以下の幅で折り返されたU字形状とされていることにより、各バッテリーセル111を、1以上の単位流路101-1、101-2、101-3、101-4、………が通過するようになる。
【0038】
図4は、単位流路101-1、101-2、101-3、101-4、………の折り返し幅をセル幅の略1/2にした例である。この場合、1つのバッテリーセル111に対して2つの単位流路101-1、101-2、101-3、101-4、………を通過させることが可能となる。
【0039】
図6は、単位流路101-1、101-2、101-3、101-4、………の折り返し幅をセル幅と同等にした例である。この場合、1つのバッテリーセル111に対して1つの単位流路101-1、101-2、101-3、101-4、………を通過させることが可能となる。
【0040】
図4及び図6から分かるように、バッテリーは、バッテリーパック内に複数のバッテリーセル111が縦方向及び横方向に配置されて構成されており、単位流路101-1、101-2、101-3、101-4、………は、縦方向の複数のバッテリーセル111に亘って延在し、かつ、横方向に亘って複数形成されている。また、単位流路101-1、101-2、101-3、101-4、………は、横方向の1つのバッテリーセルにつき1以上形成されている。具体的には、図4の例では横方向の1つのバッテリーセルにつき2つの単位流路101-1、101-2、101-3、101-4、………が形成されており、図6の例では横方向の1つのバッテリーセルにつき1つの単位流路101-1、101-2、101-3、101-4、………が形成されている。
【0041】
各単位流路101-1、101-2、101-3、101-4、………には、一端からバッテリーセル111を冷却する前の冷媒が流入されるとともに、他端からバッテリーセル111を冷却した後の冷媒が排出される。実際上、各単位流路101-1、101-2、101-3、101-4、………の一端には、分岐管12、22、32を介して冷媒が流入される。
【0042】
本実施の形態のヒートシンク100は、このような単位流路101-1、101-2、101-3、101-4、………を有するので、バッテリーセル111を、縦方向及び横方向の位置に関係なく、ほぼ同じ温度に冷却することができる。この点について、図4を用いて説明する。
【0043】
先ず、縦方向のバッテリーセル111の温度について説明する。極端な例として、冷媒の出入口に最も近い位置に配置されているバッテリーセル111x1の温度と、折り返し路101cに最も近い位置に配置されているバッテリーセル111x2の温度と、を比較する。
【0044】
バッテリーセル111x1は、往路101aにおいて温度が最も低い冷媒と、復路101bにおいて温度が最も高い冷媒とが通過する。よって、バッテリーセル111x1に対する冷却効果は中程度であると言える。
【0045】
一方、バッテリーセル111x2は、往路101aにおいて温度が最も高い冷媒と、復路101bにおいて温度が最も低い冷媒とが通過する。よって、バッテリーセル111x2に対する冷却効果は中程度であると言える。
【0046】
したがって、バッテリーセル111x1に対する冷却とバッテリーセル111x2に対する冷却は同程度に行われ、縦方向での温度の偏りは生じない。
【0047】
次に、横方向のバッテリーセル111の温度について説明する。例として、バッテリーセル111x1の温度と、バッテリーセル111x3の温度と、を比較する。
【0048】
バッテリーセル111x1と、バッテリーセル111x3は、どちらも、同数の往路101aと復路101bが通過するので、バッテリーセル111x1に対する冷却とバッテリーセル111x3に対する冷却は同程度に行われる。よって、横方向での温度の偏りは生じない。
【0049】
よって、ヒートシンク100に、バッテリーセル111のセル幅以下の幅で折り返されたU字形状を有する単位流路101-1、101-2、101-3、101-4、………を形成したので、バッテリーセル111間での温度の偏りを低減し、ひいてはバッテリー寿命を延ばすことができるようになる。
【0050】
<まとめ>
以上説明したように、本実施の形態によれば、冷媒が流通する流路101が形成されたヒートシンク100を用いてバッテリーを冷却する車両のバッテリー冷却装置において、複数のヒートシンク100が並列接続されたヒートシンク群100-1~100-4、100-5~100-8、100-9~100-12と、ヒートシンク群100-1~100-4、100-5~100-8、100-9~100-12に接続された主流管11、21、31と、を有する単位ヒートシンクセット10、20、30を備え、主流管11、21、31は、他の単位ヒートシンクセットの主流管を挿抜自在に接続可能な接続部14、24、24’、34と、主流管11、21、31からヒートシンク群100-1~100-4、100-5~100-8、100-9~100-12へと流れる冷媒の流量を調整する主流量調整弁25、35と、を有する。
【0051】
これにより、主流管を21、31を直列接続していくだけで、簡単にヒートシンク100を増設することができ、かつ、主流量調整弁25、35を調整するだけで、簡単にヒートシンク群100-1~100-4、100-5~100-8、100-9~100-12と、ヒートシンク群100-1~100-4、100-5~100-8、100-9~100-12の流量が同じになるように調整できる。
【0052】
この結果、バッテリー容量を変更した場合でも容易に冷却能力を拡張可能なバッテリー冷却装置を実現できる。
【0053】
上述の実施の形態は、本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することの無い範囲で、様々な形で実施することができる。
【0054】
上述の実施の形態では、各単位流路101-1、101-2、101-3、101-4、………は、セル幅以下の幅で折り返された1つのU字形状からなる場合について述べたが、本発明はこれに限らず、各単位流路101-1、101-2、101-3、101-4、………は、2つ以上のU字形状を有していてもよい。つまり、各単位流路101-1、101-2、101-3、101-4、………は、2回以上折り返されたものであってもよい。ただし、各単位流路101-1、101-2、101-3、101-4、………は、1つのセル幅に収まることが好ましい。よって、2回折り返す場合には折返し幅はセル幅の1/2とし、3回折り返す場合には折返し幅はセル幅の1/3とすることが好ましい。
【0055】
上述の実施の形態では、ヒートシンク100に、バッテリーセル111のセル幅以下の幅で折り返されたU字形状を有する単位流路101-1、101-2、101-3、101-4、………を形成することにより、バッテリーセル111間での温度の偏りを低減した場合について述べたが、ヒートシンク100の流路の形状はこれに限らない。例えば、図1との対応部分に同一符号を付して示した図7のように、一方向に流れる流路が形成されたヒートシンク100に対しても本発明を適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本開示は、搭載するバッテリーの容量が可変である車両のバッテリー冷却装置として有用である。
【符号の説明】
【0057】
1 バッテリー冷却装置
10、20、30 ヒートシンクセット
11、21、31 主流管
12、22、32 分岐管
13、23、33 分岐流量調整弁
14、24、24’、34 接続部
25、35 主流量調整弁
100(100-1~100-12) ヒートシンク
101 流路
101-1、101-2、101-3、101-4 単位流路
101a 往路
101b 復路
101c 折返し路
111、111x1、111x2、111x3 バッテリーセル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2023-03-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷媒が流通する流路が形成されたヒートシンクを用いてバッテリーを冷却する車両のバッテリー冷却装置であって、
複数の前記ヒートシンクが並列接続されたヒートシンク群と、
前記ヒートシンク群に接続された主流管と、
を有する単位ヒートシンクセットを備え、
前記主流管は、
他の単位ヒートシンクセットの主流管を挿抜自在に接続可能な接続部と、
前記主流管から前記ヒートシンク群へと流れる冷媒の流量を調整する主流量調整弁と、
を有し、
前記接続部は、クイックコネクターにより構成されている、
バッテリー冷却装置。
【請求項2】
前記主流管から並列接続された複数の前記ヒートシンクへのそれぞれの分岐管には、当該分岐管の流量を調整する分岐流量調整弁が設けられている、
請求項1に記載のバッテリー冷却装置。
【請求項3】
前記主流量調整弁の開度は、自身の単位ヒートシンクセットのヒートシンク群に含まれるヒートシンクの数に基づいて調整されている、
請求項1又は2に記載のバッテリー冷却装置。
【請求項4】
前記ヒートシンクに形成される前記流路は、一端から前記バッテリーセルを冷却する前の冷媒が流入されるとともに、他端から前記バッテリーセルを冷却した後の冷媒が排出される単位流路を有し、
前記単位流路は、前記バッテリーセルのセル幅以下の幅で折り返されたU字形状を有する、
請求項1から3のいずれか一項に記載のバッテリー冷却装置。